説明

化学分析装置

【課題】検体及び試薬を基板管の隙間に確実に注入することができ、基板管の隙間の気泡を容易に排出することができる化学分析装置を提供する。
【解決手段】互いに平行には配置された複数の基板は垂直に又は垂直方向に対して傾斜して配置されている。基板管の隙間にオイルが充填され、オイルに試料及び試薬を注入する。オイルが試料、試薬、及び、反応生成物より重い場合には、エレクトロウェッティングと重力を利用して液の移動を行う。この場合、基板間の隙間の上端に、プローブ挿入用ガイドを配置する。オイルが試料、試薬、及び、反応生成物より軽い場合には、エレクトロウェッティングと浮力を利用して液の移動を行う。この場合、基板間の隙間の下端に、プローブ挿入用ガイドを配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体中に含まれる微量物質を分析する化学分析装置に関し、特に、誘電泳動又はエレクトロウェッティングを利用して液滴を利用する化学分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微小粒子や液滴が、静電場によって電場の強い部分もしくは弱い部分へ移動する現象が知られている。これは、誘電泳動と呼ばれ、基板上で液滴や微粒子、細胞などを搬送する技術として利用されている(非特許文献1)。また、液滴と基板の間に電位差を与えると、液滴の基板に対する見掛けの濡れ性が変化する現象が知られている。これは、エレクトロウェッティングと呼ばれ、液滴を電極列に沿って搬送する技術として利用されている(特許文献1、特許文献2、非特許文献2)。
【0003】
これらの技術は、操作可能な液滴の体積が、数ナノリットルから数マイクロリットルの微量であるという特徴を持つ。そのため、これらの技術を、高価な試薬を扱う化学分析装置に利用すれば、ランニングコストを低減することが可能であり、その要素技術として有望視されている。また、操作可能な液量の微量化が実現できれば、化学分析装置のサイズを小型化できるなどの副次的な利点もある。
【0004】
このような搬送技術を利用した装置の構成として、一枚の基板上で液滴を搬送する方式と、二枚の基板間に液滴を挟み込み、その間で液滴を搬送する方式がある。液滴の微量化という観点からは二枚の基板を用いる方式が好ましい。
【0005】
また、基板を水平に配置する水平型と、基板を垂直に配置する垂直型がある。垂直型は液滴の移動に重力及び浮力を利用することができること、気泡の排出が容易である等の利点を有する。
【0006】
更に、液滴の蒸発の防止や、基板との摩擦の低減のために、液滴の周囲に、液滴と混ざり合わないオイルなどの媒体を充填する方法も用いられる。
【0007】
【特許文献1】特開2005-30987号公報
【特許文献2】米国特許第6565727号明細書
【非特許文献1】静電気学会、新版静電気ハンドブック、1998、オーム社、東京、pp.850-867.
【非特許文献2】Lab on a Chip、 vol.2、 2002、 pp.96-101.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、誘電泳動又はエレクトロウェッティングを利用して液滴を利用する技術では、垂直に配置した2枚の基板の間で液滴を移動させる方式が好ましい。しかしながら、基板間に試料、試薬等を注入する技術及び基板間から廃液を排出する技術が確立していない。例えば特許文献2には、二枚の基板間へ液滴を導入する概念が記載されているが、それを実現するための具体的な方法は記載されていない。
【0009】
本発明の目的は、基板間の隙間に試料及び試薬を確実に注入することができ、基板間の隙間から廃液を容易に排出することができ、分析精度が高く、且つ、分析のスループットの高い化学分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、互いに平行には配置された複数の基板は垂直に又は垂直方向に対して傾斜して配置されている。基板間の隙間にはオイルが充填されている。このオイルに試料及び試薬を注入する。試料及び試薬を誘電泳動又はエレクトロウェッティングを利用して移動させ、反応生成物を生成する。反応生成物は、検出器によって検出される。
【0011】
基板の傾斜角度を調節することにより、基板間の隙間を移動する液滴、気泡、及び、廃液の移動速度を調整することができる。
【0012】
オイルが試料、試薬、及び、反応生成物より重い場合には、誘電泳動又はエレクトロウェッティングと重力を利用して液の移動を行う。この場合、基板間の隙間の上端に、プローブ挿入用ガイドを配置し、基板間の隙間の底部に廃液排出管を接続する。
【0013】
オイルが試料、試薬、及び、反応生成物より軽い場合には、誘電泳動又はエレクトロウェッティングと浮力を利用して液の移動を行う。この場合、基板間の隙間の下端に、プローブ挿入用ガイドを配置し、基板間の隙間の上端に廃液排出管を接続する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、基板間の隙間に試料及び試薬を確実に注入することができ、基板間の隙間から廃液及び気泡を容易に排出することができ、分析精度が高く、且つ、分析のスループットの高い化学分析装置を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1を参照して、本発明の化学分析装置の例を説明する。ここでは、分析対象として、生体試料、即ち、検体を例に説明する。しかしながら、本発明の化学分析装置は、生体試料ばかりでなく各種の化学物質、製薬物質等を分析することができる。更に、ここでは、エレクトロウェッティングを利用して液滴を利用する場合を説明するが、本発明の化学分析装置は、誘電泳動を利用して液滴を利用することもできる。
【0016】
本例の化学分析装置は、複数の液滴搬送用の基板1000を有する分析デバイス100、分析デバイス100へオイルを注入するオイル注入機構200、血清等の検体試料が収容された検体カップ310を保持する回転可能な検体ディスク311、検体カップ310から検体を採取して基板間の隙間へ注入する検体注入機構300、試薬が収容された試薬ボトル410を保持する回転可能な試薬ディスク411、試薬ボトル410から試薬を採取して基板間の隙間へ注入する試薬注入機構400、分析デバイス100から排出された廃液からオイルを回収するオイル回収機構500、及び、これらの機構を制御するコントローラ600を有する。
【0017】
尚、図1の例では、基板1000は垂直に配置されているが、本発明によると、基板は、垂直方向に対して所定の角度にて傾斜して配置されてよい。以下に、図面では、基板は垂直方向に沿って配置された状態を示すが、特に説明しなくても、垂直方向に対して所定の角度にて傾斜して配置された場合を含むものとして説明する。
【0018】
オイル注入機構200は、プローブ201、プローブに接続されたチューブ202、チューブに接続されたポンプ203、プローブを支持するアーム204、プローブ201を上下方向及び回転方向に移動させるプローブ移動機構205を有する。
【0019】
検体注入機構300は、プローブ301、プローブに接続されたチューブ302、チューブに接続されたポンプ303、プローブを支持するアーム304、プローブ301を上下方向及び回転方向に移動させるプローブ移動機構305を有する。
【0020】
試料注入機構400は、プローブ401、プローブに接続されたチューブ402、チューブに接続されたポンプ403、プローブを支持するアーム404、プローブ401を上下方向及び回転方向に移動させるプローブ移動機構405を有する。
【0021】
オイル回収機構500は、分析デバイス100の底に設けられた廃液排出管502、廃液排出バルブ503、廃液容器504、オイル回収装置505、及び、オイル容器506を有する。
【0022】
分析デバイス100は、オイル101を収容するオイル槽102を有する。オイル槽102には、複数の液滴搬送用の基板1000が、互いに平行に所定の間隔にて配置されている。これらの基板の両側には、スペーサ103が配置されている。スペーサ103は、基板を所定の間隔にて保持すると同時に基板間の液を保持する機能を有する。基板の下端は図示しない基板支持部によって支持されている。液は、基板とスペーサと基板支持部によって形成される空間に保持される。基板支持部には、廃液排出管502が接続されている。
【0023】
基板1000は、オイル槽102に収容されているオイル101に浸かっている。オイル101は、基板間の液と反応しない且つ混ざり合わないものであればよく、例えば、フッ素オイルである。
【0024】
分析デバイス100の上端には、基板間の隙間に挿入するプローブを案内するためのプローブ挿入用ガイド104が設けられている。分析デバイス100の両側には、基板間の隙間にて生成された反応生成物を検出するための検出器105が設けられている。検出器105は例えば吸光度を測定する。分析デバイス100は、分析デバイス用ステージ110上に配置されている。
【0025】
本例の化学分析装置の動作を簡単に説明する。先ず、オイル101をオイル槽102に充填する。プローブ移動機構205によってアーム204を移動させ、プローブ201の先端を、オイル槽102に挿入する。このとき、分析デバイス用ステージ110を移動させることにより、プローブ201とオイル槽102の間の相対的位置を正確に調整することができる。ポンプ203を作動し、オイル容器506内のオイルをプローブ201から、オイル槽102に注入する。尚、基板間の隙間にもオイルを注入する。この場合には、プローブ201の先端をプローブ挿入用ガイド104に挿入する。オイルの充填が終了したら、ポンプ203を停止し、プローブ移動機構205によってアーム204を移動させ、プローブ201を元の待機位置に戻す。
【0026】
次に、分析対象の検体を基板間の隙間に注入する。検体ディスク311を回転させ、分析対象の検体が収容されている検体カップ310を、検体採取位置に配置する。プローブ移動機構305によってアーム304を移動させ、プローブ301の先端を、検体採取位置に配置された検体カップ310に挿入する。ポンプ303を作動し、検体カップ310内の検体をプローブ301から吸引する。
【0027】
プローブ移動機構305によってアーム304を移動させ、プローブ301の先端を、基板の上端のプローブ挿入用ガイド104に挿入する。このとき、分析デバイス用ステージ110を移動させることにより、プローブ301の位置を正確に調整する。分析ポンプ303を作動し、プローブ301内の検体を基板間の隙間に注入する。プローブ移動機構305によってアーム304を移動させ、プローブ301を元の待機位置に戻す。
【0028】
次に、試薬を基板間の隙間に注入する。試薬ディスク411を回転させ、所定の試薬が収容されている試薬ボトル410を、試薬分注位置に配置する。プローブ移動機構405によってアーム404を移動させ、プローブ401の先端を、試薬分注位置に配置された試薬ボトル410に挿入する。ポンプ403を作動し、試薬ボトル410内の試薬をプローブ401から吸引する。プローブ移動機構405によってアーム404を移動させ、プローブ401の先端を、検体が注入された基板間の隙間に配置されたプローブ挿入用ガイド104に挿入する。このとき、分析デバイス用ステージ110を移動させことにより、プローブ401の位置を正確に調整する。ポンプ403を作動し、プローブ401内の試薬を基板間の隙間に注入する。プローブ移動機構405によってアーム404を移動させ、プローブ401を元の待機位置に戻す。
【0029】
基板間の隙間に配置された検体と試薬は、それぞれ、隙間内を移動する。検体と試薬が混合し、反応する。反応生成物は検出器105によって検出される。検出器105は、例えば、吸光度分析を行う。検出器105からの出力信号は、図示しないコンピュータに送信される。
【0030】
次に、オイル回収機構について説明する。分析デバイスにおける分析が終了すると、廃液排出バルブ503を開ける。基板間に保持されている反応生成物を含む廃液は、廃液排出管502を経由して廃液容器504に流出する。廃液容器504に収容された廃液501は、図示しないポンプによってオイル回収装置505に送られる。オイル回収装置505は、廃液とオイルを分離する。分離方法は、例えば、比重差を利用する。分離されたオイルは、図示しないポンプによってオイル容器506に送られる。一方、分離された廃液は、処分される。
【0031】
図2を参照して、本発明の分析デバイス100の第1の例を説明する。本例の分析デバイスでは、検体、試薬、及び、反応生成物の比重よりも小さい比重のオイル101を使用する。
【0032】
図2Aは、分析デバイス100を基板1000に直交する垂直面に沿って切断した断面構成を示す。本例の分析デバイスは、オイル槽102と1対の基板1001、1002を有する。基板の外側にはオイル101が充填されている。2つの基板間の隙間には、オイル101と液滴150が配置されている。即ち、液滴150の周囲は、オイル101によって保持されている。液滴150は、検体、試薬、又は、反応生成物である。2つの基板の外側に且つ2つの基板を挟むように1対の検出器105が設けられている。検出器105によって、液滴150の吸光度等が検出される。検出器105の構造及び機能の詳細は、後に説明する。
【0033】
基板1001、1002の上端に、プローブ挿入用ガイド104が装着されている。基板1001、1002の下端は、基板支持部106によって支持されている。基板支持部106には、チューブコネクタ107が装着されている。チューブコネクタ107には廃液排出管502が接続されている。基板間の隙間108は、廃液排出管502に接続されている。
【0034】
左側の基板1001は、ガラス板1001aと、その内面に形成された電極1001bと、電極を覆うように形成された絶縁膜1001cと、最も内側の撥水膜1001dを有する。電極1001bは、一辺が数ミリメートルの電極が並んで配置された電極列からなる。右側の基板1002は、ガラス板1002aと、その内面に形成された共通電極1002bと、共通電極を覆うように形成された撥水膜1002cを有する。共通電極1002bは、ガラス板1002aを覆うように形成される。
【0035】
電極1001b及び共通電極1002bは、基板支持部106に形成された接点に接触している。基板支持部106の接点は、外部の電源に接続されている。電極1001bを構成する電極の1つと共通電極1002bの間に電圧を印加することにより、2つの基板の内面の濡れ性が変化し、液滴150が移動する。
【0036】
図2Bを参照して、プローブ301を介して検体を分析デバイス100に挿入する方法を説明する。図2Bは、図2Aに示した分析デバイスの上端部の詳細を示す。2つの基板1001、1002の間の隙間108にはオイル101が充填されている。2つの基板の外側にもオイル101が充填されている。プローブ301をプローブ挿入用ガイド104に挿入する。プローブ挿入用ガイド104は、円錐形状のテーパ口104aを有する。一方、プローブ301は、樹脂等の柔軟な材料によって形成されている。プローブ301の先端が、プローブ挿入用ガイド104のテーパ口104aに当接すると、プローブ301の先端は、テーパ口の円錐面に沿って変形する。そのため、プローブ301の中心軸線が、プローブ挿入用ガイド104の中心軸線に一致していなくても、即ち、プローブ301の位置に誤差があっても、プローブ301の先端を、プローブ挿入用ガイド104を経由して、基板間の隙間に確実に挿入することができる。
【0037】
プローブ301から検体を放出すると、検体の比重は、オイル101の比重より大きいから、検体は、重力によって下方への力を受ける。検体は、オイル101内に沈み、液滴150を形成する。このとき、検体と共にオイル内に混入した気泡151は上方に移動し、オイル101の外部に放出される。
【0038】
基板1001、1002の内面は、撥水膜1001d、1002cによってそれぞれ覆われている。撥水膜は疎水性であるため、オイル101の撥水膜1001d、1002cに対する接触角は非常に小さいか、又は、オイル101は撥水膜上を完全に濡れ広がることができる。従って、気泡151の撥水膜に対する付着力は浮力に比べて十分に小さく、気泡151は浮力によって確実に排出される。
【0039】
基板間の隙間108に試薬を注入する場合も同様である。試薬による液滴150が生成される。
【0040】
次に、基板間の隙間にて、液滴を移動させる方法を説明する。本例では、液滴150の比重は、オイルの比重より大きい。従って、液滴150には、重力と浮力の差に相当する下方への力が作用する。それによって液滴150は、基板間の隙間にて下降する。液滴に作用する下方への力は小さく、且つ、オイルの粘性は十分に大きいから、液滴150はゆっくりと下降する。一方、左側の基板の1つの電極と右側の基板の共通電極の間に電圧を印加すると、液滴は静電気力によって、左側の基板の電極に引き付けられる。液滴に作用する静電気力が下方への力に打ち勝つと、液滴は、静電気力によって保持される。こうして、液滴150に作用する重力と静電気力を利用して、液滴を基板間の隙間にて移動させることができる。
【0041】
本発明によると、基板を垂直方向に対して所定の角度にて傾斜させることにより、液滴に作用する重力に起因した下方の力を減少させる。基板を傾斜させると、液滴は、基板に沿って移動する。従って、液滴が移動する経路は垂直方向ではなく基板の最大傾斜方向である。このとき、液滴に作用する下方の力は、液滴の経路に沿った方向である。この力は、重力の値より小さい。基板の傾斜角を変化させることによって、液滴に作用する下方へ移動させる力を調整することができる。
【0042】
上述のように、左側の基板1001の電極1001bは、一列に並んだ複数の電極からなる。最初、第1番目の電極と共通電極の間に電極が印加されている。液滴150は、第1番目の電極に保持されている。第1番目の電極への印加電圧を遮断し、第2番目の電極と共通電圧の間に電圧を印加する。それによって、液滴は、第1番目の電極の位置から第2番目の電極の位置に移動する。このような動作を繰り返すことによって、液滴を電極例に沿って移動させることができる。
【0043】
電極列が垂直方向に沿って配置されている場合ばかりでなく、電極列が水平方向に沿って配置されている場合も同様に、液滴を電極列に沿って移動させることができる。
【0044】
電極列には、反応部が設けられている。反応部は、検出器105の光路を横切る位置に設けられた電極である。先ず、検体を反応部に移動させ、次に、試薬を反応部に移動させる。反応部では、検体と試薬が混合し、反応生成物が生成される。尚、検体と試薬の混合を促進するために、混合物を所定の電極列に沿って往復運動させてもよい。反応部における反応が十分に進んだとき、検出器105によって、反応生成物を検出する。検出器105は、例えば、基板の一方の側に設けられた発光装置と基板の反対側に設けられた受光装置を含むように構成してよい。発光装置からの所定の波長の光は、反応部に生成された反応生成物を透過し、受光装置によって検出される。受光装置によって検出された検出信号より、吸光度を検出する。
【0045】
反応生成物の分析が終了したら、全ての電極への印加電圧を遮断する。反応生成物は、オイル中を落下し、分析デバイスの底部に蓄積される。
【0046】
図2Cを参照して、分析デバイスの底部より、廃液501を排出する方法を説明する。図2Cは、図2Aに示した分析デバイスの下端部の詳細を示す。
【0047】
スペーサ103の下部の内面はテーパが形成されている。スペーサ103の下端には、チューブコネクタ107が設けられている。チューブコネクタ107に廃液排出管502が装着されている。廃液排出管502には、廃液排出バルブ503が設けられている廃液排出管502の先端は、廃液容器504に接続されている。
【0048】
廃液501は、スペーサ103の下部のテーパ部に蓄積される。廃液排出バルブ503を開けると、廃液501は、水頭差によって廃液排出管502を落下し、廃液容器504に排出される。
【0049】
次に、基板1001、1002の作製方法を説明する。先ず、左側の基板1001の作製方法を説明する。先ず、ガラス板を用意し、その表面に、ITO等の透明導電膜を形成する。ガラス板の代わりに石英板等の絶縁基板を用いてよい。透明導電膜の形成方法は、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法等である。次に、電極が形成された面を覆うように、パリレン(商品名、スリーボンド社)等の有機絶縁膜、又は、SiO2等の無機絶縁膜を形成する。絶縁膜形成方法は、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法等である。次に、この絶縁膜上に、テフロンAF1600(商品名、デュポン社)、サイトップ(商品名、旭硝子社)等からなる撥水膜を形成する。撥水膜の形成方法は、ディップコート法、スピンコート法等である。
【0050】
次に、右側の電極1002の作製方法を説明する。先ず、ガラス板、石英板等の絶縁基板を用意し、その表面を覆うように、ITO等の透明導電膜を形成する。透明導電膜の形成方法は、左側の基板1001の場合と同様である。但し、右側の電極1002の場合、共通電極を全面的に形成する。次に、撥水膜を形成する。撥水膜の形成方法は、左側の基板1001の場合と同様である。
【0051】
図3を参照して本発明による分析デバイスの第2の例を説明する。本例の分析デバイスでは、検体、試薬、及び、反応生成物の比重よりも小さい比重のオイル101を使用する。図3は、本例の分析デバイス100を基板1000に直交する垂直面に沿って切断した断面構成を示す。本例では、オイル槽102に、複数の基板が配置されている。これらの基板のうち、外側の2つの基板1001、1002は、図2Aの分析デバイスに用いられている基板1001、1002と同一である。これらの基板のうち、内側の基板1003、1004、1005は、外側の基板1001、1002とは異なる。これらの基板1003、1004、1005の各々は、図2Aの分析デバイスに用いられている2つの基板1001、1002を張り合わせた構造を有する。例えば、基板1005は、ガラス基板1005aと、その一方の面に形成された共通電極1005bと、共通電極を覆うように形成された撥水膜1005cと、ガラス基板の他方の面に形成された電極1005dと、電極1005dを覆うように形成された絶縁膜1005eと、絶縁膜を覆うように形成された撥水膜1005fとを有する。本例の分析デバイスは、図2の例と比較して、3つ以上の基板が用いられている点が異なり、それ以外の構造は図2の例と同様である。
【0052】
図4を参照して本発明による分析デバイスの第3の例を説明する。本例の分析デバイスでは、検体、試薬、及び、反応生成物の比重よりも大きい比重のオイル101を使用する。図4は、本例の分析デバイスを基板1000に平行な垂直面で切断した断面構成を示す図である。
【0053】
本例の分析デバイスは、オイル槽102と複数の基板1000を有する。基板1000は、図2に示したように1対の基板を含む場合であってもよいが、図3に示したように複数の基板を含む場合であってもよい。オイル槽102には、オイル101が充填されている。本例では、プローブ301aの先端301bはL字形に形成されている。基板1000の下端近くに、プローブ挿入用ガイド104aが設けられている。オイル槽102に配置されたオイルの表面より僅かに下方の位置に、オイル槽102の壁面を貫通するようにチューブコネクタ107aが設けられている。チューブコネクタ107aには、廃液排出管502が接続されている。オイル槽102に収容されたオイルの上部は、廃液排出管502に接続されている。更に、基板1000の上端近くには、廃液ガイド160が設けられている。廃液ガイド160は、撥水膜が塗布された傾斜面を有する。
【0054】
プローブ301aの先端301bを、プローブ挿入用ガイド104aに挿入し、プローブ301aから検体を基板間の隙間に注入する。このとき、検体と同時に空気がオイルに混入される。気泡151は、オイル中を上昇し、廃液ガイド160に沿って移動し、オイルより空中に放出される。試薬も同様に、基板間の隙間に注入される。
【0055】
次に、基板間の隙間にて、検体、試薬等の液滴を移動させる方法を説明する。本例では、液滴150の比重は、オイルの比重より小さい。従って、液滴150には、浮力と重力の差に相当する上方への力が作用する。それによって液滴150は、基板間の隙間にて上昇する。液滴に作用する上方への力は小さく、且つ、オイルの粘性は十分に大きいから、液滴150はゆっくりと上昇する。一方、左側の基板の1つの電極と右側の基板の共通電極の間に電圧を印加すると、液滴は静電気力によって、左側の基板の電極に引き付けられる。液滴に作用する静電気力が上方への力に打ち勝つと、液滴は、静電気力によって保持される。こうして、液滴150に作用する浮力と静電気力を利用して、液滴を基板間の隙間にて移動させることができる。
【0056】
液滴を電極列に沿って移動させる方法及び反応生成物を検出器105によって検出する方法は、図2Aの例の場合と同様である。
【0057】
反応生成物の分析が終了したら、全ての電極への印加電圧を遮断する。反応生成物を含む廃液501は、オイル中を上昇し、廃液ガイド160に到達する。廃液501は、廃液ガイド160の下側の傾斜面に沿って移動し、オイル槽102の壁面近くに導かれる。オイル槽102の壁面付近に蓄積された廃液501は、廃液排出管502を経由して排出される。
【0058】
図5〜図8を参照して、検出器105の構成について説明する。ここでは、反応生成物を、吸光度を測定することにより分析する場合を説明する。検出器105は、発光部105aと受光部105bを有する。
【0059】
図5を参照して検出器の第1の例を説明する。図5Aは、オイル槽102から取り出した5枚の基板1001〜1005を示す斜視図であり、図5Bは、その上面図である。本例の検出器は4つの発光部105aと4つの受光部105bを有する。5枚の基板によって4つの隙間が形成されている。4つの隙間の一方の側に、4つの発光部105aが設けられ、その反対側に4つの受光部105bが設けられている。即ち、発光部105aと受光部105bは、各隙間に設けられている。
【0060】
図5Bに示すように、発光部105aからの光105cは、透明なスペーサ103、オイル101を経由して、反応生成物からなる液滴150に到達する。液滴150を透過した光は、オイル101、スペーサ103を経由して、受光部105bに到達する。受光部105bは、例えば、吸光度を測定する。
【0061】
図6を参照して検出器の第2の例を説明する。図6Aは、オイル槽102から取り出した5枚の基板1001〜1005を示す斜視図であり、図6Bは、その上面図である。本例では、本例の検出器は1つの発光部105aと発光部移動機構105Aと1つの受光部105bと受光部移動機構105Bを有する。5枚の基板によって4つの隙間が形成される。これらの隙間の一方の側に、発光部105aと発光部移動機構105Aが設けられ、その反対側に受光部105bと受光部移動機構105Bが設けられている。本例では、発光部105aと受光部105bは、それぞれ1つしか設けられていないが、それぞれ移動機構によって移動することができる。発光部105aは発光部移動機構105Aによって任意の隙間の前に配置することができる。受光部105bも同様に受光部移動機構105Bによって任意の隙間の前に配置することができる。
【0062】
図6Bに示すように、発光部105aと受光部105bは同一の隙間の両側に配置される。こうして、発光部105aと受光部105bを、それぞれ移動機構によって移動させることによって、隙間に配置され液滴を順に測定することができる。
【0063】
図7を参照して、分析デバイスの他の例を説明する。図7は、図5B及び図6Bと同様に、オイル槽102から取り出した5枚の基板1001〜1005の上面図である。図示のように、本例では、基板間の隙間にて、液滴150を挟むように透明な液滴整形部材155が設けられている。図5B及び図6Bに示す例では、液滴150はオイル101によって保持されているため、表面張力によって自由表面が湾曲している。そのため、発光部105aからの光の一部は、湾曲した液滴の表面にて反射し、又は、散乱する。そのため、受光部105bによって受光される光が減少する。
【0064】
本例では、液滴150は、液滴整形部材155の間に保持されている。従って、発光部105aからの光が入射する液滴の面は、平面であり且つ入射光に垂直である。従って、発光部105aからの光が、液滴の入射面にて反射又は散乱することはなく、全ての光は液滴を透過する。
【0065】
図8を参照して検出器の第3の例を説明する。図8Aは、オイル槽102から取り出した5枚の基板1001〜1005を示す斜視図であり、図8Bは、その下面図である。図示のように、本例では、基板は長方形部分とその下方に突出した突起部からなる。これらの突起部は隣接する基板の突起部との間に隙間を形成し、これらの突起部間の隙間に、反応生成物である液滴150が配置される。
【0066】
図8Bに示すように、第1の基板1001の突起部1001Aと第2の基板1002の突起部1002Aの間の隙間、第2の基板1002の突起部1002Aと第3の基板1003の突起部1003Aの間の隙間、第3の基板1003の突起部1003Aと第4の基板1004の突起部1004Aの間の隙間、及び、第4の基板1004の突起部1004Aと第5の基板1005の突起部1005Aの間の隙間に、それぞれ液滴150が配置されている。第1の基板1001の突起部1001Aと第5の基板1005の突起部1005Aの寸法は比較的小さいが、第2、第3、及び、第4の基板の突起部1002A、1003A、1004Aの寸法は比較的小さい。本例では、5枚の基板の突起部によって4つの隙間が形成されている。従って、4つの隙間に、4つの液滴150が、それぞれ配置されている。これらの液滴150は、互いに、重なり合わないように、基板に平行な方向に沿って、ずれている。
【0067】
これらの液滴150の両側に、発光部105aと受光部105bがそれぞれ配置されている。発光部105aと受光部105bは、基板の突起部上に配置されている。従って、これらの検出部の光軸は、一定の間隔にて、且つ、基板に直交するように、配置されている。発光部105aからの光は、透明な基板を透過し、液滴150を通過し、再度、透明な基板を通過し、受光部105bによって受光される。
【0068】
図6の例と本例を比較すると、図6の例では、検出器の光軸は、基板に平行に配置されているが、本例では、検出器の光軸は、基板に直交するように配置されている。図6の例では、発光部105aと受光部105bの間の距離は、基板の1辺の寸法に等しいが、本例では、発光部105aと受光部105bの間の距離は、2つの基板の外面の間の距離に等しい。即ち、本例では、発光部105aと受光部105bの間の距離が短い。図6の例では、発光部105aからの光は、液滴の自由面に入射され、反対側の液滴の自由面から出射される。即ち、発光部105aからの光の入射面及び出射面は、表面張力によって湾曲されている自由面である。一方、本例では、発光部105aからの光の入射面及び出射面は、透明な基板に接している平面である。従って、入射面及び出射面における光の散乱又は反射が回避される。
【0069】
以上本発明の例を説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の化学分析装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の分析デバイスの第1の例の構造を示す図である。
【図3】本発明の分析デバイスの第2の例の構造を示す図である。
【図4】本発明の分析デバイスの第3の例の構造を示す図である。
【図5】本発明の分析デバイスの基板及び検出器の第1の例の構造を示す図である。
【図6】本発明の分析デバイスの基板及び検出器の第2の例の構造を示す図である。
【図7】本発明の分析デバイスの基板及び検出器の第3の例の構造を示す図である。
【図8】本発明の分析デバイスの基板及び検出器の第4の例の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
100…分析デバイス、101…オイル、102…オイル槽、103…スペーサ、104…プローブ挿入用ガイド、105…検出器、105a…発光部、105b…受光部、106…基板支持部、107…チューブコネクタ、108…隙間、110…分析デバイス用ステージ、150…液滴、151…気泡、155…液滴整形部材、160…廃液ガイド、200…オイル注入機構、201…プローブ、202…チューブ、203…ポンプ、204…アーム、205…プローブ移動機構、300…検体注入機構、301…プローブ、302…チューブ、303…ポンプ、304…アーム、305…プローブ移動機構、310…検体カップ、311…検体ディスク、400…試料注入機構、401…プローブ、402…チューブ、403…ポンプ、404…アーム、405…プローブ移動機構、410…試薬ボトル、411…試薬ディスク、500…オイル回収機構、501…廃液、502…廃液排出管、503…廃液排出バルブ、504…廃液容器、505…オイル回収装置、506…オイル容器、600…コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に配置された複数の基板と該基板間の隙間にて生成された反応生成物を検出するための検出器とを有し誘電泳動又はエレクトロウェッティングによって上記基板間の隙間にて液滴を移動させるように構成された分析デバイスと、試料を上記基板間の隙間へ注入するプローブを備えた試料注入機構と、試薬を上記基板間の隙間へ注入するプローブを備えた試薬注入機構と、を有する化学分析装置において、
上記分析デバイスは、上記基板間を一定の間隔にて保持するスペーサと、上記基板の下端を保持するための基板支持部と、上記基板間の隙間に挿入されるプローブを案内するためのプローブ挿入用ガイドと、上記基板間の隙間に接続された廃液排出管と、を有し、上記スペーサと上記基板支持部によって囲まれた上記基板間の隙間はオイルによって充填され、上記プローブ挿入用ガイドを介して試料及び試薬が上記基板間の隙間のオイル中に導入され、上記廃液排出管を介して上記基板間の隙間のオイル中の廃液が排出されることを特徴とする化学分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の化学分析装置において、上記基板は、垂直方向に対して所定の傾斜角にて傾斜していることを特徴とする化学分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の化学分析装置において、オイルを収納するオイル槽が設けられ、上記基板は該オイル槽のオイル内に浸かっていることを特徴とする化学分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の化学分析装置において、
上記基板は互いに向き合う第1及び第2の基板を有し、上記第1及び第2の基板の互いに向き合う2つの面の一方の面に複数の電極を含む電極列が設けられ、2つの面の他方の面に共通電極が設けられ、
上記電極列のうちの1つの電極と上記共通電極の間に電圧を印加することにより、上記第1及び第2の基板間の隙間にて液滴を移動させるように構成されていることを特徴とする化学分析装置。
【請求項5】
請求項4記載の化学分析装置において、上記電極列及び上記共通電極を覆うように撥水膜がそれぞれ設けられていることを特徴とする化学分析装置。
【請求項6】
請求項1記載の化学分析装置において、上記オイルは上記試料、上記試薬及び上記反応生成物の比重より大きい比重を有することを特徴とする化学分析装置。
【請求項7】
請求項6記載の化学分析装置において、上記プローブ挿入用ガイドは、上記基板間の上端に配置されていることを特徴とする化学分析装置。
【請求項8】
請求項6記載の化学分析装置において、上記廃液排出管は、上記基板間の下端に配置されていることを特徴とする化学分析装置。
【請求項9】
請求項1記載の化学分析装置において、上記オイルは上記試料、上記試薬及び上記反応生成物の比重より小さい比重を有することを特徴とする化学分析装置。
【請求項10】
請求項9記載の化学分析装置において、上記プローブ挿入用ガイドは、上記基板間の下端に配置されていることを特徴とする化学分析装置。
【請求項11】
請求項9記載の化学分析装置において、上記廃液排出管は、上記基板間の隙間の上端に配置されていることを特徴とする化学分析装置。
【請求項12】
互いに平行に配置された複数の基板と、上記基板に形成された電極と、上記基板間の隙間に充填されたオイルと、上記電極に電圧を印加することによって上記基板間の隙間のオイル内に導入された試料、試薬及び該試料と試薬の反応生成物を誘電泳動又はエレクトロウェッティングによって移動させるように構成された分析デバイスにおいて、
上記基板間の隙間のオイルにて生成された上記反応生成物を検出する検出器が設けられ、該検出器は光を発光する発光部と光を受光する受光部とを有し、上記発光部からの光は上記基板間の隙間に配置された反応生成物を透過し、上記受光部によって受光されることを特徴とする分析デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の分析デバイスにおいて、上記発光部から上記受光部までの光の経路は、上記基板に直交し、上記発光部からの光は上記基板を透過し、上記基板間の隙間に配置された反応生成物を透過し、上記基板を透過し、上記受光部によって受光されることを特徴とする分析デバイス。
【請求項14】
請求項13記載の分析デバイスにおいて、上記基板は互いに平行に配置された1対の基板からなることを特徴とする分析デバイス。
【請求項15】
請求項13記載の分析デバイスにおいて、上記基板は少なくとも3つの基板を含み、上記基板の各々は方形部と該方形部から突出した突起部を有し、該突起部は隣接する基板の突起部と重なるように形成され、該重なり合った隣接する基板の突起部の間の隙間毎に上記反応生成物が配置され、該反応生成物毎に上記発光部と上記受光部が配置され、上記発光部からの光は上記基板の突起部を透過し、上記基板の突起部間の隙間に配置された反応生成物を透過し、上記基板の突起部を透過し、上記受光部によって受光されることを特徴とする分析デバイス。
【請求項16】
請求項15記載の分析デバイスにおいて、上記反応生成物は所定の等間隔にて配置され、上記発光部から上記受光部までの光の経路は、所定の等間隔にて配置されていることを特徴とする分析デバイス。
【請求項17】
請求項12に記載の分析デバイスにおいて、上記発光部から上記受光部までの光の経路は、上記基板に平行であり、上記発光部からの光は、上記基板間の隙間に配置された反応生成物を透過し、上記受光部によって受光されることを特徴とする分析デバイス。
【請求項18】
請求項17記載の分析デバイスにおいて、上記発光部及び上記受光部は、上記基板間の隙間毎に設けられていることを特徴とする分析デバイス。
【請求項19】
請求項17記載の分析デバイスにおいて、上記発光部及び上記受光部は、移動機構によって移動可能であり、測定対象の反応生成物が配置されている基板間の隙間に配置されることができるように構成されていることを特徴とする分析デバイス。
【請求項20】
請求項17記載の分析デバイスにおいて、上記基板間の隙間には上記液滴を挟むように液滴整形部材が設けられていることを特徴とする分析デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−134152(P2008−134152A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320565(P2006−320565)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】