処置具
【課題】臓器各部への処置部の位置決め作業を容易にするとともに、安定的に位置決め状態に維持することができ、正確な位置に処置する。
【解決手段】先端に処置部を備える硬性の棒状の挿入部2と、該挿入部2の基端に固定され操作者によって把持され、操作される操作部3とを備え、挿入部2が、直線状に延びる本体部8と、該本体部8の先端に該本体部8に対して一方向に湾曲する第1の湾曲部9と、該第1の湾曲部9よりも先端側において該第1の湾曲部9とは逆方向に湾曲する第2の湾曲部10とを備え、処置部が、本体部8の長手軸に対して傾斜して配置されている処置具1を提供する。
【解決手段】先端に処置部を備える硬性の棒状の挿入部2と、該挿入部2の基端に固定され操作者によって把持され、操作される操作部3とを備え、挿入部2が、直線状に延びる本体部8と、該本体部8の先端に該本体部8に対して一方向に湾曲する第1の湾曲部9と、該第1の湾曲部9よりも先端側において該第1の湾曲部9とは逆方向に湾曲する第2の湾曲部10とを備え、処置部が、本体部8の長手軸に対して傾斜して配置されている処置具1を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処置具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、心臓等の臓器に薬剤等を注射し、あるいは、組織表面を焼灼処理等するための処置具としては、内視鏡の鉗子チャネルを介して患者の体内に導入される柔軟なカテーテルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。カテーテルとしては、中空のチューブ状に形成され、その先端に注射針を備え、基端に、注入材料が収容されたシリンジが接続されたものや、先端に電極を配置し、内部を通して配線されたケーブルによって電極間に電力供給する構造のものが知られている。
【0003】
例えば、臓器としての心臓の表面に注入材料の注射や焼灼処理等の処置を施す場合には、剣状突起の下部から皮膚を貫通して心膜腔内に導入した内視鏡の先端開口から鉗子チャネルを介して導入したカテーテルの先端を突出させ、カテーテルの先端に設けた注射針や電極を心臓の表面に適用することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2793884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、心臓表面への注射や焼灼は、体外に露出している内視鏡の基端側を操作して注射針や電極を位置決めする必要があり、内視鏡が軟性内視鏡である場合には、挿入部の柔軟性のために、挿入部の先端側の動作を基端側の操作に追従させ難く、正確な位置に処置することが困難であるという不都合がある。
一方、内視鏡が硬性内視鏡である場合には、挿入部の先端側の動作を基端側の操作に追従させることはできる。
【0006】
しかしながら、外側に凸の曲面を有する立体的な臓器の各部に挿入部の先端を安定的に配置することが困難であるという不都合がある。すなわち、硬性内視鏡の場合には、挿入部の形状が変化しないため、臓器の表面に接触するのは挿入部の先端の1点のみに限られる。このため、位置決めに際してガイドとして利用するものがなく、各位置への位置決めを独立して別個に行う必要があり、その位置決め作業は困難となる。特に、心臓のように脈動する臓器の場合には、一の部位の処置後に挿入部の先端を臓器から離してしまうと、次の部位への位置決めは極めて困難である。
【0007】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、臓器各部への処置部の位置決め作業を容易にするとともに、安定的に位置決め状態に維持することができ、正確な位置に処置することができる処置具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、先端に処置部を備える硬性の棒状の挿入部と、該挿入部の基端に固定され操作者によって把持され、操作される操作部とを備え、前記挿入部が、直線状に延びる本体部と、該本体部の先端に該本体部に対して一方向に湾曲する第1の湾曲部と、該第1の湾曲部よりも先端側において該第1の湾曲部とは逆方向に湾曲する第2の湾曲部とを備え、前記処置部が、前記本体部の長手軸に対して傾斜して配置されている処置具を提供する。
【0009】
本発明によれば、操作者が操作部を把持して挿入部を患者の体内に挿入する。挿入部は硬性の棒状に形成されているので、操作者は、本体部の長手軸を挿入方向の目安として、挿入部先端に備えられた処置部の位置を推定しながら挿入することができる。
【0010】
挿入部の先端に設けられた第1の湾曲部は、本体部から一方向に湾曲しているので、本体部の先端に凸部が形成され、該凸部を体内の臓器等に突き当てることができる。凸部を突き当てることにより、本体部が、挿入部の基端側の操作部と凸部の2点によって支持されることになり、処置部の位置を安定させることができる。
【0011】
処置部は、第1の湾曲部を逆方向に湾曲させた第2の湾曲部の先端に設けられているので、第1の湾曲部よりも前方に配置されている臓器等の表面に指向させられる。処置部は本体部の長手軸に対して傾斜しているので、処置部は臓器等の表面に対しても傾斜して配置されることになる。特に、処置部が注射針である場合には、臓器等の表面に対して垂直ではなく、かつ、浅すぎない角度をなした方向から注射針を穿刺することが可能となり、操作性を向上することができる。
【0012】
また、凸部を臓器等に突き当てた状態で、操作者が操作部を本体部の長手軸回りに回転させることにより、凸部を支点として処置部を本体部の長手軸回りに移動させることができる。すなわち、処置しようとする臓器に対して処置部を安定させたまま移動させることができ、複数箇所にわたって正確な位置に処置することができる。
【0013】
上記発明においては、前記操作部が、前記本体部の長手軸を略延長する方向に延びるハンドルを備えていてもよい。
このようにすることで、操作者がハンドルを把持すると、人差し指から小指の並びの方向に本体部の長手軸が配置される。したがって、操作者は、ハンドルを把持して、指の並び方向に力を加えるだけで、挿入部に、挿入力を容易に伝えることができ、また、ハンドルを把持した手の手首を曲げるだけで、挿入部を本体部の長手軸回りに回転させることができる。
【0014】
また、上記発明においては、前記操作部が、前記ハンドルを把持した状態の操作者の手の人差し指によって操作可能な位置に設けられたスイッチを備え、前記処置部が、前記スイッチの操作によって駆動されてもよい。
このようにすることで、操作者が、いずれかの手でハンドルを把持した状態でも、その手の人差し指は、自由に動かすことができ、その位置に設けられたスイッチを人差し指で操作することにより、処置部を駆動することができる。
【0015】
また、上記発明においては、前記スイッチが、前記ハンドルに揺動可能に設けられたレバーであってもよい。
このようにすることで、操作者は、ハンドルを把持した手の人差し指によってハンドルに対してレバーを揺動させることにより、処置部を容易に操作することができる。
【0016】
また、上記発明においては、前記挿入部が、一平面内において湾曲する形状を有し、前記レバーが、前記平面に交差する他の平面内において揺動可能に設けられていてもよい。
このようにすることで、レバーを操作する際の手の甲の向きと、処置部を駆動する平面とを異ならせることができる。例えば、仰向けに寝ている患者の剣状突起下部から挿入部を心嚢膜内に挿入して心臓の治療を行う際等に、操作者が患者の右側に立って、右手でハンドルを把持すると、右手の甲が上向きとなった状態となり、挿入部の挿入作業を容易に行うことができる。
【0017】
そして、この状態で、左心室前壁の表面に対して適正な角度をなして処置部を配置することができ、レバーの操作で処置部を容易に駆動することができる。操作者は、このときの右手の状態を中心として、右手首を広い範囲にわたって無理なく曲げることができ、それによって、処置部の可動範囲を大きく確保して、無理な姿勢を取ることなく処置を行うことができる。
【0018】
また、上記発明においては、前記挿入部が配される平面と前記レバーが揺動する平面とが直交していてもよい。
このようにすることで、上記の場合には右手の甲が上向きになった状態で、挿入部を鉛直面内に配置することができる。
【0019】
また、上記発明においては、前記挿入部が、中空のチューブ状に形成されるとともに、先端に注射針を取り付けた柔軟なチューブを、長手方向に移動可能に挿入し、前記処置部が、前記挿入部の先端から前記注射針を出没させる開口部を備え、前記レバーに、前記チューブを固定し、前記挿入部の長手方向に移動させられる固定部が設けられていてもよい。
【0020】
このようにすることで、固定部に固定されたチューブをレバーの操作によって移動させ、挿入部内に挿入されている注射針を挿入部の長手方向に移動させて、挿入部の先端の開口部から出没させ、臓器等の表面に対し注射針を刺して、容易に処置を行うことができる。
【0021】
また、上記発明においては、前記処置部が、前記挿入部の先端に開口する開口部を備え、前記挿入部が、中空のチューブ状に形成されるとともに、先端に一対の電極を取り付けた柔軟なカテーテルを、その先端の電極を前記開口部から突出させた状態に収容し、前記スイッチが、前記電極間に供給する電圧のオンオフを行ってもよい。
【0022】
このようにすることで、挿入部先端の開口部からカテーテル先端の一対の電極を突出させ、突出した一対の電極を臓器等の表面に接触させた状態で、スイッチの操作によって電極間に電圧を供給し、臓器等の表面の焼灼あるいは電気刺激等の処置を容易に行うことができる。
【0023】
また、上記発明においては、前記本体部の前記第1の湾曲部に、該第1の湾曲部の曲率を変化させる可動部が設けられ、前記操作部に、前記可動部を作動させる操作部材が設けられていてもよい。
このようにすることで、操作部に設けた操作部材を操作することによって、可動部により第1の湾曲部の曲率を変化させ、挿入部の先端部の方向を所望の方向に変更して、適正な角度で臓器等の表面に処置部を近接させることができる。
【0024】
また、上記発明においては、前記本体部の前記第2の湾曲部に、該第2の湾曲部の曲率を変化させる可動部が設けられ、前記操作部に、前記可動部を作動させる操作部材が設けられていてもよい。
このようにすることで、操作部に設けた操作部材を操作することによって、可動部により第2の湾曲部の曲率を変化させ、挿入部の先端部の方向を所望の方向に変更して、適正な角度で臓器等の表面に処置部を近接させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、臓器各部への処置部の位置決め作業を容易にするとともに、安定的に位置決め状態に維持することができ、正確な位置に処置することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る処置具を示す(a)正面図、(b)挿入部の側面図である。
【図2】図1の処置具の挿入部先端の内部構造を示す(a)処置デバイスが格納された状態、(b)処置デバイスが突出させられた状態の部分的な縦断面図である。
【図3】図1の処置具に備えられた固定部の(a)処置デバイスの固定前の状態、(b)処置デバイスの固定後の状態をそれぞれ示す図である。
【図4】図1の処置具を用いた心臓の治療を説明する図である。
【図5】図1の処置具において、(a)挿入部先端が臓器の表面に接触した状態、(b)挿入部の先端から注射針が突出して臓器に穿刺された状態をそれぞれ示す図である。
【図6】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図7】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図8】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図9】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図10】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図11】図1の処置具の第2の湾曲部に可動部を設けた変形例を示す図である。
【図12】図1の処置具の第1の湾曲部に可動部を設けた変形例を示す図である。
【図13】図1の処置具の挿入部とハンドルとの角度を変更した変形例を示す図である。
【図14】図1の処置具の挿入部とハンドルとの角度を可変にした変形例を示す図である。
【図15】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図16】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図17】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図18】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図19】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図20】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図21】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る処置具1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る処置具1は、図1に示されるように、硬性の棒状の挿入部2と、該挿入部2の基端に固定され操作者によって操作される操作部3とを備えている。
【0028】
挿入部2は、図2に示されるように、中空に形成されていて、内部に軟性の処置デバイス4を移動可能に挿入することができるようになっている。処置デバイス4は、例えば、図2に示されるように、細長いカテーテル5と、該カテーテル5の先端に取り付けた硬質の注射針6と、カテーテル5の基端に取り付けた薬液や幹細胞等を収容したシリンジ7とを備えている。
【0029】
挿入部2は、図1に示されるように、基端側から先端に向かって直棒状に形成された本体部8と、該本体部8の先端において、一方向に湾曲した第1の湾曲部9と、該第1の湾曲部9よりも先端側において、第1の湾曲部9とは逆方向に湾曲する第2の湾曲部10とを備えている。第1の湾曲部9によって本体部8の先端に肩部11が形成されている。
【0030】
第1の湾曲部9および第2の湾曲部10は、基端側から直棒状に延びてきた本体部8を同一平面(以下、湾曲平面という。)内において2回湾曲させることにより構成されている。これにより、第2の湾曲部10よりも先端側に配置されている挿入部2の先端(処置部)2aは、本体部8の長手軸に対して所定の角度をなして配置されるようになっている。ここで、所定の角度は、例えば15〜60°である。
【0031】
処置をする対象臓器Aが心臓である場合に、処置として心臓の表面への注射を行う場合には注射針6による穿刺角度が浅すぎると注射針6が心臓の表面に刺さらず、穿刺角度が大きすぎると心内まで貫通してしまう場合があるため、上記角度範囲に設定されていることが好ましい。
【0032】
第1の湾曲部9および第2の湾曲部10の曲率は、内部を移動させられる軟性の処置デバイス4の有する硬質部分である注射針6が、スムーズに移動可能となるように設定されているとともに、特に、第2の湾曲部10の曲率半径は、処置しようとする対象臓器Aの外面の曲率半径より小さくなるように設定されている。これにより、図5に示されるように、第1の湾曲部を対象臓器Aの表面に接触させた状態で、第2の湾曲部を対象臓器Aの表面から離間させることができ、対象臓器Aの表面近傍に処置空間を確保することができる。
【0033】
例えば、対象臓器Aが心臓(以下、心臓Aとも言う。)である場合、心臓Aと心膜との間に挿入した挿入部2の第1の湾曲部9を心臓A表面に接触させ、第2の湾曲部10によって心膜を心臓Aから離間させる方向に押して、処置空間を確保することができる。ただし、心臓Aと心膜との隙間を広げ過ぎてしまうと心タンポナーデ等の合併症を引き起こすことも考えられるため、本体部8から第2の湾曲部10の最大離間距離は30mm以下に抑えることが好ましい。
【0034】
操作部3は、図1に示されるように医師等の操作者によって把持されるハンドル12と、該ハンドル12に揺動可能に設けられたレバー(スイッチ)13とを備えている。ハンドル12は、例えば、右手によって把持し易い形状および寸法を有している。ハンドル12は、挿入部2の本体部8の長手軸のほぼ延長上に延びて配置されており、ハンドル12を右手で順手で把持すると、右手の人差し指から小指の並びの方向に本体部8が延びるように配置されている。
【0035】
レバー13は、ハンドル12を把持した右手の人差し指に対応する位置に、揺動可能に設けられている。操作者は、挿入部2の長手方向に沿う挿入時には、5指全ておよび掌でハンドル12を把持して力を込めることができる一方、処置デバイス4による処置時には、人差し指を除く4指および掌でハンドル12を把持しつつ、人差し指によってレバー13を揺動操作することができるようになっている。
【0036】
レバー13には、固定部14が固定されている。固定部14は、レバー13の揺動に伴って、本体部8の基端側に開口している開口部(図示略)に対し、近接または離間する方向に移動させられるようになっている。
【0037】
固定部14は、図3に示されるように、組み合わせ可能な2つの部材14a,14bを備え、これらの部材14a,14bに設けられた曲面14c,14d間に処置デバイス4のカテーテル5の途中位置を挟み込むことにより、処置デバイス4を固定することができるようになっている。すなわち、固定部14にカテーテル5の途中位置を固定した状態で、レバー13を揺動させると、処置デバイス4がその長手方向に押し引きされて、先端の注射針6が挿入部2の先端開口2bから出没させられるようになっている。
また、図1に示されるように、操作部3に設けられたレバー13の揺動平面は、挿入部2の湾曲平面に対して直交する方向に配置されている。
【0038】
このように構成された本実施形態に係る処置具1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る処置具1を用いて対象臓器A、例えば、心臓に処置を施すには、図4に示されるように、操作者Bは、右手でハンドル12を把持することにより処置具1を保持した状態で、ベッドCに仰向けに寝ている患者Dの右手側に立ち、剣状突起下部から心膜腔内まで患者Dのほぼ正中線に沿って頭側方向に貫通配置したシースEを介して、挿入部2の先端を心膜腔内まで挿入する。すなわち、右手の甲が上向きになるように手首を伸ばして全ての指および掌で順手に把持したハンドル12を挿入部2の先端方向に向けて押すことにより、容易に挿入部2先端を心臓Aまで誘導することができる。場合によっては、左手でシースEまたは挿入部2を保持する。
【0039】
シースEを介して心膜腔内に誘導された挿入部2の先端部2aは、図5に示されるように、心臓Aの表面に接触させられる。この場合に、挿入部2には、直棒状の本体部8の先端に第1の湾曲部9によって肩部11が形成されているので、肩部11を心臓Aの表面に接触させることにより、挿入部2は、当該接触部と体外のハンドル12との2点によって安定的に支持される。そして、心臓Aと肩部11との接触点を支点として、ハンドル12の位置および本体部8の長手軸回りの角度を操作することにより、挿入部2の先端部2aを心臓Aの表面の異なる位置に配置することができる。
【0040】
その後、図5(a)に示されるように、挿入部2の先端部2aを心臓Aの表面に接触させると、挿入部2は、第1の湾曲部9による肩部11と先端部2aとの2箇所によって心臓Aの表面に接触することとなり、挿入部2の姿勢をより安定させ、より精密な処置を行うことが可能となる。
そして、この状態で、操作者Bがハンドル12に設けられたレバー13を右手の人差し指で引くことにより、固定部14を挿入部2の基端側に近接させる方向に移動させて、処置デバイス4のカテーテル5を押して、図5(b)に示されるように、カテーテル5先端の注射針6を挿入部2の先端開口2bから突出させる。
【0041】
これにより、注射針6が心臓Aの表面に対して適正な角度で突出させられて心臓Aの表面に穿刺されるので、操作者Bが、左手でシリンジ7を操作して薬液等を注入することにより、適正な処置を行うことができる。そして、ハンドル12の位置および角度を変更しながらレバー13の操作とシリンジ7の操作とを繰り返すことにより、心臓A表面の所望の複数箇所に薬液を注入する処置を安定的に施すことができる。
【0042】
心臓Aの表面に接触した挿入部2の先端部2aからは心臓Aの拍動が挿入部2を介して操作者Bの手元まで伝わってくる。また、呼吸による胸郭・横隔膜の動きも挿入部2に影響し、挿入部2を思うように動かせない条件下でも、例えば、左心室の心筋梗塞部位と正常部位との境界領域に数mm間隔で薬液や幹細胞を注入する等の処置を正確に行う必要がある。
【0043】
本実施形態に係る処置具1によれば、対象臓器A各部への挿入部2の先端部2aの位置決め作業を容易にするとともに、安定的に位置決め状態に維持することができ、正確な位置に処置することができるという効果を奏する。
【0044】
なお、本実施形態においては、処置デバイス4としてカテーテル5の先端に注射針6を有するものを例示したが、これに限定されるものではなく、カテーテル5の先端に電極(図示略)を有し、対象臓器Aを焼灼するアブレーションカテーテルを採用してもよい。
【0045】
また、挿入部2の先端部2aに互いに絶縁された一対の電極(図示略)を設け、注射針6を有するカテーテル5によって薬液や幹細胞等を注入した後に、高周波電流によって注入孔を焼灼することで薬液や幹細胞等の漏出を防止することとしてもよい。注入孔の焼灼手段としては、電極の代わりに光照射により焼灼するものを採用してもよい。また、焼灼時の対象部位の温度過上昇を防ぐ目的で、挿入部2に生理食塩水等を冷却媒体として環流させる冷却機構(図示略)を設けてもよい。
【0046】
また、挿入部2としては、内部に処置デバイス4を移動可能に挿入する中空構造のものを例示したが、これに代えて、中実のものを採用してもよい。すなわち、先端に電極(図示略)等の処置部を有し、対象臓器Aに2点で接触する湾曲形状を有する硬性の処置デバイス自体を挿入部2としてもよい。この場合、固定部14を有する必要がなく、レバー13に代えて、押しボタン式のスイッチ等を採用してもよい。
【0047】
また、挿入部2先端位置は、本体部8の延長線上に配置されていることが好ましいが、これに限定されるものではなく、対象臓器Aの種類や形状、処置デバイスの突出角度等に応じて任意に設定することができる。
【0048】
また、操作部3の形状としては、図1の構造に限定されるものではなく、図6〜図10に示されるような任意の形状の操作部3を採用することができる。図6は従来の鉗子と同様に繊細な操作を可能にする「はさみ型」であり、ハンドル12を順手で持って、処置デバイス4を操作するレバー13に親指を固定するようになっている。図7は図1同様の順手で把持するハンドル12を有するもので固定部14の位置が異なるものである。図8は図1同様の順手で把持するハンドル12を有するもので親指でレバー13を操作するものである。
【0049】
図9は図6同様の「はさみ型」のハンドル12を有する操作部3であるが、ハンドル12とレバー13とを逆の位置に配置してハンドル12を握る手の方向を図6の順手とは異ならせたものである。
また、図10は、ハンドル12にレバー13を組み込んだもので、ハンドル12およびレバー13を掌全体で握ることにより、処置デバイス4を操作することができる。把持の安定性を向上することができる。
【0050】
また、本実施形態においては、挿入部2全体を硬性の部材によって構成したが、これに代えて、図11および図12に示されるように挿入部2の先端部近傍に可動部15,16を設けることにしてもよい。図11は、第2の湾曲部10にその曲率を変更可能な可動部15を設け、操作部3に可動部15を作動させる操作部材17を設けた例である。
【0051】
また、図12は、第1の湾曲部9にその曲率を変更可能な可動部16を設け、操作部3に可動部16を作動させる操作部材17を設けた例である。このようにすることで、可動部15,16を作動させて挿入部2の先端部2aの角度を変化させ、処置デバイス4の突出角度を変化させて、対象臓器Aへのより複雑な処置を行うことができる。
【0052】
また、長時間の手術等、腕を伸ばしたままの体位で操作が困難となる場合があり、図13に示されるように、挿入部2の本体部8の長手軸とハンドル12との角度θを操作に適した一定の角度とすることにより、操作者Bが疲れにくく操作性を向上することができる。また、図14に示されるように、この本体部8の長手軸とハンドル12との角度をボールリンク機構(図示略)等によって自由に変更可能な可変型の構造としてもよい。
【0053】
また、図1に示す例では、レバー13の揺動平面と挿入部2の湾曲平面とを直交させることとした。この角度は、左心室前壁にアプローチする場合に適しているが、これに代えて、左心室後壁や他の部位にアプローチする場合には、アプローチする目標部位に適した他の任意の角度に設定してもよい。また、挿入部2とハンドル12との角度を任意に調節可能に構成して、対象臓器A等に合わせて適正な角度に設定してもよい。
【0054】
処置デバイス4としては、ディスポーザブル穿刺針、アブレーションカテーテル、チューブ、バルーン、レーザ治療デバイス、光ファイバ、超音波プローブ等を採用することができる。
これらの処置デバイス4を固定して進退させる固定部14として、図3に示されるような曲面14c,14dによって挟む構造のものを例示したが、平面で挟んでもよいし、曲面にゴム等を貼り付けて摩擦力を増大させてもよい。
【0055】
また、固定部14はこの構造に限定されるものではなく、図15〜図21に示される構造を採用することにしてもよい。
図15に示す例では、処置デバイス4のカテーテル5を凹凸を有する接触面14a’,14b’で挟み込んでいる。
図16に示す例では、処置デバイス4のカテーテル5を貫通させたハウジング18とプラグ19との間に筒状のシリコーンゴムからなるスリーブ20を配置し、ハウジング18とプラグ19とを締め付けていくことでスリーブ20の内径を小さくするように変形させて処置デバイス4のカテーテル5を固定している。
【0056】
図17に示す例では、カテーテル5を貫通させたボックス状の固定部14に接着剤21を充填して接着固定している。
図18に示す例では、カテーテル5を磁石22,23によって挟み込み、磁気吸引力によって固定した状態に保持している。
図19に示す例では、カテーテル5を固定部14に粘着テープ24によって固定している。
【0057】
また、図20および図21に示されるように、カテーテル5側にも凸部あるいは凹部を有するアダプタ25,26を固定し、対応する固定部14側の凹部あるいは凸部との嵌合によってカテーテル5を固定部14に固定する構造を採用してもよい。
また、ハンドル部12は、操作者Bが右手で把持する場合を例示して説明したが、これに代えて、ベッドCに仰向けに寝た患者Dの左手側に立つ操作者Bが左手で把持するのに適した形態に構成してもよい。
【符号の説明】
【0058】
B 操作者
1 処置具
2 挿入部
2a 先端部(処置部)
2b 開口部
3 操作部
5 カテーテル(チューブ)
6 注射針
8 本体部
9 第1の湾曲部
10 第2の湾曲部
12 ハンドル
13 レバー(スイッチ)
14 固定部
15,16 可動部
17 操作部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、処置具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、心臓等の臓器に薬剤等を注射し、あるいは、組織表面を焼灼処理等するための処置具としては、内視鏡の鉗子チャネルを介して患者の体内に導入される柔軟なカテーテルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。カテーテルとしては、中空のチューブ状に形成され、その先端に注射針を備え、基端に、注入材料が収容されたシリンジが接続されたものや、先端に電極を配置し、内部を通して配線されたケーブルによって電極間に電力供給する構造のものが知られている。
【0003】
例えば、臓器としての心臓の表面に注入材料の注射や焼灼処理等の処置を施す場合には、剣状突起の下部から皮膚を貫通して心膜腔内に導入した内視鏡の先端開口から鉗子チャネルを介して導入したカテーテルの先端を突出させ、カテーテルの先端に設けた注射針や電極を心臓の表面に適用することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2793884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、心臓表面への注射や焼灼は、体外に露出している内視鏡の基端側を操作して注射針や電極を位置決めする必要があり、内視鏡が軟性内視鏡である場合には、挿入部の柔軟性のために、挿入部の先端側の動作を基端側の操作に追従させ難く、正確な位置に処置することが困難であるという不都合がある。
一方、内視鏡が硬性内視鏡である場合には、挿入部の先端側の動作を基端側の操作に追従させることはできる。
【0006】
しかしながら、外側に凸の曲面を有する立体的な臓器の各部に挿入部の先端を安定的に配置することが困難であるという不都合がある。すなわち、硬性内視鏡の場合には、挿入部の形状が変化しないため、臓器の表面に接触するのは挿入部の先端の1点のみに限られる。このため、位置決めに際してガイドとして利用するものがなく、各位置への位置決めを独立して別個に行う必要があり、その位置決め作業は困難となる。特に、心臓のように脈動する臓器の場合には、一の部位の処置後に挿入部の先端を臓器から離してしまうと、次の部位への位置決めは極めて困難である。
【0007】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、臓器各部への処置部の位置決め作業を容易にするとともに、安定的に位置決め状態に維持することができ、正確な位置に処置することができる処置具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、先端に処置部を備える硬性の棒状の挿入部と、該挿入部の基端に固定され操作者によって把持され、操作される操作部とを備え、前記挿入部が、直線状に延びる本体部と、該本体部の先端に該本体部に対して一方向に湾曲する第1の湾曲部と、該第1の湾曲部よりも先端側において該第1の湾曲部とは逆方向に湾曲する第2の湾曲部とを備え、前記処置部が、前記本体部の長手軸に対して傾斜して配置されている処置具を提供する。
【0009】
本発明によれば、操作者が操作部を把持して挿入部を患者の体内に挿入する。挿入部は硬性の棒状に形成されているので、操作者は、本体部の長手軸を挿入方向の目安として、挿入部先端に備えられた処置部の位置を推定しながら挿入することができる。
【0010】
挿入部の先端に設けられた第1の湾曲部は、本体部から一方向に湾曲しているので、本体部の先端に凸部が形成され、該凸部を体内の臓器等に突き当てることができる。凸部を突き当てることにより、本体部が、挿入部の基端側の操作部と凸部の2点によって支持されることになり、処置部の位置を安定させることができる。
【0011】
処置部は、第1の湾曲部を逆方向に湾曲させた第2の湾曲部の先端に設けられているので、第1の湾曲部よりも前方に配置されている臓器等の表面に指向させられる。処置部は本体部の長手軸に対して傾斜しているので、処置部は臓器等の表面に対しても傾斜して配置されることになる。特に、処置部が注射針である場合には、臓器等の表面に対して垂直ではなく、かつ、浅すぎない角度をなした方向から注射針を穿刺することが可能となり、操作性を向上することができる。
【0012】
また、凸部を臓器等に突き当てた状態で、操作者が操作部を本体部の長手軸回りに回転させることにより、凸部を支点として処置部を本体部の長手軸回りに移動させることができる。すなわち、処置しようとする臓器に対して処置部を安定させたまま移動させることができ、複数箇所にわたって正確な位置に処置することができる。
【0013】
上記発明においては、前記操作部が、前記本体部の長手軸を略延長する方向に延びるハンドルを備えていてもよい。
このようにすることで、操作者がハンドルを把持すると、人差し指から小指の並びの方向に本体部の長手軸が配置される。したがって、操作者は、ハンドルを把持して、指の並び方向に力を加えるだけで、挿入部に、挿入力を容易に伝えることができ、また、ハンドルを把持した手の手首を曲げるだけで、挿入部を本体部の長手軸回りに回転させることができる。
【0014】
また、上記発明においては、前記操作部が、前記ハンドルを把持した状態の操作者の手の人差し指によって操作可能な位置に設けられたスイッチを備え、前記処置部が、前記スイッチの操作によって駆動されてもよい。
このようにすることで、操作者が、いずれかの手でハンドルを把持した状態でも、その手の人差し指は、自由に動かすことができ、その位置に設けられたスイッチを人差し指で操作することにより、処置部を駆動することができる。
【0015】
また、上記発明においては、前記スイッチが、前記ハンドルに揺動可能に設けられたレバーであってもよい。
このようにすることで、操作者は、ハンドルを把持した手の人差し指によってハンドルに対してレバーを揺動させることにより、処置部を容易に操作することができる。
【0016】
また、上記発明においては、前記挿入部が、一平面内において湾曲する形状を有し、前記レバーが、前記平面に交差する他の平面内において揺動可能に設けられていてもよい。
このようにすることで、レバーを操作する際の手の甲の向きと、処置部を駆動する平面とを異ならせることができる。例えば、仰向けに寝ている患者の剣状突起下部から挿入部を心嚢膜内に挿入して心臓の治療を行う際等に、操作者が患者の右側に立って、右手でハンドルを把持すると、右手の甲が上向きとなった状態となり、挿入部の挿入作業を容易に行うことができる。
【0017】
そして、この状態で、左心室前壁の表面に対して適正な角度をなして処置部を配置することができ、レバーの操作で処置部を容易に駆動することができる。操作者は、このときの右手の状態を中心として、右手首を広い範囲にわたって無理なく曲げることができ、それによって、処置部の可動範囲を大きく確保して、無理な姿勢を取ることなく処置を行うことができる。
【0018】
また、上記発明においては、前記挿入部が配される平面と前記レバーが揺動する平面とが直交していてもよい。
このようにすることで、上記の場合には右手の甲が上向きになった状態で、挿入部を鉛直面内に配置することができる。
【0019】
また、上記発明においては、前記挿入部が、中空のチューブ状に形成されるとともに、先端に注射針を取り付けた柔軟なチューブを、長手方向に移動可能に挿入し、前記処置部が、前記挿入部の先端から前記注射針を出没させる開口部を備え、前記レバーに、前記チューブを固定し、前記挿入部の長手方向に移動させられる固定部が設けられていてもよい。
【0020】
このようにすることで、固定部に固定されたチューブをレバーの操作によって移動させ、挿入部内に挿入されている注射針を挿入部の長手方向に移動させて、挿入部の先端の開口部から出没させ、臓器等の表面に対し注射針を刺して、容易に処置を行うことができる。
【0021】
また、上記発明においては、前記処置部が、前記挿入部の先端に開口する開口部を備え、前記挿入部が、中空のチューブ状に形成されるとともに、先端に一対の電極を取り付けた柔軟なカテーテルを、その先端の電極を前記開口部から突出させた状態に収容し、前記スイッチが、前記電極間に供給する電圧のオンオフを行ってもよい。
【0022】
このようにすることで、挿入部先端の開口部からカテーテル先端の一対の電極を突出させ、突出した一対の電極を臓器等の表面に接触させた状態で、スイッチの操作によって電極間に電圧を供給し、臓器等の表面の焼灼あるいは電気刺激等の処置を容易に行うことができる。
【0023】
また、上記発明においては、前記本体部の前記第1の湾曲部に、該第1の湾曲部の曲率を変化させる可動部が設けられ、前記操作部に、前記可動部を作動させる操作部材が設けられていてもよい。
このようにすることで、操作部に設けた操作部材を操作することによって、可動部により第1の湾曲部の曲率を変化させ、挿入部の先端部の方向を所望の方向に変更して、適正な角度で臓器等の表面に処置部を近接させることができる。
【0024】
また、上記発明においては、前記本体部の前記第2の湾曲部に、該第2の湾曲部の曲率を変化させる可動部が設けられ、前記操作部に、前記可動部を作動させる操作部材が設けられていてもよい。
このようにすることで、操作部に設けた操作部材を操作することによって、可動部により第2の湾曲部の曲率を変化させ、挿入部の先端部の方向を所望の方向に変更して、適正な角度で臓器等の表面に処置部を近接させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、臓器各部への処置部の位置決め作業を容易にするとともに、安定的に位置決め状態に維持することができ、正確な位置に処置することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る処置具を示す(a)正面図、(b)挿入部の側面図である。
【図2】図1の処置具の挿入部先端の内部構造を示す(a)処置デバイスが格納された状態、(b)処置デバイスが突出させられた状態の部分的な縦断面図である。
【図3】図1の処置具に備えられた固定部の(a)処置デバイスの固定前の状態、(b)処置デバイスの固定後の状態をそれぞれ示す図である。
【図4】図1の処置具を用いた心臓の治療を説明する図である。
【図5】図1の処置具において、(a)挿入部先端が臓器の表面に接触した状態、(b)挿入部の先端から注射針が突出して臓器に穿刺された状態をそれぞれ示す図である。
【図6】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図7】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図8】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図9】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図10】図1の処置具のハンドルの変形例を示す図である。
【図11】図1の処置具の第2の湾曲部に可動部を設けた変形例を示す図である。
【図12】図1の処置具の第1の湾曲部に可動部を設けた変形例を示す図である。
【図13】図1の処置具の挿入部とハンドルとの角度を変更した変形例を示す図である。
【図14】図1の処置具の挿入部とハンドルとの角度を可変にした変形例を示す図である。
【図15】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図16】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図17】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図18】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図19】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図20】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【図21】図1の処置具の固定部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る処置具1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る処置具1は、図1に示されるように、硬性の棒状の挿入部2と、該挿入部2の基端に固定され操作者によって操作される操作部3とを備えている。
【0028】
挿入部2は、図2に示されるように、中空に形成されていて、内部に軟性の処置デバイス4を移動可能に挿入することができるようになっている。処置デバイス4は、例えば、図2に示されるように、細長いカテーテル5と、該カテーテル5の先端に取り付けた硬質の注射針6と、カテーテル5の基端に取り付けた薬液や幹細胞等を収容したシリンジ7とを備えている。
【0029】
挿入部2は、図1に示されるように、基端側から先端に向かって直棒状に形成された本体部8と、該本体部8の先端において、一方向に湾曲した第1の湾曲部9と、該第1の湾曲部9よりも先端側において、第1の湾曲部9とは逆方向に湾曲する第2の湾曲部10とを備えている。第1の湾曲部9によって本体部8の先端に肩部11が形成されている。
【0030】
第1の湾曲部9および第2の湾曲部10は、基端側から直棒状に延びてきた本体部8を同一平面(以下、湾曲平面という。)内において2回湾曲させることにより構成されている。これにより、第2の湾曲部10よりも先端側に配置されている挿入部2の先端(処置部)2aは、本体部8の長手軸に対して所定の角度をなして配置されるようになっている。ここで、所定の角度は、例えば15〜60°である。
【0031】
処置をする対象臓器Aが心臓である場合に、処置として心臓の表面への注射を行う場合には注射針6による穿刺角度が浅すぎると注射針6が心臓の表面に刺さらず、穿刺角度が大きすぎると心内まで貫通してしまう場合があるため、上記角度範囲に設定されていることが好ましい。
【0032】
第1の湾曲部9および第2の湾曲部10の曲率は、内部を移動させられる軟性の処置デバイス4の有する硬質部分である注射針6が、スムーズに移動可能となるように設定されているとともに、特に、第2の湾曲部10の曲率半径は、処置しようとする対象臓器Aの外面の曲率半径より小さくなるように設定されている。これにより、図5に示されるように、第1の湾曲部を対象臓器Aの表面に接触させた状態で、第2の湾曲部を対象臓器Aの表面から離間させることができ、対象臓器Aの表面近傍に処置空間を確保することができる。
【0033】
例えば、対象臓器Aが心臓(以下、心臓Aとも言う。)である場合、心臓Aと心膜との間に挿入した挿入部2の第1の湾曲部9を心臓A表面に接触させ、第2の湾曲部10によって心膜を心臓Aから離間させる方向に押して、処置空間を確保することができる。ただし、心臓Aと心膜との隙間を広げ過ぎてしまうと心タンポナーデ等の合併症を引き起こすことも考えられるため、本体部8から第2の湾曲部10の最大離間距離は30mm以下に抑えることが好ましい。
【0034】
操作部3は、図1に示されるように医師等の操作者によって把持されるハンドル12と、該ハンドル12に揺動可能に設けられたレバー(スイッチ)13とを備えている。ハンドル12は、例えば、右手によって把持し易い形状および寸法を有している。ハンドル12は、挿入部2の本体部8の長手軸のほぼ延長上に延びて配置されており、ハンドル12を右手で順手で把持すると、右手の人差し指から小指の並びの方向に本体部8が延びるように配置されている。
【0035】
レバー13は、ハンドル12を把持した右手の人差し指に対応する位置に、揺動可能に設けられている。操作者は、挿入部2の長手方向に沿う挿入時には、5指全ておよび掌でハンドル12を把持して力を込めることができる一方、処置デバイス4による処置時には、人差し指を除く4指および掌でハンドル12を把持しつつ、人差し指によってレバー13を揺動操作することができるようになっている。
【0036】
レバー13には、固定部14が固定されている。固定部14は、レバー13の揺動に伴って、本体部8の基端側に開口している開口部(図示略)に対し、近接または離間する方向に移動させられるようになっている。
【0037】
固定部14は、図3に示されるように、組み合わせ可能な2つの部材14a,14bを備え、これらの部材14a,14bに設けられた曲面14c,14d間に処置デバイス4のカテーテル5の途中位置を挟み込むことにより、処置デバイス4を固定することができるようになっている。すなわち、固定部14にカテーテル5の途中位置を固定した状態で、レバー13を揺動させると、処置デバイス4がその長手方向に押し引きされて、先端の注射針6が挿入部2の先端開口2bから出没させられるようになっている。
また、図1に示されるように、操作部3に設けられたレバー13の揺動平面は、挿入部2の湾曲平面に対して直交する方向に配置されている。
【0038】
このように構成された本実施形態に係る処置具1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る処置具1を用いて対象臓器A、例えば、心臓に処置を施すには、図4に示されるように、操作者Bは、右手でハンドル12を把持することにより処置具1を保持した状態で、ベッドCに仰向けに寝ている患者Dの右手側に立ち、剣状突起下部から心膜腔内まで患者Dのほぼ正中線に沿って頭側方向に貫通配置したシースEを介して、挿入部2の先端を心膜腔内まで挿入する。すなわち、右手の甲が上向きになるように手首を伸ばして全ての指および掌で順手に把持したハンドル12を挿入部2の先端方向に向けて押すことにより、容易に挿入部2先端を心臓Aまで誘導することができる。場合によっては、左手でシースEまたは挿入部2を保持する。
【0039】
シースEを介して心膜腔内に誘導された挿入部2の先端部2aは、図5に示されるように、心臓Aの表面に接触させられる。この場合に、挿入部2には、直棒状の本体部8の先端に第1の湾曲部9によって肩部11が形成されているので、肩部11を心臓Aの表面に接触させることにより、挿入部2は、当該接触部と体外のハンドル12との2点によって安定的に支持される。そして、心臓Aと肩部11との接触点を支点として、ハンドル12の位置および本体部8の長手軸回りの角度を操作することにより、挿入部2の先端部2aを心臓Aの表面の異なる位置に配置することができる。
【0040】
その後、図5(a)に示されるように、挿入部2の先端部2aを心臓Aの表面に接触させると、挿入部2は、第1の湾曲部9による肩部11と先端部2aとの2箇所によって心臓Aの表面に接触することとなり、挿入部2の姿勢をより安定させ、より精密な処置を行うことが可能となる。
そして、この状態で、操作者Bがハンドル12に設けられたレバー13を右手の人差し指で引くことにより、固定部14を挿入部2の基端側に近接させる方向に移動させて、処置デバイス4のカテーテル5を押して、図5(b)に示されるように、カテーテル5先端の注射針6を挿入部2の先端開口2bから突出させる。
【0041】
これにより、注射針6が心臓Aの表面に対して適正な角度で突出させられて心臓Aの表面に穿刺されるので、操作者Bが、左手でシリンジ7を操作して薬液等を注入することにより、適正な処置を行うことができる。そして、ハンドル12の位置および角度を変更しながらレバー13の操作とシリンジ7の操作とを繰り返すことにより、心臓A表面の所望の複数箇所に薬液を注入する処置を安定的に施すことができる。
【0042】
心臓Aの表面に接触した挿入部2の先端部2aからは心臓Aの拍動が挿入部2を介して操作者Bの手元まで伝わってくる。また、呼吸による胸郭・横隔膜の動きも挿入部2に影響し、挿入部2を思うように動かせない条件下でも、例えば、左心室の心筋梗塞部位と正常部位との境界領域に数mm間隔で薬液や幹細胞を注入する等の処置を正確に行う必要がある。
【0043】
本実施形態に係る処置具1によれば、対象臓器A各部への挿入部2の先端部2aの位置決め作業を容易にするとともに、安定的に位置決め状態に維持することができ、正確な位置に処置することができるという効果を奏する。
【0044】
なお、本実施形態においては、処置デバイス4としてカテーテル5の先端に注射針6を有するものを例示したが、これに限定されるものではなく、カテーテル5の先端に電極(図示略)を有し、対象臓器Aを焼灼するアブレーションカテーテルを採用してもよい。
【0045】
また、挿入部2の先端部2aに互いに絶縁された一対の電極(図示略)を設け、注射針6を有するカテーテル5によって薬液や幹細胞等を注入した後に、高周波電流によって注入孔を焼灼することで薬液や幹細胞等の漏出を防止することとしてもよい。注入孔の焼灼手段としては、電極の代わりに光照射により焼灼するものを採用してもよい。また、焼灼時の対象部位の温度過上昇を防ぐ目的で、挿入部2に生理食塩水等を冷却媒体として環流させる冷却機構(図示略)を設けてもよい。
【0046】
また、挿入部2としては、内部に処置デバイス4を移動可能に挿入する中空構造のものを例示したが、これに代えて、中実のものを採用してもよい。すなわち、先端に電極(図示略)等の処置部を有し、対象臓器Aに2点で接触する湾曲形状を有する硬性の処置デバイス自体を挿入部2としてもよい。この場合、固定部14を有する必要がなく、レバー13に代えて、押しボタン式のスイッチ等を採用してもよい。
【0047】
また、挿入部2先端位置は、本体部8の延長線上に配置されていることが好ましいが、これに限定されるものではなく、対象臓器Aの種類や形状、処置デバイスの突出角度等に応じて任意に設定することができる。
【0048】
また、操作部3の形状としては、図1の構造に限定されるものではなく、図6〜図10に示されるような任意の形状の操作部3を採用することができる。図6は従来の鉗子と同様に繊細な操作を可能にする「はさみ型」であり、ハンドル12を順手で持って、処置デバイス4を操作するレバー13に親指を固定するようになっている。図7は図1同様の順手で把持するハンドル12を有するもので固定部14の位置が異なるものである。図8は図1同様の順手で把持するハンドル12を有するもので親指でレバー13を操作するものである。
【0049】
図9は図6同様の「はさみ型」のハンドル12を有する操作部3であるが、ハンドル12とレバー13とを逆の位置に配置してハンドル12を握る手の方向を図6の順手とは異ならせたものである。
また、図10は、ハンドル12にレバー13を組み込んだもので、ハンドル12およびレバー13を掌全体で握ることにより、処置デバイス4を操作することができる。把持の安定性を向上することができる。
【0050】
また、本実施形態においては、挿入部2全体を硬性の部材によって構成したが、これに代えて、図11および図12に示されるように挿入部2の先端部近傍に可動部15,16を設けることにしてもよい。図11は、第2の湾曲部10にその曲率を変更可能な可動部15を設け、操作部3に可動部15を作動させる操作部材17を設けた例である。
【0051】
また、図12は、第1の湾曲部9にその曲率を変更可能な可動部16を設け、操作部3に可動部16を作動させる操作部材17を設けた例である。このようにすることで、可動部15,16を作動させて挿入部2の先端部2aの角度を変化させ、処置デバイス4の突出角度を変化させて、対象臓器Aへのより複雑な処置を行うことができる。
【0052】
また、長時間の手術等、腕を伸ばしたままの体位で操作が困難となる場合があり、図13に示されるように、挿入部2の本体部8の長手軸とハンドル12との角度θを操作に適した一定の角度とすることにより、操作者Bが疲れにくく操作性を向上することができる。また、図14に示されるように、この本体部8の長手軸とハンドル12との角度をボールリンク機構(図示略)等によって自由に変更可能な可変型の構造としてもよい。
【0053】
また、図1に示す例では、レバー13の揺動平面と挿入部2の湾曲平面とを直交させることとした。この角度は、左心室前壁にアプローチする場合に適しているが、これに代えて、左心室後壁や他の部位にアプローチする場合には、アプローチする目標部位に適した他の任意の角度に設定してもよい。また、挿入部2とハンドル12との角度を任意に調節可能に構成して、対象臓器A等に合わせて適正な角度に設定してもよい。
【0054】
処置デバイス4としては、ディスポーザブル穿刺針、アブレーションカテーテル、チューブ、バルーン、レーザ治療デバイス、光ファイバ、超音波プローブ等を採用することができる。
これらの処置デバイス4を固定して進退させる固定部14として、図3に示されるような曲面14c,14dによって挟む構造のものを例示したが、平面で挟んでもよいし、曲面にゴム等を貼り付けて摩擦力を増大させてもよい。
【0055】
また、固定部14はこの構造に限定されるものではなく、図15〜図21に示される構造を採用することにしてもよい。
図15に示す例では、処置デバイス4のカテーテル5を凹凸を有する接触面14a’,14b’で挟み込んでいる。
図16に示す例では、処置デバイス4のカテーテル5を貫通させたハウジング18とプラグ19との間に筒状のシリコーンゴムからなるスリーブ20を配置し、ハウジング18とプラグ19とを締め付けていくことでスリーブ20の内径を小さくするように変形させて処置デバイス4のカテーテル5を固定している。
【0056】
図17に示す例では、カテーテル5を貫通させたボックス状の固定部14に接着剤21を充填して接着固定している。
図18に示す例では、カテーテル5を磁石22,23によって挟み込み、磁気吸引力によって固定した状態に保持している。
図19に示す例では、カテーテル5を固定部14に粘着テープ24によって固定している。
【0057】
また、図20および図21に示されるように、カテーテル5側にも凸部あるいは凹部を有するアダプタ25,26を固定し、対応する固定部14側の凹部あるいは凸部との嵌合によってカテーテル5を固定部14に固定する構造を採用してもよい。
また、ハンドル部12は、操作者Bが右手で把持する場合を例示して説明したが、これに代えて、ベッドCに仰向けに寝た患者Dの左手側に立つ操作者Bが左手で把持するのに適した形態に構成してもよい。
【符号の説明】
【0058】
B 操作者
1 処置具
2 挿入部
2a 先端部(処置部)
2b 開口部
3 操作部
5 カテーテル(チューブ)
6 注射針
8 本体部
9 第1の湾曲部
10 第2の湾曲部
12 ハンドル
13 レバー(スイッチ)
14 固定部
15,16 可動部
17 操作部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に処置部を備える硬性の棒状の挿入部と、
該挿入部の基端に固定され操作者によって把持され、操作される操作部とを備え、
前記挿入部が、直線状に延びる本体部と、該本体部の先端に該本体部に対して一方向に湾曲する第1の湾曲部と、該第1の湾曲部よりも先端側において該第1の湾曲部とは逆方向に湾曲する第2の湾曲部とを備え、
前記処置部が、前記本体部の長手軸に対して傾斜して配置されている処置具。
【請求項2】
前記操作部が、前記本体部の長手軸を略延長する方向に延びるハンドルを備える請求項1に記載の処置具。
【請求項3】
前記操作部が、前記ハンドルを把持した状態の操作者の手の人差し指によって操作可能な位置に設けられたスイッチを備え、
前記処置部が、前記スイッチの操作によって駆動される請求項2に記載の処置具。
【請求項4】
前記スイッチが、前記ハンドルに揺動可能に設けられたレバーである請求項3に記載の処置具。
【請求項5】
前記挿入部が、一平面内において湾曲する形状を有し、
前記レバーが、前記平面に交差する他の平面内において揺動可能に設けられている請求項4に記載の処置具。
【請求項6】
前記挿入部が配される平面と前記レバーが揺動する平面とが直交する請求項5に記載の処置具。
【請求項7】
前記挿入部が、中空のチューブ状に形成されるとともに、先端に注射針を取り付けた柔軟なチューブを、長手方向に移動可能に挿入し、
前記処置部が、前記挿入部の先端から前記注射針を出没させる開口部を備え、
前記レバーに、前記チューブを固定し、前記挿入部の長手方向に移動させられる固定部が設けられている請求項4に記載の処置具。
【請求項8】
前記処置部が、前記挿入部の先端に開口する開口部を備え、
前記挿入部が、中空のチューブ状に形成されるとともに、先端に一対の電極を取り付けた柔軟なカテーテルを、その先端の電極を前記開口部から突出させた状態に収容し、
前記スイッチが、前記電極間に供給する電圧のオンオフを行う請求項4に記載の処置具。
【請求項9】
前記本体部の前記第1の湾曲部に、該第1の湾曲部の曲率を変化させる可動部が設けられ、
前記操作部に、前記可動部を作動させる操作部材が設けられている請求項1に記載の処置具。
【請求項10】
前記本体部の前記第2の湾曲部に、該第2の湾曲部の曲率を変化させる可動部が設けられ、
前記操作部に、前記可動部を作動させる操作部材が設けられている請求項1に記載の処置具。
【請求項1】
先端に処置部を備える硬性の棒状の挿入部と、
該挿入部の基端に固定され操作者によって把持され、操作される操作部とを備え、
前記挿入部が、直線状に延びる本体部と、該本体部の先端に該本体部に対して一方向に湾曲する第1の湾曲部と、該第1の湾曲部よりも先端側において該第1の湾曲部とは逆方向に湾曲する第2の湾曲部とを備え、
前記処置部が、前記本体部の長手軸に対して傾斜して配置されている処置具。
【請求項2】
前記操作部が、前記本体部の長手軸を略延長する方向に延びるハンドルを備える請求項1に記載の処置具。
【請求項3】
前記操作部が、前記ハンドルを把持した状態の操作者の手の人差し指によって操作可能な位置に設けられたスイッチを備え、
前記処置部が、前記スイッチの操作によって駆動される請求項2に記載の処置具。
【請求項4】
前記スイッチが、前記ハンドルに揺動可能に設けられたレバーである請求項3に記載の処置具。
【請求項5】
前記挿入部が、一平面内において湾曲する形状を有し、
前記レバーが、前記平面に交差する他の平面内において揺動可能に設けられている請求項4に記載の処置具。
【請求項6】
前記挿入部が配される平面と前記レバーが揺動する平面とが直交する請求項5に記載の処置具。
【請求項7】
前記挿入部が、中空のチューブ状に形成されるとともに、先端に注射針を取り付けた柔軟なチューブを、長手方向に移動可能に挿入し、
前記処置部が、前記挿入部の先端から前記注射針を出没させる開口部を備え、
前記レバーに、前記チューブを固定し、前記挿入部の長手方向に移動させられる固定部が設けられている請求項4に記載の処置具。
【請求項8】
前記処置部が、前記挿入部の先端に開口する開口部を備え、
前記挿入部が、中空のチューブ状に形成されるとともに、先端に一対の電極を取り付けた柔軟なカテーテルを、その先端の電極を前記開口部から突出させた状態に収容し、
前記スイッチが、前記電極間に供給する電圧のオンオフを行う請求項4に記載の処置具。
【請求項9】
前記本体部の前記第1の湾曲部に、該第1の湾曲部の曲率を変化させる可動部が設けられ、
前記操作部に、前記可動部を作動させる操作部材が設けられている請求項1に記載の処置具。
【請求項10】
前記本体部の前記第2の湾曲部に、該第2の湾曲部の曲率を変化させる可動部が設けられ、
前記操作部に、前記可動部を作動させる操作部材が設けられている請求項1に記載の処置具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−147758(P2011−147758A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162989(P2010−162989)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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