説明

効率的でコスト効率の良い分散呼受付制御

【課題】 幾つかの呼コントローラ間で帯域幅を割り当てることができる分散呼制御システムを提供する。
【解決手段】 分散呼制御システムは、呼制御を管理する呼処理サーバーの複数のインスタンスを実行する1個以上のサーバーを含む。呼処理サーバーはクラスタ又はグループを形成する。クラスタメンバーはメンバー間で帯域幅割当を交渉し、決定する。メンバーが更なる帯域幅を要求する場合、このメンバーの呼処理サーバーはそれ自体の必要性を査定し、他のメンバーから更なる帯域幅を要求する。帯域幅の交渉及び要求は、帯域幅制御を厳しく統制する一組の動的及び静的帯域幅データにより成し遂げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は効率的でコスト効率の良い分散呼受付制御に関する。
【背景技術】
【0002】
企業のコールシステム(例えば、ビジネス又はその他の法人により使用される電話システム)又はコールセンターは一般的に、特定の日に数千の呼を受信することができる。呼は様々な箇所で受信することもできる。全ての呼は呼を搬送するネットワークから所定量の帯域幅を必要とする。ネットワーク帯域幅には限界がある。そのため、各呼について、ネットワーク内のシステムは、各呼を処理するために、十分な未使用帯域幅が存在するか否か決定しなければならない。一般的に、セントラルシステムは利用可能な帯域幅の量に関する計算を継続する。各呼コントローラが新規な呼の要求を受信すると、呼コントローラは、この電話呼を処理するために十分な帯域幅が存在するか否かセントラルシステムに問い合わせる。運悪く、ネットワークが幾つかの呼コントローラで一層多様になると、セントラルシステムからの帯域幅要求のプロセスは非効率となり、追加ネットワークトラヒックを作成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点及びその他の問題点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、幾つかの呼コントローラ間で帯域幅を割り当てることができる分散呼制御システムを提供する。分散呼制御システムの実施態様は、1個以上のサーバーを含む。このサーバーは、呼制御を管理する呼処理サーバの複数のインスタンスを実行する。呼処理サーバはクラスター又はグループを形成する。セントラルシステムが帯域幅割り当てを制御するのではなく、クラスターがメンバー間の帯域幅割り当てを交渉し、決定する。メンバーが更なる帯域幅を要求した場合、呼処理サーバはメンバー自身の必要性を査定し、その他のメンバーから更なる帯域幅を要求する。帯域幅の交渉及び要求は、帯域幅の制御を厳しく統制する一組の動的及び静的帯域幅データにより行われる。本発明の実施態様は、企業コール・センター・ストラクチャのサポート又は大規模電話トラヒック管理システムのサポートを含む。
【発明の効果】
【0005】
本発明の実施態様は多数の効果を有する。例えば、このデザインによれば、個々の呼処理サーバー・インスタンス・トラヒック特性に応じて、複数の呼処理サーバー・インスタンスの全域の呼帯域幅を動的に管理する。“動的”とは、特定の呼処理サーバー・インスタンスが、呼を通じさせることができる能力を制限する高帯域幅使用期間を負うている場合、そのインスタンスが更なる呼を許可することを可能にする更なる帯域幅を当該インスタンスが得ることが出来ることを意味する。得られた帯域幅は、極めて頻繁な帯域幅要求を避けるために、当該インスタンスが暫くの間動作できる帯域幅レベルに達するのに、呼処理サーバー・インスタンスにとって申し分無く十分でなければならない。また、呼拒否を出来るだけ少なくするために、帯域幅要求は、帯域幅消耗状態が起こる前に、できるだけ放出させておかなければならない(予測アプローチ)。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】呼サーバー間でネットワーク帯域幅を分散させる分散起呼システムの或る実施態様のブロック図である。
【図2】起呼サーバーの或る実施態様のブロック図である。
【図3】帯域幅を分散及び要求する起呼サーバーにより格納、送信又は受信されるデータ・ストラクチャのブロック図である。
【図4】初期帯域幅割り当てを開始及び決定するためのサーバーのプロセスの或る実施態様の流れ図である。
【図5】要求サーバーへの帯域幅の初期割り当てを管理するためのサーバーのプロセスの或る実施態様の流れ図である。
【図6】要求サーバーが更なる帯域幅が必要か否か決定し、そして必要な帯域幅を要求するプロセスの或る実施態様の流れ図である。
【図7】追加帯域幅の要求に応答する提供サーバーのプロセスの或る実施態様の流れ図である。
【図8】サーバー・グループのメンバーの帯域幅使用状況を監査するプロセスの或る実施態様の流れ図である。
【図9】システム及びプロセスが実行されるコンピュータ・システム環境の或る実施態様のブロック図である。
【図10】システム及びプロセスが実行されるコンピュータ・システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について更に詳細に説明する。
【0008】
電話呼を管理するシステム100の実施態様の一例を図1に示す。システム100の幾つかの構成要素は、ハードウエア、ソフトウエア、又はハードウエアとソフトウエアとの組合せである。システム100の構成要素を組み入れることができるコンピュータ・システム環境及びコンピュータ・システムの記載は図9及び図10と共に説明する。従って、以下にシステム100の構成要素の機能説明を行う。
【0009】
本発明の実施態様において、システムは複数のサーバー102,104又は106を有する。これらのサーバーは呼を管理することができ、ネットワーク114を介して通信する。各サーバー102,104又は106はネットワーク114,116又は118を介してブランチ108,110又は112を管理することができる。ブランチ108,110又は112は一連の複数の通信デバイス(例えば、電話機)を含む。
【0010】
例えば、ブランチはコール・センターの一部又は企業ネットワークのサイトであることもできる。典型的には、ブランチ108,110又は112はインターネット・プロトコル(IP)アドレス又は電話番号の集合である。ネットワーク114,116又は118は、図9及び図10に関連して説明されるような信頼される又は信頼されないネットワークであり、ブランチ108,110又は112とサーバー102,104又は106との間のデータ通信を可能にする。
【0011】
システム100は1個以上のブランチにおける1個以上のIPアドレスからの電話呼又は帯域幅要求を管理する。一例として、電話呼はブランチ108から要求できる。要求はネットワーク114によりサーバー102に送信できる。呼を許可する前に、サーバー114は、ネットワーク114が十分な帯域幅を有するか否か決定しなければならない。一般的に、ネットワーク114,116又は118及びサーバー102,104又は106間の通信は帯域幅が制限される。このように、サーバー102,104又は106のグループは帯域幅を共有しなければならない。従って、サーバー102は、電話呼がシステム100内で十分な帯域幅を有するか否か決定できなければならない。
【0012】
サーバー102,104又は106は、サーバー102,104又は106が利用可能な帯域幅を共有するグループの一部である。帯域幅を共有するために、サーバー102,104又は106は所定量の帯域幅を各サーバー102,104又は106に割り当てる。各サーバー102,104又は106が呼を管理するか又は制御するに応じて、割り当てられた帯域幅の一部が使用される。しかし、或る場合には、サーバー102,104又は106は呼を管理するために更なる帯域幅を要求する。このような場合、サーバー102,104又は106はグループの他のメンバーから更なる帯域幅を要求できる。
【0013】
サーバー200の一例を図2に示す。サーバー200はサーバー102,104又は106(図1参照)と同一又は類似であることができる。例えば、サーバー200は図7に関連して説明されるようなコンピュータ・システムである。サーバー200は1個以上の構成要素を有することができる。これはコンピュータ・モジュールとして実行できる。サーバー200は1個以上の(これに限定されるわけではないが)呼処理サーバー202又はコントロール・テーブル204を含むことができる。
【0014】
呼処理サーバー202はサーバーへの呼を管理するか又は制御する。呼処理サーバー202は、ブランチ108,110又は112(図1参照)のメンバーのIPアドレスから電話呼の要求を受信する。呼処理サーバー202は呼を完了させるために必要に応じて、当該呼を経路指定できる。しかし、別の実施態様では、呼処理サーバー202は、当該呼が適正な帯域幅を有しているか否か決定する。更なる帯域幅が要求されたら、呼処理サーバーは追加帯域幅を要求する。別の実施態様では、呼処理サーバーは下記に説明するように、グループ・アドミニストレータとしても機能することができる。
【0015】
コントロール・テーブル204は、十分な帯域幅が利用可能か否か及び更なる帯域幅についてグループメンバーと交信するか否か、呼処理サーバー202が決定できるようにする制御情報を格納できる。図3にコントロール・テーブルの一例を示す。一般的に、各サーバー102,104又は106はコントロール・テーブル204を含む。呼処理サーバー202及びコントロール・テーブル204は、各メンバーサーバー102,104又は106が、セントラル・システム無しに帯域幅要求を個別に管理できるようにする。
【0016】
コントロール・テーブル204(図2参照)に含まれ得る制御情報を体系化するデータ・ストラクチャ300の一例を図3に示す。制御情報300は複数のデータ・フィールド302,304,306,308,310,312又は314から構成することができる。省略記号316により表示されるように、図3に示された部分よりも多い又は少ない部分も可能である。制御情報300の幾つかは安定値を有する静的であり得る。しかし、他の制御情報300は動的であり、変化する。動的情報は周期的(例えば、毎日、毎時間など)に計算されるか、又はイベント(例えば、新たな呼が受信された、新たなメンバーがサーバーグループに加わったなど)に応答して計算され得る。
【0017】
アドミニストレータ・フィールド302は、サーバー102,104又は106がサーバーグループのメンバーのためのアドミニストレータであることを示すビット又はその他の表示を包含する。アドミニストレータはサーバーグループの初期確立後又はサーバーグループの再確立が必要な何らかのイベント(例えば、ネットワーク停止、サーバー故障など)後に決定される。アドミニストレータは、グループメンバーに対する帯域幅の初期割り当ての決定を助け、下記に説明するようなサーバーグループの周期的監査を行う。ロケーション・フィールド304は、サーバー102,104又は106(図1参照)若しくはサーバー102,104又は106(図1参照)により管理されるブランチ108,110又は112(図1参照)のロケーションのIDを含む。ロケーション・フィールド304は、アドミニストレータに対する又は別のサーバーに対するサーバー102,104又は106(図1参照)を同定する。最大許容帯域幅フィールド306は全システム100(図1参照)が利用可能な帯域幅を格納する。最大許容帯域幅306は、サーバー102,104又は106への割り当ての決定又はシステム100(図1参照)により使用される帯域幅の監査のために使用できる。一般的に、アドミニストレータは、サーバー102,104又は106のために最大許容帯域幅306を維持する。サーバーグループが確立された後、アドミニストレータ・フィールド302、ロケーション・フィールド304及び最大許容帯域幅306は、イベント(例えば、サーバー故障など)がサーバーグループを変更しない限り、静的である。
【0018】
割り当て帯域幅フィールド308は、サーバー102,104又は106に割り当てられた現行帯域幅を格納する。呼当たり帯域幅310は、呼当たりに使用される帯域幅の平均量を含むか又は呼により求められた最大履歴帯域幅を表示できる。現用帯域幅フィールド312は、サーバー102,104又は106(図1参照)により現に管理されている全ての呼を行うためにサーバー102,104又は106(図1参照)により使用されている或る程度の帯域幅量を格納する。呼が開始されるか又は確立されるに応じて、現用帯域幅312は変化する。帯域幅閾値314は、サーバー102,104又は106(図1参照)が更なる帯域幅を要求しなければならない帯域幅のレベルであることができる。例えば、帯域幅閾値314は、割り当て帯域幅308の80%であり得る。現用帯域幅312が帯域幅閾値314を越えている場合、サーバー102,104又は106(図1参照)は更なる帯域幅を要求しなければならないであろう。その他の値、計測及び演算結果は、下記に説明するように制御情報300に格納され得る。
【0019】
要求サーバーの視点から帯域幅を初期割り当てする方法400の一例を図4に示す。一般的に、方法400はステップ402で開始され、ステップ416で終了する。方法400のステップの一般的順序が図4に示されるが、方法400は図4に示されたステップよりも多い又は少ないステップを含むか若しくは図4に示されたステップ順序と異なるステップ順序にアレンジすることができる。方法400は、コンピュータシステムにより実行される一連のコンピュータ実行可能インストラクションとして実行され、エンコードされ、かつ、コンピュータが読み出し可能な媒体に記憶することができる。以下、方法400は、図1〜図3について説明されたシステム、構成要素、モジュール、データ・ストラクチャなどと関連して説明する。更に、要求サーバーはサーバー102として明確に描写され、提供サーバーはサーバー104として明確に描写されなければならない。サーバー102,104又は106はどれも、要求サーバー又は提供サーバーの何れかとして機能することができる。
【0020】
ステップ404において、要求サーバー102はスティミュラスを受信する。スティミュラスはサーバーグループの初期作成又は故障イベント(例えば、ネットワーク障害)からの復旧などである。要求サーバー102はスティミュラスに応答して再開又は初期化する。初期化したら、要求サーバー102はサーバーグループとの結合を試みる。ステップ406において、要求サーバー102は、別の呼処理サーバー202が起動しているか否か決定する。決定を行った後、要求サーバー102は、位置情報304について又はその他の可能性のあるサーバー・グループ・メンバーの識別情報について、コントロール・テーブル204を探索できる。1個以上のグループメンバーが起動中であるか否か決定するために、要求サーバー102は、他のグループメンバーに問い合わせを行う。グループメンバーのうちの一つが起動中である場合、提供サーバー104の呼処理サーバー202は問い合わせに対して返答を送信できる。別の呼処理サーバー202が起動している場合、方法400は要求ステップ412に“YES”を送る。他の呼処理サーバー202が起動していない場合、方法400は設定ステップ408に“NO”を送る。
【0021】
ステップ408において、要求サーバー102の呼処理サーバー202は受信帯域幅に対して割り当て帯域幅308を設定する。この割り当て帯域幅はサーバーグループへの最大許容帯域幅である。換言すれば、ステップ406で決定されるように、他の呼処理サーバー202が起動していない場合、呼処理サーバー202はサーバーグループの全ての帯域幅を使用できる。更に、グループのアドミニストレータとなるために、呼処理サーバー202はアドミニストレータ・ビット302を設定できる。従って、最初の起動呼処理サーバー202がアドミニストレータとなる。アドミニストレータは投票又は委任プロセスにより選択することもできる。
【0022】
別の呼処理サーバー202が起動している場合、要求サーバー102の呼処理サーバー202は、帯域幅割り当てに関して、他のサーバー102,104又は106のうちの少なくとも一つに要求を送信できる。問い合わせプロセス中に、提供サーバー104の既に起動している呼処理サーバー202は、アドミニストレータとして新たに結合するグループメンバーに対して、それ自身を識別できる。アドミニストレータ104は複数の結合サーバー102又は106からの帯域幅要求を受信できる。この要求に応答して、アドミニストレータ104は各結合メンバーに対して被管理帯域幅又は最大帯域幅の分け前を割り当てることができる。分け前は幾つかの方法により計算できるが、一般的に、アドミニストレータ104は各結合サーバー102又は106に帯域幅の均等分け前を付与する。ステップ414において、要求サーバー102は割り当て帯域幅308を帯域幅量に設定する。
【0023】
帯域幅提供サーバーの視点から要求サーバーに帯域幅を提供する方法500を図5に示す。方法500はステップ502で開始され、終了操作ステップ518で終わる。図5には方法500のステップの一般的順序が示されているが、方法500は一層多くのステップ又は少ないステップを含むこともでき、或いは図5に示されたステップ順序と異なるステップ順序にアレンジすることもできる。方法500は、コンピュータシステムにより実行される一連のコンピュータ実行可能インストラクションとして実行され、エンコードされ、かつ、コンピュータが読み出し可能な媒体に記憶することができる。以下、方法500は、図1〜図3について説明されたシステム、構成要素、モジュール、データ・ストラクチャなどと関連して説明する。更に、要求サーバーはサーバー102として明確に描写され、提供サーバーはサーバー104として明確に描写されなければならない。サーバー102,104又は106はどれも、要求サーバー又は提供サーバーの何れかとして機能することができる。
【0024】
提供サーバー104は帯域幅について要求サーバー102からの要求を受信する。帯域幅要求は初期割り当てについて要求する。(すなわち、要求サーバー102は現存割り当てにおける増加ではなくむしろ初期割り当てを必要とする。)従って、提供サーバー104は、設定量ではなくむしろ、出来るだけ多くの帯域幅を要求サーバーに付与しようと試みる。ステップ506において、提供サーバー104は、キープするためにサーバーが必要としている最小帯域幅(MinK)、付与するための最大帯域幅(MaxG)及び利用可能帯域幅を決定する。MinKは使用されている最大帯域幅312、低帯域幅閾値314又は呼当たり帯域幅310である。MaxGはグループ内のサーバー102,104又は106の個数により分割された管理帯域幅量306である。(例えば、60,000MBps/6サーバー=10,000MBps/サーバー)。利用可能帯域幅は割り当て帯域幅308から使用されている帯域幅312を差し引いた結果である。
【0025】
次いで、ステップ508において、提供サーバー104は、利用可能帯域幅がMaxGよりも大きいか否か決定する。換言すれば、提供サーバー104は、グループ内の各サーバーに割り当てるべき最大量よりも更に多くの利用可能帯域幅を有するか?。利用可能帯域幅がMaxGよりも大きい場合、方法500は“YES”をステップ516に送る。これにより、ステップ516において、提供サーバー104は要求サーバー102にMaxGを提供する。利用可能帯域幅がMaxGよりも小さい場合、方法500は“NO”をステップ510に送る。
【0026】
ステップ510において、提供サーバー104は利用可能帯域幅がMinKよりも大きいか否か決定できる。換言すれば、提供サーバー104は、提供サーバー104の現在の必要量以上の利用可能帯域幅を有するか?。利用可能帯域幅がMinKよりも大きい場合、方法500はステップ512に“YES”を送り、ステップ512において、提供サーバー104は、利用可能帯域幅からMinKを差し引いた結果と同じ帯域幅を提供する。換言すれば、提供サーバー104は、提供サーバー104の必要量以上の帯域幅を要求サーバー102に付与する。利用可能帯域幅がMinKよりも大きくない場合、方法500はステップ514に“NO”を送り、ステップ514では要求サーバー102に何も付与しない。従って、提供サーバー104は、提供サーバー104がその必要量に合致する十分な帯域幅を有する場合だけ、何も付与しない。
【0027】
要求サーバー102の視点から考察した呼の管理方法600を図6に示す。方法600はステップ602で開始され、終了操作ステップ626で終わる。図6には方法600のステップの一般的順序が示されているが、方法600は一層多くのステップ又は少ないステップを含むこともでき、或いは図6に示されたステップ順序と異なるステップ順序にアレンジすることもできる。方法600は、コンピュータシステムにより実行される一連のコンピュータ実行可能インストラクションとして実行され、エンコードされ、かつ、コンピュータが読み出し可能な媒体に記憶することができる。以下、方法600は、図1〜図3について説明されたシステム、構成要素、モジュール、データ・ストラクチャなどと関連して説明する。更に、要求サーバーはサーバー102として明確に描写され、提供サーバーはサーバー104として明確に描写されなければならない。サーバー102,104又は106はどれも、要求サーバー又は提供サーバーの何れかとして機能することができる。
【0028】
ステップ604において、要求サーバー102の呼処理サーバー202はブランチ108から着信呼を受信する。この呼を受信し、経路指定する前に、呼処理サーバー202は、ステップ606において、サーバー102がこの呼を確立するために十分な帯域幅を有するか否か決定する。呼処理サーバー202は、使用されている帯域幅312と新規な呼のための帯域幅の合計値が割り当て帯域幅308未満であるか否か決定できる。サーバー102が十分な帯域幅を有する場合、方法600はステップ618に“YES”を送り、ステップ618において、呼処理サーバー202はこの呼を許可する。サーバー102が十分な帯域幅を有しない場合、方法600はステップ608に“NO”を送り、ステップ608において、呼処理サーバー202はこの呼を遅延させる。
【0029】
ステップ608の呼経路指定遅延の後、呼処理サーバー202は、提供サーバー104のようなサーバーグループメンバーから帯域幅を要求する。この要求は、帯域幅要求をと帯域幅必要量の値を示すメッセージであることができる。提供サーバー104からの応答を受信後、ステップ612において、呼処理サーバー202は十分な帯域幅を受信したか否か決定できる。応答は帯域幅の提供を拒否できる。その他の状況では、応答は要求された帯域幅の一部又は全部を包含する。呼処理サーバー202が要求帯域幅の全量を提供サーバー104から受信しない場合、方法600は“NO”をステップ616に送り、ステップ616において、呼処理サーバー202は呼を拒否する。場合により、呼処理サーバー202が要求帯域幅の全量を提供サーバー104から受信しない場合、方法600は“NO”をステップ610に送り、呼処理サーバー202は、全てのサーバーが所定回数照会されるまで、別のサーバー106と共に要求ステップ610を繰り返す。呼処理サーバー202が提供サーバー104又は別のサーバーから要求帯域幅の全量を受信した場合、方法600は“YES”をステップ614に送り、ステップ614において、呼処理サーバー202はこの呼を許可する。
【0030】
ステップ618において呼が許可された後、ステップ620において、呼処理サーバー202は新規な使用帯域幅値312を設定する。新規使用帯域幅値312は従前に許可された呼と直前に許可された新規呼を包含する。次いで、呼処理サーバー202は、新規使用帯域幅値312が低帯域幅閾値314と同値又はそれ以上であるか否か決定する。一般的に、低帯域幅閾値314は割り当て帯域幅未満の値(例えば、割り当て帯域幅の80%)である。この値は、帯域幅不足が問題になる前に呼処理サーバー202が更なる帯域幅を要求することを保証する値である。新規使用帯域幅値312が低帯域幅閾値314以上である場合、方法600は“YES”をステップ624に送り、ステップ624において、呼処理サーバー202は更なる帯域幅を要求する。追加帯域幅の要求はステップ610及び612においても同様に行われる。新規使用帯域幅値312が低帯域幅閾値314未満の場合、方法600は“NO”を送り、ステップ626において操作を終了する。
【0031】
提供サーバー104の視点から考察した帯域幅要求に対する応答方法700を図7に示す。方法700はステップ702で開始され、終了操作ステップ718で終わる。図7には方法700のステップの一般的順序が示されているが、方法700は一層多くのステップ又は少ないステップを含むこともでき、或いは図7に示されたステップ順序と異なるステップ順序にアレンジすることもできる。方法700は、コンピュータシステムにより実行される一連のコンピュータ実行可能インストラクションとして実行され、エンコードされ、かつ、コンピュータが読み出し可能な媒体に記憶することができる。以下、方法700は、図1〜図3について説明されたシステム、構成要素、モジュール、データ・ストラクチャなどと関連して説明する。更に、要求サーバーはサーバー102として明確に描写され、提供サーバーはサーバー104として明確に描写されなければならない。サーバー102,104又は106はどれも、要求サーバー又は提供サーバーの何れかとして機能することができる。
【0032】
ステップ704において、提供サーバー104は要求サーバー102から帯域幅要求を受信する。この要求は要求サーバー102及び帯域幅必要量を同定できる。ステップ706において、提供サーバー104の呼処理サーバー202は、サーバーの割り当て帯域幅308がサーバーの使用帯域幅312よりも大きいか否か決定する。換言すれば、呼処理サーバー202は、提供サーバー104が何らかの予備帯域幅を有するか否か決定する。サーバーの割り当て帯域幅308がサーバーの使用帯域幅312よりも大きい場合、方法700は“YES”をステップ710に送る。しかし、サーバーの割り当て帯域幅308がサーバーの使用帯域幅312よりも大きくない場合、ステップ708において、呼処理サーバー202は要求を拒否し、要求サーバー102に帯域幅を提供しない。呼処理サーバー202は要求サーバー102に拒否応答を送信できる。
【0033】
次いで、呼処理サーバー202は、利用可能量がステップ710で与えられた閾値未満であるか否か決定する。与えられた閾値はコントロール・データ300のデータ・フィールドである。これは、呼処理サーバー202が与えることができる帯域幅以下の割当帯域幅量308の百分率を設定する。(例えば、呼処理サーバー202は割り当て帯域幅308の98%のレベル以下の帯域幅を与えることができる。この値は割り当て帯域幅の0.98倍により定義される量に等しい。)従って、呼処理サーバー202は、割り当て帯域幅308から要求量を差し引いた値が与えられた閾値未満であるか否か決定する。利用可能量が与えられた閾値未満である場合、方法700は“YES”をステップ716に送り、ステップ716において、呼処理サーバー202は要求サーバー102に要求帯域幅の総量を与える。利用可能量が与えられた閾値未満でない場合、方法700は“NO”を決定ステップ712に送る。
【0034】
ステップ712において付与量を決定するために、呼処理サーバー202は、割り当て帯域幅308から使用帯域幅312を差し引いた値が呼当たり帯域幅310の平均値よりも大きいか否か決定できる。割り当て帯域幅308から使用帯域幅312を差し引いた値が平均呼当たり帯域幅310よりも大きい場合、ステップ714において、呼処理サーバー202は、割り当て帯域幅308から使用帯域幅312を差し引いた結果に等しい帯域幅量を与えることを決定する。しかし、割り当て帯域幅308から使用帯域幅312を差し引いた値が平均呼当たり帯域幅310を越える場合、ステップ714において、呼処理サーバー202は平均呼当たり帯域幅310を与えることもできる。
【0035】
アドミニストレータ・サーバーの視点から考察した、帯域幅使用状況の監査実施方法800を図8に示す。方法800はステップ802で開始され、終了操作ステップ822で終わる。図8には方法800のステップの一般的順序が示されているが、方法800は一層多くのステップ又は少ないステップを含むこともでき、或いは図8に示されたステップ順序と異なるステップ順序にアレンジすることもできる。方法800は、コンピュータシステムにより実行される一連のコンピュータ実行可能インストラクションとして実行され、エンコードされ、かつ、コンピュータが読み出し可能な媒体に記憶することができる。以下、方法800は、図1〜図3について説明されたシステム、構成要素、モジュール、データ・ストラクチャなどと関連して説明する。更に、要求サーバーはサーバー102として明確に描写され、提供サーバーはサーバー104として明確に描写されなければならない。サーバー102,104又は106はどれも、要求サーバー又は提供サーバーの何れかとして機能することができる。
【0036】
ステップ804において、アドミニストレータ・サーバー102は監査を開始する。監査は周期的(例えば、毎日又は毎時間など)に開始することもできるし、或いは何らかのイベント(例えば、サーバーが帯域幅を拒否しているなど)に応答して実施することもできる。アドミニストレータとして指定されたサーバー102は監査を開始し、監査を実施する。監査開始に応答して、ステップ806において、アドミニストレータ・サーバー102は、サーバーの使用帯域幅及び割り当て帯域幅を要求する各呼処理サーバー202に要求を送信する。各呼処理サーバー202は割り当て帯域幅308及び使用帯域幅312に関する応答を送信する。
【0037】
ステップ808において、アドミニストレータ・サーバー102は、割り当てられていない帯域幅が存在するか否か決定する。最初に、アドミニストレータ・サーバー102は割り当て帯域幅に関する全ての応答を合計する。次いで、アドミニストレータ・サーバー102は割り当て帯域幅の和を全ての呼処理サーバーについて管理される帯域幅量と比較する。割り当て帯域幅の和が管理帯域幅と等しい場合、方法800は“YES”をステップ810に送り、ステップ810において、監査を停止する。しかし、割り当て帯域幅の和が管理帯域幅と等しくない場合、方法800は“NO”をステップ812に送る。
【0038】
次いで、アドミニストレータ・サーバー102はステップ814において、各サーバーの使用帯域幅が割り当て又は最大許容帯域幅306未満であるか否か決定する。使用帯域幅が最大許容帯域幅306未満である場合、方法800は“YES”をステップ818に送る。使用帯域幅の和が最大許容帯域幅306以上である場合、方法800は“NO”をステップ820に送る。ステップ816において、アドミニストレータ・サーバー102は各呼処理サーバー202について割り当て帯域幅の新たな割合を決定する。ここで、アドミニストレータ・サーバー102は、呼処理サーバー202の使用帯域幅を呼処理サーバー202の割り当て帯域幅と比較することにより、各呼処理サーバー202が使用している帯域幅の割合を決定する。1個以上の呼処理サーバー202に関する帯域幅過剰量が決定された後、アドミニストレータ・サーバー102は過剰帯域幅を何処に再分配するか決定できる。従って、アドミニストレータ・サーバー102は、どの呼処理サーバー202が多くの帯域幅を使用できるか、すなわち、呼処理サーバー202が、当該呼処理サーバー202の割り当て帯域幅と等しい又は殆ど等しい使用帯域幅を有することを決定する。過剰帯域幅は、割り当て帯域幅に等しい又は殆ど等しい使用帯域幅を有する呼処理サーバー202に与えることができる。このようにして、高い使用状況の呼処理サーバー202は更なる帯域幅を受信する。別の実施態様では、アドミニストレータ・サーバー102は、帯域幅を均等に分配するために、呼処理サーバー202の個数により管理帯域幅306を単純に分割する。
【0039】
ステップ816において決定されるように、使用帯域幅が呼処理サーバー202のための最大割り当て帯域幅306未満である場合、方法800は“YES”をステップ818に送る。ステップ818において、アドミニストレータ・サーバー102は、ステップ816で決定されるように、未使用帯域幅を再割り当てするために、呼処理サーバーの割り当て帯域幅を減少する。ステップ816において決定されるように、使用帯域幅が呼処理サーバー202のための最大割り当て帯域幅306以上である場合、方法800は“NO”をステップ820に送る。ステップ820において、アドミニストレータ・サーバー102は、ステップ816で決定されるように、過剰帯域幅の一部又は全部を呼処理サーバーの割り当て帯域幅に割り当てる。ステップ818及び820において、割り当て帯域幅を減少又は増大するために、アドミニストレータ・サーバー102は単に新規割り当て帯域幅308を各呼処理サーバーに送信し、コントロールテーブル204に格納させる。
【0040】
図9は、帯域幅を管理するためのシステム100として機能し得る計算環境900のブロック図である。システム900は1個以上のユーザ・コンピュータ905,910及び915を含む。ユーザ・コンピュータ905,910及び915は汎用パーソナル・コンピュータ(例えば、マイクロソフト社の各種バージョンのウインドウズ・オペレーティング・システム又はアップル社の各種バージョンのマッキントッシュ・オペレーティング・システムで動作するパーソナル・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ)若しくは様々な市販のUNIX又はUNIX様オペレーティング・システムで動作するワークステーション・コンピュータなどである。これらのユーザ・コンピュータ905,910及び915はまた、任意の様々なアプリケーション(例えば、データベース・クライアント、サーバー・アプリケーション及びウエブ・ブラウザ・アプリケーションなど)も有する。別法として、ユーザ・コンピュータ905,910及び915はその他の任意の電子デバイスであることもできる。このような電子デバイスは例えば、シンクライアント・コンピュータ、インターネットで使用可能な携帯電話又は個人用デジタル・アシスタントなどである。これらはネットワーク(例えば、下記に説明するネットワーク920)を介して交信することができ、又は、ウエブ・ページ若しくはその他のタイプの電子文書を表示又はナビゲートすることができる。実施例のシステム900は3個のユーザ・コンピュータを有するように図示されているが、任意の個数のユーザ・コンピュータをサポートすることができる。
【0041】
システム900は更にネットワーク920も包含する。ネットワーク920は、任意の様々な種類の市販のプロトコル(例えば、TCP/IP、SNA、IPX、Apple Talkなど)を用いてデータ通信をサポートできる当業者に周知の任意のタイプのネットワークであることができる。例えば、ネットワーク920は、イーサネット・ネットワーク、トークン・リング・ネットワークなどのようなローカル・エリア・ネットワーク(“LAN”)、ワイド・エリア・ネットワーク、仮想ネットワーク(例えば、仮想専用ネットワーク(“VPN”))、インターネット、イントラネット、エクストラネット、公衆電話交換ネットワーク(“PSTN”)、赤外線ネットワーク、無線ネットワーク(例えば、プロトコルのIEEE902.11総合ソフトウエア、ブルートゥース・プロトコル又はその他のタイプの無線プロトコルの何れによっても動作するネットワーク)又はこれら若しくはその他のネットワークの組合せなどである。ネットワーク920はネットワーク114、116又は118と同一物又は類似物であり得る。
【0042】
システム900は1個以上のサーバー・コンピュータ925、930も包含できる。一方のサーバーはウエブ・サーバー925であり得る。ウエブ・サーバー925はユーザ・コンピュータ905、910又は915からのウエブ・ページ又はその他の電子文書の要求を処理するために使用できる。ウエブ・サーバーは前記のような任意のタイプのオペレーティング・システム及び任意の市販のサーバー・オペレーティング・システムを実行できる。ウエブ・サーバー925は様々なサーバー・アプリケーション(例えば、HTTPサーバー、FTPサーバー、CGIサーバー、データベース・サーバー、Javaサーバーなど)も実行できる。或る場合には、ウエブ・サーバー925は1個以上のウエブ・サービスとして利用可能なオペレーションを披露することもできる。
【0043】
システム900は1個以上のファイル又はアプリケーション・サーバ930も包含できる。このサーバーは、オペレーティング・システムの他に、1個以上のユーザ・コンピュータ905、910又は915で実行するクライアントによりアクセス可能な1個以上のアプリケーションも包含できる。サーバー930は、ユーザ・コンピュータ905、910又は915に応答してプログラム又はスクリプトを実行できる1個以上の汎用コンピュータであり得る。一例として、サーバーは1個以上のウエブ・アプリケーションを実行できる。ウエブ・アプリケーションは、任意のプログラミング言語(例えば、Java、C、C#又はC++など)又は任意のスクリプティング言語(例えば、Perl、Python又はTCLなど)並びにプログラミング言語/スクリプティング言語の任意の組合せで記載された1個以上のスクリプト又はプログラムとして実装できる。アプリケーション・サーバー930はデータベース・サーバー(例えば、Oracle、Microsoft、Sybase、IBMなどから市販されているデータベース・サーバー)もも包含できる。これらは、ユーザ・コンピュータ905で実行されているデータベース・クライアントからの要求を処理できる。
【0044】
ウエブ・アプリケーション・サーバ930により作成されたウエブ・ページはウエブ・サーバー925を介してユーザ・コンピュータ905に回送できる。同様に、ウエブ・サーバー925はウエブ・ページ要求、ウエブ・サービス呼出又はユーザ・コンピュータからの入力データも受信でき、ウエブ・ページ要求又は入力データをウエブ・アプリケーション・サーバー930へ回送できる。更に、サーバー930はファイル・サーバーとしても機能できる。説明の便宜上、図9は個別のウエブ・サーバー925又はファイル/アプリケーション・サーバー930を図示しているが、サーバー925、930に関して説明して機能は、実装に特異的な必要性及びパラメータに応じて、単一のサーバー又は複数の特別サーバーにより実施することもできる。コンピュータ・システム905、910又は915、ファイル・サーバー925又はアプリケーション・サーバー930はサーバー102、104又は106或いは本明細書に記載したその他のシステムとして機能し得る。
【0045】
システム900はデータベース935も包含する。データベース935はデータベース230、302又は309と同一物又は類似物であり得る。データベース935は様々な箇所に常駐し得る。例えば、データベース935は、1個以上のコンピュータ905、910、915、925、930に対してローカルな(又は常駐する)記憶媒体上に常駐し得る。別法として、データベース935はコンピュータ905、910、915、925、930の何れか又は全てから離しておくこともでき、例えば、ネットワーク920を介してコンピュータ905、910、915、925、930の何れか又は全てと通信し得る。データベース935は記憶エリア・ネットワーク(“SAN”)内に常駐することもできる。同様に、コンピュータ905、910、915、925、930に属する機能を実行するために必要なファイルは各コンピュータに対して自局側に又は必要に応じて対局側に記憶させることもできる。データベース935はOracle 10iのようなリレーショナル・データベースであり得る。これはSQL定形コマンドに応答してデータを記憶、更新及び検索するために適合される。データベース935はコントロール・テーブル204を記憶するために使用されるデータベースと同一物又は類似物であり得る。
【0046】
図10は、本明細書で説明したサーバー102、104又は106又はその他のシステムを展開又は実行できるコンピュータ・システム1000の一例のブロック図である。図示されたコンピュータ・システム1000は、バス1055を介して電気的に結合され得るハードウエア要素から構成されている。ハードウエア要素は1個以上の中央演算処理装置(CPU)1005、1個以上の入力デバイス1010(例えば、マウス、キーボードなど)及び1個以上の出力デバイス1015(例えば、表示装置、プリンタなど)を包含し得る。コンピュータ・システム1000は、1個以上の記憶装置1020も包含し得る。例えば、記憶装置1020はディスク装置、光記憶装置、固体記憶装置(例えば、プログラム可能で、かつ、フラッシュ更新可能なランダム・アクセス・メモリ(“RAM”)などである。
【0047】
コンピュータ・システム1000は更に、コンピュータ読み出し可能記憶媒体読取装置1025、通信システム1030(例えば、モデム、ネットワーク・カード(無線又は有線)、赤外線通信装置など)及びワーキング・メモリ1040などを包含できる。ワーキング・メモリ1040は前記に説明したようなRAM及びROMなどである。コンピュータ・システム1000は処理促進ユニット1035も包含できる。処理加速ユニット1035は例えば、DSP、特定目的プロセッサなどである。
【0048】
コンピュータ読み出し可能記憶媒体読取装置1025は更にコンピュータ読み出し可能記憶媒体にも接続できる。これらは一緒になって(また、場合により記憶装置1020と共に)包括的に、リモート、ローカル、固定又は取り外し可能記憶装置プラス一次又は永久保持コンピュータ読み出し可能情報用の記憶媒体を示す。通信システム1030はデータをネットワーク1020と又はシステム1000に関して前記に説明したようなその他の任意のコンピュータと交換することを許可する。更に、本明細書で使用される「記憶媒体」という用語は、データ記憶用の装置を意味する。これには例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁性RAM、コア・メモリ、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュ・メモリ装置又はその他の情報記憶用機械読み出し可能媒体などが含まれる。
【0049】
コンピュータ・システム1000は、ワーキング・メモリ1040内に現に配置されているものとして図示されているソフトウエア要素も包含する。ソフトウエア要素は例えば、オペレーティング・システム1045又はその他のコード1050(例えば、サーバー300に実装するプログラム・コード)などである。コンピュータ・システム1000の別の実施態様として、前記に説明されたもの以外の様々なバリエーションが可能である。例えば、カスタマイズされたハードウエアも使用可能であり、又は、特別な要素をハードウエア内、ソフトウエア(例えば、アプレットのようなポータブル・ソフトウエア)内若しくはこれら両方内に実装することもできる。更に、ネットワーク入力/出力装置のようなその他のコンピュータ装置への接続も使用できる。
【0050】
用語「自動的」とは、基本的には「人による入力」なしに行われることを意味する。しかし、プロセスの実行の前に行われる「人による入力」は、自動的である。人による入力がプロセスに影響を及ぼす場合は、自動的とはみなさない。しかし、プロセスに同意して行われる「人による入力」は、自動的である。
用語「コンピュータで読み取り可能な媒体」とは、コンピュータが実行するプロセスを記憶する媒体或いは伝送媒体を意味する。媒体とは、非揮発性媒体、揮発性媒体、伝送媒体を意味する。非揮発性の媒体とは、NVRAM、磁気ディスク又は光学ディスクである。揮発性媒体とは、DRAM、メインメモリを意味する。このコンピュータで読み取り可能な媒体の一般的なものとしては、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、他の磁気媒体、磁気光学媒体、CD−ROM、パンチカード、ペーパーテープ等、更にRAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、メモリカード、メモリチップ、或いはカートリッジ等がある。e−mail或いは他の自己保存型の情報アーカイブに付属したデジタルファイルは、記憶媒体に等価な分配型の記憶媒体であり、本発明でいう記憶媒体と見なすことができる。コンピュータで読み取り可能な媒体がデータベースとして構築された場合には、このデータベースは、あらゆる種類のデータベース、例えば関連型、階層型、オブジェクト志向型のいずれをも含む。
本明細書の「モジュール」とは、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、或いはそれらの組み合わせである。構成要素に関連した機能を実行する。
ここで議論したフローチャートは、特定のイベントのシーケンスを例に説明するが、本発明の操作に影響を及ぼすことなく、これ等のシーケンスの変更、追加、一部省略も可能である。本発明のシステムと方法は、特殊コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASIC、他の集積回路DSP、ハードワイヤド電子素子、論理素子、例えばディスクリートな要素回路、プログラム可能な論理回路、ゲートアレイ、例えばPLD、PLA、FPGA、PAL、特殊目的コンピュータ或いは他の手段で実現できる。
他の実施例に於いては、ここに開示された方法は、オブジェクト指向のソフトウエア開発環境を用いたソフトウエアと組み合わせて実現できる。このソフトウエア環境は、様々なコンピュータ又はワークステーションで使用されるポータブルなソースコードを提供する。別の構成として、開示されたシステムは、標準の論理回路又はVLSIデザインを用いて一部又は全部のハードウエアで実現できる。本発明のシステムを実行するのにハードウエア又はソフトウエアを用いるかは、システムに要求される速度と効率に依存する。特に使用される特定のソフトウエア、ハードウエアのシステム、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータシステムに依存する。
他の実施例に於いては、開示された方法は、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されたソフトウエアで実行され、コントローラとメモリとを有するプログラムされた汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、マイクロプロセッサ等で実施される。これ等の実施例に於いては、本発明のシステムと方法は、パソコンに組み込まれたプログラムで実行できる。例えばアプレット、JAVA、CGIスクプリト、サーバ或いはコンピュータ、ワークステーションに記録された資源或いは専用の測定システムに組み込まれたルーチン等で実施できる。
本発明のシステムは、本発明のシステムと方法をソフトウエア又はハードウエアのシステムに物理的に組み込むことにより実施することもできる。 本発明は、特定の標準及びプロトコルを例に説明したが、本発明はこのような標準とプロトコルに制限されるものではない。他の類似の標準とプロトコルも本発明で用いることができる。これ等の標準とプロトコルは、今後開発されるより効率的な標準とプロトコルで置換されるかも知れないが、このような置換も本発明の一態様(一実施例)と考えられる。
【0051】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0052】
100 電話呼管理システム
102 サーバー1
104 サーバー2
106 サーバー3
108 ブランチ1
110 ブランチ2
112 ブランチ3
114 ネットワーク
116 ネットワーク
118 ネットワーク
200 サーバー
202 セッション・マネージャ
204 コントロール・テーブル
300 データ・ストラクチャ
302 アドミニストレータ
304 ロケーション
306 最大許容帯域幅
308 割当帯域幅
310 呼当たり帯域幅
312 現用帯域幅
314 帯域幅閾値
316 省略記号
400 要求サーバーの視点から帯域幅を初期割り当てする方法
402 開始
404 スティミュラス
406 別のセッション・マネージャは稼働中か決定する
408 割り当て帯域幅を管理帯域幅に設定する
410 アドミニストレータとして設定する
412 帯域幅割り当てを受信することによりグループ結合を要求する
414 受信帯域幅を割り当て帯域幅に設定する
416 終了
500 帯域幅提供サーバーの視点から要求サーバーに帯域幅を提供する方法
502 開始
504 初期帯域幅割り当てに関する要求を受信する
506 MinK、MaxG及び利用可能帯域幅を決定する
508 利用可能帯域幅はMaxGよりも大きいか決定する
510 利用可能帯域幅はMinKよりも大きいか決定する
512 利用可能帯域幅マイナスMinKを与える
514 何も与えない
516 MaxGを与える
518 終了
600 要求サーバー102の視点から考察した呼の管理方法
602 開始
604 着信呼を受信する
606 呼の帯域幅及び使用帯域幅が割り当て帯域幅よりも大きいか決定する
608 呼経路指定を遅延する
610 グループメンバーから帯域幅を要求する
612 十分な帯域幅を受信したか決定する
614 呼を許可する
616 呼を拒否する
618 呼を許可する
620 新規使用帯域幅を設定する
622 帯域幅閾値に達したか決定する
624 追加帯域幅を要求する
626 終了
700 提供サーバー104の視点から考察した帯域幅要求に対する応答方法
702 開始
704 帯域幅要求を受信する
706 割り当て帯域幅が使用帯域幅を越えているか決定する
708 何も与えない
710 閾値を与えることができるか決定する
712 与える量を決定する
714 決定量を与える
716 要求帯域幅を与える
718 終了
800 アドミニストレータ・サーバーの視点から考察した帯域幅使用状況の監査実施方法
802 開始
804 監査を開始する
806 サーバーの使用帯域幅及び割り当て帯域幅について各セッション・マネージャに質問する
808 割り当て帯域幅の和が管理帯域幅と等しいか決定する
810 監査を停止する
812 差を決定する
814 使用帯域幅が割り当て帯域幅超か未満か決定する
816 各セッション・マネージャについて、管理帯域幅に対する使用帯域幅の割合を決定する
818 割合に比例して減少させる
820 割合に比例して増大させる
822 終了
900 計算環境システム
905 ユーザ・コンピュータ
910 ユーザ・コンピュータ
915 ユーザ・コンピュータ
920 ネットワーク
925 サーバー
930 サーバー
935 データベース
1000 コンピュータ・システム
1005 CPU
1010 入力デバイス
1015 出力デバイス
1020 記憶装置
1025 コンピュータ読み出し可能記憶媒体読取装置
1030 通信システム
1035 処理加速ユニット
1040 ワーキング・メモリ
1045 オペレーティング・システム
1050 その他のコード(プログラム)
1055 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)呼処理サーバーがスティミュラスを受信するステップと、
前記呼処理サーバーは企業ネットワーク内の電話呼を管理する一群の分散呼処理サーバーのメンバーである、
(B)スティミュラスに応答して、グループ内の別の呼処理サーバーが稼働中か決定するステップと、
(C)別の呼処理サーバーが稼働中でない場合、当該呼処理サーバーの割り当て帯域幅を管理帯域幅と同等に設定するステップと、
前記管理帯域幅は前記ネットワークの総帯域幅である、
(D)別の呼処理サーバーが稼働中の場合、当該呼処理サーバーは帯域幅の割り当てを、グループ内の別の呼処理サーバーから受信するステップと、
からなることを特徴とする電話呼の管理方法。
【請求項2】
(A)複数のブランチと、
各ブランチは発呼者を含む、
(B)複数のネットワークと、
(C)複数のサーバーと、
各サーバーはネットワークを通してブランチと通信する、
前記各サーバーは、
(c1)コントロール・テーブルと、
前記コントロール・テーブルは帯域幅管理に関連する制御情報を格納する、
(c2)前記コントロール・テーブルと通信する呼処理サーバーと、
各サーバー用の呼処理サーバーは、システムの帯域幅を管理するためにグループを形成する、
からなる、
からなることを特徴とする呼管理システム。
【請求項3】
(E)別の呼処理サーバーが稼働中でない場合、一群の呼処理サーバーのアドミニストレータとして当該呼処理サーバーを設定するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
(F)第2の呼処理サーバーからの初期帯域幅割り当ての要求をアドミニストレータが受信するステップと、
(G)呼処理サーバーが帯域幅割り当てを与えることができるか、呼処理サーバーが決定するステップと、
(H)呼処理サーバーが帯域幅割り当てを与えることができる場合、与える帯域幅量を呼処理サーバーが決定するステップと、
(I)呼処理サーバーが第2の呼処理サーバーに決定帯域幅を帯域幅割り当てとして与えるステップと、
(J)呼処理サーバーが帯域幅割り当てを与えることができない場合、呼処理サーバーは第2の呼処理サーバーからの要求を拒否するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記(G)呼処理サーバーが帯域幅割り当てを与えることができるか、呼処理サーバーが決定するステップは、
(a)サーバーがMinKを維持するのに必要な最小帯域幅、MaxGを与えるための最大帯域幅及び利用可能帯域幅を呼処理サーバーが決定するステップと、
(b)利用可能帯域幅がMaxGを与えるための最大帯域幅よりも大きいか呼処理サーバーが決定するステップと、
(c)利用可能帯域幅がMaxGよりも大きい場合、呼処理サーバーが帯域幅割り当てとしてMaxGを与えるステップと、
(d)利用可能帯域幅がMaxG以下である場合、利用可能帯域幅がMinKよりも大きいか呼処理サーバーが決定するステップと、
(e)利用可能帯域幅がMinKよりも大きい場合、MinK未満の利用可能帯域幅の帯域幅割り当てを呼処理サーバーが与えるステップと、
(f)利用可能帯域幅がMinK以下の場合、呼処理サーバーが要求を拒否するステップと、
からなることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
(K)アドミニストレータが監査を開始するステップと、
(L)呼処理サーバーの使用帯域幅及び割り当て帯域幅についてグループ内の各呼処理サーバーにアドミニストレータが質問するステップと、
(M)全ての呼処理サーバーの割り当て帯域幅の和が管理帯域幅に等しいかアドミニストレータが決定するステップと、
(N)全ての呼処理サーバーの割り当て帯域幅の和が管理帯域幅に等しい場合、アドミニストレータが監査を停止するステップと、
(O)全ての呼処理サーバーの割り当て帯域幅の和が管理帯域幅に等しくない場合、全ての呼処理サーバーの割り当て帯域幅の和と管理帯域幅の差をアドミニストレータが決定するステップと、
(P)少なくとも1個の呼処理サーバーについて変更するための帯域幅量をアドミニストレータが決定するステップと、
(Q)少なくとも1個の呼処理サーバーのための新規割り当てを、アドミニストレータが少なくとも1個の呼処理サーバーに送信するステップ、
を更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
呼処理サーバーは、コントロール・テーブル内の割り当て帯域幅として帯域幅の割り当てを設定する、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
(i)呼処理サーバーが着信呼を受信するステップと、
(ii)着信呼の帯域幅と使用帯域幅の値の和がコントロール・テーブル内の割り当て帯域幅未満か、呼処理サーバーが決定するステップと、
(iii)着信呼の帯域幅と使用帯域幅の値の和がコントロール・テーブル内の割り当て帯域幅未満の場合、呼処理サーバーが着信呼を許可するステップと、
(iv)着信呼の帯域幅と使用帯域幅の値の和がコントロール・テーブル内の割り当て帯域幅超の場合、呼処理サーバーが着信呼を拒否するステップと、
(v)呼処理サーバーがグループ内の少なくとも1個のメンバーから更なる帯域幅を要求するステップと、
(vi)受信帯域幅が着信呼を許可するのに十分であるか、呼処理サーバーが決定するステップと、
(vii)受信帯域幅が着信呼を許可するのに十分である場合、呼処理サーバーは呼を許可するステップと、
(viii)受信帯域幅が着信呼を許可するのに不十分である場合、着信呼を拒否するステップ、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(R)第2の呼処理サーバーが帯域幅要求を受信するステップと、
(S)割り当て帯域幅が第2の呼処理サーバーの使用帯域幅よりも大きいか、第2の呼処理サーバーが決定するステップと、
(T)割り当て帯域幅が使用帯域幅以下の場合、第2の呼処理サーバーは呼処理サーバーに帯域幅を与えないステップと、
(U)割り当て帯域幅が使用帯域幅よりも大きい場合、第2の呼処理サーバーは閾値量まで与えるか決定するステップと、
(V)第2の呼処理サーバーが閾値量まで与えることができる場合、第2の呼処理サーバーは要求帯域幅を与えるステップと、
(W)第2の呼処理サーバーが閾値量まで与えることができない場合、与える帯域幅量を決定するステップと、
(X)第2の呼処理サーバーが決定量を与えるステップ、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記(U)第2の呼処理サーバーは閾値量まで与えるか決定するステップは、帯域幅の要求量と使用帯域幅の和が低帯域幅閾値未満であるか決定することからなることを特徴とする請求項9記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−268454(P2010−268454A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−104822(P2010−104822)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
2.UNIX
3.イーサネット
4.JAVA
5.フロッピー
【出願人】(508214019)アバイア インク. (75)
【Fターム(参考)】