説明

加工方法および加工装置

【課題】本発明は、バリや切削くずなどの不要変形部が発生する被処理材料に対して、プラズマ処理、放電処理および衝撃波処理の少なくとも1つを施すことにより、被処理材料の表面を洗浄して、被処理材料表面に対する加工油のぬれ性を向上させ、加工油を薄く均一に塗布して、剪断加工または曲げ加工による金型および被処理材料の摩耗を抑制することができたり、加工後に生じたバリや切削くずなどを除去して、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする加工方法および加工装置を提供することを目的とする。
【解決手段】不要変形部が発生する被処理材料に対して加工を施す加工方法において、前記被処理材料にプラズマ処理、放電処理および衝撃波処理の少なくとも1つを施すことを特徴とする加工方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工方法および加工装置に係り、特に、バリや切削くずなどの不要変形部が発生する被処理材料に加工を施すのに好適な加工方法および加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、順送プレス加工は、例えば、1ショット10mmの送りピッチで、1分間に250ショットのスピードで一対の金型の間に厚さ0.1mmから0.3mm程度の薄板状の金属材料からなる被処理材料を挟み込み、両側から圧力を加えることによって金型に沿って金属塑性加工を行う加工方法であり、打ち抜き加工、曲げ加工など様々な工程を順送りに行うことで3次元形状の成型をも可能とする加工方法である。
【0003】
プレス加工によって行う代表的な加工について以下に詳しく説明する。
【0004】
穿孔を施すための打ち抜き加工(剪断加工)は、図9に示すように、所望の形状の突部22が形成された上部金型20と、突部22と相似形とされ、突部22よりも一回り大きな径とされた貫通孔23が形成された下部金型21との間に、被処理材料Wを挟み込み、図9における上下方向から圧力を加える。被処理材料Wが上部金型20と下部金型21とに接触すると、突部22によって貫通孔23内に押し込まれ、突部22と相似形の被切断部24を形成する。上部金型20および下部金型21によってさらに圧力を加えると、突部22が被処理材料Wを貫通し、貫通孔23内を突部22および被処理材料Wから分離された被切断部24が通過して、被処理材料Wに所望の形状の貫通部25を形成する。
【0005】
また、曲げ加工は、図10に示すように、上部金型20としての曲げパンチ26と、下部金型21としての曲げダイ27との間に、薄板状の被処理材料Wを搬送する。搬送された被処理材料Wに対して、曲げパンチ26および曲げダイ27によって、図10における上下方向から圧力を加えることにより、被処理材料Wの端部29の下面に対して曲げダイ27の壁部28の角部28aが接触した状態で摺接しながら、被処理材料Wを反りあげて曲げる。
【0006】
このような、プレス加工は、特許文献1に記載されているように、例えば、携帯電話や携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ(PC)などの外部インターフェース用のコネクタ部分に用いられる金属部材の製造に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−261836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プレス加工を行う際、被処理材料Wと金型との潤滑性および金型の摩耗を抑制するべく、被処理材料Wに対してプレス加工油が多量に塗布されている。
【0009】
しかし、被処理材料Wの表面には、例えば、油のような有機物やチリなどの汚れが付着しており、汚れが付着している部分はプレス加工油とのぬれ性が悪く、大量のプレス加工油をどぶ付けしても被処理材料Wの表面に均一にプレス加工油を塗布できず被処理材料Wや金型にダメージを与えるという問題がある。
【0010】
さらに、プレス加工油のどぶ付けは、大量のプレス加工油を使用するために、温度が上昇したプレス加工油が蒸発し環境負荷を与える。また、プレス加工油の大量消費は、コストが高くなるという問題を有している。
【0011】
また、外部インターフェースに用いられる金属部材には、後工程においてリフローハンダ接合処理を施すためのスズメッキ膜や、最終製品において露出する部分に対して酸化防止のためのメッキ膜を一部または全体に形成するメッキ加工が施されている。このメッキ加工は、プレス加工を行う被処理材料の原反の段階から施されていることが殆どである。
【0012】
一般的に、被処理材料Wに対して、抜き加工を施すと、図9(d)に示すように、被処理材料Wから被切断部24を分離した端辺に不要変形部としてのひげ状バリ15が発生することが知られており、特に、メッキ加工を施された被処理材料Wはひげ状バリ15が発生しやすい。同様に、メッキ加工が施された被処理材料Wに対して、曲げ加工を施すと、図10(d)に示すように、壁部28の角部28aが摺接してしごかれた部分のメッキが削り取られて不要変形部としてのしごきバリ16が発生し、成形品の寸法精度の低い不良品とされたり、バリの先端で怪我をするなどの問題を有している。
【0013】
そこで、本発明は、バリや切削くずなどの不要変形部が発生する被処理材料に対して、プラズマ処理、放電処理および衝撃波処理の少なくとも1つを施すことにより、被処理材料の表面を洗浄して、被処理材料表面に対する加工油のぬれ性を向上させ、加工油を薄く均一に塗布して、金属塑性加工による金型の摩耗を抑制することができたり、加工後に生じたバリや切削くずなどの不要変形部を除去して、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする加工方法および加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するべく、本発明の第1の加工方法は、不要変形部が発生する被処理材料に対して加工を施す加工方法において、前記被処理材料にプラズマ処理、放電処理および衝撃波処理の少なくとも1つを施すことを特徴とする。
【0015】
このような、本発明の第1の加工方法によると、プラズマ処理によって被処理材料の表面を洗浄することができるとともに、放電処理または衝撃波処理によって被処理材料に生じたバリや切削くずなどの不要変形部を除去して、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【0016】
本発明の第2の加工方法は、前記被処理材料が、金属材料、高分子材料または金属材料および/または高分子材料の複合材料であることを特徴とする。
【0017】
このような、本発明の第2の加工方法によれば、不要変形部の無い高品質な金属製品または高分子製品を得ることができる。
【0018】
本発明の第3の加工方法は、前記被処理材料に加工を施す前に、前記プラズマ処理または放電処理を施すことを特徴とする。
【0019】
このような、本発明の第3の加工方法によれば、プラズマ処理または放電処理によって被処理材料の表面を洗浄することができる。例えば、加工を施す前に被処理材料に対して加工油を塗布する場合には、被処理材料に対して加工油を薄く均一に塗布することができ、金型の摩耗を防止することを可能とする。
【0020】
本発明の第4の加工方法は、前記被処理材料に加工を施した後に、前記プラズマ処理、前記放電処理および前記衝撃波処理の少なくとも1つを施すことを特徴とする。
【0021】
このような、本発明の第4の加工方法とすることにより、加工後の被処理材料に生じたバリや切削くずなどを除去することができ、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【0022】
本発明の第5の加工方法は、前記被処理材料を上流側から搬送し、前記被処理材料の表面に加工を施す前に加工油を塗布することを特徴とする。
【0023】
このような、本発明の第5の加工方法によれば、プラズマ処理によって被処理材料の表面を洗浄することができるとともに、放電処理または衝撃波処理によって被処理材料に生じたバリや切削くずなどを除去して、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【0024】
本発明の第6の加工方法は、前記被処理材料の表面に加工油を塗布する前に、前記被処理材料の表面に前記プラズマ処理を施すことを特徴とする。
【0025】
このような、本発明の第6の加工方法によれば、プラズマ処理によって被処理材料の表面を洗浄し、被処理材料に対して加工油を薄く均一に塗布することができ、金型の摩耗を防止することを可能とする。
【0026】
本発明の第7の加工方法は、前記金属材料または前記複合材料からなる前記被処理材料に加工を施した後に、前記被処理材料に前記プラズマ処理または前記放電処理を施すことを特徴とする。
【0027】
このような、本発明の第7の加工方法によれば、加工後の被処理材料に生じたバリや切削くずなどを除去することができ、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【0028】
本発明の第8の加工方法は、前記高分子材料または前記複合材料からなる前記被処理材料に加工を施した後に、前記被処理材料に前記放電処理または前記衝撃波処理を施すことを特徴とする。
【0029】
このような、本発明の第8の加工方法によれば、加工後の被処理材料に生じたバリや切削くずなどを除去することができ、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【0030】
本発明の第1の加工装置は、不要変形部が発生する被処理材料を搬送する搬送手段と、前記被処理材料に対して剪断力および曲げ応力を加えて前記被処理材料を成形する加工手段とを備える加工装置において、前記被処理材料に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理手段、放電処理を行う放電処理手段および衝撃波処理を施す衝撃波処理手段の少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0031】
このような、本発明の第1の加工装置によれば、プラズマ処理手段によって被処理材料の表面を洗浄することができるとともに、放電処理手段または衝撃波処理手段によって被処理材料に生じたバリや切削くずなどを除去して、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【0032】
本発明の第2の加工装置は、前記被処理材料の搬送方向における前記加工手段の上流側の搬送経路には、前記被処理材料の表面に加工油を塗布する油塗布手段が備えられ、前記搬送経路における前記油塗布手段の上流側には、前記プラズマ処理手段が配設されることを特徴とする。
【0033】
このような、本発明の第2の加工装置によれば、油塗布手段によって加工油を塗布する前に、プラズマ処理手段によって被処理材料の表面を洗浄するので、被処理材料に対して加工油を薄く均一に塗布することができる。さらに、加工油を均一に塗布することで、被処理材料と金型との潤滑性のムラを無くし、成型の寸法精度が改善され、また同時に、金型の摩耗を防止することを可能とする。
【0034】
本発明の第3の加工装置は、前記被処理材料は、金属材料または金属材料および/または高分子材料の複合材料とされ、前記被処理材料の搬送方向における、前記搬送経路の前記加工手段の下流側には、前記プラズマ処理手段または前記放電手段が配設されることを特徴とする。
【0035】
このような、本発明の第3の加工装置によれば、加工後の被処理材料に生じたバリや切削くずなどを前記プラズマ処理手段または前記放電処理手段によって除去することができ、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【0036】
本発明の第4の加工装置は、高分子材料または金属材料および/または高分子材料の複合材料とされ、前記被処理材料の搬送方向における、前記搬送経路の前記加工手段の下流側には、前記放電処理手段または前記衝撃波処理手段が配設されることを特徴とする。
【0037】
このような、本発明の第4の加工装置によれば、加工後の被処理材料に生じたバリや切削くずなどを前記放電処理手段または前記衝撃波処理手段によって除去することができ、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【0038】
本発明の第5の加工装置は、前記プラズマ処理手段、前記放電処理手段および前記衝撃波処理手段が、同一のプラズマ源からなることを特徴とする。
【0039】
このような、本発明の第5の加工装置によれば、1つのプラズマ源を用いてプラズマ処理、放電処理および衝撃波処理を行うことを可能とする。
【0040】
本発明の第6の加工装置は、前記プラズマ処理手段、前記放電処理手段および前記衝撃波処理手段は、処理後のガスを排気する排気手段を有することを特徴とする。
【0041】
このような、本発明の第6の加工装置によれば、処理後のガスを排気することができるので、プラズマ処理、放電処理および衝撃波処理によって除去された汚れやバリや切削くずなどが被処理材料に再度付着することを防止し、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、プラズマ処理、放電処理および衝撃波処理を施すことによって、被処理材料の洗浄を行うことができたり、バリや切削くずなどの不要変形部の除去を行うことができる。これにより、不要変形部の無い高品質な製品を得ることができる。
【0043】
また、本発明によれば、加工油を塗布する前にプラズマ処理を施すことにより、加工油を被処理材料に薄く均一に塗布できるので、被処理材料の製品寸法制度を向上し、加工時の金型の摩耗を抑制することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の加工方法の概念を示すブロック図
【図2】本発明の第1実施形態の加工装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の第2実施形態の加工装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の第3実施形態の加工装置の構成を示す概略断面図
【図5】本発明の第4実施形態の加工装置の構成を示す概略断面図
【図6】本発明の第5実施形態の加工装置の構成を示す概略断面図
【図7】大気圧プラズマ放電処理前の被処理材料の端辺を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した画像であり、(a)は被処理材料に生じたひげ状のバリを観察したSEM画像、(b)は被処理材料に生じたしごきバリを観察したSEM画像である。
【図8】大気圧プラズマ放電処理後の被処理材料の端辺を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した画像であり、(a)はひげ状のバリが除去された部分を観察したSEM画像、(b)はしごきバリが除去された部分を観察したSEM画像である。
【図9】(a)から(d)は打ち抜き加工の工程を工程順に示す概略断面図
【図10】(a)から(d)は曲げ加工の工程を工程順に示す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0046】
まず、本発明の加工方法および加工装置の概念を説明する。本発明の加工方法は、加工後にバリや切削くずなどの不要変形部が発生する被処理材料に対して加工を施す加工方法において、被処理材料にプラズマ処理、放電処理および衝撃波処理の少なくとも1つを施すようにされている。
【0047】
なお、被処理材料としては、ステンレス、銅および銅合金、鉄、アルミニウムなどの金属材料、高密度ポリエチレンなどの高分子材料および金属材料および/または高分子材料の複合材料を用いることができる。複合材料としては、例えば、ポリイミドフィルムに形成された銅金属膜のような金属材料が一部または全面に被膜形成された高分子材料や、高分子材料が一部または全面に被膜形成された金属材料や、複数の金属材料同士または複数の高分子材料同士を積層した積層材料を用いることができる。
また、これらの被処理材料の中には、加工時において加工油を必要とするものと、必要としないものとがあるため、加工に用いる被処理材料の特性に応じて加工油の使用・不使用は適宜選択するとよい。
【0048】
本発明の加工方法を用いた加工装置1においては、図1に示すように、加工手段2に対して、プラズマ処理手段3、放電処理手段4および衝撃波処理手段5を、被処理材料Wに加工を施す前後のどちらか一方または双方に設けてもよい。特に、加工を施す前に、被処理材料Wに対してプラズマ処理を施すことにより、被処理材料Wの表面を洗浄して浄化し、潤滑性の付与および金型の摩耗の防止のための加工油の被処理材料Wに対するぬれ性を向上させることができる。また、加工を施した後に、前記プラズマ処理、放電処理または衝撃波処理を施すことにより、加工によって被処理材料Wに生じたバリや切削くずなどの不要変形部を除去することができる。
【0049】
このような、本発明の加工装置1の実施形態を図2から図6を用いて、さらに詳しく説明する。
【0050】
本発明の加工装置1の第1実施形態は、図2に示すように、被処理材料Wに対して、パンチやダイを組み込んだ金型や金属刃を使用して塑性加工を行う加工手段2と、被処理材料Wに加工油を塗布する油塗布手段6と、加工油を塗布する前において、図示を省略したプラズマ源からプラズマを発生させ、被処理材料Wにプラズマを照射してプラズマ処理を施すプラズマ処理手段3または被処理材料Wに放電を行って放電処理を施す放電処理手段4とを備えている。
【0051】
本第1実施形態によれば、被処理材料Wに対して、プラズマ処理手段3または放電処理手段4によってプラズマの照射または放電を行い、表面に付着した例えば、油のような有機物やチリなどの汚れを洗浄して浄化を行う。その後、浄化された被処理材料Wの表面に対して、油塗布手段6による加工油の塗布を行い、加工手段2において加工が施される。
【0052】
このような、本第1実施形態の加工装置1によれば、加工油を塗布する前に、プラズマ処理手段3または放電処理手段4によって被処理材料Wの表面を浄化することにより、表面に対する加工油のぬれ性が向上し、加工油を薄く均一に塗布することができるので、加工に用いるパンチやダイを組み込んだ金型や金属刃などが被処理材料Wに直接接触するのを防止することができる。さらに、加工油を均一に塗布することで、被処理材料Wの加工に現れる潤滑性のムラがなくなり、成型の寸法精度が改善されるとともに、金型や金属刃の摩耗を防止することができる。また、加工油を被処理材料Wに対して薄く塗布し加工油の使用量を抑えることで、周囲に蒸散される加工油が少なくなって環境負荷を低減することができるとともに、コストを低減することを可能とする。
【0053】
なお、加工時に加工油を必要としない被処理材料Wを用いる場合においては、加工油の塗布を省略することがきでる。このような、加工方法においては、加工手段2によって加工を施す前に、被処理材料Wに対し、プラズマ処理手段3によるプラズマ処理または放電処理手段4による放電処理を施すことで、例えば油などの有機物やチリなどの汚れが洗浄された清浄な状態で加工を施すことができる。
【0054】
また、本発明の加工装置1の第2実施形態は、図3に示すように、被処理材料Wに対して、パンチやダイを組み込んだ金型や金属刃によって打ち抜きや切断、曲げや絞りなどの塑性加工を施す加工手段2と、加工を施した後の被処理材料Wに対して、図示を省略したプラズマ源からプラズマ、放電および衝撃波の少なくとも1つを発生させ、被処理材料Wにプラズマを照射してプラズマ処理を施すプラズマ処理手段3、放電処理を施す放電処理手段4および衝撃波処理を施す衝撃波処理手段5のうち少なくとも1つを備えている。
【0055】
本第2実施形態の加工装置1によれば、加工を施した後の被処理材料Wに対し、プラズマ処理手段3または放電処理手段4によって、プラズマ処理または放電処理を施す。被処理材料Wにプラズマ処理または放電処理を施すと、被処理材料Wに生じたバリや切削くずなどの不要変形部に、雷が避雷針に落ちるように放電が集中し、加熱されることによって当該不要変形部が蒸発し除去される。さらに、放電が集中すると、大きな電界が発生し、バリなどをクーロン力によって離脱させることができる。
【0056】
また、加工を施した後の被処理材料Wに対して、衝撃波処理手段5によって、衝撃波処理を施す。被処理材料Wに衝撃波処理を施すと、被処理材料Wに生じたバリや切削くずなどの不要変形部に衝撃波が伝わり、その衝撃によって不要変形部を離脱させることができる。
【0057】
また、本発明の加工装置1の第3実施形態は、図4に示すように、例えば、厚さ0.1〜0.3mm、幅10mm〜100mmほどの薄板状の金属材料からなる被処理材料Wがロール状に巻かれて載置されたコイル7と、コイル7から被処理材料Wを搬出し、下流側へ搬送する搬送手段8と、被処理材料Wの表面にプラズマ処理を施すプラズマ処理手段3と、被処理材料Wの表面に加工油を塗布する油塗布手段6と、被処理材料Wに剪断加工や曲げ加工などの塑性加工を施す加工手段2と、被処理材料Wを巻き取る巻取り手段9とが備えられている。
【0058】
ここで、加工手段2は順送型のプレス加工機として説明を行う。
【0059】
この時、プラズマ処理手段3は、被処理材料Wの搬送方向における、油塗布手段6の上流側に配設されている。
【0060】
本第3実施形態の加工装置1における動作を説明すると、コイル7から搬送手段8によって搬送されてきた被処理材料Wに対し、プラズマ処理手段3によってプラズマを照射し、被処理材料Wの表面に付着した例えば、油のような有機物やチリなどの汚れを洗浄する。
【0061】
さらに、洗浄された被処理材料Wに対して、油塗布手段6によって加工油が塗布されて、下流側の加工手段2へ搬送され、塑性加工が施される。
【0062】
このような、本第3実施形態の加工装置1によれば、加工油を塗布する前に、プラズマ処理手段3によって被処理材料Wの表面を浄化することにより、表面に対する加工油のぬれ性が向上し、加工油を薄く均一に塗布することができるので、加工に用いるパンチやダイを組み込んだ金型や金属刃などが被処理材料Wに直接接触するのを防止することができる。さらに、加工油を均一に塗布することで、被処理材料Wの加工に現れる潤滑性のムラがなくなり、成型の寸法精度が改善されるとともに、金型や金属刃の摩耗を防止することができる。また、加工油を被処理材料Wに対して薄く塗布し加工油の使用量を抑えることで、周囲に蒸散される加工油が少なくなって環境負荷を低減することができるとともに、コストを低減することを可能とする。
【0063】
また、本発明の加工装置1の第4実施形態は、図5に示すように、薄板状の金属材料からなる被処理材料Wがロール状に巻かれて載置されたコイル7と、コイル7から被処理材料Wを搬出し、下流側へ搬送する搬送手段8と、被処理材料Wに剪断加工や曲げ加工などの塑性加工を施す加工手段2と、被処理材料Wの表面に放電処理を施す放電処理手段4と、被処理材料Wを巻き取る巻取り手段9とが備えられている。
【0064】
ここで、加工手段2は順送型のプレス加工機として説明を行う。
【0065】
この時、放電処理手段4は、被処理材料Wの搬送方向における、加工手段2の下流側に配設されている。
【0066】
本第4実施形態の加工装置1における動作を説明すると、コイル7から搬送手段8によって搬送されきた被処理材料Wに対し、加工手段2によって塑性加工が施される。
【0067】
さらに、加工が施された被処理材料Wに対し、放電処理手段4によって放電を加えることにより、加工時おいて被処理材料Wに生じたバリや切削くずなどを除去する。
【0068】
このような本第4実施形態の加工装置1によれば、被処理材料Wの搬送方向における加工手段2の下流側に、放電処理手段4を設けることにより、加工によってバリや切削くずなどの不要変形部が生じた被処理材料Wに対して放電を行って、当該不要変形部を放電の加熱または衝撃によって除去することができるので、不要変形部の無い高品質な製品を得ることを可能とする。
【0069】
また、本発明の加工装置1の第5実施形態は、図6に示すように、薄板状の金属材料からなる被処理材料Wがロール状に巻かれて載置されたコイル7と、コイル7から被処理材料Wを搬出し、下流側へ搬送する搬送手段8と、被処理材料Wの表面にプラズマ処理を施すプラズマ処理手段3と、被処理材料Wの表面に加工油を塗布する油塗布手段6と、被処理材料Wに剪断加工や曲げ加工などの塑性加工を施す加工手段2と、被処理材料Wの表面に放電処理を施す放電処理手段4と、被処理材料Wを巻き取る巻取り手段9とが備えられている。
【0070】
ここで、加工手段2は順送型のプレス加工機として説明を行う。
【0071】
コイル7は最上流に配設され、コイル7から搬送手段8によって被処理材料Wが下流側へ搬送されている。
【0072】
被処理材料Wの搬送方向における、コイル7の下流には、上流側からプラズマ処理手段3、油塗布手段6、加工手段2および放電処理手段4が順に配設されている。
【0073】
本第5実施形態の加工装置1における動作を説明すると、コイル7から搬送手段8によって搬送されきた被処理材料Wに対し、プラズマ処理手段3によってプラズマを照射し、被処理材料Wの表面に付着した例えば、油のような有機物やチリなどの汚れを洗浄する。洗浄された被処理材料Wは、下流側の油塗布手段6に搬送され、油塗布手段6によって加工油が塗布されて、加工手段2へ搬送される。
【0074】
加工手段2によって塑性加工が施された被処理材料Wに対し、放電処理手段4によって放電を加えることにより、被処理材料Wに生じたバリや切削くずなどの不要変形部の除去を行う。
【0075】
このような、本第5実施形態の加工装置1によれば、加工油を塗布する前に、プラズマ処理手段3によって被処理材料Wの表面を浄化することにより、表面に対する加工油のぬれ性が向上し、加工油を薄く均一に塗布することができるので、加工に用いるパンチやダイを組み込んだ金型や金属刃などが被処理材料Wに直接接触するのを防止することができる。さらに、加工油を均一に塗布することで、被処理材料Wの加工に現れる潤滑性のムラがなくなり、成型の寸法精度が改善されるとともに、金型や金属刃の摩耗を防止することができる。また、加工油を被処理材料Wに対して薄く塗布し加工油の使用量を抑えることで、周囲に蒸散される加工油が少なくなって環境負荷を低減することができるとともに、コストを低減することを可能とする。
【0076】
さらに、被処理材料Wの搬送方向における加工手段2の下流側に、放電処理手段4を設けることにより、加工によってバリや切削くずなどの不要変形部が生じた被処理材料Wに対して放電を行って、放電の加熱または衝撃によってバリや切削くずなどを除去することができるので、不要変形部の無い高品質な製品を提供することを可能とする。
【0077】
なお、加工によって生じたバリや切削くずなどを除去する手段として放電処理手段4を用いているが、被処理材料Wが金属材料とされる際には、プラズマ処理手段3を用いても良い。
【0078】
また、被処理材料Wが、金属材料とされる際には、被処理材料Wまたは被処理材料Wが載置される部位に対してバイアス電圧を印加して電位を与えるようにしても良い。これにより、プラズマ処理時には、プラズマを被処理材料Wの方向へ引きつけて処理効率を向上させることができる。同様に、放電処理時には、被処理材料Wの不要変形部に効果良く放電が放たれるようにすることができる。
【0079】
さらに、被処理材料Wが、高分子材料とされる際には、放電処理手段4の代わりに衝撃波処理手段5を用いてもよい。
【0080】
衝撃波処理手段5によれば、加工によって生じたバリや切削くずなどの不要変形部に対して衝撃波を照射することにより、衝撃波の振動および発熱によって当該不要変形部を離脱もしくは蒸発させることができる。
【0081】
ここで、本発明に用いるプラズマ処理手段3におけるプラズマ源としては、グロー放電式、バリア放電式、コロナ放電式、アーク放電式、高周波誘導結合式、レーザー光、放射線、衝撃波などプラズマを発生するものであればよく、特に限定されるものではない。プラズマ源においては、高気圧、低圧、大気圧などの条件で生成することができる。
【0082】
プラズマ生成に用いられるプラズマ生成用ガスとしては、空気が望ましいが、それ以外のガスとして、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス、フッ素ガス、水素ガス、水蒸気など様々なガスを用いることができ、特に限定されるものではない。さらに、単体のガス以外にも、上記のガスから任意に選択された複数のガスを組み合わせることにより混合ガスとされたプラズマ生成用ガスを用いることができる。
【0083】
また、本発明に用いる放電処理手段4においては、一対の電極間に電圧を印加することにより放電を発生するもの、アーク放電プラズマによる放電、コロナ放電プラズマによる放電など被処理材料Wに放電を行えるものであれば、いかなるものでもよい。特に、アーク放電プラズマを用いることが好ましい。
【0084】
また、本発明に用いる衝撃波処理手段5においては、上記のプラズマ源に対し、一対の電極に瞬間的に大きな電力を印加することにより、プラズマの温度を高速に上昇させる。これにより、プラズマが瞬間的に大きく膨張し、その膨張速度が周囲気体の音速を超えたときに発生する衝撃波によって被処理材料Wから不要変形部が物理的に除去される。なお、衝撃波処理手段5は、この方法以外にも、不要変形部に対して衝撃波を照射することができるものであれば、いかなるものでもよい。
【0085】
また、被処理材料Wが高分子材料とされる場合においては、上記、プラズマ源に対して、周波数の高い電圧を印加することにより、被処理材料Wに電界集中を発生させることにより、バリや切削くずなどの不要変形部を除去することができる。この場合には、上記プラズマ処理手段3を用いて、プラズマ源に対して、例えば、10MHz〜400MHzの周波数の高周波電圧を印加し、被処理材料Wに生成したプラズマを照射することによって、バリや切削くずなどの鋭角な突起部分に電界が集中して選択的に加熱されることで、当該バリや切削くずなどを蒸発させて除去することができる。
【0086】
なお、上記プラズマ処理手段3、放電処理手段4および衝撃波処理手段5には、同一のプラズマ源を用いた処理装置を用いてもよく、それぞれの処理に応じて印加する電圧の種類や強さなどを適宜調整することにより施される。
【0087】
また、上記、第1乃至第5実施形態において、プラズマ処理手段3、放電処理手段4および衝撃波処理手段5には、処理後のガスを排気するための排気手段10を設けていることが好ましく、これにより、被処理材料Wの表面から分離された汚れおよびバリなどが、再度、被処理材料Wの表面に付着することを防止することができる。
【0088】
また、図6に示すように、加工手段2と放電処理手段4との間に、例えば、カメラなどのセンサ11と、放電処理手段4に自動制御部と自動制御手段とを有する自動制御機構12とを設け、センサ11によって、被処理材料Wのバリなどが発生している部位を特定するとともに、得られた位置情報を自動制御機構12の自動制御部に送信し、位置情報に基づいて自動制御手段によって、不要変形部の方向へ放電処理手段4の電極の方向が決定されるようにされてもよい。これにより、効率よく当該不要変形部のみを除去することができる。
【0089】
また、加工手段2と放電処理手段4または衝撃波処理手段5との間に、少なくとも油分を除去するための一般的な表面洗浄工程を設けてもよく、これにより、被処理材料Wの表面に生じたバリや切削くずなどの不要変形部に対し、放電処理または衝撃波処理の効果を向上させることができる。
【0090】
また、上記加工手段2がプレス加工とされる場合においては、被処理材料Wの搬送方向における、コイル7の下流側に、コイル7から搬出された被処理材料Wを圧延することにより、表面に生じたしわや凹凸を平にならすレベラー13を配設されていることが好ましい。
【0091】
また、搬送方向における、プラズマ処理手段3の上流側には、加工の速度を一定とするべく、被処理材料Wを所定のピッチおよび速さで搬送するエアフィーダー14が配設されていることが好ましい。
【0092】
<実施例>
図7の(a)および(b)は、スズ系のメッキ加工が数ミクロンの厚さで施された被処理材料Wに対して、プレス加工機を用いて加工を施した後の断面および端辺を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した画像である。
【0093】
図7(a)には、Aで囲われた部分にひげ状のバリ15が発生していることが分かる。同様に、図7(b)には、加工時にツールによってしごかれたことにより発生したしごきバリ16がBで囲われた部分に認められる。
【0094】
そこで、被処理材料Wに生じた不要変形部、特に、バリに対する大気圧プラズマ放電処理の効果について検討を行った。
【0095】
大気圧プラズマ発生装置としている公知の構成のものを用い、被処理材料Wを搬送装置の上に載置して放電照射されている大気圧プラズマの中を往復動させてプラズマ放電処理を行った。詳細な実験条件は以下の通りである。
(1)搬送速度:10mm/sec
(2)印加電圧:100W
(3)プラズマ生成用ガス:アルゴンガス=4000cc
酸素ガス=20cc
(4)プラズマ源からの距離:50mm
(5)照射回数:2回
【0096】
上記条件で被処理材料Wにプラズマ放電照射を行った後のSEM像を図8に示す。なお、図8(a)は、図7(a)に示すひげ状のバリ15に対して大気圧プラズマ放電照射を行った後のSEM像であり、図8(b)は、図7(b)に示すしごきバリに対して大気圧プラズマ放電照射を行った後のSEM像である。
【0097】
照射後、A’で囲われた部分において、ひげ状のバリ15は根本部分から完全に除去されていることが分かる。同様に、B’で囲われた部分において、しごきバリ16についても除去されていることが分かる。これは、プラズマ源に対して大きな電圧を印加することで、集中的に放電が生じるアーク放電が発生し、バリなどの突起部分に放電が集中し、放電が発生した衝撃による離脱もしくは、放電の熱によって蒸発したためであると考えられる。
【0098】
この結果から、大気圧プラズマ放電処理は、プレス加工を施された際に生じたひげ状のバリ15やしごきバリ16を効果的に除去することが可能であることが分かる。
【0099】
また、図8から、被処理材料Wに対して大気圧プラズマ放電処理を施しても、被処理材料Wに対して損傷を与えることはなく、プレス加工後に大気圧プラズマ放電処理を行うことにより、バリなどの無い高品質な製品の提供を実現することができると考えられる。
【0100】
なお、本実施形態においては、加工手段2として順送型のプレス装置を用いて説明を行っているが、単発型のプレス装置や切断装置など、バリなどの不要変形部が発生する加工であればいかなる加工手段でもよく、特に限定するものではない。
【0101】
また、本発明の加工装置は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 加工装置
2 加工手段
3 プラズマ処理手段
4 放電処理手段
5 衝撃波処理手段
6 油塗布手段
7 コイル
8 搬送手段
9 巻取り手段
10 排気手段
11 レベラー
12 エアフィーダー
13 ひげ状バリ
14 しごきバリ
20 上部金型
21 下部金型
22 突部
23 貫通孔
24 肉薄部
25 貫通部
26 曲げパンチ
27 曲げダイ
28 壁部
28a 角部
29 端部
W 被処理材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不要変形部が発生する被処理材料に対して加工を施す加工方法において、
前記被処理材料にプラズマ処理、放電処理および衝撃波処理の少なくとも1つを施すことを特徴とする加工方法。
【請求項2】
前記被処理材料が、金属材料、高分子材料または金属材料および/または高分子材料の複合材料であることを特徴とする請求項1に記載の加工方法。
【請求項3】
前記被処理材料に加工を施す前に、前記プラズマ処理または前記放電処理を施すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加工方法。
【請求項4】
前記被処理材料に加工を施した後に、前記プラズマ処理、前記放電処理および前記衝撃波処理の少なくとも1つを施すことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の加工方法。
【請求項5】
前記被処理材料を上流側から搬送し、前記被処理材料の表面に加工を施す前に加工油を塗布することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加工方法。
【請求項6】
前記被処理材料の表面に加工油を塗布する前に、前記被処理材料の表面に前記プラズマ処理を施すことを特徴とする請求項5に記載の加工方法。
【請求項7】
前記金属材料または前記複合材料からなる前記被処理材料に加工を施した後に、前記被処理材料に前記プラズマ処理または前記放電処理を施すことを特徴とする請求項2または請求項6に記載の加工方法。
【請求項8】
前記高分子材料または前記複合材料からなる前記被処理材料に加工を施した後に、前記被処理材料に前記放電処理または前記衝撃波処理を施すことを特徴とする請求項2または請求項6に記載の加工方法。
【請求項9】
不要変形部が発生する被処理材料を搬送する搬送手段と、
前記被処理材料に対して剪断力および曲げ応力を加えて前記被処理材料を成形する加工手段とを備える加工装置において、
前記被処理材料に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理手段、放電処理を行う放電処理手段および衝撃波処理を施す衝撃波処理手段の少なくとも1つを有することを特徴とする加工装置。
【請求項10】
前記被処理材料の搬送方向における前記加工手段の上流側の搬送経路には、前記被処理材料の表面に加工油を塗布する油塗布手段が備えられ、
前記搬送経路における前記油塗布手段の上流側には、前記プラズマ処理手段が配設されることを特徴とする請求項9に記載の加工装置。
【請求項11】
前記被処理材料は、金属材料または金属材料および/または高分子材料の複合材料とされ、
前記被処理材料の搬送方向における、前記搬送経路の前記加工手段の下流側には、前記プラズマ処理手段または前記放電手段が配設されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の加工装置。
【請求項12】
前記被処理材料は、高分子材料または金属材料および/または高分子材料の複合材料とされ、
前記被処理材料の搬送方向における、前記搬送経路の前記加工手段の下流側には、前記放電処理手段または前記衝撃波処理手段が配設されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の加工装置。
【請求項13】
前記プラズマ処理手段、前記放電処理手段および前記衝撃波処理手段が、同一のプラズマ源からなることを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の加工装置。
【請求項14】
前記プラズマ処理手段、前記放電処理手段および前記衝撃波処理手段は、処理後のガスを排気する排気手段を有することを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載の加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−228728(P2012−228728A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99946(P2011−99946)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(511106215)千葉精密プレス株式会社 (1)
【出願人】(308024018)
【出願人】(308024029)
【Fターム(参考)】