説明

制御装置

【課題】受信性能が高く、かつ、コストがかからないアンテナを搭載した制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、互いに基板面が略平行にかつ互いの基板面の一部が重なるように配置された2つの電子基板と、一方の基板面に沿って設けられた第1金属ラインと、基板面に直交し、一端が第1金属ラインに電気的に接続された第2金属ラインと、2つの電子基板のうち他方の基板面に実装され、第2金属ラインの他端と接続され、第1金属ライン及び第2金属ラインにおいて受信された電波により被制御対象を制御する制御手段を備える。このため、立体アンテナを第1金属ライン及び第2金属ラインで代用することができ、立体アンテナの支持構造を設ける必要なくコストを低減でき、受信性能を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置の構造の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
搭載するアンテナにより電波を受信し、受信した電波に基づく信号により種々の制御を実行する制御装置がある。このような制御装置に搭載されるアンテナは、高い機能が発揮されるよう設計されている。
【0003】
例えば、図1に示すような制御装置11Xにおいては、L字型パターンで構成されるアンテナATXが電子基板面に配線されているため、電子基板の面方向へ到達する電波DP1の受信性能を向上させることができる。このような技術は、特許文献1にも記載されている。
【0004】
しかし、そのような構成においては、電子基板面の側方向へ到達する電波DP2がある場合に、つまり、その偏波面が電子基板と直交する場合に、アンテナの受信性能が低くなってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、例えば、図2に示すような制御装置11Yのように、支持台Sに支持された立体アンテナATYを電子基板面に実装する技術を採用すれば、電子基板の面方向へ到達する電波DP1だけでなく側方向へ到達する電波DP2の受信性能を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−110123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、そのような技術においては、立体アンテナを支持する支持台の材料費、及び、製造工数などのコストがかかってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、受信性能が高く、かつ、コストがかからないアンテナを搭載した制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、電波を受信する受信装置であって、互いに基板面が略平行に配置され、少なくとも互いの基板面の一部が重なる2つの電子基板と、前記2つの電子基板のうち一方の基板面に沿って設けられた第1金属ラインと、前記2つの電子基板の基板面に略直交して設けられ、一端が前記第1金属ラインに電気的に接続されるとともに、他端が他方の電子基板の回路に電気的に接続された第2金属ラインと、を含むアンテナと、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の受信装置において、前記第2金属ラインは、前記2つの電子基板の一方に設けられた第1コネクタと、前記2つの電子基板の他方に設けられた第2コネクタとが接続されることで形成されることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の受信装置において、前記第1金属ラインは、前記基板面の平面視においてL字型であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載の受信装置において、前記アンテナの長さは、受信する電波の周波数を基準にして設定されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4の何れかに記載の受信装置であって、前記受信装置は、被制御対象を制御する制御装置に搭載されるものであり、前記他方の電子基板に実装されるとともに、前記他の電子基板の回路と電気的に接続され、前記アンテナにおいて受信された電波に基づく信号により前記被制御対象を制御する制御手段を、更に、備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の制御装置は、車両に搭載されるものであり、前記2つの電子基板のうち一方の基板は、電源から供給を受けた電力を他の制御装置へ分配する電力分配手段と、前記他の制御装置との間で電気信号を送受信する通信手段と、を備え、前記制御手段は、前記他の制御装置から受信した、複数の信号、及び、前記受信された電波に基づく信号に基づいて、ドアロック/アンロック手段を制御することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項5又は請求項6の何れかに記載の制御装置において、前記2つの電子基板は、前記アンテナを複数備え、前記複数のアンテナはそれぞれ、前記一方の基板面に、前記第1金属ラインのL字型の長いラインの方向が互いに異なるように形成されるものであり、前記制御手段は、前記複数のアンテナのうち、電界強度が最も強い電波を受信したアンテナからの信号によって前記被制御対象を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1ないし6の発明によれば、2つの基板を備える制御装置において、アンテナを第1金属ライン及び第2金属ラインで構成されるアンテナにより、受信性能を向上させることができるとともに、立体アンテナを支持する支持構造を新たに設ける必要がなくコストを低減させることができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、制御装置において、第2金属ラインについて第1コネクタ及び第2コネクタを用いて、立体アンテナの一部の構成を実現することにより、受信性能を向上させることができるとともに、立体アンテナを支持する支持構造を新たに設ける必要がなくコストを低減させることができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、制御装置において、第2金属ラインを、基板面の平面視においてL字型にすることによって、電子基板の面方向へ到達する電波を効率良く捉えるやすくすることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、制御装置において、所望する周波数の電波を捉える場合はその周波数に応じた長さの立体アンテナの一部を、2つの電子基板を組み合わせた際に形成される構造を利用することによって、立体アンテナを支持する支持構造を新たに設ける必要がなくコストを低減させることができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、

請求項6の発明によれば、電力を分配するために他の制御装置と電気的に接続された一方の基板と、他の制御装置からの電気信号に基づいてドアロック/アンロックする機能を有させる制御手段を実装した他方の基板と、をそれぞれに実装された第1コネクタ及び第2コネクタにより電気的に接続させて一体化させたため、2つの電子基板を繋ぐハーネスを省略することができるとともに、それら基板を一体化させた分厚みを増した構造において、立体アンテナも一体化させたため、受信性能を向上させつつ、コストを低減させることができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、制御装置において、2つの電子基板のうち一方の基板面において備わる複数のアンテナそれぞれの一部であるL字型の第1金属ラインにおける長手方向を、それぞれ異なるように形成するため、一番性能良く電波を捉えるその長手方向に無指向電波を漏れなく捉えさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、電子制御装置を示す図である。
【図2】図2は、電子制御装置を示す図である。
【図3】図3は、電子制御装置のシステムブロック図である。
【図4】図4は、電子制御装置を示す図である。
【図5】図5は、電子制御装置を示す図である。
【図6】図6は、電子制御装置の断面図である。
【図7】図7は、電子制御装置が実行する制御のタイムチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、図中においては三次元の直交座標軸(XYZ)を付し、説明において適宜この座標軸を用いて方向を示す。
【0024】
<代表の形態>
本代表の形態における、制御装置は、種々の装置に適用可能であるが、車両に適用される場合について説明する。また、この制御装置は、後述するアンテナと2つの電子基板を備えるため受信装置と考えることもできる。
(制御装置の構造)
まず、代表の形態における制御装置の構造を図3、図4、図5、及び図6に基づいて詳細に説明する。制御装置10は、図3に示すように、車両26に搭載され、主電源、例えば、バッテリーBから入力される電力を、他の制御装置21A〜21M、及び、ドアロック/アンロックモーター20へ分配する機能(電力分配機能)、及び、車両外部から、ユーザ操作に基づきリモコンが発した開錠/施錠命令を示す電波を受信して、被制御対象、例えば、ドアロック/アンロックモーター20を制御する機能(遠隔キー操作機能)を有する。
【0025】
制御装置10は、図4に示すように、筐体22の内部に電子基板を備え、電子基板に実装された複数のコネクタ2A〜2Nを筐体の外部へ表出させている。この複数のコネクタ2A〜2Nへ、ハーネス24に備わったハーネス側コネクタ23を着脱可能にしている。また、ハーネス24はハーネス側コネクタ23とは逆側の端部に有するコネクタを、他の制御装置21A〜21Mやドアロック/アンロックモーター20と着脱可能にしている。
【0026】
制御装置10の筐体22の内部構造について図5に基づいて詳細に説明する。制御装置10は、筐体22内部において、2つの電子基板と2つの電子基板によって挟まれる緩衝板25とが収められており、2つの電子基板のうち一方の電子基板(第1電子基板1)と、2つの電子基板のうち他方の電子基板(第2電子基板11)と、は筐体22内部において、互いに基板面が略平行に、かつ、少なくとも互いの基板面の一部が重なるように、配置されている。
【0027】
ここで、制御装置10が、第1電子基板1と第2電子基板11とを、それぞれに備わるコネクタを互いに接続させて重ねて備える理由を説明する。
【0028】
電力分配機能を有する第1電子基板1は、他の制御装置と電力供給やデータ通信をするために複数のハーネスを接続させる必要があること、遠隔キー操作機能を有する第2電子基板11は、盗難及び事故防止を判定する目的で他の制御装置などが保持する車両データを取得するために複数のハーネスを接続させる必要があること、それら電子基板それぞれに複数のハーネスを接続させると、搭載エリアにハーネスが引き回されてしまい搭載自由度が制限されるとともにコストが増加してしまうこと、などの事情から、制御装置10は、それら電子基板をそれぞれに備わるコネクタを互いに接続させて備え、第1電子基板1に接続される複数のハーネスを介して得た他の制御装置との通信データを、コネクタを介して第2電子基板11へ伝達させることによって、他方の電子基板へ接続される複数のハーネスを削減させ、搭載自由度の向上とコストの低減を図っているのである。
【0029】
次に、このような制御装置10が備える第1電子基板1や第2電子基板10などの電子部品の詳細を説明する。
【0030】
(第1電子基板)
第1電子基板1は、矩形(例えば、長方形)の板状体であって、金属板が絶縁性のある樹脂によりコーティングされているメタルコア基板である。メタルコア基板は、発熱部位で発生した熱を熱伝導性の良いメタルコアを介して基板全体に分散・均熱化し、基板表面全体を使って大気へ熱伝達でき、基板上の局所的な温度上昇を防ぐ機能を有している。
【0031】
第1電子基板1は、複数のコネクタ2A〜2N、分配制御部3(例えば、リレー)、電源コネクタ4、第1金属ラインであるパターンAT1並びにパターンAT2、及び、第1コネクタ2Oが実装されている。
【0032】
複数のコネクタ2A〜2Nは、第1電子基板1の表(Z軸−方向)の基板面において実装され、他の制御装置21A〜21Mやドアロック/アンロックモーター20とハーネスを介して電気的に接続させる機能を有する。
【0033】
リレー3は、第1電子基板1の表(Z軸−方向)の基板面において実装され、バッテリーBから入力される電力を複数のコネクタ2A〜2Nのそれぞれへ分配制御する機能を有する。リレー3によりバッテリーBからの電力を複数のコネクタ2A〜2Nのそれぞれへ分配した際に発生する熱が、メタルコア基板である第1電子基板1において拡散されるため、熱が発生したエリアに実装されている電子部品などの熱による損傷を防ぐことができる。
【0034】
電源コネクタ4は、第1電子基板1の表(Z軸−方向)の基板面において実装され、バッテリーBとハーネスを介して電気的に接続させる機能を有する。
【0035】
第1金属ラインは、第1電子基板1の表(Z軸−方向)の基板面に沿って設けられている。第1金属ラインは、基板面に設けられた銅箔のパターンAT1、AT2であって、図5に示すように縦方向(Y軸方向)及び横方向(X軸方向)にパターンが配線され、第1電子基板面の平面視においてL字型に形成されている。第1電子基板1において、図5に示すようにL字型のパターンAT1とパターンAT2とは、長いラインの方向を互いに異ならせるようにして配線されている。つまり、第1電子基板1において、L字型のパターンAT1とパターンAT2は、それぞれの長いラインを他方の短いラインと略平行に離して配線されている。
【0036】
第1コネクタ2Oは、第1電子基板1の裏(Z軸+方向)の基板面において実装され、第2電子基板11に実装される第2コネクタ12と電気的に、かつ、直接的に接続される。また、第1コネクタ2Oは、開口部を形成する箱体において複数の電導性を有するピンが直列に備わっている。
【0037】
なお、図6は図5における第1電子基板1と第2電子基板11とを組み合わせた状態において、Y軸方向に沿ったVI−VI線での断面図であって、この図6に示すように、第2コネクタ12と第1コネクタ2Oとが接続された際に、それぞれの電導性を有するコネクタピンラインAT3及びコネクタピンラインAT4がそれぞれ第2金属ラインを形成するとともに、第2金属ラインは2つの電子基板の基板面に直交して設けられる。
【0038】
また、第1金属ラインを構成するパターンAT1の一端が、第2金属ラインを構成するコネクタピンラインAT3の一端と電気的に接続され、第1金属ラインを構成するパターンAT2の一端が、第2金属ラインを構成するコネクタピンラインAT4の一端と電気的に接続されるとともに、第1金属ラインを構成するパターンAT1及びパターンAT2の他端は、オープンとなって絶縁している。
【0039】
更に、第1金属ライン及び第2金属ラインは、所定の周波数で発せられた電波を受信するためのアンテナを形成し、そのアンテナの長さは、受信する電波の周波数を基準にして設定されている。つまり、第1金属ライン及び第2金属ラインにより形成されるアンテナの長さは、モノポールアンテナの変形であるため、受信すべき電波周波数における波長の1/4の長さになっている。
【0040】
なお、第1コネクタ2O及び第2コネクタ12それぞれが有する複数のピンの並びは、第2金属ラインを形成するピンの隣をGNDピンとするとともに、通信機能を有するピンを第2金属ラインを形成するピンとの間にGNDピンを設けて離す。若しくは、第2金属ラインを形成するピンの隣を通信機能を有するピン以外のピンを設けて離す。これにより、通信機能を有するピン影響における電気信号が、アンテナ機能を有するピンへノイズとして重畳される弊害を防止させることができる。
【0041】
(第2電子基板)
第2電子基板11は、矩形(例えば、長方形)の板状体であって、絶縁性のある樹脂により形成されている。
【0042】
第2電子基板11は、第2コネクタ12、第1マッチング回路13、第2マッチング回路14、電源回路15、スイッチ16、受信回路17、制御部18、及び、ドライバ19などが実装されている。
【0043】
第2コネクタ12は、第1電子基板1の裏(Z軸−方向)の基板面において実装されている。第2コネクタ12は、開口部を形成する箱体において複数の電導性を有するピンが直列に備わっており、第2コネクタ12が第1コネクタ2Oと接続する際は、第2コネクタ12が有する複数のピンと、第1コネクタ2Oが有する複数のピンとが接続する。
【0044】
第1マッチング回路13は、第2電子基板11の表(Z軸+方向)の基板面に形成されている。第1マッチング回路13は、パターンや種々の電子部品で構成され、第2金属ラインを構成するコネクタピンラインAT3の他端と電気的に接続される。第1マッチング回路13は、次工程へ電気信号を引き渡す際に、インピーダンスを整合(インピーダンスマッチング)する機能を有する。
【0045】
第2マッチング回路14は、第2電子基板11の表(Z軸+方向)の基板面において形成されている。第2マッチング回路14は、パターンや種々の電子部品で構成され、第2金属ラインを構成するコネクタピンラインAT4の他端と電気的に接続される。第2マッチング回路14は、次工程へ電気信号を引き渡す際に、インピーダンスを整合(インピーダンスマッチング)する機能を有する。
【0046】
電源回路15は、第2電子基板11の表(Z軸+方向)の基板面において形成されている。電源回路15は、パターンや種々の電子部品で構成され、他の回路などの電力供給を行うハード回路であって、制御部18により電力供給タイミングが制御される。
【0047】
スイッチ16は、第2電子基板11の表(Z軸+方向)の基板面において実装されている。スイッチ16は、例えば、スイッチングトランジスタであって、第1マッチング回路13からの電気信号を受信回路17へ伝達、又は、第2マッチング回路14からの電気信号を受信回路17へ伝達、の何れかの伝達を行う。その伝達の実行は、制御部18によって行われる。
【0048】
受信回路17は、第2電子基板11の表(Z軸+方向)の基板面において形成されている。受信回路17は、パターンや種々の電子部品で構成され、受信した電波に基づく電気信号を制御部18へ伝達する前に、制御部18において識別可能な電気信号に生成するハード回路である。
【0049】
制御部18は、第2電子基板11の表(Z軸+方向)の基板面において実装されている。制御部18は、CPUや所定のプログラムが記憶されたROMなどの種々の電子部で構成され、遠隔キー操作制御などの種々の制御を実行する。遠隔キー操作制御の詳細については後述する。
【0050】
ドライバ19は、第2電子基板11の表(Z軸+方向)の基板面において形成されている。パターンや種々の電子部品で構成され、被制御対象である、ドアロック/アンロックモーター20を制御するための電気信号を生成して出力する機能を有する。
【0051】
(緩衝板)
制御装置10は、図6に示すように、第1電子基板1と第2電子基板11との間に緩衝板25を備える。
【0052】
緩衝板25は、第1電子基板1と第2電子基板11とを、それぞれに実装された第1コネクタ2Oと第2コネクタ12を接続させて組み合わせた際に、形成される空間を埋めて固定させるとともに、第1電子基板1に実装された複数のコネクタ2A〜2Nなどへハーネス側コネクタ23が着脱された場合に、第1電子基板1に加わる圧力を第2電子基板11へ伝達させない機能を有する。
【0053】
このように、制御装置10は、バッテリーBから入力される電力を、他の制御装置21A〜21M、ドアロック/アンロックモーター20、及び、第2電子基板11へ分配する機能(電力分配機能)を有する第1電子基板1と、車両外部から、ユーザ操作に基づきリモコンが発した開錠/施錠命令を示す電波をアンテナにより受信して、ドアロック/アンロックモーター20を制御する機能(遠隔キー操作機能)を有する第2電子基板11とを、ハーネスを介さずに、それぞれに実装されたコネクタ(第1コネクタ2O及び第2コネクタ12)を直接接続させて組み合わせられた後、一の筐体22によって収められる(一体化される)。
【0054】
つまり、本来、遠隔キー操作機能を有する第2電子基板11は、他の制御装置21A〜21Mから受信する、多くの情報、例えば、車両26が停車状態であるどうかの情報、正規リモコンからの命令であるかどうかの情報などの情報に基づいて、ドアロック/アンロックモーター20を制御する機能であるため、それら制御装置21A〜21Mと、複数のハーネスを介して接続させてそれら情報を受信しなければならないが、電力分配機能を担うためにそれら制御装置21A〜21Mと既に接続している第1電子基板1と、遠隔キー操作機能を有する第2電子基板11と、をコネクタにより直接接続してそれら情報を受信すれば、複数のハーネスは不要になって、コストを低減させることができ、車両26のボディ内部の搭載空間を広くでき、小型車への搭載の自由度を上げることができる。
【0055】
更に、制御装置10は、第1電子基板1と第2電子基板11とを、それぞれが実装する第1コネクタ2Oと第2コネクタ12とによって直接接続させて一体化させることによって、構造上分厚くなった側面部分を構成するそれらコネクタを立体アンテナの一部に利用することができ、立体アンテナを支持させる支持台を実装させるためのコストとを省略させることができる。
(制御装置のシステム)
制御装置10が備える第2電子基板11が有する、遠隔キー操作制御の詳細を図7に基づいて説明する。
【0056】
第2電子基板11に実装される制御部18は、第1電子基板1から供給を受けた電力を第1マッチング回路13及び第2マッチング回路14などへ適切な電圧にする電源回路を介して間欠的に供給制御する。つまり、制御部18がそれぞれの回路などにおいて電源を間欠的にオン/オフさせる(間欠電源制御)。
【0057】
制御部18が回路などにおいて電源を間欠的にオン/オフさせるのは、第2電子基板11が遠隔キー操作機能を担うため、ユーザ操作に基づきリモコンが発した開錠/施錠命令を示す電波を、常に、受信できるようにしておかなければならないことと、それら回路などにおいてその電源を、常に、オンし続けると電力消費量が多量になってしまうことに基づく。
【0058】
具体的に図7に基づいて説明すると、制御装置10は、ユーザにより車両26へ取り付けられて設定されたそのときから、第2電子基板11へ常に電力を供給可能な状態にし、第2電子基板11の制御部18は、図7に示すタイミングt1からタイミングt6までの間、電源オン/オフを繰り返す間欠電源制御を実行する。
【0059】
制御部18は、スイッチ16を制御して、所定のタイミングで、第1マッチング回路13と第2マッチング回路14とをそのスイッチ作用により選択してリモコンから発せられる電波を取り込める状態にする。所定のタイミングとは、図7に示すように、電源がオンになるタイミングにおいて、順番に第1マッチング回路13と第2マッチング回路とをそれぞれ、制御部18がスイッチ16を制御して選択してその電波を取り込める状態にする。
【0060】
つまり、制御部18は、電源をオンにしたタイミングt1で、スイッチ16によって第2マッチング回路14を選択し、第2マッチング回路14とつながるアンテナが受信する電波信号を取り込める状態にする。制御部18は、タイミングt1において電界強度が0であったことから、そのアンテナによりその電波が受信されなかったものと判定し、電源をオフにする通常の間欠電源制御を継続する。
【0061】
次に、制御部18は、電源をオンにしたタイミングt2で、スイッチ16によって第1マッチング回路13を選択し、第1マッチング回路13とつながるアンテナが受信する電波信号を取り込める状態にする。制御部18は、タイミングt2において電界強度が0であったことから、そのアンテナによりその電波が受信されなかったものと判定し、電源をオフにする通常の間欠電源制御を継続する。このように、制御部18は、その電波が受信されるかどうか警戒する制御を間欠的にかつ選択的に実行する。
【0062】
制御部18は、タイミングt6で、スイッチ16によって第1マッチング回路13を選択し、第1マッチング回路13とつながるアンテナが受信する電波信号を取り込める状態にしたところ、一定以上の電界強度αを判定したため、間欠電源制御を停止させ、電源オンを継続する継続電源制御を実行する。
【0063】
また、制御部18は、タイミングt7で、同様に、スイッチ16によって第2マッチング回路14を選択し、第1マッチング回路14とつながるアンテナが受信する電波信号を取り込める状態にしたところ、一定以上の電界強度βを判定したため、電界強度αと電界強度βとの何れが強い電界強度を示しているか比較判定する。
【0064】
制御部18は、その比較判定を実行した結果、より強いほうの電界強度を示した電波信号を送信したマッチング回路へスイッチ16による選択を固定させる。つまり、図7に示すように、制御部18は、電界強度αのほうが電界強度βよりも強い電界強度を示したため、電界強度αを示した電波信号を送信した第1マッチング回路13へスイッチ16の選択を固定させる。
【0065】
制御部18は、電波信号が示す内容を解読し、解読した内容に基づき、ドライバ19を介して、ドアロック/アンロックモーター20を制御する。
【0066】
従って、制御部18は、2つのアンテナのうち電波をより強く受信した方のアンテナを選択し、選択したアンテナが受信した電波信号に基づいてドアロック/アンロックモーター20を制御する。
【0067】
このような構成、及び、制御を採用することによって、制御装置10は、異なる車種に搭載されて搭載位置や他の装置との位置関係が違った場合でも、複数のアンテナのうち受信感度が良好な方のアンテナを選択することによってその制御を適切に実行させることができる。また、ユーザ操作に基づき電波を発するリモコンの方向、つまり、電波が発信される方向は、常に、同じではないため、複数のアンテナのうち受信感度が良好な方のアンテナを選択することによってその制御を適切に実行させることができる。
【0068】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では他の実施の形態について説明する。
【0069】
上記代表の形態における第2金属ラインを第1コネクタ2O及び第2コネクタ12が備えるコネクタピンラインAT3及びコネクタピンラインAT4によって形成されると説明したが、2つの電子基板である第1電子基板1と第2電子基板11との基板面に直交して設けられた電導性を備えるものであれば良く、例えば、2つの電子基板を組み合わせる際に固定するネジやネジ穴であっても良い。
【0070】
また、上記実施の形態における第2電子基板11、遠隔キー操作機能を有すると説明したが、遠隔制御機能を有するものであれば良く、例えば、ユーザの遠隔操作によってリモコンから発せられる、エンジン始動を示す電波に基づいてエンジンを始動制御する、遠隔エンジン始動機能を有するものであっても良い。
【符号の説明】
【0071】
1 第1電子基板
2O 第2コネクタ
3 リレー
10 制御装置
11 第2電子基板
12 第1コネクタ
13 第1マッチング回路
14 第2マッチング回路
15 電源回路
16 スイッチ
17 受信回路
18 制御部
19 ドライバ
AT1 パターン
AT2 パターン
AT3 コネクタピンライン
AT4 コネクタピンライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を受信する受信装置であって、
互いに基板面が略平行に配置され、少なくとも互いの基板面の一部が重なる2つの電子基板と、
前記2つの電子基板のうち一方の基板面に沿って設けられた第1金属ラインと、前記2つの電子基板の基板面に略直交して設けられ、一端が前記第1金属ラインに電気的に接続されるとともに、他端が他方の電子基板の回路に電気的に接続された第2金属ラインと、を含むアンテナと、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受信装置において、
前記第2金属ラインは、前記2つの電子基板の一方に設けられた第1コネクタと、前記2つの電子基板の他方に設けられた第2コネクタとが接続されることで形成されることを特徴とする受信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の受信装置において、
前記第1金属ラインは、前記基板面の平面視においてL字型であることを特徴とする受信装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載の受信装置において、
前記アンテナの長さは、受信する電波の周波数を基準にして設定されていることを特徴とする受信装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載の受信装置であって、
前記受信装置は、被制御対象を制御する制御装置に搭載されるものであり、
前記他方の電子基板に実装されるとともに、前記他の電子基板の回路と電気的に接続され、前記アンテナにおいて受信された電波に基づく信号により前記被制御対象を制御する制御手段を、備えることを特徴とする制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の制御装置は、車両に搭載されるものであり、
前記2つの電子基板のうち一方の基板は、
電源から供給を受けた電力を他の制御装置へ分配する電力分配手段と、
前記他の制御装置との間で電気信号を送受信する通信手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記他の制御装置から受信した、複数の信号、及び、前記受信された電波に基づく信号に基づいて、ドアロック/アンロック手段を制御することを特徴とする制御装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6の何れかに記載の制御装置において、
前記2つの電子基板は、前記アンテナを複数備え、
前記複数のアンテナはそれぞれ、前記一方の基板面に、前記第1金属ラインのL字型の長いラインの方向が互いに異なるように形成されるものであり、
前記制御手段は、前記複数のアンテナのうち、電界強度が最も強い電波を受信したアンテナからの信号によって前記被制御対象を制御することを特徴とする制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−254177(P2011−254177A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125247(P2010−125247)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】