説明

円錐ころ軸受

【課題】保持器の大径側リム部に設けた鍔部と内輪大鍔とで形成する微小隙間を改善して、軸受内部での潤滑油の滞留や潤滑油の流入不足による回転抵抗の増大がなく、回転抵抗の少ない高性能な円錐ころ軸受を得る。
【解決手段】 円錐ころ軸受21の保持器23の大径側リム部25の鍔部25aが、リム部の肉厚以上の長さに渡る微小隙間を内輪大鍔3bとの間に形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内輪外周の円錐形軌道面と外輪内周の円錐形軌道面との間に配置される複数個の転動体相互の周方向の間隔が、内外輪間を周回する保持器により保持される円錐ころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
円錐ころ軸受は、ラジアル荷重だけでなく、アキシアル荷重を受けることもできるため、玉軸受と比較して負荷容量を高く設定できる利点があり、自動車や産業機械の最終減速装置部分などに使用される場合も多い。
そして、最終減速装置部分などに使用される場合は、装置内の潤滑油が、軸受内部の潤滑にも利用されることが少なくない。
【0003】
その場合、装置内の潤滑油は、内輪の小鍔側から軸受内部に流入して大鍔側から流出する。その際、潤滑油の流出に伴い、大鍔側から軸受内に適度の外気が流入することで、軸受内における潤滑油の流出を円滑にすることができる。
【0004】
このような円錐ころ軸受の使用状況において、内輪の小鍔側から軸受内部へは潤滑油が流入し易く、大鍔側は流出し難い場合には、軸受内部に必要以上の潤滑油が滞留し、その撹拌抵抗のために、軸受の回転抵抗(軸受トルク損失)が増大するという問題が生じる。
【0005】
また、内輪の小鍔側から軸受内部へは潤滑油が流入し難く、大鍔側は流出し易い場合には、潤滑油の流入不足に起因した各円錐形軌道面上での油膜形成不足が発生し、油膜形成不足によって軸受の回転抵抗の増大を招く虞がある。
即ち、軸受内部への潤滑油の流入が必要以上になる場合、あるいは潤滑油の流入が必要量以下となる場合のいずれの場合も、軸受の回転抵抗の増大を招く要因となる。
【0006】
そこで、軸受内部への潤滑油の流入量を適正量に制御して、軸受の回転抵抗の低減させることを目的として、図7に示す円錐ころ軸受が提案されている。
【0007】
この円錐ころ軸受1は、下記特許文献1に開示されたもので、回転軸2に嵌合する内輪3の外周の円錐形軌道面4と外輪6の内周の円錐形軌道面7との間に配置される複数個の転動体9相互の周方向の間隔が、内外輪間を周回する保持器11により保持されている。転動体9は、円錐形軌道面4,7上を転動する円錐ころである。
【0008】
保持器11は、転動体9を収容するポケット13を、周方向に一定間隔に設けたものである。各ポケット13は、内輪小鍔3a側、及び内輪大鍔3b側のそれぞれにおいて内外輪間を周回する円環状の一対のリム部14,15と、これらのリム部14,15間に橋渡しされる複数本の柱部16とによって、転動体9の周囲を囲う窓枠形に形成されている。
【0009】
それぞれのリム部14,15には、内径側に張り出して内輪3との間の隙間を微小隙間s1,s2にする鍔部14a,15aが設けられている。
各鍔部14a,15aが形成する微小隙間s1,s2に、潤滑油の出入りを制限する適度なシール効果(ラビリンスシール効果)を発揮させることで、内輪小鍔3a側から軸受内部への潤滑油の流入、内輪大鍔3bから外部への潤滑油の流出を適度に規制する。
【0010】
このような潤滑油の流出入の規制により、軸受内部に適量の潤滑油が残留するようにして、潤滑油の流入過剰に起因した回転抵抗の増大や、潤滑油の流入不足に起因した回転抵抗の増大を防ぐことを狙っている。
【0011】
【特許文献1】特開平10−89353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、前述の円錐ころ軸受1の場合、大径側リム部15の鍔部15aに十分な作用を発揮させることができないという問題があった。
これは、図8に示すように、鍔部15aが内輪大鍔3bとの間に形成する微小隙間s2は、その経路長L1が大径側リム部15の肉厚t程度しかなく、微小隙間によるシール効果を十分に発揮させることが難しいことが原因となっている。
【0013】
例えば、大径側リム部15の鍔部15aには、図7に矢印Aで示すように、回転軸2の回転により、回転軸2から飛散される潤滑油が勢いよく当たるが、微小隙間s2が僅かに大きいと、回転軸2から飛散された潤滑油が微小隙間s2から軸受内部に流入して、軸受内部での潤滑油の滞留を招き、撹拌抵抗の増大による回転抵抗の増大を招いた。
【0014】
また、回転軸2から飛散された潤滑油が流入しないように微小隙間s2を極端に狭めると、回転軸2から飛散された潤滑油の流入を防止することは可能になるが、大鍔側から軸受内への適度の外気の流入も阻止され、結局、軸受内の潤滑油の流出性が損なわれてしまい、軸受内部での滞留を招く原因となった。
【0015】
また、微小隙間s2を極端に狭めると、大径側リム部15の鍔部15aが内輪大鍔3bに接触して、回転抵抗の増大を招く虞もあった。
更に、図8に示すように、鍔部15aの外面が外輪端に向かって傾斜した造りになっているため、鍔部15aの外面に沿って流れる潤滑油流Bが、外輪6に衝突するなどにより、保持器11の大径側での潤滑油流に乱れが生じ、この潤滑油流の乱れが、軸受の回転抵抗を増大させる一因になった。
【0016】
本発明の目的は上記課題を解消することに係り、保持器の大径側の鍔部と内輪大鍔とで形成する微小隙間が、外部からの潤滑油流入を防止する一方で、外気の流入は確保できるバランスの良いシール性を発揮して、軸受内部での潤滑油の流出入を良好に維持し、軸受内部での潤滑油の滞留や潤滑油の流入不足による回転抵抗の増大がなく、回転抵抗の少ない高性能な円錐ころ軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的は下記構成により達成される。
(1)内輪外周の円錐形軌道面と外輪内周の円錐形軌道面との間に配置される複数個の転動体相互の周方向の間隔が、内外輪間を周回する保持器により保持されると共に、内輪大鍔側で内外輪間を周回する円環状に形成された前記保持器の大径側リム部に、内輪大鍔側に張り出して内輪大鍔との間の隙間を微小隙間(ラビリンス)にする鍔部が装備される円錐ころ軸受において、
前記保持器の大径側リム部の鍔部が、前記内輪大鍔との間に、前記リム部の肉厚以上の長さに渡る微小隙間を形成していることを特徴とする円錐ころ軸受。
【0018】
(2)上記(1)に記載の円錐ころ軸受において、前記保持器の大径側リム部の鍔部は、その内径部に、前記内輪大鍔に沿って延びる円筒部を備え、この円筒部によって、前記リム部の肉厚以上の長さに渡る微小隙間を形成していることを特徴とする円錐ころ軸受。
【0019】
(3)上記(1)に記載の円錐ころ軸受において、前記保持器の大径側リム部の鍔部は、その内径を前記内輪大鍔の最大外径よりも小さいドーナツ盤状に形成し、
前記内輪大鍔には、前記鍔部の内周側が干渉しないように大径側端部外周を座ぐった座ぐり面を形成し、
前記鍔部の内周部と前記座ぐり面とで、前記リム部の肉厚以上の長さに渡る微小隙間を形成していることを特徴とする円錐ころ軸受。
【0020】
(4)上記(1)〜(3)に記載の円錐ころ軸受において、前記大径側リム部の鍔部は、その外面を、内輪大径側端面に平行に形成したことを特徴とする円錐ころ軸受。
【発明の効果】
【0021】
上記に記載の円錐ころ軸受では、保持器の大径側リム部に設けた鍔部と内輪大鍔とで形成する微小隙間は、リム部の肉厚以上の長さ(経路長)を持つように改善されている。
そのため、微小隙間の間隔自体はそれほど狭めなくとも、外部からの潤滑油流入を防止する一方で、外気の流入は確保できるバランスの良いシール性を得ることができ、これにより、軸受内部での潤滑油の流出入を良好に維持し、軸受内部での潤滑油の滞留や潤滑油の流入不足による回転抵抗の増大がなく、回転抵抗の少ない高性能な円錐ころ軸受を得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る円錐ころ軸受の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る円錐ころ軸受の第1の実施の形態の要部の断面図、図2は図1のC矢視図、図3は図1に示した保持器の大径側リム部の鍔部が形成する微小隙間を示す拡大図である。
【0023】
この第1の実施の形態の円錐ころ軸受21は、回転軸2に嵌合する内輪3の外周の円錐形軌道面4と外輪6の内周の円錐形軌道面7との間に配置される複数個の転動体9相互の周方向の間隔が、内外輪間を周回する保持器23により保持されている。転動体9は、円錐形軌道面4,7上を転動する円錐ころである。
【0024】
保持器23は、転動体9を収容するポケット13を、周方向に一定間隔に設けたものである。各ポケット13は、内輪小鍔3a側、及び内輪大鍔3b側のそれぞれにおいて内外輪間を周回する円環状の一対のリム部24,25と、これらのリム部24,25間に橋渡しされる複数本の柱部26とによって、転動体9の周囲を囲う窓枠形に形成されている。
【0025】
それぞれのリム部24,25には、軸方向の端部から内径側に張り出して内輪3との間の隙間を微小隙間s3,s4にする鍔部24a,25aが設けられている。
小径側リム部24に設けられた鍔部24aが形成する微小隙間s3は、保持器小径側から軸受内への潤滑油の流入を制限する適度なシール効果を発揮することで、内輪小鍔3a側からの潤滑油の過度な流入による滞留の発生を防止して、撹拌抵抗の増大を防止することを目的としている。
大径側リム部25に設けられた鍔部25aが形成する微小隙間s4は、外部からの潤滑油流入を防止する一方で、外気の流入は確保できる程度のバランスの良いシール性を発揮し、軸受内部での潤滑油の流出入を良好に維持して、軸受内部での潤滑油の滞留や潤滑油の流入不足による回転抵抗の増大を防止することを目的としている。
【0026】
本実施の形態の場合、保持器23の大径側リム部25の鍔部25aは、その内径部に、内輪大鍔3bに沿って延びる円筒部25bを備え、この円筒部25bによって、図3に示すように、リム部25の肉厚t以上の長さL2に渡る微小隙間s4を形成している。
【0027】
更に、大径側リム部25の鍔部25aは、その外面25cを、内輪大径側端面3cと平行に形成している。
【0028】
以上に説明した第1の実施の形態の円錐ころ軸受21では、保持器23の大径側リム部25に設けた鍔部25aの円筒部25bと内輪大鍔3bとで形成する微小隙間s4は、リム部25の肉厚t以上の長さ(経路長)L2を持つように改善されている。
そのため、微小隙間s4の間隔自体はそれほど狭めなくとも、外部からの潤滑油流入を防止する一方で、外気の流入は確保できるバランスの良いシール性を得ることができ、これにより、軸受内部での潤滑油の流出入を良好に維持し、軸受内部での潤滑油の滞留や潤滑油の流入不足による回転抵抗の増大がなく、回転抵抗の少ない高性能な円錐ころ軸受を得ることが可能になる。
【0029】
また、本実施の形態の円錐ころ軸受21では、鍔部25aに連設される円筒部25bの長さが、内輪大鍔3bとの間に形成する微小隙間s4の長さL2となり、円筒部25bの長さを適宜に選択することにより、リム部25の肉厚t以上の長さに渡る微小隙間s4を容易に得ることができる。
【0030】
更に、本実施の形態の円錐ころ軸受21では、図1に示すように、内輪3が嵌合している回転軸2の回転によって飛散する潤滑油Aが鍔部25aの外面25cに付着し、この外面25cに沿って流れるとき、鍔部外面25cが内輪大径側端面3cに平行なため、当該鍔部25aの外面25c上の潤滑油流は、内輪端面部における潤滑油流と同方向になり、外輪6側に傾斜しないため、外輪6への衝突によって保持器23の大径側での外部の潤滑油流に乱れがを生じさせることがない。
即ち、保持器23の大径側での外部の潤滑油流を整流して、保持器23外部の潤滑油流の乱れによって軸受の回転抵抗が増大することを防止でき、回転抵抗のさらなる低減を図ることができる。
【0031】
図4は本発明に係る円錐ころ軸受の第2の実施の形態の要部の断面図、図5は図4のD矢視図、図6は図4に示した保持器の大径側リム部の鍔部が形成する微小隙間を示す拡大図である。
【0032】
この第2の実施の形態の円錐ころ軸受31は、保持器23の大径側リム部25の鍔部25aと、内輪大鍔3bとの形状を工夫して、大径側リム部25の肉厚tよりも経路長の長い微小隙間s4を形成したもので、それ以外の第1実施の形態と共通の構成については、同番号を付して説明を省略する。
【0033】
具体的には、この第2の実施の形態の円錐ころ軸受31の場合、保持器23の大径側リム部25の鍔部25aは、その内径を内輪大鍔3bの最大外径よりも長さL3だけ小さいドーナツ盤状に形成している。この寸法L3は、リム部25の肉厚tよりも大きい値に設定している。
【0034】
そして、内輪大鍔3bには、鍔部25aの内周側が干渉しないように大径側端部外周を座ぐった座ぐり面33を形成している。
これにより、鍔部25aの内周部と座ぐり面33とで、リム部25の肉厚t以上の長さL4に渡るL字状の微小隙間s4を形成している。
【0035】
更に、この第2実施の形態の場合は、大径側リム部25の鍔部25aの外面25cを、内輪3の内輪大径側端面3cに平行にするだけでなく、外面25cの位置が、内輪3の内輪大径側端面3cと面一に並ぶように、大径側リム部25の寸法を選定している。
【0036】
この第2の実施の形態の円錐ころ軸受31では、保持器23の大径側リム部25の鍔部25aが内輪大鍔3bとの間に形成する微小隙間s4の経路は、図6に示したように、内輪大鍔3bに形成した座ぐり面33の断面形状に沿うL字型になり、保持器23の鍔部25aの形状は単純でも、リム部25の肉厚t以上の長さに渡る微小隙間を容易に得ることができる。
【0037】
また、この第2の実施の形態の円錐ころ軸受31では、内輪3が嵌合している回転軸2の回転によって飛散する潤滑油が、保持器23の大径側リム部25の鍔部25aの外面に付着し、この鍔部外面25cに沿って流れるとき、鍔部外面25cが内輪大径側端面3cに平行なため、当該鍔部外面25c上の潤滑油流は、内輪端面部における潤滑油流と同方向になり、外輪6側に傾斜しないため、外輪6への衝突によって保持器23の大径側での外部の潤滑油流に乱れが生じることがない。
即ち、保持器23の大径側での外部の潤滑油流を整流して、保持器23外部の潤滑油流の乱れによって軸受の回転抵抗が増大することを防止でき、回転抵抗のさらなる低減を図ることができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、外面25cの位置が内輪大径側端面3cに面一に揃えられているため、第1の実施の形態の場合よりも更に外部の潤滑油流に対する整流効果が高まり、第1の実施の形態よりも更に回転抵抗を低減させることが可能になる。
【0039】
なお、本発明に係る保持器は、樹脂又は金属のいずれの材料で形成するようにしても良い。
保持器の軽量化を図る場合には、樹脂製とすることが有効である。その場合に好適な樹脂材料としては、例えば、46ナイロンや、66ナイロンなどのポリアミド系樹脂や、ポリブチレンテレフタレートやポリフェレンサルサイド(PPS)や、ポリアミドイミド(PAI)や、熱可塑性ポリイミドや、ポリエーテルケトン(PEEK)や、ポリエーテルニトリル(PEN)などを挙げることができる。
また、上記の樹脂材料に、10〜50wt%の繊維状充填材(例えば、ガラス繊維や炭素繊維など)を適宜添加することにより、保持器の剛性及び寸法精度を向上させることができる。
【0040】
また、より高い強度及び剛性が望まれる場合には、保持器材料を金属材料とすることが有効である。
そして、金属板のプレス加工により形成する場合は、SPCCなどの低炭素鋼板や、黄銅板、あるいはステンレス鋼板を利用することができる。
また、金属無垢材の切削加工により形成する場合は、高力黄銅や炭素鋼を利用すると良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る円錐ころ軸受の第1の実施の形態の要部の断面図である。
【図2】図1のC矢視図である。
【図3】図1に示した保持器の大径側リム部の鍔部が形成する微小隙間を示す拡大図である。
【図4】本発明に係る円錐ころ軸受の第2の実施の形態の要部の断面図である。
【図5】図4のD矢視図である。
【図6】図4に示した保持器の大径側リム部の鍔部が形成する微小隙間を示す拡大図である。
【図7】従来の円錐ころ軸受の要部の断面図である。
【図8】図7に示した円錐ころ軸受の保持器大径側の鍔部による微小隙間の説明図である。
【符号の説明】
【0042】
2 回転軸
3 内輪
3c 内輪大径側端面
4 円錐形軌道面
6 外輪
7 円錐形軌道面
9 転動体(円錐ころ)
13 ポケット
21 円錐ころ軸受
23 保持器
24 小径側リム部
25 大径側リム部
25a 鍔部
25b 円筒部
25c 外面
26 柱部
31 円錐ころ軸受
33 座ぐり面
L2,L4 微小隙間の経路長
s4 微小隙間
t リム部の肉厚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪外周の円錐形軌道面と外輪内周の円錐形軌道面との間に配置される複数個の転動体相互の周方向の間隔が、内外輪間を周回する保持器により保持されると共に、内輪大鍔側で内外輪間を周回する円環状に形成された前記保持器の大径側リム部に、内輪大鍔側に張り出して内輪大鍔との間の隙間を微小隙間(ラビリンス)にする鍔部が装備される円錐ころ軸受において、
前記保持器の大径側リム部の鍔部が、前記内輪大鍔との間に、前記リム部の肉厚以上の長さに渡る微小隙間を形成していることを特徴とする円錐ころ軸受。
【請求項2】
前記保持器の大径側リム部の鍔部は、その内径部に、前記内輪大鍔に沿って延びる円筒部を備え、この円筒部によって、前記リム部の肉厚以上の長さに渡る微小隙間を形成していることを特徴とする請求項1に記載の円錐ころ軸受。
【請求項3】
前記保持器の大径側リム部の鍔部は、その内径を前記内輪大鍔の最大外径よりも小さいドーナツ盤状に形成し、
前記内輪大鍔には、前記鍔部の内周側が干渉しないように大径側端部外周を座ぐった座ぐり面を形成し、
前記鍔部の内周部と前記座ぐり面とで、前記リム部の肉厚以上の長さに渡る微小隙間を形成していることを特徴とする請求項1に記載の円錐ころ軸受。
【請求項4】
前記大径側リム部の鍔部は、その外面を、内輪大径側端面に平行に形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の円錐ころ軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−192069(P2009−192069A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36488(P2008−36488)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】