説明

分析用全血液試料を準備する自動的方法および本方法を実行する自動装置

【課題】 全血液試料分析を準備する方法およびその方法を実施する装置を提供する。
【解決手段】 試料は、試料を識別する少なくとも1つの手段(8)を含む管(3)内に保存され、本装置は、分析前後に管(3、19、23)用保管区域(6、11、12)を形成する少なくとも1つの区画室と、管の識別手段(8)を読み取る少なくとも1つの手段(9)と、試料を含む管(3、19、23)を確認および処理もしくは確認または処理する手段(14、15、16、17、18)と、特に、管を攪拌する少なくとも1つの攪拌手段(14)とを含む分析前に血液試料を準備する少なくとも1つの区域(10)と、全血液の少なくとも1つの自動分析装置(28、30)にアクセスし、1つの管(3、19、23)を分析装置内に置くことを可能にする少なくとも1つの区域(13a、13b)と、自動制御装置(5)によって制御され、かつ、保管区域(6、11、12)内で管(3、19、23)を個別に把持しかつ下に置き、かつ、保管区域と、準備区域(10)と、好ましくは自動制御装置(5)に結合および制御もしくは結合または制御される分析装置(28、30)にアクセスすることができるアクセス区域(13a、13b)との間で少なくとも3つの方向XYZに搬送するように適合されたロボット化把持および移動手段(24、25、26、27)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つまたはそれ以上の自動全血液分析装置の助けを借りて血液学的分析を行うために全血液試料を準備する方法に関し、本発明は、また、本方法を実行する自動準備装置に関する。
【0002】
とりわけ、本発明は、自動分析装置を使用して行った分析の信頼性を向上させ、また、当該分析を当該自動分析装置の助けを借りて実行することができる柔軟性を向上させるために全血液試料を自動的に準備するプロトコルを定義しようとするものである。
【背景技術】
【0003】
全血液に行われる血液分析(血液学的分析)は、患者から採取された血液試料を凝固、または遠心分離機で分離した後に得られるような、血清または血漿に行われる分析と異なり、血液成分の全てを含む血液管に行われる。
【特許文献1】米国特許第4609017号
【特許文献2】欧州特許出願公開第0726453号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0645006号
【特許文献4】米国特許第5232081号
【特許文献5】欧州特許出願公開第0344819号
【特許文献6】米国特許第4927545号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
適正に実施されるために、全血液に関する当該分析では、分析中に計数すべき血小板および赤血球および白血球などの血液成分の全てを徹底的に混合させるために分析用血液管攪拌の持続が必要とされる。この攪拌段階は、分析の品質を確保する上で不可欠であり、まさに分析直前に、かつ、標準化されている判定基準に従って実施しなければならない。
【0005】
分析用血液管は、患者および血液管内に含まれた血液試料に行うべき分析に関する情報にアクセスすることができるバー・コードによって識別される。
これらの血液管は、部類別に分類され、複数の血液管を受け取るのに適した、ラックと一般に称されている支持体上に置かれる。事前の攪拌後、血液管は、手作業にてかつ個別に自動分析装置内に導入することができる。また、血液管は、各分析装置専用であり、かつ、位置合わせされた約10個のハウジングを有するカセットまたはラック内に置くことができ、ハウジング内には、血液管が置かれ、かつ、一般的に、オペレータによって手作業で固定され、その後、オペレータは、上記カセットまたはラックを分析装置の装荷室内に置く。
【0006】
その後、上記カセットは、自動的に分析装置に預けられ、その後、分析装置は、管を搬送しおよび攪拌させ、各血液管内に含まれた血液試料を分析し、最後に、上記カセット上に置かれた血液管の全てが分析されると上記カセットを保管するという諸作業を行う。
【0007】
複数の分析用血液管を担持するカセットまたはラックを預かるのに適した種々の当該自動分析装置は、特に、特許文献1、特許文献2、特許文献3で説明されている。
しかし、当該自動分析装置の使用は、完全に満足なものであるわけではない。用いられる分析法に関係なく、オペレータは、血液管の各々を手作業でラックから分析装置またはラックに移す必要があり、そして分析後、オペレータは、特定の分析結果が正確であることを確認するために必要である場合には、再度、血液管を分析することを可能にするために、冷蔵庫内で短期間保存することができるようにラック上の血液管を置き換えるために、血液管を分析装置から、または、上記カセットから引き抜く必要がある。
【0008】
各分析用血液管については、オペレータは、注意して、血液管をカセット内に適正に係合させ、識別することができるようにバー・コード・ラベルが読み手に見えるようにするために血液管を回し、かつ、血液で汚れないようにする必要がある。
【0009】
さらに、第1の結果を確認することが妥当であるときには、オペレータがその組の血液管の中で、どの血液管を再度分析する必要があるのか識別することは困難である。オペレータは、確認する必要がある試料を含む血液管を目視で識別するために血液管上のバー・コード・ラベルの各々を確認する必要があり、その後、上記血液管(あるいは、上記血液管が位置するカセット全体)を個別に分析装置内に再導入する必要があり、これは、特に、行う上で時間が掛かりかつ長期にわたるものになる可能性がある。
【0010】
したがって、現在の分析装置の助けを借りて血液学的分析を実施することは、柔軟性を欠くものである。
また、特許文献4で説明されているように、保管区域から1つまたはそれ以上の分析装置に預けられる分析点まで分析用管を供給する種々の自動システムが知られている。そのシステムは、カセットが分析装置の処理量の関数としてコンベヤ・レール上に自動的に所定の位置に置かれた状態で保管室から出発する、管が満載されかつ分析装置間でカセットを移送するレール上に置かれたカセットを搬送するシステムを含む。分析装置に血液管を供給する上記のタイプの自動システムでは、たとえ分析をより速い速度で実行することを可能にするとしても、分析を実施する際の柔軟性に関する先に定義した諸問題は解決されない。
【0011】
さらに、カセット全体の搬送には、カセットの方向を小さな半径の曲線を描いてシステム上で変えることを可能にするように大型のコンベヤ・システムを建造する必要があり、これでは、当該カセットコンベヤ・システムの使用は、研究所では不便かつ困難になる。
【0012】
特許文献5では、本質的に分析用血液管を保管しかつ混合させる役目をする装置が説明されている。この装置は、血液管の攪拌のみに対応するものであり、試料を準備する何らかの他の段階に対応するものではない。各血液管は、保管区域で個々の支持体上に置かれて、その後、血液管は、非常に複雑かつ大型の機構によって連続的に1つずつ攪拌装置および分析装置にアクセスすることができる区域に移動される。
【0013】
自動ではあるが、上記装置には、カセットを使用する分析装置と同じ種々の欠点がある。オペレータが血液管を1つずつ保管室内の支持体内に導入する必要がある。さらに、その作動では、血液管が準備されかつ分析される順番における柔軟性が全く得られない。
【0014】
より良い柔軟性は、特許文献6で説明されている種類の装置によって得られている。この特許では、血清を自動的に処理する装置が説明されており、この装置は、様々な装置間で血清管を取り扱う5軸ロボット・アームを駆動させるコンピュータ化された制御装置を含む。しかし、上記装置は、非常に大型であり、このために、非常に多くの分析を毎日行う必要があり、かつ、大勢のオペレータが作業しかつ動き回る研究所での使用に不適切なものとなっている。さらに、特許文献6の装置は、血液管を自動的に個別に準備することを可能にするものではない限り、全血液試料の処理には不適切である。
【0015】
既存の自動分析装置および自動化供給システムのもう1つの欠点は、分析研究所で一般的に遭遇する種類の緊急事態への対応に不適切であるという点にある。当該緊急事態においては、オペレータは、即座に結果を得ることができるように、分析装置内または分析装置の供給システム上にはない血液管に分析を行うことができることがきわめて重要である。これを行うために、オペレータは、分析装置に入りかつその中にある血液管の1つの代わりとなる準備が整った緊急分析用管をカセット内に導入するために、進行中の分析を停止することが義務付けられている。その後、緊急時の分析が実行されたら、停止した通常の分析工程を再開する必要がある。それは、同様に、オペレータにとって抑圧的かつ長たらしく、また、通常の分析工程における突然の停止となる諸作業であり、その結果、実行された分析の信頼性、したがって、得られる結果の正確さが妨げられる。
【0016】
特許文献5で説明されている装置は、特に、当該緊急事態への対応には不適切なものである。
最後に、血液管の分析開始前に、オペレータは、分析装置によって行われた測定が正確であることを確認するために、かつ、妥当な場合に、その後に、未知の試料に正しい分析を行うように適切に分析装置を調整するために、様々なパラメータが公知の値に対する公知の公差を伴う公知の値を有する血液の対照試料を含む血液管を分析することによって、各種分析装置に種々の品質管理作業を毎日行う必要がある。特定の国レベルの法規によって、分析装置類が1日のうちに調整外れにならないこと、かつ、分析の品質が常に一定であることを確認するために品質管理作業を日に数回行うことが必要である。
【0017】
血液の対照試料を含む血液管は、使用しないときには冷蔵庫に保管する必要があり、それで毎回の品質管理作業では、オペレータは、分析装置を停止し、その後、冷蔵庫から妥当な対照試料血液管を取り出して、その血液管が行うべき作業に実際に妥当であること、特に、対照試料内の血液は、使用期限日に達しておらず、かつ、分析を受けた回数があまり多くないことを確認しなければならない。その後、対照試料血液管を室温に戻し、その後、有効である規格類に従って対照試料を分析することによって種々の品質管理作業を行う必要があり、最後に、品質管理を終えたら、血液管は、冷蔵庫に戻さなければならず、その後、通常の各種分析を再開することができる。
【0018】
また、分析装置で品質管理を行う諸作業は、特に、オペレータが実施するには長たらしくかつ骨の折れるものであり、対照試料血液管を保存かつ使用する必要がある条件の遵守に十分な注意をしないということが起こる可能性がある。
【0019】
したがって、本発明の目的は、現在の自動分析装置の使用に関連した種々の欠陥を回避すると同時に、自動分析装置に全血液試料を供給することを可能にする分析用全血液試料を準備する方法を提供することである。
【0020】
特に、本発明は、特に、緊急時分析をより管理しやすくすることよって血液学的分析の実施をより柔軟性に富んだものであることを可能にする方法を提供しようとするものである。
【0021】
また、本発明の目的は、分析装置類に品質管理を行う諸作業に関連した諸問題を解決することができる、特に、全血液試料の分析を準備する方法を提案することである。
本発明の別の目的は、特に、分析用試料を含む管が適正に条件づけられていることを確保すると同時に、また、分析装置に品質管理を行って相応に調整する諸段階を自主的に管理することによって、実施される分析の信頼性を向上させることを可能にする方法を提案することである。
【0022】
また、本発明は、本発明の方法に従った分析用全血液試料準備を専用とした装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
したがって、第1の態様においては、本発明は、試料識別手段を含む管内に保存され、かつ、栓によって好ましくは密閉された全血液試料の分析を準備する方法であって、以下の連続的なステップ、即ち、a)管を保管区域内に置き、かつ、患者の身元、管内に含まれた血液試料に行うべき種類の分析を知るために適当な読み取り手段の助けを借りて識別手段を読み取って自動制御装置において読み取られた情報を記録することによって血液管を識別するステップと、b)ロボット把持部および自動制御装置によって制御された移動手段の助けを借りて管の各々を個別に抜き取って、かつ、保管区域から管と血液試料とを準備する少なくとも1つの準備区域に移動させるステップと、c)試料識別手段から読み取られた情報の関数としておよびオペレータによって自動制御装置に入力された情報に基づいて、もしくは試料識別手段から読み取られた情報に関数としてまたは自動制御装置に入力された情報に基づいてオペレータによって判断される準備シーケンスの適用において準備区域内で管および試料を準備するステップであって、少なくとも、シーケンスが、管内に含まれた血液の成分を共に混合させるために管を攪拌するステップを含むステップと、d)準備直後に、管内に含まれた血液試料を分析するために、ロボット把持部および移動手段の助けを借りて全血液の自動分析装置にアクセスすることができる少なくとも1つのアクセス区域に管を個別に移動させるステップと、e)分析後にアクセス区域を介して管を分析装置から引き抜して、ロボット把持部と移動手段との助けを借りて保管区域において置き換えるステップと、好ましくは、f)他のサンプルについて作業a)からe)を繰り返すステップとによって特徴づけられる方法によって上記の種々の目的を達成する。
【0024】
本発明の方法の好適な特徴に従って、ステップa)において、管は、各々が管を受け取るのに適した形式の複数の個々のハウジングを含む支持体内に置かれて垂直方向に保持され、かつ、隣接ハウジングの複数の列内にまとめられ、支持体は、複数の支持体を受け取るのに適し、かつ、ロボット把持部および移動手段がアクセスすることができる保管区域内に位置決めされる。
【0025】
確実に血液試料が良好な状態で分析されるようにするために、諸作業を妨害するものがないようにして自動分析装置が管から確実に血液を採取するようにすることも妥当である。そういう理由から、ステップc)において、以下の更なる作業、即ち、
・管の曝気を引き起こすステップと、
・管内での血液試料の液位を確認するステップと、
・館内に含まれた試料内に血餅が存在するか否か判断するステップと、
・管を閉鎖する栓が係合されている深さを確認するステップと
のうちの少なくとも1つを行うことが好ましい。
【0026】
さらに、状況によっては、ステップc)においては、好ましくは試料を加熱することによって試料をある温度にすることも可能である。
本発明の方法の別の好適な特徴に従って、ステップe)において、管は、ロボット把持部および移動手段の助けを借りて、管内に含まれた試料に行われた分析結果の関数として、または、ラック内のスペース最適化の関数としても、または、実際には、試料に行われるべき更なる分析の関数として、分類され、かつ、異なる支持体内に保管される。
【0027】
大半の国々で有効である国レベルの法規に従って、未知の血液試料の分析を進める前に毎日、自動分析装置の精度を確認することが必要とされる。そういう理由から、本発明に従って、全血液試料を準備かつ分析する前に、血液の対照試料が、分析装置の品質管理を行うために使用され、対照試料は、ロボット把持部および移動手段がアクセス可能である冷蔵区域内に保存され、血液の対照試料は、未知の全血液試料と同様に加熱されて準備され、その後、分析装置内に導入され、自動的に回収されて、最後に、ロボット把持部および移動手段によって冷蔵区域内の開始場所に置き換えられる。
【0028】
妥当な場合には、特定の州で有効でありおよび特定の検出器で適用されているような、もしくは、特定の州であるか、または、特定の検出器で適用されているような分析規格類を満足するために、少なくとも1つの血液の対照試料管の分析は、分析装置内で所定数の全血液試料を準備かつ分析した後で定期的に準備され、血液対照試料管は、抜き取られて、準備され、かつ、分析装置内に供給されて、その後、ロボット把持部および移動手段によって回収かつ保管される。
【0029】
したがって、有利なことに、血液分析に使用される自動分析装置が設定値外れになっておらず、かつ、まだ、分析結果が有効であることを保証するのに十分な精度と信頼性を有することを確認するために、1日のうち、何回も抜き取り検査が自動的に行われる。
【0030】
別の有利な特徴に従って、本発明の方法は、自動分析装置によって行われた分析結果の有効性を自動的に確認するプロトコルを含む。この目的のために、かつ、本発明に従って、以下のステップ、即ち、
・一連の所定数の未知の全血液試料で分析されたパラメータの各々の平均を取るステップと、
・公称値が健康な患者に対応し、かつ、自動制御装置内に記録された同じパラメータについて分析試料の平均値を公称値の範囲と比較するステップと、
・平均値の1つが対応するパラメータの公称値範囲外にある場合、対照試料を準備して対照試料に関して同じパラメータを分析するステップと、
・対照試料に関する分析パラメータの値がパラメータの公称値の範囲内にある場合、新しい一連の未知の全血液試料の分析を続行するステップとが行われ、
・対照試料に関して分析されたパラメータの実測値がパラメータの公称値の範囲外にある場合、分析装置が、新しい一連の未知の全血液試料を分析する前に較正される。
【0031】
したがって、分析を行うと同時に分析装置の設定値のずれの可能性を検出し、かつ、オペレータが介入する必要性がなく、自動的な確認(品質管理)を行うか、または、実測パラメータの1つまたはそれ以上の平均値が公称値の対応する範囲外にあるとき、特定の一連の試料内での病的血液の試料の存在を検出することが可能である。
【0032】
これとは対照的に、対照試料に関して測定されたパラメータの値が、公称値の範囲外にあるとき、分析装置を較正する、即ち、設定値を補正することが必要であり、較正は、特別な較正血液管の助けを借りてオペレータが行うことができる。
【0033】
第2の態様においては、本発明は、本発明の方法を用いて全血液試料の分析を準備をする際に有用である自動装置も提供する。本装置は、
・分析の前後に管を保管する保管区域を構成する少なくとも1つの区画室と、
・管の識別手段を読み取る少なくとも1つの読み取り手段と、
・分析前に血液試料を準備し、かつ、試料を含む管を確認および処理もしくは確認または処理する手段と、特に、管を攪拌する攪拌手段とを含む少なくとも1つの準備区域と、
・全血液の少なくとも1つの自動分析装置にアクセスすることができ、管を分析装置内に置くことを可能にする少なくとも1つのアクセス区域と、
・自動制御装置によって制御され、かつ、保管区域内で管を個別に保持しかつ置き換え、かつ、保管区域と、準備区域と、好ましくは、自動制御装置に結合および制御もしくは結合または制御される分析装置にアクセスすることができるアクセス区域との間で少なくとも3つの方向XYZに搬送するのに適したロボット把持部および移動手段と
を含む。
【0034】
有利なことに、上記装置は、管がオペレータによって置かれる個々のハウジングを含む支持体を含み、支持体は、保管区域内に位置決めされ、かつ、手作業で除去可能であり、保管区域は、複数の支持体を受け取るのに適し、かつ、分析用全血液試料を含む管を抜き取りかつ置き換えるためにロボット把持部および移動手段によってアクセス可能である。
【0035】
有利な実施形態においては、本発明の装置は、装置の外側からオペレータが手作業でアクセス可能である緊急処理室を含み、緊急処理室は、ロボット把持部および移動手段もアクセス可能であり、かつ、血液管を受け取るのに適した少なくとも1つのハウジングを含む少なくとも1つの管支持要素を含む。
【0036】
緊急処理室は、準備装置または進行中の分析を停止する必要がなく、血液管をいつでも分析システムに挿入または引き抜くことを可能にするものであり、その結果、管がまだ装置内にないときに、優先順位を基本とした分析に向けて血液管の準備および分析が促進される。
【0037】
好適な特徴に従って、上記確認および処理もくしは確認または処理手段は、以下、即ち、
・管を曝気する少なくとも1つの装置、および
・管内の血液の液位および血液中の血餅(がある場合)の存在を検出する少なくとも1つの手段、および
・栓が血液管内に係合される液位を確認する少なくとも1つの手段、および
・好ましくは熱電池によって構成された、管を加熱する少なくとも1つの手段、もしくは、
・管を曝気する少なくとも1つの装置、または
・管内の血液の液位および血液中の血餅(がある場合)の存在を検出する少なくとも1つの手段、または
・栓が血液管内に係合される液位を確認する少なくとも1つの手段、または
・好ましくは熱電池によって構成された、管を加熱する少なくとも1つの手段
のうちの1つまたはそれ以上を含む。
【0038】
有利な実施形態においては、本発明の準備装置は、分析装置を確認することを可能にする、血液の対照試料を含む管を保管および保存する区画室を含み、区画室は、管を冷却する手段を含む。
【0039】
別の好適な特徴に従って、対照試料管は、支持体の個々のハウジング内の保存室に位置決めかつ保持され、冷却手段は、好ましくはハウジング内かまたはその周辺部に置かれた熱電池(ペリチエ効果電池)で構成される。
【0040】
試料を本発明の準備装置内に保管する区画室を一体化すると、有利なことに、管を準備しかつ血液を分析する工程を国レベルの規制および分析研究所専用の内部手順もしくは国レベルの規制または分析研究所専用の内部手順に適合させることが可能となる。この配置で、全ての品質管理作業、および、特に分析確認作業は、結果の安全性を保証するためにオペレータが担当したりしなくてもよく、自動的にかつ厳しく行なうことができる。
【0041】
本発明の装置の別の有利な特徴に従って、上記ロボット把持部および移動手段は、好ましくは栓の基部の下に管を保持するように適合された関節クランプを含み、クランプは、並進運動装置によって3本の直交するX軸、Y軸、Z軸に沿って並進運動で垂直および水平に移動可能であり、並進運動装置は、X軸、Y軸、Z軸に沿って導かれ、かつ、共に対で固定された少なくとも3本の案内レールを有し、水平でかつ固定された第1のレールを含み、水平であって第1のレールに垂直であり、第1のレール上を並進運動で移動可能である第2のレールと、垂直であって第2のレールの上でかつ第2のレール上を並進運動で垂直に移動可能であるように第2のレールに固定された第3のレールとを支持し、クランプは、第3のレールに固定される。
【0042】
ロボット把持部および移動手段の特定の実施形態においては、ロボット把持部および移動手段は、血液管を把持する把持クランプと共に端部の1つに設置された、例えば、多軸ロボットタイプの関節腕を含む。
【0043】
分析用血液管が、本発明の準備装置内に保管された血液の対照試料管と共に取り扱われ、かつ、準備される環境を維持するために、かつ、血液管と共に要素の全てを、例えば、衝撃、振動、および他の外部からの攻撃から保護するために、準備装置は、少なくとも1つの分析装置にアクセスすることができる少なくとも第1の開口部と、緊急処理室にアクセスすることができる第2の開口部とを有する保護筐体内に閉じ込められる。さらに、このような保護筐体は、はねかけおよび装置の誤動作もしくははねかけまたは装置の誤動作の危険性に対するオペレータの安全性も向上させる。
【0044】
準備装置から分析装置に分析用血液管をさらに供給しやすくするために、分析装置アクセス区域は、有利なことに、装置と記分析装置との間で移動するのに適したそれぞれの移動キャリッジを含み、キャリッジは、自動制御装置によって制御され、かつ、把持部および移動手段によって血液管を受け取るのに適した少なくとも1つのハウジングを含む。
【0045】
本発明の特定の実施形態においては、管識別手段を読み取る読み取り手段は、ロボット把持部および移動手段に固定され、かつ、好ましくは、クランプに固定される。
本発明の特定の実施形態においては、自動制御装置においてプログラムおよび記録される装置の電子マップに基づいて自動制御装置によって直に制御されかつ導かれるが、ロボット把持部および移動手段は、保管区域と、準備区域と、分析装置にアクセスすることができる区域と、緊急処理室と、血液の対照試料管を保管および保存する区域室とにおいて、血液試料を含む管と、対照試料を含む管とを検出および検視もしくは検出または検視する手段も含む。
【0046】
上記検出および検視もしくは検出または検視手段は、有利なことに、保管区域、緊急処理室、または対照試料管保存室において管支持体上の決められた場所における管の存在を確認し、また、場所が空であるときに、その後にそのことを考慮することができるように制御プログラムに知らせるか、または、確実に管が適切に保持されて装置内で適切に移動させるようにするために、単に、管との把持部の位置合わせを調整する役目をすることを可能にするものである。
【0047】
妥当な場合には、その後の確認分析のために既に分析された試料をさらに保管しやすくするために、保管区域内および血液の対照試料を含む管を保管および保存する区画室内もしくは保管区域内または血液の対照試料を含む管を保管および保存する区画室内に置かれた支持体は、妥当な読み取り手段によって読み取られるのに適した識別手段も含む。
【0048】
また、本発明の準備装置は、有利なことに、分析用管を準備し、かつ、分析装置の品質を制御する諸機能の全てを一体化する完全自動分析システムを構成するように、自動分析装置に結合することができ、分析装置は、栓によって密閉され、かつ、準備装置にアクセスすることができる区域を介して準備装置から提示される管内に含まれた分析用試料から血液を採取する手段、特に、針を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の他の特徴は、非制限の実施例として、かつ、添付図面を参照しながら行う以下の詳細な説明を読むと明らかになる。
初めに、図1および図2を参照すると、図示する実施形態においては、全血液試料の分析を準備する本発明の装置1は、各々が管の中に含まれた試料を識別する識別手段8を有し、かつ、各々が栓3aによって密閉される管3内に含まれた血液試料を処理するために画定かつ配分された複数の区域を有する作業面2を含む。作業面2は、装置の特定の区域にアクセスする開口部4a、4b、および4cを含み、また、装置用自動制御装置5を含む保護隔離筐体4によって覆われる。上記自動制御装置は、入力キーボード5aと、オペレータがマン・マシン・インタフェースを介して装置と連絡することを可能にする接触感応画面5bとに結合される。
【0050】
変形実施形態においては、装置の補機であり、かつ、装置に結合されるコンピュータは、当業者によく知られている方法で上記自動制御装置を構成することができる。
血液管3は、装置1において分析用に準備された後に自動分析装置により分析される対象物である。公知の方法で、このような自動分析装置は、実施すべき分析に、または、分析装置が摺動散布機を含む場合に血液の塗布標本を作るために必要かつ十分な量の血液を採取するために管3の栓3aに刺し通すのに適する、血液を採取する手段を含む。
【0051】
分析を準備する装置1は、単一の共通の単位で、全血液に関する分析を準備かつ実施するためにこれまでオペレータによって行われていた時間の掛かる手作業の全てを排除するために、分析装置内に導入される前に血液管3を準備するのに適した手段の全てを兼ね備え、したがって、結果の生物学的確認を行う時間が増える。
【0052】
この目的のために、本発明の準備装置は、作業面2上に、分析すべき血液管を分類する保管区域6を画定する区画室を含み、上記管は、複数のハウジング、実際には、支持体の寸法によっては、約25個から100個のハウジングを有する複合能力支持体7上に置かれる。上記ハウジングは、垂直位置で血液管3を受け取りかつ保持するように適合される形式および深さである。内に置かれた血液管を有する当該支持体7は、これまで、分析研究所内で使用されており、支持ラックとして知られている。
【0053】
保管区域6は、毎日行われるべき分析量の関数として可変である能力を有する。種々の図に示す実施例においては、各々が約50本の管という能力を有する3つのラックを受け取るが、中小規模の研究所については、1つまたは2つのラック7のみを受け取る可能性があるか、または、規模および活動が優る研究所、または病院については、5個またはさらにはそれ以上のラックを受け取る可能性がある。
【0054】
さらに一層のモジュール性および適合性を実現するために、上記保管室は、有利なことに、特定の実施形態においては、準備装置1においてラックの積み降ろしのために引き出される1つまたはそれ以上の引き出し(図示せず)によって構成することができる。また、ラック7は、以下で説明するように、管3を操作する諸作業中に管を所定の位置に保持することを可能にする、保管室の下部を係合する接合手段または留め具(図示せず)を含むことが好ましい。
【0055】
状況によっては、分析用管3が完全に満たされたラック、空のラック、または、実際には、部分的にのみ満たされたラックを保管区域6内に導入することが可能である。したがって、ラック7の全てで満たされているとき、各管3は、装置1によって準備され、その後、分析に向けて自動分析装置内に挿入され、その後、ラック7が初めに保管されていたラック7のハウジング内の保管室7内での分析後に、所定の位置に戻される。
【0056】
これとは対照的に、満たされたラックと空のラックの両方が保管区域6内にある場合、満たされたラック7から管3を取り、分析後、無作為に、または、オペレータがその後に特定することができる異なるラック上の分析結果の関数として分類またはグループ化した後に、空のラック7に置き換えるように、オペレータが上記自動制御装置5を介して装置1を設定することが可能である。
【0057】
最後に、部分的に管で満たされたラック7が保管室内に再導入される場合、オペレータの要請で、本装置は、血液管の保管に使用されるラック数を節約し、その結果、管が分析された後に1日または2日保管される冷蔵庫内の余裕を節約するために、最小数のラック上での分析終了時に管3の保管を可能にする。
【0058】
有利なことに、上記ラックには、ラック7内に置かれた管3に関係する情報を読み取りおよび書き込むもしくは読み取るかまたは書き込むことを可能にする、無線周波数識別マーカー、磁気ラベルまたはストリップ、またはバー・コードなどのような識別手段8aが取り付けられる。このようにして識別された管3およびラック7は、新規分析の要請があった場合にはさらに容易に回収することができる。この情報は、有利なことに、上記識別手段と整合して保管室6で移動可能であり、かつ、自動制御装置5に結合される、無線周波数トランスポンダーまたはバー・コード読取り装置など、適切な読取り装置9aによって読み取りかつ記録することができる。
【0059】
同様に、血液管3の各々は、同様に、血液管3が含む血液試料を識別する識別手段8を有する。上記識別手段は、例えば、バー・コードまたは無線周波数マーカーRFIDによって構成することができ、かつ、管が保管室内に置かれるとすぐに適切な読取り装置9によって読み取られる。これによって、保管室6内の管の各々の位置を判断することが可能になると共に、装置内にある管および受ける予定である分析のリストを作ることによって、管の各々をどのように準備するべきか判断することが自動的に可能になる。
【0060】
バー・コードは、これまで、多くの他の領域においてなど血液を分析する分野に使用されているが、無線周波数識別(RFID)は、血液試料に関係するデータを記憶および回収するのに特に適した技法である。使用されるマーカーは、特に、管上に貼り付けるか、または管内に組み込むことができ、かつ、管が装荷される度に読取り装置9、9aによって自動的に読み取りかつ更新することができる接着ラベル8,8aとすることができる。
【0061】
有利な実施形態においては、管の識別手段8を読み取る読取り装置9およびラック7の識別手段8aを読み取る読取り装置9aは、図3に示すように共通の読取り装置上で互いに隣接することができ、その結果、クランプ27によって把持された管の識別手段8および管3が抜き取られたラック7の識別手段8aを同時に読み取ることができる。
【0062】
管3内に含まれた血液試料を準備するために、装置1は、準備区域または事前分析モジュール10も含む。さらに、血液の対照試料を有する管19を保存する区画室11と、装置の筐体4の開口部4cを介して装置の外側と連絡する緊急処理室12と、自動分析装置にアクセスする少なくとも1つのアクセス室または区域13a、13bも含み、これによって、分析用血液管または対照試料管は、血液が抜き取られてかつ分析されるために、準備された後に筐体4の2つの開口部4a、4bを介して分析装置が使用することができるようにされる。
【0063】
作業面2上での装置の様々な区域、モジュール、または区画室の配置は変えることができる。しかし、保管室6と、事前分析モジュール10と、分析装置にアクセスすることができる分析装置アクセス区域13、13bとのある程度の近接性を保持するように注意して、これらの要素間での血液管3の移送に必要とされる時間が最小限に抑えられて、その結果、試料が分析に向けて準備される信頼性および効果、および、その後に行われる分析の信頼性および効果が保証されるようにすることが妥当である。
【0064】
事前分析モジュール10は、上記自動制御装置5の制御下にあり、かつ、管3の上記識別手段8上で読み取られた情報および上記試料の分析を担当するオペレータによって上記自動制御装置に入力された情報もしくは管3の上記識別手段8上で読み取られた情報または上記試料の分析を担当するオペレータによって上記自動制御装置に入力された情報の関数として判断される試料準備シーケンスを自動的に実行するために使用される、分析用血液試料に作用する複数の準備および処理もしくは準備または処理手段を有する。
【0065】
この準備シーケンス中、試料および試料を含む管3もしくは試料または試料を含む管3を確認しかつ条件づけする諸作業、特に、分析前の管の攪拌が行われる。確実に、血液細胞の全てが分析装置によって抜き取られる前に懸濁状態であるようにするために、一切の分析の前に全血液試料を攪拌することが極めて重要である。
【0066】
この目的のために、事前分析モジュールは、各々が攪拌用管を挿入することができるハウジングを有し、全てが共通の回転軸上に取り付けられた3つの攪拌車輪を含む、攪拌装置14、好ましくは回転式攪拌装置を含み、その結果、図1および図2の実施例において3本の血液管を同時に攪拌することができる。
【0067】
攪拌装置の車輪は、回転時に結合してもしなくてもよく、その結果、攪拌装置内の各車輪の回転を分離し、それにより、血液管を所定の位置に置き、他の車輪の攪拌を妨害することなく車輪から取ることを可能にすることによって装置の処理量を増すことができる。
【0068】
しかし、管を部分的にひっくり返すによって、または、自軸周りに管を回転させるのに適した手段の助けを借りて渦流タイプの攪拌を行うことによって攪拌を行うことも可能であり、攪拌を行う上記の方法および手段は、血液分析の分野に携わる当業者によく知られている。同様に、攪拌ハウジングの数は、分析が行われるべき割合の関数として、保管室の能力と同様に選択することができる。
【0069】
また、事前分析モジュールは、分析装置が管から適正に血液を抜き取ることを可能にするために管内の一切の残留圧力または吸引力を排除するように、管の栓に刺し通す針を含む、上記管を曝気する装置15を含む。
【0070】
さらに、攪拌装置14と管曝気装置15とを、例えば、光線を伝達しかつ受け取る手段を備えた光検知器など、管内の血液の液位および血液中の血餅の存在を検出する装置16と関連づけることが有利である。また、事前分析モジュールは、栓が管に係合されている深さをモニターする装置17、および、妥当な場合、特定の血液病理に関して妥当な分析温度に特定の試料を昇温するために、または、上記血液試料が冷蔵庫から引き出されたときに、上記管3を加熱する装置18を含むことが好ましい。有利なことに、加熱手段は、電源が供給される電気的極性によって、上記試料を加熱または冷却する役目をすることができる熱電池、例えば、ペルチエ効果電池によって構成されることが好ましい。
【0071】
また、別の有利な特徴による準備装置1は、血液の対照試料を含む管19、即ち、全血液の自動分析装置を確認するために毎日使用される血液管を保管および保存する区画室11を含み、上記区画室は、上記管を冷却する手段を含む。明瞭さの理由から図に示すものと異なり、好ましくは隔離されているこの区画室11においては、血液の対照試料を含む上記管19は、血液の対照試料管19を低温に保つことによって時間を経ても確実に適正に保存されるようにするために、上記ハウジング内で、または、その周辺部にて、熱電池(ペルチエ効果電池)が設置された金属支持体20の個々のハウジング内に位置決めかつ維持される。
【0072】
最後に、準備装置は、保管室6内に含まれる全血液試料の準備および分析を停止することが必要ではなく、装置1の筐体の開口部4cを介して装置の外側からオペレータがアクセスすることができる緊急処置用区域または区画室12を含む。
【0073】
この緊急処理室12は、通常は分析装置の適切な作動を妨害する緊急時分析または異例の分析を伴う全ての状況を管理するためのものである。これは、例えば、子供から血液試料を採取するのに一般的に使用されるように、分析装置または、実際にはより小さな形式の管が使用できるようにする前に開ける必要がある、分析装置の針が突き刺さることはできず、かつ、その後に管を自動分析装置内に挿入することを可能にするためにアダプタを必要とする栓が取り付けられた管に適用される。
【0074】
最大約10個のハウジング22を有する小容量ラック21は、ラック21の上記ハウジング22内に直にオペレータによって手作業で置かれる1つまたはそれ以上の管23を受け取るために上記緊急処理室12内に置かれ、準備装置が、個別に、かつ、保管室6内に保管された血液管3に関する優先順位を条件として個別の管を担当するようになっている。
【0075】
また、ハウジング22は、保管室6内に過去に置かれた血液管3をオペレータが、また、自動分析システムを妨害することなく、使用することができようにする役目をすることができる。したがって、オペレータは、例えば、更なる分析を行うために、非常に楽に、かつ、危険なく特定の管を回収することができる。
【0076】
保管室6内で、または、緊急処理室12のラック21内で支持体7上に置かれた血液管を取り扱うため、かつ、その後に、装置の内側で事前分析モジュールの準備および確認手段に向かって、その後、分析装置アクセス区域を介して分析装置に血液管を個別に移動させるため、上記装置は、有利なことに、上記自動制御装置5によって制御されたロボット把持部および移動手段24、25、26、27を含む。
【0077】
これらの手段は、特に、好ましくは栓の基部の下で上記管3、19、23を把持するように適合されたヒンジ付きクランプ27を含み、上記クランプ27は、3本の直交軸X、Y、Zに沿って走り、かつ、互いに、対で結合された少なくとも3本のモータ被駆動案内レール24、25、26と、作業面2の長尺寸法部に沿ってずっと延在し、かつ、同様に水平であり、かつ、第1のレール24と垂直である第2のレール25を支える固定水平の第1のレール24とを含む並進運動装置によって並進運動で垂直および水平に移動可能である。第2のレール25は、第1のレール上で2つの先端を有する矢印F1の方向に並進運動で移動可能であり、垂直な第3のレール26は、第2のレール25に固定されて、2つの先端を有する矢印F2の方向に水平の並進運動で、また、2つの先端を有する矢印F3の方向に垂直に垂直の並進運動で移動可能であり、クランプ27は、第3のレール26に固定される。
【0078】
図3に詳細に示す好適な変形実施形態においては、クランプ27は、Z軸に平行な垂直軸周りに枢動することができるように、上記第3のレール26上で回転するように取り付けられる。この構成においては、クランプ27は、血液管3を把持して、管が自軸周りに回転することを可能にすることができ、これは、図3に示すように、回転クランプ27に関連した読取り装置9を使用して、保管室6または緊急処理室12のラック7、21内に置かれた各管の個々の識別手段8(図中はバー・コード)を読み取るために特に有利である。管を回転させると、装置内の決められた位置にある固定読取り装置まで移送レールに沿って管を移動させることが必要ではなく、データを読み取って自動制御装置内に記録するためにクランプ27の顎部によって隠されていない識別手段の区域を素早く見つけることができる。これによって、分析用血液試料の準備を回収する段階中にかなりの時間の節約が達成される。
【0079】
本発明の準備装置1の作動について以下で説明するが、本装置は、この実施例については、図1の側壁によって識別される自動分析装置28と関連づけられ、上記分析装置28は、準備装置1の自動制御装置5に結合され、かつ、ネットワークモジュール(図示せず)と連絡させるのに適したものである。
【0080】
分析を始める前に朝に行われ、その間に、すすぎおよび液体類および分析試薬の詰め込みと共に、機械的および電子的チェックが計器に対して行われる、自動分析装置28および準備装置1をオンにする段階の後、自動制御装置5は、必須であり、かつ、準備装置によって完全自動でかつ独立して実行される「品質管理」段階とも称される、確認段階を立ち上げるために使用される。
【0081】
上述したように、血液の対照試料を含む管19は、準備装置1の保存室11内に保存される。これによって、各国で有効である法規に従うために、または、研究所の機能として、血液の対照試料を含む管の選択およびモニターおよび有効性確認に関する諸規則をユーザーが設定することができるという利点が得られ、これは、準備装置によって取り扱われる。これらの仕事を自動化することによって、血液試料を管理するために適用される使用条件を厳守することができる。これらの条件は、主として、使用期限日、保管条件、既に使用済みである管から血液を採取する最大回数、昇温および攪拌に関係する条件に関係する。
【0082】
この品質管理段階中、ロボットクランプ27は、準備装置の保存室11から分析用に血液の対照試料を含む管19を選択すると、昇温を加速させるために加熱装置18に、その後、管内に含まれた血液を均質化するために攪拌装置14内に置く。妥当な場合、攪拌段階を利用して血液の対照試料を含む管の加熱を加速させるために、加熱用攪拌装置を使用することが可能である。
【0083】
対照試料を含む管19は、その後、対照試料が分析される分析装置28内への導入に向けて、ロボットクランプ27によってアクセス区域13b内のキャリッジ29b内に置かれる。
【0084】
対照試料を含む管19が分析されると、その後、キャリッジ29bによって分析装置28から準備装置1に持って行かれ、その後、ロボットクランプ27によって保存室11の開始場所に戻される。
【0085】
使用期限日および事前分析回数を超えていない妥当な対照試料管19に確認が確実に行われるようにするため、保存室11内での対照試料管19の偶発的な入れ換えを検出するために、管がロボットクランプ27によって保持されている間に対照試料管19の識別手段8が読み取られる。
【0086】
結果はその後、自動制御装置5のモニター画面5b上に表示されて、かつ、記録保管される。これによって、対照試料の分析結果を自動的に確認することができ、これらの結果が公差限界値外である場合、同じ対照試料管に、または、冷蔵保存室内に用意されている新しい管に新しい分析を進め、かつ、適正な結果が得られるまで続行することが可能である。
【0087】
品質管理の有効性の確認後、分析用全血液管3の処理を進めることが可能である。これらの管は、オペレータによって準備装置の保管室6内に直接設置されたラック7内に置かれる。
【0088】
ラック7が準備装置1内に取り込まれたら、オペレータは、自動制御装置5から試料を分析する工程を立ち上げる。初めに、クランプ27が、保管室6内のラック7内の分析用血液管3を握持すると、ハウジングから引き抜いて、識別手段8を構成するバー・コードまたは無線周波数マーカーを読み取り、ラック7内の管の位置を自動制御装置5に伝達する。
【0089】
その後、クランプ27は、管3を保管室6から事前分析モジュール10に移動させ、そこで試料準備が始まる。ロボットクランプ27は、管3を攪拌装置15に持って行くことで始めて、その後、ロボットクランプは、管内の血液の液位および血餅の存在の可能性を確認するために管を光検知器16に持って行く。確認が良好である場合、管3は、その後、ロボットクランプ27によって、栓が管内に係合されている深さを確認するステーション17に持って行かれる。その深さが適正である場合、クランプは、管が臨床検査標準化協会(NCCLS)の推奨事項に従って行われる攪拌段階を持続的に受けることを可能にするように攪拌装置14内に管を置く。
【0090】
攪拌が完了すると、また、分析前に血液を加熱する必要がない場合、クランプ27は、分析用血液管を攪拌装置14から引き抜いて、分析装置アクセス区域13a、13bに持って行き、そこで、分析装置への進入および十分な量の血液を分析用に採取することを可能にするのに適した位置に管を保持するのに適した支持体が取り付けられた移送キャリッジ29a、29b内に管3を置く。管がキャリッジ内に置かれると、管は、管内に含まれた試料を分析するために血液が取られる分析装置内のステーションに持って行かれるように準備装置の筐体を分析装置から分離する壁部にこの目的のために形成された開口部を介して分析装置内に入り込む。
【0091】
血液が分析装置によって管から取られると、キャリッジは、準備装置のアクセス室内の開始位置に戻り、そこで、クランプ27は、再び、管を把持して、保管室内のラック7内の開始場所に移送する。
【0092】
オペレータによって行われた選択によっては、分析後に全血液管が開始位置に置き換えられずに、準備装置の保管室6内で当初は空である別のラック7に持って行かれるか、または、実際には、この目的のために保管室内に設置された先に空であった様々なラックを占有するために管を行われた分析結果の関数として分類することができるようにロボットクランプ27をプログラムすることも可能である。管分類機能は、特に、オペレータが手作業による分類作業を行う必要性を回避するために、単一の共通ラック7上にさらなる分析を必要とする管の全てをまとめてグループ化することを可能にするという点で有利である。
【0093】
各種分析を研究所内で行うべき割合を処理する上での諸理由から、試料を準備する諸作業、特に、攪拌は、図1に示すように、複数の管に同時に行われることが好ましい。自動制御装置5は、攪拌持続時間と、攪拌終了と分析との間で最小でなければならない待ち時間とを最適化するために、ロボットクランプ27による管の様々な動きを管理する。
【0094】
それでも、分析処理量を向上させる目的のために、分析用管の取り込みを少し予期して分析装置によって戻される管を回収するロボット時間を許容するために、分析装置に入り込む前に複数の分析用管を受け取るように、分析用管を移送するキャリッジが、複数のハウジングを有することは有利である。
【0095】
特に、分析済みの管を所定の位置に戻すために回収する際には緊急性はない。したがって、ラックは、既に分析済みである1つまたはそれ以上の管と共に、分析用管を含むことができる。この配置は、クランプの動きを最適化し、かつ、高い処理量を維持するのに効果的である。
【0096】
また、本発明の準備装置では、装置1の保管室6内に呈示されている血液管3、または、外側から来る管23、および分析については予想外であった管にオペレータが緊急分析を行う必要がある状況に対応することができる。この状況は、非常に一般的なものであるが、高度に自動化されている研究所においては対応するのが困難であり、そこでは、緊急であるとみなされている管を通過させるために進行中の分析を中断することが必要である。
【0097】
図3に示すような読取り装置9が取り付けられたロボットクランプ27を使用すると、保管室6内に置かれた管3を見つけたり、また、かつ装置の処理速度を鈍らすことなく、かつ、オペレータによる手作業による介入を必要とすることなく、優先品としてかつまったく安全に管を処理することが特に容易であると共に素早く行える。
【0098】
同様に、緊急分析用管23が装置の保管室内にない場合、オペレータは、緊急分析用管23を緊急処理室12内のラック21内に置くことができ、かつ、自動制御装置5のキーパッド5aまたは接触感応画面5bを使用すると、分析システムの自動性を壊すことなく上記管に緊急に分析を行うために、保管室6内に位置する管よりも優先という条件でこの管を担当するようにロボットクランプ27をプログラムすることができる。
【0099】
したがって、緊急処理室12は、オペレータが一切の例外的または自動化不可能な作業を行い、かつ、ロボットクランプが簡単に見つけて緊急処理室12内のラック21内に置くことができる、装置の内側にある管3を回収するように特権的なアクセスを許容するものである。
【0100】
また、本発明の準備装置1では、分析研究所内の設備を当該研究所で従来使用されている自動分析装置の異なる部類と組み合わせて高度にモジュール式にすることができる。
したがって、図4に示すように、本発明の装置1を2つの分析装置28および29と結合することが可能である。血液学専用の用途においては、分析装置28は、好ましくは細胞カウンタであり、一方、分析装置30は、好ましくは、血液塗抹標本を作る、具体的には、顕微鏡を使用したその後の観察を容易にするために塗抹標本の細胞を染める自動設備である。
【0101】
この構成においては、自動分析装置28および30との間に介在した装置1は、分析用管3を分析装置28のアクセス区域13bのキャリッジ29b内に、血液塗抹標本を実現する管3を機械30のアクセス区域13aのキャリッジ29a内に位置決めする役目をする。
【0102】
血液塗抹標本の要請は、通常、分析装置からの結果に関連したものであることから、この構成によって、管3をラック7内での位置に戻すか、または、塗抹標本を作るためにキャリッジ29a内に置くことを判断する前に、分析装置からの結果を待つことが可能であることがわかる。分析の持続時間および準備装置1の有用性によっては、機械30のキャリッジ29a上に置く前に攪拌装置14の車輪の1つに管3を位置決めすることによって、血液を混ぜることが必要であろう。
【0103】
他の組み合わせが可能であり、特に、C反応性蛋白質(CRP)検定または赤血球沈降速度測定など、病理診断に有用な全血液に各種分析を行う異なる自動設備と分析装置を結合することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】全血液試料の分析を準備する、本発明の装置の概略斜視図。
【図2】上から見た図1の装置を示す図。
【図3】試料を識別するバー・コードを読み取る手段に関連した本発明の装置のロボット把持部および移動手段の部分図。
【図4】全血液試料の2つの自動分析装置と協働する分析を準備する本発明の装置を組み込んだ自動分析装置の図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料識別手段(8)を含む管(3、19、23)内に保存され、かつ、栓(3a)によって好ましくは密閉された全血液試料の分析を準備する方法であって、以下の連続的なステップ、即ち、
a)前記管(3、19、23)を保管区域(6、11、12)内に置き、かつ、患者の身元、前記管(3、19、23)内に含まれた前記血液試料に行うべき種類の分析を知り、かつ、各管が分析前に受けるべき準備の種類を自動的に判断するために読み取り手段(9)の助けを借りて前記識別手段(8)を読み取って自動制御装置(5)において読み取られた情報を記録することによって前記血液管を識別するステップと、
b)ロボット把持部および前記自動制御装置(5)によって制御された移動手段(24、25、26、27)の助けを借りて前記管を個別に抜き取って、かつ、前記保管区域(6、11、12)から前記管と前記血液試料とを準備する少なくとも1つの準備区域(10)に移動させるステップと、
c)前記試料識別手段(8)から読み取られた前記情報およびオペレータによって前記自動制御装置(5)に入力された情報もしくは前記試料識別手段(8)から読み取られた前記情報またはオペレータによって前記自動制御装置(5)に入力された情報の関数としてオペレータによって判断される準備シーケンスの適用において前記準備区域(10)内で前記管および前記試料を準備するステップであって、少なくとも、前記シーケンスが、前記管内に含まれた前記血液の成分の全てを共に混合させるために前記管を攪拌するステップを含む前記ステップと、
d)準備直後に、前記ロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)の助けを借りて全血液の自動分析装置(28、30)にアクセスすることができる少なくとも1つのアクセス区域(13a、13b)に前記管を個別に移動させて、前記管の前記識別手段から読み取られた前記情報の関数として前記管(3、19、23)内に含まれた前記血液試料を分析するステップと、
e)分析後に前記アクセス区域(13a、13b)から前記管(3、19、23)を前記分析装置(28、30)から引き抜して、前記ロボット把持部と移動手段との助けを借りて前記保管区域(6、11、12)において置き換えるステップと、
好ましくは、
f)他のサンプルについて作業a)からe)を繰り返すステップと
によって特徴づけられる方法。
【請求項2】
ステップa)において、前記管は、各々が前記管(3、19、23)を受け取るのに適した形式の複数の個々のハウジングを有する支持体(7、20、21)内に置かれて垂直方向に保持され、かつ、隣接ハウジングの列内にまとめられ、前記支持体が、複数の前記支持体(7、20、21)を受け取るのに適し、かつ、前記ロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)がアクセスすることができる前記保管区域(6、11、12)内に位置決めされる、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項3】
ステップa)において、複数の管は、前記保管区域(6)内に置かれ、前記管を個別に処理する前記ステップb)からe)を進める前に、前記保管区域内の前記管の電子マップを確立するために、前記管(3)に関係する情報が、識別されて前記管の位置と共に前記自動制御装置内に記録される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップc)において、以下の更なる作業、即ち、
前記管(3)を曝気するステップと、
前記管(3)内での前記血液試料の液位を確認するステップと、
血餅が前記試料内に存在するか否か判断するステップと、
前記管を閉鎖する前記栓(3a)が前記管内に係合されている深さを確認するステップと
のうちの少なくとも1つが行われる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ステップc)において、前記試料の温度が、好ましくは、加熱によって設定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップa)において、管は、緊急処理区域内に置かれ、前記自動制御装置は、前記管の準備および分析が前記保管区域内にある前記管の準備および分析よりも優先して行われるようにプログラムされる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ステップe)において、前記管(3)は、前記管内に含まれた前記試料に行われた前記分析結果の関数として、および、前記試料に行われるべき任意の更なる作業の関数として、もしくは、前記管内に含まれた前記試料に行われた前記分析結果の関数として、または、前記試料に行われるべき任意の更なる作業の関数として、前記ロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)に助けを借りて、分類され、かつ、異なる前記支持体(7)内に保管される、請求項2から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記全血液試料を準備かつ分析する前に、品質管理が、血液の対照試料を含む管(19)を使用して行われ、前記対照試料管が、前記ロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)がアクセスすることができる冷蔵保存区域(11)内に保存され、前記対照試料管(19)が、未知の全血液の管(3)と同様に加熱かつ準備され、その後、前記分析装置(28)内に連続的に導入され、かつ、前記ロボット把持部および移動手段によって前記冷蔵区域(11)内の開始場所に置き換えられるように、自動的に回収される、請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの対照試料管(19)の分析が、前記分析装置(28)内で所定数の全血液管(3)を準備かつ分析した後で定期的に準備され、前記対照試料管(19)が、抜き取られて、準備され、かつ、前記分析装置内に導入されて、その後、前記ロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)によって回収かつ保管される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
以下のステップ、即ち、
一連の所定数の未知の全血液試料(3)で分析されたパラメータの各々の平均を取るステップと、
健康な患者に対応し、かつ、前記制御装置(5)内に記録された前記パラメータについて分析パラメータの平均値を公称値の範囲と比較するステップと、
前記平均値の1つが前記対応するパラメータの前記公称値範囲外にある場合、対照試料管(19)を準備して前記対照試料に関して同じパラメータを分析するステップと、
前記対照試料(19)に関して分析された前記パラメータの値が前記パラメータの公称値の範囲内にある場合、新しい一連の未知の全血液試料(3)と、少なくとも1つの病的血液試料が前記先行する一連において存在することを示す対応する公称値の範囲外に位置する前記平均値とに関する分析を続行するステップと、
前記対照試料(19)に関して分析された前記パラメータの前記値が前記パラメータの公称値の範囲外にある場合、前記分析装置(28)が、新しい一連の未知の全血液試料を分析する前に較正されることによって特徴づけられる請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項11】
各々が識別するための少なくとも1つの識別手段(8)を有し、かつ、好ましくは、栓(3a)によって密封される管(3)内に保存された全血液試料の分析結果を、請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法に従って準備するのに適した装置(1)であって、
分析の前後に前記管(3、19、23)を保管する前記保管区域(6、11、12)を構成する少なくとも1つの区画室と、
前記管の識別手段(8)を読み取る少なくとも1つの前記読み取り手段(9)と、
前記保管区域において分析前および分析後もしく分析前または分析後に管を分類する分類手段(9、8a、9a)と、
分析前に前記血液試料を準備し、かつ、前記試料を含む前記管(3、19、23)を確認および処理もしくは確認または処理する手段(14、15、16、17、18)と、特に、前記管を攪拌する少なくとも1つの攪拌手段(14)とを含む少なくとも1つの準備区域(10)と、
全血液の少なくとも1つの自動分析装置(28、30)にアクセスすることができ、前記管(3、19、23)を前記分析装置内に置くことを可能にする少なくとも1つのアクセス区域(13a、13b)と、
自動制御装置(5)によって制御され、かつ、前記保管区域(6、11、12)内で前記管(3、19、23)を個別に保持しかつ置き換え、かつ、前記保管区域と、前記準備区域(10)と、好ましくは前記自動制御装置(5)に結合および制御もしくは結合または制御される前記分析装置(28、30)にアクセスすることができる前記アクセス区域(13a、13b)との間で少なくとも3つの方向XYZに搬送するのに適したロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)と
を含む装置。
【請求項12】
前記管がオペレータによって置かれる個々のハウジングを含む支持体(7、20、21)を含み、前記支持体が、前記保管区域(6、11、12)内に位置決めされ、かつ、手作業で除去可能であり、前記保管区域(6、11、12)が、複数の前記支持体(7、20、21)を受け取るのに適し、かつ、分析用前記全血液試料を含む管(3、19、23)を抜き取りかつ置き換えることを可能にするために前記ロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)によってアクセス可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置の外側からオペレータが手作業でアクセス可能である緊急処理室(12)を含み、前記緊急処理室(12)が、前記ロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)もアクセス可能であり、かつ、血液管(23)を受け取るのに適した少なくとも1つのハウジングを含む少なくとも1つの管支持要素(22)を含む、請求項11または請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記確認および処理もくしは確認または処理手段(14、15、16、17、18)が、前記管を曝気する装置(15)を含む、請求項11から請求項13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記分析装置(28、30)を確認することを可能にするために、血液の対照試料管(19)を保管および保存する区画室(11)を含み、前記区画室が、前記管を冷却する手段を含む、請求項11から請求項14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記対照試料管(19)が、支持体(20)の個々のハウジング内の前記保存室(11)に位置決めかつ保持され、前記冷却手段が、好ましくは前記ハウジング内かまたはその周辺部に置かれた熱電池(ペリチエ効果電池)で構成される、請求項11から請求項15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記確認および処理もくしは確認または処理手段が、
前記管(3)内の血液の液位および前記血液中の血餅(がある場合)の存在を検出する手段(16)および
前記栓(3a)が、前記血液管(3)内に入れられる液位を確認する手段(17)および
好ましくは熱電池によって構成された、前記管を加熱する手段(18)もしくは
前記管(3)内の血液の液位および前記血液中の血餅(がある場合)の存在を検出する手段(16)または
前記栓(3a)が、前記血液管(3)内に入れられる液位を確認する手段(17)または
好ましくは熱電池によって構成された、前記管を加熱する手段(18)
の選択を含む、請求項11から請求項16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記ロボット把持部および移動手段が、好ましくは前記栓の基部の下で、前記管(3、19、23)を保持するように適合されたヒンジ付きクランプ(27)を含み、前記クランプが、並進運動装置によって3本の直交するX軸、Y軸、Z軸に沿って並進運動で垂直および水平に移動可能であり、前記並進運動装置が、前記X軸、Y軸、Z軸に沿って導かれ、かつ、共に対で結合された少なくとも3本の案内レール(24、25、26、27)を有し、水平でかつ固定された第1のレール(24)を含み、前記第1のレール(24)に水平かつ垂直であり、前記第1のレール(24)上を並進運動で移動可能である第2のレール(25)と、前記第2のレール(25)に垂直であり、前記第2のレール(25)に固定され、かつ、前記第2のレール(25)の上を並進運動で、かつ、前記第2のレール(25)に垂直に移動可能である第3のレール(26)とを支持し、前記クランプ(27)が、前記第3のレール(26)に固定される、請求項11から請求項17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記ロボット把持部および移動手段が、前記血液管を把持するクランプで、端部の1つに設置された関節腕を含む、請求項11から請求項17のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
少なくとも1つの前記分析装置にアクセスすることができる少なくとも1つのアクセス開口部(4a、4b)と、緊急処理室(12)にアクセスすることができる第2のアクセス開口部(4c)を含む保護筐体(4)内に閉じ込められる、請求項11から請求項19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記分析装置(28、30)にアクセスすることができる前記アクセス区域(13a、13b)が、前記装置(1)と前記分析装置との間で移動するのに適したそれぞれの移動キャリッジ(29a、29b)を含み、各前記キャリッジが、前記自動制御装置(5)によって制御され、かつ、前記ロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)から前記血液管を受け取るのに適した少なくとも1つのハウジングを含む、請求項11から請求項20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記ロボット把持部および移動手段(24、25、26、27)が、前記保管区域(6)と、前記準備区域(10)と、前記分析装置にアクセスすることができる前記区域(13a、13b)と、前記緊急処理室(12)と、対照試料管を保管および保存する前記区域室(11)とにおいて、前記血液試料を含む前記管と、対照試料を含む前記管とを検出および検視もしくは検出または検視する手段を含む、請求項18から請求項21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記保管区域(6)内および対照試料管(19)を保存する前記区画室(11)内もしくは前記保管区域(6)内または対照試料管(19)を保存する前記区画室(11)内に配置された前記支持体(7、20)が、前記読み取り手段(9a)によって読み取られるのに適した識別手段(8a)を含む、請求項12から請求項22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
好ましくは栓によって密閉される管(3、19、23)内に含まれる分析されるべき試料から血液を採取する手段、特に、針を含む全血液の少なくとも1つの自動分析装置(28、30)を含み、前記分析装置に結合され、かつ、前記分析装置にアクセスすることができる前記準備装置(1)の少なくとも1つの前記アクセス区域(13a、13b)を介して連絡する、請求項11から請求項23のいずれかに記載の、全血液試料の分析を準備するのに適した少なくとも1つの装置(1)を含む、全血液を分析する自動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−500619(P2009−500619A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519961(P2008−519961)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001583
【国際公開番号】WO2007/006903
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(508000537)
【氏名又は名称原語表記】HORIBA ABX SAS
【Fターム(参考)】