説明

包装用容器の卓上載置型封緘装置

【課題】 軽量かつ小型で店舗内の調理場や店頭の卓上等に載置して樹脂製容器の封緘ができる小型化した封緘機であって、建造物内の通常の電源を使用して、店の従業員のみならず、商品の購買者自身でも容易迅速に、かつ簡単に封緘できる封緘装置の提供。
【解決手段】 装置全体をコンベア側枠体Aと封緘側枠体Bとに独立体として分離させ、その何れかにモータを装着させ、これらの枠体の一方を基台部分と基台外部分とに上下に分割し、この上下部分間に昇降移動機構Dを介在させて基台外部分を昇降自在とし、被封緘容器における被封緘部の高低差に対応させて、コンベア上の容器の被封緘部の高さ位置と封緘機構7の封緘作用部の高さ位置とを調節し、粘着テープを二つ折り状として容器に接着させる圧着ローラのテープ送り速度とコンベアの容器送り速度とを同期させ、被封緘容器の重合周縁部の上下面に粘着テープを確実に接着させて封緘できる構成としたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば天ぷらや煮物野菜、煮物魚肉類その他の加工惣菜類の包装用容器や、鶏卵包装用の容器、キウイ・キンカン・イチジク・トマト等その他の果菜類、菓子・パンのような食品包装用の容器として使用されている主として合成樹脂シート材製の包装用容器を、内部に所要食品類を収容して封緘するときに、容器の周縁部を粘着テープによって封緘するために使用する装置に関するものである。
【0002】
殊に、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、青果店・鮮魚店・和洋菓子店等の食品包装場所や店頭に載置して、惣菜その他の商品を収容して商品包装担当者がその場で封緘したり、場合によっては、店頭で商品を購入した購買客自身が商品を収容した容器を封緘することができるように小型化した卓上載置型の封緘装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来から、容器本体と蓋体とをその一側においてヒンジ部を介して一体的に連結されている合成樹脂シート材製の包装用容器や、容器本体と蓋体とを別々に形成してある合成樹脂シート材製の包装用容器が知られている。これらの容器内に所要の商品を収容させた後その周縁部が適宜の手段でシールされている。この包装形態としては、その多くの場合は収容商品の生産工場内等において効率的に行われている。例えば鶏卵包装用容器の場合、複数の鶏卵を容器内に収容し、蓋を閉じて容器本体と蓋体との重ね合わせ周縁部を粘着テープで工業的に封緘することが鶏卵生産者において行われている。この鶏卵包装用の自動封緘装置は、例えば本特許出願人が既に提案し公知になっている。このことは、後記の特許文献1や2に記載されている通りである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2537461号公報
【特許文献2】特許第2729598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、現在使用されている鶏卵包装用容器の封緘装置は、鶏卵生産者が自社に設置した一連の鶏卵自動梱包ラインの末端部分に配置して、例えば1分間に50個〜60個またはそれ以上の容器を自動的に封緘する自動機によって封緘されている。自動封緘機で封緘された鶏卵は段ボール箱等に収容され梱包されたのち、市場に出荷され、店頭に陳列されている。
【0006】
しかしながら、鶏卵についてみれば、一人暮らしの年配者のみならず、若者であっても一人暮らしの人々にとっては、10個包装の鶏卵ではなく、ばら売りの鶏卵を1個若しくは2、3個必要量だけ購入したいという要求があり、また、近年では、このような単身生活者に限らず一般家庭人にあっても、前記のように、天ぷらや煮物類等の惣菜類や、キウイやトマトその他の小形の果菜類等を、購買者の好みに応じて必要量を購入し、購買者自身が合成樹脂シート材製の容器に入れて持ち帰るというケースが見られるようになってきている。このような場合、現在では、容器を封緘する手段として店頭に用意されている輪ゴムを掛けるのが一般的で、時にはセロファンテープで仮止めすることも行われている。しかしながら、これらの封緘手段は密閉効果が悪く、持ち運び中に容易に蓋が開いてしまうという解決すべき課題を有しているが、このような封緘方法に代わる方法は現在のところ未だ存在しない。
【0007】
本発明は、このような課題を解消するための手段として開発されたもので、軽量かつ小型で店舗内の調理場や店頭の卓上や台上に載置して使用することができるように小型化した封緘機であって、通常の100V電源を使用して、店の従業員のみならず、商品の購買者自身でも容易簡単に封緘できる容器の封緘装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
該目的を達成するために本発明では前記請求項1に記載のような技術的手段を講じた。即ち、本発明に係る包装用容器の卓上載置型封緘装置の主たる構成を、実施例説明に使用した図面の符号を用いて説明すると、容器本体と蓋体とからなる合成樹脂シート材製包装用容器Cの閉蓋姿勢で重合する周縁部を粘着テープで封緘する卓上載置型の封緘装置であって、物品を収容させて閉蓋姿勢とした容器を移動させるコンベア5を備えたコンベア側枠体Aと、閉蓋姿勢とした前記容器Cの重合周縁部4を粘着テープ6で封緘する封緘機構7を備えた封緘側枠体Bと、前記コンベア5を所定の方向に駆動させるモータMと、該モータMの回転をコンベア5に伝達する回転伝達体とを備え、前記コンベア側枠体Aと封緘側枠体Bとが互いに独立体として形成され、これら両枠体A,Bの少なくとも一方が昇降移動機構Dを備え、この昇降移動機構Dがコンベア側枠体Aに装着されている場合はコンベア5の容器移送面を昇降させ、封緘側枠体Bに装着されている場合は封緘機構7の後記一対の圧着ローラ間を昇降させる構成とされ、前記封緘機構7は、前記粘着テープ6を断面V字形に屈曲させながら圧着ローラに向けて送り込むガイド部材14と、該ガイド部材14から送り込まれた粘着テープ6を容器の重合周縁部4に二つ折り状として接着させる上下一対の圧着ローラ10,10とを備え、これら両枠体A,Bの何れか一方に、封緘済み容器の移動方向後端側に連なる粘着テープの切断刃体81を備えたカッター機構8が配置され、該カッター機構8の切断刃体81が、常時はテープ非切断箇所に待避していて、容器の存否を検知する光電管やリミットスイッチ等の関知機構の関知作用によってテープ切断位置へ移動し、この移動に伴ってテープを切断する構造とされ、かつ、前記圧着ローラ10,10のテープ送り速度とコンベア5の容器送り速度とが同期するように連動連結されている構成としたものである。
【0009】
また、請求項2に記載の要件は、請求項1に記載の装置における昇降移動機構Dが、コンベア側枠体Aに装着されていて、コンベア5の容器移送面を昇降させ、容器の重合周縁部4の高さ位置を封緘側枠体Bにおける上下一対の圧着ローラ10,10間の高さに合わせる構造とした構成にある。
【0010】
続く請求項3に記載の要件は、請求項1に記載の装置における昇降移動機構Dが、封緘側枠体Bに装着されていて、上下一対の圧着ローラ10,10間の高さ位置を昇降させ、該圧着ローラ10,10間の高さ位置をコンベア5の容器移送面上を移動する容器の重合周縁部4の高さ位置に合わせる構造とした構成にある。
【発明の効果】
【0011】
本発明にいうところの卓上載置型封緘装置は、上記のように、軽量かつ小型に形成し、店舗内の調理場や店頭の卓上や台上の小さな空間に載置して使用することができるように小型化した封緘機であって、一般の建物内のどこにでも存在する100V電源のコンセントにモータの電源コード端のプラグを差し込むだけで、直ちにコンベアを所定の方向に駆動させて使用することができ、コンベア上に載置した容器の重合周縁部を上下一対の圧着ローラ間に移行させて通過させることにより、容器の周縁部を粘着テープで挟み込ませながら封緘することができるのである。殊に、封緘機構における圧着ローラのテープ送り速度とコンベアの容器送り速度とを同期するようにそれぞれの駆動部を連動連結させてあるので、粘着テープによる容器の封緘を常に確実に行うことができる。
【0012】
また、封緘装置をコンベア側枠体と封緘側枠体とに分割し、これらの枠体を互いに独立体として形成してあることにより、容器のサイズや形が異なって封緘する周縁部の高さが異なるものであっても、即ち、容器の底面からの重合周縁部の高さが異なる容器の場合でも、コンベアに対する封緘機構の高さ位置や、封緘機構に対するコンベアの高さ位置を高低操作して高さ調整できるようにしてあるので、各種の容器に適応させることができる利点がある。更には、装置全体を卓上や小形の台上に載置させて操作できるように小型で軽量なものに形成してあるので、持ち運びが容易にでき、場所をとらないため、店頭の適宜の箇所に載置して使用でき、購買者自身でも容器内に好みに応じた商品を収容させ、該容器を封緘するにあたり便利に使用できるという効果がある。
【0013】
本発明の実施に当たっては、前記請求項2に記載の封緘装置のように、昇降移動機構がコンベア側枠体Aに装着されているものとして、コンベアの容器移送面を昇降させ、容器の重合周縁部の高さ位置を封緘側枠体Bにおける上下一対の圧着ローラ間の高さに合わせて調節する構造とし、重合周縁部の高さが異なる各種の容器に対応させて実施することができる。
【0014】
また、本発明の実施に当たって前記請求項3に記載の封緘装置のように、昇降移動機構が封緘側枠体Bに装着されているものとし、上下一対の圧着ローラ間の高さ位置を昇降調節させてコンベア上に載置させた容器の重合周縁部の高さ位置と合致するようにして、重合周縁部の高さの異なる各種の容器に対応させて実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る封緘装置の第1実施例の全体形状を示す正面図。
【図2】同封緘装置の平面図。
【図3】同封緘装置の封緘側枠体の正面図。
【図4】同封緘装置のコンベア側枠体の正面図。
【図5】同封緘装置の封緘側枠体の平面図。
【図6】同封緘装置のコンベア側枠体の平面図。
【図7】同封緘装置における封緘機構部分を示す斜視図。
【図8】カム操作による昇降操作を説明する斜視図。
【図9】本発明の第2実施例を示す図3相当の封緘側枠体の正面図。
【図10】同図4相当のコンベア側枠体の正面図。
【図11】本発明の第3実施例を示す図3相当の封緘側枠体の正面図。
【図12】同図4相当のコンベア側枠体の正面図。
【図13】昇降移動操作部の構造を分解して示した説明用斜視図。
【図14】本発明の第4実施例を示す図3相当の封緘側枠体の正面図。
【図15】同図4相当のコンベア側枠体の正面図。
【図16】昇降移動操作部の構造を分解して示した説明用斜視図。
【図17】昇降移動操作部の構造を説明するコンベア側枠体の要部の拡大正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
粘着テープを断面V字形に屈曲させながら圧着ローラに向けて送り込むガイド部材と、このテープを受け取る圧着ローラとは、なるべく接近させて配置しておくと、断面V字形としたテープを容器の重合周縁部に対して確実に接着させ易い点で好ましい。このようにしておけば、容器の重合周縁部の外端縁を、ガイド部材に形成された断面V字形の屈曲部分に粘着テープを介して当てつけながら、隣接する圧着ローラ間に距離を置くことなく直ちに送り込むことができるので、断面V字形に形成された粘着テープの屈曲部分に容器の重合周縁部の外端縁を当てつけた状態で圧着ローラによってテープが圧着され、容器の重合周縁部に対するテープの確実な押圧接合を行うことができるという利点がある。
【実施例1】
【0017】
以下本発明に係る包装用容器の卓上載置型封緘装置に関する第1実施例を図面に基づいて説明する。図1乃至図8は、該第1実施例を示す図であって、図1はその全体形状を示す正面図、図2は同平面図、図3及び図5は封緘側枠体の正面図と平面図、図4及び図6はコンベア側枠体の正面図と平面図、図7は封緘機構部分を示す斜視図、図8はカム操作による昇降操作を説明する斜視図である。
【0018】
該実施例に示した卓上載置型封緘装置は、図1、2のように装置の全体を任意のテーブルや台上に載置して操作できるように小型サイズに形成してある。その大きさは必ずしも特定の大きさの範囲内のものでなければならないものではないが、該実施例に示した装置全体の大きさを参考までに記載しておくと次の大きさ程度のものである。図1における左右方向の長さは500〜600mmであり、高さは180〜250mmである。また、使用する粘着テープの幅についても特に限定されるものではなく、敢えて記載すると、9mm、10mm、12mm、15mm等、市場において一般に入手の容易な粘着テープを使用することが可能な構造としてある。
【0019】
本発明にいう卓上載置型封緘装置によって封緘される包装用容器Cは、図7に示したように、容器本体1と蓋体2とがその一側においてヒンジ部3を介して一体的に連結されている薄い合成樹脂シート材製の膨出成形容器であっても、合成樹脂の発泡シート材を素材とした膨出成形容器であってもよく、厚紙製の容器であってもよい。また、容器自体は鶏卵包装用や惣菜包装用、小形果菜類の包装用、和菓子や洋菓子等の包装用、たこ焼きやお好み焼き等の包装用等として一般に使用され、周知されている容器であれば何れのものでも封緘可能である。そのため、上下方向に対向配置させた前記圧着ローラ10,10の間隔は、必要に応じて広狭自動変化ができるように、スプリングの押圧力や重力を利用して加圧力に逆らって広がることができるようにしてあるものが好ましい。
【0020】
該実施例に示した卓上載置型の封緘装置は、図3〜6に分離して示したように、物品を収容させて閉蓋姿勢とした容器Cを載置して図における右方向に移動させるコンベア5を備えたコンベア側枠体Aと、閉蓋姿勢としたときに重なり合う前記容器Cの重合周縁部4を粘着テープ6で封緘する封緘機構7を備えた封緘側枠体Bとを備えていて、これらのコンベア側枠体Aと封緘側枠体Bとを互いに独立体として形成してあり、互いに位置関係が確定するよう位置決めされ、平面視において前後方向に隣接配置させてある。
【0021】
また、該実施例の装置にあっては、前記コンベア5を所定方向、より詳しくは図1、2においてコンベア5の容器載置面を右方向に駆動させるためのモータMと、該モータMの回転をコンベア5に伝達するための回転伝達体としての複数のギヤーを内装したギヤーボックスGとを、コンベア5の左後方に連結してある。
【0022】
而して、該実施例に示した昇降移動機構Dは、これら両枠体A,Bのうち、コンベア側枠体Aに設けたものとしてある。このコンベア側枠体Aは、コンベア5を挟んで平行に配置したコンベアフレーム5a,5bとその下方に配置した基台22とを別体として形成してあり、該基台22とコンベアフレーム5a,5bとは、コンベア昇降機構9によって昇降可能に取り付けられている。該実施例の昇降機構9は、図1、3に見られるように、交点軸23を支点として2本のリンク24を回動可能に×状に組み合わせて、該リンク24の上端側をコンベアフレーム5a,5bに、下端側を基台22に連結した構造とし、基台22の長手方向の左右箇所に2組形成し、これら2組のリンク24の交点軸23を横杆25で連結し、この横杆25の一端側(図において左端側)を押圧スプリング26で常時押圧させ、他端側(右端側)を操作軸28を介して偏芯カム27に接当させ、該操作軸28の前端をコンベアフレーム5bの前面に突出させて操作ハンドル29を連結させてある。
【0023】
前記×状リンク24の一端側(図1における右側)の上下端は固定ピン30,30によってコンベアフレーム5a,5bと基台22とに回動自在に連結し、反対側の上下端はスライドピン31,31を介してコンベアフレーム5a,5bと基台22とに設けた水平長孔32,32にそれぞれスライド可能に嵌合させてある。
【0024】
このようにした昇降機構9を昇降操作するには、コンベアフレーム5bの前面に突出させてある操作ハンドル29を、図8に示したように適宜の方向に回転操作することによって操作軸28を介して偏芯カム27を回転させ、押圧スプリング26の押圧力と共同して横杆25を横移動させることによって行う。このハンドル操作によって、×状リンク24の交点軸23を横移動させることにより×状リンク24の傾斜角を変え、コンベアフレーム5a,5bと基台22との間隔を広狭変化させて、コンベア5の高さを昇降させるようにしてある。
【0025】
前記封緘機構7は、殊に、図7に斜視図として示したように、ここでは被封緘容器Cを容器本体1と蓋体2とを一側でヒンジ部3を介して一体的に連結されている合成樹脂シート材製の包装用容器Cを示してあり、その閉蓋姿勢で重合する重合周縁部4を粘着テープ6で二つ折り状に挟み込んで接着する構造を示してあり、上下に配置した一対の圧着ローラ10,10と、これらの圧着ローラ10の容器送り方向下手側に近接して配置され、粘着テープ6を順次断面V字形に折り曲げながら送り出すように、テープ案内面をV字形に形成したテープ案内溝14aを備えたテープガイド部材14と、更にその下手側に配置した回転ローラ13と、その下手側に配置されたテープリール受け台17と、この受け台17上に設置されたテープリール6Rからテープ6を引出して、前記回転ローラ13に移送する圧接ローラ16を伴ったテープ送り出しローラ15とを部品配置板20の上に配置してある。
【0026】
前記テープガイド部材14と圧着ローラ10,10とは可及的に接近させておくのが好ましく、1〜5mm程度の範囲内に設定しておくのが好ましい。この場合、ガイド部材14の一端を上下の圧着ローラ10の円弧空間部分内にまで入り込ませてある形状(図示せず)として実施することもできる。このようにして両部材を近接させて配置することにより、テープ面を正確に圧着させて封緘できるようにしてある。
【0027】
更に、該実施例の装置は、前記テープガイド部材14の容器移動方向始端側に、前記コンベアフレーム5a,5bのうち、背面側のフレーム5aの上部に位置するように容器Cの当て板12cを立設し、そのコンベア5側の面に所定の間隔を隔てて2枚の容器案内板12a,12bを固定し、この案内板12a,12bの間隔部分を、容器案内溝11としてコンベア上に載置した容器Cを、前記テープガイド部材14に向けて安定した姿勢で移送できるようにした容器移送案内体12を形成してある。
【0028】
また、該実施例の封緘側枠体Bには、前記部品配置板20上に、テープによる封緘済み容器の移動方向後端側に付着した粘着テープを切断するための切断刃体81を備えたカッター機構8を配置してある。該カッター機構8は、電磁シリンダ82に支持された電磁ロッド83の一端に切断刃体81が固定され、常時はテープを切断する箇所から離れて待避していて、容器の存否を検知する光電管やリミットスイッチ等の関知機構84、該実施例のものにあっては下部圧着ローラ10の装着台85の上面に光電管84を設置してあり、この光電管84の関知作用によって電磁シリンダ82が作動し電磁ロッド83がテープ切断方向、即ちコンベア5側に移動し、この移動に伴って切断刃体81がテープ位置に移動してテープを切断する構造としてある。言うまでもなく、該切断刃体81は電磁シリンダ82の作動によって瞬間的にテープ切断圏に移行するが、次の瞬間には電磁シリンダ82の非作動に伴って、テープ切断箇所から離れた待避箇所に復帰する構造としてある。
【0029】
また、前記上下一対の圧着ローラ10,10は、その間に粘着テープ6の当初の挟み込みセットを容易にするために、図1、3に示したように、下部圧着ローラ10の装着台85の上部に、支持ピン87を介して揺動するように上部圧着ローラ10の揺動装着台86を配置し、該揺動装着台86の一端に設けた操作摘み88を押し下げることによって、下部圧着ローラ10に対して上部圧着ローラ10を上方に移行させ、両ローラ10,10間に適宜の空間を形成させるようにしてある。これら上下の圧着ローラ装着台85,86間にはスプリングを介在させて、上部圧着ローラ10に対して下部圧着ローラ10が適宜の圧力で常時圧接している構造(図示せず)としてある。
【0030】
このような構造とした該実施例に示した封緘側枠体Bは、図3のように、基板21から立設された支柱21sを介して前記部品配置板20が支持されていて、これら全体が一体的に形成されている構造としてある。なお、図2に示した部品配置板20の両端部に記載の符号18,18は、コンベア側枠体Aと封緘側枠体Bとの位置決め枠である。また、符号71は、コンベア側枠体Aの左右端に連設形成した持ち上げ用枠である。
【0031】
他方、該実施例に示したコンベア側枠体Aは、図6のように、コンベア5の左端に連結されたモータMの回転をコンベア5を介して伝達された右側の回転軸51をホルダ52に支持させて背面側に突出させ、該突出軸部にプーリ53を連結させ、前記圧着ローラ10における下部ローラの背面側延長軸54に連結した受動プーリ55に、図1、2に示した伝導ベルト56を介して動力伝達するようにしてある。このようにして下側圧着ローラ10のテープ送り速度とコンベア5の容器送り速度とが同期するように、プーリ53と受動プーリ55との直径比を設定してある。図1に鎖線で示したように伝導ベルト56には、スプリング58sによって緊張されたテンションプーリ58によって常に適度なテンションを付与させてある。このテンションによってコンベア側枠体Aの昇降移動に伴うベルトの緊縮に従属する構造としてある。
【0032】
以上のように構成された封緘装置において、図7に示したように、鶏卵等の食品を収容した包装用容器Cを閉蓋姿勢としてコンベア5の移動始端側の上面に載置し、その重合周縁部4を上下の案内板12a,12b間に形成してある容器案内溝11に押し付けながら右方向に移行させ、ガイド部材14に当てつけてV字形に形成された粘着テープ6とともに圧着ローラ10,10間に移行させ、粘着テープ6とともに該容器Cの重合周縁部4を圧着ローラ10,10で圧着させて、二つ折り状としたテープによって接着封緘させる。このとき、圧着ローラ10のテープ送り速度とコンベア5の容器送り速度とが同期するように設定しておくことによって、包装用容器Cと粘着テープ6とを同期させながら両者間に送りのズレが生じることのない状態で、確実に封緘することができるようにしてある。この粘着テープ6による包装用容器Cの封緘終了後に、容器が圧着ローラ10,10間から離れると、光電管84が関知してカッター機構8のシリンダ82に通電しロッド83をコンベア5側に移動させ、この移動に伴って切断刃体81が包装済み容器Cの終端側に連結した粘着テープを切断する。
【0033】
また、この容器の封緘操作に先立って、容器Cの被封緘部4の高さと圧着ローラ10,10間の高さとの間に高低差がある場合には、コンベア側枠体Aの前面に突出させてある上下操作ハンドル29を適宜の方向に回転操作して作業位置の高さ合わせをして、封緘作業を最適の状態で行うのがよい。
【0034】
図9及び図10は、第2実施例の封緘装置を示したもので、図9は前記第1実施例における図3に相当する封緘側枠体の正面図、図10は同図4に相当するコンベア側枠体の正面図を示したものである。
【0035】
而して、該第2実施例の封緘装置は、コンベア側枠体Aを、昇降移動機構Dを備えていない構造とし、封緘側枠体Bが昇降移動機構Dを備えている構造としたものである。この実施例に示した昇降移動機構Dそれ自体の構造は、前記第1実施例において詳述した2本のリンク24を×状に交叉させ、この交叉リンク24の交点軸23を横移動させることにより×状リンク24の傾斜角を変え、リンク24の起伏によってリンク24の上下端に連結した上下枠体間の間隔を広狭変化させるようにしたものである。
【0036】
即ち、該第2実施例に示した封緘側枠体Bは、図9のように、部品配置板20としての上部枠と、基板21とを別体として形成し、これらの間を前記×状リンク24で連結した構造としたものである。前記第1実施例と異なる点は、上下操作ハンドル29に連結した操作軸28を長くして、コンベア側枠体Aにおける前側フレーム5bの前面に固定した軸受け板33の前面に操作ハンドル29を配置してある構造とした点である。このようにすることによって、この操作ハンドル29を回転操作して部品配置板20としての上部枠を昇降させ、コンベア5の高さに対する圧着ローラ10,10間の高さを調整できるようにしたものである。その他の点は、前記第1実施例に準じた構造としたものである。
【0037】
図11乃至図13は、第3実施例の封緘装置を示したもので、図11は前記第1実施例における図3に相当する封緘側枠体の正面図、図12は同図4に相当するコンベア側枠体の正面図、図13は昇降移動操作部の構造を分解して示した説明用斜視図である。
【0038】
而して、該第3実施例に示した封緘装置も、コンベア側枠体Aを、昇降移動機構Dを備えていない構造とし、封緘側枠体Bを上下に分離させてあって、昇降移動機構Dを備えさせてある構造としたものである。この第3実施例に示した昇降移動機構Dは、図11に示したように、部品配置板20としての上部枠と、基板21とを別体として分離させて形成し、これらの両板20,21間に、スプリングs,sによって常時上方に向かう押上力を付与された横杆25を配設し、この横杆25を上部から加圧し、この加圧力に伴って部品配置板20としての上部枠を昇降させる構造としたものである。
【0039】
この具体的な構造は図13に示したように、基板21上に、上部を解放した切り込み溝41を備えた側面視U字形の横杆受け具40と、側面の厚さ方向に貫通する横杆25の昇降移動用案内穴43と正面から背面側に貫通する前後方向横軸46の昇降移動用案内孔44と横杆案内具42とを固定し、前記部品配置板20に吊り下げ状に上端を固定した前後2枚の連結板45の下部に形成した小孔45hと前記昇降移動用案内孔44と該案内孔44内に位置する横杆25に貫通形成させた小孔とに前記前後方向横軸46を貫通連結させ、前記第2実施例のように、コンベア側枠体Aにおける前側フレーム5bの前面に固定した軸受け板33の前側に配置した操作ハンドル29に連接した操作軸28に、前記横杆受け具40に形成した小孔40hを通じて偏芯カム27を前記切り込み溝41内で回転させるようにしたものである。
【0040】
このような構造とした該第3実施例の封緘装置は、前記操作ハンドル29を回転操作することによって、スプリングs,sによって常時上方に向かう押上力を付与された横杆25を偏芯カム27によって上部から加圧し、この加圧力に伴って連結板45を介して部品配置板20を昇降させるようにしたものである。この操作ハンドル29の回転操作によって圧着ローラ10,10間の高さを昇降させ、コンベア5における容器移送面上の容器の重合周縁部4の高さに合わせる構造としたものである。
【0041】
なお、該実施例の図11に示した容器移送案内体12は、一枚の薄板体を長手方向に沿ってその中央部分を断面くの字形の溝状に凹入形成し、このくの字形溝11を前記第1実施例に示した上下2枚の案内板12a,12bの間に形成した容器案内溝11と同様に、コンベア上に載置した容器Cをテープガイド部材14に向けて安定姿勢で移送できるようにした容器移送案内体を示したものである。
【0042】
図14乃至図17は、第4実施例の封緘装置を示したものである。図14は既述の第1実施例における図3に相当する封緘側枠体の正面図、図15は同図4に相当するコンベア側枠体の正面図、図16は昇降移動操作部の構造を分解して示した説明用斜視図、図17は同様に昇降移動操作部の構造を説明するコンベア側枠体の要部の拡大正面図である。
【0043】
該第4実施例も、前記第2、第3実施例の封緘装置と同様に、コンベア側枠体Aを昇降移動機構Dを備えていない構造とし、封緘側枠体Bを、部品配置板20としての上部枠板と基板21としての下部枠板とに分離して、これらの上下枠20,21間に昇降移動機構Dを設けてある構造としたものである。この第4実施例に示した昇降移動機構Dは、図14及び図16に示したように、部品配置板20としての上部枠板の下面の左右に、下方を解放して切り込み溝51とした側面視下向きU字形の横杆受け具50を、その天井板52をねじ固定し、その前後壁に形成した貫通小孔53と該横杆受け具50の切り込み溝51内に配置した横杆25に形成した小孔とにロックピン54を貫通させて、該横杆受け具50と横杆25とを連結してある。
【0044】
これら左右の横杆受け具50,50の中間位置に、中央部分に操作軸28の先端受け穴56を形成した治具55を基板21の背面近くに配置固定し、この治具55の前方部の横杆25にも操作軸28を挿通させる軸受け穴58を形成してある。該実施例の横杆25にあっては、この軸受け穴58の形成部分は、操作軸28を加圧扁平化させて平板部57としたものとしてある。
【0045】
他方、該実施例に示した操作軸28は、コンベア側枠体Aにおける前側フレーム5bの前面に固定した軸受け板60を、上下方向に沿った長穴61を備えたものとし、該長穴61の一側壁、図15〜17において、左側壁を鋸刃状の三角凹凸壁62に形成してあるものとし、その対向壁、同図における右側壁をゴム弾性を備えたクッション壁63に形成したものとしてある。また、操作ハンドル29Aに連結した操作軸28には、全周面でもよいが、図示のものにあっては、三角凹凸壁62に面した部分に、同三角凹凸壁62の凹凸と係合する凹凸面64を形成してある。
【0046】
このようにしてあるので、該第4実施例に示した操作ハンドル29Aは、単に上下方向に操作して、その操作軸28を長穴61に沿って上下動させる。このとき、操作軸28はクッション壁63による弾性に抗しながらその凹凸面64が対向する三角凹凸壁62に接当しつつ上下移動する。操作ハンドル29Aの上下操作が終わるとこれらの三角凹凸壁62と凹凸面64とが係合してその位置を維持する。
【0047】
この操作ハンドル29Aの上下方向操作に伴って、操作軸28は、その先端部が、前記治具55の操作軸先端受け穴56を支点として上下移動し、横杆25を挿通させた軸受け穴58を介して横杆25を上下方向に移動させる。この横杆25の上下移動によって部品配置板20の下面に固定した前記横杆受け具50を介して、部品配置板20の高さを昇降調節するようにしたものである。
【0048】
以上の各実施例では、コンベア5の構造として、コンベア側枠体Aの長手方向、即ち、図において左右方向のほぼ全長に亘って配置してある構造として示したが、このコンベア5は、全長に亘って形成されているものである必要はなく、例えば、図において、右半部だけに無端ベルトとしてのコンベア5が形成され、左半部は、コンベアフレームの上面を形成する容器載置台としての容器載置面が形成されているものとして実施してもよい。
【0049】
以上本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施例構造のみに特定されるものではない。例えば、封緘後の容器の後方に連結した粘着テープを切断するカッター機構や、コンベア昇降機構にあっては、その目的を達成できるものであればよいので別の機構に変更することができる。その他本発明はその目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正したり変更して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、スーパーマーケット等の商品加工室内や、店頭に載置して、加工惣菜その他の食品を収納した合成樹脂シート材製の容器を封緘してそのまま商品売り場に出して展示したり、商品の購買客の目の前で容器を封緘したり、場合によっては、商品の購買者自身が操作して容器の封緘をすることができるので、市場において大いに利用されると期待されるものである。
【符号の説明】
【0051】
A コンベア側枠体
B 封緘側枠体
C 包装用容器
D 昇降移動機構
G ギヤーボックス
M モータ
1 容器本体
2 蓋体
3 ヒンジ部
4 重合周縁部
5 コンベア
5a コンベアフレーム
5b コンベアフレーム
6 粘着テープ
7 封緘機構
8 カッター機構
81 切断刃体
10 圧着ローラ
14 ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と蓋体とからなる合成樹脂シート材製包装用容器(C)の閉蓋姿勢で重合する周縁部を粘着テープで封緘する卓上載置型の封緘装置であって、
物品を収容させて閉蓋姿勢とした容器を移動させるコンベア(5)を備えたコンベア側枠体(A)と、閉蓋姿勢とした前記容器(C)の重合周縁部(4)を粘着テープ(6)で封緘する封緘機構(7)を備えた封緘側枠体(B)と、
前記コンベア(5)を所定の方向に駆動させるモータ(M)と、
該モータ(M)の回転をコンベア(5)に伝達する回転伝達体とを備え、
前記コンベア側枠体(A)と封緘側枠体(B)とが互いに独立体として形成され、
これら両枠体(A,B)の少なくとも一方が昇降移動機構(D)を備え、この昇降移動機構(D)がコンベア側枠体(A)に装着されている場合はコンベア(5)の容器移送面を昇降させ、封緘側枠体(B)に装着されている場合は封緘機構(7)の後記一対の圧着ローラ間を昇降させる構成とされ、
前記封緘機構(7)は、前記粘着テープ(6)を断面V字形に屈曲させながら圧着ローラに向けて送り込むガイド部材(14)と、該ガイド部材(14)から送り込まれた粘着テープ(6)を容器の重合周縁部(4)に二つ折り状として接着させる上下一対の圧着ローラ(10,10)とを備え、
これら両枠体(A,B)の何れか一方に、封緘済み容器の移動方向後端側に連なる粘着テープの切断刃体(81)を備えたカッター機構(8)が配置され、
該カッター機構(8)の切断刃体(81)が、常時はテープ非切断箇所に待避していて、容器の存否を検知する光電管やリミットスイッチ等の関知機構の関知作用によってテープ切断位置への移動し、この移動に伴ってテープを切断する構造とされ、かつ、
前記圧着ローラ(10,10)のテープ送り速度とコンベア(5)の容器送り速度とが同期するように連動連結されている
包装用容器の卓上載置型封緘装置。
【請求項2】
昇降移動機構(D)が、コンベア側枠体(A)に装着されていて、コンベア(5)の容器移送面を昇降させ、容器の重合周縁部(4)の高さ位置を封緘側枠体(B)における上下一対の圧着ローラ(10,10)間の高さに合わせる構造としたものである請求項1に記載の包装用容器の卓上載置型封緘装置。
【請求項3】
昇降移動機構(D)が、封緘側枠体(B)に装着されていて、上下一対の圧着ローラ(10,10)間の高さ位置を昇降させ、該圧着ローラ(10,10)間の高さ位置をコンベア(5)の容器移送面上を移動する容器の重合周縁部(4)の高さ位置に合わせる構造としたものである請求項1に記載の包装用容器の卓上載置型封緘装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−222012(P2010−222012A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68495(P2009−68495)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000124166)
【Fターム(参考)】