説明

冷温水調節用カートリッジ

【課題】操作ハンドルが中央に位置する時、冷水だけが吐出されるようにし、冷水および温水の混合区間で操作ハンドルをオフにしても操作ハンドルが中央位置に復帰可能にすることによって温水の浪費を減らせるようにした冷温水調節用カートリッジを提供する。
【解決手段】内部に収容空間が備えられたカートリッジボディーと、冷水、温水および混合水をカートリッジボディーの外側に吐出されるようにカートリッジボディーの収容空間に備えられた吐出ユニットと、吐出ユニットを通じて排出される水の量が調節されるようにカートリッジボディーの収容空間の内部に設けられたレバーと、レバーに結合された操作ハンドルと、レバーの移動によってレバーの移動方向と反対方向に移動する回転体と、レバーのオフ操作時、レバーを冷水区間に移動させるようにカートリッジボディーの内部に設けられた復帰部材と、を含む冷温水調節用カートリッジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ハンドルが中央に位置する時、冷水だけが吐出されるようにし、冷水および温水の混合区間で操作ハンドルをオフにしても操作ハンドルが中央位置に復帰可能にすることにより、温水の浪費を減らせるようにした冷温水調節用カートリッジに関する。なお、本明細書においては、「湯」、「湯水」及び「温水」のことを「温水」ということにする。
【背景技術】
【0002】
一般的に、冷温水調節用バルブは、水道蛇口などに広く使用可能なものであって、冷水および温水、そして冷温混合水を適当な温度に調節して供給するために設けられる。
【0003】
すなわち、冷水の供給と温水の供給が選択的になされるようにするとともに、必要に応じて適当な温度調節がなされた混合水の供給がなされることができるようになる。
【0004】
このような冷温水調節用バルブは、核心部品としてカートリッジが設けられる。カートリッジの大部分は操作ハンドルの操作を通じて冷水および温水、そして混合水が吐出されるように構成されている。
【0005】
つまり、操作ハンドルを上げたり下げたりしてオンにした後、いずれかの方向に回転させると、冷水が吐出され、反対方向に回転させると、温水が吐出される。
【0006】
また、操作ハンドルの回転角度を適当に調節するようになると、冷水と温水の混合水が吐出される。
【0007】
ところで、従来の冷温水バルブ用カートリッジは、使用者が操作ハンドルを正面中央に位置させた後、場所を移動して、次の使用者が操作ハンドルをオンにすると、操作ハンドルの位置が正面に位置していて操作ハンドルのオンと同時に冷水および温水の混合水が吐出される。
【0008】
従って、使用者が冷水だけを使用しようとする場合にも温水が冷水に混合されて吐出されることによって、不必要に温水を浪費する問題点がある。
【0009】
このような温水の不必要な浪費を補完するために、最近では操作ハンドルが正面中央に位置した場合、冷水だけを吐出させるようにした水道蛇口が提案されている。
【0010】
特開2010−185569号公報、特開2012−2346号公報、特開2011−256605号公報、特開平9−4736号公報、特開2011−256959号公報など(以下、「従来発明」という)には、操作ハンドルが正面中央に位置した場合、冷水だけが吐出されるようにした構成が開示されている。
【0011】
しかし、従来発明では、混合水の排出を減らすために、温水と冷水の混合区間を冷水区間に比べて相対的に非常に小さい区間に設定し、操作ハンドルが正面中央で冷水が排出されるように構成してはいるが、これは使用者が使用後に操作ハンドルの位置をいつも念頭に置いた状態で操作ハンドルの位置を正面中央位置まで移動させなければならないため、非常に不便である。
【0012】
また、使用者によっては混合水を使用してから操作ハンドルをオフにする時、操作ハンドルを温水と冷水の混合区間にそのまま放置する傾向がある。すなわち、操作ハンドルが操作されたその位置である混合区間にそのまま位置されるため、次の使用者が冷水を使用しようとする時には、操作ハンドルを混合区間から冷水区間に移した後、操作ハンドルを操作しなければならない不便さもある。
【0013】
また、温水はボイラーのような発熱装置に連結されているため、操作ハンドルの正面中央の位置から混合水が吐出されるように設計された水道蛇口の場合、操作ハンドルをオンにする時や、冷水使用のために混合区間に置かれた操作ハンドルを再び冷水区間に移す過程で少しの間でもボイラーが可動して不必要に温水が吐出されることがあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2010−185569号公報
【特許文献2】特開2012−2346号公報
【特許文献3】特開2011−256605号公報
【特許文献4】特開平9−4736号公報
【特許文献5】特開2011−256959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、冷水および温水が混合される区間で操作ハンドルをオフにしても操作ハンドルが正面中央に復帰するようにすることによって、不必要な温水の浪費を防止することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このような目的を効果的に達成するために、本発明は、内部に収容空間を備えるカートリッジボディーと、冷水、温水および混合水を前記カートリッジボディーの外側に吐出するように前記カートリッジボディーの収容空間に備えられた吐出ユニットと、前記吐出ユニットを通じて排出される水の量を調節するように前記カートリッジボディーの収容空間の内部に設けられたレバーと、前記レバーに結合された操作ハンドルと、前記レバーの移動によって前記レバーの移動方向と反対方向に移動される回転体と、前記レバーのオフ操作時、前記レバーを冷水区間に移動させるように前記カートリッジボディーの内部に設けられた復帰部材と、を含むことを特徴とする。
【0017】
前記吐出ユニットは、冷水流入口、温水流入口および吐出口を備える固定ディスクと、前記固定ディスクに密着配置されて前記冷水流入口および前記温水流入口の開閉程度を調節する可動ディスクと、を含んでもよい。
【0018】
この時、前記可動ディスクは、操作ハンドルが正面中央に配置される時、前記固定ディスクと前記冷水流入口だけが通水されるように配置されていてもよい。
【0019】
また、前記復帰部材は、前記回転体に弾性復元力を提供するスプリングから構成することができる。
【0020】
そして、前記復帰部材は、加圧ピンと、前記加圧ピンの移動によって圧縮および弛緩されるスプリングと、前記加圧ピンを加圧および解除するように前記レバーに形成された突出カムとから構成することができる。
【0021】
また、前記カートリッジボディーは、内壁面に設けられた固定ラッチと、前記固定ラッチと分離可能に結合されて前記固定ラッチに沿って移動する可動ラッチとをさらに含んでもよい。
【0022】
また、前記復帰部材は、回転体の回転によって圧縮および弛緩され、前記操作ハンドルが混合水および温水の位置でオフにする時、前記回転体が元の位置になるように弾性復元力を提供する復帰スプリングをさらに含んでもよい。
【0023】
一方、本発明の復帰部材は、レバーと回転体に各々形成されたガイドボールとガイド溝とを含み、前記レバーの垂直移動によってガイドボールがガイド溝の内壁面に沿って移動して前記レバーが常に初期位置に向かって移動するように構成することもできる。
【0024】
また、前記復帰部材は、前記レバーのガイドボールが前記回転体のガイド溝の内壁面に沿って安定的に移動することができるようにガイドブロックをさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の冷温水調節用カートリッジは、冷水および温水が混合される区間で操作ハンドルをオフにしても復帰部材を通じて操作ハンドルが正面中央に復帰可能なため、不必要な温水の浪費を防止できる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の冷温水調節用カートリッジに操作ハンドルが結合された状態を示す図面である。
【図2】本発明の一実施例に係る冷温水調節用カートリッジの斜視図である。
【図3】固定ディスクと可動ディスク間の相互作用による通水状態を示す図面である。
【図4】図1に示された操作ハンドルの動作範囲を示す斜視図である。
【図5】弾性部材の動作を示す部分横断面図である。
【図6】図2の縦断面図であって、レバーの操作がオフになった状態の図面である。
【図7】図2の縦断面図であって、レバーの操作がオンになった状態の図面である。
【図8】固定ラッチと可動ラッチ間の相互作用による動作を示す図7のA−A線に沿った断面図である。
【図9】本発明に係る復帰部材の他の実施例を示す概略図である。
【図10】本発明に係る復帰部材の他の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明に係る復帰部材の他の実施例を示す作用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施例を、添付の図面を参照して詳細に説明すると、次の通りである。
【0028】
本発明の実施例は、様々な形態に変形することができ、本発明の範囲は、以下で説明する実施例に限定されるものと解釈してはならない。本実施例は、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。従って、図面に示された各要素の形状は、より明確な説明を強調するために誇張され得る。
【0029】
第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するのに使用され得るが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0030】
本出願において使用する用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」、または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたのが存在することを指定しようとするものであって、一つまたは、それ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品または、これらを組み合わせたものの存在または、付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0031】
これら図面を参照すると、本実施例の冷温水調節用カートリッジは、冷水と温水を調節することができる、例えば水道蛇口などに使用可能である。
【0032】
本発明は、図1〜図8に示すように、カートリッジボディー10と、カートリッジボディーに結合された吐出ユニット20と、カートリッジボディーに設けられたレバー30と、レバーに結合された操作ハンドル81と、レバーの移動によって移動する回転体40、および復帰部材50を含む。
【0033】
カートリッジボディー10は、図1及び図2に示すように、本実施例の冷温水調節用カートリッジの外観を形成する。カートリッジボディー10の内部には収容空間が形成されている。図面にはカートリッジボディー10が概略的な円筒状の構造になっているが、円筒状でなく四角形または、多角形の形状でも製造されることができることはいうまでもない。
【0034】
吐出ユニット20は、図2に示すように、カートリッジボディー10の下端部の領域に設けられる。吐出ユニット20は冷水、温水および混合水をカートリッジボディー10内部に流入させた後、外側に吐出させる役割をする。
【0035】
このような吐出ユニット20は、図3に示すように、カートリッジボディー10の収容空間に固定設置される固定ディスク21と、固定ディスク21にスライド可能に配置された可動ディスク22を含む。
【0036】
固定ディスク21には、図2及び図3に示すように、冷水が流入される冷水流入口21bと、温水が流入される温水流入口21aと、混合水が吐出される混合水吐出口21cがカートリッジボディー10の端部に形成される。
【0037】
そして、固定ディスク21に密着配置される可動ディスク22は、図3に示すように、レバー30の操作による回転体40の回転動作に連動されて回転しながら固定ディスク21の冷水流入口21b、温水流入口21aおよび混合水吐出口21cの開放度を調節する。
【0038】
固定ディスク21に形成された冷水流入口21bおよび温水流入口21aは、操作ハンドルがカートリッジボディー10の正面中央に位置する場合、一定の角度(略10°)だけ傾いて配置されることによって、冷水流入口21bだけが通水されるように構成される(図3(a)参照。)。
【0039】
この時、冷水流入口21bは、温水流入口21aより相対的に小さい口径で形成することができる。すなわち、冷水流入口21bが温水流入口21aより相対的に小さく構成される場合は、製品により冷水区間を混合水と温水区間に比べて相対的に小さく構成する製品が発売され得るためである。
【0040】
レバー30は、カートリッジボディー10の内部に回転可能に設けられて吐出ユニット20を通じて吐出される冷水、温水および混合水を選択的に調節する役割をする。
【0041】
レバー30の上部には操作ハンドル81が結合されていて、下部には回転体40が連結されている。従って、操作ハンドル81を回転する場合、回転体40が移動して吐出ユニットの可動ディスク22が移動するようになる。
【0042】
このような原理によって、操作ハンドル81を冷水位置方向に回転すると、可動ディスク22が移動しながら温水流入口21aを遮断することによって冷水だけが吐出される(図3(a)参照。)。
【0043】
反対に、操作ハンドル81を温水位置方向に回転させると、可動ディスク22が冷水流入口21aを遮断して温水だけが吐出される(図3(c)及び図3(d)参照。)。
【0044】
また、操作ハンドル81の回転角度を冷水区間と温水区間の間で適切に調節するようになると、冷水と温水が混ざった一定温度の混合水が吐出される(図3(b)参照。)。
【0045】
本発明の実施例に係る冷温水調節用カートリッジは、図4に示すように、冷水が吐出されるカートリッジボディー10の正面(中央)位置を基準として時計方向に10°区間まで冷水区間に拡張設定し、冷水区間の最大値を反時計方向に60°まで設定している。また、時計方向では略60°までを混合区間に設定し、混合区間の最大値から最大10°までを温水区間に設定している。このような各設定区間は、販売される商品によりさらに拡張されたり、縮小され得ることはいうまでもない。
【0046】
本実施例の場合、操作ハンドル81に結合されたレバー30は、棒状に適用されているが、これも他のものに代替され得る。
【0047】
一方、回転体40は、カートリッジボディー10にヒンジ結合されたレバー30の下端と連結されている。
【0048】
本発明の復帰部材50は、図6及び図7に示すように、レバー30の周囲に形成された突出カム65と、突出カム65の移動によって前後往復移動する加圧ピン63と、加圧ピン63の移動によって圧縮および弛緩されるスプリング64を含む。
【0049】
このような復帰部材50は、操作ハンドルのオフ操作時、レバー30を冷水区間に自動移動させる役割をする。
【0050】
より詳細に説明すると、突出カム65はレバーの移動によって加圧ピン63を加圧および解除するが、吐出ユニット20を通じて水を吐出させようとする場合、図7に示すように、操作ハンドル81を垂直に移動させると突出カム65が加圧ピン63を押し出すようになる。
【0051】
加圧ピン63が突出カム65により移動すると、加圧ピン63がスプリング64を圧縮するようになり、その後、レバー30を元の位置に移動させると、突出カム65が加圧ピン63と摺動しながらスプリング64の弾性復元力によって加圧ピン63が元の位置に移動する。
【0052】
この時、レバー30の下端は、回転体40の中心と回転可能に結合されているため、レバー30を初期位置に移動すると、加圧ピン63が元の位置に移動する。
【0053】
このようにレバーが復帰部材50により元の位置に復帰する過程では、カートリッジボディー10の内部に設けられた復帰スプリング80も弾性復元されながら回転体40を元の位置に復帰させる。
【0054】
復帰スプリング80は、図5に示すように、回転体40の回転時に圧縮され(図5(a)参照。)、回転体40が元の位置(図5(c)参照。)になる過程で回転体40に復帰力を提供する役割をする。なお、図5は、図1の下方側から上方側に向かって当該部分を見たときの部分横断面図である。
【0055】
すなわち、復帰スプリング80は、レバー30の操作がオフになると、結局レバー30が元の冷水位置に自動復帰するように回転体40に弾性復元力を提供する役割をする。
【0056】
復帰スプリング80は、捻りコイル圧縮スプリングが適用され、カートリッジボディー10の内壁面にアーク状に配置される。
【0057】
従って、カートリッジボディー10の内壁面には復帰スプリング80が配置される溝が形成され、スプリング64が位置を離脱しないようにキャップ51がさらに設けられる。
【0058】
また、カートリッジボディー10の内壁面には、回転体40が冷水区間の最大点を越えて回転することを阻止する冷水側ストッパー15と混合区間の最大点を越えて回転することを阻止する温水側ストッパー16が設けられる。
【0059】
冷水側ストッパー15と温水側ストッパー16は、ともに回転体40の突出部41が引っかかり支持される場所を形成する。
【0060】
一方、本発明では温水の使用のためにレバー30を冷水区間から混合区間に回転する場合、ラッチ(latch)等の鋸歯状構造によってレバー30の回転操作時に一定の揺動運動(凹凸運動)が手に感じられると、使用者はバルブに表記された冷水表示(青色)または、温水表示(赤色)を目で確認しなくても温水が吐出される状態を認知できるため、使用上の便利性を提供することができる。
【0061】
このため、本実施例の冷温水調節用カートリッジには、固定ラッチ61、可動ラッチ62が設けられる。これらの構成に対しては図8を参照して説明する。
【0062】
固定ラッチ61は、冷温水の混合区間に対応するようにカートリッジボディー10の内壁面に設けられる。
【0063】
可動ラッチ62は、固定ラッチ61の上面と密着するように配置されて固定ラッチ61と相互作用する。すなわち、レバー20を回転させる場合、可動ラッチ62が固定ラッチ61に沿って揺動運動(凹凸運動)をすることになる。
【0064】
可動ラッチ62と固定ラッチ61は、互いに柔軟に噛み合って凸と凹を往来することができるように加工される。
【0065】
可動ラッチ62は、復帰部材50の加圧ピン63の前後移動によって固定ラッチ61と結合または分離される。
【0066】
つまり、図7に示すように、加圧ピン63がレバーの突出カム65により移動すると、加圧ピン63がスプリング64を圧縮するようになる。すると、図8(a)に示すように、スプリング64が弾性復元力によって可動ラッチ62を押して可動ラッチ62が固定ラッチ61と噛み合うようになる。
【0067】
その後、図6に示すように、レバー30を元の位置にすると、加圧ピン63に対する突出カム65の外力が解除されながら加圧ピン63がスプリング64の弾性復元力によって元の位置に移動する。従って、図8(b)および図8(c)に示すように、可動ラッチ62もスプリング64の弾性復元力によって固定ラッチ61と分離されながら元の位置に移動する。
【0068】
このような本発明の冷温水調節用カートリッジは、使用者が操作ハンドル81を握ってオンにすると、冷水が吐出され始める。
【0069】
その後、操作ハンドル81の正面中央位置から混合区間に向かってレバー30を回転させると、突出カム65が加圧ピン63のヘッド部を加圧することによって可動ラッチ62が固定ラッチ61と噛み合うようになる(図8(a)参照。)。
【0070】
このような状態でレバー30をオフにすると、混合水の吐出が中断されながら操作ハンドル81が正面中央位置に復帰する(図8(c)参照。)。
【0071】
前述の過程は、図7に示された作用をするようになるが、この時、図8は図7の作動が進行される過程で、レバーの配置状態と可動ラッチおよび固定ラッチの相互作動関係を示したものである。
【0072】
図8(a)は、可動ラッチ62が固定ラッチ61に噛み合った状態としてレバー30が混合区間の最大点、すなわち一番熱い温水が排出される地点にレバー30が配置された状態を示す。
【0073】
図8(b)は、混合区間に沿ってレバー30が回転しながら混合水が吐出される状態を示す。この時もレバー30は混合区間で回転される状態であるため、可動ラッチ62が固定ラッチ61に噛み合った状態で可動ラッチ62が固定ラッチ61に沿って揺動運動(凹凸運動)するようになる。従って、レバー30を操作する使用者の手にその振動を感じることができる。
【0074】
図8(c)は、混合水の調節途中に操作ハンドル81をオフにし、これによってレバー20の操作がオフになった場合を示す。すなわち、レバー30を元の位置に戻しておけばカム部65によって加圧ピン63を加圧した力が除去されるため、スプリング64により加圧ピン63は元の位置に復帰され、これによって可動ラッチ62と固定ラッチ61は噛み合いが解除される。
【0075】
図8(d)は、レバー30が冷水区間の最大点、すなわち冷水が排出される地点にレバー30が配置された状態を示し、この時も可動ラッチ62と固定ラッチ61が互いに噛み合わない状態を維持する。
【0076】
上述した実施例においては、操作ハンドル81の冷水区間復帰を復帰部材50であるスプリング64および復帰スプリング80の弾性復元力によって自動で行うことを説明したが、弾性復元力を用いることなく操作ハンドル81を手動でオフにする場合にも適用され得る。
【0077】
すなわち、本発明の復帰部材50は、レバー30の下端が扇状の移動経路を有するように回転体40の上面にガイド溝42を構成する形態にも適用され得る。
【0078】
図9〜図11には、復帰部材50を手動で操作する場合に対する実施例が図示されている。
【0079】
図9〜図11に示すように、本発明の復帰部材は、レバー30の下端に球状からなる ガイドボール32が形成され、回転体40にガイド溝42が形成される。ガイドボール32はレバー30の移動によってガイド溝42の内壁面に沿って移動するようになる。
【0080】
より詳細に説明すると、使用者が操作ハンドル81を操作して冷水位置または温水位置で操作ハンドル81をそのままオフにする場合、レバー30の下端に形成されたガイドボール32が回転体40に形成されたガイド溝42の内壁面に沿って移動して初期位置に復帰するようになる(図9の上から1番目の図及び図9の上から3番目の図参照。)。
【0081】
従って、冷水位置または温水位置で操作ハンドル81をオフにする場合、操作ハンドル81の位置が常に同じ初期位置を維持することができるようになる。
【0082】
この時、レバー30の位置に対する回転体40の位置はレバー30がカートリッジボディー10とヒンジ結合されているため、レバー30を温水区間または冷水区間および混合区間に移動させると、てこの原理によってレバー30の移動方向と反対方向に回転体40が移動するようになる。
【0083】
従って、回転体40の移動を通じて可動ディスク22も回転体40とともにレバー30の方向と反対方向に移動しながら固定ディスク21の冷水流入口、温水流入口および混合水吐出口を通じて排出される水の量を調節できるようになる。
【0084】
また、カートリッジボディー10の内部には、ガイドボール32がガイド溝42に沿って移動する過程でレバー30の移動をより安定的に維持させることができるようにガイドブロック90が構成されている。
【0085】
ガイドブロック90は、内部が貫通されていて、レバー30が貫通された中央に挟まれている。ガイドブロック90の設置位置は、回転体40の上部に設けられ、製造される構造によって位置が可変されることもあり得る。
【0086】
このようにガイドブロック90内部にレバー30が挟まれると、レバー30のガイドボール32が回転体のガイド溝42の内部で移動してもレバー30が流動されないため、非常に安定した作動が可能になる。
【0087】
以上、本発明の実施例に係る冷温水調節用カートリッジについて説明したが、本発明はこれに限定されず、多様な形態として実施され得ることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0088】
10 カートリッジボディー
15 冷水側ストッパー
16 温水側ストッパー
20 吐出ユニット
21 固定ディスク
22 可動ディスク
30 レバー
32 ガイドボール
40 回転体
42 ガイド溝
50 復帰部材
61 固定ラッチ
62 可動ラッチ
63 加圧ピン
64 スプリング
65 突出カム
80 復帰スプリング
90 ガイドブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容空間を備えるカートリッジボディーと、
冷水、温水および混合水を前記カートリッジボディーの外側に吐出するように前記カートリッジボディーの収容空間に備えられた吐出ユニットと、
前記吐出ユニットを通じて排出される水の量を調節するように前記カートリッジボディーの収容空間の内部に設けられたレバーと、
前記レバーに結合された操作ハンドルと、
前記レバーの移動によって前記レバーの移動方向と反対方向に移動される回転体と、
前記レバーのオフ操作時、前記レバーを冷水区間に移動させるように前記カートリッジボディーの内部に設けられた復帰部材と、を含むことを特徴とする冷温水調節用カートリッジ。
【請求項2】
前記吐出ユニットは、冷水流入口と温水流入口および吐出口を備える固定ディスクと、前記固定ディスクに密着配置されて前記冷水流入口および温水流入口の開閉程度を調節する可動ディスクとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の冷温水調節用カートリッジ。
【請求項3】
前記可動ディスクは、操作ハンドルが正面中央に配置される時、前記固定ディスクと前記冷水流入口だけが通水されるように配置されたことを特徴とする、請求項2に記載の冷温水調節用カートリッジ。
【請求項4】
前記復帰部材は、前記回転体に弾性復元力を提供するスプリングであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の冷温水調節用カートリッジ。
【請求項5】
前記復帰部材は、加圧ピンと、前記加圧ピンの移動によって圧縮および弛緩されるスプリングと、前記加圧ピンを加圧および解除するように前記レバーに形成された突出カムとから構成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の冷温水調節用カートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジボディーは、内壁面に設けられた固定ラッチと、前記固定ラッチと分離可能に結合されて前記加圧ピンの移動によって前記固定ラッチと噛み合う可動ラッチとから構成されたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の冷温水調節用カートリッジ。
【請求項7】
前記復帰部材は、回転体の回転によって圧縮および弛緩され、前記操作ハンドルが混合水および温水の位置でオフになる時、前記回転体が元の位置になるように弾性復元力を提供する復帰スプリングをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の冷温水調節用カートリッジ。
【請求項8】
前記復帰部材は、レバーと回転体に各々形成されたガイドボールとガイド溝とを含み、前記レバーの垂直移動によって前記ガイドボールがガイド溝の内壁面に沿って移動して前記レバーが、常に初期位置を維持するように構成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の冷温水調節用カートリッジ。
【請求項9】
前記復帰部材は、前記レバーのガイドボールが前記回転体のガイド溝の内壁面に沿って安定的に移動することができるようにガイドブロックをさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の冷温水調節用カートリッジ。

【図2】
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【図3】
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【図9】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−247061(P2012−247061A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120320(P2012−120320)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【出願人】(512138253)株式会社新韓セラミック (1)
【Fターム(参考)】