説明

切り換え弁

【課題】信頼性および耐久性の向上を図る上で有利な切り換え弁を提供する。
【解決手段】切り換え弁1は、2つの第1の管路A、Bと、2つの第2の管路C、Dと、弁体Eとを含んで構成されている。アクチュエータ30により軸部材E1が一方向に移動されることにより、第1ロッドE2が第1受け座22と協働して2つの第1の弾性管路部A2、B2を圧縮して閉塞し、かつ、アクチュエータ30により軸部材E1が前記一方向と逆向きの他方向に移動されることにより、2つの第1の弾性管路部A2、B2を開放する。アクチュエータ30により軸部材E1が前記他方向に移動されることにより、第2ロッドE3が第2受け座24と協働して2つの第2の弾性管路部C2、D2を圧縮して閉塞し、かつ、アクチュエータ30により軸部材E1が前記一方向に移動されることにより、2つの第2の弾性管路部C2、D2を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料、薬液、塗液等の流体輸送配管に用いられて好適な切り換え弁に関するものであり、更に詳しくは、配管内の洗浄性を向上させた切り換え弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の切り換え弁は、多くの場合、弁室に接続口が4箇所あり、弁室の中には流路を切り替えるための弁体が設けられている。
このような切り換え弁として、弁体が回転移動して流路が切り替わるもの(特許文献1参照)、あるいは、弁体が直線移動して流路が切り替わるもの(特許文献2参照)が提案されている。
【特許文献1】特開平6-323500
【特許文献2】特開平10-160009
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の切り換え弁では、弁体が移動する際に、流体が弁体あるいは弁室の側面に付着するため、弁体あるいは弁室の側面に付着した流体が固まり、弁体が動かなくなったり、固形物が流されて不具合を生じる問題があった。
また、このような従来の切り換え弁に粒子を含んだ流体を流す場合には、シール材に粒子が付着し、弁体が移動すると弁体あるいは弁室側面を粒子で削ってしまう問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、信頼性および耐久性の向上を図る上で有利な切り換え弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の切り換え弁は、ケースと、前記ケースの内部に設けられ弾性変形可能な第1の弾性管路部を有する第1の管路と、前記ケースの内部に設けられ弾性変形可能な第2の弾性管路部を有し前記第1の管路に接続された第2の管路と、前記ケースの内部で前記第1の弾性管路部と前記第2の弾性管路部とを開閉する弁体とを備え、前記弁体は、アクチュエータにより往復直線移動される軸部材と、前記軸部材から突設され前記軸部材の一方向への移動により前記ケースの第1受け座と協働して前記第1の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向とは逆向きの他方向への移動により前記第1の弾性管路部を開放する第1ロッドと、前記軸部材から突設され前記軸部材の前記他方向への移動により前記ケースの第2受け座と協働して前記第2の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向への移動により前記第2の弾性管路部を開放する第2ロッドとを備えることを特徴とする。
また本発明の切り換え弁は、ケースと、前記ケースの内部に設けられた2つの第1の管路と、前記2つの第1の管路の互いに対向する箇所にそれぞれ設けられた弾性変形可能な第1の弾性管路部と、前記ケースの内部に設けられ前記第1の弾性管路部の両側に位置し互いに対向する前記2つの第1の管路の箇所を接続する2つの第2の管路と、前記2つの第2の管路の互いに対向する箇所にそれぞれ設けられた弾性変形可能な第2の弾性管路部と、前記第1の弾性管路部と前記第2の弾性管路部とを開閉する弁体とを備え、前記弁体は、アクチュエータにより往復直線移動される軸部材と、前記軸部材から突設され前記軸部材の一方向への移動により前記ケースの第1受け座と協働して前記2つの第1の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向とは逆向きの他方向への移動により前記2つの第1の弾性管路部を開放する第1ロッドと、前記軸部材から突設され前記軸部材の前記他方向への移動により前記ケースの第2受け座と協働して前記2つの第2の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向への移動により前記2つの第2の弾性管路部を開放する第2ロッドとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の切り換え弁では、ゴム、プラスチック等の弾性体からなる管の部分を外部から加えた力で潰すだけなので、切り換え時に流体が弁内部の隙間に入り込むことによる残留が極めて少ない。また、弁室内部が複雑な構造とならない為、特に弁体の切り換え時に起こりやすいキャビテーションの発生及び発泡が少ない。
また、切り換え時に全ての管路が閉塞する構造でない為、ウォータハンマー現象が起きにくい。
シールを持たない構造である為、シールの磨耗による漏れが無い。粒子を含む流体であっても、閉塞時には弾性のある管に挟まれるだけで、弁座、あるいは弁室を削ることは無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、本発明を塗工装置用の切り換え弁として用いている。
図1は本実施の形態の切り換え弁1の構成を簡略化して示す説明図である。
図2(A)は第1の切り換え状態にある切り換え弁1の断面図、(B)は(A)のX矢視断面図、(C)は(B)のY矢視断面図である。
図3(A)は第2の切り換え状態にある切り換え弁1の断面図、(B)は(A)のX矢視断面図、(C)は(B)のY矢視断面図である。
図4(A)は第1、第2の管路の平面図、(B)は(A)のX矢視平面図、(C)は(A)のY矢視平面図である。
図5(A)は弁体Eの平面図、(B)は弁体Eの正面図、(C)は(B)のX矢視平面図である。
【0007】
図1乃至図4に示すように、切り換え弁1は、ケース10と、弁体Eと、2つの第1の管路A、Bと、2つの第2の管路C、Dとを含んで構成されている。
2つの第1の管路A、Bはケース10内で互いに平行して延在している。
2つの第2の管路C、Dはケース10内で互いに平行して延在し、第1の管路A、Bと第2の管路C、Dとは直交している。
2つの第1の管路A、Bが互いに対向する箇所には弾性変形可能な第1の弾性管路部A2、B2がそれぞれ設けられ、一方の第1の弾性管路部A2の両端には管路部A1、A3が設けられ、他方の第1の弾性管路部B2の両端には管路部B1、B3が設けられている。
2つの第2の管路C、Dは、第1の弾性管路部A2、B2の両側に位置し互いに対向する2つの第1の管路A、Bの箇所を接続する。
2つの第2の管路C、Dの互いに対向する箇所には、弾性変形可能な第2の弾性管路部C2、D2がそれぞれ設けられ、一方の第2の弾性管路部C2の両端には管路部C1、C3が設けられ、他方の第2の弾性管路部D2の両端には管路部D1、D3が設けられている。
管路部A1、A3、B1、B3はそれぞれ不図示の継ぎ手を介して外部の管路に接続可能に設けられている。
なお、第1の管路A、Bは、管路部A1、A3、B1、B3が第1の弾性管路部A2、B2と同様に弾性変形可能な材料で形成されていてもよく、言い換えると、第1の管路A、Bはその全長にわたって弾性変形可能な材料で形成されていてもよく、そのように構成すると、コストダウンを図る上で有利となる。
また、第2の管路C、Dは、管路部C1、C3、D1、D3が第2の弾性管路部C2、D2と同様に弾性変形可能な材料で形成されていてもよく、言い換えると、第2の管路C、Dはその全長にわたって弾性変形可能な材料で形成されていてもよく、そのように構成すると、コストダウンを図る上で有利となる。
【0008】
弁体Eは、第1の弾性管路部A2、B2と第2の弾性管路部C2、D2とを開閉するものである。
図5に示すように、弁体Eは、軸部材E1と、第1ロッドE2と、第2ロッドE3と含んで構成されている。
軸部材E1は、後述するアクチュエータ30により往復直線移動される。
図1、図2、図5に示すように、第1ロッドE2と第2ロッドE3は軸部材E1に設けられ、第1ロッドE2および第2ロッドE3の長手方向の中央部は軸部材E1に固定され、したがって、第1ロッドE2および第2ロッドE3は軸部材E1から突出している。
第1ロッドE2と第2ロッドE3は、軸部材E1の軸方向から見て直交しており、第1ロッドE2と第2ロッドE3は、軸部材E1の軸方向において異なった箇所に位置している。
なお、本実施の形態では、第1の管路A、Bと第2の管路C、Dは軸部材E1と直交する同一面上を延在している。
図2、図3に示すように、第1ロッドE2は、軸部材E1の一方向への移動によりケース10の第1受け座22と協働して2つの第1の弾性管路部A2、B2を圧縮して閉塞し、かつ、軸部材E1の一方向とは逆向きの他方向への移動により2つの第1の弾性管路部A2、B2を開放するものである。
また、第2ロッドE3は、軸部材E1の他方向への移動によりケース10の第2受け座24と協働して2つの第2の弾性管路部C2、D2を圧縮して閉塞し、かつ、軸部材E1の一方向への移動により2つの第2の弾性管路部C2、D2を開放するものである。
【0009】
図2に示すように、ケース10には、軸部材挿通孔12と、2つの第1の収容溝14と、2つの第2の収容溝16と、第1ロッド収容溝18と、第2ロッド収容溝20と、第1の受け座22と、第2の受け座24と、アクチュエータ30とが設けられている。
【0010】
軸部材挿通孔12に軸部材E1が挿入され、軸部材挿通孔12は軸部材E1を往復直線移動可能に案内するものである。
図2、図3に示すように、2つの第1の収容溝14は、2つの第1の弾性管路部A2、B2とその両側に位置する管路部A1、A3、B1、B3とをそれぞれ収容するものである。
2つの第2の収容溝16は、第2の弾性管路部C2、D2とその両側に位置する管路部C1、C3、D1、D3とをそれぞれ収容するものである。
2つの第1の収容溝14および2つの第2の収容溝16はそれぞれ軸部材挿通孔12の延在方向と直交する方向に延在形成されている。
【0011】
図2(B)に示すように、第1ロッド収容溝18は軸部材挿通孔12に連通し第1ロッドE2を収容するものであり、ている。
第1ロッド収容溝18は、各第1の収容溝14に収容された第1の管路A、Bの第1の弾性管路部A2、B2に臨むように第1の収容溝14に連通しかつ第1の収容溝14から前記他方向(後述するアクチュエータ30のピストン31が後退する方向)に向けて延在形成されている。
図2(A)に示すように、第2ロッド収容溝20は、軸部材挿通孔12に連通し第2ロッドE3を収容するものである。
第2ロッド収容溝20は、各第2の収容溝16に収容された第2の管路C、Dの第2の弾性管路部C2、D2に臨むように第2の収容溝16に連通しかつ第2の収容溝16から前記一方向(後述するアクチュエータ30のピストン31が前進する方向)に向けて延在形成されている。
【0012】
第1の受け座22は、図2(A)に示すように、第1の収容溝14を仕切るケース10の壁面で第1ロッド収容溝18に対向する壁面箇所により構成されている。
第2の受け座24は、図2(B)に示すように、第2の収容溝16を仕切るケース10の壁面で第2ロッド収容溝20に対向する壁面箇所により構成されている。
【0013】
図2に示すように、ケース10には軸部材E1をその延在方向に沿って往復直線移動させるアクチュエータ30が設けられている。
本実施の形態では、アクチュエータ30はエアシリンダであり、ケース10に設けられたシリンダ室22と、軸部材E1の上端に連結されシリンダ室22に収容され上下に移動可能に支持されたたピストン31と、ピストン31とシリンダ室22の間に設けられピストン31を下方に付勢するスプリング32と、ピストン31の外周に設けられシリンダ室22の内周に摺動可能に密着するピストンリング33と、軸部材挿通孔12の内周面に設けられ軸部材E1の外周に摺動可能に密着するOリング34と、シリンダ室22の下部と上部とにそれぞれ連通された第1、第2のエアー出入り口35、36とを含んで構成されている。
第1のエアー出入り口35、36は不図示の継ぎ手を介して空気供給源が接続されている。
前記空気供給源から第1のエアー出入り口35を介してシリンダ室22の下部に空気が供給されると、図3(A)、(B)に示すように、ピストン31がスプリング32の付勢力に抗して後退し、軸部材E1はピストン31と共に後退される。
前記空気供給源から空気が供給されないと、図2(A)、(B)に示すように、スプリング32の付勢力により、ピストン31が前進し、軸部材E1はピストン31と共に前進される。
なお、アクチュエータ30は、エアシリンダに限らず、油圧シリンダやソレノイド等であってもよいし、アクチュエータ30に代えて手動で軸部材E1を移動するような構造としてもよいことは無論である。
【0014】
したがって、図3に示すように、アクチュエータ30により軸部材E1が後退されることにより、第1ロッドE2が第1受け座22と協働して2つの第1の弾性管路部A2、B2を圧縮して閉塞し、かつ、図2に示すように、アクチュエータ30により軸部材E1が前進されることにより、2つの第1の弾性管路部A2、B2を開放する。
また、図2に示すように、アクチュエータ30により軸部材E1が前進されることにより、第2ロッドE3が第2受け座24と協働して2つの第2の弾性管路部C2、D2を圧縮して閉塞し、かつ、アクチュエータ30により軸部材E1が後退されることにより、2つの第2の弾性管路部C2、D2を開放する。
すなわち、アクチュエータ30により軸部材E1が後退されることにより、第1の弾性管路部A2、B2が閉塞され、かつ、第2の弾性管路部C2、D2が開放される。これにより、図1に示すように、第1の管路Aの管路部A1−第2の管路Cの第2の弾性管路部C2−第1の管路Bの管路部B1という第1の流路F1が形成されると同時に、第1の管路Aの管路部A3−第2の管路Dの第2の弾性管路部D2−第1の管路Bの管路部B3という第2の流路F2が第1の流路F1とは分離されて形成される。
また、アクチュエータ30により軸部材E1が前進されることにより、第2の弾性管路部C2、D2が閉塞され、かつ、第1の弾性管路部A2、B2が開放される。これにより、図1に示すように、第1の管路Aによって第3の流路F3が形成されると同時に、第1の第1の管路Bによって第4の流路F4が第3の流路F3とは分離されて形成される。
【0015】
図6、図7は本実施の形態に係る切り換え弁1を塗工装置の流体・洗浄液切り換え配管に用いた例を示す配管図である。
塗工システム100は、切り換え弁1、流体タンク40、ポンプ41、洗浄液タンク42、ポンプ43、リターン配管44、廃液タンク45、塗工装置46などを含んで構成されている。
流体タンク40は塗工装置46で塗工する流体を貯えるものである。
ポンプ41は流体タンク40の流体を切り換え弁1を介して塗工装置46に供給するものである。
洗浄液タンク42は洗浄液を貯えるものである。
ポンプ43は洗浄液タンク42の洗浄液を切り換え弁1を介して塗工装置46またはリターン配管44を介して廃液タンク45に供給するものである。
リターン配管44は、切り換え弁1を介してポンプ43と廃液タンク45を連通するものである。
切り換え弁1の第1の管路Aの管路部A1、A3は継ぎ手を介してリターン配管44の中間部分に接続され、第1の管路Bの管路部B1、B3は継ぎ手を介して塗工装置46、ポンプ41にそれぞれ接続されている。
【0016】
図6は塗工装置46による塗装がなされている状態を示している。
切り換え弁1は、図2に示すように、アクチュエータ30により軸部材E1が前進されることにより、第2の弾性管路部C2、D2が閉塞され、かつ、第1の弾性管路部A2、B2が開放されている。
これにより、流体タンク40内の流体はポンプ41により第1の管路Bを介して塗工装置46に供給される。
また、この状態で、洗浄液タンク42内の洗浄液はポンプ43により第1の管路Aを介してリターン配管44の内部を洗浄し、その廃液が廃液タンク45に流し込まれる。
【0017】
図7は塗工装置46による塗工終了後、塗工装置46の洗浄がなされている状態を示している。
切り換え弁1は、図3に示すように、アクチュエータ30により軸部材E1が後退されることにより、第1の弾性管路部A2、B2が閉塞され、かつ、第2の弾性管路部C2、D2が開放されている。
これにより、洗浄液タンク42内の洗浄液はポンプ43により第2の管路Dを介して塗工装置46に供給され、切り換え弁1から塗工装置46までの配管内部を清掃することができる。
【0018】
以上説明したように本実施の形態の切り換え弁1によれば、第1の管路の第1の弾性管路部および第2の管路の第2の弾性管路部の一方を圧縮して閉塞するとともに、他方を開放することで第1の管路と第2の管路の開閉を行うようにしたので、弁の内部に流体やその流体に含まれる粒子が残留したり付着することを防止することができる。
したがって、従来の弁体を移動させる切り換え弁において発生していた、弁体が移動する際に、弁体あるいは弁室の側面に付着した流体が固まり、弁体が動かなくなったり、固形物が流されるといった不具合、あるいは、弁体のシール材に粒子が付着し、弁体の移動により弁体あるいは弁室側面を粒子で削ってしまうといった不具合を確実に防止することができ、切り換え弁1の信頼性および耐久性の向上を図る上で有利となる。
また、軸部材のロッドを移動させることで弾性管路部の開閉を行うといった極めて簡素な構成であることから、弁体を移動させる従来の切り換え弁に比較して2種類の流体の切り換えを短時間にしかも簡単に行う上で有利となる。
【0019】
なお、本実施の形態では、切り換え弁1が2つの第1の管路A、Bと、2つの第2の管路C、Dとを有している場合について説明したが、第1、第2の管路はそれぞれ1つでもよい。
その場合、切り換え弁1は、ケースと、前記ケースの内部に設けられ弾性変形可能な第1の弾性管路部を有する第1の管路と、前記ケースの内部に設けられ弾性変形可能な第2の弾性管路部を有し前記第1の管路に接続された第2の管路と、前記ケースの内部で前記第1の弾性管路部と前記第2の弾性管路部とを開閉する弁体とを備える。
そして、前記弁体は、アクチュエータにより往復直線移動される軸部材と、前記軸部材から突設され前記軸部材の一方向への移動により前記ケースの第1受け座と協働して前記第1の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向とは逆向きの他方向への移動により前記第1の弾性管路部を開放する第1ロッドと、前記軸部材から突設され前記軸部材の前記他方向への移動により前記ケースの第2受け座と協働して前記第2の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向への移動により前記第2の弾性管路部を開放する第2ロッドとを備える。
このような構成によっても上述した実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態の切り換え弁1の構成を簡略化して示す説明図である。
【図2】(A)は第1の切り換え状態にある切り換え弁1の断面図、(B)は(A)のX矢視断面図、(C)は(B)のY矢視断面図である。
【図3】(A)は第2の切り換え状態にある切り換え弁1の断面図、(B)は(A)のX矢視断面図、(C)は(B)のY矢視断面図である。
【図4】(A)は第1、第2の管路の平面図、(B)は(A)のX矢視平面図、(C)は(A)のY矢視平面図である。
【図5】(A)は弁体Eの平面図、(B)は弁体Eの正面図、(C)は(B)のX矢視平面図である。
【図6】本実施の形態に係る切り換え弁1を塗工装置の流体・洗浄液切り換え配管に用いた例を示す配管図である。
【図7】本実施の形態に係る切り換え弁1を塗工装置の流体・洗浄液切り換え配管に用いた例を示す配管図である。
【符号の説明】
【0021】
1…切り換え弁、A、B…第1の管路、A2、B2…第1の弾性管路部、C、D…第2の管路、C2、D2…第2の弾性管路部、E…弁体、E1…軸部材、E2…第1ロッド、E3…第2ロッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースの内部に設けられ弾性変形可能な第1の弾性管路部を有する第1の管路と、
前記ケースの内部に設けられ弾性変形可能な第2の弾性管路部を有し前記第1の管路に接続された第2の管路と、
前記ケースの内部で前記第1の弾性管路部と前記第2の弾性管路部とを開閉する弁体とを備え、
前記弁体は、
アクチュエータにより往復直線移動される軸部材と、
前記軸部材から突設され前記軸部材の一方向への移動により前記ケースの第1受け座と協働して前記第1の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向とは逆向きの他方向への移動により前記第1の弾性管路部を開放する第1ロッドと、
前記軸部材から突設され前記軸部材の前記他方向への移動により前記ケースの第2受け座と協働して前記第2の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向への移動により前記第2の弾性管路部を開放する第2ロッドとを備える、
ことを特徴とする切り換え弁。
【請求項2】
ケースと、
前記ケースの内部に設けられた2つの第1の管路と、
前記2つの第1の管路の互いに対向する箇所にそれぞれ設けられた弾性変形可能な第1の弾性管路部と、
前記ケースの内部に設けられ前記第1の弾性管路部の両側に位置し互いに対向する前記2つの第1の管路の箇所を接続する2つの第2の管路と、
前記2つの第2の管路の互いに対向する箇所にそれぞれ設けられた弾性変形可能な第2の弾性管路部と、
前記第1の弾性管路部と前記第2の弾性管路部とを開閉する弁体とを備え、
前記弁体は、
アクチュエータにより往復直線移動される軸部材と、
前記軸部材から突設され前記軸部材の一方向への移動により前記ケースの第1受け座と協働して前記2つの第1の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向とは逆向きの他方向への移動により前記2つの第1の弾性管路部を開放する第1ロッドと、
前記軸部材から突設され前記軸部材の前記他方向への移動により前記ケースの第2受け座と協働して前記2つの第2の弾性管路部を圧縮して閉塞し、かつ、前記軸部材の前記一方向への移動により前記2つの第2の弾性管路部を開放する第2ロッドとを備える、
ことを特徴とする切り換え弁。
【請求項3】
前記第1の管路と前記第2の管路とは直交していることを特徴とする請求項1記載の切り換え弁。
【請求項4】
前記2つの第1の管路は互いに平行して延在し、前記2つの前記第2の管路は互いに平行して延在し、前記第1の管路と前記第2の管路とは直交していることを特徴とする請求項2記載の切り換え弁。
【請求項5】
前記第1の管路と前記第2の管路とは直交し、
前記第1ロッドと前記第2ロッドは、前記軸部材の軸方向から見て直交しており、
前記第1ロッドと前記第2ロッドは、前記軸部材の軸方向において異なった箇所に位置している、
ことを特徴とする請求項1記載の切り換え弁。
【請求項6】
前記第1の管路と前記第2の管路とは直交し、
前記第1ロッドと前記第2ロッドは、前記軸部材の軸方向から見て直交しており、
前記第1ロッドと前記第2ロッドは、前記軸部材の軸方向において異なった箇所に位置しており、
前記第1ロッドおよび前記第2ロッドの長手方向の中央部は前記軸部材に固定されている、
ことを特徴とする請求項2記載の切り換え弁。
【請求項7】
前記第1の管路と前記第2の管路とは直交し、
前記第1ロッドと前記第2ロッドは、前記軸部材の軸方向から見て直交しており、
前記第1ロッドと前記第2ロッドは、前記軸部材の軸方向において異なった箇所に位置しており、
前記ケースには前記軸部材を往復直線移動可能に案内する軸部材挿通孔が形成され、
前記ケースには、前記第1の管路を収容する第1の収容溝と、前記第2の管路を収容する第2の収容溝がそれぞれ前記軸部材挿通孔の延在方向と直交する方向に延在形成され、
前記ケースには、前記軸部材挿通孔に連通し前記第1ロッドを収容する第1ロッド収容溝が形成されると共に、前記軸部材挿通孔に連通し前記第2ロッドを収容する第2ロッド収容溝が形成され、
前記第1ロッド収容溝は、前記第1の収容溝に収容された前記第1の管路の前記第1の弾性管路部に臨むように前記第1の収容溝に連通しかつ前記第1の収容溝から前記他方向に向けて延在形成され、
前記第2ロッド収容溝は、前記第2の収容溝に収容された前記第2の管路の前記第2の弾性管路部に臨むように前記第2の収容溝に連通しかつ前記第2の収容溝から前記一方向に向けて延在形成され、
前記第1の受け座は、前記第1の収容溝を仕切るケースの壁面で前記第1ロッド収容溝に対向する壁面箇所により構成され、
前記第2の受け座は、前記第2の収容溝を仕切るケースの壁面で前記第2ロッド収容溝に対向する壁面箇所により構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の切り換え弁。
【請求項8】
前記第1の管路と前記第2の管路とは直交し、
前記第1ロッドと前記第2ロッドは、前記軸部材の軸方向から見て直交しており、
前記第1ロッドと前記第2ロッドは、前記軸部材の軸方向において異なった箇所に位置しており、
前記ケースには前記軸部材を往復直線移動可能に案内する軸部材挿通孔が形成され、
前記ケースには、前記2つの前記第1の管路を収容する2つの第1の収容溝と、前記2つの前記第2の管路を収容する2つの第2の収容溝がそれぞれ前記軸部材挿通孔の延在方向と直交する方向に延在形成され、
前記ケースには、前記軸部材挿通孔に連通し前記第1ロッドを収容する第1ロッド収容溝が形成されると共に、前記軸部材挿通孔に連通し前記第2ロッドを収容する第2ロッド収容溝が形成され、
前記第1ロッド収容溝は、前記各第1の収容溝に収容された前記第1の管路の前記第1の弾性管路部に臨むように前記第1の収容溝に連通しかつ前記第1の収容溝から前記他方向に向けて延在形成され、
前記第2ロッド収容溝は、前記各第2の収容溝に収容された前記第2の管路の前記第2の弾性管路部に臨むように前記第2の収容溝に連通しかつ前記第2の収容溝から前記一方向に向けて延在形成され、
前記第1の受け座は、前記第1の収容溝を仕切るケースの壁面で前記第1ロッド収容溝に対向する壁面箇所により構成され、
前記第2の受け座は、前記第2の収容溝を仕切るケースの壁面で前記第2ロッド収容溝に対向する壁面箇所により構成されている、
ことを特徴とする請求項2記載の切り換え弁。
【請求項9】
前記第1の管路は、その全長にわたって弾性変形可能な材料で形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の切り換え弁。
【請求項10】
前記第2の管路は、その全長にわたって弾性変形可能な材料で形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の切り換え弁。
【請求項11】
前記第1の管路と前記第2の管路は前記軸部材と直交する同一面上を延在していることを特徴とする請求項1または2記載の切り換え弁。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−64133(P2008−64133A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239794(P2006−239794)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】