説明

写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法およびプログラム

【課題】ストロボの累積発光回数にかかわらず、利用者が好ましいと感じる画像に補正することができる写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】各画素の明度の平均値が基準値よりも高い場合には、明度の平均値から基準値を減算して得られた値を補正値とし、各画素の明度から補正値を減算する補正を行なう。また、各画素の明度の平均値が基準値よりも低い場合には、基準値から明度の平均値を減算して得られた値を補正値とし、各画素の明度に補正値を加算する補正を行なう。これにより、ストロボの累積発光回数にかかわらず、撮影画像の明度の平均値は基準値で表わされる明度になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法およびプログラムに関し、さらに詳しくは、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像に基づいて生成される合成画像を利用者に提供する写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像を写真シールや写真カード等として出力する遊戯用写真作成装置が知られている。このような遊戯用写真作成装置は、遊戯性または娯楽性が高いことから、撮影画像と合成すべき画像を予め記憶しておき、利用者が嗜好に応じて、記憶されている多種多様な背景画像および前景画像(特にフレーム画像)の中から選択したり、タッチペンを用いて自由に描いたりできるように構成されている。このような遊戯用写真作成装置には、撮影時に十分な光量の光を得るために被写体となる利用者に向かって閃光を発するストロボが設置されている。
【0003】
ストロボの累積発光回数が多くなればそれに伴ってストロボが発する光量が少なくなり、ストロボが発する光量が少なくなれば利用者の像を含む撮影画像の明度は低下する。すなわち、ストロボの累積発光回数が多くなればなるほど撮影画像の明度は低下する。そこで、撮影画像の明度を所定値よりも高く保つために、累積発光回数が多くなったストロボを新しいストロボに交換する必要がある。
【0004】
下記の特許文献1には、ストロボの寿命を検知するためのストロボ寿命検知手段を設けた遊戯用写真作成装置が開示されている。この遊戯用写真作成装置は、利用者のプレイ中に、ストロボの累積発光回数が予め設定された警告回数に達したときに警告を発したり、寿命のために新しいストロボに交換すべき回数に達したときにプレイの続行を禁止したりする。このような警告またはプレイの続行の禁止により、利用者はストロボを交換すべき時期になったことを知り、遊戯施設のスタッフに対して速やかにストロボの交換を行なうように要請する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−338342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の遊戯用写真作成装置は、遊戯施設のスタッフに対して速やかなストロボの交換を促す機能を有しているが、ストロボの累積発光回数に応じて、撮影画像の明度を補正する機能を有していない。そこで、警告またはプレイの続行の禁止によってストロボを交換した場合に次のような問題が生じる。交換直後のストロボは十分過ぎる光量の閃光を発するので、撮影画像の明度の平均値が高くなり過ぎ、利用者の像は白っぽくなる。一方、交換直前のストロボが発する閃光の光量は大きく低下するので、撮影画像の明度の平均値が低くなり過ぎ、利用者の像は暗くなる。このように、撮影画像の明度の平均値がストロボの累積発光回数によって高くなり過ぎたり、低くなり過ぎたりするので、利用者が好ましいと感じる撮影画像を出力することができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、ストロボの累積発光回数にかかわらず、利用者が好ましいと感じる撮影画像に補正することができる写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の写真撮影遊戯装置は、撮影と同期してストロボ発光させた光により照明して、撮影室の室内を撮影し、撮影画像を取得する。そして、撮影画像の被写体を含まない領域における特性値を検出し、検出された特性値と予め設定された基準値とを比較する。この比較結果に基づき、撮影画像の特性値を基準値に近づけるように補正を行なう。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ストロボの累積発光回数の増加に伴って変化する撮影画像の特性値と、予め設定された基準値とを比較し、この比較結果に基づき撮影画像の特性値を基準値に近づけるように補正を行なう。これにより、ストロボ発光の累積発光回数の増加に起因して撮影画像の特性値が徐々に変化しても、その変化を打ち消すように撮影画像が補正される。その結果、写真撮影遊戯装置は、ストロボの累積発光回数にかかわらず、所定の特性値を有する撮影画像を取得することができ、利用者は好ましいと感じる撮影画像を入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る写真撮影遊戯装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。
【図2】上記実施形態における撮影ユニットの正面図である。
【図3】上記実施形態における編集ユニットの正面図である。
【図4】上記実施形態における出力ユニットの正面図である。
【図5】上記実施形態における撮影操作用タッチパネルの表示構成を示す模式図である。
【図6】上記実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
【図7】上記実施形態に係る遊戯用写真作成装置で撮影した画像の明度の補正を説明するための概念図である。
【図8】上記実施形態における補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】上記実施形態における撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】上記実施形態における編集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】上記実施形態における出力操作用タッチパネルに表示される操作画面例を示す図である。
【図12】上記実施形態における出力操作用タッチパネルに表示される操作画面例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る写真撮影遊戯装置における撮影・補正処理の一部の手順を示すフローチャートである。
【図14】上記実施形態における撮影・補正処理の残りの手順を示すフローチャートである。
【図15】上記実施形態に係る遊戯用写真作成装置で利用者の像を含む撮影画像を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る写真撮影遊戯装置おける補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】上記第1の実施形態の第1の変形例に係る遊戯用写真作成装置で撮影した背景画像内に設定された特定の範囲を示す図である。
【図18】上記第2の実施形態の第1の変形例に係る遊戯用写真作成装置で利用者の像を含む撮影画像内に設定された特定の範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0012】
<1.第1の実施形態>
<1.1 全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る写真撮影遊戯装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。より詳細には、図1(a)は、この遊戯用写真作成装置を横から見た外観側面図であり、図1(b)は、上から見た外観平面図である。この遊戯用写真作成装置は、利用者が入る撮影室2と、利用者を撮影し背景画像および前景画像の選択を受け付ける撮影ユニット3と、利用者による落書き(描画操作)を含む編集操作を受け付けて撮影画像に合成した合成画像を生成する編集ユニット4と、合成画像を出力する出力ユニット5とを備えている。図2は、撮影ユニット3の正面図であり、図3は、編集ユニット4の正面図であり、図4は、出力ユニット5の正面図である。以下、図1から図4を参照しつつ、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の全体構成について説明する。
【0013】
撮影室2は、略直方体形状であって、その内部に入る利用者から見て前の面になる前面に撮影ユニット3が配置されている。撮影室2の左右両側面の一部には、それぞれ利用者が出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者から見て後ろの面になる背面にはカーテン25が設置されている。カーテン25には、クロマキー合成処理のための単一の色(ここでは青色または緑色)が付されている。また、撮影室2の少なくともカメラ10による撮影範囲となる床面にも、カーテン25と同じ色が付けられている。
【0014】
撮影ユニット3は、利用者を撮影する撮影手段としてのカメラ10と、当該カメラ10を囲むようにその上下左右の位置に配置され閃光を発する照明手段としてのストロボ11,12,13L,13R,14(以下、「11〜14」と略す)と、当該カメラ10の下方に配置され利用者からの操作の受け付けや撮影画像の表示等を行なう撮影操作用タッチパネル20と、撮影操作用タッチパネル20の横に配置され撮影室2の室内に利用者がいるか否かを判定する人感検知手段としての人感センサ15とを備えている。なお、人感センサ15は、撮影室2の内部にいる利用者の存在を確認できる位置であれば、どこに設置されていてもよい。
【0015】
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、利用者を撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。ストロボ11〜14は、撮影のための充分な光量の光を得るために利用者に向かって閃光を発する。撮影操作用タッチパネル20は、撮影の際に利用者による各種操作を受け付けるための操作画面を提供すると共に、上記画像信号に基づく画像をリアルタイムで表示するように構成されている。人感センサ15は利用者の動きを検知することにより、撮影室2の室内に利用者がいるか否かを判定する。
【0016】
図5は、撮影操作用タッチパネル20の表示構成を示す模式図である。図5に示すように、撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域201と、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域202と、撮影によって得られる落書き対象画像を表示するための落書き対象画像表示領域203とが含まれている。
【0017】
また撮影ユニット3は、編集ユニット4と通信を行うためのネットワークアダプタを内蔵し、その前面下方にコイン投入口26を備えている。
【0018】
編集ユニット4は、図1(b)に示すように、2組の利用者がプレイ可能なように2つのユニット4a,4bを含み、各ユニット4a,4bの制御は編集ユニット4に内蔵された制御装置によって行なわれている。一方のユニット4aには、落書き領域や落書きのためのメニュー、ツール等を表示する領域を含む編集操作用タッチパネル400と、当該編集操作用タッチパネル400に対する操作に使用されるポインティングデバイスとしてのタッチペン49L,49Rとが設けられている。なお、他方のユニット4bも同様の構成となっている。
【0019】
本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、各ユニット4a,4bにおいて典型的にはそれぞれ2人の利用者が同時に落書きを行えるような表示構成になっている。なお、本説明においては、左側の利用者が使用するタッチペンには「L」を含む参照符号を付し、右側の利用者が使用するタッチペンには「R」を含む参照符号を付している。
【0020】
さらに、編集操作用タッチパネル400は、2本のタッチペン49L,49Rによる操作位置を同時に検出可能に構成されており、かつ、検出される各操作位置が、タッチペン49L,49Rのうちのいずれの操作に対応するのかも検出可能となっている。例えば、編集操作用タッチパネル400として静電容量方式のタッチパネルを使用した場合には、このような複数の操作位置の同時検出と操作されたタッチペンの識別とが可能である。
【0021】
なお、上記タッチペンの本数には特に限定がなく、またタッチペンに代えて、同時に座標検出可能な周知のポインティングデバイス(例えばトラックボールやカーソルキー、カメラ画像に基づく位置判定等)を用いて入力してもよい。
【0022】
また編集ユニット4は、撮影ユニット3と通信を行うためのネットワークアダプタを内蔵している。
【0023】
出力ユニット5は、図4に示すように、利用者によって操作される出力操作用タッチパネル30と、出力操作用タッチパネル30の下方に配置され、例えばデコメール(登録商標)画像等の素材画像等を赤外線信号として携帯電話端末に向けて直接送信するための赤外線ポート(非接触通信ポート)31と、上記通信の際に必要な操作方法や効果音などを音声によって利用者に知らせるためのスピーカ32とを備えている。出力操作用タッチパネル30は、典型的には赤外線ポート31から、上記素材画像と共に撮影画像に落書きをした合成画像等を利用者の携帯電話端末に転送する際に操作される。また、出力ユニット5は、前面下方に、編集ユニット4で編集操作が行われた合成画像を印刷した写真シールや写真カード等を取り出す取出口33を備えている。さらに出力ユニット5は、携帯電話端末装置55を内蔵している。携帯電話端末装置55は、利用者の携帯電話端末がサーバから合成画像をダウンロードできるようにするため、後述するように合成画像データを典型的には第3世代型携帯電話(3G)方式の無線通信方式で近傍の無線基地へ送信する。また出力ユニット5は、合成画像を写真シール等として印刷するネットワークプリンタ35を備えている。
【0024】
出力操作用タッチパネル30は、利用者が、合成画像を印刷された写真シール等としてだけでなくサーバから携帯電話端末にダウンロードされた画像としても見たい場合に、合成画像を携帯電話端末に送信する際に必要な各種操作を受け付けるための操作画面を提供するように構成されている。なお、当該操作は主に合成画像の写真シール等が印刷されるまでの時間を利用して行われるので、利用者は写真シール等が印刷されるまでの時間を持て余すことなく有効に利用することができる。
【0025】
撮影ユニット3、編集ユニット4、および出力ユニット5を制御するために、2台の制御装置が編集ユニット4に収納されている。各制御装置はコンピュータを中心に構成され、一方の制御装置は撮影ユニット3および出力ユニット5の各部の制御を行い、他方の制御装置は編集ユニット4の各部の制御を行なう。
【0026】
以上のような構成において、利用者は、撮影室2において撮影を行った後、編集ユニット4に設けられた2つのユニット4a,4bのいずれかの編集操作用タッチパネル400を使用することにより、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像に対して落書きを行う。そして、利用者は、落書きによって生成された合成画像をネットワークプリンタ35によって印刷したり、赤外線通信機能を有する携帯電話端末に画像を送信し、携帯電話端末によって受信した画像をその画面に表示したりする。
【0027】
<1.2 機能的構成>
図6は、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。図6に示す遊戯用写真作成装置は、機能的には、主として利用者を撮影する処理(撮影処理)を行なうための撮影処理部7と、主として落書き対象画像に対する利用者の落書き操作に応じて当該落書き対象画像の編集処理を行なうための編集処理部8と、編集処理が行われた落書き対象画像を写真シール等として出力したり、作成された素材画像等を、非接触通信を利用して携帯電話端末に出力したりする処理(出力処理)を行うための出力処理部9とから構成されている。
【0028】
遊戯用写真作成装置は、撮影処理部7、編集処理部8、および出力処理部9を制御する第1および第2の制御部70,80を含む。第1および第2の制御部70,80はいずれも編集ユニット4に収納されており、CPU、メモリ、フレームバッファ、補助記憶装置、タイマー等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当する。第1の制御部70は、その内部のメモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、後述のようにして入力される操作信号等に基づき撮影処理部7および出力処理部9の各部を制御し、それらの各部に指示を出す。第2の制御部80は、その内部のメモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、後述のようにして入力される操作信号等に基づき編集処理部8の各部を制御し、その各部に指示を出す。
【0029】
撮影処理部7は、撮像部71と、第1の表示・操作部72と、I/O制御部73と、照明部74と、人感検知部75と、第1の通信部76とによって構成されている。編集処理部8は、第2の表示・操作部81,82と、第2の通信部83とによって構成されている。出力処理部9は、第3の表示・操作部91と、印刷出力部92と、音声出力部93と、非接触通信部94と、無線通信部95とによって構成されている。ネットワークアダプタである第1および第2の通信部76,83は、LAN(Local Area Network)であるネットワーク6を介して相互に通信可能に接続されている。
【0030】
撮像部71は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(撮影画像)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部70に入力され、その内部のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして一時的に格納される共に、撮影画像を構成する各画素の明度(本明細書では特性値ともいう)も格納される。また、メモリには、撮影画像の明度の基準となる基準値(予め設定された不変値)と、撮影画像の明度が基準値によって表わされる明度になるように撮影画像を補正するための補正値(基準値を元に算出され、算出される都度更新される値)とが格納されている。
【0031】
メモリに記憶された撮影画像データは撮影画像信号として読み出され、撮影画像信号は第1の制御部70によって補正値に基づき明度を補正される。補正された撮影画像信号は、第1の制御部70から第1の表示・操作部72に供給され、当該撮影画像信号に基づく撮影画像がリアルタイムに表示される。
【0032】
第1の表示・操作部72は、撮影操作用タッチパネル20に相当し、撮影画像に付加されるべき背景画像および前景画像を選択する操作やシャッター操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部70に入力される。ここで、利用者を撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部72に利用者のための案内が表示され、その後の第1の制御部70からの指示に基づき、数秒程度の予め定められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向に向かってストロボ11〜14が閃光を発する。そのとき、利用者の撮影画像を表す画像信号が撮像部71から第1の制御部70に入力され、第1の制御部70内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして一時的に格納される。
【0033】
照明部74は、カメラ10の上下左右の位置に配置されたストロボ11〜14に相当し、第1の制御部70からの指示に基づきI/O制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。I/O制御部73は、撮影ユニット3に内蔵されるI/O制御装置に相当し、第1の制御部70からの指示に基づき、照明部74を制御する。
【0034】
人感検知部75は、人感センサ15に相当し、利用者が発する赤外線や利用者によって反射された超音波を検知することにより、撮影室2の室内に利用者がいると判定した場合には検知信号を第1の制御部70へ転送する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を第1の制御部70へ転送する。第1の通信部76は、撮影ユニット3に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0035】
撮影処理部7では、第1の制御部70は、撮影画像に利用者が含まれるか否かによって撮影画像の明度の平均値を求める範囲を選択し、選択された範囲の明度の平均値を求める。次に、メモリに格納されている基準値と求めた平均値とを比較し、平均値と基準値とが等しくない場合には、基準値と平均値とに基づいて求めた補正値を用いて撮影画像の明度を補正する。また、平均値と基準値とが等しい場合には、撮影画像の明度を補正しない。明度を補正された撮影画像または補正されなかった撮影画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部72に表示される。
【0036】
さらに、第1の制御部70は、補正された撮影画像または補正されなかった撮影画像に所定の背景画像や前景画像を描画した画像である落書き対象画像を生成する。撮影画像には、マスクの作成に使用されるキー色となる背景色が付されている。このため、落書き対象画像の生成は周知のクロマキー合成処理の手法に基づいて利用者の像を含む撮影画像部分を抽出し、当該撮影画像部分を背景画像内に嵌め込むようにして行なわれる。生成された落書き対象画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部72に表示される。このようにして撮影および落書き対象画像の生成が終了すると、生成された落書き対象画像からいくつかの落書き対象画像が利用者の入力操作に応じて適宜選択される。
【0037】
上記の構成要素の他、撮影ユニット3には、コイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)がさらに設けられている。第1の制御部70は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者に所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書き等、この遊戯用写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部による検出動作やその検出結果に基づく第1の制御部70による制御動作は、従来の遊戯用写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0038】
編集処理部8では、第2の制御部80は、落書き対象画像(撮影画像を含む画像)に対する落書き処理を行うための操作信号に基づき、落書き対象画像に所定画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像は利用者の指示に応じて対応する第2の表示・操作部81,82のいずれかに表示される。上記のような合成画像の生成が終了すると、当該合成画像は出力ユニット5に送られる。なお、印刷出力部92が別の合成画像を出力中である場合には、その旨が表示されると共に終了を待って送られる。第2の通信部83は、編集ユニット4に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0039】
出力処理部9では、第1の制御部70は第2の制御部80から送られてきた合成画像を合成画像データとしてメモリに格納する。印刷出力部92は出力ユニット5に内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、メモリに格納された合成画像データを(適宜にレイアウトした)写真シール(または写真カード)として印刷する。印刷された写真シール等は、出力ユニット5の正面下方に設けられた取出口33から取り出される。
【0040】
また、第1の制御部70は、第2の制御部80から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理を開始すると同時に、編集ユニット4において利用者により作成された合成画像のデータを図示しない外部の画像サーバへ送信する処理を開始するよう無線通信部95を制御する。
【0041】
無線通信部95は、出力ユニット5に内蔵される携帯電話端末装置55に相当し、画像サーバから当該合成画像を利用者の携帯電話端末にダウンロードできるように、第2の制御部80により作成された上記合成画像のデータを3G方式の無線通信方式で無線基地へ送信する。このとき、画像サーバにおいて他の画像と識別するための識別番号(画像ID)が付与される。
【0042】
さらに、第1の制御部70は、第2の制御部80から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理を開始すると同時に、利用者の入力操作を受け付けるための操作画面を第3の表示・操作部91に表示する。この第3の表示・操作部91は出力操作用タッチパネル30に相当する。出力操作用タッチパネル30は、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタと、その上面に積層され、入力座標を認識することができる1人用のタッチパネルから構成される。モニタは複数の画面に分割された操作画面を表示することができ、タッチパネルは分割された複数の画面ごとに利用者のタッチペンを用いた入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を操作信号として第1の制御部70に入力する。
【0043】
ここで、第1の制御部70は、落書きを終えてから操作を始めるまでの間、補助記憶装置に予め記憶されているデモ画像(デモンストレーション用の画像)をフレームバッファに書き込むことにより第3の表示・操作部91に表示する。また音声出力部93は、スピーカ32に相当し、第3の表示・操作部91に表示される操作画面と連動して入力操作方法を利用者に説明したり、第3の表示・操作部91にデモ画像が表示されているときにデモ画像に応じた楽曲等を流したりする。なお、入力操作方法の説明や楽曲等は補助記憶装置としてのハードディスク装置等に予め格納されている。
【0044】
その後、第1の制御部70は、第3の表示・操作部91の表示や音声出力部93による音声や効果音等により合成画像の印刷が完了するまでミニゲームを利用者に提供し続ける。このミニゲームの内容も同様にハードディスク装置等に予め格納されている。
【0045】
ここで、各制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として制御装置内に内蔵されたDVD−ROM駆動装置に装着され、そのDVD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、この遊戯用写真作成装置の起動のための操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、制御装置内のCPUによって実行される。これにより、制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
【0046】
なお、上記第1の制御部70は撮影ユニット3と出力ユニット5を制御するコンピュータを含む装置に相当し、第2の制御部80は編集ユニット4を制御するコンピュータを含む装置に相当するものとして説明したが、このような構成は一例であって、上記第1および第2の制御部70,80は、1つまたは3つ以上の装置により実現されてもよい。この場合には各装置において、それぞれ実現されるべき機能に応じたプログラムが実行される。また、撮影ユニット3、編集ユニット4、および出力ユニット5についても、2つ以下または4つ以上のユニットにより構成されてもよい。
【0047】
<1.3 遊戯用写真作成装置で撮影した画像の明度の補正>
図7は遊戯用写真作成装置で撮影した画像の明度の補正を説明するための概念図である。図7の横軸はストロボ11〜14の累積発光回数を示し、縦軸はストロボ11〜14が発する閃光の光量すなわち撮影画像の明度を示す。ストロボ11〜14は発光するごとに、その光量が減少する。交換直後の新しいストロボ11〜14の光量は多いので、撮影画像の明度が高くなりすぎて、白っぽい画像になる。一方、交換時期が近づいているストロボ11〜14の光量は少なくなっているので、撮影画像の明度が低くなりすぎて、暗い画像になる。このように、撮影画像の明度はストロボ11〜14の累積発光回数に応じて高くなり過ぎたり、低くなり過ぎたりする場合がある。そこで、ストロボ11〜14の累積発光回数によらず、撮影画像の明度を利用者にとって最も好ましい明度になるように補正することが望まれる。以下の説明では、そのような利用者にとって最も好ましい明度を「明度の基準値」または単に「基準値」といい、そのような基準値は予め決められた値として、第1の制御部70のメモリまたは補助記憶装置に記憶されている。
【0048】
図7を参照して、明度を補正する方法を説明する。図7に示すように、撮影画像に含まれる各画素の明度の平均値が基準値と同じ場合には、撮影画像に含まれる各画素の明度の補正は行なわれない。しかし、撮影画像に含まれる各画素の明度の平均値が基準値と異なる場合には、明度の基準値から平均値を減算して得られた値を補正値とする。すなわち、各画素の明度の平均値が基準値よりも低い場合には補正値は正の値になり、各画素の明度の平均値が基準値よりも高い場合には補正値は負の値になる。そして、実際に被写体を撮影して撮影画像と共に取得された各画素の明度に、算出した補正値を加算する。その結果、図7に示すように、撮影画像に含まれる各画素の明度の平均値が基準値と一致するように補正される。これにより、遊戯用写真作成装置は、ストロボ11〜14の累積発光回数にかかわらず、利用者が最も好ましいと感じる明度になるように補正した撮影画像を写真シール等として出力する。
【0049】
<1.4 遊戯用写真作成装置における処理手順>
上述したように、この遊戯用写真作成装置には、撮影ユニット3と編集ユニット4と出力ユニット5とが含まれている。撮影ユニット3では撮影処理が行われ、編集ユニット4では落書き編集処理が行われ、出力ユニット5では出力処理が行われる。また、撮影ユニット3では、撮影画像の明度を画素ごとに補正する処理(補正処理)も行なわれる。なお、ある利用者が撮影ユニット3でプレイしている時に他の利用者は編集ユニット4でプレイし、さらに他の利用者は出力ユニット5で合成画像を出力することができるように構成されている。このように、この遊戯用写真作成装置は、撮影処理と編集処理と出力処理とを並行して行うことができる。
【0050】
以下に、補正処理、撮影処理、編集処理および出力処理に分けて、それぞれの処理における手順の概要を説明する。
【0051】
<1.4.1 補正処理>
図8は、本実施形態における補正処理の手順を示すフローチャートである。第1の制御部70が所定のプログラムに基づいて図8に示すように動作することで、撮影画像の各画素の明度の補正に使用する補正値を求めることができる。なお、明度の基準値は上述のように、予め第1の制御部70のメモリまたは補助記憶装置に記憶されている。
【0052】
第1の制御部70は、予め設定しておいた所定の時刻になるまで待機し(ステップS101)、所定の時刻になれば次のステップS103に進む。この所定の時刻は、毎日同じ時刻が設定されている。所定の時刻は制限なく自由に設定することができる。例えば、遊戯施設の営業開始前または営業終了後の時刻を設定すれば、その時刻には遊戯用写真作成装置の利用者がいないので、利用者のプレイを妨げることなく補正値を求めることができる。また、撮影室2の室内に利用者がいないので、利用者の動きによる影響を受けることなく室内を撮影することができる。これにより、補正値をより正確に求めることができる。
【0053】
ステップS103では、第1の制御部70は人感センサ15から出力される検知信号によって利用者が撮影室2の室内にいるか否かを判定する。ステップS103において、撮影室2の室内に利用者がいると判定された場合には、利用者が室内から退室するまで待機する。一方、利用者がいないと判定された場合には、ステップS105に進む。このように、人感センサ15により、室内に利用者がいることが検知された場合には、第1の制御部70は、後述する補正値を求めることを停止する。これにより、補正値をより正確に求めることができる。なお、ステップS103はカメラ10と共に人感検知手段として機能する。
【0054】
ステップS105では、第1の制御部70は、撮影操作用タッチパネル20に現在の調整中であるためプレイできないことを表示する。ステップS107では、ストロボ11〜14を発光させて撮影室2の背面に設置されたカーテン25を撮影する。この撮影によって取得された背景画像データと背景画像に含まれる各画素の明度を第1の制御部70の内部のメモリに格納する。ステップS109では、第1の制御部70は背景画像に含まれる各画素の明度の平均値を計算する。なお、ステップS109は検出手段として機能する。
【0055】
第1の制御部70は、その内部のメモリに格納されている明度の基準値を読み出す(ステップS111)。ステップS113では、平均値と基準値とが等しくないか否かを判定する。平均値と基準値とが等しくないと判定された場合には、ステップS115において、基準値と平均値との差を求めてこれを新たな補正値とし、メモリに格納されている補正値を新たに求めた補正値に更新し、ステップS119に進む。なお、補正値は、基準値から平均値を減算するので、基準値が平均値よりも大きい場合には、補正値は正の値になり、基準値が平均値よりも小さい場合には、補正値は負の値になる。また、ステップS113において平均値と基準値とが等しいと判定された場合には、第1の制御部70は、ステップS117において補正値をゼロとし、メモリに格納されている補正値をゼロに更新してステップS119に進む。なお、ステップS113からステップS117は補正手段として機能する。
【0056】
ステップS119では、第1の制御部70は、撮影操作用タッチパネル20に調整が終了しプレイができるようになったことを示す画面を表示し、補正処理を終了する。
【0057】
上記補正処理によって、ストロボ11〜14の累積発光回数にかかわらず、適切な特性値を有する撮影画像を取得することができる。また、ストロボ11〜14は、それらの特性(例えば累積発光回数の増加に伴って低下する発光強度の割合)にばらつきがある場合があるが、上記補正処理によれば、撮影画像の明度の平均値と予め設定された基準値との差に基づいて撮影画像を補正するので、これらのストロボ11〜14の個体差に依存する撮影画像の明度のばらつきを軽減することができる。
【0058】
<1.4.2 撮影処理>
図9は、本実施形態における撮影処理の手順を示すフローチャートである。第1の制御部70は、所定のプログラムに基づいて図9に示すように動作することで、利用者を撮影することができる。撮影画像が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中に利用者がコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS201)。
【0059】
プレイが開始されると、第1の制御部70は、利用者による撮影モードの選択を受け付ける(ステップS203)。ステップS203では、例えば画質(具体的にはコントラストが高いくっきりとした画質、柔らかなふんわりとした画質、または透明感のあるクールな画質のうちのいずれか)を選択し、明度を選択し、自動で撮影するか手動で撮影するかを選択する。自動で撮影する場合には撮影用テーマの選択が行われる。この場合、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者に選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者の選択操作に基づいて選択情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影の際に使用するフレームと背景との組み合わせを決定する。また手動で撮影する場合は、上記フレームと背景とを利用者が自由に決定する。次に、ステップS205に進み、利用者の撮影が行われる。この撮影により取得された撮影画像データおよび撮影画像に含まれる各画素の明度が第1の制御部70のメモリに格納される。
【0060】
第1の制御部70は、メモリに格納されている補正値を読み出し(ステップS207)、補正の必要があるか否かを判定する(ステップS209)。具体的には、メモリから読み出した補正値がゼロであるか否かを判定する。ステップS209において、読み出した補正値がゼロであると判定された場合には、補正を行なう必要がないので後述のステップS213に進む。また、読み出した補正値がゼロではないと判定された場合には、ステップS211において、撮影画像に含まれる各画素の明度に補正値を加算することによって撮影画像の補正を行なう。なお、図8のステップS117で説明したように、補正値は正の値になる場合と負の値になる場合がある。このため、補正値が負の値の場合には、補正後の画素の明度は、補正前の画素の明度に負の値の補正値を加算する、すなわち補正前の画素の明度から補正値の絶対値を減算することによって求められる。
【0061】
明度の補正が行なわれた撮影画像または補正が行なわれなかった撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像(撮影画像を含む)が、撮影操作用タッチパネル20に表示される(ステップS213)。詳しくは、ステップS213の処理が行われる都度、図5に示した撮影操作用タッチパネル20の落書き対象画像表示領域203に落書き対象画像が順次追加表示される。次に、ステップS215に進み、第1の制御部70は、予め定められた枚数の撮影が終了したか否かを判定する。ステップS215において、当該枚数の撮影が終了していると判定された場合にはステップS217に進み、当該枚数の撮影が終了していないと判定された場合には前述のステップS205に戻る。なお、実際には撮影のための制限時間(例えば3分)が設けられる。
【0062】
ステップS217では、複数の落書き対象画像の中から実際の落書き対象となる画像の(利用者による)選択が行われる。具体的には、第1の制御部70は、落書きおよび印刷に使用する画像を利用者に選択させるために、落書き対象画像の一覧を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者によって選択された画像を実際の落書き対象画像とする。ステップS219では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第1の制御部70は、利用者を編集ユニット4に設けられた2つのユニット4a,4bのいずれかに導くための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。
【0063】
<1.4.3 編集処理>
図10は、本実施形態における編集処理の処理手順を示すフローチャートである。上述した撮影処理の終了後、第2の制御部80は編集操作用タッチパネル400に撮影画像を表示する(ステップS301)。次に、タイマーを所定の時間(利用者に落書きを許可する時間)に設定し、カウントダウンを開始する(ステップS303)。
【0064】
タイマーのカウントダウン開始後、編集ユニット4では、利用者による落書き操作(描画操作)が受け付けられる(ステップS305)。利用者に落書きを許可する残り時間が60秒になると、第2の制御部80は、落書き時間を延長するか否かを判定する(ステップS307)。落書き時間を延長するか否かは、次にこのユニット4aまたは4bでプレイすることになる利用者が撮影室2にいるか否か(撮影ユニット3で撮影処理が行われているか否か)によって判定される。その結果、落書き時間を延長すると判定された場合には、ステップS309に進む。また、落書き時間を延長しないと判定された場合には、ステップS311に進む。ステップS309では、タイマーが所定の時間(利用者に更に落書きを許可する時間)に設定され、再度カウントダウンが開始される。
【0065】
ステップS311では、ステップS305と同様に、編集ユニット4で利用者による落書き操作が受け付けられる。落書き時間がゼロになる(終了する)と、出力される写真の分割パターンの選択が行われる(ステップS313)。具体的には、第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの中からいずれかの分割パターンを利用者に選択させるための画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者の選択操作に基づいて、選択情報を取得する。
【0066】
ステップS315では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者を出力ユニット5に導くための画面を編集操作用タッチパネル400に表示する。これにより、編集処理が終了する。
【0067】
<1.4.4 出力処理>
出力ユニット5における出力処理について説明する。出力処理の管理は、第1の制御部70によって行われる。出力操作用タッチパネル30は第1の制御部70からの指示に従って画面表示を行ったり、利用者からの入力操作を受け付け、操作信号として第1の制御部70に入力したりする。
【0068】
図11および図12は、出力操作用タッチパネル30に表示される操作画面例を示す図である。なお、これらの画面と共に、またはこれに代えてスピーカ32から音声の案内が行われてもよい。
【0069】
まず、編集ユニット4から合成画像が送られてくるまではデモ画面が表示されており、合成画像が送られてくると、図11に示すように、出力処理を開始するためのボタンが表示され、利用者の入力操作を受け付ける。このボタンには「画面にタッチして下さい」という表示がなされており、利用者によってこのボタンが押下されると、合成画像の出力処理が開始される。なお、編集ユニット4から合成画像が送られてくる時点を起点として、編集ユニット4から移動して来る場合に通常必要な最長時間(例えば30秒)が経過した後に、上記表示画面から他の表示画面に遷移するようなタイムアウト処理がなされてもよい。
【0070】
上記の出力処理の開始後、第1の制御部70は、ネットワークプリンタ35によって撮影画像が写真シール等に印刷され、利用者が取出口33から写真シール等の取り出しが可能になっているか否か、すなわち印刷が完了したか否かを判定する。印刷が完了していると判定した場合には図12に示されるように、写真シールが出ている旨の案内を表示して処理を終了する。また、印刷が完了していないと判定した場合には、例えば印刷が完了するまでの間印刷中である旨を表示し、印刷が完了すればその旨を表示して処理を終了してもよいし、印刷が完了するまで、出力操作用タッチパネル30を使用してミニゲームを利用者に提供するようにしてもよい。
【0071】
また、この遊戯用写真作成装置は、デコメール画像等の素材画像を作成することができ、作成された素材画像は、合成画像と共に画像配信サーバ部500を介して利用者の携帯電話端末に配信することができる。また、これに代えて又はこれと共に、作成された素材画像を、上記の出力処理中において、出力ユニット5の赤外線ポート31から利用者の携帯電話端末へ非接触通信により送るようにしてもよい。これにより、利用者は素材画像を携帯電話端末に表示したり、その素材画像に含まれる所定画像をデコメール画像として使用したりすることができる。
【0072】
<2.第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る写真撮影遊戯装置である遊戯用写真作成装置の全体構成および機能的構成は、上記の第1の実施形態に係る写真撮影遊戯装置の全体構成および機能的構成とそれぞれ同じであるので、それらの図および説明を省略する。また、第2の実施形態に係る写真撮影遊戯装置の処理手順のうち編集処理および出力処理は、第1の実施形態に係る写真撮影遊戯装置の編集処理および出力処理とそれぞれ同じであるので、それらの図および説明も省略する。
【0073】
本実施形態に係る写真撮影遊戯装置は、撮影処理と補正処理とをそれぞれ独立の処理として行なうのではなく、1つの処理の中で撮影処理と補正処理とを行なう撮影・補正処理として行なう。この撮影・補正処理は、利用者の像を含む撮影画像から補正値を求め、当該補正値を用いて利用者の像を含む撮影画像を補正する。
【0074】
図13および図14は、本実施形態における撮影・補正処理の手順を示すフローチャートである。第1の制御部70は、所定のプログラムに基づいて図13および図14に示すように動作することで、利用者の像を含む撮影画像から明度の補正値を求め、当該補正値を用いて利用者の像を含む撮影画像を補正する。なお、明度の基準値は第1の実施形態の場合と同様に、予め第1の制御部70のメモリまたは補助記憶装置に記憶されている。
【0075】
第1の制御部70は、所定のプログラムに基づいて動作することで、利用者を撮影することができる。撮影画像が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中に利用者がコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS201)。なお、ステップS201は図9に示すステップS201と同じである。
【0076】
プレイが開始されると、第1の制御部70は、利用者による撮影モードの選択を受け付ける(ステップS203)。なお、ステップS203は、図9に示すステップS203と同じである。ステップS205では、第1の制御部70は、ストロボ11〜14を発光させて好みのポーズをした利用者の撮影を行なう。この撮影により取得される撮影画像データおよび撮影画像に含まれる各画素の明度が第1の制御部70のメモリに格納される。なお、ステップS205は、図9に示すステップS205と同じである。
【0077】
次に、メモリから撮影画像データを読み出し、撮影画像中の背景領域(クロマキー領域)を抽出する(ステップS401)。そして、背景領域に含まれる各画素の明度を求め、それらの平均値を計算する(ステップS403)。図15は、利用者の像を含む撮影画像を示す図である。図15を参照して、ステップS205からステップS403までの各処理を具体的に説明する。ステップS205において利用者を撮影する。利用者の像を含む撮影画像50には、利用者51と青色の背景領域52とが含まれる。そこで、ステップS401において背景領域52を抽出し、ステップS403において背景領域52に含まれる各画素の明度を求め、さらに各画素の明度の平均値を求める。なお、ステップS401は範囲設定手段として機能し、ステップS403は検出手段として機能する。
【0078】
ステップS405では、第1の制御部70は、メモリに格納されている明度の基準値を読み出す。次にステップS407では、平均値と基準値とが等しくないか否かを判定する。ステップS407において平均値と基準値とが等しいと判定された場合には、第1の制御部70は、ステップS409において補正値をゼロとし、メモリに格納されている補正値をゼロに更新し、後述のステップS415に進む。この場合、撮影画像の各画素は補正されない。一方、ステップS407において平均値と基準値とが等しくないと判定された場合には、ステップS411に進み、基準値から平均値を減算した差を求めてこれを新たな補正値とし、メモリに格納されている補正値を新たに求めた補正値に更新する。なお、ステップS407からステップS411は補正手段として機能する。
【0079】
次に、ステップS413では、撮影画像に含まれる各画素の明度に補正値を加算することによって撮影画像の補正を行ない、ステップS415に進む。なお、図8のステップS115で説明したように、補正値は正の値になる場合と負の値になる場合がある。このため、補正値が負の値の場合には、補正後の画素の明度は、補正前の画素の明度から補正値の絶対値を減算することによって求められる。
【0080】
ステップS415では、第1の制御部70は、明度を補正した撮影画像または補正しなかった撮影画像を落書き対象画像として撮影操作用タッチパネル20の落書き対象画像表示領域203に表示する。そして、第1の制御部70は、予め定められた枚数の撮影が終了したか否かを判定する(ステップS417)。ステップS417において、当該枚数の撮影が終了していると判定した場合には後述のステップS217に進み、当該枚数の撮影が終了していないと判定した場合にはステップS419に進む。
【0081】
ステップS419では、第1の制御部70はポーズをとる利用者の撮影を続行する。次に、第1の制御部70はメモリに格納されている補正値を読み出す(ステップS421)。読み出した補正値がゼロであるか否かを判定し(ステップS423)、補正値がゼロであると判定した場合は、撮影画像を補正することなくステップS415に戻る。また、読み出した補正値がゼロでないと判定した場合には、撮影画像に含まれる各画素の明度に補正値を加算することによって撮影画像を補正し(ステップS425)、ステップS415に戻る。
【0082】
前述のステップS417において、予め定められた枚数の撮影が終了していると判定された場合、ステップS217では、複数の落書き対象画像の中から実際の落書き対象となる画像の(利用者による)選択が行われる。次に、ステップS219では、案内画面の表示が行われた後に、ステップS201に戻る。なお、ステップS217およびステップS219は、図9に示すステップS217およびステップS219とそれぞれ同じであるので、それらの詳細な説明を省略する。このようにして、撮影・補正処理が終了する。
【0083】
この場合、プレイ中に撮影された、利用者の像を含む撮影画像から補正値を算出するので、利用者がいなくなった撮影室2の室内を撮影する必要がない。これにより、その分だけストロボ11〜14の発光回数を減らすことができるので、ストロボ11〜14の累積発光回数が減り、その寿命を延すことができる。
【0084】
また、第1の実施形態の場合と同様に、撮影画像の明度の平均値と予め設定された基準値との差に基づいて撮影画像を補正するので、ストロボ11〜14の個体差に依存する撮影画像の明度のばらつきを軽減することができる。
【0085】
<3.第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態に係る写真撮影遊戯装置である遊戯用写真作成装置の全体構成および機能的構成は、上記の第1の実施形態に係る写真撮影遊戯装置の全体構成および機能的構成とそれぞれ同じであるので、それらの図および説明を省略する。また、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置の処理手順のうち編集処理および出力処理は、第1の実施形態に係る写真撮影遊戯装置の編集処理および出力処理とそれぞれ同じであるので、それらの図および説明も省略する。
【0086】
本実施形態の補正処理について、第1の実施形態の補正処理と比較しつつ説明する。図16は、本実施形態における補正処理の手順を示すフローチャートである。第1の制御部70は、所定のプログラムに基づいて図16に示すように動作することで、撮影画像の明度の平均値を基準値に近い値になるような強度でストロボ11〜14を発光させるのに必要な印加電圧(ストロボ印加電圧)を求めることができる。なお、撮影画像の明度が利用者にとって最も好ましい明度になるようなストロボ印加電圧を「ストロボ印加電圧の基準値」または単に「基準値」といい、予め決められた値としてメモリまたは補助記憶装置に記憶されている。
【0087】
図16に示すステップS101からステップS111までの処理は、上記第1の実施形態の補正処理を示す図8のステップS101からステップS111までの処理とそれぞれ同じであるので、その説明を省略する。
【0088】
第1の制御部70は、ステップS109で求めた撮影画像の明度の平均値と、ステップS111で読み出した明度の基準値との差の絶対値が所定値αよりも小さいか否かを判定する(ステップS501)。なお、明度の平均値を基準値にどの程度まで近づけるかは所定値αによって決まり、所定値αが小さいほど明度の平均値を基準値に近づけることができる。平均値と基準値との差の絶対値が所定値αよりも小さいと判定された場合には、ストロボ印加電圧を変更する必要がないので、後述のステップS119に進む。また、平均値と基準値との差の絶対値が所定値αよりも大きいと判定された場合には、ステップS503に進む。
【0089】
ステップS503では、第1の制御部70は、基準値が平均値よりも大きいか否かを判定する。基準値が平均値よりも大きいと判定された場合には、ステップS505においてメモリに格納されているストロボ印加電圧を読み出し、読み出したストロボ印加電圧に1Vを加算した電圧を新たなストロボ印加電圧とし、メモリに格納されているストロボ印加電圧を新たなストロボ印加電圧に更新する。また、基準値が平均値よりも小さいと判定された場合には、ステップS507においてメモリに格納されているストロボ印加電圧を読み出し、読み出したストロボ印加電圧から1Vを減算した電圧を新たなストロボ印加電圧とし、メモリに格納されているストロボ印加電圧を新たなストロボ印加電圧に更新する。そして、いずれの場合にもステップS107に戻る。
【0090】
このように、平均値に一定値(ここでは1V)を加算または減算して求めたストロボ印加電圧を印加してストロボ11〜14を発光させ、その都度撮影することを繰り返す。そして、撮影画像の明度の平均値と基準値との差の絶対値が所定値αよりも小さくなったとき、その電圧を新たなストロボ印加電圧とする。なお、本明細書では、このようにして新たなストロボ印加電圧を調整することをストロボ印加電圧の補正ともいい、ステップS501からステップS507は補正手段として機能するとする。
【0091】
ステップS119では、第1の制御部70は、撮影操作用タッチパネル20に調整が終了しプレイができるようになったことを示す画面を表示し、補正処理を終了する。
【0092】
また、撮影処理は、上記方法で求めたストロボ印加電圧をメモリから読み出してストロボ11〜14に印加することによりストロボ11〜14を発光させ、撮影室2の室内にいる利用者を撮影する。
【0093】
このようにして、ストロボ11〜14の累積発光回数にかかわらず、適切な特性値を有する画像を撮影するためのストロボ11〜14の光量を調整することができるので、利用者は好ましいと感じる画像を入手することができる。
【0094】
なお、本実施形態では、ステップS505またはステップS507において、新たなストロボ印加電圧を求めるために加算または減算する電圧(調整電圧)を1Vとした。しかし、調整電圧を1Vとしたのは一例であり、1Vでなくてもよい。
【0095】
また、本実施形態では、調整電圧は一定値であるとしたが、基準値と平均値との差に応じて変動させてもよい。このように変動させた調整電圧を変動調整電圧という。まず、基準値と平均値の差と、変動調整電圧との関係を示すテーブルを予めメモリに記憶させておく。次に、ステップS501からステップS507の代わりに、基準値と平均値との差を算出し、この差に対応する変動調整電圧をテーブルに基づいて求める。そして、求めた変動調整電圧だけストロボ印加電圧を増減させることにより新たなストロボ印加電圧を求める。このようなストロボ印加電圧の調整を、本実施形態において説明した場合と同様に、基準値と平均値との差の絶対値が所定値αよりも小さくなるまで行なう。この場合、基準値と平均値との差が大きいときには変動調整電圧をより大きく、その差が小さいときには変動調整電圧をより小さくしたテーブルを使用してストロボ印加電圧を調整することにより、より効率的にストロボ印加電圧を調整することができる。
【0096】
<4.変形例>
<4.1 第1の変形例>
上記の第1の実施形態では、図8に示すステップS107およびステップS109において、撮影画像に含まれる全画素の明度を求め、それらの明度の平均値を計算した。しかし、次のようにして特定の範囲の明度の平均値を求めてもよい。図17は背景画像60に設定された特定の範囲63を示す図である。図17に示すように、背景画像60内に特定の範囲63を設定する。次に、特定の範囲63に含まれる画素の明度を求め、さらにそれらの平均値を求める。そして当該平均値とメモリに格納されている基準値とに基づいて補正値を求める。このように平均値を求めるための領域を狭い範囲に限定することにより、各画素の明度を求めてから補正値を求めるまでの計算を早くすることができる。この場合、図8のステップS107およびステップS109に代えて、特定の範囲を設定するステップ、特定の範囲に含まれる画素の明度を求めるステップ、特定の範囲に含まれる画素の明度の平均値を求めるステップを新たに設ける。
【0097】
上記の第2の実施形態では、図13に示すステップS205からステップS403において、撮影画像の背景領域に含まれる画素の明度を求め、それらの明度の平均値を計算した。しかし、次のようにして特定の範囲の明度の平均値を求めてもよい。図18は利用者の像を含む撮影画像50内に設定された特定の範囲53を示す図である。図18に示すように、撮影画像50の背景領域52に特定の範囲53を設定する。そして、図17の場合と同様にして、特定の範囲53に含まれる画素の明度を求め、さらにそれらの平均値を求める。この場合、図13のステップS205からステップS403に代えて、特定の範囲を設定するステップ、特定の範囲に含まれる画素の明度を求めるステップ、特定の範囲に含まれる画素の明度の平均値を求めるステップを新たに設ける。なお、上記変形例のいずれの場合でも、特定の範囲を設定するステップは範囲設定手段として機能し、特定の範囲に含まれる全画素の明度を求めるステップとそれらの平均値を求めるステップとは検出手段として機能する。
【0098】
特に、このような特定の範囲53,63は、すべてのストロボ11〜14またはそれらのうち少なくとも2つ以上が発する閃光が重なる領域であることが好ましい。当該領域では明度がより高くなるので、累積発光回数の増加による明度の低下が顕著に表われる。そこで、当該領域の明度の平均値に基づいて補正値を求めることによって、より適切な補正値を求めることができる。
【0099】
また、図18に示す撮影画像50に設定する特定の範囲53は、特に利用者の顔が表示されることが多い領域の近傍の背景領域52内に設定することが好ましい。これにより、写真シール等として出力したときに、そのイメージに大きな影響を与える顔付近の明度をより効果的に補正することができる。なお、これらの特定の範囲53,63は、背景領域52や背景画像60内の1箇所だけに設定してもよく、あるいは複数箇所に設定してもよい。
【0100】
<4.2 第2の変形例>
上記の各実施形態および変形例では、図8のステップS115および図13のステップS411のように、基準値と平均値との差を補正値として求めた。しかし、図8のステップS115および図13のステップS411に代えて、基準値と平均値との比を補正値としてもよい。この場合、撮影画像の補正は、図9に示すステップS211、および図13に示すステップS413において、各画素の明度に補正値を加算するのではなく、各画素の明度に補正値を乗算することによって撮影画像の補正を行なう。このような補正によっても、ストロボ11〜14の累積発光回数にかかわらず、利用者が好ましいと感じる画像に補正することができる。
【0101】
<4.3 第3の変形例>
上記の各実施形態および各変形例では、輝度信号から背景画像(背景領域を含む)に含まれる各画素の明度の平均値を求めた。しかし、背景画像の明るさを階調値(本明細書では特性値ともいう)によって表わしてもよい。例えば、撮影室2の室内の背面に設置されたカーテン25の色を青色にしたとき、背景画像の各画素について青色を示す画像信号(B信号)から青色の階調値を求め、さらに当該青色の階調値の平均値を求めてもよい。この場合、第1の制御部70のメモリにも青色の階調値で表された基準値を予め格納しておき、階調値で表わされる基準値と平均値とに基づいて階調値で表わされる補正値を求める。なお、室内の背面に設置されたカーテン25の色が緑色の場合も同様にして、階調値で表わされた補正値を求めることができる。このように、室内の背面のカーテン25の色をクロマキー合成処理時に使用される単一の色にすることにより、クロマキー合成処理を行なうことができるだけでなく、階調値で表わされた補正値に基づいて撮影画像を補正することができる。
【0102】
<4.4 第4の変形例>
上記の各実施形態および各変形例では、ストロボ11〜14の光量が変わっても、撮影画像の明度が一定になるように補正した。しかし、ストロボ11〜14の累積発光回数が増加すれば、撮影画像の明度だけでなく彩度も低下する。そこで、撮影画像から彩度(本明細書では特性値ともいう)を求め、さらに彩度の基準値と背景画像(背景領域を含む)から求めた彩度の平均値とに基づいて彩度の補正値を求める。そして、当該補正値によって撮影画像の彩度の補正を行なう。これにより、写真シール等に表示された被写体の彩度がストロボ11〜14の累積発光回数の増加に起因して変わっても、画像の彩度を一定になるように補正することができる。なお、上記の各実施形態では、補正値を算出する際に利用する特性値として、明度、階調値、または彩度を用いたが、これらに限定されないことはいうまでもない。
【0103】
<4.5 第5の変形例>
上記の各実施形態および各変形例では、撮影室2の室内における利用者の存在の有無を検知するために、人感センサ15を使用した(ステップS103参照)。しかし、人感センサ15を設置していない場合でも、カメラ10によって室内を撮影したリアルタイム映像(動画)に基づいて、第1の制御部70は室内の利用者の有無を検知することができるので、人感センサ15を設置しなくても利用者の存在の有無を検知できる。これにより、遊戯用写真作成装置の製造コストを低減することができる。このように、カメラ10によって撮影されたリアルタイム画像(動画)は人感検知手段として機能する。
【0104】
<4.6 第6の変形例>
また、上記の各実施形態および各変形例では、第1の制御部70は、カメラ10によって室内を撮影した撮影画像(静止画)に基づいて室内の利用者の有無を検知し、利用者の像を含む撮影画像を、補正値を求める補正処理に使用しないようにすることもできる。この場合も、人感センサ15を設置する必要がないので、遊戯用写真作成装置の製造コストを低減することができる。このように、カメラ10によって撮影された撮影画像(静止画)は人感検知手段として機能する。
【0105】
<4.7 第7の変形例>
上記の各実施形態および各変形例では、撮影室2の背面にカーテン25が設置されているが、カーテン25の代わりに電動ロールカーテン装置を設置してもよい。電動ロールカーテン装置には、クロマキー合成処理のための単一の色(ここでは青色または緑色)が付されたロールカーテンが収納されている。当該ロールカーテンは撮影の開始と共に展開され、終了と共に巻き取られる。なお、電動ロールカーテン装置は、クロマキー合成処理が行われない場合、所定の模様や風景などがそれぞれ描かれた複数のロールカーテンを適宜展開し巻き取る構成であってもよい。
【0106】
<4.8 第8の変形例>
また、上記の各実施形態および各変形例において、遊戯用写真作成装置の電源をオンしたときに、撮影画像における明度等の特性値の補正あるいはストロボ印加電圧の調整のための処理を開始するようにしてもよい。遊戯用写真作成装置の電源をオンした直後には、撮影室2内に利用者等がいる可能性は少ないので、補正に利用される撮影画像に被写体が含まれる確率を小さくできる。これにより、補正の精度を向上させることができる。
【0107】
<4.9 第9の変形例>
上記の第2の実施形態においては、1つの処理の中で撮影処理と補正処理を行なう撮影・補正処理について説明した。しかし、撮影・補正処理を、それぞれ独立した撮影処理と補正処理に分けることもできる。これにより、図8のステップS103において利用者が撮影室2の室内にいると判定されたときにも、利用者が退室するまで待機することなく、利用者の像を含む撮影画像から補正値を算出することができる。
【0108】
<4.10 第10の変形例>
上記の第3の実施形態においては、図16に示すように、すべてのストロボ11〜14を同時に発光させることにより、ストロボ11〜14に印加するストロボ印加電圧の調整を同時に行なった。しかし、ストロボ印加電圧の調整をストロボごとに行なうこともできる。具体的には、まずストロボ11だけを発光させて、図16に示す補正処理によりストロボ11のストロボ印加電圧の調整を行なう。次に、ストロボ12だけを発光させて、図16に示す補正処理によりストロボ12のストロボ印加電圧の調整を行なう。以下同様にして、ストロボ13R、13L、14の順にストロボ印加電圧の調整を行なう。このように、ストロボごとに印加電圧の調整を行なうことにより、各ストロボ11〜14の発光強度を、第3の実施形態の場合に比べ、より均一にすることができる。
【0109】
<4.11 第11の変形例>
上記の第1および第2の実施形態では、まず明度の補正値を求め、次に補正値を用いて撮影画像の明度を補正した。しかし、求めた補正値の絶対値があまりにも大きい場合、このような補正値を用いて撮影画像を補正しても、補正の限界により適正な撮影画像を得られなくなる場合がある。そこで、補正の限界となる限界値を予め設定してメモリに記憶させておき、求めた補正値の絶対値が限界値よりも大きくなった場合、ストロボ印加電圧を調整する。この場合、ストロボ印加電圧の調整は、第3の実施形態のように全てのストロボ11〜14を同時に調整してもよく、また第10の変形例のようにストロボ11〜14ごとに順に調整してもよい。このように、明度の補正値を用いるだけでなく、ストロボ印加電圧を調整して撮影画像を取得することにより、画像補正で無理が生じたとしても、適正な明るさの撮影画像を取得することができる。
【0110】
<4.12 その他の変形例>
また、上記の各実施形態および各変形例では、予め設定しておいた所定の時刻になったときに、撮影画像を取得し、取得した撮影画像に基づいて補正値やストロボ印加電圧を求めた。遊戯用写真作成装置は、起動時にストロボ11〜14の発光テストおよびカメラ10の撮影テスト等のセルフテストを実行する。そこで、セルフテストにおいて撮影画像を取得し、取得した撮影画像に基づいて補正値やストロボ印加電圧を求めてもよい。
【0111】
なお、通常のセルフテストでは、ストロボ11〜14の発光テストとカメラ10の撮影テストとはそれぞれ独立して行なわれる。そこで、補正値やストロボ印加電圧を求める場合には、ストロボ11〜14の発光と同期してカメラ10による撮影を行なうように変更する必要がある。これにより、補正値やストロボ印加電圧の算出を目的とした撮影画像の取得のためだけにストロボ11〜14を発光させる必要がなくなり、ストロボ11〜14の劣化速度を低下させることができる。
【0112】
また、上記の各実施形態および各変形例において、遊戯用写真作成装置の各機能の動作テストを独立して行うテストモード時に、補正値やストロボ印可電圧を求めるための撮影画像を取得し、取得した撮影画像に基づいて補正値やストロボ印可電圧を求めてもよい。この場合、撮影開始前に、撮影ユニット3の撮影操作用タッチパネル20に、例えば「撮影します。調整中につき、カメラに背景カーテンだけが写るようにしてください。」と表示する。これにより、撮影室2の室内にいる人(遊戯施設のスタッフ等)を撮影室2の外に誘導することができ、補正値やストロボ印加電圧を求めるための撮影画像に人の像が含まれることを防止できる。また撮影が終了すれば、例えば「調整が完了しました。」と表示することが好ましい。
【0113】
また、上記の各実施形態および各変形例において、補正値やストロボ印加電圧を求めるための撮影画像の取得を1日に1回だけ行なうようにしてもよい。また、遊戯用写真作成装置の稼働率を記憶しておき、その稼働率に基づいて、所定の期間(例えば1日、1週間、1ヵ月あるいは1年等)における補正値やストロボ印加電圧を求めるための撮影画像の取得回数を決定してもよい。これにより、撮影画像を取得するためにストロボ11〜14を無駄に発光させる必要がなくなり、ストロボ11〜14の劣化速度をさらに低下させることができる。
【0114】
また、上記の各実施形態および各変形例では、明度等の特性値の基準値として予め決められた値を第1の制御部70のメモリ等に記憶させておく構成としたが、基準値を自由に設定できるような構成にしてもよい。
【0115】
<5.効果>
本発明によれば、ストロボの累積発光回数の増加に起因して低下する撮影画像の特性値と、予め設定された基準値とを比較し、その比較結果に基づいて撮影画像の特性値を基準値に近づけるように補正する。これにより、ストロボの累積発光回数にかかわらず、適切な特性値を有する撮影画像を取得することができるので、利用者は好ましいと感じる画像を入手することができる。
【0116】
また、撮影室の室内に利用者がいる期間には、撮影画像の特性値を基準値に近づけるような補正を行なわないようにする。これにより、撮影画像の特性値をより適切な値になるように補正することができる。また、利用者は、プレイを中断されることがないので、興ざめすることなくプレイを続行することができる。
【0117】
撮影画像に利用者の像が含まれているか否かによって室内の利用者を検知する。これにより、室内に人感センサを設置する必要がないので、写真撮影遊戯装置の製造コストを低減することができる。
【0118】
ストロボの動作テストを行なう際に、補正に必要な撮影画像を取得する。これにより、補正値やストロボ印加電圧の算出を目的とした撮影画像の取得のためだけにストロボを発光させる必要がなくなり、ストロボの劣化速度を低下させることができる。
【0119】
撮影画像の特性値と基準値とを比較し、その結果に基づいて撮影画像の特性値を補正するための補正値を求め、この補正値を用いて撮影画像の特性値を補正する。これにより、このストロボの個体差に依存する撮影画像の明度のばらつきを軽減することができる。また、ストロボの累積発光回数にかかわらず、適切な特性値を有する撮影画像を取得することができる。
【0120】
撮影画像に含まれる各画素の特性値の平均値を求め、求めた特性値の平均値が予め設定された基準値と異なる場合には、基準値と平均値とに基づいて求めた補正値を用いて補正する。これにより、ストロボの累積発光回数にかかわらず、撮影画像の特性値を一定に保つことができる。
【0121】
撮影画像の一部に特性値を検出する範囲を設けて、その範囲の特性値の平均値を求める。これにより、平均値を迅速に求めることができるので、撮影画像を短時間で補正することができる。
【符号の説明】
【0122】
2…撮影室
3…撮影ユニット
10…カメラ
11〜14…ストロボ
15…人感センサ
25…カーテン
70…第1の制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影室の室内を撮影して撮影画像を取得する撮影手段と、
前記撮影手段による撮影と同期してストロボ発光させた光により前記撮影室の室内を照明する照明手段と、
前記撮影画像の特性値であって、前記撮影画像における被写体を含まない領域の前記特性値を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記特性値と予め設定された基準値とを比較し、該比較結果に基づいて、前記撮影画像の特性値を前記基準値に近づけるように補正を行なう補正手段と、
を備えることを特徴とする、写真撮影遊戯装置。
【請求項2】
前記撮影室の室内の利用者を検知する人感検知手段をさらに備え、
前記補正手段は、前記人感検知手段が前記撮影室の室内の利用者を検知している間、補正を行なわない
ことを特徴とする、請求項1に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項3】
前記人感検知手段は、利用者の像が前記撮影画像に含まれているか否かにより前記撮影室の室内の利用者を検知する
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項4】
前記照明手段の動作テストを行なう際に、前記撮影手段は、前記補正手段による補正を行なうために必要な撮影画像を取得する
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項5】
前記補正手段は、前記比較結果に基づいて、前記撮影手段により取得された撮影画像の特性値を補正するための補正値を算出する
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記撮影画像を構成する画素ごとに前記特性値を検出して、検出された前記特性値の平均値を算出し、
前記補正手段は、前記平均値と予め設定された前記基準値とを比較し、該比較結果に基づいて前記補正値を算出する
ことを特徴とする、請求項5に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項7】
前記撮影画像の一部に前記特性値を検出する範囲を設定する範囲設定手段をさらに含み、
前記検出手段は、設定された前記範囲に含まれる撮影画像を構成する画素ごとに前記特性値を検出する
ことを特徴とする、請求項6に記載の写真撮影遊戯装置。
【請求項8】
撮影室の室内を撮影して撮影画像を取得する撮影ステップと、
前記撮影ステップにおける撮影と同期してストロボ発光させた光により前記撮影室の室内を照明する照明ステップと、
前記撮影画像の特性値であって、前記撮影画像における被写体を含まない領域の前記特性値を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された前記特性値と、予め設定された基準値とを比較し、該比較結果に基づいて、前記撮影画像の特性値を前記基準値に近づけるように補正を行なう補正ステップと、
を備えることを特徴とする、写真撮影遊戯方法。
【請求項9】
コンピュータに、
撮影室の室内を撮影して撮影画像を取得する撮影ステップと、
前記撮影ステップにおける撮影と同期してストロボ発光させた光により前記撮影室の室内を照明する照明ステップと、
前記撮影画像の特性値であって、前記撮影画像における被写体を含まない領域の前記特性値を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された前記特性値と、予め設定された基準値とを比較し、該比較結果に基づいて、前記撮影画像の特性値が前記基準値に近づけるように補正を行なう補正ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−33169(P2013−33169A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169778(P2011−169778)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】