円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置
【課題】本発明は、耳の計測を正確かつ確実に行うことができ、耳プロフィールの把握が容易になるようにした装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、水平移動用ステージと、回転ステージと、その上のベースブロックと、固定チャックと、回転ステージ側方の上下移動ステージと、これに支持された接触式のセンサ部材とを具備してなり、ワークをベースブロックの回転とともに回転自在に支持し、カップ状のワークの縁部に接触した前記センサ部材をワークの回転とともにワークの全周の縁に当接させて回転位置毎のワークの縁の高さを計測自在としてなることを特徴とする。
【解決手段】本発明は、水平移動用ステージと、回転ステージと、その上のベースブロックと、固定チャックと、回転ステージ側方の上下移動ステージと、これに支持された接触式のセンサ部材とを具備してなり、ワークをベースブロックの回転とともに回転自在に支持し、カップ状のワークの縁部に接触した前記センサ部材をワークの回転とともにワークの全周の縁に当接させて回転位置毎のワークの縁の高さを計測自在としてなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム板などを円形ブランク絞り加工してカップ状に成形した場合、カップの縁に生じる山形の突起である耳のプロフィールを解析する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来一般のアルミニウム缶、特に2ピースアルミ缶においては、素材からカッピング工程、DI(Draw & Ironing)工程を経て細長い円筒状カップを作製している。その後、開口部のトリミングを行うトリミング工程、内外面の塗装を行う塗装・オーブン工程を行い、さらに蓋部と嵌め合いするための開口部ネッキング・フランジ成形を行うものである。この蓋部に用いられている素材はJIS5182合金やJIS5052合金をベースとした5xxx系合金(5000系合金)あるいは3xxx系合金(3000系合金)が用いられている。
また、軽量化やコストダウンを目的として、缶開口部のネック径(エンド径)の小径化が実施されつつあり、国内では202径(口径約52mm)、海外では200径(口径約50mm)のものが実際に使用されている。
【0003】
一方、近年になり、リシール機能を付帯したネジ付きアルミ缶、即ちアルミボトル缶が誕生した。このようなボトル缶においては、胴部の直径に対する口部の直径絞り比が前記の2ピースアルミ缶と比較して大きいために、ネッキング成形の際にシワや割れが生じやすかった。このようなボトル缶として、主に胴体部、底部およびスクリューキャップとが各々異なる部材で形成されている3ピース構造ボトル缶(以下3ピースボトル缶)と、胴体部と底部が一体に形成されてなる2ピースボトル缶(スクリューキャップ含む)とが挙げられる。なお、2ピースボトル缶は前記の2ピースアルミ缶の製造方法の一部を適用して製造されている。
【0004】
このように種々形状のものが開発されているアルミニウム缶については、蓋部材使用量の低減を図るべく、缶開口部の小径化、即ち縮径率アップが検討されている。しかしながら、縮径率をアップさせた場合、缶開口部端部にうねり(耳)が発生してしまい、蓋部との嵌め合い特性、即ち巻き締め性が劣化する問題が発生していた。
このようにアルミニウム缶を製造する技術は多岐に渡っているが、アルミニウム板を円形ブランク加工してカップ状とした場合、カップの端部に凹凸形状が生じ、この凹凸の量をカップの平均高さで規格化したものが耳率とされ、このような耳の発生位置や大小関係の解析がアルミニウム材料開発あるいはアルミニウムの加工技術開発の指針の1つとされている。
【0005】
この種の耳率の計測装置の一例として、集束された超音波を圧延材の複数方向から該圧延材の表面に所定角度傾けて入射し、それぞれ入射された超音波により発散される多重反射波を計測し、多重反射波の伝搬時間の差異から圧延材の結晶性を求め、この結晶性に基づいて耳率を計測する装置が知られている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開平7−318540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の超音波装置を用いた計測手段では、音波により計測した結晶性を介して耳率を計測するので、アルミニウム板では乱反射し易く測定誤差を生じやすい問題があり、装置構成、計測操作、計測処理ともに複雑になる問題があるので、一般には機械的に耳を直接計測する装置が使用されている。
例えば、回転台の中央部にワークとしてのカップを設置し、回転台の上方に高さ位置計測センサを設け、センサの先端に設けたローラータイプのセンサロッドをカップの縁部に直接押し付けて耳高さを計測する操作を回転台を手動回転操作しながらカップの全周に渡り繰り返し計測して耳率を求める装置が知られている。
【0007】
この装置を用いて耳率を測定し、耳プロフィールを把握するためには、カップの位置毎に高さ位置を目視で読み取った値をパソコンなどの計算装置に逐次入力して数値をプリンタにより印字し、更にパソコンなどの計算装置に備えられている表計算ソフトに数値記入してグラフ化し、把握する必要がある。
しなしながら現状の耳率測定装置では、回転台を手動操作で回転させながらカップの位置毎の高さを逐一計測するため、測定に多大な時間と労力を要する問題がある。また、測定精度においても不満があり、測定値のバラツキを生じやすい問題がある。
また、前述の如く2ピースアルミ缶、ボトル缶には種々のサイズがあるので、回転台にワークとしてのカップを固定する方法、高さの位置基準の設定、回転台の正確な回転位置決め、角度毎のデータの抽出のためのスケールセンサの位置決め、回転台のX方向とY方向の位置決めなどを正確かつ確実に行えるような耳率測定装置が望まれている。
【0008】
本発明は前記の問題に鑑みて創案されたものであり、その目的は、アルミニウム板等を円形ブランク加工してカップ状とした場合の耳の計測を正確かつ確実に行うことができ、耳プロフィールの把握が容易になるようにしたブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、水平方向に移動可能な水平移動用ステージと、該水平移動用ステージ上に設けられた回転ステージと、該回転ステージ上に回転自在に設置されたベースブロックと、該ベースブロックの上面側に設けられて異なる大きさのワークを前記ベースブロック上に把持可能な固定チャックと、前記回転ステージの側方に設けられた支持部材と、該支持部材に設けられ前記水平用移動ステージと垂直に設けられた上下移動ステージと、この上下移動ステージに支持された接触式のセンサ部材とを具備してなり、
前記固定チャックによりベースブロック上に支持されたカップ状のワークを前記ベースブロックの回転とともに回転自在に支持し、前記カップ状のワークの縁部に接触した前記センサ部材を前記ワークの回転とともに前記ワークの全周の縁に当接させて回転位置毎のワークの縁の高さを計測自在としてなることを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記固定チャックが前記ベースブロックの中心から放射向に移動自在な3本以上のチャック爪を有し、これらのチャック爪の相互間隔を調節することで前記カップ状のワークの周壁を挟んでベースブロック上においてワークを把持自在としたことを特徴とする。
本発明は、前記ベースブロック上にカップ状のワークがその開口部を上にした状態で前記固定チャックにより把持自在とされ、該把持状態において前記ワークの内部に嵌め込み自在とされる中子部材を付属してなることを特徴とする。
本発明は、前記ワークの周方向の所定位置での縁高さの計測値を前記センサ部材から受け取り、4方耳か6方耳か8方耳であるか否かと、山の平均高さをX、谷の平均高さをYとした場合に、下記(1)式に従い耳率を算出するとともに、この算出した耳率と、全周平均高さと、全周高さの標準偏差値と、最大山高さと、最小谷高さを算出してこれらの値を表示装置に表示する制御装置を備えてなることを特徴とする。
{(X−Y)/(X+Y/2)}×100 (%) …(1)式
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ベースブロック上に把持したカップ状のワークを水平移動用ステージにより水平移動させ、高さ位置を上下移動用ステージにより調節することで、センサ部材との位置合わせを行い、回転ステージによるワークの回転によりカップ状のワークの縁部を全周に渡り、高さ位置計測が出来る。
このセンサ部材によるワーク全周のデータを計測し、制御装置に送り、(1)式に従い計算することで、ワーク全周の山の平均高さ、谷の平均高さ、耳率を把握し、表示することができる。また、これらの数値に加え、全周平均高さと、全周高さの標準偏差値と、最大山高さと、最小谷高さを表示装置に表示することにより、カップ状のワークの耳プロフィールを種々の角度から総合的に認識することができる。
【0012】
固定チャックとして、ベースブロックの中心部から放射状に移動する3本のチャック爪を備える構成とすることにより、カップ状のワークの大きさの異なるものであっても、ベースブロックの中心部上においてワークの正確な把持操作が出来る。これによりベースブロックに回転と共にワークの全周をセンサ部材に正確に当接させながらワークの縁部の高さ位置計測が出来る。
ベースブロック上においてカップ状のワークをチャック爪で把持して固定する際、ワークの内部側に中子部材を嵌め込みしておくことでチャック爪がワークを変形させてしまうことがない。これにより、ワークの損傷を防止し、ワークの変形に伴う耳プロフィール計測の誤差発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の第1実施形態の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置について図面に基づいて説明する。
図1は第1実施形態の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置を示すもので、この形態の耳プロフィール解析装置Aは、図1の中央部に配置された測定部1とその左手側に配置された計測ユニット2と、右手側に配置された回転ステージコントローラ3と、その手前側に配置された制御装置5とを主体として構成されている。
【0014】
前記測定部1は、定盤6の上に設置された水平移動用ステージ7と、この水平移動用ステージ7の上に設置された回転ステージ8と、この回転ステージ8の上に設置された厚手の円盤型のベースブロック9と、このベースブロック9の上面側に設けられた固定チャック10と、前記水平移動用ステージ7の後方側に設けられ、前記水平移動用ステージと垂直に設けられた上下移動用ステージ11と、この上下移動用ステージ11に取り付けられたアーム12の先端部に装着されたセンサ部材13と、このセンサ部材13から下方に延出配置された探触子15とを主体として構成されている。
【0015】
前記水平移動用ステージ7は、図2に示す如く平行に配置されたフレーム17、17と、これらに直交する向きに沿って互いに平行に配置された案内レール18、18と、これらの案内レール18、18に沿ってスライド移動自在に設けられたテーブル19と、前記フレーム17に回転自在に軸支された駆動軸20とを備えてなり、この駆動軸20の先端部に形成されている図示略の送りネジ機構により駆動軸20の回転に応じて前記テーブル19を案内レール18、18に沿ってスライド移動できるように構成されている。なお、フレーム17の外部側に延出された駆動軸20の一端側にはハンドル部材22が装着されていて、このハンドル部材22の回転操作に応じて前記テーブル19を所定の距離だけ水平方向にスライド移動できるように構成されている。
【0016】
図3に示す回転ステージ8は、高精度パルスモータを内蔵した基部25と、基部25の上に設けられてその周回りに回転駆動されるドーナツ盤状の回転テーブル26とを主体として構成され、内蔵した高精度パルスモータの作用により回転テーブル26を全周360度に対して2度単位などの高精度で間欠的に回転駆動できるように構成されている。
前記ベースブロック9は、厚手の円盤型金属ブロックの台であって、回転テーブル26の上にボルト止めして一体化され、回転テーブル26とともに回転自在に支持されている。このベースブロック9の上面側にはその中心部から放射状に120度間隔で3本のL字形のチャック爪27が各々半径方向にスライド移動自在に配置され、これら3本のチャック爪27をベースブロック9の半径方向に移動させてそれらの間隔を狭めるか、それらの間隔を拡張することにより種々直径のワーク(円筒形のカップ)をベースブロック9の上に固定支持できるように構成されている。これらのチャック爪27はベースブロック9の上面側にその中心部から放射状に120度間隔で設置された3本のレール部材24上に個々に取り付けられている。
【0017】
なお、ベースブロック9の側部側にはレンチなどの工具を嵌合自在な凹部9aが設けられた固定台座9Aが設けられ、この凹部9aにレンチなどの工具を嵌合して回転駆動することにより前記レール部材24に沿ってチャック爪27をスライドさせて3本のチャック爪27の相互間隔を調節自在に構成されている。なお、ベースブロック9と固定台座9Aの内部には回転軸とギアを組み合わせたチャック爪27の駆動機構が内蔵されているが、ここではその詳細説明は省略する。これら3本のチャック爪27により固定チャック(スクロールチャック)が構成され、ベースブロック9の中心部上に後述の図10に示すカップ状のワークW1〜W5を把持できるように構成されている。
【0018】
前記上下移動用ステージ11は、図4に示す如く上下に水平に配置されたフレーム37、37と、これらに直交する向きに沿って互いに平行に配置された案内レール38、38と、これらの案内レール38、38に沿ってスライド移動自在に設けられたテーブル39と、前記フレーム37に回転自在に軸支された駆動軸40とを備えてなり、この駆動軸40の先端部に形成されている図示略の送りネジ機構により駆動軸40の回転に応じて前記テーブル39を案内レール38、38に沿って上下にスライド移動できるように構成されている。なお、フレーム37の外部側に延出された駆動軸40の一端側にはハンドル部材42が装着されていて、このハンドル部材42の回転操作に応じて前記テーブル39を所定の距離だけ上下方向にスライド移動できるように構成されている。
【0019】
この上下移動用ステージ11のテーブル39には、水平方向に伸びてベースブロック9の上方に位置する支持アーム12が延出形成され、この支持アーム12の先端部の支持ブロック43に上下位置計測用の探触子15を備えたセンサ部材13が支持されている。このセンサ部材13はロッド状の細長い形状とされ、支持ブロック43の先端部に上下方向に形成された取付孔43aを貫通するように装着され、支持ブロック43の先端部に水平方向に形成されたネジ孔に螺合された取付ネジ47により抜け止めされ、探触子15の上下位置の位置決めがなされている。センサ部材13は、探触子15の先端にローラー型の接触子15aを有し、この接触子15aをばね型の伸縮部を介して支持した構成とされ、接触子15aを当接させた任意の位置を基点として、この接触子15aが基点から何mm上昇したのか何mm下降したのかを接触子15aのワークに対する接触移動量に応じて検出できる構成とされている。なお、先の接触子15aの上下移動量計測精度は、例えば、(1/1000)mm程度の高精度とされている。
【0020】
更に、ベースブロック9の側方には、図7に示すように金属ブロックのベース材48上に支持されてスケールセンサ49が設けられている。このスケールセンサ49はセンサ窓49aを前記ベースブロック9の底部側周面に取り付けられた目盛り付きスケール44に対向させて設けられ、該スケール44の目盛りを読み取り、前記ベースブロック9の回転状態を計測し、スケール44の読み取りに応じて、回転ステージ8の回転角度を計測するために使用される。
【0021】
図9はワークの計測時に適用される中子部材を示す。この実施形態ではワークの大きさに応じて大型の中子部材50、小型の中子部材51、小型の中子部材52が用意されている。これらの中子部材50、51、52は硬質樹脂製の厚肉の円板状の本体部50a、50b、50cからなり、これら本体部50a、51a、51cの中心部に装着用のボルト53を螺合自在になるようにナット部55が埋め込まれている。また、大型と中型の中子部材50、51にはそれらの装着性を考慮してナット部56が別途埋設形成されており、ボルト53の螺合位置を中心部から変更することができるように構成されている。
【0022】
図10は本発明装置により耳プロフィールを計測する円筒状のワークを示すもので、この例では直径、深さ(高さ)の異なるものをワークW1、W2、W3、W4、W5として表示したが、ワークW1〜W5のいずれのものでも本実施形態の装置にて耳プロフィールを計測することができる。
【0023】
前述したセンサ部材13の計測値とスケールセンサ49の計測値は、計測ユニット2に取り付けられたコントローラ60、61の表示装置に表示されるようになっており、回転ステージ8の回転制御は回転ステージコントローラ3により制御される。計測ユニット2に取り付けられた表示装置61にはセンサ部材13の基点リセットスイッチ62が設けられ、このスイッチを押すことによりセンサ部材13の基点リセットがなされる。
なお、計測ユニット2は箱形のケース2Aの内部に各種の配線とコントローラ60、61を備えて構成されている。この計測ユニット2のケース2Aは、アルミニウム箔等で被覆してなる構成が好ましく、本実施形態のセンサ部材の測定精度は1万分の1mm程度の精度のセンサを適用するので、被覆配線同士の接触等により僅かながらも磁場の影響を受けるものであり、その分の測定バラツキも考慮し、独自のケース2Aに収納することで磁場の影響を最小限に抑制し得る構成を採用した。
また、回転ステージコントローラ3により回転制御された状態のベースブロック9の回転角度とその角度におけるセンサ部材13の計測値とスケールセンサ49の計測値はいずれもノートパソコン等の制御装置5に直に入力されるように配線され、制御装置5に設けられた表示画面において例えば、図11に示す解析画面65に出力される。
なお、この装置はコンピュータ用の専用ソフトを必要とせず、コンピュータに搭載されて利用される一般的な表計算ソフトにおけるVBA(Visual Basic for Application)で解析可能である。
【0024】
図11に示す解析画面65は、サンプルナンバーの入力欄66と、耳形態記入欄67と、セットボタン68と、耳率表示欄69と、全周平均高さ表示欄70と、全周高さの標準偏差値表示欄71と、最大山高さ表示欄72と、位置表示欄73と、最小谷高さ表示欄74と、位置表示欄75と、圧延方向表示領域76とに区画された画面として構成されている。なお、耳形態記入欄67の下方には、1.四方耳(45゜)、2.四方耳(0゜−90゜)、3.六法耳(0゜−45゜)、5.八方耳(0゜−45゜−90゜)の表示区別が表示されるようになっている。
この形態の装置において計測する耳率とは、山の平均高さをX、谷の平均高さをYとした場合に、下記(1)式に従い耳率を算出するとともに、この算出した耳率と、全周平均高さと、全周高さの標準偏差値と、最大山高さと、最小谷高さを算出してこれらの値を解析画面65に表示する。
{(X−Y)/(X+Y/2)}×100 (%) …(1)式
また、前記サンプルナンバーの入力欄66と耳形態記入欄67には使用者が制御装置5のキーボード等の入力欄から数値を入力すると表示できるように構成され、これらの数値を入力後、制御装置5の解析画面65上においてセットボタン68を押すことにより、耳プロフィールの自動計測がスタートできるように構成されている。
【0025】
実際にワークの耳プロフィールの測定を行う前に、繰り返し精度の確認試験を行うことが好ましい。
ワークとして例えばバラツキが最も生じやすい最大径100mmのカップ状のワークを複数用いて行ない、測定精度のバラツキが生じないことを確認した後に行うことが好ましい。
【0026】
前記構成の装置により耳プロフィールを計測するには、アルミニウム板に円形ブランク絞り加工を施して得た図10に示す種々形状のワーク(カップ)W1〜W5などを計測対象として使用することができる。このワークとしてより具体的には、エリクセン装置で深絞り加工したアルミニウム板からなるカップ(最小高さ15mm程度)から、DI成形前のカップ、あるいはDI缶(最大高さ165mm程度)まで広範囲の種々の大きさのワークを測定することができる。
測定対象物のワークはそのサイズが判っているので、サイズに合わせて図9に示すような中子部材をワークの内部に押し込み挿入し、カップ状のワークの周壁がチャック爪に挟まれた際に変形して損傷しないようにすることが好ましい。
耳プロフィール解析のためには、目標とするカップの高さが判明している場合は、カップの水準と同じ高さの高さ基準器(金属ブロックで製造した高さの正確に規定された柱状体の基準器)を用意しておき、この高さ基準器をベースブロック9の中心部上に載置し、水平移動用ステージ7と上下移動用ステージ11を利用してセンサ部材13の探触子15をその高さ基準器の上面に接触させた時点でコントローラー60のリセットボタン62を押してその高さを基準点としておき、この基準点を0点とみて実際のカップ状ワークの計測作業に移る。
前記探触子15に触れないように高さ基準器を取り外し、外径の合う中子部材50〜52のいずれかを例えば図10に示すカップ状のワークW1の開口部からその内部に嵌め込み、ベースブロック9の中心部上に、開口部を上にしてワークW1を設置する。
【0027】
この状態から3方チャックの間隔を狭めてワークW1をベースブロック9の中心部に把持する。ワークW1を把持する場合に、図6に示す如く樹脂のブロック80を介在させて挟んでも良い。また、図5に示す如くL字形のチャック爪27により直にカップW2を挟んでも良い。図6に示す如く樹脂のブロック80を介在させてワークW1を挟持するならば、チャック爪27による把持力を多少大きくしてもワークW1が変形することを防止できる。
この後、図5あるいは図6に示す如く水平移動用ステージ7と上下移動ステージ11によりベースブロック9とカップW1あるいはW2を移動させてカップの開口部の縁部の直上に探触子15が位置するように位置決めする。勿論、探触子15の部分に設けられているローラ型の接触子15aの回転軸をカップの直径方向に向けることによってカップの開口部周縁に沿ってローラ型の接触子15aがカップの開口周縁部をなぞることができる向きとする。
次に、回転ステージ8によりベースブロック9とともにカップを一定速度で回転させる。なお、センサ部材13の探触子15の基点リセット操作は微妙な操作であるので、探触子15とカップの縁部とが接触して意図しない時にリセットされないように慎重に扱うことが好ましい。
【0028】
回転ステージ8の回転によりワークが回転するに従い、ローラー型の接触子15aがワークW1の縁部に接触しながらワーク縁部全周の高さ位置を計測していくが、制御装置5はスケールセンサ49が読み取る回転ステージ8の回転角度に応じて例えば2゜単位で合計180のデータを採取し、前述の(1)式に従い、耳率の算出を行い、解析画面65において、耳率表示欄69と、全周平均高さ表示欄70と、全周高さの標準偏差値表示欄71と、最大山高さ表示欄72と、位置表示欄73と、最小谷高さ表示欄74にそれぞれ測定値あるいは計算値を表示する。
本実施形態の装置の導入により、従来は、手作業に負うところが多く、目盛りを目視で読み取っていて、例えば22.5゜や30゜といった角度で測定を検査員が行っていたため、読み取り精度が悪く、読み取り誤差、バラツキ共に大きかった耳率計測作業を正確かつ確実に行うことができるようになる。
また、ワークに応じて制御装置5が解析画面65に測定値を表示するので、各ワークでの耳プロフィール測定結果を正確かつ容易に把握することができる。
【実施例】
【0029】
図1〜図8に記載の装置を用いて成形カップ試料の耳プロフィールを計測した。
アルミニウム合金板から深絞り加工を行って得た、外径33mm、高さ33mm、肉厚0.25mmのカップ試料を使用し、この試料を7回繰り返し計測して繰り返し精度の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
「表1」
試料 耳率 全周平均 高さ 最大山 最小谷
No. 高さ 偏差 高さ 高さ
1 3.7 32.333 0.44 33.222 31.746
2 3.7 32.333 0.44 33.222 31.747
3 3.7 32.333 0.44 33.223 31.746
4 3.7 32.333 0.44 33.222 31.746
5 3.7 32.333 0.44 33.222 31.746
6 3.7 32.333 0.44 33.221 31.746
7 3.7 32.333 0.44 33.221 31.747
【0031】
表1に示す如く本実施例の装置では、7回全てでほぼ同じ結果を得ることができ、装置の測定精度が良好であることを確認できた。耳率については0.1%の誤差もなく、高精度であることを確認できた。
これに対してカップ試料を装着した回転台を用いて手回転により回転台を回転し、15゜毎の耳高さをスケールにより手作業で読み取る従来作業を行ってみたが、1カップにつき測定に20分、データの打ち込みとグラフ化に5分、耳率算出に5分かかり、約30分ほどの時間を要していたが、本実施例装置では3分程度で算出できた。
これにより、手作業で計測していた従来よりも1/10の時間で耳プロフィールを解析できることが判明した。
【0032】
図12は、本実施形態の装置で計測した耳プロフィールの計測結果の一例をグラフ化して制御装置5の画面上に表示したものである。図12の横軸には、円形ブランク絞り加工したワークの基となるアルミニウム板に対する圧延方向を角度として0゜〜360゜まで示し、縦軸には耳高さ(mm)を示す。
この図12に示す耳プロフィールの計測結果から、測定に供したワークは、鎖線で丸形に囲む位置に耳が生成している六方耳の試料であることを確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は本発明に係る一実施形態の耳プロフィール解析装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】図2は同解析装置に搭載される水平移動用のステージを示す平面図。
【図3】図3は同解析装置に搭載される回転ステージを示す斜視図。
【図4】図4は同解析装置に搭載される上下移動用のステージを示す平面図。
【図5】図5は同解析装置に小型のワークを挟持した状態を示す斜視図。
【図6】図6は同解析装置に大型のワークを挟持した状態を示す斜視図。
【図7】図7は同解析装置に備えられたスケールセンサの取付状態を示す斜視図。
【図8】図8は同解析装置に備えられるスケールセンサの斜視図。
【図9】図9は同解析装置に付属される中子部材の斜視図。
【図10】図10は同解析装置で解析されるワークの例を示す斜視図。
【図11】図11は同解析装置で得られる測定結果の出力画面の一例を示す図。
【図12】図12は同解析装置で得られた特性表示グラフの一例を示す図。
【符号の説明】
【0034】
A 耳プロフィール解析装置
W1〜W5 ワーク
1 測定部
2 計測ユニット
3 回転ステージコントローラ
5 制御装置
7 水平移動用ステージ、
8 回転ステージ
9 ベースブロック
10 固定チャック
11 上下移動用ステージ
13 センサ部材
15 探触子
27 チャック爪
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム板などを円形ブランク絞り加工してカップ状に成形した場合、カップの縁に生じる山形の突起である耳のプロフィールを解析する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来一般のアルミニウム缶、特に2ピースアルミ缶においては、素材からカッピング工程、DI(Draw & Ironing)工程を経て細長い円筒状カップを作製している。その後、開口部のトリミングを行うトリミング工程、内外面の塗装を行う塗装・オーブン工程を行い、さらに蓋部と嵌め合いするための開口部ネッキング・フランジ成形を行うものである。この蓋部に用いられている素材はJIS5182合金やJIS5052合金をベースとした5xxx系合金(5000系合金)あるいは3xxx系合金(3000系合金)が用いられている。
また、軽量化やコストダウンを目的として、缶開口部のネック径(エンド径)の小径化が実施されつつあり、国内では202径(口径約52mm)、海外では200径(口径約50mm)のものが実際に使用されている。
【0003】
一方、近年になり、リシール機能を付帯したネジ付きアルミ缶、即ちアルミボトル缶が誕生した。このようなボトル缶においては、胴部の直径に対する口部の直径絞り比が前記の2ピースアルミ缶と比較して大きいために、ネッキング成形の際にシワや割れが生じやすかった。このようなボトル缶として、主に胴体部、底部およびスクリューキャップとが各々異なる部材で形成されている3ピース構造ボトル缶(以下3ピースボトル缶)と、胴体部と底部が一体に形成されてなる2ピースボトル缶(スクリューキャップ含む)とが挙げられる。なお、2ピースボトル缶は前記の2ピースアルミ缶の製造方法の一部を適用して製造されている。
【0004】
このように種々形状のものが開発されているアルミニウム缶については、蓋部材使用量の低減を図るべく、缶開口部の小径化、即ち縮径率アップが検討されている。しかしながら、縮径率をアップさせた場合、缶開口部端部にうねり(耳)が発生してしまい、蓋部との嵌め合い特性、即ち巻き締め性が劣化する問題が発生していた。
このようにアルミニウム缶を製造する技術は多岐に渡っているが、アルミニウム板を円形ブランク加工してカップ状とした場合、カップの端部に凹凸形状が生じ、この凹凸の量をカップの平均高さで規格化したものが耳率とされ、このような耳の発生位置や大小関係の解析がアルミニウム材料開発あるいはアルミニウムの加工技術開発の指針の1つとされている。
【0005】
この種の耳率の計測装置の一例として、集束された超音波を圧延材の複数方向から該圧延材の表面に所定角度傾けて入射し、それぞれ入射された超音波により発散される多重反射波を計測し、多重反射波の伝搬時間の差異から圧延材の結晶性を求め、この結晶性に基づいて耳率を計測する装置が知られている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開平7−318540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の超音波装置を用いた計測手段では、音波により計測した結晶性を介して耳率を計測するので、アルミニウム板では乱反射し易く測定誤差を生じやすい問題があり、装置構成、計測操作、計測処理ともに複雑になる問題があるので、一般には機械的に耳を直接計測する装置が使用されている。
例えば、回転台の中央部にワークとしてのカップを設置し、回転台の上方に高さ位置計測センサを設け、センサの先端に設けたローラータイプのセンサロッドをカップの縁部に直接押し付けて耳高さを計測する操作を回転台を手動回転操作しながらカップの全周に渡り繰り返し計測して耳率を求める装置が知られている。
【0007】
この装置を用いて耳率を測定し、耳プロフィールを把握するためには、カップの位置毎に高さ位置を目視で読み取った値をパソコンなどの計算装置に逐次入力して数値をプリンタにより印字し、更にパソコンなどの計算装置に備えられている表計算ソフトに数値記入してグラフ化し、把握する必要がある。
しなしながら現状の耳率測定装置では、回転台を手動操作で回転させながらカップの位置毎の高さを逐一計測するため、測定に多大な時間と労力を要する問題がある。また、測定精度においても不満があり、測定値のバラツキを生じやすい問題がある。
また、前述の如く2ピースアルミ缶、ボトル缶には種々のサイズがあるので、回転台にワークとしてのカップを固定する方法、高さの位置基準の設定、回転台の正確な回転位置決め、角度毎のデータの抽出のためのスケールセンサの位置決め、回転台のX方向とY方向の位置決めなどを正確かつ確実に行えるような耳率測定装置が望まれている。
【0008】
本発明は前記の問題に鑑みて創案されたものであり、その目的は、アルミニウム板等を円形ブランク加工してカップ状とした場合の耳の計測を正確かつ確実に行うことができ、耳プロフィールの把握が容易になるようにしたブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、水平方向に移動可能な水平移動用ステージと、該水平移動用ステージ上に設けられた回転ステージと、該回転ステージ上に回転自在に設置されたベースブロックと、該ベースブロックの上面側に設けられて異なる大きさのワークを前記ベースブロック上に把持可能な固定チャックと、前記回転ステージの側方に設けられた支持部材と、該支持部材に設けられ前記水平用移動ステージと垂直に設けられた上下移動ステージと、この上下移動ステージに支持された接触式のセンサ部材とを具備してなり、
前記固定チャックによりベースブロック上に支持されたカップ状のワークを前記ベースブロックの回転とともに回転自在に支持し、前記カップ状のワークの縁部に接触した前記センサ部材を前記ワークの回転とともに前記ワークの全周の縁に当接させて回転位置毎のワークの縁の高さを計測自在としてなることを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記固定チャックが前記ベースブロックの中心から放射向に移動自在な3本以上のチャック爪を有し、これらのチャック爪の相互間隔を調節することで前記カップ状のワークの周壁を挟んでベースブロック上においてワークを把持自在としたことを特徴とする。
本発明は、前記ベースブロック上にカップ状のワークがその開口部を上にした状態で前記固定チャックにより把持自在とされ、該把持状態において前記ワークの内部に嵌め込み自在とされる中子部材を付属してなることを特徴とする。
本発明は、前記ワークの周方向の所定位置での縁高さの計測値を前記センサ部材から受け取り、4方耳か6方耳か8方耳であるか否かと、山の平均高さをX、谷の平均高さをYとした場合に、下記(1)式に従い耳率を算出するとともに、この算出した耳率と、全周平均高さと、全周高さの標準偏差値と、最大山高さと、最小谷高さを算出してこれらの値を表示装置に表示する制御装置を備えてなることを特徴とする。
{(X−Y)/(X+Y/2)}×100 (%) …(1)式
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ベースブロック上に把持したカップ状のワークを水平移動用ステージにより水平移動させ、高さ位置を上下移動用ステージにより調節することで、センサ部材との位置合わせを行い、回転ステージによるワークの回転によりカップ状のワークの縁部を全周に渡り、高さ位置計測が出来る。
このセンサ部材によるワーク全周のデータを計測し、制御装置に送り、(1)式に従い計算することで、ワーク全周の山の平均高さ、谷の平均高さ、耳率を把握し、表示することができる。また、これらの数値に加え、全周平均高さと、全周高さの標準偏差値と、最大山高さと、最小谷高さを表示装置に表示することにより、カップ状のワークの耳プロフィールを種々の角度から総合的に認識することができる。
【0012】
固定チャックとして、ベースブロックの中心部から放射状に移動する3本のチャック爪を備える構成とすることにより、カップ状のワークの大きさの異なるものであっても、ベースブロックの中心部上においてワークの正確な把持操作が出来る。これによりベースブロックに回転と共にワークの全周をセンサ部材に正確に当接させながらワークの縁部の高さ位置計測が出来る。
ベースブロック上においてカップ状のワークをチャック爪で把持して固定する際、ワークの内部側に中子部材を嵌め込みしておくことでチャック爪がワークを変形させてしまうことがない。これにより、ワークの損傷を防止し、ワークの変形に伴う耳プロフィール計測の誤差発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の第1実施形態の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置について図面に基づいて説明する。
図1は第1実施形態の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置を示すもので、この形態の耳プロフィール解析装置Aは、図1の中央部に配置された測定部1とその左手側に配置された計測ユニット2と、右手側に配置された回転ステージコントローラ3と、その手前側に配置された制御装置5とを主体として構成されている。
【0014】
前記測定部1は、定盤6の上に設置された水平移動用ステージ7と、この水平移動用ステージ7の上に設置された回転ステージ8と、この回転ステージ8の上に設置された厚手の円盤型のベースブロック9と、このベースブロック9の上面側に設けられた固定チャック10と、前記水平移動用ステージ7の後方側に設けられ、前記水平移動用ステージと垂直に設けられた上下移動用ステージ11と、この上下移動用ステージ11に取り付けられたアーム12の先端部に装着されたセンサ部材13と、このセンサ部材13から下方に延出配置された探触子15とを主体として構成されている。
【0015】
前記水平移動用ステージ7は、図2に示す如く平行に配置されたフレーム17、17と、これらに直交する向きに沿って互いに平行に配置された案内レール18、18と、これらの案内レール18、18に沿ってスライド移動自在に設けられたテーブル19と、前記フレーム17に回転自在に軸支された駆動軸20とを備えてなり、この駆動軸20の先端部に形成されている図示略の送りネジ機構により駆動軸20の回転に応じて前記テーブル19を案内レール18、18に沿ってスライド移動できるように構成されている。なお、フレーム17の外部側に延出された駆動軸20の一端側にはハンドル部材22が装着されていて、このハンドル部材22の回転操作に応じて前記テーブル19を所定の距離だけ水平方向にスライド移動できるように構成されている。
【0016】
図3に示す回転ステージ8は、高精度パルスモータを内蔵した基部25と、基部25の上に設けられてその周回りに回転駆動されるドーナツ盤状の回転テーブル26とを主体として構成され、内蔵した高精度パルスモータの作用により回転テーブル26を全周360度に対して2度単位などの高精度で間欠的に回転駆動できるように構成されている。
前記ベースブロック9は、厚手の円盤型金属ブロックの台であって、回転テーブル26の上にボルト止めして一体化され、回転テーブル26とともに回転自在に支持されている。このベースブロック9の上面側にはその中心部から放射状に120度間隔で3本のL字形のチャック爪27が各々半径方向にスライド移動自在に配置され、これら3本のチャック爪27をベースブロック9の半径方向に移動させてそれらの間隔を狭めるか、それらの間隔を拡張することにより種々直径のワーク(円筒形のカップ)をベースブロック9の上に固定支持できるように構成されている。これらのチャック爪27はベースブロック9の上面側にその中心部から放射状に120度間隔で設置された3本のレール部材24上に個々に取り付けられている。
【0017】
なお、ベースブロック9の側部側にはレンチなどの工具を嵌合自在な凹部9aが設けられた固定台座9Aが設けられ、この凹部9aにレンチなどの工具を嵌合して回転駆動することにより前記レール部材24に沿ってチャック爪27をスライドさせて3本のチャック爪27の相互間隔を調節自在に構成されている。なお、ベースブロック9と固定台座9Aの内部には回転軸とギアを組み合わせたチャック爪27の駆動機構が内蔵されているが、ここではその詳細説明は省略する。これら3本のチャック爪27により固定チャック(スクロールチャック)が構成され、ベースブロック9の中心部上に後述の図10に示すカップ状のワークW1〜W5を把持できるように構成されている。
【0018】
前記上下移動用ステージ11は、図4に示す如く上下に水平に配置されたフレーム37、37と、これらに直交する向きに沿って互いに平行に配置された案内レール38、38と、これらの案内レール38、38に沿ってスライド移動自在に設けられたテーブル39と、前記フレーム37に回転自在に軸支された駆動軸40とを備えてなり、この駆動軸40の先端部に形成されている図示略の送りネジ機構により駆動軸40の回転に応じて前記テーブル39を案内レール38、38に沿って上下にスライド移動できるように構成されている。なお、フレーム37の外部側に延出された駆動軸40の一端側にはハンドル部材42が装着されていて、このハンドル部材42の回転操作に応じて前記テーブル39を所定の距離だけ上下方向にスライド移動できるように構成されている。
【0019】
この上下移動用ステージ11のテーブル39には、水平方向に伸びてベースブロック9の上方に位置する支持アーム12が延出形成され、この支持アーム12の先端部の支持ブロック43に上下位置計測用の探触子15を備えたセンサ部材13が支持されている。このセンサ部材13はロッド状の細長い形状とされ、支持ブロック43の先端部に上下方向に形成された取付孔43aを貫通するように装着され、支持ブロック43の先端部に水平方向に形成されたネジ孔に螺合された取付ネジ47により抜け止めされ、探触子15の上下位置の位置決めがなされている。センサ部材13は、探触子15の先端にローラー型の接触子15aを有し、この接触子15aをばね型の伸縮部を介して支持した構成とされ、接触子15aを当接させた任意の位置を基点として、この接触子15aが基点から何mm上昇したのか何mm下降したのかを接触子15aのワークに対する接触移動量に応じて検出できる構成とされている。なお、先の接触子15aの上下移動量計測精度は、例えば、(1/1000)mm程度の高精度とされている。
【0020】
更に、ベースブロック9の側方には、図7に示すように金属ブロックのベース材48上に支持されてスケールセンサ49が設けられている。このスケールセンサ49はセンサ窓49aを前記ベースブロック9の底部側周面に取り付けられた目盛り付きスケール44に対向させて設けられ、該スケール44の目盛りを読み取り、前記ベースブロック9の回転状態を計測し、スケール44の読み取りに応じて、回転ステージ8の回転角度を計測するために使用される。
【0021】
図9はワークの計測時に適用される中子部材を示す。この実施形態ではワークの大きさに応じて大型の中子部材50、小型の中子部材51、小型の中子部材52が用意されている。これらの中子部材50、51、52は硬質樹脂製の厚肉の円板状の本体部50a、50b、50cからなり、これら本体部50a、51a、51cの中心部に装着用のボルト53を螺合自在になるようにナット部55が埋め込まれている。また、大型と中型の中子部材50、51にはそれらの装着性を考慮してナット部56が別途埋設形成されており、ボルト53の螺合位置を中心部から変更することができるように構成されている。
【0022】
図10は本発明装置により耳プロフィールを計測する円筒状のワークを示すもので、この例では直径、深さ(高さ)の異なるものをワークW1、W2、W3、W4、W5として表示したが、ワークW1〜W5のいずれのものでも本実施形態の装置にて耳プロフィールを計測することができる。
【0023】
前述したセンサ部材13の計測値とスケールセンサ49の計測値は、計測ユニット2に取り付けられたコントローラ60、61の表示装置に表示されるようになっており、回転ステージ8の回転制御は回転ステージコントローラ3により制御される。計測ユニット2に取り付けられた表示装置61にはセンサ部材13の基点リセットスイッチ62が設けられ、このスイッチを押すことによりセンサ部材13の基点リセットがなされる。
なお、計測ユニット2は箱形のケース2Aの内部に各種の配線とコントローラ60、61を備えて構成されている。この計測ユニット2のケース2Aは、アルミニウム箔等で被覆してなる構成が好ましく、本実施形態のセンサ部材の測定精度は1万分の1mm程度の精度のセンサを適用するので、被覆配線同士の接触等により僅かながらも磁場の影響を受けるものであり、その分の測定バラツキも考慮し、独自のケース2Aに収納することで磁場の影響を最小限に抑制し得る構成を採用した。
また、回転ステージコントローラ3により回転制御された状態のベースブロック9の回転角度とその角度におけるセンサ部材13の計測値とスケールセンサ49の計測値はいずれもノートパソコン等の制御装置5に直に入力されるように配線され、制御装置5に設けられた表示画面において例えば、図11に示す解析画面65に出力される。
なお、この装置はコンピュータ用の専用ソフトを必要とせず、コンピュータに搭載されて利用される一般的な表計算ソフトにおけるVBA(Visual Basic for Application)で解析可能である。
【0024】
図11に示す解析画面65は、サンプルナンバーの入力欄66と、耳形態記入欄67と、セットボタン68と、耳率表示欄69と、全周平均高さ表示欄70と、全周高さの標準偏差値表示欄71と、最大山高さ表示欄72と、位置表示欄73と、最小谷高さ表示欄74と、位置表示欄75と、圧延方向表示領域76とに区画された画面として構成されている。なお、耳形態記入欄67の下方には、1.四方耳(45゜)、2.四方耳(0゜−90゜)、3.六法耳(0゜−45゜)、5.八方耳(0゜−45゜−90゜)の表示区別が表示されるようになっている。
この形態の装置において計測する耳率とは、山の平均高さをX、谷の平均高さをYとした場合に、下記(1)式に従い耳率を算出するとともに、この算出した耳率と、全周平均高さと、全周高さの標準偏差値と、最大山高さと、最小谷高さを算出してこれらの値を解析画面65に表示する。
{(X−Y)/(X+Y/2)}×100 (%) …(1)式
また、前記サンプルナンバーの入力欄66と耳形態記入欄67には使用者が制御装置5のキーボード等の入力欄から数値を入力すると表示できるように構成され、これらの数値を入力後、制御装置5の解析画面65上においてセットボタン68を押すことにより、耳プロフィールの自動計測がスタートできるように構成されている。
【0025】
実際にワークの耳プロフィールの測定を行う前に、繰り返し精度の確認試験を行うことが好ましい。
ワークとして例えばバラツキが最も生じやすい最大径100mmのカップ状のワークを複数用いて行ない、測定精度のバラツキが生じないことを確認した後に行うことが好ましい。
【0026】
前記構成の装置により耳プロフィールを計測するには、アルミニウム板に円形ブランク絞り加工を施して得た図10に示す種々形状のワーク(カップ)W1〜W5などを計測対象として使用することができる。このワークとしてより具体的には、エリクセン装置で深絞り加工したアルミニウム板からなるカップ(最小高さ15mm程度)から、DI成形前のカップ、あるいはDI缶(最大高さ165mm程度)まで広範囲の種々の大きさのワークを測定することができる。
測定対象物のワークはそのサイズが判っているので、サイズに合わせて図9に示すような中子部材をワークの内部に押し込み挿入し、カップ状のワークの周壁がチャック爪に挟まれた際に変形して損傷しないようにすることが好ましい。
耳プロフィール解析のためには、目標とするカップの高さが判明している場合は、カップの水準と同じ高さの高さ基準器(金属ブロックで製造した高さの正確に規定された柱状体の基準器)を用意しておき、この高さ基準器をベースブロック9の中心部上に載置し、水平移動用ステージ7と上下移動用ステージ11を利用してセンサ部材13の探触子15をその高さ基準器の上面に接触させた時点でコントローラー60のリセットボタン62を押してその高さを基準点としておき、この基準点を0点とみて実際のカップ状ワークの計測作業に移る。
前記探触子15に触れないように高さ基準器を取り外し、外径の合う中子部材50〜52のいずれかを例えば図10に示すカップ状のワークW1の開口部からその内部に嵌め込み、ベースブロック9の中心部上に、開口部を上にしてワークW1を設置する。
【0027】
この状態から3方チャックの間隔を狭めてワークW1をベースブロック9の中心部に把持する。ワークW1を把持する場合に、図6に示す如く樹脂のブロック80を介在させて挟んでも良い。また、図5に示す如くL字形のチャック爪27により直にカップW2を挟んでも良い。図6に示す如く樹脂のブロック80を介在させてワークW1を挟持するならば、チャック爪27による把持力を多少大きくしてもワークW1が変形することを防止できる。
この後、図5あるいは図6に示す如く水平移動用ステージ7と上下移動ステージ11によりベースブロック9とカップW1あるいはW2を移動させてカップの開口部の縁部の直上に探触子15が位置するように位置決めする。勿論、探触子15の部分に設けられているローラ型の接触子15aの回転軸をカップの直径方向に向けることによってカップの開口部周縁に沿ってローラ型の接触子15aがカップの開口周縁部をなぞることができる向きとする。
次に、回転ステージ8によりベースブロック9とともにカップを一定速度で回転させる。なお、センサ部材13の探触子15の基点リセット操作は微妙な操作であるので、探触子15とカップの縁部とが接触して意図しない時にリセットされないように慎重に扱うことが好ましい。
【0028】
回転ステージ8の回転によりワークが回転するに従い、ローラー型の接触子15aがワークW1の縁部に接触しながらワーク縁部全周の高さ位置を計測していくが、制御装置5はスケールセンサ49が読み取る回転ステージ8の回転角度に応じて例えば2゜単位で合計180のデータを採取し、前述の(1)式に従い、耳率の算出を行い、解析画面65において、耳率表示欄69と、全周平均高さ表示欄70と、全周高さの標準偏差値表示欄71と、最大山高さ表示欄72と、位置表示欄73と、最小谷高さ表示欄74にそれぞれ測定値あるいは計算値を表示する。
本実施形態の装置の導入により、従来は、手作業に負うところが多く、目盛りを目視で読み取っていて、例えば22.5゜や30゜といった角度で測定を検査員が行っていたため、読み取り精度が悪く、読み取り誤差、バラツキ共に大きかった耳率計測作業を正確かつ確実に行うことができるようになる。
また、ワークに応じて制御装置5が解析画面65に測定値を表示するので、各ワークでの耳プロフィール測定結果を正確かつ容易に把握することができる。
【実施例】
【0029】
図1〜図8に記載の装置を用いて成形カップ試料の耳プロフィールを計測した。
アルミニウム合金板から深絞り加工を行って得た、外径33mm、高さ33mm、肉厚0.25mmのカップ試料を使用し、この試料を7回繰り返し計測して繰り返し精度の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
「表1」
試料 耳率 全周平均 高さ 最大山 最小谷
No. 高さ 偏差 高さ 高さ
1 3.7 32.333 0.44 33.222 31.746
2 3.7 32.333 0.44 33.222 31.747
3 3.7 32.333 0.44 33.223 31.746
4 3.7 32.333 0.44 33.222 31.746
5 3.7 32.333 0.44 33.222 31.746
6 3.7 32.333 0.44 33.221 31.746
7 3.7 32.333 0.44 33.221 31.747
【0031】
表1に示す如く本実施例の装置では、7回全てでほぼ同じ結果を得ることができ、装置の測定精度が良好であることを確認できた。耳率については0.1%の誤差もなく、高精度であることを確認できた。
これに対してカップ試料を装着した回転台を用いて手回転により回転台を回転し、15゜毎の耳高さをスケールにより手作業で読み取る従来作業を行ってみたが、1カップにつき測定に20分、データの打ち込みとグラフ化に5分、耳率算出に5分かかり、約30分ほどの時間を要していたが、本実施例装置では3分程度で算出できた。
これにより、手作業で計測していた従来よりも1/10の時間で耳プロフィールを解析できることが判明した。
【0032】
図12は、本実施形態の装置で計測した耳プロフィールの計測結果の一例をグラフ化して制御装置5の画面上に表示したものである。図12の横軸には、円形ブランク絞り加工したワークの基となるアルミニウム板に対する圧延方向を角度として0゜〜360゜まで示し、縦軸には耳高さ(mm)を示す。
この図12に示す耳プロフィールの計測結果から、測定に供したワークは、鎖線で丸形に囲む位置に耳が生成している六方耳の試料であることを確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は本発明に係る一実施形態の耳プロフィール解析装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】図2は同解析装置に搭載される水平移動用のステージを示す平面図。
【図3】図3は同解析装置に搭載される回転ステージを示す斜視図。
【図4】図4は同解析装置に搭載される上下移動用のステージを示す平面図。
【図5】図5は同解析装置に小型のワークを挟持した状態を示す斜視図。
【図6】図6は同解析装置に大型のワークを挟持した状態を示す斜視図。
【図7】図7は同解析装置に備えられたスケールセンサの取付状態を示す斜視図。
【図8】図8は同解析装置に備えられるスケールセンサの斜視図。
【図9】図9は同解析装置に付属される中子部材の斜視図。
【図10】図10は同解析装置で解析されるワークの例を示す斜視図。
【図11】図11は同解析装置で得られる測定結果の出力画面の一例を示す図。
【図12】図12は同解析装置で得られた特性表示グラフの一例を示す図。
【符号の説明】
【0034】
A 耳プロフィール解析装置
W1〜W5 ワーク
1 測定部
2 計測ユニット
3 回転ステージコントローラ
5 制御装置
7 水平移動用ステージ、
8 回転ステージ
9 ベースブロック
10 固定チャック
11 上下移動用ステージ
13 センサ部材
15 探触子
27 チャック爪
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に移動可能な水平移動用ステージと、該水平移動用ステージ上に設けられた回転ステージと、該回転ステージ上に回転自在に設置されたベースブロックと、該ベースブロックの上面側に設けられて異なる大きさのワークを前記ベースブロック上に把持可能な固定チャックと、前記回転ステージの側方に設けられた支持部材と、該支持部材に設けられ前記水平移動用ステージと垂直に設けられた上下移動ステージと、この上下移動ステージに支持された接触式のセンサ部材とを具備してなり、
前記固定チャックによりベースブロック上に支持されたカップ状のワークを前記ベースブロックの回転とともに回転自在に支持し、前記カップ状のワークの縁部に接触した前記センサ部材を前記ワークの回転とともに前記ワークの全周の縁に当接させて回転位置毎のワークの縁の高さを計測自在としてなることを特徴とする円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置。
【請求項2】
前記固定チャックが前記ベースブロックの中心から放射向に移動自在な3本以上のチャック爪を有し、これらのチャック爪の相互間隔を調節することで前記カップ状のワークの周壁を挟んでベースブロック上においてワークを把持自在としたことを特徴とする請求項1に記載の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置。
【請求項3】
前記ベースブロック上にカップ状のワークがその開口部を上にした状態で前記固定チャックにより把持自在とされ、該把持状態において前記ワークの内部に嵌め込み自在とされる中子部材を付属してなることを特徴とする請求項1または2に記載の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置。
【請求項4】
前記ワークの周方向の所定位置での縁高さの計測値を前記センサ部材から受け取り、4方耳か6方耳か8方耳であるか否かと、山の平均高さをX、谷の平均高さをYとした場合に、下記(1)式に従い耳率を算出するとともに、この算出した耳率と、全周平均高さと、全周高さの標準偏差値と、最大山高さと、最小谷高さを算出してこれらの値を表示装置に表示する制御装置を備えてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置。
{(X−Y)/(X+Y/2)}×100 (%) …(1)式
【請求項1】
水平方向に移動可能な水平移動用ステージと、該水平移動用ステージ上に設けられた回転ステージと、該回転ステージ上に回転自在に設置されたベースブロックと、該ベースブロックの上面側に設けられて異なる大きさのワークを前記ベースブロック上に把持可能な固定チャックと、前記回転ステージの側方に設けられた支持部材と、該支持部材に設けられ前記水平移動用ステージと垂直に設けられた上下移動ステージと、この上下移動ステージに支持された接触式のセンサ部材とを具備してなり、
前記固定チャックによりベースブロック上に支持されたカップ状のワークを前記ベースブロックの回転とともに回転自在に支持し、前記カップ状のワークの縁部に接触した前記センサ部材を前記ワークの回転とともに前記ワークの全周の縁に当接させて回転位置毎のワークの縁の高さを計測自在としてなることを特徴とする円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置。
【請求項2】
前記固定チャックが前記ベースブロックの中心から放射向に移動自在な3本以上のチャック爪を有し、これらのチャック爪の相互間隔を調節することで前記カップ状のワークの周壁を挟んでベースブロック上においてワークを把持自在としたことを特徴とする請求項1に記載の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置。
【請求項3】
前記ベースブロック上にカップ状のワークがその開口部を上にした状態で前記固定チャックにより把持自在とされ、該把持状態において前記ワークの内部に嵌め込み自在とされる中子部材を付属してなることを特徴とする請求項1または2に記載の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置。
【請求項4】
前記ワークの周方向の所定位置での縁高さの計測値を前記センサ部材から受け取り、4方耳か6方耳か8方耳であるか否かと、山の平均高さをX、谷の平均高さをYとした場合に、下記(1)式に従い耳率を算出するとともに、この算出した耳率と、全周平均高さと、全周高さの標準偏差値と、最大山高さと、最小谷高さを算出してこれらの値を表示装置に表示する制御装置を備えてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の円形ブランク絞り加工成形品の耳プロフィール解析装置。
{(X−Y)/(X+Y/2)}×100 (%) …(1)式
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−157778(P2008−157778A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347467(P2006−347467)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000176707)三菱アルミニウム株式会社 (446)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000176707)三菱アルミニウム株式会社 (446)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]