説明

分離可能な接合領域を有するガルバニセル

本発明に係るガルバニセル(1)は、ほぼ角柱形の電極積重物(6)と電解質とハウジングとを備える。ハウジングは、電極積重物を少なくとも部分的に取り囲むよう意図されている。電極積重物は多層で形成されており、少なくとも1つのアノード層(2)とカソード層(3)とセパレータ層(4)とを備える。セパレータ層(4)は、少なくとも部分的にアノード層(2)とカソード層(3)との間に設けられている。セパレータ層(4)は、電解質を少なくとも部分的に受容する。少なくとも1つのアノード層(2)と、少なくとも1つのカソード層(3)と、少なくとも1つのセパレータ層(4)とは、特に少なくとも1つの分離可能な接合装置によって、少なくとも1つの接合領域において分離可能に互いに接合されているよう、意図されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きに記載のガルバニセルに関する。本発明は、自動車に電気供給するためのリチウムイオンバッテリーと関連して記述される。本発明は、ガルバニセルの化学的性質や構造あるいは電気供給される駆動装置の種類に関係なく使用され得ることが指摘される。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、たとえば機械的な損傷の場合あるいは温度が高すぎる場合、貯蔵されたエネルギーがひょっとすると制御されずに放出されるガルバニセルが知られている。それによって周囲が危険に晒されかねない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、ガルバニセルをより安全に構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を有するガルバニセルによって解決される。好ましくかつ有利なさらなる形態は、従属請求項の対象である。本発明に係るガルバニセルの好ましい使用は、並立する請求項の対象である。
【0005】
本発明に係るガルバニセルは、ほぼ角柱形の電極積重物と電解質とハウジングとを備える。ハウジングは、電極積重物を少なくとも部分的に取り囲むよう意図されている。電極積重物は多層で形成されており、少なくとも1つのアノード層とカソード層とセパレータ層とを備える。
【0006】
少なくとも1つのセパレータ層は、少なくとも部分的にアノード層とカソード層との間に設けられている。少なくとも1つのセパレータ層は、電解質を少なくとも部分的に受容する。少なくとも1つのアノード層と、少なくとも1つのカソード層と、少なくとも1つのセパレータ層とは、特に少なくとも1つの分離可能な接合装置によって、少なくとも1つの接合領域において分離可能に互いに接合されているよう、意図されている。
【0007】
本発明の主旨においては、ガルバニセルとは、化学エネルギーを貯蔵しかつ電気エネルギーを放出するためにも用いられる装置と理解され得る。そのために本発明に係るガルバニセルは、電極積重物と電解質も有する。ガルバニセルは、充電時に電気エネルギーを受容するよう構成されていてもよい。二次セルあるいは蓄電池とも言う。
【0008】
本発明の主旨においては、電極積重物とは、ガルバニセルの構成要素群として、化学エネルギーを貯蔵しかつ電気エネルギーを放出するためにも用いられる装置と理解され得る。電気エネルギーを放出する前に、貯蔵された化学エネルギーが電気エネルギーに変換される。充電中には、電極積重物もしくはガルバニセルに供給された電気エネルギーは化学エネルギーに変換され、貯蔵される。そのために電極積重物は、複数の層すなわち、少なくとも1つのアノード層とカソード層とセパレータ層とを備える。層は互いに重ね合わされもしくは積重されており、セパレータ層は少なくとも部分的にアノード層とカソード層との間に設けられている。好適には、電極積重物内で層のこのような連続が何重にも繰り返される。好ましくはいくつかの電極は、互いに、特に電気的に接合されており、特に並列に接続されている。好適には、層は、電極巻回体として巻回されている。以下においては、「電極積重物」という用語は、電極巻回体にも用いられる。
【0009】
本発明の主旨においては、アノード層もしくはアノードとは、充電時に電子および/あるいは正に(positiv)荷電されたイオンを受容し、特に格子間位置に蓄積させる装置と理解され得る。好適には、アノードは薄壁状に形成されており、特に好ましくは、アノードの厚さはその外周の5%よりも小さい。好適にはアノードは、金属箔あるいは金属製の網構造を備える。好適にはアノードは、ほぼ長方形に形成されている。
【0010】
本発明の主旨においては、カソード層もしくはカソードとは、放電時もしくは電気エネルギーの放出中に、電子および/あるいは正に荷電されたイオンも受容する装置と理解され得る。好適には、カソードは薄壁状に形成されており、特に好ましくは、カソードの厚さはその外周の5%よりも小さい。好適にはカソードは、金属箔あるいは金属製の網構造を備える。好適にはカソードの形態は、電極積重物のアノードの形態にほぼ相当する。カソードは、アノードもしくは電解質との電気化学的相互作用のためにも備わっている。
【0011】
本発明の主旨においては、セパレータ層もしくはセパレータとは、アノードをカソードから隔離し間隔を空ける、電気的に絶縁する装置とも理解され得る。好適にはセパレータ層は、アノード層および/あるいはカソード層に塗布されている。セパレータ層もしくはセパレータは電解質も少なくとも部分的に受容し、電解質は好適にはリチウムイオンを含む。電解質は、電極積重物の隣り合う層とも電気化学的に作用結合されている。好適にはセパレータの形態は、電極積重物のアノードの形態にほぼ相当する。好適には、セパレータ層もしくはセパレータは、少なくとも領域的に、少なくとも1つの特に隣り合う電極の境界縁部にわたって延伸している。特に好ましくは、セパレータ層もしくはセパレータは、特に隣り合う電極の境界縁部全体を超えて延伸している。
【0012】
本発明の主旨においては、ハウジングとは、電極積重物も周囲から隔離する装置と理解され得る。そのためにハウジングもしくはケーシングは、電極積重物をほぼ完全に内壁で取り囲んでいる。特に上位にあるバッテリーの異なった電極積重物もしくはガルバニセルが、個別に包まれもしくは封止をされていることは、これと矛盾しない。好ましくは、ハウジングは電極積重物と少なくとも領域的に材料接続的に接合されている。好ましくは、ハウジングは接合箔として形成されている。好ましくは、ハウジングは少なくとも2つの筐体から形成されており、当該筐体は、電極積重物の周りで互いに特に材料接続的に接合されている。少なくとも2つの筐体は、幾何学的に互いに適合されている。好ましくは少なくとも2つの筐体のうち少なくとも1つは、少なくとも1つの導電性物質特に金属を備える。
【0013】
本発明の主旨においては、接合領域とは、電極積重物の1つの層が、少なくとも1つのさらなる層、特に隣り合う層と分離可能に接合されている領域と理解され得る。好ましくは複数の接合領域が、少なくとも部分的に一致する。好適には、接合領域内の隣り合う層は、特に材料接続的におよび/あるいは力接続的に互いに分離可能に接合されている。好適には、分離可能な接合領域は、端部領域においておよび/あるいは電極積重物の1つの層の境界縁部に沿って設けられている。好適には、電極積重物の隣り合う層は、複数の接合領域を備える。
【0014】
本発明の主旨においては、接合装置とは、電極積重物の少なくとも2つの隣り合う層を、接合領域において互いに分離可能に接合するよう意図されている装置と理解され得る。好適には、異なった分離可能な接合領域には、それぞれ1つの接合装置が配設されている。好適には、電極積重物の隣り合う2つの層の、分離可能な複数の接合領域に、1つの共通の分離可能な接合装置が配設されている。好適には、接合装置は、以下の装置群、すなわち特に保持装置、クリップ、留め糸、接着剤の箇所、接着筋、クランプ装置、クランプ、紐、布地からできた環状のベルトを備える装置群から取り出される。
【0015】
ガルバニセルの電極積重物の領域の温度上昇とともに、当該領域では電解質の活性も上昇する。それで電極積重物のこの領域は、上昇した電流を放出あるいは受容することができる。温度とともに、当該導電体の抵抗も上昇するので、なおさら、上昇したこの電流は熱出力の上昇を引き起こす。それでガルバニセルの当該領域の温度上昇が強められる。この相互作用は、ガルバニセルの発火をもたらしかねない。
【0016】
これに対して本発明に係るガルバニセルは、少なくとも1つの分離可能な接合領域もしくは分離可能な接合装置が利かなくなることによって優れている。本発明に従えば、電極積重物の隣り合う層は、少なくとも領域的に互いに離れる。互いに離れたこれらの領域の電気化学的相互作用は、減少するかもしくは停止される。さらなる温度上昇あるいは貯蔵されたエネルギーの制御されない放出が、有利に阻止される。それで基となる課題が解決される。
【0017】
以下に、本発明の好ましいさらなる形態が記述される。
【0018】
有利には、ハウジングは大部分が電極積重物に当接する。好適にはハウジングは、電極積重物を少なくとも部分的に、形状接続的に取り囲み、電極積重物を支持し、かつその個々の層を1つにまとめる。好適にはハウジングは予応力がかけられ、電極積重物の層を互いに押し付け合う。その際ハウジングは特に、分離可能な接合装置として作用する。好適にはハウジングは、所定の条件で利かなくなる、特に軟化する、破断するおよび/あるいは透過させるようになる材質から形成されている。好適にはハウジングは、少なくとも1つの接合部を備え、当該接合部は、所定の条件で、特にある温度および/あるいは圧力を超えた場合に、少なくとも部分的に利かなくなる。材質が軟化した後もしくはハウジングあるいは接合部が少なくとも部分的に破壊された後、電極積重物に対する、ハウジングの押し付ける作用が減少する。それで、少なくとも部分的に分離可能な接合領域が分離し、特に、電極積重物内部の電気化学的相互作用が減少する。好適には、少なくとも1つの薄部を有するハウジングが形成され、当該薄部は、所定の条件で、特にある温度および/あるいは圧力を超えた場合にだめになる。封着領域において、ハウジングは電極積重物と領域的に、特に材料接続的に接合されている。好適には封着領域は、ガルバニセルの駆動からの要求、特に生じる剪断応力に適合されている。好適には封着領域は部分的に薄くなっており、設定破断箇所を備える。好適には電解質に添加物が加えられており、当該添加物は、ハウジングおよび/あるいは封着領域を所定の条件で軟化させ、もしくは密度を減少させる。好適には、電解質もしくは添加物は、所与の温度より上で反応成分特にハフニウムを放出する。反応成分は特に、化学作用によってハウジングを少なくとも部分的に破壊するよう意図されている。好適には反応成分は、ハウジングに穴を開け、軟化させ、および/あるいは透過させる。好適には少なくとも1つの開放装置は、熱で変形可能な材料もしくは複合材料から成るインサートとして形成されている。複合材料は、好適には、異なる熱膨張の領域を備える。それで、複合材料から成るインサートは、温度変化に依存してその形態を変化させる。インサートの形態に依存して、当該インサートは、好適にはハウジングに対して力を及ぼし、当該力は、特にハウジングを少なくとも部分的に破壊する。このインサートは好ましくは、角の尖ったあるいは鋭い要素を備えており、当該要素は、所与の温度より上でハウジングを破壊あるいはハウジングに穴を開ける。好適にはこのインサートは、反応成分との化学反応の結果、特にガスが存在する際に溶解あるいは湾曲し、その結果開口部を作る材料から製造されている。
【0019】
有利には、少なくとも1つの分離可能な接合領域もしくは少なくとも1つの分離可能な接合装置は、所定の条件で、特に所定の圧力および/あるいは所定の温度を超えた場合に、利かなくなる。好ましくは、材料接続的および/あるいは形状接続的な接合は、関係する少なくとも1つの層の軟化および/あるいは変形によって利かなくなる。好ましくは、保持装置あるいはクランプ装置は、所定の条件で、特に所与の温度より上で軟化しおよび/あるいは利かなくなる材質を備える。好適には、クランプ装置は、所与の条件で、特に所与の温度より上で特にその強固さを失う材質を有する部材を備える。好適には、クランプ装置は、ばね負荷がかけられている。
【0020】
有利には、分離可能な接合装置は、ハウジングに配設されている。好適には、少なくとも1つの分離可能な接合装置は、ハウジングと接合されている。好適には、少なくとも1つの分離可能な接合装置は、ハウジングとジョイント式に接合されている。好適には、少なくとも1つの分離可能な接合装置は、ばね負荷がかけられている。好適には、少なくとも1つの分離可能な接合装置には、開放装置が配設されている。それで電極積重物は、特に、ハウジング内での望ましくない移動から保護される。
【0021】
有利には、少なくとも1つの分離可能な接合装置は、少なくとも1つの端子接触部を備え、当該端子接触部は、特に、電極積重物を電気的に接触させるために用いられる。有利には、少なくとも1つの分離可能な接合装置は、電気的に互いに絶縁されている少なくとも2つの領域を備え、当該領域は、異なる極性の電極と作用結合されている。好適には、分離可能な接合装置のこれらの領域の各々が、電極積重物を電気的に接触させるための、固有の端子接触部を備える。分離可能な接合装置が開放されている場合、本発明に従えば、特に電極積重物の接触は少なくとも部分的に遮断される。好適には、分離可能な接合装置が開放された後、少なくとも1つの接合領域が分離し、付属する層が少なくとも部分的に互いに離れる。好適には、少なくとも1つの端子接触部が、ハウジングの内壁を通って通されており、ハウジングの外部で少なくとも電気的に接触されている。好適には、分離可能な接合装置は、少なくとも1つのフレーム要素を備える。好適には、少なくとも1つのこのフレーム要素は、ハウジングと接合されている。好適にはフレーム要素は、ハウジングの内壁の一部を構成する。
【0022】
有利には、ハウジングには、少なくとも1つの開放装置が配設されている。当該開放装置は、所定の条件で、特に所与の温度および/あるいは所与の圧力より上でハウジングを開放するよう意図されている。本発明に従えば、ハウジングもしくはハウジングの接合部の開放は、特に、少なくとも1つの接合領域の分離をもたらす。電極積重物の付属する層が、少なくとも領域的に互いに離れ、それらの電気化学的相互作用は少なくとも減少する。開放装置は好ましくは、外部操作なしにハウジングを開放するように形成されている。好適には、少なくとも1つの開放装置は、ハウジングの一部である。好適には、少なくとも1つの開放装置は、鋭いおよび/あるいは角の尖った幾何学形状を備える。好適には開放装置は、所定の変形時にハウジングの内壁を突き破るもしくは開放するよう、設けられている。好適には、少なくとも1つの開放装置は、刃あるいは針として、特に中空針として形成されている。好適には、流体が中空針を通って、そのために備えられた、ハウジング内の空間もしくは場所に誘導される。好適には、少なくとも1つの開放装置は、圧力安全弁として形成されている。好適には、少なくとも1つの開放装置にはアクチュエータが配設されており、当該アクチュエータは、機械装置、バッテリーマネジメントシステムおよび/あるいは制御装置によって操作される。好適にはアクチュエータは、開放装置の一部である。好適にはアクチュエータは、電気パルス、機械エネルギー、電気エネルギーおよび/あるいはその他のエネルギーによって駆動されている。好適には、少なくとも1つの開放装置は、特にハウジングの表面の温度が60度を超えるとすぐに、ハウジングを開放する。好適には開放装置は、ハウジングの開放後に抜け出た物質が、車両の冷却設備および/あるいはそのために備えられた空間、特に凝縮カートリッジに供給されるよう、設けられている。好適には凝縮カートリッジは、メンテナンス作業の枠内で交換可能である。好適には、ハウジングは複数の開放装置を備え、当該開放装置は、異なる条件でハウジングを開放する。それで、圧力および/あるいは温度の上昇とともに、さらなる開放装置が、ハウジングの付加的な開放をもたらす。好適には、ハウジングは設定破断箇所が備えられており、当該設定破断箇所は、特に封着領域に設けられている。好適には、ハウジングもしくは封着領域は、設定破断箇所において薄くなっている。好適には、決められた破断負荷を調整するための封着領域は、特に当該領域が作られた後に、電磁気の放射によって処理され、熱的および/あるいは機械的に弱められている。好適には、少なくとも1つのさらなる材料が、封着領域が作られる前に、ハウジングと電極積重物との間に挿入され、あるいは作られた封着領域に外側で固定される。
【0023】
さらなるこれらの材料は、所定の条件で、化学物質によって特にハウジングの内部から弱められ、および/あるいは当該ハウジングの幾何学形状を変化させるよう、意図されている。この化学物質は好ましくは、電極積重物に添加されている。好適には化学物質は、所定の条件で、ハウジングの内室もしくはその内壁に注射針で供給される。この化学物質は、ハウジングの材料を弱めるよう意図されている。好適には、開放装置は車両のエアコンと接合されており、ハウジングから抜け出た物質は、冷却設備特にエアコンの冷却剤に受容される。好適には、ハウジングから抜け出た物質は、1つの空間に導かれる。好適には、ハウジングから抜け出た物質は、その空間で冷却されもしくは凝縮される。好適には冷却は、熱管を使って行われる。好適には、ハウジングから抜け出た物質を受容するための空間は、凝縮カートリッジとして形成されている。好適には凝縮カートリッジは、メンテナンス作業の枠内で交換される。好適には、複数の開放装置が、共通の凝縮カートリッジに接合されている。好適には開放装置は、回転留め具あるいはネジ留め具として形成されている。好適には開放装置は、詰め物が規定の力で接続用部材から押圧され、当該接続用部材はハウジングの一部であるように形成されている。好適には開放装置は、ハウジングの脆弱部として形成されており、当該脆弱部は、線状の薄部もしくは刻み目を備える。好適には薄部はハウジング特に封着領域に型押しされている。好適には開放装置は、ばね負荷がかけられたレバー(Hebel)を備える。
【0024】
有利には、少なくとも1つの分離可能な接合領域は、電極積重物の少なくとも1つの境界縁部に沿って長く延びて形成されている。好適には少なくとも1つの分離可能な接合領域は、電極積重物の1つの境界縁部に沿って長く延びて形成されている。好適には、電極積重物は、ほぼ直方体状に形成されており、かつ、互いにほぼ平行に延在し、直方体の残りの境界縁部よりも長い4つの縁部を備える。好適には、少なくとも1つの接合領域は、少なくとも1つのそのようなより長い境界縁部に沿って延在する。好適には、少なくとも1つの分離可能な接合装置は、当該接合装置が少なくとも1つの長めの接合領域を作り出しかつそれをほぼ覆うように、電極積重物に対して設けられている。好適にはガルバニセルは、少なくとも2つの分離可能な接合装置を備え、当該接合装置は、電極積重物の、向かい合う2つの境界縁部に沿って設けられている。電極積重物は、少なくとも2つの分離可能な2つの長めの接合領域を備える。好適には少なくとも1つの分離可能な接合装置は、ガルバニセルのハウジングと接合されている。好適には、少なくとも1つの分離可能な接合装置は、所与の条件で電極積重物を解放し、もしくは少なくとも1つの接合領域の分離を可能にする。
【0025】
有利には、ガルバニセルには、特にガルバニセルの温度および/あるいは圧力を検出するために、少なくとも1つの測定装置が配設されている。測定装置は、ガルバニセルに付属していない制御装置によって処理されるよう決められている信号を、少なくとも一時的に利用することができる。好適にはガルバニセルは、少なくとも1つの冷却装置を備え、当該冷却装置は、所定の条件で、ガルバニセルに熱エネルギーを供給するか、あるいは取り去る。好適には少なくとも1つの冷却装置は、切り換え可能である。好適には、少なくとも1つの冷却装置の切り換えプロセスのために、少なくとも1つの測定装置の信号が、考慮される。
【0026】
有利には、ガルバニセルは、分離可能な接合領域もしくは分離可能な接合装置を分離するための少なくとも1つの手段を備える。好適にはそのような手段は、所定の条件で、特に、所与の温度および/あるいは所与の圧力を超えた場合に操作される。その際手段は、以下の手段群、すなわち特にレバー、楔、ネジ、規定の破断負荷もしくは軟化のための規定の条件を有する成形品を備える手段群から取り出される。
【0027】
好適にはこれらの手段もしくは成形品は、所与の条件で、少なくとも1つの分離可能な接合領域が分離されるよう、分離可能な接合領域もしくは分離可能な接合装置と作用結合されている。
【0028】
本発明に従えば好適には、材質を透過させる担体、好適には部分的に材質を透過させる、すなわち、少なくとも1つの材料に対してほぼ透過性があるが、少なくとも1つの別の材料に対してはほぼ透過性がないような担体から成るセパレータが用いられる。担体は少なくとも1つの側が、無機質の材料でコーティングされている。材質を透過させる担体として好適には、好適には不織のフリースとして構成されている有機質の材料が用いられる。有機質の材料、好適にはポリマーと特に好ましくはポリエチレン・テレフタレート(PET)は、好適には−40度から200度の温度範囲でイオンを伝導する、無機質の、イオン伝導性のある材料でコーティングされている。無機質の、イオン伝導性のある材料は、好ましくは、ジルコニウム、アルミニウム、リチウムの少なくとも1つの元素を有する、酸化物、リン酸塩、硫酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩のグループの少なくとも1つの化合物、特に好ましくは酸化ジルコンを含む。好ましくは、無機質の、イオン伝導性のある材料は、最大直径が100nmより小さい粒子を備える。そのようなセパレータは、たとえばエボニック株式会社(Evonik AG)の「セパリオン(Separion)」(登録商標)の商品名でドイツにおいて販売されている。
【0029】
有利には、電極とセパレータとが、少なくとも1つの分離可能な接合領域において分離可能に互いに接合されているガルバニセルは、所定の条件を超えた場合、特に温度および/あるいは圧力を超えた場合に、少なくとも1つの分離可能な接合領域が分離されるよう、駆動される。好適には、少なくとも1つの分離可能な接合領域を分離するための手段が使われる。少なくとも1つの接合領域の分離後、電極積重物の少なくとも2つの層は、少なくとも部分的に互いに離れる。それで、これらの2つの層の間の電気化学的相互作用は減少する。接合装置の分離後、電極積重物の少なくとも2つの層は、少なくとも部分的に互いに離れ、および/あるいは電極積重物の接触が遮断される。
【0030】
有利には、ハウジングと少なくとも1つの開放装置とを有するガルバニセルは、少なくとも1つの開放装置が、所定の条件で、特に所定の圧力および/あるいは所定の温度を超えた場合に、ハウジングを開放するよう、駆動される。好適にはその際、少なくとも1つの開放装置を操作するための手段が用いられる。
【0031】
有利には、本発明に係るガルバニセルは、電気駆動装置あるいはハイブリッド駆動装置を有する自動車の駆動装置に電気供給するために用いられる。
【0032】
本願発明のさらなる利点と特徴と適用の可能性とは、図との関連で、以下の例示された記述からもたらされる。図に示されるのは以下である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るガルバニセルの電極積重物である。
【図2】分離可能な接合領域と封着領域とを有する、本発明に係るガルバニセルである。
【図3】分離可能な1つの接合領域を有する、本発明に係るガルバニセルのさらなる実施形態の電極積重物である。
【図4】分離可能な複数の接合領域を有する、本発明に係るガルバニセルのさらなる実施形態の電極積重物である。
【図5】分離可能な2つの接合装置を有する、本発明に係るガルバニセルのさらなる実施形態の電極積重物である。
【図6】分離可能な異なる接合装置を有する、本発明に係るガルバニセルのさらなる実施形態の電極積重物である。
【図7】端子接触部を有する分離可能な1つの接合装置を有する、本発明に係るガルバニセルのさらなる実施形態の電極積重物である。
【図8】分離可能な2つの接合装置とフレーム要素とを有する、本発明に係るガルバニセルのさらなる実施形態の電極積重物である。
【図9】本発明に係るガルバニセルのさらなる実施形態である。
【図10】本発明に係るガルバニセルのインサートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下においては、同一あるいは同一作用の成分もしくは要素は統一して同じ符号を付けられている。
【0035】
図1は、複数のアノード層2と複数のカソード層3と複数のセパレータ層4とを有する、展開された電極積重物6を示している。
【0036】
セパレータ層4は、電極層2,3の周囲からはみ出すよう、定められている。このセパレータ層4は、イオン液で湿らされている。表されていないが、同じ極性の電極層が、導電的に互いに接合されている。
【0037】
図2は、ハウジング5内の電極積重物を有する、本発明に係るガルバニセル1を示している。電極積重物は、アノード2とカソード3とセパレータ4とを備える。異なる層が、接合領域7,7a(破線)で接合されている。ハウジング5は、封着領域8で電極積重物と材料接続的に接合されている。ハウジング5は接合部51を備え、当該接合部は、所定の条件で利かなくなるよう形成されている。封着領域8が作られる前に、ハウジング5内部で低圧が作られる。それで、ハウジング5は、電極積重物と密接に当接し、これらを押し付け合う。接合部51が利かなくなることで、電極積重物に対する、ハウジング5の押し付ける作用が減少する。続いて、接合領域7aが分離し、電極積重物の付属の層が、少なくとも部分的に互いに離れる。それでそれらの電気化学的相互作用が、少なくとも部分的に遮断される。
【0038】
図3は、2つの電極層2,3と、1つのセパレータ層4とを有する電極積重物6を示している。これらの層は、分離可能な接合領域7と接合されている。接合領域7は、環状の布地ベルト9によって作られ、当該布地ベルト9は、所与の温度より上で軟化し、特に目立って伸びる。続いて、接合領域7が分離し、電極積重物の付属の層が、少なくとも部分的に互いに離れる。それでそれらの電気化学的相互作用が、少なくとも部分的に遮断される。
【0039】
図4は、2つの電極層2,3と、1つのセパレータ層4とを有する電極積重物6を示している。これらの層は、分離可能な接合領域7,7aで、クランプレール9a、9bによって接合されている。クランプレール9a、9bはばね負荷がかけられているが、ばねは表されていない。ばねは、そのばね定数が温度上昇とともに次々に低下するよう、形成されている。それで、温度上昇とともにクランプレール9a、9bはますます柔軟になり、接合領域7,7aはより一層分離し、電極積重物の付属の層は少なくとも領域的に互いに離れる。層の電気化学的相互作用は、減少もしくは遮断される。
【0040】
図5は、電極積重物6の側面図を示している。アノード2とカソード3とは、電極2,3の面を超えて延伸するセパレータ4を取り囲んでいる。複数の接合領域(印は付けられず)において、レールは、接合装置9,9a、10によって接合されている。さらに、電極積重物6には、熱を排出するための冷却装置11が配設されており、当該冷却装置は、電極積重物6に熱伝導的に接触している。冷却装置は、領域的に、表面を大きくするための幾何学形状を備えてよい。温度の増加とともにクランプ装置9,9aは軟化し、それによって接合領域が分離する。導電性のない保持装置10は、末端部で脆弱部を有して形成されている。電解質には、添加物が加えられている。所与の温度より上で、添加物は、保持装置10の材質に損傷作用を及ぼす。保持装置の脆弱部は、好ましくはだめになり、付属の接合領域を分離させる。選択的には、クランプ装置9,9aは、異なる熱膨張係数の領域を備える複合材料、たとえばバイメタルから形成されている。
【0041】
図6は、2つの電極層2,3と1つのセパレータ層4とを有する電極積重物6を示している。これらの層は、分離可能な接合領域7,7a、7b、7cにおいて互いに接合されている。分離可能な領域7,7aは、所与の温度より上で利かなくなる接着剤によって形成されている。導電性のない接合リベット10は、所与の温度より上で利かなくなる。同様に導電性のないクリップ11は、所与の温度より上で放出される、電解質の添加物の損傷作用の結果、利かなくなる。留め糸は、特に、熱作用の結果脆くなるかもしくは裂ける。表されていない活性剤は、電極積重物に対して力を及ぼし、その結果紐あるいは留め糸が破れる。
【0042】
図7と図8は、電極積重物がハウジング5によって取り囲まれているガルバニセル1を示している。電極積重物の層2,4は、接合領域7において分離可能に接合されている。クランプ装置9,9aは、電極積重物の層を接合する。クランプ装置9,9aの脚部は互いに電気的に絶縁されており、それぞれ1つの端子接触部12,12aを備える。クランプ装置9,9aの脚部は、電極積重物に接触している。端子接触部12,12aは、ハウジング5から突出している。端子接触部12,12aには、それぞれ1つのパッキングが備わっている。表されていない、クランプ装置9のばねは、そのばね定数が温度上昇とともにより一層軟化するよう、形成されている。それで、クランプ装置9,9aが電極積重物に及ぼす力は、温度上昇とともに低下する。代わりとして、電解質の添加物によって、所定の温度より上でより一層弱まる材質から、ばねが形成されている。クランプ装置9,9aが開放された後もしくは利かなくなった後、電極積重物の接触が遮断される。表されていないが、分離のためのクランプ装置は特にレバーを備える。このレバーは、特に活性剤によって操作される。表されていないが、クランプ装置は、特に、ばね負荷がかけられたトグルレバーによって閉鎖されている。ばね負荷がかけられたトグルレバーは、特に所与の温度および/あるいは所与の圧力より上で開放するよう意図されている。
【0043】
図8は、ばね負荷がかけられた複数のクランプ装置9,9aを有するガルバニセルを示している。これらのクランプ装置は、フレーム要素13と、特に材料接続的に接合されている。表されていないが、クランプ装置9,9aは回転運動可能にフレーム要素13に接合されており、閉鎖ばねがフレーム要素13で支えられている。フレーム要素13はハウジング5の一部であり、当該ハウジングと特に材料接続的に接合されている。ばね負荷がかけられたクランプ装置は、特に熱によって引き起こされる厚さの変化を補償する。特に活性剤によって電極積重物に及ぼされる力は、クランプ装置からの積重物の移動をもたらす。それによって、特に電極積重物の接触が遮断される。
【0044】
図9は、アノード2とカソード3とハウジング5と封着領域8とを有する、本発明に係るガルバニセル1を示している。封着領域8は、薄部14として形成されている領域を備える。所与の圧力で薄部14はだめになり、特に、ハウジング5内にある過剰圧力が取り除かれる。さらに、異なる開放装置15,15a、15bを有するガルバニセル1が構成されており、当該開放装置は、所定の条件でハウジング5を開放するよう意図されている。圧力安全弁15aは、開放後、セルの内圧と周囲との間の圧力差を取り除くことができる。好適にはハウジング5は、異なる圧力差で開放される複数の安全弁15aを備える。刃部15は、ハウジングに対してある程度の間隔で設けられている。ハウジング5が膨らむと、ハウジング5の領域が刃部15に達する。この刃部は、ハウジングを開放する。好ましくは、複数の刃部15が異なる位置におよび/あるいはハウジング5から様々な間隔で、設けられている。開放装置15は、尖ったものとして形成されていてもよい。針15bは、ハウジングに対してある間隔で設けられている。膨れたハウジング5は、針15bと接触し、当該針がハウジング5を開放する。針15bは、チューブ片で取り囲まれており、当該チューブ片は発生したガスを凝縮カートリッジに導く。そこに電解質が集められ、場合によっては液化される。凝縮カートリッジは、メンテナンス作業の枠内で交換され得る。好ましくは複数のチューブ片もしくは開放装置が、同一の凝縮カートリッジと接合されている。表されていないが、ハウジングは電極積重物のほかにインサートも受容する。インサートは、少なくとも一時的に、ハウジングに対して力を及ぼすよう意図されている。所定の条件では、インサートによってハウジングに及ぼされた力は、ハウジングが利かなくなるほど大きくなる。それによって、少なくとも1つの接合領域が分離し、電極積重物の付属する層が少なくとも領域的に互いに離れる。
【0045】
図10は、インサート16として形成されている開放装置を示している。インサート15は、異なる熱膨張係数を有する領域16a、16bを備える複合材料から作られている。さらに、インサート16はトゲ17を備える。温度に依存して、インサート16c、16dはその幾何学形状を変化させ、表されていないハウジングに特に力を及ぼす。本発明に従えば、ハウジングは、特に目打ち箇所、脆弱部もしくは接合部で利かなくなり、および/あるいはトゲに突き破られる。
【0046】
電極積重物の電気的内部接触を遮断するための、上述の可能性は、好ましくは手動あるいは自動のバッテリー緊急スイッチと組み合わせられ得る。
【0047】
電極積重物をフレームに保持するためかつクランプするための、上述の可能性は、本発明の主旨において、互いに組み合わせられ得る。電極積重物をフレームに、本発明に従ってクランプおよび/あるいは保持することは、同時に保持および/あるいはクランプされる複数の電極積重物にも適用されてよい。同様に、個々のセパレータ、電極あるいはそれらの導体のみがクランプおよび/あるいは保持されてもよい。
【0048】
上で説明された実施形態のヴァリエーションで、本発明は、巻回型セルでも実施され得る。
【符号の説明】
【0049】
1 ガルバニセル
2 アノード
3 カソード
4 セパレータ
5 ハウジング
6 電極積重物
7 接合領域
7a 接合領域
7b 接合領域
7c 接合領域
8 封着領域
9 布地ベルト/クランプ装置
9a クランプレール/接合装置/クランプ装置
9b クランプレール/接合装置
10 接合装置/保持装置/接合リベット
11 冷却装置/クリップ
12 端子接続部
12a 端子接続部
13 フレーム要素
14 薄部
15 開放装置/刃部
15a 開放装置/圧力安全弁
15b 開放装置/針
16 インサート
16a 異なる熱膨張係数を有する領域
16b 異なる熱膨張係数を有する領域
16c インサート
16d インサート
17 トゲ
51 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ角柱形の電極積重物(6)と電解質と、前記電極積重物(6)を少なくとも部分的に取り囲むよう意図されているハウジング(5)とを有するガルバニセル(1)であって、
前記電極積重物(6)は多層で形成されており、かつ少なくとも1つのアノード層(2)とカソード層(3)とセパレータ層(4)とを備え、少なくとも1つの前記セパレータ層(4)は、少なくとも部分的にアノード層(2)とカソード層(3)との間に設けられており、少なくとも1つの前記セパレータ層(4)は、前記電解質を少なくとも部分的に受容し
少なくとも1つの前記アノード層(2)と、少なくとも1つの前記カソード層(3)と、少なくとも1つの前記セパレータ層(4)とは、特に少なくとも1つの分離可能な接合装置(9,9a、9b)によって、少なくとも1つの接合領域(7,7a)において分離可能に互いに接合されているよう、意図されていることを特徴とするガルバニセル(1)。
【請求項2】
前記ハウジング(5)は、少なくとも領域的に前記電極積重物(6)に当接し、かつ、
前記ハウジング(5)は、特に封着領域(8)において特に材料接続的に前記電極積重物(6)と接合されており、および/あるいは、
前記ハウジング(5)は、少なくとも1つの薄部(14)を備えることを特徴とする請求項1に記載のガルバニセル(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの分離可能な前記接合領域(7,7a)もしくは少なくとも1つの分離可能な前記接合装置(9,9a、9b)が、所定の条件で分離するよう意図されていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のガルバニセル(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの分離可能な前記接合装置(9,9a、9b)が、前記ハウジング(5)に配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガルバニセル(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの分離可能な前記接合装置(9,9a、9b)が、少なくとも1つの端子接触部(12,12a)および/あるいはフレーム要素(13)を備え、該フレーム要素(13)は、前記電極積重物(6)を少なくとも部分的に取り囲むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガルバニセル(1)。
【請求項6】
所定の条件で前記ハウジング(5)を開放するよう意図されている、少なくとも1つの開放装置(15,15a、15b)が、前記ハウジング(5)に配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のガルバニセル(1)。
【請求項7】
前記電極積重物(6)は、少なくとも1つの境界縁部を備え、かつ、前記電極積重物(6)は、特に分離可能な接合装置(9,9a、9b)によって、少なくとも部分的に前記境界縁部に沿って分離可能に接合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のガルバニセル(1)。
【請求項8】
前記ガルバニセル(1)には、少なくとも1つの測定装置(16)および/あるいは少なくとも1つの冷却装置(11)が配設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のガルバニセル(1)。
【請求項9】
前記セパレータ層(4)が、導電性のない繊維から成るフリースによって形成されており、該フリースは少なくとも1つの側が、無機質の材料でコーティングされていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のガルバニセル(1)。
【請求項10】
前記ガルバニセル(1)は、分離可能な接合領域(7,7a)もしくは分離可能な接合装置(9,9a、9b)を分離するための少なくとも1つの手段(16)を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のガルバニセル(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの前記セパレータが、材質を透過させる担体、好適には部分的に材質を透過させる、すなわち、少なくとも1つの材料に対してほぼ透過性があるが、少なくとも1つの別の材料に対してはほぼ透過性がないような担体から成り、
該担体は少なくとも1つの側が、無機質の材料でコーティングされており、
材質を透過させる担体として好適には、好適には不織のフリースとして構成されている有機質の材料が用いられ、
該有機質の材料は、好適にはポリマーと特に好ましくはポリエチレン・テレフタレート(PET)を備え、
前記有機質の材料は、好適には−40度〜200度の温度範囲でイオンを伝導する、無機質の、イオン伝導性のある材料でコーティングされており、
前記無機質の、イオン伝導性のある材料は、好ましくは、ジルコニウム、アルミニウム、リチウムの少なくとも1つの元素の、酸化物、リン酸塩、硫酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩のグループの少なくとも1つの化合物、特に好ましくは酸化ジルコンであり、
前記無機質の、イオン伝導性のある材料は、好ましくは、最大直径が100nmより小さい粒子を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のガルバニセル(1)。
【請求項12】
特に少なくとも1つの分離可能な接合装置(9,9a、9b)によって、少なくとも1つの接合領域(7,7a)において分離可能に互いに接合されている、少なくとも1つのアノード層(2)と、カソード層(3)と、セパレータ層(4)とを有するガルバニセル(1)を駆動するための方法であって、
少なくとも1つの接合領域(7,7a)および/あるいは接合装置(9,9a、9b)が、所定の条件で分離されることを特徴とする方法。
【請求項13】
ハウジング(5)と少なくとも1つの開放装置(15,15a、15b)とを有するガルバニセル(1)を駆動するための方法において、
少なくとも1つの前記開放装置が、前記ハウジング(5)を所定の条件で開放することを特徴とする請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−522340(P2012−522340A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502473(P2012−502473)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000819
【国際公開番号】WO2010/112104
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511173550)リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー (85)
【Fターム(参考)】