説明

包装箱

【課題】包装箱全体の軽量化が図れるだけでなく、収容物品の緩衝性やホールド性を向上させる。
【解決手段】物品の収容部2を有する包装箱1であって、全体が気泡シート5で形成される箱本体3に、収容部2の底面をなす底部18と、収容部2の側方を囲む側壁部19、20と、収容部2を複数に仕切る中仕切り部21とを備え、中仕切り部21が、箱本体2と一体であり、底部18に起立状に折り曲げ形成される一体中仕切り22と、箱本体3と別体であり、一体中仕切り22と交差する方向に配置される別体中仕切り23とを備え、別体中仕切り23が、撓み変形状態で一体中仕切り22の孔28に側方から貫通され、貫通後に展開されて一体中仕切り22に係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡シートからなる箱本体と中仕切り部を備えた包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
収容部を中仕切りで複数に仕切り、複数の物品を整然と収容することができる包装箱が知られている。特に、気泡シートからなる中仕切りを備える包装箱は、緩衝性が付与されるので、衝撃に弱い果物、陶磁器、ガラス製品、精密部品などを輸送する際の包装容器として有用である。
【0003】
例えば、特許文献1に示される中仕切りは、両面に気泡シートが貼着され、かつ、上下方向の切込線が適宜形成された複数の帯板片を備え、これらの帯板片を、切込線が相互に係合するように井桁状に組むことにより構成されている。
【0004】
また、特許文献2に示される中仕切りは、収容部の底面をなす下敷き材と兼用化されており、気泡シートの展開状態において、少なくとも一つの四角形の切り抜き部を有するとともに、仕切りの高さにほぼ相当する間隔で平行な三条一組の易折曲性の線状の折曲部が、切り抜き部で交叉して縦横それぞれ少なくとも一組形成され、該各組の折曲部の内部領域が複数の収容部の底面部を残して断面ほぼ凸状に折曲起立可能な仕切り形成部として形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3084323号公報
【特許文献2】特開2004−91006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に示される中仕切りは、包装箱の箱本体と別体であり、別途形成されるコンテナなどの箱本体に組み込んで使用されるので、包装箱全体としての重量が重くなるだけでなく、箱本体の材質によっては緩衝性が低下する可能性がある。
【0007】
また、特許文献1に示される中仕切りは、複数の帯板片を、切込線が相互に係合するように井桁状に組むことにより構成されているので、部品点数が多く、組み立てに手間がかかるだけでなく、帯板片同士が上下方向に外れやすいという問題がある。
【0008】
一方、特許文献2に示される中仕切りは、下敷き材に起立状に折り曲げ形成されるので、部品点数が少なく、組み立ても容易であるが、隣接する中仕切り同士が非連続状態であるため、収容した物品のホールド性に劣るという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、包装箱全体の軽量化が図れるだけでなく、収容物品の緩衝性やホールド性を向上させることができる包装箱の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明の包装箱は、物品の収容部を有する包装箱であって、全体が気泡シートで形成される箱本体に、前記収容部の底面をなす底部と、前記収容部の側方を囲む側壁部と、前記収容部を複数に仕切る中仕切り部とを備え、前記中仕切り部が、前記箱本体と一体であり、前記底部に起立状に折り曲げ形成される一体中仕切りと、前記箱本体と別体であり、前記一体中仕切りと交差する方向に配置される別体中仕切りとを備え、前記別体中仕切りが、撓み変形状態で前記一体中仕切りの孔に側方から貫通され、貫通後に展開されて前記一体中仕切りに係合する構成としてある。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、包装箱全体の軽量化が図れるだけでなく、収容物品の緩衝性やホールド性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る包装箱の概略斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の一実施形態に係る包装箱の形成材料である三層発泡シートの概略断面図であり、(b)は、本発明の他の実施形態に係る包装箱の形成材料である二層発泡シートを折り曲げた状態の概略断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る包装箱の蓋を示す展開図である。
【図4】本発明の実施形態に係る包装箱の箱本体を示す展開図である。
【図5】本発明の実施形態に係る包装箱の別体中仕切りを示す展開図である。
【図6】(a)は、本発明の実施形態に係る包装箱の別体中仕切りを示す斜視図、(b)は、貫通時の撓み変形状態を示す別体中仕切りの斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る包装箱の組み立て手順(一体中仕切り組み立て工程)を示す概略斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る包装箱の組み立て手順(別体中仕切り貫通工程)を示す概略斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る包装箱の組み立て手順(別体中仕切り展開工程)を示す概略斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る包装箱の組み立て手順(側壁部組み立て工程)を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る包装箱1は、物品の収容部2を有する箱本体3と、収容部2を仕切る中仕切り部21と、箱本体3に上方から嵌合し、箱本体3の上部開口を覆う蓋4とを備えて構成されている。
【0015】
箱本体3、中仕切り部21及び蓋4は、全体が気泡シート5で形成されている。例えば、平板状の気泡シート5の所定部位を折り曲げ可能に加工するとともに、図3〜図5に示すような形状となるように抜き加工などによって切り出し、後述する工程に沿って組み立てることにより、箱本体3、中仕切り部21及び蓋4が形成される。
【0016】
箱本体3、中仕切り部21及び蓋4を形成する気泡シート5は、図2(a)に示すように、中空状に膨出する多数の突起6が形成されたキャップフィルム7と、突起6の開口側に積層されるバックフィルム8と、突起6の頂部側に積層されるライナーフィルム9とからなる三層気泡シートとすることが好ましいが、ライナーフィルム9が省かれた二層気泡シートとしてもよい。
特に、本実施形態では、気泡シート5を折り返し状に積層させて包装箱1の各部を形成するので、図2(b)に示すように、ライナーフィルム9が省かれた側の面を折り返しの内側とすれば、キャップフィルム7の突起6が外側に露出することを容易に回避できる。
【0017】
気泡シート5を構成するキャップフィルム7、バックフィルム8及びライナーフィルム9は、例えば、ポリエチレン:10〜30重量%、ポリプロピレン:90〜70重量%の合成樹脂を用いて成形することができる。気泡シート5の剛性や可撓性は、各フィルム7〜9の成形に用いる合成樹脂の種類や配合を変更すれば、任意に調整することができる。
本実施形態の気泡シート5は、組み立て後に箱形状が維持される程度の剛性を有し、また、容易に撓み変形させることができるとともに、撓み変形状態から復元したときに折り目が残らない程度の可撓性を有するように、各フィルム7〜9の成形に用いる合成樹脂の種類や配合が選定される。
なお、気泡シート5としては、三層気泡シートや二層気泡シートをそのまま使用してもよいが、三層気泡シートや二層気泡シートの表裏に、他の機能性フィルムや装飾フィルムなどをさらに積層してもよい。
【0018】
また、気泡シート5は、シールラインLを形成するだけで、良好な折り曲げ性を確保することができる。シールラインLは、バンドシーラ、インパルスシーラなどのヒートシール装置を用いて容易に形成することができ、例えば、三層気泡シートを熱を加えながら線状に押し潰し、バックフィルム8とライナーフィルム9をヒートシールすることによりシールラインLが形成される。そして、このようなシールラインLが形成された部位では、シールラインLに沿った気泡シート5の折り曲げが可能となる。
【0019】
図1及び図3に示すように、蓋4は、箱本体3の上部開口を覆う蓋上部10と、蓋上部10の四辺から下方に延びる蓋側部11、12とを備えている。
【0020】
図3に示す展開状態において、一方の蓋側部11は、蓋上部10の長辺からシールラインL1を介して連続する外側面部13と、外側面部13の先端部からシールラインL2を介して連続する内側面部14と、外側面部13の両側端部からシールラインL3を介して連続する連結部15とからなり、シールラインL1を折り曲げて外側面部13を蓋上部10から起立させ、さらに、シールラインL2を折り曲げて内側面部14を外側面部13の内側に重合状に折り返すことにより、蓋側部11が組み立てられる。
【0021】
また、他方の蓋側部12は、蓋上部10の短辺からシールラインL4を介して連続する外側面部16と、外側面部16の先端部からシールラインL5を介して連続する内側面部17とからなり、シールラインL4を折り曲げて外側面部16を蓋上部10から起立させ、さらに、シールラインL5を折り曲げて内側面部17を外側面部16の内側に重合状に折り返すことにより、蓋側部12が組み立てられる。このとき、内側面部17と外側面部16の間に、蓋側部11の連結部15を芯材として挟み込むことにより、蓋側部11と蓋側部12が一体的に連結される。
【0022】
図1、図4及び図5に示すように、箱本体3は、収容部2の底面をなす底部18と、収容部2の側方を囲む側壁部19、20と、収容部2を複数に仕切る中仕切り部21とを備え、さらに、中仕切り部21は、箱本体3と一体であり、底部18から起立状に折り曲げ形成される一体中仕切り22と、箱本体3と別体であり、一体中仕切り22と交差する方向に配置される別体中仕切り23とから構成されている。
なお、本実施形態における一体中仕切り22の数は「2」、別体中仕切り23の数は「1」としてあるが、一体中仕切り22や別体中仕切り23の数は、収容する物品に応じて任意に設定できる。
【0023】
図4に示す展開状態において、底部18は、3つの底面部18aに分かれており、それぞれ一体中仕切り22を介して連結されている。
各一体中仕切り22は、シールラインL6を介して連続する二つの側面部24と、各側面部24の両側端部からシールラインL7を介して連続する連結部25とを備えており、シールラインL8を介して底面部18aの長辺に連結されている。つまり、各一体中仕切り22は、シールラインL6を山折り、シールラインL8を谷折りとして、二つの側面部24を重ね合わせることにより、底部18に起立状に折り曲げ形成される(図7参照)。
【0024】
図5に示す展開図において、別体中仕切り23は、シールラインL9を介して連続する二つの側面部26と、各側面部26の両側端部からシールラインL10を介して連続する連結部27とを備えており、シールラインL9を山折りとして、二つの側面部26を重ね合わせることにより、別体中仕切り23が形成される(図6の(a)参照)。
【0025】
別体中仕切り23は、一体中仕切り22に上下を向いて形成される孔28に側方から貫通される。その際、別体中仕切り23は、図6の(b)に示すような撓み変形状態とされ、この状態で一体中仕切り22の孔28に側方から貫通される(図8参照)。つまり、別体中仕切り23の高さは、一体中仕切り22に形成される孔28の上下幅よりも大きいので、別体中仕切り23の上下両端部を折り畳むように撓み変形させた状態で一体中仕切り22の孔28に貫通される。
【0026】
別体中仕切り23は、貫通後に展開されて一体中仕切り22に係合される(図9参照)。すなわち、別体中仕切り23の上下両端部に切り込み部29を形成しておき、この別体中仕切り23を一体中仕切り22の孔28に貫通させた後上下方向に展開させる。そして、このとき、切り込み部29を一体中仕切り22に係合させる。これにより、一体中仕切り22と別体中仕切り23が一体的に連結される。
なお、別体中仕切り23の素材である気泡シート5は、前述したように撓み変形させても折り目が残らない程度の可撓性を有するので、折り畳んだり、展開したりしても、折り目によって美観を損なうことがない。
【0027】
本実施形態の別体中仕切り23は、一体中仕切り22と同じ高さとしてある。このようにすると、別体中仕切り23を一体中仕切り22の孔28に側方から貫通状に組み付けするものでありながら、中仕切り部21の上縁及び下縁を揃えることができる。
なお、別体中仕切り23は、一体中仕切り22と同じ高さでなくともよい。例えば、別体中仕切り23の高さを一体中仕切り22よりも低くし、一体中仕切り22の孔28に貫通する際、別体中仕切り23の上下端部のうち、いずれか一方を折り畳むように撓み変形させた状態で一体中仕切り22の孔28に貫通させることができる。
【0028】
図4に示す展開状態において、一方の側壁部19は、外端に位置する底面部18aの長辺からシールラインL11を介して連続する外側面部30と、外側面部30の先端部からシールラインL12を介して連続する一対の内側面部31と、外側面部30の両側端部からシールラインL13を介して連続する連結部32とからなり、シールラインL11を折り曲げて外側面部30を底面部18aから起立させ、さらに、シールラインL12を折り曲げて内側面部31を外側面30の内側に重合状に折り返すことにより、側壁部19が組み立てられる。また、別体中仕切り23の両端部に形成される連結部27は、シールラインL10を折り曲げることにより側壁部19に沿って展開可能であって、内側面部31と外側面部30の間に、別体中仕切り23の連結部27を芯材として挟み込むことにより、側壁部19と別体中仕切り23が一体的に連結される(図10参照)。
【0029】
図4に示す展開状態において、他方の側壁部20は、各底面部18aの短辺からシールラインL14を介して連続する外側面部33と、外側面部33の先端部からシールラインL15を介して連続する内側面部34とからなり、シールラインL14を折り曲げて外側面部33を底面部18aから起立させ、さらに、シールラインL15を折り曲げて内側面部34を外側面33の内側に重合状に折り返すことにより、側壁部20が組み立てられる。このとき、内側面部31と外側面部30の間に、一体中仕切り22の連結部25及び側壁部19の連結部32を芯材として挟み込むことにより、側壁部20が一体中仕切り22や側壁部19と一体的に連結される。
【0030】
本実施形態では、上述したように、側壁部19、20及び中仕切り部21の上縁を、気泡シート5の折り返し部で形成してある。このようにすると、側壁部19、20及び中仕切り部21の上縁が滑らかになり、収容物品を傷付けることがない。
【0031】
つぎに、本発明の実施形態に係る包装箱1(箱本体3)の組み立て手順について、図7〜図10を参照して説明する。
【0032】
図7は、本発明の実施形態に係る包装箱の組み立て手順(一体中仕切り組み立て工程)を示す概略斜視図、図8は、本発明の実施形態に係る包装箱の組み立て手順(別体中仕切り貫通工程)を示す概略斜視図、図9は、本発明の実施形態に係る包装箱の組み立て手順(別体中仕切り展開工程)を示す概略斜視図、図10は、本発明の実施形態に係る包装箱の組み立て手順(側壁部組み立て工程)を示す概略斜視図である。
【0033】
包装箱1の箱本体3を組み立てる場合は、図7に示すように、まず、一体中仕切り22を形成する。一体中仕切り22は、シールラインL6を山折り、シールラインL8を谷折りとして、二つの側面部24を重ね合わせることにより、底部18に起立状に折り曲げ形成することができる。
【0034】
つぎに、図8に示すように、別体中仕切り23を一体中仕切り22に貫通状に組み付ける。別体中仕切り23は、シールラインL9を山折りとして、二つの側面部26を重ね合わせることにより形成される。また、別体中仕切り23を一体中仕切り22の孔28に側方から貫通させる際には、その上下両端部を折り畳むように撓み変形させてから一体中仕切り22の孔28に貫通させる。
【0035】
つぎに、図9に示すように、一体中仕切り22の孔28に貫通した別体中仕切り23を展開させる。このとき、別体中仕切り23の切り込み部29を一体中仕切り22に係合させることにより、一体中仕切り22と別体中仕切り23が一体的に連結される。
【0036】
つぎに、図10に示すように、側壁部19、20を形成する。側壁部19は、シールラインL11を折り曲げて外側面部30を底面部18aから起立させ、さらに、シールラインL12を折り曲げて内側面部31を外側面30の内側に重合状に折り返すことにより形成することができる。このとき、内側面部31と外側面部30の間に、別体中仕切り23の連結部27を芯材として挟み込むことにより、側壁部19と別体中仕切り23が一体的に連結される。
【0037】
また、側壁部20は、シールラインL14を折り曲げて外側面部33を底面部18aから起立させ、さらに、シールラインL15を折り曲げて内側面部34を外側面33の内側に重合状に折り返すことにより形成することができる。このとき、内側面部31と外側面部30の間に、一体中仕切り22の連結部25及び側壁部19の連結部32を芯材として挟み込むことにより、側壁部20が一体中仕切り22や側壁部19と一体的に連結される。
【0038】
以上のように構成された本発明の実施形態によれば、物品の収容部2を有する包装箱1であって、全体が気泡シート5で形成される箱本体3に、収容部2の底面をなす底部18と、収容部2の側方を囲む側壁部19、20と、収容部2を複数に仕切る中仕切り部21とを備えるので、包装箱全体の軽量化が図れるだけでなく、緩衝性を向上させることができる。
【0039】
また、中仕切り部21は、箱本体3と一体であり、底部18に起立状に折り曲げ形成される一体中仕切り22と、箱本体3と別体であり、一体中仕切り22と交差する方向に配置される別体中仕切り23とを備え、別体中仕切り23が、撓み変形状態で一体中仕切り22の孔28に側方から貫通され、貫通後に展開されて一体中仕切り22に係合するので、一体中仕切り22と別体中仕切り23を一体的に連結させて、収容物品のホールド性を向上させることができる。しかも、別体中仕切り23の素材である気泡シート5は、撓み変形させても折り目が残らない程度の可撓性を有するので、折り目によって美観を損なうこともない。
【0040】
また、別体中仕切り23の高さは、一体中仕切り22の高さと同じにしたので、別体中仕切り23を一体中仕切り22の孔28に側方から貫通状に組み付けするものでありながら、中仕切り部21の上縁及び下縁を揃えることができる。
【0041】
また、側壁部19、20及び中仕切り部21の上縁は、気泡シート5の折り返し部で形成されるので、側壁部19、20及び中仕切り部21の上縁が滑らかになり、収容物品を傷付けることがない。
【0042】
また、別体中仕切りの両端部を、側壁部19に沿って展開可能とし、側壁部19の芯材としたので、側壁部19と別体中仕切り23を一体的に連結し、箱本体3の強度を高めることができる。
【0043】
以上、本発明の容器について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前記実施形態では、別体中仕切り23の両端部に、側壁部19の芯材となる連結部27を形成しているが、箱本体3に求められる強度が低い場合は、別体中仕切り23の一端部のみに連結部27を形成したり、連結部27を省略してもよい。これにより、材料を削減し、製造コストを抑えることができる。
また、図10の想像線で示すように、側壁部20の先端側に底部積層部18´を形成しておくと、箱本体3の底部における気泡シート5を二重にすることができ、より一層緩衝性を高めることができる。
さらに、本発明の包装箱においては、蓋4は必ずしも必要ではなく、収納する物品の種類、用途等に応じて省略することができる。さらに、蓋を必要とする場合であっても、その材質は、上記実施形態における発泡シートに限定されるものではなく、ダンボール等発泡シートと異なる材質を用いたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、気泡シートからなる中仕切りを備える包装箱において利用でき、特に、衝撃に弱い果物、陶磁器、ガラス製品、精密部品などを輸送する際の包装容器として有用である。
【符号の説明】
【0045】
1 包装箱
2 収容部
3 箱本体
4 蓋
5 気泡シート
18 底部
19 側壁部
20 側壁部
21 中仕切り部
27 連結部
28 孔
L シールライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の収容部を有する包装箱であって、
全体が気泡シートで形成される箱本体に、
前記収容部の底面をなす底部と、
前記収容部の側方を囲む側壁部と、
前記収容部を複数に仕切る中仕切り部を備え、
前記中仕切り部が、
前記箱本体と一体であり、前記底部に起立状に折り曲げ形成される一体中仕切りと、
前記箱本体と別体であり、前記一体中仕切りと交差する方向に配置される別体中仕切りとを備え、
前記別体中仕切りが、
撓み変形状態で前記一体中仕切りの孔に側方から貫通され、貫通後に展開されて前記一体中仕切りに係合することを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記別体中仕切りの高さを、前記一体中仕切りの高さと同じにした請求項1記載の包装箱。
【請求項3】
前記側壁部及び前記中仕切り部の上縁を、前記気泡シートの折り返し部で形成した請求項1又は2記載の包装箱。
【請求項4】
前記別体中仕切りの一端部又は両端部を、前記側壁部に沿って展開可能とし、前記側壁部の芯材とした請求項1〜3のいずれか一項記載の包装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−31908(P2011−31908A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178111(P2009−178111)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000199979)川上産業株式会社 (203)
【Fターム(参考)】