加熱調理器
【課題】加熱することにより油が浸出する調理物や、載置時に食品カスが発生する調理物を加熱調理しても、発煙や焦げ臭の発生を抑えられるとともに、調理物の下側に効率よく熱を加えることができるようにする。
【解決手段】調理室2内に着脱自在な載置台6の上方に、上部加熱手段8を配置し、調理室の載置台エリアの外側には赤外線を発生する赤外線加熱手段9を配置し、赤外線加熱手段の周りにはこの赤外線加熱手段の発生する赤外線を載置台エリア側に向けて反射させる反射部10を形成し、さらに調理室内に着脱可能な下側反射部材11を設け、載置台に載置された調理物5を、上部加熱手段と赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する際に、反射部材により、赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び反射部で反射した赤外線を、載置台の下面に向け反射させる。
【解決手段】調理室2内に着脱自在な載置台6の上方に、上部加熱手段8を配置し、調理室の載置台エリアの外側には赤外線を発生する赤外線加熱手段9を配置し、赤外線加熱手段の周りにはこの赤外線加熱手段の発生する赤外線を載置台エリア側に向けて反射させる反射部10を形成し、さらに調理室内に着脱可能な下側反射部材11を設け、載置台に載置された調理物5を、上部加熱手段と赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する際に、反射部材により、赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び反射部で反射した赤外線を、載置台の下面に向け反射させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線を発生する加熱手段を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の赤外線を発生する加熱手段を備えた加熱調理器としては、調理物を収納する調理室と、調理室内上部及び下部に設けられ、赤外線を発生する一対の加熱手段と、前記調理室内の前記一対の加熱手段の中間に設けられた焼き網とを備え、前記一対の加熱手段の発生する赤外線により、前記焼き網上に載置された調理物を上下から加熱調理するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の赤外線を発生する加熱手段とマイクロ波加熱手段とを備えた加熱調理器としては、調理物を収納する調理室と、調理室上面外側に設けられた上部加熱手段と、調理室の背面後方に形成された空間内下部に設けられて波長0.4〜0.8μmの可視光線を発する背面加熱手段と、前記調理室の背面下部に設けられ、前記背面加熱手段の発する光を前記調理室に入射させるための複数の孔と、前記調理室内に設けられ、底面から所定の高さの位置に調理物を載置する焼き網とを備え、前記背面加熱手段から前記調理室内に入射した光によって前記調理室の底面を照らすとともに、底面で反射した光により前記焼き網の上に載置された調理物の下側を加熱調理するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3596440号公報(図1)
【特許文献2】特開2007-327676号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、調理室内上部及び下部に赤外線を発生する加熱手段を備えた加熱調理器にあっては、焼き網の上に載置された調理物が下側の加熱手段の上に位置するため、加熱することにより油が浸出する調理物や載置時に食品カスが発生する調理物を加熱調理する場合は、これらが高温状態にある前記下側の加熱手段上に落ちて焼けるため、発煙や焦げ臭が生じる。
【0006】
また、赤外線を発生する加熱手段とマイクロ波加熱手段とを備えた加熱調理器にあっては、調理室内に入射した背面加熱手段からの光が調理室内を進むにしたがって拡散するため、調理室の底面で反射して調理物の下側に到達する光量の割合が小さくなる。このため、調理物の下側を効率よく加熱できず、十分に加熱調理するのに長い時間を要する。
【0007】
また、上部加熱手段と背面加熱手段に同時に通電する場合、調理物の下側に加えられる熱量が調理物の上側に加えられる熱量よりも小さくなり、調理物が上下不均一に加熱され、調理物の調理の仕上がりが悪くなる。
【0008】
本発明の技術的課題は、加熱することにより油が浸出する調理物や、載置時に食品カスが発生する調理物を加熱調理しても、発煙や焦げ臭の発生を抑えられるとともに、調理物の下側に効率よく熱を加えることで、調理物に対する上下均一な加熱を可能ならしめるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る加熱調理器は、下記の構成からなるものである。すなわち、調理物を収納する調理室と、調理室内に着脱自在に設けられ、調理物を載置する載置台と、調理室内の載置台上方に配置された上部加熱手段と、調理室の載置台エリアの外側に配置され、赤外線を発生する赤外線加熱手段と、赤外線加熱手段の周りに形成され、この赤外線加熱手段の発生する赤外線を載置台エリア側に向けて反射させる反射部とを備え、載置台に載置された調理物を、上部加熱手段と赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する加熱調理器において、調理室内に着脱可能な反射部材を設け、この反射部材により、加熱調理時に赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び反射部で反射した赤外線を、載置台の下面に向け反射させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の加熱調理器によれば、赤外線加熱手段を調理室の載置台エリアの外側に配置しているので、調理物から油や食品カスが落下しても、これらが赤外線加熱手段上に落ちることはなく、加熱調理時の発煙や焦げ臭の発生を抑えることができ、調理後の清掃性も向上する。さらに、調理室内に着脱可能な反射部材を設け、赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び反射部で反射した赤外線を、載置台の下面に向け反射させるようにしているので、この反射部材により調理物の下側に効率よく熱を加えることができる。このため、調理物に対する上下均一な加熱が可能となり、調理時間が短く、調理の仕上りの良い加熱調理器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の載置台と下側反射部材の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の載置台と下側反射部材の組付体を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の調理室から載置台と下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の調理室から載置台と下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の調理室から載置台と下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の載置台と上側反射部材及び下側反射部材の組付体を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室から載置台と上側反射部材及び下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室から載置台と上側反射部材及び下側反射部材を取り外し、さらにドアを外した状態の調理室内部を示す正面図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図14】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置し、ドアは外した状態の調理室内部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、図示実施の形態により本発明を説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態1の加熱調理器は、本体1内部に調理室2を備え、本体1の前側には窓3を有するドア4が設けられている。また、調理室2内部には、調理物5を載置する金属格子によって構成された載置台6が着脱自在に設置され、調理室2側面に設けられたガイドレール(図示せず)に支持されるようになっている。
【0014】
載置台6の上方には、赤外線を発生する上部加熱手段すなわち上部ガラス管ヒーター8が横架されている。また、調理室2の載置台エリアの外側、つまり載置台6の下側の載置台6よりも後方の調理室2の背面には、赤外線加熱手段である下部ガラス管ヒーター9が横架され、調理室2側を開口した、つまり調理室2側前面に赤外線入射部を有する反射部10にて周りを囲まれており、下部ガラス管ヒーター9が発生する赤外線は、反射部10により載置台エリア側に向けて反射されるようになっている。
【0015】
載置台6の下方には、下側反射部材11が設けられ、下部ガラス管ヒーター9の発生する赤外線と反射部10で反射した赤外線は、下側反射部材11によって載置台6の下面に向け反射されて、調理物5の下側が加熱されるようになっている。
【0016】
下側反射部材11の底面は、複数の傾斜面を有しており、下部ガラス管ヒーター9に近い側から先端部にかけて、載置台6に略平行に対向する水平面12、上向き傾斜角度の小さい第1の傾斜面13、上向き傾斜角度の大きい第2の傾斜面14となっている。
【0017】
また、下側反射部材11は、図2の載置台と下側反射部材の分解斜視図に示すように、底面と側面とを有する箱状に形成され、下部ガラス管ヒーター9側の側面と上面側が開口し、先端部に手掛け部15、両側面にフランジ16を備えている。
【0018】
図3は下側反射部材11が載置台6に取り付けられた状態(組付体)を示す斜視図であり、フランジ16が載置台6の左右に設けられた支持体17に着脱自在に支持されて、一体的に調理室2の側面に設けられたガイドレール(図示せず)に摺動自在に載置されるようになっている。
【0019】
下側反射部材11は、図1の如く、調理室2内にて反射部10の開口を覆うように設置され、下部ガラス管ヒーター9の発生する赤外線を当該下側反射部材11の底面である水平面12、第1の傾斜面13、第2の傾斜面14によって、上方向に反射して調理物の下側に集める機能を持つ。
【0020】
下側反射部材11の先端側の第2の傾斜面14は、第1の傾斜面13よりも載置台6に近接し、かつ傾斜角度が大きく構成されている。これにより、下部ガラス管ヒーター9から遠く、赤外線の熱量が小さい位置でも、赤外線を効率よく上方向に向けることができ、調理物5を均一に加熱することができる。
【0021】
また、下側反射部材11は、側面を有する箱状に構成されているため、赤外線を側面方向に漏らさず上方向に反射する。このため、調理物5をより早く加熱することができる。
【0022】
調理物5は上部ガラス管ヒーター8と下部ガラス管ヒーター9の発する赤外線により、上下から加熱される。このため、調理物5に対する上下均一な加熱(調理)が可能となる。
【0023】
本実施の形態1の加熱調理器は、調理物5を調理室2に出し入れする際に発生する食品カスや、調理物5を加熱することにより発生する油や汁などが下に落ちても、下部ガラス管ヒーター9上に落下しない。
【0024】
下側反射部材11は、赤外線の反射効率の高い鉄、ステンレス、アルミ等の金属材料で構成することにより、赤外線の熱の吸収を少なくできるため、下部ガラス管ヒーター9の表面温度よりも低い温度となる。これにより、調理物5から落下する食品カスや油、汁などが下側反射部材11上に落ちても、発煙し難くなり、調理室2内部の汚れを低減できるとともに、加熱調理器外部に排出される煙の量を少なくすることができる。
【0025】
また、調理物5の油や汁は下側反射部材11上に落ちるため、調理室2の本体1の底面の汚れが防止できる。さらに、下側反射部材11を調理室2から取り外せるため、容易に清掃することができる。
【0026】
なお、下側反射部材11の表面に親水性処理を施すことは好ましい。これにより、調理物5から落下した油や汁が焦げ付いた場合でも、水に浸すことにより、親水性処理面と付着部の間に水が入り込み、結合を切断することができ、容易に洗い落とすことができる。
【0027】
下側反射部材11を赤外線の反射効率の高くないセラミックなどの、耐熱材料で構成した場合でも、アルミホイルなどの赤外線の反射効率の高いシートを底面に敷くことにより、同様の効果を得ることができる。これにより、清掃を更に容易にすることができる。
【0028】
本実施の形態1では、下側反射部材11の底面を3つの面(水平面12、第1の傾斜面13、第2の傾斜面14)で構成したが、これに限るものでなく、底面から載置台6までの距離が下部ガラス管ヒーター9から遠ざかるほど短くなるようにすればよいものであり、例えば1つの傾斜面や、4つ以上の傾斜面、あるいは連続した湾曲面で構成しても、前記と同様に赤外線を調理物5に均一に照射することができる。
【0029】
また、本実施の形態1の上部ガラス管ヒーター8と下部ガラス管ヒーター9には、石英管の内部に抵抗発熱線を設けた石英管ヒーターや、フィラメントの周りに不活性ガスを封入したハロゲンヒーターが適しているが、赤外線を発生する他のヒーター、例えばカーボンヒーターやシーズヒーター等の使用も可能である。
【0030】
また、本実施の形態1の水平面12は載置台6に対して略水平であればよく、下側反射部材11の先端側に若干の傾斜を有しても、同様に赤外線の反射効果を得ることができる。このように構成することにより、調理物5から発生した油や汁が調理室2の本体1の底面にこぼれ落ちることを防止することができる。
【0031】
図4は本実施の形態1の加熱調理器の調理室2から載置台6と下側反射部材11を取り外した状態を示す側面視の断面図であり、ハンドル7を引いてドア4を手前に開いた状態で、載置台6と一体となった下側反射部材11を調理室2から取り外した状態を示している。
【0032】
下側反射部材11は載置台6から取り外せるため、下側反射部材11の底面に落下した調理物5の食品カスや油や汁を容易に廃棄することができるとともに、調理室2内部を容易に清掃することができる。
【0033】
なお、本実施の形態1では、下部ガラス管ヒーター9を調理室2背面側に1本配置した構成としたが、これに限るものでなく、調理室2の側面側に1本配置し、下側反射部材11の底面を下部ガラス管ヒーターと反対側に向かって上方向に傾斜するように構成しても、前記と同様に赤外線を調理物5に均一に照射することができる。
【0034】
また、下部ガラス管ヒーター9を調理室2の両側面側に各1本配置し、下側反射部材11を両側面の下部ガラス管ヒーター9に対応して2個対称に設置し、各下側反射部材11の底面が調理室2中央に向かって上方向に傾斜する構成としても、前記と同様に赤外線を調理物5に均一に照射することができる。
【0035】
また、調理物5の載置領域が載置台6に対して狭い場合、載置台6上に調理物5が載置されない空きスペースが発生し、赤外線が調理物5の下側に照射されずに上方に漏れて調理室2内に拡散され、加熱効率が悪くなる。この場合、上側反射部材を空きスペースに配置することで、調理物5から外れて上方へ漏れようとする赤外線を上側反射部材により下方の下側反射部材11側に反射させ、調理物5に導き、効率よく調理物5の下側を加熱することができる。上側反射部材の詳細については後述する。
【0036】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図であり、図中、前述の実施の形態1のものに相当する部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0037】
図5に示すように、本実施の形態2の加熱調理器は、本体1内部に調理室2を備え、本体1の前側には窓3を有するドア4が設けられている。また、調理室2内部には、調理物5を載置する金属格子によって構成された載置台6が着脱自在に設置され、調理室2側面に設けられたガイドレール(図示せず)に支持されるようになっている。
【0038】
調理室2の上面外側には、発熱体であるニクロム線をマイカで挟んで構成したフラットヒーター18が配置されている。フラットヒーター18は、断熱材19と、これらを覆う板金20とによって上部を覆われており、調理室2内部を加熱するようになっている。
【0039】
調理室2の下部には、本体1内に設置されたマグネトロン(図示せず)の発生する周波数約2450MHzのマイクロ波を、調理室2に伝播するアンテナ21が備えられている。アンテナ21は、調理室2とセラミックプレート23で隔てられた下部加熱室24内に、回転可能に軸支され、モーター25によって回転しながら、導波管26を介して伝播されるマイクロ波を調理室2に伝播するものである。
【0040】
下部加熱室24内部には、アンテナ21を取り囲むように配置されたシーズヒーター22が配置されており、セラミックプレート23を通して調理室2を下側から加熱するようになっている。
【0041】
ドア4には、調理室2内部に伝播したマイクロ波がドア4と調理室2の合わせ目から漏洩することを防止するための金属製の袋小路構造を有するチョーク28と、マイクロ波の漏洩を遮断しつつ、前面に設けられた窓3を通して調理室2内部を外側から見通せるようにするための直径1mm程度の複数の開口を有する金属製の開口パネル29とを内部に備えている。
【0042】
調理室2の背面外側には背面加熱室30が形成され、背面加熱室30内には赤外線を発生する背面ガラス管ヒーター31と、これを取り囲む反射部32が設けられている。
【0043】
調理室2と背面加熱室30を仕切る壁面の、背面ガラス管ヒーター31の前側には、反射部32の開口と同等もしくはそれよりも広い領域に赤外線入射部となる直径約4mmの複数の連通孔でなる背面開口部33が設けられている。
【0044】
背面開口部33は、背面ガラス管ヒーター31の発生する赤外線を調理室2内に透過させるが、調理室2内部に伝播されたマイクロ波を背面加熱室30内に伝播することを防止する機能を持つ。
【0045】
載置台6の下側には、背面開口部33を覆うように下側反射部材11が着脱可能に設置され、背面ガラス管ヒーター31の発生する赤外線と、反射部32で反射した赤外線は、背面開口部33を介して調理室2側に向かい、下側反射部材11によって載置台6の下面に向け反射されて、調理物5の下側が加熱されるようになっている。
【0046】
下側反射部材11の先端側の第2の傾斜面14は、ここでも第1の傾斜面13よりも載置台6に近接し、かつ傾斜角度が大きく構成されている。これにより、背面ガラス管ヒーター31から遠く、赤外線の熱量が小さい位置でも、赤外線を効率よく上方向に向けることができ、調理物5を均一に加熱することができる。
【0047】
本実施の形態2の加熱調理器においては、前記のように構成されているため、調理室2下部からのマイクロ波による加熱と、調理室2上部、背面、下部からのヒーターによる加熱とを選択的に加えることができる。
【0048】
図6は本実施の形態2の加熱調理器の調理室2から載置台6と下側反射部材11を取り外した状態を示す側面視の断面図であり、マイクロ波により調理物5を加熱する場合の構成を示している。図6において、マイクロ波を伝播させるアンテナ21を調理室2の底面に設けることにより、その上部のセラミックプレート23上に調理物5を載置することができるため、マイクロ波の加熱効率を高めることができる。
【0049】
マイクロ波によらず、ヒーター加熱による調理を行う場合の調理法としては、調理室2上部のフラットヒーター18のみによる加熱を行う調理法と、フラットヒーター18とシーズヒーター22による加熱を組み合わせる調理法と、下側反射部材11を使用してフラットヒーター18と背面ガラス管ヒーター31による加熱を組み合わせる調理法を選択できる。
【0050】
フラットヒーター18とシーズヒーター22による加熱を組み合わせる調理法において、シーズヒーター22はアンテナ21の周囲に設けられているため、調理室2底面中央部の温度の立ち上りが遅い傾向となる。したがって、調理室2を予熱してから加熱調理する調理法として使用することが有効である。
【0051】
一方、下側反射部材11を使用してフラットヒーター18と背面ガラス管ヒーター31による加熱を組み合わせる調理法では、調理物5の下側も早い温度の立ち上がりで加熱調理することができるため、予熱を行わずに素早く焦げ目をつける調理法として使用することが有効である。
【0052】
以上のように、本実施の形態2の加熱調理器は、マイクロ波による加熱調理とヒーターによる加熱調理の両方の加熱手段を使用することができるとともに、使用するヒーターの種類を選択することにより、調理物5に適した調理法を選択することができる。
【0053】
本実施の形態2においては、調理室2上部の加熱手段として調理室2の上面外側にフラットヒーター18を配置したものを例に挙げて説明したが、これに限るものでなく、例えば調理室2の上部内側にガラス管ヒーターを設けてもよい。
【0054】
ただし、調理物5を加熱した場合に調理室2の上部壁面に飛び散る油や汁が付着するため、調理室2の清掃を容易にするためには、調理室2上部の加熱手段としては、フラットヒーター18を使用することが望ましい。
【0055】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の調理室から載置台と下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図、図8はその調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図であり、各図中、前述の実施の形態2のものと同一機能部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0056】
図7に示すように、本実施の形態3の加熱調理器は、調理室2の背面外側に背面加熱室30が形成され、背面加熱室30内の下部位置に、赤外線を発生する背面ガラス管ヒーター31と、これを取り囲む反射部32が設けられている。
【0057】
反射部32は、背面加熱室30内の上部位置に設けられたターボファン34を収容する循環室35に連通している。
【0058】
循環室35の後方には、ターボファン34を駆動するファンモーター36が設けられている。
【0059】
調理室2と背面加熱室30を仕切る壁面におけるターボファン34前側には、直径約4mmの複数の吸気口37が設けられている。
【0060】
ターボファン34は、回転することにより、調理室2内の空気を吸気口37を介して循環室35内に吸気し、反射部32の背面ガラス管ヒーター31に送る機能を持つ。
【0061】
反射部32内で背面ガラス管ヒーター31によって加熱された空気は、背面開口部33を介して調理室2内部に送出される。
【0062】
このように、調理室2内に下側反射部材11を設置せずにターボファン34を駆動させると、調理室2内部に熱風の対流を発生させることができ、調理室2内の温度の立ち上りを早くすることができる。
【0063】
背面ガラス管ヒーター31のみ加熱させて調理を行う場合は、図8のように調理室2内に載置台6及び下側反射部材11を設置し、ターボファン34を停止状態に置く。そして、背面ガラス管ヒーター31を加熱させる。これにより、背面ガラス管ヒーター31の発生する赤外線と、反射部32で反射した赤外線は、背面開口部33を介して調理室2側に向かい、下側反射部材11によって載置台6の下面に向け反射されて、調理物5の下側が加熱される。
【0064】
このように、本実施の形態3の加熱調理器においては、下側反射部材11を使用する加熱調理を行う場合にはターボファン34を停止させ、調理室2内に熱風を循環させる調理を行う場合には下側反射部材11を取り外してターボファン34を駆動するように構成しているため、調理物5に適した調理法を選択できる。
【0065】
実施の形態4.
図9は本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図、図10はその載置台と上側反射部材及び下側反射部材の組付体を示す斜視図であり、各図中、前述の実施の形態2,3のものと同一機能部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0066】
図9に示すように、本実施の形態4の加熱調理器は、調理室2の上面外側に、発熱体であるニクロム線をマイカで挟んで構成した複数のフラットヒーターが配置されている。これらフラットヒーターは、内側フラットヒーター38と、これを取り囲むように配置された外側フラットヒーター39とから構成される。内側フラットヒーター38及び外側フラットヒーター39は、断熱材19と、これらを覆う板金20とによって上部を覆われており、調理室2内部を加熱するようになっている。
【0067】
載置台6と共に調理室2内に着脱可能に設置される下側反射部材11は、設置状態(図9)で先端部の調理室背面からの距離が、調理室奥行き寸法の約2/3から約3/4程度となるように設定されている。また、載置台6の上面における調理室背面側端から約1/4から約1/3までの部分を覆うように上側反射部材40が設けられている。そして、上側反射部材40と下側反射部材11とによって形成される背面側の開口(入射開口部)は、背面開口部33の全部、もしくは大半を覆うように設定されている。さらに、これら下側反射部材11と上側反射部材40は、互いに対向する面(底面)が略平行となるように載置台6を挟んで上下に配設されている。
【0068】
上側反射部材40は、下側反射部材11と同様に赤外線の反射効率の高い鉄、ステンレス、アルミ等の金属材料で構成し、図10に示すようにコの字状に形成して、載置台6上に着脱自在に配置される。なお、上側反射部材40は、下側反射部材11と一体に構成してもよい。
【0069】
調理物5の載置領域が載置台6に対して狭い場合、載置台6上に調理物5が載置されない空きスペースが発生し、赤外線が調理物5の下側に照射されずに上方に漏れて調理室2内に拡散され、加熱効率が悪くなる。しかし、本実施の形態4のように、上側反射部材40を空きスペースに配置することで、調理物5から外れて上方へ漏れようとする赤外線を上側反射部材40により下方の下側反射部材11側に反射させ、調理物5に導き、効率よく調理物5の下側を加熱することができる。
【0070】
また、調理物5の載置領域が狭い場合、外側フラットヒーター39には通電せず、内側フラットヒーター38のみ通電する。これにより、調理物5の載置領域が狭い場合に、調理室2の天面全体を加熱しなくても、効率よく調理物5を加熱することができ、加熱調理時の電力消費を低減することができる。
【0071】
調理物5の載置領域が広い場合は、内側フラットヒーター38と外側フラットヒーター39の両方を通電させ、載置台6上に上側反射部材40を配置せずに背面ガラス管ヒーター31に通電する。これにより、調理物5の全体を上下から均一に加熱調理することができる。
【0072】
実施の形態5.
図11は本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室から載置台と上側反射部材及び下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図、図12はその調理室から載置台と上側反射部材及び下側反射部材を取り外し、さらにドアを外した状態の調理室内部を示す正面図、図13はその調理室内に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図、図14はその調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置し、ドアは外した状態の調理室内部を示す正面図であり、各図中、前述の実施の形態3,4のものと同一機能部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0073】
図11に示すように、本実施の形態5の加熱調理器は、調理室2の上面外側に、発熱体であるニクロム線をマイカで挟んで構成した複数のフラットヒーターが配置されている。これらフラットヒーターは、内側フラットヒーター38と、これを取り囲むように配置された外側フラットヒーター39とから構成される。内側フラットヒーター38及び外側フラットヒーター39は、断熱材19と、これらを覆う板金20とによって上部を覆われており、調理室2内部を加熱するようになっている。
【0074】
調理室2の背面外側に背面加熱室30が形成され、背面加熱室30内の上部位置に、赤外線を発生する背面ガラス管ヒーター31と、これを取り囲む反射部32が設けられている。
【0075】
反射部32は、背面加熱室30内の下部位置に設けられたターボファン34を収容する循環室35に連通している。
【0076】
循環室35の後方には、ターボファン34を駆動するファンモーター36が設けられている。
【0077】
調理室2と背面加熱室30を仕切る壁面におけるターボファン34前側には、直径約4mmの複数の吸気口37が設けられている。
【0078】
ターボファン34は、回転することにより、調理室2内の空気を吸気口37を介して循環室35内に吸気し、反射部32の背面ガラス管ヒーター31に送る機能を持つ。
【0079】
反射部32内で背面ガラス管ヒーター31によって加熱された空気は、背面開口部33を介して調理室2内部に送出される。
【0080】
このように、調理室2内に下側反射部材11を設置せずにターボファン34を駆動させると、調理室2内部に熱風の対流を発生させることができ、調理室2内の温度の立ち上りを早くすることができる。
【0081】
また、セラミックもしくは鉄板からなる調理プレート43を調理室2側面のガイドレール42に支持させて、吸気口37に差し掛かる高さに設置すると、調理プレート43の上の空間内で循環する空気と調理プレート43の上下の空間に跨って循環する空気とに分かれるため、循環ループの小さい上の空間の温度が高くなる。このため、調理プレート43上での調理時間を短縮することができる。
【0082】
図13及び図14に示すように、背面ガラス管ヒーター31は背面加熱室30内の上部位置に配置され、載置台6は背面ガラス管ヒーター31の高さとほぼ同じか、もしくは低い位置に配置される。
【0083】
載置台6は、ここでは調理室2側面に設けられたガイドレール42に支持されたセラミックもしくは鉄板からなる調理プレート43に載置することにより、位置決めされる。
【0084】
載置台6の下側には下側反射部材11が着脱自在に設けられている。下側反射部材11の底面は、複数の傾斜面を有しており、調理室2の背面側、つまり背面ガラス管ヒーター31に近い側から前側に向かって下向きに傾斜する傾斜面41、これに連結して先端側が上に傾斜する第1の傾斜面13、第1の傾斜面13よりも傾斜角度の大きい第2の傾斜面14となっている。
【0085】
載置台6の上側には上側反射部材40が着脱自在に設けられ、背面開口部33の上端から載置台6に向けて下向きに傾斜して配置されている。このとき、上側反射部材40と下側反射部材11とによって形成される背面側の開口(入射開口部)が背面開口部33の全部、もしくは大半を覆うように設定されている。そして、これら下側反射部材11と上側反射部材40は、互いに対向する面(底面)が略平行となるように載置台6の上下に配設されている。これにより、載置台6と設置高さ位置がほぼ同じか、もしくはそれよりも高い位置に配置された背面ガラス管ヒーター31の発生する赤外線を効率よく調理物5に導いて、調理物5の下側を加熱することができる。
【0086】
このように、載置台6を調理室2の高い位置に配置し、かつ載置台6に上側反射部材40と下側反射部材11を設置することにより、調理物5を上部の内側フラットヒーター38及び外側フラットヒーター39に近接させることができるとともに、調理物5の下側からも加熱することができる。このため、調理時間を一層短縮することができる。
【0087】
載置台6を調理室2の上部に配置した場合、調理物5の食材によっては、加熱によって飛び散った油や汁が調理室2天面に付着し易いが、本実施の形態5の構成では、調理室2天面に加熱手段の露出による凹凸がないため、清掃が容易である。
【0088】
また、調理物5から落下する油や汁は下側反射部材11上に補足されるため、調理室2底面の汚れを防止することができ、清掃が容易である。
【0089】
下側反射部材11上に調理物5から落下した油や汁が付着すると、赤外線の反射効率は低下するが、下側反射部材11の底面の全面積に対して付着する汚れの面積の割合は小さいため、加熱効率が著しく損なわれることはない。
【0090】
また、下側反射部材11と上側反射部材40は、載置台6に着脱自在であり、載置台6は調理室2から着脱自在であるため、これらに付着した汚れの清掃が容易である。このため、使用者により著しく加熱効率を損なう状態まで放置される頻度を少なくすることができる。
【符号の説明】
【0091】
1 本体、2 調理室、3 窓、4 ドア、5 調理物、6 載置台、7 ハンドル、8 上部ガラス管ヒーター、9 下部ガラス管ヒーター、10 反射部、11 下側反射部材、12 水平面、13 第1の傾斜面、14 第2の傾斜面、15 手掛け部、16 フランジ、17 支持体、18 フラットヒーター、19 断熱材、20 板金、21 アンテナ、22 シーズヒーター、23 セラミックプレート、24 下部加熱室、25 モーター、26 導波管、28 チョーク、29 開口パネル、30 背面加熱室、31 背面ガラス管ヒーター、32 反射部、33 背面開口部、34 ターボファン、35 循環室、36 ファンモーター、37 吸気口、38 内側フラットヒーター、39 外側フラットヒーター、40 上側反射部材、41 傾斜面、42 ガイドレール、43 調理プレート。
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線を発生する加熱手段を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の赤外線を発生する加熱手段を備えた加熱調理器としては、調理物を収納する調理室と、調理室内上部及び下部に設けられ、赤外線を発生する一対の加熱手段と、前記調理室内の前記一対の加熱手段の中間に設けられた焼き網とを備え、前記一対の加熱手段の発生する赤外線により、前記焼き網上に載置された調理物を上下から加熱調理するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の赤外線を発生する加熱手段とマイクロ波加熱手段とを備えた加熱調理器としては、調理物を収納する調理室と、調理室上面外側に設けられた上部加熱手段と、調理室の背面後方に形成された空間内下部に設けられて波長0.4〜0.8μmの可視光線を発する背面加熱手段と、前記調理室の背面下部に設けられ、前記背面加熱手段の発する光を前記調理室に入射させるための複数の孔と、前記調理室内に設けられ、底面から所定の高さの位置に調理物を載置する焼き網とを備え、前記背面加熱手段から前記調理室内に入射した光によって前記調理室の底面を照らすとともに、底面で反射した光により前記焼き網の上に載置された調理物の下側を加熱調理するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3596440号公報(図1)
【特許文献2】特開2007-327676号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、調理室内上部及び下部に赤外線を発生する加熱手段を備えた加熱調理器にあっては、焼き網の上に載置された調理物が下側の加熱手段の上に位置するため、加熱することにより油が浸出する調理物や載置時に食品カスが発生する調理物を加熱調理する場合は、これらが高温状態にある前記下側の加熱手段上に落ちて焼けるため、発煙や焦げ臭が生じる。
【0006】
また、赤外線を発生する加熱手段とマイクロ波加熱手段とを備えた加熱調理器にあっては、調理室内に入射した背面加熱手段からの光が調理室内を進むにしたがって拡散するため、調理室の底面で反射して調理物の下側に到達する光量の割合が小さくなる。このため、調理物の下側を効率よく加熱できず、十分に加熱調理するのに長い時間を要する。
【0007】
また、上部加熱手段と背面加熱手段に同時に通電する場合、調理物の下側に加えられる熱量が調理物の上側に加えられる熱量よりも小さくなり、調理物が上下不均一に加熱され、調理物の調理の仕上がりが悪くなる。
【0008】
本発明の技術的課題は、加熱することにより油が浸出する調理物や、載置時に食品カスが発生する調理物を加熱調理しても、発煙や焦げ臭の発生を抑えられるとともに、調理物の下側に効率よく熱を加えることで、調理物に対する上下均一な加熱を可能ならしめるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る加熱調理器は、下記の構成からなるものである。すなわち、調理物を収納する調理室と、調理室内に着脱自在に設けられ、調理物を載置する載置台と、調理室内の載置台上方に配置された上部加熱手段と、調理室の載置台エリアの外側に配置され、赤外線を発生する赤外線加熱手段と、赤外線加熱手段の周りに形成され、この赤外線加熱手段の発生する赤外線を載置台エリア側に向けて反射させる反射部とを備え、載置台に載置された調理物を、上部加熱手段と赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する加熱調理器において、調理室内に着脱可能な反射部材を設け、この反射部材により、加熱調理時に赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び反射部で反射した赤外線を、載置台の下面に向け反射させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の加熱調理器によれば、赤外線加熱手段を調理室の載置台エリアの外側に配置しているので、調理物から油や食品カスが落下しても、これらが赤外線加熱手段上に落ちることはなく、加熱調理時の発煙や焦げ臭の発生を抑えることができ、調理後の清掃性も向上する。さらに、調理室内に着脱可能な反射部材を設け、赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び反射部で反射した赤外線を、載置台の下面に向け反射させるようにしているので、この反射部材により調理物の下側に効率よく熱を加えることができる。このため、調理物に対する上下均一な加熱が可能となり、調理時間が短く、調理の仕上りの良い加熱調理器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の載置台と下側反射部材の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の載置台と下側反射部材の組付体を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の調理室から載置台と下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の調理室から載置台と下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の調理室から載置台と下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の載置台と上側反射部材及び下側反射部材の組付体を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室から載置台と上側反射部材及び下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室から載置台と上側反射部材及び下側反射部材を取り外し、さらにドアを外した状態の調理室内部を示す正面図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【図14】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置し、ドアは外した状態の調理室内部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、図示実施の形態により本発明を説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態1の加熱調理器は、本体1内部に調理室2を備え、本体1の前側には窓3を有するドア4が設けられている。また、調理室2内部には、調理物5を載置する金属格子によって構成された載置台6が着脱自在に設置され、調理室2側面に設けられたガイドレール(図示せず)に支持されるようになっている。
【0014】
載置台6の上方には、赤外線を発生する上部加熱手段すなわち上部ガラス管ヒーター8が横架されている。また、調理室2の載置台エリアの外側、つまり載置台6の下側の載置台6よりも後方の調理室2の背面には、赤外線加熱手段である下部ガラス管ヒーター9が横架され、調理室2側を開口した、つまり調理室2側前面に赤外線入射部を有する反射部10にて周りを囲まれており、下部ガラス管ヒーター9が発生する赤外線は、反射部10により載置台エリア側に向けて反射されるようになっている。
【0015】
載置台6の下方には、下側反射部材11が設けられ、下部ガラス管ヒーター9の発生する赤外線と反射部10で反射した赤外線は、下側反射部材11によって載置台6の下面に向け反射されて、調理物5の下側が加熱されるようになっている。
【0016】
下側反射部材11の底面は、複数の傾斜面を有しており、下部ガラス管ヒーター9に近い側から先端部にかけて、載置台6に略平行に対向する水平面12、上向き傾斜角度の小さい第1の傾斜面13、上向き傾斜角度の大きい第2の傾斜面14となっている。
【0017】
また、下側反射部材11は、図2の載置台と下側反射部材の分解斜視図に示すように、底面と側面とを有する箱状に形成され、下部ガラス管ヒーター9側の側面と上面側が開口し、先端部に手掛け部15、両側面にフランジ16を備えている。
【0018】
図3は下側反射部材11が載置台6に取り付けられた状態(組付体)を示す斜視図であり、フランジ16が載置台6の左右に設けられた支持体17に着脱自在に支持されて、一体的に調理室2の側面に設けられたガイドレール(図示せず)に摺動自在に載置されるようになっている。
【0019】
下側反射部材11は、図1の如く、調理室2内にて反射部10の開口を覆うように設置され、下部ガラス管ヒーター9の発生する赤外線を当該下側反射部材11の底面である水平面12、第1の傾斜面13、第2の傾斜面14によって、上方向に反射して調理物の下側に集める機能を持つ。
【0020】
下側反射部材11の先端側の第2の傾斜面14は、第1の傾斜面13よりも載置台6に近接し、かつ傾斜角度が大きく構成されている。これにより、下部ガラス管ヒーター9から遠く、赤外線の熱量が小さい位置でも、赤外線を効率よく上方向に向けることができ、調理物5を均一に加熱することができる。
【0021】
また、下側反射部材11は、側面を有する箱状に構成されているため、赤外線を側面方向に漏らさず上方向に反射する。このため、調理物5をより早く加熱することができる。
【0022】
調理物5は上部ガラス管ヒーター8と下部ガラス管ヒーター9の発する赤外線により、上下から加熱される。このため、調理物5に対する上下均一な加熱(調理)が可能となる。
【0023】
本実施の形態1の加熱調理器は、調理物5を調理室2に出し入れする際に発生する食品カスや、調理物5を加熱することにより発生する油や汁などが下に落ちても、下部ガラス管ヒーター9上に落下しない。
【0024】
下側反射部材11は、赤外線の反射効率の高い鉄、ステンレス、アルミ等の金属材料で構成することにより、赤外線の熱の吸収を少なくできるため、下部ガラス管ヒーター9の表面温度よりも低い温度となる。これにより、調理物5から落下する食品カスや油、汁などが下側反射部材11上に落ちても、発煙し難くなり、調理室2内部の汚れを低減できるとともに、加熱調理器外部に排出される煙の量を少なくすることができる。
【0025】
また、調理物5の油や汁は下側反射部材11上に落ちるため、調理室2の本体1の底面の汚れが防止できる。さらに、下側反射部材11を調理室2から取り外せるため、容易に清掃することができる。
【0026】
なお、下側反射部材11の表面に親水性処理を施すことは好ましい。これにより、調理物5から落下した油や汁が焦げ付いた場合でも、水に浸すことにより、親水性処理面と付着部の間に水が入り込み、結合を切断することができ、容易に洗い落とすことができる。
【0027】
下側反射部材11を赤外線の反射効率の高くないセラミックなどの、耐熱材料で構成した場合でも、アルミホイルなどの赤外線の反射効率の高いシートを底面に敷くことにより、同様の効果を得ることができる。これにより、清掃を更に容易にすることができる。
【0028】
本実施の形態1では、下側反射部材11の底面を3つの面(水平面12、第1の傾斜面13、第2の傾斜面14)で構成したが、これに限るものでなく、底面から載置台6までの距離が下部ガラス管ヒーター9から遠ざかるほど短くなるようにすればよいものであり、例えば1つの傾斜面や、4つ以上の傾斜面、あるいは連続した湾曲面で構成しても、前記と同様に赤外線を調理物5に均一に照射することができる。
【0029】
また、本実施の形態1の上部ガラス管ヒーター8と下部ガラス管ヒーター9には、石英管の内部に抵抗発熱線を設けた石英管ヒーターや、フィラメントの周りに不活性ガスを封入したハロゲンヒーターが適しているが、赤外線を発生する他のヒーター、例えばカーボンヒーターやシーズヒーター等の使用も可能である。
【0030】
また、本実施の形態1の水平面12は載置台6に対して略水平であればよく、下側反射部材11の先端側に若干の傾斜を有しても、同様に赤外線の反射効果を得ることができる。このように構成することにより、調理物5から発生した油や汁が調理室2の本体1の底面にこぼれ落ちることを防止することができる。
【0031】
図4は本実施の形態1の加熱調理器の調理室2から載置台6と下側反射部材11を取り外した状態を示す側面視の断面図であり、ハンドル7を引いてドア4を手前に開いた状態で、載置台6と一体となった下側反射部材11を調理室2から取り外した状態を示している。
【0032】
下側反射部材11は載置台6から取り外せるため、下側反射部材11の底面に落下した調理物5の食品カスや油や汁を容易に廃棄することができるとともに、調理室2内部を容易に清掃することができる。
【0033】
なお、本実施の形態1では、下部ガラス管ヒーター9を調理室2背面側に1本配置した構成としたが、これに限るものでなく、調理室2の側面側に1本配置し、下側反射部材11の底面を下部ガラス管ヒーターと反対側に向かって上方向に傾斜するように構成しても、前記と同様に赤外線を調理物5に均一に照射することができる。
【0034】
また、下部ガラス管ヒーター9を調理室2の両側面側に各1本配置し、下側反射部材11を両側面の下部ガラス管ヒーター9に対応して2個対称に設置し、各下側反射部材11の底面が調理室2中央に向かって上方向に傾斜する構成としても、前記と同様に赤外線を調理物5に均一に照射することができる。
【0035】
また、調理物5の載置領域が載置台6に対して狭い場合、載置台6上に調理物5が載置されない空きスペースが発生し、赤外線が調理物5の下側に照射されずに上方に漏れて調理室2内に拡散され、加熱効率が悪くなる。この場合、上側反射部材を空きスペースに配置することで、調理物5から外れて上方へ漏れようとする赤外線を上側反射部材により下方の下側反射部材11側に反射させ、調理物5に導き、効率よく調理物5の下側を加熱することができる。上側反射部材の詳細については後述する。
【0036】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図であり、図中、前述の実施の形態1のものに相当する部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0037】
図5に示すように、本実施の形態2の加熱調理器は、本体1内部に調理室2を備え、本体1の前側には窓3を有するドア4が設けられている。また、調理室2内部には、調理物5を載置する金属格子によって構成された載置台6が着脱自在に設置され、調理室2側面に設けられたガイドレール(図示せず)に支持されるようになっている。
【0038】
調理室2の上面外側には、発熱体であるニクロム線をマイカで挟んで構成したフラットヒーター18が配置されている。フラットヒーター18は、断熱材19と、これらを覆う板金20とによって上部を覆われており、調理室2内部を加熱するようになっている。
【0039】
調理室2の下部には、本体1内に設置されたマグネトロン(図示せず)の発生する周波数約2450MHzのマイクロ波を、調理室2に伝播するアンテナ21が備えられている。アンテナ21は、調理室2とセラミックプレート23で隔てられた下部加熱室24内に、回転可能に軸支され、モーター25によって回転しながら、導波管26を介して伝播されるマイクロ波を調理室2に伝播するものである。
【0040】
下部加熱室24内部には、アンテナ21を取り囲むように配置されたシーズヒーター22が配置されており、セラミックプレート23を通して調理室2を下側から加熱するようになっている。
【0041】
ドア4には、調理室2内部に伝播したマイクロ波がドア4と調理室2の合わせ目から漏洩することを防止するための金属製の袋小路構造を有するチョーク28と、マイクロ波の漏洩を遮断しつつ、前面に設けられた窓3を通して調理室2内部を外側から見通せるようにするための直径1mm程度の複数の開口を有する金属製の開口パネル29とを内部に備えている。
【0042】
調理室2の背面外側には背面加熱室30が形成され、背面加熱室30内には赤外線を発生する背面ガラス管ヒーター31と、これを取り囲む反射部32が設けられている。
【0043】
調理室2と背面加熱室30を仕切る壁面の、背面ガラス管ヒーター31の前側には、反射部32の開口と同等もしくはそれよりも広い領域に赤外線入射部となる直径約4mmの複数の連通孔でなる背面開口部33が設けられている。
【0044】
背面開口部33は、背面ガラス管ヒーター31の発生する赤外線を調理室2内に透過させるが、調理室2内部に伝播されたマイクロ波を背面加熱室30内に伝播することを防止する機能を持つ。
【0045】
載置台6の下側には、背面開口部33を覆うように下側反射部材11が着脱可能に設置され、背面ガラス管ヒーター31の発生する赤外線と、反射部32で反射した赤外線は、背面開口部33を介して調理室2側に向かい、下側反射部材11によって載置台6の下面に向け反射されて、調理物5の下側が加熱されるようになっている。
【0046】
下側反射部材11の先端側の第2の傾斜面14は、ここでも第1の傾斜面13よりも載置台6に近接し、かつ傾斜角度が大きく構成されている。これにより、背面ガラス管ヒーター31から遠く、赤外線の熱量が小さい位置でも、赤外線を効率よく上方向に向けることができ、調理物5を均一に加熱することができる。
【0047】
本実施の形態2の加熱調理器においては、前記のように構成されているため、調理室2下部からのマイクロ波による加熱と、調理室2上部、背面、下部からのヒーターによる加熱とを選択的に加えることができる。
【0048】
図6は本実施の形態2の加熱調理器の調理室2から載置台6と下側反射部材11を取り外した状態を示す側面視の断面図であり、マイクロ波により調理物5を加熱する場合の構成を示している。図6において、マイクロ波を伝播させるアンテナ21を調理室2の底面に設けることにより、その上部のセラミックプレート23上に調理物5を載置することができるため、マイクロ波の加熱効率を高めることができる。
【0049】
マイクロ波によらず、ヒーター加熱による調理を行う場合の調理法としては、調理室2上部のフラットヒーター18のみによる加熱を行う調理法と、フラットヒーター18とシーズヒーター22による加熱を組み合わせる調理法と、下側反射部材11を使用してフラットヒーター18と背面ガラス管ヒーター31による加熱を組み合わせる調理法を選択できる。
【0050】
フラットヒーター18とシーズヒーター22による加熱を組み合わせる調理法において、シーズヒーター22はアンテナ21の周囲に設けられているため、調理室2底面中央部の温度の立ち上りが遅い傾向となる。したがって、調理室2を予熱してから加熱調理する調理法として使用することが有効である。
【0051】
一方、下側反射部材11を使用してフラットヒーター18と背面ガラス管ヒーター31による加熱を組み合わせる調理法では、調理物5の下側も早い温度の立ち上がりで加熱調理することができるため、予熱を行わずに素早く焦げ目をつける調理法として使用することが有効である。
【0052】
以上のように、本実施の形態2の加熱調理器は、マイクロ波による加熱調理とヒーターによる加熱調理の両方の加熱手段を使用することができるとともに、使用するヒーターの種類を選択することにより、調理物5に適した調理法を選択することができる。
【0053】
本実施の形態2においては、調理室2上部の加熱手段として調理室2の上面外側にフラットヒーター18を配置したものを例に挙げて説明したが、これに限るものでなく、例えば調理室2の上部内側にガラス管ヒーターを設けてもよい。
【0054】
ただし、調理物5を加熱した場合に調理室2の上部壁面に飛び散る油や汁が付着するため、調理室2の清掃を容易にするためには、調理室2上部の加熱手段としては、フラットヒーター18を使用することが望ましい。
【0055】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の調理室から載置台と下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図、図8はその調理室に載置台と下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図であり、各図中、前述の実施の形態2のものと同一機能部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0056】
図7に示すように、本実施の形態3の加熱調理器は、調理室2の背面外側に背面加熱室30が形成され、背面加熱室30内の下部位置に、赤外線を発生する背面ガラス管ヒーター31と、これを取り囲む反射部32が設けられている。
【0057】
反射部32は、背面加熱室30内の上部位置に設けられたターボファン34を収容する循環室35に連通している。
【0058】
循環室35の後方には、ターボファン34を駆動するファンモーター36が設けられている。
【0059】
調理室2と背面加熱室30を仕切る壁面におけるターボファン34前側には、直径約4mmの複数の吸気口37が設けられている。
【0060】
ターボファン34は、回転することにより、調理室2内の空気を吸気口37を介して循環室35内に吸気し、反射部32の背面ガラス管ヒーター31に送る機能を持つ。
【0061】
反射部32内で背面ガラス管ヒーター31によって加熱された空気は、背面開口部33を介して調理室2内部に送出される。
【0062】
このように、調理室2内に下側反射部材11を設置せずにターボファン34を駆動させると、調理室2内部に熱風の対流を発生させることができ、調理室2内の温度の立ち上りを早くすることができる。
【0063】
背面ガラス管ヒーター31のみ加熱させて調理を行う場合は、図8のように調理室2内に載置台6及び下側反射部材11を設置し、ターボファン34を停止状態に置く。そして、背面ガラス管ヒーター31を加熱させる。これにより、背面ガラス管ヒーター31の発生する赤外線と、反射部32で反射した赤外線は、背面開口部33を介して調理室2側に向かい、下側反射部材11によって載置台6の下面に向け反射されて、調理物5の下側が加熱される。
【0064】
このように、本実施の形態3の加熱調理器においては、下側反射部材11を使用する加熱調理を行う場合にはターボファン34を停止させ、調理室2内に熱風を循環させる調理を行う場合には下側反射部材11を取り外してターボファン34を駆動するように構成しているため、調理物5に適した調理法を選択できる。
【0065】
実施の形態4.
図9は本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図、図10はその載置台と上側反射部材及び下側反射部材の組付体を示す斜視図であり、各図中、前述の実施の形態2,3のものと同一機能部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0066】
図9に示すように、本実施の形態4の加熱調理器は、調理室2の上面外側に、発熱体であるニクロム線をマイカで挟んで構成した複数のフラットヒーターが配置されている。これらフラットヒーターは、内側フラットヒーター38と、これを取り囲むように配置された外側フラットヒーター39とから構成される。内側フラットヒーター38及び外側フラットヒーター39は、断熱材19と、これらを覆う板金20とによって上部を覆われており、調理室2内部を加熱するようになっている。
【0067】
載置台6と共に調理室2内に着脱可能に設置される下側反射部材11は、設置状態(図9)で先端部の調理室背面からの距離が、調理室奥行き寸法の約2/3から約3/4程度となるように設定されている。また、載置台6の上面における調理室背面側端から約1/4から約1/3までの部分を覆うように上側反射部材40が設けられている。そして、上側反射部材40と下側反射部材11とによって形成される背面側の開口(入射開口部)は、背面開口部33の全部、もしくは大半を覆うように設定されている。さらに、これら下側反射部材11と上側反射部材40は、互いに対向する面(底面)が略平行となるように載置台6を挟んで上下に配設されている。
【0068】
上側反射部材40は、下側反射部材11と同様に赤外線の反射効率の高い鉄、ステンレス、アルミ等の金属材料で構成し、図10に示すようにコの字状に形成して、載置台6上に着脱自在に配置される。なお、上側反射部材40は、下側反射部材11と一体に構成してもよい。
【0069】
調理物5の載置領域が載置台6に対して狭い場合、載置台6上に調理物5が載置されない空きスペースが発生し、赤外線が調理物5の下側に照射されずに上方に漏れて調理室2内に拡散され、加熱効率が悪くなる。しかし、本実施の形態4のように、上側反射部材40を空きスペースに配置することで、調理物5から外れて上方へ漏れようとする赤外線を上側反射部材40により下方の下側反射部材11側に反射させ、調理物5に導き、効率よく調理物5の下側を加熱することができる。
【0070】
また、調理物5の載置領域が狭い場合、外側フラットヒーター39には通電せず、内側フラットヒーター38のみ通電する。これにより、調理物5の載置領域が狭い場合に、調理室2の天面全体を加熱しなくても、効率よく調理物5を加熱することができ、加熱調理時の電力消費を低減することができる。
【0071】
調理物5の載置領域が広い場合は、内側フラットヒーター38と外側フラットヒーター39の両方を通電させ、載置台6上に上側反射部材40を配置せずに背面ガラス管ヒーター31に通電する。これにより、調理物5の全体を上下から均一に加熱調理することができる。
【0072】
実施の形態5.
図11は本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の調理室から載置台と上側反射部材及び下側反射部材を取り外した状態を示す側面視の断面図、図12はその調理室から載置台と上側反射部材及び下側反射部材を取り外し、さらにドアを外した状態の調理室内部を示す正面図、図13はその調理室内に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置した状態を示す側面視の断面図、図14はその調理室に載置台と上側反射部材及び下側反射部材を設置し、ドアは外した状態の調理室内部を示す正面図であり、各図中、前述の実施の形態3,4のものと同一機能部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0073】
図11に示すように、本実施の形態5の加熱調理器は、調理室2の上面外側に、発熱体であるニクロム線をマイカで挟んで構成した複数のフラットヒーターが配置されている。これらフラットヒーターは、内側フラットヒーター38と、これを取り囲むように配置された外側フラットヒーター39とから構成される。内側フラットヒーター38及び外側フラットヒーター39は、断熱材19と、これらを覆う板金20とによって上部を覆われており、調理室2内部を加熱するようになっている。
【0074】
調理室2の背面外側に背面加熱室30が形成され、背面加熱室30内の上部位置に、赤外線を発生する背面ガラス管ヒーター31と、これを取り囲む反射部32が設けられている。
【0075】
反射部32は、背面加熱室30内の下部位置に設けられたターボファン34を収容する循環室35に連通している。
【0076】
循環室35の後方には、ターボファン34を駆動するファンモーター36が設けられている。
【0077】
調理室2と背面加熱室30を仕切る壁面におけるターボファン34前側には、直径約4mmの複数の吸気口37が設けられている。
【0078】
ターボファン34は、回転することにより、調理室2内の空気を吸気口37を介して循環室35内に吸気し、反射部32の背面ガラス管ヒーター31に送る機能を持つ。
【0079】
反射部32内で背面ガラス管ヒーター31によって加熱された空気は、背面開口部33を介して調理室2内部に送出される。
【0080】
このように、調理室2内に下側反射部材11を設置せずにターボファン34を駆動させると、調理室2内部に熱風の対流を発生させることができ、調理室2内の温度の立ち上りを早くすることができる。
【0081】
また、セラミックもしくは鉄板からなる調理プレート43を調理室2側面のガイドレール42に支持させて、吸気口37に差し掛かる高さに設置すると、調理プレート43の上の空間内で循環する空気と調理プレート43の上下の空間に跨って循環する空気とに分かれるため、循環ループの小さい上の空間の温度が高くなる。このため、調理プレート43上での調理時間を短縮することができる。
【0082】
図13及び図14に示すように、背面ガラス管ヒーター31は背面加熱室30内の上部位置に配置され、載置台6は背面ガラス管ヒーター31の高さとほぼ同じか、もしくは低い位置に配置される。
【0083】
載置台6は、ここでは調理室2側面に設けられたガイドレール42に支持されたセラミックもしくは鉄板からなる調理プレート43に載置することにより、位置決めされる。
【0084】
載置台6の下側には下側反射部材11が着脱自在に設けられている。下側反射部材11の底面は、複数の傾斜面を有しており、調理室2の背面側、つまり背面ガラス管ヒーター31に近い側から前側に向かって下向きに傾斜する傾斜面41、これに連結して先端側が上に傾斜する第1の傾斜面13、第1の傾斜面13よりも傾斜角度の大きい第2の傾斜面14となっている。
【0085】
載置台6の上側には上側反射部材40が着脱自在に設けられ、背面開口部33の上端から載置台6に向けて下向きに傾斜して配置されている。このとき、上側反射部材40と下側反射部材11とによって形成される背面側の開口(入射開口部)が背面開口部33の全部、もしくは大半を覆うように設定されている。そして、これら下側反射部材11と上側反射部材40は、互いに対向する面(底面)が略平行となるように載置台6の上下に配設されている。これにより、載置台6と設置高さ位置がほぼ同じか、もしくはそれよりも高い位置に配置された背面ガラス管ヒーター31の発生する赤外線を効率よく調理物5に導いて、調理物5の下側を加熱することができる。
【0086】
このように、載置台6を調理室2の高い位置に配置し、かつ載置台6に上側反射部材40と下側反射部材11を設置することにより、調理物5を上部の内側フラットヒーター38及び外側フラットヒーター39に近接させることができるとともに、調理物5の下側からも加熱することができる。このため、調理時間を一層短縮することができる。
【0087】
載置台6を調理室2の上部に配置した場合、調理物5の食材によっては、加熱によって飛び散った油や汁が調理室2天面に付着し易いが、本実施の形態5の構成では、調理室2天面に加熱手段の露出による凹凸がないため、清掃が容易である。
【0088】
また、調理物5から落下する油や汁は下側反射部材11上に補足されるため、調理室2底面の汚れを防止することができ、清掃が容易である。
【0089】
下側反射部材11上に調理物5から落下した油や汁が付着すると、赤外線の反射効率は低下するが、下側反射部材11の底面の全面積に対して付着する汚れの面積の割合は小さいため、加熱効率が著しく損なわれることはない。
【0090】
また、下側反射部材11と上側反射部材40は、載置台6に着脱自在であり、載置台6は調理室2から着脱自在であるため、これらに付着した汚れの清掃が容易である。このため、使用者により著しく加熱効率を損なう状態まで放置される頻度を少なくすることができる。
【符号の説明】
【0091】
1 本体、2 調理室、3 窓、4 ドア、5 調理物、6 載置台、7 ハンドル、8 上部ガラス管ヒーター、9 下部ガラス管ヒーター、10 反射部、11 下側反射部材、12 水平面、13 第1の傾斜面、14 第2の傾斜面、15 手掛け部、16 フランジ、17 支持体、18 フラットヒーター、19 断熱材、20 板金、21 アンテナ、22 シーズヒーター、23 セラミックプレート、24 下部加熱室、25 モーター、26 導波管、28 チョーク、29 開口パネル、30 背面加熱室、31 背面ガラス管ヒーター、32 反射部、33 背面開口部、34 ターボファン、35 循環室、36 ファンモーター、37 吸気口、38 内側フラットヒーター、39 外側フラットヒーター、40 上側反射部材、41 傾斜面、42 ガイドレール、43 調理プレート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理物を収納する調理室と、
前記調理室内に着脱自在に設けられ、調理物を載置する載置台と、
前記調理室内の前記載置台上方に配置された上部加熱手段と、
前記調理室の載置台エリアの外側に配置され、赤外線を発生する赤外線加熱手段と、 前記赤外線加熱手段の周りに形成され、該赤外線加熱手段の発生する赤外線を載置台エリア側に向け反射させる反射部とを備え、
前記載置台に載置された調理物を、前記上部加熱手段と前記赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する加熱調理器において、
前記調理室内に着脱可能な反射部材を設け、該反射部材により、前記加熱調理時に前記赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び前記反射部で反射した赤外線を、前記載置台の下面に向け反射させることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
調理物を収納する調理室と、
前記調理室内の所定高さ位置に着脱自在に設けられ、調理物を載置する載置台と、
前記調理室の上部内側、もしくは上部外側に設けられた上部加熱手段と、
前記調理室内の背面側、もしくは側面側に設けられた加熱室と、
前記加熱室内に配置され、赤外線を発生する赤外線加熱手段と、
前記赤外線加熱手段の周りに形成され、該赤外線加熱手段の発生する赤外線を前記調理室側に向けて反射させる反射部と、
前記調理室と前記加熱室を仕切る壁面に設けられ、前記赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び前記反射部で反射した赤外線を、前記調理室内に透過させる複数の連通孔とを備え、
前記載置台に載置された調理物を、前記上部加熱手段と前記赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する加熱調理器において、
前記調理室内に着脱可能な反射部材を設け、該反射部材により、前記加熱調理時に前記連通孔を介して前記調理室内に入射する赤外線を、前記載置台の下面に向け反射させることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
調理物を収納する調理室と、
前記調理室内の所定高さの位置に着脱自在に設けられ、調理物を載置する載置台と、
前記調理室の上部内側、もしくは上部外側に設けられた上部加熱手段と、
前記調理室内の背面側、もしくは側面側に設けられた加熱室と、
前記加熱室内に配置され、赤外線を発生する赤外線加熱手段と、
前記赤外線加熱手段の周りに形成され、該赤外線加熱手段の発生する赤外線を調理室側に向けて反射させる反射部と、
前記調理室と前記加熱室を仕切る壁面に設けられ、赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び前記反射部で反射した赤外線を、前記調理室内に透過させる複数の連通孔と、
前記加熱室内に設けられ、前記赤外線加熱手段によって加熱された該加熱室内の空気を前記複数の連通孔より前記調理室内に送出させる送風手段と、
前記調理室と前記加熱室を仕切る壁面に設けられ、前記送風手段によって前記調理室内の空気を前記加熱室内に吸気するための複数の吸気口とを備え、
前記載置台に載置された調理物を、前記上部加熱手段と前記赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する加熱調理器において、
前記調理室内に着脱可能な反射部材を設け、該反射部材により、前記加熱調理時に前記連通孔を介して前記調理室内に入射する赤外線を、前記載置台の下面に向け反射させることを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
マイクロ波を発生させるマグネトロンと、
前記マグネトロンの発生したマイクロ波を前記調理室内に導く導波管と、
を備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記反射部材は、前記載置台の下側に着脱自在に係止されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記反射部材は、底面と側面とを有する箱状に形成され、前記赤外線加熱手段側の側面と上面側が開口し、前記赤外線加熱手段から前記加熱室内に入射した赤外線を上方向に反射して調理物の下側に集めることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記反射部材は、底面から前記載置台までの距離が前記赤外線加熱手段から遠ざかるほど短くなることを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記反射部材は、底面の前記載置台に対する傾斜角度が前記赤外線加熱手段から遠ざかるほど大きくなることを特徴とする請求項7記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記反射部材は、前記下側反射部材と、前記載置台上の前記赤外線加熱手段側に設けられて前記載置台の上側に向かう赤外線を下側に反射させる上側反射部材とによって構成され、前記上側反射部材と前記下側反射部材の互いに対向する底面は略平行に配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記上側反射部材と前記下側反射部材を対向させることによって前記赤外線加熱手段から赤外線を前記反射部材内部に入射させる入射開口部を形成し、該入射開口部によって前記赤外線加熱手段からの赤外線入射部が覆われていることを特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記赤外線加熱手段は、前記載置台に対して高さ方向で上側に備えられるとともに、前記上側反射部材と前記下側反射部材の平行配設部は、前記赤外線加熱手段から遠ざかるにつれて下方に傾斜して構成されていることを特徴とする請求項9又は請求項10記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記上側反射部材は、前記載置台の上に摺動自在に載置されるか、もしくは前記下側反射部材と一体で構成されることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記上側反射部材、及び下側反射部材は、鉄、ステンレス、又はアルミの金属材料で構成されていることを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記上側反射部材、及び下側反射部材の少なくとも底面に、親水性処理を施したことを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項1】
調理物を収納する調理室と、
前記調理室内に着脱自在に設けられ、調理物を載置する載置台と、
前記調理室内の前記載置台上方に配置された上部加熱手段と、
前記調理室の載置台エリアの外側に配置され、赤外線を発生する赤外線加熱手段と、 前記赤外線加熱手段の周りに形成され、該赤外線加熱手段の発生する赤外線を載置台エリア側に向け反射させる反射部とを備え、
前記載置台に載置された調理物を、前記上部加熱手段と前記赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する加熱調理器において、
前記調理室内に着脱可能な反射部材を設け、該反射部材により、前記加熱調理時に前記赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び前記反射部で反射した赤外線を、前記載置台の下面に向け反射させることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
調理物を収納する調理室と、
前記調理室内の所定高さ位置に着脱自在に設けられ、調理物を載置する載置台と、
前記調理室の上部内側、もしくは上部外側に設けられた上部加熱手段と、
前記調理室内の背面側、もしくは側面側に設けられた加熱室と、
前記加熱室内に配置され、赤外線を発生する赤外線加熱手段と、
前記赤外線加熱手段の周りに形成され、該赤外線加熱手段の発生する赤外線を前記調理室側に向けて反射させる反射部と、
前記調理室と前記加熱室を仕切る壁面に設けられ、前記赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び前記反射部で反射した赤外線を、前記調理室内に透過させる複数の連通孔とを備え、
前記載置台に載置された調理物を、前記上部加熱手段と前記赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する加熱調理器において、
前記調理室内に着脱可能な反射部材を設け、該反射部材により、前記加熱調理時に前記連通孔を介して前記調理室内に入射する赤外線を、前記載置台の下面に向け反射させることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
調理物を収納する調理室と、
前記調理室内の所定高さの位置に着脱自在に設けられ、調理物を載置する載置台と、
前記調理室の上部内側、もしくは上部外側に設けられた上部加熱手段と、
前記調理室内の背面側、もしくは側面側に設けられた加熱室と、
前記加熱室内に配置され、赤外線を発生する赤外線加熱手段と、
前記赤外線加熱手段の周りに形成され、該赤外線加熱手段の発生する赤外線を調理室側に向けて反射させる反射部と、
前記調理室と前記加熱室を仕切る壁面に設けられ、赤外線加熱手段から直接照射される赤外線、及び前記反射部で反射した赤外線を、前記調理室内に透過させる複数の連通孔と、
前記加熱室内に設けられ、前記赤外線加熱手段によって加熱された該加熱室内の空気を前記複数の連通孔より前記調理室内に送出させる送風手段と、
前記調理室と前記加熱室を仕切る壁面に設けられ、前記送風手段によって前記調理室内の空気を前記加熱室内に吸気するための複数の吸気口とを備え、
前記載置台に載置された調理物を、前記上部加熱手段と前記赤外線加熱手段にて発生させた赤外線とにより、上下両方向から加熱調理する加熱調理器において、
前記調理室内に着脱可能な反射部材を設け、該反射部材により、前記加熱調理時に前記連通孔を介して前記調理室内に入射する赤外線を、前記載置台の下面に向け反射させることを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
マイクロ波を発生させるマグネトロンと、
前記マグネトロンの発生したマイクロ波を前記調理室内に導く導波管と、
を備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記反射部材は、前記載置台の下側に着脱自在に係止されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記反射部材は、底面と側面とを有する箱状に形成され、前記赤外線加熱手段側の側面と上面側が開口し、前記赤外線加熱手段から前記加熱室内に入射した赤外線を上方向に反射して調理物の下側に集めることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記反射部材は、底面から前記載置台までの距離が前記赤外線加熱手段から遠ざかるほど短くなることを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記反射部材は、底面の前記載置台に対する傾斜角度が前記赤外線加熱手段から遠ざかるほど大きくなることを特徴とする請求項7記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記反射部材は、前記下側反射部材と、前記載置台上の前記赤外線加熱手段側に設けられて前記載置台の上側に向かう赤外線を下側に反射させる上側反射部材とによって構成され、前記上側反射部材と前記下側反射部材の互いに対向する底面は略平行に配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記上側反射部材と前記下側反射部材を対向させることによって前記赤外線加熱手段から赤外線を前記反射部材内部に入射させる入射開口部を形成し、該入射開口部によって前記赤外線加熱手段からの赤外線入射部が覆われていることを特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記赤外線加熱手段は、前記載置台に対して高さ方向で上側に備えられるとともに、前記上側反射部材と前記下側反射部材の平行配設部は、前記赤外線加熱手段から遠ざかるにつれて下方に傾斜して構成されていることを特徴とする請求項9又は請求項10記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記上側反射部材は、前記載置台の上に摺動自在に載置されるか、もしくは前記下側反射部材と一体で構成されることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記上側反射部材、及び下側反射部材は、鉄、ステンレス、又はアルミの金属材料で構成されていることを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記上側反射部材、及び下側反射部材の少なくとも底面に、親水性処理を施したことを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−77932(P2012−77932A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221025(P2010−221025)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]