説明

制御装置、情報表示器及びその情報表示システム

【課題】複数の情報表示器の各々を、一つの制御装置に一旦接続しておけば、表示を書き換えるたびに情報表示器を繋ぎ替えることなく、制御装置に接続されたままで、表示させたい情報に書き換えられる情報表示システムで用いる制御装置、情報表示器及びその情報表示システムを提供する。
【解決手段】制御装置は、所定画像を表示する複数の情報表示器を制御する。制御装置は、複数の情報表示器の各々に対応して連結される複数の装置側連結機構を備え、複数の装置側連結機構の各々には、装置側導通部分と装置側絶縁部分とが形成され、装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンは、複数の装置側連結機構の各々で異なり、複数の装置側連結機構の各々は、画像信号と、所定画像を表示すべき情報表示器を識別するための識別信号と含む制御信号を送信する制御信号送信部を備え、識別信号は、配置パターンに対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を有する2つの基板の間に配置される表示媒体を駆動させて、画像信号に対応する所定画像を情報表示領域に表示する情報表示器を複数用いる情報表示システムにおいて、複数の情報表示器を制御する制御装置、情報表示器及びその情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくとも観察側となる基板が透明な2枚の基板を対向させて形成した空間に、電気的に駆動できる表示媒体を配置した情報表示パネルが情報表示器として知られている。
【0003】
複数の情報表示器を表示画面として平面的に、あるいは、立体的に並べ、これら複数の情報表示器に対して画像等の情報を表示する情報表示装置も知られている。特許文献1には、制御装置付きの情報表示器を複数平面的に並べた構成の情報表示装置が開示されている。特許文献2には、表示させた情報画像を保持した状態で立体的にまたは平面的に複数配置した構成の情報表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−58570号公報
【特許文献2】特開2006−234905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載された情報表示装置は、各情報表示装置に制御装置を備える必要があり、装置全体をコスト高にするという不都合があり、特許文献2に記載された情報表示装置は、表示させる情報を書き換える度に表示部(情報表示器)を装置から取り外して、別体の制御装置に装着して表示部の表示内容を書換えた後で再装着しなければならないといった不都合があった。
【0006】
従来技術では、制御装置が一つの情報表示器にしか電気的に接続されない構成であり、複数の情報表示器を平面的に、あるいは、立体的に配置して、それぞれの情報表示器、言い換えれば、それぞれの画面に所定の情報を表示させたい場合には、制御装置付きの情報表示器にするか、複数の情報表示器に表示する情報を書き換えるたびに制御装置と情報表示器との接続を切り替える必要があった。
【0007】
すなわち、従来技術では、複数の制御装置付き情報表示器としたり、一つ一つの情報表示器を制御装置に繋ぎ替えたりしなければ、複数の情報表示器の各々に表示させる画像を書き換えることができないという問題があり、その要因は、制御装置を一つの情報表示器にしか電気的に接続することができないという点にあった。
【0008】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数の情報表示器の各々を、一つの制御装置に一旦接続しておけば、表示を書き換えるたびに情報表示器を繋ぎ替えることなく、制御装置に接続されたままで、表示させたい情報に書き換えられる情報表示システムで用いる制御装置、情報表示器及びその情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を有する2つの基板の間に配置される表示媒体を駆動させて、画像信号に対応する所定画像を前記情報表示領域に表示する複数の情報表示器を備える情報表示システムにおいて、複数の情報表示器を制御する制御装置であって、複数の情報表示器の各々に対応して連結される複数の装置側連結機構を備え、前記複数の装置側連結機構の各々には、前記情報表示器と電気的に接続される装置側導通部分と、前記情報表示器と電気的に絶縁される装置側絶縁部分とが形成されており、前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との配置パターンは、前記複数の装置側連結機構の各々で異なり、前記複数の装置側連結機構の各々は、前記画像信号と、前記画像信号に対応する所定画像を表示させる情報表示器を特定するための識別信号とを含む制御信号を、連結される情報表示器に送信する制御信号送信部を備え、前記識別信号は、前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との前記配置パターンに対応することを要旨とする。
【0010】
本発明の特徴によれば、制御装置は、複数の情報表示器の各々に対応して連結される複数の装置側連結機構を備える。複数の装置側連結機構の各々は、装置側導通部分と装置側絶縁部分とを有する。複数の装置側連結機構の各々は、画像信号と、画像信号に対応する所定画像を表示させる情報表示器を特定する識別信号とを含む制御信号を、情報表示器に送信する制御信号送信部とを有する。このような制御装置は、識別信号を用いて、所定画像に書き換えるべき情報表示器を指定できる。装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンは、複数の装置側連結機構の各々で異なるため、各情報表示器は、自身が接続された装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンに基づく、各情報表示器を特定することになる識別情報を取得することが可能になる。
【0011】
具体的に、各情報表示器は、制御装置から送信された識別信号およびこの識別情報に基づき、制御装置から送信された画像信号が、自身の表示を書き換えるものであるかどうかを判定できる。この判定は、情報表示器側が備える、論理演算を行う電子回路によって実行され、送信された画像信号に対応する所定画像に書き換えるべき情報表示器と判定された情報表示器においてだけその表示が書き換えられる。このように、かかる制御装置によれば、情報表示器と制御装置との接続を切り替えることなく、すなわち、情報表示器を繋ぎ替えることなく、制御装置に接続されている複数の情報表示器の各々をそのままの状態で個別に特定して、制御装置が送信した画像信号に対応した所定画像に書き換えるべき情報表示器に対してだけに当該所定画像を表示させることができる。
【0012】
また、各情報表示器による前記判定に用いられる識別情報が、制御装置側の複数の装置側連結機構の各々において形成された装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンとして各情報表示器に与えられるため、情報表示器に設ける制御装置との接続部は、共通にすることができる。すなわち、情報表示器ごとに接続部の構成を変える必要がなく、同じ構成の接続部としておくだけでよいので、情報表示器の共通化を図ることが可能になる。
【0013】
本発明の他の特徴は、前記複数の装置側連結機構の各々は、前記情報表示器が備える孔部に接続する突出部を備え、前記装置側導通部分は、前記突出部のうち導電性部材を備えた突出部によって形成され、前記装置側絶縁部分は、前記突出部のうち絶縁性部材を備えた突出部 によって形成されるか、前記突出部が形成されていない空隙部によって形成されるかのいずれかであることを要旨とする。
【0014】
本発明の第2の特徴は、少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を有する2つの基板間に配置される表示媒体を駆動させて、制御装置から受信した画像信号に対応する所定画像を前記情報表示領域に表示する情報表示器であって、前記制御装置が備える装置側連結機構に形成される複数の突出部と接続する複数の孔部を備え、前記複数の孔部は、前記装置側連結機構と電気的に接続できる導電性部材を備える孔部を含み、前記導電性部材を備える孔部は、前記画像信号と、自身が前記画像信号に対応する所定画像を表示すべき情報表示器であるかを識別するための識別信号とを含む制御信号を、前記制御装置から受信する制御信号受信部と、前記制御装置が備える、装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンが形成された装置側連結機構と接続されることによって、前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との前記配置パターンに基づく識別情報が与えられる表示器側導通接続部と、を構成するとともに、前記識別信号と、前記配置パターンに基づく前記識別情報と、に基づいて、前記画像信号に対応する所定画像を自身に表示するか否かを決定する判定回路を駆動回路とともに備えることを要旨とする。
【0015】
本発明の第3の特徴は、少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を有する2つの基板の間に配置される表示媒体を駆動させて、画像信号に対応する所定画像を前記情報表示領域に表示する複数の情報表示器と、前記複数の情報表示器を制御する制御装置とを備える情報表示システムであって、前記制御装置は、複数の情報表示器の各々に対応して連結される複数の装置側連結機構を備え、前記複数の装置側連結機構の各々には、前記情報表示器と電気的に接続される装置側導通部分と、前記情報表示器と電気的に絶縁される装置側絶縁部分とが形成されており、前記複数の装置側連結機構の各々は、前記情報表示器と接続するとともに、前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との配置パターンが前記複数の装置側連結機構の各々で異なるように形成される装置側導通接続部と、前記画像信号と、前記画像信号に対応する所定画像を表示すべき情報表示器を特定するための識別信号とを含む制御信号を、前記情報表示器に送信する制御信号送信部とを備え、前記識別信号は、前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との配置パターンに対応しており、前記複数の情報表示器の各々は、前記画像信号と、前記識別信号とを含む制御尊号を前記制御装置から受信する制御信号受信部と、前記装置側導通接続部と接続することによって、前記配置パターンに基づく識別情報が与えられる表示器側導通接続部とを備えるとともに、前記識別信号と、前記配置パターンに基づく前記識別情報と、に基づいて、前記画像信号に対応する所定画像を自身に表示するか否かを決定する判定回路を駆動回路とともに備えることを要旨とする。
【0016】
本発明の他の特徴は、前記制御装置において、前記制御信号送信部は、前記複数の前記情報表示器に対して、それぞれの情報表示器に表示すべき所定画像に対応する画像信号と前記画像信号に対応する所定画像を表示すべき情報表示器を特定するための識別信号とを含んだ制御信号を順次送信するか、もしくは、前記識別信号を、前記画像信号とともに順次送信するかし、前記複数の前記情報表示器のそれぞれにおいて、前記判定回路は、前記識別信号と、前記配置パターンに基づく前記識別情報と、に基づいて、前記画像信号に対応する所定画像を情報表示器自身に表示するか否かを順次決定して順次表示することを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の情報表示器の各々を、一つの制御装置に一旦接続しておけば、表示を書き換えるたびに情報表示器を繋ぎ替えることなく、制御装置に接続されたままで、表示させたい情報に書き換えられる情報表示システムで用いる制御装置、情報表示器及びその情報表示システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る情報表示システムの一例の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る情報表示システムにおいて、制御装置と複数の情報表示器との電気的な接続関係を示す概念図である。
【図3】図3(a)は、図1に示す情報表示システムのX−X’線における断面図である。図3(b)は、図1に示す情報表示システムのY−Y’線における断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る情報表示器の接続部となる孔部を説明するための図である。
【図5】図5は、図4に示す情報表示器のA−A’線における断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態に係る情報表示器の導通接続部となる孔部の拡大図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に係る制御装置と一つの情報表示器との接続構成および判定回路の一例を説明する回路図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態に係る情報表示器に配置される駆動回路と、駆動回路に接続される接続線を説明する図である。
【図9】図9は、情報表示システムの処理を説明するフローチャートである。
【図10】図10(a)は、装置側連結機構に情報表示器を接続したときの接続において、装置側導通部分を構成する突出部の変形例を説明する図である。図10(b)は、装置側連結機構に情報表示器を接続したときの接続において、装置側絶縁部分を構成する変形例を説明する拡大図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態に係る情報表示器の導通接続部となる孔部の他の変形例を説明する図である。
【図12】図12(a)は、装置側絶縁部分の他の変形例を説明する図である。図12(b)は、装置側絶縁部分の他の変形例を説明する図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態に係る情報表示システムを構成する情報表示器の一例を説明する概略斜視図である。
【図14】図14は、本発明の実施形態に係る情報表示システムの機能ブロック構成の一例を示す図である。
【図15】図15は、本発明の情報表示器の一例である粒子移動型の情報表示器の一部を分解して示す分解斜視図である。
【図16】図16は、本発明の情報表示システムの他の実施形態を説明する図である。
【図17】図17は、本発明の情報表示システムの他の実施形態を説明する図である。
【図18】図18は、本発明の情報表示システムの他の実施形態を説明する図である。
【図19】図19(a)は、情報表示器の他の実施形態を説明する図である。図19(b)は、情報表示器の他の実施形態を説明する図である。図19(c)は、情報表示器の他の実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る情報表示器の一例及び制御装置の一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)情報表示システムの概略構成、(2)制御装置の突出部列の構成、(3)情報表示器の概略構成、(4)制御装置と情報表示器との接続回路構成および判定回路構成、(5)情報表示システムの処理、(6)作用・効果、(7)連結機構の変形例、(8)情報表示器の具体的構成例について説明する。
【0020】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。具体的な寸法などは、以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0021】
(1)情報表示システムの概略構成
図1は、情報表示システム100の概略構成を示す斜視図である。
【0022】
図1に示すように、情報表示システム100は、複数の情報表示器110と、複数の情報表示器110を制御する制御装置120とを備える。本実施形態では、制御装置120は、複数の情報表示器110を並列に配置する外装体として構成されている。制御装置120は、CPU、グラフィックコントローラ、メモリ(いずれも不図示)などを備えている。制御装置120は、情報表示器110に画像信号を送信するとともに、画像信号に対応する所定画像を表示するように情報表示器110を制御する。
【0023】
本実施形態に係る情報表示システム100において、制御装置120には、情報表示器110の各々を載置する複数の載置部Ca乃至Cdと、載置部Ca乃至Cdから突出した複数の突出部121とが形成されており、複数の情報表示器110の各々には、孔部(貫通孔)110hが形成されている。孔部110hに突出部121が挿入されることにより、複数の情報表示器110が制御装置120と接続する。具体的には、制御装置120は、突出部121が複数の情報表示器110の孔部110hに貫通され、突出部121と孔部110hとが嵌合されることによって、複数の情報表示器110を載置部Ca乃至Cdに固定することができる。また、制御装置120には、パーソナルコンピュータ(PC)、その他の電子機器、記憶装置などと接続可能な接続端子が設けられていてもよい(不図示)。
【0024】
さらに、情報表示を実行する時に必要な電源供給は、外装体にシート電池やコイン型電池などの電源を搭載して制御装置120と接続させたり、外装体に設けた制御装置120と接続した接続端子に外部電源を接続させたりして行うことができる。
【0025】
図1の例では、情報表示システム100は、外装体に制御装置120を設けた構成を示しているが、情報表示システム100は、外装体とは別体として配置された制御装置120を備えることで、制御装置120が、外装体に設けられた接続端子に接続して情報表示器を制御する構成としてもよい。いずれの場合も、装置側連結機構は、外装体に設けられることになる。
【0026】
本実施形態において、制御装置120に設けられる突出部121は、情報表示器110を載置する外装体の載置部Ca乃至Cdの各々から突出し、一方向に並べて形成されている。並べ方は、直線状、ジグザグ状、波状、円弧状などとすることができる。図1に示す例では、直線状に並べている。突出部121のうちのいくつかは、導電性の部材を備えて形成されており、制御装置120に備えられるCPUなどの電子デバイスと電気的に接続されている。
【0027】
また、情報表示器110に設けられる孔部110hは、情報表示器110の一辺に並列に所定数形成されている。孔部110hのうちのいくつかは、導電性の部材を備えて形成されており、導電性を備えた突出部121と電気的に接続可能に構成されている。突出部121と孔部110hとは互いに係合可能に構成されている。孔部110hの並べ方は、直線状、ジグザグ状、波状、円弧状などとすることができる。図1に示す例では、直線状に並べている。
【0028】
突出部121および孔部110hの並べ方は、情報表示システムにおいて互いに対応させる。図1に示す例では、いずれも直線状に並べて対応させている。
【0029】
本実施形態では、突出部121と孔部110hとは、互いに係合することによって、情報表示器110と制御装置120とを機械的に連結するとともに、情報表示器110と制御装置120とを電気的に接続する。制御装置120は、複数の情報表示器110と電気的に接続されている。すなわち、導電性の部材を備えた突出部121と導電性の部材を備えた孔部(貫通孔)110hとは、情報表示器110と制御装置120との物理的、機械的に連結する部分であって、かつ電気的に接続する部分である。導電性の部材を備えない突出部121と導電性の部材を備える孔部(貫通孔)110hとは、情報表示器110と制御装置120とを専ら、物理的、機械的に連結する部分となる。
【0030】
本実施形態において、載置部Ca乃至Cdは、複数の情報表示器110の各々に対応して形成されている。また、突出部121は、複数の情報表示器110の各々に対応して連結するように、並べて形成される。具体的に、制御装置120では、情報表示器110(#1)に対応して連結する突出部列121aと、情報表示器110(#2)に対応して連結する突出部列121bと、情報表示器110(#3)に対応して連結する突出部列121cと、情報表示器110(#4)に対応して連結する突出部列121dとが形成される。
【0031】
本実施形態において、載置部Ca及び突出部列121a、載置部Cb及び突出部列121b、載置部Cc及び突出部列121c、載置部Cd及び突出部列121dは、複数の情報表示器110の各々に対応して連結する複数の装置側連結機構を構成する。また、孔部110hは、装置側連結機構と連結する表示器側連結機構を構成する。なお、突出部121および孔部110hのいくつかを、専ら物理的、機械的係合構造を形成する構造部材として、電気的接続とは無関係に形成することもできる。導電性の部材を備えた突出部121は、制御装置側の導電接続部121E(図2参照)を構成し、導電性の部材を備えた孔部110hは、情報表示器側の導通接続部を構成する。
【0032】
また、図1に示す情報表示システム100は、少なくとも表面が絶縁性の材料で形成された留め具130を備える。情報表示器110には、突出部121に孔部110hが挿通されるとともに、絶縁性の留め具130によって、導電部分が形成された突出部121同士がリークしない状態で固定されている。なお、情報表示器110は、回転構造の留め具131によって、制御装置120の載置部Ca乃至Cdのそれぞれに固定するように構成されることがより好ましい。
【0033】
(2)制御装置の突出部列の構成
次に、制御装置120の突出部列121a乃至121dの構成について説明する。なお、ここでは、主に制御装置120の突出部列121a乃至121dと、複数の情報表示器110との電気的な接続関係について説明する。
【0034】
図2には、制御装置120と複数の情報表示器110との電気的な接続関係を示す概念図が示されている。制御装置120は、複数の突出部列121a乃至121dを備え、複数の突出部列121a乃至121dの各々は、導電性の部材を備えた複数の突出部(導電接続部121Eともいう)を介して、複数の情報表示器110の各々に制御信号を送信する。具体的に、複数の突出部列121a乃至121dの各々は、導電接続部121Eとなる識別信号送信部123b、123d、123f、123h(以下、適宜、識別信号送信部123と示す)および導通接続部124a、124c、124e、124g(以下、適宜、導通接続部124と示す)と、導電性の部材を備えることを要しない係合部121Xと、を有する。なお、複数の突出部列121a乃至121dの各々は、導電接続部121Eとなる情報表示器110に画像信号を送信する画像信号送信部122も有している。本実施形態において、制御装置120側の導通接続部124(装置側導通接続部)は、装置側導電部分および装置側絶縁部分を構成する。また、本実施形態において、識別信号送信部123と画像信号送信部122とは、画像信号と、画像信号に対応する所定画像を表示させる情報表示器110を特定するための識別信号とを含む制御信号を、連結される情報表示器110に送信する制御信号送信部を構成する。
【0035】
ここで、突出部列121aに着目して、識別信号送信部123及び導通接続部124の構成について説明する。なお、複数の突出部列121a乃至121dの各々は、導通接続部124の構成を除き、他の構成は同様である。
【0036】
識別信号送信部123(図2に示す例では、図中の黒丸印によって示される123b、123d、123f、123hの4つの突出部)は、CPU(図2には不図示)から出力される識別信号を情報表示器110に送信する。具体的に、識別信号送信部123は、画像信号に対応する所定画像に書き換えるべき情報表示器110を特定する識別信号を、情報表示器110に送信する。識別信号は、画像信号に対応して送信され、例えば、画像信号に含ませて、あるいは、画像信号とともに送信される。後述する装置側導通部分および装置側絶縁部分の配置パターンは、複数並んでいる導通接続部124(図2に示す例では、図中の白丸印によって示される124a、124c、124e、124gの4つ)によって直列に形成される。
【0037】
ここで、複数の導通接続部124には、情報表示器110と電気的に接続される装置側導通部分と、電気的に絶縁する装置側絶縁部分とが形成されている。具体的に、図2に示した複数の導通接続部124では、装置側導通部分が、導電性の部材を備えた突出部121によって形成され、装置側絶縁部分が、突出部121が形成されていない空隙部125によって形成されている。
【0038】
図2の例では、突出部列121aにおける導通接続部124aの位置において、空隙部125が形成されており、この空隙部125が、突出部列121aにおける装置側絶縁部分を形成する。なお、突出部列121bでは、導通接続部124cの位置において、空隙部125が形成されて、突出部列121bにおける装置側絶縁部分を形成し、突出部列121cでは、導通接続部124eの位置において、空隙部125が形成されて、突出部列121cにおける装置側絶縁部分を形成し、突出部列121dでは、導通接続部124gの位置において、空隙部125が形成されて、突出部列121dにおける装置側絶縁部分を形成している。
【0039】
また、図3(a)には、図1におけるX−X’線における断面図が示されており、図3(b)には、図1におけるY−Y’線における断面図が示されている。図3(a)に示すように、制御装置120では、導通接続部124c(突出部121)は、情報表示器110の孔部110hが備える導電性部材である電極部117と接することによって、情報表示器110と電気的に導通するが、図3(b)に示すように、導通接続部124aの位置において、空隙部125が形成されることによって、制御装置120は、情報表示器110の孔部110hが備える導電性部材である電極部117と電気的に絶縁するように構成されている。このように、空隙部125が形成されている部分では、制御装置側の導通接続部124と情報表示器110側の導通接続部である孔部110hとは、電気的に非導通(絶縁)となる。一方、導電性部材を備えた突出部121として導通接続部124が形成されている部分では、情報表示器110側の導通接続部である孔部110hと、制御装置120側の導通接続部124とが、導電性部材を備えた突出部121の外側表面(図3(a)においては外周部)で接触して、電気的に導通となる。
【0040】
また、複数の情報表示器110(#1〜#4)の各々に対応して連結する複数の突出部列121a乃至121dの各々においても、空隙部125が形成されている。複数の突出部列121a乃至121dの各々の導通接続部124において、導電性の部材を備えた突出部121として設けられた導通接続部124と、空隙部125として設けられた導通接続部124とによって、装置側導通部分および装置側絶縁部分の配置パターンが形成される。複数の突出部列121a乃至121dの各々においては、導通接続部124a、124c、124e、124gがそれぞれ空隙部125としての導通接続部124が形成されている。
【0041】
本実施形態では、装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンは、複数の突出部列121a乃至121dの各々で異なるように形成されている。具体的に、本実施形態では、配置パターンは、複数の突出部列121a乃至121dの各々の導通接続部124において、空隙部125を一つ配置して、導通接続部124における空隙部125の配置位置を変更することによって、複数(図2に示す例では、4つ)形成されている。
【0042】
このように、導電接続部121Eを構成する、画像信号送信部122、識別信号送信部123、導通接続部124のうち、導通接続部124では、装置側導通部分と装置絶縁部分とが形成されている。複数の導通接続部124において、空隙部125が形成されている位置(図2に示す例では、124a、124c、124e、124g)は、それぞれ別の情報表示器と接続される複数の突出部列121a乃至121dの各々で異なる。
【0043】
本実施形態では、制御装置120側の識別信号送信部123は、上述した構成の配置パターンで配置した導通接続部124に隣接するように形成されている。具体的に、識別信号送信部123のそれぞれは、装置側導通部分と装置絶縁部分の配置パターンを形成する導通接続部124のそれぞれと隣接配置され、互いにペアとなるように構成されている。
【0044】
本実施形態では、識別信号送信部123は、複数の突出部列121a乃至121dの各々に設けられている。識別信号送信部123は、複数の突出部列121a乃至121dの各々において、所定画像を表示すべき情報表示器を特定する識別信号を、情報表示器110に送信する。つまり、識別信号は、制御装置に接続されている全ての情報表示器110(図2に示す例では、#1情報表示器〜#4情報表示器の4つ)に送信される。
【0045】
制御装置側の画像信号送信部122は、画像信号を情報表示器110に送信する。具体的に、画像信号送信部122は、複数の突出部列121a乃至121dの各々に設けられている。画像信号送信部122は、複数の突出部列121a乃至121dの各々において、画像信号を情報表示器110に送信する。つまり、画像信号は、制御装置に接続されている全ての情報表示器110(図2に示す例では、#1情報表示器〜#4情報表示器の4つ)に送信される。
【0046】
係合部121Xは、情報表示器110の孔部(貫通孔)1131Xに挿入されて、情報表示器110を保持する機能を有する。なお、本実施形態では、複数の突出部121のうち、両端の突出部121を係合部121Xとして構成しているが、係合部121Xは、別の突出部121によって構成してもよいし、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、突出部121は、係合部121Xを備えていなくてもよい。
【0047】
(3)情報表示器の概略構成
図4は、情報表示器110を説明する平面図である。実施形態において、情報表示器110は、矩形状の薄いパネル型であって、電子ペーパーなどとして用いることができる。ここで言う矩形状は、ノート用紙などで一般的に知られている形状であり、角部が丸くカットされていたり、角部が少し直線的にカットされていたりすることを含む。情報表示器110には、情報が表示される情報表示領域110aが形成されている。
【0048】
情報表示領域110aは、矩形状であることが好ましいが、情報表示器の外形形状は、矩形状に限定されない。特に、孔部110hを配列する部分(図4に示す例では、左辺)は、凸状の円弧や凹状の円弧にすれば、配置する孔部110hの数が多い場合に対応することができる。この場合、制御装置側の連結機構に設ける突出部の配列も凸状の円弧や凹状の円弧にして互いに対応するようにすることは言うまでもない。
【0049】
図5は、図4に示す情報表示器110のA−A線における断面図である。情報表示器110は、一対の基板(観察側基板181,背面側基板182)を備える。観察側基板181は、透明である。情報表示領域110aは、観察側基板181に形成される。観察側基板181には、観察側電極(図4、図5には不図示)が形成されている。また、背面側基板182には、背面側電極192が形成されている。一対の表示用電極(観察側電極、背面側電極)が形成された一対の基板間には、所定の間隔(ギャップ)が形成されており、観察側電極と背面側電極との間には、表示媒体層115が配置されている。
【0050】
表示媒体層115は、帯電性粒子を含んだ粒子群が表示媒体として配置されている気体層(真空層を含む)または液体層であったり、コレステリック液晶層であったりする。いずれも表示メモリ性を備え、無給電状態でも表示させた所定画像を保持できる。実施形態では、表示媒体は、帯電性及び光学的反射率を有する少なくとも2種類の粒子群であり、例えば、負帯電性白色粒子又は正帯電性黒色粒子とされている。これらの帯電性粒子は、基板に印加された電圧で基板間に形成された電界によって観察側電極に(または背面側電極)に向けて気体中(真空中を含む)または液体中を移動する。本実施形態では、背面側基板182は、情報表示領域110aよりも広く形成されており、情報表示器110の骨格をなす。背面側基板182には、電極117を介して、駆動回路200が配置されている。電極117及び駆動回路200は、絶縁膜118によって被覆されている。
【0051】
情報表示器110は、平面において、情報表示領域110aの外側に複数の駆動回路200a〜200eを備える。駆動回路200a〜200eは、ドライバICとも呼ばれるものであり、このドライバICはOUTPUT(情報表示領域110aへの信号出力)を無効にする機能を備えており、観察側電極と背面側電極とに印加する電圧を制御することによって、情報表示領域110aに所望の画像等の情報を表示させる。
【0052】
本実施形態では、情報表示器110の複数の孔部(貫通孔)110hは、制御装置120の装置側連結機構に形成される突出部121に係合する。複数の孔部110hは、装置側連結機構と電気的に接続できる導電性部材を備える孔部110hを含む。具体的に、制御装置側の突出部121のうち、導電接続部121E(画像信号送信部122、識別信号送信部123、導通接続部124)に対応する孔部110hは、導電性部材を備えており、情報表示器110側の導電接続部である表示器側導通接続部と、識別信号受信部と、画像信号受信部とを構成する。情報表示器110側の導電接続部は、駆動回路200に接続する電極117の先端部において、孔の内部に露出した露出部117aとして形成されている。制御装置側の識別信号送信部123に対応して、情報表示器110側には、識別信号を受信する識別信号受信部が形成される。この構成について、図7を用いて具体的に説明する。図7に示すように、情報表示器110側には、制御装置120側の識別信号送信部123b、123d、123f、123h、(図中の黒丸印)に対応して識別信号を受信する識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h(図中の黒丸印)が形成されている。また、情報表示器110側には、制御装置120側の導通接続部124a、124c、124e、124gと電気的に接続される導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g(図中の白丸印)が形成されている。なお、情報表示器110側の導電接続部を構成する複数の孔部110hは、制御装置120の画像信号送信部122から送信される画像信号を受信する画像信号受信部1120も構成している。また、情報表示器110の複数の孔部110hは、導通部分とはしない係合孔部(貫通孔)1131Xを有する(図2参照。図2において斜線付丸印で示される)。本実施形態において、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131hと、画像信号受信部1120とは、画像信号と識別信号とを受信する制御信号受信部を構成する。
【0053】
識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131hは、識別信号を送信する制御装置120の識別信号送信部123b、123d、123f、123hと電気的に接続することができる。
【0054】
ここで、情報表示器110側の導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131hおよび画像信号受信部1120は、制御装置120側の導電接続部121Eに対応した導電接続部とする必要がある。情報表示器110側の導電接続部1131a乃至1131h、1120は、同じ構造の導電接続部としてもよいし、異なる構造の導電接続部としてもよい。
【0055】
図6は、情報表示器110の平面視において導電性の部材を備えた孔部110h(導通接続部1131aが形成された孔部)を拡大した拡大図である。情報表示器110の背面側(ここでは背面側基板182)に形成された孔部110hは、貫通されている。図6に示すように、電極117は、露出部117aを有する。露出部117aは、孔部110hの中心に向けて突出し、露出している。露出部117aは、導電性の部材を備えた制御装置120側の突出部121(導電接続部121E)と接触することにより、情報表示器110と制御装置120とが電気的に導通可能になる。
【0056】
導通部分を構成しない係合孔部1131Xは、制御装置の係合部121Xが挿入され、制御装置と情報表示器110とを物理的、機械的に接続するためのものである。なお、係合孔部1131Xは、導電性の部材を備えていない孔部とすることができるが、導電性の部材を備えた孔部とすることもできる。制御装置120の係合部121Xも、機械的係合にのみ用いる突出部であり、導電性の部材を備えていない突出部とすることができるが、導電性の部材を備えた突出部とすることもできる。なお、本実施形態では、複数の孔部110hのうち係合部に対応する両端の2つの孔部を係合孔部1131Xとするが、その位置及び数はこれに限定されない。
【0057】
孔部の内側に露出した電極の露出部117aは、制御装置側の導電接続部121Eとの接続部となる。この電極の露出部117aは、制御装置側の導電接続部121Eである突出部121が挿入可能な円形孔、十文字形状をしたスリット孔、円形孔と十文字スリット孔を組合せた孔、円形孔と三方スリット孔を組合せた孔、複数のスリット孔を星型に集合させた孔、星型の孔を有する形状とする構成を例示できる。図6には、十字星形の孔を有する電極の露出部117aが示されており、突出部121がこの孔に挿入されると電極の露出部117aが撓み、突出部の挿入がなされるとともに、露出部117aと突出部121の導電接続部121Eとの電気的接続がなされる。
【0058】
(4)制御装置と情報表示器との接続回路構成および判定回路構成
図7は、本実施形態に係る制御装置120と情報表示器110との接続回路構成および判定回路構成を説明する回路図である。図7には、制御装置120と一つの情報表示器110との連結部分の回路構成の一部が示されている。図8は、本実施形態に係る情報表示器110に配置される駆動回路200a〜200eと、駆動回路200a〜200eに接続される接続線を説明する図である。
【0059】
制御装置120の導電性の部材を備えた突出部(導電接続部121E)のうち識別信号送信部123b、123d、123f、123h(図中の黒丸印)は、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131h(図中の黒丸印)に物理的に接続するとともに、電気的に接続する。
【0060】
制御装置120の導電性の部材を備えた突出部(導電接続部121E)のうち導通接続部124a、124c、124e、124g(図中の白丸印)は、導通接続部1131a、1131c、1131e、1131g(図中の白丸印)に物理的に接続するとともに、電気的に接続する。
【0061】
但し、本実施形態では、制御装置120において、接続される各情報表示器に対応する装置側連結機構に設ける装置側絶縁部分を空隙部125として形成している。図9では導通接続部124cの位置を空隙部125として、1個の装置側絶縁部分と3個の装置側導通部分との配置パターンが導通接続部124において構成される。例えば、制御装置120が導通接続部124を4個有する場合、1個から4個まで装置側絶縁部分を設けることができ、2(2の4乗)通りの配置パターンを得ることができる。つまり、制御装置120は、導通接続部124をN個有する場合、2(2のN乗)通りの配置パターンを設けることができる。
【0062】
この場合、情報表示器110では、制御装置120の導通接続部124a、124c(空隙部125)、124e、124gに対応する情報表示器110側の導通接続部1131a、1131c、1131e、1131gと、駆動回路200a〜200eとの間に判定回路が形成される。つまり、制御装置120が導通接続部124を4個有する場合、情報表示器110は、表示器側導通接続部を4個備えればよい。図7に示した例では、1個の装置側絶縁部分(空隙部125)と3個の装置側導通部分(124a、124e、124g)とによって、装置側導通部分124a−装置側絶縁部分(空隙部125)−装置側導通部分124e−装置側導通部分124gという直列の配置パターンが形成されることによって、情報表示器110の判定回路310において、当該装置側連結機構に接続された情報表示器110を特定するための識別情報となる。
【0063】
なお、各情報表示器110に対応して制御装置120側の連結機構ごとに設ける導通接続部124において装置側絶縁部分として形成される空隙部125は、1つの情報表示器110に対応する装置側連結機構あたり、1個設けてもよいし、複数個設けてもよい。また、1つの情報表示器に対応する装置側連結機構には、装置側絶縁部分が設けられていなくもよい。すなわち、各情報表示器110に対応して制御装置120側の連結機構ごとに設ける導通接続部124に形成される装置側絶縁部分と装置側導通部分との配置パターンは、複数の情報表示器110の各々に対応して連結される複数の突出部列121a乃至121d(図2参照)の各々において、互いに異なるように構成されていればよい。図2や図18に示すような、4つの情報表示器を接続する制御装置では、導通接続部124は2個あればよく、例えば、#1情報表示器110を接続する装置側連結機構では、装置側導通部分−装置側絶縁部分(空隙部)とし、#2情報表示器110を接続する装置側連結機構では、装置側絶縁部分(空隙部)−装置側導通部分とし、#3情報表示器110を接続する装置側連結機構では、装置側絶縁部分(空隙部)−装置側絶縁部分(空隙部)とし、#4情報表示器110を接続する装置側連結機構では、装置側導通部分−装置側導通部分とすれば、4つの情報表示器に対してそれぞれ異なる配置パターンに基づいた異なる識別情報を与えることができる。
【0064】
制御装置120側の導通接続部124は、識別信号送信部123とペアで設けるため、その数は、識別信号送信部123の数と同じになる。したがって、導通接続部124は少ない方が、CPUと接続している識別信号送信部123の数を少なくでき、制御装置における接続配線の引き回しが容易になるので好ましい。
【0065】
また、情報表示器110においても、制御装置120側の導通接続部124が少なくなれば、装置側導通接続部と接続する必要がある判定回路を構成する電子回路を少なくできることになるので情報表示器の構成を簡単にでき好ましい。
【0066】
図7に示した本実施形態において、情報表示器110と制御装置120とによって構成される情報表示システム100では、2枚(16枚)の情報表示器110に対してそれぞれを識別できる、言い換えれば、それぞれの情報表示器110を特定できる識別情報を付与することができる。すなわち、情報表示器110との接続箇所となる装置側連結機構を2通り(16通り)の配置パターンで得ることができる。16枚もの情報表示器110を接続する必要のない用途においては、接続する情報表示器110の枚数に合わせた装置側連結機構および情報表示器を設計することが望ましい。
【0067】
情報表示器110が備える判定回路は、図7に示すように、識別信号受信部(1131b、1131d、1131f、1131h)および導通接続部(1131a、1131c、1131e、1131g)と、駆動回路200a〜200eとの間に、例えば、XNOR回路311、NAND回路312を論理回路(この場合は一致回路となる)として備えた判定回路310として構成する。
【0068】
判定回路310は、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131hを介して受信した識別信号と、制御装置120が有する装置側絶縁部分と装置側導通部分との配置パターン応じて、各情報表示器110に与えられる識別情報とを比較して一致するか一致しないかを判定する。判定回路310は、この判定結果に基づいて、画像信号に対応する所定画像を自身の情報表示器110に表示すべきか否かを決定する。
【0069】
判定回路310の出力線は分岐されており、駆動回路200a〜200eの各々に接続されている。ここでは、判定回路310は、駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブル用ライン320a〜320eを介して、駆動回路200a〜200eに接続している。判定回路310は、上述した判定結果に応じて当該情報表示器が備える駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブル(OUTPUT−ENABLE)を有効又は無効にすることによって、駆動回路200a〜200eと電気的に接続されるように構成されている。
【0070】
なお、図7に示す例とは異なる回路配線にして、駆動回路200a〜200eのチップセレクト用ライン320a〜320eに接続するような構成にすることもでき、判定回路を構成する回路配線は、これに限定されるものではない。
【0071】
なお、図7の例において、情報表示器110では、判定回路310は、XNOR回路311、NAND回路312を備える構成を示しているが、別の論理回路を備える構成にすることもできる。また、情報表示器110が備える判定回路310は、当該情報表示器を特定する情報、例えば情報表示器110の番号を記憶させたICチップ(メモリ)を設けて、制御装置120から画像信号とともに送信された識別信号と、ICチップに記憶される情報表示器110の番号情報とを比較して、一致か不一致かを判定するような構成にすることもできる。
【0072】
この場合、制御装置120が有する装置側絶縁部分と装置側導通部分との配置パターンを、各情報表示器110の識別情報として利用しないことになる。上記したような情報表示器110の番号を記憶させたICチップ(メモリ)を設けた情報表示器は、構成が複雑になるとともに余分なICチップが必要となるためコスト高になる。
【0073】
それに対して、本発明に係る制御装置120が有する装置側絶縁部分と装置側導通部分との配置パターンを、各情報表示器の識別情報として情報表示器の判定回路に取り込む情報表示システムでは、図7に示したように、記憶部を備えるよりも回路構成が簡単であるとともに、高価なICチップを要しないことで安価にできるという利点がある。
【0074】
(5)情報表示システムの処理
図9は、情報表示システム100における処理を説明するフローチャートである。図9を参照して、情報表示システム100の処理動作について説明する。具体的には、制御装置120が複数の情報表示器110の内の一の情報表示器110に画像を表示する処理について説明する。
【0075】
なお、以下に示す具体例では、1つの制御装置120に、図7に示した構成の情報表示器110が4枚配置されており、2番目にあたる#2情報表示器110に画像信号を表示する場合を例に挙げて説明する。よって、制御装置120のCPUから2番目の#2情報表示器110に表示する画像信号であることを示すための識別信号を含む制御信号を送信し、2番目の#2情報表示器110に画像信号に対応する所定画像を表示させる。
【0076】
ステップS1において、制御装置120は、#2情報表示器110の表示を書き換えることを示すための識別信号、言い換えれば、#2情報表示器110を特定する識別信号を含む制御信号を、装置側連結機構に接続されている4枚の情報表示器110すべてに対して送信する。したがって、上記制御信号は、#2情報表示器を特定するための識別信号と#2情報表示器110に表示すべき画像信号とを含む。具体的には、上記制御信号は、制御装置120側の複数の突出部列121a乃至121dの各々に設けられる導電接続部121Eから送信され、装置側連結機構に接続されている4枚全ての情報表示器110側の導通接続部で受信される。画像データの画像信号は、複数の突出部列121a乃至121dの各々の画像信号送信部122から装置側連結機構に接続されている4枚全ての情報表示器110に対して送信され、#2情報表示器110を特定するための識別信号は、複数の突出部列121a乃至121dの各々の識別信号送信部123から装置側連結機構に接続されている4枚全ての情報表示器110に対して送信される。
【0077】
ここで、制御装置120では、#2情報表示器110に接続する突出部列121bの導通接続部124a、124e、124gは、導通部分となっており、情報表示器110と導通している。一方、#2情報表示器110に接続する突出部列121bの導通接続部124cは、空隙部125が形成されることによって絶縁部分となっており、#2情報表示器110と絶縁している。
【0078】
上述したように、#2情報表示器110の表示を書き換えることを示すための識別信号(#2情報表示器を特定する識別信号)を含む制御信号は、すべての情報表示器110に送信される。つまり、#2情報表示器110の表示を書き換えることを示すための識別信号は、#2情報表示器110以外の他の情報表示器110にも識別信号送信部(123b、123d、123f、123h)から識別信号受信部(1131b、1131d、1131f、1131h)に送信され、各情報表示器110が備える判定回路310に入る。
【0079】
また、#2情報表示器110以外の情報表示器が接続している導通接続部124a、124c、124e、124gにおける絶縁部分と導通部分との配置パターンは、図7に示した#2情報表示器110が接続している導通接続部124a、124c、124e、124gにおける絶縁部分と導通部分との配置パターンとは異なる配置パターンとなっており、各情報表示器110に対応する識別情報を形成している。したがって、制御装置120に接続された各情報表示器110の判定回路310は、配置パターンに応じて、それぞれ異なる識別情報が与えられることになる。
【0080】
ステップS21において、#1乃至#4情報表示器の各々の判定回路310は、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131hで受信した#2情報表示器110の表示を書き換えることを示すための識別信号(#2情報表示器を特定する識別信号)識別信号と、各情報表示器に与えられた識別情報とを比較して、一致しているか一致していないかを判定する。
【0081】
具体的には、制御装置120の識別信号送信部123b、123d、123f、123hから情報表示器110側の判定回路310に、表示を書き換えるべき2番目の#2情報表示器110を識別する識別信号(例えば、「0100」)が4枚全ての情報表示器110に対して送信される。#2情報表示器は、識別信号受信部1131b、1131f、1131hの出力が「0」となる。一方、識別信号受信部1131dの出力が「1」となる。
【0082】
また、導通接続部1131a、1131e、1131gの出力は、導通接続部の導通部分124a、124e、124gを介して接地されて、「0」となる。一方、絶縁部分である導通接続部124cに位置する空隙部125に配置される導通接続部1131cは、接地されないため「1」が出力される。
【0083】
また、#2情報表示器110では、判定回路310のXNOR回路311の出力側の真理値は、「1111」となる。全てのXNOR回路311の出力が「1」となり、NAND回路312の出力は「0」となる。すなわち、#2情報表示器においては、#2情報表示器が有する識別情報と#2情報表示器が受信した識別信号とが一致する(ステップ21:YES)。
【0084】
よって、スイッチ350がオフ(OFF)となって(ステップS31)、駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブル(OUTPUT−ENABLE)が有効となり(ステップS41)、駆動回路200a〜200eから#2情報表示器110の情報表示領域110aへ画像データが出力される(ステップS51)。このようして、#2情報表示器110の書き換えが実行される(ステップS61)。
【0085】
一方、他の情報表示器、例えば、1番目にあたる#1情報表示器110は、導通接続部1131aに対応する導通接続部124aの位置に空隙部125が形成されている。ステップS1において、制御装置120が、#1情報表示器110に対して、2番目に表示する画像データの画像信号と、その画像信号が、2番目の情報表示器110に表示するものであることを示すための識別信号とを送信しているので、#1情報表示器110の識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131hにも識別信号「0100」が送信される。#1情報表示器110は、この識別信号と、導通接続部1131a、1131c、1131e、1131gを介して#1情報表示器110に与えられた識別情報とを比較して、一致しているか否かを判定する。
【0086】
具体的には、制御装置120の識別信号送信部123b、123d、123f、123hから#1情報表示器110側の判定回路310に、2番目に表示すべき画像データの画像信号であることを示す識別信号(「0100」)が送信される。#1情報表示器110でも、識別信号受信部1131b、1131f、1131hの出力は、「0」となる。一方、識別信号受信部1131dの出力は、「1」となる。
【0087】
また、導通接続部1131c、1131e、1131gの出力は、導通接続部の導通部分124c、124e、124gを介して接地されて、「0」となる。一方、絶縁部分である導通接続部124aに位置する空隙部125に配置される導通接続部1131aは、接地されないため「1」が出力される。よって、#1情報表示器110では、判定回路310のXNOR回路311の出力側の真理値は、「0011」となる。全てのXNOR回路311の出力が「1」とならないため、NAND回路312の出力は「1」となる。すなわち、#1情報表示器110においては、#1情報表示器110が有する識別情報と#1情報表示器110が受信した識別信号とが一致しない(ステップS21:NO)。
【0088】
よって、スイッチ350がオン(ON)となって(ステップS32)、駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブル(OUTPUT−ENABLE)が無効となり(ステップS42)、駆動回路200a〜200eから情報表示器110の情報表示領域110aへ画像データが出力されない(ステップS52)。つまり、#1情報表示器110の表示書き換えが実行されない(ステップS62)。
【0089】
なお、ここでは、1番目にあたる#1情報表示器110を例に挙げて説明しているが、#3情報表示器110および#4情報表示器110も同様に書き換えが実行されない。
【0090】
このように、情報表示システム100では、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131hで受信した識別信号と、情報表示器110側の導通接続部1131a、1131c、1131e、1131gと制御装置120側の導通接続部124a、124c、124e、124gとの接続によって形成される装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンに応じて、各情報表示器に与えられた識別情報とを比較して一致しているか一致していないかを判定する判定回路310を備えており、識別情報と識別信号とが一致した情報表示器110の情報表示領域110aに、駆動回路200a〜200eから画像データが出力される。これにより、所定画像に書き換えるべき情報表示器110を特定して、画像信号とともに送信した識別信号に一致した情報表示器110にだけ、この画像信号に対応する所定画像が表示される。
【0091】
なお、上述の例では、情報表示システム100において、制御装置120が、一つの情報表示器110(#2情報表示器)に表示する所定画像を書き換える場合を例に挙げて説明したが、情報表示システム100は、上述したステップS1乃至S61の処理を繰り返すことによって、複数の情報表示器110のそれぞれに表示すべき所定画像を書き換えることも可能である。具体的に、制御装置120では、画像信号送信部122および識別信号送信部123が、複数の情報表示器110に対して、それぞれの情報表示器110に表示すべき所定画像に対応する画像信号とそれぞれの情報表示器110を特定するための識別信号とを含んだ制御信号を順次送信する。識別信号は、画像信号とともに送信したり、識別信号を含ませた画像信号として送信したりする。前者では、互いに別体である画像信号と識別信号とを合わせた制御信号となり、後者では、識別信号を含んだ画像信号がそのまま制御信号となる。
【0092】
一方、複数の前記情報表示器110のそれぞれは、制御装置120から送信された画像信号と識別信号とを含む制御信号を受信するとともに、制御信号含まれる識別信号と、制御装置との接続によって付与された、装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンに基づく識別情報と、に基づいて、受信した画像信号に対応する画像を自身に表示するか否かを順次決定して、順次表示する。各情報表示器において、表示すると決定された後直ちに所定画像に対応した画像データが出力され、当該画像データに基づいた表示書き換えが実行される。
【0093】
また、上記実施形態で示した判定回路の構成は一例である。上記実施形態ではXNORおよびNANDの論理回路で比較するように構成されているが、例えば、CPU端子からの入力を一度シフトレジスタで受ける方法等も考えられる。このように、制御装置120から受信した識別信号と、制御装置120との接続によって各情報表示器110に与えられた識別情報とを比較して、一致しているか一致していないかを検出して判定する回路は、本発明の実施形態に記載した論理回路(XNOR、NAND)に限定されるものではなく、他の論理回路やメモリ回路など一般的に用いられる電子回路とすることもできる。
【0094】
(6)作用・効果
実施形態として示す情報表示システム100では、制御装置120に形成される複数の突出部列121a乃至121dは、複数の情報表示器110の各々と連結する装置側連結機構を構成する。
【0095】
また、複数の突出部列121a乃至121dの各々では、各々を構成する突出部121のうち導電性部材を備えた突出部121のいくつか(導電接続部121E)が、情報表示器110を制御する制御信号を送信する制御信号送信部を構成している。具体的には、導電接続部121Eのいくつかは、画像信号を送信する画像信号送信部122と、当該画像信号に対応する所定画像に書き換えるべき情報表示器110を特定する識別信号を送信する識別信号送信部123と、接続された情報表示器110に当該情報表示器を特定するための識別情報を与える導通接続部124とを構成する。
【0096】
ここで、導通接続部124の中には、空隙部125が形成された導通接続部124が含まれており、空隙部125によって形成される装置側絶縁部分と、空隙部125を除く他の導通接続部124によって形成される装置側導通部分とが形成されている。この導通部分と絶縁部分との配置パターンによって識別情報が情報表示器110に与えられる。具体的に、複数の情報表示器110の各々に対応して連結する複数の突出部列121a乃至121dの各々において、装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンが形成されることによって、識別情報が情報表示器110各々に与えられる。また、この配置パターンは、複数の突出部列121a乃至121dの各々で異なるため、複数の情報表示器110の各々に与えられる識別情報も異なる。よって、制御装置120は、所定画像を表示すべき特定の情報表示器110を、識別情報に対応する識別信号を用いて指定できる。
【0097】
また、情報表示器110では、判定回路310は、識別信号受信部1131b、1131d、1131f、1131hで受信した識別信号と、導通接続部1131a、1131c、1131e、1131gを介して与えられた識別情報とを比較して、一致しているか否かを判定し、これらが一致した情報表示器110に対してだけ駆動回路200a〜200eのアウトプットイネーブルが有効になり、画像信号に対応する所定画像の表示を実行する。
【0098】
このように、情報表示システム100では、制御装置120が、識別信号を複数の情報表示器110の各々に送信することで、識別信号によって特定される情報表示器110にだけ、所定画像を表示させることができる。つまり、制御装置120は、複数の情報表示器110との接続を切り替えることなく、すなわち、複数の情報表示器110を繋ぎ替えることなく、制御装置に接続されている複数の情報表示器110の各々をそのままの状態で個別に特定できるとともに、制御装置が送信した画像信号に対応した所定画像に書き換えるべき情報表示器110に対してだけに当該所定画像を表示させることができる。
【0099】
更に、制御装置120では、図2に示すように、突出部列121a乃至121dの各々の導通接続部124において、装置側導通部分と装置側絶縁部分とが互いに異なる配置パターンで形成されているので、情報表示器110では、導通接続部の全てを導通部分として形成しておくだけで、制御装置120に接続されたときに情報表示器110に識別情報を与えることができ、各情報表示器110の判定回路310に識別情報を取り込むことができるので、情報表示器110の共通化を図ることが可能になる。
【0100】
(7)連結機構の変形例
上述した実施形態では、装置側連結機構において、突出部121が円筒形状に形成され、表示器側連結機構において、十字星形の孔を有する電極の露出部117aが形成される場合(図6参照)を例に挙げて説明したが、装置側連結機構と表示器側連結機構との形態は変更可能である。
【0101】
図10(a)は、突出部121と電極の露出部117aとの変形例を説明する図である。図10(a)に示すように、突出部121は、制御装置120において、装置側導通部分である導通接続部124を構成する突出部121は、曲面部分を有する半球状に形成されていてもよい。かかる突出部121は、曲面部分において、情報表示器110の電極117の露出部117aと接触するように構成されている。なお、図10(b)に示すように、装置側絶縁部分である空隙部125は、突出部121を形成しないことによって設けられる。
【0102】
また、導通接続部124を構成する突出部121の形状が半球状である場合、図11に示すように、電極117の露出部117aは、表面から裏面に貫通する孔を有していなくてもよい。
【0103】
更に、図12(a)に示すように装置側絶縁部分は、絶縁部材によって形成された突出部135によって形成されていてもよいし、図12(b)に示すように、導電部材135_1の表面に絶縁部材135_2を被覆することによって形成された突出部135によって形成されていてもよい。
【0104】
(8)情報表示器の具体的構成例
図13乃至15を参照して、情報表示器の具体的構成について説明する。図13は、本実施形態に係る情報表示システム100及びこれに適用可能な情報表示器110の具体的構成を説明する斜視図である。図14は、本実施形態に係る情報表示システム100における機能ブロック構成の一例を示す図である。図15は、本実施形態に係る情報表示器の一例である粒子移動型の情報表示器の一部を分解して示す分解斜視図である。
【0105】
図13乃至15に示すように、情報表示器110は、一対の電極(観察側電極191,背面側電極192)と、一対の基板(観察側基板181,背面側基板182)とを備える。一対の基板間には、ギャップ確保用隔壁119a(不図示)及び粒子偏在抑制用隔壁119b(不図示)とが設けられる。図15においては、ギャップ確保用隔壁と粒子偏在抑制用隔壁とを兼用する隔壁としてギャップ確保用隔壁を示している。
【0106】

また、情報表示器110は、電極を介して、電気的に駆動する表示メモリ性を有する表示媒体116を配置した表示媒体層115を備える。情報表示器110は、さらに駆動回路200a〜200eを備え、駆動回路200a〜200eによる制御に基づいて、情報表示器110の情報表示領域110aに所望の情報を画像として表示する。
【0107】
観察側基板181は、情報表示領域110a側、つまり、観察される側に配置される少なくとも情報表示領域110aが透明な基板である。背面側基板182は、観察側基板181と対向し、情報表示器110の背面110b側に設けられる。観察側基板181及び背面側基板182は、一対の電極(観察側電極191,背面側電極192)の外側に設けられる。なお、観察側基板181及び背面側基板182の厚みは、25μm〜2000μmが好ましく、より好ましくは、25μm〜500μmであり、さらに好ましくは、25μm〜200μmである。
【0108】
観察側基板181及び背面側基板182の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリル樹脂などのプラスチック材料や、ガラス、石英、硬質プラスチック、ガラス繊維補強プラスチック、カーボン繊維補強プラスチックなどが挙げられる。
【0109】
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートをはじめ、上述したプラスチック材料は可撓性を有するため、情報表示器110に可撓性を持たせる場合には、観察側基板181及び背面側基板182を形成する材料として好ましい。ここで、本発明に係る情報表示器110の情報表示領域110aにおいては、観察側基板181及び背面側基板182は、情報表示システム全体を軽量で薄型にするためできるだけ薄くしたいが、製造時のハンドリングの点を考慮して、それぞれの厚みは25μm以上とされている。
【0110】
また、観察側基板181及び背面側基板182を形成する材料としてガラスを使用した場合には、200μm以下の厚みとすれば可撓性を有するため、情報表示器110に可撓性を持たせる場合には好ましい。さらには、アルミニウム、銅、ニッケルや、これらの合金、ステンレスなどの金属材料も可撓性を有するため、情報表示器110に可撓性を持たせる場合には、観察側基板181及び背面側基板182の材料として使用することができるが、基板に形成する電極間で漏電することを防ぐために表面を絶縁体の膜やシートで被覆する必要がある。
【0111】
背面側基板182は、必ずしも透明でなくてもよいため、上述した材料のなかから透明でないものを選択して用いることができる。
【0112】
観察側電極191は、情報表示領域110a側、つまり、観察される側に配置される透明な電極である。背面側電極192は、観察側電極191と対向し、情報表示器110の背面110b側に設けられる。背面側電極192は、必ずしも透明でなくてもよい。観察側電極191及び背面側電極192を構成する導電性材料としては、(i)酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛などの導電金属酸化物類、(ii)ポリアニリン、ポリビロール、ポリチオフェン(例えば、PEDOT:PSS)などの導電性高分子化合物類(導電性ポリマー)、(iii)金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属、(iv)これらの金属を主成分とする合金が挙げられる。
【0113】
観察側電極191及び背面側電極192の形成方法としては、上述した導電性材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法などで薄膜状に形成する方法や、金属箔(例えば、圧延銅箔)をラミネートする方法、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布する方法を用いることができる。なお、観察側電極191及び背面側電極192の厚みは、導電性が確保できればよく、0.01μm〜10μmが好ましく、0.05μm〜5μmがより好ましい。なお、ITOなどの金属酸化物系の導電性材料は、金属材料に比べて可撓性が小さいため、これら金属酸化物系の導電性材料を用いて観察側電極191及び背面側電極192を構成する場合には、断線防止のため、可撓性に優れる銅、アルミニウム、ニッケルや、これらの合金などの金属細線を併用することが好ましい。
【0114】
図15に示すように、ギャップ確保用隔壁119aは、一対の基板間に設けられ、一対の基板間のギャップを確保するために設けられる。また、ギャップ確保用隔壁119aは、情報表示領域110aにおいては、一対の基板間に配置した表示媒体116が後述するセル132内において偏ることを抑制する粒子偏在抑制用隔壁119bとしても機能する。従って、以下の説明において、ギャップ確保用隔壁が粒子偏在抑制用隔壁も兼ねる場合、すなわち同一の構成である場合には、ギャップ確保用隔壁と表現する。隔壁がギャップ確保機能を有しないで粒子偏在抑制機能だけを有し、ギャップ確保用隔壁と異なる構成の場合は、粒子偏在抑制用隔壁と表現する。
【0115】
ギャップ確保用隔壁119aの形成材料としては、レジスト材を用いることができ、例えば、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)などのドライフィルムレジスト材が挙げられる。また、ギャップ確保用隔壁119aは、例えば、一方の基板上にドライフィルムレジスト材を積層した後、フォトリソグラフィー技術を用いて格子状またはハニカム状の隔壁に形成され、全ての隔壁上面と他方の基板とが接合されることによって、一対の基板の双方に接合されている。本実施形態では、ギャップ確保用隔壁119aは、観察側基板181に形成された後、背面側基板182に接合されている。なお、ギャップ確保用隔壁119aを、背面側基板182に形成した後、観察側基板181に接合することもできる。
【0116】
ギャップ確保用隔壁119aは、ギャップに対応する厚みを有するとともに、表示媒体116を収納するための凹部が形成されているシート部材としたり、またはシートを貫通する孔部が形成されているシート部材としたりすることもできる。この場合、シートを一対の基板間に挟むように配置した後、シートの両面とそれぞれの基板とを接合することによって、ギャップ確保用隔壁119aは形成される。
【0117】
表示媒体116は、観察側電極191と背面側電極192との間に配置され、好ましくは封入される。表示媒体116は、電極を介して電気的に観察側電極191と背面側電極192との間で駆動する。本実施形態では、表示媒体116は、負帯電性白色粒子を含んだ粒子群と正帯電性黒色粒子を含んだ粒子群との帯電極性及び光学的反射率が異なる二種類の粒子群で構成され、電極を介して形成される電界によってそれぞれ反対の基板側(電極側)に移動する。表示媒体116の詳細については、後述する。
【0118】
図14に示すように、情報表示器110は、少なくともアウトプットを無効にする機能を有するとともに情報表示部を駆動させる機能を有する駆動回路200a〜200eを備えており、情報表示器110には、制御装置のCPU20、グラフィックコントローラ30が接続される。
【0119】
CPU20は、所定のフォーマットに従った情報の画像信号をグラフィックコントローラ30に出力する。グラフィックコントローラ30は、CPU20から出力された画像信号(画像信号を含んだ制御信号)に基づいて駆動回路200a〜200eを制御する。具体的には、CPU20は、画像信号と識別信号とを含んだ制御信号を出力する。駆動回路200a〜200eは、CPU20およびグラフィックコントローラ30を介した制御に基づいた制御信号に従って観察側電極191及び背面側電極192に所定の電圧を印加する。
【0120】
本実施形態では、観察側電極191及び背面側電極192は、複数のストライプ電極によって構成される。観察側電極191と背面側電極192とは、互いに直交するように設けられる。なお、観察側電極191と背面側電極192とは交差していればよく、直交することに限られない。このようなストライプ電極を用いた観察側電極191と背面側電極192の制御方法としては、公知の方法(例えば、特開2008−268650号公報参照)を用いることができる。なお、図14の例では、観察側基板181、背面側基板182及び表示媒体116は省略されている。
【0121】
図15に示すように、ギャップ確保用隔壁119aは、複数のセル132を形成する。セル132のそれぞれには、表示媒体116が配置、好ましくは、封入される。ギャップ確保用隔壁119aは、上述したように、観察側電極191と背面側電極192との間に配置される。
【0122】
離隔して設けられた観察側電極191と背面側電極192との間に形成された空間の外側、つまり、ギャップ確保用隔壁119aの情報表示領域110a側及び背面110b側には、観察側基板181と背面側基板182とが設けられる。具体的には、ギャップ確保用隔壁119aの情報表示領域110a側には観察側基板181が設けられ、背面110b側には背面側基板182が設けられる。
【0123】
図15に示すセル132は、情報表示器110の平面視において、略四角形であり、ギャップ確保用隔壁119aの縦方向及び横方向に連続して形成される。本実施形態では、セル132は、縦方向及び横方向に延在する直線状のギャップ確保用隔壁119aによってマトリックス状に形成される。セル132は、六角形にしてハニカム構造で配置することもできる。
【0124】
本実施形態では、図15に示すように、表示媒体116は、表示媒体151と表示媒体152とを含む。表示媒体151は、黒色の正帯電性粒子を含む粒子群である。表示媒体152は、白色の負帯電性粒子を含む粒子群である。表示媒体151及び表示媒体152の二種類の表示媒体が、それぞれのセル132に配置される。
【0125】
表示媒体151とする黒色粒子群は、次のように製造することができる。(i)メチルメタクリレートモノマー(関東化学試薬)60質量部、及び1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬試薬)40質量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ポントロンNo7:オリエント化学製)3質量部、及び黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック:デグッサ製)5質量部をサンドミルにより分散させ、(アクリル系及びメタクリル系樹脂)−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディバーF600:日本油脂製)5質量部を溶解させる。(ii)2重量部のラウリルパーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5質量%添加した精製水に(i)の生成物を懸濁、重合させ、濾過、乾燥させる。(iii)分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業性)を用いて(ii)の生成物を分級して平均粒子径10μm程度の正帯電性の黒色粒子を得る。この黒色粒子にシリカ微小粒子(Wacker社製 H3050VP)を外添して付着させることによって、黒色表示媒体とする黒色粒子群を得る。
【0126】
また、表示媒体152とする白色粒子群は、次のように製造することができる。(i)ポリメチルペンテンポリマー(TPX−R18:三井化学社製)100質量部と、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR−90:石原産業社製)100質量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物(ポントロンE89:オリエント化学製)5質量部とを、二軸混練機により溶融混練する。(ii)ジェットミル(ラボジェットミルIDS−LJ型:日本ニューマチック工業製)で(i)の生成物を細かく粉砕し、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業製)を用いて分級する。(iii)溶融球状化装置(MR−10:日本ニューマチック工業製)を用いて(ii)の生成物を溶融球状化した後さらに分級して、平均粒子径が10μm程度の負帯電性の白色粒子を得る。この白色粒子にシリカ微小粒子(Wacker社製 H3004)を外添して付着させることによって、白色表示媒体とする白色粒子群を得る。
【0127】
本発明の情報表示システムでは、制御装置と情報表示器とは一旦接続すれば、そのままの状態で特定の情報表示器に情報表示を行えるものであるが、制御装置への情報表示器の着脱は容易に行えるようにその接続構造を工夫してあるので、情報表示器が故障したときには、故障した情報表示器だけを取り外して、新品の情報表示器に交換するのも容易に行える。情報表示器を交換するという点では、情報表示器が共通になっていることが好ましい。
【0128】
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が明らかとなる。例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
【0129】
上述した実施形態に係る情報表示システム100は、制御装置120が板状に形成されていたが、制御装置は、図16に示すように、角柱状に形成される制御装置120Aであってもよい。この場合、4枚の情報表示器を接続することができる。六角柱状にすれば、6枚の情報表示器を接続することができる。更に、図17に示すように、円柱状に形成される制御装置120Bであってもよい。この場合の情報表示器は、円柱の曲率に対応して湾曲している曲面型情報表示器としたり、円柱の曲率に対応して曲げられる可撓性の情報表示器としたりする。図16、図17に示すような構成によれば、複数の情報表示器を立体的に並べて見ることができる情報表示システムが容易に得られる。このように、制御装置120の形状は、上述した実施形態に限定されるものではなく、情報表示器110と連結可能であればどのような形状であってもよい。
【0130】
また、上述した実施形態において、図1の例では、各情報表示器の向きを揃えて、すなわち、各情報表示器の表示画面を上にして横一列に並べている様子を示しているが、情報表示器の表裏を適宜反対にして横一列に並べてもよい。
【0131】
さらに、図18には、2つの情報表示器110を背中合わせにした構成の情報表示システム100Cが示されている。図18の例に示すように、4つの情報表示器110(#1、#2、#3、#4)において、孔部110hを、一辺の半分(図18の例では右側半分)を用いて形成し、#1情報表示器110と#2情報表示器110とを背中合わせになるようにし、かつ、#3情報表示器110と#4情報表示器110とを背中合わせになるようにして、それぞれの情報表示器110を、制御装置120の連結機構に接続している。この場合も、4つの情報表示器110は同じ構成でよく、情報表示器を共通にできる。そして、図18に示した情報表示器110の配置によって、表側からも、裏側からも、各情報表示器に表示された情報を見ることができる。制御装置120は、載置部Cを備えた構成にすることもできるし、載置部Cを備えない構成にすることもできる。図18では、載置部Cを備えた構成にして、載置部Cの表裏に配置した4枚の情報表示器で挟まれるようにしている。この場合、制御装置120では、装置側連結機構が、表側および裏側に設けられる。情報表示器の接続部分が可撓性を有している場合であれば、装置側連結機構を一方の側に設けて、裏側の位置に配置する情報表示器は、表示画面側を裏側に向けて接続した後、表側の位置に配置する情報表示器を、表示画面を表側に向けて接続すればよい。また、制御装置120は、載置部Cを有していない構成であってもよい。
【0132】
制御装置120において、装置側連結機構とCPU20やグラフィックコントローラ30とは別体にして、コネクタで電気的に接続するようにすることもできる。例えば、図13において、制御装置側と情報表示器側とを分けている破線で示した部分に装置側連結機構が配置されるので、この装置側連結機構とCPU20、グラフィックコントローラ30とを別体にする。この場合、装置側連結機構の配置の自由度が増し、バラエティに富んだ情報表示システムを設計できるようになる。
【0133】
また、上述した実施形態では、情報表示器110は、孔部110hを情報表示器の背面側基板に設けるように構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、情報表示器110は、図19(a)に示すように、情報表示器の一辺に実装されたフレキシブル回路基板(FPC)400に孔部110hを設けるように構成されていてもよい。或いは、図19(b)に示すように、情報表示器110は、フレキシブル回路基板(FPC)400において、孔部110hと駆動回路200とを設けるように構成されていてもよい。或いは、図19(c)に示すように、情報表示器110は、情報表示器110の基板(観察側基板181または背面側基板182)に、駆動回路200を備えたテープキャリアパッケージ(TCP)410と、孔部110hを備えたフレキシブル回路基板(FPC)400とが接続されて構成された回路基板が実装されるように構成されていてもよい。
【0134】
また、上述した実施形態では、突出部121は、略円柱形状であって、水平方向の断面形状が円形であると説明しているが、突出部121の水平方向の断面は円形でなくてもよい。楕円、角形であってもよい。突出部121に形成された接続部と孔部110hに形成された接続部(電極の露出部117a)との接触面積を確保するためには、円形であることが好ましい。
【0135】
表示媒体116は、白色表示媒体及び黒色表示媒体に限られず、他の色の表示媒体であってもよい。また、表示媒体は、対向する電極に印加した電圧で駆動し、電源からの給電を切断しても表示した情報が保持できる表示メモリ性があるものであればよい。
【0136】
例えば、帯電性粒子を含んだ粒子群を透明な絶縁液体中で駆動させる、マイクロカプセル型の電気泳動方式の情報表示器であってもよい。
【0137】
また、帯電性粒子を含んだ粒子群を有色の絶縁液体中で駆動させるタイプの電気泳動方式の情報表示器であってもよい。このタイプは、例えば、負帯電性白色粒子で構成した白色表示媒体が、青色のパラフィンオイルなどの有色の絶縁液体とともに隔壁で形成したセル内に封入されている。
【0138】
更に、情報表示器としては、半分ずつ2色かつ異帯電極性に構成した球状粒子を表示媒体として使用するタイプ(例えば、マイクロカプセル内で回転駆動させるツイストボール方式)やコレステリック液晶を駆動させるタイプを使用することができる。なかでも、粒子群を気体中(真空中を含む)で駆動させる方式は、駆動応答速度が速く、表示メモリ性にも優れているので好ましい。
【0139】
また、上述した実施形態では、駆動回路200と情報表示器110とを一体化しているが、駆動回路200と情報表示器110とを着脱自在に構成してもよい。なお、駆動回路200と情報表示器110とを一体化しない場合においては、駆動回路200と情報表示器110を電気的かつ物理的に着脱自在に接続する接続手段を設ける必要がある。この接続手段の構成としては、例えば、情報表示器と駆動回路のうち一方に凹型接続端子部を設け、この凹型接続端子部と噛み合う凸型接続端子部を設け、凹型接続端子部と凸型接続端子部との嵌合によって駆動回路と情報表示器を電気的かつ物理的に着脱自在に接続する構成を例示できる。また、他の接続手段の構成としては、情報表示器と駆動回路のうち一方に凸型端子部を設け、この凸型端子部が挿入可能な円形孔、十文字形状をしたスリット孔、円形孔と十文字スリット孔を組合せた孔、円形孔と三方スリット孔を組合せた孔、複数のスリット孔を星型に集合させた孔、星型の孔を有する受け部を設ける構成を例示できる。更に、接続手段を合わせて、情報表示器に駆動回路を装着する際のガイドとなるガイド部材や、互いの位置決めを行うための位置決め部材を設けることが望ましい。
【0140】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明の情報表示システムは、複数の情報表示器とそれを制御する制御装置とで構成するため、複数の情報表示器を、平面的あるいは立体的に並べて配置し、配置された情報表示器から表示する情報を書き換えたい情報表示器を特定して、当該情報表示器だけ情報を書き換えることができる。したがって、複数の表示画面を備えた情報表示ボードとすることができる。そして、この情報表示ボードの複数の画面となる各情報表示器のレイアウトは、制御装置の装置側連結機構の配置位置を変えるだけで自由に変えられ、使用する目的に応じた設計が可能である。このような情報表示システムは、情報表示板、情報掲示板、電子黒板(白板)、電子広告板、説明用展示板等の情報表示ボード用途に好適に使用することができるほか、搭載内容を示すための情報表示器付の連結コンテナや連結容器としたり、ウェルカム・ボードとしてホテルの玄関先や客室ドアに設置したりするような使い方もできる。複数の情報表示器を背中合わせに配置するような構成であれば、電車内の中吊り広告のような使い方もできる。
【符号の説明】
【0142】
Ca〜Cd…載置部、20…CPU、30…グラフィックコントローラ、100…情報表示システム、110…情報表示器、110a…情報表示領域、110b…背面、110h…孔部、115…表示媒体層、116…表示媒体、117…電極部、117a…電極の露出部、118…絶縁膜、119a…ギャップ確保用隔壁、119b…粒子偏在抑制用隔壁、120…制御装置、120A…制御装置、120B…制御装置、121…突出部、121E…導電接続部、121X…係合部、121a〜121d…突出部列、 122…画像信号送信部、123…識別信号送信部、123b…識別信号送信部、124…導通接続部、124c…導通接続部、125…空隙部、130乃至131…留め具、132…セル、135_1…導電部材、135_2…絶縁部材、135…突出部、151乃至152…表示媒体、181…観察側基板、182…背面側基板、191…観察側電極、192…背面側電極、200…駆動回路、310…判定回路、311…XNOR回路、312…NAND回路、320a〜320e…アウトプットイネーブル用ライン又はチップセレクト用ライン、350…スイッチ、1120…画像信号受信部、1131X…係合孔部、1131a、1131c、1131e、1131g…導通接続部、1131b、1131d、1131f、1131h…識別信号受信部、 1120…導電接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を有する2つの基板の間に配置される表示媒体を駆動させて、画像信号に対応する所定画像を前記情報表示領域に表示する複数の情報表示器を備える情報表示システムにおいて、複数の情報表示器を制御する制御装置であって、
複数の情報表示器の各々に対応して連結される複数の装置側連結機構を備え、
前記複数の装置側連結機構の各々には、前記情報表示器と電気的に接続される装置側導通部分と、前記情報表示器と電気的に絶縁される装置側絶縁部分とが形成されており、
前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との配置パターンは、前記複数の装置側連結機構の各々で異なり、
前記複数の装置側連結機構の各々は、
前記画像信号と、前記画像信号に対応する所定画像を表示させる情報表示器を特定するための識別信号とを含む制御信号を、連結される情報表示器に送信する制御信号送信部を備え、
前記識別信号は、前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との前記配置パターンに対応する
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記複数の装置側連結機構の各々は、前記情報表示器が備える孔部に接続する突出部を備え、
前記装置側導通部分は、前記突出部のうち導電性部材を備えた突出部によって形成され、
前記装置側絶縁部分は、前記突出部のうち絶縁性部材を備えた突出部によって形成されるか、前記突出部が形成されていない空隙部によって形成されるかのいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を有する2つの基板間に配置される表示媒体を駆動させて、制御装置から受信した画像信号に対応する所定画像を前記情報表示領域に表示する情報表示器であって、
前記制御装置が備える装置側連結機構に形成される複数の突出部と接続する複数の孔部を備え、
前記複数の孔部は、前記装置側連結機構と電気的に接続できる導電性部材を備える孔部を含み、
前記導電性部材を備える孔部は、
前記画像信号と、自身が、前記画像信号に対応する所定画像を表示すべき情報表示器であるかを識別するための識別信号とを含む制御信号を、前記制御装置から受信する制御信号受信部と、
前記制御装置が備える、装置側導通部分と装置側絶縁部分との配置パターンが形成された前記装置側連結機構と接続されることによって、前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との前記配置パターンに基づく識別情報が与えられる表示器側導通接続部と、を構成するとともに、
前記識別信号と、前記配置パターンに基づく前記識別情報と、に基づいて、前記画像信号に対応する所定画像を自身に表示するか否かを決定する判定回路を駆動回路とともに備える
ことを特徴とする情報表示器。
【請求項4】
少なくとも一方の基板が透明な情報表示領域を有する2つの基板の間に配置される表示媒体を駆動させて、画像信号に対応する所定画像を前記情報表示領域に表示する複数の情報表示器と、前記複数の情報表示器を制御する制御装置とを備える情報表示システムであって、
前記制御装置は、
複数の情報表示器の各々に対応して連結される複数の装置側連結機構を備え、
前記複数の装置側連結機構の各々には、前記情報表示器と電気的に接続される装置側導通部分と、前記情報表示器と電気的に絶縁される装置側絶縁部分とが形成されており、
前記複数の装置側連結機構の各々は、
前記情報表示器と接続するとともに、前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との配置パターンが前記複数の装置側連結機構の各々で異なるように形成される装置側導通接続部と、
前記画像信号と、前記画像信号に対応する所定画像を表示すべき情報表示器を特定するための識別信号とを含む制御信号を、前記情報表示器に送信する制御信号送信部と、を備え、
前記識別信号は、前記装置側導通部分と前記装置側絶縁部分との配置パターンに対応しており、
前記複数の情報表示器の各々は、
前記画像信号と、前記識別信号とを含む制御信号を前記制御装置から受信する制御信号受信部と、
前記装置側導通接続部と接続することによって、前記配置パターンに基づく識別情報が与えられる表示器側導通接続部とを備えるとともに、
前記識別信号と、前記配置パターンに基づく前記識別情報と、に基づいて、前記画像信号に対応する所定画像を自身に表示するか否かを決定する判定回路を駆動回路とともに備える
ことを特徴とする情報表示システム。
【請求項5】
前記制御装置において、
前記制御信号送信部は、前記複数の前記情報表示器に対して、それぞれの情報表示器に表示すべき所定画像に対応する画像信号と、前記画像信号に対応する所定画像を表示すべき情報表示器を特定するための識別信号とを含んだ制御信号を、順次送信するか、もしくは、前記識別信号を、前記画像信号とともに順次送信するかし、
前記複数の情報表示器の各々において、
前記判定回路は、前記識別信号と、前記配置パターンに基づく前記識別情報と、に基づいて、前記画像信号に対応する所定画像を情報表示器自身に表示するか否かを順次決定して順次表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−88460(P2013−88460A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225779(P2011−225779)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】