説明

加工液供給装置

【課題】与圧気体をワークや砥石に吹き付けてスラッジの除去に有効利用する。
【解決手段】蓋26で密閉された密閉タンク27に貯留された加工液28を、空圧源17から与圧気体導入管19および与圧気体導入弁18を介して導入される与圧気体で加圧し、加工液吐出管25、加工液吐出弁24を介して排気先端部23bから加工部12に供給し、加工機本体10Aの加工部12の下部に配置された桶16で回収して、給液配管21および給液弁20を介して密閉タンク27に還流させる。桶16から密閉タンク27に加工液28を還流させる際に密閉タンク27を大気開放して減圧する排気管23は、排気先端部23bを通じて密閉タンク27の内部の与圧気体をワークや砥石に吹き付る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工液供給技術に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、工作機械では、加工部における摩擦、発熱、振動、騒音等の緩和、加工屑の除去の促進等の目的で、加工部へ加工液を供給することが行われている。
図2は、このような加工液の供給技術に関して考えられる第1の従来技術を示す概念図である。なお、図2においては、レンズの加工に適用した場合を示した。
【0003】
タンク100内に収容された加工液を、ポンプ104が吸出し、吐出水管125を通じて、加工部12に供給する。
吐出水管125の経路中には、吐出量を調整するための3方弁101が設けられ、バイパス管102と、吐出水管125とを切り替える。バイパス管102は、バイパス弁103を介して、その先端がタンク100に接続され、加工液がタンク100に戻るように配管してあるが、タンク100に戻る加工液の量は、バイパス弁103で任意に設定できる。また、吐出水管125の管路中には、吐出水弁124があり、加工部12への流量を設定できる。
【0004】
砥石13は、砥石軸11の先端に備えられた砥石保持具(図示しない)に固定され、砥石軸11により任意に回転している。
ワーク14は、ワーク軸15の先端に構成されたワーク保持具(図示しない)に保持され、ワーク軸15により回転しながら、図上で右側にある砥石13に向かって移動する。このとき、ワーク軸15と砥石軸11は、所定の相対傾斜角で対峙した状態にある。
【0005】
空圧源117からは圧縮気体が供給され、排気弁122により排気管123内を流れる流量を制御され、加工部12の付近に配設位置が自在にされた排気管123の先端より吹き出す。
【0006】
加工部12の下方には、桶116が設けられ、吐出水管125により加工部に供給された加工液を受け、その後、給水配管121を介して、タンク100に戻す。
一方、別の第2の従来技術としては、特許文献1に記載された技術が知られている。
【0007】
図3は、従来の液供給装置の構成を示す概念図である。
処理液供給用タンク110には、制御弁150を介して吐出用配管130が接続され、その先端部には加工部160に開口するノズル161が接続されている。
【0008】
処理液供給用タンク110には、制御弁151、補充用配管132を介して補充用タンク120が接続されている。
さらに、処理液供給用タンク110には、制御弁152を介して加圧ガス導入用配管134が接続され、さらに、制御弁153を介して減圧用配管136が接続されている。
【0009】
このような構成において、減圧用配管136の制御弁153を閉じた後、加圧ガス導入用配管134の制御弁152を開き、加圧ガス導入用配管134を介して処理液供給用タンク110内を加圧する。
【0010】
そして、処理液供給用タンク110が加圧された状態で、吐出用配管130の制御弁150を開き、吐出用配管130を介して、加工部160へと加工液が送られ、ノズル161から加工部に供給される。
【0011】
また、この従来技術による処理液供給用タンク110への液補充方法としては、加圧ガス導入用配管134の制御弁152を閉じた後、減圧用配管136の制御弁153を開き、減圧用配管136を介して、処理液供給用タンク110内を真空ポンプやアスピレータ等の図示しない強制排気機構により減圧する。
【0012】
処理液供給用タンク110内が大気圧より減圧された状態で、補充用配管132の制御弁151は開けられ、補充用配管132を介して補充用タンク120の液が処理液供給用タンク110へ補充される。なお、補充用タンク120の内部は大気圧に保たれているというものである。
【0013】
ところが、上述の第1の従来技術には、以下のような技術的課題がある。
第1に、装置の小型化が進む昨今において、ポンプ104の存在は大きく邪魔である。特に加工液の供給圧力を高くしたい場合には、より強力で大型のポンプ104が必要となり、ポンプ104の占有スペースが増大するものである。
【0014】
第2に、加工精度の高度化が進む昨今において、加工機本体10Aの直ぐ横に置かれるポンプ104の振動は、加工部への振動が伝播しないよう防振対策が必要となり、設計や構造が複雑化する。
【0015】
第3に、加工液の一定圧もしくは一定流量での供給の安定化、および電源のON/OFFにともなう突入電流によるポンプの負荷低減によるポンプ長寿命化などのために、加工していない時にもポンプを常時運転している必要があるが、ワークの着脱などの際に、加工部12に加工液がかかっていると着脱作業の邪魔になる等の不都合がある。
【0016】
このために、バイパス回路で加工液を加工部12からタンク100に直接戻す必要があり、昨今の省エネルギー化の推進において、エネルギー消費や本来加工機に必要な機能以外の配管等が必要となり、非経済的である。
【0017】
一方、上述の第2の従来技術には、以下のような技術的課題がある。
第1に、補充用タンク120が必要であり、スペースを多く必要とする。
第2に、加工液を供給した後の処理液供給用タンク110内の残圧をただ廃棄するしかなく、しかも排気後に真空引きして、新しい加工液を吸引するという手間やエネルギーの更なる消費が必要である。
【0018】
第3に、この第2の従来技術では、加工部にて供給された加工液はそのまま廃棄されるが、有効活用するには、再度循環させることが望ましい。
しかし、そのまま循環させたのでは、加工に伴って生じたゴミ等の異物がそのまま循環してしまうので、次の加工において、この異物に起因した不良が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特許第3542880号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、工作機械等における加工部に加工液を供給する際に、低圧から高圧まで多様な供給圧による加工液の供給を、省スペースで、加工機に振動の影響を与えず、省エネルギーにて実現することが可能な加工液供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、ワークの加工部へ加工液を供給する加工液供給装置であって、
前記加工液を貯める密閉タンクと、
前記密閉タンクへ与圧気体を供給制御する給気管と、
前記密閉タンクに接続され、該密閉タンクの圧力を排気制御する排気管と、
前記加工部で使用された加工液を回収する開放タンクと、
前記開放タンクから前記密閉タンクへの前記加工液の供給制御を行う給液配管と、
前記加工部に前記密閉タンクの加工液を吐出制御させる加工液吐出管と、
を備える加工液供給装置を提供する。
【0022】
上述の本発明の加工液供給装置によれば、密閉タンク内に、任意の圧力の圧縮気体を任意の流量で供給することが可能であり、これにより、ポンプを使用しなくても、従来比でポンプの吐出圧力や吐出量を上回る性能の加工液の供給が可能であり、空になった密閉タンクへの加工液の供給も、密閉タンク内への加工液の流し込みで対応することができる。
【0023】
また、ポンプを使用しないため、加工部への振動の影響の懸念がなく、無駄な連続運転等も不要になり、省エネルギーな稼働を実現できる。
また、前記排気管の前記基端部とは逆側の開放端が、前記加工部の近傍に設けられた構成とすることで、加工液の供給に際して、加工液と入れ代わるように密閉タンク内にたまる与圧気体を、加工が終わったワークや砥石に吹きつけることができる。
【0024】
これにより、別途、与圧気体を生成することなく、密閉タンク内の与圧気体を利用することで、余計なエネルギーを使用せずにワークや砥石に付着した加工液もしくは削りカス等のゴミを吹き飛ばす清掃作用を実現できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、工作機械等における加工部に加工液を供給する際に、低圧から高圧まで多様な供給圧による加工液の供給を、省スペースで、加工機に振動の影響を与えず、省エネルギーにて実現することが可能な加工液供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態である加工液供給装置を備えた加工装置の構成の一例を示す概念図である。
【図2】加工液の供給技術に関して考えられる従来技術を示す概念図である。
【図3】従来の液供給装置の構成を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である加工液供給装置を備えた加工装置の構成の一例を示す概念図である。
【0028】
なお、以下の説明では、加工液供給装置が装着される加工装置の一例として、レンズ研磨装置に適用した場合を例示する。ただし、加工部への加工液の供給を必要とするのであればどのような加工に適用してもよい。
【0029】
本実施の形態の加工装置10は、加工機本体10Aと加工液供給装置10Bを備えている。
加工機本体10Aは、本実施形態では重力方向に対し水平に設けられ、一端にレンズ等のワーク14が着脱自在に固定されたワーク軸15と、このワーク軸15の回転軸に対し傾斜して配置され、一方の先端にカップ形の砥石13が交換可能に装着された砥石軸11を備えている。
【0030】
すなわち、砥石軸11は、砥石13が配置される他端に構成された砥石保持具(図示しない)に固定され、砥石13は、砥石軸11により任意に回転される。なお、本実施形態では加工機本体10Aは水平に設けられているが、垂直や斜め方向など加工機に応じて水平でない場合もある。
【0031】
ワーク軸15は、ワーク14が配置される他端に設けられた図示しないワーク保持具に保持され、ワーク14は、ワーク軸15により回転しながら、砥石13に向かって相対的に移動可能に構成されている。このとき、ワーク軸15と砥石軸11は、所定の相対角で対向して配置されている。
【0032】
一方、この加工機本体10Aに装着される本実施形態の加工液供給装置10Bは、加工機本体10Aが備える加工部12の重力方向に対して下方に配置され、加工時に使用した加工液を回収する開放タンクとしての桶16と、この桶16の重力方向に対し下方の位置に配置された密閉タンク27を備えている。
【0033】
密閉タンク27は、加工部12へ供給する加工液28を貯めるタンクであり、上部が着脱自在な蓋26によって密閉されている。なお、蓋26は、例えば、ネジやラッチなどにより密閉タンク27本体に固定されることで密閉を保つように構成されている。
【0034】
桶16の底部と密閉タンク27の上部(蓋26)との間は、給液配管21を介して接続され、この給液配管21には、桶16から密閉タンク27に自重で流入する加工液28の流量を制御したり、給液配管21の開閉を制御するための給液弁20が設けられている。
【0035】
加工液28を加工部12へ供給する加工液吐出管25が、密閉タンク27から加工部12へ配置されている。詳しくは、密閉タンク27の蓋26には、加工液吐出管25の一端である吐出基端部25aが当該密閉タンク27の底部近傍(少なくとも加工液28の液面下)に開口し、加工液吐出管25の他端である吐出先端部25bが加工部12の近傍に当該加工部12に向かって開口する姿勢で配置された加工液吐出管25が接続されている。つまり、吐出基端部25aは密閉タンク27から加工液28を吸い上げる口であり,吐出先端部25bは吐出基端部25aが吸い上げた加工液28を加工部12に供給する口である。
【0036】
この加工液吐出管25には、加工液吐出弁24が設けられ、吐出先端部25bから吐出する加工液28の流量が制御可能になっている。
さらに、密閉タンク27の上部(蓋26)は、密閉タンク27に対して圧力を導入する与圧気体導入管19を介して空圧源17に接続され、この与圧気体導入管19の途中には、与圧気体導入管19の開閉や、与圧気体19aの流入量を制御する与圧気体導入弁18が設けられている。
【0037】
さらに、密閉タンク27の上部(蓋26)には、ワーク14もしくは砥石13に付着した加工屑、加工液28などを除去する排気管23の一端である排気基端部23aが接続され、この排気管23の他端である排気先端部23bは、加工部12の近傍に当該加工部12に向かって開口する姿勢で配置されている。つまり、排気管は、密閉タンクの気体を排気基端部23aより吸い上げ、吸い上げた気体を加工部12に吹き付けるよう排気先端部23bより排出することでワーク14もしくは砥石13に付着した加工屑、加工液28などを除去する。
【0038】
このように、密閉タンク27は、例えばネジやラッチなどにより任意に開閉もしくは固定等が自在な蓋26により、密閉されている。この密閉タンク27または蓋26には、圧力計を設けて、密閉タンク27の内圧が外部から確認できるようにしてもよい。
【0039】
また、密閉タンク27の容量は、ワーク14の加工時間に応じて任意設定することができる。本実施の形態においては、ワーク14としてレンズの加工を想定しているので、たとえば、最低の1リットル程度から10リットル程度の容量を持つ密閉タンク27を使用することができる。
【0040】
密閉タンク27に対する与圧気体導入管19,給液配管21,排気管23,加工液吐出管25の接続は、上述のように蓋26に対してではなく、密閉タンク27自体の側面、底面等に対して行ってもよい。
【0041】
上述のように、与圧気体導入管19,給液配管21,排気管23,加工液吐出管25にそれぞれ配置された与圧気体導入弁18,給液弁20,排気弁22,加工液吐出弁24は、圧力(圧力弁)や流用(絞り弁)もしくはその両方を任意に制御可能なものである。
【0042】
与圧気体導入管19および与圧気体導入弁18を介して密閉タンク27に接続された上述の空圧源17は、圧縮空気等の与圧気体19aの供給源であり、常時一定レベルの圧を確保した与圧気体19aが与圧気体導入弁18の上流側に供給されている。
【0043】
密閉タンク27の上部に配置された桶16には、加工液吐出管25の吐出先端部25bから加工部12に供給された加工液28が回収され、給液配管21および給液弁20を介して密閉タンク27に還流する。
【0044】
なお、桶16と給液弁20との間における給液配管21の経路には、桶16に回収された加工液28から異物を除去する遠心分離機21aを介在させてもよい。また、これは遠心分離機でなくても、フィルターや浮遊分離、沈殿など、どのような分離でもかまわない。
【0045】
加工部12の近傍に配置された排気管23の排気先端部23bは、加工部12に対する開口位置が微調整可能な機構で固定されている。
加工機本体10Aの加工部12の付近に配置された加工液吐出管25の吐出先端部25bは、加工部12に対する開口位置の微調整可能な機構で固定されている。なお、加工液吐出管25の経路中にゴミを除去するためのフィルター25cを配置してもよい。
【0046】
以上のように、本願発明の構成によれば、従来必要であった加工液を吸い上げるポンプが不要となり、また、ポンプにより加工液を吸い上げる場合においては、ポンプが空気を吸い上げないよう加工液を貯蔵するタンク(本願発明では密閉タンクが該当)を従来よりも小さく構成できるため、装置全体が省スペースに配置できる。
【0047】
(作用)
(ステップS1)加工液の加工部への供給
まず、密閉タンク27には、所定量の加工液28が貯留され、密閉タンク27の底部近傍に開口した加工液吐出管25の吐出基端部25aは、加工液28の液面下に没している。
【0048】
次に、給液弁20、排気弁22、加工液吐出弁24を閉めた状態で与圧気体導入弁18から所定の圧力の与圧気体19aを、蓋26により密閉された密閉タンク27内に送る。これにより密閉タンク27内の圧力は、所定の圧まで上昇し、密閉タンク27の内部の加工液28の液面は加圧される。
【0049】
この状態で加工液吐出弁24を任意の設定値で開放することで、密閉タンク27と加工部12との差圧により、密閉タンク27の内部で加圧されている加工液28は加工液吐出管25を通って、加工部12に圧送されて放出される。
【0050】
なお、加工部12に供給された加工液28は、下方の桶16に滴下して回収される。
加工液吐出管25の吐出基端部25aは、密閉タンク27の底部付近、例えば底部に対し数mmという極僅かな隙間を空けて開口されているので、密閉タンク27内の加工液28をあますところなく、加工部12に供給する。
【0051】
(ステップS2)密閉タンク27内の圧力開放
加工が終了すると、自動搬送機もしくは作業者によるワーク14の交換作業が行われる。これに先立ち、与圧気体導入弁18と加工液吐出弁24を閉め、排気弁22を所定の設定値で開放する。
【0052】
これにより、密閉タンク27内の与圧気体19aは、排気管23を通って、加工部12付近に噴出し、ワーク14もしくは砥石13に付着した加工屑、加工液28などを除去する。それと同時に、密閉タンク27内の圧力は排気管23を通じて大気開放される。
【0053】
(ステップS3)密閉タンク27内への加工液28の供給
給液弁20を開放すると、桶16の内部、および桶16と給液弁20との間の給液配管21の内部に滞留していた加工液28が、密閉タンク27に流れ込むことで供給(補充)する。
【0054】
ワーク14の加工の進展に伴い循環している加工液28は、長期的に見ると蒸発等により減少してくるが、外部から桶16への追加投入や、給液配管21の配管経路中に、別途給液専用管を接続して適宜供給するようにすればよい。
【0055】
(効果)
本実施の形態の加工液供給装置10Bによれば、与圧気体導入弁18による密閉タンク27への与圧気体19aの供給圧力および供給量の制御により、ポンプを用いる以上の幅広い供給性能を発揮し、しかも省スペース化が図れる。
【0056】
さらに、加工液28の供給用に密閉タンク27に供給された圧縮空気等の与圧気体19aは、排気管23を通じてワーク14等のスラッジ除去に流用可能であり、与圧気体19aの生成エネルギーの有効利用を実現できる。
【0057】
この排気管23を通じて密閉タンク27からの与圧気体19aの放出によるスラッジ除去にともない、大気開放された密閉タンク27の内部には、加工液28の自重のみで、次の加工に必要な加工液28が流れ込むことが可能となり、密閉タンク27への加工液28の供給専用のエネルギーや、そのための付随タンク等の周辺機器も不要になる。
【0058】
また、ポンプなどの振動原がなくなるので、密閉タンク27を加工装置10の内部に組み込むことも可能となり、加工液吐出管25、排気管23等の配管長を短くすることも可能になる。
【0059】
加工液28の供給(循環)経路に、遠心分離機21aやフィルター25cを組み込んだ場合には、加工液28への異物の混在に起因する加工精度の低下を防止して、ワーク14のより高精度な加工を実現できる。
【0060】
本実施の形態の加工液供給装置10Bによれば、高効率、省エネ、省スペース、高精度加工の加工装置10を実現できる、という効果が得られる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0061】
たとえば、ワーク14としてはレンズに限らず、一般の機械加工に広く適用できる。
[付記1]
工作機械に付随して、ワークの加工部へ加工液を供給する装置のうち、加工液を圧縮した気体で供給する技術に関するものであり、フタの開閉が可能な密閉タンクと、密閉タンクへの圧縮気体を供給可能な給気管と、給気管内の気体の圧力か流量もしくはその両方を制御可能な給気弁と、密閉タンク上方部に、密閉タンク内と外部を繋ぐように構成された排気管と、排気管の経路に設けられた圧力か流量もしくはその両方を制御可能な排気弁と、密閉タンクへの加工液の供給を行う給液配管と、給液管路に設けられた給液弁と、タンクの底部に開口するよう配管された、加工液吐出管と、加工液吐出管に設けられた圧力か流量もしくはその両方を制御可能な加工液吐出弁と、を構成することを特徴とする、加工液供給装置。
[付記2]
付記1記載の加工液供給装置において、排気管の密閉タンクとは逆側の一端が、加工部付近に設けられていることを特徴とする、加工液供給装置。
[付記3]
付記1および2記載の加工液供給装置において、加工液の循環経路中にスラッジ除去機構を設けたことを特徴とする加工液供給装置。
[付記4]
付記3記載のスラッジ除去機構が、遠心分離機であることを特徴とする加工液供給装置。
[付記5]
付記3記載のスラッジ除去機構が、フィルターであることを特徴とする加工液供給装置。
【符号の説明】
【0062】
10 加工装置
10A 加工機本体
10B 加工液供給装置
11 砥石軸
12 加工部
13 砥石
14 ワーク
15 ワーク軸
16 桶
17 空圧源
18 与圧気体導入弁
19 与圧気体導入管
19a 与圧気体
20 給液弁
21 給液配管
21a 遠心分離機
22 排気弁
23 排気管
23a 排気基端部
23b 排気先端部
24 加工液吐出弁
25 加工液吐出管
25a 吐出基端部
25b 吐出先端部
25c フィルター
26 蓋
27 密閉タンク
28 加工液
100 タンク
101 3方弁
102 バイパス管
103 バイパス弁
104 ポンプ
110 処理液供給用タンク
116 桶
117 空圧源
120 補充用タンク
121 給水配管
122 排気弁
123 排気管
124 吐出水弁
125 吐出水管
130 吐出用配管
132 補充用配管
134 加圧ガス導入用配管
136 減圧用配管
150 制御弁
151 制御弁
152 制御弁
153 制御弁
160 加工部
161 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの加工部へ加工液を供給する加工液供給装置であって、
前記加工液を貯める密閉タンクと、
前記密閉タンクへ与圧気体を供給制御する給気管と、
前記密閉タンクに接続され、該密閉タンクの圧力を排気制御する排気管と、
前記加工部で使用された加工液を回収する開放タンクと、
前記開放タンクから前記密閉タンクへの前記加工液の供給制御を行う給液配管と、
前記加工部に前記密閉タンクの加工液を吐出制御させる加工液吐出管と、
を備えることを特徴とする加工液供給装置。
【請求項2】
前記排気管の排気が、前記加工部に吹き付ける位置に、当該排気管の排気口が設けられていることを特徴とする請求項1記載の加工液供給装置。
【請求項3】
前記開放タンク、前記給液配管、前記密閉タンク、前記給液配管を含む前記加工液の循環経路に、前記加工液を浄化するスラッジ除去機構を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加工液供給装置。
【請求項4】
前記スラッジ除去機構が、遠心分離機であることを特徴とする請求項3記載の加工液供給装置。
【請求項5】
前記スラッジ除去機構が、フィルターであることを特徴とする請求項3記載の加工液供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−167511(P2010−167511A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10025(P2009−10025)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】