説明

円錐軌道断層撮影装置

【課題】 エアーデータの収集作業に煩わされること無く被検体の断層撮影を行うことにある。
【解決手段】 予め、所定の管電圧と管電流とラミノ角において、被検体4をX線検出器2の視野から外して透過データが飽和しないようにエアーデータを収集した後、被検体4をX線検出器2の視野内で撮影位置設定するとともに断層撮影条件を設定し、回転機構8によりX線と被検体4とが相対的な回転を行いつつ、複数の回転位置で検出した透過データを取得し、先に収集したラミノ角ごとのエアーデータから、断層撮影条件に適合する推定エアーデータを求め、得られた推定エアーデータを用いてエアー補正を施して再構成処理し、被検体4の3次元画像を得る円錐軌道断層撮影装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体に対するX線の照射方向を円錐に沿って変化させる円錐軌道タイプの断層撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
円錐軌道タイプの断層撮影装置は、円形トモシンセシス(Tomosynthesis)装置、あるいは円形ラミノグラフ(Laminograph)、あるいは傾斜型CT(Computer Tomography)装置とも呼ばれている。
【0003】
円錐軌道タイプの断層撮影装置は、X線源から発生するX線(放射線)を被検体に向けて照射するが、このとき被検体を、X線の光軸に対し90度より小さなラミノ角で交差する回転軸でX線に対して相対的に回転させ、1回転中の所定回転位置ごとに被検体から透過してくるX線を2次元検出チャンネルを有するX線検出器で検出し、この検出器出力から被検体の断層像ないし3次元データを得るものである。
【0004】
この断層像ないし3次元データを得るための再構成の方法は、フィルタ処理および逆投影処理で行う方法や逐次近似法(ART:Algebraic Reconstruction Techniques法)などが使用されている(特許文献1)。
【0005】
この円錐軌道タイプの断層撮影装置は、X線検出器に各検出チャンネルごとの感度の違いがあるとアーチファクトなどが発生し断層像が劣化するため、X線検出器の出力である透過データに対して感度補正を行った後、断層像を再構成する必要がある。
【0006】
特許文献1の技術では、予め被検体の無い状態で収集した各検出チャンネルごとのエアーデータを記憶しておき、後に断層撮影を実施して被検体の透過データを収集したとき、エアーデータを用いて各検出チャンネルごとに感度補正を行っている。
【0007】
また、エアーデータは断層撮影のX線条件と同じX線条件(管電圧、管電流)、同じ幾何条件(ラミノ角)で収集したデータを用いている。
【特許文献1】特開2004−108990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前述した円錐軌道の断層撮影装置では、予め記憶したエアーデータと同じX線条件・幾何条件を用いて、被検体の断層撮影を行う。そして、この断層撮影で得られた被検体の透過データに対し、エアーデータを用いて感度補正を行うことになる。
【0009】
その結果、断層撮影するとき被検体の透過像を確認しつつ被検体に合わせてX線条件・幾何条件を変更するたびに、被検体をX線検出器の視野から外しエアーデータを収集しなおす必要がある。
【0010】
このため、被検体の撮影位置を変えてその位置に最適のX線条件・幾何条件を設定する度に被検体をX線検出器の視野から外したり入れたりを繰り返すことになり、検査作業が煩わしいといった問題がある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、エアーデータを収集する作業に煩わされることなく被検体の断層撮影を行える円錐軌道断層撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の円錐軌道断層撮影装置は、テーブル上に載置された被検体に向けてX線を照射するX線源と、X線源の管電圧と管電流を制御して設定するX線制御手段と、被検体を透過したX線を2次元検出チャンネルで検出して透過データとして出力するX線検出手段と、X線検出手段により検出されるX線の中心線の方向に対し90度より小さなラミノ角で交差する回転軸に対し、X線と被検体とを相対的に回転させる回転手段と、被検体とX線とを相対移動させて撮影位置設定する移動手段と、X線の中心線あるいは回転軸を傾斜させることでラミノ角を変更して設定するラミノ角変更手段と、予め所定の管電圧と管電流で設定した複数のラミノ角において、被検体をX線検出手段の視野から外してX線検出手段で検出した透過データを飽和しないことを条件に収集し、ラミノ角ごとにエアーデータとして記憶するエアーデータ収集手段と、操作者の入力指示に従って、被検体をX線検出手段の視野内で撮影位置設定するとともに、管電圧と管電流の設定およびラミノ角の設定を含む断層撮影条件を設定する撮影条件設定手段と、撮影条件設定手段で設定された断層撮影条件で、回転手段によりX線と被検体とが相対的な回転を行いつつ、複数の回転位置でX線検出手段で検出した透過データを得る撮影制御手段と、エアーデータ収集手段により記憶されたラミノ角ごとのエアーデータから、撮影条件設定手段で設定された断層撮影条件に適合する推定エアーデータを求めるエアーデータ推定手段と、撮影条件設定手段で設定された断層撮影条件で得られた透過データに対し、エアーデータ推定手段で得られた推定エアーデータを用いてエアー補正を施して再構成処理し、被検体の3次元画像を得る再構成手段とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の円錐軌道断層撮影装置によれば、エアーデータの収集作業に煩わされることなく断層撮影を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第一の実施形態)
図1は本発明に係る円錐軌道断層撮影装置における第一の実施形態を説明する概念構成図(正面図)である。
【0016】
(第一の実施形態の構成)
図1において、1はX線源であるX線管、2はX線検出手段であるX線検出器である。X線管1のX線焦点Fから発生したX線であるX線ビーム3は図示斜め下方の被検体4に向けて照射され、その一部となるX線ビーム5が被検体4を透過し、X線検出器2で検出される。
【0017】
X線管1は、例えば透過型マイクロフォーカスX線管が用いられ、1μm程度の小さなX線焦点Fを持つものである。
【0018】
X線検出器2は、被検体4から透過してくるX線ビーム5を2次元検出チャンネル(2次元分解能)で構成される検出面2aで検出するものであって、例えばX線I.I.(X線イメージ インテンシファイア)とテレビカメラとを組み合わせたもの、FPD(フラットパネル型検出器)等が用いられる。
【0019】
被検体4は、試料テーブル6に載置され、試料テーブル6の下部には移動設置台の役割を有するXY機構7、回転機構8およびxz機構9が設けられている。これら機構7〜9は、外部からの指令に基づき所定の方向に移動しつつ、X線ビーム5に対して所定の位置に位置設定する構成となっている。
【0020】
なお、XY機構7、回転機構8およびxz機構9は、図1の積み重ね順序に限定されるものでなく、任意の順序で積み重ね可能である。回転機構8は請求項に記載される回転手段に相当し、XY機構7とxz機構9の少なくとも1つが移動手段に相当する。
【0021】
被検体4は、試料テーブル6とともにXY機構7によりテーブル面6aに沿って2方向X,Yに平行移動され位置設定される。また、被検体4は、試料テーブル6とともに回転機構8によりテーブル面6aに直交する回転軸RAに対し回転される。さらに、被検体4は、xz機構9により、回転軸RAとともにテーブル面6aと直交する平面(検出器傾動面10=紙面)に沿って2方向x,zに平行移動されつつ所要位置に設定される。
【0022】
なお、X線ビーム5は、被検体4と試料テーブル6のみ交差し、他のX線吸収の強い機構構成要素とは交差しないように工夫されている。例えば、回転機構8は大口径の中空軸とX線ビーム5から外れた部分での軸受けとを有し、X線ビーム5はその中空軸の中を通過する。XY機構7およびxz機構9についても、同様にX線吸収の強い機構構成要素とは交差しないように工夫されている。試料テーブル6はX線透過のよい材料で作られている。
【0023】
X線検出器2は、ラミノ角変更手段である検出器移動機構11により、検出器傾動面10(=紙面)に沿ったxd方向およびyd方向に移動され、かつ首振りされ、常に検出面2aがX線焦点Fを向くように位置設定される。
【0024】
検出器移動機構11は、X線ビーム3内でX線検出器2をxd方向およびyd方向に移動させることにより、90度より小さな範囲(0度ないし約70度)でラミノ角αを変えることができ、また、焦点Fと検出面2aとの距離FDDを変えることができる。ラミノ角αは回転軸RAとX線光軸Lの方向とが成す角度である。
【0025】
その結果、回転軸RAは、X線焦点FとX線検出器2の検出面2aの中心Dとを結ぶX線光軸Lの方向に対し、90度より小さなラミノ角αで傾斜されている。そして、回転軸RAは、X線光軸Lと一点(C点)で最接近する(概略として交わる)ように設定される。
【0026】
XY機構7は、回転軸RA上のC点を中心とする撮影領域に被検体4の所望の検査領域が位置するように、回転軸RAと直交する2方向であるX,Y方向に試料テーブル6を移動させるために使用される。
【0027】
回転機構8は、断層撮影時、被検体4をテーブル面6aに沿って回転させるために使用される。
【0028】
xz機構9は、検査倍率(拡大率)の設定と、ラミノ角(傾斜角)αが変化したときに検査領域がC点を中心とする撮影領域からずれないようにする、いわゆる視野ずれ補正に使用される。
【0029】
各機構7,8,9,11は機構制御部13から電力の供給を受け、かつ、制御指令のもとに位置決め制御される。すなわち、機構制御部13は、必要とする機構7(または8,9,11)に制御指令を送出し、当該機構7に取り付けられているエンコーダ(図示せず)から制御結果の位置データを受け取り、所望とする位置に設定するように制御する。
【0030】
また、X線管1にはX線制御部14が接続されている。X線制御部14は、所望のX線条件となる管電圧、管電流となるようにX線管1を制御する。
【0031】
15はコンピュータを備えたデータ処理部である。このデータ処理部15は、外部的には表示部16、キーボード,マウス等の入力部17が設けられ、また、X線検出器2、機構制御部13、X線制御部14と接続され、X線検出器2の検出出力の取り込み、各種制御指令の発信その他後記する各種の処理を実行する。
【0032】
また、データ処理部15は、ソフトウエア的な機能構成としては、エアーデータ収集部15a、撮影条件設定部15b、撮影制御部15c、エアーデータ推定部15dおよび再構成部15eが設けられている。
【0033】
エアーデータ収集部15aは、断層撮影に先立ち感度補正に用いるエアーデータを収集するシーケンスプログラムを実行する機能を有する。撮影条件設定部15bは、断層撮影条件(X線条件と幾何条件等)を設定する際に用いられる。撮影制御部15cは、断層撮影を行うとき、一連のシーケンスプログラムを実行する機能を有する。エアーデータ推定部15dは、予め記憶したエアーデータから設定した断層撮影条件に適合するエアーデータを推定する機能を有する。再構成部15eは、断層撮影の際に得られた透過データ(透過像)に対し、エアーデータ推定部15dで推定したエアーデータを用いて感度補正を行った後、被検体4の断層像を作成する機能を持っている。
【0034】
ここで、断層撮影とは、設定されたラミノ角αで、1回転中に一定角度回転毎の回転位置ごとにX線検出器2で透過データ(透過像)を検出する撮影である。
【0035】
その他、図1に図示されていないが、X線管1,xz機構9、検出器移動機構11等を支持する構成要素、X線を遮蔽するための筐体などが設けられている。
【0036】
(第一の実施形態の作用)
次に、以上のように構成された円錐軌道断層撮影装置の作用について、図2、図3を参照して説明する。
【0037】
まず、断層撮影に先立ちエアーデータ収集を行うが、図2は第一の実施形態におけるエアーデータ収集時の一連の処理フロー図である。
【0038】
操作者は、被検体4が試料テーブル6に載置されていない状態で、エアーデータ収集の指令を入力部17に入力する。エアーデータ収集の指令が入力されると、エアーデータ収集部15aは、ステップS1乃至ステップS9を行いエアーデータの収集・記憶を行う。
【0039】
まず、ステップS1で、X線検出器2のオフセットデータを各検出チャンネルごとに収集し記憶する。
【0040】
ステップS2で、予め定めた基準の管電圧V、管電流iA0でX線放射を開始する。
【0041】
ステップS3で、検出器移動機構11によりX線検出器2を移動させ、予め定めた複数の所定のラミノ角αの最初の1つとなるようにX線検出器2の位置を設定する。また、X線焦点Fと検出面2aとの距離FDDはラミノ角αごとに予め定めた基準の距離FDDとする。
【0042】
ステップS4で、被検体4がX線検出器2の視野に無い状態にて放射されたX線ビーム3に基づき、X線検出器2の各検出チャンネルからエアーデータを収集する。このエアーデータは、均質な板状の試料テーブル6を透過した透過像である。また、エアーデータは、通常、ノイズの影響を除くために透過像を複数のフレーム分取り込み、これら複数のフレームの透過像を平均し、各検出チャンネルのエアーデータとして収集する。
【0043】
ステップS5で、「エアーデータは許容範囲外か?」を判定する。具体的には、
1)エアーデータは飽和状態、
2)エアーデータが小さすぎでかつ管電流が上限でない、
のいずれかが成立したとき許容範囲外(Yes)とし、他の場合許容範囲内(No)と判定する。さらに、具体的には、各検出チャンネル間におけるエアーデータの最大値が飽和レベルに達しているとき、飽和状態と判定する。また、各検出チャンネル間におけるエアーデータの平均値が所定値以下のとき小さすぎと判定する。
【0044】
エアーデータが許容範囲外の場合、ステップS6に進み、管電流を変化させる。変化は、「1)エアーデータは飽和状態」の場合は、所定値だけ下げ、「2)エアーデータが小さすぎでかつ管電流が上限でない」の場合は、所定値だけ上げるようにする。管電流を変化させた後ステップS4に戻り、エアーデータを収集し直し、ステップS5で判定する。この場合、ステップS6、ステップS4、ステップS5を繰り返すことにより、いつかはエアーデータが許容範囲外でなくなる。
【0045】
ステップS5でエアーデータが許容範囲外でない場合、ステップS7に進み、ステップS7では、当該エアーデータに対しステップS1で記憶したオフセットデータを各検出チャンネルごとに減算するオフセット補正を施した後、ラミノ角に対応付けてデータ処理部15内の適宜な記憶部(図示せず)に記憶してステップS8に進む。なお、当該エアーデータを収集した時の管電流iも当該エアーデータに対応付けて記憶される。
【0046】
当該ラミノ角での飽和せずかつ小さすぎないエアーデータを収集した後、ステップS8で予め定めた複数の所定のラミノ角αの全てについて、エアーデータの収集が終了したかを判定する。終了していない場合、ステップS3に戻って次のラミノ角αに設定して、ステップS4乃至ステップS7を繰り返し、当該ラミノ角でエアーデータを収集する。
【0047】
ステップS8で、予め定めた複数の所定のラミノ角αの全てについてエアーデータの収集が終了したと判断すると、ラミノ角ごとのエアーデータが記憶された状態となり、ステップS9に進んでX線の放射を停止し、エアーデータ収集を終了する。
【0048】
なお、エアーデータ収集は頻繁に行う必要はなく、例えば、1週間に一度程度でよい。
【0049】
次に、ラミノ角ごとのエアーデータが記憶された状態で断層撮影を行う。図3は第一の実施形態における断層撮影時の一連の処理フロー図である。
【0050】
まず、ステップS11において、断層撮影に先立ち、断層撮影条件の設定を行う。被検体4を試料テーブル6に載置し、X線を照射し、X線検出器2の視野内に被検体4を入れた状態で透過像が飽和せずまた暗すぎない断層撮影条件を見つけ出し、断層撮影条件の設定を行う。ここで、断層撮影条件は、X線管1の管電圧V、管電流i等の断層撮影X線条件と、ラミノ角α、被検体4中の撮影位置(拡大率を含む)、X線焦点Fと検出面2aとの距離FDD等の断層撮影幾何条件および回転速度、透過像撮影枚数その他の条件等がある。
【0051】
ステップS11では、被検体4を試料テーブル6に載置した後、操作者が入力部17から起動指示を入力し、撮影条件設定部15bを起動する。
【0052】
撮影条件設定部15bは、操作者が入力部17から入力するX線条件指定入力と幾何条件指定入力を受け付けると、X線条件指定入力に基づき、X線制御部14に制御指令を送出し、X線条件を設定する。また、撮影条件設定部15bは、幾何条件指定入力に基づき、機構制御部13に制御指令を送出し、幾何条件を設定する。
【0053】
以上のようにして両条件を設定した後、X線管1からX線ビーム3を発生し、被検体4に向けて照射開始する。このとき、X線検出器2で検出した被検体4の透過像を取り込んで表示部16に表示する。操作者は、表示部16の透過像を目視しながら撮影条件を変更し、最終的な断層撮影条件を設定する。この設定した撮影条件はデータ処理部15内の適宜な記憶部(図示せず)に記憶される。
【0054】
具体的には、ステップS11では、機構制御部13の制御指令に基づいて検出器移動機構11が移動してラミノ角αを所定の角度に設定するとともに、X線焦点Fと検出面2aとの距離FDDを所定の距離に設定する。同様に、機構制御部13からの制御指令に基づき、XY機構7が移動して被検体4中の撮影位置を回転軸RA上に移動設定する。さらに、機構制御部13からの制御指令に基づき、xz機構9が移動して拡大率を設定するとともに、C点に撮影位置中央を合わせる視野合わせを行う。また、X線制御部14の制御指令に基づいて透過像が暗すぎや飽和する部分が無いように管電圧と管電流とを設定する。
【0055】
次に、設定された断層撮影条件の下に、操作者は入力部17から断層撮影開始指令を入力すると、撮影制御部15cは、以下のステップS12とステップS13を行い、断層撮影を行う。
【0056】
ステップS12では、X線管1からのX線の放射を停止し、X線検出器2の各検出チャンネルごとのオフセットデータを収集し、データ処理部15内の適宜な記憶部(図示せず)に記憶する。
【0057】
さらに、ステップS13で、断層撮影を実施する。この断層撮影は、撮影制御部15cから機構制御部13を介して回転機構8を回転駆動させることにより、被検体4を回転軸RAに対し回転させる。通常、X線管1からX線ビーム3を放射させた状態において、1回転にわたって一定角度ごとに被検体4を通ってくるX線ビーム5をX線検出器2で検出した透過データ(透過像)を取り込み、データ処理部15内の適宜な記憶部(図示せず)に記憶する。
【0058】
なお、ハーフスキャンやオーバースキャン、ヘリカルスキャンなどの場合は1回転ではない。
【0059】
次に、ステップS14で、エアーデータ推定部15dは、エアーデータの推定を行う。すなわち、エアーデータ推定部15dは、前述したエアーデータ収集によって、エアーデータ収集部15aにより記憶されたラミノ角ごとのエアーデータから、補間計算で撮影条件設定手段で設定された断層撮影条件に適合する推定エアーデータを求める。補間計算として、一次補間を用いる場合、補間は、式、
(α)={(α2−α)・I(α1)+(α−α1)・I(α2)}/(α2−α1) ……(1)
で表される。ここで、αは設定された断層撮影のラミノ角で、α1,α2はαに近い順に2つ選んだエアーデータのラミノ角である。I(α1),I(α2)はそれぞれα1,α2でのエアーデータで、I(α)はラミノ角αでの推定エアーデータ(補正前)である。
【0060】
この推定エアーデータI(α)に対し、さらに、断層撮影時とエアーデータ収集時の管電圧V、管電流i、FDDの食い違いの補正を加える。補正の式は、例えば、
=I(α)・(V/Vγ・(i/i)・(FDD/FDD) ……(2)
を用いる。ここで、V,i,FDDはエアーデータ収集時の管電圧V、管電流i、FDDである。iとFDDはそれぞれα1での値とα2での値を補間して用いる。また、γはX線強度の管電圧依存性(I∝Vγ)を表す2ないし2.3の定数である。最終的な推定エアーデータIは全ての検出チャンネルについて式(1)、式(2)を順次計算することで得られる。
【0061】
なお、細かいラミノ角の間隔で多数のエアーデータを収集する場合は、補間計算としては、式(1)で表される一次補間ではなく、最近傍のラミノ角のエアーデータを推定エアーデータとして採用する補間であってもよい。また、補間計算としては、一次補間ではなく高次の補間としてもよく、スプライン(Spline)曲線、ベツィエ(Bezier)曲線、ナーブス(Nurbus)曲線等を用いた補間としてもよい。
【0062】
得られた推定エアーデータIは、データ処理部15内の適宜な記憶部(図示せず)に記憶される。
【0063】
引き続き、再構成部15eは以下のステップS15とステップS16を行い断層像の再構成を行う。
【0064】
ステップS15では、断層撮影で得た全ての透過像に対し、X線検出器2における各検出チャンネルごとの感度の補正であるエアー補正を行う。詳しくは、エアー補正と一緒に、オフセット補正と対数変換を行う。エアー補正はエアーデータによる除算であり、補正式は、各検出チャンネルごとに、
P=−LOG{(I−Ioff)/I} ……(3)
である。ここで、Iは透過データ、IステップS14で得た推定エアーデータ、IoffはステップS12で得たオフセットデータ、Pは補正後の透過データである。すなわち、補正後の透過データPは、オフセット補正、エアー補正および対数変換した値となる。
【0065】
次にステップS16では、1回転にわたって一定角度ごとにX線検出器2で得た透過データ(透過像)から断層像を再構成する。再構成方法は、従来周知の方法を採用する。例えば、特許文献1に記載するように、フィルタ掛けと逆投影とを用いて再構成する。ここで、フィルタ掛けは、透過像上に投影した回転軸の方向と直交する方向にいわゆる重みデータ|ω|のフィルタ掛けが行われる。そして、逆投影により被検体4の断層像が得られる。
【0066】
さらに、連続的に複数枚の断層像を再構成することにより、3次元データを取得することができる。
【0067】
(第一の実施形態の効果)
第一の実施形態によれば、X線条件や幾何条件などの断層撮影条件を変更して断層撮影を行ったとき、エアーデータ収集時のX線条件や幾何条件から計算することで変更した断層撮影条件での推定エアーデータを推定してエアー補正を行うので、断層撮影条件を変更するたびにエアーデータ収集をやり直す必要がない。
【0068】
ラミノ角ごとのエアーデータから補間計算で推定エアーデータを求め、また、断層撮影時とエアーデータ収集時の管電圧V、管電流i、FDDの食い違いの補正を加えるので、適正な推定エアーデータが得られる。特に、本実施形態のようにX線管1から放射されるX線ビーム3の中でX線検出器2を移動させてラミノ角αを変更する場合、X線ビーム3の端になるほどX線量が大きく減少してエアーデータが変化してしまうが、このような場合であっても、ラミノ角ごとのエアーデータから補間計算で推定エアーデータを求めることで、X線ビーム3のX線強度の不均一によって生じるラミノ角αが変化したときのエアーデータの変化を良好に補正できる。
【0069】
また、エアーデータ収集においては、「エアーデータは許容範囲外か?」を繰り返し判定して管電流を調整しているので、飽和しないように適正にエアーデータを収集することができる。
【0070】
また、第一の実施形態によれば、全自動でエアーデータが収集されるので、エアーデータの収集作業に煩わされることなく断層撮影ができる。
【0071】
さらに、エアーデータの収集条件と無関係に断層撮影条件を設定できるので、断層撮影X線条件としては、エアーデータの飽和に制約されることなくX線強度が十分大きくなるように最適に設定できる効果がある。このため、断層撮影においては、被検体4がX線検出器2の視野全体を覆っている場合がほとんどである(透過像に空気部分が無い)ため、断層撮影時のX線強度が大きくでき、断層像のノイズを低減できる。特にX線吸収が大きい被検体の場合などでは、この効果が大きい。
【0072】
(第一の実施形態の変形)
その他、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
【0073】
(変形例1)
上記の実施形態では、ステップS5にて各検出チャンネルのエアーデータから「エアーデータは許容範囲外か?」を判定しているが、このような判定方法には限られない。すなわち各検出チャンネルのエアーデータから直接、飽和を判定する代わりに、間接的に飽和を示すパラメータを用いて判定してもよい。
【0074】
例えば、各検出チャンネルのエアーデータの平均値を求めた後、当該平均値が所定値以下、例えば飽和値の80%以下の場合、飽和状態ではないと判定してもよい。所定値は、過去の経験に照らして十分飽和状態ではないとする値が選択される。この判定を採用した場合、検出チャンネルに常に飽和値を出力する不良チャンネルが存在する場合でも、不良チャンネルを除いた正常チャンネルに対して飽和を正しく判定できる。
【0075】
また、例えば、エアーデータの所定範囲の検出チャンネルについて検出チャンネル間の平均値mと標準偏差σを求めた後、この平均値mと標準偏差σに所定係数kを掛けた値とを加算し、この加算値(m+k・σ)が飽和値を超えたとき、飽和状態であると判定してもよい。ここで、所定係数kは3〜5が望ましい。また、平均値mと標準偏差σを求める検出チャンネル範囲は、例えば全検出チャンネルとしても、周辺部を除いた中央部としてもよい。
【0076】
ちなみに、以上の加算値および係数値を用いた理由は、エアーデータの検出チャンネル間のバラつきが正規分布に近いことを利用し、例えば3σを超える検出チャンネル数が急減することを利用している。
【0077】
このような判定方法を採用した場合、検出チャンネルの中に常に飽和値を出力する不良チャンネルが有った場合でも、不良チャンネルの出力の影響を抑えて正常に判定できるほか、飽和しない最大のエアーデータとすることができ、断層像のノイズが減らせる。
【0078】
(変形例2)
上記の実施形態では、推定エアーデータを計算する際に、まず、ラミノ角αについての補間計算(式(1))を行ってから、管電圧V,管電流i,FDDの食い違いの補正(式(2))を行っているが、逆に、補正を先に行ってから補間を行うようにしてもよい。
【0079】
この場合のV,i,FDDに対する補正の式は、例えば、
(α1)’=I(α1)・(V/Vγ・(i/i)・(FDD/FDD)……(4)
(α2)’=I(α2)・(V/Vγ・(i/i)・(FDD/FDD)……(5)
となる。ここで、V,i,FDDは、α1,α2でのエアーデータ収集時のそれぞれにおける値を用いる。ラミノ角αについての補間の式は、例えば、
={(α2−α)・I(α1)’+(α−α1)・I(α2)’}/(α2−α1) ……(6)
となる。最終的な推定エアーデータIは全ての検出チャンネルについて式(4)、式(5)、式(6)を順次計算することで得られる。
【0080】
(変形例3)
上記の実施形態では、エアーデータは予め定めた複数の所定のラミノ角αで収集したが、予め定めた複数の所定のラミノ角αと管電圧Vの組み合わせに対し、各組み合せごとにエアーデータを収集して記憶するようにしてもよい。この場合、断層撮影時のα,Vに近いα,Vの組み合わせのエアーデータを用いてα,Vについての2次元の補間を行って推定エアーデータを求めるようにする。
【0081】
例えば、最近傍4点からの補間としてα方向に一次補間、V方向に高次補間を用いる場合、補間は、式、
(α,V1)={(α2−α)・I(α1,V1)+(α−α1)・I(α2,V1)}/(α2−α1) ……(7)
(α,V2)={(α2−α)・I(α1,V2)+(α−α1)・I(α2,V2)}/(α2−α1) ……(8)
(α,V)={(V2γ−Vγ)・I(α,V1)+(Vγ−V1γ)・I(α,V2)}/(V2γ−V1γ) ……(9)
で行う。ここで、α,Vは設定された断層撮影の条件、I(α1,V1),I(α2,V1),I(α1,V2),I(α2,V2)は最近傍4点でのエアーデータで、I(α,V)はα,Vでの推定エアーデータ(補正前)である。また、γはX線強度の管電圧依存性(I∝Vγ)を表す2ないし2.3の定数である。ここで、γは定数を用いてもよいが、式、
γ=LOG{I(α,V2)/I(α,V1)}/LOG(V2/V1)……(10)
で、式(9)を計算する前に都度計算して用いるようにしてもよい。
【0082】
この推定エアーデータに対し、さらに、断層撮影時とエアーデータ収集時の管電流i,FDDの食い違いの補正を加える。補正の式は、例えば、
=I(α,V)・(i/i)・(FDD/FDD) ……(11)
を用いる。ここで、i,FDDはエアーデータ収集時の管電流i,FDD(の補間値)である。最終的な推定エアーデータIは全ての検出チャンネルについて式(7)ないし式(11)を順次計算することで得られる。
【0083】
なお、細かいα,Vの間隔で多数のエアーデータを収集する場合は、補間計算としては、式(7)ないし式(9)で表される補間ではなく、最近傍のα,Vでのエアーデータを推定エアーデータとして採用する補間であってもよい。また、補間計算としては、一次補間でも高次補間としてもよく、スプライン(Spline)曲線、ベツィエ(Bezier)曲線、ナーブス(Nurbus)曲線等を用いた補間としてもよい。
【0084】
また、変形例2での記載と同様に、式(7)ないし式(11)の計算において、管電流i,FDDの食い違いの補正を行ってから、ラミノ角α,管電圧Vについての補間を行うようにしてもよい。
【0085】
この変形例によれば、上記の実施形態の効果に加え、さらに、X線検出器2の検出チャンネル間の感度分布が管電圧Vで変化するようなX線検出器2を用いた場合、管電圧Vによる感度分布の違いを正確に補正して推定エアーデータを求めることができる。
【0086】
(変形例4)
上記の実施形態では、ラミノ角αおよびFDDを変更する際に水平から傾斜したxd方向およびxdと直交するyd方向にX線検出器2を移動させているが、検出器傾動面10(=紙面)に沿って移動できればどのような機構でもよい。検出器移動機構11はX線検出器2を水平なx方向および垂直なz方向に移動させてもよい。また、検出器移動機構11はX線検出器2を図示(イ)のようなX線焦点Fを中心とする円弧の方向およびX線焦点Fに近づく方向の2方向に移動させてもよい。また、検出器移動機構11はX線検出器2をxd方向の直線移動のみをさせてもよく、あるいは図示(イ)のようなX線焦点Fを中心とする円弧状の移動のみをさせてもよい。
【0087】
また、ラミノ角α変更手段としてはX線焦点FとX線検出器2のどちらか一方あるいは両方を移動させてX線光軸Lを傾けるようにしてもよいし、回転軸RAを傾けるようにしてもよい。また、回転軸RAに対する回転も被検体を回転させる代わりにX線焦点FとX線検出器2とを一体で回転させてもよい。
【0088】
(変形例5)
さらに、上記の実施形態では、透過型マイクロフォーカスX線管を用いたが、X線管はこれに限られることなく、反射型でも、非マイクロフォーカス型でもよい。
【0089】
また、上記の実施形態では、連続放射のX線管を用いたが、パルス放射でもよい。パルス放射の場合は、管電流を変化させる代わりに、パルス幅やパルス周期を変えるようにしてもよい。その理由は、パルス幅やパルス周期を変えることで、時間平均の管電流が変わっており、管電流の変更と同じ機能を果たすためである。
【0090】
(変形例6)
また、上記の実施形態では、エアーデータが飽和しないように管電流を下げたが、管電流を変更する代わりに次のような変更方法を用いてもよい。
(A)X線検出器2の積分時間を変更する。
(B)X線検出器2のゲインを切り換える。
(C)X線ビーム5にX線フィルタを切り換えて挿入する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】 本発明に係る円錐軌道断層撮影装置の第一の実施形態を説明する概念構成図(正面図)。
【図2】 第一の実施形態におけるエアーデータ収集時の一連の処理フロー図。
【図3】 第一の実施形態における断層撮影時の一連の処理フロー図。
【符号の説明】
【0092】
1…X線管、2…X線検出器、2a…検出面、3…X線ビーム、4…被検体、5…検出される一部のX線ビーム、6…試料テーブル、7…XY機構、8…回転機構、9…xz機構、10…検出器傾動面、11…検出器移動機構、13…機構制御部、14…X線制御部、15…データ処理部、15a…エアーデータ収集部、15b…撮影条件設定部、15c…撮影制御部、15d…エアーデータ推定部、15e…再構成部、16…表示部、17…入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブル上に載置された被検体に向けてX線を照射するX線源と、
前記X線源の管電圧と管電流を制御して設定するX線制御手段と、
前記被検体を透過したX線を2次元検出チャンネルで検出して透過データとして出力するX線検出手段と、
前記X線検出手段により検出されるX線の中心線の方向に対し90度より小さなラミノ角で交差する回転軸に対し、前記X線と前記被検体とを相対的に回転させる回転手段と、
前記被検体と前記X線とを相対移動させて撮影位置設定する移動手段と、
前記X線の中心線あるいは前記回転軸を傾斜させることで前記ラミノ角を変更して設定するラミノ角変更手段と、
予め所定の前記管電圧と管電流で設定した複数の前記ラミノ角において、前記被検体を前記X線検出手段の視野から外して前記X線検出手段で検出した透過データを飽和しないことを条件に収集し、前記ラミノ角ごとにエアーデータとして記憶するエアーデータ収集手段と、
操作者の入力指示に従って、前記被検体を前記X線検出手段の視野内で撮影位置設定するとともに、前記管電圧と管電流の設定および前記ラミノ角の設定を含む断層撮影条件を設定する撮影条件設定手段と、
前記撮影条件設定手段で設定された断層撮影条件で、前記回転手段により前記X線と前記被検体とが相対的な回転を行いつつ、複数の回転位置で前記X線検出手段で検出した透過データを得る撮影制御手段と、
前記エアーデータ収集手段により記憶された前記ラミノ角ごとのエアーデータから、前記撮影条件設定手段で設定された断層撮影条件に適合する推定エアーデータを求めるエアーデータ推定手段と、
前記撮影条件設定手段で設定された断層撮影条件で得られた透過データに対し、前記エアーデータ推定手段で得られた推定エアーデータを用いてエアー補正を施して再構成処理し、前記被検体の3次元画像を得る再構成手段と、
を備えたことを特徴とする円錐軌道断層撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の円錐軌道断層撮影装置において、
前記エアーデータ推定手段は、前記撮影条件設定手段で設定されたラミノ角に応じて前記ラミノ角ごとのエアーデータから補間計算で前記推定エアーデータを求めることを特徴とする円錐軌道断層撮影装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の円錐軌道断層撮影装置において、
前記エアーデータ収集手段は、前記エアーデータの収集時に、前記エアーデータが飽和しているか、または所定値より小さすぎないかを判定し、この判定結果を用いて前記エアーデータが飽和せずまたは小さすぎないよう、前記X線制御手段により前記管電流を変化させることを特徴とする円錐軌道断層撮影装置。
【請求項4】
請求項3に記載の円錐軌道断層撮影装置において、
前記エアーデータ収集手段は、前記X線検出手段の複数検出チャンネル間のエアーデータの平均値と標準偏差とを求め、この求めた平均値と標準偏差に所定係数を掛けて得られた値とを加算し、この加算値が飽和値を超えているときに前記エアーデータが飽和していると判定することを特徴とする円錐軌道断層撮影装置。
【請求項5】
請求項3に記載の円錐軌道断層撮影装置において、
前記エアーデータ収集手段は、前記X線検出手段の複数検出チャンネル間のエアーデータの平均値を求め、この平均値が所定値を下回るときに前記エアーデータが小さすぎと判定することを特徴とする円錐軌道断層撮影装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の円錐軌道断層撮影装置において、
前記エアーデータ収集手段は、予め設定した複数の前記ラミノ角と前記管電圧との組み合わせに対して、その組み合わせごとにエアーデータを収集して記憶し、
前記エアーデータ推定手段は、前記エアーデータ収集手段により記憶された前記組み合わせごとのエアーデータから前記撮影条件設定手段で設定された断層撮影条件での推定エアーデータを求めることを特徴とする円錐軌道断層撮影装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の円錐軌道断層撮影装置において、
前記エアーデータ推定手段は、推定エアーデータを求める際に、前記エアーデータ収集時の管電流と前記断層撮影条件の管電流が異なる場合、該管電流の相違を補正して推定エアーデータを求めることを特徴とする円錐軌道断層撮影装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−127924(P2010−127924A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328677(P2008−328677)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(391017540)東芝ITコントロールシステム株式会社 (107)
【Fターム(参考)】