説明

包装用箱

【課題】ワンタッチ組立てによりアンプルなどを包装する緩衝部一体型の箱を形成する。
【解決手段】箱1の各下フラップ17R、17Lに支承部20R、20Lを一体的に備え、支承部20R、20Lは支持壁21R、21L、内部壁22R、22L、固定壁23R、23Lにより断面略逆U字形に組み立てられる。箱1の底部は第1、第2の底壁19R、19Fを備え、それぞれ、隣接する一方の下フラップ17R、17Lに接着固定される固定部191、191と、各底壁19R、19Fの先端に略刃先形状に突出形成され、底部の組み立て時に相互に係合されるロック爪192、192とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンプルやバイアルなどの薬剤収納容器を包装するのに使用する包装用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アンプルやバイアルなどの薬剤収納容器を包装するのに、専用の包装用箱が用いられている。
2本のアンプルを収納するアンプル収納箱が例えば特許文献1により提案されている。この文献1のアンプル収納箱は内箱と外箱とからなる。内箱は、底板と、底板の前後両端に連設され、アンプルの基体挿入部又は首部装着孔を有する仕切りを形成するための板と、底板の左右両側に連設され、内箱の両側をなす板とを備え、上下の各板が底板に向けて内側に折り曲げられ、当該各板の端部が底板に重合されて、底板の前後に四角筒状の仕切りが形成され、左右の各板が内側に折り曲げられ、各仕切りに側方から挿入されて組み立てられる。外箱は上下両端が開口された角形の箱で、この箱の中に内箱が挿入される。このようにして箱全体が二重構造になっているので、2本のアンプルを安全に収納することができる。
アンプルとバイアルを1本ずつ収納する仕切り付き包装箱が例えば特許文献2により提案されている。この文献2の包装箱は内箱と外箱とからなる。内箱は、底板と、底板の周囲の前後左右の側板と、これらの側板のうち、相互に対向する一対の側板にそれぞれ連設され、アンプル及びバイアルを両持ち状に支承するホルダを形成するためのホルダ形成板と、他の一対の側板にそれぞれ連設され、内箱の蓋をなす蓋板とを備え、各ホルダ形成板が底板に向けて内側に折り曲げられ、この板の先端の固定片が底板に固定されてホルダが形成され、各蓋板が内側に折り曲げられ、各ホルダに挿入されて組み立てられる。外箱は上下両端に蓋付きの開口を有する角形の箱で、この箱の中に内箱が挿入される。このようにして箱全体が二重構造になっているので、アンプルとバイアルを1本ずつ安全に収納することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭56−47109号公報
【特許文献1】実開平 6−14022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のアンプル収納箱や仕切り付き包装箱では、箱全体が二重構造になっているため、アンプル収納箱の場合、内箱を組み立てて各仕切りにアンプルを1本ずつ支承させた後、この内箱を外箱に挿入しなければならず、仕切り付き包装箱の場合、内箱を組み立てて各ホルダにアンプルとバイアルを1本ずつ支承させた後、この内箱を外箱に挿入しなければならず、いずれも包装作業の工数が多く、コストが増大するという問題がある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、この種の包装用箱において、ワンタッチで組み立て行い、包装作業の工数を削減してコストの低減を図ること、併せてアンプルやバイアルを箱外部の衝撃から確実に保護すること、さらに箱底部の強度を高め、底抜けを防止すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の包装用箱は、
後面壁、右側面壁、前面壁、左側面壁をなす相互に連接して形成される4面壁及びその一方の側縁に併せて形成される接着片と、
前記4面壁のうち相互に対向する2面壁の上下両端にそれぞれ形成される上フラップ及び下フラップと、
前記2面壁とは別の他の2面壁の下端にそれぞれ形成され、底面壁をなす第1、第2の底壁、及び当該他の2面壁又はその一方の1面壁の上端に形成され、上蓋をなす天壁と、
前記各下フラップに形成され、薬剤収納容器を支承し外部の衝撃から保護するための緩衝部と、
を備え、
前記第1、第2の底壁はそれぞれ、隣接する一方の前記下フラップ側に形成され、当該隣接する一方の下フラップに接着固定される固定部と、前記各底壁の先端に略刃先形状に突出形成され、前記底面壁の組み立て時に相互に他方の前記底壁の内面に係止され、かつ相互の前記略刃先形状の曲線部分が係合されるロック爪と、前記固定部と前記ロック爪との間に付設され、前記各底壁を前記底面壁の一方の対角線上に沿って谷折りにして折り畳み可能とする折り畳み線とを有し、
前記緩衝部は前記各下フラップの先端に延長して形成される一対の緩衝部形成形状部からなり、
前記一対の緩衝部形成形状部の一方は、一方の前記下フラップの先端に当該下フラップの内側に向けて略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップの内側面との間に緩衝空間を形成し、前記緩衝部形成形状部全体を支持するための支持壁と、前記支持壁に当該下フラップの内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップが形成される側面壁の内側面まで延びる内部壁と、前記内部壁に当該下フラップが形成される側面壁の内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に形成され、当該側面壁の内側面に接着固定されて、前記支持壁とともに前記内部壁を支持するための固定壁とを有し、前記内部壁に前記薬剤収納容器の首部側又は胴部側を挿入可能に切り欠き部が形成されるとともに、前記支持壁に前記内部壁の前記切り欠き部に連通して前記薬剤収納容器の首部又は胴部を嵌合可能に溝が形成され、
他方は、他方の前記下フラップの先端に当該下フラップの内側に向けて略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップの内側面との間に緩衝空間を形成し、前記緩衝部形成形状部全体を支持するための支持壁と、前記支持壁に当該下フラップの内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップが形成される側面壁の内側面まで延びる内部壁と、前記内部壁に当該下フラップが形成される側面壁の内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に形成され、当該側面壁の内側面に接着固定されて、前記支持壁とともに前記内部壁を支持するための固定壁とを有し、前記内部壁に前記薬剤収納容器の胴部側又は首部側を挿入可能に切り欠き部が形成されるとともに、前記支持壁に前記内部壁の前記切り欠き部に連通して前記薬剤収納容器の胴部又は首部を嵌合可能に溝が形成され、
前記各下フラップの内側で前記各緩衝部形成形状部が断面略逆U字形に組み立てられて、前記各固定壁が前記各下フラップが形成される各側面壁に接着固定され、
前記第1、第2の底壁の固定部がそれぞれ、隣接する一方の前記下フラップにそれぞれ接着固定されて、全体が略直方体形状の箱に組み立てられる、
ことを要旨とする。
この包装用箱は、次のような構成を併せて備えることが好ましい。
(1)第1、第2の底壁の各折り畳み線の一部にミシン目が切り込み形成される。
(2)各下フラップは先端方向に向けて漸次幅狭の略台形に形成され、各緩衝部形成形状部の支持壁、内部壁、及び固定壁はそれぞれ、略四角形に形成される。
(3)一対の緩衝部形成形状部に薬剤収納容器を挿入し、嵌合させるための切り欠き部及び溝部が1組又は複数組形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の包装用箱によれば、上記の構成を備え、各下フラップの内側で各緩衝部形成形状部が断面略逆U字形に組み立てられて、各固定壁が各下フラップが形成される各側面壁に接着固定され、第1、第2の底壁の固定部がそれぞれ、隣接する一方の下フラップにそれぞれ接着固定されて、全体が略直方体形状の箱に組み立てられるので、ワンタッチで組み立て行え、包装作業の工数を削減してコストの低減を図ることができる。
また、箱内部の緩衝部にアンプルやバイアルなどの薬剤収納容器が支承されるので、薬剤収納容器を箱外部の衝撃から確実に保護することができる。
さらに、この箱の場合、第1、第2の底壁の固定部がそれぞれ、隣接する一方の下フラップに接着固定され、底面壁の組み立て時に、各底壁先端の略刃先形状のロック爪が相互に他方の底壁の内面に係止され、かつ相互の略刃先形状の曲線部分が係合されるので、箱底部の強度を高め、底抜けを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態における包装用箱の全体構成を示す斜視図
【図2】同包装用箱の組み立て前の紙基材を示す平面図(展開図)
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。図1に包装用箱を示している。図1に示すように、包装用箱Bは、略直方体形状の箱1からなり、箱1の底部(底面壁19)に、この箱1内部に収納する薬剤収納容器を箱1外部の衝撃から保護するための緩衝部2を一体に備える。なお、ここで例示する包装用箱Bは厚紙その他の紙材からなり、2本のアンプルをそれぞれ横置きに支承して収納可能な直方体形状の箱になっている。
【0010】
図1に示すように、箱1は後面壁11、右側面壁12、前面壁13、左側面壁14をなす相互に連接して形成される4面壁及びその一方の側縁に併せて形成される接着片15と、4面壁のうち相互に対向する2面壁、この場合、左右の各側面壁12、14の上下両端にそれぞれ形成される一対の上フラップ16R、16L及び下フラップ17R、17Lと、この2面壁とは別の他の2面壁、この場合、後面壁11及び前面壁13の下端にそれぞれ形成され、底面壁19をなす第1、第2の底壁19R、19F及び当該他の2面壁又はその一方の1面壁、この場合、後面壁11の上端に形成され、上蓋18をなす天壁181及び差し込み片182とを備え、上蓋18が開封可能に構成される。
【0011】
この箱1の第1、第2の底壁19R、19Fはそれぞれ、隣接する一方の下フラップ17R又は17L側の片側一方に形成され、当該隣接する一方の下フラップ17R又は17Lに接着固定される固定部191、191と、各底壁19R、19Fの先端に略刃先形状に突出形成され、底面壁19の組み立て時に相互に他方の底壁19F又は19Rの内面(内側面)に係止され、かつ相互の略刃先形状の曲線部分が底面壁19の一方の対角線上で係合される(接触し合う)ロック爪192、192とを有し、固定部191、191とロック爪192、192との間に、各底壁19R、19Fを底面壁19の一方の対角線上に沿って谷折りにして折り畳み可能とする折り畳み線193、193(図2参照)が付設される。
【0012】
この箱1の緩衝部2は各下フラップ17R、17Lの先端に延長して形成される一対の緩衝部形成形状部2R、2Lからなる。
一方の緩衝部形成形状部2Rは、一方の下フラップ17Rの先端に当該下フラップ17Rの内側に向けて略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップ17Rの内側面との間に緩衝空間Sを形成し、一方の緩衝部形成形状部2R全体を支持するための支持壁21Rと、支持壁21Rに当該下フラップ17Rの内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップ17Rが形成される側面壁12の内側面まで延びる内部壁22Rと、内部壁22Rに当該下フラップ17Rが形成される側面壁12の内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に形成され、当該側面壁12の内側面に接着固定されて、支持壁21Rとともに内部壁22Rを支持するための固定壁23Rとを有し、内部壁22Rに2本のアンプルの首部側又は胴部側、この場合は、首部側を挿入可能に2つの切り欠き部221、221が左右方向に向けて2列平行に形成されるとともに、支持壁21Rに内部壁22Rの各切り欠き部221、221に連通して2本のアンプルの首部又は胴部の中間部、この場合は、首部を嵌合可能に2つの溝部222、222が形成される。この緩衝部形成形状部2Rにより2本のアンプルの首部側支承部20Rが形成される。
他方の緩衝部形成形状部2Lは、他方の下フラップ17Lの先端に当該下フラップ17Lの内側に向けて略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップ17Lの内側面との間に緩衝空間Sを形成し、他方の緩衝部形成形状部2L全体を支持するための支持壁21Lと、支持壁21Lに当該下フラップ17Lの内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップ17Lが形成される側面壁14の内側面まで延びる内部壁22Lと、内部壁22Lに当該下フラップ17Lが形成される側面壁14の内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に形成され、当該側面壁14の内側面に接着固定されて、支持壁21Lとともに内部壁22Lを支持するための固定壁23Lとを有し、内部壁22Lに2本のアンプルの胴部側又は首部側、この場合は、胴部側を挿入可能に2つの切り欠き部221、221が左右方向に向けて2列平行に形成されるとともに、支持壁21Lに内部壁22Lの各切り欠き部221、221に連通して2本のアンプルの胴部の中間部又は首部、この場合は、胴部の中間部を嵌合可能に溝部223、223が形成される。この緩衝部形成形状部2Lにより2本のアンプルの胴部側支承部20Lが形成される。
【0013】
このようにして各下フラップ17R、17Lの内側で各緩衝部形成形状部2R、2Lが断面略逆U字形に組み立てられて、各固定壁23R、23Lが各下フラップ17R、17Lが形成される各側面壁12、14に接着固定される。そして、第1、第2の底壁19R、19Fの固定部191、191がそれぞれ、隣接する一方の下フラップ17R、17Lにそれぞれ接着固定されて、全体が略直方体形状の箱1に組み立てられる
【0014】
この箱1はブランクシート(空白紙)を打ち抜いて一体に形成された図2に示す一枚の紙基材Pからなり、この紙基材Pを折り曲げて組み立て、一部を接着剤により接着固定することにより形成される。図2に示すように、この紙基材Pは、一方の側部側に所定の大きさを有する横長の矩形状の後面壁部分11Pが形成され、この後面壁部分11Pの一方の短辺側に、箱1の右側面壁12をなす所定の大きさを有する横長の矩形状の右側面壁部分12P、前面壁13をなす後面壁部分11Pと同じ大きさ、形状を有する前面壁部分13P、左側面壁14をなす右側面壁部分12Pと同じ大きさ、形状を有する左側面壁部分14P、一方の側縁の接着片15をなす小片状の接着片部分15Pが順次、折れ線31、32、33、34を介して連続して形成され、さらに、後面壁部分11Pの一方の長辺側に折れ線35を介して延出され、上蓋18をなす矩形状の天壁部分181P、及びその延長上に折れ線36を介して連続して形成され、箱1の組み立て時に前面壁部分13Pの内側に差し込まれる横長の帯状の差し込み部分182Pと、後面壁部分11Pの他方の長辺側に折れ線37を介して延出され、第1の底壁19Rをなす略矩形又は略台形の基本形状を変形してなる第1の底壁部分19RPと、右側面壁部分12Pの一方の長辺側に折れ線38を介して延出され、上フラップ16Rをなす台形状の上フラップ部分161Pと、右側面壁部分12Pの他方の長辺側に折れ線39を介して延出され、下フラップ17Rをなす台形状の下フラップ部分171P、及びその延長上に折れ線40を介して連続して形成され、緩衝部2の首部側支承部20Rを形成するための複合形状からなる一方の緩衝部形成形状部部分201Pと、前面壁部分13Pの他方の長辺側に折れ線41を介して延出され、第2の底壁19Fをなす第1の底壁部分19RPと同じ大きさ、形状を有する第2の底壁部分19FPと、左側面壁部分14Pの一方の長辺側に折れ線42を介して延出され、上フラップ16Lをなす一方の上フラップ部分161Pと概ね同じ大きさ、形状(但し、前面壁部分13Pを境に左右対称の形状)を有する上フラップ部分162Pと、左側面壁部分14Pの他方の長辺側に折れ線43、44を介して延出され、一方の下フラップ部分171P及び緩衝部形成形状部201Pと概ね同じ大きさ、形状を有する他方の下フラップ部分172P及び緩衝部形成形状部202Pとを備える。
【0015】
この場合、前後、左右の各側面壁部分11P、13P、12P、14Pの高さはすべて同じ、後面壁部分11Pの幅と前面壁部分13Pの幅は同じ、左側面壁部分12Pの幅と右側面壁部分14Pの幅は同じで、前後の各面壁部分11P、13Pの幅が左右の各側面壁部分12P、14Pの幅よりも少し大きくなっている。天壁部分181Pは箱1の上開口面全面を閉塞可能な大きさを有している。第1、第2の底壁部分19RP、19FPはそれぞれ箱1の下開口面を概ね半面ずつ閉塞可能に同じ大きさを有している。これら第1、第2の底壁部分19RP、19FPはそれぞれ、略矩形又は略台形の基本形状を有し、隣接する一方の下フラップ部分171P、172P側の一方の側部が他方の側部よりも少し先方に突出して大きく形成されて、当該隣接する一方の下フラップ部分171P、172Pに接着固定される固定部分191P、191Pになっており、また、各底壁部分19RP、19FPの先端の中央に近接する位置に略刃先形状(例えば日本刀などの刀の先に似た形状)が突出形成されて、底面壁19部分の組み立て時に相互に他方の底壁部分19FP、19RPの内側面に係止可能に、かつ相互の略刃先形状の曲線部分が底面壁19部分の一方の対角線上で接触し係合可能なロック爪部分192P、192Pになっている。なお、ここでは、第1、第2の底壁部分19RP、19FPはそれぞれ、各側面壁部分11P、13P(後面壁部分11P、前面壁部分13P)の長辺部分から少し内側に向けて斜めに(ここで説明の便宜上、一方の斜めの部分を19N、19Nとする。)に形成されて各側面壁部分11P、13Pよりも少し幅狭になって当該長辺部分に対して直角方向に延出され、先端はそれぞれ、ロック爪部分192P、192Pを境に片側一方、この場合、固定部分191P、191P側が片側他方よりも先方に延びて少し長く、段差形状をなし、また、固定部分191P、191Pの先端はロック爪部分192P、192P側の縁部が各側面壁部分11P、13P側に斜めに形成されて、ロック爪部分192P、192Pとの間が溝形形状をなしている。さらに、これらの底壁部分19RP、19FPにはそれぞれ、固定部分191Pとロック爪部分192Pとの間で底壁部分19RP、19FPの固定部分191P、191P側の側縁部の斜めの部分N、Nの延長上に斜めに、各底壁部分19RP、19FPを底面壁19部分の一方の対角線上に沿って谷折りにして折り畳み可能に折れ線が付けられ、その一部にミシン目状の切り込み194、194が入れられて、折り畳み線193、193が形成される。各上フラップ部分161P、162Pは箱1の上開口面を概ね半面ずつ閉塞可能に同じ大きさを有している。また、このフラップ部分161P、162Pの場合、右側面壁部分12P側の上フラップ部分161Pは天壁部分181P側の辺が右側面壁部分12Pの上縁部に対して直角に延ばされていて、左側面壁部分14P側の上フラップ部分162Pは天壁部分181P側の辺が左側面壁部分14Pの上縁部から天壁部分181Pから少し離れるように傾斜して延ばされている。なお、各上フラップ部分161P、162Pの他方の辺はいずれも各側面壁部分12P、14Pと前面壁部分13Pとの間の折れ線32、33に対して(各側面壁部分12P、14P側に)僅かに下がった位置から少し略直状に延び、この略直状の部分を介して前面壁部分13Pから離れる方向に傾斜して延ばされている。各下フラップ部分171P、172Pは箱1の下開口面を概ね半面に達しない所定の範囲まで閉塞可能に(この場合、各下フラップ17R、17L間に所定の間隔が形成されるように)同じ大きさを有している。
【0016】
そして、2つの緩衝部形成形状部部分201P、202Pはそれぞれ、下フラップ部分171P、172Pの先端に延長して、緩衝部2の支持壁21R、21Lをなす矩形状の支持壁部分211P、212P、内部壁22R、22Lをなす矩形状の内部壁部分221P、222P、固定壁23R、23Lをなす矩形状の固定壁部分231P、232Pが順次、折れ線40,44、461,462、471,472を介して連続して形成され、内部壁部分221P、222Pにそれぞれ、2本のアンプルの首部側又は胴部側を挿入可能に2つの切り欠き部221、221が形成されるとともに、支持壁部分211P、212Pに内部壁221P、222Pの各切り欠き部221、221に連通して2本のアンプルの首部又は胴部の中間部を嵌合可能に2つの溝部222、223が形成される。この場合、支持壁部分211P、212Pは横方向の長さが下フラップ部分171P、172Pの先端の長さと同じで、縦方向の長さが横方向の長さよりも短い横長に形成される。内部壁部分221P、222Pは横方向の長さが支持壁部分211P、212Pの横方向の長さと同じで、縦方向の長さが横方向の長さよりも短い横長に形成される。固定壁部分231P、232Pは横方向の長さが内部壁部分221P、222Pの横方向の長さと同じで、縦方向の長さが横方向の長さよりも短く、特に支持壁部分211P、212Pの縦の長さよりも少し短い横長に形成される。また、この場合、下フラップ部分171P側の緩衝部形成形状部2Rの内部壁部分221Pに、2本のアンプルの首部側の端部を挿入可能に、内部壁部分221Pと支持壁部分211Pとの間の折れ線461と内部壁部分221Pと固定壁部分231Pとの間の折れ線471との間に、アンプルの首部側の端部を挿入可能に細長い矩形状の切り欠き部221が2つ平行に切り欠き形成され、支持壁部分211Pに2本のアンプルの首部を嵌合可能に、支持壁部分211Pと内部壁部分221Pとの間の折れ線461から支持壁部分211Pの平面に内部壁部分221Pの各切り欠き部221に連続して下フラップ部分171Pに向けて漸次幅狭のテーパ状の溝形状部224、及びこの溝形状部224の終端に連続してアンプルの首部を拘束可能な直径を有する円形の溝形状部225からなる溝部222が2つ平行に形成される。また、下フラップ部分172P側の緩衝部形成形状部2Lの内部壁部分222Pに、2本のアンプルの胴部側の端部を挿入可能に、内部壁部分222Pと支持壁部分212Pとの間の折れ線462と内部壁部分222Pと固定壁部分232Pとの間の折れ線472との間に、アンプルの胴部側の端部を挿入可能に細長い矩形状の切り欠き部221が2つ平行に切り欠き形成され、支持壁部分212Pに2本のアンプルの胴部の中間部を嵌合可能に、支持壁部分212Pと内部壁部分222Pとの間の折れ線462から支持壁部分212Pの平面に内部壁部分222Pの各切り欠き部221に連続して下フラップ部分172Pに向けて漸次幅狭のテーパ状の溝形状部226、及びこの溝形状部226の終端に連続してアンプルの胴部の中間部を拘束可能な直径を有する円形の溝形状部227からなる溝部223が2つ平行に形成される。
【0017】
このような構成からなる紙基材Pは、まず、各緩衝部形成形状部201P、202Pの各部分211P〜231P、212P〜232Pが次のように折り曲げられて、緩衝部2(首部側支承部20R、胴部側支承部20L)が組み立てられる。図2及び図1を参照しながら説明する。
(1)まず初めに、下フラップ部分171P、172Pに対して折れ線40、44を介して支持壁部分211P、212Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、下フラップ部分171P、172Pの先端に直角に支持壁21R、21Lが形成される。続いて、この支持壁21R、21Lに対して折れ線461、462を介して内部壁部分221P、222Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、内部壁22R、22Lが形成され、内部壁22R、22Lが下フラップ部分171P、172Pの内側面に沿って緩衝空間S、Sを介して配置される。これに続いて、内部壁22R、22Lに対して折れ線471、472を介して固定壁部分231P、232Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、固定壁23R、23Lが形成され、固定壁23R、23Lが内部壁22R、22Lと下フラップ部分171P、172Pとの間に配置される。このようにして各側面壁部分12P、14Pに対して折れ線39、43を介して各下フラップ部分171P、172Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、下フラップ17R、17Lが形成され、各固定壁23R、23Lが各側面壁部分12P、14Pの内側面に当接され、各固定壁23R、23Lは各側面壁部分12P、14Pの内側面に接着剤を介して接着固定される。このようにして緩衝部2が組み立てられる。
(2)次に、箱1の各部分11P〜19RP、19FPが折り曲げられて、箱1が組み立てられる。まず、後面壁部分11Pに対して折れ線31を介して右側面壁部分12Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、後面壁11及び右側面壁12が形成される。続いて、この右側面壁12に対して折れ線32を介して前面壁部分13Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、前面壁13が形成される。続いて、この前面壁13に対して折れ線33を介して左側面壁部分14Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられ、左側面壁14が形成される。続いて、左側面壁14に対して折れ線34を介して接着片部分15Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、接着片15が形成され、この接着片15が後面壁11の他方の側縁の内側に接着剤を介して接着固定される。この接着片15の接着固定により、箱1内部に組み立て後の緩衝部2が組み入れられる。続いて、後側面壁11及び前側面壁13に対して折れ線37、41を介して第1、第2の底壁部分19RP、19FPがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、第1、第2の底壁19R、19Fが形成され、箱1の下開口が閉塞される。この場合、第1、第2の底壁19R、19Fの各ロック爪192、192は相互に他方の底壁19F、19Rの内側平面上に係止され、各ロック爪192、192の略刃先形状の曲線部分が相互に接触して係合され、これにより第1、第2の底壁19R、19Fがロックされる。なお、各ロック爪192、192は箱1内部の緩衝部2の首部側支承部20Rと胴部側支承部20Lとの間に配置され、相互の略刃先形状の曲線部分が係合される。そして、第1の底壁19Rの固定部191が隣接する一方の下フラップ17Rに接着剤を介して接着固定され、第2の底壁19Fの固定部191が隣接する一方の下フラップ17Lに接着剤を介して接着固定される。ここまでの組み立てが終わった段階で、箱1の組み立ては一旦中断され、この後の組み立て及び必要箇所の接着固定は、箱1内部にアンプルが収納された後に、引き続き行われる。
この包装用箱Bの場合、第1、第2の底壁19R、19Fに折り畳み線193、193が形成されており、この折り畳み線193、193を谷にして折り畳み可能であり、この折り畳みとともに、緩衝部2は各側面壁12、14側に分かれて、各側面壁12、14と下フラップ17R、17Lとの間の折れ線39、43、下フラップ17R、17Lと緩衝部形成形状部2R、2Lとの間の折れ線40、44、緩衝部形成形状部2R、2Lの各折れ線461、462、471、472を介して各側面壁12、14の内側面上に折り畳み可能となり、包装用箱1全体を扁平状に折り畳むことができ、多数の包装用箱1の保管、移送を省スペースで簡易に行うことができる。
(3)そして、この包装用箱Bの使用に際して、すなわち、この包装用箱Bの内部に2本のアンプルを収納する場合に、箱1が折り畳まれた状態から箱形に戻され、上面が開口される。すなわち、箱1は箱形に戻すだけのワンタッチで組み立てが可能であり、箱1が箱形に戻されると同時に、箱1内部で2つに分かれて折り畳まれた緩衝部2が元の状態又はそれに近い形まで戻され、併せてこの緩衝部2の下部の各下フラップ17R、17Lに固定された第1、第2の底壁19R、19Fが箱1の底面内に略水平に配置されるとともに、第1、第2の底壁19R、19Fの各ロック爪192、192が相互に他方の底壁19F、19Rの内側平面上に係止され、各ロック爪192、192の略刃先形状の曲線部分が相互に係合して、第1、第2の底壁19R、19Fがロックされ、底面壁19が構成される。なお、この場合、第1、第2の底壁19R、19Fが後面壁11及び前面壁13に対して直角に復帰されず、箱1内部で緩衝部2を含む底面壁19が断面略逆V字形を呈することになることがあるが、これはアンプルの収納とともに修正される。
(4)このようにして2本のアンプルが箱1に上開口から緩衝部2に挿入されて収納される。この場合、各アンプルの首部が箱1内部の首部側支承部20Rに嵌め込まれ、胴部が胴部側支承部20Lに嵌め込まれて、緩衝部2に支承される。なお、箱1内部で緩衝部2を含む底面壁19が断面略逆V字形に変形されている場合、2本のアンプルが箱1内に収納されると、緩衝部2がアンプルにより上から下方に向けて押されて、各内部壁22R、22Lが各下フラップ17R、17L、各底壁19R、19Fとともに各側面壁12、14、後面壁11及び前面壁13に対して略直角に押し戻され、このとき、各底壁19R、19Fの各ロック爪192、192が他方の底壁19F、19Rの内側面に差し込まれて、緩衝部2が底面壁19の各部とともに各側面壁12、14、後面壁11及び前面壁13に対して略直角に押し戻されたところで、各ロック爪192、192が他方の底壁19F、19R上に完全に係止されるとともに相互の略刃先形状の曲線部分が係合されて固定状態となる。また、各支承部20R、20Lは箱1の底面壁19の前後に各支持壁21R、21Lにより突っ張り支持され、これらの支承部20R、20Lからなる緩衝部2に2本のアンプルが支承されて、安定的に保持される。
(5)このように2本のアンプルが箱1内部に収納されると、右側面壁12及び左側面壁14に対して折れ線38、42を介して各上フラップ部分161P、162Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、各上フラップ16R、16Lが形成され、箱1の上開口が閉塞される。そして、後面壁11P部分に対して折れ線35を介して天壁部分181Pがそれぞれの内側面を内側にして略直角に折り曲げられて、上蓋18が形成される。このとき、上蓋18の差し込み部分182Pが内側に略直角に折り曲げられて、差し込み部182が形成され、この差し込み部182が前面壁13の内側に差し込まれて、上開口が閉じられる。
【0018】
このようにして包装用箱Bは組み立てられ、箱1内部の底部上に組み立てられた緩衝部2に2本のアンプルが横置きにして収納され、この緩衝部2により各アンプルは保護される。この緩衝部2の場合、箱1の底部にアンプルの首部側を支承する首部側支承部20Rと、アンプルの胴部側を支承する胴部側支承部20Lとからなり、2本のアンプルがそれぞれ、首部を首部側支承部20Rの各切り欠き部221を通して各溝部222に支承され、胴部側を胴部側支承部20Lの各切り欠き部221を通して各溝部223に支承される。この緩衝部2は各内部壁22R、22Lと各下フラップ17R、17Lの内側面との間に介在される各支持壁21R、21Lにより突っ張り支持されて撓みにくい構造で、また、各支持壁21R、21Lがばね作用を有するので、緩衝部2全体が十分な弾性(クッション作用)を有し、箱1外部の衝撃が十分に緩和され、各アンプルは確実に保護される。また、この緩衝部2の場合、第1、第2の底壁19R、19Fの各ロック爪192、192が相互に他方の底壁19F、19Rの内側平面上に係止され、各ロック爪192、192の略刃先形状の曲線部分が相互に係合して、第1、第2の底壁19R、19Fがロックされるので、この緩衝部2上に2本のアンプルが載せられた状態で、箱1に、アンプルが箱1の底面壁19を押圧する方向に力が加えられても、底面壁19は各ロック爪192、192が相互に作用し合い、その組み立て後の初期形状が保持されて、箱1の外側に向けて押し開かれることがなく、アンプルが底抜けすることがない。
【0019】
なお、この包装用箱Bは、第1、第2の底壁19R、19Fの折り畳み線193、193にミシン目状の切り込み194、194が入れられているので、この折り畳み線193、193に沿って各底壁19R、19Fをそれぞれ二つに切り離すことにより、底面壁19を一方の対角線に沿って容易に折り畳むことができ、アンプル使用後の箱1を扁平状に畳んで、嵩張ることなく、廃棄することができる。
【0020】
以上説明したように、この包装用箱Bでは、各下フラップ17R、17Lの内側で各緩衝部形成形状部2R、2Lが断面略逆U字形に組み立てられて、各固定壁23R、23Lが各下フラップ17R、17Lが形成される各側面壁12、14に接着固定され、第1、第2の底壁19R、19Fの各固定部191、191がそれぞれ、隣接する一方の下フラップ17R、17Lにそれぞれ接着固定されて、全体が略直方体形状の箱1に組み立てられるので、ワンタッチで組み立て行い、包装作業の工数を削減してコストの低減を図ることができる。また、箱1内部の緩衝部2に2本のアンプルが支承されるので、各アンプルを箱1外部の衝撃から確実に保護することができる。さらに、この箱1の場合、第1、第2の底壁19R、19Fの各固定部191、191がそれぞれ、隣接する一方の下フラップ17R、17Lに接着固定され、底面壁19の組み立て時に、各底壁19R、19F先端の略刃先形状のロック爪192、192が相互に他方の底壁19F、19Rの内面に係止され、かつ相互の略刃先形状の曲線部分が係合されるので、箱1底部の強度を高め、底抜けを確実に防止することができる。またさらに、この箱1の場合、第1、第2の底壁19R、19Fの各折り畳み線193、193の一部にミシン目状の切り込み194が形成されているので、各底壁19R、19Fを折り畳み線193、193に沿って切り離すことができ、この切り離しにより、アンプル使用後の箱1が畳みやすくなり、使用済みの箱1を扁平状に畳んで、嵩張ることなく、廃棄することができる。
【0021】
なお、この実施の形態では、2本入りのアンプル専用の包装用箱を例示したが、2本入りのバイアル専用の包装用箱でも、各1本入りのアンプル及びバイアル専用の包装用箱でも、上記と概ね同様の構成により形成することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、緩衝部の各支承部に2組の切り欠き部及び溝部を設け、2本のアンプルを支承するものとしたが、箱全体の大きさを変えて、緩衝部に切り欠き部及び溝部を1組設けて1本用としてもよく、3組以上設けて3本用又はそれ以上の本数を収納できるようにしてもよい。
【0022】
また、この実施の形態では、4面壁のうちの1面壁(後面壁)の上端に上蓋が形成され、先端の差し込み片がこれに対向する1面壁(前面壁)の内側に差し込まれる形式になっているが、4面壁のうちの相互に対向する2面壁の一方の上端に内蓋、他方に上蓋が設けられて、上蓋が内蓋の上に接着固定される形式にしてもよい。
【符号の説明】
【0023】
B 包装用箱
1 箱
11 後面壁
12 右側面壁
13 前面壁
14 左側面壁
15 接着片
16R 上フラップ
16L 上フラップ
17R 下フラップ
17L 下フラップ
18 上蓋
181 天壁
182 差し込み片
19 底面壁
19R 第1の底壁
19F 第2の底壁
191 固定部
192 ロック爪
193 折り畳み線
194 切り込み
2 緩衝部
20R 首部側支承部
20L 胴部側支承部
2R 緩衝部形成形状部
2L 緩衝部形成形状部
S 緩衝空間
21R、21L 支持壁
22R、22L 内部壁
23R、23L 固定壁
221 切り欠き部
222 溝部
223 溝部
224 テーパ状の溝形状部
225 円形の溝形状部
226 テーパ状の溝形状部
227 円形の溝形状部
P 紙基材
11P 後面壁部分
12P 右側面壁部分
13P 前面壁部分
14P 左側面壁部分
15P 接着片部分
161P 上フラップ部分
162P 上フラップ部分
171P 下フラップ部分
172P 下フラップ部分
18 上蓋
181P 天壁部分
182P 差し込み片部分
19RP 第1の底壁部分
19FP 第2の底壁部分
191P 固定部分
192P ロック爪部分
19N 斜めの部分
201P 緩衝部形成形状部部分
211P 支持壁部分
221P 内部壁部分
231P 固定壁部分
202P 緩衝部形成形状部部分
212P 支持壁部分
222P 内部壁部分
232P 固定壁部分
31〜44 折れ線
461 折れ線
471 折れ線
462 折れ線
472 折れ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後面壁、右側面壁、前面壁、左側面壁をなす相互に連接して形成される4面壁及びその一方の側縁に併せて形成される接着片と、
前記4面壁のうち相互に対向する2面壁の上下両端にそれぞれ形成される上フラップ及び下フラップと、
前記2面壁とは別の他の2面壁の下端にそれぞれ形成され、底面壁をなす第1、第2の底壁、及び当該他の2面壁又はその一方の1面壁の上端に形成され、上蓋をなす天壁と、
前記各下フラップに形成され、薬剤収納容器を支承し外部の衝撃から保護するための緩衝部と、
を備え、
前記第1、第2の底壁はそれぞれ、隣接する一方の前記下フラップ側に形成され、当該隣接する一方の下フラップに接着固定される固定部と、前記各底壁の先端に略刃先形状に突出形成され、前記底面壁の組み立て時に相互に他方の前記底壁の内面に係止され、かつ相互の前記略刃先形状の曲線部分が係合されるロック爪と、前記固定部と前記ロック爪との間に付設され、前記各底壁を前記底面壁の一方の対角線上に沿って谷折りにして折り畳み可能とする折り畳み線とを有し、
前記緩衝部は前記各下フラップの先端に延長して形成される一対の緩衝部形成形状部からなり、
前記一対の緩衝部形成形状部の一方は、一方の前記下フラップの先端に当該下フラップの内側に向けて略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップの内側面との間に緩衝空間を形成し、前記緩衝部形成形状部全体を支持するための支持壁と、前記支持壁に当該下フラップの内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップが形成される側面壁の内側面まで延びる内部壁と、前記内部壁に当該下フラップが形成される側面壁の内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に形成され、当該側面壁の内側面に接着固定されて、前記支持壁とともに前記内部壁を支持するための固定壁とを有し、前記内部壁に前記薬剤収納容器の首部側又は胴部側を挿入可能に切り欠き部が形成されるとともに、前記支持壁に前記内部壁の前記切り欠き部に連通して前記薬剤収納容器の首部又は胴部を嵌合可能に溝が形成され、
他方は、他方の前記下フラップの先端に当該下フラップの内側に向けて略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップの内側面との間に緩衝空間を形成し、前記緩衝部形成形状部全体を支持するための支持壁と、前記支持壁に当該下フラップの内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に連続し、当該下フラップが形成される側面壁の内側面まで延びる内部壁と、前記内部壁に当該下フラップが形成される側面壁の内側面に対して略平行となるように略直角に折り曲げ可能に形成され、当該側面壁の内側面に接着固定されて、前記支持壁とともに前記内部壁を支持するための固定壁とを有し、前記内部壁に前記薬剤収納容器の胴部側又は首部側を挿入可能に切り欠き部が形成されるとともに、前記支持壁に前記内部壁の前記切り欠き部に連通して前記薬剤収納容器の胴部又は首部を嵌合可能に溝が形成され、
前記各下フラップの内側で前記各緩衝部形成形状部が断面略逆U字形に組み立てられて、前記各固定壁が前記各下フラップが形成される各側面壁に接着固定され、
前記第1、第2の底壁の固定部がそれぞれ、隣接する一方の前記下フラップにそれぞれ接着固定されて、全体が略直方体形状の箱に組み立てられる、
ことを特徴とする包装用箱。
【請求項2】
第1、第2の底壁の各折り畳み線の一部にミシン目が切り込み形成される請求項1に記載の包装用箱。
【請求項3】
各下フラップは先端方向に向けて漸次幅狭の略台形に形成され、各緩衝部形成形状部の支持壁、内部壁、及び固定壁はそれぞれ、略四角形に形成される請求項1又は2に記載の包装用箱。
【請求項4】
一対の緩衝部形成形状部に薬剤収納容器を挿入し、嵌合させるための切り欠き部及び溝部が1組又は複数組形成される請求項1乃至3のいずれかに記載の包装用箱。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−121587(P2012−121587A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272363(P2010−272363)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(390008707)丸金印刷株式会社 (8)
【Fターム(参考)】