説明

分析装置

【課題】分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供する。
【解決手段】液体がそれぞれ収容される複数の反応容器を保持する反応容器保持手段と、前記複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の攪拌手段と、前記複数の攪拌手段を駆動する攪拌駆動手段と、前記攪拌駆動手段を制御する制御手段と、少なくとも前記反応容器保持手段および前記攪拌駆動手段を一括して移送する移送手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や体液等の検体の成分を分析する分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や体液等の検体の分析を自動的かつ連続的に行う分析装置において、分析対象の検体やその検体と反応させる試薬を分注した後の反応容器内の液体を攪拌する技術として、反応容器の外部に音波発生手段を設け、この音波発生手段から反応容器に向けて音波を発生させることによって液体を攪拌する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、反応容器と音波発生手段との間に液体の温度を一定に保つ恒温水が介在しており、液体の攪拌は、反応容器を保持して回転する反応ディスクが停止した状態で行われる。
【0003】
【特許文献1】特許第3168886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の分析装置では、反応ディスクが停止している間しか攪拌することができないため、一つのシーケンスの中で攪拌を行うタイミングが制限されてしまうという問題があった。
【0005】
また、音波発生手段によって発生した音波のエネルギーは、恒温水を介して空間的に離れた反応容器に到達するまでの間に減衰してしまうため、攪拌に要するエネルギーの伝送効率が必ずしも良くなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の反応容器にそれぞれ収容される液体の成分を分析する分析装置であって、前記複数の反応容器を保持する反応容器保持手段と、前記複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の攪拌手段と、前記複数の攪拌手段を駆動する攪拌駆動手段と、前記攪拌駆動手段を制御する制御手段と、少なくとも前記反応容器保持手段および前記攪拌駆動手段を一括して移送する移送手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明における液体には、例えば血液や体液などのように、微量の固体成分を含有する液体も含まれるものとする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、電源から送出される電源信号を常時伝送可能な電源信号伝送手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記電源信号伝送手段の一部は、前記反応容器保持手段および前記攪拌駆動手段と連動することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記電源信号伝送手段は、スリップリングを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記電源信号伝送手段は、回転トランスを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記電源信号伝送手段は、前記反応容器保持手段を載置し、前記電源と電気的に接続されて前記電源信号の供給を受けるレール部と、前記レール部に接触して前記電源信号を受信するとともに、前記反応容器保持手段と連動する接触手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項2〜6のいずれか一項記載の発明において、前記電源信号伝送手段は、前記制御手段によって送出される制御信号を前記電源信号に重畳して伝送することを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段によって送出される制御信号を常時伝送可能な制御信号伝送手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記制御信号伝送手段は、スリップリングを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記制御信号伝送手段は、前記制御手段によって送出される制御信号を無線によって伝送することを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記複数の攪拌手段と前記攪拌駆動手段との間に介在し、電気的な接続状態の切替を行う切替手段をさらに備え、前記複数の攪拌手段は、前記切替手段を介して前記攪拌駆動手段に並列に接続されて成ることを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記切替手段は、前記攪拌駆動手段と前記複数の攪拌手段のうちいずれか一つの攪拌手段とを電気的に接続することを特徴とする。
【0020】
請求項13記載の発明は、請求項11または12記載の発明において、前記切替手段は、前記攪拌駆動手段と電気的に接続する攪拌手段を周期的に変えることを特徴とする。
【0021】
請求項14記載の発明は、請求項11〜13のいずれか一項記載の発明において、前記切替手段は、前記攪拌駆動手段と前記複数の攪拌手段とをそれぞれ接続する複数のスイッチを含むことを特徴とする。
【0022】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の発明において、前記スイッチは、高周波リレーまたは高周波半導体スイッチであることを特徴とする。
【0023】
請求項16記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記攪拌駆動手段を複数備え、各攪拌駆動手段は互いに独立な駆動条件に基づいて前記複数の攪拌手段のいずれかを駆動することを特徴とする。
【0024】
請求項17記載の発明は、請求項16記載の発明において、前記駆動条件は、駆動の有無、駆動周波数、駆動振幅、駆動時間、および駆動周波数または駆動振幅を変調するときの変調条件のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0025】
請求項18記載の発明は、請求項16または17記載の発明において、前記攪拌駆動手段の数は、前記複数の攪拌手段のうち同時に駆動する攪拌手段の数以上であることを特徴とする。
【0026】
請求項19記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記攪拌駆動手段は、前記移送手段が前記反応容器保持手段を移送する際に前記複数の攪拌手段のうち少なくとも一つの攪拌手段を駆動することを特徴とする。
【0027】
請求項20記載の発明は、請求項1〜19のいずれか一項記載の発明において、前記攪拌手段は、音波または超音波を発生する音波発生手段を有することを特徴とする。
【0028】
請求項21記載の発明は、請求項20記載の発明において、前記音波発生手段は、前記反応容器と一体に形成されたことを特徴とする。
【0029】
請求項22記載の発明は、請求項20または21記載の発明において、前記音波発生手段は、一対以上の櫛形電極を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、液体がそれぞれ収容される複数の反応容器を保持する反応容器保持手段と、前記複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の攪拌手段と、前記複数の攪拌手段を駆動する攪拌駆動手段と、前記攪拌駆動手段を制御する制御手段と、少なくとも前記反応容器保持手段および前記攪拌駆動手段を一括して移送する移送手段と、を備えることにより、分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以後、実施の形態と称する)を説明する。
【0032】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る分析装置要部の構成を模式的に示す図である。同図に示す分析装置1は、分析対象の試料である検体および試薬を反応容器にそれぞれ分注し、その反応容器内で生じる反応を光学的に測定する測定機構11と、この測定機構11を含む分析装置1の制御を行うとともに測定機構11における測定結果の分析を行う制御分析機構21とを有し、これら二つの機構が連携することによって複数の検体の成分の生化学的、免疫学的、または遺伝学的な分析を自動的かつ連続的に行う。
【0033】
分析装置1の測定機構11は、血液や体液等の検体を収容する検体容器31が搭載された複数のラック32を収納して順次移送する検体移送部12、試薬容器41を保持する試薬容器保持部13、および検体と試薬とを収容して反応させる反応容器51を保持する反応容器保持部14を備える。また、測定機構11は、検体移送部12上の検体容器31に収容されている検体を反応容器51に分注する検体分注部15、試薬容器保持部13上の試薬容器41に収容されている試薬を反応容器51に分注する試薬分注部16、光源から照射されて反応容器51内を通過した光を受光して所定の成分の強度等を測定する測光部17、および反応容器51の洗浄を行う洗浄部18を備える。
【0034】
測定機構11は、反応容器51に収容される液体(血液などのように、微量の固体成分を含有する「液体」も含まれるものとする)を攪拌する攪拌機構19をさらに備える。この攪拌機構19については、制御分析機構21の説明を行った後、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
制御分析機構21は、分析装置1内の各機能または各手段の制御を行うとともに測定機構11における測定結果を分析する演算を行うためにCPU(Central Processing Unit)等によって実現される装置制御部22、検体の分析に必要な情報および分析装置1の動作指示信号の入力を受ける入力部23、分析結果を含む情報を出力する出力部24、分析装置1の制御プログラムや分析装置1における分析結果を含む情報を記憶する記憶部25、および分析装置1の各部に対して駆動するための電源を供給する電源部26を備える。
【0036】
続いて、攪拌機構19について説明する。図2は、攪拌機構19の物理的な構成を模式的に示す図である。また、図3は、攪拌機構19の機能構成を示すブロック図である。これらの図に示す攪拌機構19は、電源部26から送出される直流の電源信号および装置制御部22から送出される交流の制御信号を伝送する信号伝送部191と、信号伝送部191から送出される制御信号に基づいて攪拌動作や反応容器保持部14の移送動作の駆動制御を行う駆動制御部192と、駆動制御部192から送出される制御信号に応じて反応容器51を攪拌するための駆動信号を各々送出する複数の攪拌駆動部193と、を有する。
【0037】
各攪拌駆動部193には、電気的な接続状態の切替を行う切替手段であるスイッチ194と、スイッチ194に接続され、音波または超音波を発生することによって反応容器51内の液体を攪拌する音波発生部195(攪拌手段)とから成る複数の組が並列に接続されている。なお、各攪拌駆動部193に接続されるスイッチ194および音波発生部195の組の数は全て同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0038】
攪拌機構19は、上記以外の構成として、信号伝送部191から送出される電源信号を受信し、攪拌機構19内の各部に適した電圧値に変換して各々出力する電源部196と、装置制御部22からの制御信号に基づいて反応容器保持部14を回転し、反応容器51を所望の位置に移送する移送手段として、ステッピングモータ等を用いて実現される移送部197と、を備える。
【0039】
信号伝送部191はスリップリングを用いて実現され、固定部191aおよび回転部191bを有している。回転部191bの回転軸は、反応容器保持部14の鉛直方向の中心軸と一致し、移送部197の動作によって攪拌機構19の連動部19C(反応容器保持部14、駆動制御部192、攪拌駆動部193、スイッチ194、および音波発生部195を含む)と連動して回転するように配設される。図3では、この連動部19Cを1点鎖線で包囲して表示している。このような信号伝送部191を用いることにより、攪拌機構19に対して電源信号および制御信号を常時伝送することができる。この意味で、信号伝送部191は、電源信号伝送手段と制御信号伝送手段の機能を兼備している。
【0040】
ところで、図2に示す場合には、電源部26に接続される2本のリード線を電源供給用とし、装置制御部22に接続される2本のリード線をシリアル通信による制御信号伝送用としている(それぞれ1本はグランド線用)。したがって、この図2に示す場合には、スリップリングの極数が少なくとも4であればよい。
【0041】
攪拌駆動部193は、発振回路および増幅回路を備え、駆動制御部192から送られてきた制御信号に基づいて、閉成状態のスイッチ194を介して接続される音波発生部195に対して駆動信号を印加する。この駆動信号は、周波数が数十MHz(メガヘルツ)〜数百MHz程度の比較的高い周波数を有する交流信号である。このように比較的高い周波数を有する交流信号が伝送される高周波回路では、回路を構成する部位ごとの特性インピーダンスの差に応じて信号の伝送効率が低下する。かかる不具合を回避するため、攪拌駆動部193から音波発生部195に至る伝送線路の特性インピーダンスと音波発生部195内の負荷のインピーダンスとを予め整合しておく(例えば一定値50Ωに整合)。
【0042】
なお、インピーダンスの不整合は、伝送線路が長くなるほど顕在化することが知られている。この意味で、攪拌駆動部193とスイッチ194、スイッチ194と音波発生部195とをそれぞれ結ぶ伝送線路の長さができるだけ短くなるように配置すればより好ましい。
【0043】
図4は、攪拌手段である音波発生部195の構成を示す図である。また、図5は、図4の矢視A方向の矢視図(側面図)である。これらの図に示す音波発生部195は、圧電体から成る基板195aの表面に一対の櫛形電極(IDT:Inter Digital Transducers)から成る振動子195bと、反応容器保持部14に設けられる電極であってスイッチ194に接続される電極(図示せず)と接触可能であり、振動子195bに印加する駆動信号を攪拌駆動部193から受信する端子195cと、振動子195bと端子195cとを電気的に接続する導線195dと、を有し、反応容器51の測光用の窓部51bが設けられている側壁51aに一体に取り付けられている。図4および図5に示す場合、音波発生部195は、側壁51aの下方に設けられた測光用の窓部51bを避けるようにして窓部51bの上方に配設されている。この音波発生部195の基板195aと反応容器51の側壁51aとの間には、両者の音響インピーダンスの整合を図るための音響整合層61が介在している。
【0044】
基板195aを形成する圧電体としては、圧電性単結晶や単結晶上に形成した圧電性薄膜などを用いることができる。また、音響整合層61としては、エポキシ樹脂、シェラック、またはジェル等を適用することができる。なお、振動子195bとして櫛形電極を適用する代わりに、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電性振動子を用いてもよい。
【0045】
以上の構成を有する音波発生部195は、厚さの薄い音響整合層61を介して反応容器51と一体に設けられるので、振動子195bから反応容器51内の液体までの距離が短い。これにより、攪拌に要するエネルギーが、攪拌対象の液体に到達するまでの間に減衰してしまうのを抑制することができる。加えて、音波発生部195が反応容器51と一体になっているため、恒温水を収容するための浴槽を設ける必要がなく、分析装置1の小型化を図る上で好適である。
【0046】
なお、音波発生部195の反応容器51への取付位置は、上述した側壁51aに限られるわけではなく、例えば反応容器51の底面または測光用の窓部51bが設けられていない側面に一体に取り付けても、上記同様の効果を得ることができる。
【0047】
次に、分析装置1における動作の概要を説明する。入力部23を介して分析装置1の外部(ユーザまたはホストコンピュータ)から分析要求が入力されると、装置制御部22は、その入力された分析要求に応じて、検査を行う検体や分析項目の順序等の情報を記憶部25が記憶するテーブルに割り付ける。このテーブルには、分析に必要な試薬の種類や分注量、測光する波長や攪拌条件などに関する分析パラメータが予め分析項目ごとに記録されている。装置制御部22はそのテーブルを参照し、攪拌条件に関する分析パラメータを記憶部25から読み出し、この読み出した分析パラメータを制御信号として攪拌機構19に送出する。
【0048】
攪拌機構19に送出される分析パラメータは、駆動の有無、駆動周波数、駆動振幅、駆動時間、および駆動周波数または駆動振幅を変調するときの変調条件などに関するものであり、本実施の形態1では音波発生部195の駆動条件に他ならない。以下、攪拌条件の設定例を説明する。
(1)第1試薬のみを分注し、第2試薬を分注しない検査項目については、第2試薬分注後の攪拌を行わないように設定する。
(2)粘性が高い液体や表面張力が高い液体を攪拌する場合には、振動子195bの駆動振幅を大きくしたり振動子195bの駆動時間を長くしたりする。
(3)液量が少ない液体や温度変化の影響を受けやすい液体を攪拌する場合には、振動子195bの駆動振幅を小さくするとともに振動子195bの駆動時間を短くする。
(4)攪拌対象の液体の液量や粘性などさまざまな条件を総合的に考慮して攪拌を行う場合には、駆動周波数または駆動振幅を変調するときの変調条件を最適な値に設定する。
【0049】
攪拌動作は、検体分注部15による検体の分注後、試薬分注部16による第1試薬および第2試薬の分注後にそれぞれ行われることが多い。通常、分析装置1ではさまざまな分析項目が入り乱れた状態で分析が行われるので、分析パラメータによって規定される攪拌条件すなわち音波発生部195の駆動条件は、概ねランダムになる。この意味で、さまざまな攪拌条件に対応して音波発生部195を駆動するためには、各攪拌駆動部193が互いに独立に動作可能であった方がよい。すなわち、分析装置1において、検体分注後、第1試薬分注後、および第2試薬分注後にそれぞれ行われる攪拌動作をさまざまな攪拌条件下で適切に実行するためには、独立に動作可能な攪拌駆動部193を少なくとも3つ有していればより好ましい。
【0050】
攪拌駆動部193が駆動信号を音波発生部195に印加する際には、攪拌駆動部193に並列に接続されているスイッチ194のうち、常に1つのスイッチ194のみを閉成するような駆動制御が行われる。図6は、この駆動制御の具体例を示すため、一つの攪拌駆動部193に対して2個のスイッチ194が並列に接続されている場合の攪拌駆動部193から反応容器51までの構成を示すブロック図である。同図においては、二つのスイッチ194を便宜的に区別するため、二つのスイッチの符号を194aおよび194bとしている。
【0051】
図7は、スイッチ194aおよび194bの開閉状態の時間変化を示す図であり、波形Saがスイッチ194aの開閉状態を示し、波形Sbがスイッチ194bの開閉状態をそれぞれ示している。図7に示す場合、スイッチ194aおよび194bは、短時間かつ等間隔で交互に閉成してON状態となる。
【0052】
より一般に、一つの攪拌駆動部193に対してn個(nは正の整数)のスイッチ194が並列に接続されている場合にも、各スイッチ194が閉成するタイミングが重ならないように順次閉成するような制御を行えばよい。この際、各スイッチ194の閉成時間を必ずしも等しくする必要はない。このようなスイッチ194としては、高周波リレーや高周波半導体スイッチを適用することができる。
【0053】
以上説明したように、一つの攪拌駆動部193に並列に接続されている複数のスイッチ194のうち、ただ一つのスイッチ194のみが閉成してON状態となるような制御を行うことにより、比較的高い周波数を有する駆動信号を伝送する高周波回路のインピーダンス整合状態が保たれ、駆動信号の伝送効率の低下を抑制することができる。
【0054】
ここで、音波発生部195によって発生した音波または超音波による攪拌動作について説明する。対応するスイッチ194が閉成して攪拌駆動部193から送出された駆動信号が印加された音波発生部195では、その駆動信号によって振動子195bが振動し、基板195aが励振される。励振された基板195aでは、表面に振動エネルギーが集中し、その表面に沿って伝搬する表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)が発生する。反応容器51は、振動子195bと音響インピーダンスの整合が取られているため、基板195aの表面を伝搬する表面弾性波は、エネルギーの損失が少ないままで反応容器51内の液体L中へ縦波として漏出する。この結果、液体攪拌時の状態を模式的に示す図8(図5のB−B線断面図に相当)に示すように、液体Lの内部では、気液界面(上方)に旋回して上昇していく流れFaと、反応容器51の底面(下方)に旋回して下降していく流れFbとが生じ、これらの流れによって液体Lが攪拌される。
【0055】
この攪拌動作は、移送部197による反応容器保持部14の回転とは独立な動作なので、例えば反応容器保持部14が回転している最中に該当する音波発生部195を駆動して攪拌を行うこともできる。したがって、従来のように所定の攪拌ポジションに静止している反応容器のみを攪拌する場合に比べて分析時間を短縮し、効率のよい分析を実現することが可能となる。
【0056】
図8に示す液体Lが検体と試薬の混合液である場合、上述した攪拌動作によって反応が促進した反応容器51内の混合液は、反応容器保持部14の回転によって測光部17を通過する際に所定の光が照射され、その混合液を通過してきた光の強度が測定される。この後、測光部17から測定結果を受信した制御分析機構21は、装置制御部22が測定対象である検体の分析情報を記憶部25から読み出し、測定結果の分析演算を行う。この分析演算では、測光部17から送られてくる測定結果に基づいて反応液の吸光度を算出し、この算出結果に加えて標準検体から得られる検量線や分析パラメータ等を用いることにより、反応液の成分の濃度を定量的に求める。得られた分析結果は、出力部24から出力される一方、記憶部25に格納して記憶される。
【0057】
ここまで、検体や試薬等の液体を反応容器51に分注した後の攪拌動作について説明してきたが、かかる攪拌動作は、測定が終了した反応容器51を洗浄部18で洗浄する際にも適用可能である。この場合、検体分注後、第1試薬分注後、および第2試薬分注後のタイミングに加えて、さらに2回の攪拌動作(洗浄部18における洗いとすすぎ)が必要となるため、一つの反応容器51を用いて行う一連の分析の過程で、その反応容器51に対して5回の攪拌動作を実施することになる。この意味では、分析装置1に少なくとも5個の独立な攪拌駆動部193が具備されていればより好ましい。
【0058】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、液体がそれぞれ収容される複数の反応容器を保持する反応容器保持部と、複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の音波発生部と、この複数の音波発生部を駆動する攪拌駆動部と、この攪拌駆動部を制御する制御手段(装置制御部および駆動制御部の少なくとも一部を含む)と、反応容器保持部および攪拌駆動部を一括して移送する移送部と、を備えることにより、分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供することができる。
【0059】
また、本実施の形態1によれば、スイッチの開閉動作と反応容器保持部の回転動作とが独立に制御されるので、一つのシーケンスの中で攪拌時間を増やしたり、攪拌するタイミングに柔軟性を持たせたりすることができる。したがって、分析装置に加わる負荷を分散して装置の耐久性や動作安定性を向上させ、効率的かつ経済的な分析を実現することが可能となる。
【0060】
さらに、本実施の形態1によれば、上記特許文献1で開示されている分析装置のように、恒温水を収容する水槽が不要なので、装置の構成も単純でメンテナンスも容易となり、装置の小型化を図る上でも好適である。
【0061】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る分析装置の攪拌機構の物理的な構成を示す図である。また、図10は、攪拌機構の機能構成を示すブロック図である。これらの図に示す攪拌機構219は、分析装置2の電源部26から交流信号として送出される電源信号と、装置制御部22から送出され、電源信号よりも顕著に高い周波数を有する制御信号とを重畳して伝送する信号伝送部291を備える。
【0062】
信号伝送部291は、略同形状をなす二つのコイル291aおよび291bから成る回転トランス291abと、コイル291aに接続され、電源部26からの電源信号と装置制御部22からの制御信号とを重畳して混合する混合回路291cと、コイル291bに接続され、コイル291bから送出される混合信号を所定の周波数帯域に応じて分離する分離回路291dと、を有する。
【0063】
コイル291aおよび291bは、円筒形状のフェライト製のコアの各々にリード線が巻回されて成る。コイル291aおよび291bの長手方向(コアのなす円筒形状の高さ方向)の中心軸は、反応容器保持部14の回転軸と一致しており、図9でコイル291bの下方に位置するコイル291aは、分析装置2の本体側に固定されている。これに対し、コイル291bは反応容器保持部14に固定され、移送部197の動作によって反応容器保持部14と連動して回転する。したがって、信号伝送部291のうち、攪拌機構219の連動部219Cに含まれるのは、コイル291bおよび分離回路291dである。
【0064】
混合回路291cは、例えばトランスを用いて実現され、装置制御部22から送出される制御信号と電源部26から送出される電源信号とを重畳してコイル291aに送出する。分離回路291dは、周波数に応じて信号を分離するブロックを有しており、分離後の高周波成分から制御信号を取り出す一方、分離後の低周波成分から電源信号を取り出す機能を備える。
【0065】
以上の構成を有する信号伝送部291に対して、装置制御部22から制御信号が送出され、電源部26から電源信号が送出されると、混合回路291cでは、受信した制御信号と電源信号とを重畳して混合信号を生成する。この生成された混合信号がコイル291aを流れると、電磁誘導(コイル291aとコイル291bとの相互誘導)により、その混合信号に対応する信号がコイル291bに発生する。この発生した信号を受信した分離回路291dでは、受信した信号を高周波成分と低周波成分とに分離する。
【0066】
分離回路291dで分離された二つの成分のうち、低周波成分は後段の電源部296に送出される。電源部296では、受信した低周波成分をAC−DC変換して直流化した後、攪拌機構219内の各部に適した電圧値に変換して出力し、電源を供給する。他方、高周波成分は駆動制御部192へ制御信号として送出され、攪拌駆動部193やスイッチ194の制御信号として攪拌動作を制御したり、移送部197の駆動すなわち反応容器保持部14の回転動作を制御したりする。このように、信号伝送部291は、電源信号伝送手段と制御信号伝送手段の機能を兼備している。
【0067】
上記以外の分析装置2の構成および作用は、分析装置1の構成および作用と同様である。このため、図9および図10では、分析装置1と同様の機能構成を有する部位に対して、図1〜図3の対応部位とそれぞれ同じ符号を付してある。
【0068】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様に、分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供することができる。
【0069】
また、本実施の形態2によれば、信号伝送部として回転トランスを適用しているため、固定部と回転部の接点がなく、分析装置の耐久性を一段と向上させることができる。加えて、配線もさらに簡約化することができる。
【0070】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係る分析装置の攪拌機構の物理的な構成を示す図である。また、図12は、攪拌機構の機能構成を示すブロック図である。これらの図に示す攪拌機構319の信号伝送部391は、2本の平行なレール部391aと、反応容器保持部34の底面に穿設され、レール部391aの各々に載置可能な二つのレール受け部391b(接触手段)と、反応容器保持部34の側面に設けられ、所定の無線方式によって送信されてくる制御信号を受信する受信部391cと、を備える。この意味で、信号伝送部391は、電源信号伝送手段と制御信号伝送手段の機能を兼備している。
【0071】
レール部391aは、この実施の形態3に係る分析装置3の本体部に固定されており、このレール部391aに常に接触するレール受け部391bと受信部391cとは、移送部197の駆動によって反応容器保持部34と連動する。したがって、信号伝送部391のうち、攪拌機構319の連動部319Cに含まれるのは、レール受け部391bおよび受信部391cである。
【0072】
分析装置3の制御分析機構231は、上記実施の形態1に係る分析装置1の制御分析機構21と同様の構成に加えて、装置制御部22からの制御信号を所定の無線方式で送信する送信部27を備える。制御分析機構231の電源部26は、図11にも示すように2本のレール部391aに接続されており、この2本のレール部391a−391a間に直流の電位差を生じさせる。この電位差は、レール受け部391bを介して電源部196へと伝送され、攪拌機構319を構成する各部に適した電圧値に変換して出力される。このため、レール部391aおよびレール受け部391bは、導電性を有する材料によって形成される。
【0073】
送信部27を介して送出された制御信号は、受信部391cの一部をなすアンテナ391dによって受信する。受信部391cでは、アンテナ391dで受信した制御信号にフィルタリングや検波、増幅等の適当な処理を施した後、駆動制御部192へ送出する。
【0074】
なお、上述した信号伝送部391、反応容器保持部34、および制御分析機構231以外の分析装置3の構成および作用は、上記実施の形態1に係る分析装置1の構成および作用と同様である。このため、図11および図12では、図1〜図3で記載した部位と対応する部位に同一の符号を付してある。
【0075】
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、上記実施の形態1と同様に、分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供することができる。
【0076】
また、本実施の形態3によれば、上述した実施の形態1および2よりも一段と構成が単純であるため、メンテナンスも容易であり、コストをさらに低く抑えることが可能となる。
【0077】
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための最良の形態として、実施の形態1〜3を詳述してきたが、本発明はそれらの実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、信号伝送部にスリップリングを適用する場合にも、上記実施の形態2と同様に制御信号と電源信号とを重畳して信号の伝送を行ってもよい。この方法によって制御信号を伝達すれば、スリップリングで使用する極数を少なくすることができるので、配線を簡約化することができる。
【0078】
また、音波発生部を用いずに攪拌手段を構成してもよい。例えば、予め反応容器内に磁性微粒子を入れておき、それぞれの反応容器の底面または側面近傍に電磁石を配置して、磁性微粒子に適当な磁場を印加することによって攪拌を行ってもよいし、それぞれの反応容器に対して電動で振動を行う振動手段を配置して、各反応容器に対して適当な振動を加えることにより、その反応容器内部の液体を攪拌してもよい。
【0079】
なお、本発明に係る分析装置は、図1に示すような構成を有するものに限られるわけではない。すなわち、上述した攪拌機構は、従来知られているさまざまなタイプの分析装置に対して適用することが可能である。
【0080】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態1に係る分析装置要部の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る分析装置が備える攪拌機構の物理的な構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る分析装置が備える攪拌機構の機能構成を示すブロック図である。
【図4】反応容器および音波発生部の構成を示す図である。
【図5】音波発生部の詳細な構成を示す図である。
【図6】一つの攪拌駆動部に対して二つのスイッチを並列に接続した場合の機能構成を示すブロック図である。
【図7】二つのスイッチを並列に接続した場合のスイッチの開閉状態を示す図である。
【図8】攪拌動作を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る分析装置が備える攪拌機構の物理的な構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る分析装置が備える攪拌機構の機能構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る分析装置が備える攪拌機構の物理的な構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る分析装置が備える攪拌機構の機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0082】
1、2、3 分析装置
11 測定機構
12 検体移送部
13 試薬容器保持部
14、34 反応容器保持部
15 検体分注部
16 試薬分注部
17 測光部
18 洗浄部
19、219、319 攪拌機構
19C、219C、319C 連動部
21、231 制御分析機構
22 装置制御部
23 入力部
24 出力部
25 記憶部
26、196、296 電源部
27 送信部
31 検体容器
32 ラック
41 試薬容器
51 反応容器
51a 側壁
51b 窓部
61 音響整合層
191、291、391 信号伝送部
191a 固定部
191b 回転部
192 駆動制御部
193 攪拌駆動部
194、194a、194b スイッチ
195 音波発生部
195a 基板
195b 振動子
195c 端子
195d 導線
197 移送部
291a、291b コイル
291ab 回転トランス
291c 混合回路
291d 分離回路
391a レール部
391b レール受け部
391c 受信部
391d アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の反応容器にそれぞれ収容される液体の成分を分析する分析装置であって、
前記複数の反応容器を保持する反応容器保持手段と、
前記複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の攪拌手段と、
前記複数の攪拌手段を駆動する攪拌駆動手段と、
前記攪拌駆動手段を制御する制御手段と、
少なくとも前記反応容器保持手段および前記攪拌駆動手段を一括して移送する移送手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
電源から送出される電源信号を常時伝送可能な電源信号伝送手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項3】
前記電源信号伝送手段の一部は、前記反応容器保持手段および前記攪拌駆動手段と連動することを特徴とする請求項2記載の分析装置。
【請求項4】
前記電源信号伝送手段は、スリップリングを含むことを特徴とする請求項3記載の分析装置。
【請求項5】
前記電源信号伝送手段は、回転トランスを含むことを特徴とする請求項3記載の分析装置。
【請求項6】
前記電源信号伝送手段は、
前記反応容器保持手段を載置し、前記電源と電気的に接続されて前記電源信号の供給を受けるレール部と、
前記レール部に接触して前記電源信号を受信するとともに、前記反応容器保持手段と連動する接触手段と、
を有することを特徴とする請求項3記載の分析装置。
【請求項7】
前記電源信号伝送手段は、前記制御手段によって送出される制御信号を前記電源信号に重畳して伝送することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項記載の分析装置。
【請求項8】
前記制御手段によって送出される制御信号を常時伝送可能な制御信号伝送手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項9】
前記制御信号伝送手段は、スリップリングを含むことを特徴とする請求項8記載の分析装置。
【請求項10】
前記制御信号伝送手段は、前記制御手段によって送出される制御信号を無線によって伝送することを特徴とする請求項8記載の分析装置。
【請求項11】
前記複数の攪拌手段と前記攪拌駆動手段との間に介在し、電気的な接続状態の切替を行う切替手段をさらに備え、
前記複数の攪拌手段は、前記切替手段を介して前記攪拌駆動手段に並列に接続されて成ることを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項12】
前記切替手段は、前記攪拌駆動手段と前記複数の攪拌手段のうちいずれか一つの攪拌手段とを電気的に接続することを特徴とする請求項11記載の分析装置。
【請求項13】
前記切替手段は、
前記攪拌駆動手段と電気的に接続する攪拌手段を周期的に変えることを特徴とする請求項11または12記載の分析装置。
【請求項14】
前記切替手段は、前記攪拌駆動手段と前記複数の攪拌手段とをそれぞれ接続する複数のスイッチを含むことを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項記載の分析装置。
【請求項15】
前記スイッチは、高周波リレーまたは高周波半導体スイッチであることを特徴とする請求項14記載の分析装置。
【請求項16】
前記攪拌駆動手段を複数備え、各攪拌駆動手段は互いに独立な駆動条件に基づいて前記複数の攪拌手段のいずれかを駆動することを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項17】
前記駆動条件は、駆動の有無、駆動周波数、駆動振幅、駆動時間、および駆動周波数または駆動振幅を変調するときの変調条件のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項16記載の分析装置。
【請求項18】
前記攪拌駆動手段の数は、前記複数の攪拌手段のうち同時に駆動する攪拌手段の数以上であることを特徴とする請求項16または17記載の分析装置。
【請求項19】
前記攪拌駆動手段は、前記移送手段が前記反応容器保持手段を移送する際に前記複数の攪拌手段のうち少なくとも一つの攪拌手段を駆動することを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項20】
前記攪拌手段は、音波または超音波を発生する音波発生手段を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項記載の分析装置。
【請求項21】
前記音波発生手段は、前記反応容器と一体に形成されたことを特徴とする請求項20記載の分析装置。
【請求項22】
前記音波発生手段は、一対以上の櫛形電極を有することを特徴とする請求項20または21記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−33414(P2007−33414A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221560(P2005−221560)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】