説明

包装体の製造方法、包装体の製造装置及び包装シート

【課題】生産性が良好で被包装物を取出しやすい包装体の製造方法、包装体の製造装置及び包装シートを提供する。
【解決手段】包装シートSをシリンダ3外周に筒状に巻付け、その合わせ目を縦シーラ32で縦方向に溶着し、包装シートSの下端部が横シーラ36で既に溶着された状態で、シリンダ30から被包装物を投入して包装シート内に充填後、シート引き手段により包装シートを所定寸法下方に引張り、包装シートの所定箇所を前記横シーラにより横方向に溶着し被包装物を封入する。そして、包装シートSを横シーラ36で溶着する際に、折り込み板35を一回おきに突き込ませ、包装シートSの両側に折り目2を形成した状態で溶着した部分と、包装シートSの両側に折り目2を形成せずに溶着した部分とを交互に形成する。その結果、一方に折り目2があり他方に折り目2がない包装体1を連続して生産性よく製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば菓子、加工食品、農産物などが充填された包装体の製造方法、包装体の製造装置及び包装シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆる縦型ピロー包装機により、菓子等が充填された包装体が製造されている。下記特許文献1には、帯状のフィルム材を製袋チューブに筒状に巻きつけ、合わせ目を縦シールして筒体を形成した後、筒体を下方に引き込んで、製袋チューブ下方に配設された一対の三角折り込みガイドを筒体の両側から突き入れて折り目を形成し、その後、筒体の下方底部を横シールしてから、菓子等を製袋チューブから投下して充填し、最後に、筒体の上方開口部を横シールして、菓子等が充填された包装体の製造方法が開示されている。
【0003】
上記三角折り込みガイドは、筒体が横シールされる前に、筒体に突き込まれるように設定されている。更に、この三角折り込みガイドの動作に連動して、折り目が形成された筒体の両側に進入する垂直ガイドが設けられている。
【0004】
また、縦型ピロー包装機によるものではないが、下記特許文献2には、円筒状可撓性フィルムの側面を、内方へ折込んでガゼットを形成し、その底部を溶着してガゼット袋を形成して、そこに菓子等を充填し、その後、上端部を溶着させて包装体を製造することが開示されている。
【特許文献1】特開2003−200908号公報
【特許文献2】特開平9−30536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の場合、筒体の下方底部、及び、上方開口部を横シールする前、すなわち、筒体を横シールする毎に三角折り込みガイドが突き出されて、筒体の両側の上下に折り目が形成され、かつ、その折り目には垂直ガイドが進入して、折り目線がはっきりと目立つようになる。その結果、筒体の両側には、その下端から上端に至るまで、折り目が付けられるようになる。そのため、菓子等が筒体内に充填されると、図10に示すように、下方部分の折り目は菓子等に押圧されて外側に広がるものの、上方部分には、折り目Fが形成されたままの状態となるので、包装体の上端を開封して、菓子等を取出す際に、間口が狭く取出しにくいという問題があった。
【0006】
一方、上記特許文献2においては、予めガゼット袋を形成しておき、それを自動包装機にセットする必要があるので、生産性に問題があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、生産性が良好で、被包装物を取出しやすくすることができる、包装体の製造方法、包装体の製造装置及び包装シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の包装体の製造方法は、シート供給手段により供給された包装シートを、フォーマを介して縦方向に配設された筒状のシリンダの外周に筒状にして巻き付け、
前記シリンダの外周に巻き付けられた包装シートの合わせ目を、縦シーラにより縦方向に溶着し、
包装シートの下端は横シーラにより既に溶着シールされている状態で、前記シリンダから被包装物を投入して、筒状に形成された包装シート内に被包装物を充填し、
前記充填の前又は後にシート引き手段により包装シートを所定寸法下方に引張り、前記包装シートの下端から所定距離だけ上方であって前記被包装物を封入するために溶着シールする部分を横シーラの位置に配置させ、この横シーラで前記包装シートを横方向に溶着して、前記被包装物を封入するようにした包装体の製造方法において、
前記シリンダの下方で、かつ、前記横シーラの上方又は下方に、包装シートの両側を折り込み可能な一対の折り込み手段を配設し、
前記包装シートを前記横シーラによって溶着する際に、前記折り込み手段を一回おきに作動させて、包装シートの両側に折り目を形成した状態で前記横シーラにより横方向に溶着した部分と、包装シートの両側に折り目を形成せずに前記横シーラにより横方向に溶着した部分とを交互に形成することを特徴とする。
【0009】
上記発明によれば、包装シートを横シーラによって横方向に溶着する際に、折り込み手段を一回おきに作動させて包装シートの両側を折り込ませるようにしたので、一方に折り目があり他方に折り目がない包装体を連続して生産性よく製造することができる。
【0010】
こうして得られた包装体は、折り目がある溶着部を下方にして立てると、折り込み手段が形成された部分が被包装物に押圧されて、外側に角形をなして広がる。その結果、包装体の底部にフラットな面ができて、包装体を立てた状態で保持させることが可能となり、自立性を付与することができる。
【0011】
また、折り目が形成されていない溶着部を開封して被包装物を取出すときに、開口部が大きくなるので、被包装物を取出しやすくすることができる。
【0012】
本発明の包装体の製造方法においては、前記折り込み手段は、前記包装シートの両側に突き込ませて折り目を形成する折り込み板からなることが好ましい。これによれば、包装シートの両側に折り込み板を突き込ませるようにしたので、包装シートの両側に折り目を確実に、かつ、明瞭に形成することができ、包装体の品質を向上させる。
【0013】
本発明の包装体の製造装置は、被包装物が投入される縦方向に配設された筒状のシリンダと、該シリンダの外周に包装シートを筒状にして巻き付けるフォーマと、該フォーマに包装シートを供給するシート供給手段と、前記シリンダの外周に巻き付けられた包装シートの合わせ目を縦方向に溶着して前記包装シートを筒状に形成する縦シーラと、前記シリンダの下方で、前記筒状に形成された包装シートの両側に配設された一対の折り込み手段と、該折り込み手段の下方又は上方に配設され、筒状に形成された包装シートを横方向に溶着する横シーラと、筒状に形成された包装シートを所定寸法ずつ下方に引張るシート引き手段とを備え、前記包装シートを前記横シーラによって溶着する際に、前記折り込み手段を一回おきに作動させて包装シートの両側を折り込ませるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
上記発明によれば、包装シートの開口部を溶着する際に、折り込み手段を一回おきに作動させて包装シートの両側を折り込ませるようにしたので、前述したように、一方に折り目があり他方に折り目がない包装体を連続して生産性よく製造することができる。
【0015】
本発明の包装体の製造装置においては、前記折り込み手段は、前記シリンダの軸方向に直交する方向に進退可能とされた一対の折り込み板からなることが好ましい。これによれば、包装シートの両側に折り込み板を突き込ませるようにしたので、包装シートの両側に折り目を確実に、かつ、明瞭に形成することができ、包装体の品質を向上させる。
【0016】
本発明の包装シートは、上記包装体の製造方法に用いられる包装シートであって、帯状に連続する形状をなし、前記包装シートの長さ方向に沿って一つの包装体を構成するシートごとに交互に反転するように包装体の模様の印刷が施されており、該シートの位置検出のためのマークが一つの包装体を構成するシートの長さと同じ間隔をあけて付されていることを特徴とする。
【0017】
上記発明によれば、印刷が包装シートの長さ方向に沿って交互に反転するように施されているので、上記製造方法の包装シートとして適用したときに、折り目を形成して封止した底部に対して、印刷の向きが正しい包装体を製造することができる。また、シートの位置検出のためのマークが一つの包装体を構成するシートの長さと同じ間隔をあけて付されているので、一つの包装体を構成するシートの長さずつ、シートを正確に送り出すことができる。
【0018】
本発明の包装シートにおいては、前記マークは、一つの包装体を構成するシートの長さと同じ間隔をあけて付されたものと、一つの包装体を構成するシートの長さの2倍の間隔をあけて付されたものとを有することが好ましい。これによれば、一つの包装体を構成するシートの長さと同じ間隔をあけて付されたマークによって、一つの包装体を構成するシートの長さずつ、シートを正確に送り出すことができると共に、一つの包装体を構成するシートの長さの2倍の間隔をあけて付されたマークによって、ガゼットを入れるために折り込み手段を作動させる位置を正確に設定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、包装シートを横シーラによって横方向に溶着する際に、折り込み手段を一回おきに作動させて包装シートの両側を折り込ませるようにしたので、一方に折り目があり他方に折り目がない包装体を連続して生産性よく製造することができる。また、折り目が形成されていない溶着部を開封して被包装物を取出すときに、開口部が大きくなるので、被包装物を取出しやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図1〜6を参照して、本発明の包装体の製造装置の一実施形態を説明する。
【0021】
図1〜3に示されるように、この包装体の製造装置10(以下、単に「製造装置10」という)は、包装シートSが巻回されたロール20を有している。このロール20から引き出された包装シートSは、所定箇所に回動可能に配設された複数のガイドロール21により張設されて、後述するフォーマ31に導かれるようになっている。また、図1〜3の図面中、上方右寄りに配設されたガイドロール21の上方には、図示しない回動手段により回動するシート繰出ローラ22が配設されている。このシート繰出ローラ22とガイドロール21との間に、包装シートSが挟まれて、包装シートSをフォーマ31に送り出すようになっている。この実施形態においては上記構造が、本発明におけるシート供給手段を構成している。
【0022】
図7には、包装シートSの一例が示されている。この包装シートSとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステルなどの熱溶着性のフィルムが採用される。なお、包装体用のフィルムは、その内面同士がシールされるため、ベースフィルム層に、熱溶着可能なシーラント層を積層したフィルムや、或いは、ベースフィルム層とシーラント層との間に更に中間層を挟み込んで多層構造としたフィルム等も採用することが好ましい。
【0023】
上記ベースフィルム層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の一軸延伸フィルム(一方向に引き伸ばしたフィルム)又は二軸延伸フィルム(縦、横の二方向に引き伸ばしたフィルム)等を用いることができる。中間層としては、高密度ポリエチレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、ナイロンフィルム、又は、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH),ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルム、更に、アルミニウム箔、シリカ等の蒸着層等を用いることができる。また、熱溶着可能なシーラント層としては、未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を用いることができる。なお、上記包装シートSの厚さは、20〜200μmが一般的である。
【0024】
また、図7に示したように、包装シートSとしては、例えば、「ミルクキャラメル」といったような被包装物の内容等を、包装シートSの外面に予め印刷したものを用いてもよい。更に、包装シートSの側部に、所定間隔(例えば、一つの包装体を構成するシートの長さ分の間隔)をあけて、マークMを付しておいてもよい。このようなマークMを、製造装置10に設けられた図示しない光電管装置等によって検出することにより、被包装物の投入や、後述するシート送りベルト34、縦シーラ32、折り込み板35、横シーラ36の各構成部材の作動タイミングを制御することが可能となる。
【0025】
更に製造管理の観点から、図8に示したように、折り込み手段の作動タイミングを制御するマークM1を付しておいてもよい。マークM1を付すことによって、人の目視でフィルムの位置を合わせる必要もなくなり、加えて、製造途中においても確実にガゼットを入れる位置に折り込み手段を作動させることができる利点がある。
【0026】
図8に示す包装シートSの場合、包装シートSの一側部に、上記マークMが付され、他側部にマークM1が付されている。この場合、マークMは一つの包装体を構成するシートの長さと同じ間隔で付されていて、マークM1は一つの包装体を構成するシートの長さの2倍の間隔をあけて付されている。
【0027】
また、図9に示すように、包装シートSの長さ方向の一側部に、一つの包装体を構成するシートの長さ分の間隔をあけて、幅方向に短いマークMと幅方向に長いマークM2とを交互に付すようにしてもよい。この場合、マークM2は、前記図8の実施形態におけるマークMとマークM1とを合体させたマークであり、溶着シールの作動タイミングを制御するために用いられると共に、折り込み手段の作動タイミングを制御するためにも用いられる。
【0028】
更にまた、前記印刷は、図7に示すように、包装シートSの長さ方向に沿って一つの包装体を構成するシートごとに交互に反転するように施されている。この実施形態の場合、包装シートSの最下方には、「ミルクキャラメル」及びその内容物を表す図柄が水平方向に印刷されており、その上方には前記最下方の印刷とは反転した印刷が施され、更にその上方には前記最下方の印刷と同じ向きの印刷が施されている。
【0029】
また、製造装置10には、筒状のシリンダ30が上下方向(縦方向)に沿って配設されている。このシリンダ30の上方には、チョコレート菓子や、キャラメル等の飴菓子等の菓子類からなる被包装物を貯留するための貯留装置が配設されており(図示せず)、この貯留装置から、キャラメル等の被包装物がシリンダ30に投入されるようになっている。なお、被包装物としては上記菓子類に限定されるものではなく、加工食品等であってもよい。
【0030】
シリンダ30の上方の外周には、シリンダ30外周から斜め下方に広がり、全体としてセーラーカラーのような形状をなしたフォーマ31が装着されている。このフォーマ31とシリンダ30外周との間には小さな隙間が形成されていて(図示せず)、包装シートSはこの隙間を通して、その幅方向の辺が縦方向に重ね合わせられ、シリンダ30の外周に筒状にして巻き付けられる。
【0031】
このフォーマ31よりも下方であって、前記シリンダ30の側方には、筒状に形成された包装シートSの縦方向の合せ目を、熱溶着してシールする縦シーラ32が、包装シートSに対して接離可能に配設されている。
【0032】
シリンダ30の外周には、一対のローラ33,33により張設されたシート送りベルト34が縦方向に配設されている。このシート送りベルト34とシリンダ30の外周との間に包装シートSが挟まれている。そして、シート送りベルト34が間欠的に回転して、包装シートSを所定寸法ずつ下方に引張るようになっている。この実施形態においては、ローラ33とシート送りベルト34とからなる上記構造が、本発明におけるシート引き手段を構成している。
【0033】
シリンダ30の下端部(図1中、破線参照)より下方であって、筒状に形成された包装シートSの合せ目に直交する方向の両側には、一対の折り込み板35,35が配設されている。この折り込み板35の先端部は三角形状をなしていて、一対の折り込み板35,35は、三角形状の先端部を対向させて配設されている。また、各折り込み板35は、図示しない駆動手段により、シリンダ30の軸方向に直交する方向に進退可能となっている。そして、各折り込み板35は、筒状の包装シートSの開口部をシールする前に、包装シートSの両側に突き込まれて、包装シートSの両側に折り目を形成するようになっている(図2参照)。この折り込み板35の突き込み動作は、横シーラ36による包装シートSの溶着動作の度に毎回行われるものではなく、横シーラ36の溶着動作に対して一回おきになされるように設定されている。特に、前記マークM1又はM2によって折り込み板35の突き込み動作を制御することが製造管理上好ましい。
【0034】
上記折り込み板35が、本発明における折り込み手段をなしている。また、折り込み手段としては、折り込み板35に限定されるものではなく、棒状の折り込み棒、エアーによる吹き付け、或いは、縦方向に配設させたレール状のもの等であってもよい。
【0035】
前記折り込み板35の下方には、筒状に形成された包装シートSを、横方向に溶着してシールする横シーラ36が配設されている。この横シーラ36は、互いに近接離反可能となるように配設された一対の挟持ブロック37,37を有しており、これにより包装シートSが挟み込まれる(図2,3参照)。また、各挟持ブロック37の対向した内側面の高さ方向中間には、幅方向に伸びる凹溝38が形成されている。この凹溝38を介して、各挟持ブロック37の内側面の上側及び下側にヒータ39が設けられ、これにより、各挟持ブロック37で挟み込まれた包装シートSが横方向に溶着されるようになっている。また、前記凹溝38には図示しないカッタが配設され、ヒータ39で溶着される部分の中間部を切断するようになっている。なお、上記カッタは、包装シートSを切断するような刃先ではなく、ミシン目を入れるような刃先としてもよい。こうすると、溶着と同時に、包装体を分離するための切断又はミシン目を入れることができるので、生産性を更に向上させることができる。
【0036】
次に、上記構成からなる製造装置10を用いた、本発明による包装体の製造方法について説明する。
【0037】
まず、包装シートSがロール20からシート繰出ローラ22によって繰出され、複数のガイドロール21に張設された後、シリンダ30とフォーマ31との隙間に導入されて、包装シートSの幅方向の辺を縦方向に重ね合わせ、シリンダ30の外周に筒状にして巻き付ける。
【0038】
この状態で、シート送りベルト34により、包装体1を一袋分製造するために必要な長さ分ずつ、間欠的に包装シートSを引き出す。包装シートSを所定長さ引き出すと、シート送りベルト34が停止し、筒状に巻き付けた包装シートSの縦方向の合せ目を縦シーラ32が溶着してシールする。
【0039】
次いで、図1に示すように、縦シールされた筒状の包装シートSを、横シーラ36の開いた挟持ブロック37,37に位置するまで所定長さ引き出す。このとき、包装シート3の下端は、前の工程で横シーラ36によって溶着されており、内部には被包装物が充填されているものとする。
【0040】
包装シートSの所定箇所が挟持ブロック37に位置するまで引き出すと、シート送りベルト34が停止し、一対の折り込み板35,35が、筒状の包装シートSの両側に突き込まれて、包装シートSの両側に折り目2を形成する。
【0041】
折り込み板35の突き込み動作が終わると、図2に示すように、挟持ブロック37,37が閉まって、ヒータ39により、包装シートSの所定箇所を溶着しシールすると共に、凹溝38に配置された図示しないカッタにより、溶着部のほぼ中間で包装シートSを切断する。それによって、既に被包装物が充填された下方の包装シートSの上縁部3がシールされ、包装体1が製造される。それと共に包装体1は、未だ被包装物が充填されていない上方の包装シートSと切り離されて、下方に落下する。
【0042】
一方、被包装物が充填されていない上方の包装シートSは、下端がシールされて下縁部4が形成される。その状態で挟持ブロック37,37が開くと共に、一対の折り込み板35,35も退避する。そして、シリンダ30上方に配設された図示しない貯留装置からキャラメル等の被包装物を投下して、シリンダ30を通して筒状の包装シートS内に充填する。
【0043】
被包装物を充填し終えたら、シート送りベルト34が包装シートSを所定長さ下方に引き出し、包装シートSの所定箇所(被包装物を投下された包装体1の上縁部に相当する箇所)に位置したときに、送りベルト34が停止する。
【0044】
そして、今度は、折り込み板35の突き込み動作を行わずに、図3に示すように、そのまま横シーラ36によって、包装シートSの上記箇所を、横方向に溶着しシールすると同時に切断し、包装体1が下方に落下する。なお、横シーラ36の下方には、図示しない排出コンベアが配設されていて、この排出コンベアに包装体1が供給される。
【0045】
上記工程が繰り返されて、包装体1が連続して製造されるようになっている。この工程について、図4及び図5を参照してより詳しく説明する。
【0046】
すなわち、図4に示す場合において、横シーラ36の下方に位置する包装シートSの下端はシールされ、内部に被包装物が充填されている。この状態で、折り込み板35が包装シートSの両側に突き込まれると、包装シートSの横シーラ36の上下にわたる部分が、その両側に折り目2が形成される。この折り目2は、折り込み板35が挿入された部分が最も深く、そこから離れるに従って浅くなり、折り目2のない部分に至っている。このように、折り込み板35の一回の突き込み動作で、横シーラ36の上下に位置する包装シートSの両側部に折り目2が形成される。その状態で、横シーラ36により包装シートSを横方向に溶着してシールすると共に、溶着部の中間部を切断することにより、横シーラ36の下方には、下方に折り目2が形成されずに溶着され、上方に折り目2が形成されて溶着された包装体1が製造される。
【0047】
そして、シート送りベルト34により再び包装シートSを下方に引き込むのであるが、折り込み板35が動作した直後の横シール時には、続けて折り込み板35による突き込み動作はなされず、図5に示すように、そのまま横シーラ36により包装シートSを横シールして切断することにより、次の包装体1が製造される。このとき、既に包装シートSには、下方から斜め上方に折り目2が形成されているので、前工程で製造された包装体1とは上下が逆向き、すなわち、下方に折り目2が形成されて溶着され、上方に折り目2が形成されずに溶着された包装体1が製造される。
【0048】
更に、その次の横シール時には、再び折り込み板35が包装シートSの両側に突き込まれて、折り目2が形成される。
【0049】
このように、本発明においては、包装シートSを横シーラ36によって溶着する際に、折り込み板35を一回おきに突き込み動作させて、包装シートSの両側に折り目を形成した状態で横シーラ36により横方向に溶着した部分と、包装シートSの両側に折り目を形成せずに横シーラ36により横方向に溶着した部分とを交互に形成するようにしている。
【0050】
すなわち、包装シートSを横シーラ36によって横方向に溶着する際に、折り込み板35を一回おきに突き込ませるようにしたので、一方に折り目2があり他方に折り目2がない包装体1を連続して生産性よく製造することができる。
【0051】
こうして得られた包装体1は、折り目2がある溶着部1aを下方にして立てると、図6に示すように、折り目2が形成された部分が被包装物に押圧されて、外側に角形をなして広がる。その結果、包装体1の底部にフラットな面ができて、包装体1を立てた状態で保持させることが可能となり、自立性を付与することができる。
【0052】
また、折り目2が形成されていない溶着部1bを開封して被包装物を取出すときに、開口部が大きくなるので、被包装物を取出しやすくすることができる。
【0053】
更に、図7〜9に示すような包装シートSを用いて包装体1を製造するようにしたので、上述した製造方法の包装シートとして適用したときに、折り目2を形成して封止した底部に対して、印刷の向きが正しい包装体を、連続して生産性よく製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、例えば菓子、加工食品、農産物などが充填された包装体の製造方法及びその製造装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の包装体の製造装置の一実施形態を示しており、横シールされる前の状態を示す斜視図である。
【図2】同包装体の製造装置の一実施形態を示しており、折り込み板が突き込まれた後、横シールされた状態を示す斜視図である。
【図3】同包装体の製造装置の一実施形態を示しており、折り込み板が突き込まれず、横シールされた状態を示す斜視図である。
【図4】同包装体の製造装置の折り込み板が突き込まれた後、横シールされた状態を示す説明図である。
【図5】同包装体の製造装置の折り込み板が突き込まれず、横シールされた状態を示す説明図である。
【図6】同包装体の製造装置により製造された包袋体を示す斜視図である。
【図7】本発明の包装シートの一例を示す説明図である。
【図8】同包装シートの他の例を示す説明図である。
【図9】同包装シートの更に他の例を示す説明図である。
【図10】従来の包装体を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 包装体
2 折り目
10 製造装置
20 ロール
21 ガイドロール
22 シート繰出ローラ
30 シリンダ
31 フォーマ
32 縦シーラ
33 ローラ
34 シート送りベルト
35 折り込み板
36 横シーラ
37 挟持ブロック
38 凹溝
39 ヒータ
S 包装シート
M、M1、M2 マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート供給手段により供給された包装シートを、フォーマを介して縦方向に配設された筒状のシリンダの外周に筒状にして巻き付け、
前記シリンダの外周に巻き付けられた包装シートの合わせ目を、縦シーラにより縦方向に溶着し、
包装シートの下端は横シーラにより既に溶着シールされている状態で、前記シリンダから被包装物を投入して、筒状に形成された包装シート内に被包装物を充填し、
前記充填の前又は後にシート引き手段により包装シートを所定寸法下方に引張り、前記包装シートの下端から所定距離だけ上方であって前記被包装物を封入するために溶着シールする部分を横シーラの位置に配置させ、この横シーラで前記包装シートを横方向に溶着して、前記被包装物を封入するようにした包装体の製造方法において、
前記シリンダの下方で、かつ、前記横シーラの上方又は下方に、包装シートの両側を折り込み可能な一対の折り込み手段を配設し、
前記包装シートを前記横シーラによって溶着する際に、前記折り込み手段を一回おきに作動させて、包装シートの両側に折り目を形成した状態で前記横シーラにより横方向に溶着した部分と、包装シートの両側に折り目を形成せずに前記横シーラにより横方向に溶着した部分とを交互に形成することを特徴とする包装体の製造方法。
【請求項2】
前記折り込み手段は、前記包装シートの両側に突き込ませて折り目を形成する折り込み板からなる請求項1記載の包装体の製造方法。
【請求項3】
被包装物が投入される縦方向に配設された筒状のシリンダと、
該シリンダの外周に包装シートを筒状にして巻き付けるフォーマと、
該フォーマに包装シートを供給するシート供給手段と、
前記シリンダの外周に巻き付けられた包装シートの合わせ目を縦方向に溶着して前記包装シートを筒状に形成する縦シーラと、
前記シリンダの下方で、前記筒状に形成された包装シートの両側に配設された一対の折り込み手段と、
該折り込み手段の下方又は上方に配設され、筒状に形成された包装シートを横方向に溶着する横シーラと、
筒状に形成された包装シートを所定寸法ずつ下方に引張るシート引き手段とを備え、
前記包装シートを前記横シーラによって溶着する際に、前記折り込み手段を一回おきに作動させて包装シートの両側を折り込ませるように構成されていることを特徴とする包装体の製造装置。
【請求項4】
前記折り込み手段は、前記シリンダの軸方向に直交する方向に進退可能とされた一対の折り込み板からなる請求項3記載の包装体の製造装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の包装体の製造方法に用いられる包装シートであって、
帯状に連続する形状をなし、前記包装シートの長さ方向に沿って一つの包装体を構成するシートごとに交互に反転するように包装体の模様の印刷が施されており、
該シートの位置検出のためのマークが一つの包装体を構成するシートの長さと同じ間隔をあけて付されていることを特徴とする包装シート。
【請求項6】
前記マークは、一つの包装体を構成するシートの長さと同じ間隔をあけて付されたものと、一つの包装体を構成するシートの長さの2倍の間隔をあけて付されたものとを有する請求項5記載の包装シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−197033(P2007−197033A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16129(P2006−16129)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000006116)森永製菓株式会社 (130)
【Fターム(参考)】