説明

制御プログラム及び記録媒体

【課題】所望のデータを読み出して表示手段に表示させることができる制御プログラム及び記録媒体の提供。
【解決手段】制御プログラムは、コンピュータを、読み取ったデータが破損しているかを判定するデータ判定手段17、破損している場合に、該データの付帯情報又は特定の情報ファイルの情報から対応付け情報を読み取る対応付け情報読み取り手段18、対応付け情報を参照して他方のデータを読み取る対応データ読み取り手段19、読み取ったデータが表示可能な場合は該データに基づく画像を、読み取ったデータが表示できない場合は対応データに基づく画像を表示手段に表示させる表示制御手段20、として機能させるものであり、一方のデータが表示できないとしても他方のデータを読み取って表示手段に表示させることができるため、画像データに基づく画像を簡単かつ確実に表示させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望のデータを読み取るための制御プログラム及び該制御プログラムで利用されるデータが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、写真に関連する様々なサービスが提供されるようになってきている。例えば、ユーザがデジタルカメラで写真を撮影し、デジタルカメラやデジタルカメラ用メディアをミニラボ等の写真店に持ち込み、店舗内に設けられた無人端末(キオスク)や店頭端末などを用いて、デジタルカメラやメディアに記録された画像データをCD−R、DVD−Rなどの記録媒体に書き込むことができる(例えば、特開平5−182373号公報等)。
【0003】
また、ユーザがフィルムカメラで写真を撮影し、撮影済みのフィルムをミニラボ等の写真店に持ち込むと、写真店ではフィルムを現像した後、スキャナ等の読み取り装置を用いて画像データを読み取り、CD−R、DVD−Rなどの記録媒体に書き込んでユーザに提供するサービスも行われている。
【0004】
また、デジタルカメラやメディア、フィルムから読み取った画像データに基づいてDVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機などの画像再生機器で再生可能な形式のデータを生成し、元の画像データと生成したデータとをCD−R、DVD−Rなどの記録媒体に書き込むサービスも行われている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−182373号公報(第4−6頁、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記サービスを利用することにより、デジタルカメラやメディア等に記録された画像データや生成された画像再生機器用データなどが記録された記録媒体を入手することができ、この記録媒体を用いることにより、これらのデータをいわゆる電子アルバムとして保存、管理することができる。
【0007】
しかしながら、記録媒体はコンピュータ機器や画像再生機器に出し入れして使用されるものであるため、何らかの理由で、記録された画像データや画像再生機器用データの中の一部のデータが破損してしまい、該データを表示することができなくなってしまう場合がある。そこで、そのような不具合に対処するために、上記データを記録媒体の特定の領域に記録すると共に、該データと同じデータを記録媒体の他の領域やコンピュータ機器のハードディスク、通信ネットワークで接続されているホームサーバ、webサーバなどの他の記録手段にバックアップしておくこともできる。
【0008】
このように同じデータを記録媒体の複数の領域又は別々の記録手段に記録しておくことにより、一方のデータが表示できない場合に、対応する他方のデータを読み出して表示させることが可能となるが、対応する他方のデータの記録場所が分からなければ該データを読み出すことができず、また、記録場所が分かったとしてもユーザ自身がその記録場所から対応する他方のデータを読み出さなければならず操作が煩雑になってしまう。
【0009】
また、このような問題は、写真画像に基づく静止画像データに限らず、デジタルムービーカメラなどで撮影して得られた動画データやインターネットなどを介して取得した音楽データ、コンテンツデータなどにおいても同様に生じる。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、データが破損している場合でも対応するデータを読み出すことができる制御プログラム及び該制御プログラムで利用される画像データが記録された記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の制御プログラムは、コンピュータを、記録媒体から読み取った第1のデータが破損しているかを判定する手段、前記第1のデータが破損していると判定された場合に、該第1のデータに付帯された情報又は特定の情報ファイルに記述された情報から、該第1のデータと同じ画像情報を備える第2のデータを特定するための対応付け情報を読み取る手段、前記対応付け情報を参照して、前記第2のデータを読み取る手段、として機能させるものである。
【0012】
また、本発明の制御プログラムは、コンピュータを、記録媒体から読み取った第1のデータが破損しているかを判定する手段、前記第1のデータが破損していると判定された場合に、該第1のデータに付帯された情報又は特定の情報ファイルに記述された情報から、該第1のデータと同じ画像情報を備える第2のデータを特定するための対応付け情報を読み取る手段、前記対応付け情報を参照して、前記第2のデータを読み取る手段、前記第1のデータが破損していないと判定された場合は該第1のデータに基づく画像を、前記第1のデータが破損していると判定された場合は前記第2のデータに基づく画像を表示手段に表示させる手段、として機能させるものである。
【0013】
本発明においては、前記対応付け情報は、前記第1のデータ又は前記第2のデータのファイル名、又は、前記第1のデータ又は前記第2のデータの記録場所を特定する情報を含むことが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、前記第2のデータは、ファイル名又は付帯情報の少なくとも一方以外が前記第1のデータと同一のデータとすることができる。
【0015】
また、本発明の記録媒体は、同じ画像情報を備える第1のデータ及び第2のデータが記録され、前記第1のデータ及び前記第2のデータの少なくとも一方に、他方のデータを特定するための対応付け情報が付帯情報として記録されているものである。
【0016】
また、本発明の記録媒体は、同じ画像情報を備える第1のデータ及び第2のデータと、前記第1のデータ及び前記第2のデータを互いに対応付けるための対応付け情報が記述された特定の情報ファイルと、が記録されているものである。
【0017】
本発明においては、前記記録媒体の論理アドレス領域外に、該記録媒体を識別するための情報が記録されている構成とすることができる。
【0018】
このように、本発明の構成によれば、記録媒体には、読み取った画像データや該画像データに基づいて生成されたデータなどが同じ画像情報を備える一対のデータとして記録され、少なくとも一方のデータには対応する他方のデータを特定するための対応付け情報が付帯情報として記録され、又は特定の情報ファイルに対応付け情報が記述されており、制御プログラムは、該記録媒体から読み取った一方のデータが破損しているかを判定し、破損していると判定された場合に、該データに付帯された情報又は情報ファイルに記述された情報から対応付け情報を読み取り、該対応付け情報を参照して、該データに対応するデータを読み出し、一方のデータが破損していない場合は該一方のデータに基づく画像を、一方のデータが破損している場合は他方のデータに基づく画像を表示手段に表示させるため、ユーザ自らが記録媒体から読み取ったデータが破損していないかを判定したり、対応するデータを検索して読み出す必要がなくなり、画像データに基づく画像を簡単かつ確実に表示することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明の制御プログラム及び記録媒体によれば、表示しようとするデータが破損等によって表示できない場合でも、自動的に対応するデータを表示手段に表示させることができる。
【0020】
その理由は、記録装置では、メディアやデジタルカメラなどから画像データを読み取り、必要に応じて読み取った画像データに基づいてDVDプレーヤ、DVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機などの画像再生機器で再生可能なデータや、データサイズを縮小した縮小画像データなどを生成し、読み取った画像データや生成されたデータを、同じ画像情報を備える一対のデータ(ファイル名や付帯情報のみが異なるデータを含む。)を記録媒体の複数の領域に記録したり、これら一対のデータを記録媒体とハードディスク、ホームサーバ、webサーバなどの他の記録手段とに記録し、制御プログラムは、記録媒体から読み取った一方のデータが破損しているかを判定し、該データが破損していると判定された場合は、該データに付帯された情報又は特定の情報ファイルに記述された情報から対応付け情報を読み取り、読み取った対応付け情報を参照して、該データに対応するデータを記録媒体の他の領域や他の記録手段から読み出し、一方のデータが表示可能な場合はその一方のデータに基づく画像を、一方のデータが表示できない場合は対応する他方のデータに基づく画像を表示手段に表示させる制御を行うからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の制御プログラムは、その好ましい一実施の形態において、コンピュータを、読み取ったデータが破損しているかを判定するデータ判定手段、読み取ったデータが破損していると判定された場合に、該データに付帯された情報又は特定の情報ファイルに記述された情報から、該データと同じ画像情報を備える対応する他方のデータを特定するための対応付け情報を読み取る対応付け情報読み取り手段、読み取った対応付け情報を参照して、該データに対応する他方のデータを読み取る対応データ読み取り手段、読み取ったデータが表示可能な場合は該データに基づく画像を、読み取ったデータが表示できない場合は対応データに基づく画像を表示手段に表示させる表示制御手段、として機能させるものであり、デジタルカメラやメディアに記録された画像データや該画像データに基づいて生成されたデータが同じ画像情報を備える一対のデータとして記録されている場合において、一方のデータが表示できないとしても他方のデータを読み取って表示手段に表示させることができるため、ユーザ自身が表示しようとするデータが破損しているかを判定したり、対応するデータを検索して読み出す手間を省くことができ、画像データに基づく画像を簡単かつ確実に表示させることができる。
【実施例】
【0022】
上記実施形態について詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る制御プログラム及び記録媒体について、図1乃至図10を参照して説明する。図1は、本実施例のシステムの構成を模式的に示す外観図であり、図2乃至図4は、本実施例の制御プログラムが実行されるデータ表示装置のバリエーションを示す図である。また、図5は、制御プログラムにより機能する手段を示すブロック図であり、図6は、記録装置を用いた画像データの記録手順を示すフローチャート図、図7は、データ表示装置を用いた画像データの表示手順を示すフローチャート図である。また、図8は記録媒体(CD−R)の構造を模式的に示す図、図9は、記録媒体におけるデータの記録領域を示す図であり、図10は、記録媒体におけるデータの記録構造の一例を示す図である。なお、以下では、同じ画像情報を備える一対のデータが1つの記録媒体9に記録される場合について説明するが、この一対のデータは記録媒体9と、記録媒体9以外の他の記録手段とに分かれて記録されていてもよい。また、以下では、一対のデータを第1のデータと第2のデータの2つのデータとするが、3つ以上のデータが互いに対応付けられている構成としてもよい。また、本明細書及び特許請求の範囲における論理アドレス領域とは、ユーザのデータ(プログラム)が記録される領域であり、ユーザデータの配置情報が記録されるプログラムメモリ領域、リードイン・TOC(Table Of Contents)領域やリードアウト領域などの情報領域、ディスクの応用コードやレーザ記録パワーの推奨値、その他の情報が記録される案内溝変調(ATIP:Absolute Time In Pre-groove)情報の領域は含まず、また、論理アドレス領域外とは上記論理アドレス領域以外の領域を指すものとする。
【0023】
図1に示すように、本実施例のシステムは、記録媒体9に同じ画像情報を備える一対のデータを記録する記録装置1と、その記録媒体9を利用して該一対のデータのいずれか一方のデータに基づく画像を表示手段に表示するデータ表示装置10とからなる。
【0024】
また、記録装置1は、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどの記録媒体(以下、メディア8と呼ぶ。)を装填するメディア装填部2、デジタルカメラ7(デジタルスチルカメラ及びデジタルムービーカメラの双方を含む。)やカメラ付き携帯電話機7a等の撮影機器を有線又は無線、赤外線等によって接続するための機器接続部3、インターネット等の通信ネットワーク15を介してwebサーバ16aに接続するネットワーク接続部等を用いて画像データ(静止画像データや動画データ、画像情報を含むデータなどを総称して画像データと呼ぶ。)を入力する手段と、記録媒体装填部4に装填された記録媒体9に、画像データや該画像データに基づいて生成されたデータなどを、同じ画像情報を備える一対のデータ(ファイル名や付帯情報のみが異なる一対のデータを含む。)として記録する手段と、ボタン、キーボード、マウス等の操作手段6及びLCD、CRT等の表示手段5(図では操作手段6と表示手段5とを兼ね備えるタッチパネルを示している。)とを備えている。
【0025】
また、データ表示装置10は、上記一対のデータが記録された記録媒体9を装填する記録媒体装填部14と、必要に応じて、内蔵ハードディスク11や、外付けされたハードディスク、データ表示装置10にネットワーク接続されたホームサーバ16bやwebサーバ16aなどの記録手段と、モニタ等の表示手段12と、キーボード、マウス等の操作手段13とを備え、このデータ表示装置10には本実施例の制御プログラムが予めインストールされて実行可能になっている。
【0026】
また、上記制御プログラムにより機能する手段をブロック図で示すと図5に示すようになり、一対のデータの内、始めに読み取ったデータ(便宜上、第1のデータと呼ぶ。)が破損しているかを判定するデータ判定手段17と、破損している第1のデータに付帯された情報又は特定の情報ファイルに記述された情報から、第1のデータと、該第1のデータに対応する他方のデータ(便宜上、第2のデータと呼ぶ。)とを対応付けるための情報(以下、対応付け情報と呼ぶ。)を読み取る対応付け情報読み取り手段18と、対応付け情報を参照して、所定の記録手段(ここでは記録媒体9)から第2のデータを読み取る対応データ読み取り手段19と、必要に応じて、第1のデータが破損していないと判定された場合は第1のデータに基づく画像を、第1のデータが破損していると判定された場合は第2のデータに基づく画像をモニタ等の表示手段12に表示させる表示制御手段20とを少なくとも備えている。
【0027】
なお、図1ではデータ表示装置10としてパーソナルコンピュータを用いる場合を示しているが、データ表示装置10の形態は任意であり、例えば、図2に示すように専用のセットトップボックスとしたり、図3に示すようにポータブルライターとしたり、図4に示すように演算処理手段を備えるHDDレコーダやDVDレコーダ、ゲーム機としてもよいし、演算処理手段を備えるカーナビゲーション装置などとすることもできる。
【0028】
以下、データ表示装置10を用いて第1のデータ又は第2のデータに基づく画像を表示手段12に表示させる手順について説明するが、その前に、記録装置1を用いて記録媒体9に同じ画像情報を備える一対のデータ(第1のデータ及び第2のデータ)を記録する手順について説明する。
【0029】
まず、ステップS101で、記録装置1の記録媒体装填部4にCD−R/RWやDVD±R/RW、DVD−RAM、Blu−rayディスクなどの記録媒体9を装填する。この記録媒体9として汎用的な記録媒体を用いてもよいが、画像データの不正なコピーを未然に防止するために、所定の識別情報が書き込まれている記録媒体を用いることもでき、その場合は、ステップS102で、記録媒体9の特定の領域から識別情報を読み出す。その際、上記識別情報は適正な記録媒体にデータを記録するために設けるものであるため、識別情報の記録場所や中身が容易に知られてしまうと識別情報自体もコピーされてしまい、適正にデータを記録することができなくなってしまうため、識別情報の少なくとも一部はコンピュータのOSでは記録内容を制御できない情報、具体的にはプログラムメモリ領域の情報や、CD−R成型時に付与される案内溝変調(ATIP)による情報などとすることが好ましい。
【0030】
ここで、一般的な記録媒体の構造について、図8を参照して説明すると、CD-Rは、ポリカーボネート基板100上に、シアニン、フタロシアニン、アゾなどの有機色素層101と銀などの反射層102と保護層103とが積層されて形成され、有機色素層101に所定のパワーのレーザ光を当てて色素を分解して基板を変形させることでピットを形成し、情報の記録を行っているが、レーザパワーは、レーザ光を照射するレーザヘッドの方式や使用する有機色素層101の種類に応じて最適な値が異なるため、情報の書き込みを確実に行うためにはCD-Rのタイプやレーザ記録パワーの推奨値をドライブ側が認識する必要がある。そこで、ディスクの応用コードやレーザ記録パワーの推奨値などの情報を記録媒体の製造段階で案内溝変調(ATIP)による情報として書き込み、その情報をドライブのファームウェアが読み取り、ファームウェアが独自にレーザヘッドを制御してレーザパワーの調整を行っている。このような案内溝変調(ATIP)は製造時にしか作成できないため、ユーザレベルでのコピーを防止することができる。
【0031】
なお、この識別情報の具体的な構成は任意であり、上記以外の案内溝変調(ATIP)であるリードイン開始時間、最大リードアウト開始可能時間等も適宜設定することで識別情報として利用することができ、記録媒体が正規に作成されたものか否かを簡単かつ確実に識別することができる。
【0032】
次に、所定の識別情報が記録されている場合は、ステップS103で、記録装置1のメディア装填部2にメディア8を装填、又は、機器接続部3にデジタルカメラ7やカメラ付き携帯電話機7aを接続、又はネットワーク接続部を通信ネットワーク15に接続し、ステップS104で、デジタルカメラ7やメディア8、サーバ11などから画像データを読み取る。その際、表示手段5や操作手段6を用いて記録媒体9に記録する画像データを選択してもよい。
【0033】
次に、ステップS105で、必要に応じて、読み取った画像データのデータサイズを縮小したサムネイル画像データやスクリーンネイル画像データなどの縮小画像データを作成する。この縮小画像データは入力した画像データよりもデータサイズが小さいものであればよく、例えば、画素数を減縮した画像データや色数、色再現域を減縮した画像データなどとすることができる。
【0034】
次に、ステップS106で、必要に応じて、読み取った画像データに基づいて動画データを生成した後、該動画データをDVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機等の画像再生機器で再生可能なデータ(Video−CD形式、DVD−Video形式、HDTV形式などのデータ)に変換する。上記画像データから動画データを作成する方法は特に限定されないが、例えば、静止画像データをスライドショーのように表示する場合は、静止画像データにスライド表示の時間分の差分0のデータを付加して動画データを生成したり、静止画像データにスライドショープログラムで設定されたスライド効果に基づく差分データを付加して動画データを生成すればよい。
【0035】
次に、ステップS107で、読み取った画像データや生成したデータを一対のデータとして記録媒体9に書き込むために、第1のデータ(ステップS104で読み取った画像データ、ステップS105で生成した縮小画像データ又はステップS106で生成した画像再生機器用データ)のファイル名を予め定められたルールに従って変更して、該第1のデータに対応するデータ(第2のデータ)を生成する。この場合において、第1のデータと第2のデータとを記録媒体9の別々のフォルダに格納する場合は、必ずしもファイル名を変える必要はなく、これらを同じファイル名のデータとしてもよい。また、対応する第2のデータは画像データと縮小画像データと画像再生機器用データの全ての種類のデータに対して生成してもよいし、これらのデータの中から選択された1又は複数の種類のデータに対してのみ生成してもよいが、ここでは読み取った画像データに対してのみ対応する第2のデータを生成するものとする。
【0036】
次に、一方のデータが破損している場合に他方のデータを特定することができるように、ステップS108で、双方のデータを対応付けるための対応付け情報を生成して対応付けを行う。この対応付け情報は、双方のデータの対応関係を明確にできる情報であればよく、例えば、互いのファイル名や互いのデータの記録場所を示す情報(パス情報)などを用いることができる。また、対応付けの方法として、各々のデータに付帯情報として記録する方法と、特定の情報ファイルに記述する方法とがある。各々のデータに付帯情報として記録する場合は、例えば、各々のデータのヘッダ領域などに、該データに対応するデータのファイル名やパス情報などの情報を記録する。この場合において、一対のデータの内、どちらのデータを先に読み取るかが予め定められている場合は、先に読み取られるデータから対応するデータを特定できればよいため、その場合は上記対応付け情報は先に読み取られる方のデータにのみ記録しておけばよく、必ずしも一対のデータの双方に対応付け情報を記録しておく必要はない。また、対応付け情報を特定の情報ファイルに記述する場合は、一方のデータのファイル名やパス名と、該データに対応する他方のデータのファイル名やパス名とを対応付けて特定の情報ファイルに記述する。なお、対応付け情報は、各々のデータ又は特定の情報ファイルのいずれか一方に記録しておけばよいが、第1のデータが破損している場合に該第1のデータに付帯した情報も読み出せない場合も考えられるため、各々のデータと特定の情報ファイルの双方に対応付け情報を記録しておくこともできる。
【0037】
次に、ステップS109で、記録媒体9に、対応付け情報が記録された画像データ(第1のデータ)及び必要に応じて対応付け情報が記録された画像データ(第2のデータ)と、必要に応じて、対応付け情報が記録された特定の情報ファイル、サムネイル画像データやスクリーンネイル画像データなどの縮小画像データ、スライドショープログラムなどのアプリケーションやその設定データ、画像再生機器用データなどを書き込む。その際、画像データや縮小画像データ、特定の情報ファイル、アプリケーションなどはどの領域に記録してもコンピュータ機器で読み取ることができるが、画像再生機器ではデータを読み取ることができる領域が限定されるため、画像再生機器用データを記録する場合はディスク型記録媒体の最も内側の領域に記録されるようにする。
【0038】
なお、画像再生機器用データに対して一対のデータを生成する場合は、一旦、一方の画像再生機器用データ(第1のデータ)を記録した後、セッションをクローズすると、対応する他方の画像再生機器用データ(第2のデータ)を記録しても第2のデータは画像再生機器で読み取ることができない。そこで、この場合には一旦、一方の画像再生機器用データを記録した後、セッションをクローズせずに、すなわちトラックアトワンス方式で対応する他方の画像再生機器用データを記録することが好ましい。
【0039】
上記方法で第1データ及び第2のデータが記録された記録媒体9におけるデータの記録領域は、例えば図9のようになり、記録媒体9の最も内側の領域(論理アドレス領域外)には所定の識別情報が記録され、論理アドレス領域の内側には、生成された画像再生機器用データが記録され、更にその外側の領域には、対応付け情報が記録された第1のデータ及び第2のデータ、必要に応じて、特定の情報ファイルや縮小画像データ、アプリケーション、設定データなどからなるコンピュータ機器用データ群が記録される。
【0040】
ここで、第1のデータが破損する原因として様々な原因が考えられるが、例えば、記録媒体9の記録面に生じた傷などによって第1のデータが破損した場合、第1のデータと第2のデータとが記録媒体9上の近い領域に記録されていると、第1のデータと第2のデータとが共に読み取り不能になる恐れがある。そこで、そのような事態を避けるために、第1のデータと第2のデータとを記録媒体9の別々の領域に記録することもできる。その場合は、論理アドレス領域の内側に第1のデータを記録し、その外側に特定の情報ファイルやアプリケーション、設定データなどの他のデータを記録し、更にその外側に第2のデータを記録して、第1のデータと第2のデータの記録領域を物理的に離すことにより、双方のデータが共に読み出せなくなる場合を起こりにくくすることができる。
【0041】
また、上記手順で作成された記録媒体9の記録構造は任意であるが、例えば、読み取った画像データを一対のデータとして記録する場合は図10に示すようになり、第1のデータ(図ではOR030416000001.jpg〜OR030416000010.jpg)及び第2のデータ(図ではOR030416010001.jpg〜OR030416010010.jpg)と、必要に応じて、対応付け情報が記述された情報ファイル(info.txt)、サムネイル画像データ、スクリーンネイル画像データと、”APPL”フォルダ内のスライドショープログラム、スライドショーの設定ファイル、自動起動ファイル(Autorun.inf)などとでコンピュータ機器用データ群が構成され、”VCD”フォルダ内の画像データをVideo−CD形式、DVD−Video形式、HDTV形式用データ等として関連付けるファイル、”SEGMENT”フォルダ内のTV画面に表示する画像データ、”MPEGAV”フォルダ内の動画データ、”DAT”フォルダ内のTV画面に静止画像データを表示するためのアプリケーションなどで画像再生機器用データ群が構成される。
【0042】
なお、上記記録構造におけるフォルダの名称や階層構造は任意であるが、画像データをデータ表示装置10などにバックアップした場合における管理を容易にするために、予め定められたルールに従ってフォルダを構成し、そのフォルダにユニークな名称を付与することもできる。例えば、図10に示すように、画像データの格納場所を示すフォルダ(PS_Roll)の下位の階層にメディア8毎、機器毎、フィルム毎の画像データの格納場所を示すフォルダ(ROYYMMDDyyy_XXXXXXAABxxx、YYMMDD:書き込み年月日を特定する数字、yyy:日毎のシーケンシャル番号、XXXXXX:ランダムなID番号、AA:メーカーコード(00〜ZZ)、B:ソフトウェア、機器の商品カテゴリー(0〜Z)、xxx:シーケンシャル番号)などを作成したり、各々の画像データをCCYYMMDDxxxxxx(CC:画像データの種別、YYMMDD:書き込み年月日を特定する数字、xxxxxx:シーケンシャル番号)などにリネームすることもできる。
【0043】
また、図10では、対応付け情報などが記録された情報ファイルとしてテキスト形式のファイルを示しているが、情報ファイルの形式は任意であり、例えば、写真業界で推奨されている専用のファイル(例えば、拡張子がpvmのファイル)などとしてもよい。この形式のファイルには、画像再生機器の再生指示情報(例えば、再生順やスライド間隔、スライド効果、画像回転、BGMなど)や画像検索情報(マニュアル入力された情報やアプリケーションで自動認識される情報、撮影時に記録される画像ヘッダ情報など)、データ履歴情報(コピーや移住に関する情報、画像データの保管パス情報など)、ID情報(ディスクIDやショップID、ショップURLなど)が記録されるため、画像検索情報として対応付け情報を記録しておけば、対応付け情報の読み取りを容易にすることができる。
【0044】
次に、上記手順に従って、第1のデータと第2のデータとが対になって記録された記録媒体9を用いて、表示対象となるデータをデータ表示装置10に表示させる手順について、図7のフローチャート図を参照して説明する。なお、以下の説明では、記録媒体9に読み取った画像データが対になって記録されているものとするが、縮小画像データや画像再生機器用データが対になって記録されている場合も同様の手順で処理することができる。
【0045】
まず、ステップS201で、データ表示装置10に予めインストールされた制御プログラムを起動させる。この制御プログラムは必ずしもデータ表示装置10に予めインストールされている必要はなく、該制御プログラムを記録媒体9に記録しておき、記録媒体9が装填されたら自動的に起動するようにしてもよい。
【0046】
次に、ステップS202で、記録媒体装填部4に上記手順で第1のデータと第2のデータとが対になって記録された記録媒体9を装填する。
【0047】
次に、ステップS203で、必要に応じて、記録媒体9の特定の領域に所定の識別情報が記録されているかを判定し、所定の識別情報が記録されている場合は、ステップS204で、記録媒体9から第1のデータを読み取る。この第1のデータの読み取り方法は任意であり、第1のデータの記録順やファイル名順などに基づいて順次、自動的に読み取るようにしてもよいし、表示手段12や操作手段13を用いてユーザが選択するようにしてもよい。
【0048】
次に、ステップS205で、データ判定手段17は、読み取った第1のデータが破損しているかを判定する。ここで、データが破損している場合として、画像情報の一部が欠落している場合や、画像情報の一部が改竄されている場合などが考えられるが、本発明においてデータが破損している場合とは、データ本体の画像情報に基づく画像を正常に表示することができない場合全般を意味するものとする。また、データが破損しているかを判定する方法は特に限定されず、例えば、第1のデータのヘッダからデータサイズを特定する情報を読み取り、読み取ったデータサイズと実際の第1のデータのデータサイズとが一致するかを判定したり、所定のプログラムを用いて実際に第1のデータを表示させ、表示できるか否かに基づいて判定する等の方法を用いることができる。
【0049】
そして、第1のデータが破損していないと判定された場合は、ステップS208にスキップし、第1のデータが破損していると判定された場合は、ステップS206で、対応付け情報読み取り手段18は、第1のデータに付帯された情報や特定の情報ファイルに記述された情報から、第1のデータに対応する第2のデータを特定するファイル名やパス名などの対応付け情報を読み取り、ステップS207で、対応データ読み取り手段19は、読み取った対応付け情報を参照して、破損している第1のデータに対応する第2のデータを読み取る。
【0050】
例えば、第1のデータのヘッダや特定の情報ファイルに、対応する第2のデータのファイル名が記述されている場合は、対応データ読み取り手段19は記録媒体9やハードディスク11、ホームサーバ16b、webサーバ16a等を検索して該ファイル名の第2のデータを読み取る。また、対応付け情報としてパス情報が記録されている場合は、該パス情報で特定される記録位置から対応する第2のデータを読み取る。なお、ステップS204で、第1のデータ自体が読み取れない場合も考えられるが、その場合は、特定の情報ファイルに記述された情報から対応付け情報を読み取り、読み取った対応付け情報を参照して第2のデータを読み取ればよい。
【0051】
次に、ステップS208で、表示制御手段20は、第1のデータが破損していないと判定された場合は第1のデータに基づく画像を、第1のデータが破損していると判定された場合は第2のデータに基づく画像を表示手段12に表示させる。そして、ステップS209で、次の第1のデータに対して同様の処理を繰り返す。
【0052】
このように、本実施例の制御プログラム及び記録媒体では、読み取った第1のデータが破損しているかを判定した後、破損していると判定された場合には、第1のデータに付帯された情報又は特定の情報ファイルに記述された情報から対応付け情報を読み取り、この対応付け情報を参照して所定の記録手段から対応する第2のデータを読み取り、第1のデータが表示可能な場合は第1のデータに基づく画像を、第1のデータが表示できない場合は第2のデータに基づく画像を表示手段12に表示させるため、ユーザ自身が読み取ったデータが破損しているかを判定したり、対応する第2のデータを検索して読み取る必要がなくなり、所望のデータを簡単かつ確実に表示させることができる。
【0053】
なお、上記実施例では、画像データを記録する場合について記載したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、音楽データなどの他の種類のデータを記録する場合についても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施例のシステムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係るデータ表示装置の他の外観構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係るデータ表示装置の他の外観構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係るデータ表示装置の他の外観構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る制御プログラムにより機能する手段を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施例に係る記録装置を用いたデータの記録手順を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の一実施例に係るデータ表示装置を用いたデータの表示手順を示すフローチャート図である。
【図8】記録媒体の構造を模式的に示す図である。
【図9】本発明の一実施例の記録媒体におけるデータの記録領域を示す図である。
【図10】本発明の一実施例の記録媒体におけるデータの記録構造を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 記録装置
2 メディア装填部
3 機器接続部
4 記録媒体装填部
5 表示手段
6 操作手段
7 デジタルカメラ
7a カメラ付き携帯電話機
8 メディア
9 記録媒体
10 データ表示装置
11 ハードディスク
12 表示手段
13 操作手段
14 記録媒体装填部
15 通信ネットワーク
16a webサーバ
16b ホームサーバ
17 データ判定手段
18 対応付け情報読み取り手段
19 対応データ読み取り手段
20 表示制御手段
100 ポリカーボネート基板
101 有機色素層
102 反射層
103 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
記録媒体から読み取った第1のデータが破損しているかを判定する手段、
前記第1のデータが破損していると判定された場合に、該第1のデータに付帯された情報又は特定の情報ファイルに記述された情報から、該第1のデータと同じ画像情報を備える第2のデータを特定するための対応付け情報を読み取る手段、
前記対応付け情報を参照して、前記第2のデータを読み取る手段、として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
記録媒体から読み取った第1のデータが破損しているかを判定する手段、
前記第1のデータが破損していると判定された場合に、該第1のデータに付帯された情報又は特定の情報ファイルに記述された情報から、該第1のデータと同じ画像情報を備える第2のデータを特定するための対応付け情報を読み取る手段、
前記対応付け情報を参照して、前記第2のデータを読み取る手段、
前記第1のデータが破損していないと判定された場合は該第1のデータに基づく画像を、前記第1のデータが破損していると判定された場合は前記第2のデータに基づく画像を表示手段に表示させる手段、として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項3】
前記対応付け情報は、前記第1のデータ又は前記第2のデータのファイル名、又は、前記第1のデータ又は前記第2のデータの記録場所を特定する情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御プログラム。
【請求項4】
前記第2のデータは、ファイル名又は付帯情報の少なくとも一方以外が前記第1のデータと同一のデータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の制御プログラム。
【請求項5】
同じ画像情報を備える第1のデータ及び第2のデータが記録され、前記第1のデータ及び前記第2のデータの少なくとも一方に、他方のデータを特定するための対応付け情報が付帯情報として記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項6】
同じ画像情報を備える第1のデータ及び第2のデータと、前記第1のデータ及び前記第2のデータを互いに対応付けるための対応付け情報が記述された特定の情報ファイルと、が記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項7】
前記記録媒体の論理アドレス領域外に、該記録媒体を識別するための情報が記録されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の記録媒体。
【請求項8】
前記対応付け情報は、前記第1のデータ又は前記第2のデータのファイル名、又は、前記第1のデータ又は前記第2のデータの記録場所を特定する情報を含むことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一に記載の記録媒体。
【請求項9】
前記第2のデータは、ファイル名又は付帯情報の少なくとも一方以外が前記第1のデータと同一のデータであることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一に記載の記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−31180(P2006−31180A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206416(P2004−206416)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】