説明

割当エレベータへの乗車案内装置及び乗車案内方法

【課題】利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことを認定し、割当エレベータへの乗車案内のための注意喚起を行うことができる、割当エレベータへの乗車案内装置等の提供。
【解決手段】割当エレベータへの乗車案内装置は、乗場操作盤10A〜10Cと、割当号機選択手段22と、かご内操作盤60A、60Bと、情報管理手段25と、表示部61A、61B及びスピーカ部62A、62Bとを備える。情報管理手段は、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことを認定する。報知部は、情報管理手段によって利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことが認定された場合に、割当エレベータへの乗車案内のための注意喚起を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、割当エレベータへの乗車案内装置及び乗車案内方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されたエレベータシステムにおいては、乗場行先階登録装置にて行先階を登録した利用者とその利用者の行先階とを関連付けて記録しており、利用者がエレベータに乗車すると、カメラによる画像認識技術を用い、どの利用者が乗車したのかを特定し、前述の記録情報より行先階を登録するとともに、エレベータの到着階で降車する利用者がいる場合には、記録している情報と降車する利用者との照合処理を行い、エレベータ内に降車する利用者がいる旨を通知するように構成されていた。
【0003】
しかしながら、上述したエレベータシステムにおいては、利用者が、乗車すべきエレベータに乗車したか否かを特定することができないといった問題点があった。よって、利用者が乗場で行先階を登録し、制御装置が適切なエレベータを割り当て、効率的な運行制御を行おうとしても、乗り間違え或いは故意等で、利用者が本来、乗車すべきエレベータに乗車していなかった場合には、運転効率が低下する懸念があり、また、降車時の通知が正確になされないことにより、エレベータ利用者へ違和感を与える恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−57322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことを認定し、割当エレベータへの乗車案内のための注意喚起を行うことができる、割当エレベータへの乗車案内装置及び乗車案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、本発明は、複数台のエレベータが群管理制御されたエレベータシステムに設けられる割当エレベータへの乗車案内装置であって、乗場に設けられ、ID認識を用いて利用者が自分の希望する行先階を乗車前に登録するための乗場操作盤と、前記乗場操作盤によって登録された行先階に対して、前記複数台のエレベータの中から適正なエレベータを選択し割り当てる割当号機選択手段と、エレベータ内から行先階を登録するためのかご内行先階登録部と、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことを認定する情報管理手段と、エレベータ内に設けられ、前記情報管理手段によって利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことが認定された場合に、割当エレベータへの乗車案内のための注意喚起を行う報知部とを備え、前記情報管理手段は、前記乗場操作盤からID認識を介して登録された行先階とエレベータ内の前記かご内行先階登録部から登録された行先階との一致があり、且つ、前記割当号機選択手段においてエレベータの割り当てが発生していることをもって、対応する利用者は割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したものと認定する。
また、同目的を達成する本発明の割当エレベータへの乗車案内方法は、乗場に設けられ、ID認識を用いて利用者が自分の希望する行先階を乗車前に登録するための乗場操作盤と、前記乗場操作盤によって登録された行先階に対して、前記複数台のエレベータの中から適正なエレベータを選択し割り当てる割当号機選択手段と、エレベータ内から行先階を登録するためのかご内行先階登録部と、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことを認定する情報管理手段とを用意し、前記乗場操作盤からID認識を介して登録された行先階とエレベータ内の前記かご内行先階登録部から登録された行先階との一致があり、且つ、前記割当号機選択手段においてエレベータの割り当てが発生している場合に、対応する利用者は割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したものと認定し、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことが認定された場合に、割当エレベータへの乗車案内のための注意喚起を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、割当エレベータへの乗車案内の報知を提供することができ、乗り間違えによる運行効率低下の抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る割当エレベータへの乗車案内装置の構成を示す図である。
【図2】情報管理手段の動作及び利用者の状態の区分け態様について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る割当エレベータへの乗車案内装置の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る割当エレベータへの乗車案内装置の構成を示す図である。本実施の形態を適用するエレベータ装置では、複数のエレベータ(乗りかご)が群管理制御されており、IDカードを用いて乗場で自分が行きたい階(以下、行先階)を登録することができる。
【0011】
まず、図1の構成について説明する。群管理制御部20は、照合手段21、割当号機選択手段22、通信手段24、情報管理手段25、情報記録手段26を少なくとも含んでいる。なお、後述するが、符号23は、割り当てたエレベータ名、符号27は、カウント値を示している。
【0012】
符号10A〜10Cは、乗場操作盤を示している。乗場操作盤10A〜10Cとは、各階の乗場に設置された操作盤である。なお、本実施の形態では、3階分の例として示されている。乗場操作盤10A〜10Cにはそれぞれ、乗客がIDカードをかざすカードリーダ部13A〜13Cと、IDカードを持ち合わせていない利用者がボタン操作により行先階を入力するためのボタン操作部12A〜12Cと、表示部11A〜11Cとが設置されている。表示部11A〜11Cは、操作内容の確認表示、及び利用者に乗車して欲しいエレベータ名を表示する。
【0013】
符号40A、40Bは、各エレベータに対応した各台制御部であり、符号50A、50Bは、さらに、各台制御部に対応したかご内操作盤制御部である。かご内操作盤制御部50A、50Bにはそれぞれ、通信手段51A、51B、制御手段52A、52B、表示情報記録手段53A、53Bが設けられている。また、符号60A、60Bは、各エレベータに対応したかご内操作盤である。かご内操作盤60A、60Bにはそれぞれ、各種情報を表示する表示部61A、61B、各種情報を音声ガイダンスするスピーカ部62A、62B、行先階の表示と登録操作を受け付ける行先階ボタン部(かご内行先階登録部)63A、63Bが設けられている。
【0014】
このエレベータシステムは、複数のエレベータを制御する群管理制御部20と、各エレベータを制御する各台制御部40A、40Bとから構成されている。そして、乗場操作盤10A〜10Cと、群管理制御部20、及び各台制御部40A、40Bと、エレベータとが各々対応して接続された構成となっている。
【0015】
エレベータシステムの概要を図1を用いて説明する。IDカードを持った利用者が、乗場操作盤10A〜10Cにあるカードリーダ部13A〜13CにIDカードをかざすと、利用者のID情報が群管理制御部20の照合手段21へ送信される。なお、乗場操作盤は、ID認識を用いて利用者が自分の希望する行先階を乗車前に登録できればよく、必ずしもカード形式によるID認識に限定されるものではない。
【0016】
一方、群管理制御部20にある情報記録手段26では、ID情報と行先階情報が関連付けて記録されている。照合手段21は、受信したID情報と情報記録手段26に記録されたID情報との照合処理を行い、一致したID情報に関連付けられた行先階情報を割当号機選択手段22へと送信する。
【0017】
割当号機選択手段22では、各エレベータの運転状況に基づいて、当該乗場での操作に割り当てるエレベータ(乗りかご)を決定し、決定したエレベータを制御する各台制御部40A、40Bに対しは、行先階情報を出力し、且つ、利用者が操作した乗場操作盤10A〜10Cに対しては、割当信号を出力する。
【0018】
例えば、行先階として3階が登録されたIDカードを所持している利用者が、1階に設置された乗場操作盤10C上で操作した結果、A号機への割り当てが決定されたとすると、割当号機選択手段22は、A号機の各台制御部40Aに対しては、行先階情報である3階の情報を出力し、1階の乗場操作盤10Cに対しては、割当信号であるA号機の情報を出力する。
【0019】
利用者が操作した乗場操作盤10A〜10Cでは、割当号機選択手段22より受信した割当情報が、表示部11A〜11Cに表示されることにより、利用者は、自分が乗車すべきエレベータを知ることができ、割り当てられたエレベータに乗車することが可能となる。
【0020】
また、各台制御部40A、40Bは、受信した行先階情報の階床にエレベータを停止させる制御をするとともに、かご内操作盤60A、60Bは、各台制御部40A、40Bを介して受信した行先階情報に対応する行先階ボタンを点灯表示させるため、利用者は、割り当てられたエレベータに乗車した際には、かご内操作盤60A、60B上にて行先階の登録操作をしなくても、行先階への移動が可能となる。
【0021】
しかし、利用者が、割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車してしまった場合、利用者はかご内操作盤60A、60Bの行先階ボタンを用いて行先階登録の操作をする必要が生じる。上述の例では、例えば、利用者がB号機に誤って乗車した場合が相当する。
【0022】
続いて、本実施の形態に係る割当エレベータへの乗車案内装置の具体的な動作について説明する。なお、乗場操作盤における動作は、上述のエレベータシステムの概要と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0023】
群管理制御部20にある情報記録手段26では、ID情報と行先階情報の他、カウント値と割当信号(割り当てたエレベータ名)とが関連付けて記録されている。ここで、カウント値とは、過去にその利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車した回数をカウントした値であり、割当信号とは、割り当てられたエレベータ名がない場合は「ゼロ」、割り当てられたエレベータがある場合は、そのエレベータ名を示すものとする。
【0024】
照合手段21は、受信したID情報と情報記録手段26に記録されたID情報との照合処理を行い、一致したID情報とそのID情報に関連付けられた行先階情報を割当号機選択手段22へ送信する。
【0025】
割当号機選択手段22では、各エレベータの運転状況に基づいて、当該乗場での操作に割り当てるエレベータを決定し、決定したエレベータを制御する各台制御部40Aへ行先階情報を、利用者が操作した乗場操作盤へ割当信号を出力する以外に、受信したID情報に関連付けられている割当信号として、割り当てたエレベータ名23を情報記録部に記録させる。
【0026】
その後、かご内操作盤60Aは、各台制御部40Aを介して受信した行先階情報に対応する行先階ボタン部63Aを点灯表示させる。
【0027】
しかし、何かの事情により、利用者が割り当てられたエレベータ(A号機)と異なるエレベータ(B号機)に乗車してしまった場合、先の説明の通り、乗車したかご操作盤60Bの行先階ボタン部63Bには、利用者の行先階が事前に登録されていない為、利用者はかご内操作盤60Bの行先階ボタン部63Bを用いて行先階登録の操作を行う。
【0028】
かご内操作盤60Bの行先ボタン部63Bがその操作を受け付けると、かご内操作盤制御部50Bの通信手段51Bは、利用者が操作した行先ボタンの情報を、各台制御部40Bを介し、群管理制御部20の通信手段24へ送信する。なお、かご内操作盤制御部50Bは、かご内操作盤60Bを制御するための装置であり、かご操作盤60Bの背面やエレベータの上部に設置されているものである。群管理制御部20の通信手段24は、受信した行先ボタンの情報を情報管理手段25へ送信する。
【0029】
次に、情報管理手段25での動作を、図2に示すフローチャートを用いて説明する。まず、情報記録手段26に記録されている情報の中から、以下の条件を同時に満たすID情報をサーチする(S1)。
(第一の条件)情報記録手段26に記録されている行先階と受信した行先ボタンの情報が一致する
(第二の条件)情報記録手段26に記録されている割当信号が非ゼロである。
すなわち、情報管理手段25は、乗場操作盤からID認識を介して登録された行先階とエレベータ内のかご内行先階登録部から登録された行先階との一致があり、且つ、割当号機選択手段においてエレベータの割り当てが発生していることをもって、対応する利用者は割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したものと認定する。
【0030】
次に、S1に該当するID情報(すなわち上記2つの条件を同時に満たすID情報)に関連付けられたカウント値と割当信号を取得する(S2)。その後、S2で取得したカウント値を1増加させ(S3)、増加させたカウント値27を情報記録手段26に記録させる(S4)。
【0031】
さらに、情報管理手段25は、異なる2種類の閾値(第一の閾値をTH1、第二の閾値をTH2、TH1<TH2)を予め有しており、S3で算出したカウント値と第一の閾値との比較処理(S5)、カウント値と第二の閾値との比較処理(S6)を行い、以下のトータル3種類の利用状態に区分けする。
第一の状態: カウント値<TH1
第二の状態: TH1=<カウント値<TH2
第三の状態: TH2=<カウント値
【0032】
そして、第一の状態の場合は、状態情報=1、登録情報=可、という情報を通信手段24へ出力する(S7A)。一方、第二の状態の場合は、状態情報=2、登録情報=可、割当信号、という情報を通信手段24へ出力する(S7B)。最後に、第三の状態の場合は、状態情報=3、登録情報=不可、割当信号、という情報を通信手段24へ出力する(S7C)。
【0033】
群管理制御部20の通信手段24は、S7A〜S7Cのいずれかより受信した情報を、利用者が乗車した各台制御部40Bへ出力する。
【0034】
各台制御部40Bは、受信した信号の中で登録情報の値を参照し、その値が「可」であればエレベータを行先階で停止させる制御を行うが、その値が「不可」であれば、エレベータを行先階で停止させる制御を行わないものとする。すなわち、利用者に対する利用状態のうち、第三の状態は、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したときの、エレベータ内のかご内行先階登録部から入力された行先階を無効として扱うものである。第三の状態の場合、利用者は過去に幾度となく乗り間違えし、他の乗客へ迷惑をかけていると推測できるため、かご内操作盤での行先階登録の操作を制限することにより、利用者への啓蒙を行うものとする。そして、各台制御部40Bは、受信した信号をかご内操作盤制御部50Bへ出力する。
【0035】
また、表示情報記録手段53Bには、第一の状態、第二の状態、そして第三の状態を受信した際に表示部61Bへ表示する表示メッセージやスピーカ部62Bより出力する音声メッセージを、第一の状態から第三の状態毎に記録している。
【0036】
例えば、第一の状態の表示メッセージと音声メッセージは、「次回乗車時は、割当られたエレベータに乗車ください」と言った、柔らかい表現のメッセージとする。さらに、第二の状態の表示メッセージと音声メッセージは、例えば「今回乗車頂くエレベータはXX号機でした。他のお客様にご迷惑をおかけしますので、お乗り間違えないようご注意ください。」と、第一の状態と比較して厳しい表現のメッセージとする。ここで、メッセージ中のXXとは割当信号を示している。上述してきた例では、XX号機はA号機となる。
【0037】
一方、第三の状態の場合は、過去に幾度となく乗り間違えているケースであると考えられるため、表示メッセージと音声メッセージは、例えば「登録できませんでした。降車した後、再度登録操作をお願いいたします。」と、第二の状態よりも厳しいメッセージとする。
【0038】
制御手段52Bは、かご内操作盤制御部50Bの通信手段51Bより受信した状態情報の値に基づき、該当する表示メッセージと音声アナウンスを、表示情報記録手段53Bから取得する。そして、登録情報=可である、第一の状態と第二の状態のときは、利用者が操作した行先ボタン部63Bを点灯表示とするとともに、該当する表示メッセージを表示部61Bへ、該当する音声アナウンスをスピーカ部62Bへ出力し、利用者へ注意喚起を行う。また、登録情報=不可である第三の状態である場合、利用者が操作した行先ボタンを消灯させ(即ち行先階の登録を許可せず)、表示メッセージと音声アナウンスを用いて、表示部61Bとスピーカ部62Bを通じて注意喚起を行う。本実施の形態では、これら表示部61A、61B及びスピーカ部62A、62Bが、割当エレベータへの乗車案内・乗車促進のための注意喚起を行う報知部として機能する。なお、本発明の報知態様は、視覚的情報と音声情報との双方を行うことに限定されるものではなく、視覚的情報及び音声情報の一方のみ、さらには、視覚的情報や音声情報以外の情報を用いたものであってもよい。
【0039】
以上に説明したように、本実施の形態に係る割当エレベータへの乗車案内装置によれば、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことを認定し、割当エレベータへの乗車案内のための注意喚起を行うことができ、乗り間違えによる運行効率低下の抑制を図ることができる。また、登録した利用者とその利用者の行先階に加え、IDカードに記憶された個人情報とエレベータに乗車後の利用者の操作状況とに基づき選択されたエレベータに乗車しなかった回数を関連付けて記録していることで、利用者が選択されたエレベータに乗車したか否か、また、選択されたエレベータに乗車しなかった際に、それが偶然なのかあるいは故意性・常習性が高いものなのかを、記録している回数をもとに推測することができる作用がある。したがって、かかる作用により、利用者の利用状態毎に適切なレベルで、割当エレベータへの乗車案内の報知を提供することができ、特に、故意性あるいは常習性が高いと推測できる場合には、より厳しいメッセージとすることで、割当エレベータへの乗車案内・促進の実効性を高めることができ、同時に、より厳しいメッセージを用意しておきながらも、偶然性が高いと推測できる場合には、そのような厳しいメッセージを使用せずに済み、利用者に優しい対応を確保することも可能となっている。
【0040】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2として、実施の形態1において、過去に利用者が乗り間違えた回数に応じて、乗場操作盤での案内方法を次のように改変し、利用者へ注意喚起を行っても良い。すなわち、乗場操作盤10A〜10Cにおいて、利用者が所定の操作で行先階の登録操作を行った後、割当号機選択手段22では、各エレベータの運転状況に基づいて、当該乗場での操作に割り当てるエレベータを決定し、決定したエレベータを制御する各台制御部40Aへ行先階情報を、利用者が操作した乗場操作盤へ割当信号を出力する以外に、次のような付加的な表示・案内も追加して行う。
【0041】
具体的には、乗場操作盤10A〜10Cにおいて、利用者が所定の操作で行先階の登録操作を行った場合、受信したID情報に関連付けられているカウント数を参照し、割当号機選択手段22が予め保持している閾値TH3とそのカウント数との比較処理を行い、
カウント数<TH3
を満たした場合は第一の状態である旨、満たさなかった場合は第二の状態である旨の制御信号も併せて利用者が操作した乗場操作盤へ送信する。
【0042】
そして、利用者が操作した乗場操作盤では、割当号機選択手段より受信した割当情報を表示部に表示するだけでなく、第二の状態である旨の制御信号を受信した場合は、割当情報が示すエレベータの場所を説明する表示をしたり、乗場操作盤に設置したスピーカ(図示せず)を通じて音声による案内をしたりするなど、乗場側の報知部を介して利用者へ注意喚起を行う。
【0043】
本実施の形態に係る割当エレベータへの乗車案内装置によれば、上記実施の形態1の利点に加え、さらに、利用者がエレベータに乗り込む前の、乗場にいる段階から、利用者に対し、適切なエレベータへの乗り込みを注意喚起することもできる。
【0044】
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0045】
10A〜10C 乗場操作盤、22 割当号機選択手段、25 情報管理手段、26 情報記録手段、60A、60B かご内操作盤(かご内行先階登録部)、61A、61B 表示部(報知部)、62A、62B スピーカ部(報知部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台のエレベータが群管理制御されたエレベータシステムに設けられる割当エレベータへの乗車案内装置であって、
乗場に設けられ、ID認識を用いて利用者が自分の希望する行先階を乗車前に登録するための乗場操作盤と、
前記乗場操作盤によって登録された行先階に対して、前記複数台のエレベータの中から適正なエレベータを選択し割り当てる割当号機選択手段と、
エレベータ内から行先階を登録するためのかご内行先階登録部と、
利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことを認定する情報管理手段と、
エレベータ内に設けられ、前記情報管理手段によって利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことが認定された場合に、割当エレベータへの乗車案内のための注意喚起を行う報知部とを備え、
前記情報管理手段は、前記乗場操作盤からID認識を介して登録された行先階とエレベータ内の前記かご内行先階登録部から登録された行先階との一致があり、且つ、前記割当号機選択手段においてエレベータの割り当てが発生していることをもって、対応する利用者は割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したものと認定する、
割当エレベータへの乗車案内装置。
【請求項2】
利用者のID情報に関連付けられ、過去にその利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車した回数をカウントした値であるカウント値を記録する情報記録手段を備えており、
前記情報管理手段は、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことを認定した場合、その利用者のカウント値と予め用意されている閾値との大小関係に基づき、その利用者に対する利用状態の認定も行い、
前記報知部によって提供される報知内容は、複数用意されており、前記利用状態に応じて決定される、
請求項1の割当エレベータへの乗車案内装置。
【請求項3】
前記利用状態には、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したときの、エレベータ内の前記かご内行先階登録部から入力された行先階を無効として扱うようにする利用状態も含まれている、
請求項2の割当エレベータへの乗車案内装置。
【請求項4】
乗場に設けられ、前記情報管理手段によって利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことが認定された場合に、割当エレベータへの乗車案内のための注意喚起を行う報知部をさらに備えた、
請求項1乃至3の何れか一項の割当エレベータへの乗車案内装置。
【請求項5】
乗場に設けられ、ID認識を用いて利用者が自分の希望する行先階を乗車前に登録するための乗場操作盤と、前記乗場操作盤によって登録された行先階に対して、前記複数台のエレベータの中から適正なエレベータを選択し割り当てる割当号機選択手段と、エレベータ内から行先階を登録するためのかご内行先階登録部と、利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことを認定する情報管理手段とを用意し、
前記乗場操作盤からID認識を介して登録された行先階とエレベータ内の前記かご内行先階登録部から登録された行先階との一致があり、且つ、前記割当号機選択手段においてエレベータの割り当てが発生している場合に、対応する利用者は割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したものと認定し、
利用者が割り当てられたエレベータとは異なるエレベータに乗車したことが認定された場合に、割当エレベータへの乗車案内のための注意喚起を行う、
割当エレベータへの乗車案内方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−60274(P2013−60274A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200288(P2011−200288)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】