説明

加熱加工用皮付き生栗、剥き栗の製法、栗の皮遊離方法、及び栗皮切り込み装置

【課題】そのまま食することができ、加熱処理による褐変が生じず、栗本来の色調と風味を有する、食感、外観の良好な調理栗を得るための加熱加工用皮付き生栗及び調理栗を長期保存中に変色させない剥き栗の製法及び剥皮を簡便に行うための栗の皮遊離方法及び栗の皮遊離用に用いられる栗の皮切り込み装置を提供する。
【解決手段】加熱加工に用いるための皮付き生栗であって、該皮付き生栗の栗果肉中の総フェノール量が1〜25mg%、且つ糖度が10〜23°であることを特徴とする加熱加工用皮付き生栗によって達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮を剥いた天津甘栗などの、そのまま食することができる加熱加工栗の、長期保存中の変色を防止することができる加熱加工用皮付き生栗、皮付き生栗から栗皮を完全に剥皮し、剥皮後の保存中の変色を防止することができる剥き栗の製法、皮付き生栗果肉から栗皮を完全に簡単に剥皮することができる栗の皮遊離方法、及び栗の皮を栗果肉から完全に遊離するための栗皮切り込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、焼き栗は、日本栗の焼き栗のみならず、中国栗を焼いた天津甘栗、西洋栗の焼き栗等、皮を剥きながら手軽に食べられる食品として広く親しまれている。また最近では天津甘栗を食べやすくするために、予め皮を剥いて耐熱性の袋に密封し、消費者がこの袋を開いてそのままつまんで食べることができるような商品が多数発売され、特許等も提案されている。例えば、特許文献1には、皮付きの原料天津栗を石焼釜で焼いた後、一晩冷却し、鬼皮、渋皮を除去し、凍結後加圧蒸煮して冷却し、その後栗を窒素ガスとともに耐熱性袋に充填密封して加熱殺菌する、袋入り皮むき天津甘栗が記載されている。
しかしながら、上記の方法で得られる袋入り皮むき天津甘栗は、長期保存中に栗果肉の色調が初期の黄色〜茶色系の色調から緑色〜黒色の色調に変色もしくは褐変し、外観を損ねて商品価値が低下するという問題がある。
【0003】
また、皮むき袋入り天津甘栗は、原料となる皮付き生栗の品種、貯蔵条件、収穫時期などによって風味や変色の程度がばらつき、安定した品質が得られにくいという問題がある。
そこで、例えば特許文献2には、周年供給できる調理グリの製造法が開示されている。
この方法は、皮付きの生栗を一定期間冷蔵することによって甘さを増加させた後、凍結・冷凍貯蔵に移し、任意の時期に取り出して加圧湿熱によって調理することにより、調理栗の甘さを約3倍に増加させることができるものである。
しかしながら、この方法で得られる調理栗は、甘さを増加させることはできるものの、皮付きのまま冷凍してそのまま加圧湿熱調理するので、得られる調理栗は、渋皮や鬼皮が強固に栗果肉に密着し、剥皮しにくくなるとともに、皮付きのまま湿熱調理することによって皮部分の変色物質が栗果肉中に移行もしくは残留し、調理栗の保存中の変色が促進されるという問題がある。
更には、この方法では湿熱処理が必須であるので、水分や糖分を多く含む栗となってしまい、各種の栗調理品への利用がしにくいという問題もある。
【0004】
また、栗の種類のうち、天津栗は、湿熱ではなく、焼いてから皮を剥くということと、欧州栗、日本栗に比べて品種の特性上、比較的皮が剥きやすいが、それでも完全に鬼皮、渋皮を取り除きにくいという問題があり、皮むき天津甘栗としたときに皮が残存して風味や外観を悪くするという問題がある。
そこで、栗の剥皮効率を改善する方法としては、例えば特許文献3に記載の剥皮方法がある。この方法は、栗の座部に切り込みを入れてから酵素剤を含む水溶液に浸漬して酵素を果肉と渋皮との密着部分に作用させて軟弱化させ、水分の存在下で加熱加圧し、冷水中に放出して鬼皮と渋皮を除去する方法である。
しかしながら、この方法では、酵素の作用を確実に栗皮全周に行き渡らせるために、複数もしくは広範囲の切り込みが必要であるため、栗果肉が割れやすかったり、外観が悪くなるという問題がある。また、この方法で得られる剥き栗は、酵素剤特有の風味が加わったり、煮栗や蒸し栗様の水っぽい食感となり、焼き栗のような香ばしさを付与することが
できない。
【0005】
また、栗の皮に切り目を入れる作業は、人手で行うと、栗の鬼皮が硬いために作業者の作業負担が重く、また切り目の入れ方が安定せず果肉部分に深く切り目が入りすぎて傷として残り、外観品質が低下する。そこで、自動化して安定的に切り目を入れることが量産化の点で望まれるが、そのような方法としては、例えば特許文献4に記載の方法がある。
この方法は、無端状に連結し、開口部が下向けになるよう配置されたカップ群を走行させながらこのカップ内に収容された栗に下方から複数の回転刃を多段的に接触させ、回転刃の回転運動と走行コンベアの前進運動によって栗がランダムに回転し、栗表面の全面に切り込みを入れる方法である。
しかしながら、この方法では、栗の大きさのばらつきや、カップに収容された栗の方向によって回転刃の切り込み深さが異なり、またカップ内で栗が浮き上がって、切り込みが入らなかったり、逆に過剰に切り込みが入ったりする場合もあるので、切り込み状態にばらつきが生じ、これが調理栗の外観の低下につながったり、剥皮不良につながるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】登録実用新案第3051612号公報
【特許文献2】特許登録第2516149号公報
【特許文献3】特開平10−84928号公報
【特許文献4】特公平3−4191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的の第一は、そのまま食したり、各種の加工調理栗として用いることもでき、調理後長期保存した時に褐変が生じず、栗本来の色調と風味を有する調理栗を、栗の品種や収穫時期等にかかわらず安定して得ることができる加熱加工栗用の皮付き生栗を提供するにある。
また、目的の第二は、皮付き生栗から栗皮を完全に剥皮し、剥皮後の保存中の変色を防止することができる剥き栗の製法を提供するにある。
また、目的の第三は、皮付き生栗果肉から栗皮を完全に簡単に剥皮することができる栗の皮遊離方法を提供するにある。
また、目的の第四は、栗の皮を栗果肉から完全に遊離するための栗皮切り込み装置であって、栗の大きさ、形状、固定方向にかかわらず、栗皮に確実にかつ一定の深さで、所定の数の切り込みを安定して入れることができる栗皮切り込み装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、加熱加工に用いるための皮付き生栗であって、該皮付き生栗の栗果肉中の総フェノール量が1〜25mg%、且つ糖度が10〜23°であることを特徴とする加熱加工用皮付き生栗である。
また、本発明は、皮付き生栗を乾熱加熱後、栗表面温度を40℃以上に保持した状態で剥皮することを特徴とする剥き栗の製法である。
また、本発明は、皮付き生栗が、栗果肉中の総フェノール量が1〜25mg%、且つ糖度が10〜23°である剥き栗の製法である。
また、本発明は、乾熱加熱が、150〜250℃で15分以内に行われることを特徴とする剥き栗の製法である。
また、本発明は、剥皮した後、引き続き−20〜−40℃雰囲気下で6時間以内に中心品温0℃以下となるよう凍結することを特徴とする剥き栗の製法である。
また、本発明は、皮付き生栗の栗皮に切り込みを刻設した後、該切り込み入り皮付き生栗を乾熱加熱し、栗皮を栗果肉から遊離させることを特徴とする栗の皮遊離方法である。
また、本発明は、皮付き生栗の栗皮に切り込みを刻設するに際して、切り込み深さが0
.4〜0.7mm、切り込み長さが栗の最長径の5%以上の長さに設定されていることを特徴とする栗の皮遊離方法である。
また、本発明は皮付き生栗の栗皮に切り目を刻設するための栗皮切り込み装置であって、皮付き生栗の一部を露出するための栗受け孔が設けられた栗受けケースに皮付き生栗を載置する載置手段と、該載置手段により皮付き生栗を載置した栗受けケースを搬送するための搬送手段と、該搬送手段により搬送された栗受けケース内に載置された皮付き生栗を押圧するための押圧手段と、該押圧手段によって押圧され該栗受け孔から露出した皮付き生栗に当接して栗皮に切り込みを刻設するための切断手段と、該切断手段により切り込みを刻設された皮付き生栗を排出するための排出手段とを備えてなる栗皮切り込み装置である。
また、本発明は、押圧手段が、栗受けケース内に載置された皮付き生栗を個別に押圧する手段である栗皮切り込み装置である。
また、本発明は、押圧手段が、エアシリンダー駆動手段によって降下、上昇するエアシリンダーとコイルバネ抑え板とコイルバネと栗抑え板とからなり、該コイルバネと栗抑え板とが、栗受け孔内の皮付生栗を個別に押圧しうるよう、栗受け孔の数と位置に対応して個別に設けられてなる栗皮切り込み装置である。
また、本発明は、切断手段が、切断刃と該切断刃を把持するための切断刃ガイドとからなり、切断刃先端が栗皮の切り込み深さと略同一となるよう該切断刃ガイドから露出して把持されてなる栗皮切り込み装置である。
また、本発明は、皮付き生栗の栗皮に上記の栗皮切り込み装置を用いて切り込みを刻設した後、該切り込み入り皮付き生栗を乾熱加熱し、栗皮を栗果肉から遊離させることを特徴とする栗の皮遊離方法である。
【0009】
すなわち、本発明者らは、従来の、剥皮した栗を包装容器に収容、密封し、レトルト殺菌などの加熱殺菌をする方法において、レトルト殺菌等の加熱加工を行うと、長期保存中に栗の色が変色し、外観を悪くするとともに、風味的にも好ましくないことから、加熱加工後の品質低下を防止する方法について検討を行った結果、まず原料となる皮付き生栗の保管条件によって変色が生じるのではないかと考え、原料の皮付き生栗の保管条件について検討を行った。
その結果、栗果肉中の総フェノール量が1〜25mg%、糖度が10〜23°である皮付き生栗を、原料として用いるようにすると、栗の収穫時期や品種に係わらず、加熱処理後の長期保存中にも変色のない加熱加工栗を得ることができることを見出した。
【0010】
更には、皮付きの生栗を完全に剥皮する方法として、皮付きの生栗を乾熱加熱した後の放置によって、一部遊離しかけていた鬼皮、渋皮が栗果肉に再度密着し、剥離しにくくなるのではないかと考え、皮付きの生栗を乾熱加熱後した後の放置条件について検討を行った結果、乾熱加熱を行った後、栗表面温度を40℃以上に保持した高温状態のままで剥皮すると、鬼皮、渋皮が完全に栗果肉から遊離し、また、加熱処理後長期保存した調理栗の変色が防止されることを見出した。
【0011】
そして、乾熱加熱を150〜250℃で15分以内の高温短時間で行うと、更に鬼皮、渋皮が栗果肉から遊離し、剥皮がしやすくなること、また、加熱処理後長期保存した調理栗の変色が防止されることを見出した。
【0012】
また、剥き栗を上記のように処理しても、長期保存中にはある程度変色の進行が認められることから、剥き栗の保管条件について検討を行った結果、乾熱加熱して剥皮した剥き栗を、引き続き−20〜−40℃雰囲気下で6時間以内に中心品温0℃以下となるよう急速凍結すると、加熱処理後長期保存した調理栗の変色が更に防止されることを見出した。
【0013】
更には、皮付きの生栗の剥皮を完全に行うために、栗皮の果肉からの遊離方法について
検討を行った結果、皮付き生栗の栗皮に切り込みを刻設した後、乾熱処理すると、切り込み部分から栗皮の遊離が栗全周に渡って広がり、栗皮を栗果肉から完全に遊離させることができ、その後軽く手で剥くなどの簡単な短時間処理によって確実に剥皮を行うことができることを見出した。
【0014】
また、上記切り込みを入れる際に、確実に一定の深さで所定の数の切り込みを刻設できる装置について検討を行った結果、皮付き生栗を、皮付き生栗の一部を露出するための栗受け孔のある栗受けケースに入れて、この皮付き生栗を上方から押圧して、皮付き生栗の一部を栗受け孔から露出させ、この露出部分に対して、切断刃等で切断すると確実に切り込みが行えることを見出し、本発明に到達した。
特に、切断刃等で切断するに際して、切断刃の先端を切り込み深さと略同一となるよう露出して切断刃ガイドで把持した切断刃を用いると、一定の深さまでしか切断刃が栗露出部分に入らないので、より確実に切り込みが行えることを見出し、本発明に到達した。
また、上記皮付き生栗の押圧を、各皮付き生栗ごとに個別に行いうる押圧手段とすることにより、各皮付き生栗の大きさや、栗受け孔への入り方向にかかわらず、確実に各皮付き生栗を押圧できることを見出し、本発明に到達した。
【発明の効果】
【0015】
本発明の加熱加工用皮付き生栗は、栗果肉中の総フェノール量が1〜25mg%、糖度が10〜23°である皮付き生栗を、原料として用いているので、栗の収穫時期、保存状態や品種に係わらず、加熱処理後の長期保存中にも変色のない加熱加工栗を得ることができる。
更に、本発明の剥き栗の製法は、皮付きの生栗を乾熱加熱した後、栗表面温度を40℃以上に保持した高温状態のままで剥皮するので、鬼皮、渋皮が完全に栗果肉から遊離し、また、加熱処理後長期保存した調理栗の変色が防止される。
更に、本発明の剥き栗の製法では、乾熱加熱を150〜250℃で15分以内の高温短時間で行うので、更に鬼皮、渋皮が栗果肉から遊離し、剥皮がしやすくなり、また、加熱処理後長期保存した調理栗の変色が防止される。
【0016】
また、本発明の剥き栗の製法では、乾熱加熱して剥皮した剥き栗を、引き続き−20〜−40℃雰囲気下で6時間以内に中心品温0℃以下となるよう急速凍結するので、変色の防止効果が更に高まる。
更に、本発明の栗の皮遊離方法では、皮付き生栗の栗皮に特定深さの切り込みを刻設した後、乾熱加熱するので、切り込み部分から栗皮の遊離が栗全周に渡って広がり、栗皮を栗果肉から完全に遊離させることができ、その後軽く手で剥くなどの簡単な短時間処理によって確実に剥皮を行うことができ、栗表面に損傷のない剥き栗を得ることができる。
また、本発明の栗皮切り込み装置は、皮付き生栗を、栗が落下しない程度の直径の貫通孔のある栗受け孔を有する栗受けケースに入れて、この皮付き生栗を上方から押圧して、皮付き生栗の一部を栗受け孔から確実に露出させ、この皮付き生栗の露出部分に対して、切断刃等で切断するので、切断刃が栗露出部分に一定の深さまでしか入らないので、確実に一定深さの切り込みが行われるようになる。
特に、切断刃等で切断するに際して、切断刃の先端を切り込み深さと略同一となるよう露出して切断刃ガイドで把持した切断刃を用いると、一定の深さまでしか切断刃が栗露出部分に入らないので、より確実に一定深さの切り込みが行われるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を詳しく説明する。
【0018】
まず、原料となる皮付き生栗は、特に品種や大きさを限定するものではなく、一般に用いられているものから適宜選択して用いればよい。通常皮付き生栗は、イガから取り出さ
れており、外層から順に鬼皮、渋皮、栗果肉からなる。
この発明は、特に天津甘栗のような、喫食者が皮をむいて食する焼き栗か、予め焼いた栗の皮をむいて耐熱性袋等に密封殺菌した調理栗に特に好適に用いられる。
【0019】
次に、本発明の加熱加工に用いるための皮付き生栗は、栗果肉中の総フェノール量が1〜25mg%、且つ糖度が10〜23°のものを用いる。
すなわち、この条件よりも多いと、加熱加工後、保存した時に変色が生じる。逆にこの条件よりも少ないと、色調が白っぽくなり、また風味、食感が不良となる。
総フェノール量と糖度は、必ずしも相関しているものではなく、どちらの条件を満たしていなくても、所期の品質が得られない。
なお、総フェノール量、糖度はいずれも皮(鬼皮、渋皮)を取り除いた栗果肉全体の平均含有量を示す。
この条件の範囲となる皮付き生栗の保管条件は、収穫時期や品種にもよるが、約1〜3℃保管では約6ヶ月以内、5〜10℃では約4ヶ月以内とすることが望ましい。更には、皮付き生栗を包装して保管する場合には、通水性、通気性の良い包装体を用いることが望ましい。通水性、通気性の良い包装体としては、例えば、綿、麻、不織布等の通水性繊維や、通水性のない素材を通水しやすいように間隙を有する織物に加工したものや、孔を複数個設けたものが挙げられる。
中でも麻製の包装体は、多少の保管条件の変動、期間の変動によっても比較的長期間所期の品質(総フェノール量、糖度)が得られる点で好適である。
【0020】
次に、本発明の剥き栗は、例えば、次のようにして得られる。
まず、好ましくは上記総フェノール量、糖度の皮付き生栗を用いる。そして皮付き生栗を水洗し、浮き栗(腐った栗や虫喰い栗)や異物を除いた後、乾熱加熱する。乾熱加熱は、石焼釜での石焼、砂煎り、炭焼き、遠赤外線加熱等の方法が挙げられる。
この場合の乾熱加熱条件は、高温短時間で行われることが望ましく、具体的には、150〜250℃で15分以内、更に好ましくは5〜15分行われることが、鬼皮、渋皮が栗果肉から遊離し、剥皮がしやすくなること、また、加熱加工後長期保存した調理栗の変色が防止される点で好適である。
【0021】
また、その他の乾熱加熱方法としては、熱風ロースト等のような、流体加熱する方法が、鬼皮、渋皮を短時間で完全に取り除くことができ、かつ急速に乾熱加熱されるので、剥皮後、調理栗として保存した時に、変色、風味の劣化がなく特に好適である。すなわち、この方法では、後述するような、予め栗表面に切り目を施して砂煎りするなどの工程が不要で、流体加熱するだけで、鬼皮、渋皮が栗果肉から遊離し、また、栗表面に亀裂が生じ、栗果肉から鬼皮、渋皮を剥離し易くなる。従って、短時間で大量に処理することができ、また、焼き栗の香ばしさも付与することができる。
具体的には、ジェットゾーンシステム(連続式)、ジェットロースト(バッチ式)(共に、荒川製作所製)などの、熱風乾燥やコーヒー豆の焙煎などに用いられる熱風が対流する装置を用いると好適である。
【0022】
また、流体加熱による乾熱加熱の処理条件としては、装置仕様、処理量によって適宜設定すればよく、熱風の温度は、栗の表面温度が100〜110℃程度になるように、110〜140℃とすることが望ましい。
例えば、栗に対して上下方向から熱風があたるような熱風乾燥装置(例えば、ジェットゾーンシステム(流動層式)、荒川製作所製)の場合、120〜125℃の熱風で栗の表面が108〜109℃となるようにするのが、栗の皮を栗果肉から良好に遊離し、且つ栗の形状を保持する点で最も好適である。また、栗に対して一方向からのみ熱風があたるような熱風乾燥装置(例えば、ジェットゾーンSR−BIII(バッチ式)、荒川製作所製)の場合には、130〜140℃の熱風で、栗の表面105〜110℃程度にすることが
好適である。
また、風速は、120〜130℃、10〜20分間加熱する場合、40〜60m/sが好ましい。
このようにして得られた栗は、この後、人手もしくは機械によって簡単に渋皮ごと剥離することができる。
【0023】
次に、上記のようにして得られた乾熱加熱処理栗は、乾熱加熱処理に引き続き剥皮処理することが望ましく、具体的には表面温度を40℃以上、好ましくは60〜80℃に保持した状態で剥皮することが、鬼皮、渋皮が欠損することなく完全に栗果肉から遊離し、また、加熱加工後長期保存した調理栗の変色が防止される点で好適である。
【0024】
また、剥き栗を上記のような方法で得ても、長期保存中にはある程度変色の進行が認められることから、乾熱加熱して剥皮した剥き栗を、引き続き−20〜−40℃雰囲気下で6時間以内に中心品温0℃以下となるよう急速凍結すると、剥き栗もしくは剥き栗を加熱加工した調理栗の変色の防止効果が更に高まり、好適である。
急速凍結は、冷凍庫のようなバッチ式、コンベア式の急速冷凍硬化トンネルのような連続式があり、中でも連続式のIQF方式が短時間で急速凍結できる点で好適である。
【0025】
次に、皮付きの生栗の剥皮を完全に行うために、皮付き生栗の栗皮に切り込みを刻設した後、乾熱加熱し、栗皮を栗果肉から遊離させる栗の皮遊離方法を行うことが好適である。すなわち、皮付き生栗の栗皮に切り込みを刻設した後、乾熱加熱すると、切り込み部分から栗皮の遊離が栗全周に渡って広がり、栗皮を栗果肉から完全に遊離させることができ、その後軽く手で剥くなどの簡単な短時間処理によって確実に剥皮を行うことができる。
上記切り込みの深さは、0.4〜0.7mmに設定されていることが、栗の皮を確実に遊離させる点、並びに最終の調理栗の外観を損なわず、栗果肉の割れが少ない点で好適である。
また、切り込み長さは、皮付き栗表面の最長径に対し5%以上に設定されていることが、栗の皮遊離を確実に行う点で好適である。
好ましくは、20%〜30%に設定されていると、最終の栗調理品表面に切り込み痕が残らず、栗果肉の調理中の破損を防止する点で好適である。
【0026】
また、上記切り込みを入れる際に、確実に一定の深さで所定の数の切り込みを刻設できるよう、次のような栗皮切り込み装置を用いると更に好適である。
【0027】
以下、本発明の栗皮切り込み装置の一例について第1図、第2図、第3図、第4図に基づき説明する。
栗皮切り込み装置は、第1図に示すように、載置手段(1)と搬送手段(2)と押圧手段(3)と切断手段(4)と排出手段(5)とを備えている。
【0028】
栗皮切り込み装置を機構別に詳述する。
<載置手段>
載置手段(1)は、装置の上方に位置した、上方に開口部、下方に図示しないストッパーを設けた開口部を有する断面濾斗状の、皮付き生栗(6)を投入する栗供給ホッパー(11)と、該栗供給ホッパー(11)の下方の開口部と略同一の位置にあり、栗供給ホッパー(11)より落下してくる皮付き生栗(6)を載置する栗受けケース(12)とからなり、該栗受けケース(12)には、皮付き生栗の一部を露出するための栗受け孔(13)が複数設けられている。即ち、第2図に示すように、栗受け孔(13)は貫通孔であり、その径は皮付き生栗(6)の下面の一部を露出し保持しうるよう、皮付き生栗(6)の最短径よりも小さい径に設定されている。また、第2図に示すように、栗受けケース(12)の厚みRは、皮付き生栗(6)の径よりも小さく設定され、皮付き生栗(6)の下面
が栗受け孔(13)から露出すると共に、上面も栗受けケース(12)から露出していることが、連続駆動で押圧する場合や、確実に押圧できる点で望ましい。そして第1図に示すように、栗受けケース(12)の長手方向は搬送方向Pの垂直方向に、次に述べる搬送手段(2)により複数配列支持されている。
【0029】
<搬送手段>
第1図に戻り、搬送手段(2)は、上記栗受けケース(12)を間歇駆動もしくは連続駆動して搬送方向Pの下流側へ搬送するためのもので、例えばチェーンコンベアなどの無端帯(21)と、該無端帯(21)を駆動する駆動手段(図示せず)とからなる。そして、間歇駆動の場合には、上記栗受けケース(12)は、該搬送手段(2)により、栗供給ホッパー(11)の下方の開口部と略同一の位置、及び下記に述べる押圧手段(3)の栗抑え板(34)と略同一の位置に間歇駆動して、停止する機構となっている。
【0030】
<押圧手段>
押圧手段(3)は、搬送手段(2)によって搬送されてきた栗受けケース(12)に載置された皮付き生栗(6)を上方から押圧するためのものであって、エアシリンダー駆動手段(例えばアクチュエーター、図示せず)によって降下、上昇するエアシリンダー(31)と、第2図に示すように、コイルバネ抑え板(32)とコイルバネ(33)と栗抑え板(34)とからなる。コイルバネ(33)と栗抑え板(34)は、栗受け孔(13)に各々対応して個別に設けられており、栗受け孔(13)内の皮付き生栗(6)が各々異なる載置状態であっても、各々の載置状態に応じて個別に押圧しうるようになっている。そして、上記栗受けケース(12)が搬送手段(2)によって所定位置に到達すると、間歇駆動の場合等、必要に応じて位置信号等(図示せず)を検知し、あるいは連続駆動の場合は、連続的にてエアシリンダー(31)がエアシリンダー駆動手段(例えばアクチュエーター、図示せず)によって降下し、コイルバネ抑え板(32)を所定位置まで押圧してコイルバネ(33)を介して栗押抑え板(34)が降下し、皮付き生栗(6)の上面が押圧される機構となっている。
【0031】
<切断手段>
切断手段(4)は、上記押圧手段(3)と同期して作動し、該押圧手段(3)の押圧方向Q下方に設けられ、該押圧手段(3)によって押圧された皮付き生栗(6)の栗受け孔(13)から露出した部分に当接して栗皮に切り込みを刻設するものであって、切断刃(41)と該切断刃(41)を把持する切断刃ガイド(42)と切断刃駆動手段(43)とからなり、該切断刃駆動手段(43)は、切断刃駆動部(44)と切断刃駆動軸(45)とからなる。該切断刃(41)は、第3図に示すように切断刃先端が栗皮の切り込み深さと略同一となるように切断刃ガイド(42)から露出して把持されている。
【0032】
<排出手段>
排出手段(5)は、上記切断手段(4)の搬送方向Pの下流側に設けられ、該切断手段(4)により切り込みを刻設された皮付き生栗(7)を装置外に排出するものであって、栗受けケース(12)が上記無端帯(21)によって間歇駆動もしくは連続駆動しながら進行し、無端帯(21)の搬送方向Pの最下流付近で反転することにより、栗受けケース(12)に載置された切り込みを刻設された皮付き生栗(7)を落下させる、排出シュート(51)からなる。
【0033】
なお、上記装置において、切断手段(4)として用いる切断刃(41)の形状は特に限定されないが、確実に切り込みを入れられる点と、皮付き生栗(6)と切断刃(41)が適度な圧力で当接し、皮付き生栗(6)と切断刃(41)とに過剰な負荷や損傷を与えない点で、回転刃を使用することが望ましい。その場合、回転刃の直径は50〜100mmが連続的に同じ程度の切り目を刻設できる点で好適である。
【0034】
また、栗抑え板(34)等の押圧手段(3)による押圧は、皮付き生栗(6)1個あたりに対して4〜9kgの荷重とすることが、皮付き生栗(6)を安定的に固定でき、皮付き生栗(6)や切断刃(41)を損傷することなく切り込みを入れられる点で好適である。
【0035】
また、栗抑え板(34)は、第3図に示すように皮付き生栗(6)の外周に対応して湾曲していることが、皮付き生栗(6)を確実に押圧しうる点で好適である。
【0036】
次に、上記装置を用いて生栗の栗皮に切り目を刻設するための方法を工程順に詳述する。
第1図において、(6)は本発明で原料として用いる皮付き生栗であり、切り込みを刻設した後、切り込み入り皮付き生栗(7)となる。
まず、皮付き生栗(6)は、栗供給ホッパー(11)に適当量投入され、栗供給ホッパー(11)の下方の図示しないストッパーが開口することにより、栗供給ホッパー(11)と同じ位置の下方に間歇停止もしくは連続的に到達するよう位置決めされた栗受けケース(12)内に落下する。栗受けケース(12)には、栗受け孔(13)が複数設けられており、栗供給ホッパー(11)から落下した皮付き生栗(6)が、各栗受け孔(13)に個別に載置される。
【0037】
次いで栗受けケース(12)に載置された皮付き生栗(6)は、無端帯(21)と無端帯(21)を駆動する図示しない駆動手段によって栗受けケース(12)の長手方向と垂直方向の搬送方向Pに間歇的もしくは連続的に搬送される。
【0038】
次に、無端帯(21)と無端帯(21)を駆動する図示しない駆動手段により搬送されてきた栗受けケース(12)に載置された皮付き生栗(6)は、栗受けケース(12)が搬送手段(2)によって所定位置に到達すると、間歇駆動の場合は、位置信号等(図示せず)を検知し、あるいは連続駆動の場合は連続的に、エアシリンダー(31)がエアシリンダー駆動手段(例えばアクチュエーター、図示せず)によって降下し、コイルバネ抑え板(32)を所定位置まで押圧してコイルバネ(33)を介して栗抑え板(34)が降下することにより、皮付き生栗(6)の上面が押圧され、皮付き生栗(6)がどのような位置で載置されていても栗受け孔(13)から確実に皮付き生栗(6)の下面の一部が露出するようになる。
【0039】
次に、上記栗抑え板(34)によって栗受け孔(13)から皮付き生栗(6)が押圧され一部が露出するのと同期して、切断刃駆動部(44)が駆動し、切断刃駆動軸(45)を介して連結された切断刃(41)が回転して、皮付き生栗(6)の露出部に切り込みを刻設する。
【0040】
次に、切り込みを刻設された切り込み入り皮付き生栗(7)は更に搬送方向Pの下流側に設けられた排出シュート(51)から排出され、図示しない籠等に回収される。
【0041】
以上詳述したように上記栗皮切り込み装置は、栗が落下しない程度の直径の貫通孔のある栗受け孔を有する栗受けケースに皮付き生栗を入れて、この皮付き生栗を上方から押圧して、皮付き生栗の一部を栗受け孔から確実に露出させ、この皮付き生栗の露出部分に対して、切断刃等で切断するので、切断刃が栗露出部分に一定の深さまでしか入らないので、確実に一定深さの切り込みが行われるようになる。
特に、切断刃等で切断するに際して、切断刃の先端を切り込み深さと略同一となるよう露出して切断刃ガイドで把持した切断刃を用いると、一定の深さまでしか切断刃が栗露出部分に入らないので、より確実に一定深さの切り込みが行われるようになる。
【0042】
(実施例)
次に、実施例を挙げて具体的に説明する。
《実施例1〜3、比較例1〜2》
中国河北省の皮付き天津生栗(160粒/kg)を麻袋に収容し、0℃の冷蔵庫で保管した。そして、下記フェノール量、糖度になったものを用いて、石焼き釜で焼成(250℃、5分)し、剥皮(栗表面温度60℃)し、中心品温−10℃となるように冷凍(−30℃の雰囲気下、60分)し、中心品温3℃となるように水に浸漬して解凍し、水切りしたもの6粒を密封容器(レトルトパウチ)に窒素置換しながら充填密封し、レトルト殺菌(熱水レトルト、121℃30分)したものを30℃3ヶ月保存し、栗果肉表面の変色を目視にて確認した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
《実施例4〜6、比較例3》
実施例1のフェノール量、糖度になった皮付き天津生栗を用いて、石焼き釜で焼成(250℃、5分)し、下記条件で剥皮し、剥皮時の状態を目視にて確認した。次いで、実施例1と同様の条件で、冷凍し、水に浸漬し解凍し、水切りしたもの6粒を密封容器(レトルトパウチ)に窒素置換しながら充填密封し、レトルト殺菌したものを30℃3ヶ月保存し、栗果肉表面の変色を目視にて確認した。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
《実施例7〜9、比較例4〜5》
実施例1のフェノール量、糖度になった皮付き天津生栗を用いて、下記条件で石焼き釜で焼成し、剥皮(栗表面温度60℃)し、剥皮時の状態を目視にて確認した。次いで、実施例1と同様の条件で、冷凍し、水に浸漬し解凍し、水切りしたもの6粒を密封容器(レトルトパウチ)に窒素置換しながら充填密封し、レトルト殺菌したものを30℃3ヶ月保存し、栗果肉表面の変色を目視にて確認した。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】

【0048】
《実施例10〜12、比較例6〜7》
実施例1のフェノール量、糖度になった皮付き天津生栗を用いて、石焼き釜で焼成(250℃、5分)し、剥皮(栗表面温度60℃)し、下記条件で冷凍し、実施例1と同様の条件で、水に浸漬し解凍し、水切りしたもの6粒を密封容器(レトルトパウチ)に窒素置換しながら充填密封し、レトルト殺菌したものを30℃3ヶ月保存し、栗果肉表面の変色を目視にて確認した。結果を表4に示す。
【0049】
【表4】

【0050】
《実施例13〜15、比較例8〜9》
実施例1のフェノール量、糖度になった皮付き天津生栗を用いて、下記条件で切れ目を入れ、石焼き釜で焼成(250℃、5分)し、剥皮(栗表面温度60℃)し、剥皮時の状態を目視にて確認した。次いで、実施例1と同様の条件で、冷凍し、水に浸漬し解凍し、水切りしたもの6粒を密封容器(レトルトパウチ)に窒素置換しながら充填密封し、レトルト殺菌し、栗果肉表面の状態を目視にて確認した。結果を表5に示す。
【0051】
【表5】

【0052】
《実施例16、比較例10》
実施例1のフェノール量、糖度になった皮付き天津生栗を用いて、第1図に示す栗皮切り込み装置を用いて、切れ目深さ0.6mmを基準に切れ目を入れ(比較例は手で切れ目を入れた)、石焼き釜で焼成(250℃、5分)し、剥皮(栗表面温度60℃)し、剥皮時の状態を目視にて確認した。次いで、実施例1と同様の条件で、冷凍し、水に浸漬し解凍し、水切りしたもの6粒をて密封容器(レトルトパウチ)に窒素置換しながら充填密封し、レトルト殺菌し、栗果肉表面の状態を目視にて確認した。結果を表6に示す。
【0053】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明にかかる栗皮切り込み装置の全体を示す斜視図
【図2】本発明にかかる栗皮切り込み装置の押圧手段を示す側面図
【図3】本発明にかかる栗皮切り込み装置の別の態様の押圧手段を示す側面図
【図4】本発明にかかる栗皮切り込み装置の切断手段を示す正面図(a)及び側面図(b)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱加工に用いるための皮付き生栗であって、該皮付き生栗の栗果肉中の総フェノール量が1〜25mg%、且つ糖度が10〜23°であることを特徴とする加熱加工用皮付き生栗。
【請求項2】
皮付き生栗を乾熱加熱後、栗表面温度を40℃以上に保持した状態で剥皮することを特徴とする剥き栗の製法。
【請求項3】
皮付き生栗が、栗果肉中の総フェノール量が1〜25mg%、且つ糖度が10〜23°である請求項2記載の剥き栗の製法。
【請求項4】
乾熱加熱が、150〜250℃で15分以内に行われることを特徴とする請求項2記載の剥き栗の製法。
【請求項5】
剥皮した後、引き続き−20〜−40℃雰囲気下で6時間以内に中心品温0℃以下となるよう凍結することを特徴とする請求項2記載の剥き栗の製法。
【請求項6】
皮付き生栗の栗皮に切り込みを刻設した後、該切り込み入り皮付き生栗を乾熱加熱し、栗皮を栗果肉から遊離させることを特徴とする栗の皮遊離方法。
【請求項7】
皮付き生栗の栗皮に切り込みを刻設するに際して、切り込み深さが0.4〜0.7mm、切り込み長さが栗の最長径の5%以上の長さに設定されていることを特徴とする請求項6記載の栗の皮遊離方法。
【請求項8】
皮付き生栗の栗皮に切り目を刻設するための栗皮切り込み装置であって、皮付き生栗の一部を露出するための栗受け孔が設けられた栗受けケースに皮付き生栗を載置する載置手段と、該載置手段により皮付き生栗を載置した栗受けケースを搬送するための搬送手段と、該搬送手段により搬送された栗受けケース内に載置された皮付き生栗を押圧するための押圧手段と、該押圧手段によって押圧され該栗受け孔から露出した皮付き生栗に当接して栗皮に切り込みを刻設するための切断手段と、該切断手段により切り込みを刻設された皮付き生栗を排出するための排出手段とを備えてなる栗皮切り込み装置。
【請求項9】
押圧手段が、栗受けケース内に載置された皮付き生栗を個別に押圧する手段である請求項8記載の栗皮切り込み装置。
【請求項10】
押圧手段が、エアシリンダー駆動手段によって降下、上昇するエアシリンダーとコイルバネ抑え板とコイルバネと栗抑え板とからなり、該コイルバネと栗抑え板とが、栗受け孔内の皮付生栗を個別に押圧しうるよう、栗受け孔の数と位置に対応して個別に設けられてなる請求項8記載の栗皮切り込み装置。
【請求項11】
切断手段が、切断刃と該切断刃を把持するための切断刃ガイドとからなり、切断刃先端が栗皮の切り込み深さと略同一となるよう該切断刃ガイドから露出して把持されてなる請求項8記載の栗皮切り込み装置。
【請求項12】
皮付き生栗の栗皮に請求項8記載の栗皮切り込み装置を用いて切り込みを刻設した後、該切り込み入り皮付き生栗を乾熱加熱し、栗皮を栗果肉から遊離させることを特徴とする栗の皮遊離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−296433(P2006−296433A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160603(P2006−160603)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【分割の表示】特願2002−572828(P2002−572828)の分割
【原出願日】平成13年3月15日(2001.3.15)
【出願人】(393029974)カネボウフーズ株式会社 (64)
【Fターム(参考)】