説明

出入管理装置および出入管理システム

【課題】 制限区域への入退場の資格を有している利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することのできる出入管理装置を提供する。
【解決手段】 出入管理装置1は、制限区域への利用者の出入を管理する。出入管理装置1の記憶部13には、制限区域に入場している利用者の識別コードが在室情報として在室管理テーブルに記憶されている。この在室管理テーブルに基づいて、利用者の制限区域への入場または制限区域からの退場を許可するか否かが判定される。そして、無人判定によって制限区域内が無人であると判定されたときには、制限区域の在室管理テーブルから在室情報が削除される。利用者の識別コードが在室管理テーブルに記憶されていなければ、利用者の制限区域への入場が許可される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制限区域への利用者の出入を管理する機能を備えた出入管理装置に関し、特に、制限区域への入退場の資格を有している利用者が制限区域への再入場するのを適切に管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制限区域の管理者が入退出者を管理する手間を削減することを目的として、制限区域の出入口に設置したカードリーダなどの入力装置に、利用者が入退出の際にIDカードをかざすなどして識別情報を入力することで、利用者毎に入場可能な区域(入室可能な部屋など)を制限する出入管理システムが知られている。
【0003】
このような出入管理システムでは、利用者が最後に識別情報を入力した場所に基づいてその利用者の所在位置を管理したり、その利用者が既にある制限区域に入場している(在室している)にもかかわらず、他の利用者(その利用者からIDカードを貸し渡された他の利用者)が同じ識別情報で入室する行為を禁止するシステム、いわゆるアンチパスバックシステムが提案されている。
【0004】
そして、従来、このようなアンチパスバックシステムにおいて、ある識別情報について最新の所在区域の情報と現在操作された区域の情報が不一致であった場合には、所定のペナルティ時間だけ当該識別情報を用いた移動を禁止するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−139851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のシステムにおいて、利用者の所在管理やアンチパスバック管理を適切に行うためには、制限区域間を移動する際に制限区域への入場時と退場時の両方ともで識別情報の入力を利用者に徹底させる必要がある。従来のシステムでは、識別情報の入力を行わなかった利用者に一定のペナルティを与えられるので、利用者に識別情報の入力の意識付けがなされ、所在管理やアンチパスバック管理が厳格に行われる。
【0007】
しかしながら、必ずしも上記従来のシステムほど厳格に所在管理やアンチパスバック管理を行わなければならない訳ではない。一般に、ある制限区域への入場資格を有している利用者は、当然に当該制限区域からの退場資格も有していることが多い。そして、利用者は、制限区域への入場時には識別番号の入力をきちんと行うのに対して、制限区域からの退場時には識別番号の入力をつい失念してしまうことがあり得る。そのような場合には、制限区域への入退場の資格を有している利用者であっても、その制限区域に入場(再入場)するために面倒な手続きをとらなければならず、利用者に過度の負担を強いることとなっていた。
【0008】
また、ある利用者が識別情報を入力して制限区域に入場した後、その制限区域から退場するときには他の利用者と一緒に退場(いわゆる共連れ)してしまうこともあり得る。しかしながら、上記従来のシステムでは、このような共連れの場合にも、その利用者は所在管理上その制限区域内に居続けることになっているため、その利用者がその制限区域に再入場しようとしてもペナルティ時間が経過するまでの間は入場することができず、制限区域への入退場の資格を有している利用者に過度の負担を強いることになってしまう。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、制限区域への入退場の資格を有している利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することのできる出入管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の出入管理装置は、制限区域への利用者の出入を管理する出入管理装置であって、前記制限区域への入場時および前記制限区域からの退場時に前記利用者の識別情報を取得する識別情報取得部と、前記制限区域に入場している前記利用者の識別情報を前記制限区域の在室情報として記憶する在室情報記憶部と、前記制限区域の在室情報に基づいて、前記利用者の前記制限区域への入場または前記制限区域からの退場を許可するか否かを判定する入退場許可判定部と、前記制限区域内が無人であるか否かを判定する監視手段から無人判定の判定結果を取得する判定結果取得部と、前記無人判定によって前記制限区域内が無人であると判定されたときに、前記制限区域の在室情報を削除する在室情報管理部と、を備え、前記入退場許可判定部は、入場を希望する利用者の識別情報が前記制限区域の在室情報として記憶されていなければ、当該利用者の前記制限区域への入場を許可と判定する。
【0011】
これにより、利用者が制限区域へ入場したり制限区域から退場したりすると、その利用者の識別情報が取得され、現在ある制限区域に入場している利用者の識別情報がその制限区域の在室情報として記憶される。出入管理装置は、この在室情報に基づいて利用者の制限区域への入場または制限区域からの退場を管理する。例えば、ある利用者の識別情報が在室情報に記憶されているときには、その利用者はその制限区域に入場している(まだ退場していない)として、その制限区域からの退場は「許可」と判定され、一方、その制限区域への入場(再入場)は「不許可」と判定される。ところで、ある利用者がある制限区域に入場した後に他の利用者と一緒に退場(いわゆる共連れ)してしまった場合や、利用者が退場時に識別情報の入力を失念してしまった場合などには、退場時に利用者の識別情報が正しく取得されないことがある。そのような場合、従来のシステムでは、その利用者の識別情報がその制限区域の在室情報に記憶されたままになっているため、その利用者はその制限区域に入場している(まだ退場していない)と誤判断され、その制限区域への再入場が「不許可」とされてしまう。一旦、制限区域への再入場が「不許可」とされてしまうと、たとえ制限区域への入退場の資格を有している利用者であっても、制限区域に再入場するために面倒な手続きが必要であり、利用者に過度の負担を強いることになる。本発明によれば、無人判定によって制限区域が無人であると判定されたときには、その制限区域の在室情報が削除され、退場時に識別情報が正しく取得できなかった利用者であっても制限区域への入場が許可される。このように、本発明では、退場時に利用者の識別情報が正しく取得されなかったとしても、無人判定によってすべての利用者の退出が確認できた場合には、利用者の制限区域への入場が許可される。したがって、制限区域への入退場の資格を有している利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【0012】
また、本発明の出入管理装置は、前記入退場許可判定部での判定結果に基づいて、前記利用者の前記制限区域への入退場の禁止/解除を制御する入退場制御部と、前記制限区域への入退場が解除された後に、前記制限区域の無人判定を実行するように指示する無人判定指示部と、を備えてもよい。
【0013】
これにより、入退場許可判定部で制限区域への入退場が「許可」と判定されると、利用者の制限区域への入退場が解除され、利用者は制限区域に出入できるようになる。一方、制限区域への入退場が「不許可」と判定されると、利用者の制限区域への入退場が禁止され、利用者は制限区域に出入できない。制限区域への入退場が解除されて、利用者が制限区域に出入できるようになると、制限区域に入場している利用者が識別情報の入力を失念して退場してしまうことも考えられる。本発明では、このような事態を想定し、制限区域への入退場の解除、すなわち、利用者が制限区域に出入できるようになったことをトリガーとして、制限区域の無人判定が実行される。そして、無人判定によってすべての利用者の退出が確認できた場合には、退場時に識別情報が正しく取得できなかった利用者であっても制限区域への入場が許可される。したがって、制限区域への入退場が解除された際に、利用者が識別情報の入力をせずに退場してしまった場合であっても、その利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【0014】
また、本発明の出入管理装置は、前記制限区域の出入口を通過する前記利用者の人数の情報を取得する人数情報取得部を、さらに備え、前記無人判定指示部は、前記制限区域の出入口を通過した前記利用者の人数が複数人であったときに、前記制限区域の無人判定を実行するように指示してもよい。
【0015】
これにより、制限区域の出入口を通過する利用者の人数の情報が取得される。制限区域の出入口を複数人の利用者が通過する際には、ある利用者が他の利用者と一緒に退場(いわゆる共連れ)してしまうことも考えられる。本発明では、このような事態を想定し、制限区域の出入口を通過した人数が「複数人」であった場合には、そのことをトリガーとして、制限区域の無人判定が実行される。そして、無人判定によってすべての利用者の退出が確認できた場合には、退場時に識別情報が正しく取得できなかった利用者であっても制限区域への入場が許可される。したがって、複数人の利用者が制限区域の出入口を通過した際に、ある利用者が識別情報の入力をせずに退場してしまった場合であっても、その利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【0016】
本発明の出入管理システムは、制限区域への利用者の出入を管理する出入管理装置と、前記制限区域内を監視する監視装置とを備えた出入管理システムであって、前記監視装置は、前記制限区域を監視して前記制限区域内が無人であるか否かを判定する無人判定を行う無人判定部を備え、前記出入管理装置は、前記制限区域への入場時および前記制限区域からの退場時に前記利用者の識別情報を取得する識別情報取得部と、前記制限区域に入場している前記利用者の識別情報を前記制限区域の在室情報として記憶する在室情報記憶部と、前記制限区域の在室情報に基づいて、前記利用者の前記制限区域への入場または前記制限区域からの退場を許可するか否かを判定する入退場許可判定部と、前記監視装置から前記無人判定の判定結果を取得する判定結果取得部と、前記無人判定によって前記制限区域内が無人であると判定されたときに、前記制限区域の在室情報を削除する在室情報管理部と、を備え、前記入退場許可判定部は、入場を希望する利用者の識別情報が前記制限区域の在室情報として記憶されていなければ、当該利用者の前記制限区域への入場を許可と判定する。
【0017】
このシステムによっても、上記と同様、無人判定によって制限区域が無人であると判定されたときには、その制限区域の在室情報が削除され、利用者の制限区域への入場が許可される。すなわち、退場時に利用者の識別情報が正しく取得されなかったとしても、無人判定によってすべての利用者の退出が確認できた場合には、利用者の制限区域への入場が許可される。したがって、制限区域への入退場の資格を有している利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、無人判定によって制限区域が無人であると判定されると、その制限区域の在室情報を削除して、利用者の制限区域への入場を許可することにより、制限区域への入退場の資格を有している利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態における出入管理装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における出入管理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)資格管理テーブルの一例を示した図である。 (b)エリアテーブルの一例を示した図である。 (c)在室管理テーブルの一例を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における在室管理処理の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における認証処理の流れを説明するためのフロー図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における在室管理処理の流れを説明するためのフロー図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における出入管理システムの概略図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における出入管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態の出入監視装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、制限区域への利用者の出入を管理する出入管理装置の場合について説明する。
【0021】
本実施の形態の出入管理装置は、利用者の通行が制限された区域(例えば、入退室規制を行っている部屋など)における利用者のアンチパスバック管理を行う場合に、利用者の実際の所在とアンチパスバック管理上の情報(在室情報)との齟齬を防止する機能を備えており、例えば、ある制限区域に入室した利用者が識別コードの入力を忘れて退室したとしても、その利用者がその制限区域に再入室する場合にアンチパスバック違反となることを防止する機能を備えている。
【0022】
ここで、まず「アンチパスバック」という用語について、簡単に説明しておく。アンチパスバックとは、例えば、ある識別コードAのIDカード有する利用者Aが、この識別コードAのIDカードを利用してあるドアAを外側から解錠すると、識別コードAに対応付けてドアAの外側のエリアから内側のエリアへの通行履歴が記録される。この状態で、利用者Aは、識別コードAのカードを利用してドアAを内側から解錠して戻ることもできるし、ドアAの内側のエリアに別のドアBが設けられていれば、そのドアBを解錠してさらに先のエリアに進むこともできる。一方、この状態で(利用者AについてドアAの外側のエリアから内側のエリアへの通行履歴が記録された状態で)、別の利用者Bは、利用者Aから識別コードAのカードを手渡されたとしても、その識別コードAのカードを利用してドアAを外側から解錠することは禁止される。このように、ドアの開閉順序(利用者の移動順序)と整合しない識別コードによる解錠を禁止する手法をアンチパスバックと呼び、このアンチパスバックのルールに違反することをアンチパスバック違反と呼ぶ。
【0023】
図1は、本実施の形態の出入管理装置1の概略図であり、図2は、本実施の形態の出入管理装置1の構成を示すブロック図である。図1および図2に示すように、本実施の形態では、制限区域(制限エリア、単にエリアともいう)の境界には、エリア間の移動を規制する電気錠付きのドア2が設置されており、このドア2の近傍には、各エリアに出入りする利用者が所持するIDカード(図示せず)から利用者の識別コード(個人識別情報)を読み取るカードリーダ3が設置されている。図1の例では、二つのエリア(エリアAの「廊下」とエリアBの「部屋」)が示されており、部屋の内側(エリアB側)と外側(エリアA側)に、それぞれ1つずつカードリーダ3が設定されている。この場合、1つの電気錠付きドア2と、二つのカードリーダ3が1組となって設置されているともいえる。
【0024】
そして、この電気錠付きドア2とカードリーダ3には、電気錠4の施錠/解錠の制御を行う電気錠制御装置5が接続されている。この電気錠制御装置5は、各電気錠付きドア2に設けられて利用者の出入をドア2ごとに個別管理できるように構成されていてもよく、また、複数の電気錠付きドア2にまとめて一つ設けられて利用者の出入を集中管理できるように構成されていてもよい。
【0025】
また、図1および図2に示すように、電気錠制御装置5は、入退室規制を行っている部屋(エリアB)内の利用者を監視する監視手段としての画像センサ6に接続されている。なお、ここでは、図示を省略しているが、この画像センサ6は、遠隔の監視センターの監視卓に設置された監視用端末にも接続されており、監視センターの監視員は、監視用端末のモニタでロッカー室内での利用者の行動を画像で監視することができる。
【0026】
本実施の形態では、これらの電気錠付きドア2とカードリーダ3と電気錠制御装置5と画像センサ6が、制限区域への利用者の出入を管理する出入管理装置1を構成している。以下、図2および図3を参照しながら、出入管理装置1の各部の構成について詳しく説明する。
【0027】
図2に示すように、ドア2は、電気錠4を備えている。この電気錠4は、通常時は施錠状態に維持されており、電気錠制御装置5からの解錠信号を受けた場合に所定時間だけ解錠される。これによって、利用者は、所持しているIDカードに記憶されている識別コードをカードリーダ3に読み込ませないと、エリア間を移動できないようになっている。利用者が、カードリーダ3に識別コードを読み込ませると、カードリーダ3は読み取った識別コードを電気錠制御装置5に送信して認証要求し、電気錠制御装置5は受信した識別コードを照合して認証OKであれば電気錠4を解錠する。
【0028】
カードリーダ3は、MPUやマイコンなどで構成される制御部7と、IDカードから利用者の識別コードを読み取る読取部8と、読み取った識別コードや自己のアドレス情報などを記憶する記憶部9と、読み取った識別コードの認証結果などを表示する表示部10と、電気錠制御装置5との通信を行う通信インターフェース11(通信I/F)を備えている。カードリーダ3は、IDカードに記憶されている利用者の識別コードを読み取ると、読取った識別コードを自己アドレス情報とともに電気錠制御装置5へと送信する。
【0029】
なお、ID力―ドは、磁気力―ド、IC力―ドまたは無線力―ド(無線送信機)等の何れでもよいが、この出入管理装置1を利用する上では、非接触式の力―ドであることが好ましい。また、読取部8は、ID力―ドの代わりに、個人の指紋、掌紋、声紋、虹彩等のバイオメトリクス情報を読み取ることも可能であり、読み取った情報を個人を識別する識別コードとして用いてもよい。
【0030】
また更に、読取部8は、IDカードの代わりに利用者が所持するRFIDタグの識別情報を読み取るRFIDタグリーダとすることも可能であり、特にこの場合には、RFIDタグリーダの検出範囲を制限エリア内とすることで、制限エリア内に設置される1台のタグリーダでエリア内への入室者とエリアからの退出者の双方を検出できる。
【0031】
電気錠制御装置5は、MPUやマイコンなどで構成される制御部12と、HDDやメモリなどで構成される記憶部13と、カードリーダ3や画像監視装置30との通信を行う通信インターフェース14(通信I/F)と、電気錠付きドア2の電気錠4を制御する電気錠制御部15を備えている。記憶部13には、資格管理テーブルやエリアテーブルや在室管理テーブルなどの管理情報や、各種の処理プログラムやパラメータやデータなどが記憶されている。この在室管理テーブルに記憶される所在エリアが、本発明の在室情報に相当し、したがって、この記憶部13が、本発明の在室情報記憶部に相当する。
【0032】
ここで、図3を参照しながら、記憶部13に記憶される資格管理テーブル、エリアテーブル、在室管理テーブルについて具体的に説明する。
【0033】
図3(a)は、資格管理テーブルの一例を示した図である。資格管理テーブルは、カードリーダ3の操作が許容される利用者、すなわち、そのカードリーダ3を操作して制限区域へ入退場する資格を有する利用者の情報を示すテーブルであり、この例では、カードリーダ3のアドレスコードごとに、そのカードリーダ3を操作可能な利用者の識別コードが記録されたテーブルである。図3(a)の例では、アドレスコード「CR1」のカードリーダ3を操作可能な利用者(利用者A、B)の識別コード(XXXXX、YYYYY)や、アドレスコード「CR2」のカードリーダ3を操作可能な利用者(利用者A、B)の識別コード(XXXXX、YYYYY)が、資格管理テーブルに記録されている。
【0034】
図3(b)は、エリアテーブルの一例を示した図である。エリアテーブルは、カードリーダ3のアドレスコードと、そのカードリーダ3を管理する電気錠制御装置5(または、カードリーダ3に対応する電気錠4)のアドレスコードと、そのカードリーダ3が設置されているエリア(所属エリア)と、そのカードリーダ3を操作した後の移動先エリア(そのカードリーダ3に対応する電気錠付き扉により通行規制されるエリア)を、予め対応付けたテーブルである。図3(b)の例では、廊下側のカードリーダ3のアドレスコード「CR1」と、電気錠制御装置5のアドレスコード「D1」と、所属エリア「エリアA(廊下)」と、移動先エリア「エリアB(部屋)」が対応付けられており、また、部屋側のカードリーダ3のアドレスコード「CR2」と、電気錠制御装置5のアドレスコード「D1」と、所属エリア「エリアB(部屋)」と、移動先エリア「エリアA(廊下)」が対応付けられている。
【0035】
図3(c)は、在室管理テーブルの一例を示した図である。在室管理テーブルは、利用者の移動履歴を管理するテーブルであり、利用者の識別コードに対応して少なくとも現在の所在エリアが記憶されている。図3(c)の例では、利用者A(識別コードXXXXX)の現在の所在エリアが「エリアA(廊下)」であり、利用者B(識別コードYYYYY)の現在の所在エリアが「エリアB(部屋)」であることが記録されている。なお、後述するように、在室管理テーブルから利用者の識別コードに対応する在室情報が削除された場合には、その利用者の現在の所在エリアが「ニュートラル(中立状態)」にリセットされる。
【0036】
例えば、ある利用者(利用者A)がカードリーダ3(CR1)に識別コードを入力して認証OKとなった場合、その利用者がそのカードリーダ3(CR1)の所属エリア(エリアA)から移動先エリア(エリアB)に移動したことがわかる(図3(a)および(b)参照)。したがって、その場合、在室管理テーブルには、その利用者(利用者A)の現在の所在エリアとして、移動先エリア(エリアB)が記憶される(図4(a)および(b)参照)。
【0037】
なお、図3(c)では、在室管理テーブルに現在の所在エリアのみが記録される例について示したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、この在室管理テーブルは、例えば、利用者の所在エリアが変化するごとに、すなわち利用者がエリアを移動するごとに、それらのエリアを順次追加して記憶していき、利用者のエリア移動の履歴データとして保持されていてもよい。また、在室管理テーブルは、エリア毎に現在の在室者の情報を記憶する構成としてもよく、この場合、在室管理テーブルが、本発明の在室情報に相当する。
【0038】
図2に戻って、電気錠制御装置5の構成の説明を続ける。制御部12は、機能モジュールとして、利用者が読み込ませた識別コードをカードリーダ3から受け付ける識別情報受付部16と、この識別コード(利用者が読み込ませた識別コード)を資格管理テーブルと照合して利用者の入退室の可否を判定する入退室判定部17を備えている。ここでは、識別情報受付部16が、本発明の識別情報取得部に相当し、入退室判定部17が、本発明の入退場許可判定部に相当する。
【0039】
入退室判定部17は、この照合の結果、その利用者の識別コードが資格管理テーブルに登録された識別コードと一致しない場合には「認証NG」と判定し、一致した場合には「認証OK」と判定する。また、この入退室判定部17は、エリアテーブルと在室管理テーブルを参照して、利用者が読み込ませた識別コードに対応する所在エリア(利用者の所在エリア)と、その識別コードの読取りを行ったカードリーダ3の所属エリアとの照合も行う。そして、この照合の結果、両エリアが一致する場合には「認証OK」と判定し、両エリアが一致しない場合には「認証NG」と判定する。
【0040】
なお、後述するように、在室管理テーブルから利用者の識別コードに対応する在室情報が削除されている場合、すなわち、利用者の所在エリアが「ニュートラル」にリセットされている場合には、識別コードの読取りを行ったカードリーダ3の所属エリアがいずれのエリアであっても「認証OK」と判定される。電気錠制御部15は、この入退室判定部17の判定結果に応じて、電気錠付きドア2の電気錠4の施錠/解錠を制御する。したがって、電気錠制御部15は、本発明の入退場制御部に相当する。
【0041】
電気錠制御装置5は、「認証NG」と判定した場合には、電気錠4を解錠せず、認証結果をカードリーダ3に送信して処理を終了する。そして、カードリーダ3は、認証NGの認証結果を表示部10より出力する。一方、「認証OK」と判定した場合には、対応する電気錠4に解錠信号を出力するとともに、認証結果をカードリーダ3に送信する。そして、カードリーダ3は、認証OKの認証結果を表示部10より出力する。
【0042】
また、制御部12は、電気錠制御部15が電気錠付きドア2の電気錠4を解錠した後、その電気錠4が再度施錠されたときに、画像センサ6に制限区域の無人判定を実行するように指示する無人判定指示部18と、制限区域の無人判定の判定結果を画像センサ6から受け付ける判定結果受付部19とを備えている。ここでは、判定結果受付部19が、本発明の判定結果取得部に相当する。
【0043】
さらに、制御部12は、制限区域の出入口を通過する利用者の人数情報を画像センサ6から取得する人数情報取得部20を備えている。そして、無人判定指示部18は、制限区域の出入口を通過した利用者の人数が複数人であったときに、画像センサ6に制限区域の無人判定を実行するように指示してもよい。
【0044】
そして、この制御部12は、記憶部13に記憶されている在室管理テーブルを管理する在室情報管理部21を備えている。この在室情報管理部21は、利用者が制限区域を移動したときに、在室管理テーブルの利用者の所在エリアの情報を更新する機能を備えている。また、この在室情報管理部21は、無人判定によって制限区域内が無人であると判定されたときに、在室管理テーブルから利用者の識別コードに対応する在室情報を削除する機能を備えている。
【0045】
図4は、在室情報管理部21が行う在室管理処理の説明図である。例えば、図4(a)に示すように、利用者Aの所在がエリアA(廊下)であり、利用者Bの所在がエリアB(部屋)であった場合に、利用者AがエリアAからエリアBに移動すると、図4(b)に示すように、在室管理テーブルの利用者Aの所在エリアの情報が「エリアA」から「エリアB」に変更される。
【0046】
その後、利用者AとBが一緒にエリアBからエリアAへ移動したときに、利用者Aがカードリーダ3にIDカードをかざすのを失念してしまった場合には、図4(c)に示すように、利用者Aは実際にはエリアBからエリアAに移動しているにもかかわらず、在室管理テーブルでは利用者Aの所在はエリアBのままになってしまう。このような場合、画像センサ6で無人判定を行った結果、制限区域内が無人であると判定されると、図4(d)に示すように、在室管理テーブルから利用者Aの識別コードに対応する在室情報が削除され、利用者Aの所在エリアが「ニュートラル」にリセットされる。
【0047】
図2に示すように、画像センサ6は、MPUやマイコンなどで構成される制御部22と、HDDやメモリなどで構成される記憶部23と、制限区域のカメラ画像を撮影する撮像部24と、電気錠制御装置5や監視センターとの通信を行う通信インターフェース25(通信I/F)を備えている。制御部22は、機能モジュールとして、制限区域のカメラ画像に基づいて制限区域内が無人であるか否かの判定(無人判定)を行う無人判定部26と、制限区域の出入口付近のカメラ画像に基づいて制限区域の出入口を通過した利用者の人数を計測する通過人数計測部27を備えている。
【0048】
ここで、カメラ画像に基づいた無人判定について詳しく説明する。無人判定部26は、制限区域内を撮像した画像データに生じる変化から制限区域内の無人判定を行う。画像センサ6は、撮像部24により周期的に取得される画像データを所定フレーム数だけ記憶部23にバッファしている。この記憶部23にバッファされる画像データは、最も古い画像データを新しく受信した画像データで上書きしていくことで最新の画像データが所定フレーム数だけ保持される。そして、画像センサ6の無人判定部26は、撮像部24により取得される画像データの変化から制限区域が無人か否か判定する。
【0049】
より具体的には、撮像部24により取得された画像データを、過去の画像データと比較して、輝度値の変動が所定以上であった変動画素からなる変動領域を抽出し、この変動領域の面積が所定の基準面積以上である場合に制限区域が有人であると判定し、変動領域の面積が所定の基準面積より小さい場合に制限区域が無人であると判定する。変動領域の抽出方法は、直前の画像データとの差分によるフレーム間差分方式や、予め取得した基準画像データとの差分による背景差分方式など、種々の方式が知られるところであり、ここでは詳述しない。このようにして、画像センサ6の無人判定部26で行われた無人判定の判定結果が、電気錠制御装置5に出力される。
【0050】
この無人判定は、電気錠制御装置5からの指示に基づいて実行される。本実施の形態では、電気錠制御部15が電気錠付きドア2の電気錠4を解錠した後、その電気錠4が施錠されたときに、その制限区域(操作されたカードリーダ3の所属エリア)の無人判定が実行される。あるいは、制限区域の出入口(すなわち、電気錠付きドア2)を通過した利用者の人数が複数人であったときに、その制限区域の無人判定が実行されてもよい。また、電気錠付きドア2が開放された後、そのドア2が閉鎖されたときに、制限区域の無人判定が実行されてもよい。
【0051】
なお、ここでは、画像センサ6が、カメラ画像に基づいて無人判定や通過人数計測を行う例について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。例えば、無人判定部26は、超音波や熱線(赤外線)などを用いて、制限区域内が無人であるか否かの判定をしてもよい。また、例えば、通過人数計測部27は、対向型赤外線センサや走査型レーザー測距センサにより通過物体数を検出したり、RFIDタグとの無線通信などを利用して、制限区域の出入口を通過した利用者の人数を計測してもよい。
【0052】
また、この画像センサ6は、カードリーダ3又は警備設定部(図示せず)から入力された警備設定信号に基づき制限区域内の監視を有効とし、この監視が有効な期間中は、常時制限区域が無人であるか否かの判定をしてもよい。そして、制限区域が有人であると判定すると、遠隔の警備センターに異常信号を出力し、その制限区域の画像データを送信してもよい。
【0053】
以上のように構成された出入管理装置1について、図面を参照してその動作を説明する。
【0054】
図5は、本実施の形態の出入管理装置1で行われる認証処理の流れを示すフロー図である。この処理は、制限区域へ入退場しようとする利用者がカードリーダ3にIDカードをかざす操作(識別コードを入力する操作)をしたときに実行される。
【0055】
図5に示すように、カードリーダ3にIDカードをかざす操作(カード操作)が行われると(S1)、出入管理装置1は、資格管理テーブルを参照して(S2)、入力された識別コードが資格管理テーブルに登録された識別コードと一致するか否かの照合を行う(S3)。照合の結果、識別コードが一致しない場合には「認証NG」と判定して、「認証NG」の認証結果をカードリーダ3の表示部10に出力する(S4)。
【0056】
一方、照合の結果、識別コードが一致した場合には、在室管理テーブルとエリアテーブルを参照して(S5)、入力された識別コードに対応する所在エリア(利用者の所在エリア)とその識別コードの読取りを行ったカードリーダ3の所属エリアとの照合を行う(S6)。照合の結果、利用者の所在エリアとカードリーダ3の所属エリアが一致しない場合には「認証NG」と判定して、「認証NG」の認証結果をカードリーダ3の表示部10に出力する(S4)。
【0057】
一方、照合の結果、利用者の所在エリアとカードリーダ3の所属エリアが一致した場合には、「認証OK」と判定して、「認証OK」の認証結果をカードリーダ3の表示部10に表示するとともに、そのドア2の電気錠4を解錠する(S7)。このとき、利用者の所在エリアが「ニュートラル」にリセットされている場合には、カードリーダ3の所属エリアがいずれのエリアであっても「認証OK」と判定される。そして、在室管理テーブルの利用者の所在エリアの情報が更新される(S8)。例えば、利用者AがエリアAからエリアBに移動すると、在室管理テーブルの利用者Aの所在エリアの情報が「エリアA」から「エリアB」に変更される(図4(b)参照)。
【0058】
図6は、本実施の形態の出入管理装置1で行われる在室管理処理の流れを示すフロー図である。この処理は、制限区域へ入場または制限区域から退場しようとする利用者が「認証OK」と判定されてドア2の電気錠4が解錠されたときに実行される。
【0059】
図6に示すように、制限区域へ入場または制限区域から退場しようとする利用者が「認証OK」と判定されてドア2の電気錠4が解錠され(S10)、解錠から所定時間後にその電気錠4が施錠されると(S11)、画像センサ6がカメラ画像に基づいて制限区域の無人判定を行った判定結果を参照する(S12)。制限区域が無人であると判定された場合には(S13)、在室管理テーブルを参照して(S14)、その制限区域が所在エリアとして登録されている利用者が存在していれば(S15)、その利用者の所在エリアを「ニュートラル」にリセットする(S16)。
【0060】
例えば、利用者Aがカードリーダ3にIDカードをかざすのを失念してしまった場合には、利用者Aは実際にはエリアBからエリアAに移動しているにもかかわらず、在室管理テーブルでは利用者Aの所在はエリアBのままになってしまう(図4(c)参照)。このような場合に、画像センサ6で無人判定を行った結果、制限区域内が無人であると判定されると、在室管理テーブルから利用者Aの識別コードが削除され、利用者Aの所在エリアが「ニュートラル」にリセットされる(図4(d)参照)。
【0061】
このような本発明の第1の実施の形態の出入管理装置1によれば、無人判定によって制限区域が無人であると判定されると、在室管理テーブルにおいてその制限区域に在室したままになっている利用者の識別コードに対応する在室情報を削除して、利用者の制限区域への入場を許可する。これにより、制限区域への入退場の資格を有している利用者がアンチパスバック違反となるのを救済し、その利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【0062】
すなわち、本実施の形態では、利用者が制限区域へ入場したり制限区域から退場したりすると、その利用者の識別コードが取得され、ある制限区域に入場している利用者の識別コードがその制限区域の在室管理テーブルに記憶される。出入管理装置1は、この在室管理テーブルに基づいて利用者の制限区域への入場または制限区域からの退場を管理する。例えば、ある利用者の識別コードの所在エリアがある制限区域となって在室管理テーブルに記憶されているときには、その利用者はその制限区域に入場している(まだ退場していない)として、その制限区域からの退場は「許可」と判定され、一方、その制限区域への入場(再入場)は「不許可」と判定される。
【0063】
ところで、ある利用者がある制限区域に入場した後に他の利用者と一緒に退場(いわゆる共連れ)してしまった場合や、利用者が退場時に識別コードの入力を失念してしまった場合などには、退場時に利用者の識別コードが正しく取得されないことがある。そのような場合、従来のシステムでは、その利用者の識別コードがその制限区域に対応付けて在室管理テーブルに記憶されたままになっているため、その利用者はその制限区域に入場している(まだ退場していない)と誤判断され、その制限区域への再入場が「不許可」とされてしまう。一旦、制限区域への再入場が「不許可」とされてしまうと、たとえ制限区域への入退場の資格を有している利用者であっても、制限区域に再入場するために面倒な手続きが必要であり、利用者に過度の負担を強いることになる。
【0064】
本実施の形態では、制限区域のカメラ画像に基づいてその制限区域が無人であると判定されたときには、在室管理テーブルにおいてその制限区域に在室したままになっている利用者の識別コードに対応する在室情報が削除され、利用者の制限区域への入場が許可される。このように、本実施の形態では、退場時に利用者の識別コードが正しく取得されなかったとしても、制限区域のカメラ画像からすべての利用者の退出が確認できた場合には、利用者の制限区域への入場が許可される。したがって、制限区域への入退場の資格を有している利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、入退場許可判定部で制限区域への入退室が「許可」と判定されると、制限区域へのドア2の電気錠4が解錠され、利用者は制限区域に出入できるようになる。一方、制限区域への入退場が「不許可」と判定されると、制限区域へのドア2の電気錠4は解錠されず、利用者は制限区域に出入できない。ところで、制限区域へのドア2の電気錠4が解錠されて、利用者が制限区域に出入できるようになると、制限区域に入場している利用者が識別コードの入力を失念して退場してしまうことも考えられる。本実施の形態では、このような事態を想定し、制限区域へのドア2の電気錠4の解錠、すなわち、利用者が制限区域に出入できるようになったことをトリガーとして、制限区域のカメラ画像に基づいて制限区域の無人判定が実行される。そして、制限区域のカメラ画像からすべての利用者の退出が確認できた場合には、利用者の制限区域への入場が許可される。したがって、制限区域へのドア2の電気錠4が解錠された際に、利用者が識別コードの入力をせずに退場してしまった場合であっても、その利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【0066】
また、本実施の形態では、画像センサ6によって制限区域の出入口を通過する利用者の人数の情報が取得される。制限区域の出入口を複数人の利用者が通過する際には、ある利用者が他の利用者と一緒に退場(いわゆる共連れ)してしまうことも考えられる。本実施の形態では、このような事態を想定し、制限区域の出入口を通過した人数が「複数人」であった場合には、そのことをトリガーとして、制限区域のカメラ画像に基づいて制限区域の無人判定が実行される。そして、制限区域のカメラ画像からすべての利用者の退出が確認できた場合には、利用者の制限区域への入場が許可される。したがって、複数人の利用者が制限区域の出入口を通過した際に、ある利用者が識別コードの入力をせずに退場してしまった場合であっても、その利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【0067】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態の出入管理システムについて説明する。ここでは、第2の実施の形態の出入管理システムが、第1の実施の形態と相違する点を中心に説明する。ここで特に言及しない限り、本実施の形態の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0068】
図7は、本実施の形態の出入管理システムの概略図であり、図8は、本実施の形態の出入管理システムの構成を示すブロック図である。図7および図8に示すように、本実施の形態では、出入管理装置1が、電気錠付きドア2とカードリーダ3と電気錠制御装置5で構成されている。そして、電気錠制御装置5が、監視区域内の利用者を監視する画像監視装置30に接続されており、画像監視装置30が、監視区域内を撮影する監視カメラ31に接続されている。なお、第1の実施の形態と同様、画像監視装置30は、遠隔の監視センターの監視卓に設置された監視用端末にも接続されており、監視センターの監視員は、監視用端末のモニタでロッカー室内での利用者の行動を画像で監視することができる。また、この電気錠制御装置5は、監視区域の出入口付近に設置された共連れ検知センサ32にも接続されている。
【0069】
画像監視装置30は、MPUやマイコンなどで構成される制御部33と、HDDやメモリなどで構成される記憶部34と、電気錠制御装置5や監視センターとの通信を行う通信インターフェース35(通信I/F)を備えている。制御部33は、機能モジュールとして、制限区域のカメラ画像に基づいて制限区域内が無人であるか否かの判定(無人判定)を行う無人判定部36を備えている。また、共連れ検知センサ32は、対向型赤外線センサや走査型レーザー測距センサにより通過物体数を検出したり、RFIDタグとの無線通信などを利用して、制限区域の出入口を通過した利用者の人数を計測する通過人数計測部37と、電気錠制御装置5との通信を行う通信インターフェース38(通信I/F)を備えている。
【0070】
このような本発明の第2の実施の形態の出入管理システムによっても、第1の実施の形態と同様の作用効果が奏される。すなわち、制限区域への入退場の資格を有している利用者がアンチパスバック違反となるのを救済し、その利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上のように、本発明にかかる出入管理装置は、制限区域への入退場の資格を有している利用者が制限区域に再入場するときの負担を軽減することができるという効果を有し、制限区域への利用者の出入を管理する管理システム等に適用することができ、有用である。
【符号の説明】
【0073】
1 出入管理装置
2 ドア
3 カードリーダ
4 電気錠
5 電気錠制御装置
6 画像センサ
7 制御部
8 読取部
9 記憶部
10 表示部
11 通信インターフェース
12 制御部
13 記憶部
14 通信インターフェース
15 電気錠制御部
16 識別情報受付部
17 入退室判定部
18 無人判定指示部
19 判定結果受付部
20 人数情報取得部
21 在室情報管理部
22 制御部
23 記憶部
24 撮像部
25 通信インターフェース
26 無人判定部
27 通過人数計測部
30 画像監視装置
31 監視カメラ
32 共連れ検知センサ
33 制御部
34 記憶部
35 通信インターフェース
36 無人判定部
37 通過人数計測部
38 通信インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制限区域への利用者の出入を管理する出入管理装置であって、
前記制限区域への入場時および前記制限区域からの退場時に前記利用者の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記制限区域に入場している前記利用者の識別情報を前記制限区域の在室情報として記憶する在室情報記憶部と、
前記制限区域の在室情報に基づいて、前記利用者の前記制限区域への入場または前記制限区域からの退場を許可するか否かを判定する入退場許可判定部と、
前記制限区域内が無人であるか否かを判定する監視手段から無人判定の判定結果を取得する判定結果取得部と、
前記無人判定によって前記制限区域内が無人であると判定されたときに、前記制限区域の在室情報を削除する在室情報管理部と、
を備え、
前記入退場許可判定部は、入場を希望する利用者の識別情報が前記制限区域の在室情報として記憶されていなければ、当該利用者の前記制限区域への入場を許可と判定することを特徴とする出入管理装置。
【請求項2】
前記入退場許可判定部での判定結果に基づいて、前記利用者の前記制限区域への入退場の禁止/解除を制御する入退場制御部と、
前記制限区域への入退場が解除された後に、前記制限区域の無人判定を実行するように指示する無人判定指示部と、
を備える、請求項1に記載の出入管理装置。
【請求項3】
前記制限区域の出入口を通過する前記利用者の人数の情報を取得する人数情報取得部を、さらに備え、
前記無人判定指示部は、前記制限区域の出入口を通過した前記利用者の人数が複数人であったときに、前記制限区域の無人判定を実行するように指示する、請求項2に記載の出入管理装置。
【請求項4】
制限区域への利用者の出入を管理する出入管理装置と、前記制限区域内を監視する監視装置とを備えた出入管理システムであって、
前記監視装置は、
前記制限区域を監視して前記制限区域内が無人であるか否かを判定する無人判定を行う無人判定部を備え、
前記出入管理装置は、
前記制限区域への入場時および前記制限区域からの退場時に前記利用者の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記制限区域に入場している前記利用者の識別情報を前記制限区域の在室情報として記憶する在室情報記憶部と、
前記制限区域の在室情報に基づいて、前記利用者の前記制限区域への入場または前記制限区域からの退場を許可するか否かを判定する入退場許可判定部と、
前記監視装置から前記無人判定の判定結果を取得する判定結果取得部と、
前記無人判定によって前記制限区域内が無人であると判定されたときに、前記制限区域の在室情報を削除する在室情報管理部と、
を備え、
前記入退場許可判定部は、入場を希望する利用者の識別情報が前記制限区域の在室情報として記憶されていなければ、当該利用者の前記制限区域への入場を許可と判定することを特徴とする出入管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−179170(P2011−179170A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41572(P2010−41572)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】