説明

包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置

【課題】2種類の顆粒で製造される内容物において、計量されたそれぞれ顆粒の計量チェックを行うこと。
【解決手段】計量凹部14の下面側を開放して計量された各顆粒を下方に供給するシャッタ装置20には、すべての計量凹部14に対向する充填孔21Dを配置した第1の位置、1種類だけの計量凹部14に対向する充填孔21E(21F)を配置した第2の位置を有して形成する。第1の位置は、内容物を分包品として製造するための通常のサイクルを行う位置であり、第2の位置は、各顆粒の計量が正確に行われている可どうかをチェックするために、計量されている各顆粒を単一で取り出すことのできる位置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋される包装袋に一定量に計量された内容物を充填する包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置に関し、さらに2種類以上の顆粒が混入して製造される内容物を、それぞれ顆粒ごとに計量した後、一括した内容物として包装袋に充填することに関する。なお、ここで「顆粒」とは、その大きさに限定するものではなく、細かい粉体状のものから大きい粒状のものまでを含むものとする。
【背景技術】
【0002】
従来、内容物を一定量に計量して包装袋に充填する装置は特許文献1によって知られている。これによると、計量充填装置は、一対の包装紙を貼り付けることによって形成される袋状の包装袋に、一定量に計量された内容物を充填するものであり、内容物を貯溜するホッパと、ホッパの下方に配置されるとともに回動可能なロータと一定量の内容物を計量する計量凹部と計量凹部の下面側を開放するシャッタ装置とを有する計量部と、計量部の下方に配置されるとともに計量部で計量された内容物を包装袋に充填する充填部とを備えて構成されている。計量部に配置されたロータは、計量凹部に内容物を案内するための案内孔部を有している。この構成によって、内容物が供給されたロータを回動することによって、内容物は、ロータの案内孔部から計量凹部に流入して一定量に計量され、シャッタ装置を移動させて計量凹部の下面側を開放することによって、充填部を通って包装袋に充填されて分包品として製造されることとなる。
【特許文献1】特許第2759586号公報(2〜7頁、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、一般に内容物は、一種類の顆粒だけで構成されているものではなく、複数の顆粒が混入して構成されている場合が多い。例えば、内容物が薬の場合、患部を和らげるためのA顆粒と、例えば胃を保護するためのB顆粒とが含まれ、それらの含まれる比率が充填比率として概ね決められている。
【0004】
従来の計量充填装置では、ホッパに貯溜されている内容物は、すでに充填比率が決められた状態でまとめてホッパに貯溜されている。そして、ホッパから計量部に供給される際、A顆粒とB顆粒とが混入された状態で供給されることから、最終的に分包品として製造される内容物は、A顆粒とB顆粒とが所定の充填比率で混入されているとは限らない。内容物によっては、この比率をほぼ正確に混入しなければならないものがあり、そのために、2種類の顆粒を別々に計量して包装袋に充填する必要が生じていた。しかも、同時に別々に計量された顆粒の充填比率が正確に計量されているかどうかをチェックすることも必要性が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、2顆粒以上の顆粒が混入して製造される内容物を、それぞれ顆粒ごとに計量して包装袋に充填できるとともに、それぞれの顆粒の計量チェックを行なうことのできる包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置を提供することを目的とする。そのために本発明の包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置は、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、少なくとも2種類以上の顆粒で構成される内容物を袋状に形成された包装袋に充填するために、各顆粒ごとに貯溜するホッパと、前記顆粒ごとに計量する計量部と、前記各計量部から計量された前記顆粒を回収して一括して充填する充填部と、を備えた包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置であって、
前記計量部には、仕切り板で仕切られて前記顆粒を別々に収納する少なくとも2室を有して形成されるとともに前記各室の下部には所定量の顆粒を収納する計量凹部と前記計量部に収納された顆粒を前記充填部に充填するために前記計量凹部を下方から開放可能なシャッタ部材とを有し、
前記シャッタ部材が、前記計量凹部に収納された複数の顆粒を同時に開放する位置と、1種類の顆粒を開放する位置とに切り換え可能に配置されていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2記載の発明では、前記シャッタ部材には、すべての計量凹部に連通可能な充填孔を形成する第1の位置と、いずれか一方だけの計量凹部に連通可能な充填孔を形成する少なくとも第2の位置とが形成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の発明では、前記シャッタ部材は、包装機の機枠に支持されて前記シャッタ部材を往復移動する駆動機構に接続されていることを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の発明では、前記駆動機構は、前記シャッタ部材を第1の位置あるいは少なくとも第2の位置のいずれかに切り換え可能に作用することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、各ホッパに貯溜された各顆粒は、計量部の仕切られた各室内に収納された後、それぞれ計量凹部に移動されて所定量に計量される。それぞれの顆粒が所定の量に計量されると、シャッタ部材が移動して計量凹部が開放され、それぞれの顆粒が充填管を通って一括した内容物として包装袋に充填される。
【0010】
従って、内容物を構成する各顆粒は、内容物に合わせてそれぞれ所定量に計量されることから、複数の顆粒で構成される内容物であっても、それぞれの顆粒の充填比率を正確に確保することができる。
【0011】
この際、シャッタ部材は、通常の計量充填作業以外に、それぞれの顆粒を単独で計量することができる。これによって、1個の分包品に充填される内容物はそれぞれの顆粒が所定の充填比率で混入されているかどうかを確認することができ、品質を向上することができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明のシャッタ部材の一形態を具体的に示すものであり、請求項2記載の発明によれば、シャッタ部材にすべての顆粒を通す充填孔を形成する第1の位置と、1種類の顆粒を通す充填孔を形成する第2の位置を設けておけば、通常作業における各顆粒を計量して充填する場合には、第1の位置を計量凹部に対向する位置にシャッタ部材を移動させ、いずれか一方の顆粒を計量する場合には、第2の位置を計量凹部に連通できる位置にシャッタ部材を移動させることになる。これによって、1個の分包品に充填される内容物はそれぞれの顆粒が所定の充填比率で混入されているかどうかを確認することができ、品質を向上することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、シャッタ部材は、シャッタ部材を往復移動する駆動機構に連結されている。従って、所定のタイミングで、シャッタ部材の充填孔を計量凹部に対向する位置に移動させたり、離隔した位置に移動させたりすることができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、シャッタ部材を往復移動する駆動機構で、シャッタ部材に形成された第1の位置と少なくとも第2の位置との切り換え作用を行うことができることから、新たな構成を加えることなくコンパクトに構成することができる。この際、位置の切り換えは、自動あるいは手動のいずれかで行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の一形態による包装機における計量充填装置(以下、装置という。)を図面に基づいて説明する。この装置において充填する内容物は、少なくとも2種類以上の顆粒から構成されている。この顆粒とは、始めに述べたように、顆粒の大きさに限定するものではない。
【0016】
図1に示すように、装置10は、包装機Mにおける上部位置に配置されている。実施形態の包装機Mは、少なくとも2種類(図例においては2種類)以上の顆粒が混入された内容物を、図2に示すように、2個の分包品100(100A、100B)として製造するものである。
【0017】
図1において、包装機Mは、機枠1の上部に配置される装置10と、装置10を間にして包装フィルムF1を装置10の下方に供給する一対の供給リール3、3と、装置10の下方に配置されるとともに一対の供給リール3、3から供給される包装フィルムF1を袋状にシールしつつ内容物を充填して包装袋Fに形成する製袋部5と、連続する包装袋Fを切断して分包品100とするカッタ部7と、を有し、分包品100は、計量装置8によって重量が計量され、その後、集積装置9で複数段に集積されてバンディングされることにより1製品として製造される。
【0018】
装置10は、図3〜4に示すように、2種類の顆粒を混入した内容物を製袋部5に充填するために構成するものであり、各顆粒ごとに貯溜するホッパ11と、ホッパ11の下方に配置して各顆粒をそれぞれ計量する計量部12と、各計量部12で計量された各顆粒を製袋部5に充填する充填部25とを備えている。実施形態においては2個の分包品100を同時に製造するものとする。そのため、ホッパ11(11A、11B、11C)は計量部12に向かって、3列に並設されている。このうち、中央のホッパ11Bは他のホッパ11A、11Cより略倍の容量で形成され、ホッパ11Aとホッパ11Cは、分包品100Aと100Bに充填される1内容物を構成する2種類の顆粒のいずれか一方を貯溜するものであり、ホッパ11Bは分包品100A、100Bにそれぞれ充填される1内容物を構成する2種類の顆粒のいずれか他方を貯溜するものである。
【0019】
計量部12は、図4〜6に示すように、回動可能なロータ15を内蔵するシリンダ(ハウジング)13と、ロータ15の下方に配置して各顆粒を下方に供給させるシャッタ部材20とを備えている。
【0020】
シリンダ13は、円筒形のロータ15の外周面を摺接可能に支持するハウジング部131と、ロータ15の軸部157を両側で回動可能に支持する軸支持部132とを備え、一対の軸支持部132とハウジング部131とで側面視横向きコ字形を形成するとともに、上部にホッパ11及び顆粒供給管133を支持するプレート134を取り付けている。ハウジング部131はロータ15の下部外周面に摺接する内周面を有するとともに、平面視長方形の計量凹部14を形成している。
【0021】
計量凹部14は、各室151にそれぞれ配置されるため、第1室151Aに対向する計量凹部14Aと第2室151Bに対向する計量凹部14B1、14B2と第3室151Cに対向する計量凹部14Cとを備えることとなる。なお、計量凹部14の一端には、計量凹部14の容量を調整するための調整部材141が、計量凹部14の下面の開口面積を調整するようにハウジング部131に支持されて移動可能に配置されている。
【0022】
ハウジング部131の両側の各軸支持部132には、ロータ15の軸部157を支持するための貫通孔135が形成され、貫通孔135にリング状の軸受部材136が装着されている。
【0023】
ロータ15は、図4〜5及び図7に示すように、両端部に閉塞壁158を有して内部に中空部151を有する円筒状に形成され上部が開口されている。そして中空部151を3室に構成するためロータ15の内周面には円周方向に沿って溝152が形成され、その溝152は長手方向に2箇所に形成されている。各溝152は、ロータ15の軸心位置より下部内周面に形成される係合溝152aと、軸心より上部においてはロータ15の壁部を貫通して形成される貫通溝152bとを有している。そして各溝152に、図8に示すような仕切り板16が装着される。
【0024】
なお、ロータ15の中空部151は、図4中、左から順に第1室151Aと、第2室151B、第3室151Cに分割して形成され、第2室151Bは、第1室151A又は第3室151Cの略倍の長さに形成されている。それぞれの室151の上部には前述の開口部153が3室を連通するように形成され、下部には、各顆粒を下方に流入する角凹状の流入孔154が形成されている。第1室151Aと第3室151Cの流入孔154はそれぞれ第1室151A、第3室151Cにおける第2室151B側付近に形成され、第2室151Bの流入孔154は、第2室151Bの両端部に形成されている。そして、開口部153からロータ15の各室151下部に向かってそれぞれ顆粒供給管133が挿入される。
【0025】
それぞれの各室151内の流入孔154に向かって挿入される顆粒供給管133は、上部のベース部133aと一体的に形成され、それぞれ第1室151Aの流入孔154に向かって延設する顆粒供給管口133Aと、第2室151Bの流入孔154に向かって延設する顆粒供給管口133B1・133B2と、第3室151Cの流入孔154に向かって延設する顆粒供給管口133Cとを備えている。中央に配置される顆粒供給管口133B1・133B2は、2個の流入孔154に向かって延設するために二股状に分岐して形成されている。
【0026】
ロータ15の外周面には、流入孔154の周縁部に流入孔154を囲うように外周面から突出するすり切り部155及び長手方向に沿って両端部の閉塞壁158付近に外周面から突出する摺接部156が形成されている。すり切り部155と摺接部156とは同一外径を形成して、ともにハウジング部131の内周面に小接触面積で摺接する。
【0027】
ロータ15の軸心方向の両端閉塞壁158には、シリンダ13の軸支持部132に形成された貫通孔135に回動可能に内嵌する軸部157がそれぞれ形成されている。軸部157は、機枠1に支持された駆動源、例えばサーボモータによって回動駆動される。
【0028】
なお、ロータ15の上部の開口部153はロータ15の周方向に対してロータ15の回動角度より大きな角度を有する大きさに形成されている。
【0029】
仕切り板16は、図8に示すように、下部半円部に形成されてロータ15の係合溝152aに係合する下部係合部161と、上部半円部に形成されてロータ15の貫通溝152bに挿入される仕切り板位置決め部162とを有して形成されている。仕切り板位置決め部162は、下部係合部161より大径に形成され、その段差部でロータ15の壁部に当接することによって、仕切り板16がロータ15に周方向の位置決めをすることができる。
【0030】
さらに、仕切り板位置決め部162には、左右対称位置にV字状の係合凹部163が形成されて、係合凹部163にロータ15の長手方向に配置される棒状のストッパ部材18が挿入される。このストッパ部材18は、図4に示すように、ロータ15の両端の閉塞壁158の外側から六角穴付ボルト159で固着されることによって仕切り板16の浮き上がり防止をするとともに仕切り板16をロータ15に固着することができる。これによって、仕切り板16をロータ15にビスレスで装着することができる。
【0031】
シャッタ部材20は、矩形板状に形成されて計量凹部14の下面を開放したり閉塞したりする方向に移動可能に構成されている。シャッタ部材20は、ロータ15の各室151全域にわたって対向する幅寸法を有して形成されるとともに、移動方向に対して3列の位置で計量凹部14に連通する充填孔21を形成している。
【0032】
つまり、図9に示すように、移動方向に対して先端側(図9のシャッタ部材20における左下側)に形成される第1列の位置では、計量凹部14Aと計量凹部14B1に連通可能な充填孔21D1と、計量凹部14B2と計量凹部14Cに連通可能な充填孔21D2とが並設して配置されている。第2列の位置では、計量凹部14B1に連通可能な充填孔21E1と計量凹部14B2に連通可能な充填孔21E2とが並設して配置されている。第3列の位置では、計量凹部14Aに連通可能な充填孔21F1と計量凹部14Cに連通可能な充填孔21F2とが並設して配置されている。
【0033】
また、シャッタ部材20は、図10に示すように、連結板22及び一対の直線移動ガイド23、23を介して駆動機構30に連結されている。駆動機構30は、機枠1に支持されるケース31と、ケース31上に配置される駆動源(図例においてはサーボモータ)32と、カップリング33を介して延設されるボールネジ34と、ボールネジ34を装着したスライドアーム35と、スライドアーム35を直線的に往復移動するよう案内する2本のスライドガイド36とを備えている。スライドアーム35はボールネジ34の延設方向と直交する方向に延び、一端でコネクトロッド37を介して連結板22に連結されている。そして、サーボモータ32を正逆駆動するとボールネジ34が回動され、ボールネジ34の回動によりスライドアーム35が、スライドガイド36に案内されて往復移動される。このスライドアーム35の往復移動がシャッタ部材20に伝達されることによって、直線移動ガイド23、23に案内されてシャッタ部材20の充填孔21を計量凹部14開放位置と閉塞位置との間で往復移動させるとともに、図9に示すように、第1列の位置、第2列の位置、第3列の位置を必要に応じて移動調整することができる。つまり、第1列の位置、第2列の位置、第3列の位置を移動する調整は、サーボモータ32の駆動により、スライドアーム35をシャッタ部材20の移動方向に沿って移動することによって、連結板22とコネクトロッド37とを連結する支点部221を移動させることとなる。
【0034】
なお、駆動機構は、特に限定するものではないが、リンク機構を介して駆動源をカムの回転によるものであってもよい。上述のようにサーボモータで駆動すれば、通常の連続駆動時における各顆粒の計量を行う第1列の位置と、いずれかの単体の顆粒のみを計量する第2列あるいは第3列の位置に自動的に移動調整することができる。
【0035】
充填部25は、図3に示すように、充填管26と、充填管26を計量凹部14側に向かって接近離隔する方向に移動する移動機構27とを備えている。充填管26は、ホッパ部261と案内部262とを有して縦長状に形成され、2個の分包品100に内容物をそれぞれ充填することから、シャッタ装置20の充填孔21が計量凹部154を開放する位置に対向して、2箇所並設して配置されることとなる。
【0036】
移動機構27は、カム271(又はサーボモータ)によって駆動され、内容物を受け容れる際には、充填管26を上方に移動して計量凹部14に接近させ、内容物を包装袋Fに充填する際には、充填管26を下方に移動して計量凹部14から離隔させる。
【0037】
次に、上述のように構成された装置10の作用について説明する。
【0038】
図3〜4に示すように、各ホッパ11には、1内容物に混入する1種類の顆粒が貯溜され、各顆粒は、顆粒供給管133を通ってロータ15の各室151内に供給されている。例えば、ホッパ11Bには分包品100A及び100Bに混入される主目的の顆粒が貯溜され、ホッパ11Aとホッパ11Cには、副目的の顆粒が貯溜されている。そしてホッパ11Aとホッパ11Bに貯溜されている顆粒が1内容物を構成して分包品100Aとして製造され、ホッパ11Bとホッパ11Cに貯溜されている顆粒が1内容物を構成して分包品100Bとして製造される。
【0039】
図11(a)の状態では、各室151に供給されている顆粒をこれから計量凹部14に移動させて顆粒の容量を計量するものであり、ロータ15は流入孔154を下死点位置から時計方向に回転された位置にある状態で、流入孔154と計量凹部14とを一致させない位置にある。また、シャッタ部材20は、第1列の配置された充填孔21Dを使用するとともに、この状態では計量凹部14を閉じた位置に移動されている。さらに調整部材141は、調整移動されて計量凹部14の容量を所定容量に設定した状態にある。
【0040】
なお、シャッタ部材20は、図13に示すように、駆動機構30のスライドアーム35が、サーボモータ32の駆動によりボールネジ34の先端側に移動されていて、シャッタ部材20の充填孔21D1と充填孔21D2が計量凹部14に対向できる位置にある。
【0041】
図1における供給リール3から包装フィルムF1が送り出され、製袋部5で包装袋Fとして形成される。一方、図11(b)に示すように、ロータ15を反時計方向に回転すると、ロータ15の各流入孔154が、計量凹部14と連通することになり、ロータ15の各室151内に供給されていた各顆粒が計量凹部14に移動される。
【0042】
図12(a)に示すように、ロータ15が時計方向に回転して流入孔154が計量凹部14を越えると、流入孔154の周り周縁部に形成されているすり切り部155が、計量凹部14の上面をすり切り、顆粒が所定容量分計量される。
【0043】
そして、図12(b)に示すように、シャッタ部材20が、充填孔21Dを計量凹部14に連通する位置まで移動される。これによって、計量凹部14が開放され、顆粒は充填管26に向かって落下して包装袋Fに充填される。
【0044】
計量凹部14Aと計量凹部14B1に収納された各顆粒は、充填管26Aを通って包装袋Fに充填され製袋部5で縦シール、横シールされてカッタ装置7で切断された後、分包品100Aとして製造される。計量凹部14B2と計量凹部14Cに収納された各課粒は充填管26Bを通って包装袋Fに充填され縦シール、横シールされてカッタ装置7で切断されて分包品100Aとともに分包品100Bとして製造される。
【0045】
なお、顆粒が計量凹部14から流出するタイミングは、充填管26が、計量凹部14に最も近づいたときに行われる。
【0046】
これによって1サイクルが終了し再び図11(a)の状態に戻って次のサイクルに入ることとなる。
【0047】
なお、本装置10では、各顆粒の計量が正確に行われているかどうかのチェックを行うことができる。例えば、ホッパ11Bに貯溜されている主目的の顆粒だけの重量を確認する場合、図14に示すように、サーボモータ32を駆動してスライドアーム35をボールネジ34の中間位置(図13の位置からサーボモータ32側に戻す位置)に移動させる。これによって、第2列の充填孔21E1、21E2が充填孔21D1、21D2に換って使用され、充填孔21E1、21E2を計量凹部14B1、14B2に対向可能な位置に移動させることとなる。
【0048】
計量凹部14Aと計量凹部14Cの下面は開放することがないことから、前述の作用と同様の作用を1サイクル行うことによって、計量凹部14B1,14B2に収納されている顆粒を単独で取り出すことができる。
【0049】
さらに、ホッパ11Aとホッパ11Cに貯溜されている副目的の顆粒だけの重量を確認する場合、図15に示すように、サーボモータ32を駆動してスライドアーム35をボールネジ34の元部位置(図14の位置からさらにサーボモータ32側に戻す位置)に移動させる。これによって、第3列の充填孔21F1、21F2が充填孔21E1、21E2に換って使用され、充填孔21F1、21F2を計量凹部14A、14Cに対向可能な位置に移動させることとなる。
【0050】
計量凹部14B1と計量凹部14B2の下面は開放することがないことから、前述の作用と同様の作用を1サイクル行うことによって、計量凹部14A,14Cに収納されている顆粒を単独で取り出すことができる。
【0051】
上述のように構成され作用された装置10によれば、内容物が少なくとも2種類以上の顆粒を混入して構成されているものを包装袋Fに充填する場合、内容物を構成する各顆粒を、内容物に合わせてそれぞれ所定量に計量することから、それぞれの顆粒の充填比率を正確に確保することができる。
【0052】
しかも、計量凹部14を開放可能に構成するシャッタ部材20が、すべての顆粒を通す充填孔21を形成する第1の位置と、1種類の顆粒を通す充填孔21を形成する第2又は第3の位置を設けていることから、通常の計量充填作業以外に、それぞれの顆粒を単独で計量することができる。
【0053】
なお、本発明の装置は、上記の形態に限定するものではない。例えば、各顆粒をそれぞれ計量する構成は、ロータの形状が回動可能な円筒計量タイプでなく、往復運動する箱状のケースを有する角盤計量タイプのものであってもよく、その場合、仕切り板をケースの形状に合わせて装着することによって各顆粒ごとに計量することができる。
【0054】
また、上記の形態では分包品を2個で形成するものであるが、分包品が3個以上のものであっても、ロータの室を分包品に合わせて上記形態と同様に形成することができる。さらに、顆粒の種類が2種類以上でもロータの室数及び充填管数をそれぞれの顆粒に合わせて構成することができる。
【0055】
また、シャッタ部材における第1の充填孔と少なくとも第2の充填孔との切り換え移動は、シャッタ部材を往復移動させる駆動機構と別に構成してもよい。さらに、駆動機構を構成する駆動源は、サーボモータでなくても他の公知の駆動源、例えば、通常のモータやシリンダ等の駆動源を使用してもよく、駆動機構はそれらの駆動源で連結されたカム機構やリンク機構等で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の装置を装着する包装機の一形態を示す全体正面図である。
【図2】図1の包装機で製造される分包品を示す斜視図である。
【図3】本発明の一形態による装置を示す簡略正面図である。
【図4】同側面断面図である。
【図5】図4における計量部を示す拡大断面図である。
【図6】同斜視図である。
【図7】図6の装置におけるロータを示す斜視図である。
【図8】仕切り板及び仕切り板の装着状態を示す説明図である。
【図9】シャッタ部材を示すために装置を底面から見た斜視図である。
【図10】シャッタ部材の駆動機構を示す斜視図である。
【図11】本装置の1サイクルにおける前半2作用を示す簡略作用図である。
【図12】本装置の1サイクルにおける後半2作用を示す簡略作用図である。
【図13】シャッタ部材を第1の位置に切り換えた位置を示す簡略作用図である。
【図14】シャッタ部材を第2の位置に切り換えた位置を示す簡略作用図である。
【図15】シャッタ部材を第3の位置に切り換えた位置を示す簡略作用図である。
【符号の説明】
【0057】
M、包装機
F1、包装フィルム
F、包装袋
1、機枠
5、製袋部
10、装置(計量充填装置)
11、ホッパ
12、計量部
13、シリンダ(ハウジング)
131、ハウジング部
133、顆粒供給管
14、計量凹部
15、ロータ
151、室(中空部)
152、溝
16、仕切り板
18、ストッパ部材
20、シャッタ部材
21、充填孔
22、連結部材
221、支点部
25、充填部
26、充填管
30、駆動機構
32、サーボモータ
34、ボールネジ
35、スライドアーム
100、分包品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種類以上の顆粒で構成される内容物を袋状に形成された包装袋に充填するために、各顆粒ごとに貯溜するホッパと、前記顆粒ごとに計量する計量部と、前記各計量部から計量された前記顆粒を回収して一括して充填する充填部と、を備えた包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置であって、
前記計量部には、仕切り板で仕切られて前記顆粒を別々に収納する少なくとも2室を有して形成されるとともに前記各室の下部には所定量の顆粒を収納する計量凹部と前記計量部に収納された顆粒を前記充填部に充填するために前記計量凹部を下方から開放可能なシャッタ部材とを有し、
前記シャッタ部材が、前記計量凹部に収納された複数の顆粒を同時に開放する位置と、1種類の顆粒を開放する位置とに切り換え可能に配置されていることを特徴とする包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置。
【請求項2】
前記シャッタ部材には、すべての計量凹部に連通可能な充填孔を形成する第1の位置と、いずれか一方だけの計量凹部に連通可能な充填孔を形成する少なくとも第2の位置とが形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置。
【請求項3】
前記シャッタ部材は、包装機の機枠に支持されて前記シャッタ部材を往復移動する駆動機構に接続されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記シャッタ部材を第1の位置あるいは少なくとも第2の位置のいずれかに切り換え可能に作用することを特徴とする請求項3に記載の包装機の計量充填装置におけるシャッタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−22642(P2007−22642A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211825(P2005−211825)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【出願人】(592242660)株式会社東陽機械製作所 (20)
【Fターム(参考)】