説明

再生装置、再生方法、及び再生用プログラム

【課題】スライドショー再生中に、当該スライドショーを中断することなく、画像に対して動作を付加する編集を行うことのできる再生装置を提供する。
【解決手段】表示領域と、当該表示領域に重ねて配置され、ユーザからの入力を検出する検出部とを有する入力検出手段と、スライドショーの再生動作に関する情報である再生情報を取得する再生情報取得手段と、取得された再生情報に基づいてスライドショーを再生するための再生制御を行う再生制御手段と、スライドショーの再生中に表示領域において入力検出手段によって検出された軌跡を示す軌跡情報を取得する軌跡情報取得手段と、取得された軌跡情報に基づいて表示領域に表示されている画像の表示を制御する表示制御手段と、取得された軌跡情報に基づいて再生情報を変更する変更手段と、を備えることとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間の経過に従って画像を切り替えながら表示するスライドショーを再生する再生装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラで撮影した画像の利用方法として多くの方法が提案されているが、近頃、その方法の1つとしてデジタルフォトフレーム(写真立て)での利用が知られている。デジタルフォトフレームとは、デジタルカメラで撮影され記憶媒体に保存されている画像データに関して、当該記憶媒体を当該デジタルフォトフレームに挿入・装着することにより当該画像データを当該デジタルフォトフレームの内部に転送し、それを当該デジタルフォトフレームが具備する液晶ディスプレイ等に表示することにより、当該画像データの印刷をせずして、外見上は旧来の写真立て(印刷済み写真をはさんでインテリアとして設置される非電子的什器)と同様に画像を表示することのできる装置である。
【0003】
このデジタルフォトフレームにて画像を表示する形式の1つに、時間の経過に従って画像を切り替えながら表示するスライドショー再生による表示形式がある。特許文献1には、スライドショー再生中において、ユーザが削除したいと考える画像が表示された場合に、ユーザが当該画像に対する削除操作を行うことで当該スライドショーの終了後に画像の削除操作のような、スライドショーに対して編集処理を行うことができる技術が公開されている。
【0004】
また、特許文献2には、スライドショー再生中において、ユーザが編集を行いたいと考える画像が表示された場合に、ユーザが編集操作を行うことによって当該スライドショーが中断し、画像に対して編集処理を行うことができる技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−184109号公報
【特許文献2】特開2007−96574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の技術では、スライドショー再生中にスライドショーを再生したまま画像の動作を付加したり、スライドショーの設定変更などの編集を行えないという課題があり、編集を行うためにはスライドショーを中断もしくは終了させ、画像毎に動作を追加するなどの編集操作を行い、再度スライドショーを再生しなくてはならないという不都合があった。
【0007】
本発明は、以上の点等に鑑みてなされたものであり、スライドショー再生中に、当該スライドショーを中断することなく、画像に対して動作を付加したり、スライドショーの設定を変更することができる再生装置、再生方法及び再生用プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の再生装置は、時間の経過に従って表示領域において画像を切り替えながら表示するスライドショーを再生する再生装置であって、前記表示領域と、当該表示領域に重ねて配置され、ユーザからの入力を検出する検出部とを有する入力検出手段と、前記スライドショーの再生動作に関する情報である再生情報を取得する再生情報取得手段と、前記取得された前記再生情報に基づいて前記スライドショーを再生するための再生制御を行う再生制御手段と、前記スライドショーの再生中に前記表示領域において前記入力検出手段によって検出された軌跡を示す軌跡情報を取得する軌跡情報取得手段と、前記取得された軌跡情報に基づいて前記表示領域に表示されている画像の表示を制御する表示制御手段と、前記取得された軌跡情報に基づいて前記再生情報を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の再生装置は、請求項1に記載の再生装置であって、前記表示制御手段は、前記軌跡情報の示す軌跡の始点に対応する前記表示領域内の位置を基準点として、画像の表示を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の再生装置は、請求項1又は2に記載の再生装置であって、前記軌跡情報取得手段により取得された前記軌跡情報に基づいて、前記軌跡の終端点における終端速度を検出する速度検出手段と、前記速度検出手段により検出された前記終端速度が所定の速度以上であるか否かを判断する速度判断手段と、を更に備え、前記変更手段は、前記速度判定手段により前記終端速度が所定の速度以上であると判断されたことに基づいて、前記画像が前記表示領域内を前記軌跡情報に基づいて移動して前記終端点に到達した以降は、当該終端速度が検出された方向に移動するように前記再生情報を変更することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の再生装置は、請求項3に記載の再生装置であって、前記変更手段は、前記速度判定手段により前記終端速度が所定の速度以上ではないと判断されたことに基づいて、前記画像が前記表示領域内を前記軌跡情報に基づいて移動して前記終端点に到達した所で停止し、次いで、当該画像から次に表示されるべき画像に表示画像が切り替わるように前記再生情報を変更することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の再生装置は、請求項3又は4に記載の再生装置であって、前記変更手段は、前記速度判定手段により前記終端速度が所定の速度以上であると判断されたことに基づいて、前記画像が前記表示領域内を前記軌跡情報に基づいて移動して前記終端点に到達した以降は、当該終端速度が検出された方向に、当該終端速度を維持したまま移動するように前記再生情報を変更することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の再生装置は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の再生装置であって、前記再生情報は、前記スライドショーにおいて表示される各画像に対応付けられており、前記変更手段は、前記軌跡情報が取得された際に前記表示領域に表示されている画像についてのみ前記再生情報を変更することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の再生装置は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の再生装置であって、前記変更手段は、前記再生情報の変更が予め禁止されている画像以外の画像についてのみ前記再生情報を変更することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の再生装置は、請求項7に記載の再生装置において、前記表示制御手段は、前記再生情報の変更が予め禁止されている画像以外の画像が前記表示領域に表示されている場合にのみ、当該画像の表示を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の再生装置は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の再生装置であって、前記再生情報は、前記スライドショーにおいて表示される各画像に対応付けられており、前記変更手段は、前記スライドショーの再生中に表示される全ての画像について前記再生情報を変更することを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の再生装置は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の再生装置であって、前記スライドショーの再生中に前記変更手段により変更された前記再生情報を変更前の状態に戻すための取消操作を検出する取消操作検出手段、を更に備え、前記変更手段は、前記再生情報を変更した場合において前記取消操作が検出された場合には、当該再生情報を変更前の状態に戻すことを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の再生装置は、請求項1乃至10の何れか一項に記載の再生装置であって、前記スライドショーの再生中に、前記再生情報の変更を許可する許可操作を検出する許可操作検出手段、を更に備え、前記変更手段は、前記許可操作が検出されている間に取得された前記軌跡情報のみに基づいて前記再生情報を変更することを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の再生装置は、請求項1乃至10の何れか一項に記載の再生装置であって、前記入力検出手段は、前記ユーザの入力による前記表示領域面に対する圧力の大きさを検出可能であり、前記変更手段は、前記表示領域面に対して所定の大きさ以上の圧力でユーザにより描かれた軌跡を示す軌跡情報のみに基づいて前記再生情報を変更することを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の再生方法は、時間の経過に従って表示領域において画像を切り替えながら表示するスライドショーを再生する再生装置であって、前記表示領域と、当該表示領域に重ねて配置され、ユーザからの入力を検出する検出部とを有する入力検出手段、を備える再生装置における再生方法であって、前記スライドショーの再生動作に関する情報である再生情報を取得する再生情報取得工程と、前記取得された前記再生情報に基づいて前記スライドショーを再生するための再生制御を行う再生制御工程と、前記スライドショーの再生中に前記表示領域において前記入力検出手段によって検出された軌跡を示す軌跡情報を取得する軌跡情報取得工程と、前記取得された軌跡情報に基づいて前記表示領域に表示されている画像の表示を制御する表示制御工程と、前記取得された軌跡情報に基づいて前記再生情報を変更する変更工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載の再生用プログラムは、時間の経過に従って表示領域において画像を切り替えながら表示するスライドショーを再生する再生装置であって、前記表示領域と、当該表示領域に重ねて配置され、ユーザからの入力を検出する検出部とを有する入力検出手段、を備える再生装置に含まれるコンピュータを、前記スライドショーの再生動作に関する情報である再生情報を取得する再生情報取得手段、前記取得された前記再生情報に基づいて前記スライドショーを再生するための再生制御を行う再生制御手段、前記スライドショーの再生中に前記表示領域において前記入力検出手段によって検出された軌跡を示す軌跡情報を取得する軌跡情報取得手段、前記取得された軌跡情報に基づいて前記表示領域に表示されている画像の表示を制御する表示制御手段、前記取得された軌跡情報に基づいて前記再生情報を変更する変更手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1、13、14に記載の発明によれば、スライドショーの再生中にスライドショーを停止することなく、画像の再生情報を変更することによって、動作を付加する編集を行うことができる。また、ユーザは、表示領域に重ねて配された検出部が検出できるように軌跡を描くことにより容易に再生情報を変更することができ、また、当該軌跡を描くことにともなって、表示領域に表示されている画像も制御されることから、再生情報がどのように変更されるかを容易に認識することができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、ユーザが描いた軌跡の始点を基準にして画像の表示制御が行われるので、ユーザの直感的な操作性を向上させることができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザは、所定の速度以上の終端速度が検出されるように軌跡を描くことによって、画像が軌跡に沿って終端点まで移動し、終端点に到達した以降は当該終端速度が検出された方向に移動する、という動作を付加することができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、ユーザは、所定の速度以上の終端速度が検出されないように軌跡を描くことによって、画像が軌跡に沿って終端点まで移動し、終端点に到達すると次に表示されるべき画像に表示画像が切り替わる、という動作を付加することができる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、ユーザは、所定の速度以上の終端速度が検出されるように軌跡を描くことによって、画像が軌跡に沿って終端点まで移動し、終端点に到達した以降は当該終端速度が検出された方向に当該終端速度を維持したまま移動する、という動作を付加することができる。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、ユーザは、表示領域に重ねて配された検出部が検出できるように軌跡を描くことにより、その時点で表示領域に表示されている画像についてのみ再生情報を変更することができる。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、ユーザは、再生情報を変更したくない画像について予め再生情報の変更を禁止としておくことによって、誤って再生情報を変更してしまうことを防止することができる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、予め再生情報の変更が禁止されている画像については、ユーザが軌跡を描いた場合であっても画像の表示制御が行われないことから、ユーザは当該画像の表示制御が行われないことによって再生情報の変更を禁止としたことを認識することができる。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、ユーザは、表示領域に重ねて配された検出部が検出できるように軌跡を描くことにより、スライドショーの再生中に表示される全ての画像について一括で再生情報を変更することができる。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、ユーザは、自らが描いた軌跡に基づいて変更された再生情報を変更前に戻したい場合には、取消操作を行うことで当該再生情報の変更を取り消すことができる。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、ユーザは、再生情報を変更するために許可操作を行いつつ軌跡情報を描く必要があることから、誤って再生情報を変更してしまうことを防止することができる。
【0033】
請求項12に記載の発明によれば、ユーザは、再生情報を変更するために、所定の大きさ以上の圧力で軌跡を描く必要があることから、誤って再生情報を変更してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態に係る再生装置のブロック図である。
【図2】本実施形態におけるシナリオファイルの設定テーブルの一例を示す図である。
【図3】本実施形態における軌跡リストの設定テーブルの一例を示す図である。
【図4】本実施形態における軌跡リストの一例の基となる入力点検出座標を示す図である。
【図5】本実施形態における終端点座標の一例を示す図である。
【図6】本実施形態における自動制御リストの設定テーブルの一例を示す図である。
【図7】本実施形態におけるシステム制御部101によるスライドショー処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態におけるシステム制御部101によるシナリオファイル更新処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態における動作種別が「移動」である際のシステム制御部101による画像の表示制御例を示す図である。
【図10】本実施形態における動作種別が「拡大」又は「縮小」である際のシステム制御部101による画像の表示制御例を示す図である。
【図11】本実施形態における動作種別が「回転」である際のシステム制御部101による画像の表示制御例を示す図である。
【図12】本実施形態における動作種別が「移動」である際のシステム制御部101による画像の表示制御例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、再生装置に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0036】
[1.再生装置の構成及び機能]
始めに、図1等を参照して、第1実施形態に係る再生装置100の構成及び機能について説明する。図1は、本実施形態に係る再生装置100の概要構成例を示す図である。
【0037】
再生装置100は、スライドショー再生中に、当該スライドショーを中断することなく、スライドショーで表示中の画像に対して動作を付加する編集を行うことができる機能を有する。図1に示すように、再生装置100は、当該機能を実現するために、システム制御部101、記憶部102、入力部103、表示部105を備えて構成されている。
【0038】
表示部105は、例えば、液晶表示パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示装置により構成されており、システム制御部101の制御の下、画像を表示する。
【0039】
入力部103は、例えば、タッチパネルで構成され、また、検出部104(入力検出手段、軌跡情報取得手段、速度検出手段、取消操作検出手段、許可操作検出手段の一例)を備えている。検出部104は、表示部105が画像を表示する表示領域に重ねて配置された透視性パネル(検出部の一例)によって構成され、透視性パネルが圧力(又は静電気)を感知することによって、ユーザからの入力を検出する。
【0040】
検出部104は、所定時間(本実施形態では一例として0.5秒とする)毎にユーザによる入力が行われたかを検出しており、ユーザにより入力が行われた場合には、当該入力が行われた点を示す入力点検出座標をシステム制御部101に出力する。すなわち、ユーザが入力を継続する(例えば、透視性パネルに接触し続ける)と、0.5秒毎に入力点を示す入力点検出座標がシステム制御部101に出力される。
【0041】
記憶部102は、例えば不揮発性半導体メモリからなり、スライドショー再生用プログラムなどの各種プログラム、スライドショーにおいて再生対象となる画像を表示するための画像ファイル、スライドショーを再生するための各種設定情報を規定したシナリオファイルを記憶する。
【0042】
図2は、シナリオファイルの設定テーブルの一例を示す図である。シナリオファイルSF(Scenario File)は、表示順序、画像ファイル名、変更可否フラグ、表示時間、初期座標、第1次動作情報、第2次動作情報、・・・、第n次動作情報、の各構成要素により構成される。表示順序は、スライドショーにおいて各画像ファイルを表示する順序を示す。画像ファイル名は、スライドショーにおいて表示する画像ファイルの名称を示す。表示時間は、スライドショーにおいて各画像ファイルを表示する時間を示す。変更可否フラグは、各画像ファイルに対する動作を付加する編集を許可するか否かを示すフラグであり、ユーザが任意に設定することができる。なお、変更可否フラグが「1」である画像ファイルは、動作を付加する編集が禁止される画像ファイルであることを示す。
【0043】
初期座標は、スライドショーにおいて各画像ファイルを表示部105の表示領域に表示する際の初期の座標を示す。なお、シナリオファイルSFにおける各種座標は、表示領域の中心(重心)を原点(0,0)とするXY座標系において、各画像の中心(重心)の位置を示す。例えば、図2の例では、表示順序が「2」の画像ファイルに基づく画像は、始めに、画像の中心と表示領域の中心とが一致するように表示される。
【0044】
第1次動作情報〜第n次動作情報の各動作情報は、少なくとも所要時間を構成要素とし、各画像の動作種別に応じて、移動先座標、支点座標、拡大/縮小率、回転角度を構成要素とする。動作種別としては、「移動」、「拡大」、「縮小」、「回転」があり、動作種別が「移動」である場合における動作情報の構成要素は、所要時間と移動先座標となる。また、動作種別が「拡大」又は「縮小」である場合における動作情報の構成要素は、所要時間と支点座標と拡大/縮小率となり、動作種別が「回転」である場合における動作情報の構成要素は、所要時間と支点座標と回転角度となる。各動作情報を構成する所要時間は、対応する動作を行うのに要する時間を示す。すなわち、シナリオファイルSFにおける表示時間、初期座標、各動作情報、第2次動作情報は、画像の再生動作に関する情報を示す。
【0045】
図2に示すシナリオファイルSFは、表示順序「1」の画像ファイル「001.jpg」に対応する各動作情報を所要時間と移動先座標によって構成することによって、当該画像ファイルの動作種別が「移動」であることを示している。また、第1次動作情報は、所要時間「2」、移動先座標(0,0)となっており、当該画像ファイルに基づく画像が初期座標(0,0)の位置に表示されてから2秒かけて移動先座標(0,0)の位置に移動することを示している。なお、座標(0,0)の位置から座標(0,0)の位置への移動とは、実際には画像が移動せず静止することを示している。すなわち、第1次動作情報は、当該画像ファイルに基づく画像が初期座標(0,0)の位置に表示されてから2秒間静止することを示している。次いで、第2次動作情報は、所要時間「0.5」、移動先座標(0,5)となっており、当該画像ファイルに基づく画像が第1次動作情報における移動先座標(0,0)の位置に移動した時点から0.5秒かけて第2次動作情報における移動先座標(0,5)の位置に移動することを示している。このように、シナリオファイルSFは、第1次動作情報〜第n次動作情報の各動作情報を組み合わせることによって、画像の動作を規定している。
【0046】
シナリオファイルSFは、表示順序「2」の画像ファイル「002.jpg」に対応する各動作情報を所要時間と移動先座標によって構成することによって、当該画像ファイルの動作種別が「移動」であることを示している。また、第1次動作情報は、所要時間「5」、移動先座標(0,0)となっており、当該画像ファイルに基づく画像が初期座標(0,0)の位置に表示されてから5秒間静止することを示している。すなわち、当該画像ファイルは、5秒ある表示時間のうち5秒間静止していることとなる。
【0047】
シナリオファイルSFは、表示順序「3」の画像ファイル「003.jpg」及び表示順序「4」の画像ファイル「004.jpg」に対応する各動作情報を所要時間と支点座標と拡大/縮小率とによって構成することによって、当該画像ファイルの動作種別がそれぞれ「拡大」及び「縮小」であることを示している。また、両画像ファイルに対応する第1次動作情報は、所要時間「2」、支点座標(0,0)、拡大/縮小率「100%」となっており、当該画像ファイルに基づく画像が初期座標(0,0)の位置に表示されてから2秒かけて支点座標(0,0)を基準として「100%」の大きさに変倍することを示している。なお、「100%」の大きさに変倍とは、実際には画像の大きさが変化しないことを示している。すなわち、第1次動作情報は、当該画像ファイルに基づく画像が初期座標(0,0)の位置に表示されてから2秒間、大きさが変化しないことを示している。次いで、画像ファイル「003.jpg」に対応する第2次動作情報は、所要時間「0.5」、支点座標(−12.5,−10)、拡大/縮小率「110%」となっており、当該画像ファイルに基づく画像が、第1次動作情報に基づく動作を行った時点から0.5秒かけて支点座標(−12.5,−10)を基準として「110%」の大きさに拡大することを示している。一方、画像ファイル「004.jpg」に対応する第2次動作情報は、所要時間「0.5」、支点座標(−12.5,−10)、拡大/縮小率「90%」となっており、当該画像ファイルに基づく画像が、第1次動作情報に基づく動作行った時点から0.5秒かけて支点座標(−12.5,−10)を基準として「90%」の大きさに縮小することを示している。
【0048】
シナリオファイルSFは、表示順序「5」の画像ファイル「005.jpg」に対応する各動作情報を所要時間と支点座標と回転角度とによって構成することによって、当該画像ファイルの動作種別が「回転」であることを示している。また、第1次動作情報は、所要時間「2」、支点座標(0,0)、回転角度「0°」となっており、当該画像ファイルに基づく画像が初期座標(0,0)の位置に表示されてから2秒かけて支点座標(0,0)を基準として「0°」回転することを示している。なお、「0°」の回転とは、実際には画像が回転しないことを示している。すなわち、第1次動作情報は、当該画像ファイルに基づく画像が初期座標(0,0)の位置に表示されてから2秒間、回転しないことを示している。次いで、第2次動作情報は、所要時間「0.5」、支点座標(−12.5,−10)、回転角度「90°」となっており、当該画像ファイルに基づく画像が、第1次動作情報に基づく動作を行った時点から0.5秒かけて支点座標(−12.5,−10)を中心として「90°」回転することを示している。なお、回転角度は、時計の回転方向を正方向とする。すなわち、当該画像は、支点座標(−12.5,−10)を中心として時計の回転方向に「90°」回転することとなる。
【0049】
なお、シナリオファイルSFにおける表示順序及び表示時間は、図示しないスライドショー設定画面よりユーザが任意に設定することができる。また、ユーザにより表示順序が設定されなかった場合には、画像ファイル名に基づく並び替え(ソート)によって得られる順序が表示順序となる。ユーザにより表示時間が設定されない場合には、初期値(例えば、5秒)が表示時間となる。表示時間は画像ファイル毎に設定することもできる。
【0050】
また、記憶部102は、スライドショー再生中に、シナリオファイルSFを更新するための作業用ファイルである軌跡リストや自動制御リストを記憶する領域を確保する。
【0051】
なお、本実施形態では、記憶部102は不揮発性半導体メモリにより構成されるが、不揮発性半導体メモリとハードディスクとによって構成して、プログラムや画像ファイルをハードディスクに記憶することとしてもよい。
【0052】
システム制御部101(再生情報取得手段、再生制御手段、軌跡情報取得手段、表示制御手段、変更手段、速度検出手段、速度判断手段、取消操作検出手段、許可操作検出手段の一例)は、主としてCPU(Central Processing Unit)により構成され、再生装置100の全体的な機能を統括的に制御する。かかる制御に際して、システム制御部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムを読み出して各処理を実行し、当該記憶部102に処理中の作業用ファイルを一時的に保持する。
【0053】
システム制御部101は、スライドショーを再生していないときにメニュー画面(図示しない)を表示させる。システム制御部101は、メニュー画面に設けられた所定の再生開始領域内を示す入力点検出座標が検出部104から出力された場合には、スライドショー再生を開始する。なお、再生開始領域に対するユーザの入力操作を「スライドショー開始操作」という。
【0054】
また、システム制御部101は、スライドショー再生中に、図9に示すようなスライドショー再生画面400を表示させる。システム制御部101は、スライドショー再生画面400内における再生終了領域401内を示す入力点検出座標が検出部104から出力された場合には、スライドショー再生を終了する。なお、再生終了領域401に対するユーザの入力操作を「スライドショー終了操作」という。
【0055】
また、システム制御部101は、スライドショー再生画面400内におけるキャンセル領域402内を示す入力点検出座標が検出部104から出力された場合には、それまでに動作を付加する編集操作が行われた場合であっても、動作を付加させない。なお、キャンセル領域402に対するユーザの入力操作を「キャンセル操作」という。
【0056】
また、システム制御部101は、スライドショー再生画面400内における再生終了領域401、キャンセル領域402以外の動作編集領域内を示す入力点検出座標が検出部104から出力された場合には、動作を付加するようにシナリオファイルSFの再生動作に関する情報を変更する。なお、動作編集領域に対するユーザの入力操作を「動作編集操作」という。
【0057】
システム制御部101は、スライドショーの再生中に、動作編集領域内を示す入力点検出座標が所定時間(0.5秒)毎に検出部104から出力されると、軌跡リストを作成することによって、ユーザが当該動作編集領域において描いた軌跡を示す軌跡情報を取得する。但し、本実施形態において、システム制御部101が軌跡リストを作成するのは、ある時刻における入力点検出座標が1点又は2点であった場合のみである。また、システム制御部101は、軌跡リストを作成している際に表示している画像が表示時間の経過により次の画像に切り替わった場合や、検出部104が入力点検出座標を出力しなくなった場合(すなわち、ユーザが軌跡を描くことを終了した場合)には、当該軌跡リストの作成を打ち切る。なお、システム制御部101は、軌跡リストに基づいてシナリオファイルSFを更新する。
【0058】
次に、図3を用いて軌跡リストについて説明する。
【0059】
図3(a)〜(d)は、軌跡リストの内容の一例を示す図である。軌跡リストL1は、表示順序、画像ファイル名、入力開始時期、入力点情報、の各構成要素により構成される。軌跡リストL1の表示順序は、ユーザによる入力が検出された際に表示していた画像ファイルの表示順序を示す。軌跡リストL1の画像ファイル名は、ユーザによる入力が検出された際に表示していた画像ファイルの名称を示す。入力開始時期は、スライドショー再生中に対象となる画像ファイルが表示されている期間において、ユーザによる入力が検出された時期を示す。すなわち、入力開始時期は、ユーザによる入力が検出された際に表示されている画像ファイルが表示部105に表示されてから、当該入力が検出されるまでの経過時間を示す。入力点情報は、ユーザによる入力が検出されてから(すなわち、入力開始時期から)、検出部104が所定時間(0.5秒)毎に出力した入力点検出座標を示す。入力点が1点の場合には、第1座標にのみ入力点検出座標が記述され、入力点が2点の場合には、第1座標及び第2座標に入力点検出座標が記述される。すなわち、システム制御部101は、検出部104が所定時間毎に出力した入力点検出座標を入力点情報として記述することによって、ユーザが表示領域において描いた軌跡を示す軌跡情報を取得する。そして、システム制御部101は、軌跡情報の示す軌跡の始点に対応する表示領域内の位置を基準点として、画像の表示を制御する。
【0060】
システム制御部101は、軌跡リストL1の入力点情報を参照し、入力点が1点のみの場合には、画像に対して付加する動作種別は「移動」であると判定する。また、システム制御部101は、動作種別を「移動」と判定する場合には、各所定時間が経過する間に移動した入力検出点座標に基づいて、当該所定時間において画像を移動させるべき方向及び距離を決定し、シナリオファイルSFの動作情報を変更する。
【0061】
また、システム制御部101は、入力点が2点であって、何れか一方の入力点が、その座標が変化しない固定点である場合には、画像に対して付加する動作種別は「拡大」、「縮小」又は「回転」の何れかであると判定する。このとき、システム制御部101は、時間の経過に従って、固定点に対応する入力点検出座標の示す位置と他方の入力点検出座標の示す位置との2点間距離が、長くなっている場合には動作種別は「拡大」であると判定し、短くなっている場合には動作種別は「縮小」であると判定し、一定である場合には動作種別は「回転」であると判定する。また、システム制御部101は、動作種別を「拡大」又は「縮小」と判定する場合には、所定時間毎の2点間距離の変化分に応じて拡大/縮小率を決定する。更に、システム制御部101は、動作種別を「回転」と判定する場合には、各所定時間が経過する間に移動した固定点以外の入力点検出座標が当該固定点を中心として描いた弧に対応する中心角を当該所定時間に対応する回転角度として決定する。なお、固定点は上述したシナリオファイルSFにおける支点座標に対応する。
【0062】
次に、図3及び図4を用いて軌跡リストL1が作成される際の流れについて説明する。
【0063】
図3(a)は、表示順序「1」の画像ファイル「001.jpg」の表示中にユーザによる入力が検出された際に作成される軌跡リストL1の例を示す図である。当該軌跡リストL1は、画像ファイル「001.jpg」が表示されてから2秒経過後に、ユーザによる入力の検出が開始されたことを示す。また、図4(a)に示すように、入力検出開始時における入力点(初期入力点)Pは1点のみであって、初期入力点検出座標Pが(5,3)であったことを示す。更に、当該軌跡リストL1は、入力の検出が開始されてから0.5秒後の入力点検出座標Pが(5,8)であることを示している。当該軌跡リストL1に基づいて、システム制御部101は、動作種別を「移動」と判定するとともに、入力の検出が開始されてから0.5秒後の入力点検出座標P(5,8)から初期入力点検出座標P(5,3)を減算することにより(0,5)を算出し、入力の検出が開始されてから0.5秒間で画像をY軸方向に「+5」移動させることを決定する。すなわち、システム制御部101は、当該軌跡リストL1における入力開始時期及び入力点情報(「0.0秒」及び「0.5秒」の第1座標)に基づいて、表示順序「1」の画像ファイル「001.jpg」を、表示領域に表示してから2秒間静止させ、次いで、0.5秒かけて初期座標からY軸方向に「+5」移動させるように、シナリオファイルSFの第1次動作情報及び第2次動作情報を更新する(図2参照)。
【0064】
図3(b)は、表示順序「3」の画像ファイル「003.jpg」の表示中にユーザによる入力が検出された際に作成される軌跡リストL1の例を示す図である。当該軌跡リストL1は、画像ファイル「003.jpg」が表示されてから2秒経過後に、ユーザによる入力の検出が開始されたことを示す。また、図4(b)に示すように、入力検出開始時における入力点(初期入力点)は2点であって、第1入力点検出座標Pが(−12.5,−10)、第2入力点検出座標Qが(10,8)であったことを示す。更に、当該軌跡リストL1は、入力の検出が開始されてから0.5秒後の第1入力点検出座標Pが(−12.5,−10)、第2入力点検出座標Qが(15,12)であることを示している。当該軌跡リストL1に基づいて、システム制御部101は、支点座標に対応する固定点座標(支点座標)を(−12.5,−10)と決定し、また、入力の検出が開始された時点における2点間距離(座標(−12.5,−10)と座標(10,8)に基づいて算出する)と、入力の検出が開始されてから0.5秒後における2点間距離(座標(−12.5,−10)と座標(15,12)に基づいて算出する)とに基づいて、動作種別を「拡大」と判定するとともに、当該2点間距離の変化分に応じて拡大/縮小率を決定する。すなわち、システム制御部101は、当該軌跡リストL1における入力開始時期及び入力点情報(「0.0秒」及び「0.5秒」の第1座標、第2座標)に基づいて、表示順序「3」の画像ファイル「003.jpg」を、表示領域に表示してから2秒間静止させ、次いで、0.5秒かけて、支点座標(−12.5,−10)を基準として、2点間距離の変化分に応じて決定した拡大/縮小率(例えば、「110%」)に基づいて拡大させるように、シナリオファイルの第1次動作情報及び第2次動作情報を更新する(図2参照)。
【0065】
図3(c)は、表示順序「4」の画像ファイル「004.jpg」の表示中にユーザによる入力が検出された際に作成される軌跡リストL1の例を示す図である。当該軌跡リストL1は、画像ファイル「004.jpg」が表示されてから2秒経過後に、ユーザによる入力の検出が開始されたことを示す。また、図4(c)に示すように、入力検出開始時における入力点は2点であって、第1入力点検出座標Pが(−12.5,−10)、第2入力点検出座標Qが(10,8)であったことを示す。更に、当該軌跡リストL1は、入力の検出が開始されてから0.5秒後の第1入力点検出座標Pが(−12.5,−10)、第2入力点検出座標Qが(5,4)であることを示している。当該軌跡リストL1に基づいて、システム制御部101は、支点座標に対応する固定点座標(支点座標)を(−12.5,−10)と決定し、また、入力の検出が開始された時点における2点間距離(座標(−12.5,−10)と座標(10,8)に基づいて算出する)と、入力の検出が開始されてから0.5秒後における2点間距離(座標(−12.5,−10)と座標(5,4)に基づいて算出する)とに基づいて、動作種別を「縮小」と判定するとともに、当該2点間距離の変化分に応じて拡大/縮小率を決定する。すなわち、システム制御部101は、当該軌跡リストL1における入力開始時期及び入力点情報(「0.0秒」及び「0.5秒」の第1座標、第2座標)に基づいて、表示順序「4」の画像ファイル「004.jpg」を、表示領域に表示してから2秒間静止させ、次いで、0.5秒かけて、支点座標(−12.5,−10)を基準として、2点間距離の変化分に応じて決定した拡大/縮小率(例えば、「90%」)に基づいて縮小させるように、シナリオファイルの第1次動作情報及び第2次動作情報を更新する(図2参照)。
【0066】
図3(d)は、表示順序「5」の画像ファイル「005.jpg」の表示中にユーザによる入力が検出された際に作成される軌跡リストL1の例を示す図である。当該軌跡リストL1は、画像ファイル「005.jpg」が表示されてから2秒経過後に、ユーザによる入力の検出が開始されたことを示す。また、図4(d)に示すように、入力検出開始時における入力点は2点であって、第1入力点検出座標Pが(10,0)、第2入力点検出座標Qが(−10,0)であったことを示す。更に、当該軌跡リストL1は、入力の検出が開始されてから0.5秒後の第1入力点検出座標Pが(10,0)、第2入力点検出座標Qが(10,20)であることを示している。当該軌跡リストL1に基づいて、システム制御部101は、支点座標に対応する固定点座標を(10,0)と決定し、また、入力の検出が開始された時点における2点間距離(座標(10,0)と座標(−10,0)に基づいて算出する)と、入力の検出が開始されてから0.5秒後における2点間距離(座標(10,0)と座標(10,20)に基づいて算出する)とに基づいて(何れも2点間距離は「20」)、動作種別を「回転」と判定する。また、システム制御部101は、入力検出開始時における入力点検出座標P及びQと、入力の検出が開始されてから0.5秒後における入力点検出座標P及びQとに基づいて、線分Pと線分Pが支点座標Pに対して作る角度(すなわち、90°)を回転角度として決定する。すなわち、システム制御部101は、当該軌跡リストL1における入力開始時期及び入力点情報(「0.0秒」及び「0.5秒」の第1座標、第2座標)に基づいて、表示順序「5」の画像ファイル「005.jpg」を、表示領域に表示してから2秒間静止させ、次いで、0.5秒かけて、支点座標(10、0)を中心として、決定した回転角度(90°)分だけ回転させるように、シナリオファイルの第1次動作情報及び第2次動作情報を更新する(図2参照)。
【0067】
また、システム制御部101は、入力点が1点のみの場合(動作種別が「移動」の場合)において、軌跡リストを作成している際に表示している画像が表示時間の経過により次の画像に切り替わる前に、検出部104が入力点検出座標を出力しなくなった場合(すなわち、ユーザが軌跡を描くことを終了した場合)には、当該検出部104が最後に出力した入力点検出座標(終端点座標)Pと、その所定時間(0.5秒)前に出力した入力点検出座標(終端点前座標)Pn−1とに基づいて、ユーザが描いた軌跡の終端点Pにおける終端速度情報(速度と方向を含む情報)を算出する。
【0068】
ここで、図5を用いて終端速度情報の算出について説明する。図5に示すように、終端点座標Pは(6,6)であって、終端点前座標Pn−1は(2,6)である。このとき、システム制御部101は、両点P、Pn−1に基づいて、終端点における速度として、所定時間(0.5秒)でX軸正(+)方向に「4」移動する、という速度を算出する。
【0069】
システム制御部101は、終端速度情報を算出すると、算出した速度が所定速度以上である場合にのみ、当該終端速度情報に基づいて自動制御リストを作成する。具体的には、システム制御部101は、終端点座標からその時点で表示している画像が切り替わるまでの所定時間毎の座標を算出することにより、自動制御リストに記述する。
【0070】
図6は、自動制御リストL1の内容の一例を示す図である。自動制御リストL1は、表示順序、画像ファイル名、終端点検出時期、自動制御情報、の各構成要素により構成される。自動制御リストL1の表示順序は、終端点座標が検出された際に表示していた画像ファイルの表示順序を示す。自動制御リストL1の画像ファイル名は、終端点座標が検出された際に表示していた画像ファイルの名称を示す。終端点検出時期は、スライドショー再生中に対象となる画像ファイルが表示されている期間において、終端点座標が検出された時期を示す。自動制御情報は、終端点検出時期から、対応する画像ファイルの表示時間終了までの間における所定時間(0.5秒)毎の予測座標を示す。システム制御部101は、終端速度情報に基づいて、終端点から終端速度の方向に終端速度を維持した場合の所定時間(0.5秒)経過毎の予測座標を算出する。
【0071】
なお、図6は、画像ファイル「001.jpg」について、終端点座標Pの検出時期が当該画像ファイルの表示開始から3.5秒経過後であって、当該画像ファイルから次の画像ファイルに切り替わるまでの残り時間が1.5秒である場合における自動制御リストL1を示す図である。但し、終端点座標P(6,6)及び終端点前座標Pn−1(2,6)は図5に示した座標に基づくものとする。システム制御部101は、終端点座標P(6,6)と、算出した終端速度情報とに基づいて、1.5秒間分の0.5秒毎の予測座標を算出し、自動制御リストL2の自動制御情報として記述する。すなわち、終端点座標Pの検出時期から0.5秒後の予測座標を(10,6)、1.0秒後の予測座標を(14,6)、1.5秒後の予測座標を(18,6)と、それぞれ算出し、自動制御リストL2の自動制御情報として記述する。システム制御部101は、自動制御リストL2を作成した場合には、上述した軌跡リストL1と当該自動制御リストL2とに基づいてシナリオファイルSFを更新する。
【0072】
このように、システム制御部101は、検出部104から所定時間(0.5秒)毎に出力された入力点検出座標に基づいて、軌跡リストL1や自動制御リストL2を作成し、当該軌跡リストL1や自動制御リストL2に基づいて、シナリオファイルSFを更新する。また、システム制御部101は、作成した軌跡リストL1や自動制御リストL2に基づいて、リアルタイムで画像の表示を制御する。
【0073】
[1.2.再生装置の動作]
次に、図7〜図12を参照して、本実施形態に係る再生装置100の動作について説明する。なお、図7は、本実施形態に係る再生装置100のシステム制御部101におけるスライドショー処理の一例を示すフローチャートであり、図8は、図7のS105に示す「シナリオファイル更新処理」の具体例を示すフローチャートである。
【0074】
図7に示す処理は、システム制御部101が、S101の処理で上述したユーザによるスライドショー開始操作を検出することにより開始する。なお、システム制御部101は、スライドショー開始操作を検出するまでメニュー画面(図示しない)を表示したまま待機状態となっている(S101:NO)。
【0075】
システム制御部101は、スライドショー開始操作を検出すると(S101:YES)、シナリオファイルSFを読み込み、スライドショー再生を開始する(S102)。具体的には、システム制御部101は、シナリオファイルSFを読み込むと、表示順序が「1」である画像ファイルを読み込み、表示部105の表示領域に1枚目の画像を表示させる。なお、本実施形態では、S102の処理でスライドショーにおける1枚目の画像を表示させた後には、システム制御部101によるスライドショー割込処理(図示しない)において、シナリオファイルSFに規定された表示時間に応じて画像を切り替えるための処理が行われる。
【0076】
次に、システム制御部101は、動作編集操作を検出したか否かを判別する(S103)。このとき、システム制御部101は、動作編集操作を検出していないと判別したときには(S103:NO)、S106の処理に移行する。一方、システム制御部101は、動作編集操作を検出したと判別したときには(S103:YES)、次いで、シナリオファイルSF(図2)を参照し、表示中の画像ファイルの変更可否フラグは「0」であるか否かを判別する(S104)。
【0077】
システム制御部101は、表示中の画像ファイルの変更可否フラグは「0」ではないと判別したときには(S104:NO)、S106の処理に移行する。一方、システム制御部101は、表示中の画像ファイルの変更可否フラグは「0」であると判別したときには(S104:YES)、図8を用いて後述するシナリオファイル更新処理を行い(S105)、S106の処理に移行する。
【0078】
次に、システム制御部101は、ユーザによるスライドショー終了操作を検出したか否かを判別する(S106)。このとき、システム制御部101は、ユーザによるスライドショー終了操作を検出したと判別したときには(S106:YES)、スライドショー再生を終了し(S108)、S101の処理に移行する。一方、システム制御部101は、ユーザによるスライドショー終了操作を検出していないと判別したときには(S106:NO)、次いで、スライドショーにおける再生対象画像ファイルを全て表示したか否かを判別する(S107)。ここで、再生対象画像ファイルとは、スライドショーにおいて再生対象となっている画像ファイルである。
【0079】
システム制御部101は、S107の処理においてスライドショーにおける再生対象画像ファイルを全て表示したと判別したときには(S107:YES)、スライドショー再生を終了し(S108)、S101の処理に移行する。一方、システム制御部101は、スライドショーにおける再生対象画像ファイルを全て表示していないと判別したときには(S107:NO)、S103の処理に移行する。
【0080】
なお、本実施形態では、スライドショーにおける再生対象画像ファイルを全て表示した場合にはスライドショーを終了する構成となっているが、再生対象画像ファイルを全て表示した場合には、再度、表示順序が「1」である再生対象画像ファイルから順次表示する構成としてもよい。
【0081】
次に、図8を用いてシナリオファイル更新処理について説明する。まず、システム制御部101は、検出部104から所定時間毎に出力される入力点検出座標に基づいて、軌跡リストL1を作成するとともに、表示制御を行う。具体的には、システム制御部101は、初期入力点検出座標と、初期入力点検出座標が出力されてから所定時間後に出力された入力点検出座標とに基づいて、動作種別を判別し、動作種別に応じて画像の表示を制御する(S121)。
【0082】
ここで、図9〜図11を参照して、システム制御部101による画像の表示制御について説明する。なお、図9は、動作種別が「移動」である場合における画像の表示制御例を示す。図10は、動作種別が「拡大」又は「縮小」である場合における画像の表示制御例を示す。図11は、動作種別が「回転」である場合における画像の表示制御例を示す。
【0083】
図9に示すように、システム制御部101は、ユーザがスライドショー再生画面400における動作編集領域内に描いた軌跡420(始点421、終端点422)に基づいて、画像410が移動するように表示制御を行う。なお、上述したように、システム制御部101は、スライドショー再生画面400における再生終了領域401内を示す入力点検出座標が検出部104から出力された場合には、スライドショー終了操作が行われたと判別して、スライドショー再生を終了する。
【0084】
また、図10に示すように、システム制御部101は、ユーザがスライドショー再生画面400における動作編集領域内に描いた軌跡440(始点441、終端点442)又は軌跡450(始点451、終端点452)と、固定点(支点座標)430とに基づいて、画像410を拡大又は縮小させる表示制御を行う。具体的には、システム制御部101は、ユーザにより軌跡440が描かれた場合には、固定点(支点座標)430との距離が短くなっていることから、画像410を縮小させる表示制御を行う。一方、システム制御部101は、ユーザにより軌跡450が描かれた場合には、固定点(支点座標)440との距離が長くなっていることから、画像410を拡大させる表示制御を行う。
【0085】
また、図11に示すように、システム制御部101は、ユーザがスライドショー再生画面400における動作編集領域内に描いた軌跡470(始点471、終端点472)と、固定点(支点座標)460とに基づいて、画像410を回転させる表示制御を行う。具体的には、システム制御部101は、ユーザにより軌跡470が描かれた場合には、固定点(支点座標)460との距離が一定であることから、画像410を回転させる表示制御を行う。
【0086】
次に、システム制御部101は、スライドショー割込処理(図示しない)により、表示中であった画像ファイルから表示順序が次の画像ファイルに、表示が切り替えられたか否かを判別する(S122)。すなわち、ユーザが軌跡を描いている最中に画像ファイルが切り替えられたか否かを判別する。このとき、システム制御部101は、画像ファイルが切り替えられたと判別したときには(S122:YES)、S131の処理に移行する。一方、システム制御部101は、画像ファイルは切り替えられていないと判別したときには(S122:NO)、S123の処理に移行する。
【0087】
次に、システム制御部101は、動作編集操作を検出しなくなったか否かを判別する(S123)。すなわち、システム制御部101は、検出部104から所定時間毎に出力されていた入力点検出座標が出力されなくなるまで(S123:NO)、S121の処理を行い、入力点検出座標が出力されなくなると(S123:YES)、S124の処理に移行する。
【0088】
次に、システム制御部101は、入力点が1点(動作種別が「移動」)だったか否かを判別する(S124)。すなわち、システム制御部101は、所定時間毎に出力された入力点検出座標は1点であったか否かを判別する。このとき、システム制御部101は、入力点が1点ではなかったと判別したときには(S124:NO)、S129の処理に移行する。一方、システム制御部101は、入力点が1点であったと判別したときには(S124:YES)、次いで、終端速度情報を算出する(S125)。
【0089】
次に、システム制御部101は、終端速度情報に基づいて、終端速度は所定速度以上であったか否かを判別する(S126)。このとき、システム制御部101は、終端速度は所定速度以上ではなかったと判別したときには(S126:NO)、S129の処理に移行する。一方、システム制御部101は、終端速度は所定速度以上であったと判別したときには(S126:YES)、終端速度情報に基づいて、自動制御リストL2を作成し(S127)、当該自動制御リストL2に基づいて、画像の表示制御を行う(S128)。
【0090】
ここで、図12を参照して、システム制御部101による自動制御リストL2に基づく画像の表示制御について説明する。なお、図12は、動作種別が「移動」である場合であって、終端速度が所定速度以上であった場合における画像の表示制御例を示す。
【0091】
図12に示すように、システム制御部101は、ユーザがスライドショー再生画面400における動作編集領域内に描いた軌跡480(始点481、終端点482)に基づいて、画像410が軌跡480に沿って終端点482に向かって移動するように表示制御を行う。システム制御部101は、画像410を終端点482まで移動させると、次いで、自動制御リストL2の自動制御情報に基づいて、画像410を自動制御時終端点483まで移動させる。なお、図12の例では、自動制御時終端点483がスライドショー再生画面400内となっているが、終端速度情報に基づいて算出された自動制御時終端点483がスライドショー再生画面400外の位置であった場合には、スライドショーの再生中において画像410が当該スライドショー再生画面400外にフレームアウトするように表示制御が行われる。また、画像410が自動制御情報に基づいて自動制御時終端点483に到達すると、スライドショー割込処理によって次の画像に切り替えられる。
【0092】
次に、システム制御部101は、キャンセル操作を検出したか否かを判別する(S129)。このとき、システム制御部101は、キャンセル操作を検出していないと判別したときには(S129:NO)、軌跡リスト(及び自動制御リスト)に基づいて、シナリオファイルSFを更新し(S130)、S131の処理に移行する。一方、システム制御部101は、キャンセル操作を検出したと判別したときには(S129:YES)、シナリオファイルSFを更新せずに、S131の処理に移行する。
【0093】
最後に、システム制御部101は、軌跡リスト(及び自動制御リスト)を破棄して(S131)、シナリオファイル更新処理を終了する。なお、本実施形態では、ユーザが軌跡を描いている最中に、スライドショー割込処理によって画像が切り替えられた場合には(S122:YES)、軌跡リストは破棄され(S131)、シナリオファイルSFは更新されない構成となっているが、スライドショー割込処理において画像を切り替える際にその時点における軌跡L1リストに基づいてシナリオファイルSFを更新する構成としてもよい。
【0094】
以上説明したように、本実施形態の再生装置100は、システム制御部101がシナリオファイルSFに基づいてスライドショーを再生し、スライドショーの再生中に表示領域に重ねて配置された検出部104から所定時間毎に出力された入力点検出座標に基づいて、ユーザによって描かれた軌跡を示す軌跡情報を取得する。また、システム制御部101は、当該軌跡情報に基づいて、表示中の画像の表示を制御するとともに、シナリオファイルSFにおける当該表示中の画像の再生動作に関する情報を変更する。したがって、当該再生装置100によれば、スライドショーの再生中にスライドショーを停止することなく、シナリオファイルSFにおける各画像の再生動作に関する情報を変更することによって、再生動作を付加する編集を行うことができる。また、ユーザは、表示領域に重ねて配された検出部104が検出できるように軌跡を描くことにより容易に動作を付加することができ、また、当該軌跡を描くことにともなって、表示領域に表示されている画像も制御されることから、再生動作に関する情報がどのように変更されるかを容易に認識することができる。
【0095】
また、本実施形態の再生装置100は、システム制御部101が、軌跡情報の示す軌跡の始点に対応する表示領域内の位置を基準点として、画像の表示を制御する。したがって、ユーザが描いた軌跡の始点を基準にして画像の表示制御が行われるので、ユーザの直感的な操作性を向上させることができる。
【0096】
更に、本実施形態の再生装置100は、システム制御部101が、検出部104により出力された入力点検出座標に基づいて作成した軌跡リストL1に基づいて終端速度を算出し、終端速度が所定の速度以上である場合に、表示中の画像が表示領域内を軌跡情報に基づいて移動して終端点に到達した以降は、当該終端速度の方向に当該終端速度を維持したまま移動するようにシナリオファイルSFの再生動作に関する情報を変更する。したがって、当該再生装置100によれば、ユーザは、所定の速度以上の終端速度となるように軌跡を描くことによって、画像が軌跡に沿って終端点まで移動し、終端点に到達した以降は当該終端速度の方向に当該終端速度を維持したまま移動する、という動作を付加することができる。
【0097】
更にまた、本実施形態の再生装置100は、シナリオファイルSFがスライドショーにおいて表示される画像毎に再生動作に関する情報を規定しており、システム制御部101は、軌跡情報が取得された際に表示領域に表示されている画像についてのみ再生動作に関する情報を変更する。したがって、当該再生装置100によれば、ユーザは、検出部104が検出できるように軌跡を描くことにより、その時点で表示領域に表示されている画像についてのみ再生動作に関する情報を変更することができる。
【0098】
更にまた、本実施形態の再生装置100は、システム制御部101がシナリオファイルSFにおける変更可否フラグが「1」以外の画像についてのみ再生動作に関する情報を変更する。したがって、当該再生装置100によれば、ユーザは、再生動作に関する情報を変更したくない画像について予め変更可否フラグを「1」に設定しておくことによって、誤って再生動作に関する情報を変更してしまうことを防止することができる。
【0099】
更にまた、本実施形態の再生装置100は、ユーザによって軌跡が描かれた後に、キャンセル操作を検出した場合には、当該軌跡に基づいて作成した軌跡リストL1(及び自動制御リストL2)によって、シナリオファイルSFの再生動作に関する情報を更新しない。したがって、当該再生装置100によれば、ユーザは、一旦軌跡を描いてしまっても、取消操作を行うことで再生動作に関する情報が変更されてしまうことを防ぐことができる。なお、当該構成に代えて、システム制御部101が、軌跡リスト(及び自動制御リスト)によって、シナリオファイルSFを更新した後に、キャンセル操作を検出した場合に、シナリオファイルSFを更新前の状態に戻す構成としてもよい。当該構成によれば、ユーザは、自らが描いた軌跡に基づいて変更されてしまった再生動作に関する情報を変更前の状態に戻したい場合には、キャンセル操作を行うことで当該再生動作に関する情報の変更を取り消すことができる。
【0100】
なお、本実施形態では、システム制御部101は、終端速度が所定の速度以上ではないと判断した場合には、自動制御リストL2を作成しないで、表示中の画像が表示領域内を軌跡情報に基づいて移動して終端点に到達した所で停止し、当該画像の表示時間が経過するまでその位置で停止し続けるようにシナリオファイルSFの再生動作に関する情報を変更するが、これに代えて、システム制御部101は、終端速度が所定の速度以上ではないと判断した場合には、表示中の画像が表示領域内を軌跡情報に基づいて移動して終端点に到達した所で停止し、次いで、次に表示されるべき画像に表示を切り替えるようにシナリオファイルSFの再生動作に関する情報(表示時間)を変更する構成としてもよい。当該構成によれば、ユーザは、所定の速度以上の終端速度が検出されないように軌跡を描くことによって、画像が表示領域内を軌跡に沿って終端点まで移動し、終端点に到達すると次に表示されるべき画像に表示が切り替わる、という動作を付加することができる。
【0101】
また、システム制御部101が、シナリオファイルSFにおける変更可否フラグが「1」以外の画像が表示領域に表示されている場合にのみ、当該画像の表示を制御する構成、すなわち、変更可否フラグが「1」の画像を表示する場合には、S121又はS128(図8)の処理において表示制御を行わない構成としてもよい。当該構成とすれば、変更可否フラグが「1」の画像については、ユーザが軌跡を描いた場合であっても画像の表示制御が行われないことから、ユーザは当該画像の表示制御が行われないことによって、当該画像について変更可否フラグを「1」に設定したことを認識することができる。
【0102】
更に、本実施形態では、システム制御部101が、軌跡情報が取得された際に表示領域に表示されている画像についてのみ再生動作に関する情報を変更する構成となっているが、取得した軌跡情報に基づいて、スライドショーの再生中に表示される全ての画像について再生動作に関する情報を変更する構成としてもよい。当該構成とすれば、ユーザは、検出部104が検出できるように軌跡を描くことにより、スライドショーの再生中に表示される全ての画像について一括で再生動作に関する情報を変更することができる。
【0103】
更にまた、スライドショー再生画面400内に、再生終了領域401、動作編集領域、キャンセル領域402とは別に、編集許可領域を設け、当該編集許可領域を示す入力点検出座標が検出部104から出力されている間に取得された軌跡情報のみに基づいて、シナリオファイルSFにおける再生動作に関する情報を変更する構成としてもよい。但し、この場合には、入力点検出座標が3点(動作編集領域に対して2点と、編集許可領域に対して1点)であっても軌跡リストを作成することとなる。当該構成によれば、ユーザは、再生動作に関する情報を変更するために編集許可領域に入力を行いつつ軌跡情報を描く必要があることから、誤って再生動作に関する情報を変更してしまうことを防止することができる。
【0104】
更にまた、検出部104がユーザの入力による透視性パネルに対する圧力の大きさを検出可能な構成とするとともに、所定の大きさ以上の圧力を検出した入力点検出座標を出力することとして、システム制御部101は、当該検出部104により出力された入力点検出座標に基づいて、ユーザにより描かれた軌跡を示す軌跡情報を取得して、当該軌跡情報のみに基づいてシナリオファイルSFにおける再生動作に関する情報を変更することとしてもよい。これにより、ユーザは、再生動作に関する情報を変更するために、所定の大きさ以上の圧力で軌跡を描く必要があることから、誤って再生動作に関する情報を変更してしまうことを防止することができる。
【0105】
更にまた、上述したシステム制御部101による処理に相当するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、これらのプログラムを、時間の経過に従って表示部において画像を切り替えながら表示するスライドショーを再生する再生装置であって、表示領域と、当該表示領域に重ねて配置され、ユーザからの入力を検出する検出部とを有する入力検出部、を備える再生装置に含まれるコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを上記実施形態における再生装置内のシステム制御部101として活用することもできる。
【符号の説明】
【0106】
100 再生装置
101 システム制御部
102 記憶部
103 入力部
104 検出部
105 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間の経過に従って表示領域において画像を切り替えながら表示するスライドショーを再生する再生装置であって、
前記表示領域と、当該表示領域に重ねて配置され、ユーザからの入力を検出する検出部とを有する入力検出手段と、
前記スライドショーの再生動作に関する情報である再生情報を取得する再生情報取得手段と、
前記取得された前記再生情報に基づいて前記スライドショーを再生するための再生制御を行う再生制御手段と、
前記スライドショーの再生中に前記表示領域において前記入力検出手段によって検出された軌跡を示す軌跡情報を取得する軌跡情報取得手段と、
前記取得された軌跡情報に基づいて前記表示領域に表示されている画像の表示を制御する表示制御手段と、
前記取得された軌跡情報に基づいて前記再生情報を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の再生装置であって、
前記表示制御手段は、前記軌跡情報の示す軌跡の始点に対応する前記表示領域内の位置を基準点として、画像の表示を制御することを特徴とする再生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の再生装置であって、
前記軌跡情報取得手段により取得された前記軌跡情報に基づいて、前記軌跡の終端点における終端速度を検出する速度検出手段と、
前記速度検出手段により検出された前記終端速度が所定の速度以上であるか否かを判断する速度判断手段と、
を更に備え、
前記変更手段は、前記速度判定手段により前記終端速度が所定の速度以上であると判断されたことに基づいて、前記画像が前記表示領域内を前記軌跡情報に基づいて移動して前記終端点に到達した以降は、当該終端速度が検出された方向に移動するように前記再生情報を変更することを特徴とする再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の再生装置であって、
前記変更手段は、前記速度判定手段により前記終端速度が所定の速度以上ではないと判断されたことに基づいて、前記画像が前記表示領域内を前記軌跡情報に基づいて移動して前記終端点に到達した所で停止し、次いで、当該画像から次に表示されるべき画像に表示画像が切り替わるように前記再生情報を変更することを特徴とする再生装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の再生装置であって、
前記変更手段は、前記速度判定手段により前記終端速度が所定の速度以上であると判断されたことに基づいて、前記画像が前記表示領域内を前記軌跡情報に基づいて移動して前記終端点に到達した以降は、当該終端速度が検出された方向に、当該終端速度を維持したまま移動するように前記再生情報を変更することを特徴とする再生装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の再生装置であって、
前記再生情報は、前記スライドショーにおいて表示される各画像に対応付けられており、
前記変更手段は、前記軌跡情報が取得された際に前記表示領域に表示されている画像についてのみ前記再生情報を変更することを特徴とする再生装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の再生装置であって、
前記変更手段は、前記再生情報の変更が予め禁止されている画像以外の画像についてのみ前記再生情報を変更することを特徴とする再生装置。
【請求項8】
請求項7に記載の再生装置において、
前記表示制御手段は、前記再生情報の変更が予め禁止されている画像以外の画像が前記表示領域に表示されている場合にのみ、当該画像の表示を制御することを特徴とする再生装置。
【請求項9】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の再生装置であって、
前記再生情報は、前記スライドショーにおいて表示される各画像に対応付けられており、
前記変更手段は、前記スライドショーの再生中に表示される全ての画像について前記再生情報を変更することを特徴とする再生装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の再生装置であって、
前記スライドショーの再生中に前記変更手段により変更された前記再生情報を変更前の状態に戻すための取消操作を検出する取消操作検出手段、
を更に備え、
前記変更手段は、前記再生情報を変更した場合において前記取消操作が検出された場合には、当該再生情報を変更前の状態に戻すことを特徴とする再生装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の再生装置であって、
前記スライドショーの再生中に、前記再生情報の変更を許可する許可操作を検出する許可操作検出手段、
を更に備え、
前記変更手段は、前記許可操作が検出されている間に取得された前記軌跡情報のみに基づいて前記再生情報を変更することを特徴とする再生装置。
【請求項12】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の再生装置であって、
前記入力検出手段は、前記ユーザの入力による前記表示領域面に対する圧力の大きさを検出可能であり、
前記変更手段は、前記表示領域面に対して所定の大きさ以上の圧力でユーザにより描かれた軌跡を示す軌跡情報のみに基づいて前記再生情報を変更することを特徴とする再生装置。
【請求項13】
時間の経過に従って表示領域において画像を切り替えながら表示するスライドショーを再生する再生装置であって、前記表示領域と、当該表示領域に重ねて配置され、ユーザからの入力を検出する検出部とを有する入力検出手段、を備える再生装置における再生方法であって、
前記スライドショーの再生動作に関する情報である再生情報を取得する再生情報取得工程と、
前記取得された前記再生情報に基づいて前記スライドショーを再生するための再生制御を行う再生制御工程と、
前記スライドショーの再生中に前記表示領域において前記入力検出手段によって検出された軌跡を示す軌跡情報を取得する軌跡情報取得工程と、
前記取得された軌跡情報に基づいて前記表示領域に表示されている画像の表示を制御する表示制御工程と、
前記取得された軌跡情報に基づいて前記再生情報を変更する変更工程と、
を含むことを特徴とする再生方法。
【請求項14】
時間の経過に従って表示領域において画像を切り替えながら表示するスライドショーを再生する再生装置であって、前記表示領域と、当該表示領域に重ねて配置され、ユーザからの入力を検出する検出部とを有する入力検出手段、を備える再生装置に含まれるコンピュータを、
前記スライドショーの再生動作に関する情報である再生情報を取得する再生情報取得手段、
前記取得された前記再生情報に基づいて前記スライドショーを再生するための再生制御を行う再生制御手段、
前記スライドショーの再生中に前記表示領域において前記入力検出手段によって検出された軌跡を示す軌跡情報を取得する軌跡情報取得手段、
前記取得された軌跡情報に基づいて前記表示領域に表示されている画像の表示を制御する表示制御手段、
前記取得された軌跡情報に基づいて前記再生情報を変更する変更手段、
として機能させることを特徴とする再生用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−256488(P2010−256488A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104223(P2009−104223)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】