説明

加熱調理器

【課題】上部調理用加熱源による被調理物の焼き性能を低下させることなく、グリル庫内の清掃が容易に行える加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器2は、被調理物を収容するグリル庫3の天井部31に上部調理用加熱源41を備え、グリル庫3内の上部は、上部調理用加熱源41の下に熱板7aが設けられて上部調理用加熱源41が収納された収納室36となっており、熱板7aには、上部調理用加熱源41から下方への輻射熱を透過させる透孔71aが少なくとも上部調理用加熱源41の放熱部分に対向して形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚などの被調理物を加熱調理する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の加熱調理器として、例えば、ガスコンロに備えるグリルのようにグリル庫内の天井部に上火バーナ等の上部調理用加熱源を設けたものがある。このようなグリルは、グリル庫内を掃除するとき、グリル庫内の上部に上部調理用加熱源が露出しているため、この上部調理用加熱源に布巾が引っ掛かる等して掃除するのが困難であった。
【0003】
ところで、ガスグリルにおいて、上火バーナと焼網との間に上火バーナからの輻射を遮る輻射防止板を設けたものがある(特許文献1)。このガスグリルは、焼網に載せた被調理物に対して上火バーナからの輻射熱を遮ってグリル庫内にこもる燃焼排気の熱により加熱調理する(特許文献1の段落0005等)。
また、過熱蒸気で加熱調理を行う蒸気調理器ではあるが、加熱室の天井裏の空間に気体昇温ヒータを配設し、複数の噴気孔が形成されたパネルを天井に設けたものがある(特許文献2)。この蒸気調理器は、気体昇温ヒータにより昇温させた過熱蒸気をパネルの噴気孔から加熱室内に噴出させて加熱調理を行うが、蒸気なしで気体昇温ヒータを発熱させてパネルを加熱することでこのパネルによって加熱室内に輻射放熱させて加熱調理を行えるようにしている(特許文献2の段落0093等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−111053号公報
【特許文献2】特開2006−132929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、特許文献1、2の加熱調理器では、グリル庫内の上部は、板体(上記輻射防止板又は上記パネル)によって上部調理用加熱源が露出されてないから、グリル庫内の上部も容易に清掃することができる。しかしながら、上記板体の設置によって上部調理用加熱源からの輻射熱を被調理物の加熱調理に利用することが困難であった。
【0006】
すなわち、特許文献1における輻射防止板には、複数の小孔(孔2b)が設けられているが、この小孔は、グリル庫内の燃焼排気が上部に溜まるよう通過させるために設けた孔であり、上部調理用加熱源(バーナ40)からの輻射熱を十分に通過させるものではない(特許文献1の段落0011)。また、特許文献2におけるパネルにも、複数の噴気孔(噴気孔43)が設けられているが、この噴気孔は、過熱蒸気が被調理物に衝突するように過熱蒸気を勢い良く下方向に噴出させるために設けた孔であり(特許文献2の段落0078)、上部調理用加熱源(気体昇温ヒータ41)からの輻射熱を十分に通過させることができない。従って、これらの加熱調理器は、板体によって上部調理用加熱源からの輻射熱の大部分が遮られてしまうため、被調理物に焦げ目が付くような焼き性能は期待できない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上部調理用加熱源による被調理物の焼き性能を低下させることなく、グリル庫内の清掃が容易に行える加熱調理器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る加熱調理器は、
被調理物を収容するグリル庫の天井部に上部調理用加熱源を備える加熱調理器において、
グリル庫内の上部は、上部調理用加熱源の下に熱板が設けられて上部調理用加熱源が収納された収納室となっており、
熱板には、上部調理用加熱源から下方への輻射熱を透過させる透孔が少なくとも上部調理用加熱源の放熱部分に対向して形成されている。
【0009】
上記構成より、上部調理用加熱源は、熱板で覆われてグリル庫内に露出されないから、グリル庫内の上部が熱板によって平滑に構成される。従って、グリル庫内を清掃するときに布巾が上部調理用加熱源に引っ掛かったり等しないからグリル庫内の上部を容易に清掃することができる。しかも、熱板には、少なくとも上部調理用加熱源の形状に沿って透孔が形成されているので、この透孔から上部調理用加熱源による輻射熱を被調理物に向けて放熱させて被調理物を表面に焦げ目が付くよう良好に加熱調理することができる。
【0010】
上部調理用加熱源は、線状の電気ヒータで構成され、
熱板には、電気ヒータの直径よりも大径の透孔が複数形成されていることが望ましい。
これにより、熱板によってグリル庫内の上部の清掃性を向上することができ、且つ熱板の透孔から電気ヒータによる輻射熱を被調理物に向けて確実に放熱させて被調理物を表面に焦げ目が付くよう良好に加熱調理することができる。
【0011】
上部調理用加熱源は、ガスバーナで構成され、
熱板には、ガスバーナの放熱部分に沿って開口させた透孔が形成されているものでもよい。
この場合も、熱板によってグリル庫内の上部の清掃性を向上することができ、且つ熱板の透孔からガスバーナによる輻射熱を被調理物に向けて確実に放熱させて被調理物を表面に焦げ目が付くよう良好に加熱調理することができる。
【0012】
また、上部調理用加熱源がガスバーナで構成される場合、
熱板には、グリル庫外から収納室内に外部空気を導入するための空気取入口が設けられているのが望ましい。
これにより、外部空気を燃焼用空気としてガスバーナに供給してガスバーナの燃焼を良好に行うことができる。しかも、上記燃焼用空気をグリル庫内を介さずに収納室内に導入するので、燃焼用空気によるグリル庫内の温度低下を防止することができ、被調理物の加熱調理を良好に行うことができる。
【0013】
上記加熱調理器は、被調理物から発生する油煙を排出する排気通路が収納室から導出されているのが望ましい。
これにより、被調理物を収容するグリル庫内の壁面には排気通路が接続されないから、グリル庫内の壁面をより平滑に構成することができ、グリル庫内の清掃性をさらに向上することができる。しかも、グリル庫内の被調理物から発生した油煙は、熱板の各透孔から収納室に導入されて上部調理用加熱源で燃焼され、脱煙・脱臭化されて排気通路から外部へ排出することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明に係る加熱調理器によれば、熱板を上記構成とすることにより、上部調理用加熱源からの輻射熱を下方の被調理物へ十分に放熱させることができ、且つグリル庫内の上部も容易に清掃することができる。従って、上部調理用加熱源による被調理物の焼き性能を低下させずに、グリル庫内の清掃性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1に係るグリル装置を備えるガスコンロの全体構成を示す断面図である。
【図2】実施形態1に係るグリル装置の部分構成を示す分解斜視図である。
【図3】実施形態1に係るグリル装置に用いる熱板の平面図である。
【図4】実施形態1に係るグリル装置に用いる熱板の斜視図である。
【図5】実施形態2に係るグリル装置を備えるガスコンロの全体構成を示す断面図である。
【図6】実施形態2に係るグリル装置に用いる熱板の斜視図である。
【図7】実施形態3に係るグリル装置に用いる熱板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
図1に示すように、実施形態1のグリル装置2は、システムキッチンのカウンタトップC内に埋設して使用するビルトイン式のガスコンロ1に組み込まれた後方排気式のグリル装置である。グリル装置2は、ガスコンロ1の内部に設けられており、魚などの被調理物を加熱調理するためのグリル庫3と、このグリル庫3の天井部31に組み付けられている上部電気ヒータ(上部調理用加熱源)41と、グリル庫3の底面部32に組み付けられている下部電気ヒータ(下部調理用加熱源)51とを備えている。グリル庫3の前面には、開閉自在なグリル扉33が取り付けられており、このグリル扉33を前後に摺動させてグリル庫3の前面開口部を開閉させる。グリル庫3内には、グリル皿6が配置され、グリル皿6に置かれる被調理物を上部電気ヒータ41及び下部電気ヒータ51によって加熱調理する。グリル皿6は、グリル扉33に取り付けられた支持枠体9に支持されており、グリル扉33を前後に移動させることでグリル庫3から出し入れされる。
【0017】
グリル庫3は、前面が開口された略直方体形状であり、スチール製の薄板で形成されている。グリル庫3の内壁面は、付着した汚れを直ぐに拭き取れるようにするためにフッ素コートや触媒塗装を施すことが好ましい。また、グリル庫3の内壁部材は、強度に優れるステンレスで構成することが好ましい。
【0018】
上部電気ヒータ41は、蛇行状に湾曲させたシーズヒータ(例えば、AC100V電源で消費電力700W)で構成され、グリル庫3の天井部31に近接して配置されている。上部電気ヒータ41は、例えば直径が6.5mmのものが使用されている。上部電気ヒータ41を発熱させると、上部電気ヒータ41からの輻射熱でグリル皿6に載せた被調理物が上方から加熱される。
【0019】
下部電気ヒータ51は、蛇行又は円形に曲げたシーズヒータ(例えば、AC100V電源で消費電力700W)で構成されている。下部電気ヒータ51の上方には、下部電気ヒータ51によって加熱される平面放熱体52が配置されている。平面放熱体52は、アルミニウム、アルミ合金、銅、銅合金など熱伝導性の優れた金属を鋳込んだ鋳物で形成されている。平面放熱体52は、下部電気ヒータ51を覆い、グリル庫3の底面部32に形成した開口部35を覆う大きさを有する円板状に形成されている。従って、下部電気ヒータ51は、平面放熱体52により完全に覆われてグリル庫3内に露出しないように底面部32の下方に配置され、平面放熱体52の上面のみがグリル庫3内に露出されている。平面放熱体52は、上面が平面となっており、その上面とグリル庫3の底面部32との間に段差が形成されないように設けられている。
【0020】
グリル庫3内に配置されるグリル皿6は、アルミニウム製の鋳物で構成されており、全体として浅い矩形の皿状に形成されている。グリル皿6は、その底面を平面放熱体52と接触するようになっている。なお、平面放熱体52の中央部には、グリル皿6の底面の温度を検出する第1温度センサ53が設けられており、また、平面放熱体52の下面には、平面放熱体52の温度を検出する第2温度センサ54が設けられている。
【0021】
ところで、このグリル装置2において、グリル庫3の上部は、上部電気ヒータ41の直下に熱板7aが設けられて、この熱板7aによって上部電気ヒータ41が収納される収納室36となっている。従って、熱板7aによって上部電気ヒータ41がグリル庫3内の上部に露出されないので、グリル庫3内を清掃するときに布巾が上部電気ヒータ41に引っ掛かったり等しないからグリル庫3内の上部を容易に清掃することができる。
【0022】
図2〜図4に示すように、熱板7aは、長方形状をしており、上部電気ヒータ41の蛇行形状に沿って多数の円形の透孔71aが密に形成されている。各透孔71aの大きさは、上部電気ヒータ41の直径よりもやや大きく、人の指が引っかからない程度の大きさに形成される。例えば、上部電気ヒータ41の直径が6.5mmであれば、透孔71aの孔径を8mmとすることが好ましい。透孔71aをこのような大きさにすることで、上部電気ヒータ41から下方へ向かうほとんどの輻射熱が各透孔71aから通過して下方のグリル庫3内に放熱される。なお、各透孔71aの形状は、円形に限らず、六角形や八角形など多角形状でもよい。例えば、透孔71aの形状を六角形とする場合は、対向する辺間の距離が上部電気ヒータ41の直径よりも大きくすることが好ましい。
【0023】
このように、熱板7aには、上部電気ヒータ41の蛇行形状に沿って多数の透孔71aが形成され、かつ、各透孔71aの孔径が上部電気ヒータ41の直径より大きいので、上部電気ヒータ41の輻射熱は、熱板7aによって遮られることがなく、各透孔71aから通過してグリル庫3内に放熱される。従って、上部電気ヒータ41の輻射熱によってグリル皿6上の被調理物を表面に焦げ目が付くように十分に加熱調理することができる。
【0024】
また、熱板7aの透孔71aは、上部電気ヒータ41と対向しない部分には形成されていないから、グリル庫3内で被調理物から飛び散った脂などが収納室36内に入り込むのを阻止することができ、収納室36内及び上部電気ヒータ41が汚れ難くなっている。なお、熱板7aは、放熱性に優れるステンレス、アルミニウム等の金属製で形成されている。また、熱板7aの表面には黒色塗装を施すことが好ましく、黒色塗装を施すことにより遠赤外線よる放熱効果が得られ、被調理物の加熱調理を良好に行える。
【0025】
また、排気通路8は、収納室36の後部に接続されて天板11の後部上面に形成する排気口に連通されている(図1参照)。収納室36と排気通路8との間の仕切板81には、複数の排気導出孔82が形成されている(図2参照)。また、仕切板81の後方側(排気通路8側)には、触媒(図示せず)が配置されている。従って、グリル庫3内で加熱調理中の被調理物から発生した油煙は、熱板7aの各透孔71aから収納室36に流れ込み、上部電気ヒータ41で燃焼された後、さらに触媒(図示せず)と反応して脱煙・脱臭化されて排気通路8から外部へ排気することができる。
【0026】
以上の実施形態1のグリル装置2によれば、上部電気ヒータ41は熱板7aで覆われてグリル庫3内に露出されず、グリル庫3内の上部が熱板7aによって平滑に構成される。下部電気ヒータ51も平面放熱体52で覆われてグリル庫3内に露出されず、グリル庫3の底面が底面部32と平面放熱体52とによって平滑に構成される。また、排気通路8は、収納室36に接続されるので、グリル庫3内の後壁も平滑に構成される。従って、グリル庫3内は、上下左右、後ろの各壁面が略平滑に構成されるので、グリル庫3内を布巾等で容易に清掃することができ、グリル庫3内の清掃性を向上することができる。しかも、熱板7aには、上部電気ヒータ41の形状に沿って多数の透孔71aが形成されているので、これら透孔71aから上部電気ヒータ41による輻射熱を被調理物に向けて良好に放熱させて被調理物を表面に焦げ目が付くよう良好に加熱調理することができる。
【0027】
(実施形態2)
図5に示すように、実施形態2に係るグリル装置2Aは、上部調理用加熱源としてU字状に形成したガスバーナ42で構成される。このガスバーナ42は、多数の炎孔を形成したセラミック製の燃焼板(図示せず)を有する表面燃焼式のガスバーナであり、燃焼板を下方に向けた姿勢でグリル庫3の天井部31に組み付けられている。このガスバーナ42を燃焼させると、燃焼板が赤熱し、燃焼板からの輻射熱でグリル皿6に載せた被調理物が上方から加熱される。
【0028】
このグリル装置2Aも、ガスバーナ42の直下に熱板7bが配置され、グリル庫3の上部は、ガスバーナ42が収納される収納室36となっている。図6に示すように、熱板7bは、長方形状をしており、略全面に多数の六角形の透孔71bがハニカム状に密に形成されている。
【0029】
各透孔71bの大きさは、人の指が引っかからない程度の大きさであって、被調理物から飛び散った脂などが収納室36に入り難い大きさ、例えば、対向する辺の間の距離を6mmとすることが好ましい。なお、透孔71bの形状は、円形でもよく、この場合、透孔71bの孔径を8mmとすることが好ましい。このような熱板7bによれば、ガスバーナ42からの輻射熱を各透孔71bから良好に下方のグリル庫3内に放熱させつつ、被調理物から飛び散った脂などが収納室36内に侵入することを防止することができる。
【0030】
熱板7bは、対向する長辺部分にそれぞれ上方に立ち上がる突出片72bが形成され、この突出片72bに長孔73bが複数形成されている。これら長孔73bは、グリル庫3外から収納室36内に外部空気を導入する空気取入口となる。これにより、長孔73bから導入される外部空気が燃焼用空気としてガスバーナ42に供給されてガスバーナ42の燃焼を良好に行なうことができる。しかも、ガスバーナ42の燃焼用空気をグリル庫3内を介さずに収納室36内に導入するので、グリル庫3内の温度が燃焼用空気により低下されることを防止でき、被調理物の加熱調理を良好に行なうことができる。
【0031】
熱板7bにおける突出片72bの根元付近には複数の長孔74bが形成されており、透孔71bの他に各長孔74bからもグリル庫3内の被調理物から発生した油煙を収納室36内へ流れ込ませるようにしている。また、熱板7bには、収納室36と排気通路8との間を仕切る仕切部75bが形成され、この仕切部75bには、大きく開口した排気導出孔82bが形成されている。排気通路8における仕切部75bの近くの下部には、被調理物から発生した油煙を焼き切って脱煙・脱臭化するためのアフターバーナ82(図5参照)が配置されている。アフターバーナ82は、ガスバーナ42と同様の表面燃焼式ガスバーナで構成されている。従って、グリル庫3内で加熱調理中の被調理物から発生した油煙は、熱板7bの各透孔71b及び各長孔74bから収納室36に流れ込んでガスバーナ42で燃焼された後、さらにアフターバーナ83に燃焼されて脱煙・脱臭化されて排気通路8から外部へ排出することができる。
【0032】
以上の実施形態2に係るグリル装置2Aによっても、ガスバーナ42がグリル庫3内の上部で露出することがなく熱板7bで覆われた状態となり、グリル庫3内は、上下左右、後ろの各壁面が略平滑に構成されるので、グリル庫3内を布巾等で容易に清掃することができ、グリル庫3内の清掃性を向上することができる。しかも、熱板7bには、略全面に多数の透孔71bが形成されているので、これら透孔71bからガスバーナ42による輻射熱を被調理物に向けて良好に放熱させて被調理物を表面に焦げ目が付くよう良好に加熱調理することができる。なお、実施形態2のグリル装置2Aにおいて、上述以外の構成及び作用効果は実施形態1のグリル装置2と同様である。
【0033】
(実施形態3)
実施形態2に係るグリル装置2Aでは、熱板7bは多数の透孔71bが略全面に形成されたものとしたが、実施形態3では、図7に示すように、ガスバーナ42のU字状に配置させたセラミック製の燃焼板の形状に合わせたU字状の透孔71cを1つ形成した熱板7cを用いる。図7中、符号72cは突出片であり、符号73cは外部空気を燃焼用空気として収納室36内のガスバーナ42に導入する空気取入口となる長孔であり、符号74cはグリル庫3内の被調理物から発生した油煙を収納室36へ流れ込ませる長孔である。なお、本実施形態3に係るグリル装置の構成は、この熱板7cを除き、実施形態2のグリル装置2Aと同じである。
【0034】
実施形態3における熱板7cによれば、ガスバーナ42をグリル庫3内に露出させないから容易に清掃することができ、且つガスバーナ42からの輻射熱の全てを透孔71cから良好にグリル庫3内の被調理物へ放熱させつつ、被調理物から飛び散った脂などが収納室36内に侵入することを防止できる。なお、この熱板7cは、1つの透孔71cを設けるが、ガスバーナ42におけるU字状の燃焼板の形状に合わせて多数の透孔を設けるようにしてもよい。
【0035】
(その他)
なお、本発明に係るグリル装置は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。例えば、上部調理用加熱源を備えるが、下部調理用加熱源を備えないグリル等の加熱調理器であってもよい。
また、上記実施形態に係るグリル装置は、ガスコンロに組み込まれたものであったが、IHコンロなどの各種の調理器に組み込まれたものでもよく、また、独立に設置されるグリル装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0036】
1 ガスコンロ
2 グリル装置(加熱調理器)
3 グリル庫
6 グリル皿
7a,7b,7c 熱板
8 排気通路
31 天井部
32 底面部
36 収納室
41 上部電気ヒータ(上部調理用加熱源)
42 ガスバーナ(上部調理用加熱源)
51 下部電気ヒータ(下部調理用加熱源)
52 平面放熱体
71a,71b,71c 透孔
73b,73c 長孔(空気取入口)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収容するグリル庫の天井部に上部調理用加熱源を備える加熱調理器において、
グリル庫内の上部は、上部調理用加熱源の下に熱板が設けられて上部調理用加熱源が収納された収納室となっており、
熱板には、上部調理用加熱源から下方への輻射熱を透過させる透孔が少なくとも上部調理用加熱源の放熱部分に対向して形成されている加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
上部調理用加熱源は、線状の電気ヒータで構成され、
熱板には、電気ヒータの直径よりも大径の透孔が複数形成されている加熱調理器。
【請求項3】
請求項1に記載の加熱調理器において、
上部調理用加熱源は、ガスバーナで構成され、
熱板には、ガスバーナの放熱部分に沿って開口させた透孔が形成されている加熱調理器。
【請求項4】
請求項3に記載の加熱調理器において、
熱板には、グリル庫外から収納室内に外部空気を導入するための空気取入口が設けられている加熱調理器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱調理器において、
被調理物から発生する油煙を排出する排気通路が収納室から導出されている加熱調理器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−200302(P2012−200302A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65259(P2011−65259)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】