説明

再生装置、再生システム

【課題】伝送エラーが発生した場合でも、その伝送エラーを検知してリカバリ処理を実行し、画像又は音声を出力装置が適正に出力できるようにした再生装置、及び再生システムを提供する。
【解決手段】光ディスク装置1は、再生が指示されると、設定した形式で画像データと音声データの出力を開始する。これにより、画像データと音声データがテレビジョン100に入力するため、テレビジョン100は再生を開始する。テレビジョン100は、再生中、受信される画像データと音声データの受信形式が変化したかどうか監視する。受信形式が変化していれば、テレビジョン100は、その受信形式を光ディスク装置1に送信する。再生中、受信形式が送信されてきた場合、光ディスク装置1はその受信形式がRAM4A上のEDIDに含まれるかどうか判定する。受信形式が含まれていない場合、光ディスク装置1は、伝送エラーが発生したと認識し、リカバリ処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディアからコンテンツデータを読取って、予め設定した形式で出力装置に出力する再生装置、及び該再生装置と該出力装置とを備える再生システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CD、DVD等のメディアに記録されている画像や音声を再生する再生装置が実用化され、一般に普及している。このような再生装置には、近年、画像と音声を出力するテレビジョン等の出力装置がインタフェースを介して接続される。このインタフェースは、例えば HDMI(High Definition Multimedia Interface)である。ユーザは、このテレビジョン等において、再生装置から出力された画像データに基づく画像、及び音声データに基づく音声を視聴することができる。
【0003】
このような再生装置において、再生装置に接続される出力装置のスペックは各々異なる。そのため、再生装置は、画像音声データ(以下、AVデータと称する)の出力前(即ち再生前)に、インタフェースを介して出力装置と通信し、出力装置からEDID(Extended Display Identification Data)を取得する。EDIDは、出力装置のスペック(仕様や特性)を示す情報である。そして、再生装置は、取得したEDIDに基づいて、出力装置が対応しているAVデータの形式に設定する。そして、再生装置は、設定された形式でAVデータを出力装置に出力する。例えばHDMI規格では、テレビジョンが対応している解像度をインタフェースを介して取得できるため、再生装置は、テレビジョンが対応している解像度の範囲でAVデータをテレビジョンに出力している。これによりテレビジョンは、インタフェースを介して受信したAVデータを処理し、AVデータに基づく画像と音声を出力する。
なお、特許文献1では、電子機器装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−219468公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、出力装置が対応している形式でAVデータを再生装置が出力しているにも係わらず、AVデータが再生装置からインタフェースを介して出力装置へ伝送される間で伝送エラーが発生し、AVデータの形式が途中で変化してしまうことがあった。その主な原因には、再生装置と出力装置を繋ぐケーブルの経年劣化等が挙げられる。
【0006】
AVデータの形式が途中で変化してしまうと、出力装置に受信された段階でAVデータの形式が出力装置に対応していなくなり、出力装置はAVデータを適正に出力できなくなってしまう。さらに、再生装置側も、出力装置が対応しているはずの形式でAVデータを出力しているため、上記伝送エラーを検知することができない。そのため、再生装置も、伝送エラーが発生した場合、伝送エラーに対処することができない。
【0007】
従って、上記伝送エラーが発生した場合、再生装置から出力された画像データに基づく画像、又は音声データに基づく音声がテレビジョン等から適正に出力されないという問題があった。また、上記伝送エラーを検知できないため、再生装置及び出力装置は、画像又は音声が適正に出力されない状態から復帰できないという問題があった。
【0008】
本発明はこのような従来の課題を解決しようとするものであり、伝送エラーが発生した場合でも、その伝送エラーを検知してリカバリ処理を実行し、画像又は音声を出力装置が適正に出力できるようにした再生装置、及び再生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の再生装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0010】
(1)コンテンツデータが記録されているメディアから、該コンテンツデータを読取る読取手段と、
前記読取手段で読取られた前記コンテンツデータを所定の形式で出力する再生手段と、を備え、前記再生手段から出力される前記コンテンツデータを受信して処理し、前記コンテンツデータに基づく画像又は音声の少なくとも一方を出力する出力装置に、インタフェースを介して接続される再生装置において、
前記再生手段が前記コンテンツデータを出力する前に前記出力装置と前記インタフェースを介して通信して、前記出力装置が対応する出力画像の全形式又は出力音声の全形式の内の少なくとも一方の全形式を示す対応形式情報を取得する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記再生手段が前記コンテンツデータを出力する再生時に、前記出力装置が受信している前記コンテンツデータの形式である受信形式を前記出力装置から前記インタフェースを介して取得し、
前記受信形式が前記対応形式情報に含まれているかどうか判定し、
前記受信形式が前記対応形式情報に含まれていないと判定した時、前記再生手段による前記コンテンツデータの出力を停止して、所定時間経過後に前記コンテンツデータの出力を前記再生手段に再開させるリカバリ処理を実行することを特徴とする。
【0011】
この構成において、再生装置は、再生が指示されると、メディアに記録されているコンテンツデータを設定した形式で出力する。メディアは、例えば光ディスク、磁気ディスク、又は半導体メモリで構成される。これにより、コンテンツデータがインタフェースを介して出力装置に入力するため、出力装置は再生を開始する。
再生装置は、再生中、出力装置からコンテンツデータの受信形式をインタフェースを介して取得する。そして、その受信形式が対応形式情報に含まれていない場合、再生装置は、伝送エラーが発生したと認識し、リカバリ処理を実行する。
以上より、伝送エラーが発生した場合でも、その伝送エラーを検知できる。そして、上記リカバリ処理の実行により、画像と音声を適正に出力できない状態から、画像と音声を適正に出力できる状態へ復帰させることができる。
【0012】
(2)前記形式は、前記コンテンツデータに含まれる画像データの解像度およびアスペクト比、前記コンテンツデータに含まれる音声データの符号化方式である音声フォーマットであり、
前記再生手段は、前記読取手段で読取られた前記コンテンツデータを、前記制御手段により設定された前記解像度、前記アスペクト比、及び前記音声フォーマットで出力することを特徴とする。
【0013】
(3)前記制御手段は、前記リカバリ処理を実行した回数をカウントし、そのカウント値が所定回数に達すると、前記再生手段による前記コンテンツデータの出力を停止して、ユーザからの操作入力を待ち受ける入力待ち状態へ移行することを特徴とする。
【0014】
この構成では、リカバリ処理を実行しても画像と音声を適正に出力できる状態へ復帰しない場面を想定している。上記リカバリ処理の実行回数に制限を設けることで、画像と音声を適正に出力できない状態から、画像と音声を適正に出力できる状態又は入力待ち状態へ復帰させることができる。
【0015】
(4)前記インタフェースは、HDMI規格のインタフェースであり、
前記メディアは、光ディスク、又はハードディスクであり、
前記出力装置は、テレビ受像機、モニタ、又はスピーカであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の再生システムは、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0017】
(5)上記(1)から(4)のいずれかに記載の再生装置と、
上記(1)から(4)のいずれかに記載の出力装置と、を備え、
前記出力装置は、前記再生手段が前記コンテンツデータを出力している再生時に、受信している前記コンテンツデータの受信形式が変化すると、変化後の受信形式を前記インタフェースを介して前記再生装置に送信する送信手段を有することを特徴とする。
【0018】
この構成における再生システムは、上記(1)の再生装置を用いる。
これにより、上記(1)と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、伝送エラーが発生した場合でも、その伝送エラーを検知できる。そして、リカバリ処理の実行により、画像と音声を適正に出力できない状態から、画像と音声を適正に出力できる状態へ復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態である光ディスク装置の主要な構成を示すブロック図
【図2】上記光ディスク装置に接続されるテレビ受像機の主要な構成を示すブロック図
【図3】上記光ディスク装置と上記テレビ受像機の両制御部が電源オン時に行う動作を示すフローチャート
【図4】RAM上に展開されるEDIDの一例を示す図
【図5】上記光ディスク装置と上記テレビ受像機の両制御部が再生時に行う動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態である光ディスク装置について説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態である光ディスク装置の主要な構成を示すブロック図である。光ディスク装置1は、装置本体にセットされている光ディスク90からデータを読取るピックアップヘッド2(以下、PUヘッド2と称する。)と、RFアンプなどの再生部3と、装置本体1の各部の動作を制御する制御部4と、ユーザからの入力操作を受け付ける操作部5と、データを記憶する記憶部6と、情報を表示する表示部7と、画像信号を出力する画像出力部8と、音声信号を出力する音声出力部9と、HDMIポート20と、を備えている。
【0023】
光ディスク90は、DVD(Digital Versatile Disk)であり、光ディスク装置1は、所謂DVDプレーヤである。光ディスク90には、テレビ番組などのコンテンツデータが記録されている。
【0024】
また、光ディスク装置1は、HDMIポート20に差し込まれたHDMIケーブル21を介して、HDMI規格対応のテレビ受像機(以下、テレビジョンと称する)100に接続されている。この実施形態では、光ディスク装置1とテレビジョン100とで再生システムを構成している。
【0025】
ここで、PUヘッド2が、本発明の「読取手段」に相当する。また、HDMIポート20及びHDMIケーブル21が、本発明の「インタフェース」に相当する。また、再生部3、画像出力部8及び音声出力部9が、本発明の「再生手段」に相当する。また、テレビジョン100が、本発明の「出力装置」に相当する。
【0026】
なお、HDMIは、High Definition Multimedia Interfaceの略であり、DVDプレーヤ等の再生装置からテレビ受像機やプロジェクタ等の出力装置へディジタルA/V信号を伝送するためのインタフェースである。HDMIは、従来の規格であるDVI(Digital Visual Interface for Computer)Ver1.0を拡張したものである。具体的には、DVIは画像情報のみを送信する規格であるのに対し、HDMIは、画像情報の他、音声情報およびその他の情報も一のケーブルで送信できる規格である。さらに、HDMIは、高品質のマルチチャンネル音声と高解像度の各種フォーマットの画像信号(映像信号)の伝送が可能である。HDMIは、DDC(Display Date Channel)により、テレビジョン100が光ディスク装置1に送信する情報を伝送することができる。DDCは、通信形式の名称である。
【0027】
PUヘッド2は、図示しないレーザダイオード(LD)、コリメータレンズ、ビームスプリッタ、対物レンズ、フォトディテクタ、スレッドモータ、及び2軸のアクチュエータを備えている。
【0028】
PUヘッド2は、光ディスク90の半径方向に延びる軸に移動自在に取り付けられている。スレッドモータが、PUヘッド2を光ディスク90の半径方向に移動する。
【0029】
LDは、レーザ光を出力する光源であり、フォトディテクタは、複数の受光素子で形成されており、光ディスク90からの反射光を検出する。フォトディテクタは、例えば、受光領域がほぼ均等に4分割されており、4つの受光領域を形成している。
【0030】
対物レンズは、光ディスク90に対するレーザ光の照射位置を調節する。また、2軸のアクチュエータは、対物レンズを光ディスク90に接離する方向、及び光ディスク90の半径方向に移動させる。
【0031】
まず、再生動作を行う構成について説明する。
【0032】
PUヘッド2は、光ディスク90に対して読取パワーのレーザ光を照射し、光ディスク90からの反射光をフォトディテクタで検出する。これにより、光ディスク90に記録されている情報を光学的に読み出す。
【0033】
再生部3は、PUヘッド2における複数の受光素子の出力に基づいてRF信号を生成し、該RF信号を増幅する。そして、再生部3は、該RF信号を処理して画像データと音声データとを取り出し、それぞれデコードする。ここで、取り出される画像データは、例えばMPEGでエンコードされている。また、取り出される音声データは、例えばMPEG、AC3でエンコードされている。そして、再生部3は、音声データを音声出力部9に、画像データを画像出力部8に、両データの同期を取りながら、それぞれ出力する。
【0034】
画像出力部8は、制御部4によって設定された形式で、伸長された画像データをディジタルの再生画像信号としてテレビジョン100に出力する。この形式は、例えば解像度、アスペクト比である。ここで、画像出力部8の出力形式について説明する。例えば、光ディスク90に記憶された画像が1280×1024画素(ピクセル)のいわゆるSXGAの画像であり、テレビジョン100が640×512画素の画像を表示可能である場合、水平方向の解像度が丁度1/2なので、画像出力部8は、水平方向の解像度を落した状態で出力する。また、このアスペクト比では、光ディスク90のコンテンツが16:9で記録されている場合であってテレビジョン100の画面サイズが4:3である場合、画像出力部8は、画像データを16:9のレターボックスに変換して出力する。しかし、光ディスク90に記録された画像の形式とテレビジョン100の対応する画像の形式とが一致する場合、画像出力部8は、解像度やアスペクト比の変換処理を行わずに出力する。
【0035】
一方、音声出力部9は、制御部4により設定された形式で、伸長された音声データをディジタルの再生音声信号として外部のテレビジョン100に出力する。この形式は、例えば音声フォーマットである。音声の出力形式についても画像の出力形式と同様に、例えば光ディスク90に記録されている音声フォーマットが5、1CHのAC3であり、テレビジョン100がこの形式に対応していれば、音声出力部9は、5、1CHサラウンドシステムに対応する再生音声信号(センター、左、右、リア左、リア右、ウーファー)をテレビジョン100に出力する。
【0036】
音声出力部9及び画像出力部8は、HDMIポート20に差し込まれたHDMIケーブル21を介してテレビジョン100に繋がっている。音声出力部9及び画像出力部8は、上記のディジタル信号を、HDMIケーブル21を介して、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)方式でテレビジョン100に送信する。
【0037】
図2は、上記テレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。テレビジョン100は、HDMIケーブル21に接続されるHDMIポート120と、HDMIポート120に入力された画像信号を処理する画像処理部101と、その画像信号に基づく画像を表示する表示部102と、HDMIポート120に入力された音声信号を処理する音声処理部103と、その音声信号に基づく音声を出力するスピーカ104と、テレビジョン100の各部の動作を制御する制御部105と、を備える。テレビジョン100は、HDMI規格に対応したディジタルテレビである。ここで、HDMIポート20、HDMIケーブル21、及びHDMIポート120が、本発明の「インタフェース」に相当する。また、制御部105が、本発明の「送信手段」に相当する。
【0038】
HDMIケーブル21を介してHDMIポート120に入力された再生画像信号は、画像処理部101に入力される。
画像処理部101は、再生画像信号に対してDA変換等を行い、表示部102に出力する。表示部102は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)で構成される。表示部102は、再生画像信号に基づく画像を画面上に表示する。
【0039】
一方、HDMIケーブル21を介してHDMIポート120に入力された再生音声信号は、音声処理部103に入力される。
音声処理部103は、再生音声信号に対してDA変換等を行い、スピーカ104に出力する。スピーカ104は、再生音声信号に基づく音声を放音する。
【0040】
以上の構成により、ユーザは、このテレビジョン100において、表示部102で表示される画像、及びスピーカ104から放音される音声を視聴することができる。
【0041】
なお、この実施形態では、出力装置としてテレビジョン100を説明しているが、表示機能だけのモニタでも構わない。この場合、モニタは、EDIDの通信において、同モニタが対応する出力画像の全形式だけ(即ち画像のスペック)が記述されたEDIDを光ディスク装置1に送信する。
【0042】
図1に戻り、操作部5には、ユーザが光ディスク装置1に対して各種の命令(コマンド)を入力するための複数のキーが設けられている。この複数のキーには、光ディスク90の再生を実行するための再生キー(不図示)、装置本体1の電源オンと電源オフを切替える電源キー(不図示)、が設けられている。光ディスク装置1に対してユーザが入力したコマンドは制御部4に伝送される。
【0043】
記憶部6は、例えばEEPROMで構成されている。記憶部6は、装置本体1の各部の制御方法が記述された制御プログラムを記憶する。
【0044】
HDMIポート20は、HDMIケーブル21により、光ディスク装置1とテレビジョン100との接続の有無を検出している。具体的には、HDMIケーブル21は、HPD(Hot Plug Detector)機能を有し、このHPDから、接続の有無の情報を受け取る。HDMIポート20は、HPDから受け取った接続の有無の情報を、装置本体内部の通信線を介して制御部4に送信する。
なお、テレビジョン100のHDMIポート120もHDMIポート20と同様の構成となっている。
【0045】
制御部4は、例えばマイクロコンピュータで構成されている。また、制御部4は、上記制御プログラムで処理されるデータを展開するためのワークフィールドとしてのRAM4Aと、後述のリカバリ処理を実行した回数をカウントするカウンタ(不図示)と、を内蔵する。制御部4は、光ディスク装置1にユーザから入力された命令に応じて光ディスク装置1の各部を制御する。
また、制御部4は、HDMIケーブル21を介してテレビジョン100の制御部105と通信する。
【0046】
図3は、上記光ディスク装置と上記テレビ受像機の両制御部が電源オン時に行う動作を示すフローチャートである。図4は、RAM4A上に展開されるEDIDの内容を示す図である。ここで、EDIDは、本発明の「対応形式情報」に対応する情報である。
【0047】
電源キーが押下されると、制御部4と制御部105は、光ディスク装置1とテレビジョン100との接続を検知して、HDMIケーブル21を介してEDIDの通信を行う(S1、S101)。制御部105は、EDIDの通信において、不図示のROMに予め保存されているEDIDをHDMIポート120からHDMIケーブル21を介して制御部4に送信する(S102)。そして、制御部105は、光ディスク装置1からの入力信号を待ち受ける待機状態に移行する。ここで、EDIDは、テレビジョン100のスペック(仕様や特性)を示す情報であり、EDIDには、テレビジョン100が対応する出力画像の全形式又は出力音声の全形式が記述されている。出力画像の形式とは、例えば解像度、アスペクト比、カラーフォーマット(例えばY:Cb:Cr=4:4:4)、カラー深み(例えば30ビット)である。また、音声画像の形式とは、例えばサンプリング周波数(例えば4kHz)、コーディングタイプ(PCMなど)やチャンネル数(例えば2CH)を示す音声フォーマット、フロントLRなどのスピーカの型を示すスピーカ情報である。
【0048】
EDIDの通信によりEDIDがHDMIポート20で受信されると、EDIDは、制御部4のRAM4Aに展開される(S2のY)。これにより、制御部4は、テレビジョン100が対応する出力画像の全形式又は出力音声の全形式を認識する(図3参照)。
【0049】
制御部4は、画像出力部8及び音声出力部9が出力するディジタルデータの形式を、該EDIDに基づいて設定する(S3)。そして、制御部4は、ユーザからの操作入力を待ち受ける待機状態に移行する。
【0050】
図5は、上記光ディスク装置と上記テレビ受像機の両制御部が再生時に行う動作を示すフローチャートである。この動作は、図3に示す動作の続きの動作である。
【0051】
制御部4は、再生キーが操作されると(S4)、S3において設定した形式で画像データと音声データの出力を開始するよう指示する(S5)。これにより、再生画像信号と再生音声信号がテレビジョン100に入力するため、テレビジョン100の制御部105は、再生を開始する(S103)。即ち、再生画像信号に基づく画像が表示部102の画面上で表示され、再生音声信号に基づく音声がスピーカ104から放音される。
なお、制御部4は、S5と同時に、これから出力する画像データの形式と音声データの形式を制御部105に通知しても構わない。
【0052】
制御部4は、再生中、制御部105から受信形式が送信されてきたかどうか判定する(S6、S7)。
【0053】
テレビジョン100の制御部105は、再生中、HDMIポート120で受信される画像データと音声データの形式である受信形式が変化したかどうか監視する(S104、S105)。この監視は、例えば、受信形式を再生中に実際に調べ、調べた受信形式が、制御部4から通知された画像データの形式と音声データの形式とに一致するかどうか判定する第1の方法、受信形式を再生開始時に実際に調べ、再生中に実際に調べた受信形式が、再生開始時の受信形式に一致するかどうか判定する第2の方法、のいずれかの方法により行われる。ここで、受信形式が変化する場合とは、光ディスク90に記録されているコンテンツデータの形式がシーンの切り換わり等によって途中で変化するタイプのデータである場合、又は伝送エラーが発生した場合が想定される。再生中に受信形式が変化しなければ、制御部105は、本処理を終了する。
【0054】
一方、受信形式が変化していれば、制御部105は、その受信形式をHDMIポート120からHDMIケーブル21を介して制御部4に送信する(S106)。これにより、制御部4は、その受信形式を取得する。この受信形式の取得は、HDMI−CEC(Consumer Electronic Control)規格で定義されるベンダーコマンドを制御部4と制御部105との間で送受信することで達成する。
【0055】
そして、再生中、S106によって受信形式が送信されてきた場合(S6のY)、制御部4は、その受信形式がRAM4A上のEDIDに含まれるかどうか判定する(S8)。例えば受信形式が解像度720p、アスペクト比4:3である場合、図4に示すEDIDに含まれているため、判定肯定となる。一方、受信形式が解像度700p、アスペクト比4:3である場合、図4に示すEDIDに含まれていないため、判定否定となる。その他、受信形式がチャンネル数1CHのみである場合、図4に示すEDIDに含まれていないため、判定否定となる。
【0056】
受信形式がRAM4A上のEDIDに含まれている場合(S8のY)、制御部4は、S6に戻り処理を継続する。ここでは、光ディスク90に記録されているコンテンツデータのシーンが切り換わった場合を想定している。
【0057】
受信形式がRAM4A上のEDIDに含まれていない場合(S8のN)、制御部4は、伝送エラーが発生したと認識し、リカバリ処理を実行する(S9)。このリカバリ処理とは、画像出力部8と音声出力部9によるコンテンツデータの出力を停止して、所定時間(例えば0.5秒)経過後にコンテンツデータの出力を画像出力部8と音声出力部9に再開させる処理である。これにより、再生画像信号と再生音声信号がテレビジョン100に再送信される。同出力を再開する際、制御部4は、これから出力する画像データの形式と音声データの形式も制御部105に再通知する。
【0058】
上記リカバリ処理により、再生画像信号に基づく画像が表示部102の画面上で適正に表示され、再生音声信号に基づく音声がスピーカ104から適正に放音されるようになることがあった。
【0059】
以上より、この実施形態では、伝送エラーが発生した場合でも、S9において伝送エラーを検知できる。また、上記リカバリ処理の実行により、画像と音声を適正に出力できない状態から、画像と音声を適正に出力できる状態へ復帰させることができる。
【0060】
S9の後、制御部4は、リカバリ処理を実行した回数を示すカウント値を1増加させる(S10)。カウント値が所定回数(この実施形態では3回)に達するまで(S11)、制御部4はS6に戻る。そして、カウント値が所定回数に達すると、制御部4は本処理を異常終了して再生を停止する。そして、制御部4はユーザからの操作入力を待ち受ける入力待ち状態に移行する。この入力待ち状態の間、制御部4は表示部7において伝送エラーが発生した旨を表示させても構わない。これにより、伝送エラーが発生した旨をユーザに通知できる。
【0061】
なお、画像データと音声データの出力が再開すると、テレビジョン100の制御部105は、再生中、HDMIポート120で受信される画像データと音声データの形式である受信形式が変化したかどうか監視する(S104、S105)。そして、受信形式が変化していれば、制御部105は、受信形式を制御部4に再送信する(S106)。一方、制御部4は、再生中、制御部105から受信形式が再送信されてきたかどうか判定する(S6、S7)。そして、再生中、S106によって受信形式が送信されてきた場合(S6のY)、制御部4は、その受信形式がRAM4A上のEDIDに含まれるかどうか判定する(S8)。受信形式がRAM4A上のEDIDに含まれていない場合(S8のN)、制御部4は、リカバリ処理を再実行し(S9)、カウント値を1増加させる(S10)。
【0062】
以上より、上記リカバリ処理の実行回数に制限を設けることで、画像と音声を適正に出力できない状態から、画像と音声を適正に出力できる状態又は入力待ち状態へ復帰させることができる。
【符号の説明】
【0063】
1…光ディスク装置
2…ピックアップヘッド
3…再生部
4…制御部
4A…RAM
5…操作部
6…記憶部
7…表示部
8…画像出力部
9…音声出力部
20…HDMIポート
21…HDMIケーブル
90…光ディスク
100…テレビジョン
101…画像処理部
102…表示部
103…音声処理部
104…スピーカ
105…制御部
120…HDMIポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータが記録されているメディアから、該コンテンツデータを読取る読取手段と、
前記読取手段で読取られた前記コンテンツデータを所定の形式で出力する再生手段と、を備え、前記再生手段から出力される前記コンテンツデータを受信して処理し、前記コンテンツデータに基づく画像又は音声の少なくとも一方を出力する出力装置に、インタフェースを介して接続される再生装置において、
前記再生手段が前記コンテンツデータを出力する前に前記出力装置と前記インタフェースを介して通信して、前記出力装置が対応する出力画像の全形式又は出力音声の全形式の内の少なくとも一方の全形式を示す対応形式情報を取得する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記再生手段が前記コンテンツデータを出力する再生時に、前記出力装置が受信している前記コンテンツデータの形式である受信形式を前記出力装置から前記インタフェースを介して取得し、
前記受信形式が前記対応形式情報に含まれているかどうか判定し、
前記受信形式が前記対応形式情報に含まれていないと判定した時、前記再生手段による前記コンテンツデータの出力を停止して、所定時間経過後に前記コンテンツデータの出力を前記再生手段に再開させるリカバリ処理を実行することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記形式は、前記コンテンツデータに含まれる画像データの解像度およびアスペクト比、前記コンテンツデータに含まれる音声データの符号化方式である音声フォーマットであり、
前記再生手段は、前記読取手段で読取られた前記コンテンツデータを、前記制御手段により設定された前記解像度、前記アスペクト比、及び前記音声フォーマットで出力することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記リカバリ処理を実行した回数をカウントし、そのカウント値が所定回数に達すると、前記再生手段による前記コンテンツデータの出力を停止して、ユーザからの操作入力を待ち受ける入力待ち状態へ移行することを特徴とする請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記インタフェースは、HDMI規格のインタフェースであり、
前記メディアは、光ディスク、又はハードディスクであり、
前記出力装置は、テレビ受像機、モニタ、又はスピーカであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の再生装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の再生装置と、
請求項1から4のいずれかに記載の出力装置と、を備え、
前記出力装置は、前記再生手段が前記コンテンツデータを出力している再生時に、受信している前記コンテンツデータの受信形式が変化すると、変化後の受信形式を前記インタフェースを介して前記再生装置に送信する送信手段を有することを特徴とする再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−161529(P2010−161529A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1369(P2009−1369)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】