説明

再放射面を有する化学反応器ならびにその関連システムおよび方法

再放射面を有する化学反応器、ならびに関連するシステムおよび方法であって、特定の実施形態による反応器は、反応領域を有する反応容器と、反応容器に結合され、反応領域内に反応体(たとえば水素供与体)を導く反応体供給源を備え、反応体はピーク吸収波長範囲を有し、ピーク吸収波長範囲上では反応体は非ピーク波長におけるよりも多くのエネルギーを吸収し、反応器は、反応領域に配置された再放射構成要素であって、第1のピーク波長範囲を有する第1のスペクトル上で放射を受け取り、第1のピーク波長範囲とは異なり、第1のピーク波長範囲よりも反応体のピーク吸収範囲に近い第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で、反応領域内に放射を再放射する再放射構成要素をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2010年2月13日出願の米国特許出願第61/304,403号明細書(名称「FULL SPECTRUM ENERGY AND RESOURCE INDEPENDENCE」)の優先権および特典を主張する。同出願は参照により全体を本明細書に援用する。前述の出願および/または参照により本明細書に援用されるいずれの他の資料も本明細書に示された開示と矛盾する場合には、本明細書の開示が優先する。
【0002】
本技術は、一般に、再放射面を有する化学反応器、ならびにそれに関連するシステムおよび方法に関する。特定の実施形態では、再放射面を有する反応システムは、広く様々な原料油から清浄燃焼性水素ベース燃料を生成するために使用することができ、水素ベースの燃料を形成するとき放出される炭素および/または他の元素から構造構築ブロックを生成することができる。
【背景技術】
【0003】
太陽エネルギー、風、波、落下水、バイオマスをベースとした供給源などの再生可能エネルギー供給源は、重要なエネルギー供給源として極めて大きな可能性を有するが、現時点では、広く採用されるのを妨げる様々な問題を抱えている。たとえば、発電への再生可能エネルギー供給源の使用は、その供給源の利用可能性に依存しており、それは間欠的であり得る。中でも、太陽エネルギーは陽光の利用可能性によって制約され(すなわち日中のみ)、風エネルギーは風の変動性によって制約され、落下水エネルギーは渇水によって制約され、バイオマスエネルギーは季節的変化によって制約される。これらおよび他の要因の結果として、再生可能供給源からの、捕捉されまたは捕捉されなかった多量のエネルギーが、無駄になりやすい。
【0004】
エネルギーの捕捉および保存に関する前述の非効率性が、それら非効率性がしばしばエネルギー生成の高コスト化をもたらすので、世界の多くの地域向けに発展し得るエネルギー供給体へ再生可能エネルギー供給源が拡張することを制約している。したがって、少なくとも部分的には、化石燃料に関連する技術開発を支援する政府の助成金および他のプログラムが、その種燃料を使用することを一見好都合で見かけ上費用が掛からないとするので、世界は、主要なエネルギー供給源として石油および他の化石燃料に頼り続ける。同時に、使い果たされた資源に対する代替コスト、ならびに環境劣化、健康への影響、および化石燃料使用による他の副産物についてのコストは、これら燃料から生じるエネルギーの購入価格に含まれていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
再生可能エネルギーを継続的に生成することに現時点で関連する前述および他の欠点を考慮すると、上記供給源により製品および燃料を製造することに関する効率および商業的成立性を改善する必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.概要
化学反応器内の放射エネルギーを偏移し、チューニングし、または別様に再放射する装置、システムおよび方法のいくつかの例が以下に説明される。そのような反応器は、水素燃料および/または他の有用な最終製品を製造するために使用することができる。したがって、反応器は清浄燃焼性燃料を生成することができ、ポリマーおよび炭素複合材を含む耐久財に使用するために、炭素および/または他の成分を再利用することができる。以下の説明は、当業者がそれら例を実施し、製作し、使用することを可能にするために十分なように、下記の例の多くの特定の細部を示すが、以下に説明されるいくつかの細部および利点は、本技術の特定の例を実施するために必要ないこともある。さらに、本技術は、特許請求の範囲には包含されるが、ここでは詳細には説明されていない別の例も含み得る。
【0007】
この明細書を通して「一例」、「例」、「一実施形態」、または「実施形態」という言及は、その例に関連して説明されている特定の特徴、構造、プロセス、または特性が、本技術の少なくとも1つの例に含まれていることを意味する。したがって、この明細書を通して様々な箇所で語句「一例では」、「例では」、「一実施形態」、または「実施形態」が現れたとき、必ずしもすべてが同じ例を指す訳ではない。さらに、特定の特徴、構造、ルーチン、ステップ、または特性は、本技術の1つまたは複数の例において任意の適切な態様で組み合わせることができる。本明細書で示される見出しは、単に便宜的なものであり、特許請求の範囲に記載された技術の範囲または趣旨を限定または説明するものではない。
【0008】
以下に説明される本技術のいくつかの実施形態は、プログラマブルコンピュータまたはコントローラによって実行されるルーチンを含めて、コンピュータで実行可能な命令の形態を取ることができる。当業者は、本技術が、以下に示され説明されるもの以外のコンピュータまたはコントローラシステム上でも実施することができることを理解するであろう。本技術は、以下に説明される1つまたは複数のコンピュータで実行可能な命令を実行するように固有にプログラムされ、構成され、または構築された専用コンピュータ、コントローラ、またはデータプロセッサで具体化することができる。したがって、本明細書に全般的に使用されている用語「コンピュータ」および「コントローラ」は、あらゆるデータプロセッサを指し、インターネット機器、ハンドヘルドデバイス、多重プロセッサシステム、プログラマブルコンシューマエレクトロニクス(programmable consumer electronics)、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータなどを含み得る。本技術はまた、タスクまたはモジュールが、通信ネットワークを介してリンクされているリモートプロセッシングデバイス(remote processing device)によって実行される分散環境で実施することもできる。以下に説明される本技術の態様は、磁気もしくは光学的コンピュータディスクまたは磁気もしくは光学的リムーバブルコンピュータディスク、あるいはネットワーク上で電子的に分散された媒体を含めて、コンピュータ可読媒体上に記憶しまたは分散処理することができる。特定の実施形態では、本技術の態様に特有のデータ構造、およびデータ伝送もまた、本技術の範囲に包含される。本技術は、特定のステップを実施するためにコンピュータ可読媒体をプログラムする方法、ならびにそれらステップを実行する方法を共に包含する。
【0009】
特定の実施形態による化学反応器は、反応領域を有する反応容器を備える。反応体供給源が、反応体を反応領域に導くように反応容器に結合されている。反応体は、ピーク吸収波長範囲を有し、そのピーク吸収波長範囲上では、反応体は、非ピーク波長におけるより多くのエネルギーを吸収する。再放射構成要素が、反応領域に配置され、第1のピーク波長範囲を有する第1のスペクトル上の放射を受け取り、第1のピーク波長範囲とは異なる第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で反応領域内に放射を再放射する。第2のピーク波長範囲は、反応体の第1のピーク波長範囲よりもピーク吸収波長に近い。したがって、再放射構成要素によって果たされる再放射機能は、反応体によって受け取られるエネルギーが、反応容器内の反応を完了するために使用される効率を高めることができる。
【0010】
本開示の実施形態による代表的化学製法は、化学反応体を反応領域内に導くステップであって、化学反応体が水素供与体を含み、反応体の少なくとも1つが、非ピーク波長におけるより多くのエネルギーを反応体がその範囲上では吸収するピーク吸収波長範囲を有するステップを含む。その方法は、第1のピーク波長範囲を有する第1のスペクトル上で放射を吸収するステップと、第1のピーク波長範囲とは異なり、第1のピーク波長範囲よりも反応体のピーク吸収波長範囲に近い第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で、反応領域内に放射を再放射するステップとをさらに含む。
【0011】
本技術の別の態様は、化学反応器を製造する方法に向けられている。そのような一方法は、反応室内で使用する化学反応体を、水素供与体を含むように選択するステップであって、反応体の少なくとも1つおよび/またはそれによる生成物が、非ピーク波長におけるより多くのエネルギーをそれらがその範囲上では吸収するピーク吸収波長範囲を有するステップを含む。その方法は、反応領域に配置する再放射構成要素を選択するステップであって、それにより、第1のピーク波長範囲を有する第1のスペクトル上で放射を受け取り、第1のピーク波長範囲とは異なり、第1のピーク波長範囲よりも反応体のピーク吸収波長範囲に近い第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で、放射を再放射するステップをさらに含み得る。反応器を設計し製造するこの技法は、上記の熱効率が向上した反応器を創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示技術の実施形態による再放射構成要素を伴う反応器を有するシステムの部分的に概略化された部分断面図である。
【図2】本開示技術の実施形態による、代表的反応体および再放射物質に関する波長の関数としての吸収特性の図である。
【図3】本開示技術の特定の実施形態によって構成された再放射構成要素を有する図1に示された反応器の一部分の、部分的に概略化した拡大図である。
【図4】本開示技術の別の実施形態によって構成された再放射構成要素を有する図1に示された反応器の一部分の、部分的に概略化した拡大図である。
【図5】本開示技術のさらに別の実施形態によって構成された反射型再放射構成要素を有する図1に示された反応器の一部分の、部分的に概略化した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
2.代表的反応器および関連する方法
図1は、反応器110を備えるシステム100の部分的に概略化された図である。反応器110は、反応領域112を囲繞または部分的に囲繞する外面121を有する反応容器111をさらに備える。反応容器111は、反応領域112内で生じる化学反応を容易にするように配置された1つまたは複数の再放射構成要素を有する。代表的例では、反応容器111は、供与体供給源101によって供与体入口ポート113へ供給される水素供与体を受け取る。たとえば、水素供与体は、メタンまたは別の炭化水素を含み得る。反応容器111内の供与体分配器またはマニホルド115は、水素供与体を反応領域112内に散布しまたは分散させる。反応容器111はまた、蒸気/水供給源102から蒸気入口ポート114を経由して蒸気を受け取る。反応容器111内の蒸気分配器116は、蒸気を反応領域112内に散布する。反応容器111は、吸熱反応を容易にするために反応領域112へ熱を供給する加熱器123をさらに備える。そのような反応は、メタンまたは別の炭化水素を、水素または水素化合物、および炭素または炭素化合物に解離することを含み得る。反応の生成物(たとえば炭素および水素)は、反応容器111から出口ポート117を経由して出て、反応生成物収集器160aに収集される。
【0014】
システム100は、放射エネルギーおよび/または追加の反応体の供給源103をさらに備え得、供給源103は、反応容器111内の通路118に諸成分を供給する。たとえば、放射エネルギー/反応体供給源103は、矢印Aによって示されるように、通路118に高温の燃焼生成物105を供給する燃焼室104を備え得る。特定の実施形態では、通路118は、通路の中心線122に対して同心である。他の実施形態では、通路118は他の形状を有し得る。燃焼生成物収集器160bは、再利用および/または他の用途のために、反応容器111から出る燃焼生成物を収集する。特定の実施形態では、燃焼生成物105は、一酸化炭素、水蒸気、または他の成分を含み得る。
【0015】
1つまたは複数の再放射構成要素150が、反応領域112(通路118の周りに環状に配置することができる)と通路118の内部領域120との間に配置されている。それによって、再放射構成要素150は、通路118からの入射放射Rを吸収し、再放射されたエネルギーRRを反応領域112に送り込むことができる。再放射エネルギーRRは、少なくとも1つの反応体および/または少なくとも1つのそれによる生成物の吸収スペクトルにより緊密に整合し、近付き、重なり合い、かつ/または一致する波長スペクトルまたは分布を有し得る。有利に偏移した波長で放射エネルギーを射出することによって、システム100は、たとえば、エネルギーが反応体によって吸収される効率を向上させ、それにより、反応領域の温度および/または圧力を増加させ、したがって反応速度および/または反応の熱力学的効率を向上させることにより、反応領域112内で生じる反応を促進することができる。この実施形態の特定の態様では、供給源103によって供給される燃焼生成物105および/または他の成分は、別の化学プロセス(たとえば内部燃焼プロセス)からの廃棄物でもよい。したがって、前述のプロセスは、反応領域112での反応を容易にすることに加えて、それでなければ無駄になるエネルギーおよび/または成分を再生または再利用することができる。
【0016】
少なくともいくつかの実施形態では、再放射構成要素150は、通路118の内部領域120から反応領域112へ化学成分(たとえば反応体)を容易に通過させることができる透過面119と共にかつ/または一体にして使用することができる。代表的透過面のさらに詳細は、本明細書と同時に出願され、本明細書に参照により援用される、共願の米国特許出願[整理番号69545.8602US]明細書(名称「REACTOR VESSELS WITH TRANSMISSIVE SURFACES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)に開示されている。他の実施形態では、反応器110は、透過面119までは備えずに、1つまたは複数の再放射構成要素150を備え得る。これら実施形態のいずれでも、燃焼生成物105内に存在する放射エネルギーは、燃焼プロセスの必然的な結果として存在し得る。他の実施形態では、操作者が、燃焼生成物105の流れ(および/または燃焼生成物を生成する燃料)に添加物を導入して、放射エネルギーの形で流れから取り出され、反応領域112に送られるエネルギーの量を増加させることができる。たとえば、ナトリウム、カリウム、および/またはマグネシウムの元を燃焼生成物105(および/または燃料)に混ぜることができ、それらは、燃焼生成物105からエネルギーを吸収し、そのエネルギーを望ましい周波数で反応領域112内に放出することができる。再放射構成要素150に加えて、これら発光添加物を使用することができる。
【0017】
システム100は、入力信号191を受け取り(たとえばセンサから)、入力信号191に少なくとも部分的に基づいて出力信号192(たとえば制御命令)を送出するコントローラ190をさらに備え得る。したがって、コントローラ190は、適切なプロセッサ、メモリおよびI/O機能を備え得る。コントローラ190は、測定または感知された圧力、温度、流速、化学濃度、および/または他の適切なパラメータに対応する信号を受け取ることができ、反応体送出率、圧力および温度、加熱器の作動、バルブの設定、ならびに/または他の適切な能動的に制御可能なパラメータを制御する命令を出すことができる。操作者は、コントローラ190によって自律的に実行される命令を修正し、調整し、かつ/または覆す追加の入力をすることができる。
【0018】
図2は、代表的反応体(たとえばメタン)および代表的再放射構成要素に関し、波長の関数としての吸収状態を示すグラフである。図2は、複数の反応体ピーク吸収範囲131を含む反応体吸収スペクトル130を示し、それら反応体ピーク吸収範囲131の3つが、第1、第2、および第3のピーク吸収範囲131a、131b、および131cとして図2に強調されている。ピーク吸収範囲131は、反応体が、スペクトル130の他の部分より多くのエネルギーを吸収する波長を示す。スペクトル130は、特定の範囲、たとえば第3のピーク吸収範囲131c内にピーク吸収波長132を含み得る。
【0019】
図2はまた、第1のピーク波長範囲141aを有する第1の放射エネルギースペクトル140aを示す。たとえば、第1の放射エネルギースペクトル140aは、図1を参照して上記で説明した燃焼生成物105からの射出光を表し得る。放射エネルギーが、上記の再放射構成要素150によって吸収され、再射出された後、その再放射構成要素150は、第2のピーク波長範囲141bを有する第2の放射エネルギースペクトル140bを生成することができ、第2のピーク波長範囲141bは再放射ピーク値142を有する。一般的に言えば、再放射構成要素150の機能は、矢印Sによって示されるように、第1の放射エネルギースペクトル140aおよびピーク波長範囲141aから、第2の放射エネルギースペクトル140bおよびピーク波長範囲141bへ、放射エネルギーのスペクトルを偏移させることである。偏移の結果として、第1のピーク波長範囲141aよりも、第2のピーク波長範囲141bは、反応体の第3のピーク吸収範囲131cにより近くなる。たとえば、第2のピーク波長範囲141bは、第3のピーク吸収範囲131cに重ねることができ、特定の実施形態では、再放射ピーク値142を、反応体ピーク吸収波長132と同じ波長、またはほぼ同じ波長にすることができる。このようにして、再放射構成要素は、放射エネルギーのスペクトルを、反応体がエネルギーを効率的に吸収するピークにより近く整合させる。この機能を果たす代表的構造が、図3〜5を参照してさらに詳細に以下に説明される。
【0020】
図3は、図1を参照して上記に説明した反応器110の一部分を部分的に概略化し拡大した断面図であり、本技術の特定の実施形態によって構成された再放射構成要素150を有する。再放射構成要素150は、通路118(および通路118内の放射エネルギーR)と反応領域112との間に配置されている。再放射構成要素150は、離隔配置された構造体158を形成する物質の層151を備え得、層151は、再放射物質152を担持する。たとえば、層151は、炭素、ホウ素、窒素、珪素、遷移金属、および/または硫黄などの適切な構築ブロック元素から作られるグラフェン層、または他の結晶もしくは自己配向層を含み得る。炭素は、比較的安価で、容易に入手可能なので、特に適切な成分である。実際に、炭素は、反応領域112内で完了することができる反応の目標産出生成物である。適切な構造体のさらに詳細が、本明細書と同時に出願され、本明細書に参照により援用される共願の米国特許出願[整理番号69545.8701US]明細書(名称「ARCHITECTURAL CONSTRUCT HAVING FOR EXAMPLE A PLURALITY OF ARCHITECTURAL CRYSTALS」)に開示されている。各構造体158は、間隙153によってその隣から離隔することができる。間隙153は、隣接する構造体158間に延在するスペーサ157によって維持することができる。特定の実施形態では、構造体158間の間隙153は、約2.5ミクロンから約25ミクロンの幅であり得る。他の実施形態では、間隙153は、たとえば入射放射エネルギーRの波長に応じて、他の値を有し得る。スペーサ157は、放射および/または化学成分が構成要素150を通過するのを遮ることのないように、図3の面内の離隔配置された位置、および図3の面に垂直な離隔配置された位置の両方に配置されている。
【0021】
放射エネルギーRは、離隔配置され積層された構造体158とほぼ平行に整合し、したがって、間隙153を経由して再放射構成要素150を完全に通過し、再放射物質152に接触せずに反応領域112に入る第1の部分R1を含み得る。放射エネルギーRはまた、再放射物質152に衝突し、その結果、再放射部分RRとして反応領域112内に再放射される第2の部分R2も含み得る。したがって、反応領域112は、入射放射Rが再放射物質152に衝突したか否かに応じて、異なるエネルギースペクトルおよび/または異なるピーク波長範囲を有する放射を有し得る。反応領域112内のこのエネルギーの組合せが、少なくともある種の反応では有益であり得る。たとえば、放射エネルギーのより短い波長、より高い周波数(より高いエネルギー)部分は、反応領域112内で起こる基礎反応を容易にすることができ、たとえば、蒸気の存在下でメタンを解離して一酸化炭素および水素を生成する。より長い波長、より低い周波数(より低いエネルギー)部分は、反応器110の表面に反応生成物が付着するのを防止することができ、かつ/またはそのような生成物を反応器の表面から分離することができる。特定の実施形態では、放射エネルギーが反応領域112内のメタンによって吸収され得、他の実施形態では、放射エネルギーが他の反応体、たとえば反応領域112内の蒸気、または生成物によって吸収され得る。少なくともある場合には、放射エネルギーを蒸気によって吸収することが好ましい。このようにすれば、蒸気が、十分なエネルギーを受け取って、反応領域112内の吸熱反応を完結させるのに十分な高温になり、炭素原子を不必要に加熱することがない。炭素原子の不必要な加熱は、炭素原子を解離後迅速に酸化しないと粒子またはタールを生成することがあり得る。
【0022】
再放射物質152は、炭化鉄、炭化タングステン、炭化チタン、炭化ホウ素、および/または窒化ホウ素を含めて、様々な適切な成分を含み得る。これら物質、ならびに離隔配置された構造体158を形成する物質は、耐食性および/または圧縮荷重を含む複数の特性に基づいて選択することができる。たとえば、前述の炭化物または窒化物のいずれかによって炭素構造を充填すると、圧縮構造を生成することができる。圧縮構造の利点は、圧縮構造は、引張力下にある構造よりも腐食を受けにくいことである。さらに、構造体が、圧縮下では、反応領域112内の反応体および通路118内の燃焼生成物105の成分として十分に存在し得る蒸気を含めて、腐食作用物質をより透過しにくいので、構造体の成分(たとえば前述の炭化物および窒化物)固有の腐食耐性が向上し得る。前述の成分は、単独に使用し、または、再放射物質152によって再放射されるエネルギーを遅らせることができるように、燐、フッ化カルシウム、および/または別の燐光物質と組み合わせて使用することができる。この機構は、再放射エネルギーが反応領域112に供給される際の不規則性または間欠性の少なくとも一部を取り除くことができる。
【0023】
別の適切な再放射物質152には、尖晶石、あるいは酸化マグネシウムおよび/または酸化アルミニウムの別の組成物が含まれる。尖晶石は、上記の圧縮応力を形成することができ、吸収放射を赤外線の方に偏移させて、反応領域112の加熱を容易にすることができる。たとえば、ナトリウムまたはカリウムは、尖晶石または別のアルミナ含有物質によってIR帯の方へ偏移させることができる可視放射(たとえば赤色/橙色/黄色放射)を射出することができる。マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、および/またはバナジウムなどの着色添加剤を有する組成物を含めて、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムが共に、再放射物質152中に存在する場合、再放射物質152は複数のピークを有する放射を射出することができ、それにより、反応領域112内の複数の成分に放射エネルギーを吸収させることを可能にすることができる。
【0024】
図3に示された再放射構成要素150の特定の構造は、放射を通過させることができるだけではなく、諸成分を通過させることもできる間隙153を備える。したがって、再放射構成要素150はまた、透過面119を形成することもでき、それにより、図1を参照して上記に説明したように、反応体を受け入れることによる反応領域112内の反応をさらに助長することができる。
【0025】
図4は、本開示技術の別の実施形態に従って構成された再放射構成要素450の部分的に概略化された図である。この実施形態の一態様では、再放射構成要素450は、入射放射エネルギー(矢印Rによって示される)の方へ向いている第1の表面454aと、反応領域112の方へ向いている第2の表面454bとを備える。第1の表面454aは、吸収機構455、たとえば入射放射Rを迅速、完全に吸収することを容易にする表面機構(たとえば陥凹または凹所)を備え得る。そのような機構は、クロムなど、内部反射吸収性物質によってコーティングし、または他の方法でそれを備えさせることができる。他の適切な機構は、放射の吸収を強化するために暗色(たとえば黒色)を有し得る。再放射構成要素450は、第1の表面454aと第2の表面454bとの間に伝導立体456をさらに備える。伝導立体456は、第1の表面454aで吸収したエネルギーを、矢印RCによって示されるように、伝導により第2の表面454bへ通すように選択される。したがって、伝導立体456は、グラファイト、ダイヤモンド、窒化ホウ素、銅、酸化ベリリウム、および/または他の強力な伝導体を含み得る。第2の表面454bは、上記の任意の再放射物質152を含み得る。したがって、再放射物質152は、矢印RRによって示すように、反応領域112内に放射を再放射し、そこで、放射は、上記の任意の態様で反応を強化する。
【0026】
図5は、本技術のさらに別の実施形態に従って構成された再放射構成要素550の部分的に概略化された図である。この実施形態では、反応器110は、通路118内の放射エネルギー(矢印Rによって示される)と反応領域112との間に配置された透過面519を備える。透過面519は、ガラスまたは別の適切な物質を含み得る。放射エネルギーRは、反応領域112を通過し、この特定の実施形態では、反応容器111の外面121に、またはその近くに配置された再放射構成要素550に衝突する。再放射構成要素550は、入射エネルギーを再放射エネルギーRRとして再放射し反応領域112内に戻す再放射物質152を含み、その反応領域で、再放射エネルギーRRは、上記の任意の態様で反応を強化することができる。
【0027】
少なくともいくつかの実施形態では、入射放射エネルギーRの一部を新しい波長で再放射せずに反射することができることが望ましい場合がある。したがって、再放射構成要素550は、純粋に反射型であり、再放射物質152を有さない領域を備え得る。これら領域は、任意の様々な形状、たとえば細片形状、碁盤目形状、および/または他の形状を有し得る。さらに別の実施形態では、再放射構成要素550が、入射放射を再放射することに対する入射放射を反射する程度を変化させることが望ましいことがある。したがって、反応器110は、構成要素550の反射部分および/または構成要素550の再放射部分を選択的に露出しまたは覆うように作動するアクチュエータ570を備え得る。さらに別の実施形態では、たとえば、異なる反応体または放射源が反応器110に導入された場合に、たとえば、反応の過程中または反応同士の間に、入射放射Rを構成要素がそれに向けて偏移させる波長を調節することができる。そのような場合には、アクチュエータ570は、再放射物質152の吸収および/または再放射特性に影響する様々な適切なパラメータのいずれをも調節することができる。これらパラメータは、物質の色を変化させることができる物質の温度を含み得る。その温度は、物質152を加熱すること、または物質152に隣接する断熱を強め/弱めることによって調節することができる。物質152の特性はまた、電流を物質に通すことにより、かつ/または他の技法によっても変化させることができる。
【0028】
本技術の特定の実施形態が例示のために本明細書に説明されてきたが、本技術から逸脱することなく、様々な変更を加えることができることが、上記から、理解されるであろう。たとえば、放射エネルギー103の供給源は、燃焼生成物流れの他に、流体または他の放射エネルギー射出物を供給することができる。再放射構成要素は、上記に明白に説明したもの以外の物質を含み得る。上記の反応体は、他の炭化水素、または炭素以外の成分を含む水素供与体、たとえば、ホウ素、窒素、珪素、および/または硫黄を含む水素供与体を含み得る。代表的反応体には、メタノール、ガソリン、プロパン、バンカー燃料、およびエタノールが含まれる。特定の実施形態では、反応器は、透過構成要素はやはり組み込んでいるが、上記のもの以外の全体配置を有し得る。再放射構成要素は、ピーク放射エネルギーの波長を、1つまたは複数の反応体および/または1つまたは複数の生成物の吸収ピークに向けて偏移することができる。
【0029】
特定の実施形態に関連して説明された本技術のいくつかの態様は、他の実施形態において組み合わされ、または削除され得る。たとえば、図5に関連して説明された反射型再放射構成要素550は、追加の放射エネルギーを偏移するために、再放射構成要素150、450と組み合わせることができる。図1に示した反応器110の場合に上記に説明した特定の機構(たとえば加熱器123)は、少なくともいくつかの実施形態では削除することができる。さらに、本技術のいくつかの実施形態に伴う利点が、それら実施形態に関連して説明されているが、他の実施形態もそのような利点を示し得、また、本開示の範囲に包含されるためにすべての実施形態がそのような利点を必ずしも示す必要はない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書に明らかに示しまたは説明されていない他の実施形態を包含することができる。
【0030】
参照によって本明細書にこれまで援用されなかった範囲まで、本出願は、以下の資料のそれぞれの内容を、それら全体として参照により援用する。すなわち、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,553号明細書(名称「SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY, MATERIALS RESOURCES, AND NUTRIENT REGIMES」)、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,553号明細書(名称「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY」)、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,554号明細書(名称「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY」)、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,502号明細書(名称「ENERGY SYSTEM FOR DWELLING SUPPORT」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8505.US00]明細書(名称「DELIVERY SYSTEMS WITH IN-LINE SELECTIVE EXTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF OPERATION」)、2012年8月16日出願の米国特許出願第61/401,699号明細書(名称「COMPREHENSIVE COST MODELING OF AUTOGENOUS SYSTEMS AND PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF ENERGY, MATERIAL RESOURCES AND NUTRIENT REGIMES」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8601.US00]明細書(名称「CHEMICAL PROCESSES AND REACTORS FOR EFFICIENTLY PRODUCING HYDROGEN FUELS AND STRUCTURAL MATERIALS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8602.US00]明細書(名称「REACTOR VESSELS WITH TRANSMISSIVE SURFACES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8604.US00]明細書(名称「THERMAL TRANSFER DEVICE AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14出願の米国特許出願[整理番号69545−8605.US00]明細書(名称「CHEMICAL REACTORS WITH ANNULARLY POSITIONED DELIVERY AND REMOVAL DEVICES, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8606.US00]明細書(名称「REACTORS FOR CONDUCTING THERMOCHEMICAL PROCESSES WITH SOLAR HEAT INPUT, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8608.US00]明細書(名称「INDUCTION FOR THERMOCHEMICAL PROCESS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8611.US00]明細書(名称「COUPLED THERMOCHEMICAL REACTORS AND ENGINES, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2010年9月22日出願の米国特許出願第61/385,508号明細書(名称「REDUCING AND HARVESTING DRAG ENERGY ON MOBILE ENGINES USING THERMAL CHEMICAL REGENERATION」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8616.US00]明細書(名称「REACTOR VESSELS WITH PRESSURE AND HEAT TRANSFER FEATURES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8701.US00]明細書(名称「ARCHITECTURAL CONSTRUCT HAVING FOR EXAMPLE A PLURALITY OF ARCHITECTURAL CRYSTALS」)、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/806,634号明細書(名称「METHODS AND APPARATUSES FOR DETECTION OF PROPERTIES OF FLUID CONVEYANCE SYSTEMS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8801.US01]明細書(名称「METHODS, DEVICES, AND SYSTEMS FOR DETECTING PROPERTIES OF TARGET SAMPLES」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9002.US00]明細書(名称「SYSTEM FOR PROCESSING BIOMASS INTO HYDROCARBONS, ALCOHOL VAPORS, HYDROGEN, CARBON, ETC」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9004.US00]明細書(名称「CARBON RECYCLING AND REINVESTMENT USING THERMOCHEMICAL REGENERATION」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9006.US00]明細書(名称「OXYGENATED FUEL」)、2009年8月27日出願の米国特許出願第61/237,419号明細書(名称「CARBON SEQUESTRATION」)、2009年8月27日出願の米国特許出願第61/237,425号明細書(名称「OXYGENATED FUEL PRODUCTION」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9102.US00]明細書(名称「MULTIPURPOSE RENEWABLE FUEL FOR ISOLATING CONTAMINANTS AND STORING ENERGY」)、2010年12月8日出願の米国特許出願第61/421,189号明細書(名称「LIQUID FUELS FROM HYDROGEN, OXIDES OF CARBON, AND/OR NITROGEN; AND PRODUCTION OF CARBON FOR MANUFACTURING DURABLE GOODS」)、および2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9105.US00]明細書(名称「ENGINEERED FUEL STORAGE, RESPECIATION AND TRANSPORT」)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応領域を有する反応容器と、
前記反応容器に結合され、前記反応領域内に反応体を導く反応体供給源であって、前記反応体はピーク吸収波長範囲を有し、前記ピーク吸収波長範囲上では、前記反応体は、非ピーク波長におけるよりも多くのエネルギーを吸収する反応体供給源と、
前記反応領域に配置された再放射構成要素であって、第1のピーク波長範囲を有する第1のスペクトル上で放射を受け取り、前記第1のピーク波長範囲とは異なり、前記第1のピーク波長範囲よりも前記反応体の前記ピーク吸収波長範囲に近い第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で、前記反応領域内に前記放射を再放射する再放射構成要素と、
を備える、ことを特徴とする化学反応器。
【請求項2】
前記第2のピーク波長範囲は、前記反応体の前記ピーク吸収波長範囲に重なる、ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項3】
前記ピーク吸収波長範囲は、ピーク値を有し、
前記第2のピーク波長範囲は、それとほぼ等しいピーク値を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項4】
前記構成要素は、間隙によって隔てられた複数の離隔配置された構造体を備え、
前記間隙は、第1の向きの放射を前記反応領域内に通過させるように配向されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項5】
個々の構造体は、前記第1の向きとは異なる第2の向きの放射を吸収し再放射するように配置された再放射物質のコーティングを有する、ことを特徴とする請求項4に記載の反応器。
【請求項6】
前記構造体は、グラフェン層を備える、ことを特徴とする請求項4に記載の反応器。
【請求項7】
個々の構造体は、次の元素、すなわち炭素、窒素、ホウ素、珪素、および硫黄の少なくとも1つの原子から形成される自己組織化材料を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の反応器。
【請求項8】
放射エネルギー供給源をさらに備え、
前記再放射構成要素は、前記反応領域と前記放射エネルギー供給源との間に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項9】
前記再放射構成要素は、
前記放射エネルギー供給源の方に向いた第1の表面と、
前記反応領域の方に向いた第2の表面と、
前記第1の表面と前記第2の表面との間の伝導経路であって、前記第1の表面は、前記第1の周波数範囲上の放射を受け取り、前記第2の表面は、前記第2の周波数範囲上の放射を再放射する伝導経路と、
を有する、ことを特徴とする請求項8に記載の反応器。
【請求項10】
前記第1の表面は、入射放射を内部反射し消滅させるように配置された複数の開口を備える、ことを特徴とする請求項8に記載の反応器。
【請求項11】
前記反応体は、メタンおよびメタノールの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項12】
前記反応体は、炭化水素を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項13】
前記再放射物質は、蛍光物質および燐光物質の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の反応器。
【請求項14】
前記再放射物質は、尖晶石を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の反応器。
【請求項15】
化学反応室を製造する方法であって、
前記反応室の反応領域で使用する化学反応体を、水素供与体を含むように選択するステップであって、前記反応体の少なくとも1つもしくはそれによる生成物、またはその両方は、非ピーク波長範囲におけるより多くのエネルギーをそれらがその範囲上では吸収するピーク吸収波長範囲を有するステップと、
前記反応領域に配置する再放射構成要素を選択するステップであって、それにより、第1のピーク波長範囲を有する第1のスペクトル上で放射を受け取り、前記第1のピーク波長範囲とは異なり、前記第1のピーク波長範囲よりも前記ピーク吸収波長範囲に近い第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で、前記放射を再放射するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記反応領域の外側の領域から前記反応領域の内側の領域を分離する境界を形成するように前記構成要素を選択するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記構成要素を選択するステップは、前記反応領域に向かう表面から、放射を吸収し、前記放射を再放射するように前記構成要素を選択するステップを含む、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記構成要素を選択するステップは、前記反応領域とは反対方向に向く第1の表面と、前記反応領域の方へ向く第2の表面と、前記第1の表面と前記第2の表面との間に伝導立体とを有するように前記構成要素を選択するステップを含み、
前記方法は、
前記第1のスペクトル上で放射を吸収するように前記第1の表面を選択するステップと、
前記第2のスペクトル上で前記放射を再放射するように前記第2の表面を選択するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
離隔配置されたほぼ平行な構造体であって、層同士間の前記空間を用いて放射を通すように配置された構造体と、
前記離隔配置された層上の再放射物質と、
を備えるように前記構成要素を選択するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記構成要素を選択するステップは、前記反応体の前記ピーク吸収範囲に重なる第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で前記放射を再放射するように前記構成要素を選択するステップを含む、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
化学反応体を処理する方法であって、
化学反応体を反応領域内に導くステップであって、前記化学反応体は水素供与体を含み、前記反応体の少なくとも1つもしくはそれによる生成物、またはその両方は、非ピーク波長範囲におけるより多くのエネルギーをそれらがその範囲上では吸収するピーク吸収波長範囲を有するステップと、
第1のピーク波長範囲を有する第1のスペクトル上で放射を吸収するステップと、
前記第1のピーク波長範囲とは異なり、前記第1のピーク波長範囲よりも前記ピーク吸収波長範囲に近い第2のピーク波長範囲を有する第2のスペクトル上で、前記反応領域内に前記放射を再放射するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
再放射するステップは、炭化物、窒素、および尖晶石の少なくとも1つから再放射するステップを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ピーク吸収波長範囲は、ピーク値を有し、
前記第2のピーク波長範囲は、それとほぼ等しいピーク値を有する、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記放射を吸収するステップは、前記反応領域の方に向いた表面で前記放射を吸収するステップを含み、
前記放射を再放射するステップは、同じ表面から前記放射を再放射するステップを含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記放射を吸収するステップは、前記反応領域とは反対方向に向く第1の表面で前記放射を吸収するステップを含み、
前記放射を再放射するステップは、前記反応領域の方へ向く第2の表面から前記放射を再放射するステップを含み、
前記方法は、前記第1の表面で吸収されたエネルギーを物質立体を通して前記第2の表面まで伝導するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記放射の第1の部分を、ほぼ平行な構造体間の空間を通して、前記放射の前記第1の部分を再放射することなく前記反応領域内へ通過させるステップをさらに含み、
前記放射を吸収するステップは、前記構造体において前記放射の第2の部分を吸収するステップを含み、
前記放射を再放射するステップは、前記構造体から前記放射を再放射するステップを含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記反応体の少なくとも1つを放射の前記第1の部分によって解離するステップと、
前記反応領域内で形成された少なくとも1つの生成物を、放射の前記再放射された第2の部分によって、前記反応領域内の表面から分離するステップと、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記構造体は、グラフェン層を備える、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−519510(P2013−519510A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553082(P2012−553082)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024781
【国際公開番号】WO2011/100704
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511201174)マクアリスター テクノロジーズ エルエルシー (23)
【Fターム(参考)】