説明

再処理装置用フィルタ組立品

本発明は滅菌する物品を収納するチャンバを備えた再処理装置を操作する方法を提供する。濾過システムを含む第1および第2の濾過要素に通した水を再処理装置に充填する。水を乾燥化学薬品に混合して液体滅菌剤を生成する。液体滅菌剤を流体循環システムおよび濾過システムに循環させ、液体滅菌剤の一部はバイパス管に導き、別の一部は第1および第2のフィルタ要素に導く。所定の時間が経過したあと、再処理装置から排水する。次に、第1および第2のフィルタ要素を通過したすすぎ水を再処理装置に充填する。すすぎ水は再処理装置に入れる前にすすぎ水を加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療、歯科、製薬、獣医または埋葬用の器具および装置の微生物不活性化に関し、特に液体微生物不活性化システムで使用する濾過システムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液または他の体液に曝される医療、歯科、製薬、獣医または埋葬用の器具および装置においては各使用の間で完全な洗浄および微生物不活性化または滅菌が要求される。蒸気滅菌システムの高温に耐えることのできない器具および装置を洗浄および不活性化するのに液体微生物不活性化システムが現在広く使用されている。液体微生物不活性化システムは典型的には医療器具および/または装置を過酢酸または他の強力なオキシダントなどの液体消毒剤または滅菌成分にさらすことで操作する。
【0003】
このようなシステムにおいて、被洗浄器具または装置は典型的には液体微生物不活性化システムのチャンバ内に置くか、またはチャンバ内に配置された容器内に置く。次いで、不活性化サイクルの間に、液体消毒剤をチャンバ(およびチャンバ内の容器)を含む液体循環システムに循環させる。
【0004】
不活性化サイクルに次いで、すすぎ溶液を、典型的には水をチャンバに循環させ、不活性化サイクルの間に器具または装置に堆積した微生物不活性化剤の痕跡および微粒子を取り除く。理解されるように、微生物不活性化された器具および装置がすすぎサイクル中に再汚染されないことを保証するため、純度の高いすすぎ水を使用することが重要となる。
【0005】
器具および装置のすすぎに使用する水は一般にミコバクテリア粒子を取り除くため濾過システムを通過する。濾過システムの下流側には少量の液体滅菌剤が溜まっているかもしれないが、濾過システムの上流側の水は一般に微生物不活性化および/または滅菌されていない。したがって、時間が経過すると微生物汚染物質が濾過システムの上流側に堆積し、続いて濾過システムの下流側に通り抜け、すすぎサイクル中にチャンバ内に入る可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこれらの問題を解決して、微生物不活性化システムに使用する水を濾過する改良された濾過システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、滅菌する物品を収容するチャンバと、チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から液体滅菌剤を生成する手段と、滅菌装置に入る水を濾過する水の濾過システムとから構成される滅菌装置の操作方法が提供される。濾過システムにはチャンバに取り付けられた流体供給ラインと、流体供給ラインに配置された方向弁と、流体供給ラインに配置された第1のフィルタ要素とが含まれる。第1のフィルタ要素はそこを通過する流体を濾過するために設けられ、方向弁とチャンバとの間で方向弁の下流に配置される。第2のフィルタ要素はそこを通過する流体を濾過するため流体供給ラインに配置される。第2のフィルタ要素は第1のフィルタ要素とチャンバとの間に配置される。方向弁と第1のフィルタ要素との間の箇所で流体供給ラインに水ラインが接続される。バイパスラインが流体供給ラインに接続され、方向弁と第1および第2のフィルタ要素とをバイパスする流体通路を定める。この操作方法には、
a)水源からの水を第1および第2のフィルタ要素に通して滅菌装置に水を充填するステップと、
b)第1および第2のフィルタ要素で濾過した水を乾燥化学薬品に混合して液体滅菌剤を生成するステップと、
c)液体滅菌剤を流体循環システムおよび濾過システムに循環させ、このとき、液体滅菌剤の一部は第1および第2のフィルタ要素に導き、一部はバイパスラインに導くステップと、
d)所定の露出時間が経過したあと滅菌装置から排水するステップと、
e)すすぎ水を第1および第2のフィルタ要素に通すステップと、
f)すすぎ水を第1および第2のフィルタ要素に通したあと、すすぎ水を加熱するステップと、
g)すすぎ水をチャンバに取り入れるステップと
が含まれる。
【0008】
本発明の別の側面によると、微生物不活性化する物品を収容するチャンバと、チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から微生物不活性化流体を生成する手段と、再処理装置に入る水を濾過する水の濾過システムを備える再処理装置の操作方法を提供する。この濾過システムには加圧水源と第1のフィルタ要素と第2のフィルタ要素に接続できる流体供給ラインが含まれる。第1のフィルタ要素および第2のフィルタ要素は第2のフィルタ要素が第1のフィルタ要素の下流に位置するように流体供給ラインに配置される。第1および第2のフィルタ要素をバイパスする流体通路を定めるバイパスラインを流体供給ラインに接続する。水の濾過システムは流体循環システムに接続する。この操作方法には、
a)水源からの水を前記第1および第2のフィルタ要素に通して再処理装置に水を充填するステップと、
b)第1および第2のフィルタ要素で濾過した水を乾燥化学薬品に混合して微生物不活性化流体を生成するステップと、
c)微生物不活性化流体を流体循環システムおよび濾過システムに循環させ、このとき、微生物不活性化流体の一部は流体供給ラインに導き、別の一部は第1のフィルタ要素および第2のフィルタ要素に導くステップと、
d)所定の露出時間が経過したあと再処理装置から排水するステップと、
e)すすぎ水を第1および第2のフィルタ要素に通すことで、すすぎ水を前記再処理装置に充填するステップと、
f)すすぎ水をチャンバに取り入れる前にすすぎ水を加熱するステップと
が含まれる。
【0009】
本発明のさらに別の側面によると、再処理装置の操作方法が提供される。この再処理装置は微生物不活性化する物品を収容するチャンバと、チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から微生物不活性化流体を生成する手段と、再処理装置に入る水を濾過する水の濾過システムを備える。濾過システムには加圧水源に接続できる流体供給ラインが含まれる。第2のフィルタ要素が第1のフィルタ要素の下流に、またヒータが第2のフィルタ要素の下流になるように、第1のフィルタ要素、第2のフィルタ要素およびヒータが流体供給ラインに配置される。第1および第2のフィルタ要素とヒータをバイパスする流体通路を定めるバイパスラインが流体供給通路に接続される。水の濾過システムは流体循環システムに接続される。この操作方法には
a)水源からの水を第1および第2のフィルタ要素に通して再処理装置に水を充填するステップと、
b)濾過した水を乾燥化学薬品に混合して液体滅菌剤を生成するステップと、
c)液体滅菌剤を流体循環システムおよび濾過システムに循環させ、このとき、液体滅菌剤の一部は流体供給ラインに導き、別の一部は第1および第2のフィルタ要素に導いて濾過した液体滅菌剤を生成する、ステップと、
d)循環ステップの間にヒータを操作するステップとが
含まれる。
【0010】
本発明のさらに別の側面によると、液体滅菌剤または微生物不活性化流体を循環システムの一部を形成するチャンバに循環させる循環システムと再処理装置に使用する水を濾過する濾過システムを備えた再処理装置を提供する。水の濾過システムには循環システムの一部を形成する流体供給ラインが含まれる。流体供給ラインの一端はチャンバに流体接続される。流体供給ラインには方向弁が配置される。第1のフィルタ要素がチャンバの上流に位置し、そこを通過する流体を濾過するため流体供給ラインに配置される。第2のフィルタ要素がそこを通過する流体を濾過するため流体供給ラインに配置される。第2のフィルタ要素は第1のフィルタ要素とチャンバとの間に配置される。水ラインが加圧水源に接続でき、方向弁と第1のフィルタ要素との間の位置で流体供給ラインに接続される。第1および第2のフィルタ要素をバイパスする流体通路を定めるバイパスラインが流体供給ラインに接続される。バイパスラインは一端が方向弁の上流で流体供給ラインに接続され、他端が第2のフィルタ要素とチャンバとの間の流体供給ラインに接続される。
【0011】
本発明のさらに別の側面によると、滅菌する物品を収容するチャンバと、チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から液体滅菌剤を生成する手段と、滅菌装置に入る水を濾過する水の濾過システムとから構成される滅菌装置の操作方法を提供する。この濾過システムにはチャンバに取り付けられた流体供給ラインと、流体供給ラインに配置された方向弁と、そこを通過する流体を濾過する流体供給ラインに配置された第1のフィルタ要素とが含まれる。第1のフィルタ要素は方向弁とチャンバとの間で方向弁の下流に位置する。通過流体を濾過するため第2のフィルタ要素が流体供給ラインに配置される。第2のフィルタ要素は第1のフィルタ要素とチャンバとの間に位置する。方向弁と第1のフィルタ要素との間に位置する箇所で流体供給ラインに水ラインが接続される。方向弁と第1および第2のフィルタ要素とをバイパスする流体通路を定めるバイパスラインが流体供給ラインに接続される。この操作方法には、
a)水源からの水を第1および第2のフィルタ要素に通して滅菌装置に水を充填するステップと、
b)第1および第2のフィルタ要素で濾過した水を乾燥化学薬品に混合して液体滅菌剤を生成するステップと、
c)液体滅菌剤を流体循環システムおよび濾過システムに循環させ、このとき、液体滅菌剤の一部は第1および第2のフィルタ要素に導き、一部はバイパスラインに導く、ステップと
が含まれる。
【0012】
本発明のさらなる別の側面によると、微生物不活性化または滅菌する物品を収容するチャンバと、チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から微生物不活性化流体を生成する手段と、再処理装置に入る水を濾過する水の濾過システムとから構成される再処理装置を提供する。濾過システムには加圧水源に接続できる流体供給ラインと、第1のフィルタ要素と、第2のフィルタ要素とが含まれる。第1および第2のフィルタ要素は第2のフィルタ要素が第1のフィルタ要素の下流に位置するように流体供給ラインに配置される。フィルタ要素の少なくとも1つの完全性(Integrity)を点検する方法が提供され、この方法には、
a)フィルタ要素の上流側で第1の既知圧力を確立するステップと、
b)フィルタ要素の上流側の圧力をフィルタ要素および既知寸法の漏れオリフィスから開放するステップと、
c)フィルタ要素の上流側の圧力変化を時間に対して監視するステップと、
d)フィルタ要素の上流側で第2の既知圧力を確立するステップと、
e)フィルタ要素の上流側の圧力をフィルタ要素から開放するステップと、
f)フィルタ要素の上流側の圧力変化を時間に対して監視するステップと、
g)ステップc)およびf)で決定した圧力変化に基づいてフィルタの流量を決定するステップと
が含まれる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の利点は再処理システム用に滅菌可能な水濾過システムを提供することにある。
本発明の別の利点は微生物不活性化システム用に微生物不活性化濾過システムを提供することにある。
【0014】
本発明の別の利点はフィルタ要素において微生物が生長する結果としての水供給の微生物汚染の可能性を減少する上記の濾過システムを提供することにある。
本発明のさらなる別の利点は第2のフィルタ要素の下流に供給される水を微生物不活性化または滅菌する高レベルの確実性を備えることのできる上記の濾過システムを提供することにある。
【0015】
これらの対象は図面とともに説明する以下の実施形態および特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
発明はある部分および部分の配置の具体的な形態をとるが、その一実施形態を明細書に詳細に記載し、明細書の一部を形成する図面で説明する。
【図1】微生物不活性化システムの概略図である。
【図2】本発明の一実施形態を表す濾過システムの概略図である。
【図3】図2に示す濾過システムの一部の図であって、別の実施形態を示す。
【図4】濾過システムの概略図であって、本発明のさらに別の実施形態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図示するものは発明の一実施形態を説明するだけの目的をもち、これに限定する目的をもつものではない。図1は本発明の一実施形態を説明する微生物不活性化装置10の単純化した概略的な配管ダイヤグラムを示す。
【0018】
ハウジング構造物(図示しない)の一部であるパネル22で、微生物不活性化する物品または器具を収容する大きさのレセスまたは空洞24が定義される。図示する実施形態では、トレイまたは容器26を設けて不活性化する装置または器具を収容する。図1に示すように、容器26はレセスまたは空洞24内に入る大きさにする。
【0019】
手動操作式の蓋32は、空洞24にアクセスできる開放位置と空洞24を閉鎖または蓋をする閉鎖位置(図1に示す)との間で開閉できる。シール要素34は空洞24を取り囲み、流体密、すなわち気密および液密を形成し、蓋32を閉鎖位置にしたとき蓋32とパネル22の間を密封する。ラッチ手段(図示しない)を設け、不活性化サイクル中に蓋32を閉鎖位置にラッチし締付ける。蓋32を閉鎖位置にしたとき空洞24でチャンバ36は定義される。
【0020】
流体循環システム40で微生物不活性化流体をチャンバ36に供給し、さらに微生物不活性化流体をチャンバ36に循環させるよう操作することができる。流体循環システム40には加熱水源(図示しない)に接続される水入口ライン42が含まれる。一対のフィルタ要素44,46を水入口ライン42に設けて、入ってくる水に存在する大きい汚染物質を濾過する。フィルタ44,46は一定のサイズの粒子を取り除くサイズ排除のフィルタ要素である。フィルタ要素46はフィルタ要素44よりも小さい粒子を濾過で取り除くのが好ましい。フィルタ要素44は約3ミクロン(μ)以上の粒子を濾過で取り除くのが好ましく、フィルタ要素46は約0.1ミクロン(μ)以上の粒子を濾過で取り除くのが好ましい。圧力センサ(図示しない)を設けてフィルタ要素44,46の圧力降下を監視するが、フィルタ要素の圧力降下の変化は目詰まり、破損などを表示する。基本的には、フィルタ要素44,46を設けて供給装置10に使用する水源に含まれる粒子を濾過で取り除く。
【0021】
水源内の微生物を不活性化するウイルス減少装置52を水入口ライン42に設けるのが好ましい。別のウイルス減少装置にすることも考えられるが、ウイルス減少装置52は紫外線(UV)処理装置にするのが好ましく、NSF/ANSI基準55で規定されるクラスA装置にするのが一層好ましい。一実施形態では、ノースカロライナにあるWedeco Ideal Horizons of Charlotte社製の最小投与量が40,000μW/cmのUV光線システムを使用する。図示する実施形態ではウイルス減少装置52はフィルタ要素44,46の下流に設けられる。ウイルス減少装置52はフィルタ要素44,46の上流の水入口ライン42に設けることも考えられる。
【0022】
水弁54で水入口ライン42からシステム供給ライン62への水の流れを制御する。流体循環システム40に微生物不活性化水または滅菌水を供給するよう、入ってくる水から微生物および粒子を濾過で取り除く濾過システム100がシステム供給ライン62に含まれる。システム供給ライン62は第1のブランチ供給ライン64と第2のブランチ供給ラインに分かれる。第1のブランチ供給ライン64はチャンバ36内の容器26に通じる。第2のブランチ供給ライン66はチャンバ36自体に接続される。補助的なブランチ供給ラインは第1のブランチ供給ライン64から分離して化学薬品分配容器72の入口部分に向う。この容器72には、水と混合すると不活性システムで使用する抗微生物流体を形成する乾燥化学薬品が含まれる。弁74で第1のブランチ供給ライン64と、化学薬品分配容器72への補助的なブランチ供給ライン68とに流れる流量を制御する。化学薬品分配容器72はハウジングのパネル22内に形成された空所76内に配置される。第2のブランチ供給ライン66および補助的なブランチ供給ライン68の流量絞り弁78はそのラインを流れる流量を制御する。
【0023】
ブランチ戻りライン82は化学薬品分配容器72から延びてシステム戻りライン88に接続される。同様に、ブランチ流体戻りライン84,86はそれぞれ容器26およびチャンバ36から延びて、システム戻りライン88に接続される。図1に示すように、システム戻りライン88は後方で水入口ライン42および流体供給ライン62に接続する。ポンプ92がシステム戻りライン88内に配置される。ドレンライン94がシステム戻りライン88に接続される。ドレン弁96がドレンライン94へ流れる流量を制御する。
【0024】
次に図2を参照すると、水濾過システム100がよく理解できる。水濾過システム100は流体供給ライン内に配置され、フィルタ組立品110、130の一部として示される2つのフィルタ要素114および134が含まれる。フィルタ要素114,134は流体供給ライン62内で直列に配置される。流体供給ライン62の第1の部分62aは水入口ライン62を第1のフィルタ組立品の入口側に接続する。流体供給ライン62の第2の部分62bは第1のフィルタ組立品110の出口側を第2のフィルタ組立品130の入口側に接続する。流体供給ライン62の第3の部分62cは第2のフィルタ組立品130の出口側を、図2で概略的に示すヒータ102に接続する。ヒータ102は流体供給ライン62の第3の部分62cを流れる水を少なくとも95℃の温度まで加熱する大きさにする。
【0025】
第1のフィルタ組立品110にはハウジング112および内部のフィルタ要素114が含まれる。フィルタ要素114は、好ましくは通常0.12ミクロン(μ)以上のミコバクテリア粒子を濾過で取り除く細菌保持サイズ排除のフィルタである。フィルタ要素114は、親水性のポリビニリデンジフルオライド(PVDF)またはポリエーテルスルホン(PES)膜などのフィルタ膜に囲まれたポリプロピレン、ホモポリマーなどの円筒状支持層を含む。フィルタ膜はキャピラリーチューブまたは中空ファイバー部材の形状である。または、フィルタ膜は管状マクロ多孔質支持体の内面または外面のいずれかに形成された管状膜被覆、積層シートまたは積層膜、または多孔質支持体上に堆積した積層膜の形状である。適当なフィルタ要素はカリフォルニアのPTI Technologies of Oxnard社から入手できる。
【0026】
第1のフィルタ要素114は環状外側チャンバ116と内側チャンバ118の境界を定める。外側チャンバ116はフィルタ要素114の濾過前の上流側を表し、フィルタ組立品の内側チャンバ118はフィルタ要素114の濾過後の下流側を表す。図示するように、流体供給ライン62の第1の部分62aは第1のフィルタ組立品110の外側チャンバ116に通じ、供給ライン62の第2の部分62bは第1のフィルタ組立品110の内側チャンバ118に通じる。ドレンライン122は第1のフィルタ組立品110の外側チャンバ116に通じる。弁124はドレンライン122内に配置され、第1のフィルタ組立品110からドレンへの流れを調節する。
【0027】
第2のフィルタ組立品130はハウジング132と内部フィルタ要素134を含む。フィルタ要素134は、好ましくは通常0.12ミクロン(μ)以上のミコバクテリア粒子を濾過で取り除く細菌保持サイズ排除のフィルタである。フィルタ要素134は、親水性のポリビニリデンジフルオライド(PVDF)またはポリエーテルスルホン(PES)膜などのフィルタ膜に囲まれたポリプロピレン、ホモポリマーなどの円筒状支持層を含む。フィルタ膜はキャピラリーチューブまたは中空ファイバー部材の形状である。または、フィルタ膜は管状マクロ多孔質支持体の内面または外面のいずれかに形成された管状膜被覆、積層シートまたは積層膜、または多孔質支持体上に堆積した積層膜の形状である。適当なフィルタ要素はカリフォルニアのPTI Technologies of Oxnard社から入手できる。フィルタ要素134は環状外側チャンバ136と内側チャンバ138の境界を定める。外側チャンバ136はフィルタ要素134の濾過前の上流側を表し、フィルタ組立品130の内側チャンバ138はフィルタ要素134の濾過後の下流側を表す。図示するように、流体供給ライン62の第2の部分62bは第2のフィルタ組立品130の外側チャンバ136に通じ、供給ライン62の第3の部分62cは第2のフィルタ組立品130の内側チャンバ138に通じる。ドレンライン142は第1のフィルタ組立品130の外側チャンバ136に通じる。弁144はドレンライン142内に配置され、第2のフィルタ組立品130からドレンへの流れを調節する。
【0028】
両方の第1および第2のフィルタ組立品110,130は、フィルタ組立品110,130の内容物に微生物汚染物質が含まれないように、取り付け前に予め滅菌または微生物不活性化するのが好ましい。詳細は後で述べるが、フィルタ組立品110,130には引き続く各処理段階の間に微生物不活性化または滅菌が行われる。
【0029】
第1のフィルタ組立品110を分離可能にするため流体供給ライン62に第1の一対の弁152、154を配置する。この点に関しては、弁152は流体供給ライン62の第1の部分62aにおいて第1のフィルタ組立品110の入口側に配置され、弁154は供給ライン部分62bにおいて第1のフィルタ組立品の出口側に配置される。第2のフィルタ組立品130を分離できるように、第2の一対の弁162、164が流体供給ライン62に設けられる。この点に関しては、弁162は流体ライン部分62bにおいて第2のフィルタ組立品130の入口側に配置され、弁164は流体供給ライン部分62cにおいて第2のフィルタ組立品130の出口側に設けられる。
【0030】
フィルタバイパスライン172が第1および第2のフィルタ組立品110、130の対向する側で流体供給ライン62に通じる。特に、バイパスライン172の一端はポンプ92と、水入口ライン42が流体供給ライン62に接続する位置との間で流体供給ライン62に接続される。詳細は後で述べるが、一方向チェック弁174を水入口ライン42とフィルタバイパスライン172との間に配置して、入ってくる水がフィルタバイパスライン172に通じるのを防止する。フィルタバイパスライン172の他端はフィルタ組立品110,130およびヒータ102を越えた供給ライン62に通じる。
【0031】
本発明の別の側面によると、フィルタパージ用マニホルドシステム180が設けられる。フィルタパージマニホルドシステム180は空気入口ライン182で構成され、清浄で濾過した加圧空気を循環システム40に供給するよう操作できる。制御弁184を空気入口ライン182内に配置し、そこを通過する空気流量を調節する。空気入口ライン182の空気は所定の調節された圧力であるのが好ましい。この点に関しては、空気入口ライン182には一般に空気入口ライン182内で一定の所望の空気圧を維持する圧力調整器(図示しない)が含まれる。空気入口ライン182は2つのブランチ戻りライン192,194に分かれる。図2に示すように、制御弁189付きのベントライン188がブランチ戻りライン192,194に接続される。詳細は後で述べるが、ベントライン188は充填サイクル中に水濾過システム100から空気を放出させるために設けるものである。
【0032】
第1のブランチライン192は第1のフィルタ組立品110のハウジング112を貫通し第1のフィルタ組立品110の外側チャンバ116に通じる。第1のブランチライン192内の制御弁196が通過する空気量を調節する。第2のブランチライン194は第2のフィルタ組立品130のハウジング132を貫通し第2のフィルタ組立品130の外側チャンバ136に通じる。制御弁198がブランチライン194内に配置され、そこを通る流れを調節する。
【0033】
システム供給ライン62の第1の部分62aとブランチライン192との間に第1の圧力センサ202が設けられ、フィルタ要素114の上流側の圧力を検出する。
システム供給ライン62の第2の部分62bとブランチライン194との間に第2の圧力センサ204が設けられ、フィルタ要素134の上流側の圧力を検出する。
【0034】
水入口弁54と第1のフィルタ組立品110の上流側の弁152との間の流体供給ライン62の第1の部分62aに第1の漏れオリフィスライン212が接続される。漏れオリフィスライン212内の弁214がそこを通る流れを調節する。流量絞り器215が漏れオリフィスライン212に配置されて、そこを通る流れを調節する。
【0035】
第1のフィルタ組立品110の出口側の弁154と第2のフィルタ組立品130の入口側の弁162との間の流体供給ライン62の第2の部分62bに第2の漏れオリフィスライン216が接続される。漏れオリフィスライン216内の弁218がそこを通る流れを調節する。流量絞り器219が漏れオリフィスライン216に配置されて、そこを通る流れを調節する。フィルタ要素114の下流側のシステム供給ライン62の部分62bにドレンライン232が接続される。弁234がそこを通る流れを調節する。フィルタ要素134の下流側のシステム供給ライン62の部分62cにドレンライン236が接続される。弁238がそこを通る流れを調節する。
【0036】
詳細は以下に示すように、システムマイクロプロセッサー(図示しない)が循環システム40および弁の操作を制御する。詳細は以下に示すように、循環システム40の操作には充填段階、化学薬品生成および露出段階、排水段階、1つ以上のすすぎ段階、およびフィルタ点検段階がある。
【0037】
次に、装置10および水濾過システム100を参考にして本発明をさらに説明する。医療、歯科、製薬、獣医または埋葬用の器具および装置など微生物不活性化または滅菌する1つ以上の物品はチャンバ36内に入れる。図示する実施形態では、物品は容器26内に入れ、この容器をチャンバ36内に置く。物品はチャンバ36または容器26内でトレイ、バスケット、カートリッジなど(図示しない)で支持する。
【0038】
物品は過酢酸溶液などの微生物不活性化流体で微生物不活性化または滅菌するが、一実施形態では、この流体は化学薬品供給装置72内の乾燥化学薬品を入ってくる水に曝し混合することで作ることができる。この点に関しては、不活性化または滅菌操作においては最初、循環システム40のドレン弁96を閉じ、入口ライン42の水弁54を開けて加熱水を循環システム40に入れる。入ってくる水は最初、水入口ライン42のフィルタ要素44,46で濾過し、前述したように、一定サイズ以上の粒子を取り除く。フィルタ要素44,46は小さいサイズの粒子を濾過で十分に取り除ける寸法になっている。次に、入ってくる水は、紫外線(UV)放射を当てて水中の微生物を不活性化できるウイルス減少装置52で処理する。入ってくる水は弁54を通過して循環システム40に入る。次いで、入ってくる水を供給ライン62内のフィルタ組立品110,130で濾過し、循環システム40、チャンバ36および容器26に充填する。
【0039】
水入口ライン54とフィルタバイパスライン172の間のチェック弁174によって、入ってくる水はすべて第1および第2のフィルタ組立品110,130に流れるので、装置10内に流れる水の濾過が保証される。
【0040】
入ってくる水は外部源から加圧されているので、流体循環システム40、チャンバ36および容器26内の空気は、典型的に装置10の最も高い箇所に配置されたオーバーフロー/空気装置(図示しない)から押し出される。
【0041】
オーバーフローブロックから水が流出すると、装置10に水が充満したと判断される。次いで、システム制御装置によって水弁54が閉じられ、装置10、すなわち流体循環システム40、チャンバ36および容器26内への水の流れが停止される。以上の記載は基本的に装置10の水充填段階について述べている。
【0042】
装置10に水を充填すると、システム制御装置によって生成および露出段階が開始され、ポンプ92が作動して循環システム40、チャンバ36および容器26に水が循環する。第1のブランチ供給ライン64の弁74が開いて化学薬品分配容器72に流れが生じる。化学薬品分配容器72内の水と乾燥化学薬品とによって微生物不活性化流体が作られる。この流体は前述したように、一実施形態では過酢酸である。乾燥化学薬品から作られた不活性流体は循環システム40内に流れ、ポンプ92によって循環システム40、チャンバ36および容器26に循環する。この点に関しては、図面に示すように、微生物不活性化または滅菌流体の一部は容器26周りのチャンバ36内に流れ、微生物不活性化流体の一部は容器26およびそこに含まれる物品内に流れる。
【0043】
図2の矢印で示すように、循環する不活性化流体の一部はバイパスライン172を流れ、不活性化流体の一部は供給ライン62を通ってフィルタ組立品110,130に流れる。システムのそれぞれの部分を流れる流体の量はフィルタバイパスライン172または流体供給ライン62内に配置された調節弁222によって制御できる。不活性化流体の大部分はフィルタバイパスライン172に流すのが好ましい。フィルタ供給ライン62を通り第1および第2のフィルタ組立品110,130に流れる不活性化流体の部分は、不活性化流体に曝すことでフィルタ要素114,134の不活性化を保証するようにすることが好ましい。この点に関しては、フィルタ組立品110,130を通る不活性化流体の流れはフィルタ要素114,134を微生物不活性化または滅菌し、また水充填段階の間にフィルタ組立品110,130に入り込んだ恐れのある微生物汚染物質を不活性化する。このように、装置10の各操作の間、フィルタ要素114、134は微生物不活性化または滅菌流体に曝されて、これを微生物不活性化または滅菌させる。さらに、不活性化段階の間に閉ループの流体循環システム40を流れる微生物不活性化流体は流体循環システム40と、これを形成する構成要素および流体導管を有効に汚染除去する。換言すると、流体循環システム40はそれぞれの汚染除去サイクル中に汚染除去される。
【0044】
所定の露出時間が経過したあと、排水段階を開始する。ドレン弁96を開き、循環システム、チャンバ36および容器26から微生物不活性化流体を排水する。
微生物不活性化流体を装置10から排水したあと、1つ以上のすすぎ段階を実行し、不活性化した物品から残留微生物不活性化流体および残留物をすすぎ流す。この点に関しては、充填段階で前述した方法によって、入口弁54を開き、装置10内に新鮮な水を取り入れる。入ってくる水はすべて水濾過システム100を通り、循環システム40およびチャンバ36に入ってくる水は微生物不活性化または滅菌される。すすぎ終了後、すすぎ水は前述したように装置10から排出する。ポンプ92を作動させて装置10にすすぎ水を循環させる。それぞれの充填、循環および排水段階の間は、流体オーバーフロー/空気組合せ装置を作動させて微生物汚染物質がシステム内の内部部品に入るのを防止する。
【0045】
すすぎ段階に続き、第1および第2のフィルタ組立品110,130でフィルタ完全性試験を実施し、第1および第2のフィルタ組立品、特にフィルタ要素114,134が適切に作動することを保証する。フィルタ完全性試験を実施する前に、最初に弁152、154、164を閉じてフィルタ組立品110、130を濾過システム100から、また互から分離し、次いでドレンライン122,142,232および236それぞれの弁124,144,234および238を開くことによって、フィルタハウジング112,132から排水するのが好ましい。弁189、196および198を開けてベント空気をフィルタハウジング112,132に入れ、排水を容易にする。入ってくる空気はフィルタ手段(図示しない)で濾過し、汚染物質がフィルタ組立品110,130に入るのを防止する。フィルタ組立品からの排水が終わると、ドレン弁124,144およびベント弁189は閉じる。
【0046】
次いで、水濾過システム100の漏れ試験を行い、漏れオリフィス212,216が目詰まりまたは遮断されていないことを確認する。この点に関しては、「試験領域」は各フィルタ組立品110,130および関連する接続部品で定義する。基本的に、第1のフィルタ組立品110の「試験領域」は、フィルタ組立品110および弁54,124,154,196および234間の配管または管接続部品で定義する。同様に、第2のフィルタ組立品130の「試験領域」は、フィルタ組立品130および弁154,144,238,164および198間の配管または管接続部品で定義する。漏れ試験を行うに際し、弁54、154および164を閉じたままにして、第1および第2のフィルタ組立品110,130を流体循環システム40から、また互から分離する。ライン122,142,232および236それぞれの弁124、144,234および238を閉じて各フィルタハウジング112,132からの出口を閉鎖する。弁152、162を開位置にする。弁196は最初は閉じておく。次に空気入口ライン182の弁184を開ける。前述したように、空気入口ライン182の空気圧は設定した圧力レベルに維持される。次に、ブランチライン192,194それぞれの弁196および198を開けて「試験領域」を設定圧力にする。各試験領域の圧力が安定すると、弁196および198を閉じ、これによってそれぞれの試験領域を空気入口ライン182から分離する。差圧センサ202,204によって試験領域内の圧力を空気入口ライン182内の設定圧力と比較する。試験圧力領域内に漏れが存在しない場合は、圧力変化は第1および第2の差圧センサ202,204で検知されない。圧力変化がないときはフィルタハウジング112,132またはそれに関連する試験圧力領域内に漏れがないことを示す。次に、漏れオリフィスライン212,216の弁214および218を開けて、それぞれの試験圧力領域から「設定圧力」を開放またはベントさせる。第1および第2の差圧センサ202,204はそれぞれの試験圧力領域の圧力と空気入口ライン182の設定圧力との圧力差の変化を検知する。この圧力変化は漏れオリフィス212,216が目詰まりまたは遮断されていないことを表す。試験領域の圧力と空気入口ライン182の設定圧力との間の圧力差に変化がないと、試験領域の漏れオリフィスが詰まっていることを表す。
【0047】
試験領域の完全性および漏れオリフィスの適切な作動を決定する前述の試験に続いて、水フィルタ完全性試験を行う。一実施形態によると、フィルタ完全性試験には2つのステップ手順がある。この点に関しては、弁54,154および164を閉じて、第1および第2のフィルタ組立品110,130を流体循環システム40から、および互から分離する。弁152,162は開位置にしておく。ドレンライン122,142、232,236の弁124、144、234、238は閉じる。漏れオリフィスライン212,216の弁214,218は閉じる。
【0048】
次いで、空気入口182の弁184を開けてブランチライン192,194に加圧空気を加える。前述のように、空気入口ライン182の空気圧力は設定圧力レベルに維持されている。次に供給ライン192,194の弁196,198を開けて加圧空気を各フィルタ組立品110,130に関連するそれぞれの試験領域に入れる。それぞれの試験領域の圧力が前述の設定圧力レベルで安定する所定時間の経過後、弁196、198を閉じる。
【0049】
それぞれの試験領域内の圧力が「設定圧力」に安定した状態で、ドレンライン232,236それぞれの弁234、238および漏れオリフィスライン212,216の弁214,218を開ける。理解できるように、フィルタ要素114,135において、また漏れオリフィスライン212,216の流量絞り器215,219において圧力差が生じる。換言すれば、弁234,238で内側チャンバ118,138がドレンにつながるので、フィルタ組立品110,130の内側チャンバ118、138は低い圧力となる。同様に、漏れオリフィスラインは大気につながり、そのため流量絞り器215,219を越えて低い圧力となる。外側チャンバ116,136の高い圧力はフィルタ要素114,134を介して、また漏れオリフィスライン212,216の流量絞り器215,219を介して徐々に消滅する。差圧センサ202,204は内側チャンバ118,138とライン182の設定圧力レベルとの圧力差を検出する。システム制御装置で圧力差の変化を時間に対して監視し、それぞれの試験領域の時間当りの圧力降下Qsysを決定する。Qsysはフィルタ要素114,134および漏れオリフィス212,216を介して消滅する圧力で引き起こされる時間当りの圧力降下である。フィルタ要素114,134による、また漏れオリフィスライン212,216による圧力変化率の測定は2つのステップからなるフィルタ点検の第1ステップを表す。
【0050】
第1ステップが完了すると、漏れオリフィスライン212,216の弁214、218およびドレンライン232,236の弁234,238を閉じる。次いで弁196、198を開けてフィルタ組立品110,130のそれぞれの試験領域を再び設定圧力レベルにする。次に弁196,198を閉じる。次にドレンライン232,236の弁234,238を開ける。漏れオリフィスライン212,216の弁214,218は閉じたままにしておく。フィルタ要素114,134を介して圧力が消滅するとき、システム制御装置は差圧変換器202,204によって検出した圧力差の変化を時間に対して監視する。この点に関しては、フィルタ点検手順の第2ステップは第1ステップを繰り返すが、しかし漏れオリフィス215,219は閉じている。システム制御装置で圧力差の変化を時間に対して監視し、それぞれの試験領域の時間当りの圧力降下Qfilterを決定する。Qfilterはフィルタ要素のみによって消滅する圧力で引き起こされる時間当りの圧力降下である。
【0051】
以上のデータを使用してシステム制御装置によって、フィルタ要素114,134を通る適切な流れを圧力変化が示しているか否かを決定する。この点に関しては、システム制御装置によってQsysとQfilterとの差を決定する。この差は漏れオリフィスのみによる時間当りの圧力降下Qorifを表す。次いでシステム制御装置でQorifをQcalで除して容積当りの圧力単位CALを決定する。Qcalは所望の試験圧力、すなわち設定圧力における漏れオリフィスの校正容積流量である。CAL値はオリフィスの容積流量と、容積当りの圧力単位でシステムに引き起こされる対応する圧力降下との間の関係である。次に、それぞれの水フィルタ要素の計算した流量拡散QcalcはQswfをCALで除して決定される。計算値はフィルタ圧力降下およびオリフィスに基づきフィルタの計算流量拡散である。異常な圧力変化は、フィルタ要素114,134に欠陥が存在するので、フィルタ組立品110またはフィルタ組立品130を交換する必要があり、また滅菌または微生物不活性化操作が装置10で行われていないことを表す。この点に関しては、フィルタ要素114またはフィルタ要素134の故障は水が所望のレベルに濾過されていないこと、さらに汚染された水がチャンバ36に入ってくることを示す。2つのフィルタ要素114,34のうちの1つのフィルタ要素の操作で十分な濾過を行えば微生物不活性化または滅菌された水が保証されると考えられるが、1つの故障フィルタ要素114または134を検知した場合でも装置10は不完全な作動を示すものと考える方が好ましい。
【0052】
それぞれのフィルタ組立品110,130および関連の試験領域に対して前述の漏れ試験、漏れオリフィス完全性試験およびフィルタ完全性試験は一般に同時に起こるものとして述べてきたが、それぞれのフィルタ組立品110,130および関連の試験領域に対する試験を別々に行うこともできる。
【0053】
このように、本発明は、入ってくる水でチャンバ36に入り込む恐れのある微生物汚染物質を減少させる滅菌または微生物不活性化再処理装置で使用する水濾過システム100を提供する。
【0054】
次に図3を参照すると、本発明の別の実施形態による水濾過システム100’を示す。基本的に図3は処理段階の間に第2のフィルタ組立品130からバイパスさせるバイパスシステム300を示す。この点に関しては、1つのフィルタ要素の水浄化の効率を下げて微生物不活性化流体のグレードを落とすことも考えられる。たとえば、特にフィルタの孔寸法が極端に小さい場合、微生物不活性化流体に存在する界面活性剤でフィルタが詰まることがある。したがって、第2のフィルタ組立品130の不活性流体への露出を制限することが望ましいことがある。図示する実施形態では、バイパスライン302の一端を流体供給ライン62の第2の部分62bに接続し、他端を流体供給ラインの第3の部分62cに接続する。弁304でバイパスライン302の流れを制御する。弁304は通常は閉鎖弁として使い、それによって、流体が第2のフィルタ組立品130を流れるときバイパスライン302を通る流れを阻止する。弁162,164を閉じ、バイパスライン302の弁304を開くことで第2のフィルタ組立品130からバイパスさせ、それによって流体供給ラインを通る流れを第2のフィルタ組立品130からバイパスさせる。図3の実施形態は微生物不活性化流体生成および循環段階の間で作動するようシステム制御装置によって制御し、それによって不活性化流体が第2のフィルタ組立品130を流れることを防止する。水を入れる段階またはすすぎ段階の間は、制御装置がそれぞれの弁304,162,164を制御し、入ってくる水が第2のフィルタ組立品130を流れるようにするので、充填およびすすぎ段階用には滅菌または微生物不活性化水を供給する。
【0055】
次に図4を参照すると、単一のフィルタ組立品410を備える水濾過システム100の別の実施形態を示す。フィルタ組立品410にはハウジング412と2つの内部フィルタ要素414,416が含まれる。両フィルタ要素414および416は、好ましくは通常0.12ミクロン(μ)以上のミコバクテリアを濾過で取り除く細菌保持サイズ排除のフィルタである。フィルタ要素414,416は、親水性のポリビニリデンジフルオライド(PVDF)またはポリエーテルスルホン(PES)膜などのフィルタ膜に囲まれたポリプロピレン、ホモポリマーなどの円筒状支持層を含む。フィルタ膜はキャピラリーチューブまたは中空ファイバー部材の形状である。または、フィルタ膜は管状マクロ多孔質支持体の内面または外面のいずれかに形成された管状膜被覆、積層シートまたは積層膜、または多孔質支持体上に堆積した積層膜の形状である。環状外側チャンバ422が外側フィルタ要素414とハウジング412との間に定められる。中間チャンバ424が外側フィルタ要素414と内側フィルタ要素416との間に定められる。内側チャンバ426がフィルタ要素416によって定められる。図4に示すように、フィルタ組立品410はシステム供給ライン62に配置される。ドレンライン142は外側チャンバ422に通じ、ドレンライン236は内側チャンバ426に通じる。
【0056】
図4に矢印で示すように、システム供給ライン62を流れる流体は最初に外側フィルタ要素414に通し、次に内側フィルタ要素416に通す。この点に関しては、内側フィルタ416は外側フィルタ要素414より下流のラインである。したがって、フィルタ組立品410は図2に示す実施形態のものと同じ濾過効果を与える。しかし、単一フィルタ組立品410では水濾過システム100の弁および接続部品の数が少ないので、その信頼性および性能は増すことになる。全体構造が単純化、フィルタカートリッジの排除および接続ライン数の減少に加え、循環システム40の全容積が減少するので、システム内に必要な液体化学薬品の量が減少する。また理解できるように、前記漏れ試験、漏れオリフィス完全性試験およびフィルタ完全性試験がフィルタ組立品410および関連する「試験領域」で同様に実施される。
【0057】
以上の記載は本発明の特定の実施形態である。この実施形態は説明のためだけに記載されたものであり、発明の精神および範囲から逸脱することなく専門家は多数の修正や変更を実施することができる。
【0058】
本発明の別の実施形態によれば、流体供給ライン62の第3の部分62cのヒータ102が作動して部分62cを流れる水を加熱し、第1および第2のフィルタ組立品110,130を通過してきた水に含まれるウイルスを不活性化するのに十分な温度にする。前に述べたように、好ましくは紫外線(UV)処理装置であるウイルス減少装置52は、入ってくる水を処理して水に含まれる微生物を不活性化する。ヒータ102は第2のウイルス減少装置として使用され、ウイルス減少装置52と共同で、またはこれに代わって使用される。この点に関しては、ヒータ102も入ってくる水を処理して水に含まれる微生物を不活性化する。本発明の一実施形態によると、流体供給ライン62の第3の部分62cを通過した水はヒータ102によって約40℃と約95℃の間の温度に加熱される。さらに好ましい実施形態によると、水は約75℃と約85℃の間の温度に加熱される。
【0059】
ヒータ102は汚染除去サイクルのすすぎ段階の間にのみウイルス減少装置として使用するのが好ましい。この点に関しては、循環システム40の操作における化学薬品生成および露出段階の間に化学薬品分配容器72の滅菌化学薬品が水中に導かれる結果として、充填段階の間に循環システム40およびチャンバ36に入る水は微生物汚染除去または滅菌される。したがって、装置10内の水に存在するウイルス汚染物質はこのような化学薬品によって不活性化される。不活性化化学薬品または滅菌剤はすすぎ水には入っていないので、すすぎ段階の間にこのような水がチャンバ36に入る前に第1および第2のフィルタ組立品110,130による濾過後の水に存在するウイルスを不活性化するのにヒータ102が使用される。この方法で、チャンバ36内の器具の滅菌はさらに確実になる。
【0060】
ヒータ102は汚染除去サイクルのすすぎ段階の間でウイルスの不活性化に使用するのが好ましいが、ヒータ102は化学薬品生成および露出段階の間でチャンバ36に入る水を加熱するのにも使用される。この点に関しては、操作サイクルにおける化学薬品生成および露出段階の間でこのような化学薬品を加熱することによって、化学薬品分配容器72から導かれる化学薬品の汚染除去効力は高められる。
【0061】
またヒータ102は流体循環システム40に流体が循環する不活性化段階の間で流体循環システム40に循環する流体を加熱することにも使用される。
このような修正や変更が特許請求の範囲またはそれと均等な範囲内にある限りすべて本発明に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌する物品を収容するチャンバと、前記チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から液体滅菌剤を生成する手段と、滅菌装置に入る水を濾過する水の濾過システムとから構成される滅菌装置の操作方法であって、
前記濾過システムには前記チャンバに取り付けられた流体供給ラインと、前記流体供給ラインに配置された方向弁と、前記方向弁と前記チャンバとの間で前記方向弁の下流に配置され通過流体を濾過する前記流体供給ライン内の第1のフィルタ要素と、前記第1のフィルタ要素と前記チャンバとの間に配置され通過流体を濾過する前記流体供給ライン内の第2のフィルタ要素と、前記方向弁と前記第1のフィルタ要素との間に位置する箇所で前記流体供給ラインに接続する水ラインと、前記流体供給ラインに接続し、前記方向弁と前記第1および第2のフィルタ要素とをバイパスする流体通路を定めるバイパスラインとが含まれ、
前記滅菌装置の操作方法には、
水源からの水を前記第1および第2のフィルタ要素に通して前記滅菌装置に水を充填するステップと、
前記第1および第2のフィルタ要素で濾過した水を前記乾燥化学薬品に混合して液体滅菌剤を生成するステップと、
前記液体滅菌剤を前記流体循環システムおよび前記濾過システムに循環させ、このとき、前記液体滅菌剤の一部は前記第1および第2のフィルタ要素に導き、一部は前記バイパスラインに導くステップと、
所定の露出時間が経過したあと前記滅菌装置から排水するステップと、
すすぎ水を前記第1および第2のフィルタ要素に通すステップと、
前記すすぎ水を前記第1および第2のフィルタ要素に通したあと、前記すすぎ水を加熱するステップと、
前記すすぎ水を前記チャンバに取り入れるステップと
が含まれる滅菌装置の操作方法。
【請求項2】
前記第2のフィルタ要素は前記第1のフィルタ要素よりも小さい粒子を濾過で取り除くことができる、請求項1に記載の滅菌装置の操作方法。
【請求項3】
前記すすぎ水を前記第1および第2のフィルタ要素に通す前に、前記すすぎ水をUV放射に露出させるステップが含まれる、請求項1に記載の滅菌装置の操作方法。
【請求項4】
各滅菌処理段階の後に、前記フィルタ要素の完全性を試験するステップが含まれる、請求項1に記載の滅菌装置の操作方法。
【請求項5】
前記すすぎ水を約40℃から約95℃までの温度に加熱する、請求項1に記載の滅菌装置の操作方法。
【請求項6】
前記すすぎ水を約55℃から約85℃までの温度に加熱する、請求項1に記載の滅菌装置の操作方法。
【請求項7】
前記すすぎ水を約75℃から約85℃までの温度に加熱する、請求項1に記載の滅菌装置の操作方法。
【請求項8】
微生物不活性化する物品を収容するチャンバと、前記チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から微生物不活性化流体を生成する手段と、再処理装置に入る水を濾過する水の濾過システムとから構成される再処理装置の操作方法であって、
前記濾過システムには加圧水源に接続できる流体供給ラインと、前記流体供給ラインに配置された第1のフィルタ要素と、前記第1のフィルタ要素の下流側の前記流体供給ラインに配置された第2のフィルタ要素と、前記流体供給ラインに接続し、前記第1および第2のフィルタ要素をバイパスする流体通路を定めるバイパスラインとが含まれ、前記水の濾過システムは前記流体循環システムに接続し、
前記再処理装置の操作方法には、
水源からの水を前記第1および第2のフィルタ要素に通して前記再処理装置に水を充填するステップと、
前記第1および第2のフィルタ要素で濾過した水を前記乾燥化学薬品に混合して微生物不活性化流体を生成するステップと、
前記微生物不活性化流体を前記流体循環システムおよび前記濾過システムに循環させ、このとき、前記微生物不活性化流体の一部は前記流体供給ラインに導き、別の一部は前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素に導くステップと、
所定の露出時間が経過したあと前記再処理装置から排水するステップと、
すすぎ水を前記第1および第2のフィルタ要素に通すことで、前記すすぎ水を前記再処理装置に充填するステップと、
前記すすぎ水を前記チャンバに取り入れる前に前記すすぎ水を加熱するステップと
が含まれる再処理装置の操作方法。
【請求項9】
前記第2のフィルタ要素は前記第1のフィルタ要素よりも小さい粒子を濾過で取り除くことができる、請求項8に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項10】
前記すすぎ水を前記第1および第2のフィルタ要素に通す前に、前記水をUV放射に露出させるステップが含まれる、請求項8に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項11】
各微生物不活性化処理段階の後に、前記フィルタ要素の完全性を試験するステップが含まれる、請求項8に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項12】
前記すすぎ水を約40℃から約95℃までの温度に加熱する、請求項8に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項13】
前記すすぎ水を約55℃から約85℃までの温度に加熱する、請求項8に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項14】
前記すすぎ水を約75℃から約85℃までの温度に加熱する、請求項8に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項15】
微生物不活性化する物品を収容するチャンバと、前記チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から微生物不活性化流体を生成する手段と、再処理装置に入る水を濾過する水の濾過システムとから構成される再処理装置の操作方法であって、
前記濾過システムには加圧水源に接続できる流体供給ラインと、前記流体供給ラインに配置された第1のフィルタ要素と、前記第1のフィルタ要素の下流側の前記流体供給ラインに配置された第2のフィルタ要素と、前記第1および第2のフィルタ要素の下流側に配置されたヒータと、前記流体供給ラインに接続し、前記第1および第2のフィルタ要素と前記ヒータをバイパスする流体通路を定めるバイパスラインとが含まれ、前記水の濾過システムは前記流体循環システムに接続し、
前記再処理装置の操作方法には、
水源からの水を前記第1および第2のフィルタ要素に通して前記再処理装置に水を充填するステップと、
前記濾過した水を前記乾燥化学薬品に混合して液体滅菌剤を生成するステップと、
前記液体滅菌剤を前記流体循環システムおよび前記濾過システムに循環させ、このとき、前記液体滅菌剤の一部は前記流体供給ラインに導き、別の一部は前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素に導いて濾過した液体滅菌剤を生成する、ステップと、
前記循環の間に前記ヒータを操作するステップと
が含まれる再処理装置の操作方法。
【請求項16】
前記第2のフィルタ要素は前記第1のフィルタ要素よりも小さい粒子を濾過で取り除くことができる、請求項15に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項17】
前記すすぎ水を前記第1および第2のフィルタ要素に通す前に、前記水をUV放射に露出させるステップが含まれる、請求項15に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項18】
各微生物不活性化処理段階の後に、前記フィルタ要素の完全性を試験するステップが含まれる、請求項15に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項19】
前記すすぎ水を約40℃から約95℃までの温度に加熱する、請求項15に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項20】
前記すすぎ水を約55℃から約85℃までの温度に加熱する、請求項15に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項21】
前記すすぎ水を約75℃から約85℃までの温度に加熱する、請求項15に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項22】
前記ヒータを操作して、前記再処理装置に充填するステップの間で濾過した水を加熱する、請求項15に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項23】
前記すすぎ水を前記第1および第2のフィルタ要素に通す前に、前記水をUV放射に露出させるステップが含まれる、請求項22に記載の再処理装置の操作方法。
【請求項24】
液体滅菌剤または微生物不活性化流体を循環システムの一部を形成するチャンバに循環させる循環システムを備えた再処理装置であって、前記再処理装置に使用する水を濾過する水濾過システムが、
一端が前記チャンバに流体接続し、前記循環システムの一部を形成する流体供給ラインと、
前記流体供給ラインに配置された方向弁と、
通過流体を濾過するため前記流体供給ラインに配置され、前記チャンバの上流に位置する第1のフィルタ要素と、
通過流体を濾過するため前記流体供給ラインに配置され、前記第1のフィルタ要素と前記チャンバとの間に位置する第2のフィルタ要素と、
加圧水源に接続でき、前記方向弁と前記第1のフィルタ要素との間の位置で前記流体供給ラインに接続する水ラインと、
前記流体供給ラインに接続され、前記第1および第2のフィルタ要素をバイパスする流体通路を定めるバイパスラインであって、一端が前記方向弁の上流で前記流体供給ラインに接続し、他端が前記第2のフィルタ要素と前記チャンバとの間で前記流体供給ラインに接続するバイパスラインと
を備える再処理装置。
【請求項25】
前記第1および第2のフィルタ要素を前記循環システムから、また互から分離するよう操作できる弁手段を備える請求項24に記載の再処理装置。
【請求項26】
前記第1および第2のフィルタ要素の完全性を決定する手段を備える請求項24に記載の再処理装置。
【請求項27】
前記第1および第2のフィルタ要素の完全性を決定する前記手段には、前記第1のフィルタ要素における圧力差を検出するよう操作できる第1の差圧検出器と、前記第2のフィルタ要素における圧力差を検出するよう操作できる第2の差圧検出器とが含まれる、請求項26に記載の再処理装置。
【請求項28】
前記第1および第2のフィルタ要素の完全性を決定する前記手段には、
前記濾過システムから各フィルタ要素を分離する手段と、
それぞれの分離した前記フィルタ要素の上流側を加圧する手段と、
分離した前記フィルタ要素における圧力降下の時間に対する比率に基づいて各フィルタ要素の完全性を決定する手段と
が含まれる請求項27に記載の再処理装置。
【請求項29】
前記第1および第2のフィルタ要素は単一のフィルタハウジング内に配置される、請求項24に記載の再処理装置。
【請求項30】
前記第1および第2のフィルタ要素は別々のフィルタハウジング内に配置され、第2のフィルタハウジングは第1のフィルタハウジングの下流に配置される、請求項24に記載の再処理装置。
【請求項31】
前記第2のフィルタ要素は前記第1のフィルタ要素よりも小さい粒子を濾過で取り除く、請求項24に記載の再処理装置。
【請求項32】
前記再処理装置に入るすべての水は最初に前記フィルタ要素を通過し、前記循環システムに循環するすべての水の一部が前記流体供給ラインと前記フィルタ要素を通過する、請求項24に記載の再処理装置。
【請求項33】
滅菌する物品を収容するチャンバと、前記チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から液体滅菌剤を生成する手段と、滅菌装置に入る水を濾過する水の濾過システムとから構成される滅菌装置の操作方法であって、
前記濾過システムには前記チャンバに取り付けられた流体供給ラインと、前記流体供給ラインに配置された方向弁と、前記方向弁と前記チャンバとの間で前記方向弁の下流に配置され通過流体を濾過する前記流体供給ライン内の第1のフィルタ要素と、前記第1のフィルタ要素と前記チャンバとの間に配置され通過流体を濾過する前記流体供給ライン内の第2のフィルタ要素と、前記方向弁と前記第1のフィルタ要素との間に位置する箇所で前記流体供給ラインに接続する水ラインと、前記流体供給ラインに接続し、前記方向弁と前記第1および第2のフィルタ要素とをバイパスする流体通路を定めるバイパスラインとが含まれ、
前記滅菌装置の操作方法には、
水源からの水を前記第1および第2のフィルタ要素に通して前記滅菌装置に水を充填するステップと、
前記第1および第2のフィルタ要素で濾過した水を前記乾燥化学薬品に混合して液体滅菌剤を生成するステップと、
前記液体滅菌剤を前記流体循環システムおよび前記濾過システムに循環させ、このとき、前記液体滅菌剤の一部は前記第1および第2のフィルタ要素に導き、一部は前記バイパスラインに導く、ステップと
が含まれる滅菌装置の操作方法。
【請求項34】
前記水を前記第1および第2のフィルタ要素に通す前に、前記水をUV放射に露出させるステップが含まれる、請求項33に記載の滅菌装置の操作方法。
【請求項35】
循環させるステップの後に、前記フィルタ要素の完全性を試験するステップが含まれる、請求項33に記載の滅菌装置の操作方法。
【請求項36】
前記第2のフィルタ要素は前記第1のフィルタ要素よりも小さい粒子を濾過で取り除くことができる、請求項33に記載の滅菌装置の操作方法。
【請求項37】
微生物不活性化または滅菌する物品を収容するチャンバと、前記チャンバに流体を循環させる流体循環システムと、水に混合することで乾燥化学薬品から微生物不活性化流体を生成する手段と、再処理装置に入る水を濾過する水の濾過システムとから構成され、前記濾過システムには加圧水源に接続できる流体供給ラインと、前記流体供給ラインに配置された第1のフィルタ要素と、前記第1のフィルタ要素の下流側の前記流体供給ラインに配置された第2のフィルタ要素とが含まれる再処理装置において、前記フィルタ要素の少なくとも1つの完全性を点検する方法であって、
a)前記フィルタ要素の上流側で第1の既知圧力を確立するステップと、
b)前記フィルタ要素の前記上流側の圧力を前記フィルタ要素および既知寸法の漏れオリフィスから開放するステップと、
c)前記フィルタの前記上流側の圧力変化を時間に対して監視するステップと、
d)前記フィルタ要素の上流側で第2の既知圧力を確立するステップと、
e)前記フィルタ要素の前記上流側の圧力を前記フィルタ要素から開放するステップと、
f)前記フィルタの前記上流側の圧力変化を時間に対して監視するステップと、
g)ステップc)およびf)で決定した圧力変化に基づいて前記フィルタの流量を決定するステップと
が含まれる方法。
【請求項38】
ステップa)の前に、圧力漏れ試験を行うステップが含まれる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ステップa)の前に、前記漏れオリフィスで試験を行うステップが含まれる、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記第1および第2のフィルタ要素の上流側の圧力変化は第1および第2の差圧検知器を使用して実施し、前記第1の差圧検知器は前記第1のフィルタ要素の上流側の圧力と制御圧力領域の圧力との差を測定し、前記第2の差圧検知器は前記第2のフィルタ要素の上流側の圧力と前記制御圧力領域の圧力との差を測定する、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記第2のフィルタ要素は前記第1のフィルタ要素よりも小さい粒子を濾過で取り除くことができる、請求項37に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2009−544426(P2009−544426A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521949(P2009−521949)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/074208
【国際公開番号】WO2008/014251
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(302044247)アメリカン ステリライザー カンパニー (24)
【Fターム(参考)】