説明

加熱積層窓ガラス

本発明は、ほぼ台形形状を有する加熱積層窓ガラス1に関する。窓ガラスは、埋め込まれた加熱領域2を備え、この加熱領域2は、加熱ワイヤ3により形成され、台形形状の外側部に少なくとも1つの三角形表面を備え、三角形表面は、さらなる加熱ワイヤ6を備え、さらなる加熱ワイヤ6は、相互におよび加熱ワイヤ3に対してほぼ平行である。加熱ワイヤ6は、長さが様々であり、グループに配置され、少なくとも1つの外側部の三角形表面のゾーン内で平行に接続されている6.1、6.2、6.3。前記グループのうちの少なくとも2つは、相互に電気的に直列に接続され、これにより2つの主電流コレクタレール間のワイヤの有効長さが増加し、加熱領域2の加熱パワーと三角形表面の加熱パワーとを一致させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋め込みワイヤにより加熱可能な、請求項1の特徴部前文の形態を有する複合窓ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,798,499号明細書は、台形外形を有する窓ガラスなどの窓ガラスについて記載しており、その外側部の三角形表面は、中心表面領域と同様に、相互に平行に延び、加熱電流が印加されるワイヤで覆われている。中心表面領域に配置された、ほぼ同一の長さのワイヤと比べて、三角形表面の(側部)ワイヤの有効長さはかなり短く、したがって、単位長さ当たりの同一電気抵抗に対してより低い抵抗値を有する。その結果、別の手段が取られない場合、より大きな電流が流れることとなり、望ましくない、場合によっては容認できない温度ピークが生じることになる。
【0003】
この場合、ほぼ台形の外形との表現は、1つ以上の湾曲側縁または曲がった側縁を有する外形を意味する。したがって、台形の長縁は、いずれにせよ、この種の多くの加熱窓ガラスにおいて湾曲している。対照的に、短(側)縁はほぼ直線である。
【0004】
均一な温度分布の基本的な問題点は、最初に述べた米国特許により様々な方法ですでに解決されている。
【0005】
1つの有利な実施形態によれば、局所的な過熱を出来る限り防止するために、外側部の三角形表面におけるより短いワイヤは、より小さな断面、したがってより高抵抗で生成されている。変形形態では、側部の加熱ワイヤは、中心加熱領域に配置されるワイヤに比べて大きな間隔で相互に分離されるように配置される。したがって、短いワイヤは、より長く平行な場合に比べて明らかにより高温になるが、熱密度は、中心加熱領域より低い。したがって、複合窓ガラスの材料は、やはり、損傷を受けずにより大きな熱量を放散する。この構成で加熱されない中間ゾーンは、冷却面として有効に利用される。
【0006】
先行する独国特許出願第10316387.5−34号もまた、同一問題点に対して別の選択肢を開示している。1つの有利な実施形態によれば、例えば、バスバー内に電圧ディバイダまたはバイアス抵抗を設けることにより、または側部の加熱ワイヤが別個のバスバーを通して給電されることにより、側部の加熱ワイヤは、加熱領域に配置されるワイヤに供給される供給電圧よりも小さな供給電圧を供給されることができる。
【0007】
別の好ましい実施形態において、側部の加熱ワイヤは、中心の加熱領域に配置されるワイヤより高い抵抗率を有する。これにより、局所的な過熱の危険なく、側部の加熱ワイヤに、加熱領域と同一の供給電圧を供給できる。これは、加熱領域のワイヤおよび側部のワイヤに対して異なる材料を使用することによって達成されることができ、その結果、同一厚みのワイヤでも、その材料から単位長さ当たり異なる抵抗になる。強度の理由のために一般に好ましい、例えばタングステンなどの同一材料から構成されるワイヤの場合、抵抗の差は、例えば合金または異なる直径/断面により達成されることができる。
【0008】
最終的に、電力バスバーが適切な方法で分割される場合、より低い電圧をより短い加熱ワイヤに供給することによって、より短い加熱ワイヤの加熱パワーを釣り合わせることも可能である。
【0009】
上記に説明した手段は、個々におよび任意の所望の組み合わせにより実現できる。さらに、2つの外側部の三角形表面上に加熱ワイヤを対称に備えることは絶対的に必要ではなく、実際には、これらの実施形態もまた、必要に応じて相互に異なっていてもよい。
【0010】
さらに、原理的には、低減された加熱パワーレベルは、別の加熱ワイヤにより加熱された表面領域で達成されると予測される。この理由は、自動車の前面ガラスおよび後面ガラスにおける好ましい用途において、外側部の三角形表面は、車の乗員の視界の面で好ましくない。
【0011】
さらに、原理的には、相互に平行ではなくかつ/または湾曲して、不規則な間隔で、表面全体に配置される加熱ワイヤを有する複合窓ガラスが、(欧州特許第773705号明細書、欧州特許第788294号明細書から)知られている。しかし、上述の窓ガラスの製造と比較して、これは、結果的に極めてより複雑な機械および制御システムを必要とする。
【0012】
最後に、窓ガラスに対するフィルムヒーターの分野からある1つの構成が知られており(米国特許第2,878,357号明細書)、この構成では、台形外形を有する窓ガラス上の透明な導電性コーティングが、多数のウェブに細分され、これらのウェブは、相互に並んで配置され、かつバスバーにより相互に直列に電気的に接続されることができ、バスバーは、いずれの場合にもウェブの上側縁および下側縁に交互に配置される。これにより電圧ディバイダが生じ、すべてのウェブに同一電流が流れる。全体として、全電流流れ(短いウェブであっても)は、最大抵抗(および最大電圧降下)を有するウェブが通過する値に制限される。ただし、同一幅であるが長さが異なるウェブに対して、この方法で、均一な温度分布を達成することは不可能である。
【0013】
米国特許第5,182,431号明細書は、スクリーン印刷またはワイヤの設置により生成される加熱導体を記載している。これらの加熱導体は、本質的に平行に延在し、追加のバスバーを用いて直列に接続された4つのグループに細分された同一長さを有する。窓ガラスの台形外形の三角形の側部表面での過熱は、窓ガラスの2つの平行する側縁間でわずかに広がる形で延在する加熱導体により避けられる。
【0014】
加熱温度が高い中心領域は、加熱導体当たりに最大電流流れを設定することにより、加熱に対する優先度が与えられる、直列回路または領域の特定のグループにおける導体の数を意図的に減らすことにより生成され、一方で、低減された電流が、他のゾーンで各加熱導体に流れる。
【0015】
同一出願者の独国特許出願公開第10126869号は、ワイヤにより加熱されることが可能であり、かつ三角形の側部表面を有する、非対称の台形の複合窓ガラスを記載しており、この三角形の側部表面は、相互に密接に並んで1つの側縁に平行に配置される2つのバスバーから電流供給される、ワイヤループにより覆われている。ワイヤループは、矩形領域に比べて高くない三角形領域において、より長くなるように構成され、その低減された抵抗を幾分補償している。
【0016】
英国特許第2091527号明細書は、スクリーン印刷により生成される加熱導体を備えた台形外形を有する加熱窓ガラスを記載しており、この窓ガラスは、相互にある角度をなす2つの側縁の間で一定の間隔で延びる加熱導体を備える。この文献によれば、より短い発熱導体の領域での過熱を防止するため、発熱導体のいくつかが切り離される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
最初に述べた従来技術の背景に反して、本発明は、可能な限り均一な、台形外形を有する加熱可能な複合窓ガラスの外側部の三角形表面における加熱の問題に対する、さらなる解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴により達成される。従属請求項の特徴は、この解決策の有利な展開を示している。
【0019】
本発明によれば、すでに従来の出願で解決方法として述べられている電圧ディバイダの適用は、2つ以上の加熱ワイヤを接続することにより達成できる。加熱ワイヤはグループとして相互に直列に、相互に平行に接続され、これらのグループは、相互に並んで配置され、適切な追加の電力バスバー部分または同等手段によって、低抵抗で相互に接続される。これは、2つの主電力バスバー間の有効ワイヤ長さを延長することと同等であり、したがって、中心の加熱領域に対して同一または低減された抵抗値を有するとしても、側部の加熱ワイヤに対して同一の(外部の)供給電圧を提供できる。この目的に対して、多数の実施形態の選択肢が存在する。
【0020】
有利には、本発明による解決策は、従来の装置を使用して、先に取り付けられているフィルム上に加熱ワイヤを配置することで達成され、この場合、同様に、最も簡単な場合には、ワイヤは螺旋形で等しい間隔で配置されることができ、フィルム上で常に相互に平行であり、回転可能な、ドラム形状の取付台上に保持される。
【0021】
本発明によるこのような窓ガラスがさらに、好ましくは、前面ガラスまたは後面ガラスとして自動車で使用される場合、本発明による加熱ワイヤで覆われる特定の実施形態は、構造用途に対して使用されることもできる。
【0022】
本発明の主題のさらなる詳細および利点は、以下の文中の詳細な説明および例示的な実施形態の図面から明らかになるが、図面は、簡略化されて示され、縮尺どおりではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1によれば、相互に平行な直線で配置されている一群の加熱ワイヤ3を有するほぼ矩形の加熱領域2は、本質的に台形の(湾曲した)外形を有する加熱可能な複合窓ガラス1に知られている方法で埋め込まれている。この場合、窓ガラス1のほぼ半分のみが図示されており、他方の残り半分は同一である。加熱領域2は、さらに上部バスバー4および下部バスバー5を有し、これらのバスバーは、同様に、知られている方法で複合窓ガラスに埋め込まれている。この複合窓ガラスは、一般に、2つの剛性のガラスおよび/またはプラスチックの板と、1つの領域にわたってそれら板を結合する接着層とを含む。加熱領域およびバスバーが、窓ガラス複合体に積層される前に、接着層(例えば、ポリビニルブチラール「PVB」またはエチレン酢酸ビニール「EVA」から構成される、熱可塑性接着フィルム)に埋め込まれる。
【0024】
ワイヤ加熱複合窓ガラスの場合、バスバーは、一般に薄く細い金属のホイルストリップ(銅、アルミニウム)から成り、加熱ワイヤの適用の前および/または後に加えられる。ホイルストリップは、はんだでプレコート(予備メッキ)され、ワイヤにはんだ付けされる。はんだは、(タングステン)ワイヤが可能な限り密接に埋め込まれることを確実にする必要がある。これらの特徴は、従来技術で知られている。加熱ワイヤと比較して、すべのバスバーは、無視できる電気抵抗を有し、加熱システムの作動中に著しく加熱されてはならない。
【0025】
加熱ワイヤ間の距離は、ここでは概略的にのみ示している。一般に、ワイヤは、相互に極めて短い距離(2mmから5mm)で配置され、窓ガラス表面の実質的に均一な加熱を達成する。実際には、ワイヤは、また、バスバー4および5と比較してここで図示されているより大幅に細い。しかしながら、所定のワイヤ抵抗に対する単位面積当たりの有効加熱パワーレベルは、必要に応じて、それら間の距離の変化により設定されることができる。さらに、この場合の図は、簡略化のため、直線で配置されているワイヤのみを示している。しかし、実際には、ワイヤは、通常ではわずかに「しわ」になっており、すなわち、ワイヤは、短い波長および振幅を備える波形状で配置される。この理由は、これにより、ワイヤを視覚的にはるかに目立たないようにする(特に低減する光の回折効果)ためである。
【0026】
工業的な大規模製造において、シートは、ワイヤを備えて螺旋形に連続して配置され、少なくとも2つ以上のシートは、一般に同時にドラム形の1台の取付台に配置される(特に、最初に述べた、欧州特許第773705号明細書を参照)ため、ワイヤを縁に沿って切り取り、フィルムを分離する必要がある。窓ガラスの中心軸に対するワイヤの長手方向軸の小さな傾斜角は、ワイヤが螺旋形に配置されることから生じるが、簡略化のため、ここには図示されていない。
【0027】
2つ(またはそれ以上の)加熱領域2は、個別に電流供給されることができ、それ自体知られている方法で(例えば、窓ガラスの中心部で垂直分割されて)複合窓ガラス1に設けることができ、言うまでもなく、これら加熱領域は、別個の外部接続によってそれぞれの電圧源に接続されなければならない。この場合、共通の接地導体を両方の加熱領域に使用することができ、これにより、バスバー4またはバスバー5だけが、2つのセクションに細分される必要があり、同時に他方が、いずれの場合にも連続する。第1の変形例においては、4つの外部接続が必要とされ、第2の変形例では3つだけが必要とされる。
【0028】
従来技術ですでに何度も説明されているため、外部接続は、それ自体ここではさらに詳細に説明しない。いずれにせよ、図1に示されている構成では、複合窓ガラス1の下部コーナーの2つまたは下部コーナーの1つにおいて、物理的に近接するように接続を配置することが可能である。
【0029】
上部のバスバー4は、複合窓ガラス1の上部の湾曲縁と平行に延び、相互に近接する両方のコーナーで角をなし、次に、複合窓ガラス1の左側の短い側縁の長さの大部分にわたり周辺部4Sを備えて、それ自体知られている方法で、図で見られるとおり、短い側縁と平行に、下側のバスバー5にまで達する。下部のバスバーは、実質的に、窓ガラスの縁部からほぼ同一の一定の短い距離で、複合窓ガラスの下部の湾曲した縁部の長さ全体にわたって延びる。
【0030】
複合窓ガラスの右側(ここでは見えない)は、一般に、鏡像の形である。したがって、特定のワイヤの経路構成および配置についての詳細は、窓ガラス1の左側の三角形の側部の領域に対してのみ、以下の文中で常に説明される。
【0031】
側部の加熱ワイヤ6の一群は、複合窓ガラス1の加熱領域2の左側の、外側部の三角形領域内に配置されている。鎖線の垂直線は、中心の加熱領域2と側部のワイヤ6との間の境界線を表している。これらの長さは、右から左にハープ形状で減少する。したがって、同一材料から作製される場合、より短いワイヤはより低い電気抵抗を有する。
【0032】
本発明による複合窓ガラスは、直列に接続され、且つ相互に平行に延在する能動加熱ワイヤの3つのグループで、左側の外側の三角形領域において覆われる(説明のため、グループは鎖線の楕円により結合される)。好ましくは、これらの加熱ワイヤは、すべて同一材料から構成される。しかし、局所的な加熱パワーのレベルにより良好に一致させるために、材料の変更も可能である。ただし、上述の製造技術の観点から、ワイヤの設置における材料の変更は極めて複雑である。
【0033】
中心の加熱領域2と複合窓ガラス1の側部領域との間の鎖線の分離線の左に対して、相対的にまだ長く、かつバスバー4の周辺部4Sと頂点で電気的に接続されている、加熱ワイヤの第1のグループ6.1がまず存在する(この例では、5本のワイヤがある)。下部の端部は、バスバー5から電気的に無関係であり、特にそれ自体の外部接続を備えていない、追加のバスバー部分7と電気的に接続される。バスバー7は、バスバー5から少し離れてバスバー5と平行に延在し、底部(部分7)から別の分離したバスバー部分8に延びる、加熱ワイヤの第2のグループ6.2(この場合では4本のワイヤを備える中間の長さの)へのグループ6.1における電流の流れに対する接続線としてのみ使用される。
【0034】
バスバー部分8は、窓ガラス1の左側の縁部に沿って、周辺部4Sと軸方向に整列して配置され、いわば、電気的に直接接続される必要なく、その延長部分を形成する。しかし、部分7と同様に、バスバー部分8も、それ自体の電気的な外部接続を備えていない。バスバー部分8は、異なるグループにおける2つの加熱ワイヤ間の分離点Tにおいて、図1に示されているとおり、長い周辺部4Sを切断することにより容易に生成される。この分離点はまた、図では誇張した幅で示されている。
【0035】
加熱ワイヤの第3のグループ6.3は、バスバー部分8からバスバー5に極めて短く延びるだけであり、これにより直列回路の最終リンクを形成する。
【0036】
ワイヤを通る加熱電流が、バスバー4からバスバー5に流れると仮定すると、加熱電流は、グループ6.1においては上部から底部(バスバー7)に、グループ6.2では上方向(バスバー8)に、グループ6.3では再度上部から底部に流れる。
【0037】
3つのグループの側部の加熱ワイヤに流れる全体電流は、最大の電気抵抗を有するグループにより左右される。グループの抵抗全体は、ワイヤの長さだけではなく、グループ内のワイヤの数、および場合により単位長さ当たりのワイヤ抵抗にも応じるため、当業者は、必要に応じて、グループ6.1から6.3を意図的に結合することにより、この領域において極めて均一な加熱を非常に容易に達成できる。さらに、言うまでもなく、それ自体知られている種類の分離点により、グループ6.1、6.2、および/または6.3において、加熱パワーに寄与しない1つ以上の受動ワイヤを生成することも可能である。
【0038】
同一のワイヤ材料および同一数の能動加熱ワイヤを使用して、3つのすべてのグループを生成する場合、最長のワイヤを備えるグループ6.1が、また最大抵抗を有することは言うまでもなく、これにより所定の電圧に対する電流全体を支配し、特にこの抵抗は、グループ6.3の抵抗よりも大幅に大きい。
【0039】
図1に示されている試験的な窓ガラスは、加熱領域2において、抵抗150Ω/mの加熱ワイヤ3、および抵抗100Ω/mの側部の加熱ワイヤ6を備えて製造される。側部の加熱ワイヤは、加熱ワイヤ3よりも単位長さ当たりの抵抗が小さい。これは、サーモグラフィから明らかであり、サーモグラフィは、この3つのグループへの細分により、加熱領域2を備える三角形の領域の極めて優れた均一化が可能となったことを示した(選択された配置において、明らかに単に温かくなることさえ不十分な電流を流している、外側のグループ6.3を除く)。
【0040】
それにもかかわらず、3つのグループの抵抗が相互に同一である構成は、さらに、同一の加熱パワーがすべての場所で放出されることを必要としない。
【0041】
図1に示されている実施形態の変形形態として、図2には、平行な加熱ワイヤの2つのグループ6.1および6.2のみへの細分化が示されている。この構成は、バスバー5から少し離れて平行に延在する、単一の追加バスバー7のみを必要とする。しかし、これは、上部のバスバーの周辺部4Sと同じように、周辺部5Sにより複合窓ガラス1の下部の左側のコーナー近くへのバスバー5までの延長(またはグループ6.2のワイヤの上部端が、バスバー5に低抵抗で一緒に接続されることによる、ある同等の手段)を必要とする。
【0042】
本発明の例示的な実施形態においては、2つの周辺部4Sおよび5Sは、同一軸上で延び、複合窓ガラス1上またはその側縁上のほぼ中間の高さで相互に近接して終わる。必要に応じて、2つのバスバー4/4Sおよび5/5Sに対する外部接続は、隙間Tの両側で、この点で相互に直接に並んで配置されることができる。
【0043】
しかし、この場合には、同様に、バスバー4および5に対する外部接続が、窓ガラス1の下部または上部のコーナーに配置されることが(図とは異なり)可能である。この目的のために、例として、図1の周辺部4Sは、追加のバスバー8に平行に延長されなければならず、図2では、左側の下部のコーナーまで、周辺部5Sと平行に延長されなければならない。
【0044】
図1で示されている構成と同様に、グループ6.1は、周辺部4Sから始まり、追加のバスバー部分7で終わる。この点から始まり、第2のグループ6.2は、再度上向きに延在し、周辺部5Sで終わる。これはまた、バスバー4からバスバー5に電流が流れることを再度仮定すると、電流についても言える。グループ6.1では下向きに流れ、グループ6.2では上向きに流れる。
【0045】
図2の2つのグループ6.1および6.2の構成の詳細は、図1のグループ6.1から6.3に対してすでに説明された構成と同一である。再度、側部の加熱ワイヤ6は、わずか抵抗100Ω/m、および加熱ワイヤ3は150Ω/mで構成される。
【0046】
すべてのサンプルのサーモグラフィにおける最良の結果は、図2で示される実施形態で達成される。これにより、加熱パワーのほぼ完全な均一化が、複合加熱窓ガラスの表面全体にわたって達成され、厳密に言えば、および4分および8分の両方の加熱持続期間後に達する。12Vでの定格パワーは、477W(電流全体ではほぼ41A)であり、したがって、顧客の仕様内に完全に入る。許容できない熱ピークは、いずれの点でも発生しない。
【0047】
ワイヤの設置の方法に関しては、さらに上述のとおり、言うまでもなく、図1および図2における追加のバスバー7をバスバー5に直接接続することができるワイヤを、切断する必要があることに留意されたい。必要に応じて、関連する短い部分は、一度切断されると、複合ガラスから完全に除去されることができる。これはまた、実際には、7と5の間の狭い空間において、2つの図で簡略化のために図示されているとおり、ワイヤが存在しない外観になる。
【0048】
複合窓ガラス1の縁部、したがってまたバスバー4および5、ならびに7および8は、必要に応じて、窓ガラスの縁部を超えて外側に突出する外部接続は、知られている方法で不透明の着色枠で覆われることができるが、この枠は、バスバーを確認できるようにここでは図示されていない。
【0049】
最終的に、電気的な外部接続は、加熱の目的ではバスバー部分7および8については必要とされないが、例えば、複合窓ガラスが(付加的に)アンテナ窓ガラスとして使用される場合、例えばバスバー4および5およびそれらの周辺部におけるのと同様に、多様な用途のために、これらの追加バスバーを使用してアンテナ電位を取り出すこともできることに留意されたい。例として、バスバー5と別個の外部接続は、外側からバスバー7と接触するために、それ自体知られている方法で、バスバー5から絶縁されて、バスバー5と交差しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】相互に平行な加熱ワイヤの3つのグループが、外側部の三角形領域で電圧ディバイダとして相互に直列に接続される、複合窓ガラスの第1の実施形態である。
【図2】第1実施形態の変形形態であり、平行な加熱ワイヤの2つのグループは、外側部の三角形領域で電圧ディバイダとして相互に直列に接続される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台形外形を有する加熱可能な複合窓ガラス(1)であり、
該複合窓ガラス(1)が、
複合窓ガラスに埋め込まれ、かつ相互に並んで配置された加熱ワイヤ(3)から形成される、加熱領域(2)と、
相互に電気的に並列な多数の加熱ワイヤ(3)の端部を接続し、かつ複合窓ガラス(1)の側縁に沿って反対側に配置された、少なくとも2本のバスバー(4、5)とを有し、
前記バスバー(4、5)が、相互に平行に延在し、少なくとも1本のバスバー(4S、5S、8)が、また台形外形の外側部の三角形表面の領域で側縁に沿って延び、この場合に、台形外形の少なくとも1つの外側部の三角形表面が、さらに別の加熱ワイヤ(6)により占められ、該別の加熱ワイヤ(6)が、バスバー(4S、5、5S、8)を通して給電されることができ、かつ相互に、ならびに加熱領域(2)の加熱ワイヤ(3)とほぼ平行に延び、相互に電気的に直列に接続される加熱ワイヤの少なくとも2つのグループが、さらに設けられる、加熱可能な複合窓ガラス(1)あって、
少なくとも1つの外側部の三角形表面の領域において、相互に並んで平行に配置されかつ異なる長さを有する加熱ワイヤ(6)が、並列に接続されるグループ(6.1、6.2、6.3)を生成するように結合されることと、該グループのうちの少なくとも2つが、三角形表面の加熱パワーを加熱領域(2)の加熱パワーと均一化するために、2本の主バスバー間の有効ワイヤ長さが、増加されるように、相互に電気的に直列に接続されることとを特徴とする、加熱可能な複合窓ガラス(1)。
【請求項2】
追加のバスバー(7、8)が、いずれの場合にも2つのグループ(6.1、6.2、6.2、6.3)の間で接続体として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項3】
追加のバスバー(7、8)が、バスバー(4Sおよび/または5)と平行に配置される、請求項2に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項4】
個々のグループ(6.1、6.2、6.3)におけるワイヤの数が、異なるかまたは同一である、請求項1、2、または3に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項5】
2つのバスバー(4、5)の周辺部(4S、5S)が、さらに、台形外形の外側部の三角形表面の領域で少なくとも1つの側縁に沿って延びて、分離点(T)の両側で終わる、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項6】
2つのバスバー(4、5)の外部接続が、分離点(T)の両側の周辺部(4S、5S)の自由端の領域に配置されている、請求項5に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項7】
少なくとも2つのバスバー(4、5)の外部接続が、複合窓ガラスのコーナーに近い物理的に近接した形で接続されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項8】
バスバー(4、5)の少なくとも1つが、それぞれ外部接続を有する2つの電気的に分離した部分に細分されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項9】
外側部の加熱ワイヤ(6)が、中心の加熱領域(2)の加熱ワイヤ(3)とは異なる単位長さ当たりの電気抵抗を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項10】
外側部の加熱ワイヤ(6)が、中心の加熱領域(2)の加熱ワイヤ(3)より高い電気抵抗を有する、請求項9に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項11】
外側部の加熱ワイヤ(6)が、中心の加熱領域(2)の加熱ワイヤ(3)より低い電気抵抗を有する、請求項9に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項12】
1本以上の側部の加熱ワイヤ(6)が、加熱パワーに寄与しない1本以上の受動ワイヤを生成するために切断される、請求項1から11のいずれか一項に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項13】
加熱ワイヤ(3、6)が、螺旋形で装着シートに配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項14】
加熱ワイヤ(3、6)が、本質的に直線である長手方向軸に対して短い波形および振幅を有する波状にされる、請求項1から13のいずれか一項に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項15】
1つ以上のバスバー(4、5、4S、5S、7、8)が、アンテナ接続点で外部接続を備えていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項16】
縁部領域が、特に光学的にバスバーを覆う、不透明な着色ストリップを備えている、請求項1から15のいずれか一項に記載の加熱可能な複合窓ガラス。
【請求項17】
自動車において、特に前面ガラスおよび後面ガラスとして、請求項1から16のいずれか一項に記載の加熱複合窓ガラスの使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2007−510610(P2007−510610A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537370(P2006−537370)
【出願日】平成16年11月3日(2004.11.3)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002818
【国際公開番号】WO2005/048656
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(399052888)サン−ゴバン グラス フランス (23)
【Fターム(参考)】