分散型監視カメラシステム
【課題】 ホールコンピュータの処理負担を軽減するとともに、細やかな監視をすることで、不正行為などを的確に、かつ、迅速に発見する。
【解決手段】 遊技機20aの所定領域を撮像する監視カメラ31と、遊技機等20から出力される状態信号に基づき、監視カメラ31の撮像を判定する情報判定手段を備える台端末装置32と、監視カメラ31を管理,制御する監視制御装置33と、を備え、監視制御装置33が、監視カメラ31に撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段と、情報判定手段の判定結果に基づき、監視カメラ31を制御して特定領域を撮像させる撮像制御手段と、監視カメラ31が撮像する撮像データを記憶する画像記憶手段と、遊技機管理装置10と通信可能に接続される通信手段と、を備える構成としてある。
【解決手段】 遊技機20aの所定領域を撮像する監視カメラ31と、遊技機等20から出力される状態信号に基づき、監視カメラ31の撮像を判定する情報判定手段を備える台端末装置32と、監視カメラ31を管理,制御する監視制御装置33と、を備え、監視制御装置33が、監視カメラ31に撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段と、情報判定手段の判定結果に基づき、監視カメラ31を制御して特定領域を撮像させる撮像制御手段と、監視カメラ31が撮像する撮像データを記憶する画像記憶手段と、遊技機管理装置10と通信可能に接続される通信手段と、を備える構成としてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置されている遊技機,カード等の券売機やジェットカウンタ等の計数機等の遊技設備に対する不正行為などを監視カメラで監視する監視カメラシステムに関し、特に、監視カメラの制御や撮像データの処理,保存等の機能を、遊技設備を集中管理するホールコンピュータ(遊技機管理装置)と別体の装置に設けることで、処理を分散させ、遊技機管理装置の負担を軽減するとともに、監視機能を充実させ、細やかな監視を可能にすることで、不正行為などを的確に、かつ、迅速に発見する分散型監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のパチンコホール,パチスロホール等の遊技場においては、遊技機の稼動状況や遊技機やカード等の券売機、遊技媒体を計数するジェットカウンタ等の計数機などの遊技設備に対する不正行為、パチンコ玉やパチスロメダルの補給異常等の監視のために、監視カメラが設置されている。
この種の監視カメラは、一台の監視カメラで複数台の遊技機などを撮像可能な位置(例えば天井等)に取り付けられ、複数の監視カメラによって遊技場のすべての遊技機を含む遊技設備を監視できるようになっている。
【0003】
このような監視カメラによる不正行為を発見する技術として、例えば、監視カメラが撮像した画像を照合処理することで、不正行為者を検出する以下のような発明が開示されている。
特許文献1に記載された発明では、遊技機毎に遊技者の顔を認証するカメラを設置するとともに、ジェットカウンタには、遊技媒体の計数者の顔を認証するカメラを備え、撮像された認証データを照合し、照合に合致しない場合は、不正に遊技媒体を取得した者と判定するようになっている。
これにより、正当に遊技媒体を獲得した遊技者か不正に遊技媒体を取得した者かの判別が可能となり、他店遊技場から遊技媒体を持ち込む不正行為や、他人が正当に獲得した遊技媒体を横取りする不正行為を発見することができる。
【0004】
また、遊技機の稼働状況を監視する発明としては、特許文献2に記載された発明では、遊技機などより出力される状態信号から非遊技状態を検出することで、遊技を行わず、単に遊技機毎に備える椅子に滞留するだけの滞留者を検出する技術が開示されている。
これにより、このような滞留者を排除することができ、遊技機の稼働率を高めることができる。
【0005】
このように最近の監視カメラによる監視は、遊技機などの状況に応じて的確な撮像データを得るために、設置されている遊技機や遊技機毎に備えられたカード機などより出力される状態信号を検知することで、状態信号に対応した遊技機近傍の映像が得られるように監視カメラを制御することが広く行われている。
これにより、不正行為、稼動状況の確認、遊技機の故障・トラブル等の発見などの細やかな監視を可能にしている。
そして、このような監視カメラシステムは、一般的に、遊技場に設置されているすべての遊技機や遊技設備を集中管理している遊技機管理装置(ホールコンピュータ)と一体に設けられており、遊技機管理装置が、このような監視カメラを制御し、画像処理及び撮像データの処理,保存,管理機能を一手に担うことで、遊技機からの情報も含め、遊技場におけるトータルな情報管理システムが構築されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−34433号公報
【特許文献2】特開2005−224363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、元来、遊技機管理装置(ホールコンピュータ)は、各遊技機から時々刻々と送信される状態信号を収集するとともに、この状態信号から所定の演算を行うことで、収益の目安となる単位時間当たりの出球率、スタート回数、役物による出玉比率、景品割数等の営業データを算出・提示したり、算出された数値から異常を判定したり、不正な電波や電磁波を検出したりする機能を有している。
そして、異常が検出された場合には、スピーカや報知ランプ等により異常を報知する報知機能なども備えられている。
さらに、これらの処理機能を遊技場に設置してあるすべての遊技機を対象に管理している。
最近では、遊技場に設置してある遊技機が一千台を超える遊技場も多く見られ、このような遊技機の増加に伴い、遊技機管理装置の処理負担は益々増大する傾向にある。
【0008】
そして、このような遊技機管理装置に、さらに監視カメラシステムの機能を担わせることにより、処理遅延等の障害が生じ、本来の遊技情報管理システムとしての機能が低下するとともに、監視カメラの機動遅延や、撮像データの保存容量不足、画像データの画質低下、画像処理時間の増大等を引き起こす原因となり、監視カメラが適切な撮像データを取得することを困難にし、監視カメラシステムとしての適正を欠く事態を招来していた。
【0009】
本発明は、以上のような問題を解決するために提案されたものであり、監視カメラの制御や撮像データの処理,保存などの機能を、遊技設備を集中管理するホールコンピュータ(遊技機管理装置)と別体の装置に設けることで、処理を分散させ、遊技機管理装置の負担を軽減するとともに、監視機能を充実させ、細やかな監視を可能にすることで、不正行為などを的確に、かつ、迅速に発見する分散型監視カメラシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の分散型監視カメラシステムは、請求項1に記載するように、遊技場に設置される一又は二以上の監視対象に対応する所定領域を撮像する監視カメラと、前記監視カメラを管理,制御する管理制御手段と、を備え、前記管理制御手段が、前記監視対象及び/又は前記監視対象毎に備えられる所定の設備から出力される所定状態信号に対応し、前記監視カメラに撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段と、前記所定状態信号に基づき、前記監視カメラを撮像させるか否か判定する情報判定手段と、前記情報判定手段の判定結果に基づき、前記監視カメラを制御して前記所定状態信号に対応する特定領域を撮像させる撮像制御手段と、前記監視カメラが撮像する所定撮像データを記憶する画像記憶手段と、遊技場に設置される複数の遊技機を管理する遊技機管理装置と通信可能に接続される通信手段と、を備え、前記通信手段が、前記撮像データの一部又は全部を前記遊技機管理装置に送信する構成としてある。
【0011】
このような構成からなる本発明の分散型監視カメラシステムによれば、遊技機等を管理する遊技機管理装置と通信可能な通信手段を備え、監視カメラを管理,制御する管理制御手段を遊技機管理装置(ホールコンピュータ)と別体に設けることができる。
これにより、監視カメラの管理,制御を管理制御手段が分担して受け持つことになり、遊技機管理装置の負担が軽減される。
また、別体に設けることで、遊技機管理装置が遊技場終了後の非稼動状態であっても、監視カメラによる監視を継続することもできる。
さらに、監視対象及び/又は監視対象毎に備える所定の設備から出力される所定状態信号に対応し、監視カメラに撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段を備えることにより、所定状態信号に対応した特定領域の映像が撮像可能となる。
これにより、所定状態信号の変化に応じた、所望する撮像領域に応じた的確な画像を即座に取得することができる。
【0012】
また、撮像データを記憶する画像記憶手段を管理制御手段に備えることで、遊技機管理装置に撮像データ用の保存媒体等を常設する必要がなく、その分、書込みや読込みに要する処理も不要となる。
これにより、遊技機管理装置の負荷がさらに軽減される。
また、遊技機管理装置と通信可能な通信手段を備えることで、遊技機管理装置は、必要な画像データを、この通信手段を介して取得することができる。
さらに、例えば通信手段を相互通信とした場合には、通信手段が、監視カメラによる撮像した来歴を含む情報や撮像データの一部である静止画像などの比較的に容量の小さい情報を遊技機管理装置に送信し、遊技場の管理者等が、遊技機管理装置を介してこれらの情報等を確認した後に、さらに動画等の容量の大きい撮像データを要求するか否か選択することができる。
これにより、さらに遊技機管理装置の負荷が軽減され、遊技機管理装置が必要とした場合のみ、通信手段を用いて撮像データを送信することができる。
【0013】
なお、監視カメラの監視対象としては、遊技機,カード球貸機等の券売機,現金玉貸機やジェットカウンタ等の計数機などの遊技設備を対象とすることができる。
これにより、遊技場のすべての遊技設備を監視対象とすることができる。
また、この場合の監視対象及び/又は監視対象毎に備える所定の設備から出力される所定状態信号として、例えば、監視対象が遊技機の場合は、遊技機から出力される状態信号には、1ゲーム毎に出力されるスタート信号やガラス枠開閉信号等があり、遊技機毎に備える所定の設備には、例えば遊技機に隣接されて設けられた現金玉貸機やカード球貸機があり、これらから出力される状態信号には、入金信号や発券信号などがある。
【0014】
本発明では、これらの状態信号に基づき、情報判定手段による判定を経て、監視カメラを制御することができるため、状態信号に応じた適切な画像を取得することが可能となる。
これにより、監視対象の稼働状況、故障やトラブル等の障害、異常状態や不正行為等などの状態信号に対応した細やかな状況の把握が可能となる。
また、状態信号に基づき、監視カメラが撮像するため、状態信号に瞬時に反応した撮像データを取得することができ、上記のような状況を迅速に確認することができる。
【0015】
また、請求項2記載の分散型監視カメラシステムは、前記監視対象が、遊技機である構成とすることができる。
このような構成とすることにより、本発明の分散型監視カメラシステムは、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機を対象とした監視カメラシステムとすることができる。
【0016】
近年、遊技場における遊技機台数の増加による遊技機管理装置(ホールコンピュータ)の処理負担の増大に伴い、監視カメラシステムの機動性の低下や画像処理時間の遅延等が問題となっている。
そこで、本発明の分散型監視カメラシステムを、遊技機に適用すれば、このような弊害を解消することができ、遊技機管理装置の処理負担を軽減することができる。
【0017】
また、請求項3記載の分散型監視カメラシステムは、前記情報判定手段が、所定台数の前記監視対象毎に設置され、前記所定状態信号が入力される台端末装置に設けられ、前記情報判定手段を除く前記管理制御手段が、所定台数の前記台端末装置毎に設置される監視制御装置に設けられ、前記台端末装置と前記監視制御装置が通信可能に接続されるとともに、前記台端末装置が、前記情報判定手段の判定結果に基づき、前記所定状態信号に対応する撮像要求信号を送信し、前記監視制御装置が前記撮像要求信号を受信した場合に、前記撮像制御手段が、前記監視カメラを制御して前記特定領域を撮像させる構成とすることができる。
このような構成とすることにより、情報判定手段が、所定台数の監視対象毎に設置され、所定状態信号が入力されるように備える台端末装置に設けられるとともに、情報判定手段を除く管理制御手段が、所定台数の前記台端末装置毎に設置される監視制御装置に設けられることで、管理制御手段が、各監視対象等から出力される状態信号を集中して判定処理する必要がなくなる。
これにより、適度な分散処理が図られ、監視制御装置の処理遅延等の弊害を解消することができる。
【0018】
また、台端末装置が、所定状態信号が入力されるように備えられるため、情報判定手段が、遊技機管理装置(ホールコンピュータ)を介さずに、直接に状態信号を判定することができる。
これにより、状態信号に瞬時に反応することができ、監視カメラによる迅速な撮像が可能となる。
また、本発明のような構成は、現状の遊技場の遊技情報管理形態に合致させることができる。
例えば、情報判定手段を備える台端末装置を所定台数の遊技機毎に備える台コンピュータや台間機とすることもできる。また、情報判定手段を除く管理制御手段を備える監視制御装置を、遊技機を取り付ける遊技機島毎に設けられる島コンピュータなどの島設備機器とすることもできる。
これにより、既存の遊技機等の管理設備を利用することができるため、本発明の分散型監視カメラシステムを導入する際の初期設備投資費用の低減を図ることができる。
【0019】
また、請求項4記載の分散型監視カメラシステムは、前記監視制御装置が、複数台設けられ、各監視制御装置が、前記遊技機管理装置と通信可能に接続される構成とすることができる。
このような構成とすることにより、監視対象の増加に伴い、監視制御装置を増設することができる。
監視制御装置が一台しか存在しない場合は、監視対象の増加に伴い、監視制御装置の処理負担が増大するが、このように監視制御装置が、複数台設けられることで、所定台数の台端末装置毎に、監視制御装置を設けることができ、一の監視制御装置に管理制御手段として機能させる処理が集中することを回避することができる。
また、各監視制御装置が、遊技機管理装置(ホールコンピュータ)と通信可能に接続されることで、LAN接続等による拡張性を有しつつ、遊技機管理装置と各監視制御装置との適正な配分の分散処理を図ることができる。
【0020】
また、請求項5記載の分散型監視カメラシステムは、前記通信手段が、前記遊技機管理装置から送信される送信要求に基づき、前記撮像データの一部又は全部を前記遊技機管理装置に送信する構成とすることができる。
このような構成とすることにより、遊技機管理装置から送信される送信要求に基づき、撮像データを遊技機管理装置に送信することで、遊技機管理装置が必要な撮像データを選択して受信することができる。
これにより、必要のない撮像データの送信に伴う管理制御手段と遊技機管理装置の双方の送受信処理は行われず、その分の処理能力を他の処理に費やすことができ、処理の効率化を図ることができる。
【0021】
また、請求項6記載の分散型監視カメラシステムは、前記画像記憶手段が、前記監視カメラが前回撮像した所定撮像データを記憶するとともに、今回撮像した所定撮像データを記憶し、前記管理制御手段が、前回撮像した所定撮像データと今回撮像した所定撮像データを比較し、所定の差異の有無を判定する画像判定手段を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、前回撮像した所定撮像データと今回撮像した所定撮像データを比較し、所定の差異の有無を判定する画像判定手段を備えることで、監視対象の撮像領域における状態の変化を検出することできる。
【0022】
これにより、例えば監視対象を遊技機とした場合には、遊技者の滞在の有無や、遊技盤の遊技領域内における球詰まり等の有無を検出することができる。
また、画像判定手段により差異が判定された場合のみ、通信手段が、遊技機管理装置に撮像データを送信してもよい。
また、差異が判定された場合に、通信手段が、画像判定内容を含む文字情報や判定された撮像データの一部である静止画像などの比較的に容量の小さい差異情報を遊技機管理装置に送信し、遊技機管理装置からの送信要求に基づき、該当する動画像を含む比較的容量の大きい撮像データを送信することもできる。
これにより、管理制御手段と遊技機管理装置の双方の負担を軽減することができる。
【0023】
また、請求項7記載の分散型監視カメラシステムは、前記通信手段が遊技機管理装置に送信する撮像データが、静止画像からなる構成とすることができる。
このような構成とすることにより、通信手段により遊技機管理装置に送信される撮像データを静止画像とすることができる。
【0024】
撮像データは、主に動画像からなるため、これをそのまま遊技機管理装置に送信することは、管理制御手段と遊技機管理装置の双方の送受信処理に要する処理時間が増大することになり、他の処理機能に障害をもたらす虞が生じる。
そこで、送信される撮像データを静止画像とすることで、送受信処理に要する処理時間の遅延を回避することができ、双方の処理能力を最大限に維持することができる。
【0025】
また、静止画像といえども、状態信号に対応した適切な撮像データであるため、遊技場の管理者は、遊技機管理装置の画像を介して、十分適正な判断が可能となる。
また、遊技場の管理者は、送信された静止画像から判断し、さらに詳細な撮像データを所望する場合には、管理制御手段に動画像の送信要求を送信することもできる。
これにより、必要に応じた効率のよい撮像データ送信が可能となり、遊技機管理装置を含めた分散型監視カメラシステムの処理の分散化が図られる。
【0026】
また、請求項8記載の分散型監視カメラシステムは、前記撮像領域設定手段が、前記監視カメラが撮像する映像を確認しつつ、前記特定領域を設定可能な所定の入力表示レイアウトを有する入力手段を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、撮像領域設定手段が所定の入力表示レイアウトを有する入力手段を備えることで、監視カメラが撮像する映像を確認しつつ、前記特定領域を容易に設定することができる。
これにより、本発明の分散型監視カメラシステムの初期時の設定を容易に行うことができ、管理者の作業負担を軽減することができる。
【0027】
また、請求項9記載の分散型監視カメラシステムは、前記監視カメラが、前記特定領域を撮像する場合において、撮像条件を表す所定の文字情報を前記撮像データに合成して出力する構成とすることができる。
このような構成とすることにより、監視カメラが、特定領域を撮像する場合において、撮影時刻、撮像対象を特定する情報、特定領域、撮像要求信号(状態信号)の種別、撮像した監視カメラを特定する情報などの撮像条件を表す文字情報を撮像データに直接合成して出力するため、当該撮像データの出所を明確にすることができる。
【0028】
例えば、撮像領域設定手段において、監視カメラにあらかじめ、撮像対象となる複数の遊技機に対して、遊技機の番号、当該遊技機の特定領域、当該特定領域と対応関係にある撮像要求信号を記憶させるとともに、撮像制御手段が、これらを含む制御コマンドを監視カメラに送信することで、監視カメラが制御され、該当する遊技機の特定領域を撮像するように設定しておく。
さらに、監視カメラにスーパーインポーズ機能を搭載しておくことで、監視カメラが、送信された制御コマンドに含まれる情報を解読し、遊技機の番号、当該遊技機の特定領域、当該特定領域と対応関係にある撮像要求信号の種別を文字情報として撮像データに直接合成して出力することができる。
これにより、撮像データ自体に撮像条件が文字情報として合成して出力されるため、撮像条件が撮像データと一体となり、これらを別管理する場合より、撮像データの信憑性が増大するとともに、別管理する場合においても、別管理された撮像条件との照合が容易となる。
また、記憶された撮像データを画像再生する場合においても、撮像条件が合成画像として確認できるため、これらの情報が欠落されることがなくなり、画像を再生する側の機種等を問わず、撮像条件を確認することができる。
従って、撮像された撮像データ自体が汎用性を有することになる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の分散型監視カメラシステムによれば、監視カメラの制御や撮像データの処理,保存の機能を、遊技設備を集中管理するホールコンピュータ(遊技機管理装置)と別体の装置に設けることで、処理を分散させ、遊技機管理装置の負担を軽減するとともに、監視機能を充実させ、細やかな監視を可能にすることで、不正行為などを的確に、かつ、迅速に発見することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る分散型監視カメラシステムの好ましい実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの全体構成を模式的に示す説明図であり、図2は、本発明の分散型監視カメラシステムを適用する遊技場における遊技機と監視カメラシステムの関係を模式的に示す平面図である。また、図3は、同じく本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムを示すブロック図であり、図4は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの台端末装置の構成を示すブロック図である。
【0031】
これらの図に示すように、本実施形態に係る分散型監視カメラシステムは、パチンコ機やパチスロ機等の遊技機が多数設置されているパチンコホール,パチスロホール等の遊技場に備えられる監視カメラシステムである。
遊技場においては、遊技機はいわゆる「島」や「島」の片側のみからなる「片島」の単位で設置される。図2に示す例では、片島1aと、片島1bと片島1cからなる一島が設置され、各片島には12台の遊技機とこの遊技機ごとに隣接して設けられた台間機が設置されている。
片島1aには、遊技機20a−1〜20a―12と台間機20b−1〜20b−12が設けられており、片島1bには、遊技機20a−13〜20a―24と台間機20b−13〜20b−24が設けられている。
また、遊技機毎に遊技者が着座する遊技椅子2が設けられている。
片島1aと片島1bに設置されている遊技機は、パチンコ機であり、台間機は現金を投入することで遊技球が排出される現金玉貸機である。
【0032】
そして、本発明に係る情報判定手段として機能する台端末装置は、遊技機20a−1〜20a―24と台間機20b−1〜20b−24に対応して、台端末装置32−1〜32−24が設けられており(図1参照)、遊技機毎に、遊技機上部に相当する片島内に備えられている。
各台端末装置32は、遊技機20aや台間機20bから出力される遊技機等の状態を示す状態信号を受信し、撮像要求信号を出力するようになっている。
【0033】
監視カメラは、所定のネッワークカメラからなり、片島1aと片島1bの間の通路(いわゆる「川」)に3台設置されている。
図2に示す例では、監視カメラ31a〜31cが設置され、各監視カメラ31が、片島1aの遊技機及び台間機4台とこれらに対向する片島1bの遊技機及び台間機4台の合計8台の監視対象(台間機を含む遊技機)を受け持ち、監視するように設けられている。
各監視カメラ31は、遊技場の天井に取り付けられ、各監視カメラは、監視を受け持つ遊技機毎に、予め定められた監視領域である特定領域を撮像するように設定されている。
【0034】
片島1aの端部には、本発明に係る管理制御手段として機能する監視制御装置33が設けられている。
監視制御装置33は、各監視カメラ31とIPケーブル331を介して接続されているとともに、各台端末装置32とFAケーブル333を介して通信可能に接続され、各台端末装置32から出力される撮像要求信号を受信することにより、各監視カメラ31を制御することができるようになっている(図1参照)。
【0035】
遊技場には、図示しない管理室が設けられており、この管理室に、遊技機20aや台間機20b、遊技媒体を計数するジェットカウンタなどの遊技設備から出力される状態信号等を集中して管理する遊技機管理装置10(いわゆる「ホールコンピュータ」)が備えられている。
遊技機管理装置10は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置からなり、遊技機等から入力される各状態信号に基づき、遊技機のデータ管理、故障や異常の検出、不正行為を検出する機能等を備えている。
そして、本実施形態では、遊技機管理装置10は、監視制御装置33とIPケーブル332を介して、通信可能に接続されており、監視カメラ31が撮像した撮像データの送信を要求したり、撮像データを受信したりでき、受信した撮像データは、モニタ10aにより確認できるようになっている(図1参照)。
【0036】
さらに、遊技機及び遊技機毎に備える所定の設備から出力される状態信号、台端末装置、監視制御装置について図3及び図4を参照しつつ、詳述する。
まず、種々の状態信号が出力される遊技機20aは、いわゆるTV等の可変表示装置に表示される図柄の組合せの停止表示の結果により遊技媒体の獲得が可能ないわゆるセブン機と呼ばれるパチンコ機からなり、本発明に係る分散型監視カメラシステムの監視対象となっている。
遊技機20aは、開閉可能な遊技枠を介して「島」に取り付けられるとともに、遊技枠には、所定の電動役物等が配設された遊技盤が収容されている。
遊技盤の遊技領域は、遊技枠に開閉可能に設けられたガラス枠を介して外部より目視可能になっており、後述する監視カメラにより、遊技盤内の例えば、遊技球の入賞により可変表示装置が変動を開始する電動役物(普通電動役物)に係る始動口などの特定の領域も撮像することができるようになっている。
【0037】
遊技機20aは、遊技の進行状態や遊技機の状態により以下の状態信号が出力されるようになっている(図4中左参照)。
遊技機20aから出力される状態信号には、遊技枠の開閉に伴い出力される「台枠開閉信号」、ガラス枠の開閉に伴い出力される「ガラス開閉信号」、可変表示装置の作動停止毎に出力される「スタート信号」がある。
【0038】
また、特に図示しないが、各遊技機20aには、遊技機20毎に備える所定の設備として、強力な磁石や電波を用いた不正行為を検出するための磁気/電波検出装置が遊技機の裏面側に設けられており、この装置が、強力な磁石や電波を検出したときに「磁気/電波不正信号」が状態信号として出力されるようになっている。
さらに、各遊技機20aには、遊技機20毎に備える所定の設備として、各遊技機20aに遊技球を配球する補給装置や遊技盤内に発射された遊技球を島内にすべて回収するアウト球タンクが設けられている(図示しない)。
補給装置とアウト球タンクには、各々所定のカウンタが設けられており、所定の補給数及びアウト数毎に「セーフ信号」及び「打込み信号」が状態信号として出力されるようになっている。
【0039】
一方、遊技機20毎に隣接された台間機20bは、現金を投入することで遊技機の上皿に遊技球が排出される現金玉貸機からなる。
台間機20bから出力される状態信号には、現金の投入に伴い出力される「入金信号」がある。
【0040】
次に、台端末装置32は、本発明に係る情報判定手段として機能するとともに、情報判定手段による判定結果に基づき、監視制御装置33に撮像要求信号を送信する情報処理装置である。
台端末装置32は、図4に示す例では、当該台端末装置32を情報判定手段等として機能させるプログラム等を記録したROMや、RAM及び各制御処理を実行するCPU、I/Oポート等からなる制御部32aを備えたコンピュータを構成している。
上記各状態信号が、バッファ32b介して、I/Oポートに入力されると、制御部32aのCPUが、ROMに記録したプログラムに従い、各状態信号に基づいて、情報判定処理を行うとともに、各状態信号に対応する撮像要求信号の生成・送信する制御処理を実行することで、当該台端末装置32を、情報判定手段32c及び撮像要求信号を送信する通信手段32dとして機能させるようになっている。
【0041】
具体的には、情報判定手段32cに係る制御処理では、前述した状態信号に基づき、監視カメラを撮像させるか否か判定を行うもので、以下のような判定処理が行われている。
前述した「打込み信号」に基づき、各遊技機20aの稼働状況を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定する処理を行う。
「打込み信号」は、所定数のアウト球毎に入力されているため、所定の時間毎に「打込み信号」を監視する制御を行うことで、稼働状況を判別することができる。
【0042】
例えば、所定時間(2分間)「打込み信号」の入力がない場合は、該当する遊技機20aは非稼動状態と判別され、反対に、所定時間(2分間)毎に定期的な「打込み信号」が入力される場合は、正常な稼動状態と判別することができる。
また、非定期な「打込み信号」が入力される場合(2分間に1パルス等)は、遊技者によるいわゆる「止め打ち」と判別することもでき、不正行為とみなすこともできる。
このように判別された場合には、監視カメラに撮像させると判定する。
【0043】
そして、この判定処理では、これらの判別に基づいて、監視カメラに撮像させるための撮像要求信号を生成する処理も行われている。
非稼動状態と判別された場合には、「撮像要求信号(非稼動)」を生成する。
この「撮像要求信号(非稼動)」は、所定の時間以上、非稼動状態が継続しているような場合には、非稼動状態と判別される度(例えば2分毎)に生成せず、一定期間(例えば10分毎)をおいて生成するようにしてもよい。
これにより、後述する撮像制御手段において、監視カメラに定期的な撮像を行わせることができ、遊技を行わず遊技機を占拠する滞留遊技者や、タバコ等の放置による遊技機の占有を監視することができる。
また、適度な頻度で監視カメラに撮像させることができ、監視効率の向上が図られる。
【0044】
一方、稼動状態と判別された場合には、「撮像要求信号(稼動)」を生成する。
この「撮像要求信号(稼動)」も、上記と同様に所定の時間以上、稼動状態が継続しているような場合には、稼動状態と判別される度に生成せず、一定期間をおいて生成するようにしてもよい。
【0045】
また、「セーフ信号」と「打込み信号」に基づき、これらを組合せることで、各遊技機20aのベース異常を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定する処理を行う。
「セーフ信号」と「打込み信号」からは、セーフ球数(補給球数)とアウト球数が、算出可能なため、各信号の入力毎にセーフ球数、アウト球数に換算し、各々累計するとともに、セーフ球数とアウト球数の比であるベース(セーフ球数/アウト球数)を算出するような演算処理を行う。
そして、ベースが、所定の値を超える場合には、ベース異常と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(ベース異常)」を生成する。
【0046】
また、「スタート信号」に基づき、各遊技機20aのスタート異常を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定する処理を行う。
「スタート信号」は、遊技機20aに備える可変表示装置の変動停止毎に入力される状態信号であるため、所定の時間毎に「スタート信号」を監視する制御を行うことで、スタート異常を判別することができる。
例えば、所定時間毎(1分間)「スタート信号」の入力回数を算出し、所定数の範囲(例えば5〜25)を超える値となる場合は、スタート異常と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(スタート異常)」を生成する。
【0047】
また、「台枠開閉信号」,「ガラス開閉信号」,「磁気/電波不正信号」,「入金信号」に基づき、各々、各遊技機20aの遊技枠の開閉、ガラス枠の開閉及び磁気/電波を用いた不正行為、遊技者による台間機20bへの現金の挿入を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定する処理を行う。
まず、「台枠開閉信号」,「ガラス開閉信号」は、遊技機20aの遊技枠,ガラス枠の開放に伴い入力される状態信号であるため、これらの入力を監視することで、遊技枠,ガラス枠の開閉を判定することができる。
各信号とも、開放に伴い、オン信号が入力され、閉じることで、オフ信号が入力される。
そして、各信号とも、オン信号が入力された場合に、開放と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(ガラス開)」を生成する。一方、オフ信号が入力された場合に、閉と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(台枠閉)」,「撮像要求信号(ガラス閉)」を生成する。
【0048】
また、「磁気/電波不正信号」は、遊技機20aの遊技機の裏面側に取り付けられた磁気/電波検出装置が磁気又は電波を検出した場合に入力される状態信号であるため、この入力を監視することで、磁気又は電波を用いた不正行為を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定することができる。
そして、信号が入力された場合に、磁気/電波不正と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(磁気/電波)」を生成する。
【0049】
また、「入金信号」は、遊技者による台間機20bへの現金の挿入毎に入力される状態信号であるため、この入力を監視することで、遊技者による現金の挿入を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定することができる。
そして、信号が入力された場合に、遊技者による現金の挿入と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(入金)」を生成する。
【0050】
そして、以上のように生成された各撮像要求信号は、各台端末装置32に備える通信手段32dに係る制御処理により、当該台端末装置32を特定可能な情報を含んだ撮像要求信号に変換され、FAケーブル333を介して、監視制御装置33に送信されるようになっている。
【0051】
このように、台端末装置32が、情報判定手段32cを備えることで、監視制御装置33が、各遊技機等から出力される状態信号を集中して判定処理する必要がなくなり、適度な分散処理が図られ、監視制御装置33の処理遅延等の弊害を解消することができる。
また、台端末装置32が、各状態信号が直接入力されるように備えられるため、情報判定手段32cが、遊技機管理装置10を介さずに、各状態信号を判定することで、状態信号に瞬時に反応することができ、監視カメラ31による迅速な撮像が可能となる。
なお、本実施形態では、台端末装置32を独立した装置としたが、既に遊技場に設置してある設備に代替させることもできる。
例えば、台端末装置32の機能を遊技機毎に設けられたインテリジョントランプ等を制御する台コンピュータに備えることもでき、また、本実施形態の台間機20bに内蔵してもよい。
これにより、新たな設備投資の必要がなくなり、イニシャルコストの低減が図られる。
また、本実施形態では、台端末装置32が、監視対象である遊技機1台毎に設置されたが、複数の遊技機毎に設置されてもよい。
この場合は、複数遊技機及び遊技機毎に備える所定の設備から出力される状態信号が、当該遊技機が特定できるよう台端末装置32に入力されれば足りる。
【0052】
次に、監視制御装置33について説明する。
監視制御装置33は、監視カメラ31を管理,制御する管理制御手段であり、本発明に係る特徴的な機能として通信手段、撮像領域設定手段、撮像制御手段、画像記憶手段、画像判定手段を備え、各台端末装置32から送信される前述した撮像要求信号を受信することにより、各監視カメラ31を制御して、各状態信号に対応する特定領域を撮像させるとともに、撮像データを遊技機管理装置10に送信する情報処理装置である。
監視制御装置33は、図3に示す例では、当該監視制御装置33を上述した各手段として機能させるプログラム等を記録したROMや、RAM及び各制御処理を実行するCPU、I/Oポート等からなる制御部33aを備えたコンピュータを構成している。
台端末装置32から送信される各撮像要求信号が受信されると、I/Oポートを介して、制御部33aのCPUに入力され、CPUが、ROMに記録したプログラムに従い、後述する各制御処理を実行することで、当該監視制御装置33を、各手段として機能させるようになっている。
以下、各手段について説明する。
【0053】
まず、監視制御装置33には、外部の装置との通信手段として、台端末装置通信手段33b−1、監視カメラ通信手段33b−2と遊技機管理装置通信手段33b−3が設けられている。
台端末装置通信手段33b−1は、各台端末装置32と単方向通信を行う通信手段であり、台端末装置通信手段33b−1に係る制御処理において、前述した各台端末装置を特定可能な情報を含む撮像要求信号を、FAケーブル333を介して、受信するようになっている。
監視カメラ通信手段33b−2は、各監視カメラ31と双方向通信を行う通信手段であり、監視カメラ通信手段33b−2に係る制御処理において、IPケーブル331を介して、前述した撮像要求信号に対応した制御情報(パン、チルト、ズーム、フォーカス)を送信して各監視カメラ31を制御するとともに、各監視カメラ31が撮像した撮像データを、受信するようになっている。
遊技機管理装置通信手段33b−3は、遊技機管理装置10と双方向通信を行う通信手段であり、遊技機管理装置通信手段33b−3に係る制御処理において、IPケーブル332を介して、遊技機管理装置10に撮像データを送信するとともに、遊技機管理装置10から、送信要求信号を受信するようになっている。
【0054】
次に、撮像領域設定手段33eについて、図5〜図10を参照しつつ、説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの撮像要求信号と特定領域との関係を示す図であり、図6は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが監視対象を監視する状態を示す図である。また、図7,図8及び図9は、同じく本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが特定領域を撮像したときの画像例を示す図であり、図10は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの入力画面を示す図である。
撮像領域設定手段33eは、各状態信号に対応し、監視カメラ31に撮像させる特定領域を、監視制御装置33に備えるハードディスク等の記録媒体に特定領域に対応した監視カメラの制御情報として、予め設定して記憶する設定・記憶手段である。
【0055】
具体的には、撮像領域設定手段33eに係る制御処理では、前述した各状態信号に対応した撮像要求信号である「撮像要求信号(非稼動)」,「撮像要求信号(稼動)」,「撮像要求信号(ベース異常)」,「撮像要求信号(スタート異常)」,「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(ガラス開)」,「撮像要求信号(台枠閉)」,「撮像要求信号(ガラス閉)」,「撮像要求信号(入金)」,「撮像要求信号(磁気/電波)」が、台端末装置32から送信された場合に、後述する撮像制御手段により、監視カメラ31が各撮像要求信号に対応する特定領域を撮像するように、特定領域に対応した監視カメラ31の制御情報(パン角、チルト角、ズーム、フォーカス)を予め設定して記憶する処理を行う。
【0056】
図5に示すように、各撮像要求信号と監視カメラ31が撮像する遊技機20aに対応する領域(特定領域)は、各撮像要求信号に適した撮像領域が得られるように、対応関係を有している。
詳細には、「撮像要求信号(非稼動)」,「撮像要求信号(稼動)」に対応する特定領域1は、遊技椅子周辺であり(図7(a)参照)、これにより遊技者等の着座状態を監視することができるようになっている。
また、「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(台枠閉)」,「撮像要求信号(ガラス開)」,「撮像要求信号(ガラス閉)」に対応する特定領域2は、遊技機周辺であり(図7(b)参照)、これにより遊技枠やガラス枠の開閉状態等を監視することができるようになっている。
【0057】
そして、「撮像要求信号(ベース異常)」に対応する特定領域3は、遊技盤周辺であり(図8(a)参照)、これにより遊技盤で、複数の遊技球が遊技釘等に絡まる球詰まり等により発生する過度の入賞や不正遊技者のいわゆるゴト行為による過度の遊技球の払出等を監視することができるようになっている。
【0058】
また、「撮像要求信号(スタート異常)」に対応する特定領域4は、遊技盤内の可変表示装置の作動にかかる始動口(普通電動役物)周辺であり(図8(b)参照)、これにより役物の作動の不具合や、不正遊技者が針金やセル等を用いて役物に備えるチューリップ羽根を開放させたり、始動口の上部の遊技釘を曲げたりすることで、スタート回数を増大させるゴト行為等の不正行為を監視することができるようになっている。
【0059】
また、「撮像要求信号(磁気/電波)」,「撮像要求信号(入金)」に対応する特定領域5は、台間機20bを含む遊技機周辺であり(図9参照)、これにより遊技者が磁石や発信機等を遊技機のガラス面等に近づける不審な動作や、遊技者による現金の挿入状況を監視することができるようになっている。
【0060】
そして、撮像領域設定手段33eに係る制御処理では、上述したこれらの対応関係に基づき、撮像要求信号が送信された場合に、後述する撮像制御手段により、監視カメラ31が各撮像要求信号に対応する特定領域を撮像するように、各監視カメラ31の制御情報(パン角、チルト角、ズーム、フォーカス)を予め設定して記憶する設定・記憶処理を行う。
各監視カメラ31が撮像する特定領域に対応する制御情報の設定・記憶は、図10に示す、各監視カメラ31が撮像する映像を確認しつつ、特定領域を設定可能な入力表示レイアウトを有する入力手段であるタッチパネル334により行うことができるようになっている。
【0061】
図10に示すタッチパネル334は、入力手段33cとして機能するとともに、各監視カメラ31が撮像した映像を確認可能な表示手段33dとしても機能するようになっている。
各監視カメラ31が撮像する特定領域に対応する制御情報の設定・記憶は、遊技場の管理者等が、監視カメラ毎に、以下のようなタッチパネル334のタッチ操作を行うことで、設定・記憶されるようになっている。
【0062】
具体的には、タッチパネル334は、図10に示すように、特定領域に対応する制御情報を設定・記憶させる監視カメラ31a〜31c、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機20a−1〜20a−24、当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号を、指定可能な対象指定部33c1を有しており、該当する表示領域をタッチ操作することにより、特定領域に対応する制御情報を設定・記憶させる監視カメラ、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機、当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号のいずれかを、入力対象として指定することができるようになっている。
【0063】
そして、入力対象が決定された後に、入力対象の番号を指定する番号入力部33c2を有しており、該当する番号の表示領域をタッチ操作することにより、該当する入力対象の番号を指定することができる(例えば、対象指定部33c1で、入力対象として監視カメラが指定されたときに、「1」をタッチ操作すれば監視カメラ31aが指定される)。
さらに、番号入力部33c2において、指定された入力対象の番号を表示する対象番号表示部33c3を有しており、これにより、指定された入力対象の番号が確認できるようになっている(例えば、上記例では、「1」が表示される)。
【0064】
そして、特定領域に対応する制御情報を設定・記憶させる監視カメラ、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機、当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号を、すべて指定後に、管理者が、映像切替33c4をタッチ操作することにより、指定された監視カメラが撮像する映像が、表示手段33dに切替えて表示されるようになっている。
【0065】
前述したように監視カメラ31には、ズーム調整やフォーカス調整を可能とする電動ズームレンズ31−1とパン角及びチルト角を調整可能とする電動雲台31−2が設けられており、これらは、監視制御装置33に備える管理制御手段により、制御することができるようになっている。
各監視カメラ31は、図6に示すように、当該監視カメラ31を回転自在に可動させる電動雲台31−2とともに、天井に取り付けられている。
そして、タッチパネル334には、各監視カメラ31のパン角、チルト角、ズーム、フォーカスを自在に設定可能な操作部を備えている。
【0066】
具体的には、図10に示すタッチパネル334の下部の表示領域が操作部に該当し、図10中左より順に、監視カメラ31のパン角を調整可能な操作部パン33c5、チルト角を調整可能な操作部チルト33c6、ズームを調整可能な操作部ズーム33c7、焦点調整可能な操作部フォーカス33c8が設けられている。
各操作部に該当する矢印キー等をタッチ操作することにより、監視制御装置33に備える管理制御手段により、指定された監視カメラ31が制御され、所望する映像が表示手段33dにおいて確認できるようになっている。
なお、前述したように監視制御装置33は、片島1aの端部に設けられている。これは、タッチ操作に際して、遊技場の管理者等が、肉眼を通して、片島1aと片島1bの間の各監視カメラ31や各遊技機20の位置関係を把握できるようにするためで、これにより、指定した遊技機や当該遊技機に対応する各特定領域を、表示手段33dに迅速に表示させることができるようになっている。
指定した監視カメラ31が撮像する特定領域に対応する制御情報を設定・記憶させる手順を以下に示す。
【0067】
まず、指定した監視カメラ31により指定した遊技機近傍の映像が表示手段33dに表示されるよう確認しつつ、これらの操作部をタッチ操作する。
次に、指定した撮像要求信号に対応する特定領域の映像が表示されるよう確認しつつ、これらの操作部をタッチ操作する。
具体的には、図7〜図9に示すように、前述した撮像要求信号と対応関係を有する各特定領域が表示されるよう確認しつつ、操作部のタッチ操作を行う。
【0068】
そして、指定した撮像要求信号に対応する特定領域の映像が表示された状態で、図10中右の操作部設定33c9をタッチ操作することにより、指定した監視カメラ、指定した遊技機、指定した撮像要求信号と対応関係にある特定領域、と対応した制御情報(パン、チルト、ズーム、フォーカス)が設定・記憶される。
このとき同時に、後述する画像記憶手段33hの静止画像領域33h−1に、指定した監視カメラ毎に、指定した遊技機、指定した撮像要求信号に対応する特定領域の画像が初期設定時(遊技者等が不在の遊技場の営業開始前)の静止画像として記憶される。
この記憶された静止画像は、後述する画像判定手段において、比較される静止画像(ベース画像)として用いられるようになっている。
【0069】
そして、以上のような、特定領域に対応する制御情報の設定・記憶を、監視カメラ31a〜31c毎に、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機20a−1〜20a−24、当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号のすべての入力対象に対して行う(本実施形態では、1台の監視カメラが8台の遊技機を監視するように設定・記憶される)。
このように、監視カメラが撮像する特定領域に対応する制御情報を予め設定・記憶することで、台端末装置32より撮像要求信号が送信された場合に、後述する撮像制御手段33fが、設定・記憶された制御情報に基づき、各監視カメラ31を制御して、撮像要求信号(状態信号)に対応する特定領域を的確に撮像させることができる。
【0070】
なお、監視カメラ31が所定の記憶手段を有する場合において、前述の操作部設定33c9をタッチ操作するタイミングで、指定した監視カメラに、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機毎の当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号と対応した制御情報(パン、チルト、ズーム、フォーカス)を送信して、記憶させるとともに、撮像領域設定手段では、この制御情報(パン、チルト、ズーム、フォーカス)と関連付けがなされた所定の制御コマンドを記憶するようにしてもよい。これにより、後述する撮像制御手段で、ある撮像要求信号が受信されたときに、当該撮像要求信号を送信した台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31に、当該撮像要求信号と関連付けがなされた制御コマンドを送信することで、当該監視カメラがこの制御コマンドに対応した制御情報に基づき制御され、特定領域を撮像させることもできる。
【0071】
上記の場合において、監視カメラ31が、送信された制御コマンドを解読し、さらにスーパーインポーズ機能を備えることにより、撮像する撮像データに撮像条件を合成して出力することもできる。
例えば、撮像要求信号と関連付けがなされた制御コマンドには、撮像対象となる遊技機、撮像要求信号が含まれている。これにより、監視カメラ31が、送信された制御コマンドを解読することで、撮像対象となる遊技機を特定できるとともに、撮像要求信号(状態信号)の種別及び撮像する特定領域を特定することができる。
また、監視カメラ31が監視制御装置33と同期したタイマ管理手段を備える場合、撮像時刻を特定することもできる。
さらに、監視カメラ31自身を特定することも可能である。
そして、監視カメラ31が、監視制御装置33から制御コマンドを受信した場合に、スーパーインポーズ機能を用いて、これらの特定された情報を文字情報に変換するとともに、撮像条件として撮像データに合成して出力する。
【0072】
具体的には、図9に示すように、撮像データの画像の下部に、撮像した時刻、撮像した監視カメラの番号、撮像対象の遊技台番号、撮像の契機となった撮像要求信号の種別、撮像する特定領域などの撮像条件311を文字情報として合成することができる。これにより、撮像条件が撮像データと一体になっているため、これらを別管理する場合より、撮像データの信憑性が増大するとともに、後述する画像記憶手段33hのように、撮像データを、撮像した時刻等の撮像条件とは別に記憶し、別管理する場合においても、別管理された撮像条件との照合が容易となる。
また、記憶された撮像データを画像再生する場合においても、撮像条件が合成画像として確認できるため、これらの情報が欠落されることがなくなり、画像を再生する側の機種等を問わず、撮像条件を確認することができる。
従って、撮像された撮像データ自体が汎用性を有することになる。
なお、図9に示す画像例において、撮像条件を撮像データに合成したが、同様に図7及び図8に示す画像例においても、撮像した時刻、撮像した監視カメラの番号、撮像対象の遊技台番号、撮像の契機となった撮像要求信号の種別、撮像する特定領域などの撮像条件を文字情報として撮像データに合成することができることは勿論である。
【0073】
また、特定領域に対応する制御情報の設定・記憶を、1台の遊技機に対して、2台以上の監視カメラが重複して受け持つように設定・記憶することもできる。このように重複して設定・記憶しておくことで、例えば、一の監視カメラが、8台の遊技機を受け持つ場合において、この内の1台の遊技機を撮像中に、他の遊技機の撮像要求があったときに、重複して設定・記憶された受け持ち外の監視カメラが、撮像要求があった遊技機を撮像することもできる。
これにより、分散型監視カメラシステムの監視効率を向上させることができる。
【0074】
次に、撮像制御手段33fについて、説明する。
撮像制御手段33fは、台端末装置32の情報判定手段32cの判定結果に基づき、監視カメラ31を制御して状態信号に対応する特定領域を撮像させる手段である。
具体的には、一の台端末装置32より送信された状態信号に対応する撮像要求信号が受信されたときに、この撮像要求信号に含まれる台端末装置を特定する情報から当該撮像要求信号を送信した一の台端末装置32を特定するとともに、上述した撮像領域設定手段33eにより予め設定・記憶された制御情報に基づき、当該台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31を制御して、当該遊技機に対応する特定領域を撮像させる制御処理を行う。
【0075】
例えば、台端末装置32より、「撮像要求信号(ガラス開)」が送信された場合、当該台端末装置32を備える遊技機20aの監視を受け持つ監視カメラ31が、「撮像要求信号(ガラス開)」と対応関係にある特定領域2(図5、図7(b)参照)を撮像するように、当該監視カメラ31を前述の撮像領域設定手段33eにより予め設定・記憶された制御情報に準じたパン、チルト、ズーム、フォーカスに制御し、撮像させる処理を行う。
監視カメラ31のパン、チルト、ズーム、フォーカスの制御は、設定・記憶された制御情報を監視カメラに送信することで、監視カメラ31の電動ズームレンズ31−1と電動雲台31−2が制御され、該当する特定領域を撮像するようになっている。
【0076】
そして、監視カメラ31を各撮像要求信号に対応した所定の時間等撮像するように制御する。
例えば、「撮像要求信号(非稼動)」,「撮像要求信号(稼動)」,「撮像要求信号(ベース異常)」,「撮像要求信号(スタート異常)」,「撮像要求信号(入金)」,「撮像要求信号(磁気/電波)」を受信した場合は、受信から3分間撮像するように制御し、「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(ガラス開)」,「撮像要求信号(台枠閉)」,「撮像要求信号(ガラス閉)」を受信した場合は、各々、開信号から閉信号まで撮像するように制御する。
なお、このとき同時に、後述する画像記憶手段33hの静止画像33h−1の記憶領域に、該当する特定領域を最初に撮像した画像が、静止画像として記憶されるとともに、動画像33h−2の記憶領域は、その後の画像が、動画像として記憶されるようになっている。
【0077】
なお、1台の監視カメラ31に対して、複数の台端末装置32から撮像要求信号が送信された場合は、監視中の遊技機の撮像を中断して、新たな撮像要求信号が送信された台端末装置32に対応する遊技機の撮像を開始するように制御することもできる。
また、このように撮像要求信号が重複する場合に、撮像要求信号の重要度に応じて、予め優先順位を付与しておき、優先順位の高い撮像要求信号が送信された台端末装置32に対応する遊技機を優先的に撮像するようにしてもよい。例えば、「撮像要求信号(磁気/電波)」を受信した場合は、不正行為なので、最優先に撮像するように制御する。
また、前述の撮像領域設定手段において、1台の遊技機に対して、2台以上の監視カメラが重複して受け持つように設定しておくことで、1台の遊技機を撮像中に、他の遊技機に対応する台端末装置32から撮像要求信号が送信された場合は、予め設定された受け持ち外の監視カメラが、撮像要求信号があった台端末装置32に対応する遊技機を撮像することもできる。
【0078】
このように、監視カメラを制御して撮像要求信号(すなわち状態信号)に対応する特定領域を撮像させることで、監視対象の稼働状況、故障やトラブル等の障害、異常状態や不正行為等などの状態信号に対応した細やかな状況の把握が可能となる。
また、撮像領域設定手段において、予め設定・記憶された制御情報に基づいて、撮像するため、撮像要求信号に対応する適正な撮像データを取得することができる。
また、状態信号に基づき、監視カメラが撮像することとなるため、状態信号に瞬時に反応した撮像データを取得することができ、上記のような状況を迅速に確認することができる。
【0079】
次に、画像記憶手段33hは、ハードディスク等の記録媒体からなり、監視カメラ31で撮像された画像(撮像データ)を、撮像した時刻、撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号の情報とともに、記憶することができるようになっている。
画像記憶手段33hには、監視カメラ31で撮像された画像を静止画像33h−1として記憶する領域と動画像33h−2として記憶する領域が設けられている(図3参照)。
【0080】
静止画像33h−1の記憶領域には、上述した撮像領域設定手段33eにおいて、各監視カメラ31が受け待つ各遊技機の撮像要求信号に対応する特定領域毎の画像が、初期設定時(遊技者等が不在の遊技場の営業開始前)の静止画像(ベース画像)として記憶される記憶領域が設けられている(ベース画像記憶領域)。
さらに、前述した撮像制御手段33fにおいて、台端末装置32から送信された撮像要求信号が受信される毎に、当該台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31が当該撮像要求信号に対応する特定領域を最初に撮像した画像が、静止画像として記憶される記憶領域も別領域として設けられている(撮像制御手段記憶領域)。
そして、これらの静止画像33h−1の記憶領域は、各監視カメラ31が受け待つ各遊技機の撮像要求信号に対応する特定領域毎に区分けされている。
なお、撮像要求信号が受信される毎に静止画像を記憶する記憶領域(撮像制御手段記憶領域)は、監視制御装置33が、撮像制御手段33fとして機能する毎に、上書き更新されるようになっている。
【0081】
一方、動画像33h−2の記憶領域には、撮像制御手段33fにおいて、台端末装置32から送信された撮像要求信号が受信される毎に、当該台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31が撮像要求信号に対応する特定領域を所定時間撮像した画像が、動画像として記憶されるようになっている。
例えば、一の台端末装置32より、「撮像要求信号(入金)」が送信された場合、当該台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31が、「撮像要求信号(入金)」と対応関係にある特定領域5(図5、図9参照)を所定時間(3分間)撮像した画像が、動画像として記憶される。
そして、この動画像33h−2の記憶領域も静止画像の記憶領域と同様に、各監視カメラ31が受け待つ各遊技機の撮像要求信号に対応する特定領域毎に区分けされ、監視制御装置33が、撮像制御手段33fとして機能する毎に、上書き更新されるようになっている。
【0082】
そして、このように撮像制御手段33fにおいて撮像され、記憶された静止画像は、撮像された時刻、撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号の情報とともに、前述した遊技機管理装置通信手段33b−3により、遊技機管理装置10に送信されるようになっている。
そして、一方の撮像制御手段33fにおいて撮像され、記憶された動画像は、遊技機管理装置通信手段33b−3により、遊技機管理装置10から送信要求が受信された場合に、静止画像に対応する動画像を送信するようになっている。
これは、例えば、遊技機管理装置10に送信された静止画像を遊技場の管理者が確認し、さらに動画像が必要ならば、監視制御装置33に送信要求することで実現される。
これにより、確認の必要のない画像(撮像データ)の送信に伴う制御処理は行われず、その分の処理能力を他の処理に費やすことができ、監視制御装置33と遊技機管理装置10の処理の効率化を図ることができる。
【0083】
なお、撮像制御手段33fにおいて撮像され、記憶された静止画像を撮像制御手段33fにおいて撮像される毎に送信せずに、送信要求が受信された場合にのみ、遊技機管理装置10に送信してもよい。
この場合には、例えば、遊技機管理装置10が、撮像した時刻や撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号を含む指定情報を送信要求信号として送信し、監視制御装置33がこれを受信した場合に、該当する静止画像等を送信することもできる。
【0084】
このような画像記憶手段33hを監視制御装置33に設けることで、監視制御装置33が、監視カメラを管理,制御する専用機となるため、遊技機管理装置10の負担が軽減されるとともに、記憶された画像(撮像データ)も高画質となり、監視の精度を向上させることができる。
【0085】
次に、画像判定手段33gは、撮像制御手段33fにおいて撮像され、静止画像33h−1の記憶領域に記憶された静止画像を、当該領域が上書き更新される毎に、前回の静止画像(ベース画像を含む)と今回の静止画像を比較・判定を行う手段である。
具体的には、画像判定手段33gは、監視制御装置33に備える画像処理のためのハードウェア(キャプチャーボード)を備え、前回の静止画像と今回の静止画像の画像データ間に色の違い及び濃度の違い等の差異があるか否かを比較する制御処理を実行し、差異がある場合には、当該差異がある部分の画像を人物画像等として特定するようになっている。
【0086】
例えば、撮像制御手段33fにおいて、今回「撮像要求信号(非稼動)」の受信により記憶された静止画像の場合には、「撮像要求信号(非稼動)」に対応する前述の初期設定時(遊技者等が不在の遊技場の営業開始前)の静止画像(ベース画像)と比較することで、該当する非稼動状態の遊技機における滞留遊技者の有無やタバコ等の放置による遊技機の占有を判定することができる。
【0087】
また、今回「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(ガラス開)」の受信により記憶された静止画像の場合には、各撮像要求信号に対応するベース画像(遊技枠、ガラス枠ともに閉じた画像)や前回各撮像要求信号の受信により記憶された静止画像(遊技枠、ガラス枠ともに開閉不明な画像)と比較することで、該当する遊技機における遊技枠,ガラス枠の開閉の状況等を判定することができる。
【0088】
また、今回「撮像要求信号(ベース異常)」,「撮像要求信号(スタート異常)」の受信により記憶された静止画像の場合には、各撮像要求信号に対応するベース画像(非稼動時の遊技盤の画像)と比較することで、遊技盤内における球詰まりや釘曲げ等を判定することができる。
【0089】
また、今回「撮像要求信号(入金)」,「撮像要求信号(磁気/電波)」の受信により記憶された静止画像の場合には、前回各撮像要求信号の受信により記憶された静止画像と比較することで、現金の挿入に伴う遊技者の動作や、遊技者の遊技盤に対する手の動作等の変化から不審動作(不正行為)を判定することができる。
【0090】
そして、これらの判定により、差異を特定した場合は、差異が特定された静止画像を、判定結果を含む情報、撮像した時刻、撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号の情報とともに、前述した遊技機管理装置通信手段33b−3により、遊技機管理装置10に送信することができる。
この送信後、遊技機管理装置10から送信要求が受信された場合に、差異が特定された静止画像に対応する動画像を送信することもできる。
【0091】
このような画像判定手段を設けることで、遊技場の管理者が、非稼動状態の遊技機における滞留遊技者の有無やタバコ等の放置による遊技機の占有、遊技盤内における球詰まりや釘曲げ、不正行為等を的確、かつ迅速に発見することができ、遊技機の稼働率の向上や不正行為を抑止することができる。
【0092】
以上のような、監視制御装置33を設けることで、従来において遊技機管理装置(ホールコンピュータ)が行っていた監視カメラの管理,制御に係る負担を軽減することができる。
なお、本実施形態では、片島1aの端部に備えた1台の監視制御装置33について説明したが、監視制御装置33は、複数台接続可能なように拡張性を有しており、各川単位で設置されている。
そして、川単位で設置された各監視制御装置は、IPケーブル332を介して、遊技機管理装置10と接続されている。
これにより、遊技場のすべての遊技機を監視できるようになっている。
【0093】
そして、遊技機管理装置10における遊技場のすべての遊技機の監視は、遊技機管理装置10に接続された各監視制御装置33から送信される、各監視制御装置33のデジタル・ビデオ・レコーダ等の画像記憶手段33hに記憶された静止画像や動画像を確認することにより行われる。
前述したように監視制御装置33から遊技機管理装置10には、静止画像の送信に伴い、画像記憶手段33hに記憶された撮像された時刻、撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号の情報を同時に送信している。
遊技機管理装置10は、これらの情報を受信される毎に遊技台毎の来歴として記憶・管理している。
【0094】
さらに、送信されたこれらの情報と静止画像は、遊技機管理装置10に備えるモニタ10aにより確認することができるようになっている。
図11は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムにおける遊技機管理装置に備えるモニタの画像例を示す図である。
同図に示す例では、遊技台番号14の遊技機を撮像した監視カメラの撮像来歴10bと、撮像の契機となった撮像要求信号(入金)に対応する静止画像が表示された表示領域10cを示している。
撮像来歴10bは、マウス等の入力手段を用いて、確認したい撮像来歴を選択する選択欄になっており、所望する撮像来歴の欄にカーソル101を移動して選択することで、選択された撮像来歴に該当する静止画像を表示領域10cに表示することができるようになっている。
【0095】
同図の静止画像は、前述したような監視カメラ31の有するスーパーインポーズ機能により、撮像条件が撮像データの下部に一体に合成されている例を示している。これにより、撮像データに合成されている撮像条件と撮像来歴10bの情報(時刻、撮像要求信号の種別)との照合ができるようになっている。
そして、さらに当該撮像来歴を選択すると、送信要求が遊技機管理装置10から監視制御装置33に送信され、監視制御装置33から当該静止画像に対応する動画像が遊技機管理装置10に送信されるとともに、表示領域10cに表示されるようになっている。
このように、必要に応じて動画像を要求すれば足り、静止画像の確認のみで十分であれば、すべての動画像を確認する必要がなくなり、遊技機管理装置と監視制御装置間における送受信処理の効率化を図ることができる。
【0096】
また、本実施形態では、監視制御装置33を独立した装置として設けたが、既存の遊技場の情報管理設備であり、遊技場の島に設置された遊技機を管理する島コンピュータに監視制御装置の機能を備える構成とすることもできる。
これにより、前述したように台端末装置32の機能を台コンピュータに備えるとともに、監視制御装置33の機能を島コンピュータに備えることで、既存の遊技場の設備を利用することができ、設備投資に要する費用を削減することができる。
【0097】
以上説明したように、本実施形態の分散型監視カメラシステムによれば、遊技機等を管理する遊技機管理装置10と通信可能な通信手段を備え、監視カメラ31を管理,制御する監視制御装置33を遊技機管理装置10と別体に設けることができる。
これにより、監視カメラ31の管理,制御を監視制御装置33が分担して受け持つことで、遊技機管理装置10の負担が軽減される。
また、別体に設けることで、遊技機管理装置10と別電源とすることができ、遊技機管理装置10が遊技場終了後の非稼動状態であっても、監視カメラ31による監視を継続することもできる。
【0098】
さらに、遊技機20a及び/又は遊技機毎に備える台間機等の設備から出力される状態信号に対応し、監視カメラ31に撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段33eを備えることにより、状態信号に対応した特定領域の映像を正確に撮像することができる。
これにより、状態信号の変化に応じた、所望する撮像領域に応じた的確な画像を即座に取得することができる。
【0099】
また、画像(撮像データ)を記憶する画像記憶手段33hを監視制御装置33に備えることで、遊技機管理装置10に撮像データ用の保存媒体等を常設する必要がなく、その分、書込みや読込みに要する処理も不要となる。
これにより、遊技機管理装置10の負荷がさらに軽減される。
【0100】
また、遊技機管理装置10と通信可能な通信手段を備えることで、通信手段が、監視カメラ31による撮像した来歴を含む時刻、撮像要求信号等の情報や撮像データの一部である静止画像などの比較的に容量の小さい情報を遊技機管理装置10に送信し、遊技場の管理者等が、遊技機管理装置10を介してこれらの情報等を確認した後に、さらに動画等の容量の大きい撮像データを要求するか否か選択することができる。
これにより、さらに遊技機管理装置10の負荷が軽減され、遊技機管理装置10が必要とした場合のみ、通信手段を用いて画像(撮像データ)を送信することができる。
【0101】
このように本発明に係る分散型監視カメラシステムによれば、監視カメラの制御や撮像データの処理,保存の機能を、遊技設備を集中管理するホールコンピュータ(遊技機管理装置)と別体の装置に設けることで、処理を分散させ、遊技機管理装置の負担を軽減するとともに、監視機能を充実させ、細やかな監視を可能にすることで、不正行為などを的確に、かつ、迅速に発見することができる。
【0102】
以上、本発明の分散型監視カメラシステムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る分散型監視カメラシステムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明の監視対象は、上述した実施形態で示したパチンコ機に限らず、スロットマシン等の各種の遊技機であってもよく、各島に設置された両替機やジェットカウンタ等の遊技設備を監視対象とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機を含む遊技設備を監視する監視カメラシステムとして広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの全体構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムを適用する遊技場における遊技機と監視カメラシステムの関係を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムを示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの台端末装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの撮像要求信号と特定領域との関係を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが監視対象を監視する状態を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが特定領域を撮像したときの画像例を示す図であって、(a)は、遊技椅子周辺の領域、(b)は、遊技機周辺の領域を示している。
【図8】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが特定領域を撮像したときの画像例を示す図であって、(a)は、遊技盤周辺の領域、(b)は、始動口周辺の領域を示している。
【図9】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが特定領域を撮像したときの画像例を示す図であって、台間機周辺の領域を示している。
【図10】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの入力画面を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムにおける遊技機管理装置に備えるモニタの画像例を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
10 遊技機管理装置
20 遊技機(20a 遊技機,20b 台間機)
30 分散型監視カメラシステム
31 監視カメラ
32 台端末装置
33 監視制御装置
334 タッチパネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置されている遊技機,カード等の券売機やジェットカウンタ等の計数機等の遊技設備に対する不正行為などを監視カメラで監視する監視カメラシステムに関し、特に、監視カメラの制御や撮像データの処理,保存等の機能を、遊技設備を集中管理するホールコンピュータ(遊技機管理装置)と別体の装置に設けることで、処理を分散させ、遊技機管理装置の負担を軽減するとともに、監視機能を充実させ、細やかな監視を可能にすることで、不正行為などを的確に、かつ、迅速に発見する分散型監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のパチンコホール,パチスロホール等の遊技場においては、遊技機の稼動状況や遊技機やカード等の券売機、遊技媒体を計数するジェットカウンタ等の計数機などの遊技設備に対する不正行為、パチンコ玉やパチスロメダルの補給異常等の監視のために、監視カメラが設置されている。
この種の監視カメラは、一台の監視カメラで複数台の遊技機などを撮像可能な位置(例えば天井等)に取り付けられ、複数の監視カメラによって遊技場のすべての遊技機を含む遊技設備を監視できるようになっている。
【0003】
このような監視カメラによる不正行為を発見する技術として、例えば、監視カメラが撮像した画像を照合処理することで、不正行為者を検出する以下のような発明が開示されている。
特許文献1に記載された発明では、遊技機毎に遊技者の顔を認証するカメラを設置するとともに、ジェットカウンタには、遊技媒体の計数者の顔を認証するカメラを備え、撮像された認証データを照合し、照合に合致しない場合は、不正に遊技媒体を取得した者と判定するようになっている。
これにより、正当に遊技媒体を獲得した遊技者か不正に遊技媒体を取得した者かの判別が可能となり、他店遊技場から遊技媒体を持ち込む不正行為や、他人が正当に獲得した遊技媒体を横取りする不正行為を発見することができる。
【0004】
また、遊技機の稼働状況を監視する発明としては、特許文献2に記載された発明では、遊技機などより出力される状態信号から非遊技状態を検出することで、遊技を行わず、単に遊技機毎に備える椅子に滞留するだけの滞留者を検出する技術が開示されている。
これにより、このような滞留者を排除することができ、遊技機の稼働率を高めることができる。
【0005】
このように最近の監視カメラによる監視は、遊技機などの状況に応じて的確な撮像データを得るために、設置されている遊技機や遊技機毎に備えられたカード機などより出力される状態信号を検知することで、状態信号に対応した遊技機近傍の映像が得られるように監視カメラを制御することが広く行われている。
これにより、不正行為、稼動状況の確認、遊技機の故障・トラブル等の発見などの細やかな監視を可能にしている。
そして、このような監視カメラシステムは、一般的に、遊技場に設置されているすべての遊技機や遊技設備を集中管理している遊技機管理装置(ホールコンピュータ)と一体に設けられており、遊技機管理装置が、このような監視カメラを制御し、画像処理及び撮像データの処理,保存,管理機能を一手に担うことで、遊技機からの情報も含め、遊技場におけるトータルな情報管理システムが構築されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−34433号公報
【特許文献2】特開2005−224363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、元来、遊技機管理装置(ホールコンピュータ)は、各遊技機から時々刻々と送信される状態信号を収集するとともに、この状態信号から所定の演算を行うことで、収益の目安となる単位時間当たりの出球率、スタート回数、役物による出玉比率、景品割数等の営業データを算出・提示したり、算出された数値から異常を判定したり、不正な電波や電磁波を検出したりする機能を有している。
そして、異常が検出された場合には、スピーカや報知ランプ等により異常を報知する報知機能なども備えられている。
さらに、これらの処理機能を遊技場に設置してあるすべての遊技機を対象に管理している。
最近では、遊技場に設置してある遊技機が一千台を超える遊技場も多く見られ、このような遊技機の増加に伴い、遊技機管理装置の処理負担は益々増大する傾向にある。
【0008】
そして、このような遊技機管理装置に、さらに監視カメラシステムの機能を担わせることにより、処理遅延等の障害が生じ、本来の遊技情報管理システムとしての機能が低下するとともに、監視カメラの機動遅延や、撮像データの保存容量不足、画像データの画質低下、画像処理時間の増大等を引き起こす原因となり、監視カメラが適切な撮像データを取得することを困難にし、監視カメラシステムとしての適正を欠く事態を招来していた。
【0009】
本発明は、以上のような問題を解決するために提案されたものであり、監視カメラの制御や撮像データの処理,保存などの機能を、遊技設備を集中管理するホールコンピュータ(遊技機管理装置)と別体の装置に設けることで、処理を分散させ、遊技機管理装置の負担を軽減するとともに、監視機能を充実させ、細やかな監視を可能にすることで、不正行為などを的確に、かつ、迅速に発見する分散型監視カメラシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の分散型監視カメラシステムは、請求項1に記載するように、遊技場に設置される一又は二以上の監視対象に対応する所定領域を撮像する監視カメラと、前記監視カメラを管理,制御する管理制御手段と、を備え、前記管理制御手段が、前記監視対象及び/又は前記監視対象毎に備えられる所定の設備から出力される所定状態信号に対応し、前記監視カメラに撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段と、前記所定状態信号に基づき、前記監視カメラを撮像させるか否か判定する情報判定手段と、前記情報判定手段の判定結果に基づき、前記監視カメラを制御して前記所定状態信号に対応する特定領域を撮像させる撮像制御手段と、前記監視カメラが撮像する所定撮像データを記憶する画像記憶手段と、遊技場に設置される複数の遊技機を管理する遊技機管理装置と通信可能に接続される通信手段と、を備え、前記通信手段が、前記撮像データの一部又は全部を前記遊技機管理装置に送信する構成としてある。
【0011】
このような構成からなる本発明の分散型監視カメラシステムによれば、遊技機等を管理する遊技機管理装置と通信可能な通信手段を備え、監視カメラを管理,制御する管理制御手段を遊技機管理装置(ホールコンピュータ)と別体に設けることができる。
これにより、監視カメラの管理,制御を管理制御手段が分担して受け持つことになり、遊技機管理装置の負担が軽減される。
また、別体に設けることで、遊技機管理装置が遊技場終了後の非稼動状態であっても、監視カメラによる監視を継続することもできる。
さらに、監視対象及び/又は監視対象毎に備える所定の設備から出力される所定状態信号に対応し、監視カメラに撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段を備えることにより、所定状態信号に対応した特定領域の映像が撮像可能となる。
これにより、所定状態信号の変化に応じた、所望する撮像領域に応じた的確な画像を即座に取得することができる。
【0012】
また、撮像データを記憶する画像記憶手段を管理制御手段に備えることで、遊技機管理装置に撮像データ用の保存媒体等を常設する必要がなく、その分、書込みや読込みに要する処理も不要となる。
これにより、遊技機管理装置の負荷がさらに軽減される。
また、遊技機管理装置と通信可能な通信手段を備えることで、遊技機管理装置は、必要な画像データを、この通信手段を介して取得することができる。
さらに、例えば通信手段を相互通信とした場合には、通信手段が、監視カメラによる撮像した来歴を含む情報や撮像データの一部である静止画像などの比較的に容量の小さい情報を遊技機管理装置に送信し、遊技場の管理者等が、遊技機管理装置を介してこれらの情報等を確認した後に、さらに動画等の容量の大きい撮像データを要求するか否か選択することができる。
これにより、さらに遊技機管理装置の負荷が軽減され、遊技機管理装置が必要とした場合のみ、通信手段を用いて撮像データを送信することができる。
【0013】
なお、監視カメラの監視対象としては、遊技機,カード球貸機等の券売機,現金玉貸機やジェットカウンタ等の計数機などの遊技設備を対象とすることができる。
これにより、遊技場のすべての遊技設備を監視対象とすることができる。
また、この場合の監視対象及び/又は監視対象毎に備える所定の設備から出力される所定状態信号として、例えば、監視対象が遊技機の場合は、遊技機から出力される状態信号には、1ゲーム毎に出力されるスタート信号やガラス枠開閉信号等があり、遊技機毎に備える所定の設備には、例えば遊技機に隣接されて設けられた現金玉貸機やカード球貸機があり、これらから出力される状態信号には、入金信号や発券信号などがある。
【0014】
本発明では、これらの状態信号に基づき、情報判定手段による判定を経て、監視カメラを制御することができるため、状態信号に応じた適切な画像を取得することが可能となる。
これにより、監視対象の稼働状況、故障やトラブル等の障害、異常状態や不正行為等などの状態信号に対応した細やかな状況の把握が可能となる。
また、状態信号に基づき、監視カメラが撮像するため、状態信号に瞬時に反応した撮像データを取得することができ、上記のような状況を迅速に確認することができる。
【0015】
また、請求項2記載の分散型監視カメラシステムは、前記監視対象が、遊技機である構成とすることができる。
このような構成とすることにより、本発明の分散型監視カメラシステムは、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機を対象とした監視カメラシステムとすることができる。
【0016】
近年、遊技場における遊技機台数の増加による遊技機管理装置(ホールコンピュータ)の処理負担の増大に伴い、監視カメラシステムの機動性の低下や画像処理時間の遅延等が問題となっている。
そこで、本発明の分散型監視カメラシステムを、遊技機に適用すれば、このような弊害を解消することができ、遊技機管理装置の処理負担を軽減することができる。
【0017】
また、請求項3記載の分散型監視カメラシステムは、前記情報判定手段が、所定台数の前記監視対象毎に設置され、前記所定状態信号が入力される台端末装置に設けられ、前記情報判定手段を除く前記管理制御手段が、所定台数の前記台端末装置毎に設置される監視制御装置に設けられ、前記台端末装置と前記監視制御装置が通信可能に接続されるとともに、前記台端末装置が、前記情報判定手段の判定結果に基づき、前記所定状態信号に対応する撮像要求信号を送信し、前記監視制御装置が前記撮像要求信号を受信した場合に、前記撮像制御手段が、前記監視カメラを制御して前記特定領域を撮像させる構成とすることができる。
このような構成とすることにより、情報判定手段が、所定台数の監視対象毎に設置され、所定状態信号が入力されるように備える台端末装置に設けられるとともに、情報判定手段を除く管理制御手段が、所定台数の前記台端末装置毎に設置される監視制御装置に設けられることで、管理制御手段が、各監視対象等から出力される状態信号を集中して判定処理する必要がなくなる。
これにより、適度な分散処理が図られ、監視制御装置の処理遅延等の弊害を解消することができる。
【0018】
また、台端末装置が、所定状態信号が入力されるように備えられるため、情報判定手段が、遊技機管理装置(ホールコンピュータ)を介さずに、直接に状態信号を判定することができる。
これにより、状態信号に瞬時に反応することができ、監視カメラによる迅速な撮像が可能となる。
また、本発明のような構成は、現状の遊技場の遊技情報管理形態に合致させることができる。
例えば、情報判定手段を備える台端末装置を所定台数の遊技機毎に備える台コンピュータや台間機とすることもできる。また、情報判定手段を除く管理制御手段を備える監視制御装置を、遊技機を取り付ける遊技機島毎に設けられる島コンピュータなどの島設備機器とすることもできる。
これにより、既存の遊技機等の管理設備を利用することができるため、本発明の分散型監視カメラシステムを導入する際の初期設備投資費用の低減を図ることができる。
【0019】
また、請求項4記載の分散型監視カメラシステムは、前記監視制御装置が、複数台設けられ、各監視制御装置が、前記遊技機管理装置と通信可能に接続される構成とすることができる。
このような構成とすることにより、監視対象の増加に伴い、監視制御装置を増設することができる。
監視制御装置が一台しか存在しない場合は、監視対象の増加に伴い、監視制御装置の処理負担が増大するが、このように監視制御装置が、複数台設けられることで、所定台数の台端末装置毎に、監視制御装置を設けることができ、一の監視制御装置に管理制御手段として機能させる処理が集中することを回避することができる。
また、各監視制御装置が、遊技機管理装置(ホールコンピュータ)と通信可能に接続されることで、LAN接続等による拡張性を有しつつ、遊技機管理装置と各監視制御装置との適正な配分の分散処理を図ることができる。
【0020】
また、請求項5記載の分散型監視カメラシステムは、前記通信手段が、前記遊技機管理装置から送信される送信要求に基づき、前記撮像データの一部又は全部を前記遊技機管理装置に送信する構成とすることができる。
このような構成とすることにより、遊技機管理装置から送信される送信要求に基づき、撮像データを遊技機管理装置に送信することで、遊技機管理装置が必要な撮像データを選択して受信することができる。
これにより、必要のない撮像データの送信に伴う管理制御手段と遊技機管理装置の双方の送受信処理は行われず、その分の処理能力を他の処理に費やすことができ、処理の効率化を図ることができる。
【0021】
また、請求項6記載の分散型監視カメラシステムは、前記画像記憶手段が、前記監視カメラが前回撮像した所定撮像データを記憶するとともに、今回撮像した所定撮像データを記憶し、前記管理制御手段が、前回撮像した所定撮像データと今回撮像した所定撮像データを比較し、所定の差異の有無を判定する画像判定手段を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、前回撮像した所定撮像データと今回撮像した所定撮像データを比較し、所定の差異の有無を判定する画像判定手段を備えることで、監視対象の撮像領域における状態の変化を検出することできる。
【0022】
これにより、例えば監視対象を遊技機とした場合には、遊技者の滞在の有無や、遊技盤の遊技領域内における球詰まり等の有無を検出することができる。
また、画像判定手段により差異が判定された場合のみ、通信手段が、遊技機管理装置に撮像データを送信してもよい。
また、差異が判定された場合に、通信手段が、画像判定内容を含む文字情報や判定された撮像データの一部である静止画像などの比較的に容量の小さい差異情報を遊技機管理装置に送信し、遊技機管理装置からの送信要求に基づき、該当する動画像を含む比較的容量の大きい撮像データを送信することもできる。
これにより、管理制御手段と遊技機管理装置の双方の負担を軽減することができる。
【0023】
また、請求項7記載の分散型監視カメラシステムは、前記通信手段が遊技機管理装置に送信する撮像データが、静止画像からなる構成とすることができる。
このような構成とすることにより、通信手段により遊技機管理装置に送信される撮像データを静止画像とすることができる。
【0024】
撮像データは、主に動画像からなるため、これをそのまま遊技機管理装置に送信することは、管理制御手段と遊技機管理装置の双方の送受信処理に要する処理時間が増大することになり、他の処理機能に障害をもたらす虞が生じる。
そこで、送信される撮像データを静止画像とすることで、送受信処理に要する処理時間の遅延を回避することができ、双方の処理能力を最大限に維持することができる。
【0025】
また、静止画像といえども、状態信号に対応した適切な撮像データであるため、遊技場の管理者は、遊技機管理装置の画像を介して、十分適正な判断が可能となる。
また、遊技場の管理者は、送信された静止画像から判断し、さらに詳細な撮像データを所望する場合には、管理制御手段に動画像の送信要求を送信することもできる。
これにより、必要に応じた効率のよい撮像データ送信が可能となり、遊技機管理装置を含めた分散型監視カメラシステムの処理の分散化が図られる。
【0026】
また、請求項8記載の分散型監視カメラシステムは、前記撮像領域設定手段が、前記監視カメラが撮像する映像を確認しつつ、前記特定領域を設定可能な所定の入力表示レイアウトを有する入力手段を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、撮像領域設定手段が所定の入力表示レイアウトを有する入力手段を備えることで、監視カメラが撮像する映像を確認しつつ、前記特定領域を容易に設定することができる。
これにより、本発明の分散型監視カメラシステムの初期時の設定を容易に行うことができ、管理者の作業負担を軽減することができる。
【0027】
また、請求項9記載の分散型監視カメラシステムは、前記監視カメラが、前記特定領域を撮像する場合において、撮像条件を表す所定の文字情報を前記撮像データに合成して出力する構成とすることができる。
このような構成とすることにより、監視カメラが、特定領域を撮像する場合において、撮影時刻、撮像対象を特定する情報、特定領域、撮像要求信号(状態信号)の種別、撮像した監視カメラを特定する情報などの撮像条件を表す文字情報を撮像データに直接合成して出力するため、当該撮像データの出所を明確にすることができる。
【0028】
例えば、撮像領域設定手段において、監視カメラにあらかじめ、撮像対象となる複数の遊技機に対して、遊技機の番号、当該遊技機の特定領域、当該特定領域と対応関係にある撮像要求信号を記憶させるとともに、撮像制御手段が、これらを含む制御コマンドを監視カメラに送信することで、監視カメラが制御され、該当する遊技機の特定領域を撮像するように設定しておく。
さらに、監視カメラにスーパーインポーズ機能を搭載しておくことで、監視カメラが、送信された制御コマンドに含まれる情報を解読し、遊技機の番号、当該遊技機の特定領域、当該特定領域と対応関係にある撮像要求信号の種別を文字情報として撮像データに直接合成して出力することができる。
これにより、撮像データ自体に撮像条件が文字情報として合成して出力されるため、撮像条件が撮像データと一体となり、これらを別管理する場合より、撮像データの信憑性が増大するとともに、別管理する場合においても、別管理された撮像条件との照合が容易となる。
また、記憶された撮像データを画像再生する場合においても、撮像条件が合成画像として確認できるため、これらの情報が欠落されることがなくなり、画像を再生する側の機種等を問わず、撮像条件を確認することができる。
従って、撮像された撮像データ自体が汎用性を有することになる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の分散型監視カメラシステムによれば、監視カメラの制御や撮像データの処理,保存の機能を、遊技設備を集中管理するホールコンピュータ(遊技機管理装置)と別体の装置に設けることで、処理を分散させ、遊技機管理装置の負担を軽減するとともに、監視機能を充実させ、細やかな監視を可能にすることで、不正行為などを的確に、かつ、迅速に発見することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る分散型監視カメラシステムの好ましい実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの全体構成を模式的に示す説明図であり、図2は、本発明の分散型監視カメラシステムを適用する遊技場における遊技機と監視カメラシステムの関係を模式的に示す平面図である。また、図3は、同じく本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムを示すブロック図であり、図4は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの台端末装置の構成を示すブロック図である。
【0031】
これらの図に示すように、本実施形態に係る分散型監視カメラシステムは、パチンコ機やパチスロ機等の遊技機が多数設置されているパチンコホール,パチスロホール等の遊技場に備えられる監視カメラシステムである。
遊技場においては、遊技機はいわゆる「島」や「島」の片側のみからなる「片島」の単位で設置される。図2に示す例では、片島1aと、片島1bと片島1cからなる一島が設置され、各片島には12台の遊技機とこの遊技機ごとに隣接して設けられた台間機が設置されている。
片島1aには、遊技機20a−1〜20a―12と台間機20b−1〜20b−12が設けられており、片島1bには、遊技機20a−13〜20a―24と台間機20b−13〜20b−24が設けられている。
また、遊技機毎に遊技者が着座する遊技椅子2が設けられている。
片島1aと片島1bに設置されている遊技機は、パチンコ機であり、台間機は現金を投入することで遊技球が排出される現金玉貸機である。
【0032】
そして、本発明に係る情報判定手段として機能する台端末装置は、遊技機20a−1〜20a―24と台間機20b−1〜20b−24に対応して、台端末装置32−1〜32−24が設けられており(図1参照)、遊技機毎に、遊技機上部に相当する片島内に備えられている。
各台端末装置32は、遊技機20aや台間機20bから出力される遊技機等の状態を示す状態信号を受信し、撮像要求信号を出力するようになっている。
【0033】
監視カメラは、所定のネッワークカメラからなり、片島1aと片島1bの間の通路(いわゆる「川」)に3台設置されている。
図2に示す例では、監視カメラ31a〜31cが設置され、各監視カメラ31が、片島1aの遊技機及び台間機4台とこれらに対向する片島1bの遊技機及び台間機4台の合計8台の監視対象(台間機を含む遊技機)を受け持ち、監視するように設けられている。
各監視カメラ31は、遊技場の天井に取り付けられ、各監視カメラは、監視を受け持つ遊技機毎に、予め定められた監視領域である特定領域を撮像するように設定されている。
【0034】
片島1aの端部には、本発明に係る管理制御手段として機能する監視制御装置33が設けられている。
監視制御装置33は、各監視カメラ31とIPケーブル331を介して接続されているとともに、各台端末装置32とFAケーブル333を介して通信可能に接続され、各台端末装置32から出力される撮像要求信号を受信することにより、各監視カメラ31を制御することができるようになっている(図1参照)。
【0035】
遊技場には、図示しない管理室が設けられており、この管理室に、遊技機20aや台間機20b、遊技媒体を計数するジェットカウンタなどの遊技設備から出力される状態信号等を集中して管理する遊技機管理装置10(いわゆる「ホールコンピュータ」)が備えられている。
遊技機管理装置10は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置からなり、遊技機等から入力される各状態信号に基づき、遊技機のデータ管理、故障や異常の検出、不正行為を検出する機能等を備えている。
そして、本実施形態では、遊技機管理装置10は、監視制御装置33とIPケーブル332を介して、通信可能に接続されており、監視カメラ31が撮像した撮像データの送信を要求したり、撮像データを受信したりでき、受信した撮像データは、モニタ10aにより確認できるようになっている(図1参照)。
【0036】
さらに、遊技機及び遊技機毎に備える所定の設備から出力される状態信号、台端末装置、監視制御装置について図3及び図4を参照しつつ、詳述する。
まず、種々の状態信号が出力される遊技機20aは、いわゆるTV等の可変表示装置に表示される図柄の組合せの停止表示の結果により遊技媒体の獲得が可能ないわゆるセブン機と呼ばれるパチンコ機からなり、本発明に係る分散型監視カメラシステムの監視対象となっている。
遊技機20aは、開閉可能な遊技枠を介して「島」に取り付けられるとともに、遊技枠には、所定の電動役物等が配設された遊技盤が収容されている。
遊技盤の遊技領域は、遊技枠に開閉可能に設けられたガラス枠を介して外部より目視可能になっており、後述する監視カメラにより、遊技盤内の例えば、遊技球の入賞により可変表示装置が変動を開始する電動役物(普通電動役物)に係る始動口などの特定の領域も撮像することができるようになっている。
【0037】
遊技機20aは、遊技の進行状態や遊技機の状態により以下の状態信号が出力されるようになっている(図4中左参照)。
遊技機20aから出力される状態信号には、遊技枠の開閉に伴い出力される「台枠開閉信号」、ガラス枠の開閉に伴い出力される「ガラス開閉信号」、可変表示装置の作動停止毎に出力される「スタート信号」がある。
【0038】
また、特に図示しないが、各遊技機20aには、遊技機20毎に備える所定の設備として、強力な磁石や電波を用いた不正行為を検出するための磁気/電波検出装置が遊技機の裏面側に設けられており、この装置が、強力な磁石や電波を検出したときに「磁気/電波不正信号」が状態信号として出力されるようになっている。
さらに、各遊技機20aには、遊技機20毎に備える所定の設備として、各遊技機20aに遊技球を配球する補給装置や遊技盤内に発射された遊技球を島内にすべて回収するアウト球タンクが設けられている(図示しない)。
補給装置とアウト球タンクには、各々所定のカウンタが設けられており、所定の補給数及びアウト数毎に「セーフ信号」及び「打込み信号」が状態信号として出力されるようになっている。
【0039】
一方、遊技機20毎に隣接された台間機20bは、現金を投入することで遊技機の上皿に遊技球が排出される現金玉貸機からなる。
台間機20bから出力される状態信号には、現金の投入に伴い出力される「入金信号」がある。
【0040】
次に、台端末装置32は、本発明に係る情報判定手段として機能するとともに、情報判定手段による判定結果に基づき、監視制御装置33に撮像要求信号を送信する情報処理装置である。
台端末装置32は、図4に示す例では、当該台端末装置32を情報判定手段等として機能させるプログラム等を記録したROMや、RAM及び各制御処理を実行するCPU、I/Oポート等からなる制御部32aを備えたコンピュータを構成している。
上記各状態信号が、バッファ32b介して、I/Oポートに入力されると、制御部32aのCPUが、ROMに記録したプログラムに従い、各状態信号に基づいて、情報判定処理を行うとともに、各状態信号に対応する撮像要求信号の生成・送信する制御処理を実行することで、当該台端末装置32を、情報判定手段32c及び撮像要求信号を送信する通信手段32dとして機能させるようになっている。
【0041】
具体的には、情報判定手段32cに係る制御処理では、前述した状態信号に基づき、監視カメラを撮像させるか否か判定を行うもので、以下のような判定処理が行われている。
前述した「打込み信号」に基づき、各遊技機20aの稼働状況を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定する処理を行う。
「打込み信号」は、所定数のアウト球毎に入力されているため、所定の時間毎に「打込み信号」を監視する制御を行うことで、稼働状況を判別することができる。
【0042】
例えば、所定時間(2分間)「打込み信号」の入力がない場合は、該当する遊技機20aは非稼動状態と判別され、反対に、所定時間(2分間)毎に定期的な「打込み信号」が入力される場合は、正常な稼動状態と判別することができる。
また、非定期な「打込み信号」が入力される場合(2分間に1パルス等)は、遊技者によるいわゆる「止め打ち」と判別することもでき、不正行為とみなすこともできる。
このように判別された場合には、監視カメラに撮像させると判定する。
【0043】
そして、この判定処理では、これらの判別に基づいて、監視カメラに撮像させるための撮像要求信号を生成する処理も行われている。
非稼動状態と判別された場合には、「撮像要求信号(非稼動)」を生成する。
この「撮像要求信号(非稼動)」は、所定の時間以上、非稼動状態が継続しているような場合には、非稼動状態と判別される度(例えば2分毎)に生成せず、一定期間(例えば10分毎)をおいて生成するようにしてもよい。
これにより、後述する撮像制御手段において、監視カメラに定期的な撮像を行わせることができ、遊技を行わず遊技機を占拠する滞留遊技者や、タバコ等の放置による遊技機の占有を監視することができる。
また、適度な頻度で監視カメラに撮像させることができ、監視効率の向上が図られる。
【0044】
一方、稼動状態と判別された場合には、「撮像要求信号(稼動)」を生成する。
この「撮像要求信号(稼動)」も、上記と同様に所定の時間以上、稼動状態が継続しているような場合には、稼動状態と判別される度に生成せず、一定期間をおいて生成するようにしてもよい。
【0045】
また、「セーフ信号」と「打込み信号」に基づき、これらを組合せることで、各遊技機20aのベース異常を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定する処理を行う。
「セーフ信号」と「打込み信号」からは、セーフ球数(補給球数)とアウト球数が、算出可能なため、各信号の入力毎にセーフ球数、アウト球数に換算し、各々累計するとともに、セーフ球数とアウト球数の比であるベース(セーフ球数/アウト球数)を算出するような演算処理を行う。
そして、ベースが、所定の値を超える場合には、ベース異常と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(ベース異常)」を生成する。
【0046】
また、「スタート信号」に基づき、各遊技機20aのスタート異常を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定する処理を行う。
「スタート信号」は、遊技機20aに備える可変表示装置の変動停止毎に入力される状態信号であるため、所定の時間毎に「スタート信号」を監視する制御を行うことで、スタート異常を判別することができる。
例えば、所定時間毎(1分間)「スタート信号」の入力回数を算出し、所定数の範囲(例えば5〜25)を超える値となる場合は、スタート異常と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(スタート異常)」を生成する。
【0047】
また、「台枠開閉信号」,「ガラス開閉信号」,「磁気/電波不正信号」,「入金信号」に基づき、各々、各遊技機20aの遊技枠の開閉、ガラス枠の開閉及び磁気/電波を用いた不正行為、遊技者による台間機20bへの現金の挿入を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定する処理を行う。
まず、「台枠開閉信号」,「ガラス開閉信号」は、遊技機20aの遊技枠,ガラス枠の開放に伴い入力される状態信号であるため、これらの入力を監視することで、遊技枠,ガラス枠の開閉を判定することができる。
各信号とも、開放に伴い、オン信号が入力され、閉じることで、オフ信号が入力される。
そして、各信号とも、オン信号が入力された場合に、開放と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(ガラス開)」を生成する。一方、オフ信号が入力された場合に、閉と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(台枠閉)」,「撮像要求信号(ガラス閉)」を生成する。
【0048】
また、「磁気/電波不正信号」は、遊技機20aの遊技機の裏面側に取り付けられた磁気/電波検出装置が磁気又は電波を検出した場合に入力される状態信号であるため、この入力を監視することで、磁気又は電波を用いた不正行為を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定することができる。
そして、信号が入力された場合に、磁気/電波不正と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(磁気/電波)」を生成する。
【0049】
また、「入金信号」は、遊技者による台間機20bへの現金の挿入毎に入力される状態信号であるため、この入力を監視することで、遊技者による現金の挿入を判別し、監視カメラに撮像させるか否かを判定することができる。
そして、信号が入力された場合に、遊技者による現金の挿入と判別し、監視カメラに撮像させると判定するとともに、「撮像要求信号(入金)」を生成する。
【0050】
そして、以上のように生成された各撮像要求信号は、各台端末装置32に備える通信手段32dに係る制御処理により、当該台端末装置32を特定可能な情報を含んだ撮像要求信号に変換され、FAケーブル333を介して、監視制御装置33に送信されるようになっている。
【0051】
このように、台端末装置32が、情報判定手段32cを備えることで、監視制御装置33が、各遊技機等から出力される状態信号を集中して判定処理する必要がなくなり、適度な分散処理が図られ、監視制御装置33の処理遅延等の弊害を解消することができる。
また、台端末装置32が、各状態信号が直接入力されるように備えられるため、情報判定手段32cが、遊技機管理装置10を介さずに、各状態信号を判定することで、状態信号に瞬時に反応することができ、監視カメラ31による迅速な撮像が可能となる。
なお、本実施形態では、台端末装置32を独立した装置としたが、既に遊技場に設置してある設備に代替させることもできる。
例えば、台端末装置32の機能を遊技機毎に設けられたインテリジョントランプ等を制御する台コンピュータに備えることもでき、また、本実施形態の台間機20bに内蔵してもよい。
これにより、新たな設備投資の必要がなくなり、イニシャルコストの低減が図られる。
また、本実施形態では、台端末装置32が、監視対象である遊技機1台毎に設置されたが、複数の遊技機毎に設置されてもよい。
この場合は、複数遊技機及び遊技機毎に備える所定の設備から出力される状態信号が、当該遊技機が特定できるよう台端末装置32に入力されれば足りる。
【0052】
次に、監視制御装置33について説明する。
監視制御装置33は、監視カメラ31を管理,制御する管理制御手段であり、本発明に係る特徴的な機能として通信手段、撮像領域設定手段、撮像制御手段、画像記憶手段、画像判定手段を備え、各台端末装置32から送信される前述した撮像要求信号を受信することにより、各監視カメラ31を制御して、各状態信号に対応する特定領域を撮像させるとともに、撮像データを遊技機管理装置10に送信する情報処理装置である。
監視制御装置33は、図3に示す例では、当該監視制御装置33を上述した各手段として機能させるプログラム等を記録したROMや、RAM及び各制御処理を実行するCPU、I/Oポート等からなる制御部33aを備えたコンピュータを構成している。
台端末装置32から送信される各撮像要求信号が受信されると、I/Oポートを介して、制御部33aのCPUに入力され、CPUが、ROMに記録したプログラムに従い、後述する各制御処理を実行することで、当該監視制御装置33を、各手段として機能させるようになっている。
以下、各手段について説明する。
【0053】
まず、監視制御装置33には、外部の装置との通信手段として、台端末装置通信手段33b−1、監視カメラ通信手段33b−2と遊技機管理装置通信手段33b−3が設けられている。
台端末装置通信手段33b−1は、各台端末装置32と単方向通信を行う通信手段であり、台端末装置通信手段33b−1に係る制御処理において、前述した各台端末装置を特定可能な情報を含む撮像要求信号を、FAケーブル333を介して、受信するようになっている。
監視カメラ通信手段33b−2は、各監視カメラ31と双方向通信を行う通信手段であり、監視カメラ通信手段33b−2に係る制御処理において、IPケーブル331を介して、前述した撮像要求信号に対応した制御情報(パン、チルト、ズーム、フォーカス)を送信して各監視カメラ31を制御するとともに、各監視カメラ31が撮像した撮像データを、受信するようになっている。
遊技機管理装置通信手段33b−3は、遊技機管理装置10と双方向通信を行う通信手段であり、遊技機管理装置通信手段33b−3に係る制御処理において、IPケーブル332を介して、遊技機管理装置10に撮像データを送信するとともに、遊技機管理装置10から、送信要求信号を受信するようになっている。
【0054】
次に、撮像領域設定手段33eについて、図5〜図10を参照しつつ、説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの撮像要求信号と特定領域との関係を示す図であり、図6は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが監視対象を監視する状態を示す図である。また、図7,図8及び図9は、同じく本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが特定領域を撮像したときの画像例を示す図であり、図10は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの入力画面を示す図である。
撮像領域設定手段33eは、各状態信号に対応し、監視カメラ31に撮像させる特定領域を、監視制御装置33に備えるハードディスク等の記録媒体に特定領域に対応した監視カメラの制御情報として、予め設定して記憶する設定・記憶手段である。
【0055】
具体的には、撮像領域設定手段33eに係る制御処理では、前述した各状態信号に対応した撮像要求信号である「撮像要求信号(非稼動)」,「撮像要求信号(稼動)」,「撮像要求信号(ベース異常)」,「撮像要求信号(スタート異常)」,「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(ガラス開)」,「撮像要求信号(台枠閉)」,「撮像要求信号(ガラス閉)」,「撮像要求信号(入金)」,「撮像要求信号(磁気/電波)」が、台端末装置32から送信された場合に、後述する撮像制御手段により、監視カメラ31が各撮像要求信号に対応する特定領域を撮像するように、特定領域に対応した監視カメラ31の制御情報(パン角、チルト角、ズーム、フォーカス)を予め設定して記憶する処理を行う。
【0056】
図5に示すように、各撮像要求信号と監視カメラ31が撮像する遊技機20aに対応する領域(特定領域)は、各撮像要求信号に適した撮像領域が得られるように、対応関係を有している。
詳細には、「撮像要求信号(非稼動)」,「撮像要求信号(稼動)」に対応する特定領域1は、遊技椅子周辺であり(図7(a)参照)、これにより遊技者等の着座状態を監視することができるようになっている。
また、「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(台枠閉)」,「撮像要求信号(ガラス開)」,「撮像要求信号(ガラス閉)」に対応する特定領域2は、遊技機周辺であり(図7(b)参照)、これにより遊技枠やガラス枠の開閉状態等を監視することができるようになっている。
【0057】
そして、「撮像要求信号(ベース異常)」に対応する特定領域3は、遊技盤周辺であり(図8(a)参照)、これにより遊技盤で、複数の遊技球が遊技釘等に絡まる球詰まり等により発生する過度の入賞や不正遊技者のいわゆるゴト行為による過度の遊技球の払出等を監視することができるようになっている。
【0058】
また、「撮像要求信号(スタート異常)」に対応する特定領域4は、遊技盤内の可変表示装置の作動にかかる始動口(普通電動役物)周辺であり(図8(b)参照)、これにより役物の作動の不具合や、不正遊技者が針金やセル等を用いて役物に備えるチューリップ羽根を開放させたり、始動口の上部の遊技釘を曲げたりすることで、スタート回数を増大させるゴト行為等の不正行為を監視することができるようになっている。
【0059】
また、「撮像要求信号(磁気/電波)」,「撮像要求信号(入金)」に対応する特定領域5は、台間機20bを含む遊技機周辺であり(図9参照)、これにより遊技者が磁石や発信機等を遊技機のガラス面等に近づける不審な動作や、遊技者による現金の挿入状況を監視することができるようになっている。
【0060】
そして、撮像領域設定手段33eに係る制御処理では、上述したこれらの対応関係に基づき、撮像要求信号が送信された場合に、後述する撮像制御手段により、監視カメラ31が各撮像要求信号に対応する特定領域を撮像するように、各監視カメラ31の制御情報(パン角、チルト角、ズーム、フォーカス)を予め設定して記憶する設定・記憶処理を行う。
各監視カメラ31が撮像する特定領域に対応する制御情報の設定・記憶は、図10に示す、各監視カメラ31が撮像する映像を確認しつつ、特定領域を設定可能な入力表示レイアウトを有する入力手段であるタッチパネル334により行うことができるようになっている。
【0061】
図10に示すタッチパネル334は、入力手段33cとして機能するとともに、各監視カメラ31が撮像した映像を確認可能な表示手段33dとしても機能するようになっている。
各監視カメラ31が撮像する特定領域に対応する制御情報の設定・記憶は、遊技場の管理者等が、監視カメラ毎に、以下のようなタッチパネル334のタッチ操作を行うことで、設定・記憶されるようになっている。
【0062】
具体的には、タッチパネル334は、図10に示すように、特定領域に対応する制御情報を設定・記憶させる監視カメラ31a〜31c、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機20a−1〜20a−24、当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号を、指定可能な対象指定部33c1を有しており、該当する表示領域をタッチ操作することにより、特定領域に対応する制御情報を設定・記憶させる監視カメラ、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機、当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号のいずれかを、入力対象として指定することができるようになっている。
【0063】
そして、入力対象が決定された後に、入力対象の番号を指定する番号入力部33c2を有しており、該当する番号の表示領域をタッチ操作することにより、該当する入力対象の番号を指定することができる(例えば、対象指定部33c1で、入力対象として監視カメラが指定されたときに、「1」をタッチ操作すれば監視カメラ31aが指定される)。
さらに、番号入力部33c2において、指定された入力対象の番号を表示する対象番号表示部33c3を有しており、これにより、指定された入力対象の番号が確認できるようになっている(例えば、上記例では、「1」が表示される)。
【0064】
そして、特定領域に対応する制御情報を設定・記憶させる監視カメラ、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機、当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号を、すべて指定後に、管理者が、映像切替33c4をタッチ操作することにより、指定された監視カメラが撮像する映像が、表示手段33dに切替えて表示されるようになっている。
【0065】
前述したように監視カメラ31には、ズーム調整やフォーカス調整を可能とする電動ズームレンズ31−1とパン角及びチルト角を調整可能とする電動雲台31−2が設けられており、これらは、監視制御装置33に備える管理制御手段により、制御することができるようになっている。
各監視カメラ31は、図6に示すように、当該監視カメラ31を回転自在に可動させる電動雲台31−2とともに、天井に取り付けられている。
そして、タッチパネル334には、各監視カメラ31のパン角、チルト角、ズーム、フォーカスを自在に設定可能な操作部を備えている。
【0066】
具体的には、図10に示すタッチパネル334の下部の表示領域が操作部に該当し、図10中左より順に、監視カメラ31のパン角を調整可能な操作部パン33c5、チルト角を調整可能な操作部チルト33c6、ズームを調整可能な操作部ズーム33c7、焦点調整可能な操作部フォーカス33c8が設けられている。
各操作部に該当する矢印キー等をタッチ操作することにより、監視制御装置33に備える管理制御手段により、指定された監視カメラ31が制御され、所望する映像が表示手段33dにおいて確認できるようになっている。
なお、前述したように監視制御装置33は、片島1aの端部に設けられている。これは、タッチ操作に際して、遊技場の管理者等が、肉眼を通して、片島1aと片島1bの間の各監視カメラ31や各遊技機20の位置関係を把握できるようにするためで、これにより、指定した遊技機や当該遊技機に対応する各特定領域を、表示手段33dに迅速に表示させることができるようになっている。
指定した監視カメラ31が撮像する特定領域に対応する制御情報を設定・記憶させる手順を以下に示す。
【0067】
まず、指定した監視カメラ31により指定した遊技機近傍の映像が表示手段33dに表示されるよう確認しつつ、これらの操作部をタッチ操作する。
次に、指定した撮像要求信号に対応する特定領域の映像が表示されるよう確認しつつ、これらの操作部をタッチ操作する。
具体的には、図7〜図9に示すように、前述した撮像要求信号と対応関係を有する各特定領域が表示されるよう確認しつつ、操作部のタッチ操作を行う。
【0068】
そして、指定した撮像要求信号に対応する特定領域の映像が表示された状態で、図10中右の操作部設定33c9をタッチ操作することにより、指定した監視カメラ、指定した遊技機、指定した撮像要求信号と対応関係にある特定領域、と対応した制御情報(パン、チルト、ズーム、フォーカス)が設定・記憶される。
このとき同時に、後述する画像記憶手段33hの静止画像領域33h−1に、指定した監視カメラ毎に、指定した遊技機、指定した撮像要求信号に対応する特定領域の画像が初期設定時(遊技者等が不在の遊技場の営業開始前)の静止画像として記憶される。
この記憶された静止画像は、後述する画像判定手段において、比較される静止画像(ベース画像)として用いられるようになっている。
【0069】
そして、以上のような、特定領域に対応する制御情報の設定・記憶を、監視カメラ31a〜31c毎に、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機20a−1〜20a−24、当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号のすべての入力対象に対して行う(本実施形態では、1台の監視カメラが8台の遊技機を監視するように設定・記憶される)。
このように、監視カメラが撮像する特定領域に対応する制御情報を予め設定・記憶することで、台端末装置32より撮像要求信号が送信された場合に、後述する撮像制御手段33fが、設定・記憶された制御情報に基づき、各監視カメラ31を制御して、撮像要求信号(状態信号)に対応する特定領域を的確に撮像させることができる。
【0070】
なお、監視カメラ31が所定の記憶手段を有する場合において、前述の操作部設定33c9をタッチ操作するタイミングで、指定した監視カメラに、当該監視カメラが監視を受け持つ遊技機毎の当該遊技機に対応する特定領域と対応関係にある撮像要求信号と対応した制御情報(パン、チルト、ズーム、フォーカス)を送信して、記憶させるとともに、撮像領域設定手段では、この制御情報(パン、チルト、ズーム、フォーカス)と関連付けがなされた所定の制御コマンドを記憶するようにしてもよい。これにより、後述する撮像制御手段で、ある撮像要求信号が受信されたときに、当該撮像要求信号を送信した台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31に、当該撮像要求信号と関連付けがなされた制御コマンドを送信することで、当該監視カメラがこの制御コマンドに対応した制御情報に基づき制御され、特定領域を撮像させることもできる。
【0071】
上記の場合において、監視カメラ31が、送信された制御コマンドを解読し、さらにスーパーインポーズ機能を備えることにより、撮像する撮像データに撮像条件を合成して出力することもできる。
例えば、撮像要求信号と関連付けがなされた制御コマンドには、撮像対象となる遊技機、撮像要求信号が含まれている。これにより、監視カメラ31が、送信された制御コマンドを解読することで、撮像対象となる遊技機を特定できるとともに、撮像要求信号(状態信号)の種別及び撮像する特定領域を特定することができる。
また、監視カメラ31が監視制御装置33と同期したタイマ管理手段を備える場合、撮像時刻を特定することもできる。
さらに、監視カメラ31自身を特定することも可能である。
そして、監視カメラ31が、監視制御装置33から制御コマンドを受信した場合に、スーパーインポーズ機能を用いて、これらの特定された情報を文字情報に変換するとともに、撮像条件として撮像データに合成して出力する。
【0072】
具体的には、図9に示すように、撮像データの画像の下部に、撮像した時刻、撮像した監視カメラの番号、撮像対象の遊技台番号、撮像の契機となった撮像要求信号の種別、撮像する特定領域などの撮像条件311を文字情報として合成することができる。これにより、撮像条件が撮像データと一体になっているため、これらを別管理する場合より、撮像データの信憑性が増大するとともに、後述する画像記憶手段33hのように、撮像データを、撮像した時刻等の撮像条件とは別に記憶し、別管理する場合においても、別管理された撮像条件との照合が容易となる。
また、記憶された撮像データを画像再生する場合においても、撮像条件が合成画像として確認できるため、これらの情報が欠落されることがなくなり、画像を再生する側の機種等を問わず、撮像条件を確認することができる。
従って、撮像された撮像データ自体が汎用性を有することになる。
なお、図9に示す画像例において、撮像条件を撮像データに合成したが、同様に図7及び図8に示す画像例においても、撮像した時刻、撮像した監視カメラの番号、撮像対象の遊技台番号、撮像の契機となった撮像要求信号の種別、撮像する特定領域などの撮像条件を文字情報として撮像データに合成することができることは勿論である。
【0073】
また、特定領域に対応する制御情報の設定・記憶を、1台の遊技機に対して、2台以上の監視カメラが重複して受け持つように設定・記憶することもできる。このように重複して設定・記憶しておくことで、例えば、一の監視カメラが、8台の遊技機を受け持つ場合において、この内の1台の遊技機を撮像中に、他の遊技機の撮像要求があったときに、重複して設定・記憶された受け持ち外の監視カメラが、撮像要求があった遊技機を撮像することもできる。
これにより、分散型監視カメラシステムの監視効率を向上させることができる。
【0074】
次に、撮像制御手段33fについて、説明する。
撮像制御手段33fは、台端末装置32の情報判定手段32cの判定結果に基づき、監視カメラ31を制御して状態信号に対応する特定領域を撮像させる手段である。
具体的には、一の台端末装置32より送信された状態信号に対応する撮像要求信号が受信されたときに、この撮像要求信号に含まれる台端末装置を特定する情報から当該撮像要求信号を送信した一の台端末装置32を特定するとともに、上述した撮像領域設定手段33eにより予め設定・記憶された制御情報に基づき、当該台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31を制御して、当該遊技機に対応する特定領域を撮像させる制御処理を行う。
【0075】
例えば、台端末装置32より、「撮像要求信号(ガラス開)」が送信された場合、当該台端末装置32を備える遊技機20aの監視を受け持つ監視カメラ31が、「撮像要求信号(ガラス開)」と対応関係にある特定領域2(図5、図7(b)参照)を撮像するように、当該監視カメラ31を前述の撮像領域設定手段33eにより予め設定・記憶された制御情報に準じたパン、チルト、ズーム、フォーカスに制御し、撮像させる処理を行う。
監視カメラ31のパン、チルト、ズーム、フォーカスの制御は、設定・記憶された制御情報を監視カメラに送信することで、監視カメラ31の電動ズームレンズ31−1と電動雲台31−2が制御され、該当する特定領域を撮像するようになっている。
【0076】
そして、監視カメラ31を各撮像要求信号に対応した所定の時間等撮像するように制御する。
例えば、「撮像要求信号(非稼動)」,「撮像要求信号(稼動)」,「撮像要求信号(ベース異常)」,「撮像要求信号(スタート異常)」,「撮像要求信号(入金)」,「撮像要求信号(磁気/電波)」を受信した場合は、受信から3分間撮像するように制御し、「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(ガラス開)」,「撮像要求信号(台枠閉)」,「撮像要求信号(ガラス閉)」を受信した場合は、各々、開信号から閉信号まで撮像するように制御する。
なお、このとき同時に、後述する画像記憶手段33hの静止画像33h−1の記憶領域に、該当する特定領域を最初に撮像した画像が、静止画像として記憶されるとともに、動画像33h−2の記憶領域は、その後の画像が、動画像として記憶されるようになっている。
【0077】
なお、1台の監視カメラ31に対して、複数の台端末装置32から撮像要求信号が送信された場合は、監視中の遊技機の撮像を中断して、新たな撮像要求信号が送信された台端末装置32に対応する遊技機の撮像を開始するように制御することもできる。
また、このように撮像要求信号が重複する場合に、撮像要求信号の重要度に応じて、予め優先順位を付与しておき、優先順位の高い撮像要求信号が送信された台端末装置32に対応する遊技機を優先的に撮像するようにしてもよい。例えば、「撮像要求信号(磁気/電波)」を受信した場合は、不正行為なので、最優先に撮像するように制御する。
また、前述の撮像領域設定手段において、1台の遊技機に対して、2台以上の監視カメラが重複して受け持つように設定しておくことで、1台の遊技機を撮像中に、他の遊技機に対応する台端末装置32から撮像要求信号が送信された場合は、予め設定された受け持ち外の監視カメラが、撮像要求信号があった台端末装置32に対応する遊技機を撮像することもできる。
【0078】
このように、監視カメラを制御して撮像要求信号(すなわち状態信号)に対応する特定領域を撮像させることで、監視対象の稼働状況、故障やトラブル等の障害、異常状態や不正行為等などの状態信号に対応した細やかな状況の把握が可能となる。
また、撮像領域設定手段において、予め設定・記憶された制御情報に基づいて、撮像するため、撮像要求信号に対応する適正な撮像データを取得することができる。
また、状態信号に基づき、監視カメラが撮像することとなるため、状態信号に瞬時に反応した撮像データを取得することができ、上記のような状況を迅速に確認することができる。
【0079】
次に、画像記憶手段33hは、ハードディスク等の記録媒体からなり、監視カメラ31で撮像された画像(撮像データ)を、撮像した時刻、撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号の情報とともに、記憶することができるようになっている。
画像記憶手段33hには、監視カメラ31で撮像された画像を静止画像33h−1として記憶する領域と動画像33h−2として記憶する領域が設けられている(図3参照)。
【0080】
静止画像33h−1の記憶領域には、上述した撮像領域設定手段33eにおいて、各監視カメラ31が受け待つ各遊技機の撮像要求信号に対応する特定領域毎の画像が、初期設定時(遊技者等が不在の遊技場の営業開始前)の静止画像(ベース画像)として記憶される記憶領域が設けられている(ベース画像記憶領域)。
さらに、前述した撮像制御手段33fにおいて、台端末装置32から送信された撮像要求信号が受信される毎に、当該台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31が当該撮像要求信号に対応する特定領域を最初に撮像した画像が、静止画像として記憶される記憶領域も別領域として設けられている(撮像制御手段記憶領域)。
そして、これらの静止画像33h−1の記憶領域は、各監視カメラ31が受け待つ各遊技機の撮像要求信号に対応する特定領域毎に区分けされている。
なお、撮像要求信号が受信される毎に静止画像を記憶する記憶領域(撮像制御手段記憶領域)は、監視制御装置33が、撮像制御手段33fとして機能する毎に、上書き更新されるようになっている。
【0081】
一方、動画像33h−2の記憶領域には、撮像制御手段33fにおいて、台端末装置32から送信された撮像要求信号が受信される毎に、当該台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31が撮像要求信号に対応する特定領域を所定時間撮像した画像が、動画像として記憶されるようになっている。
例えば、一の台端末装置32より、「撮像要求信号(入金)」が送信された場合、当該台端末装置32を備える遊技機を受け持つ監視カメラ31が、「撮像要求信号(入金)」と対応関係にある特定領域5(図5、図9参照)を所定時間(3分間)撮像した画像が、動画像として記憶される。
そして、この動画像33h−2の記憶領域も静止画像の記憶領域と同様に、各監視カメラ31が受け待つ各遊技機の撮像要求信号に対応する特定領域毎に区分けされ、監視制御装置33が、撮像制御手段33fとして機能する毎に、上書き更新されるようになっている。
【0082】
そして、このように撮像制御手段33fにおいて撮像され、記憶された静止画像は、撮像された時刻、撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号の情報とともに、前述した遊技機管理装置通信手段33b−3により、遊技機管理装置10に送信されるようになっている。
そして、一方の撮像制御手段33fにおいて撮像され、記憶された動画像は、遊技機管理装置通信手段33b−3により、遊技機管理装置10から送信要求が受信された場合に、静止画像に対応する動画像を送信するようになっている。
これは、例えば、遊技機管理装置10に送信された静止画像を遊技場の管理者が確認し、さらに動画像が必要ならば、監視制御装置33に送信要求することで実現される。
これにより、確認の必要のない画像(撮像データ)の送信に伴う制御処理は行われず、その分の処理能力を他の処理に費やすことができ、監視制御装置33と遊技機管理装置10の処理の効率化を図ることができる。
【0083】
なお、撮像制御手段33fにおいて撮像され、記憶された静止画像を撮像制御手段33fにおいて撮像される毎に送信せずに、送信要求が受信された場合にのみ、遊技機管理装置10に送信してもよい。
この場合には、例えば、遊技機管理装置10が、撮像した時刻や撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号を含む指定情報を送信要求信号として送信し、監視制御装置33がこれを受信した場合に、該当する静止画像等を送信することもできる。
【0084】
このような画像記憶手段33hを監視制御装置33に設けることで、監視制御装置33が、監視カメラを管理,制御する専用機となるため、遊技機管理装置10の負担が軽減されるとともに、記憶された画像(撮像データ)も高画質となり、監視の精度を向上させることができる。
【0085】
次に、画像判定手段33gは、撮像制御手段33fにおいて撮像され、静止画像33h−1の記憶領域に記憶された静止画像を、当該領域が上書き更新される毎に、前回の静止画像(ベース画像を含む)と今回の静止画像を比較・判定を行う手段である。
具体的には、画像判定手段33gは、監視制御装置33に備える画像処理のためのハードウェア(キャプチャーボード)を備え、前回の静止画像と今回の静止画像の画像データ間に色の違い及び濃度の違い等の差異があるか否かを比較する制御処理を実行し、差異がある場合には、当該差異がある部分の画像を人物画像等として特定するようになっている。
【0086】
例えば、撮像制御手段33fにおいて、今回「撮像要求信号(非稼動)」の受信により記憶された静止画像の場合には、「撮像要求信号(非稼動)」に対応する前述の初期設定時(遊技者等が不在の遊技場の営業開始前)の静止画像(ベース画像)と比較することで、該当する非稼動状態の遊技機における滞留遊技者の有無やタバコ等の放置による遊技機の占有を判定することができる。
【0087】
また、今回「撮像要求信号(台枠開)」,「撮像要求信号(ガラス開)」の受信により記憶された静止画像の場合には、各撮像要求信号に対応するベース画像(遊技枠、ガラス枠ともに閉じた画像)や前回各撮像要求信号の受信により記憶された静止画像(遊技枠、ガラス枠ともに開閉不明な画像)と比較することで、該当する遊技機における遊技枠,ガラス枠の開閉の状況等を判定することができる。
【0088】
また、今回「撮像要求信号(ベース異常)」,「撮像要求信号(スタート異常)」の受信により記憶された静止画像の場合には、各撮像要求信号に対応するベース画像(非稼動時の遊技盤の画像)と比較することで、遊技盤内における球詰まりや釘曲げ等を判定することができる。
【0089】
また、今回「撮像要求信号(入金)」,「撮像要求信号(磁気/電波)」の受信により記憶された静止画像の場合には、前回各撮像要求信号の受信により記憶された静止画像と比較することで、現金の挿入に伴う遊技者の動作や、遊技者の遊技盤に対する手の動作等の変化から不審動作(不正行為)を判定することができる。
【0090】
そして、これらの判定により、差異を特定した場合は、差異が特定された静止画像を、判定結果を含む情報、撮像した時刻、撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号の情報とともに、前述した遊技機管理装置通信手段33b−3により、遊技機管理装置10に送信することができる。
この送信後、遊技機管理装置10から送信要求が受信された場合に、差異が特定された静止画像に対応する動画像を送信することもできる。
【0091】
このような画像判定手段を設けることで、遊技場の管理者が、非稼動状態の遊技機における滞留遊技者の有無やタバコ等の放置による遊技機の占有、遊技盤内における球詰まりや釘曲げ、不正行為等を的確、かつ迅速に発見することができ、遊技機の稼働率の向上や不正行為を抑止することができる。
【0092】
以上のような、監視制御装置33を設けることで、従来において遊技機管理装置(ホールコンピュータ)が行っていた監視カメラの管理,制御に係る負担を軽減することができる。
なお、本実施形態では、片島1aの端部に備えた1台の監視制御装置33について説明したが、監視制御装置33は、複数台接続可能なように拡張性を有しており、各川単位で設置されている。
そして、川単位で設置された各監視制御装置は、IPケーブル332を介して、遊技機管理装置10と接続されている。
これにより、遊技場のすべての遊技機を監視できるようになっている。
【0093】
そして、遊技機管理装置10における遊技場のすべての遊技機の監視は、遊技機管理装置10に接続された各監視制御装置33から送信される、各監視制御装置33のデジタル・ビデオ・レコーダ等の画像記憶手段33hに記憶された静止画像や動画像を確認することにより行われる。
前述したように監視制御装置33から遊技機管理装置10には、静止画像の送信に伴い、画像記憶手段33hに記憶された撮像された時刻、撮像した監視カメラ、撮像した遊技機、撮像の契機となった撮像要求信号の情報を同時に送信している。
遊技機管理装置10は、これらの情報を受信される毎に遊技台毎の来歴として記憶・管理している。
【0094】
さらに、送信されたこれらの情報と静止画像は、遊技機管理装置10に備えるモニタ10aにより確認することができるようになっている。
図11は、本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムにおける遊技機管理装置に備えるモニタの画像例を示す図である。
同図に示す例では、遊技台番号14の遊技機を撮像した監視カメラの撮像来歴10bと、撮像の契機となった撮像要求信号(入金)に対応する静止画像が表示された表示領域10cを示している。
撮像来歴10bは、マウス等の入力手段を用いて、確認したい撮像来歴を選択する選択欄になっており、所望する撮像来歴の欄にカーソル101を移動して選択することで、選択された撮像来歴に該当する静止画像を表示領域10cに表示することができるようになっている。
【0095】
同図の静止画像は、前述したような監視カメラ31の有するスーパーインポーズ機能により、撮像条件が撮像データの下部に一体に合成されている例を示している。これにより、撮像データに合成されている撮像条件と撮像来歴10bの情報(時刻、撮像要求信号の種別)との照合ができるようになっている。
そして、さらに当該撮像来歴を選択すると、送信要求が遊技機管理装置10から監視制御装置33に送信され、監視制御装置33から当該静止画像に対応する動画像が遊技機管理装置10に送信されるとともに、表示領域10cに表示されるようになっている。
このように、必要に応じて動画像を要求すれば足り、静止画像の確認のみで十分であれば、すべての動画像を確認する必要がなくなり、遊技機管理装置と監視制御装置間における送受信処理の効率化を図ることができる。
【0096】
また、本実施形態では、監視制御装置33を独立した装置として設けたが、既存の遊技場の情報管理設備であり、遊技場の島に設置された遊技機を管理する島コンピュータに監視制御装置の機能を備える構成とすることもできる。
これにより、前述したように台端末装置32の機能を台コンピュータに備えるとともに、監視制御装置33の機能を島コンピュータに備えることで、既存の遊技場の設備を利用することができ、設備投資に要する費用を削減することができる。
【0097】
以上説明したように、本実施形態の分散型監視カメラシステムによれば、遊技機等を管理する遊技機管理装置10と通信可能な通信手段を備え、監視カメラ31を管理,制御する監視制御装置33を遊技機管理装置10と別体に設けることができる。
これにより、監視カメラ31の管理,制御を監視制御装置33が分担して受け持つことで、遊技機管理装置10の負担が軽減される。
また、別体に設けることで、遊技機管理装置10と別電源とすることができ、遊技機管理装置10が遊技場終了後の非稼動状態であっても、監視カメラ31による監視を継続することもできる。
【0098】
さらに、遊技機20a及び/又は遊技機毎に備える台間機等の設備から出力される状態信号に対応し、監視カメラ31に撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段33eを備えることにより、状態信号に対応した特定領域の映像を正確に撮像することができる。
これにより、状態信号の変化に応じた、所望する撮像領域に応じた的確な画像を即座に取得することができる。
【0099】
また、画像(撮像データ)を記憶する画像記憶手段33hを監視制御装置33に備えることで、遊技機管理装置10に撮像データ用の保存媒体等を常設する必要がなく、その分、書込みや読込みに要する処理も不要となる。
これにより、遊技機管理装置10の負荷がさらに軽減される。
【0100】
また、遊技機管理装置10と通信可能な通信手段を備えることで、通信手段が、監視カメラ31による撮像した来歴を含む時刻、撮像要求信号等の情報や撮像データの一部である静止画像などの比較的に容量の小さい情報を遊技機管理装置10に送信し、遊技場の管理者等が、遊技機管理装置10を介してこれらの情報等を確認した後に、さらに動画等の容量の大きい撮像データを要求するか否か選択することができる。
これにより、さらに遊技機管理装置10の負荷が軽減され、遊技機管理装置10が必要とした場合のみ、通信手段を用いて画像(撮像データ)を送信することができる。
【0101】
このように本発明に係る分散型監視カメラシステムによれば、監視カメラの制御や撮像データの処理,保存の機能を、遊技設備を集中管理するホールコンピュータ(遊技機管理装置)と別体の装置に設けることで、処理を分散させ、遊技機管理装置の負担を軽減するとともに、監視機能を充実させ、細やかな監視を可能にすることで、不正行為などを的確に、かつ、迅速に発見することができる。
【0102】
以上、本発明の分散型監視カメラシステムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る分散型監視カメラシステムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明の監視対象は、上述した実施形態で示したパチンコ機に限らず、スロットマシン等の各種の遊技機であってもよく、各島に設置された両替機やジェットカウンタ等の遊技設備を監視対象とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機を含む遊技設備を監視する監視カメラシステムとして広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの全体構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムを適用する遊技場における遊技機と監視カメラシステムの関係を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムを示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの台端末装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの撮像要求信号と特定領域との関係を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが監視対象を監視する状態を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが特定領域を撮像したときの画像例を示す図であって、(a)は、遊技椅子周辺の領域、(b)は、遊技機周辺の領域を示している。
【図8】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが特定領域を撮像したときの画像例を示す図であって、(a)は、遊技盤周辺の領域、(b)は、始動口周辺の領域を示している。
【図9】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの監視カメラが特定領域を撮像したときの画像例を示す図であって、台間機周辺の領域を示している。
【図10】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムの入力画面を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る分散型監視カメラシステムにおける遊技機管理装置に備えるモニタの画像例を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
10 遊技機管理装置
20 遊技機(20a 遊技機,20b 台間機)
30 分散型監視カメラシステム
31 監視カメラ
32 台端末装置
33 監視制御装置
334 タッチパネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置される一又は二以上の監視対象に対応する所定領域を撮像する監視カメラと、
前記監視カメラを管理,制御する管理制御手段と、を備え、
前記管理制御手段が、
前記監視対象及び/又は前記監視対象毎に備えられる所定の設備から出力される所定状態信号に対応し、前記監視カメラに撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段と、
前記所定状態信号に基づき、前記監視カメラを撮像させるか否か判定する情報判定手段と、
前記情報判定手段の判定結果に基づき、前記監視カメラを制御して前記所定状態信号に対応する特定領域を撮像させる撮像制御手段と、
前記監視カメラが撮像する所定撮像データを記憶する画像記憶手段と、
遊技場に設置される複数の遊技機を管理する遊技機管理装置と通信可能に接続される通信手段と、を備え、
前記通信手段が、前記撮像データの一部又は全部を前記遊技機管理装置に送信することを特徴とした分散型監視カメラシステム。
【請求項2】
前記監視対象が、遊技機である請求項1記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項3】
前記情報判定手段が、所定台数の前記監視対象毎に設置され、前記所定状態信号が入力される台端末装置に設けられ、
前記情報判定手段を除く前記管理制御手段が、所定台数の前記台端末装置毎に設置される監視制御装置に設けられ、
前記台端末装置と前記監視制御装置が通信可能に接続されるとともに、
前記台端末装置が、前記情報判定手段の判定結果に基づき、前記所定状態信号に対応する撮像要求信号を送信し、
前記監視制御装置が前記撮像要求信号を受信した場合に、前記撮像制御手段が、前記監視カメラを制御して前記特定領域を撮像させる請求項1又は2記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項4】
前記監視制御装置が、複数台設けられ、各監視制御装置が、前記遊技機管理装置と通信可能に接続される請求項3記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項5】
前記通信手段が、前記遊技機管理装置から送信される送信要求に基づき、前記撮像データの一部又は全部を前記遊技機管理装置に送信する請求項1〜4のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項6】
前記画像記憶手段が、前記監視カメラが前回撮像した所定撮像データを記憶するとともに、今回撮像した所定撮像データを記憶し、
前記管理制御手段が、前回撮像した所定撮像データと今回撮像した所定撮像データを比較し、所定の差異の有無を判定する画像判定手段を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項7】
前記通信手段が遊技機管理装置に送信する撮像データが、静止画像からなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項8】
前記撮像領域設定手段が、前記監視カメラが撮像する映像を確認しつつ、前記特定領域を設定可能な所定の入力表示レイアウトを有する入力手段を備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項9】
前記監視カメラが、前記特定領域を撮像する場合において、撮像条件を表す所定の文字情報を前記撮像データに合成して出力する請求項1〜8のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項1】
遊技場に設置される一又は二以上の監視対象に対応する所定領域を撮像する監視カメラと、
前記監視カメラを管理,制御する管理制御手段と、を備え、
前記管理制御手段が、
前記監視対象及び/又は前記監視対象毎に備えられる所定の設備から出力される所定状態信号に対応し、前記監視カメラに撮像させる特定領域を、予め設定して記憶する撮像領域設定手段と、
前記所定状態信号に基づき、前記監視カメラを撮像させるか否か判定する情報判定手段と、
前記情報判定手段の判定結果に基づき、前記監視カメラを制御して前記所定状態信号に対応する特定領域を撮像させる撮像制御手段と、
前記監視カメラが撮像する所定撮像データを記憶する画像記憶手段と、
遊技場に設置される複数の遊技機を管理する遊技機管理装置と通信可能に接続される通信手段と、を備え、
前記通信手段が、前記撮像データの一部又は全部を前記遊技機管理装置に送信することを特徴とした分散型監視カメラシステム。
【請求項2】
前記監視対象が、遊技機である請求項1記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項3】
前記情報判定手段が、所定台数の前記監視対象毎に設置され、前記所定状態信号が入力される台端末装置に設けられ、
前記情報判定手段を除く前記管理制御手段が、所定台数の前記台端末装置毎に設置される監視制御装置に設けられ、
前記台端末装置と前記監視制御装置が通信可能に接続されるとともに、
前記台端末装置が、前記情報判定手段の判定結果に基づき、前記所定状態信号に対応する撮像要求信号を送信し、
前記監視制御装置が前記撮像要求信号を受信した場合に、前記撮像制御手段が、前記監視カメラを制御して前記特定領域を撮像させる請求項1又は2記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項4】
前記監視制御装置が、複数台設けられ、各監視制御装置が、前記遊技機管理装置と通信可能に接続される請求項3記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項5】
前記通信手段が、前記遊技機管理装置から送信される送信要求に基づき、前記撮像データの一部又は全部を前記遊技機管理装置に送信する請求項1〜4のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項6】
前記画像記憶手段が、前記監視カメラが前回撮像した所定撮像データを記憶するとともに、今回撮像した所定撮像データを記憶し、
前記管理制御手段が、前回撮像した所定撮像データと今回撮像した所定撮像データを比較し、所定の差異の有無を判定する画像判定手段を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項7】
前記通信手段が遊技機管理装置に送信する撮像データが、静止画像からなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項8】
前記撮像領域設定手段が、前記監視カメラが撮像する映像を確認しつつ、前記特定領域を設定可能な所定の入力表示レイアウトを有する入力手段を備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【請求項9】
前記監視カメラが、前記特定領域を撮像する場合において、撮像条件を表す所定の文字情報を前記撮像データに合成して出力する請求項1〜8のいずれか一項に記載の分散型監視カメラシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−264482(P2008−264482A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174739(P2007−174739)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
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