説明

列車情報表示システム、列車情報表示方法、管理サーバ装置及びプログラム

【課題】利用者の利便性を向上させることができる列車情報表示システム、列車情報表示方法、管理サーバ装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】改札の近傍に設置され、列車に関する列車情報を記憶するICカードと通信を行う読み書き装置と、この読み書き装置と通信を行う管理サーバ装置とを備える列車情報表示システムであって、前記読み書き装置は、前記ICカードに記憶された列車情報を読み出して、前記管理サーバ装置に送信する送信部と、前記ICカードに設けられた表示部に表示された列車情報を、前記サーバ装置から送信された更新列車情報に更新して表示する表示制御部とを備え、前記管理サーバ装置は、前記送信部から送信された列車情報に基づいて、現時点での列車情報を含む更新列車情報を生成し、前記読み書き装置に送信する送信制御部を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車情報を表示する列車情報表示システム、列車情報表示方法、管理サーバ装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄道を利用する際に、例えばSuicaなどのICカードが利用されている。すなわち、利用者が、現金に相当する価値をあらかじめチャージしておいたICカードを、改札に設置されたリーダライタにかざして、ICカードの情報をリーダライタに読み込ませることにより、鉄道利用料金の決済が行われるようになっている。
また、利用者が指定席を購入した際に、ICカードにその指定した列車の情報が記憶され、利用者がリーダライタにICカードをかざすと、改札のゲートをオープンさせて利用者に改札を通過させるシステムも利用されている。
【0003】
しかし、このようなシステムでは、指定列車の情報などを利用者が確認したいと思ったときに、それら指定列車の情報を利用者に簡易に知らしめることができない。
そこで、読み取り器などの機器により、ICカードに記憶された情報を読み出して表示させる表示器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−66244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような表示器では、ICカードに記憶された指定列車の情報を表示することはできるものの、利用者にその表示器を別個に用意してもらう必要があるため、利用者に対して利用し易いサービスを提供することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、利用者の利便性を向上させることができる列車情報表示システム、列車情報表示方法、管理サーバ装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、改札の近傍に設置され、列車に関する列車情報を記憶するICカードと通信を行う読み書き装置と、この読み書き装置と通信を行う管理サーバ装置とを備える列車情報表示システムであって、前記読み書き装置は、前記ICカードに記憶された列車情報を読み出して、前記管理サーバ装置に送信する送信部と、前記ICカードに設けられた表示部に表示された列車情報を、前記サーバ装置から送信された更新列車情報に更新して表示する表示制御部とを備え、前記管理サーバ装置は、前記送信部から送信された列車情報に基づいて、現時点での列車情報を含む更新列車情報を生成し、前記読み書き装置に送信する送信制御部を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記列車情報が、利用者によって指定された列車の発着時刻情報、区間情報、列車識別情報及び座席情報を含んでいることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記送信制御部が、前記送信部から前記列車情報が送信されてきたときの現在時刻が、前記発着時刻情報の発車時刻又は前記発車時刻よりも所定時間前の時刻を超えている場合、前記発車時刻よりも後に発車する列車に関する列車情報を含めて、前記更新列車情報を生成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記送信制御部が、前記送信部から前記列車情報が送信されてきたときの現在時刻が、前記発着時刻情報の発車時刻又は前記発車時刻よりも所定時間前の時刻を超えている場合、前記現在時刻と前記区間情報とに基づいて、乗り換え情報を生成し、前記乗り換え情報を含めて前記更新列車情報を生成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記送信制御部が、前記下車駅にもっとも早く到着するルートによって、前記乗り換え情報を生成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、改札の近傍に設置され、列車に関する列車情報を記憶するICカードと通信を行う読み書き装置と、この読み書き装置と通信を行う管理サーバ装置とを備える列車情報表示システムにおける列車情報表示方法であって、前記読み書き装置の送信部が、前記ICカードに記憶された列車情報を読み出して、前記管理サーバ装置に送信し、前記管理サーバ装置の送信制御部が、前記送信部から送信された列車情報に基づいて、現時点での列車情報を含む更新列車情報を生成し、前記読み書き装置に送信し、前記読み書き装置の表示制御部が、前記ICカードに設けられた表示部に表示された列車情報を、前記更新列車情報に更新して表示することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、改札の近傍に設置され、列車に関する列車情報を記憶するICカードと通信を行う読み書き装置と、この読み書き装置と通信を行う管理サーバ装置とを備える列車情報表示システムにおける管理サーバ装置であって、前記読み書き装置から送信された列車情報に基づいて、現時点での列車情報を含む更新列車情報を生成し、前記読み書き装置に送信することにより、前記ICカードに設けられた表示部に表示された列車情報を、前記更新列車情報に更新して表示する送信制御部を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、改札の近傍に設置され、列車に関する列車情報を記憶するICカードと通信を行う読み書き装置と、この読み書き装置と通信を行う管理サーバ装置とを備える列車情報表示システムにおける管理サーバ装置で実行されるプログラムであって、前記読み書き装置から送信された列車情報に基づいて、現時点での列車情報を含む更新列車情報を生成し、前記読み書き装置に送信することにより、前記ICカードに設けられた表示部に表示された列車情報を、前記更新列車情報に更新して表示する送信制御手段として、前記管理サーバ装置を機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ICカードに設けられた表示部に列車情報が表示されるだけでなく、利用者が改札を通過するときの現時点での列車情報を含む更新列車情報が表示部に表示されることから、利用者の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態における列車情報表示システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態としての列車情報表示システムを示したものである。
列車情報表示システム1は、列車を利用する利用者の利用者端末2と、列車のチケットの販売管理などを行うチケット管理サーバ3と、列車情報の表示管理を行う乗り換え案内サーバ(管理サーバ装置)5と、駅の改札近傍に設置されるリーダライタ(読み書き装置)6とを備えている。
これら利用者端末2とチケット管理サーバ3と乗り換え案内サーバ5とリーダライタ6とは、公衆回線網などのネットワークNを介してそれぞれ接続されている。
【0016】
利用者端末2は、例えば利用者宅などに設けられ、チケット管理サーバ3と接続されてチケットの購入手続などを行うものである。
この利用者端末2は、ICカード10のカード記憶部13を読み書きする読み書き部21を備えている。そして、利用者端末2は、キーボード操作を介して利用者からの指示を受け付け、チケット管理サーバ3の提供するホームページを介して、例えば特定列車の乗車券や指定席券などの購入処理を行う。すなわち、利用者端末2は、利用者名、利用者ID、クレジットカード情報、日付情報、及び指定する列車の識別情報などを示す利用情報をチケット管理サーバ3に送信する。さらに、利用者端末2は、チケット管理サーバ3から送信された決済情報と、利用者名と、利用者IDと、列車情報とを受信して、それら情報を不図示の記憶部に記憶する。
また、利用者が、利用者端末2に設けられた読み書き面にICカードをかざすと、利用者端末2は、読み書き部21を介して、不図示の記憶部に記憶された利用者ID及び列車情報をカード記憶部13に書き込む。
これにより、カード記憶部13には、利用者が列車を利用する前に、指定した列車情報があらかじめ記憶される。
【0017】
ICカード10は、図2に示すように、例えば電子ペーパなどからなる表示部11と、太陽電池などからなる電力供給部12と、カード記憶部13とを備えている。
表示部11は、電力供給部12からの電力を受けて、図3に示すように、カード記憶部13に記憶された列車情報を表示する。
ここで、列車情報とは、利用者が列車を利用するのに必要な、列車に関する情報をいうものである。例えば、列車情報には、列車を識別するための列車識別情報11aと、乗車駅及び下車駅を示す区間情報11bと、指定された列車の号車及び座席を示す号車座席情報11cと、列車の利用日を示す日付情報11dと、乗車駅からの発車時刻及び下車駅への到着時刻を示す発着時刻情報11eと、乗車駅における発車番線を示す番線情報11fとを含まれている。
例えば、列車識別情報11aとして「はやて13号」が表示され、区間情報11bとして「東京−仙台」、号車座席情報11cとして「1号車3番A席」、日付情報11dとして「年月日」、発着時刻情報11eとして「発09:56 着11:37」、番線情報11fとして「1番線発」などが表示される。
【0018】
また、図1に示すように、チケット管理サーバ3は、利用者端末2から送信された利用情報の中から、利用者名及びクレジットカード情報などに基づいて、乗車券及び指定席券の料金の決済処理を行う。さらに、チケット管理サーバ3は、自身に内蔵の記憶部に記憶された空席情報を検索し、空席を見つけると、その空席情報を購入済みとして記憶部のデータを更新するとともに、空席情報に応じた列車情報を生成する。そして、チケット管理サーバ3は、決済処理が終了したことを示す決済情報と、利用者名と、利用者IDと、列車情報とを、利用者端末2及び乗り換え案内サーバ5に送信する。
なお、決済処理に関して、クレジットカードを使用することなく、ICカード10に記憶された残高によって決済を行ってもよい。
【0019】
乗り換え案内サーバ5は、ネットワークNを介して、不図示の運行管理装置に接続されており、その運行管理装置からの運行情報をリアルタイムに受信し記憶する。これにより、乗り換え案内サーバ5は、各路線や各列車の運休状態や復旧見込みなどを逐次記憶・更新する。なお、運行情報とは、各列車の列車情報と、列車や路線に異常が発生しているか否かを示す異常情報と、復旧の目途が立ったか否かを示す復旧情報とを含むものである。異常情報としては、異常フラグのオン・オフが書き込まれており、復旧情報としては、復旧フラグのオン・オフが書き込まれている。
この乗り換え案内サーバ5は、機器全体を制御する制御部(送信制御部)51と、ネットワークNを介して各機器と通信を行う通信部(送信制御部)52と、現在時刻を計時する計時部53と、種々の情報を記憶するサーバ記憶部54とを備えている。
制御部51は、チケット管理サーバ3から送信された決済情報、利用者名、利用者ID及び列車情報や、運行管理装置から送信された運行情報を、通信部52を介して受信し、サーバ記憶部54に記憶する。また、制御部51は、リーダライタ6から送信された列車情報に基づいて、後述する更新列車情報を生成し、リーダライタ6を介して、カード記憶部13の列車情報を更新列車情報に更新するとともに、ICカード10の表示部11に更新列車情報を表示する。
【0020】
リーダライタ6は、図4に示すように、改札7の入口に設置されるものである。このリーダライタ6は、機器全体を制御する制御部(送信部、表示制御部)61と、乗り換え案内サーバ5と通信を行う通信部(送信部)62と、ICカード10と通信を行いカード記憶部13のデータの読み書きを行う読み書き部(表示制御部)63とを備えている。
制御部61は、乗り換え案内サーバ5から送信された更新列車情報を、通信部62を介して受信し、読み書き部63を介して、カード記憶部13の列車情報を更新列車情報に更新するとともに、表示部11に更新列車情報を表示する。
【0021】
次に、このように構成された本実施形態における列車情報表示システム1の動作について説明する。なお、利用者は、所望の列車について、利用者端末2を介してあらかじめ指定席を購入しており、カード記憶部13には、利用者ID及び列車情報が記憶され、乗り換え案内サーバ5のサーバ記憶部54には、チケット管理サーバ3から送信された決済情報と、利用者名と、利用者IDと、列車情報とが記憶されているものとする。
図5及び図6は、乗り換え案内サーバ5の処理を示すフローチャートである。
利用者が、乗車のためにICカード10をリーダライタ6にかざすと、制御部61は、読み書き部63を介して、カード記憶部13に記憶された利用者ID及び列車情報を読み出す。そして、制御部61は、それら利用者ID及び列車情報を、通信部62を介して乗り換え案内サーバ5に送信する。
【0022】
制御部51は、リーダライタ6から送信された利用者ID及び列車情報を、通信部52を介して受信する(ステップS10)。そして、制御部51は、受信した列車情報に対応する列車の運行状況が正常か異常かを判定する(ステップS11)。すなわち、制御部51は、列車情報の中から列車識別情報及び区間情報などを読み出すとともに、サーバ記憶部54にリアルタイムに記憶している運行情報の中から、列車識別情報及び区間情報に対応する列車及び路線に、異常が発生しているか否かを判定する。なお、運行情報には、異常フラグが含まれており、制御部51は、異常フラグのオン・オフにより正常か異常かを判定する。
【0023】
制御部51は、正常であると判定すると(ステップS11:正常)、現在時刻が発車時刻以前であるか否かを判定する(ステップS12)。すなわち、制御部51は、計時部53から現在時刻情報を読み出すとともに、列車情報の中から発着時刻情報の発車時刻を読み出し、現在時刻が発車時刻以前であるか否かを判定する。そして、制御部51は、現在時刻の方が前であると判定すると(ステップS12:YES)、通信部52を介して、許可信号をリーダライタ6に送信する(ステップS13)。リーダライタ6の制御部61は、通信部62を介して、その許可信号を受信すると、利用者が改札の手続を完了したことを示すゲートイン情報をカード記憶部13に書き込むとともに、ゲートG(図4に示す)を開ける。これにより、利用者は、改札を通ることができるようになる。
【0024】
なお、現在時刻が発車時刻以前であるということは、利用者が発車時刻よりも前に改札に到着したことを意味するが、その一方で、利用者が発車時刻に間に合わずに遅れて改札に到着することも想定される。
すなわち、制御部51は、ステップS12において、現在時刻が発車時刻を越えていると判定すると(ステップS12:NO)、現在時刻(リーダライタ6から列車情報等を受信して、計時部53から現在時刻情報を読み出した時刻)における列車情報を示す更新列車情報を生成する(ステップS14)。すなわち、制御部51は、現在時刻情報に基づいて、区間情報の乗車駅及び下車駅を通り、かつ現在時刻を越えた直近の時刻にその乗車駅から発車する列車(振り替え列車)の列車情報を、サーバ記憶部54に記憶された運行情報から抽出し、その列車情報を更新列車情報とする。
そして、制御部51は、更新列車情報と許可信号とを、通信部52を介して、リーダライタ6に送信する(ステップS15)。リーダライタ6の制御部61は、それら更新列車情報と許可信号とを、通信部62を介して受信し、読み書き部63を介して、カード記憶部13に記憶された列車情報を更新列車情報に更新(上書き)し、表示部11に更新列車情報を表示させるとともに、ゲートGを開ける。これにより、利用者は、改札を通ることができるようになる。このとき、利用者は、表示部11の更新列車情報を目視することにより、乗るべき列車を容易に確認することができる。
【0025】
また、制御部51は、ステップS11において、異常と判定すると(ステップS11:異常)、指定された列車が運休か否かを判定する(ステップS20)。すなわち、制御部51は、列車情報から列車識別情報を読み出し、その列車についての復旧情報を読み出す。そして、制御部51は、復旧フラグがオンになっていると、その列車が運休であると判定し(ステップS20:YES)、利用者に払い戻しを指示する払い戻し指示情報を生成し(ステップS21)、払い戻し指示情報と許可信号とをリーダライタ6に送信する(ステップS22)。リーダライタ6の制御部61は、読み書き部63を介して、表示部11に払い戻し指示を表示するとともに、ゲートGを開ける。これにより、表示部11に、「はやて13号は、運休となっております。窓口にて払い戻ししてください。」などと表示され、利用者がそれを目視により確認することができる。
【0026】
一方、制御部51は、ステップS20において、復旧フラグのオフにより、列車が運休ではないと判定すると(ステップS20:NO)、乗り換え情報などを含む更新列車情報を生成し(ステップS23)、その更新列車情報と許可信号とをリーダライタ6に送信する(ステップS24)。リーダライタ6の制御部61は、上記と同様にして、表示部11に更新列車情報を表示し、ゲートGを開ける。これにより、乗り換え情報などを利用者が目視により確認することができる。
【0027】
以上より、本実施形態における列車情報表示システム1によれば、利用者の携行するICカード10に、列車情報を表示することができるだけでなく、更新列車情報を表示することができることから、状況に応じて利用者に目視による確認を容易に行わせることができ、利用者の利便性を向上させることができる。
また、列車情報には、発着時刻情報、区間情報、列車識別情報及び座席情報が含まれていることから、利用者の利便性をさらに向上させることができる。
また、現在時刻が発車時刻を越えている場合に、直近の列車に関する更新列車情報を表示部11に表示することから、利用者が指定列車に乗り遅れたとしても、別の列車を案内することができる。
さらに、現在時刻が発車時刻を越えている場合に、乗り換え情報を表示することから、利用者が指定列車に乗り遅れたとしても、別の列車やルートを案内することができる。
【0028】
なお、上記実施形態においては、現在時刻が発車時刻を越えている場合に、直近の列車に関する更新列車情報を表示するとしたが、これに限ることはなく、直近でなくても、下車駅に最も早く到着する列車に関する列車情報や乗り換え情報を更新列車情報として表示するようにしてもよい。これにより、利用者が下車駅になるべく早く着けるように案内することができる。
また、現在時刻が発車時刻を越えている場合に更新列車情報を表示するものとしたが、これに限ることはなく、現在時刻が、発車時刻の所定時間前(例えば5分前)を超えている場合に、更新列車情報を表示するようにしてもよい。
また、乗り換え情報を表示する場合、1パターンだけでなく、複数パターンの乗り換え情報を表示するようにしてもよい。この場合、表示部11にすべてのパターンの乗り換え情報を表示してもよいし、1パターンずつの乗り換え情報を表示してもよい。1パターンずつ表示する場合、利用者が電力供給部12の所定のセルを指などで覆って、その所定のセルの光量を減少させることにより、電位変化によるスイッチング作用により、乗り換え情報の表示を複数パターンに切り替えることができる。
【0029】
また、このような電力供給部12のスイッチング作用を利用して、更新列車情報と、更新前の列車情報とを切り替えて表示させたり、更新列車情報の他に、例えば下車駅などの特定駅の情報(周辺の店や地図、歴史情報など)を切り替えて表示させたりすることもできる。
また、ICカード10が定期券として利用されている場合において、利用路線に遅れや運休などが発生している場合、制御部51が、運休情報などに基づいて生成した乗り換え情報を表示することもできる(ステップS14,23など)。
また、表示部11が電子ペーパからなるものとしたが、これに限ることはなく、有機ELや例えばフィルム式などのLCDなどでもよい。
また、電力供給部12として、太陽電池が設けられるとしたが、これに限ることはなく、バッテリーなどであってもよい。さらに、電力供給部12をそもそも設けなくてもよいが、この場合、リーダライタ6からの電力を受けて、表示部11に短時間表示するようにしてもよい。
【0030】
また、図5及び図6における制御部51の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより列車情報の表示を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0031】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る列車情報表示システムの実施形態を示す全体構成図である。
【図2】図1のICカードを拡大して示す平面図である。
【図3】図2の表示部の表示画面の様子を示す説明図である。
【図4】リーダライタが設置された改札の様子を示す説明図である。
【図5】乗り換え案内サーバの制御部の動作を示すフローチャートである。
【図6】乗り換え案内サーバの制御部の動作を示す図であって、図5から続く動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1 列車情報表示システム
5 乗り換え案内サーバ(管理サーバ装置)
6 リーダライタ(読み書き装置)
7 改札
10 ICカード
11 表示部
51 制御部(送信制御部)
52 通信部(送信制御部)
61 制御部(送信部、表示制御部)
62 通信部(送信部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改札の近傍に設置され、列車に関する列車情報を記憶するICカードと通信を行う読み書き装置と、この読み書き装置と通信を行う管理サーバ装置とを備える列車情報表示システムであって、
前記読み書き装置は、
前記ICカードに記憶された列車情報を読み出して、前記管理サーバ装置に送信する送信部と、
前記ICカードに設けられた表示部に表示された列車情報を、前記サーバ装置から送信された更新列車情報に更新して表示する表示制御部とを備え、
前記管理サーバ装置は、
前記送信部から送信された列車情報に基づいて、現時点での列車情報を含む更新列車情報を生成し、前記読み書き装置に送信する送信制御部を備えることを特徴とする列車情報表示システム。
【請求項2】
前記列車情報は、利用者によって指定された列車の発着時刻情報、区間情報、列車識別情報及び座席情報を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の列車情報表示システム。
【請求項3】
前記送信制御部は、
前記送信部から前記列車情報が送信されてきたときの現在時刻が、前記発着時刻情報の発車時刻又は前記発車時刻よりも所定時間前の時刻を超えている場合、前記発車時刻よりも後に発車する列車に関する列車情報を含めて、前記更新列車情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の列車情報表示システム。
【請求項4】
前記送信制御部は、
前記送信部から前記列車情報が送信されてきたときの現在時刻が、前記発着時刻情報の発車時刻又は前記発車時刻よりも所定時間前の時刻を超えている場合、前記現在時刻と前記区間情報とに基づいて、乗り換え情報を生成し、前記乗り換え情報を含めて前記更新列車情報を生成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の列車情報表示システム。
【請求項5】
前記送信制御部は、
前記下車駅にもっとも早く到着するルートによって、前記乗り換え情報を生成することを特徴とする請求項4のいずれか一項に記載の列車情報表示システム。
【請求項6】
改札の近傍に設置され、列車に関する列車情報を記憶するICカードと通信を行う読み書き装置と、この読み書き装置と通信を行う管理サーバ装置とを備える列車情報表示システムにおける列車情報表示方法であって、
前記読み書き装置の送信部が、前記ICカードに記憶された列車情報を読み出して、前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置の送信制御部が、前記送信部から送信された列車情報に基づいて、現時点での列車情報を含む更新列車情報を生成し、前記読み書き装置に送信し、
前記読み書き装置の表示制御部が、前記ICカードに設けられた表示部に表示された列車情報を、前記更新列車情報に更新して表示することを特徴とする列車情報表示方法。
【請求項7】
改札の近傍に設置され、列車に関する列車情報を記憶するICカードと通信を行う読み書き装置と、この読み書き装置と通信を行う管理サーバ装置とを備える列車情報表示システムにおける管理サーバ装置であって、
前記読み書き装置から送信された列車情報に基づいて、現時点での列車情報を含む更新列車情報を生成し、前記読み書き装置に送信することにより、前記ICカードに設けられた表示部に表示された列車情報を、前記更新列車情報に更新して表示する送信制御部を備えることを特徴とする管理サーバ装置。
【請求項8】
改札の近傍に設置され、列車に関する列車情報を記憶するICカードと通信を行う読み書き装置と、この読み書き装置と通信を行う管理サーバ装置とを備える列車情報表示システムにおける管理サーバ装置で実行されるプログラムであって、
前記読み書き装置から送信された列車情報に基づいて、現時点での列車情報を含む更新列車情報を生成し、前記読み書き装置に送信することにより、前記ICカードに設けられた表示部に表示された列車情報を、前記更新列車情報に更新して表示する送信制御手段として、前記管理サーバ装置を機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−13007(P2010−13007A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176097(P2008−176097)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【Fターム(参考)】