説明

創傷に快適なポーラス状生体再吸収性ドレッシング及びその製造方法

創傷部位への減圧治療の適用に使用される、ポーラス状の生体再吸収性ドレッシングの製造方法が提供されている。このプロセスは、一またはそれ以上の生体再吸収性ポリマーとポロゲンシステムを用いてドレッシングを製造することを含む。ドレッシングの可塑性によって、創傷の形状と大きさを満たすように、創傷部位の中にドレッシングを入れることが可能になる。実施例では、ハンドモールディングを用いてロープ状のドレッシングを形成することも含む。ポロゲンシステムは、創傷部位の外で活性化される、あるいは創傷部位中でインサイチューで形成され、ポーラス状のドレッシングが作られる。減圧送達チューブは、創傷部位と流体連通して創傷部位に減圧を送達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、様々なポーラス状生体再吸収性ドレッシングの製造方法、これを使用したシステム、及び組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
創傷の治癒は、大まかに言えば、炎症、増殖、成熟と云うオーバーラップした三つの基本段階に分けることができる。炎症段階は、鬱血および炎症で特徴付けられる。次の段階は主に、上皮形成・血管形成・肉芽組織形成そしてコラーゲン沈積から成る。最終段階は成熟と再成形を含む。この三段階の創傷治癒プロセスは、局所貧血や浮腫、感染などによる局所的要因に加えて、糖尿病、加齢、甲状腺機能低下、栄養不良、及び肥満などの全身性要因の影響によって複雑さが増す。しかしながら創傷治癒の律速段階は、しばしば血管形成である。創傷の血管形成は、内皮細胞遊走と毛細血管形成によって特徴付けられ、創傷床へ入る毛細血管の発芽能が、組織再生を助けるうえで決定的に重要な意味を持つ。肉芽組織形成段階と組織沈着には、毛細血管によって運ばれる栄養素を必要とする。従って、創傷部での血管形成機能の阻害は、慢性的な創傷トラブルを誘発し得る。
【0003】
血管由来の表現型の発現は、シーケンシャルなステップに発生する多くの細胞的および分子的事象を必要とする複合的なプロセスである。これらの活性のいくつかは、内皮細胞増殖、周辺基部細胞膜の分解、結合間質組織を通る内皮細胞の移動、チューブ状構造の形成、及び新生血管に入る内細胞列管の成熟を含む。血管形成は、正の調節因子と低減した調節因子によって制御される。内皮細胞以外にも、血小板、単核白血球、マクロファージなどの組織修復に関係する細胞は、血管形成を開始している損傷部位に、血管内皮増殖因子(VEGF)のような血管由来の成長因子を放出する。
【0004】
現在のところ、毒素やバクテリアを除去するための創傷の洗浄、局所的および全身的な抗生物質や麻酔、及び成長要因の局所的適用を含めて、創傷治癒の補強に用いられる様々な方法が存在する。治癒が遅い、あるいは治癒しない軟部組織での創傷を促進するうえで最も上手く行く方法の一つは、減圧療法である。減圧療法は一般的に、周辺圧力よりも低い圧力を創傷部位に適用することを意味し、減圧治療の強度と時間が、治癒の促進に充分である。減圧適用に使用される装置の具体例には、テキサス州サン・アントニオ所在のキネティック・コンセプツ社で実用化され、VACUUM ASSISTED CLOSURE(登録商標)、あるいはV.A.C.(登録商標)として製品化されている装置が含まれる。治癒プロセスに導入されている減圧については、米国特許第5,636,643号および第5,645,081号に記載されており、その開示内容は参照によって全体が組み込まれている。
【特許文献1】米国特許第5,636,643号
【特許文献2】米国特許第5,645,081号
【0005】
減圧は、上皮組織と皮下組織の健康な組織から創傷部位に向けての移動を促進するよう作用する。典型的な減圧治療は、減圧を送達するマニフォールドとして機能するドレッシングを通じて創傷部位に減圧を適用することを含む。このドレッシングは、対象となる傷にフィットする寸法であり、創傷に当てがって、傷が治り始めて小さくなって行くに従って小さなサイズのドレッシングに取替える。ドレッシングを用いた減圧治療の利用は非常に効果的である一方、このプロセスにはなお様々な課題も残っている。例えば、創傷にフィットするよう適切な幅や長さあるいは厚みのあるドレッシングを入手することが難しい。また、ドレッシングをはずす際に健康な組織も剥がしてしまうこともあり、これによって創傷部位に更に外傷ができることがある。
【0006】
生分解性素材を用いてドレッシングを製造することが提案されており、創傷部位から剥がす必要の無いドレッシングとなる。しかしながら、これらのドレッシングの多くでは、生分解性ポリマーが予め特定の形状に形成されている。しかし、個々の創傷の形状や大きさは一様ではない。
【0007】
そこで、製造が容易で、個々の患者の創傷にフィットするような形状と寸法のドレッシングが求められている。また、創傷部位から剥がす必要の無いドレッシングも求められている。更に、微細孔を具え、創傷部位における治癒と健康な組織の成長を促進することができるようにしたドレッシングも求められている。
【0008】
ここでの引用文献は全て、法的に認められる最大限の範囲で引用により組み込まれる。ここに完全に組み込まれていない引用に関しては、技術的なバックグラウンドを目的とした説明や通常のスキルを持った当業者の知識が示すところによって、組み込まれる。
【発明の概要】
【0009】
創傷部位の大きさと形状に容易に合うように設計されたオープンセル状のポーラスを具える生体再吸収性のドレッシングを用いることによって、これらのまたその他の要求が満たされる。このように、最広義において本発明は、ポーラス状の生体再吸収性ドレッシングを様々な形状で製造する方法、これを使用する方法、およびシステム、そしてその組成を提供するものである。
【0010】
本発明の一実施例は、減圧療法を施す際に創傷部位で使用するポーラス状生体再吸収性ドレッシングの製造方法およびその装置であり、インサイチューで微細孔の形成がなされる。この実施例において、生体再吸収性ポリマーは、適宜の溶剤中に溶解され、化学量論量のポロゲンと混合される。残余の溶剤は除去する。次いで、結果物であるドレッシングを、その創傷の形状と大きさを満たすようにハンド・モールディングによって創傷に配置する。代替的に、結果物であるドレッシングをロープ状にして、創傷の形状と大きさに合うように、創傷部位中あるいはその上にコイル状に巻いてもよい。創傷液はドレッシング中のポロゲンと反応し、そのままドレッシング内部に微細孔をインサイチューで形成する。ドレッシングをシールするドレープが、創傷部位でドレッシングの上に配置される。減圧送達チューブは、ドレッシングと流体連結しており、創傷部位に減圧を送達する。
【0011】
本発明による別の実施例は、減圧療法を施す際に創傷部位にて使用されるポーラス状の生体再吸収性ドレッシングの製造方法およびその装置である。この実施例において、生体再吸収性ポリマーは適宜の溶剤中に溶解して、化学量論量のポロゲンと混合される。残余の溶剤は取除く。次いで、ドレッシングを液体中に入れ、これによってこの液体がドレッシング中のポロゲンと反応してドレッシング内部に微細孔を形成する。次いで、得られたドレッシングを乾燥させ、創傷の形状と大きさに合うようにハンド・モールディングして創傷部位の中に入れる。代替的に、得られたドレッシングをロープ状に成形し、次いで創傷の形状と大きさに合うように、創傷の中でコイル状に巻くようにしてもよい。ドレッシングをシールするドレープは、創傷部位でドレッシングの上に配置する。減圧送達チューブは、ドレッシングと流体連結して、創傷部位に減圧を送達する。
【0012】
本発明による別の実施例は、減圧療法を施す際に創傷部位にて使用されるポーラス状の生体再吸収性ドレッシングの製造方法およびその装置であり、微細孔がインサイチューで形成される。この実施例において、生体再吸収性ポリマーと可塑剤が、適宜の溶剤中に溶解して、ポロゲンと混合される。得られた混合物は非溶媒と接触させて、混合物全体が一のドレッシングとして溶液から凝結する。残余の非溶媒は取除く。得られたドレッシングは、創傷の形状と大きさに合うようにハンド・モールディングして、創傷部位の中に入れる。代替的に、得られたドレッシングをロープ状に成形して、創傷の形状と大きさに合うように、創傷中でコイル状に巻いてもよい。創傷液がドレッシング中のポロゲンと反応し、インサイチューでドレッシング内部に微細孔を形成する。ドレッシングをシールするドレープは、創傷部位でドレッシングの上に配置する。減圧送達チューブは、ドレッシングと流体連結されて、創傷部位に減圧を送達する。
【0013】
本発明による別の実施例は、減圧療法を施す際に創傷部位にて使用されるポーラス状の生体再吸収性ドレッシングの製造方法およびその装置である。この実施例では、生体再吸収性ポリマーと可塑剤を適宜の溶剤中に溶解させて、ポロゲンと混合する。次いで、得られた混合物を非溶媒の中に入れる。この非溶媒は、ポリマー、可塑剤及び溶液から凝結するポロゲンをもたらすものである。残余の非溶媒は取除く。これによって得られる凝結物すなわちドレッシングを液体の中に入れ、この液体がドレッシング中のポロゲンと反応し、ドレッシング内部に微細孔を形成する。次いで、得られたドレッシングを乾燥させて、創傷部位の形状と大きさに合うようにハンド・モールディングして、創傷の中に入れる。代替的に、得られたドレッシングをロープ状に成形して、創傷部位の形状と大きさに合うように、創傷中あるいは上でコイル状に巻いてもよい。ドレッシングをシールするドレープは、創傷部位でドレッシングの上に配置する。減圧送達チューブは、ドレッシングと流体連結して創傷部位に減圧を送達する。
【0014】
本発明による別の実施例は、減圧療法を施す際に創傷部位にて使用されるポーラス状の生体再吸収性ドレッシングの製造方法およびその装置であり、そこではドレッシングが組織の成長及び/又は治癒を促進する要素も内包している。この実施例では、生体再吸収性ポリマーを適宜の溶剤中に溶解させ、化学量論量のポロゲンと混合する。残余の溶剤は取除く。得られたドレッシングを液体中に入れて、この液体がドレッシング中のポロゲンと反応して、ドレッシング内部に微細孔を形成する。反応が完了すると、ドレッシングを液体から取り出して、乾燥させる。この時点で、得られたポーラス状ドレッシングを、限定するものではないが、細胞、成長因子、又は細胞の成長及び/又は治癒を促進する栄養素などを含む、さまざまな物質でコーティングしてもよい。次いで、ポーラス状ドレッシングを、創傷の形状と大きさに合うようにハンド・モールディングして創傷部位の中に入れる。代替的に、得られたドレッシングをロープ状に成形して、創傷部位の形状と大きさにフィットするように創傷中あるいは創傷上でコイル状に巻くようにしてもよい。ドレッシングをシールするドレープは、創傷部位でドレッシングの上に配置する。減圧送達チューブは、ドレッシングと流体連結して創傷部位に減圧を送達する。
【0015】
本発明のその他の目的、特徴、及び利点は、以下に続く図面ならびに詳細な説明によって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の幾つかの実施例のフローチャートを示し、重炭酸ナトリウムと酸性ポロゲンシステムで生体再吸収性ポリマーを製造するプロセスと、減圧療法におけるその使用を示す。
【図2】図2は、本発明の幾つかの実施例に則ったフローチャートを示し、塩ポロゲンシステムで生体再吸収性ポリマーを製造するプロセスと、減圧療法におけるその使用を示す。
【図3】図3は、本発明の幾つかの実施例に則ったフローチャートを示し、生体再吸収性ポリマーとポロゲンシステムを用いてポーラス状ドレッシングを製造するプロセスと、減圧療法におけるこのポーラス状ドレッシングの使用を示す。
【図4】図4は、本発明の幾つかの実施例に則ったフローチャートを示し、生体再吸収性ポリマーとポロゲンシステムを用いてポーラス状のドレッシングを製造するプロセスと、減圧療法におけるこのポーラス状ドレッシングの使用を示す。
【図5】図5は、本発明の幾つかの実施例に則ったフローチャートを示し、ロープ形状のポーラス状ドレッシングの製造プロセスと、減圧療法におけるこのポーラス状ドレッシングの使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に述べる好ましい実施例の詳細な説明において、その一部をなす添付図面を参照する。ここでは、本発明を実施するのに特に好ましい実施例が説明されている。これらの実施例は、当業者がこの発明を実施できるように充分詳細に記載されており、他の実施例も利用することができ、本発明の本旨あるいはその範囲から外れること無く、理論構造的、機械的、電気的そして化学的な変更をなすことができると解される。本発明を当業者が実施するうえで必要でない詳細を避けるために、当業者において既に知られている一定の情報は割愛されている。従って、以下の詳細な説明は限定的なものと捉えるべきではなく、また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定められる。
【0018】
本発明の実施例は全て、創傷部位治療のための減圧療法に関連して用いられる生体再吸収性ドレッシングの使用を含む。本発明は、創傷部位の具体的な位置はもとより、減圧療法のターゲットである組織のタイプによって限定されるべきものではない。そこで、本発明によって治療される創傷部位は、組織の成長及び/又は治癒の促進が望まれる身体上あるいは身体中のいずれの部位であってもよい。
【0019】
本発明による第1実施例は、図1に示すとおり、生体再吸収性のポーラス状ポリマーでできたドレッシングを用意して、当該ドレッシングを減圧療法において使用する方法および装置に関する。
【0020】
まず、一又はそれ以上の生体再吸収性ポリマーを適宜の溶剤(101)中に溶解させる。使用する溶剤のタイプは、選択した生体再吸収性ポリマー(複数でもよい)に依存する。生体再吸収性ポリマーは生体適合力の有る素材であり、その分解副産物は、身体中の自然な経路を経て生理的に同化吸収もしくは分泌され得る。このような生体再吸収性ポリマーは、限定されるものではないが、ラクチド、ポリ(ラクチド)(PLA)、グリコライドポリマー、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(ラクチド−コグリコライド)(PLGA)、エチレングリコール/ラクチドコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリハイドロキシブチラート、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ラクチド−コグリコライド)コポリマー、ポリハイドロキシアシド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアンハイドライド、ポリアミノ酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、分解性ポリシアノアクリレート、ポリカーボネート、ポリフマラート、分解性ポリウレタン、アルブミン、コラーゲン、フィブリン、合成あるいは天然ポリアミノ酸等のプロテイン、アルギネート、ヘパリン等のポリサッカライド、その他の天然由来の多糖類の生分解性ポリマーを含む。更に、一の好ましい実施例においては、このポリマーはPLA:PCL共重合体であり、PLAからPCLの比率が100:0から0:100の範囲にあってもよい。幾つかの好ましい実施例では、PLA:PCL共重合体比が概ね90:10である。他の実施例においてはPLA:PCL共重合体比が概ね80:20である。更に別の実施例では、PLA:PCL共重合体比が概ね70:30である。
【0021】
重炭酸ナトリウムと酸でできたポロゲンシステムも、生体再吸収ポリマー混合物(102)に添加する。この酸は、液体もしくは気体でない、従って固形もしくは結晶状態のいずれの酸でもよい。ここで使用される適宜の酸の例は、これに限定されるものではないが、クエン酸を含む。使用する重炭酸ナトリウムと酸の量は、化学量論量の値を用いる。重炭酸ナトリウムを非化学量論量の値で用いることも予想され得る。更に、使用するポロゲンの量は、創傷液が排出され、減圧状態を損なうことなく維持されるよう、充分な数のオープンセルあるいはチャンネルを作り出す量でなくてはならない。
【0022】
溶剤は、得られたドレッシング(103)から取除く。溶剤を取除く方法の例は、限定されるものではないが、蒸発、オーブンでの乾燥、真空乾燥、手による混練その他の方法を含む。一の実施例において、溶剤は約48時間に亘って蒸発する。
【0023】
一の実施例において、ドレッシングを加圧下で加熱して圧縮し、残存している泡を取除くことができる。ホットプレス用のプレートは、プレートにドレッシングが付着することを防ぐ素材によって覆う、あるいはコーティングすることが望ましい。適当な材料例としては、例えばテフロン(登録商標)がある。ドレッシングの多孔率をあげるために、熟達者がホットプレス用のトッププレート及び/又はボトムプレートを追加の重炭酸ナトリウムおよび酸で覆うこともある。一の望ましい実施例においては、ドレッシングのボトム表面を約500μmより大きい粒子サイズの重炭酸ナトリウムと酸でコーティングし、及び/又はドレッシングのトップ表面を約90μm乃至約250μmのサイズの重炭酸ナトリウムと酸でコーティングしている。代替的に、トップ及び/又はボトムプレートとして微細孔やラインあるいは他のデザインをドレッシングのトップとボトムに刻み込むために、インプリント・ウェハを用いてもよい。ドレッシングは所定の温度と圧力にヒートプレスされ、それから冷却される。
【0024】
この段階で、ドレッシングは順応性がなくてはならない。このように、ドレッシングは例えば創傷部位(104)の形状と大きさにフィットするようにハンド・モールディングして、創傷部位に配置する。
【0025】
次いで、減圧療法装置を創傷部位(105)と流体的に連結する。ここでは、創傷部位とドレッシングは柔軟性ある物質で作られたドレープによって覆う。このドレープは不浸透性であり、液体あるいは気体のいずれの浸透もブロックするあるいは遅らせることが望ましい。好ましくは、このドレープは、減圧療法が行なわれる際に水蒸気は拡散させるが創傷部位を気密にシールする材料でできている。ドレープは創傷部位の表面とドレッシングの上に延在し、創傷のエッジを越えて広がる。このドレープは創傷周辺の皮膚表面に、例えば粘着性材料によって固定される。少なくとも一本の減圧送達チューブがドレープの下方に配置され、ドレープの下部から延出する。減圧送達チューブは、限定するものではないが、パラリン(paralye)で被覆したシリコーンあるいはウレタンを含む、医療用グレードのチューブ素材で作られている。更に、このチューブは創傷へのチューブの付着を防ぐ物質で被覆しても良い。例えば、このチューブは、ヘパリン、抗凝固剤、抗繊維化剤、抗付着剤、抗トロムビノゲン生成剤、あるいは親水性物質でコーティングしてもよい。減圧送達チューブは減圧源と流体連通された状態で設置され、減圧源との流体連通結を介して真空下で安全設置しキャニスタを具えることが望ましい。このように、本実施例においては、ドレッシングが減圧を送達するマニフォールドとして作用し、減圧の創傷部位への適用、液体の創傷部位への送達、又は創傷部位からの液体の除去をアシストする。
【0026】
代替の実施例においては、生体再吸収性ドレッシングが創傷部位内に配置されており、マニフォールドがドレッシングの上に配置されている。このマニフォールドは、むしろ創傷部位全体に亘る減圧の送達を促進している。創傷部位、ドレッシング、及びマニフォールドは、柔軟な、不浸透性材料で作られたドレープで覆われている。このドレープは、創傷の端部の上に延びて、創傷部位の表面、ドレッシング及びマニフォールドの上に延在し、好ましくは、皮膚表面に固定されている。少なくとも一本の減圧送達チューブが、マニフォールドと流体連通している。減圧送達チューブはまた、減圧源と流体連通して配置されており、好ましくは減圧源と流体連通して真空下で安全に設置されたキャニスタを具える。
【0027】
次いで、創傷部位からの創傷液が、重炭酸ナトリウムと酸の間で酸塩基反応を開始して、二酸化炭素ガスを生成する(106)。この二酸化炭素ガスの発生はドレッシングをインサイチューで、連通した微細孔あるいは「骨格」を持つ三次元構造に変形させる。更に、水などの液体を加えて、ポロゲンシステム反応を支援するようにしてもよい。代替の実施例においては、ステップ(106)がステップ(105)の前に生じても良い。
【0028】
典型的な例では、この二酸化炭素ガスの生成によって生じる微細孔のサイズは約50乃至約1,500ミクロンである。一実施例では、微細孔のサイズは約100ミクロンから約500ミクロンの間である。別の実施例では、微細孔のサイズは約100ミクロンから約250ミクロンの間である。結果として得られる微細孔のサイズは、重炭酸ナトリウム粒子と酸の粒子のサイズと、生成されたガスの量に依存すると解される。限定するものではないが、篩や遠心分離を含む、重炭酸ナトリウム粒子と酸の粒子の大きさをコントロールする何らかの方法を用いることができる。一実施例では、重炭酸ナトリウムと酸を、一またはそれ以上のスクリーンを介して篩にかけて、ある大きさの粒子を作る。このように、微細孔のサイズは、最小で、篩によって作られる粒子の大きさとなる。ドレッシングに充分な順応性があれば、発生した二酸化炭素ガスが微細孔のサイズを更に大きくするであろう。
【0029】
更に、使用するポロゲンシステムの量と、そのポロゲンシステムの粒子サイズが、結果物としてのポーラス状ドレッシングの多孔率をコントロールすることになる。熟達者に好ましい多孔率は、ドレッシング中に用いられる材料の機械的特性や、生体再吸収性ポリマー、所望の細胞の浸透度、創傷治癒物質や組織治療物質の有無、その他といった、要因に依拠すると解される。一の望ましい実施例では、この多孔率は少なくとも約50%である。別の望ましい実施例では、この多孔率が約70%である。
【0030】
次いで、減圧療法が創傷に適用される(107)。減圧治療の頻度は、身体上の位置、創傷部位の大きさと形状、適確なドレッシングあるいは使用されるドレッシング、何らかの助剤を使用するのであれば、その部位に適用する各種助剤のタイプに依存すると解される。更に、治療チームによっては、減圧療法をほぼ連続的に適用してもよく、あるいは徐々に圧力が変わるような循環的な適用であっても良い。創傷が治ると、ポーラス状ドレッシングが身体に再吸収され、肉芽組織が取って代わる。
【0031】
代替の実施例においては、一またはそれ以上の可塑剤を、溶剤中の生体再吸収性ポリマーに添加している(102)。可塑剤は、高分子化合物の変形能を強化するいずれかの物質であり、化合物を軟化させ、柔軟にする。この可塑剤は、限定するものではないが、セチルアルコールエステル、グリセロール、グリセロールエステル、アセチル化グリセリド、グリセロールモノステアレート、グリセリルトリアセテート、グリセロールトリブチレート、フタル酸エステル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、クエン酸、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、セバシン酸塩、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸塩、アゼライン酸、安息香酸エステル、ベジタブルオイル、フマル酸塩、フマル酸ジエチル、リンゴ酸塩、リンゴ酸ジエチル、蓚酸塩、蓚酸ジエチル、コハク酸塩、コハク酸ジブチル、ブチレート、セチルアルコールエステル、サリチル酸、トリアセチン、マロン酸塩、マロン酸ジエチル、ひまし油、トリエチレングリコール、及び、ポロキサマ(poloxamer)を含む。一またはそれ以上の可塑剤がポリマーに含まれている場合は、使用する条件が可塑剤の揮発に役立つものでない限り、残余の溶剤をオーブンによる乾燥あるいは真空乾燥などの方法で除去する(103)。
【0032】
本発明による第2実施例は、図2に示すとおり、生体再吸収性のポーラス状ポリマードレッシングを提供する方法及び装置、及び当該ポーラス状ドレッシングの減圧療法への使用に関する。
【0033】
生体再吸収性ポリマーを、適宜の溶剤の中に溶解させる(201)。生体再吸収性ポリマーは、一つあるいはそれ以上の生体再吸収性ポリマーでできている。好適なポリマーは、本発明の他の実施例において開示されたポリマーを含む。代替の実施例では、この生体再吸収性ポリマーに一又はそれ以上の可塑剤も加える。
【0034】
次いで、この生体再吸収性ポリマーを、ポロゲンシステム(202)として作用する結晶状あるいは固体の塩と混合する。本発明は、塩が適度な粒子サイズであり、溶剤中に溶解する限りは、塩のタイプ、すなわち、ガス状、液状、限定するものではないが、コロイド、ドレッシング、液体、スラリー、懸濁液、粘性ジェル、ペースト、パテ、及び粒子状固体を含む流動性を有する材料、によって限定されるものではない。ここで用いられる適宜の塩の例には、限定されるものではないが、塩化ナトリウムと塩化カリウムが含まれる。使用される塩の量は、化学量論量が用いられる。塩は、化学量論量でなくともよい。
【0035】
次いで、溶剤を取除く(203)。溶剤を除去する方法の例には、限定するものではないが、蒸発、オーブン乾燥、真空乾燥、手による混練その他が含まれる。一の実施例では、溶剤を約48時間掛けて蒸発させる。
【0036】
代替の一実施例においては、得られたドレッシングをヒートプレスして圧縮し、残存する泡を取除く。ホットプレス用のプレートは、ドレッシングがプレートに付着することを防ぐ素材によってカバーされ、あるいはコーティングされていることが望ましい。それに好適な素材の例には、例えばテフロン(登録商標)が含まれる。ドレッシングを後で、よりポーラス状のドレッシングにするため、熟達者がホットプレス用のトッププレート及び/又はボトムプレートを、塩、すなわちポロゲンシステムの追加の粒子でカバーするようにしてもよい。一の好ましい実施例では、ドレッシングのボトム表面を約500μmより大きい粒子サイズの塩でコーティングして、ドレッシングのトップ表面を約90μm乃至約250μmのサイズの塩粒子でコーティングしている。代替的に、微細孔やラインあるいは他のデザインをドレッシングのトップとボトムに刻み込むために、トッププレート及び/又はボトムプレートとして、インプリントウェハを使用してもよい。ドレッシングは所定の温度と圧力でプレスして、次いで冷却する。
【0037】
この段階で、ドレッシングは順応性がなくてはならない。このように、ドレッシングは、例えばハンド・モールディングによって創傷部位の形状と大きさにフィットさせて、創傷部位に配置する(204)。
【0038】
次いで、減圧装置を創傷部位に流体連通させる(205)。このステップでは、創傷部位とドレッシングは、柔軟で不浸透性の材料で作られたドレープによってカバーされている。ドレープは、水蒸気は拡散するが、気密なエンクロージャを提供する材料でできていることが望ましい。ドレープは創傷部位の表面とドレッシングの上に延在し、創傷の淵に亘って広がる。ドレープは創傷周辺の皮膚表面に、例えば粘着材料によって固定される。少なくとも一本の減圧送達チューブがドレープの下に配置されており、ドレープの下部から延出している。減圧送達チューブは、限定するものではないが、パラリンで被覆したシリコーン又はウレタンを含む、医療用グレードのチューブ素材で作られている。更に、チューブは創傷への付着を防ぐ物質でコーティングされている。例えばチューブは、ヘパリン、抗凝固剤、抗繊維成長剤、抗付着剤、抗トロンビン生成剤、又は親水性物質でコーティングする。このように、本実施例では、ドレッシングが減圧送達用マニフォールドとして作用している。
【0039】
代替の実施例においては、生体再吸収性のドレッシングを創傷部位の内部に配置し、マニフォールドをこのドレッシングの上に配置している。マニフォールドは、創傷部位全体に亘る減圧送達にも役に立っている。創傷部位、ドレッシング、及びマニフォールドは、柔軟な不浸透性の材料でできているドレープによってカバーされている。このドレープは、創傷部位表面、ドレッシング、マニフォールドの上に延在し、創傷の淵の上に延びて、好ましくは皮膚表面に固定されている。少なくとも一本の減圧送達チューブが、マニフォールドと流体連通している。減圧送達チューブはまた、減圧源と流体連通しており、好ましくは、減圧源との流体連通を介して、真空下で安全に設置されたキャニスタを具えている。
【0040】
次いで、細胞組織の間質液、もしくは、組織または創傷部位の毛細血管からの滲出液を含む創傷液がポロゲンシステムと反応して、塩粒子を溶かし、これによってドレッシング内部にインサイチューで微細孔を作る(206)。更に、水などの液体を創傷部位に加えて、ポロゲンシステム中で反応を助けるようにしてもよい。溶けた塩によってできた空間は、連続した微細孔を持つドレッシングとなる。得られた微細孔のサイズは、使用した塩粒子のサイズに依存する。このように、塩粒子のサイズのコントロールに様々な方法を用いることができる。例えば、塩粒子は、一またはそれ以上のスクリーンを通して篩にかけて、特定のサイズの粒子を作るようにしてもよい。塩粒子が溶けると、残った微細孔はほぼ塩粒子のサイズとなる。溶けた塩によってできた微細孔のサイズは、約50ミクロン乃至約500ミクロンである。別の実施例では、微細孔のサイズは約100ミクロンから約400ミクロンの間である。別の実施例では、微細孔のサイズは約100ミクロンから約250ミクロンの間である。
【0041】
更に、使用するポロゲンシステムの量とその粒子サイズは、多孔率をコントロールすることになる。好ましい多孔率は、ドレッシングを作るのに用いる材料の物理的特性や、所望の細胞の浸透度、あるいはドレッシング内に捕捉された、または、ドレッシングに結合されている創傷治癒剤または組織治療剤の有無、その他といった、様々な要因に依存すると解される。創傷治癒剤または組織治療剤は、例えば架橋剤の使用、ソリッド・サポートか分子あるいは双方への特定の反応基の包含、静電相互作用、親水性相互作用、疎水性相互作用、ストレプトアビジンのような分子を用いた付加、及び共有結合および非共有結合の相互作用の組合せの使用、などによって、ドレッシングに共有結合的あるいは非共有結合的に結合される。
【0042】
一の好ましい実施例においては、多孔率が少なくとも約50%である。別の好ましい実施例においては、多孔率が約70%である。
【0043】
代替の実施例においては、ステップ206がステップ205の前に生じる。
【0044】
減圧療法は創傷に適用される(207)。創傷が治ると、ドレッシングは身体に再吸収され、肉芽組織に置き換わる。
【0045】
代替の実施例では、一またはそれ以上の可塑剤を溶剤中の生体再吸収性ポリマーに添加する(202)。一またはそれ以上の可塑剤がポリマー中に含まれると、使用した条件が可塑剤の蒸発に役立たない限り、残余の溶剤をオーブン乾燥あるいは真空乾燥などの方法によって取除く(203)。
【0046】
本発明による第3の実施例は、図3に示すように、生体再吸収性のポーラス状ポリマーのドレッシングを提供する方法及び装置、及び当該ドレッシングの減圧療法用への使用に関する。
【0047】
一又はそれ以上の生体再吸収性ポリマーを、適宜の溶剤中に溶解させる(301)。好適な生体再吸収性ポリマーは、本発明の他の実施例で検討したどのポリマーを含むものでもよい。代替の実施例においては、少なくとも一の可塑剤をこの生体再吸収性ポリマーに添加する。
【0048】
次いで、生体再吸収性ポリマーをポロゲンシステムと混合する。これは、ドレッシング内部に微細孔を作る一又はそれ以上の化合物を含む(302)。ポロゲンシステムのタイプは限定されるものではなく、液体と接触したときに分解する化合物を含む。ポロゲンシステムのタイプは、酸化ナトリウム、サッカロース結晶体、又はゼラチン球spheresなどの無機塩を含み、水等の溶液に溶ける。別のタイプのポロゲンシステムは、重炭酸ナトリウムおよび酸の混合物である。重炭酸ナトリウムおよび酸は、液体と接触すると、二酸化炭素ガスを出して炭酸ナトリウムと酸になる。このガスが微細孔のサイズを大きくする。
【0049】
次いで、溶剤を除去して、ドレッシングを残す(303)。溶剤を除去する方法の例には、限定するものではないが、蒸発、オーブン乾燥、真空乾燥、手による混練などが含まれる。
【0050】
代替の一実施例では、ドレッシングをヒートプレスして圧縮し、存在することがある泡を取除く。ホットプレス用プレートは、例えば、テフロン(登録商標)といった、ドレッシングがプレートに付着することを防ぐ材質で覆うか、コーティングすることが好ましい。後にドレッシングをより多孔性となったものにするため、熟達者はホットプレス用のトッププレート 及び/又はボトムプレートを、追加のポロゲンシステム粒子で覆ってもよい。好適な一実施例では、ドレッシングのボトム表面が、約500μmより大きい粒子サイズのポロゲンシステム粒子でコーティングされており、ドレッシングのトップ表面は約90μm乃至約250μmのサイズのポロゲンシステム粒子でコーティングされている。代替的に、トッププレート及び/又はボトムプレートとしてインプリントウェハーを使って、微細孔、ライン、あるいは他のデザインをドレッシングのトップおよびボトムに刻み込むようにしてもよい。ドレッシングは所定の温度と圧力でヒートプレスして、次いで冷却する。
【0051】
次いで、ドレッシングを温水に入れて、その順応性を上げて、ポロゲンシステムと反応させ、これによって微細孔の形成が開始する(304)。ポロゲンシステムによってできたスペースは、連続した微細孔を有するドレッシングとなる。得られた微細孔のサイズは、使用したポロゲン粒子の大きさに依存する。このように、例えば粒子を複数スクリーンで篩にかけてポロゲン粒子のサイズをコントロールする手段を使うことができる。更に、使用するポロゲンシステムの量とポロゲンシステムの粒子サイズは、多孔率をコントロールする。一の好ましい実施例においては、多孔率は少なくとも約50%である。別の好ましい実施例においては、多孔率が約70%である。
【0052】
代替の実施例では、一又はそれ以上の物質を用いて、ポーラス状ドレッシングをコーティングする、あるいはこの物質をポーラス状ドレッシングに結合させる。例えばこのドレッシングは、コラーゲン、ヒアルロン酸、ゼラチンキトサン、抗菌剤、治療剤、抗ウィルス剤、成長ファクタ、生体活性剤、及びその他の治癒及び/又は組織の成長を促進する物質でコーティングしてもよい。更に、ドレッシングは、ドレッシングをX線不透過性にする物質でコーティングしてもよい。
【0053】
一実施例においては、ドレッシングを、コラーゲンを含有する溶液に含浸させる。次いで、ドレッシングの過剰な溶液を排水させて、ドレッシングの凍結乾燥を行う。
【0054】
代替の実施例においては、ドレッシングをコラーゲンを含有する溶液に含浸させ、過剰な溶液を排出して、コラーゲンをドレッシング上に架橋させる。
【0055】
次いで、ハンドモールディングを用いてドレッシングを創傷部位内に配置して、創傷の形状と大きさを満たす(305)。別の実施例においては、ドレッシングを傷の大きさと形状に合うようにカットする。創傷部位からの創傷液は、残留しているポロゲンシステムと反応して、更なる微細孔を作り出す。
【0056】
次いで、減圧装置を創傷部位と流体連通させる(306)。創傷部位とドレッシングは、柔軟な不浸透性材料でできたドレープで覆われている。ドレープは、好ましくは水蒸気は拡散させるが気密なエンクロージャを提供する材料でできている。ドレープは創傷部位とドレッシングの表面に延在して、創傷の淵に亘って広がる。ドレープは創傷周辺の皮膚表面に、例えば粘着性材料によって固定される。少なくとも一本の減圧送達チューブが、ドレープの下に配置されて、ドレープの下部から延出している。減圧送達チューブは、限定するものではないが、医療用グレードのチューブ材料でできており、これは、パラリンで被覆したされたシリコーンあるいはウレタンを含む。更に、チューブは、チューブの創傷への付着を防ぐための物質でコーティングしてもよい。減圧送達チューブは、減圧源と流体連通しており、好ましくは、減圧源との流体連通を通して真空下で安全に設置されたキャニスタを具えている。このように、本実施例においては、ドレッシングが減圧送達のマニフォールドとしての役も果たしている。
【0057】
一つの実施例では、マニフォールドは生体再吸収性のドレッシングの上に位置している。マニフォールドは、むしろ創傷部位全体に亘る減圧送達を容易にする。次いで、減圧送達チューブをマニフォールドに流体連通させる。
【0058】
次いで、減圧療法を創傷に適用する(307)。創傷が治ると、ドレッシングは身体に再吸収され、肉芽組織が取って代わる。
【0059】
本発明による第4の実施例は、図4に示すように、生体再吸収性のポーラス状ポリマーを提供する方法及び装置と、当該ポリマーの減圧療法用ドレッシングとしての使用に関する。
【0060】
生体再吸収性ポリマーを、適宜の溶剤中に溶解させる(401)。好適な生体再吸収性ポリマーは、限定するものではないが、本発明の他の実施例で開示したポリマーを含む。
【0061】
次いで、生体再吸収性ポリマーを一又はそれ以上の可塑剤と、ポロゲンシステムとに混合して、液状あるいはスラリー状の非固形混合物を形成する(402)。ポロゲンシステムは、限定するものではないが、溶解性の塩、あるいは重炭酸ナトリウムと酸の組み合わせを含む。使用するポロゲンシステムの量は、化学量論量で使用するが、ポロゲンシステムを非化学量論量で用いることも想定される。
【0062】
次いで、得られた混合物を、ポリマー用非溶剤、可塑剤、及びポロゲンに加えて、当該混合物が非溶剤と接触したときに、混合物を溶液から沈殿させる(403)。次いで、過剰な非溶剤を得られた沈殿物から取除く(404)。非溶剤を取り除く方法の例は、限定するものではないが、蒸発や手による混練などを含む。残余の溶剤は、使用される条件が可塑剤の蒸発に役立たない限り、オーブンによる乾燥、又は真空乾燥などいずれかの方法によって取り除く。得られたドレッシングはヒートプレスを行って、存在することがある泡を取除く。
【0063】
得られたドレッシングは順応性がなくてはならない。このように、ドレッシングは、例えばハンドモールディングによって創傷部位の中に配置して、創傷の形状と大きさを満たすようにする(405)。代替的に、創傷の形状と大きさを満たすようにドレッシングをモールドすることも可能である。別の実施例においては、所望の厚さのシート状に圧延され、所望の創傷の形状と大きさになるようカットして、ドレッシングを形成する。
【0064】
次いで、減圧装置を創傷部位と流体連通させる(406)。このステップでは、創傷部位とドレッシングは、柔軟な不浸透性の物質でできたドレープによってカバーされている。ドレープは、好ましくは水蒸気は拡散させるが、気密なエンクロージャを提供する素材でできている。ドレープは創傷部位とドレッシングの表面に延在し、創傷の淵に亘って広がって、そこで創傷周辺の皮膚表面に例えば粘着性の材料によって固定される。少なくとも一本の減圧送達チューブがドレープの下に配置され、ドレープの下部から延出している。減圧送達チューブは、医療用グレードのチューブ素材でできており、チューブが創傷へ付着するのを防ぐ物質でコーティングされている。また、減圧送達チューブは、減圧源と流体連通しており、好ましくは、減圧源との流体連通を介して真空下で安全に設置されたキャニスタを具えている。このように、本実施例では、ドレッシングが、減圧送達用のマニフォールドとしても作用している。
【0065】
代替の実施例では、生体再吸収性のドレッシングが創傷部位の内部に配置されており、マニフォールドがドレッシングの上に配置されている。マニフォールドは、むしろ創傷部位全体に亘って減圧を送達している。創傷部位、ドレッシング、及びマニフォールドは、柔軟な不浸透性の材質で作られたドレープによって覆われている。ドレープは、創傷部位表面、ドレッシング、及びマニフォールドの上に延在し、創傷の淵に渡って広がって、望ましくは皮膚表面に固定されている。少なくとも一本の減圧送達チューブは、マニフォールドと流体連通している。減圧送達チューブは、減圧源とも流体連通しており、好ましくは減圧源との流体連通を介して真空下で安全に設置されたキャニスタを具えている。
【0066】
次いで、創傷部位からの創傷液がポロゲンシステムと反応して、インサイチューで微細孔を形成する(407)。ポロゲンシステムによってできた空間は、「骨格」すなわち連続した微細孔を持ったドレッシングとなる。得られた微細孔のサイズは、使用したポロゲン粒子のサイズに依存する。このように、ポロゲン粒子のサイズを、例えばスクリーンで粒子を篩にかけることによってコントロールする手段を用いることができる。更に、使用するポロゲンシステムの量とその粒子サイズは、多孔率をコントロールする。好ましい一実施例においては、多孔率は少なくとも約50%である。別の望ましい実施例においては、多孔率が約70%である。
【0067】
代替の実施例では、ステップ(406)の前にポロゲンシステムが液体に接触して、ドレッシングすなわち「骨格」を創傷部位に配置する前にポロゲンシステムが液体に反応して連続した微細孔を形成する。
【0068】
次いで、減圧療法を創傷に適用する(408)。傷が治ると、ドレッシングは身体で再吸収され、肉芽組織が取って代わる。
【0069】
本発明による第5の実施例は、図5に示すように、如何なる大きさや形状あるいは深さの創傷でも入れることが可能で、そのロープ状の構成とフレキシビリティによって、創傷を完全に満たすことができる生体再吸収性でロープ状ドレッシングあるいはドレッシングを提供する。ロープの形状は、不織物あるいは織物、編んだ、ブレードしたポリマー繊維その他であってもよい。これら様々な形状は、追加の空気チャンネルあるいはポケットを導入し、ポリマー繊維の形状とその織り合わされた性状の度合いに基づく。
【0070】
生体再吸収性ポリマーを、適宜の溶剤中に溶解させる(501)。好適なポリマーは、限定するものではないが、本発明の他の実施例開示したポリマーを含む。生体再吸収性ポリマーは、一またはそれ以上の可塑剤ならびにポロゲンシステムと混合して、液体又はスラリーなどの非固体混合物を形成する(502)。ポロゲンシステムは、限定するものではないが、溶解性の塩または重炭酸ナトリウムと、酸との組み合わせを含む。使用するポロゲンシステムの量は、化学量論量または非化学量論量で用いられる。
【0071】
次いで、得られた混合物は、所望の先端径の注射器あるいは他のデバイスを用いて、ポリマー、可塑剤及びポロゲン用の非溶剤の中に押出して、混合物を溶液から糸あるいはロープ状の形状に凝結させる(503)。代替の実施例では、得られた混合物を巻いて所望の厚さのシートにし、ドレッシングをロープ形状に切断することによって、ロープを形成するようにしている。
【0072】
次いで、ロープ状ドレッシングを水など水性の媒体に移して、ポロゲンシステムと反応させて、ポーラス状ドレッシングを形成する(504)。ポロゲンシステムによってできたスペースは、連続した微細孔を持つドレッシングとなる。得られた微細孔のサイズは、使用したポロゲン粒子のサイズに依存する。このように、例えばスクリーンで粒子を篩にかけることによって、ポロゲン粒子のサイズをコントロールする手段を用いることができる。更に、使用するポロゲンシステムの量とその粒子サイズは、多孔率をコントロールする。一つの望ましい実施例では、多孔率は少なくとも約50%である。別の望ましい実施例では、多孔率が約70%である。
【0073】
次いで、過剰な媒体を、限定するものではないが、蒸発や手による混練その他を含む手段によって取除く(505)。更に、使用する条件が可塑剤の蒸発に役立たない限り、オーブン乾燥、又は真空乾燥を用いることもできる。必要であれば、ロープ状ドレッシングもヒートプレスして、存在し得る泡を取除くことができる。
【0074】
得られたドレッシングは順応性がなくてはならない。このように、ロープ状ドレッシングは、創傷部位にコイル状に巻いて創傷の形状とサイズを満たすことが可能である(506)。別の実施例においては、二本あるいはそれ以上のロープ状ドレッシングを編む、あるいはねじってより太い直径のロープとして、創傷部位にコイル状に巻いて入れるようにしてもよい。
【0075】
次いで、減圧装置を創傷部位と流体連通させる(507)。このステップでは、創傷部位とドレッシングは、柔軟な、不浸透性の物質でできたドレープによってカバーされている。好ましくは、ドレープは、水蒸気は拡散させるが気密であるエンクロージャを提供する材料でできている。ドレープは創傷部位とドレッシングの表面に延在し、創傷の淵に亘って広がる。ドレープは創傷周辺の皮膚表面に、例えば粘着性の材料によって固定される。少なくとも一本の減圧送達チューブがドレープの下に配置され、ドレープの下部から延出している。この減圧送達チューブは、医療用グレードのチューブ素材でできており、チューブが創傷へ付着するのを防ぐ物質でコーティングされている。減圧送達チューブはまた、減圧源と流体連通しており、好ましくは減圧源との流体連通を介して真空下で安全に設置されたキャニスタを具えている。この実施例では、このようにドレッシングが減圧を送達するように作用している。
【0076】
代替の実施例においては、生体再吸収性のドレッシングを創傷部位の内に配置して、マニフォールドをドレッシングの上に配置している。マニフォールドは、むしろ創傷部位全体に亘る減圧の送達を行う。創傷部位、ドレッシング、及びマニフォールドは、柔軟な、不浸透性の物質でできたドレープによってカバーされている。ドレープは、創傷部位表面、ドレッシング、及びマニフォールドの上に延在し、創傷の淵に広がって、好ましくは、皮膚表面に固定されている。少なくとも一本の減圧送達チューブが、マニフォールドと流体連通している。減圧送達チューブは、減圧源とも流体連通しており、好ましくは、減圧源との流体連通を介して真空下で安全に設置されたキャニスタを具える。
【0077】
次いで、創傷部位からの創傷液がポロゲンシステムと反応して、インサイチューで追加の微細孔を形成する(508)。次いで、減圧療法を創傷に適用する(509)。傷が治ると、ドレッシングは身体で再吸収され、肉芽組織が取って代わる。ロープの直径は様々であるが、約2mmから約7mmの間であることが望ましい。
【0078】
生体再吸収性のドレッシングは、熟達者に適した手段によって形成することができると解される。例えば、第6実施例では、ポーラス状の生体再吸収性ドレッシングを、一又はそれ以上の生体再吸収性のポリマーをそのガラス転移温度以上に加熱して該ポリマーを流動化して、提供する。好適なポリマーは、限定するものではないが、本発明の他の実施例において開示されたポリマーを含む。次いで、生体再吸収性のポリマーをポロゲンシステムと混合する。別の実施例では、一またはそれ以上の可塑剤も生体再吸収性のポリマーに加える。得られた混合物は、更に加熱し、あるいは加熱することなく、生分解性ポリマーがポロゲンシステムと混合されるまで攪拌する。次いで、混合物をシート状に形成し、あるいはモールドして、冷却する。得られた混合物は、限定するものではないが、ハンド・モールディング、レーザーカッティング、その他を含む何らかの手段によって、創傷部位にフィットする所望の形状と大きさのドレッシングに形成される。
【0079】
ポーラス状の生体再吸収性界面層を、90:10のPLA:PCL2.36gと12mlのジクロロメタン中のクエン酸トリエチル0.26gの溶液を、1.65gのクエン酸と粒子サイズ90〜250μmに篩掛けした重炭酸ナトリウム2.73gとの混合物と、混合して用意した。この懸濁液をテフロン(登録商標)コーティングされた鋳型に流し込んで、乾燥させた。次いで、得られたシートをホットプレスして、ポロゲンを除去するために12時間水の中に浸漬させたのち乾燥させた。V.A.C.(登録商標)セラピーを、複数の液体ポートと圧力センサを具えるグリッドと、生理食塩水注入率500ml/日を用いて、圧力50mmHg,125mmHgおよび200mmHgの三段階でシミュレートした。テスト(n=3)は、4×6インチ大のポーラス状の生体再吸収性界面層について、48時間行われた。液体を回収して、予め設定された時間毎に圧力をモニタした。ドレッシングへの細胞の内方成長を、径5cmの全層生検切除した豚の創傷モデルを用いて評価した。対照創傷(n=3)に、網目状オープンセル型のドレッシングを用い、一方、テスト創傷(n=3)は網目状オープンセル型ドレッシングと共にポーラス状生体再吸収性界面層でカバーした。次いで、125mmHgで、連続V.A.C.(登録商標)セラピーを開始した。各圧力設定条件における、網目状オープンセル型のドレッシングと、オープンセル型網目状ドレッシングを伴うポーラス状生体再吸収性の界面層と差異は、最小(0.5〜1.6mmHg)であった。7日後、ドレッシングと組織をまとめて切除し、固定して、H&E染色を行った。
【0080】
この結果は、オープンセル型網目状ドレッシング下でのポーラス状生体再吸収性の界面層は、ドレッシングを通る液流を妨げなかったことを示している。網目状オープンセル型ドレッシングへの内方成長は、創傷に直接付与されたときに広範囲に亘った。これに対して、ポーラス状生体再吸収性の界面層が創傷床の間に配置された場合は、オープンセル型網目状ドレッシングへの内方成長は観察されなかった。内方成長は界面層においてのみ認められた。このように、生体再吸収性の界面層を用いれば、網目状オープンセル型のドレッシングの除去は、新しい組織成長を崩壊させなかったであろう。
【0081】
上記より、有意な利点のある発明が提供されたことが明らかである。本発明は幾つかの態様でのみ示されているが、これに限定されるものではなく、その本旨にもとることなく様々な変更や改変を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷部位における新組織成長及び/又は創傷の治癒を促進する方法において:
一又はそれ以上の生体再吸収性ポリマーとポロゲンシステムを溶剤中に溶解させてドレッシングを形成し、当該溶剤を除去するステップと;
前記ドレッシングが創傷部位の大きさと形状を満たすように、前記創傷部位の中にドレッシングを位置決めするステップと;
マニフォールドを前記ドレッシングと接するように位置決めするステップと;
前記マニフォールドをドレープでカバーするステップと;
前記ドレープを前記創傷周辺で皮膚表面に固定するステップと;
前記ドレッシングとマニフォールドを通して前記創傷部位に減圧を適用するステップと;
前記ドレッシング内でポロゲンと接触している創傷液によって、インサイチューで前記ドレッシング内に微細孔を形成するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記ポロゲンシステムが、重炭酸ナトリウムと少なくとも一の酸であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記酸がクエン酸であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記ポロゲンシステムが塩であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記ドレッシングを形成するステップが更に、一又はそれ以上の可塑剤を前記溶剤に加えるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記微細孔のサイズが100ミクロンから500ミクロンの間であることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記創傷部位中へドレッシングの位置決めするステップが、前記ドレッシングをハンドモールディングすることによって生じることを特徴とする方法。
【請求項8】
創傷部位における新組織成長及び/又は創傷の治癒を促進する方法において:
溶剤中に一またはそれ以上の生体再吸収性ポリマーを溶解させ、当該溶剤中でポロゲンシステムを前記該ポリマーと混合し、前記溶剤を除去することによってドレッシングを形成するステップと;
前記ドレッシングを液体に接触させて前記ポロゲンシステムが微細孔を形成するようにするステップと;
前記ドレッシングが前記創傷部位に接触するように、創傷部位の中にドレッシングを位置決めするステップと;
マニフォールドをドレッシングに接するように位置決めするステップと;
前記マニフォールドをドレープでカバーするステップと;
前記ドレープを前記創傷周辺部で皮膚表面に固定するステップと;
前記ドレッシングとマニフォールドを通して前記創傷部位に減圧を適用するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記ポロゲンシステムが重炭酸ナトリウムと少なくとも一の酸であることを特徴とするステップ。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記酸がクエン酸であることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法において、前記ポロゲンシステムが塩であることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法において、前記ドレッシングを形成する方法が更に、一またはそれ以上の可塑剤を前記溶剤に加えるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項8に記載の方法において、前記創傷部位中へのドレッシングの位置決めが、ドレッシングをハンド・モールディングすることで生じることを特徴とする方法。
【請求項14】
創傷部位における新組織成長及び/又は創傷の治癒を支援するドレッシングを形成する方法において:
溶剤中に一またはそれ以上の生体再吸収性ポリマーを溶解させるステップと;
前記溶剤にポロゲンシステムの粒子を加えるステップと;
前記溶剤を除去して、固体ドレッシングを形成するステップと;
前記ドレッシングをヒートプレスするステップと;
前記ドレッシングを液体と接触させることによって、微細孔の形成を開始するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、当該方法が更に:
前記ドレッシングをヒートプレスする前に、当該ドレッシングをポロゲンシステムでコーティングするステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、当該方法が更に:
ヒートプレス用のプレートを使用することによって、前記ドレッシングのトップ及び/又はボトムにウェハーをインプリントするステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法において、当該方法が更に:
治癒を容易にする一またはそれ以上の物質でドレッシングをコーティングするステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項18】
創傷部位における新組織成長及び/又は治癒を促進する方法において:
ドレッシングを
i)一またはそれ以上の生体再吸収性ポリマーとポロゲンシステムを溶剤に溶解させて混合物を形成すること、
ii)前記混合物を非溶剤中に配置して、一又はそれ以上の生体再吸収性ポリマーとポロゲンシステムを溶液から凝結させること、
によって形成するステップと;
過剰な非溶剤を除去するステップと;
前記ドレッシングが創傷部位と接触するように当該ドレッシングを創傷部位中に位置決めするステップと;
マニフォールドを前記ドレッシングと接するように位置決めするステップ;
前記マニフォールドをドレープでカバーするステップと;
前記ドレープを創傷周辺部で皮膚表面に固定するステップと;
前記ドレッシングとマニフォールドを通して創傷部位に減圧を適用するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記ドレッシングが更に少なくとも一の可塑剤を具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、前記ポロゲンシステムが重炭酸ナトリウムと、少なくとも一の酸であることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法において、前記酸がクエン酸であることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法において、前記ポロゲンシステムが塩であることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法において、前記ドレッシングを創傷部位中に位置決めするステップが、前記ドレッシングをハンドモールディングすることによって生じることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項18に記載の方法において、当該方法が更に:
前記ドレッシングを創傷部位中に位置決めする前に、当該ドレッシングをロープ形状に形成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項25】
創傷部位における新組織成長及び/又は治癒を促進する方法において:
ドレッシングを
i)一またはそれ以上の生体再吸収性ポリマーを溶剤に溶解させ、当該溶剤にポロゲンシステムを加えて混合物を形成すること、
ii)前記混合物を、所望の先端径を持つデバイスを使用して非溶剤中で、当該混合物が所望の径のロープ形状に凝結するように押出すこと、
iii)過剰な非溶剤を除去すること、
によって形成するステップと;
前記ドレッシングが創傷部位と接触するように当該ドレッシングを創傷部位中に位置決めするステップと;
マニフォールドを前記ドレッシングと接するように位置決めするステップと;
前記マニフォールドをドレープでカバーするステップと;
前記ドレープを創傷周辺部で皮膚表面に固定するステップと;
前記ドレッシングとマニフォールドを通して創傷部位に減圧を適用するステップと;
を具えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−508976(P2010−508976A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536319(P2009−536319)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/023667
【国際公開番号】WO2008/057600
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】