説明

凍結乾燥機

凍結乾燥機(10)は、長方形のスロットを有する室(12)を備え、バイアル(86)はこのスロットから室(12)の中へ挿入される。室(12)に出し入れするためのアセンブリがスロットを横切って延びる移動バー(42)を有する。移動バー(42)は各端が第1及び第2板ばね(46、48)に枢動可能に取り付けられ、各板ばねは、スロットに近接して配置されたそれぞれの回転可能に取り付けられたスプール(50、52)に巻かれる。移動バー(42)の室(12の中への又は室(12)からの移動を行なうためにスプール(50、52)を同期して回転させるための及び移動バー(42)を昇降させるためにスプール(50、52)を選択的に回転させるための駆動手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は凍結乾燥機等に出し入れするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
凍結乾燥機は、典型的には、凍結乾燥させるべき無菌材料を典型的に収容する複数の容器又はバイアルを受け入れるための凍結乾燥室を有する圧力容器を備える。バイアルの自動出し入れのために凍結乾燥室へのアクセスは、凍結乾燥室の壁又は主ドアに形成された長方形の開口、又はスロットを通してである。スロットは、凍結乾燥室とともに、スロットの回りに真空シールを形成するスロットドアによって閉鎖される。
【0003】
バイアルを凍結乾燥室の中へ挿入できるようにするために、スロットドアは、該スロットドアをガイドトラックにそって移動させることによってスロットに対して垂直方向に持ち上げられる。スロットドアと対向して設けられた装入機構は、バイアルをコンベヤから室の棚へ押す。バイアルは一列ずつ棚へ装入されてもよいし、一度に多数列棚へ装入されてもよいし、或いは、一度に完全な棚全部に装入されてもよい。引き続いて、装入機構は引っ込められ、スロットドアが閉じられてバイアルの内容物を凍結乾燥させることができる。引き続いてバイアルは、該バイアルが取り出し機構を使用して、典型的には、室の中に装入されるのと同じ方法で(一列ずつ又は棚ずつ)室から取り出される。
【0004】
薬剤凍結乾燥機は、通常クリーンルームに少なくとも一部収容され、装入及び取り出し機構は、クリーンルームに隣接した無菌環境、例えば、アイソレータ内に配置される。これらの装入及び取り出し機構のサイズは凍結乾燥機の設置面積の全体のサイズに大きく寄与する。無菌環境を維持するコストは、一般的には、サイズとともに増すから、典型的には、それぞれ床面積のほぼ2m2と1m2を必要とする在来の装入及び取り出し機構は、運営費を著しく増すことがある。アイソレータの外側にこれらの機構の一部を配置することはアイソレータ内の設置面積のサイズを減ずる上で助けとなるけれども、外側から無菌環境の中へ移動する部分は、アイソレータ内に無菌状態を維持するために、ベロー等を使用して密封することを必要とする。その上、バイアルをコンベヤ上に押しもどすためのプッシュバーのような、室内に恒久的に収容される取り出し機構のこれらの部分は、凍結乾燥機の使用中室内の普通の状態に耐えることができなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の少なくとも好ましい実施形態の目的は、凍結乾燥機の全体の設置面積のサイズを著しく減じることができ、且つ無菌環境内に容易に収容し得る凍結乾燥機に装入取り出し機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の面では、本発明は、バイアルを凍結乾燥機等の室の中へ装入し及び又は室から取り出すためのアセンブリを提供し、該アセンブリが、バイアルの移動を行うためにバイアルに係合するための移動バーと、該バーを移動させるための手段と、を有しているものにおいて、移動手段は、細長い弾性部材の第1対及び第2対のコイルと、移動バーの各端がそれぞれの対のコイルに枢動自在に取り付けられるようにコイルを移動バーに連結するための手段と、移動バーの横移動を行うためにコイルを同期して巻き解くための及び移動バーを上昇させるために各対のコイルの一方を他方に対して選択的に巻き又は巻き解くための駆動手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
かくして、本発明は、バイアルを凍結乾燥機の室から取り出すための、又はバイアルを凍結乾燥機の室の同じ側から装入し、引き続いて取り出すためのコンパクトなアセンブリを提供することができる。アセンブリは、例えば、アイソレータの無菌環境内に容易に収容することができるので、ベロー又は他のそのような機構の使用を除去することができる。その上、凍結乾燥機の片側だけに設けられる装置を使用して凍結乾燥機に装入と取り出しを両方とも可能にすることは、凍結乾燥機の設置面積の全体のサイズを著しく減ずることができる。
【0008】
駆動手段は、好ましくは、移動バーの横移動を行うために、各対のコイルを同期して回転させるための手段と、移動バーを上昇させるために各対のコイル間に相対的な回転運動を選択的に行わせるための手段と、を有する。例えば、各コイルはそれぞれのスプールに巻かれ、駆動手段は、移動バーを移動させるためにスプールを回転させるように構成される。コイルは、好ましくは、スプールの回りに延びる複数のローラによってスプールに保持され、ローラは更に、コイルが巻き解かれて移動バーの移動を行わせるときスプールを案内するのに役立つことができる。更なる案内手段が移動バーの両側に配置されたスロットの形態で設けられ、各コイルの自由端はそれぞれのスロット内に配置される。これらのスロットは、固定されてもよいし、或いは展開位置と片付け位置との間で少なくとも一部分が選択的に移動可能である。例えば、室内のスロットの部分は、凍結乾燥機の棚を昇降させることができるように、例えば、他の棚に必要に応じて出し入れできるように移動バーが室から引き出されたとき引っ込められる。
【0009】
連結手段は、好ましくは、各々移動バーのそれぞれの端に取り付けられ且つ移動バーと実質的に直交して延びる第1及び第2連結部材からなり、各対の第1コイルは第1リンク部材を介して連結部材に取り付けられ、各対の第2コイルは第2リンク部材を介して連結部材に取り付けられる。各第1コイルは、好ましくは、それぞれの第1リンク部材に固く取り付けられ、各第1リンク部材はそれぞれの連結部材に枢動可能に取り付けられる。各第2コイルは、好ましくは、それぞれの第2リンク部材に固く連結され、各第2リンク部材は、第2リンク部材と連結部材の両方に枢動可能に取り付けられたそれぞれのアームを介してそれぞれの連結部材に枢動可能に取り付けられる。これにより、移動バーの上昇を行わせるために、第2コイルを第1コイルに対して巻き或いは巻き解くことができる。
【0010】
移動バーの面は、好ましくは、室の装入中それによって係合されたバイアルを安定化させるための第1肩と、室の取り出し中それによって係合されたバイアルを安定化させるための第2肩と、を有する。
【0011】
各細長い部材は、好ましくは、弾性バンド、例えば、板ばねからなる。
【0012】
第2の面では、本発明は、室と、好ましくは、室の壁に設けられたスロットを通してバイアルを室の中へ装入し及び又はバイアルを室から取り出すための上記のアセンブリと、を有する凍結乾燥機を提供する。
【0013】
本発明の好ましい特徴を今添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1を参照すると、凍結乾燥機10は、室(図1の平面に対して直交方向に伸びる)12を含み、該室12は、バイアルを室12の棚14に装入したり棚から取り出したりすることができるように、室12の前壁に形成されたスロット(図示せず)を有する。スロットは、室12に対して移動できるスロットドア16によって閉じることができる。室12は、多数の棚14を含み、該棚の各々は、棚ロケーション機構(図示せず)を使用して室12内で昇降させることができる。棚に装入するために、棚を、最初、室の下位置で急落させ、そして最も上の棚を先ず装入位置へ移動させる。その棚に装入された後、機構が装入させた棚を自動的に上昇させて次の棚を装入位置に移動させることを可能にする。この移動シーケンスは、室の装入を完了させるまで続く。室から取り出すために、装入シーケンスを逆にし、最も下の棚から先ず取り出す。
【0015】
室12に出し入れするためのアセンブリはアイソレータキャビネット18内に配置された支持フレームによって支持された数個のモジュールで形成される。アセンブリは、充填機から受けたバイアルを凍結乾燥10に自動的に装入し、これらのバイアルを、引き続くキャップ付け機への搬送のために凍結乾燥機から自動的に取り出すことができる。
【0016】
支持フレームは凍結乾燥機10のフレームにボルト止めされ、且つアイソレータの床にボルト止めされる。支持フレームは強力なステンレススチールプレートで形成される。アイソレータ18内には、支持フレーム及び室に出し入れするためのアセンブリのモジュールの外面は、例えば、過酸化水素の蒸気を使用してその場所で清掃及び滅菌のために容易にアクセスできるように設計されている。
【0017】
室12に出し入れするためのアセンブリのモジュールを今説明する。
【0018】
送り込みコンベヤ20は、アイソレータの外側に配置された充填機(図示せず)から来るバイアルを収集し、バイアルを、支持フレームに取り付けられた送り込みスターホイールに運ぶ。適当な案内が、送り込みスターホイール22の正確な送りとともに、送り込みコンベヤ20と送り込みスターホイール22の間の円滑な移行を確保する。倒れを受ける小型のバイアルのために、送り込みスターホイール22の上流に、倒れたバイアルを排除する機械的な排除装置が設けられるのがよい。送り込みコンベヤ20は支持フレームの下に配置されたモータによって駆動される。
【0019】
送り込みスターホイール22は送り込みコンベヤから受けたバイアルをプッシャーコンベヤ24に位置決めするのに役立つ。送り込みスターホイール22及びプッシャーコンベヤ24は支持フレームの下に配置されたそれぞれのサーボモータによって駆動される。送り込みスターホイール22の回転速度はプッシャーコンベヤ24の速度と同期させることができる。プッシャーコンベヤ24に対する送り込みスターホイール22の始動、加速、減速、及び停止の制御を使用して所要数のバイアルをプッシャーコンベヤ24に運び、且つこれらのバイアルのピッチを制御することができる。
【0020】
装入用プッシャー26がバイアルをプッシャーコンベヤ24から集積テーブル28へ押す。図2(a)に示すように、送り込みスターホイール22及びプッシャーコンベヤ24の移動は、プッシャーコンベヤに集積されたバイアルの各列がバイアルの幅の二分の一に等しい量だけ前の列から横にずらされるように制御することができる。これは、集積テーブル28上のバイアルの列の密集群を可能にすることができる。図2(b)に示すように、幅広い棚14に2つの別々のバイアルの群を装入するとき、送り込みスターホイール22は、バイアルの列に、棚ガイド30の幅に等しい幅の列の中間に隙間を形成することができる。図1を参照すると、装入用プッシャー26は、プッシャーバー32と、バイアルの一列を集積テーブル28上に押すためにプッシャーバー32を室12に向かって移動させるための且つバイアルの他の一列を集積させることができるようにプッシャーバー32を引き続いて引っ込めるための、プッシャーバー32に連結された動力作動機構34と、を有する。コールド棚装入のために、プッシャーバー32は、バイアルが集積テーブル28上に押されるときバイアルが倒れるのを防止する安全バー36を作動するための機構を備えるのがよい。
【0021】
集積テーブル28は、プッシャーコンベヤ24に隣接して配置された固定プレート40であり、且つバイアルを、装入すべき棚14の上にプッシャーコンベヤ24から移動させることができるブリッジプレートモジュールの一部をなしている。ブリッジプレートモジュールはブリッジプレート38及び中間プレート40を更に含む。
【0022】
図3に示すように、中間プレート40は、棚14の装入位置と同じレベルで凍結乾燥機室12内に配置され、そして一杯になった又は空になった棚14を室12内で上昇させ又は下降させることができるように装入位置でその棚14から水平方向に自動的に遠ざけることができる。棚はダボ等のような手段を備え、該ダボは中間プレート40の対応する穴又は凹部に係合して、棚が装入位置へ操作されるとき棚14と中間プレート40との間の正確な水平整列を確保する。
【0023】
ブリッジプレート38は集積テーブル28と中間プレート40との間に配置される。ブリッジプレート38は、集積テーブル28及び中間プレート40に対して図3に示す上昇位置から回転させることができるので、ブリッジプレート38の一部がスロットを通して室12の中へ延び、ブリッジプレート38を室12内の中間プレート40および室12の外側の集積テーブル28の両方と合致且つ整列させることができる。ブリッジプレート38及び中間プレート40は、ブリッジプレートを回転させて中間プレート40との位置にさせるとき互いに合う輪郭縁を有する。ブリッジプレートを38を回転させ且つ中間プレート40を水平に移動させるための機構がブリッジプレート38の下に配置される。ブリッジプレート38の上昇位置への回転によりスロットドア16を閉じることができる。
【0024】
図3はまたアセンブリの移動バー42を示す。この移動バーは、図1に示す態様では、室12から取り出すのに役立つ。移動バー42は実質的に棚14の幅延びており、そして各端が移動バー42の室12への及び室からの移動を行なわせるための及び移動バー42を昇降させるためのリールアセンブリ44に連結される。各リールアセンブリ44は2つのステンレススチールスプリングリボン46、48を有する。各上(図4に示すように)リボン46は上ドラム50に巻かれ、各下リボン48は下ドラム52に巻かれ、各リールアセンブリ44の上下ドラム50、52は同軸である。図5をも参照すると、リボン46、48は、ドラム50、52の回りに延び且つ固定部材60によって駆動軸58に連結された取付けプレート56から垂下するローラ54によってドラム上に保持される。
【0025】
各リールアセンブリ44のリボン46、48の自由端は、移動バー42に取り付けられ且つ移動バーから実質的に直交して延びる連結部材62を介して移動バー42に連結される。下リボン48の自由端は第1リンク部材64に固く取り付けられ、第1リンク部材64は、ピボット66を介して連結部材62に枢動自在に取り付けられている。上リボン46の自由端は、第2リンク部材68に固く取り付けられる。第2リンク部材68は、ピボット72を介してリンクアーム70に枢動自在に取り付けられ、リンクアームはピボット74を介して連結部材62に枢動自在に取り付けられる。
【0026】
コイルがドラムから巻き解かれるとき第1及び第2リンク部材68、64の移動は、移動バー42の各側に配置された案内部材76、78、80、82によって案内される。各案内部材は上下スロットを有し、第1リンク部材68、かくして上リボンの自由端の移動は上スロットによって案内され、第2リンク部材、かくして下リボン48の移動は下スロットによって案内される。案内部材76は集積テーブル28の側面に取り付けられ、案内部材78はブリッジプレート38の側面に取り付けられ、案内部材80は中間プレート40の側面に取り付けられている。この実施形態では、案内部材82は、棚14を室12内で昇降させるため、案内部材が棚14から間隔を隔てられる、図3に示す片付け位置と、案内部材82が案内部材80と同一線状である、図6に示す展開位置との間で移動できる。変形例として、案内部材82は固定されてもよい。案内部材76、78、80、82は又、バイアルの列が室12の中に装入されたり室から取り出されたりするときバイアルの列を案内するのに役立つ。
【0027】
リールアセンブリ44の駆動軸58は、支持フレーム18の下に配置された共通のサーボモータに連結される。各駆動軸58はそれぞれのリールアセンブリ44の上ドラム50に直接連結され、ドラム50、52は、上ドラム50の回転により、アセンブリ44の両ドラム50、52を同期して回転させるように構成されている。これにより、上下リボン46、48を同時にドラム50、52から巻き解かれたり、ドラムに巻いたりして移動バー42を室12の中へ移動させたり室から外に移動させたりすることができる。下ドラム52はまた、例えば、支持フレーム18の下に設けられた短行程空気シリンダによって、又はサーボモータによって上ドラムと独立に回転されて移動バー42の下降及び上昇を行わせても良い。
【0028】
移動バー42が取ることができる、異なる位置を図7に示す。図7(a)に示す装入位置では、移動バー42はバイアルの列の前に配置され、第1当接面84をバイアル86の第1列に接触させそしてその列を室12の中へ押し込む。この位置では、移動バー42の第1肩88は、列が室12の中へ押し込まれるとき第1列のバイアル86が倒れるのを防止するのに役立つ。図7(b)に示す移動位置では、下リボン48は上リボン46に対して巻かれて連結部材62をピボット66を中心に反時計方向に(図7に示すように)回転させ、かくして、移動バー42を移動位置に上昇させる。この上昇位置にあるとき、移動バー42を、リールアセンブリ44の上下リボン46、48を同期して巻き解くことによって室12内でバイアルの頂部の上を移動させることができる。図7(c)に示す、取り出し位置では、下リボン48は上リボン46に対して更に巻かれて連結部材62、かくして移動バー42をピボット66を中心に反時計方向に更に回転させる。この位置では、移動バー42の第2当接面90が室内の最後の列のバイアル87に接触してバイアルを室12から引き出し、バイアルが室12から取り出されるとき移動バー42の第2肩92は、最後の列のバイアル87が倒れるのを防止するのに役立つ。図7(d)に示す最後の列を出す位置では、移動バーは図7(a)に示す位置に戻され、第1当接面84と反対の移動バー42の面に位置した第3当接面94を、出されるべき室12の最後の棚から最後の列のバイアル87と接触させる。
【0029】
今図1に戻ると、室12に出し入れするためのアセンブリはまた、プッシャーコンベヤ24からバイアルを収集するための送り出しコンベヤ96を含む。適当な案内(図示せず)はこれらのコンベヤ間の平滑な移行を確保する。送り出しコンベヤ96は支持フレーム18の下に配置された調整可能な速度モータによって駆動される。
【0030】
図1に示すアセンブリを使用して室12に入れるための典型的なシーケンスを今説明する。コールド棚装入のために、異なる装入シーケンスを採用してもよい。
【0031】
先ず、スロットドア16を上昇させてバイアルを、室壁に形成されたスロットから室12の中へ挿入させる。ブリッジプレート38を図3に示す上昇位置から回転させて集積テーブル28と凍結乾燥機中間プレート40との間にブリッジを作る。装入されるべき第1棚14が装入位置に配置されているとき、中間プレート40を棚14にドッキングさせ、可動案内部材82を図6に示す展開位置に移動させる。
【0032】
充填ラインからのバイアルが、緩衝装置として作用する送り込みコンベヤ20に到着する。緩衝装置におけるバイアルの数が十分であることをセンサーが検出するとき、送り込みスターホイール22は所要数のバイアルを同期のプッシャーコンベヤ24に移送する。この機構はバイアルの直径公差によって引き起こされる線形誤差を除去する。装入用プッシャー26はバイアルの完全な列を集積テーブル28上の前のバイアルの列(もしあれば)に向かって前方に押し、1つのバイアルの直径に等しい分だけ群全体を前方に押す。棚14を満たすのに十分なバイアルの列を集合させたとき、装入用プッシャー26は群を押して集積テーブル28及びブリッジプレート38から離し、棚14上に群を位置させる。変形例として、コールド棚充填のために、バイアルを一列ずつプッシャーコンベヤ24から棚14へ直接押してもよいし、或いは、バイアルの多数列を一度に棚14へ押してもよい。
【0033】
装入用プッシャー26の引っ込み後、可動案内部材82を上昇させ、中間プレート40を棚14からドッキングを外し、ブリッジプレート38を回転させて凍結乾燥機が、装入のために次の空の棚を位置決めすることができる。棚が位置決めされている間に次の列のバイアルが集合されている。
【0034】
装入されるべき最後の棚までシーケンスを繰り返す。棚の全てにバイアルが装入されたとき、可動案内部材82を上昇させ、中間プレート40を引っ込め、ブリッジプレート38を上昇させ、スロットドア16を閉じる。
【0035】
図1に示すアセンブリを使用して室12から取り出すための典型的なシーケンスを今説明する。取り出し中ブリッジプレート38及び移動バー42の移動を、簡略のためにバイアル87単一列だけを示す図8(a)ないし8(i)に示す。
【0036】
先ず、スロットドア16を上昇させてバイアルを、室壁に形成されたスロットを通して室から取り出せるようにする。取り出されるべき第1棚14が装入位置に配置されていたとき、可動ガイド部材82を、図8(a)に示すように、展開位置に移動させる。次いで、ブリッジプレート38を、図8(a)に示す上昇位置から図8(b)に示す水平位置に回転させて集積テーブル28と凍結乾燥中間プレート40との間にブリッジを作り、中間プレート40を棚14にドッキングさせる。
【0037】
移動バーが図8(b)に示すように、上昇位置にあるので、各リールアセンブリ44のリボン46、48が同期して巻き解かれて移動バーを図8(c)に示すようにバイアル87の最後の列を超えて移動させる。次いで、移動バー42を図8(d)に示すように取り出し位置に下降させる。次いで、各リールアセンブリ44のリボン46、48を同期して巻いて移動バーの第2当接面90をバイアル列87に接触させ、バイアル群を室12からプッシャーコンベヤ24に向かって引っ張る。
【0038】
バイアルの最後の列がプッシャーコンベヤ24に到達したとき、移動バー42を図8(a)に示す上昇位置に戻す。可動案内部材82を上昇させ、中間プレート40をドッキング外しし凍結乾燥機が次の棚を、取り出しのために位置決めすることができるようにする。
【0039】
取り出されるべき最後の棚までサイクルが繰り返される。バイアル群からのバイアルの最後の列が図8(e)に示すように、集積テーブル28上に残っているとき、移動バー42を図8(f)に示す位置に上昇させ、図8(g)に示す位置まで室12に向かって移動させ、次いで、移動バー42を図8(h)に示すように、最後の列の取り出し位置に下げる。最後に、各リールアセンブリ44のリボン46、48を同期して巻いて最後の列87を、図8(i)に示すように、プッシャーコンベヤ24へ押す。可動案内部材82を上昇させ、中間プレート40を引っ込め、ブリッジプレート38を上昇させ、スロットドア16を閉じる。
【0040】
図1に示す実施形態では、移動バーはバイアルを室12から取り出すのにだけ使用される。図9に示す第2の実施形態では、移動バー42はバイアルを室12の中に入れるのにも使用される。この実施形態では、第1実施形態の動力作動機構34は、プッシャーバー32がバイアルの列をプッシャーコンベヤから集積テーブルへ移送するのに十分な、短い行程を有するように要求されるに過ぎないので、最早必要とされない。プッシャーバー32を移動させるための機構を支持フレーム18の下に具合よく収容してもよい。これは、凍結乾燥機の全設置面積のサイズの更なる減少をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】凍結乾燥機の第1実施形態の平面図である。
【図2a】図1の凍結乾燥機の中へ装入するために準備されたバイアル配列を示す図である。
【図2b】図1の凍結乾燥機の中へ装入するために準備されたバイアル配列を示す図である。
【図3】バイアルを図1の凍結乾燥機の中へ装入するための及び又はバイアルを凍結乾燥機から取り出すためのアセンブリの部分の斜視図である。
【図4】移動バーが下降位置にあって、バイアルを図1の凍結乾燥機の中へ装入するための及び又はバイアルを凍結乾燥機から取り出すためのアセンブリの部分の断面図である。
【図5】移動バーが上昇位置にあって、図4に示すアセンブリの部分の平面図である。
【図6】案内部材82を展開位置で示す、図3の同じ斜視図である。
【図7a】バイアルの装入及び凍結乾燥機からの取り出し中異なる位置におけるアセンブリの移動バーの側面図である。
【図7b】バイアルの装入及び凍結乾燥機からの取り出し中異なる位置におけるアセンブリの移動バーの側面図である。
【図7c】バイアルの装入及び凍結乾燥機からの取り出し中異なる位置におけるアセンブリの移動バーの側面図である。
【図7d】バイアルの装入及び凍結乾燥機からの取り出し中異なる位置におけるアセンブリの移動バーの側面図である。
【図8a】凍結乾燥機からのバイアルの取り出し中アセンブリの斜視図である。
【図8b】凍結乾燥機からのバイアルの取り出し中アセンブリの斜視図である。
【図8c】凍結乾燥機からのバイアルの取り出し中アセンブリの斜視図である。
【図8d】凍結乾燥機からのバイアルの取り出し中アセンブリの斜視図である。
【図8e】凍結乾燥機からのバイアルの取り出し中アセンブリの斜視図である。
【図8f】凍結乾燥機からのバイアルの取り出し中アセンブリの斜視図である。
【図8g】凍結乾燥機からのバイアルの取り出し中アセンブリの斜視図である。
【図8h】凍結乾燥機からのバイアルの取り出し中アセンブリの斜視図である。
【図8i】凍結乾燥機からのバイアルの取り出し中アセンブリの斜視図である。
【図9】凍結乾燥機の第2の実施形態の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアルを凍結乾燥機等の室の中へ装入し及び又は室から取り出すためのアセンブリであって、バイアルの移動を行なうためにバイアルに係合するための移動バーと、該バーを移動させるための手段と、を有しているものにおいて、移動手段は、細長い弾性部材の第1対及び第2対のコイルと、移動バーの各端がそれぞれの対のコイルに枢動自在に取り付けられるようにコイルを移動バーに連結するための手段と、移動バーの横移動を行うためにコイルを同期して巻き解くための及び移動バーを上昇させるために各対のコイルの一方を他方に対して選択的に巻き又は巻き解くための駆動手段と、を有することを特徴とする上記アセンブリ。
【請求項2】
駆動手段は、移動バーの横移動を行うために、各対のコイルを同期して回転させるための手段と、移動バーを上昇させるために各対のコイル間に相対的な回転運動を選択的に行わせるための手段と、を有する、請求項1によるアセンブリ。
【請求項3】
各コイルはそれぞれのスプールに巻かれ、駆動手段は、移動バーを移動させるためにスプールを回転させるように構成される、請求項1又は2によるアセンブリ。
【請求項4】
コイルをスプールに保持するための手段を有する、請求項3によるアセンブリ。
【請求項5】
保持手段はスプールの回りに延びる複数のローラからなる、請求項4によるアセンブリ。
【請求項6】
巻き解かれ中コイルの自由端を案内するための手段を有する、請求項1ないし5のいずれかによるアセンブリ。
【請求項7】
案内手段は、移動バーの両側に配置されたスロットからなり、各コイルの自由端はそれぞれのスロット内に配置される、請求項6によるアセンブリ。
【請求項8】
案内手段の少なくとも一部分は、展開位置と片付け位置との間で選択的に移動可能である、請求項6又は7によるアセンブリ。
【請求項9】
連結手段は、各々移動バーのそれぞれの端に取り付けられ且つ移動バーと実質的に直交して延びる第1及び第2連結部材からなる、請求項1ないし8のいずれかによるアセンブリ。
【請求項10】
各対の第1コイルは第1リンク部材を介して連結部材に取り付けられ、各対の第2コイルは第2リンク部材を介して連結部材に取り付けられる、請求項9によるアセンブリ。
【請求項11】
各第1コイルは、それぞれの第1リンク部材に固く取り付けられ、各第1リンク部材はそれぞれの連結部材に枢動可能に取り付けられる、請求項10によるアセンブリ。
【請求項12】
各第2コイルは、それぞれの第2リンク部材に固く連結され、各第2リンク部材は、第2リンク部材と連結部材の両方に枢動可能に取り付けられたそれぞれのアームを介してそれぞれの連結部材に枢動可能に取り付けられる、請求項10又は11によるアセンブリ。
【請求項13】
移動バーの上昇を行わせるために、第2コイルを第1コイルに対して巻き或いは巻き解く、請求項10ないし12のいずれかによるアセンブリ。
【請求項14】
移動バーの面は、室の装入中それによって係合されたバイアルを安定化させるための第1肩と、室の取り出し中それによって係合されたバイアルを安定化させるための第2肩と、を有する、請求項1乃至12のいずれかによるアセンブリ。
【請求項15】
各細長い部材は、弾性バンドからなる、請求項1ないし14のいずれかによるアセンブリ。
【請求項16】
各細長い部材は、板ばねからなる、請求項1ないし15のいずれかによるアセンブリ。
【請求項17】
室と、バイアルを室の中へ装入するための及び又はバイアルを室から取り出すための、請求項1乃至16のいずれかによるアセンブリと、を有する凍結乾燥機。
【請求項18】
アセンブリは、室に設けられたスロットを通してバイアルを室の中へ装入し及び又はバイアルを室から取り出すように構成されている、請求項17による凍結乾燥機。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図8D】
image rotate

【図8E】
image rotate

【図8F】
image rotate

【図8G】
image rotate

【図8H】
image rotate

【図8I】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2008−501597(P2008−501597A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526531(P2007−526531)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002191
【国際公開番号】WO2005/121671
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(591004445)ザ ビーオーシー グループ ピーエルシー (59)
【Fターム(参考)】