説明

出力バッファ回路及びその制御方法

【課題】高耐圧トランジスタを用いないで高電圧出力と高速出力とを両立させる出力バッファ回路を提供する。
【解決手段】第1及び第2の電源が供給され、第1の電源系の入力論理信号を第2の電源系の出力論理信号に変換して出力する出力バッファ回路であって、第2の電源と接地との間にソースドレインが直列に接続された第1乃至第4のトランジスタと、第2の電源電圧が大きいときに、第1の電源電圧を出力し、第2の電源電圧が小さいときに接地電圧を出力する第1制御電圧生成回路と、入力論理信号が接地レベルのときに第2の電源の電圧値を出力し、入力論理信号が第1の電源電圧レベルのときに第1制御電圧生成回路の出力電圧と略同一電圧レベルの信号を出力する第2制御電圧生成回路と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力バッファ回路及びその制御方法に関する。特に、入力系と出力系とで異なる電源電圧が供給される場合には、入力系の振幅の小さい信号を出力系の振幅の大きい信号に電圧レベル変換して出力することのできる出力バッファ回路及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体集積回路の技術の進歩には、目覚しいものがある。微細加工の技術が進むにつれて、従来には考えられなかったようなシステムも1チップに集積化できるようになってきている。また、動作周波数も従来は考えられなかったような高速なシステムも表れてきている。一方、微細化の技術が進むにつれて半導体集積回路に内蔵されるトランジスタの耐圧は低下してきており、半導体集積回路に供給される電源電圧は、5Vから3.3Vへ、3.3Vから1.8Vまたはさらに低い電源電圧へと変化してきている。
【0003】
すなわち、半導体集積回路は、より高速動作が求められると共に、トランジスタがより低耐圧になって来ているので電源電圧もそれにつれて低下する傾向にある。しかし、半導体集積回路の中には、従来の高い電源電圧が供給される製品と互換性を保ちつつ、より高速な動作が求められる製品がある。たとえば、SDカード用インターフェースを備える半導体集積回路において、従来の3.3V仕様の50MHZ動作と、1.8V仕様の208MHZ動作のどちらのモードにおいても動作する半導体集積回路が求められている。すなわち、電源電圧として3.3Vが供給される場合より、より低電圧の1.8Vが供給される場合により高速な動作が求められる。
【0004】
特許文献1には、低耐圧のトランジスタを用いて高振幅の信号を出力する出力回路及びレベルシフト回路が記載されている。図5に特許文献1記載の出力バッファ回路の回路ブロック図を示す。図5に記載の出力バッファ回路によれば、Nチャネル型トランジスタN21およびN23のゲート端子に印加される第1の中間電圧Vref1を、電源電圧VDDの半分の電圧(VDD/2)より、しきい値電圧Vtnだけ高い電圧Vref1=VDD/2+Vtnとし、Pチャネル型トランジスタP21およびP23のゲート端子に印加される第2の中間電圧Vref2を、電源電圧VDDの半分の電圧(VDD/2)より、しきい値電圧Vtpだけ低い電圧Vref2=VDD/2−|Vtp|とすることにより、接続点A〜Dに出力される信号の振幅を電源電圧の半分の電圧であるVDD/2以下に抑えることができる。よって、各トランジスタのソース/ドレイン間の耐圧が電源電圧の半分程度であっても、トランジスタが劣化したり破壊したりすることなく、高振幅の信号を出力させることができると特許文献1には記載されている。上記図5に記載の従来の出力バッファ回路を用いれば、1.8V系の低耐圧トランジスタを用いて、3.3V系の高振幅信号を出力することができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−39560号公報
【特許文献2】米国特許第5821800号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下の分析は本発明により与えられる。図5に記載の従来の出力バッファ回路を電源電圧VDDが低い電圧で用いられる場合には、第2の中間電圧Vref2と電源電圧VDDとの電位差がなくなるため、PMOSトランジスタP23が導通しなくなり、ハイレベルが出力できない。したがって、この従来の出力バッファ回路は3.3V等の高電源電圧が供給される環境で用いる場合にはよいが、1.8V等の低電源電圧が供給される場合に高速にスイッチング動作を行うことができない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面による出力バッファ回路は、第1及び第2の電源が供給され、前記第1の電源系の入力論理信号を前記第2の電源系の出力論理信号に変換して出力する出力バッファ回路であって、前記第2の電源電圧の絶対値が所定の電圧値を超えるときに、前記第1の電源電圧を第1制御電圧信号として出力し、前記第2の電源電圧の絶対値が前記所定の電圧値以下のときに接地電圧を前記第1制御電圧信号として出力する第1制御電圧生成回路と、前記入力論理信号が接地レベルのときに第2の電源の電圧値を第2制御電圧信号として出力し、前記入力論理信号が第1の電源電圧レベルのときに前記第1制御電圧と略同一レベルの電圧値となる前記第2制御電圧信号を出力する第2制御電圧生成回路と、前記第2の電源と接地との間に第1、第2のトランジスタが第1導電型のトランジスタであり、第3、第4のトランジスタが第2導電型のトランジスタである第1乃至第4のトランジスタのソースドレインをその順番で直列に接続し、前記第1乃至第4のトランジスタのゲートにそれぞれ、前記第2制御電圧信号と、前記第1制御電圧信号と、基準電圧信号と、前記入力論理信号の反転信号と、を接続し、前記第2のトランジスタと第3のトランジスタとのドレインの接続点から前記出力論理信号を出力するように構成されている。
【0008】
本発明の第2の側面による出力バッファ回路の制御方法は、第2の電源と出力端子との間にソースドレインが直列に接続された第1導電型の第1及び第2のトランジスタと、出力端子と接地との間にソースドレインが直列に接続された第2導電型の第3及び第4のトランジスタと、を含み、第1及び第2の電源が供給され、第1の電源系の入力論理信号を前記第2の電源系の出力論理信号に変換して前記出力端子から出力する出力バッファ回路の制御方法であって、前記第2のトランジスタのゲートには、前記第2の電源電圧の絶対値が所定の電圧値を超えるときに、前記第1の電源電圧を与え、前記第2の電源電圧の絶対値が前記所定の電圧値以下のときに接地電圧を与え、前記第1のトランジスタのゲートには、前記入力論理信号が接地レベルのときに第2の電源の電圧値を与え、前記入力論理信号が第1の電源電圧レベルのときに前記第2のトランジスタのゲート電圧と略同一レベルの電圧値を与え、前記第3のトランジスタのゲートには、前記第1の電源電圧レベルの固定電圧を与え、前記第4のトランジスタのゲートには、前記入力論理信号の反転信号を与える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の出力バッファ回路によれば、出力系となる第2の電源電圧の電圧レベルにかかわらず使用できる出力バッファ回路が得られる。特に第2の電源電圧が高い場合には、トランジスタの耐圧を超える振幅の出力信号を出力し、第2の電源電圧が低い場合には、第2の電源電圧が高い場合と同一の回路を用いて、高速にスイッチングする出力バッファ回路が得られる。
【0010】
また、本発明の出力バッファ回路の制御方法によれば、第2の電源電圧が高い場合には、出力バッファ回路に用いられるトランジスタの耐圧を超える振幅の出力信号を出力し、第2の電源電圧が低い場合には、高速にスイッチングさせる出力バッファ回路の制御方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例による出力バッファ回路のブロック図である。
【図2】図1のより詳細な回路図である。
【図3】一実施例における第1制御電圧生成回路の入力電圧対出力電圧の特性図である。
【図4】一実施例による出力バッファ回路の各部の波形図である。
【図5】特許文献1に記載の従来の出力バッファ回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
最初に本発明の実施形態の概要について、説明する。なお、概要の説明において引用する実施例の図面及び図面の符号は実施形態の一例として示すものであり、それにより本発明による実施形態のバリエーションを制限するものではない。
【0013】
図1に一例を示すように、一実施形態の出力バッファ回路は、第1及び第2の電源(VDD1とVDD2)が供給され、第1の電源系の入力論理信号INを第2の電源系の出力論理信号OUTに変換して出力する出力バッファ回路100であって、第2の電源電圧VDD2の絶対値が所定の電圧値を超えるときに、第1の電源電圧VDD1を第1制御電圧信号VCT1として出力し、第2の電源電圧VDD2の絶対値が所定の電圧値以下のときに接地電圧GNDを第1制御電圧信号VCT1として出力する第1制御電圧生成回路10と、入力論理信号INが接地GNDレベルのときに第2の電源の電圧値VDD2を第2制御電圧信号VCT2として出力し、入力論理信号INが第1の電源電圧VDD1レベルのときに第1制御電圧信号VCT1と略同一レベルの電圧値となる第2制御電圧信号VCT2を出力する第2制御電圧生成回路20と、第2の電源と接地との間に第1、第2のトランジスタが第1導電型のトランジスタであり、第3、第4のトランジスタが第2導電型のトランジスタである第1乃至第4のトランジスタP1、P2、N3、N4のソースドレインをその順番(P1、P2、N3、N4の順番)で直列に接続し、第1乃至第4のトランジスタのゲートにそれぞれ、第2制御電圧信号VCT2と、第1制御電圧信号VCT1と、基準電圧信号VREFと、入力論理信号の反転信号INBと、を接続し、第2のトランジスタP2と第3のトランジスタN3とのドレインの接続点から出力論理信号OUTを出力するように構成されている。
【0014】
好ましくは、第3のトランジスタN3のゲートに接続する基準電圧信号VREFが第1の電源電圧VDD1レベルの定電圧信号である。
【0015】
好ましくは、図2に一例を示すように、第1制御電圧生成回路10は、第2電源VDD2の電圧値を分圧する分圧回路11と、第1の電源VDD1が供給され、分圧した電圧値Q11を判定する電圧値判定回路12、13、14とを含む。
【0016】
また、図2に一例を示すように、第2制御電圧生成回路20は、ソースが共に第2の電源VDD2に接続され、共にゲートが相手方のドレインに接続された第5、第6のトランジスタP5、P6と、ソースがそれぞれ第5、第6のトランジスタP5、P6のドレインに接続され、共にゲートに第1制御電圧信号VCT1が入力される第7、第8のトランジスタP7、P8と、ソースが接地され、ゲートに入力論理信号の反転信号INBが入力してドレインと第7のトランジスタP7のドレインとの間に流れる電流の導通、非導通が制御される第9のトランジスタN9と、ソースが接地され、ゲートに入力論理信号INが接続されてドレインと第8のトランジスタP8のドレインとの間に流れる電流の導通、非導通が制御される第10のトランジスタN10と、を備え、第6のトランジスタP6のドレインから第2制御電圧信号VCT2を出力し、第5乃至第8トランジスタP5〜P8が第1導電型のトランジスタであり、第9乃至第10のトランジスタN9、N10が第2導電型のトランジスタであって、入力論理信号INが第1の電源電圧VDD1レベルのときの第2制御電圧信号VCT2の電圧レベルは、第8のトランジスタP8のしきい値分だけ第1制御電圧信号VCT1の電圧レベルからシフトした電圧レベルであってもよい。
【0017】
好ましくは、図2に一例を示すように、第2制御電圧生成回路20は、ソースが第9のトランジスタN9のドレインに接続され、ドレインが第7のトランジスタP7のドレインに接続され、ゲートに基準電圧信号VREFが入力される第2導電型の第11のトランジスタN11と、ソースが第10のトランジスタN10のドレインに接続され、ドレインが前記第8のトランジスタのドレインに接続され、ゲートに基準電圧信号VREFが入力される第2導電型の第12のトランジスタN12と、をさらに備える。
【0018】
好ましくは、図2に一例を示すように、第1制御電圧生成回路10は、一端が第2の電源VDD2に接続された第1の抵抗素子N13と、一端が第1の抵抗素子N13の他端に接続され、他端が接地GNDに接続された第2の抵抗素子(R2とN14の直列接続)と、を含む分圧回路と、第1の抵抗素子N13の他端と第2の抵抗素子(R2とN14の直列接続)の一端がゲートに接続され、ドレインが第2の電源に接続されたソースフォロア回路12と、ソースフォロア回路の出力信号を波形整形し、前記第1の制御電圧信号を生成する波形整形回路(13と14)と、を含む。
【0019】
さらに好ましくは、図2に一例を示すように、第1制御電圧生成回路10は、ドレインが第2の電源VDD2に接続され、ゲートが第1の電源VDD1に接続された第2導電型のデプレッショントランジスタである第13のトランジスタN13と、ドレインが抵抗R2を介して第13のトランジスタN13のソースに接続され、ゲートとソースが接地された第2導電型のデプレッショントランジスタである第14のトランジスタN14と、ゲートが第13のトランジスタN13のソースに接続され、ソースが抵抗R3を介して接地され、ドレインが第1の電源VDD1に接続された第2導電型のトランジスタである第15のトランジスタN15と、第1の電源VDD1が供給され、第15のトランジスタN15のソースが入力端子Q15に接続された第1のインバータ回路13と、第1の電源VDD1が供給され、第1のインバータ回路13の出力端子Q12が入力端子に接続され、出力端子Q13から第1制御電圧信号VCT1を出力する第2のインバータ回路14と、を含む。なお、図2の例では、第1制御電圧生成回路10の分圧回路11にデプレッショントランジスタN13とN14を用いているが、分圧回路11は、デプレッショントランジスタを用いずに通常のエンハンスメント型のトランジスタのみを用いて構成できることは言うまでもない。
【0020】
好ましくは、一例を図2に示すように、各第1導電型のトランジスタP1、P2、P5〜P8がPMOSトランジスタ、各第2導電型のトランジスタN3、N4、N9〜N15がNMOSトランジスタであり、第1の電源VDD1、第2の電源VDD2が共に接地に対して正の電源電圧が供給される電源である。
【0021】
または、各第1導電型のトランジスタP1、P2、P5〜P8がNMOSトランジスタ、各第2導電型のトランジスタN3、N4、N9〜N15がPMOSトランジスタであり、第1の電源VDD1、第2の電源VDD2が共に接地に対して負の電源電圧が供給される電源であってもよい。
【0022】
また、図1に一例を示すように、一実施形態の出力バッファ回路の制御方法は、第2の電源VDD2と出力端子OUTとの間にソースドレインが直列に接続された第1導電型の第1及び第2のトランジスタP1、P2と、出力端子OUTと接地GNDとの間にソースドレインが直列に接続された第2導電型の第3及び第4のトランジスタN3、N4と、を含み、第1及び第2の電源VDD1、VDD2が供給され、第1の電源系の入力論理信号INを第2の電源系の出力論理信号OUTに変換して出力端子OUTから出力する出力バッファ回路100の制御方法であって、第2のトランジスタP2のゲートには、第2の電源電圧VDD2の絶対値が所定の電圧値を超えるときに、第1の電源電圧VDD1を与え、第2の電源電圧VDD2の絶対値が所定の電圧値以下のときに接地電圧GNDを与え、第1のトランジスタP1のゲートには、入力論理信号INが接地GNDレベルのときに第2の電源の電圧値VDD2を与え、入力論理信号INが第1の電源電圧VDD1レベルのときに第2のトランジスタP2のゲート電圧VCT1と略同一レベルの電圧値VCT2を与え、第3のトランジスタN3のゲートには、第1の電源電圧VDD1レベルの固定電圧を与え、第4のトランジスタN4のゲートには、入力論理信号INの反転信号を与える。
【0023】
以上で概要の説明を終了し、以下、本発明のより具体的な実施例について、図面を参照してより詳しく説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、実施例1の出力バッファ回路のブロック図である。図1の出力バッファ回路100は、論理信号入力端子INから入力されるVDD1系の入力論理信号INをVDD2系の出力信号に変換して出力端子OUTから出力する出力バッファ回路100である。実施例1の出力バッファ回路は、第2の電源電圧VDD2の電圧値が、第1の電源電圧VDD1の電圧値と同等の電圧が供給される場合と、第1の電源電圧VDD1より高い電源電圧が供給される場合のどちらのケースにおいても使用できるような考慮がされている。
【0025】
たとえば、出力バッファ回路がSDカードのように様々なシステムに着脱されて使用される装置の出力バッファ回路であるような場合に、システムから高電圧電源(例えば3.3V)が供給される場合にも低電圧電源(例えば1.8V)が供給される場合にもどちらの場合であっても使用できることが好ましい。システムから高電圧電源が供給される場合、装置の内部にレギュレータ回路を設ければ、装置の内部回路は低電圧電源に降圧して動作させることができる。しかし、システムとのインターフェース部分の出力回路の電源はシステムの電源電圧に合わせて高電源電圧にする必要がある。このような場合に対応できるように、図1の出力バッファ回路は、第2の電源電圧VDD2が第1の電源電圧VDD1と同等の電圧かより低い電圧であっても、第2の電源電圧VDD2が第1の電源電圧VDD1より高い電圧であってもどちらの場合であっても動作するように構成されている。
【0026】
また、実施例1の出力バッファ回路は、出力バッファ回路を構成するPMOSトランジスタやNMOSトランジスタがいずれも低耐圧のトランジスタであって、第2の電源電圧VDD2の電圧値が、ソースドレイン間耐圧、ゲートソース間耐圧、ゲートドレイン間耐圧を越える場合であっても、各トランジスタのソースドレイン間、ゲートソース間、ゲートドレイン間には、いずれも高々VDD1相当の電圧しか印加されないように構成されている。したがって、出力バッファ回路は、すべて半導体装置の微細加工プロセスが使用できる低耐圧のトランジスタであってかまわない。すなわち、各トランジスタの耐圧はVDD1の耐圧があれば充分であり、第2の電源VDD2の電圧値の値は、第1の電源VDD1の電圧値の最大値の2倍を超えなければ、各トランジスタの耐圧を超える高電圧であってもかまわない。
【0027】
図1において、第2の電源VDD2と出力端子OUTとの間には、第1のトランジスタP1と第2のトランジスタP2のソースドレインが直列に接続されている。この第1のトランジスタP1と第2のトランジスタP2はいずれも低耐圧のPMOSトランジスタである。第1のトランジスタP1のゲートには、第2制御電圧生成回路20が出力する第2制御電圧信号VCT2が接続され、第2のトランジスタP2のゲートには、第1制御電圧生成回路10が出力する第1制御電圧信号VCT1が接続されている。
【0028】
また、出力端子OUTと接地GNDとの間には、第3のトランジスタN3と第4のトランジスタN4のソースドレインが直列に接続されている。この第3のトランジスタN3と第4のトランジスタN4はいずれも低耐圧のNMOSトランジスタである。第3のトランジスタN3のゲートには、基準電圧信号VREFが接続され、第4のトランジスタN4のゲートには、反転入力論理信号INBが接続される。
【0029】
基準電圧信号VREFには、好ましくは、第1の電源VDD1の電圧値VDD1そのものが与えられる。なお、基準電圧信号VREFに与える電圧としては、NMOSトランジスタN3、N4のドレインソース間、ゲートソース間、ゲートドレイン間に印加される電圧を緩和できる固定電圧であれば、VDD1以外の電圧を与えてもよい。
【0030】
また、論理信号入力端子INから入力されたVDD1系の入力論理信号INはVDD1系のインバータ回路30により論理反転されて反転入力論理信号INBとなり、第4のトランジスタN4のゲートに接続される。なお、入力論理信号IN及びその反転信号である反転入力論理信号INBは、ロウレベルがGNDレベル、ハイレベルがVDD1レベルとなるVDD1系の論理(デジタル)信号である。
【0031】
第1制御電圧生成回路10は、第1の電源VDD1が電源として供給され、第2の電源VDD2の電圧値を入力し、第2の電源VDD2の電圧値を判定して、その判定結果により、第1制御電圧信号VCT1を出力する。第1制御電圧生成回路10は、第2の電源VDD2の電圧値が所定の電圧値を超えている場合には、第1の電源VDD1の電圧値を第1制御電圧信号VCT1として出力する。一方、第2の電源VDD2の電圧値が所定の電圧値以下の場合には、接地電圧GNDを第1制御電圧信号VCT1として出力する。第1制御電圧生成回路10が判定の基準とする所定の電圧値は任意に設定することができるが、たとえば、第1の電源VDD1の電源電圧値を基準として第2の電源VDD2の電圧値が第1の電源VDD1の電圧値を一定以上超えているか否かによって判定することができる。たとえば、第1の電源VDD1が1.8Vである場合に、第2の電源VDD2の電圧値が3.3Vであるか、1.8Vであるかによって判定することができる。
【0032】
第2制御電圧生成回路20は、第2の電源VDD2が電源として供給される回路であって、入力論理信号INと第1制御電圧信号VCT1とを入力し、第2制御電圧信号VCT2を出力する。第2制御電圧生成回路20は、入力論理信号INがロウレベル(GNDレベル)であるときは、第2の電源電圧VDD2を第2制御電圧信号VCT2として出力する。また、入力論理信号INがハイレベル(VDD1レベル)であるときは、第1制御電圧信号VCT1と略同等の電圧レベルの信号を第2制御電圧信号VCT2として出力する。
【0033】
上記構成によれば、出力端子OUTと第2の電源VDD2との間には、トランジスタP1とP2が直列に接続されているので、第2の電源VDD2の電圧値が高い場合で出力端子OUTからグランドGNDレベルの出力信号を出力するときに、直列接続されたトランジスタP1、P2にいずれもVDD1以上のソースドレイン間電圧が印加されないようにトランジスタP1とP2のゲート電圧を制御する。また、ゲートソース間、ゲートドレイン間の電圧についてもVDD1以上の電圧が印加されないように制御される。
【0034】
同様に、出力端子OUTと接地GNDとの間には、トランジスタN3とN4が直列に接続され、第2の電源VDD2の電圧値が高い場合で出力端子OUTからVDD2レベルの出力信号を出力するときに、直列接続されたトランジスタN3、N4にいずれにもVDD1以上のソースドレイン間電圧が印加されず、ゲートソース間、ゲートドレイン間の電圧についてもVDD1以上の電圧が印加されないように制御する。
【0035】
一方、第2の電源VDD2の電源電圧が低い場合には、第1制御電圧信号VCT1は、接地レベルで固定になるので、トランジスタP2は常に導通状態となる。トランジスタP1は、出力端子OUTからロウレベルを出力する場合は、ゲートにVDD2レベルの電圧が与えられ完全に非導通に制御される。また、出力端子OUTからハイレベルを出力する場合は、トランジスタP1のゲートには、接地に近い電圧レベルが与えられるので、出力端子OUTの電圧レベルを高速にVDD2レベルまで引き上げることができる。
【0036】
図2は、図1における出力バッファ回路100の第1制御電圧生成回路10、第2制御電圧生成回路20の内部の回路構成まで記載した回路図である。図2を用いて、第1制御電圧生成回路10、第2制御電圧生成回路20の内部の回路構成についてさらに説明する。図2の回路は、第1制御電圧生成回路10、第2制御電圧生成回路20の内部の回路構成が記載されていることを除いて、図1の出力バッファ回路と同一である。したがって、図1ですでに説明した部分については説明を省略する。
【0037】
図2において、第1制御電圧生成回路10は、第2の電源VDD2の電圧値を分圧する分圧回路11と、分圧回路11により分圧した電圧値を判定する電圧値判定回路を含む。電圧値判定回路は、分圧回路11により電圧した電圧値をシフトさせるソースフォロア回路12と、ソースフォロア回路12の出力信号の電圧レベルを判定して波形整形する縦続接続されたインバータ回路13、14により構成される。
【0038】
分圧回路11は、ドレインが第2の電源VDD2に、ゲートが抵抗R1を介して第1の電源VDD1に接続されたNMOSの低耐圧デプレッショントランジスタである第13のトランジスタN13と、第13のトランジスタN13のソースと抵抗R2を介してドレインが接続されたNMOSの低耐圧デプレッショントランジスタである第14のトランジスタN14を備えている。第14のトランジスN14のゲートとソースは接地GNDに接続されている。上記構成により、第2の電源VDD2から接地GNDへ第13のトランジスタN13のドレインソース間と抵抗R2と第14のトランジスタN14のドレインソース間を介して電流が流れる。電流が流れるとトランジスタN13、N14のオン抵抗と抵抗R2の値によって、トランジスタN13のソースであるノードQ11には、一定の電圧が生じる。このノードQ11に生じる電圧を電圧値判定回路12〜14により判定する。なお、抵抗R1は、トランジスタN13のゲート保護等のために設けられている。回路動作としては、抵抗R1は必ずしも設ける必要はない。また、ここでは、分圧回路にNMOSのデプレッショントランジスタN13、N14を用いているが、デプレッショントランジスタを用いずに、通常のエンハンスメント型のMOSトランジスタのみを用いても分圧回路が構成できることは言うまでもない。また、トランジスタを用いずに抵抗によって分圧回路を構成することも可能である。
【0039】
ソースフォロア回路12は、ドレインが第1の電源VDD1に接地され、ゲートがノードQ11に接続されたNMOSトランジスタである第15のトランジスタN15と、トランジスタN15のソースと接地GNDとを接続する抵抗R3を備えている。ソースフォロア回路12は、電流が流れるときに、NMOSトランジスタN15のゲートソース間電圧分だけ入力ノードQ11に対して出力ノードQ15の電圧は低い電圧になる。このソースフォロア回路12の出力ノードQ15の電圧を縦続接続されたインバータ回路13、14で判定し、電圧値VDD1レベルまたはGNDレベルとなる論理信号として出力する。インバータ回路14から出力される電圧(第1制御電圧信号VCT1の電圧レベル)は、第2の電源VDD2の電圧値が所定の電圧値を超えている場合はVDD1レベル、第2の電源VDD2の電圧値が所定の電圧値以下の場合は、GNDレベルとなる。
【0040】
第2電源VDD2の電圧値の判定基準となる電圧値は、トランジスタN13、N14と抵抗R2の値の比率、初段のインバータ回路13のサイズ比等によって、任意の決めることができるが、第2の電源VDD2の値が1.8Vまたは3.3Vのいずれであるかを判定するためには、判定基準となる電圧値は、1.8Vと3.3Vの中間の電圧値であることが好ましい。
【0041】
次に、第2制御電圧生成回路20の構成について説明する。PMOSの低耐圧トランジスタである第5、第6のトランジスタP5、P6のソースは共に、第2の電源VDD2に接続される。トランジスタP5のゲートはトランジスタP6のドレインに、トランジスタP6のゲートはトランジスタP5のドレインに接続される。トランジスタP5、P6のドレインは、それぞれ、PMOSの低耐圧トランジスタである第7、第8のトランジスタP7、P8のソースに接続される。また、トランジスタP7、P8のゲートは共に第1制御電圧信号VCT1に接続される。トランジスタP7、P8のドレインは、それぞれ、NMOSの低耐圧トランジスタである第11、第12のトランジスタN11、N12のドレインに接続される。トランジスタN11、N12のゲートには共に基準電圧信号VREFが接続される。トランジスタN11、N12のソースは、それぞれ、NMOSの低耐圧トランジスタである第9、第10のトランジスタN9、N10のドレインに接続される。トランジスタN9のゲートには、反転入力論理信号INBが接続され、トランジスタN10のゲートには、入力論理信号INが接続される。また、トランジスタN9、N10のソースは接地GNDに接続される。
【0042】
上記構成により、第2制御電圧生成回路20は、基本的には、VDD1系の入力論理信号INをVDD2系の論理信号にレベルシフトするレベルシフタとして機能する。ただし、第2制御電圧生成回路20が出力する第2制御電圧信号VCT2は、ソースが第2の電源VDD2に接続されたPMOSトランジスタP1のゲートに接続されるので、電源電圧VDD2が高電圧である場合には、第2制御電圧信号VCT2のロウレベルの電圧値は第1の電源VDD1の電圧値以下に低下しないように制御される。
【0043】
第2制御電圧信号VCT2のロウレベルの電圧値が第1の電源VDD1の電圧値以下に低下すると、低耐圧のPMOSトランジスタP1のゲートソース間に過大な電圧が印加され、PMOSトランジスタP1は破壊される恐れが生じる。また、第2の電源VDD2の電圧値が第1の電源VDD1相当の低い電圧である場合には、第2制御電圧信号VCT2のロウレベルの電圧値はグランドレベルGNDまで下がらないとPMOSトランジスタP1を充分高速に導通させることができない。このため、トランジスタP7、P8のゲートに第1制御電圧信号VCT1を印加することにより、第2制御電圧信号VCT2のロウレベルの電位を制御している。
【0044】
また、トランジスタP7、P8とN11、N12により第2制御電圧生成回路20自身を構成する直列に接続された低耐圧トランジスタ群(P5、P7、N11、N9と、P6、P8、P9、N10)に過大な電圧が印加されることを防いでいる。
【0045】
次に、実施例1の出力バッファ回路の動作についてシミュレーションで確認した結果について説明する。図3は、第1制御電圧生成回路の入出力電圧特性のシミュレーション結果を示すグラフである。図3において、横軸にVDD2の電圧値、縦軸に第1制御電圧信号VCT1の電圧値を示す。なお、VDD1、VREFの電圧値は、1.8Vで固定である。図3には、参考のため、第1制御電圧信号VCT1の電圧値の他、VDD2の電圧値、VREFの電圧値もプロットしている。第1制御電圧信号VCT1は、第2の電源VDD2の電圧値が1.8V以下(VDD1の電圧値以下)のとき、0Vであり、第2の電源VDD2の電圧値が1.8V(VDD1の電圧値)を超えると第1の電源の電圧値1.8Vを出力している。
【0046】
次に、図4は、実施例1の出力バッファ回路100を第2の電源VDD2の電圧値3.3Vと1.8Vで実際に動作させてみたときのシミュレーション波形図である。横軸は時刻を示す。図4では、第1の電源VDD1、基準電圧信号VREFの電圧値は、1.8Vで固定である。図4の上段には、入力論理信号INと、出力端子OUTの電圧レベルと、第2の電源VDD2の電圧レベルをプロットしている。入力論理信号INとして、0nsから、ハイレベル(1.8V)5ns、ロウレベル(0V)5nsを繰り返す方形波を入力している。第2の電源VDD2の電圧値は、約18nsまで3.3Vであり、その後、約19ns以降は、1.8Vである。出力端子OUTから出力される信号は、入力論理信号INと同相であり、第2の電源VDD2の電圧値が3.3Vのときはハイレベル3.3Vを出力し、第2の電源VDD2の電圧値が1.8Vのときはハイレベル1.8Vを出力している。また、ロウレベルは第2の電源VDD2の電圧値によらず、0Vを出力している。
【0047】
次に、図4の下段には、反転入力信号INBと、第1制御電圧信号VCT1と第2制御電圧信号VCT2をプロットしている。反転入力信号INBは、第2の電源電圧VDD2の電圧値によらず、ロウレベルが0V、ハイレベルが1.8Vで入力論理信号INと位相が反転した方形波が得られている。第1制御電圧信号VCT1は、第2の電源VDD2の電圧値が1.8Vを超えているときは、1.8Vを出力し(0ns〜約19nsまで)、VDD2の電圧値が1.8Vに低下した後は、0Vを出力している(19ns以降)。
【0048】
また、第2制御電圧信号VCT2は、基本的に、反転入力論理信号INBと同相(入力論理信号INと逆相)の論理信号を出力するが、電源電圧VDD2の電圧値が3.3Vの(1.8Vを超えている)場合と、1.8V(または1.8V以下)の場合で動作が違っている。電源電圧VDD2の電圧値が3.3Vのときは、反転入力論理信号INBと同相でハイレベルが3.3V(VDD2と同電位)、ロウレベルが約2V(VDD1と略同一)の制御電圧信号を出力する。なお、ロウレベルがVDD1と完全に同一の電圧にならないのは、図2を参照すれば理解できる通り、PMOSトランジスタであるトランジスタP8のソース電位(VCT2)は、トランジスタP8のゲート電位(VCT1)にトランジスタP8のしきい値を加算した電圧より低い電圧には下がらないからである。
【0049】
第2の電源VDD2の電圧値が1.8Vのとき、第2制御電圧信号VCT2は、反転入力論理信号INBと同相でハイレベルが1.8V(VDD2と同電位)、ロウレベルが約0.3V(GNDと略同一)の制御電圧信号を出力する。
【0050】
なお、上記の実施例は、第1の電源VDD1、第2の電源VDD2がいずれも接地GNDに対して正の電圧を出力する電源の場合であったが、第1の電源、第2の電源がいずれも接地GNDに対して負の電圧を出力する電源の場合は、トランジスタの導電型のPMOSとNMOSをすべて入れ替えれば、そのまま適用することができる。すなわち、第2の電源の電圧値の絶対値が一定の電圧値より高い場合にも低耐圧トランジスタのみを用いて高振幅の出力振幅が得られる。また、第2の電源の電圧値の絶対値が一定の電圧値より低い場合にも高電圧の場合と同一の回路を用いて高速に出力を駆動することができる。
【0051】
なお、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
10:第1制御電圧生成回路
11:分圧回路
12:ソースフォロア回路
13、14、30:インバータ回路
20:第2制御電圧生成回路
100:出力バッファ回路
IN:論理信号入力端子、入力論理信号(VDD1系)
OUT:出力端子(VDD2系)
P1〜P2、P5〜P8:PMOSトランジスタ
N3〜N4、N9〜N12、N15:NMOSトランジスタ
N13、N14:NMOSデプレッショントランジスタ
VDD1:第1の電源
VDD2:第2の電源
GND:接地
R1〜R3:抵抗
INB:反転入力論理信号(VDD1系)
VCT1:第1制御電圧信号
VCT2:第2制御電圧信号
VREF:基準電圧信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の電源が供給され、前記第1の電源系の入力論理信号を前記第2の電源系の出力論理信号に変換して出力する出力バッファ回路であって、
前記第2の電源電圧の絶対値が所定の電圧値を超えるときに、前記第1の電源電圧を第1制御電圧信号として出力し、前記第2の電源電圧の絶対値が前記所定の電圧値以下のときに接地電圧を前記第1制御電圧信号として出力する第1制御電圧生成回路と、
前記入力論理信号が接地レベルのときに第2の電源の電圧値を第2制御電圧信号として出力し、前記入力論理信号が第1の電源電圧レベルのときに前記第1制御電圧信号と略同一レベルの電圧値となる前記第2制御電圧信号を出力する第2制御電圧生成回路と、
前記第2の電源と接地との間に第1、第2のトランジスタが第1導電型のトランジスタであり、第3、第4のトランジスタが第2導電型のトランジスタである第1乃至第4のトランジスタのソースドレインをその順番で直列に接続し、
前記第1乃至第4のトランジスタのゲートにそれぞれ、前記第2制御電圧信号と、前記第1制御電圧信号と、基準電圧信号と、前記入力論理信号の反転信号と、を接続し、前記第2のトランジスタと第3のトランジスタとのドレインの接続点から前記出力論理信号を出力するように構成されていることを特徴とする出力バッファ回路。
【請求項2】
前記基準電圧信号が前記第1の電源電圧レベルの定電圧信号であることを特徴とする請求項1記載の出力バッファ回路。
【請求項3】
前記第1制御電圧生成回路は、前記第2電源の電圧値を分圧する分圧回路と、前記第1の電源が供給され、前記分圧した電圧値を判定する電圧値判定回路とを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の出力バッファ回路。
【請求項4】
前記第2制御電圧生成回路は、
ソースが共に前記第2の電源に接続され、共にゲートが相手方のドレインに接続された第5、第6のトランジスタと、
ソースがそれぞれ前記第5、第6のトランジスタのドレインに接続され、共にゲートに前記第1制御電圧信号が入力される第7、第8のトランジスタと、
ソースが接地され、ゲートに前記入力論理信号の反転信号が入力してドレインと前記第7のトランジスタのドレインとの間に流れる電流の導通、非導通が制御される第9のトランジスタと、
ソースが接地され、ゲートに前記入力論理信号が接続されてドレインと前記第8のトランジスタのドレインとの間に流れる電流の導通、非導通が制御される第10のトランジスタと、
を備え、
前記第6のトランジスタのドレインから前記第2制御電圧信号を出力し、前記第5乃至第8トランジスタが第1導電型のトランジスタであり、前記第9乃至第10のトランジスタが第2導電型のトランジスタであって、
前記入力論理信号が第1の電源電圧レベルのときの前記第2制御電圧信号の電圧レベルは、前記第8のトランジスタのしきい値分だけ前記第1制御電圧信号の電圧レベルからシフトした電圧レベルであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の出力バッファ回路。
【請求項5】
前記第2制御電圧生成回路は、
ソースが前記第9のトランジスタのドレインに接続され、ドレインが前記第7のトランジスタのドレインに接続され、ゲートに前記基準電圧信号が入力される第2導電型の第11のトランジスタと、
ソースが前記第10のトランジスタのドレインに接続され、ドレインが前記第8のトランジスタのドレインに接続され、ゲートに前記基準電圧信号が入力される第2導電型の第12のトランジスタと、
をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の出力バッファ回路。
【請求項6】
前記第1制御電圧生成回路は、
一端が前記第2の電源に接続された第1の抵抗素子と、
一端が前記第1の抵抗素子の他端に接続され、他端が接地に接続された第2の抵抗素子と、を含む分圧回路と、
前記第1の抵抗素子の他端と前記第2の抵抗素子の一端がゲートに接続され、ドレインが前記第2の電源に接続されたソースフォロア回路と、
前記ソースフォロア回路の出力信号を波形整形し、前記第1の制御電圧信号を生成する波形整形回路と、
を含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の出力バッファ回路。
【請求項7】
前記第1制御電圧生成回路は、
ドレインが前記第2の電源に接続され、ゲートが前記第1の電源に接続された第2導電型のデプレッショントランジスタである第13のトランジスタと、
ドレインが抵抗を介して前記第13のトランジスタのソースに接続され、ゲートとソースが接地された第2導電型のデプレッショントランジスタである第14のトランジスタと、
ゲートが前記第13のトランジスタのソースに接続され、ソースが抵抗を介して接地され、ドレインが前記第1の電源に接続された第2導電型のトランジスタである第15のトランジスタと、
第1の電源が供給され、前記第15のトランジスタのソースが入力端子に接続された第1のインバータ回路と、
第1の電源が供給され、前記第1のインバータ回路の出力端子が入力端子に接続され、出力端子から前記第1制御電圧信号を出力する第2のインバータ回路と、
を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の出力バッファ回路。
【請求項8】
前記各第1導電型のトランジスタがPMOSトランジスタ、前記各第2導電型のトランジスタがNMOSトランジスタであり、前記第1の電源、第2の電源が共に接地に対して正の電源電圧が供給される電源であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の出力バッファ回路。
【請求項9】
前記各第1導電型のトランジスタがNMOSトランジスタ、前記各第2導電型のトランジスタがPMOSトランジスタであり、前記第1の電源、第2の電源が共に接地に対して負の電源電圧が供給される電源であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の出力バッファ回路。
【請求項10】
第2の電源と出力端子との間にソースドレインが直列に接続された第1導電型の第1及び第2のトランジスタと、
出力端子と接地との間にソースドレインが直列に接続された第2導電型の第3及び第4のトランジスタと、を含み、
第1及び第2の電源が供給され、第1の電源系の入力論理信号を前記第2の電源系の出力論理信号に変換して前記出力端子から出力する出力バッファ回路の制御方法であって、
前記第2のトランジスタのゲートには、前記第2の電源電圧の絶対値が所定の電圧値を超えるときに、前記第1の電源電圧を与え、前記第2の電源電圧の絶対値が前記所定の電圧値以下のときに接地電圧を与え、
前記第1のトランジスタのゲートには、前記入力論理信号が接地レベルのときに第2の電源の電圧値を与え、前記入力論理信号が第1の電源電圧レベルのときに前記第2のトランジスタのゲート電圧と略同一レベルの電圧値を与え、
前記第3のトランジスタのゲートには、前記第1の電源電圧レベルの固定電圧を与え、
前記第4のトランジスタのゲートには、前記入力論理信号の反転信号を与えることを特徴とする出力バッファ回路の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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