説明

凍結乾燥機

凍結乾燥機(10)は、長方形のスロットを有する室(12)を備え、バイアル(86)はこのスロットから室(12)の中へ挿入される。室(12)に出し入れするためのアセンブリが、スロットを横切って延び、室(12)の中へ挿入されるべきバイアルに係合するバー(32)を有する。バー(32)は、バー(32)を室(12)の中へそして室から外に横方向に移動させるための機構(34)に取り付けられる。バー(32)の引っ込み位置では、機構(34)の少なくとも一部は、スプロケット(106)の周りに巻かれる。スプロケット(106)の回転は、機構(34)を巻き解いてバー(32)を室(12)の中へ移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は凍結乾燥機等に出し入れするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
凍結乾燥機は、典型的には、凍結乾燥させるべき無菌材料を典型的に収容する複数の容器又はバイアルを受け入れるための凍結乾燥室を有する圧力容器を備える。バイアルの自動出し入れのために凍結乾燥室へのアクセスは、凍結乾燥室の壁又は主ドアに形成された長方形の開口、又はスロットを通してである。スロットは、凍結乾燥室とともに、スロットの回りに真空シールを形成するスロットドアによって閉鎖される。
【0003】
バイアルを凍結乾燥室の中へ挿入できるようにするために、スロットドアは、該スロットドアをガイドトラックにそって移動させることによってスロットに対して垂直方向に持ち上げられる。スロットドアと対向して設けられた装入機構は、バイアルをコンベヤから室の棚へ押す。バイアルは一列ずつ棚へ装入されてもよいし、一度に多数列棚へ装入されてもよいし、或いは、一度に完全な棚全部に装入されてもよい。引き続いて、装入機構は引っ込められ、スロットドアが閉じられてバイアルの内容物を凍結乾燥させることができる。引き続いてバイアルは、該バイアルが取り出し機構を使用して、典型的には、室の中に装入されるのと同じ方法で(一列ずつ又は棚ずつ)室から取り出される。
【0004】
薬剤凍結乾燥機は、通常クリーンルームに少なくとも一部収容され、装入及び取り出し機構は、クリーンルームに隣接した無菌環境、例えば、アイソレータ内に配置される。これらの装入及び取り出し機構のサイズは凍結乾燥機の設置面積の全体のサイズに大きく寄与する。無菌環境を維持するコストは、一般的には、サイズとともに増すから、典型的には、それぞれ床面積のほぼ2m2と1m2を必要とする在来の装入及び取り出し機構は、運営費を著しく増すことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の少なくとも好ましい実施形態の目的は、凍結乾燥機の全体の設置面積のサイズを著しく減じることができる凍結乾燥機の装入取り出し機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の面では、本発明は、バイアルを凍結乾燥機等の室の中へ装入し及び又は室から取り出すためのアセンブリを提供し、該アセンブリが、バイアルに係合するためのバーと、バイアルの横移動を行わせるための手段とを有するものにおいて、バーの引っ込み位置では、移動手段の少なくとも一部がホイールの周りに巻かれ、アセンブリが、移動手段をホイールから巻き解きそしてバーの移動を行わせるためにホイールを回転させるための駆動手段を有することを特徴とする。
【0007】
ここに使用されるように、用語「ホイール」は軸線を中心に回転できるどんな構造体をも含む。
【0008】
かくして、本発明は、バイアルを凍結乾燥機の室から取り出すための、又はバイアルを凍結乾燥機の室の中へ装入するためのコンパクトなアセンブリを提供することができ、このアセンブリは、凍結乾燥機の設置面積の全体のサイズを著しく減ずることができる。
【0009】
コンパクトなアセンブリを提供するために、バーの引っ込み位置では、バーの伸長位置におけるよりも移動手段のより大きな割合がホイールの周りに巻かれる。引っ込み位置では、移動手段は、好ましくは、ホイールの周りに少なくとも180°、もっと好ましくは、ホイールの周りに少なくとも270°巻かれる。
【0010】
移動手段の上記の少なくとも一部はホイールの周りに巻かれるチェーン又は他の複数のリンク部材からなり、チェーンは、バーに係合するためのプッシャーヘッドに取り付けられる。好ましい実施形態では、リンク部材は、互いにヒンジ連結され、そして管状部材の形態をなしており、管状部材は、その各端がそれぞれ隣接した管状部材にヒンジ連結される。この構造では、ホイールのための駆動手段に制御信号を供給するためのワイヤ又はこれに類する物を管状部材に具合よく通すことができる。
【0011】
ホイールは、好ましくは、チェーンのヒンジを受け入れるように輪郭付された複数の半径方向に延びた歯を有するスプロケットの形態をなしている。
【0012】
アセンブリは、好ましくは、スプロケットの回転中移動手段を案内するためのガイド手段を有する。ガイド手段は、チェーンの部材がスプロケットから巻き解かれるとき、チェーンの部材をバーに対して、例えばバーに対して直交して整列させるように構成される。ガイド手段は、スプロケットの少なくとも一部の周りに延びるガイドトラックを有し、チェーンはガイドトラックに係合するための複数のローラを担持する。例えば、各管状部材の一端に又は一端に向かってローラが設けられる。
【0013】
スプロケット及び駆動手段をアイソレータ等の無菌環境から隔絶するために、スプロケット及び駆動手段は、好ましくは、開口を有するハウジング内に配置され、移動手段は、ホイールの回転中、この開口を通過する。チェーンがスプロケットの回転で開口を通過するときチェーンを周囲大気から隔絶するベロー又はこれに類する物が設けられるのがよい。これらのベローは普通プラスチック材料で形成される。
【0014】
本発明は、また室及び上述したように少なくとも1つのアセンブリを有する凍結乾燥機を提供する。1つのアセンブリは、バイアルを室の中へ装入するため、室の一方の側に設けられ、もう1つのアセンブリは、バイアルを室から取り出すために室の他方の側に設けられるのがよい。
【0015】
本発明の好ましい特徴を今添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1を参照すると、凍結乾燥機10は、室(図1の平面に対して直交方向に伸びる)12を含み、該室12は、バイアルを室12の棚14に装入したり棚から取り出したりすることができるように、室12の前壁に形成されたスロット(図示せず)を有する。スロットは、室12に対して移動できるスロットドア16によって閉じることができる。室12は、多数の棚14を含み、該棚の各々は、棚ロケーション機構(図示せず)を使用して室12内で昇降させることができる。棚に装入するために、棚を、最初、室の下位置で急落させ、そして最も上の棚を先ず装入位置へ移動させる。その棚にバイアルが装入された後、機構が装入させた棚を自動的に上昇させて次の棚を装入位置に移動させることを可能にする。この移動シーケンスは、室の装入を完了させるまで続く。室から取り出すために、装入シーケンスを逆にし、最も下の棚から先ず取り出す。
【0017】
室12に出し入れするためのアセンブリはアイソレータキャビネット18内に配置された支持フレームによって支持された数個のモジュールで形成される。アセンブリは、充填機から受けたバイアルを凍結乾燥10に自動的に装入し、これらのバイアルを、引き続くキャップ付け機への搬送のために凍結乾燥機から自動的に取り出すことができる。
【0018】
支持フレームは凍結乾燥機10のフレームにボルト止めされ、且つアイソレータの床にボルト止めされる。支持フレームは強力なステンレススチールプレートで形成される。アイソレータ18内には、支持フレーム及び室に出し入れするためのアセンブリのモジュールの外面は、例えば、過酸化水素の蒸気を使用してその場所で清掃及び滅菌のために容易にアクセスできるように設計されている。
【0019】
室12に出し入れするためのアセンブリのモジュールを今説明する。
【0020】
送り込みコンベヤ20は、アイソレータの外側に配置された充填機(図示せず)から来るバイアルを収集し、バイアルを、支持フレームに取り付けられた送り込みスターホイールに運ぶ。適当な案内が、送り込みスターホイール22の正確な送りとともに、送り込みコンベヤ20と送り込みスターホイール22の間の円滑な移行を確保する。倒れを受ける小型のバイアルのために、送り込みスターホイール22の上流に、倒れたバイアルを排除する機械的な排除装置が設けられるのがよい。送り込みコンベヤ20は支持フレームの下に配置されたモータによって駆動される。
【0021】
送り込みスターホイール22は、送り込みコンベヤから受けたバイアルをプッシャーコンベヤ24に位置決めするのに役立つ。送り込みスターホイール22及びプッシャーコンベヤ24は支持フレームの下に配置されたそれぞれのサーボモータによって駆動される。送り込みスターホイール22の回転速度はプッシャーコンベヤ24の速度と同期させることができる。プッシャーコンベヤ24に対する送り込みスターホイール22の始動、加速、減速、及び停止の制御を使用して所要数のバイアルをプッシャーコンベヤ24に運び、且つこれらのバイアルのピッチを制御することができる。
【0022】
装入用プッシャー26がバイアルをプッシャーコンベヤ24から集積テーブル28へ押す。図2(a)に示すように、送り込みスターホイール22及びプッシャーコンベヤ24の移動は、プッシャーコンベヤに集積されたバイアルの各列がバイアルの幅の二分の一に等しい量だけ前の列から横にずらされるように制御することができる。これは、集積テーブル28上のバイアルの列の密集群を可能にすることができる。図2(b)に示すように、幅広い棚14に2つの別々のバイアルの群を装入するとき、送り込みスターホイール22は、バイアルの列に、棚ガイド30の幅に等しい幅の列の中間に隙間を形成することができる。図1を参照すると、装入用プッシャー26は、プッシャーバー32と、バイアルの一列を集積テーブル28上に押すためにプッシャーバー32を室12に向かって移動させるための且つバイアルの他の一列を集積させることができるようにプッシャーバー32を引き続いて引っ込めるための、プッシャーバー32に連結された動力作動機構34と、を有する。コールド棚装入のために、プッシャーバー32は、バイアルが集積テーブル28上に押されるときバイアルが倒れるのを防止する安全バー36を作動するための機構を備えるのがよい。
【0023】
図3ないし5を参照すると、プッシャーバー32を室に向かって移動させるための作動機構34は、プッシャーヘッド100と、スプロケット106の回りに巻かれたリンク部材104のチェーン102と、を含む。図3に示す実施形態では、チェーン102は、複数(図3には6個示されているが、チェーンは任意の数のリンク部材104)からなっていてもよい)の細長い管状部材104からなり、該管状部材は、その各端108、110がそれぞれの隣接した管状部材104にヒンジ連結されている。スプロケット106は、各々チェーン102のそれぞれのヒンジ114に係合するための複数の歯112を有する。管状部材104の端108、110は、チェーン102を一方向にのみ曲げることができるように設計されている。
【0024】
スプロケット106を回転させるためのモータが設けられている。スプロケット106及びモータは開口120を有するハウジング118内に収容され、機構34が図3に示す引っ込み位置にあるときプッシャーヘッド100はこの開口120を通して突出し、スプロケット106を回転させて管状部材を巻き解きそしてプッシャーバー32を室12の中へ移動させるとき、管状部材104は開口を通過する。機構34の伸長位置を図4に示す。管状部材104及びハウジング118内に保持された機構のその部分を隔絶するためのプラスチックベロー(図示せず)が設けられ、ベローの一端はハウジング118に取り付けられ、ベローの他端はプッシャーヘッド100に取り付けられているので、機構34が引っ込み位置から回転されるときベローは拡張する。ハウジングから無菌環境に物質の漏れがないことを確保するためにベローの一体性を周期的にテストするためのシステムが設けられるのがよい。プッシャーヘッド100及びスプロケット106の回転を制御するための制御信号をモータ116に伝達するためのワイヤ122が管状部材104の1つ又はそれ以上を通して供給される。
【0025】
機構34はまた、スプロケット106が回転されるときプッシャーヘッド100及び管状部材104の両方を案内するためのガイドを備える。これは、プッシャーバー32が室12の中へ移動されるとき、機構34をプッシャーバー32に対して正確に整列させることを確保することができる。ガイドは、管状部材104がスプロケット106から巻き解かれるとき最初にプッシャーヘッド100、次いで、管状部材104をヲン内するためのローラ124と、図3に示すように、スプロケット106の回転中管状部材104をローラ124に対して整列させるための、少なくとも部分的にスプロケット106の回りに延びるガイドトラック126と、からなる。各管状部材104はその一端に、ガイドトラック126に係合するためのローラ128を担持する。
【0026】
機構が、ホーム位置、完全伸長位置及び完全引っ込み位置のうちの1つにあることを、スプロケット106に設けられた検出点の存在を感知することによって、検出するための
多数のセンサー130も設けられている。
【0027】
図5は、幅広いプッシャーバーを移動させるための複作動機構を示す。この機構は、各々それぞれのスプロケット106に設けられた2列の管状部材を有し、スプロケット106は単一のモータ116で同期して回転される。
【0028】
図1に戻ると、集積テーブル28は、プッシャーコンベヤ24に隣接して配置された固定プレート40であり、且つバイアルを、装入すべき棚14の上にプッシャーコンベヤ24から移動させることができるブリッジプレートモジュールの一部をなしている。ブリッジプレートモジュールはブリッジプレート38及び中間プレート40を更に含む。
【0029】
図6に示すように、中間プレート40は、棚14の装入位置と同じレベルで凍結乾燥機室12内に配置され、そして一杯になった又は空になった棚14を室12内で上昇させ又は下降させることができるように装入位置でその棚14から水平方向に自動的に遠ざけることができる。棚はダボ等のような手段を備え、該ダボは中間プレート40の対応する穴又は凹部に係合して、棚が装入位置へ操作されるとき棚14と中間プレート40との間の正確な水平整列を確保する。
【0030】
ブリッジプレート38は集積テーブル28と中間プレート40との間に配置される。ブリッジプレート38は、集積テーブル28及び中間プレート40に対して図3に示す上昇位置から回転させることができるので、ブリッジプレート38の一部がスロットを通して室12の中へ延び、ブリッジプレート38を室12内の中間プレート40および室12の外側の集積テーブル28の両方と合致且つ整列させることができる。ブリッジプレート38及び中間プレート40は、ブリッジプレートを回転させて中間プレート40との位置にさせるとき互いに合う輪郭縁を有する。ブリッジプレートを38を回転させ且つ中間プレート40を水平に移動させるための機構がブリッジプレート38の下に配置される。ブリッジプレート38の上昇位置への回転によりスロットドア16を閉じることができる。
【0031】
図6はまたアセンブリの移動バー42を示す。この移動バーは、図1に示す態様では、室12から取り出すのに役立つ。移動バー42は実質的に棚14の幅延びており、そして各端が移動バー42の室12への及び室からの移動を行なわせるための及び移動バー42を昇降させるためのリールアセンブリ44に連結される。各リールアセンブリ44は2つのステンレススチールスプリングリボン46、48を有する。各上(図7に示すように)リボン46は上ドラム50に巻かれ、各下リボン48は下ドラム52に巻かれ、各リールアセンブリ44の上下ドラム50、52は同軸である。図5をも参照すると、リボン46、48は、ドラム50、52の回りに延び且つ固定部材60によって駆動軸58に連結された取付けプレート56から垂下するローラ54によってドラム上に保持される。
【0032】
各リールアセンブリ44のリボン46、48の自由端は、移動バー42に取り付けられ且つ移動バーから実質的に直交して延びる連結部材62を介して移動バー42に連結される。下リボン48の自由端は第1リンク部材64に固く取り付けられ、第1リンク部材64は、ピボット66を介して連結部材62に枢動自在に取り付けられている。上リボン46の自由端は、第2リンク部材68に固く取り付けられる。第2リンク部材68は、ピボット72を介してリンクアーム70に枢動自在に取り付けられ、リンクアームはピボット74を介して連結部材62に枢動自在に取り付けられる。
【0033】
コイルがドラムから巻き解かれるとき第1及び第2リンク部材68、64の移動は、移動バー42の各側に配置された案内部材76、78、80、82によって案内される。各案内部材は上下スロットを有し、第1リンク部材68、かくして上リボンの自由端の移動は上スロットによって案内され、第2リンク部材、かくして下リボン48の移動は下スロットによって案内される。案内部材76は集積テーブル28の側面に取り付けられ、案内部材78はブリッジプレート38の側面に取り付けられ、案内部材80は中間プレート40の側面に取り付けられている。この実施形態では、案内部材82は、棚14を室12内で昇降させるため、案内部材が棚14から間隔を隔てられる、図3に示す片付け位置と、案内部材82が案内部材80と同一線状である、図6に示す展開位置との間で移動できる。変形例として、案内部材82は固定されてもよい。案内部材76、78、80、82は又、バイアルの列が室12の中に装入されたり室から取り出されたりするときバイアルの列を案内するのに役立つ。
【0034】
リールアセンブリ44の駆動軸58は、支持フレーム18の下に配置された共通のサーボモータに連結される。各駆動軸58はそれぞれのリールアセンブリ44の上ドラム50に直接連結され、ドラム50、52は、上ドラム50の回転により、アセンブリ44の両ドラム50、52を同期して回転させるように構成されている。これにより、上下リボン46、48を同時にドラム50、52から巻き解かれたり、ドラムに巻いたりして移動バー42を室12の中へ移動させたり室から外に移動させたりすることができる。下ドラム52はまた、例えば、支持フレーム18の下に設けられた短行程空気シリンダによって、又はサーボモータによって上ドラムと独立に回転されて移動バー42の下降及び上昇を行わせても良い。
【0035】
今図1に戻ると、室12に出し入れするためのアセンブリはまた、プッシャーコンベヤ24からバイアルを収集するための送り出しコンベヤ96を含む。適当な案内(図示せず)はこれらのコンベヤ間の平滑な移行を確保する。送り出しコンベヤ96は支持フレーム18の下に配置された調整可能な速度モータによって駆動される。
【0036】
図1に示すアセンブリを使用して室12に入れるための典型的なシーケンスを今説明する。
【0037】
先ず、スロットドア16を上昇させてバイアルを、室壁に形成されたスロットから室12の中へ挿入させる。ブリッジプレート38を図3に示す上昇位置から回転させて集積テーブル28と凍結乾燥機中間プレート40との間にブリッジを作る。装入されるべき第1棚14が装入位置に配置されているとき、中間プレート40を棚14にドッキングさせ、可動案内部材82を図6に示す展開位置に移動させる。
【0038】
充填ラインからのバイアルが、緩衝装置として作用する送り込みコンベヤ20に到着する。緩衝装置におけるバイアルの数が十分であることをセンサーが検出するとき、送り込みスターホイール22は所要数のバイアルを同期のプッシャーコンベヤ24に移送する。この機構はバイアルの直径公差によって引き起こされる線形誤差を除去する。装入用プッシャー26はバイアルの完全な列を集積テーブル28上の前のバイアルの列(もしあれば)に向かって前方に押し、1つのバイアルの直径に等しい分だけ群全体を前方に押す。棚14を満たすのに十分なバイアルの列を集合させたとき、装入用プッシャー26は群を押して集積テーブル28及びブリッジプレート38から離し、棚14上に群を位置させる。変形例として、コールド棚充填のために、バイアルを一列ずつプッシャーコンベヤ24から棚14へ直接押してもよいし、或いは、バイアルの多数列を一度に棚14へ押してもよい。
【0039】
装入用プッシャー26の引っ込み後、可動案内部材82を上昇させ、ブリッジプレート38を回転させて凍結乾燥機が、装入のために次の空の棚を位置決めすることができる。棚が位置決めされている間に次の列のバイアルが集合されている。
【0040】
装入されるべき最後の棚までシーケンスを繰り返す。棚の全てにバイアルが装入されたとき、可動案内部材82を上昇させ、中間プレート40を引っ込め、ブリッジプレート38を上昇させ、スロットドア16を閉じる。
【0041】
上記の実施形態では、移動バー42を使用してバイアルを室12から引き続いて取り出す。図8に示す第2実施形態では、バイアルを室12から取り出すための第2プッシャーバー32a及び作動機構34aが、室12の両側に設けられる。凍結乾燥工程中プッシャーバー32aが室12内に配置されるから、プッシャーバー歯、典型的な凍結乾燥状態、即ち80℃までの温度の水及び121℃までの温度の蒸気に耐えることができる材料で形成される。プッシャーバー32aが完全引っ込み位置にあるとき、凍結乾燥機の環境から、室12の中へ延びる機構34aのプッシャーヘッドのその部分を隔絶するためのステンレススチール製ベロー(図示せず)も設けられている。その上、この実施形態では、可動ガイド部材98は、バイアルが室に出し入れされるときバイアルを案内するための、各棚14に固定された同様な形状のガイド部材98で置き換えられる。
【0042】
図8に示すアセンブリを使用して室12から取り出すための典型的なシーケンスを今説明する。先ず、スロットドア16を上昇させてバイアルを室壁に形成されたスロットを通して室12から取り出す。装入されるべき第1棚14が装入位置に配置されていたとき、中間プレート40を棚14にドッキングする。次いでブリッジプレート38を水平位置に回転させて、集積プレート28と凍結乾燥機中間プレート40との間にブリッジを作る。次いで、機構34aのスプロケットを回転させてプッシャーバー32aがバイアル群を室12からプッシャーコンベヤ24の上に押し出すようにする。次いで、プッシャーバー32aを引っ込め、中間プレート40をドッキング外しし、凍結乾燥機は次の棚を取り出しのために位置決めすることができる。サイクルは、最後の棚からバイアルが取り出されるまで繰り返され、ブリッジプレート38を上昇させ、スロットドア16を下げてスロット閉じる。
【0043】
要するに、凍結乾燥機は、長方形のスロットを有する室を有し、バイアルをこのスロットから室の中へ挿入する。室に装入するためのアセンブリは、スロットを横切って延び、室の中へ挿入されるべきバイアルに係合するバーを有する。このバーは、バーを室の中へ及び外に横方向に移動させるための機構に取り付けられる。バーの引っ込み位置では、機構の少なくとも一部はスプロケットの周りに巻かれる。スプロケットの回転は機構を巻き解いてバーを室の中へ移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】凍結乾燥機の第1実施形態の平面図である。
【図2a】図1の凍結乾燥機の中へ装入するために準備されたバイアル配列を示す図である。
【図2b】図1の凍結乾燥機の中へ装入するために準備されたバイアル配列を示す図である。
【図3】図1の凍結乾燥機のプッシャーバーのための作動機構の側面であって、作動機構が引っ込み状態にある図である。
【図4】図3の作動機構の伸長状態における側面図である。
【図5】図3及び4に示す作動機構と同様のものであるが、プッシャーバーのための作動機構の背面図である。
【図6】バイアルを図1の凍結乾燥機から取り出すためのアセンブリの一部の斜視図である。
【図7】移動バーが下降位置にあって、バイアルを図1の凍結乾燥機の中へ装入するための及び又は図1の凍結乾燥機から取り出すためのアセンブリの一部の断面図である。
【図8】凍結乾燥機の第2実施形態の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアルを凍結乾燥機等の室の中へ装入し及び又は室から取り出すためのアセンブリであって、該アセンブリが、バイアルに係合するためのバーと、バイアルの横移動を行わせるための手段とを有するものにおいて、バーの引っ込み位置では、移動手段の少なくとも一部がホイールの周りに巻かれ、アセンブリが、移動手段をホイールからまき解きそしてバーの移動を行わせるためにホイールを回転させるための駆動手段を有することを特徴とする、上記アセンブリ。
【請求項2】
引っ込み位置では、移動手段は、ホイールの周りに少なくとも180°巻かれる、請求項1によるアセンブリ。
【請求項3】
引っ込み位置では、移動手段は、ホイールの周りに少なくとも270°巻かれる、請求項2によるセンブリ。
【請求項4】
移動手段の上記の少なくとも一部はホイールの周りに巻かれるチェーン又は他の複数のリンク部材からなる、請求項1ないし3のいずれかによるアセンブリ。
【請求項5】
リンク部材は、ヒンジ連結される、請求項4によるアセンブリ。
【請求項6】
各ヒンジ連結された部材は管状部材からなり、該管状部材は、その各端がそれぞれ隣接した管状部材にヒンジ連結される、請求項5によるアセンブリ。
【請求項7】
制御信号を駆動手段に供給するための手段を有し、該供給手段は管状部材の少なくとも1つを通過する、請求項6によるアセンブリ。
【請求項8】
ホイールは、ヒンジ連結された部材のヒンジに係合するための手段を有する、請求項5ないし7のいずれかによるアセンブリ。
【請求項9】
係合手段は、チェーンのヒンジを受け入れるように輪郭付された複数の半径方向に延びた歯からなる、請求項8によるアセンブリ。
【請求項10】
スプロケットの回転中移動手段を案内するためのガイド手段を有する、請求項1ないし9のいずれかによるアセンブリ。
【請求項11】
ガイド手段は、移動手段をバーに対して整列させるように構成されている、請求項10によるアセンブリ。
【請求項12】
ガイド手段は、ホイールの少なくとも一部の周りに延びるガイドトラックを有する、請求項10又は11によるアセンブリ。
【請求項13】
移動手段はガイドトラックに係合するための複数のローラからなる、請求項12によるアセンブリ。
【請求項14】
ホイールは開口を有するハウジング内に配置され、移動手段は、ホイールの回転中、この開口を通過する、請求項1ないし13のいずれかによるアセンブリ。
【請求項15】
移動手段の少なくとも一部を周囲大気から隔絶するための手段を有する、請求項1ないし14のいずれかによるアセンブリ。
【請求項16】
室と、バイアルを室の中へ装入し及び又はバイアルを室から取り出すための、請求項1ないし15のいずれかによる少なくとも1つのアセンブリと、を有する凍結乾燥機。
【請求項17】
アセンブリ又は各アセンブリは、室に、該室に設けられたスロットを通して出し入れするように構成されている、請求項16によるアセンブリ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−501598(P2008−501598A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526534(P2007−526534)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002209
【国際公開番号】WO2005/121672
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(591004445)ザ ビーオーシー グループ ピーエルシー (59)
【Fターム(参考)】