説明

分散分光器のスペクトル分解能を改善するための光学スライサー

入射ビームが集束レンズを通して送られると、これから入射スポットを生成することを特徴とする、実質的にコリメートされた入射ビームを受光して圧縮するイメージコンプレッサーと、
圧縮されたビームを受光し、これをスライスされた複数個の部分へとリフォーマットして互いに実質的に平行になるよう垂直に積み重ねるイメージリフォーマッターと、
リフォーマットされたビームが集束レンズを通して送られると、これを入射スポットと比較して第1の方向に拡大し、第2の方向に圧縮された出力スポットを生成することを特徴とする、リフォーマットされたビームを拡大してコリメートされた出力ビームを生成するイメージエキスパンダーと
を含む、出力スポットを生成するための光学スライサー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年10月1日に出願された米国仮出願第61/245,762号および2010年6月1日に出願された米国仮出願第61/350,264号による優先権を主張するものであり、これらの内容は援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は分光法の分野に関し、より詳細には、スペクトル分解能を改善するための改良された装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的な光学分光器は、小さな入射用開口部を有し、この開口部は一般的にはスリットであるが、スリットの代わりに円形のピンホールまたは光ファイバーであってもよい。しかしながら、本明細書では、簡略化のために以後スリットと呼ぶこととする。このスリットに向けて円錐状の集束光が投射され、この光の一部がスリットを通過する。一般的な光学分光器において、このスリット光は、スリット光をコリメート(平行化)するレンズ上に投射され、平行光線ビームが形成される。一般的な光学分光器においては、プリズム、透過回折格子、反射回折格子等の分散素子によって、前記コリメートされたビームが、それぞれのビームの波長に依存した角度で曲げられる。一般に、このようにコリメートされ曲げられたそれぞれの波長のビームの焦点は、カメラレンズによって、最終焦点面上に配置されたCCD(charged−coupled device)検出器等の様々な波長の光の強度を記録できるアレイ検出器上に合わせられる。
【0004】
一般的な光学分光器においては、コリメータレンズとカメラレンズがイメージリレーとして機能し、スリットを通過した光をCCD検出器等の検出器上に結像させる。この検出器は、光の波長に応じて、横方向にずらして配置されてもよい。光学分光器の分解能、すなわち、吸収線や輝線等の狭スペクトル特性を検出および測定する能力は、様々な特性に依存し得る。このような特性としては、プリズム、透過回折格子、反射回折格子等の分散素子;カメラレンズの焦点距離;およびスリット幅等が挙げられる。特定の分散素子およびカメラレンズを用いる場合、入射スリットの幅を狭めることによって分光器の分解能を上げることができる。スリット幅を狭めることで、スリットを通過し(波長に依存して)検出器上に結像する個々の光像がより狭い範囲のものとなるため、隣接するスペクトル成分の識別がより容易になる。
【0005】
しかしながら、入射スリットの幅を狭めると、スリットを通過する光量が少なくなり、いかなる測定であっても、信号対雑音比の低下により測定の質が低下し得る。天体分光法、高速生物医学分光法、高分解能分光法、またはラマン分光法のようないくつかの応用例では、この効率喪失が光学分光器の性能制限要因となり得る。光学分光法の分野で、入射光ビームのスポットイメージを水平方向に圧縮し垂直方向に拡大することによって、光の強度または流束密度を実質的に維持しながらスリットを通過する光量を増加させるスリット生成装置は有利であろう。
【0006】
当業者であれば、本明細書全体を通じて使用されている上記および下記の「水平」、「垂直」、その他同様の用語が、本発明の様々な実施形態を説明するために使用されるものであって本発明の限定を意図するものではないことを理解するであろう。
【0007】
光学スライサーは、入射ビームを受光してスリット生成のための出力ビームを生成するのに有用であり得る。透明のプリズムおよびプレートを用いて入射ビームをスライスすることによって、光軸に沿って傾いたスリットを生成することができるが、さらに45°プリズムの斜辺に沿った光学ビームのスライスも生じるため、異なる断片にスライスされたイメージが異なる焦点位置に置かれることとなり、結果的に焦点劣化が起こる。このようなスライサーの性能は、使用するプリズムの吸収係数および屈折率(いずれも波長に依存)に依存し得る。これらの欠陥により、このようなスライサーの広帯域装置としての使用は制限され得る。
【0008】
瞳分割式スライサー等のまた別のスライサーは、イメージの種々の部分から高分解能スペクトル情報を得ることができないこと等の欠点を有する。さらに、このようなスライサーはサイズが大きくなることもあり、様々なシステムへの実装において簡略化されたり非効率的になったりする場合がある。ガラスベースで設計されている現在のスライサーは、ラマン光源から出た光を光学分光計へと導くために、ラグランジュ定常変換器を使用していることが多い。この変換器は、8枚の異なる円柱レンズおよび球面レンズと、正確に決められた位置に積み重ねられた10枚の円柱レンズ2組とを含む。このような構成の装置は主光軸方向の長さが58インチを越えることもあり、このようなサイズになると、アラインメントの維持も困難であり、厳密に管理された実験室以外の環境で操作あるいは使用することもまた困難である。
【0009】
いくつかの瞳分割式スライサーでは、CCD検出器の異なる部分に2つのスリットイメージが生成する。この場合、検出器上に配置された2つのスリットイメージの間に間隙が生じ、その結果シグナルにノイズが加わり、出力データの質が低下するという欠点を示すことがある。さらに、このようなスライサーでは、間隙によって検出器の貴重な領域が無駄になり、検出器上に収まるスペクトル数(またはスペクトル次数)が制限される。さらにまた、このようなスライサーを使用する場合、スペクトルが検出器領域からはみ出すことによって、検出器の読み取った情報が最適なものでないことも考えられる。
【0010】
(しばしば円形をした)拡大された入射源のイメージを細長いスリット状に形成するために光ファイバー束を使用するスライサーでは、出力比がより悪化したり全体的な動作が非効率的になったりすることがある。既存のスライサー装置のいずれにおいてもこのような効率および出力比の低下が見られることから、スライサーの設計および実装における目的を明確に定義することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様において、
入射ビームが集束レンズを通して送られると、これから入射スポットを生成することを特徴とする、実質的にコリメートされた入射ビームを受光して圧縮するイメージコンプレッサーと、
圧縮されたビームを受光し、これをスライスされた複数個の部分へとリフォーマットして互いに実質的に平行になるよう垂直に積み重ねるイメージリフォーマッターと、
リフォーマットされたビームが集束レンズを通して送られると、これを入射スポットと比較して第1の方向に拡大し、第2の方向に圧縮された出力スポットを生成することを特徴とする、前記リフォーマットされたビームを拡大してコリメートされた出力ビームを生成するイメージエキスパンダーと
を含む、出力スポットを生成するための光学スライサーが提供される。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態において、前記圧縮されたビームは垂直方向に圧縮されたものであって水平方向には実質的に入射ビームと同等であってもよく、また前記出力ビームは前記リフォーマットされたビームと比較して水平方向に拡大されたものであって実質的に入射ビームと同等の寸法を有していてもよい。
【0013】
別の実施形態において、光学スライサーは、スライシングファクターnを有してもよい。前記圧縮されたビームのスライスされた部分の数がnと等しくてもよく、また前記出力ビームが入射スポットと比較してファクターnで垂直方向に拡大され、水平方向にファクターnで圧縮されてもよい。
【0014】
好ましい実施形態において、nは2〜64の整数であり、より好ましくは2〜32の整数である。最も好ましくは、nの値は2、4、8、16または32である。
【0015】
イメージコンプレッサーは凸レンズおよび凹レンズを有してもよく、凸レンズが入射ビームを受光して集束ビームを生成してもよく、この集束ビームがコリメータレンズを通過することによって、圧縮されたビームが形成されてもよい。また別の実施形態において、前記イメージコンプレッサーは凹反射面および凸反射面を有してもよく、凹反射面が入射ビームを受光して集束ビームを生成してもよく、凹反射面から反射されたこの集束ビームによって、圧縮されたビームが形成されてもよい。
【0016】
イメージリフォーマッターは少なくとも2つの反射面を有してもよく、このうち1つが圧縮されたビームの一部分を受光してもよく、受光した部分を反射して、これを前記少なくとも2つの反射面間を行き来する少なくとも1回の反射としてもよく、スライスされた部分の各々は、少なくとも1回反射された後に前記少なくとも2つの反射面の横を通過する、圧縮されたビームの第2の部分によって形成されてもよい。
【0017】
イメージエキスパンダーは凹レンズと凸レンズを含んでもよく、凹レンズがリフォーマットされたビームを受光して発散ビームを生成してもよく、この発散ビームが凸レンズを通過することによって、出力ビームが生成されてもよい。別の実施形態において、イメージエキスパンダーは凸反射面および凹反射面を含んでもよく、凸反射面がリフォーマットされたビームを受光して発散ビームを生成してもよく、この発散ビームが凹反射面で反射されることによって、出力ビームが形成されてもよい。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、出力スポットは、入射スポットと実質的に同等の光強度を有してもよい。
【0019】
本発明の別の一態様において、
入射ビームが集束レンズを通して送られると、これから入射スポットを生成することを特徴とする、コリメートされた入射ビームを圧縮する工程と、
圧縮されたビームをスライスして、互いに実質的に平行になるよう垂直に積み重ねられた複数個の部分へとリフォーマットする工程と、
リフォーマットされたビームが集束レンズを通して送られると、これを入射スポットと比較して第1の方向に拡大し、第2の方向に圧縮された出力スポットを生成することを特徴とする、リフォーマットされたビームを拡大してコリメートされた出力ビームを生成する工程と
を含む、出力スポットを生成する方法が提供される。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記圧縮されたビームは入射ビームと比較して垂直方向に圧縮され水平方向には実質的に同等であってもよく、また前記出力ビームが前記リフォーマットされたビームと比較して水平方向に拡大されたものであって実質的に入射ビームと同等の寸法を有していてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、スライスされた部分の数がスライシングファクターnと等しくてもよく、また前記出力スポットが入射スポットと比較して垂直方向にファクターnで拡大され、水平方向にファクターnで圧縮されてもよい。
【0022】
本発明のさらなる一態様において、
実質的にコリメートされたビームが集束レンズを通して送られると、これから入射スポットを生成することを特徴とする、実質的にコリメートされた入射ビームを受光して圧縮するイメージコンプレッサーと、
圧縮されたビームを受光し、これをスライスされたn個の部分へとリフォーマットして互いに実質的に平行になるよう垂直に積み重ねるイメージリフォーマッターと、
リフォーマットされたビームが集束レンズを通して送られると、これを入射スポットと比較してファクターnによって第1の方向に圧縮し、ファクターnによって第2の方向に拡大して出力スポットを生成することを特徴とする、リフォーマットされたビームを拡大しコリメートして出力ビームを生成するイメージエキスパンダーと
を含む、スライシングファクターnを有する光学スライサーが提示される。
【0023】
本発明の別の態様において、第1のスライシングファクターmを有する第1の光学スライサーと第2のスライシングファクターnを有する第2の光学スライサーとを含む乗算式光学スライサーが提供されるが、該第1の光学スライサーと第2の光学スライサーは直列に配置され、該乗算式光学スライサーはスライシングファクターm×nを有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書に記載のシステムおよび方法の実施形態についての理解を深めるために、またそれらを実施する方法をより明確に示すために、例示としての添付の図面を参照しつつ説明する。
【0025】
【図1A】スライシングファクターが2である光学スライサーを示すブロック図である。
【0026】
【図1B】スライシングファクターが4である光学スライサーを示すブロック図である。
【0027】
【図2】スライシングファクターが2である光学スライサーの一実施形態を示す等角図である。
【0028】
【図3】スライシングファクターが2である光学スライサーの別の一実施形態を示す等角図である。
【0029】
【図4】スライシングファクターが4である光学スライサーの別の一実施形態を示す等角図である。
【0030】
【図5A】スライシングファクターが4である光学スライサーの別の一実施形態を示す等角図である。
【0031】
【図5B】図5Aの光学スライサーの光学要素の実施形態を示す平面図である。
【図5C】図5Aの光学スライサーの光学要素の実施形態を示す等角図である。
【図5D】図5Aの光学スライサーの光学要素の実施形態を示す等角図である。
【図5E】図5Aの光学スライサーの光学要素の実施形態を示す等角図である。
【図5F】図5Aの光学スライサーの光学要素の実施形態を示す等角図である。
【図5G】図5Aの光学スライサーの光学要素の実施形態を示す等角図である。
【0032】
【図5H】図5Aの光学スライサーのハウジングカバーの実施形態を示す等角図である。
【図5I】図5Aの光学スライサーのハウジングカバーの実施形態を示す等角図である。
【0033】
【図6A】光学スライサーの実施形態において使用されるコンプレッサーの別の実施形態である。
【図6B】光学スライサーの実施形態において使用されるコンプレッサーの別の実施形態である。
【図6C】光学スライサーの実施形態において使用されるコンプレッサーの別の実施形態である。
【図6D】光学スライサーの実施形態において使用されるコンプレッサーの別の実施形態である。
【0034】
【図7A】光学スライサーの実施形態において使用される、スライシングファクターが4であるリフォーマッターの別の実施形態である。
【図7B】光学スライサーの実施形態において使用される、スライシングファクターが4であるリフォーマッターの別の実施形態である。
【図7C】光学スライサーの実施形態において使用される、スライシングファクターが4であるリフォーマッターの別の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
説明を簡単かつ明瞭にするため、適切と思われる場合、対応または類似する要素または工程を示すために参照数字が図中で繰り返し使用されてもよいことは理解されるであろう。さらに、本明細書に記載の実施形態についての理解を完全なものにするために、多くの具体的な詳細が示される。しかしながら、本明細書に記載の実施形態をこれらの具体的な詳細を伴わずに実施してもよいことは、当業者には理解されるであろう。本明細書に記載の実施形態が不明瞭になることを避けるために、場合によっては、公知の方法、手順、および構成要素の詳細な説明は行わない。また、ここでの記載は、本明細書の様々な実施形態の実装についての単なる説明に過ぎず、本明細書に記載の実施形態の範囲を何ら制限するものではない。
【0036】
図1Aは光学スライサー100を示したものであり、この光学スライサーにはイメージコンプレッサー170、イメージリフォーマッター172、およびイメージエキスパンダー174が含まれている。光学スライサー100は、入射ビーム102をコリメートビームとして受光する。このコリメートビームは、たとえばコリメータレンズまたは曲面鏡によって生成することができる。また、入射ビーム102は、入射ビーム102を生成するために使用された前記コリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズによって集束させられると、入射スポット180を生成する。
【0037】
光学スライサー100のイメージコンプレッサー170は、入射ビーム102を受光して、垂直方向に圧縮されたビーム114を出力する。この圧縮ビーム114はアナモルフィックに垂直方向に圧縮されており、入射ビーム102と比較して垂直方向の寸法は小さく、水平方向の寸法は大きい。さらに、垂直方向に圧縮されたビーム114は、入射ビーム102の生成に使用された前記コリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズを通して送られると、コンプレッサースポット182を生成する。結果として圧縮ビーム114の集束によって、入射スポット180と比較して垂直方向には拡大されているが水平方向の寸法は実質的に入射スポット180と同等であるイメージを投影する。
【0038】
いくつかの実施形態において、垂直方向に圧縮されたビーム114によって投影されたイメージは、水平方向の幅が入射ビーム102と同等であってもよい。一方、垂直方向に圧縮された光114の垂直方向の高さは、スライシングファクターにしたがって圧縮されていてもよい。「スライシングファクター」という用語は、出力ビームと入射ビームとを同一の集束レンズによってそれぞれ集束させて出力スポットと入射スポットを生成させた場合において、光学スライサーの出力ビームによって生成した出力スポットの水平方向の圧縮および垂直方向の拡大の値を、光学スライサーに入射した入射ビームによって生成した入射スポットの水平方向および垂直方向の寸法と比較して表すために使用される。
【0039】
たとえば、図1Aに示す光学スライサーのような、スライシングファクターが2である光学スライサーの場合、出力スライサーが出力ビーム156を生成するが、この出力ビームは、入射ビーム102を生成した前記コリメータレンズまたは凸面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズを通して集束させられると、出力スポット186を生成する。また、入射ビーム102を同じ集束レンズを通して集束させると、入射スポット180が生成することになる。出力スポット186は、入射スポット180と比較して、垂直方向の寸法は2倍、水平方向の寸法は2分の1となっている。したがって、この構成で作製された光学スライサーのスライシングファクターは2である。
【0040】
図1Bに示す光学スライサー100のような別の実施形態では、出力スポット186は、入射ビーム102を生成した前記コリメータレンズまたは凸面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズを通して出力ビーム156を集束させることによって同様に生成させることができる。また、入射ビーム102を同じ集束レンズを通して集束させると、入射スポット180が生成する。この実施形態においては、出力スポット186は、入射スポット180と比較して、垂直方向の寸法は4倍、水平方向の寸法は4分の1となっている。したがって、図1Bに示す光学スライサー100のスライシングファクターは4である。
【0041】
スライシングファクターnは他の値であってもよい。出力ビームによって上記と実質的に同等の方法で生成した出力スポットは、入射ビームによって生成した入射スポットと比較して、垂直方向の寸法がn倍、水平方向の寸法がn分の1であってもよい。
【0042】
図1Aに戻ると、垂直方向に圧縮されたビーム114は、イメージリフォーマッター172によって受光され、リフォーマットされたビーム136および138が出力される。このようなリフォーマットされたビーム136および138は、互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられている。リフォーマットされたビーム136および138は、垂直方向に圧縮されたビーム114がスライスされて生じる部分である。ここに示した実施形態では、イメージリフォーマッター174は2つのビームスライスを出力し、この実施形態において、この数は光学スライサー100のスライシングファクターと等しい。しかしながら、実施形態によっては、イメージリフォーマッター172が生成するスライスの数が光学スライサー100のスライシングファクターより大きい場合も小さい場合もあり得る。
【0043】
リフォーマットされたビーム136および138は、入射ビーム102を生成するために使用したコリメータレンズまたは曲面鏡と同等の焦点距離を有する集束レンズを通して集束させられると、リフォーマッタースポット184を生成する。リフォーマッタースポット184は、水平方向においても垂直方向においても、コンプレッサースポット182と同じ寸法である。リフォーマットされたビーム136および138が互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられていることから、これらの各々によって生成される個々のリフォーマッタースポットは、互いに重なるように投影されてリフォーマッタースポット184が合成される。その結果リフォーマッタースポット184の光強度は、ビーム136および138のそれぞれによって生成される個々のリフォーマッタースポットと比較して2倍になる。
【0044】
図1Aに示した実施形態において、リフォーマッタースポット184の光強度は、リフォーマットされたビームそれぞれによって生成される個々のリフォーマッタースポットの光強度と比較して2倍となっているが、他の実施形態において、リフォーマッタースポット184の光強度は、リフォーマットされたビームそれぞれによって生成される個々のリフォーマッタースポットの光強度と比較した場合、イメージリフォーマッター174によって生成されるスライスされた部分の数に相当するものとなる。たとえば、図1Bを参照すると、光学スライサー100は、リフォーマットされたビーム136A、136B、138A、および138Bを生成するイメージリフォーマッター172を備えるものとして示されているが、これらのリフォーマットされたビームはそれぞれ互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられている。リフォーマットされたビーム136A、136B、138A、および138Bは、垂直方向に圧縮されたビーム114がスライスされて生じる部分である。リフォーマットされたビーム136A、136B、138Aおよび138Bによって上記と実質的に同等の方法で生成したリフォーマッタースポット184の光強度は、リフォーマットされたビーム136A、136B、138Aおよび138Bのそれぞれによって生成される個々のリフォーマッタースポットの光強度と比較して約4倍になる。
【0045】
図1Aに戻ると、リフォーマットされたビーム136および138は、イメージエキスパンダー174によって受光され、スライシングファクターの倍率にしたがって拡大される。ここに示した実施形態では、リフォーマットされたビーム136および138は、水平方向にも垂直方向にも2というファクターで(非アナモルフィックに)拡大され、スライスされたビーム158および160から構成される出力ビーム156を生成する。スライスされたビーム158および160は、リフォーマットされたビーム136および138が拡大されたものである。出力ビーム156は、入射ビーム102と実質的に同等の寸法となっている。出力ビーム156を、入射ビーム102を生成するために使用したコリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有するレンズに投射すると、出力ビーム156は集束し、出力スポット186を生成する。出力スポット186は入射スポット180のイメージを生成するが、このイメージは、入射スポット180と同等の光強度を維持したまま、スライシングファクターにしたがって水平方向に圧縮し垂直方向には拡大することができる。図1Aのような実施形態では、出力スポット186は入射スポット180と比較して垂直方向に2倍拡大することができ、入射スポット180と比較して水平方向には2分の1に圧縮することができる。
【0046】
図1Bに示す実施形態のような別の実施形態では、リフォーマットされたビーム136A、136B、138Aおよび138Bは、イメージエキスパンダー174(これはビームをアナモルフィックに水平方向に拡大するものであってよい)によって受光され、出力ビーム156が生成される。この出力ビーム156は、出力スライス158A、158B、160Aおよび160Bから構成され、これらの出力スライスはリフォーマットされたビーム136A、136B、138Aおよび138Bが水平方向に拡大されたものである。いくつかの実施形態において、出力ビーム156の寸法は入射ビーム102と同等である。スライシングファクターが4である光学スライサーを示す図1Bの実施形態に関し、出力ビーム156を、入射ビーム102の生成に使用されたコリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有するレンズに投射すると、出力ビーム156は集束し、出力スポット186を生成する。出力スポット186は、入射スポット180と同等の光強度を維持したまま、入射スポット180と比較して垂直方向に4倍に拡大することができ、入射スポット180と比較して水平方向には4分の1に圧縮することができる。
【0047】
光学スライサー100のスライシングファクターがnであるとき、結果として生じる出力ビーム156を、入射ビーム102を生成するために使用したコリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズに投射すると、同じ集束レンズを通過した入射ビーム102によって生成した入射スポットと比較して、入射スポットと同等の光強度を維持したまま、垂直方向にn倍に拡大され、水平方向にはn分の1に圧縮された出力スポットが生成されることを、当業者は理解するであろう。
【0048】
図2は光学スライサー100を示したものであり、この光学スライサーにはイメージコンプレッサー170、イメージリフォーマッター172、およびイメージエキスパンダー174が含まれている。図2において、光学のスライサー100のスライシングファクターは2である。入射ビーム102は実質的にコリメートされたビームであってよく、これはコリメータレンズまたは曲面鏡によって生成させることができる。また、入射ビーム102は、入射ビーム102を生成するために使用された前記コリメータレンズまたは曲面鏡と同等の焦点距離を有する集束レンズによって集束させられると、入射スポットを生成する。
【0049】
入射ビーム102は、垂直方向に圧縮されたビーム114を出力するイメージコンプレッサー170によって受光される。イメージコンプレッサー170は、円柱凸レンズ104を有し、この円柱凸レンズ104に入射ビーム102が受光され、垂直方向に集束させたビーム108が出力される。垂直方向に集束させたビーム108は、円柱凹レンズ110によって受光され、コリメートされて、垂直方向に圧縮されたビーム114が出力される。別の実施形態では、一対の凹/凸レンズによって垂直方向に圧縮されたビーム114を出力することもできる。このような別の実施形態では、レンズ104は凹レンズであってよく、またレンズ108は凸レンズであってよい。
【0050】
さらに、垂直方向に圧縮されたビーム114は、入射ビーム102を生成するために使用された前記コリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズを通して送られると、同じ集束レンズを通過した入射ビーム102によって生成した入射スポットと比較して、水平方向の寸法は実質的に同等であり、垂直方向にはスライシングファクターにしたがって拡大されたコンプレッサースポットを生成する。ここに示した実施形態では、同じ集束レンズを使用して入射ビーム102から生成させた入射スポットと比較した場合、スライシングファクターは2である。
【0051】
図6A〜6Dに、イメージコンプレッサー170の別の実施形態を示す。図6Aでは、イメージコンプレッサー170は円柱レンズ602を有し、このレンズはコンプレッサー入射ビーム600を受光して集束させ、次いで円柱コリメータレンズ604に投射し、コンプレッサー入射ビーム600と比較して圧縮された出力ビームを生成する。図6Aに示す実施形態では、円柱コリメータレンズ604は、円柱レンズ602の焦点の外側に配置され、垂直方向に圧縮されたコンプレッサー入射ビーム600の倒立像を出力する。
【0052】
図6Bでは、イメージコンプレッサー170は光学要素612を有し、この光学要素はコンプレッサー入射ビーム600を垂直方向に集束させる第1の面614と、第1の面614によって生成した集束ビームを実質的にコリメートする第2の面616とを有する。光学要素612から出力されるビームは、コンプレッサー入射ビーム600と比較して垂直方向に圧縮された出力ビームとなる。
【0053】
図6Cでは、イメージコンプレッサー170はアナモルフィックプリズム622および624を有し、これらはそれぞれの出力面でコンプレッサー入射ビーム600を屈折させるよう配向されている。この実施形態では、結果としてイメージコンプレッサー170から出力されるビームは、コンプレッサー入射ビーム600と比較して垂直方向に圧縮された出力ビームとなる。
【0054】
図6Dでは、イメージコンプレッサー170は鏡632および634を有し、コンプレッサー入射ビーム600は、鏡634の凹面で反射されて鏡632の凸面に投射され、コンプレッサー入射ビーム600と比較して垂直方向に圧縮された出力ビームを生成する。
【0055】
当業者であれば、コンプレッサー入射ビーム600と比較して垂直方向に圧縮されたビームを生成する目的で、本明細書に記載のコンプレッサーの自明の変形、およびそのようなコンプレッサー要素の自明の配向が実施されてもよいことを理解するであろう。
【0056】
図2に戻ると、垂直方向に圧縮されたビーム114は、リフォーマットされたビーム136および138を出力するイメージリフォーマッター172によって受光される。リフォーマットされたビーム136および138は、互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられている。イメージリフォーマッター172は、隣り合った平面鏡116および118、ならびに垂直に積み重ねられた平面鏡128および130を含む。
【0057】
隣り合った平面鏡116および118は垂直方向に圧縮されたビーム114を受光することができる。垂直方向に圧縮されたビーム114の一部は平面鏡116に、また別の一部は平面鏡118に受光され、これによって垂直方向に圧縮されたビーム114はスライスされ、スライスされたビーム124および126が生成する。スライスされたビーム124および126は、隣り合った平面鏡116および118から垂直に積み重ねられた鏡128および130へと反射されるが、スライスされたビーム124は垂直に積み重ねられた鏡128へ、またスライスされたビーム126は垂直に積み重ねられた鏡130へと反射される。
【0058】
スライスされたビーム124および126は、垂直に積み重ねられた鏡128および130から反射されて、リフォーマットされたビーム136および138を生成する。リフォーマットされたビーム136および138はスライスされたビーム124および126と類似しているが、互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられている。いくつかの実施形態では、垂直に積み重ねられた鏡128および130はD型ミラーであり、光学的に平面であってよく、かつ互いに隣接する端部から50μmのところまで全体にアルミニウムメッキが施されているか、鏡面化されていてもよい。しかしながら、当業者であれば、他の反射特性によっても実質的に同等の結果が得られることを理解するであろう。
【0059】
リフォーマットされたビーム136および138が、入射ビーム102を生成するために使用したコリメータレンズまたは曲面鏡と同等の焦点距離を有する集束レンズを通して集束させられると、リフォーマッタースポットが生成する。ここに示した実施形態では、このリフォーマッタースポットは、同じ集束レンズを通過した入射ビーム102よって形成された入射スポットと比較して、入射スポットと同等の光強度を維持したまま、水平方向には入射スポットと同等の寸法を有し、垂直方向には入射スポットの4倍の寸法を有する。
【0060】
図7A〜7Cに、イメージリフォーマッター172の別の実施形態を示す。図7Aでは、イメージリフォーマッター172は、リフォーマッター入射ビーム700の一部を受光するための対になった鏡を複数組有し、これらはリフォーマットされたビーム720の一部を生成するよう配置されている。リフォーマットされたビーム720は、リフォーマッター入射ビーム700のスライスである部分ビーム720A、720B、720Cおよび720Dから構成されており、これらの部分ビームは互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられている。対になった鏡702および712はリフォーマッター入射ビーム700の第1の部分を受光する。第1の部分は鏡702から反射されて鏡712に受光されるが、この鏡712は部分ビーム720Dを生成するよう位置決めされている。対になった鏡704および714はリフォーマッター入射ビーム700の第2の部分を受光することができる。第2の部分は鏡704から反射されて鏡714に受光されるが、この鏡714は部分ビーム720Cを生成するよう位置決めされている。対になった鏡706および716はリフォーマッター入射ビーム700の第3の部分を受光する。第3の部分は鏡706から反射されて鏡716に受光されるが、この鏡716は部分ビーム720Bを生成するよう位置決めされている。対になった鏡708および718はリフォーマッター入射ビーム700の第4の部分を受光する。第4の部分は鏡708から反射されて鏡718に受光されるが、この鏡718は部分ビーム720Aを生成するよう位置決めされている。当業者であれば、対になった鏡をさらに追加することによってリフォーマットされたビーム720の部分ビーム数を増やすことができることを理解するであろう。
【0061】
図7Bにおいて、イメージリフォーマッター172は反射面730および732を含む。使用時、リフォーマッター入射ビーム700は反射面730に受光され、反射されて反射面732との間を行き来する。反射されたビームの一部は反射面732に反射されて反射面730の横を通過し、出力ビーム720の部分ビームを生成するが、これは、部分ビーム720A、720B、720Cおよび720Dがすべて生成するまで続けられる。これらの部分ビームは、互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられ、リフォーマッター入射ビーム700をスライスしたものとなっている。当業者であれば、反射面730および732の位置を調整し、反射面730と732との間を行き来するさらなる反射を生成させることによってさらなる部分ビームを生成させてもよく、反射の度に反射ビームの一部が反射面730の横を通過し、出力ビーム730の部分ビームが形成されることを理解するであろう。
【0062】
図7Cによれば、イメージリフォーマッター172は、反射面740および742を含む第1段階、ならびに反射面744および746を含む第2段階、という2つの段階から構成されていてもよい。リフォーマッター入射ビーム700の一部は反射面740の横を通過して第1の出力ビーム750の部分ビーム750Bを生成する。入射ビームの第2の部分は反射面740から反射面742へと反射されて第1の出力ビーム750の部分ビーム750Aを形成してもよいが、部分ビーム750Aは反射面740の横を通過する。部分ビーム750Aおよび750Bは、互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられている。次いで、ビーム750の一部は反射面744に受光されてもよい。ビーム750のうち、反射面744の横を通過した部分は出力ビーム720Cおよび720Dを生成し、ビーム750の残りの部分は反射面744から反射面746へと反射される。反射面746から反射した部分ビームによって、出力ビーム720の出力部分ビーム720Aおよび720Bが生成するが、これらは反射面744の横を通過することができる。部分ビーム720A、720B、720Cおよび720Dは、互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられ、リフォーマッター入射ビーム700をスライスしたものとなっている。当業者であれば、さらに段階を追加することによって出力ビームを構成する部分ビームを増やすことができることを理解するであろう。たとえば、さらなる段階を追加することによって8つの部分ビームを生成させてもよく、さらにまた別の段階を追加して生成する部分ビーム数を16としてもよい。
【0063】
図2に戻ると、リフォーマットされたビーム136および138は、スライスされたビーム158および160から構成されている出力ビーム156を生成するイメージエキスパンダー174によって受光される。イメージエキスパンダー174は、リフォーマットされたビーム136および138を受光することができる凹レンズ142を有し、リフォーマットされたビーム136および138を均等に拡大して、拡大ビーム146を生成することができる。イメージエキスパンダー174は、コリメータレンズ148をさらに有してもよく、これにより拡大ビーム146を受光し、それを実質的にコリメートすることによって出力ビーム156を生成してもよい。いくつかの実施形態では、凹レンズ142およびコリメータレンズ148は、リフォーマットされたビーム136および138を、垂直方向の寸法を維持したまま水平方向に拡大することができる円柱レンズであってもよい。
【0064】
出力ビーム156を、入射ビーム102を生成するために使用したコリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズを通過するよう送ると、出力ビーム156は集束し、出力スポットを生成する。この出力スポットは、同じ集束レンズを通過した入射ビーム102によって生成した入射スポットのイメージを投影することができるが、この出力スポットは、同じ集束レンズを通過した入射ビーム102によって生成した入射スポットと同等の光強度を維持したまま、スライシングファクターにしたがって水平方向に圧縮し垂直方向には拡大することができる。図2に示した光学スライサー100の実施形態では、出力ビーム156によって生成する出力スポットは、同じ集束レンズを通過した入射ビーム102によって生成した入射スポットと比較すると、垂直方向には2倍に拡大されており、水平方向には2分の1に圧縮されている。
【0065】
図6A〜6Dを参照することにより、当業者であれば、図6A〜6Dに示したものとは逆の方向に光ビームを照射すると、図6A〜6Dに示すコンプレッサーの様々な他の実施形態をエキスパンダーとしても使用できることを理解するであろう。さらに、当業者であれば、拡大されたビーム156を生成するために、光学要素を含む他の装置を適切に実装して配置できることを理解するであろう。
【0066】
図3に、光学スライサー100の実施形態を示す。光学スライサー100は、イメージコンプレッサー170、イメージリフォーマッター172、およびイメージエキスパンダー174を有する。図3に示す実施形態では、光学スライサーのスライシングファクターは2である。集束レンズ302、反射面304および306、ならびにコリメータレンズ310を有するイメージコンプレッサー170は、入射ビーム102を集束レンズ302で受光して集束ビームを生成するが、この集束ビームは反射面304によって受光され、反射面306へと反射される。反射面306によって反射された集束ビームはコリメータレンズ310を通過し、実質的にコリメートされた後、イメージリフォーマッター172へと向かう。
【0067】
イメージリフォーマッターは反射面312および316を有し、これらはそれぞれ、取付けブラケット314および318に連結されて、光学スライサー100のハウジング320に固定されている。反射面312および316はD型ミラーであってもよく、反射面312は、平らな辺がリフォーマッターから出力されるリフォーマットされたビームに最も近くなるよう、垂直に立てて配置することができ、反射面316は曲線辺が下になるよう配置することができる。
【0068】
コンプレッサー170から出力された圧縮ビームは反射面312の横を通過する。このビームの一部は反射面316の横を通過するが、残りは反射面312によって反射面316に向かって反射される。圧縮されたビームの第1の部分ビームは2つの反射面の横を通過し、イメージリフォーマッター172によって出力されるリフォーマットされたビームの第1の部分を形成する。圧縮されたビームの残りの部分は反射面316に向かって反射されて反射面316と312との間を行き来し、反射された圧縮ビームの一部が反射面312の横を通るたび、リフォーマットされたビームの後続ビームが形成される。リフォーマットされたビームの部分ビームは互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられ、それぞれが圧縮されたビームのスライスとなっている。
【0069】
図3に示す実施形態におけるイメージリフォーマッター172は、2つの部分ビームから構成されているリフォーマットされたビームを形成するが、この2つの部分ビームは互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられ、それぞれがイメージコンプレッサー170から出力される圧縮ビームの一部となっている。圧縮されたビームの第1の部分は反射面312から反射面316に向かって反射され、次いで反射面316から反射されて反射面316の横を通過するため、結果として、リフォーマットされたビームは2つの部分を有することになる。当業者であれば、反射面316と312との間を行き来する反射の数を増やすことによってリフォーマットされたビームの部分ビームの数を増やすことができることを理解するであろう。
【0070】
図3に示す実施形態におけるイメージエキスパンダー174は、イメージリフォーマッター172からリフォーマットされたビームを受光し、拡大されコリメートされた出力ビームを生成し、この拡大されコリメートされた出力ビームの寸法は、光学スライサー100に入射した入射ビームと同等である。図3に示す実施形態におけるイメージエキスパンダー174は、リフォーマットされたビームを適切に拡大してコリメートするための適切なレンズおよび/または鏡を含んでもよい。
【0071】
結果として生じる出力ビームを、コリメートされた入射ビームを生成したコリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズを通過するよう送ると、出力ビームは集束し、出力スポットを生成する。この出力スポットは、同じ集束レンズを通過した入射ビームによって生成した入射スポットのイメージを生成するが、この出力スポットは、同じ集束レンズを通過した入射ビームによって生成した入射スポットと同等の光強度を維持したまま、光学スライサー100のスライシングファクターにしたがって水平方向に圧縮され垂直方向には拡大されている。図3に示す光学スライサー100の出力ビームによって生成する出力スポットは、水平方向には2分の1に圧縮され、垂直方向には2倍に拡大されている。すなわち、図3に示す光学スライサー100のスライシングファクターは2である。
【0072】
図4は光学スライサー100を示したものであり、この光学スライサーはイメージコンプレッサー170、イメージリフォーマッター172、およびイメージエキスパンダー174を有している。図4に示す実施形態では、光学スライサー100のスライシングファクターは4である。入射ビーム102は実質的にコリメートされたビームであってよく、これはコリメータレンズまたは曲面鏡によって生成させることができる。
【0073】
入射ビーム102は、圧縮されたビーム452を出力することのできるイメージコンプレッサー170によって受光される。イメージコンプレッサー170は、入射ビーム102を反射して垂直方向に集束させたビーム450を生成する円筒凹面鏡402を有する。
【0074】
さらに図5Aおよび5Bを参照すると、円筒凹面鏡402は、取付けブラケット502に取付けて、光学スライサー100のベースプレート480に固定することができる。いくつかの実施形態では、円筒凹面鏡402は、焦点距離が103.360mmであってもよく、入射ビームの経路に対し、水平方向に7.3度、垂直方向に0.0度傾けて配置することができる。しかしながら、当業者であれば、これ以外の焦点距離および配置を使用しても垂直方向に集束するビーム450の生成が可能であることを理解するであろう。
【0075】
垂直方向に集束されたビーム450は、これをコリメートして、圧縮されたビーム452を出力する円筒凸面鏡404によって受光されてもよい。さらに図5Aおよび5Cを参照すると、円筒凸面鏡404は、取付けブラケット504に取付けて、光学スライサー100のベースプレート480に固定することができる。いくつかの実施形態では、円筒凸面鏡404は、焦点距離が−25.84mmであり、入射ビームの経路に対し、水平方向に7.3度、垂直方向に0.0度傾けて配置することができる。しかしながら、当業者であれば、これ以外の焦点距離および配置を使用しても圧縮されたビーム452の生成が可能であることを理解するであろう。
【0076】
いくつかの実施形態では、圧縮されたビーム452は、入射ビーム102を生成するために使用された前記コリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズを通して送られると、同じ集束レンズを通過した入射源102によって生成した入射スポットと比較して、垂直方向にはスライシングファクターにしたがって拡大され、水平方向の寸法は実質的に同等であるコンプレッサースポットを生成する。
【0077】
図4に戻ると、圧縮されたビーム452はイメージリフォーマッター172によって受光され、リフォーマットされたビーム456が出力されるが、このリフォーマットされたビーム456は、それぞれが圧縮されたビーム452のスライスである部分456A、456B、456C、および456Dによって構成され、これらのスライスされた部分は互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられている。
【0078】
さらに図5A、5D、および5Eを参照すると、イメージリフォーマッター172はD型ミラー406および410を有してもよい。D型ミラー406は、取付けブラケット408に取付けることができ、ブラケット420に固定することができる。ブラケット420は、光学スライサー100のベースプレート480に固定されている。D型ミラー406は、平らな辺が使用時にリフォーマットされたビーム456に最も近くなるよう、垂直に立てて配置することができる。D型ミラー406は、圧縮されたビーム452がD型ミラー406に最初に到達する際の入射経路に対し、水平方向に2.5度、垂直方向には下向きに2.7度傾けて配置することができる。
【0079】
D型ミラー410は、取付けブラケット412に取付けることができ、この取付けブラケットはブラケット422に固定することができる。ブラケット422は、光学スライサー100のベースプレート480に固定されている。D型ミラー410は、平らな辺が使用時にリフォーマットされたビーム456に最も近くなるよう、水平に寝かせて配置することができる。D型ミラー410は、圧縮されたビーム452がD型ミラー406に最初に到達する際の入射経路に対し、水平方向に2.5度、垂直方向には上向きに2.7度傾けて配置することができる。いくつかの実施形態では、D型ミラー406および410は、Thorlabs(登録商標)#BBD1−E02ミラーであってもよい。当業者であれば、形状の異なる鏡、または凸面もしくは凹面状の面を含む別の反射面を使用してリフォーマットされたビーム456を生成させることが可能であり、さらに鏡や別の反射面の配置を変えても実質的に同等の結果が得られることを理解するであろう。
【0080】
使用の際、圧縮されたビーム452は、D型ミラー410の上を通ってD型ミラー406の位置に到達することができる。いくつかの実施形態では、圧縮されたビーム452の部分456AはD型ミラー406の横を通過し、圧縮されたビーム452の残りの部分は、部分456A、456B、456Cおよび456Dから構成されるリフォーマットされたビーム456が生成されるまで、D型ミラー406とD型ミラー410との間を行き来する。反射が行き来する中、反射されたビームの一部はD型ミラー406の横を通過し、これに相当するリフォーマットされたビーム456の一部を生成する。たとえば、部分456AがD型ミラー406の横を通過した後、圧縮されたビーム452の残りの部分はD型ミラー406に反射され、D型ミラー410に向かう第1の反射ビームを生成する。
【0081】
D型ミラー410は第1の反射ビームをD型ミラー406に向けて反射するが、この反射の一部がD型ミラー406の横を通過して部分456Bが生成し、この反射の残りはD型ミラー410へと返される。部分456Bは456Aの下に位置し、実質的に456Aと平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられている。
【0082】
D型ミラー406に向けられた反射の残りの部分は次に反射される部分を生成し、これはD型ミラー410へと返される。この後から反射された部分は、最初に反射された部分よりも低い位置でD型ミラー410と接触する。この後から反射された部分は、D型ミラー410からD型ミラー406へと反射され、このうち、D型ミラー406の横を通過する部分が部分456Cを生成し、反射されたビームの残りの部分はD型ミラー406と接触する。部分ビーム456Cは456Bの下に位置し、456A、456B、および456Cは実質的に平行であり、実質的に垂直に積み重ねられている。
【0083】
ここでまた、D型ミラー406に向けられた反射の残りの部分はD型ミラー406においてさらに反射される部分を生成し、これがD型ミラー410へと返される。このさらに反射された部分は、先に反射された部分よりも低い位置でD型ミラー410と接触する。このさらに反射された部分は、D型ミラー410によって反射され、D型ミラー406の横を通過して部分456Dを生成する。部分456Dは456Cの下に位置し、それぞれが圧縮されたビーム452のスライスである456A、456B、456C、および456Dは互いに実質的に平行になるよう実質的に垂直に積み重ねられている。
【0084】
図4に示す実施形態は、4つの部分ビームを生成する光学スライサーであるが、当業者であれば、D型ミラー406と410との間を行き来する反射の数を増やすことによってリフォーマットされたビーム456の部分ビーム数を増やすことができることを理解するであろう。また、当業者であれば、そのような変更のために鏡402、404、414、および416の焦点距離およびサイズを適切に調整してもよいことを理解するであろう。
【0085】
図4に戻ると、リフォーマットされたビーム456は、入射ビーム102を生成するために使用したコリメータレンズまたは曲面鏡と同等の焦点距離を有する集束レンズを通して送られると、リフォーマッタースポットを生成する。生成したリフォーマッタースポットは入射ビーム102のイメージを生成するが、これは、同じ集束レンズを通過した入射ビームによって生成した入射スポットと比較して、同等の光強度を維持しつつ、垂直方向にはスライシングファクターにしたがって拡大されており、水平方向には入射スポットと同等の寸法を有している。
【0086】
リフォーマットされたビーム456は、イメージエキスパンダー174によって受光され、出力ビーム156を生成してもよい。イメージエキスパンダー174は、円筒凸面鏡414および円筒凹面鏡416を有する。円筒凸面鏡414は、リフォーマットされたビーム456を受光して反射し、水平方向に発散するようリフォーマットされたビーム458を生成し、円筒凹面鏡416に向けて送る。円筒凹面鏡416は、水平方向に発散するリフォーマットされたビーム458を受光し、これを実質的にコリメートして出力ビーム156を生成する。さらに図5Aを参照すると、出力ビーム156は出力用開口部520を通過する。この開口部は円筒凸面鏡414の下方で取付けブラケット514を貫通するよう配置されてもよい。
【0087】
結果として生じる出力ビーム156を、入射ビーム102を生成したコリメータレンズまたは曲面鏡と実質的に同等の焦点距離を有する集束レンズを通過するよう送ると、出力ビーム156は集束し、出力スポットを生成する。この出力スポットは、同じ集束レンズを通過した入射ビームによって生成した入射スポットのイメージを生成するが、この出力スポットは、入射スポットと同等の光強度を維持したまま、光学スライサー100のスライシングファクターにしたがって水平方向に圧縮され垂直方向には拡大されている。
【0088】
さらに図5Aおよび5Fを参照すると、円筒凸面鏡414は、取付けブラケット514に固定して、光学スライサー100のベースプレート480に固定することができる。いくつかの実施形態では、取付けブラケット514は、自体を貫通するよう配置された出力用開口部520を有してもよく、この出力用開口部520は、取付けブラケット514に固定する際、実施形態によっては円筒凸面鏡414よりも下になるよう配置することができる。いくつかの実施形態では、円筒凸面鏡414は、焦点距離が−25.84mmあってもよく、入射ビームの経路に対し、水平方向に0.0度、垂直方向には下向きに6.3度傾けて配置することができる。しかしながら、当業者であれば、これ以外の焦点距離および配置を使用しても水平方向に発散するリフォーマットされたビーム458の生成が可能であることを理解するであろう。
【0089】
さらに図5Aおよび5Gを参照すると、円筒凹面鏡416は、取付けブラケット516に取付けて、光学スライサー100のベースプレート480に固定することができる。いくつかの実施形態では、ベースプレート480は、凹面鏡416の一部をベースプレート480の上面よりも低い位置で支持するために、取付けブラケット516の一部を受けることのできるくぼみを有してもよい。いくつかの実施形態では、円筒凹面鏡416は、焦点距離が103.360mmであってもよく、入射ビームの経路に対し、水平方向に0.0度、垂直方向には上向きに6.3度傾けて配置することができる。しかしながら、当業者であれば、これ以外の焦点距離および配置を使用しても出力ビーム156の生成が可能であることを理解するであろう。
【0090】
図5Hを参照すると、光学スライサー100は、自体の内部要素がたとえば埃や他の微粒子から保護されるように、ベースプレート480に固定されたハウジングカバー486で覆われていてもよい。ハウジングカバー486は入射ビームを受光するための入射用開口部482を有してもよく、さらに光学スライサー100から出力ビームを出力するための出力用開口部484を有してもよい。
【0091】
本明細書に記載した光学スライサーのいくつかの実施形態では、第1の光学スライサーからの出力ビーム156が第2の光学スライサーへの入射ビーム102となるように第2の光学スライサーを直列に配置してもよい。このような実施形態では、スライシングファクターが乗算的に増加する場合があることがわかっている。たとえば、スライシングファクターが4であるスライサーを直列に組み合わせると、全体としてのスライシングファクターは16となる傾向があるかもしれない。
【0092】
本発明は、入射として光を用いることの多い任意の装置と共に使用できるが、本明細書に記載の光学スライサーの使用の一例は、分光法の分野におけるものであってよい。一般的な分光計は、光強度の値を波長の関数として検出器上で記録することができるように光を分散させる装置である。測定値が、より高いスペクトル分解能を必要とする場合、スペクトル分解能と直接関連するスリットを細くする必要があるが、一般的には、スリットが細ければ、一般的な分光装置によって受光される光の強度は低下する。一般的な分光装置の入射の前に光学スライサーを配置すると、光学スライサーのないスリットと比較して、一般的な分光装置のスリットに入射する光強度の値がスリットの全領域にわたってスライシングファクターにしたがって大きくなり、光信号の強度を犠牲にすることなくスペクトル分解能を上げることができる。
【0093】
干渉分光法は分光法の一種であり、干渉分光計を定義づける特徴は、使用する分散体が回折格子でもプリズムでもないことである。これらを使用せず、たとえば干渉する2つのビームによって生成されるパターンのフーリエ変換を行う等の、別の方法によって分散が達成される。本発明のスライサーは出力の輝度を上げるだけではなく、干渉縞のコントラストや信号対雑音比の大幅な改善を可能にする。
【0094】
光学スライサーは、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)の一種でフーリエ領域OCT(FD−OCT)と呼ばれるものにおいて、より具体的には、スペクトル領域OCT(SD−OCT)と呼ばれる特殊なFD−OCTにおいて使用することができる。SD−OCT機器は信号を記録するための分散分光計を備えた干渉分光計である。光学スライサーは、分分散分光計への入射において、ビーム分散要素の直前の、コリメートされたビームの経路に含まれてもよい。
【0095】
医用イメージングに関する干渉分光計である光コヒーレンストモグラフィー(OCT)があり、これは、干渉分光計を用いてイメージを作り出す技術である。スライサーは、OCT装置の縞コントラストのみならずスループットをも改善する。結果として、本発明のスライサーはOCT系で達成可能な侵入深度を改善し、撮像時間を短縮し、取得画像の価値を高めることができる。光学スライサーは、OCT装置への入射に含まれてもよい。
【0096】
本発明のスライサーのさらなる応用例として、小型分光器、特にラマン分光法に関する分野がある。最新のラマン分光計は、手持ち式のサイズにまで小型化されている。本発明のスライサーは、光を入射源として使用する任意の系において、スループットを増加させる目的で使用できるため、このスライサーを小型化した実施形態は、ラマン分光計のような小型分光計と共に使用することによって、スペクトル分解能および出力信号強度を増し、走査時間を短縮することができる。光学スライサーは、ラマン分光装置への入射に含まれてもよい。
【0097】
本発明について、特定の実施形態に関して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形および修正が可能であることは、当業者にとっては明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射ビームが集束レンズを通して送られると入射スポットを生成することを特徴とする、実質的にコリメートされた入射ビームを受光して圧縮するイメージコンプレッサーと、
圧縮されたビームを受光し、これをスライスされた複数個の部分へとリフォーマットして互いに実質的に平行になるよう垂直に積み重ねるイメージリフォーマッターと、
リフォーマットされたビームが集束レンズを通して送られると、これを入射スポットと比較して第1の方向に拡大し、第2の方向に圧縮して出力スポットを生成することを特徴とする、リフォーマットされたビームを拡大しコリメートして出力ビームを生成するイメージエキスパンダーと
を含む、出力スポットを生成するための光学スライサー。
【請求項2】
前記圧縮されたビームが入射ビームと比較して垂直方向に圧縮されており、水平方向には入射ビームと実質的に同等であることを特徴とする、請求項1に記載の光学スライサー。
【請求項3】
前記出力ビームがリフォーマットされたビームと比較して水平方向に拡大されたものであって入射ビームと実質的に同等の寸法を有することを特徴とする、請求項2に記載の光学スライサー。
【請求項4】
前記圧縮されたビームのスライスされた部分の数がスライシングファクターnと等しいことを特徴とする、請求項3に記載の光学スライサー。
【請求項5】
前記出力スポットが垂直方向にファクターnで拡大され、水平方向にファクターnで圧縮されていることを特徴とする、請求項4に記載の光学スライサー。
【請求項6】
前記イメージコンプレッサーが凸レンズおよび凹レンズを含み、凸レンズが入射ビームを受光して集束ビームを生成し、この集束ビームがコリメータレンズを通過することによって圧縮されたビームが形成されることを特徴とする、請求項3に記載の光学スライサー。
【請求項7】
前記イメージコンプレッサーが凹反射面および凸反射面を含み、凹反射面が入射ビームを受光して集束ビームを生成し、該凹反射面で反射された該集束ビームによって圧縮されたビームが形成されることを特徴とする、請求項3に記載の光学スライサー。
【請求項8】
前記イメージリフォーマッターが少なくとも2つの反射面を含み、このうち1つが圧縮されたビームの一部分を受光し、受光した部分を反射して、これを前記少なくとも2つの反射面間を行き来する少なくとも1回の反射とし、スライスされた部分の各々が、少なくとも1回反射された後に前記少なくとも2つの反射面の横を通過する、圧縮されたビームの第2の部分によって形成されることを特徴とする、請求項3に記載の光学スライサー。
【請求項9】
前記イメージエキスパンダーが凹レンズおよび凸レンズを含み、凹レンズがリフォーマットされたビームを受光して発散ビームを生成し、該発散ビームが凸レンズを通過することによって、出力ビームが生成されることを特徴とする、請求項3に記載の光学スライサー。
【請求項10】
前記イメージエキスパンダーが凸反射面および凹反射面を含み、凸反射面がリフォーマットされたビームを受光して発散ビームを生成し、該発散ビームが凹反射面で反射されることによって出力ビームが形成されることを特徴とする、請求項3に記載の光学スライサー。
【請求項11】
前記出力スポットが、前記入射スポットと実質的に同等の光強度を有することを特徴とする、請求項3に記載の光学スライサー。
【請求項12】
光学スライサーが分光計の光学入射スリットよりも上流に配置され、該スライサーの出力スポットが該スリットを通過することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学スライサーを含む分光計。
【請求項13】
入射ビームが集束レンズを通して送られると入射スポットを生成することを特徴とする、コリメートされた入射ビームを圧縮する工程と、
圧縮されたビームを、スライスされて互いに実質的に平行になるよう垂直に積み重ねられた複数個の部分へとリフォーマットする工程と、
リフォーマットされたビームが集束レンズを通して送られると、これを入射スポットと比較して第1の方向に拡大し、第2の方向に圧縮して出力スポットを生成することを特徴とする、リフォーマットされたビームを拡大しコリメートして出力ビームを生成する工程と
を含むことを特徴とする、出力スポットを生成する方法。
【請求項14】
前記圧縮されたビームが入射ビームと比較して垂直方向に圧縮されており、水平方向には入射ビームと実質的に同等であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記出力ビームがリフォーマットされたビームと比較して水平方向に拡大されたものであって入射ビームと実質的に同等の寸法を有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
スライスされた部分の数がスライシングファクターnと等しいことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記出力スポットが垂直方向にファクターnで拡大され、水平方向にファクターnで圧縮されていることを特徴とする、請求項16に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公表番号】特表2013−506143(P2013−506143A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531200(P2012−531200)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001606
【国際公開番号】WO2011/038515
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(512084385)トルネード メディカル システムズ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】