説明

包装袋製造装置および包装袋製造方法

【課題】口栓を有し、かつフィルム部材のみによって構成された包装袋を効率よく製造する。
【解決手段】
包装袋製造装置は、各々が口栓を備えた複数の包装袋を横方向に並んだ状態で製造する充填包装機と、保護フィルム装着機と、を備えている。この保護フィルム装着機は、複数の包装袋の口栓が形成されたシール部を覆う保護フィルム71を横方向に並んだ複数の包装袋にわたって取り付ける保護フィルム取付装置80と、保護フィルム71が取り付けられた複数の包装袋を個々の包装袋に分離する包装袋分離装置90と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品が充填された包装袋を製造する包装袋製造装置および包装袋製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図1に示すように、内部に充填された製品を放出するための栓部材1102を備えた包装袋1101が知られている。包装袋1101は、収容部1103の外周部の4辺に封止部1104が形成され、その1辺を成す上部の封止部1104に栓部材1102が挟み込まれた構成となっている。このような包装袋には、ジュース、果肉入りジュース、ゼリー等の飲食品や、経腸栄養剤等の医薬品等の流動性を有する製品が収容される。
【0003】
栓部材1102は、例えばねじ部を備えた着脱自在のキャップ1102aを備えている。したがって、包装袋1101からキャップ1102aを取り外すことによって、栓部材1102に口をつけて包装袋1101内の製品を吸い出すことができる。
【0004】
この種の包装袋は、例えば特許文献1に示されている。
【特許文献1】特開2006−240651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した栓部材を備えた包装袋は、収容部を形成するフィルム部材とは別に栓部材を用意する必要があるため、材料費が嵩むことに加え、製造工程が複雑化して製造コストが高くなるという課題がある。
【0006】
また、上述した栓部材を備えた包装袋は、1回の使用で使い切る量の製品を収容する大きさ(いわゆる、飲み切りサイズ)に形成されているのが一般的である。そのため、1回の使用で包装袋内の製品が消費されると、包装袋は直ぐに廃棄されることとなる。栓部材は通常はプラスチック樹脂で構成され、この飲み切りサイズの例では、1つの栓部材を形成するためには3袋分のフィルム部材を形成することが可能な量の樹脂が必要である。したがって、飲み切りサイズの包装袋に樹脂製の栓部材を備えることは、環境に与える負担が大きいと言える。
【0007】
さらに、キャップが着脱自在な栓部材は構造が複雑でコストが高くなるため、1回の使用で廃棄されてしまう包装袋にそのような栓部材を設けていることも、包装袋のコストが高くなる一因となっている。
【0008】
本発明の目的は、口栓を有し、かつフィルム部材のみによって構成された包装袋を効率よく製造することができる包装袋製造装置および包装袋製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の包装袋製造装置は、下方に送られるシート状のフィルムの両側端部を互いに重ね合わせて筒状フィルムを形成する製袋ガイドと、筒状フィルムの内部空間を横方向において複数の収容空間に仕切る複数の縦シール部を筒状フィルムに形成する縦シール装置と、複数の収容空間の各々に製品を投入する投入パイプと、筒状フィルムに、各々の収容空間に対応して形成された複数の口栓の形を有する第1のシール部と、筒状フィルムの全幅にわたって横方向に延びた第2のシール部とを熱シールによって形成し、筒状フィルムを第1のシール部と第2のシール部との間で切断する横シール装置と、を有し、各々が口栓を備えた複数の包装袋を横方向に並んだ状態で製造する充填包装機を備える。さらに、包装袋製造装置は、横方向に並んだ複数の包装袋の第1のシール部の全体を覆う保護フィルムを複数の包装袋にわたって取り付ける保護フィルム取付装置と、保護フィルムが取り付けられた複数の包装袋において隣接する包装袋間の部分の保護フィルムを複数の縦シール部に沿って切断し、複数の包装袋を個々の包装袋に分離する包装袋分離装置と、を有する保護フィルム装着機を備えている。
【0010】
上記本発明の包装袋製造装置によれば、まず充填包装機によってシート状のフィルムが製袋され、各々が口栓を備えた複数の包装袋が横方向に並んで製造される。そして、保護フィルム装着機の保護フィルム取付装置によって、複数の包装袋の複数の口栓を有する第1のシール部の全体を保護フィルムが覆うように、保護フィルムが複数の包装袋にわたって取り付けられる。保護フィルムが取り付けられた複数の包装袋は、その後、包装袋分離装置によって個々の包装袋に分離される。このように、本発明の包装袋製造装置では、複数の包装袋に対して一度の動作によって保護フィルムを取り付けることができるので、個々の包装袋に対して個別に保護フィルムを取り付ける場合に比べて、包装袋を効率良く製造することができる。
【0011】
また、上記本発明の包装袋製造装置は、充填包装機によって製造された複数の包装袋を充填包装機から受け取って立った状態で保持する袋保持装置が設けられたコンベアをさらに備えており、袋保持装置は、横方向に並んだ複数の包装袋を充填包装機から受け取って立った状態で収容保持する複数の内缶と、コンベアに固定され、内缶を保持し且つ移動する機構を有する外缶と、を備えていることが好ましい。
【0012】
さらに、上記の保護フィルム取付装置は、コンベアの上方に配置されており、保護フィルムを複数の包装袋にわたって熱シールによって取り付けるシールバーを備えていてもよい。さらに、このシールバーは、保護フィルムに対して、複数の包装袋の横方向の全長にわたって熱シールを行うとともに、複数の包装袋に形成された複数の縦シール部の延長上に熱シールを行うように構成されていてもよい。さらには、保護フィルムの溶融温度はシート状のフィルムの溶融温度よりも低く、シールバーは、保護フィルムの溶融温度以上の温度であって、前記シート状のフィルムの溶融温度よりも低い温度で熱シールを行うように構成されていてもよい。
【0013】
また、上記の保護フィルム装着機は、袋保持装置によって保持された前記複数の包装袋の上端を覆うように保護フィルムを搬送する保護フィルム搬送装置をさらに有していてもよい。さらに、この保護フィルム搬送装置は、長尺形状の前記保護フィルムを両端部が重ね合わされるように折り込む折り込み板と、折り込まれた保護フィルムの折り込み部を熱シールするシールバーと、折り込まれた保護フィルムを搬送する搬送ローラとを有していてもよい。
【0014】
また、本発明の包装袋製造方法は、シート状のフィルムの両側端部を互いに重ね合わせて下方に送り、筒状フィルムを形成する工程と、筒状フィルムの内部空間を横方向において複数の収容空間に仕切る複数の縦シール部を筒状フィルムに形成する工程と、複数の収容空間の各々に製品を投入する工程と、筒状フィルムに、各々の収容空間に対応して形成された複数の口栓の形を有する第1のシール部と、筒状フィルムの全幅にわたって横方向に延びた第2のシール部とを熱シールによって形成し、筒状フィルムを第1のシール部と第2のシール部との間で切断する工程と、を含み、各々が口栓を備えた複数の包装袋を横方向に並んだ状態で製造する包装袋の製造工程を有する。さらに本発明の包装袋製造方法は、横方向に並んだ複数の包装袋の第1のシール部の全体を覆う保護フィルムを複数の包装袋にわたって取り付ける工程と、保護フィルムが取り付けられた複数の包装袋において隣接する包装袋間の部分の保護フィルムを複数の縦シール部に沿って切断し、複数の包装袋を個々の包装袋に分離する工程と、を含む保護フィルム装着工程を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、口栓を有し、かつフィルム部材のみによって構成された包装袋を効率よく製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
本発明の一実施形態に係る包装袋製造装置は、複数の包装袋を横並びの形で製造する充填包装機(図2〜図4参照)と、複数の包装袋を袋保持装置(図5参照)で保持しつつ搬送し、保持された複数の包装袋に保護フィルムを装着する保護フィルム装着機(図6参照)とを有している。この保護フィルム装着機は、口栓カット装置、保護フィルム搬送装置、保護フィルム取付装置、及び包装袋分離装置を含む。
【0018】
以下、充填包装機及び保護フィルム装着機の構成について説明する。
【0019】
[充填包装機]
図2及び図3を参照して、本実施形態の包装袋製造装置における充填包装機について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る包装袋製造装置における充填包装機を示す斜視図である。図3は、図2に示した充填包装機を図2のA矢視方向から見た側面図である。
【0020】
図2及び図3を参照すると、この充填包装機は、本例では6本である複数の投入パイプ12から投入される製品を袋詰めする縦型の充填包装機である。複数の投入パイプ12の周囲には、ガイドローラ10を経由して供給されるシート状のフィルム1の両側端部を互いに重ね合わせて筒状フィルムを形成するための製袋ガイド11が配置されている。
【0021】
製袋ガイド11の下方には、製袋ガイド11によって筒状に形成されたフィルム1を縦方向に熱シールする複数の縦シール装置20が配置されている。本例では、フィルム1を間に挟んだ状態で対向配置された7対の縦シール装置20が備えられている。各対の縦シール装置20の少なくとも一方はフィルム1を熱シールするための熱を発生させるヒータを内蔵しており、縦シール装置20は、不図示の駆動機構によって、互いに離間する方向および互いに当接する方向に移動可能である。これらの縦シール装置20によって、筒状に形成されたフィルム1の両側縁及びその両側縁の間の領域に等間隔に熱シール部が形成され、筒状のフィルム1の内部には、それらの熱シール部によって水平方向において互いに仕切られた複数の収容空間が形成される。本例では7つの縦シール装置20によって6つの収容空間が筒状のフィルム1に形成され、6本の投入パイプ12の各々から各収容空間内に製品が投入される。なお、各々の縦シール装置20の構成は、一般的な縦型充填包装機に用いられる縦シール装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0022】
縦シール装置20の下方には、筒状のフィルム1の収容空間部同士を切り分けるための5つのスリット刃15が配設されている。さらに、これらの下流に、図3に示されているように、フィルム1を挟みながら回転してフィルム1を下方に送る1対の送りローラ13が設けられている(図2では図の簡略化のために送りローラ13の図示を省略している)。
【0023】
送りローラ13の下方には、フィルム1を間において対向配置され、送りローラ13の回転に同期して回転させられる1対のシゴキローラ14が設けられている。シゴキローラ14は、フィルム1を全幅にわたって挟み込むことによって、フィルム1の各収容空間内に投入された製品を分割するものであり、不図示の駆動機構によって、互いに離間する方向および互いに当接する方向に移動可能である。シゴキローラ14は、フィルム1を挟んだ状態で回転することにより、送りローラ13とともにフィルム1を下方に搬送する。
【0024】
さらに、シゴキローラ14の下方には、フィルム1を横方向(水平方向)に熱シールして、筒状フィルム1の各々の収容空間に対応して形成された複数の口栓形状を持つ第1のシール部1aと、筒状フィルム1の全幅にわたって横方向に延びた第2のシール部1bとを熱シールによって形成し、筒状フィルム1を第1のシール部1aと第2のシール部1bとの間の切断位置Cで切断する横シール装置30が配置されている。
【0025】
ここで、図4を参照して、上述した横シール装置30の構成について説明する。
【0026】
横シール装置30は、互いの加圧面を加圧可能に対向させて配置された2つのシールバーを有し、それらのシールバーの間をフィルム1が通過可能な構成となっている。それら2つのシールバーは、不図示の駆動機構によって、互いに離間する方向および互いに当接する方向に移動可能である。図4(a)は、その一方のシールバーを一部を破断した状態で示す斜視図である。
【0027】
図4に示すように、シールバー31の加圧面は、斜線を施した領域に周囲よりも高くなった第1の凸部32と第2の凸部33とを有している。第1の凸部32は、筒状フィルム1の各々の収容空間に対応して形成された複数の口栓形状を持つ第1のシール部1aを成す形に形成されており、第2の凸部33は、筒状フィルム1の全幅にわたって横方向に延びた第2のシール部1bを成す形に形成されている。シールバー31に対向する他方のシールバー(不図示)にも同様の第1及び第2の凸部32,33が形成されており、シールバーの加圧面がフィルム1を加圧する際は、これらの第1及び第2の凸部32,33がフィルム1に当接する。なお、2つシールバーの少なくとも一方はフィルム1を熱シールするための熱を発生させるヒータを内蔵している。
【0028】
シールバー31には、第1の凸部32と第2の凸部33とを隔てる溝部34がシールバー31の長さ方向の全長にわたって形成されており、その溝部34内にはカッタ35が進退可能に保持されている。なお、シールバー31に対向する他方のシールバーにも同様の溝部34が形成されているが、他方のシールバーの溝部34にはカッタ35は備えられていない。シールバー31に備えられているカッタ35は、2つのシールバーによってフィルム1が挟持されているときに他方のシールバーの溝部34へ進入するように突出し、これによりフィルム1を横方向(水平方向)に切断する。図4(b)は、フィルム1の横シール装置30によって熱シールされた第1及び第2のシール部1a,1b(図中の斜線部)と、フィルム1のカッタ35によって切断される位置Cとを示している。
【0029】
次に、上述した充填包装機による充填包装動作について、図2及び図3を参照して説明する。
【0030】
まず、シート状のフィルム1の両側端部を互いに重ね合わせて下方に送り、筒状フィルムを形成する。そして、縦シール装置20によって、筒状フィルム1の内部空間を水平方向において複数の収容空間に仕切る複数の縦シール部を筒状フィルム1に形成する。
【0031】
そして、シゴキローラ14及び横シール装置30を開いた状態で、フィルム1に形成された各収容空間内に各投入パイプ11から製品を投入しつつ、送りローラ13を回転させてフィルム1を下方に送る。この過程で、スリット刃15により、フィルム1の隣接する収容空間部同士の間が切られ、帯状の袋として分かれる。そして、フィルム1が所定量だけ送られたら、シゴキローラ14を閉じ、シゴキローラ14によって、フィルム1の各収容空間内の製品をフィルム送り方向に分割する。
【0032】
この状態で送りローラ13及びシゴキローラ14を更に回転させてフィルム1を下方に送ると、図3に示すように、フィルム1には製品が存在しない空充填部が形成される。
【0033】
空充填部が横シール装置30の間まで送られたら、すなわち前回の動作から1つの包装袋分の送りピッチだけフィルム1が送られたら、フィルム1の送りを停止し、横シール装置30のシールバー(図4参照)同士を接近させていく。すると、シールバー同士が閉じられ、これらによってフィルム1の空充填部が加圧される。シールバー同士が閉じられたら、これらのシールバーに内蔵されているヒータを駆動して空充填部を横方向に熱シールする。この熱シールが終了したら、一方のシールバー31に備えられたカッタ35を前進させ、フィルム1の熱シールされた部分を切断する。
【0034】
熱シールされた部分が切断されたら2つのシールバーを互いに離間させ、得られた6つの包装袋Wをコンベア(不図示)へと落下させる(図2参照)。落下した6つの包装袋Wは、コンベア上の袋保持装置(図5参照)に保持される。そして、シゴキローラ14を開き、次回分の製品を投入パイプ12からフィルム1の各帯状の収容空間内に落下させる。
【0035】
[コンベア上の袋保持装置]
図5を参照して、本実施形態の包装袋製造装置にて使用されるコンベア上の袋保持装置について説明する。図5はその袋保持装置の概略構成を示す斜視図である。
【0036】
図2に示されるように落下した6つの包装袋Wを受け入れる袋保持装置は、コンベア上に複数個用意され、コンベア移動方向に一定の間隔で固定されている。この袋保持装置は図5に示すように、包装袋ごとに設けられ包装袋を立った状態で収納保持し位置決めする複数の内缶41と、コンベア42に固定され複数の内缶を移動自在に保持する外缶43と、を備える。
【0037】
内缶41は、上部が開口した四角い箱形の缶であって、内部に入った立った状態の包装袋を、その口栓部分を露出した状態で保持する(図5(b)参照)。一方、外缶43は、横に並んだ複数の包装袋をそれぞれ内缶41で受け入れられるように包装袋の並び方向に複数の内缶41を整列させ、かつコンベア42と伴に移動する。複数の内缶41は外缶43の側壁で、包装袋の並び方向に案内可能である。さらに、外缶43には、内缶41の昇降、包装袋の並び方向に沿った内缶41の水平移動、および内缶41の位置固定などを行う機構が備え付けられている。
【0038】
また、コンベア42上の複数の内缶41の中へ複数の包装袋を同時に落下させたとき隣接する包装袋同士が干渉しないように、横シール装置30(図2参照)の下方に、分離ガイド44が包装袋同士の境界に対応して配置されている。そして、隣接する包装袋同士を離して落下させたとき、各々の包装袋がその対応する内缶41の開口縁に引っ掛からないで中へ確実に入るように、隣接する内缶41同士は所定の隙間を置いて外缶43内に配設されている。
【0039】
[保護フィルム装着機]
構成
図6を参照して、本実施形態の包装袋製造装置における保護フィルム装着機について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る包装袋製造装置における保護フィルム装着機の概略構成を示す斜視図である。
【0040】
保護フィルム装着機は、図6に示すように、充填包装機から落下した製品入りの複数の包装袋を受け入れる袋保持装置40を備え付けられた搬送手段であるコンベア42(図5参照)を備える。
【0041】
さらに保護フィルム装着機は、
充填包装機の横シール装置30(図2等参照)によって複数の包装袋の上端縁に形成された口栓形状を有する熱シール部に沿ってフィルム1を切断する口栓カット装置60と、
袋保持装置40により保持されている複数の包装袋の上端部に保護フィルム71を搬送する保護フィルム搬送装置70と、
袋保持装置40により保持されている複数の包装袋に保護フィルム71を融着して切断する保護フィルム取付装置80と、
保護フィルム71が融着された複数の包装袋を個別の包装袋に分離する包装袋分離装置90と、を備えている。
【0042】
これらの装置60、70、80、90は、この順番で、コンベア42による袋保持装置40の搬送方向に沿って配置されている。また、装置60、70、80、90の各配置ピッチは、コンベア42上の袋保持装置40の配置ピッチに対して同じか、2以上の整数倍にしてある。このため、装置60、70、80、90のうちの2つ以上の装置を同時に稼働させることが可能となっている。
【0043】
以下、保護フィルム装着機が備える上述の各構成について説明する。
【0044】
1)コンベア42
コンベア42は、少なくとも2つの搬送ローラと、2つの搬送ローラに巻かれた搬送ベルトとを備えている。2つの搬送ローラの少なくとも一方は回転駆動させられるように構成されており、その搬送ローラが回転駆動することによって、2つの搬送ローラの間を搬送ベルトが回転させられるようになっている。コンベア42の外側面上に固定された複数の袋保持装置40は、この搬送ベルトの回転によって搬送される。袋保持装置40の具体的な構成は、既に図5を参照して説明したとおりである。
【0045】
2)口栓カット装置60
口栓カット装置60は、不図示の駆動機構によって、互いに離間する方向および互いに当接する方向に移動可能な2つのカットバー61,62を有している。両カットバー61,62は、コンベア42の上方で、コンベアの包装袋搬送方向に対して直角な方向に沿って延びている。
【0046】
一方のカットバー61には、袋保持装置40により保持されている複数の包装袋の上端部に形成された口栓形状を有する熱シール部(第1のシール部1a)に対応した形状を有する口栓切断刃(不図示)が形成されている。本例の口栓切断刃は、各々の包装袋に形成される口栓に、開封を容易にするための切り欠きであるノッチ111a(図7参照)を形成する形状を備えている。これに対し、カットバー61に対向配置された他方のカットバー62には、口栓切断刃に対応する形状を有する溝(不図示)が形成されている。そのため、2つのカットバー61,62が互いに当接して複数の包装袋の上端部を同時に挟み込むことにより、フィルム1の余分な部分が切断され、各々の包装袋の上端に口栓を形成することが可能である。
【0047】
なお、上記ではカットバー62に溝(不図示)が形成された例を挙げて説明したが、そのような溝に代えて、カットバー62のカットバー61に対向する面にゴムシート等を設け、それによって口栓切断刃を受ける構成としてもよい。
【0048】
3)保護フィルム搬送装置70
保護フィルム搬送装置70は、長尺形状の保護フィルム71を両端部が重ね合わされるようにその長手方向に沿って折り込む折り込み板72と、折り込まれた保護フィルム71の上端の折り込み部を熱シールするシールバー73と、を有する。
【0049】
さらに保護フィルム搬送装置70は、折り込まれた保護フィルム71の上端を摘まんで、保護フィルム71を、袋保持装置40にて保持されている複数の包装袋の上端部を覆う位置に搬送する搬送機構74と、搬送中に保護フィルム71をガイドする複数のガイドローラ75と、を有している。
【0050】
折り込み板72、シールバー73、搬送機構74の搬送開始位置、およびガイドローラ75は、包装袋搬送方向に対して直角な方向でのコンベア42の両側のうちの一方に設けられている。
【0051】
なお、保護フィルム71は、包装袋を形成しているフィルム1(図2等参照)よりも融着温度が低く、かつフィルム1に対してイージーピール性を有する素材で構成されている。
【0052】
4)保護フィルム取付装置80
保護フィルム取付装置80は、不図示の駆動機構によって、互いに離間する方向および互いに当接する方向に移動可能な2つのシールバー81,82を有している。両シールバー81,82は、コンベア42の上方で、コンベアの包装袋搬送方向に対して直角な方向に沿って延びている。また両シールバー81,82は、保護フィルム搬送装置70の搬送機構74の保護フィルム摘み部が移動する経路を挟んで配置されている。
【0053】
2つのシールバー81,82の少なくとも一方は、包装袋を形成しているフィルム1に保護フィルム71を熱シールするための熱を発生させるヒータを内蔵している。
【0054】
シールバー81,82は、保護フィルム71を挟み込んで複数の包装袋の全体にわたって熱シールを行うとともに、包装袋のフィルム1に縦シール装置20(図2等参照)によって形成された複数の縦シール部の延長上に熱シールを行うことが可能な形状を有している。
【0055】
保護フィルム取付装置80は、複数の包装袋にわたって融着された保護フィルム71を切断する保護フィルム切断刃(不図示)をさらに備えている。この保護フィルム切断刃は、一方の最端の包装袋の側端面に沿って保護フィルム71を切断する。
【0056】
5)包装袋分離装置90
包装袋分離装置90は、不図示の駆動機構によって、互いに離間する方向および互いに当接する方向に移動可能な2つのカットバー91,92を有している。両カットバー91,92は、コンベア42の上方で、コンベアの包装袋搬送方向に対して直角な方向に沿って延びている。
【0057】
一方のカットバー91には、袋保持装置40により保持されている複数の包装袋の、隣接する袋間の境界線部分に対応した複数の分離切断刃(不図示)が形成されている。カットバー91に対向配置された他方のカットバー92には、各分離切断刃に対応する溝(不図示)が形成されている。
【0058】
そのため、2つのカットバー91,92が互いに当接して複数の包装袋の上端部を同時に挟み込むことにより、隣接する包装袋間の部分の保護フィルム71が切断され、個々の包装袋に分割することが可能となる。
【0059】
なお、本例では、袋保持装置40により6つの包装袋を横並びに保持しており、切断すべき袋間の境界線部分の数は5つである。したがって、包装袋分離装置90は5つの分離切断刃を備えている。当然のことながら、包装袋分離装置90が備える分離切断刃の数は、切断すべき袋間の境界線部分の数に応じて適宜変更することができる。
【0060】
また、図には示されていないが、包装袋分離装置90は、保護フィルム71の折り込み部に形成された熱シール部にパンチ穴を形成するためのパンチ穴形成部を備えている。
【0061】
動作
次に、図6を参照して、上述した保護フィルム装着機の動作について説明する。
【0062】
1)コンベア投入工程
上述した充填包装機(図2)によって製造された複数の包装袋は、一時停止しているコンベア42へ落下し、コンベア42上の袋保持装置40の内缶41の中にそれぞれ入って保持される。
【0063】
その後、コンベア42が稼働し、口栓カット装置60が配置された位置へ、複数の包装袋をそれぞれの内缶41を収容した袋保持装置40を移動させる。但し、この移動の間、袋保持装置40は、外缶43に備わる水平移動機構(不図示)によって、それぞれの内缶41を横方向から押し、内缶41同士を密着させて各包装袋を位置決めする。これにより、包装袋同士の隙間を極小とする。
【0064】
2)口栓カット工程
口栓カット装置60での対向するカットバー61,62の間に袋保持装置40が来るとコンベア42が一時停止する。このため、包装袋の上端部の位置が例えば光学センサ等からなる不図示の位置検出部によって検出され、その検出結果に基づいて、包装袋の上端部が口栓カット装置60に対して適切な位置に位置合わせされるようにコンベア42が駆動制御される。
【0065】
口栓カット装置60の位置に来た袋保持装置40は、包装袋を収容した複数の内缶41の全てを、外缶43に備わる昇降機構(不図示)によって同時に持ち上げ、複数の包装袋の上端部をカットバー61,62の間に配置する。
【0066】
その後、口栓カット装置60が作動して2つのカットバー61,62が互いに近接する方向に移動し、複数の包装袋の上端部をそれらのカットバー61,62によって挟み込む。すると、複数の包装袋の上端部がカットバー61の口栓切断刃によって切断され、各々の包装袋の上端に口栓111(図7参照)が形成される。その後、カットバー61,62は互いに離間する方向に移動し、袋保持装置40は、包装袋を収容した複数の内缶41の全てを、外缶43に備わる昇降機構(不図示)によって降下し、複数の包装袋の上端部をカットバー61,62の間から退避させる。
【0067】
3)保護フィルム搬送工程
続いて、コンベア42が再稼働し、保護フィルム搬送装置70と保護フィルム取付装置80が配置された位置へ、複数の包装袋をそれぞれの内缶41を収容した袋保持装置40を移動させる。
【0068】
保護フィルム搬送装置70での保護フィルム搬送経路に対応する位置に袋保持装置40が来るとコンベア42が一時停止する。このため、包装袋の上端部の位置が例えば光学センサ等からなる不図示の位置検出部によって検出され、その検出結果に基づいて、複数の包装袋の上端部が、保護フィルム搬送装置70での保護フィルム搬送経路に対して適切な位置に位置合わせされるように、コンベア42が駆動制御される。
【0069】
この停止中、保護フィルム搬送装置70が作動して、複数の包装袋の上端部の上方を覆うように保護フィルム71を搬送させる。保護フィルム71の搬送は、図6に示すように搬送機構74の摘まみ部74aで保護フィルム71の折り込み部を摘まんだ状態で、その摘まみ部を移動させることによって行う。また、搬送機構74によって保護フィルム71を図6の矢印方向に搬送するにしたがって、保護フィルム71は折り込み板72によって両側端が互いに重なり合うように折り込まれていく。
【0070】
保護フィルム搬送装置70は上述したように保護フィルム71の折り込み部を熱シールするシールバー73を備えており、搬送機構74による保護フィルム71の搬送動作は、シールバー73による熱シールがなされていない間に行われる。より詳しくは、2つのシールバー73が閉じて保護フィルム71に熱シールが行われている間は搬送機構74による保護フィルム71の搬送動作が停止され、2つのシールバー73が離間している間に保護フィルム71の搬送動作が行われる。したがって、搬送機構74による保護フィルム71の搬送動作は間欠的に行われる。なお、搬送機構74による保護フィルム71の搬送ピッチは、シールバー73の長手方向の長さと同じかそれよりもわずかに小さい。これにより、保護フィルム71の折り込み部に対して熱シールを隙間無く行うことが可能である。
【0071】
保護フィルム71は、このようにして折り込まれ、その折り込み部が熱シールされた状態で、複数の包装袋の上端部の上方に搬送される。なお、搬送機構74には、最端の包装袋の側端部の位置を検知する位置検出部(光学センサ等)が設けられており、その検知結果に基づいて、搬送機構74は保護フィルム71の先端部が最端の包装袋の側端部と一致する位置まで保護フィルム71を搬送する。
【0072】
その後、保護フィルム取付装置80の位置に対応する袋保持装置40は、包装袋を収容した複数の内缶41の全てを、外缶43に備わる昇降機構(不図示)によって持ち上げて、複数の包装袋の上端部に保護フィルム71を被せる。つまり、複数の包装袋の上端部は、折り込まれた保護フィルム71の内側へ挿入される。
【0073】
4)保護フィルム取付工程
次に、上記のように保護フィルム71が被せられた複数の包装袋の上端部に対し、保護フィルム取付装置80によって保護フィルム71が熱シールされる。この熱シールは、保護フィルム取付装置80のシールバー81,82を互いに近接させてそれらの間に保護フィルム71及び全ての包装袋を挟み、その状態でシールバー81,82のヒータを駆動させることによって行う。これにより、全ての包装袋の第1のシール部(図4の符号1a参照)を覆う保護フィルム71が複数の包装袋の全体に取り付けられる。なお、このときに保護フィルム71及び包装袋のフィルム1に加える熱の温度は、保護フィルム71の融点以上の温度であって、フィルム1の融点よりも低い温度に設定する。これにより、保護フィルム取付装置80による熱シール動作によって、包装袋のフィルム1同士が融着してしまうことを防ぐことができる。
【0074】
続いて、シールバー81,82によって保護フィルム71及び全ての包装袋を挟んだ状態のまま、保護フィルム切断刃(不図示)を使って、最端の包装袋の側端部に沿って保護フィルム71を切断する。その後、シールバー81,82が互いに離間するとともに、袋保持装置40は、包装袋を収容した複数の内缶41の全てを、外缶43に備わる昇降機構(不図示)によって降下させ、複数の包装袋の上端部をカットバー61,62の間から退避させる。さらに、搬送機構74の摘まみ部が袋保持装置40の上方からコンベア42の外へ退避する。
【0075】
5)包装袋分離工程
次に、再びコンベア42が稼働し、包装袋分離装置90が配置された位置へ、複数の包装袋をそれぞれの内缶41を収容した袋保持装置40を移動させる。
【0076】
包装袋分離装置90での対向するカットバー91,92の間に袋保持装置40が来るとコンベア42が一時停止する。このため、包装袋の上端部の位置が例えば光学センサ等からなる不図示の位置検出部によって検出され、その検出結果に基づいて、包装袋の上端部が包装袋分離装置90に対して適切な位置に位置合わせされるようにコンベア42が駆動制御される。
【0077】
包装袋分離装置90の位置に来た袋保持装置40は、包装袋を収容した複数の内缶41の全てを、外缶43に備わる昇降機構(不図示)によって同時に持ち上げ、複数の包装袋の上端部をカットバー91,92の間に配置する。
【0078】
その後、包装袋分離装置90が作動して2つのカットバー91,92が互いに近接する方向に移動し、複数の包装袋の上端部をそれらのカットバー91,92によって挟み込む。これにより、2つのカットバー91,92が互いに当接して、隣接する包装袋間の部分の保護フィルム71を切断刃で切断する。この結果、保護フィルム71によって接続されていた複数の包装袋が個々の包装袋に分割される。また、保護フィルムの切断時には、パンチ穴形成部(不図示)を作動して、保護フィルム71の折り込み部に形成された熱シール部にパンチ穴を形成してもよい。
【0079】
その後、カットバー61,62は互いに離間する方向に移動し、袋保持装置40は、包装袋を収容した複数の内缶41の全てを、外缶43に備わる昇降機構(不図示)によって降下し、複数の包装袋の上端部をカットバー61,62の間から退避させる。
【0080】
以上の工程により、個々に分離された包装袋が得られる。なお、包装袋分離工程を経た袋保持装置40がコンベア42の稼働によってコンベア下流端に移動し、内缶41の開口が下側へ向けられると、上記のように得られた複数の包装袋が別のコンベア45の上へ搬出される。
【0081】
本実施形態の包装袋製造装置の効果について述べる。
【0082】
本実施形態の包装袋製造装置によれば、まず充填包装機によって、シート状のフィルム1を製袋して成形された、各々が口栓を備えた複数の包装袋が横並びに製造される。そして、保護フィルム装着機の保護フィルム取付装置80によって、複数の包装袋における口栓を有する第1のシール部(図4の符号1a参照)の全体を保護フィルム71が覆うように、保護フィルム71が複数の包装袋にわたって取り付けられる。保護フィルム71が取り付けられた複数の包装袋は、その後、包装袋分離装置90によって個々の包装袋に分離される。
【0083】
このように、本実施形態の包装袋製造装置では、複数の包装袋に対して一度の動作によって保護フィルム71を取り付けることができるので、個々の包装袋に対して個別に保護フィルムを取り付ける場合に比べて、包装袋を効率良く製造することができる。
【0084】
図7(a)は、本実施形態の包装袋製造装置によって製造された包装袋を示す斜視図である。図7(a)に示すように、本実施形態の包装袋製造装置によって製造された包装袋100は、開封用の切り欠きであるノッチ111aが形成された口栓111を有する本体部110と、口栓111を覆うように本体部110にシールされた保護カバー120とを有している。本体部110はフィルム1(図2等参照)によって形成され、保護カバー120はフィルム1に対してイージーピール性を有する保護フィルム71(図6等参照)によって形成されている。このように、本実施形態による包装袋100はフィルム部材のみによって構成されており、樹脂等によって構成された別部材の口栓を備えた従来の構成に比べて、環境に与える負担が小さく、かつコストを低減することができる。
【0085】
保護カバー120には、保護フィルム71を折り込んで熱シールされた部分にパンチ穴120aが形成されている。例えば店舗の商品棚や壁に設けられた棒状の吊り下げ具にこのパンチ穴120aを通すことにより、図7(b)に示すように複数の包装袋100を吊り下げた状態で陳列することができる。
【0086】
包装袋100の中身を取り出す際には、まず、図7(c)に示すように本体部110から保護カバー120を取り外す。保護カバー120は本体部110に対してイージーピール性をもって取り付けられているので、保護カバー120は本体部110から手で容易に剥がすことができる。これにより、本体部110の口栓111が露出する。そして、口栓111をノッチ111aの部分から引き裂いて口栓111の先端部を切り取ることにより、製品が充填されている本体部110が開封される。口栓111は保護カバー120を取り外すまで保護カバー120に覆われて清潔な状態が保たれているため、口栓111に口を直接付けて本体部110の中身を飲んだり食べたりすることができる。あるいは、細長く形成された口栓111をコップ等の容器内に挿入した状態で中身を抽出することで、抽出途中に中身が容器からこぼれないように中身を容器に移すことも可能である。
【0087】
なお、本体部110内に収容される製品の量は、通常は120ml〜200mlの範囲である。特に、150mlは消費者が1回の使用で飲みきるのに適した量であるので、包装袋100をいわゆる飲みきりサイズにする場合には、本体部110内に収容される製品の量を150mlとすることが好ましい。また、包装袋100の本体部110が例えば300ml以上の容量を有する比較的大きなサイズである場合には、本体部110を保持して内部の製品を口栓111から他の容器へ移そうとしたときに、本体部110が変形して内部の製品が不意に溢れるおそれがある。そのため、包装袋100がそのような大きなサイズのものである場合には、図8に示すように包装袋100の本体部110を、硬い材料からなる支持容器112内に収容して使用してもよい。
【0088】
<変形例>
上記では、保護フィルム取付装置80によって、保護フィルム71を包装袋のフィルム1にヒートシールで取り付ける構成を例に挙げて説明したが、保護フィルム取付装置80による保護フィルム71の取付手段はこれに限られず、例えばインパルスシールや高周波シールによっても、保護フィルム71を包装袋のフィルム1に取り付けることができる。また、これらの手段のように保護フィルム71を包装袋のフィルム1に融着によって取り付けるのではなく、保護フィルム71に接着剤を塗布して包装袋のフィルム1に貼り付けることによって、保護フィルム71を包装袋のフィルム1に取り付けてもよい。
【0089】
また、上記では、図6に示す包装袋搬送装置に口栓カット装置60が備えられた構成を例に挙げて説明したが、口栓カット装置は図1,2に示す充填包装機に備えられていてもよい。あるいは、充填包装機の横シール装置30に備えられたカッタ35(図4参照)を、筒状フィルム1を第1のシール部1aと第2のシール部1bとの間で切断するとともに、筒状フィルム1を第1のシール部1aに沿って切断してフィルム1の余分な部分を取り除くことが可能な形状とすることで、横シール装置30に口栓カット装置の機能を兼ね備えることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】従来の包装袋を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る包装袋製造装置における充填包装機を示す斜視図である。
【図3】図2に示した充填包装機を図2のA矢視方向から見た側面図である。
【図4】図2に示した充填包装機における横シール装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る包装袋製造装置に使用される袋保持治具の概略構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る包装袋製造装置における保護フィルム装着機の概略構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る包装袋製造装置によって製造された包装袋を示す図である。
【図8】包装袋の本体部を支持容器内に収容して使用した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1 フィルム
1a 第1のシール部
1b 第2のシール部
10 ガイドローラ
11 製袋ガイド
12 投入パイプ
13 送りローラ
14 シゴキローラ
15 スリット刃
20 縦シール装置
30 横シール装置
31 シールバー
32 第1の凸部
33 第2の凸部
34 溝部
35 カッタ
40 袋保持装置
51 内缶
42 コンベア
43 外缶
44 分離ガイド
60 口栓カット装置
61,62 カットバー
70 保護フィルム搬送装置
71 保護フィルム
72 折り込み板
73 シールバー
74 搬送機構
74a 摘まみ部
75 ガイドローラ
80 保護フィルム取付装置
81,82 シールバー
90 包装袋分離装置
91,92 カットバー
100,W 包装袋
110 本体部
111 口栓
111a ノッチ
112 支持容器
120 保護カバー
120a パンチ穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に送られるシート状のフィルムの両側端部を互いに重ね合わせて筒状フィルムを形成する製袋ガイドと、
前記筒状フィルムの内部空間を横方向において複数の収容空間に仕切る複数の縦シール部を前記筒状フィルムに形成する縦シール装置と、
前記複数の収容空間の各々に製品を投入する投入パイプと、
前記筒状フィルムに、各々の前記収容空間に対応して形成された複数の口栓の形を有する第1のシール部と、前記筒状フィルムの全幅にわたって横方向に延びた第2のシール部とを熱シールによって形成し、前記筒状フィルムを前記第1のシール部と前記第2のシール部との間で切断する横シール装置と、
を有し、各々が前記口栓を備えた複数の包装袋を横方向に並んだ状態で製造する充填包装機と、
横方向に並んだ前記複数の包装袋の前記第1のシール部の全体を覆う保護フィルムを前記複数の包装袋にわたって取り付ける保護フィルム取付装置と、
前記保護フィルムが取り付けられた前記複数の包装袋において隣接する包装袋間の部分の保護フィルムを前記複数の縦シール部に沿って切断し、前記複数の包装袋を個々の包装袋に分離する包装袋分離装置と、
を有する保護フィルム装着機と、
を備えた包装袋製造装置。
【請求項2】
前記充填包装機によって製造された横方向に並んだ前記複数の包装袋を前記充填包装機から受け取って立った状態で保持する袋保持装置が設けられたコンベアをさらに備え、
前記袋保持装置は、横方向に並んだ前記複数の包装袋を前記充填包装機から受け取って立った状態で収容保持する複数の内缶と、前記コンベアに固定され、前記内缶を保持し且つ移動する機構を有する外缶と、を備えている、請求項1に記載の包装袋製造装置。
【請求項3】
前記保護フィルム取付装置は、前記コンベアの上方に配置され、かつ、前記保護フィルムを前記複数の包装袋にわたって熱シールによって取り付けるシールバーを備えている、請求項2に記載の包装袋製造装置。
【請求項4】
前記シールバーは、前記保護フィルムに対して、前記複数の包装袋の前記横方向の全長にわたって熱シールを行うとともに、前記複数の包装袋に形成された前記複数の縦シール部の延長上に熱シールを行う、請求項3に記載の包装袋製造装置。
【請求項5】
前記保護フィルムの溶融温度は前記シート状のフィルムの溶融温度よりも低く、
前記シールバーは、前記保護フィルムの溶融温度以上の温度であって、前記シート状のフィルムの溶融温度よりも低い温度で熱シールを行う、請求項3または4に記載の包装袋製造装置。
【請求項6】
前記保護フィルム装着機は、前記袋保持装置によって保持された前記複数の包装袋の上端を覆うように前記保護フィルムを搬送する保護フィルム搬送装置をさらに有している、請求項2から4のいずれか1項に記載の包装袋製造装置。
【請求項7】
前記保護フィルム搬送装置は、長尺形状の前記保護フィルムを両端部が重ね合わされるように折り込む折り込み板と、折り込まれた前記保護フィルムの折り込み部を熱シールするシールバーと、折り込まれた前記保護フィルムを搬送する搬送機構とを有している、請求項6に記載の包装袋製造装置。
【請求項8】
シート状のフィルムの両側端部を互いに重ね合わせて下方に送り、筒状フィルムを形成する工程と、
前記筒状フィルムの内部空間を横方向において複数の収容空間に仕切る複数の縦シール部を前記筒状フィルムに形成する工程と、
前記複数の収容空間の各々に製品を投入する工程と、
前記筒状フィルムに、各々の前記収容空間に対応して形成された複数の口栓の形を有する第1のシール部と、前記筒状フィルムの全幅にわたって横方向に延びた第2のシール部とを熱シールによって形成し、前記筒状フィルムを前記第1のシール部と前記第2のシール部との間で切断する工程と、
を含み、各々が前記口栓を備えた複数の包装袋を横方向に並んだ状態で製造する包装袋の製造工程と、
さらに、
横方向に並んだ前記複数の包装袋の前記第1のシール部の全体を覆う保護フィルムを前記複数の包装袋にわたって取り付ける工程と、
前記保護フィルムが取り付けられた前記複数の包装袋において隣接する包装袋間の部分の保護フィルムを前記複数の縦シール部に沿って切断し、前記複数の包装袋を個々の包装袋に分離する工程と、
を含む保護フィルム装着工程と、
を有する包装袋製造方法。
【請求項9】
前記充填包装機によって製造された横方向に並んだ前記複数の包装袋を前記充填包装機から受け取って立った状態で保持する袋保持装置が設けられたコンベアを用い、
前記保護フィルム装着工程は、前記コンベアの前記袋保持装置により、横方向に並んだ前記複数の包装袋を前記充填包装機から受け取って立った状態で収容保持しながら実施する、請求項8に記載の包装袋製造方法。
【請求項10】
前記保護フィルムを前記複数の包装袋に取り付ける工程は、前記コンベアの上で、前記保護フィルムを前記複数の包装袋にわたって熱シールによって取り付けることを含む、請求項9に記載の包装袋製造方法。
【請求項11】
前記保護フィルムに対して、前記複数の包装袋の前記横方向の全長にわたって熱シールを行うとともに、前記複数の包装袋に形成された前記複数の縦シール部の延長上に熱シールを行う、請求項10に記載の包装袋製造方法。
【請求項12】
前記保護フィルムの溶融温度は前記シート状のフィルムの溶融温度よりも低く、
前記保護フィルムの溶融温度以上の温度であって、前記シート状のフィルムの溶融温度よりも低い温度で熱シールを行う、請求項10または11に記載の包装袋製造方法。
【請求項13】
前記保護フィルム装着工程は、前記袋保持装置によって保持された前記複数の包装袋の上端を覆うように前記保護フィルムを搬送する工程をさらに含んでいる、請求項9から12のいずれか1項に記載の包装袋製造方法。
【請求項14】
前記保護フィルムを搬送する工程は、長尺形状の前記保護フィルムを両端部が重ね合わされるように折り込むことと、折り込まれた前記保護フィルムの折り込み部を熱シールすることと、折り込まれた前記保護フィルムを搬送することを含んでいる、請求項13に記載の包装袋製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−143619(P2010−143619A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323742(P2008−323742)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(596088093)オリヒロエンジニアリング株式会社 (15)
【Fターム(参考)】