説明

加熱コイルを備えた樹脂成形型

【課題】板状の底部から深絞り状に一方側へ大きく突出部が設けられた樹脂成形体を成形する樹脂成形型であって、型面全体を短時間で加熱できると共に型面全体における温度のバラツキを小さくでき、しかも簡素な構成の樹脂成形型を提供する。
【解決手段】板状の底部11と、底部11の一部から一方側に突出した筒状の突出部12と、突出部12の先端を閉塞する頂部13と、を有する樹脂成形体10を成形可能であり、成形体10を成形する型面21の近接位置に加熱コイル25を配設し、加熱コイル25により型面21を誘導加熱しつつ樹脂を成形する樹脂成形型20であり、型面21が、底部11を形成する底部型面22と、突出部12を形成する突出部型面23と、頂部13を形成する頂部型面24とを有し、加熱コイル25を、底部型面22と突出部型面23と頂部型面24とに連続して配設し、頂部型面24に加熱コイル25と共に、加熱コイル25に近接して頂部コア26を配設している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱コイルにより型面を誘導加熱しつつ樹脂を成形する加熱コイルを備えた樹脂成形型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱コイルを型面に近接配置し、加熱コイルにより型面を加熱可能にした樹脂成形型が知られている。このような樹脂成形型では、加熱コイルに交番電力を供給することで型面を誘導加熱し、キャビティ内に収容された樹脂又は樹脂組成物等の成形材料を成形する。
【0003】
例えば下記特許文献1には、金型表面を局部的に誘導加熱コイルで加熱する金型加熱装置が記載されている。ここでは誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルの加熱部側以外を覆うフェライトコアが金型の一部に配置されている。
この金型加熱装置では、誘導加熱コイル及びコアにより、金型の他の部位が加熱されることを防止しつつ、型面の一部を局部的に加熱している。
【0004】
下記特許文献2には、非磁性低抵抗体からなる金型に温調配管を埋設し、更に誘導加熱コイル及び強磁性高抵抗体からなるブロックを局部的に埋設した成形装置が記載されている。
この成形装置では、成形時に温調配管により樹脂成形型を全体的に加熱し、更に誘導加熱コイル及びブロックにより型面の一部を他の部分より速くかつ強く加熱することで、発泡倍率を部分的に高くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−297407号公報
【特許文献2】特開平10−249862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の樹脂成形型では、加熱コイルを用いて型面の一部を局部的に強く加熱することはできるものの、加熱コイルにより型面全体、特に複雑な形状の型面全体を短時間で均一に加熱することが困難であった。そのため、例えば板状の底部から深絞り状に一方側へ大きく突出部が設けられたような複雑な樹脂成形体を成形する場合には、温調配管のように、熱媒体を型内部に流動させて型全体を加熱する手段が必要であった。それ故、樹脂成形体を成形する際に金型の加熱が律速工程となり、成形体の成形に長時間を要していた。
しかも加熱コイルにより加熱する手段と他の加熱手段とを組み合わせて樹脂成形型を構成するため、樹脂成形型の構成が複雑であった。
【0007】
そこで、本発明では、板状の底部から深絞り状に一方側へ大きく突出部が設けられた樹脂成形体を成形する樹脂成形型において、型面全体を短時間で加熱できると共に、型面全体における温度のバラツキを小さくでき、しかも簡素な構成の樹脂成形型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の加熱コイルを備えた樹脂成形型は、板状の底部と、底部の一部から一方側に突出した筒状の突出部と、突出部の先端を閉塞する頂部と、を有する樹脂成形体を成形可能であり、この成形体を成形する型面の近接位置に加熱コイルが配設され、加熱コイルにより型面を誘導加熱しつつ樹脂を成形する樹脂成形型であって、型面が底部を形成する底部型面と、突出部を形成する突出部型面と、頂部を形成する頂部型面とを有し、加熱コイルは底部型面と突出部型面と頂部型面とに連続して配設され、頂部型面には、加熱コイルと共に加熱コイルに近接して頂部コアが配設されている。
【0009】
加熱コイルは、好ましくは突出部型面の突出方向に沿う軸回りに巻回して配置される。
突出部型面の突出方向と直交する断面形状が角部を有する場合には、角部が突出方向に連続して設けられ、角部に角部コアが配設されているのがよい。
【0010】
加熱コイルは雄型の型面に配設され、底部型面に対応する位置に配置された加熱コイルの配置密度は、突出部型面に対応する位置に配置された加熱コイルの配置密度より小さくするのが好適である。
【0011】
樹脂の成形に要する温度が150度〜180度である場合、加熱コイルにより加熱された底部型面と突出部型面と頂部型面との表面温度を何れも150度以上180度以下にするのが好ましい。
この加熱コイルを備えた樹脂成形型は、樹脂のRIM成形法による成形に使用できる。また、スタンピング成形法による成形にも使用できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の加熱コイルを備えた樹脂成形型によれば、加熱コイルが底部型面と突出部型面と頂部型面とに連続して配設されている。そのため、加熱コイルにより底部型面と突出部型面と頂部型面とを同時に誘導加熱することができ、型全体ではなく全型面を短時間で加熱することができる。また、連続した加熱コイルにより全型面を加熱できるので、型面毎に別々に加熱したり他の加熱手段を用いて加熱する必要がなく、樹脂成形型の構成を簡素化できる。
【0013】
しかも、頂部型面に加熱コイルと共に、該加熱コイルに近接して頂部コアが配設されているので、頂部付近では磁束を頂部コアにより頂部に局部的に集中させることができ、頂部型面を強く加熱できる。そのため、頂部型面が他の型面に比べて加熱コイルを十分に配置できない形状であったとしても、頂部型面を容易に十分に加熱することが可能で、型面全体の温度のばらつきを小さくできる。
その結果、型面全体を短時間で加熱できると共に、型面全体における温度のバラツキを小さくでき、しかも簡素な構成の樹脂成形型を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は本発明の実施形態において成形する樹脂成形体の斜視図、(b)は突出部の突出方向と直交する断面を示す(a)のA−A断面図、(c)は突出方向に沿う断面を示す(a)のB−B断面図である。
【図2】(a)は本発明の実施形態に係る成形型を示す縦断面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図3】(a)は図2の成形型における頂部型面付近を示す部分拡大断面図、(b)は底部付近を示す部分拡大断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る成形手順及び型面の温度変化を示すグラフであり、横軸に時間、縦軸に型面温度を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
この実施形態では、図1(a)〜図1(c)に示す樹脂成形体10を成形する例について説明する。この樹脂成形体10は、車両の例えばフロントバンパの取付部位に使用されるクラッシュボックスである。樹脂成形体10は、板状の底部11と、底部11の一部から一方側に突出した筒状の突出部12と、突出部12の先端を閉塞する頂部13と、を備えている。樹脂成形体10は熱可塑性樹脂からなるものであってもよく、熱硬化性樹脂からなるものであってもよい。
【0016】
ここで、板状の底部11は、平板状であってもよく、湾曲又は屈曲した板状であってもよい。
突出部12は、板状の底部と交差又は直交する軸Lの方向に沿って突出している。この突出方向に沿う軸Lは曲線又は屈曲線であってもよいが、ここでは直線状に設定されている。また突出部12は底部11の略中央の位置に設けられている。
筒状の突出部12は、内部が中空であればよく、例えば円錐台形状や角錐台形状など、突出方向に沿う軸Lと直交する断面形状が突出方向の各位置で異なっていてもよい。
先端を閉塞する頂部13は、突出部12の内側の中空部が頂部13側で頂部13により閉じられた形状であればよく、平板状であっても屈曲又は湾曲した板状であってもよい。更に厚肉の種々の形状に形成されていてもよい。
【0017】
次に、このような樹脂成形体10を成形するための成形型20について説明する。
成形型20は、図2(a)(b)及び図3に示すように、複数の分割型を組み合わせることで、各分割型に設けられた型面21によりキャビティ30を形成する構造を有する。型面21の近接位置には加熱コイル25及びコア26,27が配置され、これらにより成形時に型面21を加熱可能となっている。加熱コイル25及びコア26,27は何れもキャビティ30内に露出しないように型面21の内部に配置され、さらにそれぞれ絶縁層28により型面21に対して絶縁されている。
【0018】
具体的には、本実施形態の成形型20は、図2(a)(b)及び図3に示すように、雌型31と、雄型32と、雄型32の内側に配置された加熱構造体33とを備える。
雌型31及び雄型32は、鋼材や鋳鉄等の誘導加熱可能な材料からなり、それぞれ底部11を成形する底部型面22と、突出部12を成形する突出部型面23と、頂部13を成形する頂部型面24とを有する。雌型31と雄型32とが型締めされることで、内部に型面21により閉空間からなるキャビティ30が区画される。キャビティの形状は樹脂成形体10の形状に略一致している。
頂部型面24は、突出方向に沿う軸Lに対して直交する最短の幅が加熱コイル25の径に対して1倍乃至数倍程度となっている。
突出方向に沿う軸Lに対して直交する突出部型面23の断面形状には、樹脂成形体10に対応するように角部29が設けられている。角部29は突出方向に所定長さ連続している。
【0019】
加熱構造体33は、雄型32の型面21の内側に収容されており、誘導加熱され難い非磁性体等からなり雄型32に対して所定位置に固定可能な支持体34と、支持体34の所定位置に支持された加熱コイル25、頂部コア26及び角部コア27とを備えている。
加熱コイル25は、雄型32の底部型面22と、突出部型面23と、頂部型面24との各内側に対応する位置に配置されている。加熱構造体33が雄型32に対して所定位置に配置された状態で、各型面22,23、24と加熱コイル25との間の距離が出来るだけ精度良く一定となるように支持体34に支持されているのがよい。
【0020】
加熱コイル25は、中空の導電性材料からなるパイプを屈曲又は湾曲させて形成されており、内部に冷却水が通水可能となっている。加熱コイル25の両端には図示しない電極が設けられており、高周波電力が供給可能である。
この加熱コイル25は、底部型面22と、突出部型面23と、頂部型面24とに連続して配置されている。本実施形態では、加熱コイル25が全長に渡り1本のパイプにより形成されており、突出部型面23の突出方向に沿う軸Lの回りに一方向に巻回して配置されている。
【0021】
この加熱コイル25では、底部型面22に対応する位置に配置された加熱コイル25の配置密度が突出部型面23に対応する位置に配置された加熱コイル25の配置密度より小さくなっている。ここでは例えば加熱状態に応じて適宜配置密度を調整することができる。特に、雄型32の突出部型面23では加熱コイル25による加熱効率が低いため、この部位で加熱コイル25を出来るだけ密に配置することが望ましい。
なお、頂部型面24に対応する位置には、本実施形態の場合、加熱コイル25が長手方向に略直線的に配置されている。
【0022】
頂部コア26は、ブロック状の磁性体からなり、突出部型面23の内側に収容される支持体34の頂部に配置されている。即ち、頂部コア26は頂部型面24に加熱コイル25と共に配設されている。
ここでは、頂部コア26は、巻回されて頂部付近に配置された加熱コイル25の内側に近接して配置されており、加熱コイル25との間が絶縁層28により絶縁されている。この頂部コア26と頂部型面24との間の距離も全体で出来るだけ精度よく一定となるのがよい。
【0023】
角部コア27は、棒状、板状の磁性体からなり、突出部型面23の4隅に対応する位置、即ち、突出部型面21が大きく屈曲した位置に、突出方向に連続して配置されている。この角部コア27も加熱コイル25の内側に近接して配置されており、加熱コイル25との間が絶縁層28により絶縁されている。また角部コア27と突出部型面23の角部との間の距離も、全体で出来るだけ精度よく一定となるのがよい。
【0024】
このような成形型20は、各種の樹脂成形法に利用することができる。例えば熱可塑性樹脂からなる成形材料を用いて、射出成形法、スタンピング成形法等に利用することができる。また、加熱することで重合可能な各種の樹脂組成物からなる成形材料を用いて、圧縮成形法、RIM成形法(Reaction Injection Molding)等に利用することができる。更に型構成を調整することで、真空成形法、ブロー成形法等の他の成形法であっても利用可能である。型面全体における温度のばらつきが小さいため、スタンピング成形法、RIM成形法に利用することは特に好ましい。
【0025】
次に、このような成形型20を用いて樹脂成形体10を成形する方法を、具体例を用いて説明する。
目的の樹脂成形体10は、図1に示すもので、底部11の軸Lに直交する大きさが220mm×160mm、突出部の軸Lに直交する断面の輪廓面積が底部11の面積に対して0.15〜0.3倍、底部11からの突出部12の突出高さが187.5mm、肉厚が4〜5mmの形状を有するものである。
【0026】
雄型32及び雌型31は図2(a)(b)及び図3に示すもので、FCD540からなる。加熱構造体33は図2(a)(b)及び図3に示すもので、加熱コイルは断面円形の銅パイプと断面角形の銅パイプとを接続して構成したもので、全長で軸L回りに巻回して配置されている。頂部コア26はブロック状のもので、角部コア27は棒状のものである。
【0027】
用いた成形材料は、例えば6−ナイロン成形体のための樹脂組成物である。この樹脂組成物は150度程度から180度程度の成形温度で反応して成形体を形成可能な材料である。
【0028】
樹脂成形体の成形は、図4に示すように、型締めのためのセット工程と、成形材料をキャビティ30に注入する注入工程と、加熱コイル25により型面21を昇温する昇温工程と、キャビティ30内で硬化反応を進行させて樹脂成形体10を成形する硬化工程と、樹脂成形体10を型内で冷却する冷却工程と、脱型工程とを順に行った。セット工程〜注入工程及び脱型工程では、型面21の温度を略90度程度となるようにした。硬化工程では、型面21の目標温度を150度〜180度とし、加熱コイル25に供給する交番電力だけを調整して加熱した。その結果、型面21の表面温度を150度以上180度以下の範囲に調整できた。
【0029】
各工程は、それぞれ図中に示すように、セット工程を60秒、注入工程を90秒、昇温工程を30秒、硬化工程を60秒、冷却工程を30秒、脱型工程を30秒のサイクルで行った。ここでは昇温工程の時間を十分に短縮することができ、その結果、成形手順における律速工程を硬化工程にすることができた。
これにより、図1に示す樹脂成形体10を製造した。
【0030】
以上のような加熱コイル25を備えた樹脂成形型20によれば、加熱コイル25が底部型面22と突出部型面23と頂部型面24とに連続して配設されている。そのため底部型面22と突出部型面23と頂部型面24との全型面21を加熱コイル25により同時に誘導加熱することができ、成形型20全体ではなく全型面21を短時間で加熱することができる。
また、連続した加熱コイル25により全型面21を加熱できるので、型面22,23、24毎に別々に加熱したり他の加熱手段を用いる必要がなく、樹脂成形型20の構成を簡素化できる。
【0031】
しかも、頂部型面24に加熱コイル25と共に、加熱コイル25に近接して頂部コア26が配設されているので、頂部付近では磁束を頂部コア26により頂部に集中させることができ、頂部型面24を強く加熱できる。そのため頂部型面24が他の型面22,23に比べて加熱コイル25を十分に配置できない狭い形状であっても、頂部型面24を容易に十分に加熱することが可能で、型面21全体の温度のばらつきを小さくできる。
【0032】
この成形型20では、加熱コイル25を突出部型面23の突出方向に沿う軸L回りに巻回して配置している。そのため加熱コイル25の配置が容易で成形型20を簡素化できる。しかも、加熱コイル25の巻回中心に位置する頂部型面24に頂部コア26が配置されているため、頂部型面24を十分に加熱でき、加熱コイル25の配置の簡素化と十分な加熱量の確保との両立を図れる。
【0033】
突出部型面21には角部29が設けられているため、角部29における型面21の温度が他の部位より低くなり易いが、この成形型20では角部コア27を配置しているため、磁束を集中させて角部29における型面21の温度を他の部位と同等に加熱できる。
【0034】
雄型32では、突出部12に配置された加熱コイル25により形成される磁束が内側に集中するため、加熱コイル25の外側に配置された突出部型面23の加熱効率が低くなる。一方、板状の底部11に対応する形状の底部型面22では、加熱コイル25による加熱効率が高くなる。そのため、突出部型面23と底部型面22とに連続した加熱コイル25に対して同じ高周波電力が供給された場合には、突出部型面23と底部型面22とで温度差が生じ易い。ところが、この成形型20では、底部型面22に配置される加熱コイル25の配置密度を突出部型面23に配置される加熱コイル25の配置密度より小さくしているので、底部型面22と突出部型面23との間の温度差を小さくすることが可能であり、型面21全体をより均一な温度に加熱して樹脂を成形できる。
【0035】
なお、上記実施形態は本発明の範囲内において、適宜変更可能である。
例えば上記では、雄型32の底部型面22と突出部型面23と頂部型面24とに対応する位置に加熱コイル25、頂部コア26、角部コア27を配置したが、雌型31に設けることも可能であり、雄型32と雌型31の両方に配置することも可能である。
上記では、底部型面22と突出部型面23と頂部型面24とを、加熱コイル25、頂部コア及び角部コア27のみで加熱するように構成したが、熱媒体を内部に流動させるなどにより成形型20の全体を加温するような他の加熱手段と併用することも可能である。
【0036】
上記では角パイプと丸パイプとを1本の連続したパイプに接続したものにより加熱コイル25を形成したが、複数本のパイプを用いて加熱コイル25を構成してもよい。その場合、例えばそれぞれに直列又は並列に高周波電力を給電するように構成してもよい。
更に、加熱コイル25を全長にわたり一方向に巻回した例について説明したが、例えば底部型面22に対して偏心した位置に突出部型面23が設けられているような場合などには、一部において異なる方向に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0037】
L 軸
10 樹脂成形体
11 底部
12 突出部
13 頂部
20 成形型
21 型面
22 底部型面
23 突出部型面
24 頂部型面
25 加熱コイル
26 頂部コア
27 角部コア
28 絶縁層
29 角部
30 キャビティ
31 雌型
32 雄型
33 加熱構造体
34 支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の底部と、該底部の一部から一方側に突出した筒状の突出部と、該突出部の先端を閉塞する頂部と、を有する樹脂成形体を成形可能であり、該成形体を成形する型面の近接位置に加熱コイルが配設され、該加熱コイルにより上記型面を誘導加熱しつつ樹脂を成形する樹脂成形型であって、
上記型面が、上記底部を形成する底部型面と、上記突出部を形成する突出部型面と、上記頂部を形成する頂部型面とを有し、
上記加熱コイルは、上記底部型面と上記突出部型面と上記頂部型面とに連続して配設され、
上記頂部型面には、上記加熱コイルと共に該加熱コイルに近接して頂部コアが配設されている、加熱コイルを備えた樹脂成形型。
【請求項2】
前記加熱コイルは、前記突出部型面の突出方向に沿う軸回りに巻回して配置されている、請求項1に記載の加熱コイルを備えた樹脂成形型。
【請求項3】
前記突出部型面の突出方向と直交する断面形状が角部を有し、該角部が上記突出方向に連続して設けられ、該角部に角部コアが配設されている、請求項1又は2に記載の加熱コイルを備えた樹脂成形型。
【請求項4】
前記加熱コイルは雄型の型面に配設され、前記底部型面に対応する位置に配置された前記加熱コイルの配置密度は、前記突出部型面に対応する位置に配置された上記加熱コイルの配置密度より小さく設定されている、請求項1乃至3の何れかに記載の加熱コイルを備えた樹脂成形型。
【請求項5】
前記樹脂の成形に要する温度が150度〜180度であり、
前記加熱コイルにより加熱された前記底部型面と前記突出部型面と前記頂部型面との表面温度が何れも150度以上180度以下である、請求項1乃至4の何れかに記載の加熱コイルを備えた樹脂成形型。
【請求項6】
前記樹脂をRIM成形法により成形する、請求項1乃至5の何れかに記載の加熱コイルを備えた樹脂成形型。
【請求項7】
前記樹脂をスタンピング成形法により成形する、請求項1乃至6の何れかに記載の加熱コイルを備えた樹脂成形型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−49154(P2013−49154A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187417(P2011−187417)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(390029089)高周波熱錬株式会社 (288)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】