包装材と包装方法
【課題】簡単な作業できれいに包装することができる包装材とその使用方法を提供する。
【解決手段】一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片12から成る。包装材形成片12には、糊26が塗布されている糊付片である第二側面16と、剥離剤が塗布された剥離剤面20を有する覆い片である第一側面14を備える。第一側面14は第二側面16の糊26に剥離可能に貼着されて成る。
【解決手段】一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片12から成る。包装材形成片12には、糊26が塗布されている糊付片である第二側面16と、剥離剤が塗布された剥離剤面20を有する覆い片である第一側面14を備える。第一側面14は第二側面16の糊26に剥離可能に貼着されて成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、糊付片と、糊付片の接着剤を剥離可能に覆う覆い片を有する包装材と包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を収容して運搬や陳列を行う包装材の包装用箱は、一枚の箱体形成片からなり、互いに平行に連接された側面と、前記側面同士を糊付ける糊付片が設けられ、糊付片と一側面を糊付けして平坦に折り畳まれた状態で出荷される。出荷された包装用箱は、収容する商品を収容し包装する工場で組み立てられ、側面に一体に設けられたフラップと蓋片を組み立てて封止する。また、包装用箱の蓋片または蓋片に設けられた差込片に、予め両面テープを取り付けて出荷し、商品を収容した後、両面テープの剥離紙を剥がして糊付けすることもある。
【0003】
また、PTPパックやブリスターパックを二つ折りの台紙にはさんで包装する場合、台紙にブリスターケースを当ててヒートシール機で接着したり、両面テープ貼りをしたり、ホットメルト糊貼りなどが行われる。また、容器を一枚の台紙に貼って吊下げ式とする包装を行う場合、台紙に接着剤や両面テープで容器を貼り付けたり、容器の縁部にガイド部を設けてガイド部に台紙を挿入して包装していた。その他に、箱体に商品を収容した後に蓋片を封止する場合は、ホットメルトガンを使用したり、両面テープを使用していた。また、箱体内の商品ががたつかないように、両面テープで商品を内側面に接着することもあった。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている医薬品又は化粧品包装箱は、蓋板に連続する挿入片に両面テープが設けられている。そして、商品を収容したあと、挿入片両面テープの剥離紙を剥がして粘着剤を露出し、挿入片を側面内側に差し込んで接着し、封止するものである。
【特許文献1】特開平10−29629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術の場合、商品を収容し包装する工場で、両面テープやホットメルトガン、ヒートシール機で接着する手間がかかるものであった。また、ホットメルトガンやヒートシール機等の設備が必要であり、設備を置く場所の確保が必要で、さらに設備にコストがかかり、負担が大きいものであった。その他、ホットメルトは、糸が引いたり、糊代以外にホットメルトが付いたりすることがあり、作業性もよくなかった。
【0006】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な作業できれいに包装することができる包装材とその使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片から成り、前記包装材形成片には、粘着剤等の接着剤が塗布されている糊付片と、剥離剤が塗布された剥離剤面を有する覆い片が設けられ、前記覆い片は前記糊付片の接着剤に剥離可能に貼着されて成る包装材である。
【0008】
前記包装材形成片には、互いに連接された一対の側面と、前記一対の側面の間に設けられた互いに平行な第一折罫線と第二折罫線と、前記一方の側面の裏面に剥離剤が塗布された剥離剤面と、前記他方の側面の裏面に塗布された接着剤が設けられ、前記一対の側面を前記第一折罫線で裏面同士を折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記一対の側面を前記第二折罫線で裏面同士を折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤から剥がされて前記他方の側面に対面し、前記接着剤が塗布された部分が他方の側面の前記剥離剤面以外の面に貼着され、前記一対の側面の間に商品を挟持して包装する包装材である。
【0009】
また、前記包装材形成片には、互いに連接された第一側面と第二側面と覆い片が設けられ、前記接着剤は前記第一側面の裏面に塗布され、前記剥離剤面は前記覆い片の表面に設けられ、前記第一側面と第二側面と覆い片を、裏面を内側にして三つ折りにした状態で、前記覆い片を前記第一側面と第二側面の間に位置して折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を前記第一側面の外側に位置して折り重ねると、前記剥離剤面は前記接着剤から剥がされて外側に位置し、前記第一側面と前記第二側面が接着されるとともに、前記第一側面と第二側面の間に商品を挟持して包装する包装材である。
【0010】
また、前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に設けられた糊付片と、前記糊付片と反対側の端部に位置する側面に連接方向に設けられた覆い片が形成され、前記接着剤は前記糊付片の表面に設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の裏面に設けられ、前記複数の側面と前記糊付片、前記覆い片を、裏面を内側にして箱体に組み立てたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を隣接する前記側面から切断することにより前記接着剤が露出し、別体の部材が前記接着剤に付着可能となる包装材である。
【0011】
また、前記包装材形成片には、吊下げ用の透孔が設けられた台紙片と、前記台紙片に連接された覆い片が設けられ、前記接着剤は前記台紙片の表面に設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の表面に設けられ、前記覆い片を前記台紙片に表面同士で折り重ねたとき前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を前記台紙片から剥がすと前記接着剤が露出し、別体の部材が前記接着剤に付着可能となる包装材である。
【0012】
さらに、前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に交差して設けられた外蓋片と、前記外蓋片が設けられた前記側面に組立状態で対面する側面に、連接方向に交差して設けられた内蓋片と、前記外蓋片が設けられた前記側面に組立状態で重ねられる側面に、前記外蓋片に重ねられる覆い片が設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の前記外蓋片に対向する面に設けられ、前記接着剤は前記覆い片の前記剥離剤面に剥離可能に設けられ、前記覆い片を前記外蓋片に重ねたとき前記接着剤は前記外蓋片に貼着され、前記覆い片を前記外蓋片から剥がすと前記接着剤が前記外蓋片に残り、前記接着剤を介して前記外蓋片を前記内蓋片に貼着して封止する包装材である。
【0013】
また、前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に交差して設けられたフラップと、前記フラップが設けられた前記側面に組立状態で重ねられる側面に、前記フラップに重ねられる覆い片が設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の前記フラップに対向する面に設けられ、前記接着剤は前記剥離剤面に剥離可能に設けられ、前記覆い片を前記フラップに重ねることにより前記接着剤は前記フラップに付着され、前記覆い片を前記フラップから剥がすことにより前記接着剤が前記フラップに残り、前記フラップが組立状態で前記側面の内側空間を閉鎖して、前記接着剤が前記側面の前記内側空間に露出し、上記内側空間の収容物に付着する包装材である。
【0014】
またこの発明は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片に、接着剤が塗布されている糊付片と、剥離剤が塗布された剥離剤面を有する覆い片を設け、前記包装材形成片は前記糊付片と前記覆い片が重ねられて前記接着剤と前記剥離剤面が剥離可能に貼着された状態で製造され、組み立てて商品を入れた後に前記糊付片から前記覆い片を外して前記接着剤を露出させ、前記接着剤を介して前記包装材形成片の一部又は別部材に貼着して包装を行う包装方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の包装材と包装方法によれば、簡単な作業できれいに包装することができる。この包装材は折り畳まれてコンパクトな状態で出荷され、商品を収納し包装する場所で容易に組み立てられ、簡単な工程で確実に糊付けして封止することができる。しかも、糊付けのための装置が不要であり、コストも安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の包装材10は二つ折りして使用し、二つ折りの間に後述するPTPシート32を挟持して、包装するものである。この実施形態の包装材10は、紙製等の一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された包装材形成片12を組み立てて設けられている。
【0017】
図1は包装材形成片12を裏面から見た展開図であり、包装材形成片12は、第一側面14と第二側面16が互いに連接して形成され、第一側面14と第二側面16は同じ大きさに形成され、第一折罫線18で区切られている。覆い片である第一側面14の裏面には、第一側面14の中心よりも第一折罫線18と反対の側縁部14aに近い部分に、剥離剤を塗布した剥離剤面20が設けられている。剥離剤面20は、側縁部14aに対して平行な帯状に設けられている。剥離剤面20と第一折罫線18の間には、楕円形に沿って形成された破断線22が設けられている。破断線22の内側は、破断線22が切断された時に取り外される切除部24である。
【0018】
糊付け片である第二側面16には、第二側面16中心よりも第一折罫線18と反対側の側縁部16aに近い部分に、粘着剤やその他の接着剤である糊26が設けられている。糊26は、側縁部16aに対して平行な帯状に塗布されている。糊26と第一折罫線18の間には、破断線22と同じ形状の楕円形に形成された透孔28が形成されている。第一折罫線18と透孔28との間には、第一折罫線18に対して平行な第二折罫線30が設けられている。糊26の位置は、第一側面14と第二側面16を第一折罫線18で折り重ねたとき、側縁部14aと剥離剤面20の間に位置し、第二折罫線30で折り重ねたとき、剥離剤面20に対向するものである。透孔28は、第一折罫線18で折り重ねたとき、破断線22に対向する位置に設けられている。
【0019】
次に包装材10の使用方法について説明する。なお、ここでは図1が包装材10の包装材形成片12の裏面を見たものであり、包装材形成片12の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0020】
まず、図2に示すように第二折罫線30を正折りして第一側面14と第二側面16を重ね合わせる。このとき、糊26が剥離剤面20に貼着されるが、剥離剤面20は剥離性が高いため、糊26は容易に剥離可能である。包装材10はこの状態で出荷される。次に商品を収容し包装する工場等において、第一側面14から第二側面16を開いて糊26を剥離剤面20から剥がし、第一側面14にPTPシート32をおく。なお、PTPシート32とは、錠剤やカプセルを1個ずつ入れる凹部が形成されている樹脂製の成形シート32aに、アルミ箔など破断可能な覆いシート32bを貼り付けたものである。ここでは、第一側面14に覆いシート32bが重ねられ、第二側面16を第一折罫線18で正折りしPTPシート32の成形シート32a側に重ねる。第二側面16の透孔28からPTPシート32の成形シート32aの凸部が挿通されて外側に突出する。糊26は、第一側面14の内面に接着され、PTPシート32を挟持して包装する。
【0021】
PTPシート32から錠剤を取り出すときは、透孔28から突出する成形シート32aを押す。これにより、覆いシート32bと第一側面14の破断線22が破断され、切除部24が外れるかまたは一部が連結した状態で開き、錠剤を取り出すことができる。
【0022】
この実施形態の包装材10によれば、簡単な作業できれいに包装することができる。この包装材10は折り畳まれてコンパクトな状態で出荷され、PTPシート32を収納し包装する場所で、第一側面14から第二側面16を開いて糊26を剥離剤面20から剥がし、折り位置を第二折罫線30から第一折罫線18に変えるだけの簡単な操作により、糊26で確実に糊付けして封止することができる。糊付けのための装置が不要であり、糊付け作業も簡単である。また、製造する工程で糊付機により糊付けするだけで貼着機能を持った包装材10を作ることができる。客先での作業の軽減を図り、設備投資を必要としないものである。これにより、包装材10の外側に、PTPシート32に入れられた錠剤についての情報を印刷したサンプルを容易に形成することができ、取引者や消費者に渡すことができる。
【0023】
次にこの発明の第二実施形態について図3、図4に基づいて説明する。この実施形態の包装材34は三つ折りして使用し、内側の二つ折りの間にPTPシート32を挟持して外側の覆い片56でPTPシート32を覆い、包装するものである。
【0024】
図3は包装材形成片36を裏面から見た展開図であり、包装材形成片36は、第一側面38と第二側面40が互いに連接して形成されている。第一側面38と第二側面40は同じ大きさに形成され、第一折罫線42で区切られている。第一側面38の中央には、楕円形に形成された透孔44が形成されている。第一側面38の、第一折罫線42と反対の側縁部38aに近い部分に、糊46が設けられている。糊46は、側縁部38aに対して平行な帯状に塗布されている。透孔44の両端部の外側には、それぞれ糊48が設けられている。
【0025】
第二側面40の中心には、楕円形に沿って形成された破断線50が設けられている。破断線50の内側は、破断線50が切断された時に取り外される切除部54である。第二側面40の、第一側面38と反対の側縁部には、覆い片56が設けられている。覆い片56は、第一側面38、第二側面40とほぼ同じ大きさであり、第二折罫線58で第二側面40と区切られて設けられている。覆い片56の表面全面は、剥離剤を塗布した剥離剤面60となっている。
【0026】
次に包装材34の使用方法について説明する。なお、ここでは図3が包装材34の包装材形成片36の裏面を見たものであり、包装材形成片36の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0027】
先ず、図4に示すように、第二折罫線58を正折りして第二側面40と覆い片56を重ね合わせる。次に第一折罫線42を正折りして第一側面38を覆い片56の外側に重ね合わせる。このとき、糊46,48が覆い片56の剥離剤面60に剥離可能に貼着される。包装材34はこの状態で出荷される。
【0028】
次に、商品を収容し包装する工場等において、覆い片56から第一側面38を開き、糊46,48を覆い片56の剥離剤面60から剥がす。次に覆い片56を第二側面40から開き、第二側面40にPTPシート32をおく。第二側面40にPTPシート32の覆いシート32b側が重ねられ、第一側面38を第一折罫線42で正折りしPTPシート32の成形シート32a側に重ねる。第一側面38の透孔44から、PTPシート32の成形シート32aの凸部が挿通されて外側に突出する。糊46,48は、第二側面40に接着され、PTPシート32を挟持する。次に覆い片56を第二折罫線58で正折りし、覆い片56の外側に重ね、包装する。
【0029】
PTPシート32から錠剤を取り出すときは、覆い片56を開き、第一側面38の透孔44から突出するPTPシート32の成形シート32aを押す。これにより覆いシート32bと第二側面40の破断線50が破断され、切除部52が外れるかまたは一部が連結した状態で開き、錠剤を取り出す。
【0030】
この実施形態の包装材34によれば、上記実施の形態と同様の効果を有するものである。覆い片56が設けられているため、PTPシート32を覆うことができ、PTPシート32を保護する効果が高い。
【0031】
次にこの発明の第三実施形態について図5、図6に基づいて説明する。この実施形態の包装材62は、組み立てられた箱体の一方の側面74に糊92が露出するものである。糊糊92により、箱体を台紙64に貼り付け、吊下げて陳列可能とするものである。この実施形態の包装材62は、一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された包装材形成片66を組み立てて設けられている。
【0032】
図5は包装材形成片66を裏面から見た展開図であり、包装材形成片66は、側面68,70,72,74が、互いに平行に連接して形成されている。側面68,70,72,74は、連接している幅方向は同じ長さであり、連接方向の長さは側面70,74が長くて互いにほぼ等しく、側面68,72は短くて互いにほぼ等しい。さらに、側面74の側縁部には、包装材62の組立状態で側面68の裏面に糊付けされる糊付片78が設けられている。さらに側面68の側縁部には、包装材62の組立状態で側面74の表面に貼着される覆い片80が設けられている。そして、覆い片80,側面68,70,72,74,糊付片78は、各々折罫線82,84,86,88,90で区切られている。折罫線82には、切断用に破断線が設けられている。覆い片80の裏面全面は、剥離剤を塗布した剥離剤面96となっている。
【0033】
側面74の表面の中心には、糊92が設けられている。糊92は、折罫線88に対して平行な帯状に塗布されている。糊付片78の表面の中心には、糊94が設けられている。糊94は、折罫線90に対して平行な帯状に塗布されている。
【0034】
側面68において、側面どうしの連接方向に対して直角な方向の一端部には、台形状のフラップ98が折罫線100で区切られて設けられ、反対側の端部にも、台形状のフラップ102が折罫線104で区切られて設けられている。
【0035】
側面70の、側面68の折罫線100に隣接する端部には、蓋片106が折罫線108で区切られて設けられている。蓋片106の折罫線108の反対側の端部には、さらに差込片110が折罫線112で区切られて設けられている。側面70の、折罫線108と反対側の端部には、蓋片114が折罫線116で区切られて設けられ、さらに差込片118が折罫線120で区切られて設けられている。
【0036】
側面72の、側面70の折罫線108に隣接する端部には、フラップ122が折罫線124で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ126が折罫線128で区切られて設けられている。
【0037】
次に、この実施形態の包装材62の組立方法の一例について説明する。なお、ここでは図5が包装材62の包装材形成片66の裏面を見たものであり、包装材形成片66の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0038】
まず、折罫線88を正折りして側面74、糊付片78の表面にそれぞれ糊92,94を塗布する。次に、折罫線84を正折りし、側面68の裏面が糊94により糊付片78の表面に糊付けされる。また、覆い片80の裏面、つまり剥離剤面96が糊92により側面74の表面に貼着される。包装材62はこの状態で出荷される。次に、商品を収容し包装する工場等において、折罫線82,84,86,88,90を各々90度に正折りして四角形の箱体にする。次に、折罫線100,124でフラップ98,122を90度に正折りし、その後折罫線108で蓋片106を90度に正折りし、差込片110を折罫線112で正折りして側面74の裏面側に差し込んで係止し、一方の端面が形成される。さらに、折罫線104,128でフラップ102,126を90度に正折りし、その後折罫線116で蓋片114を90度に正折りし、差込片118を折罫線120で正折りして側面74の裏面側に差し込んで係止し、他方の端面が形成される。なお、包装材形成片66を組み立てる順番はこれ以外でもよく、適宜変更可能である。
【0039】
次に、この実施形態の包装材62の使用方法について説明する。まず、箱体として使用するときは、組み立てた状態のまま棚等に置いて陳列する。吊下げて陳列するときは、図6に示すように、覆い片80を側面74から剥がし、折罫線82で切り離し、糊92が露出する。糊92が露出した側面74を吊下げ用の台紙64に押し付け、糊92で接着する。台紙64には、吊下げ用の透孔130が設けられ、透孔130をフック等に通して吊下げて陳列する。
【0040】
この実施形態の包装材62によれば、箱体として棚等に置いて陳列したり、台紙64に貼り付けて吊下げて陳列したりすることもでき、周囲の状況に合わせて適宜変更することができる。期間限定で販売したい場合や、ケースが小さくできるだけ大きく消費者に見せたい場合などにも適している。台紙64に貼り付ける操作は簡単であり、きれいに貼り付けることができる。包装材62はブリスターパック容器のように成形しないため、成形容器を作るための型代や装置が不要である。
【0041】
次にこの発明の第四実施形態について図7、図8に基づいて説明する。この実施形態の包装材132は、別体の包装材148の一側面に貼り付けて使用するものであり、包装材148の上方へ突出し、突出した部分に吊下げ用の透孔134が設けられ、吊下げて陳列可能とするものである。
【0042】
図7は包装材132を、後述する包装材148が取り付けられる表面から見た展開図であり、上下方向に長い矩形の台紙片136が設けられ、台紙片136の上端部136aに近い部分に透孔134が設けられている。台紙片136の中間から下端部136bに達する部分で台紙片136の、上端部136aと下端部136bに交差する一方の側縁部136cに近い約半分を占める部分には、表面に、剥離剤を塗布した剥離剤面137が設けられている。剥離剤面137には糊140が上下方向に帯状に設けられ、弱い接着力で剥離可能に塗布されている。側縁部136cと反対の136dに近い位置には糊138が設けられ、台紙片136の表面に高い接着力で塗布されている。
【0043】
台紙片136には、剥離剤面137に隣接して矩形の覆い片144が側方に突出して設けられている。覆い片144は、台紙片136との間が折罫線145に区切られ、覆い片144の大きさは、上下方向長さが剥離剤面137とほぼ同じであり、水平方向長さが台紙片136よりも少し短く形成されている。覆い片144の台紙片136と反対の側縁部144aに近い約半分を占める部分には、表面に、剥離剤を塗布した剥離剤面146が設けられている。
【0044】
次に、この実施形態の包装材132の組立方法の使用方法について説明する。なお、ここでは図7が包装材132の表面を見たものであり、包装材132の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0045】
まず、台紙片136に糊138,140を塗布し、図8に示すように折罫線145を逆折りして覆い片144を台紙片136に折り重ね、糊138,140で糊付けする。包装材132はこの状態で出荷される。次に、商品を収容し包装する工場等において、台紙片136から覆い片144を剥がす。このとき、糊138は、覆い片144の剥離剤面146から容易に剥がれ、台紙片136に残る。一方、糊140は、台紙片136の剥離剤面137から容易に剥がれ、覆い片144に転写する。そして、商品が収容された包装材148の一側面148aに、台紙片136を押し付けて糊138で接着する。このとき、包装材132の折罫線145が、包装材148の角部に一致するように接着する。そして、折罫線145を90度に逆折りして包装材148の側面148aに隣接する側面148bに、覆い片144を押し付けて糊140で接着する。このように包装材148に台紙片136を取り付け、透孔134にフック等に通して吊下げて陳列する。
【0046】
この実施形態の包装材132によれば、必要に応じて包装材148に台紙片136を簡単で確実に取り付け、吊下げて陳列することができる。周囲の状況に合わせて適宜包装材148を吊下げ式に変更することが可能である。
【0047】
なお、この実施形態の包装材132は、台紙片136から覆い片144が切断されるものでもよい。例えば、図9に示す包装材150は、台紙片136の中間から下端部136bに達する部分に糊152が設けられ、糊152は側縁部136c,136dの中間に位置し上下方向に長い帯状に塗布されている。覆い片144は、表面全面に剥離剤面154が設けられている。覆い片144と台紙片136の間の折罫線145には、切断用の破断線が設けられている。
【0048】
次に、包装材150使用方法について説明する。まず、台紙片136に糊152を塗布し、図10に示すように折罫線145を逆折りして覆い片144を台紙片136に折り重ね、糊152で貼着する。包装材150はこの状態で出荷される。次に商品を収容し包装する工場において、台紙片136から覆い片144を開き、覆い片144を折罫線145で切断する。糊152は露出し、商品が収容された包装材148の一側面148aに、に、台紙片136を押し付けて接着する。
【0049】
包装材150によっても、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
次にこの発明の第五実施形態について図11、図12に基づいて説明する。この実施形態の包装材156は、組み立てられて箱体となるものである。この実施形態の包装材156は、一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された包装材形成片158を組み立てて設けられている。
【0051】
図11は包装材形成片158を裏面から見た展開図であり、包装材形成片158は、側面160,162,164,166は互いに平行に連接して形成されている。側面160,162,164,166は、互いにほぼ同じ大きさに設けられている。さらに側面166の側縁部には、包装材156の組立状態で側面160の裏面に糊付けされる糊付片168が設けられている。側面160,162,164,166、糊付片168は、各々折罫線170,172,174,176で区切られている。
【0052】
側面160において、側面どうしの連接方向に対して直角な方向の一端部には、外蓋片178が折罫線180で区切られて設けられ、反対側の端部にも、外蓋片182が折罫線184で区切られて設けられている。
【0053】
側面162の、側面160の折罫線180に隣接する端部には、小形のフラップ186が折罫線188で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ190が折罫線192で区切られて設けられている。
【0054】
側面164の、側面162の折罫線188に隣接する端部には、外蓋片178の約半分の大きさの内蓋片194が折罫線196で区切られて設けられている。折罫線196には、切断用の破断線198が設けられ、破断線198は、折罫線196の中央部分では側面164の内側へ矩形に膨出した形状である。側面164の反対側の端部には、外蓋片182とほぼ同じ大きさの内蓋片200が折罫線202で区切られて設けられている。折罫線202には、切断用の破断線204が設けられ、破断線204の中央部分では側面164の内側へ矩形に膨出した形状である。内蓋片200の折罫線202と反対側の端部には、差込片206が折罫線208で区切られて設けられている。
【0055】
側面166の、側面164の折罫線196に隣接する端部には、小形のフラップ210が折罫線212で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ214が折罫線216で区切られて設けられている。
【0056】
糊付片168の、側面166の折罫線212に隣接する端部には、内蓋片194とほぼ同じ大きさの糊付片218が折罫線220で区切られて設けられている。糊付片218の折罫線220と反対側の端部には、覆い片222が破断線224で区切られて設けられている。覆い片222は、糊付片218よりも連接方向の長さが少し短く、フラップ210側の端部が、フラップ210に向かって僅かに突出して、破断線224を切断する際の手がかりとして形成されている。糊付片168の、反対側の端部には、覆い片226が破断線228で区切られて設けられている。覆い片226は、内蓋片200とほぼ同じ大きさに設けられている。なお、一対の覆い片222,226は、表面に、剥離剤を塗布した剥離剤面223,227が設けられている。破断線228の途中には、糊付片168へ彎曲する半月状の透孔229が設けられ、破断線228を切断するときの手がかりとして形成されている。互いに連続する覆い片222、糊付片218、糊付片168、覆い片226には、表面に、帯状の糊230,232が連続して塗布されている。
【0057】
次に、この実施形態の包装材156の組立方法の一例について説明する。なお、ここでは図11が包装材156の包装材形成片158の裏面を見たものであり、包装材形成片158の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0058】
まず、折罫線174を正折りして覆い片222、糊付片218、糊付片168、覆い片226に糊230,232を塗布する。このとき、糊付片168と糊付片218は糊230,232が高い接着力で塗布され、覆い片222,226は剥離可能に塗布される。次に折罫線170を正折りして側面160、外蓋片178、外蓋片182の裏面が、糊230,232により覆い片222、糊付片218、糊付片168、覆い片226に糊付けされる。
【0059】
次に、商品を収容し包装する工場等において、各々折罫線170,172,174,176を各々90度に正折りして四角形の箱体にする。次に、折罫線192,216でフラップ190,214を90度に正折りし、その後折罫線202で内蓋片200を90度に正折りし、差込片206を折罫線208で正折りし、差込片206を側面160に重ねられた糊付片168の裏面側に差し込んで係止する。そして、覆い片226を外蓋片182から剥がし、折罫線228の透孔229に指を入れて破断線228を切断し取り外す。なお、糊230,232は剥離剤面227から剥がれて外蓋片182の裏面に転写する。折罫線184で外蓋片182を90度に正折りし、内蓋片200の表面に重ね、糊230,232で外蓋片182を内蓋片200に接着して一方の端面が形成され、封止される。
【0060】
次に、折罫線188,212でフラップ186,フラップ210を90度に正折りし、その後折罫線196で内蓋片194を90度に正折りする。そして、覆い片222を外蓋片178から剥がし、フラップ210に向かって僅かに突出して形成されている部分を保持して破断線224を切断し取り外す。なお、糊230,232は剥離剤面223から剥がれて外蓋片178の裏面に転写する。糊付片218は、外蓋片178の裏面に接着されたまま残る。折罫線180で外蓋片178を90度に正折りし、内蓋片194の表面に重ね、糊230,232で外蓋片178を内蓋片194に接着して、他方の端面が形成され、封止される。
【0061】
包装材156から商品を取り出すときは、側面164に形成された破断線198または破断線204を切断し、内蓋片194または内蓋片200を側面164から開けて開封する。
【0062】
この実施形態の包装材156によれば、商品を収容し包装する工場等で、簡単に強い接着強度で、外蓋片178、外蓋片182を封止することができる。接着のための装置が不要で、簡単に包装を行うことができる。外蓋片178,182を内蓋片194,200に糊付けすることにより、改ざん防止効果が高く、商品を保護することができ、安全である。糊230,232を、覆い片222、糊付片218、糊付片168、覆い片226に帯状に塗布するだけで、側面160と糊付片168の接着と、外蓋片178,182を封止する接着の、両方向の接着工程を行うことができる。
【0063】
なお、この実施形態の包装材156は、外蓋片178,182が小形であり、テープ状のものでも良い。例えば、図13、図14に示す包装材234は、外蓋片178,182を小形の係止片270,274としたものである。図13は、包装材234の包装材形成片236を裏面から見た展開図であり、包装材形成片236は、側面160,162,164,166、糊付片168が互いに平行に連接して形成され、各々折罫線170,172,174,176で区切られている。
【0064】
側面160において、側面どうしの連接方向に対して直角な方向の一端部には、覆い片238が設けられている。覆い片238は、一定の幅の帯状に形成され、後述する蓋片254の中央部分を越えて折罫線256寄りの位置に達する長さである。覆い片238の側面160側の基端部には、側面160へ膨出する曲線の折罫線240が設けられ、折罫線240の途中には、さらに側面160へ膨出する半月状の透孔242が設けられている。覆い片238の表面には、剥離剤を塗布した剥離剤面244が設けられている。側面160の反対側の端部にも、覆い片246が折罫線248で区切られて設けられ、折罫線248には透孔250が設けられている。覆い片246の表面には、剥離剤面252が設けられている。
【0065】
側面162の、側面160の折罫線240に隣接する端部には、小形のフラップ186が折罫線188で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ190が折罫線192で区切られて設けられている。
【0066】
側面164の、側面162の折罫線188に隣接する端部には、蓋片254が折罫線256で区切られて設けられ、蓋片254の先端には、差込片258が折罫線260で区切られて設けられている。側面164の反対側の端部には、蓋片262が折罫線264で区切られて設けられ、蓋片262の先端には、差込片266が折罫線268で区切られて設けられている。
【0067】
側面166の、側面164の折罫線256に隣接する端部には、小形のフラップ210が折罫線212で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ214が折罫線216で区切られて設けられている。
【0068】
糊付片168の、側面166の折罫線212に隣接する端部には、係止片270が折罫線272で区切られて設けられている。糊付片168の、反対側の端部にも、係止片274が折罫線276で区切られて設けられている。係止片270,274は、覆い片238,246よりも僅かに小さい形状である。係止片270,274の裏面には、糊278,280がそれぞれ塗布されている。糊付片168の裏面には、折罫線176と反対側の側縁部176aの近傍に、糊282が塗布されている。
【0069】
次に、この包装材234の組立方法の一例について説明する。なお、ここでは図13が包装材234の包装材形成片236の裏面を見たものである。まず、係止片270,274、糊付片168に、糊278,280,282を塗布する。次に、折罫線170を正折りし、その後折罫線174を正折りして、糊付片168は糊282により側面160の表面に糊付けされる。また、係止片270,274も、糊278,280により覆い片238,246の表面に剥離可能に接着されている。
【0070】
次に、商品を収容し包装する工場等において、各々折罫線170,172,174,176を各々90度に正折りして四角形の箱体にする。次に、折罫線192,216でフラップ190,214を90度に正折りし、その後折罫線264で蓋片262を90度に正折りし、差込片266を折罫線268で正折りし、差込片266を側面160の裏面側に差し込んで係止する。そして、覆い片246を係止片274から剥がし、折罫線248の透孔250に指を入れて折罫線248を切断し取り外す。これにより、係止片274に糊280が露出する。折罫線276で係止片274を90度に正折りし、蓋片262の表面に重ね、係止片274が蓋片262に糊280で接着し、一方の端面が形成され封止される。そして、折罫線188,212でフラップ186,210を90度に正折りし、蓋片254折罫線256で正折りし、差込片258を側面160の裏面側に差し込んで係止する。そして、覆い片238を係止片270から剥がし、折罫線240の透孔242に指を入れて折罫線240を切断し取り外す。これにより、係止片270に糊278が露出する。折罫線272で係止片270を90度に正折りし、蓋片254の表面に重ね、係止片270が蓋片254に糊278で接着し、他方の端面が形成され封止される。
【0071】
この包装材234によれば、蓋片254,262が係止片270,274で封止され、改ざん防止効果が高く、商品を保護することができる。係止片270,274はテープ状に形成されているため、貼ったり剥がしたりする操作が容易である。
【0072】
次にこの発明の第六実施形態について図15、図16に基づいて説明する。この実施形態の包装材284は組み立てられて箱体となるものである。この実施形態の包装材284は、一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された包装材形成片286を組み立てて設けられている。
【0073】
図15は包装材形成片286を裏面から見た展開図であり、包装材形成片286は、側面288,290,292,294は、互いにほぼ同じ大きさに設けられている。さらに側面294の側縁部には、包装材284の組立状態で側面288の裏面に糊付けされる糊付片296が設けられている。側面288,290,292,294、糊付片296は、各々折罫線298,300,302,304で区切られている。
【0074】
側面288において、側面どうしの連接方向に対して直角な方向の一端部には、組立状態で箱体の端部のほぼ半分を覆う小形のフラップ306が折罫線308で区切られて設けられ、反対側の端部には、組立状態で箱体の端部のほぼ全面を覆う大形のフラップ310が折罫線312で区切られて設けられている。
【0075】
側面292の、側面288の折罫線308に隣接する端部には、小形のフラップ314が折罫線316で区切られて設けられ、反対側の端部には、大形のフラップ318が折罫線320で区切られて設けられている。
【0076】
側面294の、側面292の折罫線316に隣接する端部には、蓋片322が折罫線324で区切られて設けられ、蓋片322には差込片326が折罫線328で区切られて設けられている。側面294の反対側の端部にも、蓋片330が折罫線332で区切られて設けられ、蓋片330には差込片334が折罫線336で区切られて設けられている。
【0077】
糊付片296の表面には、折罫線304近傍に、糊338が塗布されている。糊付片296の、側面294の折罫線332に隣接する端部には、覆い片340が破断線342で区切られて設けられている。覆い片340の表面には、剥離剤を塗布した剥離剤面344が設けられ、剥離剤面344のほぼ中心には、糊346が設けられている。
【0078】
次に、この包装材284の組立方法の一例について説明する。なお、ここでは図15が包装材形成片286の裏面を見たものである。まず、糊付片296と覆い片340に糊338,346を塗布する。このとき、覆い片340には剥離剤面244が設けられているため、糊346は剥離可能に塗布されている。次に、折罫線302を正折りし、次に折罫線298を正折りして、側面288とフラップ310の裏面が糊338,346により糊付片296と覆い片340の表面に糊付けされる。
【0079】
次に、商品を収容し包装する工場等において、各々折罫線298,300,302,304を各々90度に正折りして四角形の箱体にする。次に、覆い片340をフラップ310から剥がし、破断線342を切断して取り外す。なお、覆い片340には剥離剤面244が設けられているため、糊346は剥離剤面344から剥がれてフラップ310の裏面に転写する。折罫線312でフラップ310を90度に正折りし、その後フラップ318を折罫線320で90度に正折りし、さらに蓋片330を折罫線332で90度に正折りし、差込片334を側面290の裏面側に差し込んで係止する。ここで、フラップ310に転写した糊346は、組み立てられた箱体の内側空間に露出している。組み立てられた箱体の内側に、商品348を入れると、商品348の底部はフラップ310の糊346に接着され保持される。次に、折罫線308,316でフラップ306,314を90度に正折りし、蓋片322を折罫線324で90度に正折りし、差込片326を側面290の裏面側に差し込んで係止する。
【0080】
この実施形態の包装材284によれば、箱体の底部に糊346が露出しているため、商品348を接着して保持することができ、がたつきを抑え、がたつきによる傷や破損の発生を防ぎ、商品が常に正面を向いているという効果もある。
【0081】
この発明の包装材は、上記各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。各部材の形状や包装材形成片の各部材の位置等、自由に変更可能である。また、包装材形成片の材料は、紙やプラスチック等、自由に選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明の第一実施形態の包装材の展開図である。
【図2】この実施形態の包装材の横断面図である。
【図3】この発明の第二実施形態の包装材の展開図である。
【図4】この実施形態の包装材の横断面図である。
【図5】この発明の第三実施形態の包装材の展開図である。
【図6】この実施形態の包装材の使用方法を示す斜視図である。
【図7】この発明の第四実施形態の包装材の展開図である。
【図8】この実施形態の包装材の使用方法を示す斜視図である。
【図9】この実施形態の包装材の変形例の展開図である。
【図10】この実施形態の包装材の変形例の使用方法を示す斜視図である。
【図11】この発明の第五実施形態の包装材の展開図である。
【図12】この実施形態の包装材の縦断面図である。
【図13】この実施形態の包装材の変形例の展開図である。
【図14】この実施形態の包装材の変形例の縦断面図である。
【図15】この発明の第六実施形態の包装材の展開図である。
【図16】この実施形態の包装材の縦断面図である。
【符号の説明】
【0083】
10 包装材
12 包装材形成片
14 第一側面
16 第二側面
18 第一折罫線
20 剥離剤面
22 破断線
26 糊
28 透孔
30 第二折罫線
【技術分野】
【0001】
この発明は、糊付片と、糊付片の接着剤を剥離可能に覆う覆い片を有する包装材と包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を収容して運搬や陳列を行う包装材の包装用箱は、一枚の箱体形成片からなり、互いに平行に連接された側面と、前記側面同士を糊付ける糊付片が設けられ、糊付片と一側面を糊付けして平坦に折り畳まれた状態で出荷される。出荷された包装用箱は、収容する商品を収容し包装する工場で組み立てられ、側面に一体に設けられたフラップと蓋片を組み立てて封止する。また、包装用箱の蓋片または蓋片に設けられた差込片に、予め両面テープを取り付けて出荷し、商品を収容した後、両面テープの剥離紙を剥がして糊付けすることもある。
【0003】
また、PTPパックやブリスターパックを二つ折りの台紙にはさんで包装する場合、台紙にブリスターケースを当ててヒートシール機で接着したり、両面テープ貼りをしたり、ホットメルト糊貼りなどが行われる。また、容器を一枚の台紙に貼って吊下げ式とする包装を行う場合、台紙に接着剤や両面テープで容器を貼り付けたり、容器の縁部にガイド部を設けてガイド部に台紙を挿入して包装していた。その他に、箱体に商品を収容した後に蓋片を封止する場合は、ホットメルトガンを使用したり、両面テープを使用していた。また、箱体内の商品ががたつかないように、両面テープで商品を内側面に接着することもあった。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている医薬品又は化粧品包装箱は、蓋板に連続する挿入片に両面テープが設けられている。そして、商品を収容したあと、挿入片両面テープの剥離紙を剥がして粘着剤を露出し、挿入片を側面内側に差し込んで接着し、封止するものである。
【特許文献1】特開平10−29629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術の場合、商品を収容し包装する工場で、両面テープやホットメルトガン、ヒートシール機で接着する手間がかかるものであった。また、ホットメルトガンやヒートシール機等の設備が必要であり、設備を置く場所の確保が必要で、さらに設備にコストがかかり、負担が大きいものであった。その他、ホットメルトは、糸が引いたり、糊代以外にホットメルトが付いたりすることがあり、作業性もよくなかった。
【0006】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な作業できれいに包装することができる包装材とその使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片から成り、前記包装材形成片には、粘着剤等の接着剤が塗布されている糊付片と、剥離剤が塗布された剥離剤面を有する覆い片が設けられ、前記覆い片は前記糊付片の接着剤に剥離可能に貼着されて成る包装材である。
【0008】
前記包装材形成片には、互いに連接された一対の側面と、前記一対の側面の間に設けられた互いに平行な第一折罫線と第二折罫線と、前記一方の側面の裏面に剥離剤が塗布された剥離剤面と、前記他方の側面の裏面に塗布された接着剤が設けられ、前記一対の側面を前記第一折罫線で裏面同士を折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記一対の側面を前記第二折罫線で裏面同士を折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤から剥がされて前記他方の側面に対面し、前記接着剤が塗布された部分が他方の側面の前記剥離剤面以外の面に貼着され、前記一対の側面の間に商品を挟持して包装する包装材である。
【0009】
また、前記包装材形成片には、互いに連接された第一側面と第二側面と覆い片が設けられ、前記接着剤は前記第一側面の裏面に塗布され、前記剥離剤面は前記覆い片の表面に設けられ、前記第一側面と第二側面と覆い片を、裏面を内側にして三つ折りにした状態で、前記覆い片を前記第一側面と第二側面の間に位置して折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を前記第一側面の外側に位置して折り重ねると、前記剥離剤面は前記接着剤から剥がされて外側に位置し、前記第一側面と前記第二側面が接着されるとともに、前記第一側面と第二側面の間に商品を挟持して包装する包装材である。
【0010】
また、前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に設けられた糊付片と、前記糊付片と反対側の端部に位置する側面に連接方向に設けられた覆い片が形成され、前記接着剤は前記糊付片の表面に設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の裏面に設けられ、前記複数の側面と前記糊付片、前記覆い片を、裏面を内側にして箱体に組み立てたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を隣接する前記側面から切断することにより前記接着剤が露出し、別体の部材が前記接着剤に付着可能となる包装材である。
【0011】
また、前記包装材形成片には、吊下げ用の透孔が設けられた台紙片と、前記台紙片に連接された覆い片が設けられ、前記接着剤は前記台紙片の表面に設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の表面に設けられ、前記覆い片を前記台紙片に表面同士で折り重ねたとき前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を前記台紙片から剥がすと前記接着剤が露出し、別体の部材が前記接着剤に付着可能となる包装材である。
【0012】
さらに、前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に交差して設けられた外蓋片と、前記外蓋片が設けられた前記側面に組立状態で対面する側面に、連接方向に交差して設けられた内蓋片と、前記外蓋片が設けられた前記側面に組立状態で重ねられる側面に、前記外蓋片に重ねられる覆い片が設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の前記外蓋片に対向する面に設けられ、前記接着剤は前記覆い片の前記剥離剤面に剥離可能に設けられ、前記覆い片を前記外蓋片に重ねたとき前記接着剤は前記外蓋片に貼着され、前記覆い片を前記外蓋片から剥がすと前記接着剤が前記外蓋片に残り、前記接着剤を介して前記外蓋片を前記内蓋片に貼着して封止する包装材である。
【0013】
また、前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に交差して設けられたフラップと、前記フラップが設けられた前記側面に組立状態で重ねられる側面に、前記フラップに重ねられる覆い片が設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の前記フラップに対向する面に設けられ、前記接着剤は前記剥離剤面に剥離可能に設けられ、前記覆い片を前記フラップに重ねることにより前記接着剤は前記フラップに付着され、前記覆い片を前記フラップから剥がすことにより前記接着剤が前記フラップに残り、前記フラップが組立状態で前記側面の内側空間を閉鎖して、前記接着剤が前記側面の前記内側空間に露出し、上記内側空間の収容物に付着する包装材である。
【0014】
またこの発明は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片に、接着剤が塗布されている糊付片と、剥離剤が塗布された剥離剤面を有する覆い片を設け、前記包装材形成片は前記糊付片と前記覆い片が重ねられて前記接着剤と前記剥離剤面が剥離可能に貼着された状態で製造され、組み立てて商品を入れた後に前記糊付片から前記覆い片を外して前記接着剤を露出させ、前記接着剤を介して前記包装材形成片の一部又は別部材に貼着して包装を行う包装方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の包装材と包装方法によれば、簡単な作業できれいに包装することができる。この包装材は折り畳まれてコンパクトな状態で出荷され、商品を収納し包装する場所で容易に組み立てられ、簡単な工程で確実に糊付けして封止することができる。しかも、糊付けのための装置が不要であり、コストも安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の包装材10は二つ折りして使用し、二つ折りの間に後述するPTPシート32を挟持して、包装するものである。この実施形態の包装材10は、紙製等の一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された包装材形成片12を組み立てて設けられている。
【0017】
図1は包装材形成片12を裏面から見た展開図であり、包装材形成片12は、第一側面14と第二側面16が互いに連接して形成され、第一側面14と第二側面16は同じ大きさに形成され、第一折罫線18で区切られている。覆い片である第一側面14の裏面には、第一側面14の中心よりも第一折罫線18と反対の側縁部14aに近い部分に、剥離剤を塗布した剥離剤面20が設けられている。剥離剤面20は、側縁部14aに対して平行な帯状に設けられている。剥離剤面20と第一折罫線18の間には、楕円形に沿って形成された破断線22が設けられている。破断線22の内側は、破断線22が切断された時に取り外される切除部24である。
【0018】
糊付け片である第二側面16には、第二側面16中心よりも第一折罫線18と反対側の側縁部16aに近い部分に、粘着剤やその他の接着剤である糊26が設けられている。糊26は、側縁部16aに対して平行な帯状に塗布されている。糊26と第一折罫線18の間には、破断線22と同じ形状の楕円形に形成された透孔28が形成されている。第一折罫線18と透孔28との間には、第一折罫線18に対して平行な第二折罫線30が設けられている。糊26の位置は、第一側面14と第二側面16を第一折罫線18で折り重ねたとき、側縁部14aと剥離剤面20の間に位置し、第二折罫線30で折り重ねたとき、剥離剤面20に対向するものである。透孔28は、第一折罫線18で折り重ねたとき、破断線22に対向する位置に設けられている。
【0019】
次に包装材10の使用方法について説明する。なお、ここでは図1が包装材10の包装材形成片12の裏面を見たものであり、包装材形成片12の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0020】
まず、図2に示すように第二折罫線30を正折りして第一側面14と第二側面16を重ね合わせる。このとき、糊26が剥離剤面20に貼着されるが、剥離剤面20は剥離性が高いため、糊26は容易に剥離可能である。包装材10はこの状態で出荷される。次に商品を収容し包装する工場等において、第一側面14から第二側面16を開いて糊26を剥離剤面20から剥がし、第一側面14にPTPシート32をおく。なお、PTPシート32とは、錠剤やカプセルを1個ずつ入れる凹部が形成されている樹脂製の成形シート32aに、アルミ箔など破断可能な覆いシート32bを貼り付けたものである。ここでは、第一側面14に覆いシート32bが重ねられ、第二側面16を第一折罫線18で正折りしPTPシート32の成形シート32a側に重ねる。第二側面16の透孔28からPTPシート32の成形シート32aの凸部が挿通されて外側に突出する。糊26は、第一側面14の内面に接着され、PTPシート32を挟持して包装する。
【0021】
PTPシート32から錠剤を取り出すときは、透孔28から突出する成形シート32aを押す。これにより、覆いシート32bと第一側面14の破断線22が破断され、切除部24が外れるかまたは一部が連結した状態で開き、錠剤を取り出すことができる。
【0022】
この実施形態の包装材10によれば、簡単な作業できれいに包装することができる。この包装材10は折り畳まれてコンパクトな状態で出荷され、PTPシート32を収納し包装する場所で、第一側面14から第二側面16を開いて糊26を剥離剤面20から剥がし、折り位置を第二折罫線30から第一折罫線18に変えるだけの簡単な操作により、糊26で確実に糊付けして封止することができる。糊付けのための装置が不要であり、糊付け作業も簡単である。また、製造する工程で糊付機により糊付けするだけで貼着機能を持った包装材10を作ることができる。客先での作業の軽減を図り、設備投資を必要としないものである。これにより、包装材10の外側に、PTPシート32に入れられた錠剤についての情報を印刷したサンプルを容易に形成することができ、取引者や消費者に渡すことができる。
【0023】
次にこの発明の第二実施形態について図3、図4に基づいて説明する。この実施形態の包装材34は三つ折りして使用し、内側の二つ折りの間にPTPシート32を挟持して外側の覆い片56でPTPシート32を覆い、包装するものである。
【0024】
図3は包装材形成片36を裏面から見た展開図であり、包装材形成片36は、第一側面38と第二側面40が互いに連接して形成されている。第一側面38と第二側面40は同じ大きさに形成され、第一折罫線42で区切られている。第一側面38の中央には、楕円形に形成された透孔44が形成されている。第一側面38の、第一折罫線42と反対の側縁部38aに近い部分に、糊46が設けられている。糊46は、側縁部38aに対して平行な帯状に塗布されている。透孔44の両端部の外側には、それぞれ糊48が設けられている。
【0025】
第二側面40の中心には、楕円形に沿って形成された破断線50が設けられている。破断線50の内側は、破断線50が切断された時に取り外される切除部54である。第二側面40の、第一側面38と反対の側縁部には、覆い片56が設けられている。覆い片56は、第一側面38、第二側面40とほぼ同じ大きさであり、第二折罫線58で第二側面40と区切られて設けられている。覆い片56の表面全面は、剥離剤を塗布した剥離剤面60となっている。
【0026】
次に包装材34の使用方法について説明する。なお、ここでは図3が包装材34の包装材形成片36の裏面を見たものであり、包装材形成片36の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0027】
先ず、図4に示すように、第二折罫線58を正折りして第二側面40と覆い片56を重ね合わせる。次に第一折罫線42を正折りして第一側面38を覆い片56の外側に重ね合わせる。このとき、糊46,48が覆い片56の剥離剤面60に剥離可能に貼着される。包装材34はこの状態で出荷される。
【0028】
次に、商品を収容し包装する工場等において、覆い片56から第一側面38を開き、糊46,48を覆い片56の剥離剤面60から剥がす。次に覆い片56を第二側面40から開き、第二側面40にPTPシート32をおく。第二側面40にPTPシート32の覆いシート32b側が重ねられ、第一側面38を第一折罫線42で正折りしPTPシート32の成形シート32a側に重ねる。第一側面38の透孔44から、PTPシート32の成形シート32aの凸部が挿通されて外側に突出する。糊46,48は、第二側面40に接着され、PTPシート32を挟持する。次に覆い片56を第二折罫線58で正折りし、覆い片56の外側に重ね、包装する。
【0029】
PTPシート32から錠剤を取り出すときは、覆い片56を開き、第一側面38の透孔44から突出するPTPシート32の成形シート32aを押す。これにより覆いシート32bと第二側面40の破断線50が破断され、切除部52が外れるかまたは一部が連結した状態で開き、錠剤を取り出す。
【0030】
この実施形態の包装材34によれば、上記実施の形態と同様の効果を有するものである。覆い片56が設けられているため、PTPシート32を覆うことができ、PTPシート32を保護する効果が高い。
【0031】
次にこの発明の第三実施形態について図5、図6に基づいて説明する。この実施形態の包装材62は、組み立てられた箱体の一方の側面74に糊92が露出するものである。糊糊92により、箱体を台紙64に貼り付け、吊下げて陳列可能とするものである。この実施形態の包装材62は、一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された包装材形成片66を組み立てて設けられている。
【0032】
図5は包装材形成片66を裏面から見た展開図であり、包装材形成片66は、側面68,70,72,74が、互いに平行に連接して形成されている。側面68,70,72,74は、連接している幅方向は同じ長さであり、連接方向の長さは側面70,74が長くて互いにほぼ等しく、側面68,72は短くて互いにほぼ等しい。さらに、側面74の側縁部には、包装材62の組立状態で側面68の裏面に糊付けされる糊付片78が設けられている。さらに側面68の側縁部には、包装材62の組立状態で側面74の表面に貼着される覆い片80が設けられている。そして、覆い片80,側面68,70,72,74,糊付片78は、各々折罫線82,84,86,88,90で区切られている。折罫線82には、切断用に破断線が設けられている。覆い片80の裏面全面は、剥離剤を塗布した剥離剤面96となっている。
【0033】
側面74の表面の中心には、糊92が設けられている。糊92は、折罫線88に対して平行な帯状に塗布されている。糊付片78の表面の中心には、糊94が設けられている。糊94は、折罫線90に対して平行な帯状に塗布されている。
【0034】
側面68において、側面どうしの連接方向に対して直角な方向の一端部には、台形状のフラップ98が折罫線100で区切られて設けられ、反対側の端部にも、台形状のフラップ102が折罫線104で区切られて設けられている。
【0035】
側面70の、側面68の折罫線100に隣接する端部には、蓋片106が折罫線108で区切られて設けられている。蓋片106の折罫線108の反対側の端部には、さらに差込片110が折罫線112で区切られて設けられている。側面70の、折罫線108と反対側の端部には、蓋片114が折罫線116で区切られて設けられ、さらに差込片118が折罫線120で区切られて設けられている。
【0036】
側面72の、側面70の折罫線108に隣接する端部には、フラップ122が折罫線124で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ126が折罫線128で区切られて設けられている。
【0037】
次に、この実施形態の包装材62の組立方法の一例について説明する。なお、ここでは図5が包装材62の包装材形成片66の裏面を見たものであり、包装材形成片66の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0038】
まず、折罫線88を正折りして側面74、糊付片78の表面にそれぞれ糊92,94を塗布する。次に、折罫線84を正折りし、側面68の裏面が糊94により糊付片78の表面に糊付けされる。また、覆い片80の裏面、つまり剥離剤面96が糊92により側面74の表面に貼着される。包装材62はこの状態で出荷される。次に、商品を収容し包装する工場等において、折罫線82,84,86,88,90を各々90度に正折りして四角形の箱体にする。次に、折罫線100,124でフラップ98,122を90度に正折りし、その後折罫線108で蓋片106を90度に正折りし、差込片110を折罫線112で正折りして側面74の裏面側に差し込んで係止し、一方の端面が形成される。さらに、折罫線104,128でフラップ102,126を90度に正折りし、その後折罫線116で蓋片114を90度に正折りし、差込片118を折罫線120で正折りして側面74の裏面側に差し込んで係止し、他方の端面が形成される。なお、包装材形成片66を組み立てる順番はこれ以外でもよく、適宜変更可能である。
【0039】
次に、この実施形態の包装材62の使用方法について説明する。まず、箱体として使用するときは、組み立てた状態のまま棚等に置いて陳列する。吊下げて陳列するときは、図6に示すように、覆い片80を側面74から剥がし、折罫線82で切り離し、糊92が露出する。糊92が露出した側面74を吊下げ用の台紙64に押し付け、糊92で接着する。台紙64には、吊下げ用の透孔130が設けられ、透孔130をフック等に通して吊下げて陳列する。
【0040】
この実施形態の包装材62によれば、箱体として棚等に置いて陳列したり、台紙64に貼り付けて吊下げて陳列したりすることもでき、周囲の状況に合わせて適宜変更することができる。期間限定で販売したい場合や、ケースが小さくできるだけ大きく消費者に見せたい場合などにも適している。台紙64に貼り付ける操作は簡単であり、きれいに貼り付けることができる。包装材62はブリスターパック容器のように成形しないため、成形容器を作るための型代や装置が不要である。
【0041】
次にこの発明の第四実施形態について図7、図8に基づいて説明する。この実施形態の包装材132は、別体の包装材148の一側面に貼り付けて使用するものであり、包装材148の上方へ突出し、突出した部分に吊下げ用の透孔134が設けられ、吊下げて陳列可能とするものである。
【0042】
図7は包装材132を、後述する包装材148が取り付けられる表面から見た展開図であり、上下方向に長い矩形の台紙片136が設けられ、台紙片136の上端部136aに近い部分に透孔134が設けられている。台紙片136の中間から下端部136bに達する部分で台紙片136の、上端部136aと下端部136bに交差する一方の側縁部136cに近い約半分を占める部分には、表面に、剥離剤を塗布した剥離剤面137が設けられている。剥離剤面137には糊140が上下方向に帯状に設けられ、弱い接着力で剥離可能に塗布されている。側縁部136cと反対の136dに近い位置には糊138が設けられ、台紙片136の表面に高い接着力で塗布されている。
【0043】
台紙片136には、剥離剤面137に隣接して矩形の覆い片144が側方に突出して設けられている。覆い片144は、台紙片136との間が折罫線145に区切られ、覆い片144の大きさは、上下方向長さが剥離剤面137とほぼ同じであり、水平方向長さが台紙片136よりも少し短く形成されている。覆い片144の台紙片136と反対の側縁部144aに近い約半分を占める部分には、表面に、剥離剤を塗布した剥離剤面146が設けられている。
【0044】
次に、この実施形態の包装材132の組立方法の使用方法について説明する。なお、ここでは図7が包装材132の表面を見たものであり、包装材132の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0045】
まず、台紙片136に糊138,140を塗布し、図8に示すように折罫線145を逆折りして覆い片144を台紙片136に折り重ね、糊138,140で糊付けする。包装材132はこの状態で出荷される。次に、商品を収容し包装する工場等において、台紙片136から覆い片144を剥がす。このとき、糊138は、覆い片144の剥離剤面146から容易に剥がれ、台紙片136に残る。一方、糊140は、台紙片136の剥離剤面137から容易に剥がれ、覆い片144に転写する。そして、商品が収容された包装材148の一側面148aに、台紙片136を押し付けて糊138で接着する。このとき、包装材132の折罫線145が、包装材148の角部に一致するように接着する。そして、折罫線145を90度に逆折りして包装材148の側面148aに隣接する側面148bに、覆い片144を押し付けて糊140で接着する。このように包装材148に台紙片136を取り付け、透孔134にフック等に通して吊下げて陳列する。
【0046】
この実施形態の包装材132によれば、必要に応じて包装材148に台紙片136を簡単で確実に取り付け、吊下げて陳列することができる。周囲の状況に合わせて適宜包装材148を吊下げ式に変更することが可能である。
【0047】
なお、この実施形態の包装材132は、台紙片136から覆い片144が切断されるものでもよい。例えば、図9に示す包装材150は、台紙片136の中間から下端部136bに達する部分に糊152が設けられ、糊152は側縁部136c,136dの中間に位置し上下方向に長い帯状に塗布されている。覆い片144は、表面全面に剥離剤面154が設けられている。覆い片144と台紙片136の間の折罫線145には、切断用の破断線が設けられている。
【0048】
次に、包装材150使用方法について説明する。まず、台紙片136に糊152を塗布し、図10に示すように折罫線145を逆折りして覆い片144を台紙片136に折り重ね、糊152で貼着する。包装材150はこの状態で出荷される。次に商品を収容し包装する工場において、台紙片136から覆い片144を開き、覆い片144を折罫線145で切断する。糊152は露出し、商品が収容された包装材148の一側面148aに、に、台紙片136を押し付けて接着する。
【0049】
包装材150によっても、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
次にこの発明の第五実施形態について図11、図12に基づいて説明する。この実施形態の包装材156は、組み立てられて箱体となるものである。この実施形態の包装材156は、一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された包装材形成片158を組み立てて設けられている。
【0051】
図11は包装材形成片158を裏面から見た展開図であり、包装材形成片158は、側面160,162,164,166は互いに平行に連接して形成されている。側面160,162,164,166は、互いにほぼ同じ大きさに設けられている。さらに側面166の側縁部には、包装材156の組立状態で側面160の裏面に糊付けされる糊付片168が設けられている。側面160,162,164,166、糊付片168は、各々折罫線170,172,174,176で区切られている。
【0052】
側面160において、側面どうしの連接方向に対して直角な方向の一端部には、外蓋片178が折罫線180で区切られて設けられ、反対側の端部にも、外蓋片182が折罫線184で区切られて設けられている。
【0053】
側面162の、側面160の折罫線180に隣接する端部には、小形のフラップ186が折罫線188で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ190が折罫線192で区切られて設けられている。
【0054】
側面164の、側面162の折罫線188に隣接する端部には、外蓋片178の約半分の大きさの内蓋片194が折罫線196で区切られて設けられている。折罫線196には、切断用の破断線198が設けられ、破断線198は、折罫線196の中央部分では側面164の内側へ矩形に膨出した形状である。側面164の反対側の端部には、外蓋片182とほぼ同じ大きさの内蓋片200が折罫線202で区切られて設けられている。折罫線202には、切断用の破断線204が設けられ、破断線204の中央部分では側面164の内側へ矩形に膨出した形状である。内蓋片200の折罫線202と反対側の端部には、差込片206が折罫線208で区切られて設けられている。
【0055】
側面166の、側面164の折罫線196に隣接する端部には、小形のフラップ210が折罫線212で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ214が折罫線216で区切られて設けられている。
【0056】
糊付片168の、側面166の折罫線212に隣接する端部には、内蓋片194とほぼ同じ大きさの糊付片218が折罫線220で区切られて設けられている。糊付片218の折罫線220と反対側の端部には、覆い片222が破断線224で区切られて設けられている。覆い片222は、糊付片218よりも連接方向の長さが少し短く、フラップ210側の端部が、フラップ210に向かって僅かに突出して、破断線224を切断する際の手がかりとして形成されている。糊付片168の、反対側の端部には、覆い片226が破断線228で区切られて設けられている。覆い片226は、内蓋片200とほぼ同じ大きさに設けられている。なお、一対の覆い片222,226は、表面に、剥離剤を塗布した剥離剤面223,227が設けられている。破断線228の途中には、糊付片168へ彎曲する半月状の透孔229が設けられ、破断線228を切断するときの手がかりとして形成されている。互いに連続する覆い片222、糊付片218、糊付片168、覆い片226には、表面に、帯状の糊230,232が連続して塗布されている。
【0057】
次に、この実施形態の包装材156の組立方法の一例について説明する。なお、ここでは図11が包装材156の包装材形成片158の裏面を見たものであり、包装材形成片158の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0058】
まず、折罫線174を正折りして覆い片222、糊付片218、糊付片168、覆い片226に糊230,232を塗布する。このとき、糊付片168と糊付片218は糊230,232が高い接着力で塗布され、覆い片222,226は剥離可能に塗布される。次に折罫線170を正折りして側面160、外蓋片178、外蓋片182の裏面が、糊230,232により覆い片222、糊付片218、糊付片168、覆い片226に糊付けされる。
【0059】
次に、商品を収容し包装する工場等において、各々折罫線170,172,174,176を各々90度に正折りして四角形の箱体にする。次に、折罫線192,216でフラップ190,214を90度に正折りし、その後折罫線202で内蓋片200を90度に正折りし、差込片206を折罫線208で正折りし、差込片206を側面160に重ねられた糊付片168の裏面側に差し込んで係止する。そして、覆い片226を外蓋片182から剥がし、折罫線228の透孔229に指を入れて破断線228を切断し取り外す。なお、糊230,232は剥離剤面227から剥がれて外蓋片182の裏面に転写する。折罫線184で外蓋片182を90度に正折りし、内蓋片200の表面に重ね、糊230,232で外蓋片182を内蓋片200に接着して一方の端面が形成され、封止される。
【0060】
次に、折罫線188,212でフラップ186,フラップ210を90度に正折りし、その後折罫線196で内蓋片194を90度に正折りする。そして、覆い片222を外蓋片178から剥がし、フラップ210に向かって僅かに突出して形成されている部分を保持して破断線224を切断し取り外す。なお、糊230,232は剥離剤面223から剥がれて外蓋片178の裏面に転写する。糊付片218は、外蓋片178の裏面に接着されたまま残る。折罫線180で外蓋片178を90度に正折りし、内蓋片194の表面に重ね、糊230,232で外蓋片178を内蓋片194に接着して、他方の端面が形成され、封止される。
【0061】
包装材156から商品を取り出すときは、側面164に形成された破断線198または破断線204を切断し、内蓋片194または内蓋片200を側面164から開けて開封する。
【0062】
この実施形態の包装材156によれば、商品を収容し包装する工場等で、簡単に強い接着強度で、外蓋片178、外蓋片182を封止することができる。接着のための装置が不要で、簡単に包装を行うことができる。外蓋片178,182を内蓋片194,200に糊付けすることにより、改ざん防止効果が高く、商品を保護することができ、安全である。糊230,232を、覆い片222、糊付片218、糊付片168、覆い片226に帯状に塗布するだけで、側面160と糊付片168の接着と、外蓋片178,182を封止する接着の、両方向の接着工程を行うことができる。
【0063】
なお、この実施形態の包装材156は、外蓋片178,182が小形であり、テープ状のものでも良い。例えば、図13、図14に示す包装材234は、外蓋片178,182を小形の係止片270,274としたものである。図13は、包装材234の包装材形成片236を裏面から見た展開図であり、包装材形成片236は、側面160,162,164,166、糊付片168が互いに平行に連接して形成され、各々折罫線170,172,174,176で区切られている。
【0064】
側面160において、側面どうしの連接方向に対して直角な方向の一端部には、覆い片238が設けられている。覆い片238は、一定の幅の帯状に形成され、後述する蓋片254の中央部分を越えて折罫線256寄りの位置に達する長さである。覆い片238の側面160側の基端部には、側面160へ膨出する曲線の折罫線240が設けられ、折罫線240の途中には、さらに側面160へ膨出する半月状の透孔242が設けられている。覆い片238の表面には、剥離剤を塗布した剥離剤面244が設けられている。側面160の反対側の端部にも、覆い片246が折罫線248で区切られて設けられ、折罫線248には透孔250が設けられている。覆い片246の表面には、剥離剤面252が設けられている。
【0065】
側面162の、側面160の折罫線240に隣接する端部には、小形のフラップ186が折罫線188で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ190が折罫線192で区切られて設けられている。
【0066】
側面164の、側面162の折罫線188に隣接する端部には、蓋片254が折罫線256で区切られて設けられ、蓋片254の先端には、差込片258が折罫線260で区切られて設けられている。側面164の反対側の端部には、蓋片262が折罫線264で区切られて設けられ、蓋片262の先端には、差込片266が折罫線268で区切られて設けられている。
【0067】
側面166の、側面164の折罫線256に隣接する端部には、小形のフラップ210が折罫線212で区切られて設けられ、反対側の端部にも、フラップ214が折罫線216で区切られて設けられている。
【0068】
糊付片168の、側面166の折罫線212に隣接する端部には、係止片270が折罫線272で区切られて設けられている。糊付片168の、反対側の端部にも、係止片274が折罫線276で区切られて設けられている。係止片270,274は、覆い片238,246よりも僅かに小さい形状である。係止片270,274の裏面には、糊278,280がそれぞれ塗布されている。糊付片168の裏面には、折罫線176と反対側の側縁部176aの近傍に、糊282が塗布されている。
【0069】
次に、この包装材234の組立方法の一例について説明する。なお、ここでは図13が包装材234の包装材形成片236の裏面を見たものである。まず、係止片270,274、糊付片168に、糊278,280,282を塗布する。次に、折罫線170を正折りし、その後折罫線174を正折りして、糊付片168は糊282により側面160の表面に糊付けされる。また、係止片270,274も、糊278,280により覆い片238,246の表面に剥離可能に接着されている。
【0070】
次に、商品を収容し包装する工場等において、各々折罫線170,172,174,176を各々90度に正折りして四角形の箱体にする。次に、折罫線192,216でフラップ190,214を90度に正折りし、その後折罫線264で蓋片262を90度に正折りし、差込片266を折罫線268で正折りし、差込片266を側面160の裏面側に差し込んで係止する。そして、覆い片246を係止片274から剥がし、折罫線248の透孔250に指を入れて折罫線248を切断し取り外す。これにより、係止片274に糊280が露出する。折罫線276で係止片274を90度に正折りし、蓋片262の表面に重ね、係止片274が蓋片262に糊280で接着し、一方の端面が形成され封止される。そして、折罫線188,212でフラップ186,210を90度に正折りし、蓋片254折罫線256で正折りし、差込片258を側面160の裏面側に差し込んで係止する。そして、覆い片238を係止片270から剥がし、折罫線240の透孔242に指を入れて折罫線240を切断し取り外す。これにより、係止片270に糊278が露出する。折罫線272で係止片270を90度に正折りし、蓋片254の表面に重ね、係止片270が蓋片254に糊278で接着し、他方の端面が形成され封止される。
【0071】
この包装材234によれば、蓋片254,262が係止片270,274で封止され、改ざん防止効果が高く、商品を保護することができる。係止片270,274はテープ状に形成されているため、貼ったり剥がしたりする操作が容易である。
【0072】
次にこの発明の第六実施形態について図15、図16に基づいて説明する。この実施形態の包装材284は組み立てられて箱体となるものである。この実施形態の包装材284は、一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された包装材形成片286を組み立てて設けられている。
【0073】
図15は包装材形成片286を裏面から見た展開図であり、包装材形成片286は、側面288,290,292,294は、互いにほぼ同じ大きさに設けられている。さらに側面294の側縁部には、包装材284の組立状態で側面288の裏面に糊付けされる糊付片296が設けられている。側面288,290,292,294、糊付片296は、各々折罫線298,300,302,304で区切られている。
【0074】
側面288において、側面どうしの連接方向に対して直角な方向の一端部には、組立状態で箱体の端部のほぼ半分を覆う小形のフラップ306が折罫線308で区切られて設けられ、反対側の端部には、組立状態で箱体の端部のほぼ全面を覆う大形のフラップ310が折罫線312で区切られて設けられている。
【0075】
側面292の、側面288の折罫線308に隣接する端部には、小形のフラップ314が折罫線316で区切られて設けられ、反対側の端部には、大形のフラップ318が折罫線320で区切られて設けられている。
【0076】
側面294の、側面292の折罫線316に隣接する端部には、蓋片322が折罫線324で区切られて設けられ、蓋片322には差込片326が折罫線328で区切られて設けられている。側面294の反対側の端部にも、蓋片330が折罫線332で区切られて設けられ、蓋片330には差込片334が折罫線336で区切られて設けられている。
【0077】
糊付片296の表面には、折罫線304近傍に、糊338が塗布されている。糊付片296の、側面294の折罫線332に隣接する端部には、覆い片340が破断線342で区切られて設けられている。覆い片340の表面には、剥離剤を塗布した剥離剤面344が設けられ、剥離剤面344のほぼ中心には、糊346が設けられている。
【0078】
次に、この包装材284の組立方法の一例について説明する。なお、ここでは図15が包装材形成片286の裏面を見たものである。まず、糊付片296と覆い片340に糊338,346を塗布する。このとき、覆い片340には剥離剤面244が設けられているため、糊346は剥離可能に塗布されている。次に、折罫線302を正折りし、次に折罫線298を正折りして、側面288とフラップ310の裏面が糊338,346により糊付片296と覆い片340の表面に糊付けされる。
【0079】
次に、商品を収容し包装する工場等において、各々折罫線298,300,302,304を各々90度に正折りして四角形の箱体にする。次に、覆い片340をフラップ310から剥がし、破断線342を切断して取り外す。なお、覆い片340には剥離剤面244が設けられているため、糊346は剥離剤面344から剥がれてフラップ310の裏面に転写する。折罫線312でフラップ310を90度に正折りし、その後フラップ318を折罫線320で90度に正折りし、さらに蓋片330を折罫線332で90度に正折りし、差込片334を側面290の裏面側に差し込んで係止する。ここで、フラップ310に転写した糊346は、組み立てられた箱体の内側空間に露出している。組み立てられた箱体の内側に、商品348を入れると、商品348の底部はフラップ310の糊346に接着され保持される。次に、折罫線308,316でフラップ306,314を90度に正折りし、蓋片322を折罫線324で90度に正折りし、差込片326を側面290の裏面側に差し込んで係止する。
【0080】
この実施形態の包装材284によれば、箱体の底部に糊346が露出しているため、商品348を接着して保持することができ、がたつきを抑え、がたつきによる傷や破損の発生を防ぎ、商品が常に正面を向いているという効果もある。
【0081】
この発明の包装材は、上記各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。各部材の形状や包装材形成片の各部材の位置等、自由に変更可能である。また、包装材形成片の材料は、紙やプラスチック等、自由に選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明の第一実施形態の包装材の展開図である。
【図2】この実施形態の包装材の横断面図である。
【図3】この発明の第二実施形態の包装材の展開図である。
【図4】この実施形態の包装材の横断面図である。
【図5】この発明の第三実施形態の包装材の展開図である。
【図6】この実施形態の包装材の使用方法を示す斜視図である。
【図7】この発明の第四実施形態の包装材の展開図である。
【図8】この実施形態の包装材の使用方法を示す斜視図である。
【図9】この実施形態の包装材の変形例の展開図である。
【図10】この実施形態の包装材の変形例の使用方法を示す斜視図である。
【図11】この発明の第五実施形態の包装材の展開図である。
【図12】この実施形態の包装材の縦断面図である。
【図13】この実施形態の包装材の変形例の展開図である。
【図14】この実施形態の包装材の変形例の縦断面図である。
【図15】この発明の第六実施形態の包装材の展開図である。
【図16】この実施形態の包装材の縦断面図である。
【符号の説明】
【0083】
10 包装材
12 包装材形成片
14 第一側面
16 第二側面
18 第一折罫線
20 剥離剤面
22 破断線
26 糊
28 透孔
30 第二折罫線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片から成り、前記包装材形成片には、接着剤が塗布されている糊付片と、剥離剤が塗布された剥離剤面を有する覆い片が設けられ、前記覆い片は前記糊付片の接着剤に剥離可能に貼着されて成ることを特徴とする包装材。
【請求項2】
前記包装材形成片には、互いに連接された一対の側面と、前記一対の側面の間に設けられた互いに平行な第一折罫線と第二折罫線と、前記一方の側面の裏面に剥離剤が塗布された剥離剤面と、前記他方の側面の裏面に塗布された接着剤が設けられ、前記一対の側面を前記第一折罫線で裏面同士を折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記一対の側面を前記第二折罫線で裏面同士を折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤から剥がされて前記他方の側面に対面し、前記接着剤が塗布された部分が他方の側面の前記剥離剤面以外の面に貼着され、前記一対の側面の間に商品を挟持して包装することを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項3】
前記包装材形成片には、互いに連接された第一側面と第二側面と覆い片が設けられ、前記接着剤は前記第一側面の裏面に塗布され、前記剥離剤面は前記覆い片の表面に設けられ、前記第一側面と第二側面と覆い片を、裏面を内側にして三つ折りにした状態で、前記覆い片を前記第一側面と第二側面の間に位置して折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を前記第一側面の外側に位置して折り重ねると、前記剥離剤面は前記接着剤から剥がされて外側に位置し、前記第一側面と前記第二側面が貼着されるとともに、前記第一側面と第二側面の間に商品を挟持して包装することを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項4】
前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に設けられた糊付片と、前記糊付片と反対側の端部に位置する側面に連接方向に設けられた覆い片が形成され、前記接着剤は前記糊付片の表面に設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の裏面に設けられ、前記複数の側面と前記糊付片、前記覆い片を、裏面を内側にして箱体に組み立てたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を隣接する前記側面から切断することにより前記接着剤が露出し、別体の部材が前記接着剤に貼着可能となることを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項5】
前記包装材形成片には、吊下げ用の透孔が設けられた台紙片と、前記台紙片に連接された覆い片が設けられ、前記接着剤は前記台紙片の表面に設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の表面に設けられ、前記覆い片を前記台紙片に表面同士で折り重ねたとき前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を前記台紙片から剥がすと前記接着剤が露出し、別体の部材が前記接着剤に貼着可能となることを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項6】
前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に交差して設けられた外蓋片と、前記外蓋片が設けられた前記側面に組立状態で対面する側面に、連接方向に交差して設けられた内蓋片と、前記外蓋片が設けられた前記側面に組立状態で重ねられる側面に、前記外蓋片に重ねられる覆い片が設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の前記外蓋片に対向する面に設けられ、前記接着剤は前記覆い片の前記剥離剤面に剥離可能に設けられ、前記覆い片を前記外蓋片に重ねたとき前記接着剤は前記外蓋片に貼着され、前記覆い片を前記外蓋片から剥がすと前記接着剤が前記外蓋片に残り、前記接着剤を介して前記外蓋片を前記内蓋片に貼着して封止することを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項7】
前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に交差して設けられたフラップと、前記フラップが設けられた前記側面に組立状態で重ねられる側面に、前記フラップに重ねられる覆い片が設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の前記フラップに対向する面に設けられ、前記接着剤は前記剥離剤面に剥離可能に設けられ、前記覆い片を前記フラップに重ねることにより前記接着剤は前記フラップに付着され、前記覆い片を前記フラップから剥がすことにより前記接着剤が前記フラップに残り、前記フラップが組立状態で前記側面の内側空間を閉鎖して、前記接着剤が前記側面の前記内側空間に露出し、上記内側空間の収容物に付着することを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項8】
一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片に、接着剤が塗布されている糊付片と、剥離剤が塗布された剥離剤面を有する覆い片を設け、前記包装材形成片は前記糊付片と前記覆い片が重ねられて前記接着剤と前記剥離剤面が剥離可能に貼着された状態で製造され、組み立てて商品を入れた後に前記糊付片から前記覆い片を外して前記接着剤を露出させ、前記接着剤を介して前記包装材形成片の一部又は別部材に貼着して包装を行うことを特徴とする包装方法。
【請求項1】
一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片から成り、前記包装材形成片には、接着剤が塗布されている糊付片と、剥離剤が塗布された剥離剤面を有する覆い片が設けられ、前記覆い片は前記糊付片の接着剤に剥離可能に貼着されて成ることを特徴とする包装材。
【請求項2】
前記包装材形成片には、互いに連接された一対の側面と、前記一対の側面の間に設けられた互いに平行な第一折罫線と第二折罫線と、前記一方の側面の裏面に剥離剤が塗布された剥離剤面と、前記他方の側面の裏面に塗布された接着剤が設けられ、前記一対の側面を前記第一折罫線で裏面同士を折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記一対の側面を前記第二折罫線で裏面同士を折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤から剥がされて前記他方の側面に対面し、前記接着剤が塗布された部分が他方の側面の前記剥離剤面以外の面に貼着され、前記一対の側面の間に商品を挟持して包装することを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項3】
前記包装材形成片には、互いに連接された第一側面と第二側面と覆い片が設けられ、前記接着剤は前記第一側面の裏面に塗布され、前記剥離剤面は前記覆い片の表面に設けられ、前記第一側面と第二側面と覆い片を、裏面を内側にして三つ折りにした状態で、前記覆い片を前記第一側面と第二側面の間に位置して折り重ねたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を前記第一側面の外側に位置して折り重ねると、前記剥離剤面は前記接着剤から剥がされて外側に位置し、前記第一側面と前記第二側面が貼着されるとともに、前記第一側面と第二側面の間に商品を挟持して包装することを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項4】
前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に設けられた糊付片と、前記糊付片と反対側の端部に位置する側面に連接方向に設けられた覆い片が形成され、前記接着剤は前記糊付片の表面に設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の裏面に設けられ、前記複数の側面と前記糊付片、前記覆い片を、裏面を内側にして箱体に組み立てたとき、前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を隣接する前記側面から切断することにより前記接着剤が露出し、別体の部材が前記接着剤に貼着可能となることを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項5】
前記包装材形成片には、吊下げ用の透孔が設けられた台紙片と、前記台紙片に連接された覆い片が設けられ、前記接着剤は前記台紙片の表面に設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の表面に設けられ、前記覆い片を前記台紙片に表面同士で折り重ねたとき前記剥離剤面は前記接着剤に剥離可能に貼着され、前記覆い片を前記台紙片から剥がすと前記接着剤が露出し、別体の部材が前記接着剤に貼着可能となることを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項6】
前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に交差して設けられた外蓋片と、前記外蓋片が設けられた前記側面に組立状態で対面する側面に、連接方向に交差して設けられた内蓋片と、前記外蓋片が設けられた前記側面に組立状態で重ねられる側面に、前記外蓋片に重ねられる覆い片が設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の前記外蓋片に対向する面に設けられ、前記接着剤は前記覆い片の前記剥離剤面に剥離可能に設けられ、前記覆い片を前記外蓋片に重ねたとき前記接着剤は前記外蓋片に貼着され、前記覆い片を前記外蓋片から剥がすと前記接着剤が前記外蓋片に残り、前記接着剤を介して前記外蓋片を前記内蓋片に貼着して封止することを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項7】
前記包装材形成片には、互いに連接された複数の側面と、連接された一方の端部に位置する側面に連接方向に交差して設けられたフラップと、前記フラップが設けられた前記側面に組立状態で重ねられる側面に、前記フラップに重ねられる覆い片が設けられ、前記剥離剤面は前記覆い片の前記フラップに対向する面に設けられ、前記接着剤は前記剥離剤面に剥離可能に設けられ、前記覆い片を前記フラップに重ねることにより前記接着剤は前記フラップに付着され、前記覆い片を前記フラップから剥がすことにより前記接着剤が前記フラップに残り、前記フラップが組立状態で前記側面の内側空間を閉鎖して、前記接着剤が前記側面の前記内側空間に露出し、上記内側空間の収容物に付着することを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項8】
一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた包装材形成片に、接着剤が塗布されている糊付片と、剥離剤が塗布された剥離剤面を有する覆い片を設け、前記包装材形成片は前記糊付片と前記覆い片が重ねられて前記接着剤と前記剥離剤面が剥離可能に貼着された状態で製造され、組み立てて商品を入れた後に前記糊付片から前記覆い片を外して前記接着剤を露出させ、前記接着剤を介して前記包装材形成片の一部又は別部材に貼着して包装を行うことを特徴とする包装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−166860(P2009−166860A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5791(P2008−5791)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(391019500)朝日印刷株式会社 (70)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(391019500)朝日印刷株式会社 (70)
【Fターム(参考)】
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