説明

円筒成形溶接機

【課題】 プレス装置と溶接装置とが結合された円筒成形溶接機として、プレス作業時の振動が溶接装置へ伝達されることを防止することにより高精度な溶接を実現する。
【解決手段】 円筒成形溶接機10は、主軸12と、プレス装置13と、溶接装置14とを備える。プレス装置13は、上型19及び下型20を備える。下型20は、減速機構23を介して油圧直動シリンダ22により駆動される。減速機構23は、油圧直動シリンダ22のシリンダロッド35と、連結アーム44、45とを有する。この減速機構23は、いわゆるトグル機構を構成しており、シリンダロッド35が伸長すると、連結アーム44が起立する。したがって、下型20の型締速度が型締状態に近づくにつれて漸次小さくなる。上型19を駆動する油圧直動シリンダ21は、クッション機構を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の部材を曲成し、その端部同士を溶接することによって円筒部材を成形する円筒成形溶接機の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、電動機のケーシングないし自動車のマフラー等には円筒部材が採用される。このような円筒部材は、従来から円筒成形機能付きの円筒成形溶接機によって製造されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。従来の円筒成形溶接機は、一般に曲成装置と溶接装置とを備えている。従来の円筒成形溶接機では、予め所定寸法に裁断された鋼板(ワーク)が曲成装置に搬送され、円筒状に曲げ加工される。このとき、ワークの周方向端部同士が対向配置される。その後、この円筒状に曲成されたワークは溶接装置に搬送され、上記対向配置された周方向端部同士が溶接される。
【0003】
【特許文献1】特開昭52−133053号公報
【特許文献2】特開平9−155590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の円筒成形溶接機では、上記曲成装置と溶接装置とがマンドレルによって連結されている。このため、曲成装置によって曲成されたワークがそのままマンドレルに沿って溶接装置側へ搬送されるようになっており、曲成作業と溶接作業とが効率よく行われるという利点があった。
【0005】
ところで、従来の曲成装置は、典型的にはベンディングロールを備えており、上記ワークは、このベンディングロールによって曲げ加工されていた。しかし、ベンディングロールによる曲げ加工では、真円精度の高い加工が困難である。そのため、上記曲成装置が金型を備えたプレス装置として構成される場合もある。ところが、曲成装置がプレス装置として構成された場合には、当該プレス装置と上記溶接装置とが前述のようにマンドレルにより連結されているので、ワークのプレス作業時の振動が溶接装置側へ伝達され、その結果、精度の高い溶接が困難になるという新たな問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、プレス作業時の振動が溶接装置へ伝達されることを防止することにより高精度な溶接を実現し、高精度な円筒部材を効率良く製造することができる円筒成形溶接機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る円筒成形溶接機は、主軸と、主軸の基端側に配置され、当該主軸を中子として上型及び下型によってワークを円筒状にプレス加工するプレス装置と、主軸の先端側に配置され、上記円筒状に成形されたワークの周方向端部同士を溶接する溶接装置とを有し、上記プレス装置は、上型に対する下型の相対的型締速度を減少させる減速機構を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
この構成によれば、ワークがプレス装置に供給されると、当該プレス装置は、このワークを円筒状にプレス加工する。具体的には、主軸を中子として上型と下型とによってワークがプレスされ、これにより、当該ワークが円筒状に形成される。このとき、ワークは、まず下型と主軸によって断面U字状に形成され、その後、上型と主軸によって円筒状に形成されてもよい。ただし、上型及び下型の相対的変位は、特に限定されるものではない。このプレス装置は、上記減速機構を備えているから、上型に対する下型の相対的型締速度が減少される。すなわち、下型がワークをプレスする際に当該下型の型締速度が減少され、ワークは、ソフトにプレスされる。したがって、下型の作動時に大きな衝撃が発生することはない。そして、このように円筒状に形成されたワークは、その周方向端部同士が対向配置されており、このワークは、主軸に沿って溶接装置へ送られる。溶接装置は、上記対向配置された周方向端部同士を溶接する。
【0009】
(2)上記減速機構は、上記上型に対する上記下型の変位方向に直交する方向にスライド可能に配置されたスライド軸と、当該スライド軸と上記下型とに連結され、当該スライド軸のスライド運動を上記下型の変位運動に変換する連結アームとを備えて構成されるものでもよい。
この場合、上記減速機構はいわゆるトグル機構を構成し、スライド軸がスライドされることにより、当該スライド軸に対して連結アームが倒伏するように揺動する。これにより、当該下型が上型に近接する方向に変位したときに、上型に対する下型の相対的型締速度が漸次小さくなり、その結果、ワークは、きわめてソフトにプレスされる。
【0010】
(3)上記上型は、衝撃吸収機構を備えた油圧直動シリンダによって変位されるものでもよい。
この場合、上型がワークをプレスする際にも、当該ワークはソフトにプレスされるという利点がある。
【0011】
(4)上記プレス装置は、上記ワークがプレス加工されるときに上記主軸の中間部を保持する保持機構をさらに備えているものでもよい。
この保持機構によって上記主軸の中間部が保持されるから、当該主軸は二点において支持されることになる。したがって、仮に、ワークがプレスされる際に中子として機能する主軸に衝撃が加わったとしても、主軸が変位することはない。したがって、溶接装置による高精度な溶接作業が可能となる。
【0012】
(5)上記主軸の上記溶接装置に対応する部分の外径寸法は、上記円筒状にプレス加工されたワークの内径寸法よりも小さく設定されているものでもよい。
この構成では、ワークがプレス加工されるときは主軸が中子として機能し、ワークが溶接加工されるときは主軸が当該ワークを支持する支持台として機能する。ワークは、溶接加工後に主軸から取り外される必要があるが、このときに、主軸の外径寸法がワークの内径寸法よりも小さく設定されているから、当該ワークの取外作業が容易である。
【0013】
(6)上記下型は上記主軸と協働してワークをU字状に成形するように形成され、上記上型は上記主軸と協働して上記U字状に成形されたワークを円形に成形するように形成されており、上記U字状に成形されたワークを上記上型内に導く案内手段がさらに設けられているものでもよい。
この構成では、ワークは、下型及び中子によりU字状に形成され、続いて上型と中子により円筒状に形成される。このとき、案内手段によって、U字状に形成されたワークの端部が強制的に上型内に案内される。これにより、ワークの円滑なプレス作業が可能となる。
【0014】
(7)上記プレス装置に配置された主軸に対して、少なくとも下型上昇時に主軸の上面頂部に当接するサポート軸が設けられているものでもよい。
これにより、下型が上昇し主軸と協働してワークを成形する際に、下型の負荷による主軸のしなりを抑制することができる。すなわち、上記サポート軸は、下型上昇時に主軸が曲がらないようにバックアップする役目を果す。したがって、ワークを筒状に成形する成形精度を向上することができる。
【0015】
(8)上記プレス装置が作動しているときに上記溶接装置の作動を停止させる制御装置がさらに備えられているものでもよい。
これにより、プレス加工時には、ワークの溶接作業が中止されるから、プレス作業時に発生する振動、衝撃が溶接作業中の溶接装置に伝達されることはなく、したがって、高精度な溶接作業が実現される。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の円筒成形溶接機によれば、ワークのプレス作業及び溶接作業が一連の工程にて行われるので、円筒部材の製造効率が向上される。しかも、プレス加工時に生じる振動、衝撃が溶接装置に伝達されないので、高精度な溶接作業が実現され、その結果、精度の高い円筒が成形される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る円筒成形溶接機の正面図である。
【0018】
(円筒成形溶接機の概略構成)
この円筒成形溶接機10は、ワーク16を曲成することによって円筒部材を成形するものであって、フレーム11と、フレーム11に片持ち状に支持された主軸12と、主軸12の基端側に配置されたプレス装置13と、主軸11の先端側に配置された溶接装置14と、プレス装置13及び溶接装置14の作動を制御する図示されていない制御装置15(図8参照)とを備えている。ワーク16は、本実施形態では矩形の板状鋼板等が採用され得る。このワーク16は、主軸12の基端側の下方に導かれ、後に詳述されるようにプレス装置13によって円筒状に曲成される。このように円筒状に曲成されたワーク16は、主軸12に沿って当該主軸12の先端側に移動される。溶接装置14は、後に詳述されるように、この円筒状に曲成されたワーク16の周方向端部同士を溶接し、これにより、円筒部材が形成されるようになっている。本実施形態に係る円筒成形溶接機10の特徴とするところは、プレス装置13が後述のようにワーク16をソフトにプレス加工するようになっている点であり、これにより、溶接装置14は、ワーク16に高精度な溶接加工を施すことができるようになっている。
【0019】
(プレス装置)
プレス装置13は、上記フレーム11に組み付けられたサブフレーム17、18を備えている。すなわち、このサブフレーム17、18と上記フレーム11とにより、プレス装置13の骨格が構成されている。このプレス装置13は、主軸12の上側に配置された上型19と、主軸12の下側に配置された下型20と、上型19及び下型20をそれぞれ駆動する油圧直動シリンダ21、22と、油圧直動シリンダ22と下型20との間に介在された減速機構23と、主軸12を保持する保持機構24とを備えている。
【0020】
主軸12は、真直な棒状部材である。主軸12の基端側は、その断面形状が円形に形成されている。すなわち、主軸12の基端側は、所定の外径寸法に設定された丸棒状に形成されており、後述のようにワーク16が曲成されたときに、ワークの内径寸法と主軸12の基端側の外径寸法とが一致する。また、主軸12の先端側(溶接装置14に対応する部分)は、上記所定の外径寸法よりも小さい外径寸法に設定されている。なお、主軸12の基端側、すなわちプレス装置13が配置された主軸12部分の上部においてもワークの内径寸法よりも小さい外径寸法に設定されていてもよい。
【0021】
図2は、図1におけるII−II断面図であり、図3は、図1におけるIII−III断面図である。
図2に示すように、上型19は、ブロック状に形成されており、その下面の中央に溝25が設けられている。この溝25の内壁面形状は、半円形に成形されている。溝25の両側縁に連続して傾斜面26、27(案内手段)が設けられている。また、上型19の上面30に上記油圧直動シリンダ21のシリンダロッド28が連結されている。この油圧直動シリンダ21のシリンダチューブ29は、図1に示すように上記サブフレーム17に固定されている。さらに、上型19の上面30の端部にスライドロッド31、32が立設されている。これらスライドロッド31、32は、サブフレーム17を貫通しており、このサブフレーム17によって上下方向にスライド自在な状態で支持されている。したがって、上記油圧直動シリンダ21が作動してシリンダロッド28が伸縮すると、上型19は、スライドロッド31、32に案内されながら上下にスライドする。この上型19では、図1において下方がいわゆる型締方向であり、上方がいわゆる型開方向であって、上型19は、上下方向に変位する。
【0022】
なお、上記直動シリンダ21は、クッション機構(衝撃吸収機構)を備えている。このクッション機構は既知の構成であり、シリンダチューブ29内のシリンダロッド28の端部に設けられたクッションリング、絞り弁及び逆止弁を有する。このクッション機構が設けられることにより、シリンダロッド28が全伸長する際に、伸長限界点付近から伸長速度が減速され、シリンダロッド28の全伸長時に大きな衝撃が発生することはない。また、下型20の衝突時にはオイルダンパーの役割を果すことができる。
【0023】
図2に示すように、下型20は、ブロック状に形成されており、下部のベース型20aと上部の曲げ型20bとの間にネジ機構による高さ調整機構20cを有するものからなる。そして、曲げ型20bの上面の中央に溝33が設けられている。この溝33の内壁面形状は、半円形に成形されている。また、ベース型20aの下面34に上記減速機構23が連結されている。この減速機構23は、図1に示すように、上記油圧直動シリンダ22及び上記フレーム11にも連結されている。油圧直動シリンダ22のシリンダチューブ36は、上記サブフレーム18に揺動自在に支持されている。油圧直動シリンダ22の屈曲可能なシリンダロッド35(スライド軸)には、連結アーム44,45が取付けられている。上記サブフレーム18には、油圧直動シリンダ22を支持するための支持部材37を有している。支持部材37は、上記シリンダチューブ36を傾斜姿勢から水平姿勢に揺動自在な状態で支持している。さらに、下型20のベース型20aの両側面39は、すべり軸受となって上下方向にスライド自在にサブフレーム18に挟持されている。したがって、下型20は、サブフレーム18に案内されながら上下にスライドする。なお、下型20では、図1において上方がいわゆる型締方向であり、下方がいわゆる型開方向であって、下型20は、上下方向に変位する。
【0024】
図1及び図2に示すように、上記減速機構23は、上記直動シリンダ22のシリンダロッド35と、このシリンダロッド35に取り付けられた連結アーム44、45とを備えている。上記シリンダロッド35は、屈曲部より先端側部分が水平方向(すなわち、上記上型19及び下型20の変位方向に直交する方向)に配置されている。このシリンダロッド35は、上記シリンダチューブ36に対して伸縮することによって、水平方向にスライドする。また、連結アーム44は、本実施形態ではフラットバーにより構成されており、上記シリンダロッド35と上記下型20との間に掛け渡されている。すなわち、この連結アーム44の一端部及び他端部がそれぞれ上記シリンダロッド35及び下型20の連結部46にピン47(図2参照)を介して結合されており、連結アーム44は、ピン47を中心にして回動可能となっている。図1に示すように、上記連結部46は、下型20の下面34の二箇所に設けられており、図2に示すように、連結アーム44は、各連結部46の両側に配置されている。一方、連結アーム45も連結アーム44と同様に、本実施形態ではフラットバーにより構成されている。連結アーム45は、上記シリンダロッド35と上記フレーム11との間に掛け渡されている。すなわち、この連結アーム44の一端部及び他端部がそれぞれ上記シリンダロッド35及びフレーム11の連結部46にピン47を介して結合されており、連結アーム45は、ピン47を中心にして回動可能となっている。図1に示すように、上記連結部46は、フレーム11の二箇所に設けられており、上記連結アーム45は、上記連結アーム44と同様に(図2参照)、各連結部46の両側に配置されている。
【0025】
換言すれば、上記シリンダロッド35及び連結アーム44、45により、トグル機構が構成されている。これら連結アーム44、45は、シリンダロッド35の水平方向のスライド運動を上記下型20の上下運動に変換する。具体的には、上記シリンダロッド35が上記シリンダチューブ36から伸長すると、このシリンダロッド35は、水平方向右側に移動する(図1参照)。これにより、連結アーム45がフレーム11側に配置されたピン47を中心にして右方向に回動する。シリンダロッド35は、2つの連結アーム45によって支持されているから、連結アーム45が回動することによって油圧直動シリンダ22が上記支持部材37に支持された状態で上方に回動する。さらに、このシリンダロッド35と上記下型20とは連結アーム44によって連結されているから、上記連結アーム45が右方向に回動することによって、連結アーム44は、上記シリンダロッド35に設けられたピン47を中心にして左方向に回動する。これにより、下型20は上方へ持ち上げられる。このとき、この下型20は、スライド可能にサブフレーム18によって支持されているから、当該下型20は、水平状態を保ったまま上方にスライドする。
【0026】
上記連結アーム44が上記ピン47を中心にして左方向に回動しつつ起立することに起因して、下型20が上方へ持ち上げられる。したがって、上記シリンダロッド35が伸長し、シリンダチューブ36が略水平姿勢となり、連結アーム44が略直立状態となったときに下型20が上死点に達し、いわゆる型締状態となる。このとき、下型20の上昇速度は、連結アーム44の起立速度に依存するから、下型20が上死点に近づくほど上記上昇速度が小さくなる。すなわち、下型20の上型19に対する相対的型締速度が小さくなる。なお、上記減速機構としては、上記トグル機構に代えて、駆動源を回転式モータとしたクランク機構によって実現するものでもよい。
【0027】
図1及び図3に示すように、保持機構24は、油圧直動シリンダ48と、保持板49とを備えている。油圧直動シリンダ48は、上記サブフレーム17に固定されており、シリンダロッド50が上下方向に伸縮するようになっている。このシリンダロッド50の先端に上記保持板49が固定されている。図3に示すように、保持板49は、両側面がすべり軸受となって上下方向にスライド可能にサブフレーム18に挟持されている。また、この保持板49の下面に凹部51が設けられている。この凹部51の内壁面形状は、半円形に形成されている。この凹部51の内径寸法は、上記主軸12の外径寸法に対応されている。したがって、上記シリンダロッド50が伸長すると、保持板49が主軸12に接近し、当該主軸12が上記凹部51に相対的に嵌め合わされる。これにより、主軸12の中間部は、保持板49によって保持されることとなる。
【0028】
(溶接装置)
図4は、図1におけるIV−IV断面図である。図5は、図4の溶接装置におけるワーク開放状態の断面図である。
図1及び図4に示すように、溶接装置14は、上記主軸12の先端側に配置されており、円筒状に曲折されたワーク16の周方向端部同士を後述される要領で溶接する。溶接装置14は、第1クランプ52及び第2クランプ53と(図4参照)、位置決め装置54と、溶接用トーチ55と、この溶接用トーチ55を主軸12に沿って走行させる走行装置56とを備えている。第1クランプ52及び第2クランプ53は、主軸12の両側に配置され、当該主軸12に沿って搬送されたワーク16を支持する、位置決め装置54は、当該ワーク16を位置決めする。
【0029】
前述のように、主軸12は、フレーム11に片持ち状に支持されており、溶接装置14の位置に対応する主軸12の外径寸法は、ワーク16の内径よりも小さく設定されている。図4に示すように、第1クランプ52及び第2クランプ53は、主軸12を挟んで対向しており、それぞれクランプ体57を備えている。このクランプ体57は、上記主軸12とほぼ同じ長さ寸法に設定されている。第1クランプ52及び第2クランプ53のぞれぞれは、フレーム11に設けられた一対の縦板58に収容される一対の腕59と、後述されるクランク機構とからなる揺動機構部を有する。本実施形態では、5組の揺動機構部が配置されており、この揺動機構部によってクランプ体57が支持されている。
【0030】
上記クランプ体57は、上記縦板58の上方に配置されている。上記腕59の下端部の内側はフレーム11によって定位置に支持された支点軸60によって揺動自在に支持されている。上記クランプ体57は、断面形状が略コ字状に形成された棒状体であり、上記腕59の上端部に取り外し可能に取付けられている。相互に対向する一対のクランプ体57の対向面は、略半円形断面の曲面61となっている。この曲面61の曲率半径は、ワーク16の外周面の曲率半径と一致している。この曲面61は、ワーク16の外周面に当接し、当該ワーク16を保持するが、本実施形態では、この曲面61は、円筒状に曲成されたワーク16の略上半分に当接するように形成されている。
【0031】
また、上記クランプ体57の上端に押さ板62が連設されている。この押え板62は、断面形状がくちばし状のクロム銅製の部材であって、内向きに突出している。この押え板62の先端部は、略半円形に形成されており、上記曲面61の上端に滑らかに連続している。すなわち、押え板62の先端部の下面も曲面に形成されており、当該曲面の曲率半径は、上記曲面61の曲率半径と一致されている。そして、この押え板62及び上記クランプ体57は、ワーク16の長手方向全域にわたって延びている。
【0032】
上記主軸12の上部に、上記ワーク16を支持するワーク支持部63(図5参照)が設けられている。このワーク支持部63は、銅(クロム銅)によって構成された水冷棒64の上面により構成されている。このワーク支持部63の中央に縦溝凹溝65が形成されている。また、上記水冷棒64には冷却水路66が形成されている。
【0033】
本実施形態では、上記縦板58により支持されている原動軸67及び上記縦板58間に収容されたクランク機構を介して、上記第1クランプ52及び第2クランプ53が揺動される。上記原動軸67は、駆動源68(図1参照)によって駆動される。上記クランク機構は、図4に示すように、腕59に設けられた支持ピン69と、上記原動軸67に設けられた偏心軸70、71と、クランクロッド72とを備えており、支持ピン69及び偏心軸70、71が、クランクロッド72によって連結されている。第1クランプ52側のクランクロッド72と対偶する偏心軸70の原動軸67に対する偏心方向と、第2クランプ53のクランクロッド72と対偶する偏心軸71の原動軸67に対する偏心方向とは反対方向に設定され、上記偏心方向は、水平方向に設定されている。
【0034】
したがって、上記駆動源68が往復駆動され、原動軸67が180度往復回転されることにより、上記偏心軸70、71が180度往復回転することとなる。これにより、上記偏心軸70、71の偏心度合いに応じて第1クランプ52及び第2クランプ53が往復揺動される。図4に示すように、クランプ体57が対向接近した状態で、ワーク16は、その両側から挟圧されたクランプ状態となる。そして、この状態から上記偏心軸70、71が回転駆動されると、図5に示すように、ワーク16が開放されたアンクランプ状態となる。
【0035】
上記主軸12の上方に、上記溶接用トーチ55、走行装置56及び位置決め装置54が配置されている。位置決め装置54は、円筒状に曲成されたワーク16の周方向端部を上記縦溝凹溝65の上方に位置決めする。この位置決め装置54は、主軸12の上方側方で上記主軸12の長手方向に平行に設けられた位置決め爪73と、この位置決め爪73を前後の複数箇所で支持する支持杆74と、この支持杆74を上記主軸12に対して直角方向に進退駆動する進退機構75と、フレーム11に設けられ、且つ進退機構75を揺動自在に支持する軸受台76と、この軸受台76の後方部とフレーム11との間に介装されたエアーシリンダ77とを備えている。
【0036】
図6は、上記位置決め装置54の要部拡大図であって、この位置決め装置54によってワーク16が位置決めされる要領が示されている。また、図7は、上記位置決め装置54の要部拡大図であって、この位置決め装置54によってワーク16が位置決めされた状態が示されている。
【0037】
上記位置決め爪73の断面形状は、その下半部が二等辺三角形状に形成されている。そして、その頂角が10度〜25度に設定されている。支持杆74が最進出された状態では、上記位置決め爪73は、上記縦溝凹溝65の上方に位置する。上記エアーシリンダ77によって上記位置決め爪73が降下されたときには、図6に示すように、上記縦溝凹溝65に上記位置決め爪73の下端縁が進入する。このようにエアーシリンダ77によって位置決め爪73が最も押し下げられた状態の当該押し下げ力は、予め所定の値に設定されている。したがって、仮に、当該押し下げ力よりも大きな上昇力が作用すると、上記押し下げ力に抗して、図7に示すように位置決め爪73が持ち上げれることとなる。このため、上記エアーシリンダ77による推力が予め所定の値に設定されている。
【0038】
(制御装置)
図8は、制御装置15の構成を示す模式図である。
同図が示すように、制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)79、ROM(Read Only Memory)80及びRAM(Random Access Memory)81を備えた中央処理部82を有し、この中央処理部82が、バス83及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)84を介して、作動センサ78、プレス装置13及び溶接装置14とデータ送受信可能に接続されている。この作動センサ78は、プレス装置13の作動を監視する。具体的には、下型20を駆動する油圧直動シリンダ22の作動及び上型19を駆動する油圧直動シリンダ21の作動を監視しており、これら油圧直動シリンダ21、22が作動状態となったときに、所定の作動信号を出力する。中央処理部70のROM80は、所定のコンピュータプログラムを記憶している。CPU79は、このコンピュータプログラムにしたがい、上記作動センサ78の情報(作動信号)に基づいて所定の演算を行う。RAM81は、CPU79が演算を実行する際に、例えば作動センサ78が出力する作動信号を一時的に記憶する手段その他の一時記憶手段として機能する。これにより、上記エアシリンダ77の伸縮制御その他の溶接装置14の制御及び上記油圧直動シリンダ21の伸縮制御その他のプレス装置13の制御等が行われる。本実施形態では、上記作動センサ78が上記作動信号が出力された場合には、上記中央処理部82は、溶接装置14の作動を停止させるように構成されている。
【0039】
(円筒部材の成形要領)
本実施形態に係る円筒成形溶接機10は、次の要領で円筒部材を成形する。
図1に示すように、ワーク16がプレス装置13に供給される。プレス装置13は、このワーク16を円筒状にプレス加工する。このとき、主軸12を中子として上型19と下型20とによってワーク16がプレスされる。具体的には、図2に示すように、まず、油圧直動シリンダ22が伸長され、下型20が上昇される。ワーク16は、下型20と主軸12によって断面U字状に曲成される(同図の二点鎖線が示す状態)。その後、油圧直動シリンダ21が伸長され、上型19が下降される。これにより、ワーク16の上部は、上型19と主軸12によって円筒状に形成される。このとき、上型19は、上記傾斜面26、27を備えているから、ワーク16の上部は、この傾斜面26、27に当接し、且つ当該傾斜面26、27に案内されながら上型19の溝25に進入する。これにより、前述のように、ワーク16が円筒状に形成される。ただし、上型19及び下型20の相対的変位は、特に限定されるものではない。
【0040】
このプレス装置13は、上型19に対する下型20の相対的型締速度を減少させる減速機構23を備えている。このため、下型20がワーク16をプレスする際に下型20の型締速度が減少され、ワーク16はソフトにプレスされる。したがって、下型20の作動時に大きな衝撃が発生することはない。そして、このように円筒状に形成されたワーク16は、その周方向端部同士が対向配置されており、このワーク16は、主軸12に沿って溶接装置14へ送られる。溶接装置は、次の要領で上記対向配置された周方向端部同士を溶接する。
【0041】
まず、第1クランプ52及び第2クランプ53が作動されることによって、図5に示すように、クランプ体57が開放した状態となる。そして、進退機構75によって支持杆74が最進出されることにより、位置決め爪73は、主軸12の上方に位置する。また、エアーシリンダ77が作動されることにより、位置決め爪73の下端部が縦溝凹溝65内に進入する。この状態で主軸12にワーク16が外嵌される。この時、図6に示すように、ワーク16の上記周方向端部間に上記位置決め爪73が侵入する。したがって、当該周方向端部同士の間、つまり、対接部85が縦溝凹溝65と一致することとなる。さらに、駆動源68が作動され、第1クランプ52及び第2クランプ53がクランプ状態とされる。これにより、図4のように、ワーク16がクランプ体57の曲面61に密着し、当該曲面61間に挟圧保持される。
【0042】
このとき、ワーク16の周方向端部が上記位置決め爪73を両側から押しつける。この位置決め爪73の下部の断面が前述のように頂角が鋭角に設定された二等辺三角形となっているから、上記押付力によって位置決め爪73が持ち上げられて脱出し(図7参照)、上記周方向端部同士が密着した状態となる。この後、進退機構75によって支持杆74が後退され上記位置決め爪73が主軸12の上方域から脱出した状態となる。
【0043】
次いで、走行装置56が溶接用トーチ55を走行させる。具体的には、溶接用トーチ55は、主軸12の上方の所定の高さでワーク16の上記対接部85に沿って走行し、ワーク16に溶接が施される。このとき、上記クランプ体57によってワーク16の周方向端部同士が押付けられた状態に維持され、しかも、押え板62によって上記周方向端部がワーク支持部63に押し付けられている。したがって、溶接の際に熱応力が発生したとしても、上記周方向端部同士が密着した状態に維持されるから、溶接不良が生じることはなく、溶接精度が向上する。
【0044】
また、本実施形態では、主軸12のワーク支持部63の中央部に長手方向に沿って縦溝凹溝65が形成され、上記縦溝凹溝65に対して接離自在の楔状断面の位置決め爪73を設け、上記位置決め爪73の断面先端部を上記縦溝凹溝65に挿入した状態とこれから脱出して上記ワーク支持部63との対面部から離れた位置に移動可能とされている。したがって、主軸12にワーク16が外嵌されたときに主軸12に対するワーク16の姿勢が一定に定まり、溶接用トーチ55に対して対接部85が正確に対向するものとなる。その結果、溶接精度が向上する。
【0045】
なお、本発明には、アルゴン溶接や、電気溶接その他の形式の溶接態様が採用され得る。また、第1クランプ52及び第2クランプ53は、揺動動作する方式以外に、水平方向に往復駆動する形式であってもよい。さらに、クランプ体57によるワーク16の挟圧方向は、水平方向でなくてもよい。クランプ状態にて上記対接部85に対向方向の加圧力が作用する限り、他の方向から挟圧する構成であってもよい。加えて、本実施形態では、クランプ体57の対向内面に設けられる曲面61の曲率半径は、ワーク16の半径に一致されており、上記クランプ体57が腕59の上端部に取り外し可能に取付けられている。したがって、上記クランプ体57を、上記曲面61の曲率半径が異なるクランプ体57に取り替えることが可能であり、これにより、外径寸法の異なるワーク16の溶接にも利用できる。
【0046】
このように、本実施形態に係る円筒成形溶接機10によれば、ワーク16のプレス作業及び溶接作業が一連の工程にて行われるので、円筒部材の製造効率が上昇する。しかも、上記減速機構23が設けられることにより、プレス加工時に生じる振動、衝撃が溶接作業を行っている溶接装置に伝達されないので、高精度な溶接作業が実現され、その結果、精度の高い円筒部材が成形される。
【0047】
特に、本実施形態では、上記減速機構23は、いわゆるトグル機構を構成しているので、減速機構23がきわめて安価に構成されるという利点がある。シリンダロッド35(図1参照)が伸縮されることにより、当該シリンダロッド35に対して連結アーム44、45が倒伏するように揺動する。これにより、上記下型20が上型19に近接する方向に変位したときに、上型19に対する下型20の相対的型締速度が漸次小さくなり、ワーク16は、きわめてソフトにプレスされる。
【0048】
また、上記上型19を駆動する油圧直動シリンダ21は、上記クッション機構を備えているので、上型19がワーク16をプレスする際にも、当該ワーク16はソフトにプレスされるという利点がある。
【0049】
さらに、プレス装置13は、上記ワーク16がプレス加工されるときに主軸12の中間部を保持する保持機構24を備えている。この保持機構24によって上記主軸12の中間部が保持されるから、当該主軸12は二点において支持されることになる。したがって、仮に、ワーク16がプレスされる際に中子として機能する主軸12に衝撃が加わったとしても、当該主軸12が変位することはない。したがって、溶接装置14による高精度な溶接作業が可能となる。
【0050】
また、上記溶接装置に対応する部分の主軸12の外径寸法は、円筒状にプレス加工されたワーク16の内径寸法よりも小さく設定されている。これにより、ワーク16がプレス加工されるときは、主軸12が中子として機能し、ワーク16が溶接加工されるときは、主軸12が当該ワーク16を支持する支持台として機能する。ワーク16は、溶接加工後に主軸12から取り外される必要があるが、このときに、主軸12の外径寸法がワーク16の内径寸法よりも小さく設定されているから、当該ワーク16の取外作業が容易であるという利点がある。
【0051】
さらに、制御装置15は、プレス装置13が作動しているときに、上記溶接装置14の作動を停止させる。すなわち、プレス加工時には、ワーク16の溶接作業が中止されるから、プレス作業時に発生する振動、衝撃が溶接作業中の溶接装置14に伝達されることはなく、したがって、高精度な溶接作業が確実に実現される。また、プレス加工時の衝撃によって溶接装置14へ搬送されたワーク16が主軸12の周方向に回転する等によりトーチ位置のずれ等の問題も起こすことがない。このことからも、高精度な溶接作業が確実に実現される。
【0052】
本実施形態では、前述のように、下型20が主軸12と協働してワーク16をU字状に成形し、上型19が主軸12と協働して上記U字状に形成されたワーク16を円形に成形するように形成されている(図2参照)。そして、上記U字状に成形されたワーク16を上型19内に導く案内手段としての傾斜面26、27が設けられている。ただし、上記ワーク16の上部を上型19の溝25内に導く案内手段としては、かかる傾斜面26、27に限定されるものではなく、例えば、上記U字状に成形されたワーク16の上部を内側に押圧することによって強制的に上型19内に矯正する矯正部材が設けられていてもよい。この矯正部材は、典型的には、上型19及び下型20の型締方向(図1において上下方向)に対して直交する方向(図1において左右方向)にスライドするプッシュロッドとして構成され得る。このプッシュロッドは、所定の連動機構を介して、油圧直動シリンダ21又は油圧直動シリンダ22のシリンダロッド28又はシリンダロッド35の伸縮に連動するように構成されるのが好ましい。そして、このプッシュロッドは、上記制御装置15により、上型19が型締めされる直前に上記ワーク16を上型19内に案内するように駆動され得る。
【0053】
また、上記実施の形態では、主軸12はプレス装置13と溶接装置14とに連続する構成とするが、例えば、プレス装置13と溶接装置14との境界部で分断されたものでもよい。この場合、図9及び図10に示すように、主軸12は、フレーム11等に支持された板状の嵌入部材9で吊持状態に支持するようにしてもよい。
【0054】
また、本発明では、図11に示すように、プレス装置13に配置された中子となる主軸12に対して、下型20上昇時又は下型20上昇前に主軸12の上面頂部に当接してバックアップするサポート軸100を設けてもよい。すなわち、このサポート軸100は、上型19を貫通してその上部にアクチエータ又はカム方式等の昇降機構101に接続されて昇降自在に構成され、上型19の成形面から出没自在となっている。そして、サポート軸100は、下型20上昇時又は下型20上昇前に上型19の成形面から突出して主軸12の上面頂部に当接させる。これにより、下型20が上昇し主軸12と協働してワーク16を成形する際に、下型20の負荷による長尺の主軸12のしなりを抑制することができる。すなわち、上記サポート軸100は、下型20上昇時に主軸12が曲がらないようにバックアップする役目を果す。したがって、ワーク16の筒状の成形精度を向上することができる。次いで、上型19を下降させる際には、上記サポート軸100を上昇させて主軸12から退避させる。
なお、上記サポート軸100は、金型(19,20)中央に1カ所設けてもよいが、主軸12の長手方向に沿って数ヶ所に設けてもよい。また、サポート軸100の先端面は、主軸12の上面頂部に沿った形状とする。
なお、上記主軸12は、円形であるが、三角形、四角形、五角形等の種々の多角形形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る円筒成形溶接機の正面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1におけるIII−III断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】図4に示す溶接装置におけるワーク開放状態の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る円筒成形溶接機の位置決め装置の要部拡大図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る円筒成形溶接機の位置決め装置の要部拡大図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る円筒成形溶接機に搭載される制御装置の構成を示す模式図である。
【図9】主軸の支持の他の例を示す平面図である。
【図10】図9の主軸の支持の他の例の斜視図である。
【図11】プレス装置にサポート軸を設けた例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0056】
10 円筒成形溶接機
11 フレーム
12 主軸
13 プレス装置
14 溶接装置
15 制御装置
16 ワーク
17,18 サブフレーム
19 上型
20 下型
21,22 油圧直動シリンダ
23 減速機構
24 保持機構
25 溝
26,27 傾斜面
35 シリンダロッド
37 支持部材
38 支持部材
44,45 連結アーム
48 油圧直動シリンダ
49 保持板
52 第1クランプ
53 第2クランプ
54 位置決め装置
57 クランプ体
61 曲面
78 作動センサ
79 CPU
80 ROM
81 RAM
82 中央処理部
85 対接部
100 サポート軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸と、
主軸の基端側に配置され、当該主軸を中子として上型及び下型によってワークを円筒状にプレス加工するプレス装置と、
主軸の先端側に配置され、上記円筒状に成形されたワークの周方向端部同士を溶接する溶接装置とを有し、
上記プレス装置は、上型に対する下型の相対的型締速度を減少させる減速機構を備えていることを特徴とする円筒成形溶接機。
【請求項2】
請求項1に記載の円筒成形溶接機において、
上記減速機構は、
上記上型に対する上記下型の変位方向に直交する方向にスライド可能に配置されたスライド軸と、
当該スライド軸と上記下型とに連結され、当該スライド軸のスライド運動を上記下型の変位運動に変換する連結アームとを備えている円筒成形溶接機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の円筒成形溶接機において、
上記上型は、衝撃吸収機構を備えた油圧直動シリンダによって変位される円筒成形溶接機。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の円筒成形溶接機において、
上記プレス装置は、上記ワークがプレス加工されるときに上記主軸の中間部を保持する保持機構をさらに備えている円筒成形溶接機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の円筒成形溶接機において、
上記主軸の上記溶接装置に対応する部分の外径寸法は、上記円筒状にプレス加工されたワークの内径寸法よりも小さく設定されている円筒成形溶接機。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の円筒成形溶接機において、
上記下型は上記主軸と協働してワークをU字状に成形するように形成され、上記上型は上記主軸と協働して上記U字状に成形されたワークを円形に成形するように形成されており、
上記U字状に成形されたワークを上記上型内に導く案内手段がさらに設けられている円筒成形溶接機。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の円筒成形溶接機において、
上記プレス装置に配置された主軸に対して、少なくとも下型上昇時に主軸の上面頂部に当接するサポート軸が設けられている円筒成形溶接機。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の円筒成形溶接機において、
上記プレス装置が作動しているときに上記溶接装置の作動を停止させる制御装置がさらに備えられている円筒成形溶接機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−7682(P2007−7682A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−190465(P2005−190465)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000100838)アイセル株式会社 (62)
【Fターム(参考)】