説明

化粧組成物

【課題】新規なメーキャップ作用を得るための組成物、特に皮膚、唇又は外皮のような支持体に適用した場合に光学的な容量を大きくする作用を生じるメーキャップ組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、生理学的に受容可能な媒体中に、組成物を支持体に適用して層を形成しかつ照射した場合に、ゴニオクロマチックな着色した背景を生じることができる少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤と、裸眼が見ることのできる強調点を生じることができる反射粒子を含む化粧組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚、例えば顔又は身体の皮膚、唇又は外皮、例えばまつげ、眉毛、爪及び毛髪のメーキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
メーキャップ組成物、例えばフリーパウダー、ファンデーション、マニキュア、マスカラ、ほお紅、アイシャドウ、口紅、瓶に入ったグロス又は液状グロスは一般に生理学的に受容可能な媒体及び種々の着色剤から成る。
消費者は長い間顔つきを変える組成物、特にほお骨を強調し及び/又は唇をふっくらさせる組成物を求めてきた。現在のところこの希望を満足させる有効な解決策はない。
濃い彩色と薄い彩色を相互に隣り合わせで適用することによって容量を大きくする作用が生じることが知られており、この場合、強調したい領域に薄い彩色が施される。この作用を生じるには従来より二つの異なる組成物が必要であり、かつこれを施す者の技能に左右される。唇をメーキャップするためにこの技術を実施することはさらに困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近、見る角度及び/又は光を当てる角度によって色が変化するゴニオクロマチック(goniochromatic)顔料によって自然に現れる機能が化粧品分野で開発された。従って出願人は特許出願EP−A−0 953 330において、第1のゴニオクロマチック顔料と第1の顔料の一つの色を含む第2の顔料とを組み合わせたメーキャップキットを提案した。この組合せは新規な着色効果を提供するが、これを適用した身体の部分の容量に関する認識を実質的に変化させるものではない。
さらに、国際特許出願WO 01/51015は常用の干渉顔料と4層干渉顔料(“彩色顔料”としても公知である)とを組み合わせた組成物を提案しており、これは雲母状反射の角度によって変化する色を有している。これは処置した支持体上で薄い色と濃い色の間の色の変化によって反映される。これらの組成物は顔又は身体の種々の部分の輪郭の認識を改良するが、これらによって満足する程度に容量を大きくする作用は生じない。
従って、容量の満足すべき印象を提供することができる化粧組成物に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、新規なメーキャップ作用を得るための組成物、特に皮膚、唇又は外皮のような支持体に適用した場合に光学的な容量を大きくする作用を生じるメーキャップ組成物を提供することを目的としている。例えばほお、まぶた又は唇にこれらの組成物を適用した後では、メーキャップをしなかった支持体の容量とは異なる容量の認識をこれらの組成物は提供する。これらの作用を“三次元的な”作用、より詳細には唇の“豊富化”作用又は顔及び身体の“形態化”作用と呼ぶことができる。
従って、本発明の観点に従うと、本発明の主題は、生理学的に受容可能な媒体中に、組成物を支持体に適用して層を形成しかつ照射した場合に、ゴニオクロマチックな着色した背景を生じることができる少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤と、裸眼が見ることのできる強調点を生じることができる反射粒子を含む化粧組成物である。
【0005】
ゴニオクロマチック着色剤と先に規定した反射粒子を組み合わせることによって、容量の印象を発生又は強化することが可能であることが見出され、これは予期できないことであった。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本発明に従って製造したBASF社が市販するSicopearl(登録商標)ゴニオクロマチック顔料を含む液状グロスの、分光ゴニオ反射計によって得られた色軌跡を示す。
【図2】図2は、本発明の液状グロスでメーキャップした後の唇の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
“化粧組成物”という用語は、1993年6月14日の理事会の指令93/35/EEC(Directive 93/35/EEC)で規定される組成物を意味する。
“生理学的に受容可能な媒体”という用語は、ヒトの皮膚、唇又は外皮に適用することができる非毒性の媒体を意味する。
本発明の目的のために、“ゴニオクロマチック着色剤”という用語は、化粧組成物を支持体に塗布した場合、CIE1976測色空間のa**平面における色軌跡を得る剤を意味し、これは観察の角度が正常に対して0°〜80°の間で変化する場合に、45°の入射角に対する少なくとも20°の色相角度hの変化Dhに相当する。
例えば、商標INSTRUMENT SYSTEMSで商品番号GON 360 GONIOMETERの分光ゴニオ反射計を使用し、商標ERICHSENで商品番号Typ 24/5のコントラストカードに自動塗布機を用いて流体の形態にある化粧組成物を厚さ300μmに塗布した後で、色軌跡を測定することができ、該測定をカードの黒色背景上で行う。
例として、本発明に従って製造した、BASF社が市販するSicopearl(登録商標)ゴニオクロマチック顔料を含む液状グロスの分光ゴニオ反射計によって得られた色軌跡を図1に示す。
【0008】
本発明の目的のために、ゴニオクロマチック着色剤によって、観察角の関数として“カラーフロップ(color flop)”としても知られている色の変化を観察することができ、この変化は真珠光沢剤によるものより大きい。
図1には比較のために、エンゲルハート(Engelhard)社が市販する真珠光沢剤Summit Gold YD30Dの色軌跡を示す。
本発明の目的のために、“反射粒子”という用語は、その大きさ、構造、特に粒子を構成する層の厚さ及びその物理的及び化学的性質、及び表面の状態が、メーキャップする支持体に特許請求の範囲に記載した組成物を適用した場合に該組成物の表面に強調点を生じることが可能な程度に充分な強度で入射光を反射することを可能にする粒子を意味し、ここで、該強調点は裸眼で見ることができ、すなわち輝いて見えることによって周囲と対照的なより明るい点である。
反射粒子は、長期間続く視線の集中を妨げることによってメーキャップした支持体の曲率の見た目の認識を曖昧にさせることができ、メーキャップした支持体及び観察者が運動している場合に強調点は不規則に出現したり消失したりすることができる。
【0009】
後で詳細に述べるように、特に組成物を唇に適用することを意図した場合に、組成物の平均輝度が一定の限界を超えることが望ましいことが明らかとなろう。この理由は、組成物が相対的に高い輝度を有している場合、メーキャップ処置した支持体は周囲から浮き上がってよりはっきりと見えるからである。
“平均輝度”という用語は、以下の方法によって光度計を使用して常法に従って測定することができる輝度を意味する。
自動塗布機を使用し、商標名Lenetaで商品番号Form 1A Penopacのコントラストカード上に、平均輝度の評価が望ましい組成物を厚さ50μmの層に塗布する。層はカードの少なくとも白色の背景をカバーする。次いで、商標名Byk Gardnerで商品番号micro TRI-GLOSSの光度計を使用して、20°において白色の背景上で輝度の測定を行う。
組成物の平均輝度は有利には30、さらには50、より好適には特に組成物を唇に適用することを意図している場合は70に等しいか又はそれより大きい。
【0010】
所望の平均輝度を得られるように組成物はグロスベースを含むことができる。
本発明の目的のために、“ベース”という用語は、ゴニオクロマチック着色剤を含まずかつ反射粒子を含まない化粧用組成物を意味する。
このように、化粧用組成物は、ある態様においては、20、さらには50、より好適には特に組成物を唇に適用することを意図している場合は70より大きい平均輝度を有するベースを含むことができる。グロスベースにゴニオクロマチック着色剤及び反射粒子が存在することによって、化粧組成物の平均輝度は考慮したベース単独の平均輝度と異なることも異ならないことも可能である。
ベースの配合は意図する化粧組成物の使用に依存し、かつ化粧組成物が提供される形態に依存する。
このように、ベースの配合は、例えば化粧組成物が液状グロス又は口紅を形成することを意図しているかどうかによって異なる。約60の平均輝度を有する口紅ベース、約70の平均輝度を有する液状グロスベース又はアイシャドウベース、及び約50の平均輝度を有するマニキュアベースを例えば選択することができる。
【0011】
“液状グロス”という用語は、液状口紅又はリップグロスとしても知られており、唇に適用することを意図した流体製品を意味し、例えばアプリケーターを備えた容器の中に封入され、該アプリケーターは容器を封鎖するためのキャップとしても使用されるハンドル用具及びアプリケーター部品を含む。
本化粧組成物は、特に唇に適用することを意図する場合には、油性相、特に屈折率が1.47〜1.51である油性相を含むことができ、これにより相対的に高い輝度を得ることができる。
グロスベースの使用は、輝度を有する化粧組成物を得るための唯一の手段ではない。本発明による化粧組成物を例えば唇に適用する前又は後で、ゴニオクロマチック作用及び強調点が観察されることを妨げない透明なグロス組成物が適用される場合は、本発明の範囲を逸脱しない。
追加的な視覚作用を生じさせるために、本組成物はさらにゴニオクロマチック繊維を含むことができる。
【0012】
ゴニオクロマチック着色剤及び反射粒子の他に、本組成物は種々の他の化合物、特に少なくとも一つの非−ゴニオクロマチック着色剤を含むことができる。
この非−ゴニオクロマチック着色剤を、例えば着色剤、単色顔料及び真珠光沢剤から選択することができ、かつ例えば望ましくないように見える色の外観を避けるために、ゴニオクロマチック着色剤によって生じた色相を修正することを意図することができる。非−ゴニオクロマチック着色剤は化粧組成物に存在することによって、特定の観察条件下で該組成物に所望の色を与えることができる。
本発明の他の観点に従うと、本発明の主題は、皮膚、唇又は外皮をメーキャップするための、反射粒子と組み合わせた少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤の使用でもある。
本発明の主題は、皮膚、唇又は外皮をメーキャップするための、反射粒子と組み合わせた少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤の使用でもあり、該反射粒子はゴニオクロマチック着色剤と異なり、かつ以下から成る群から選択するものである:少なくとも一つの金属の少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した、天然又は合成基体を有する粒子、少なくとも一つの金属化合物、特に金属オキシドの少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した、合成基体を有する粒子、屈折率が異なる少なくとも二つの層、特にポリマーの二つの層のスタックから製造した粒子、及び金属オキシド粒子。
【0013】
本発明の他の観点に従うと、本発明の主題はさらに、皮膚、唇又は外皮、例えば爪又はケラチン繊維のような支持体に、ゴニオクロマチック着色剤及び反射粒子を同時に又は引き続き適用して該支持体の容量を生じさせ又は強化することを意図したメーキャップ組成物において、ゴニオクロマチックな着色した背景を生じることが可能な少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤及び裸眼で見ることができる強調点を支持体に生じることが可能な反射粒子を使用することである。
本発明の他の観点に従うと、本発明はさらに、ゴニオクロマチックな着色した背景を生じることが可能な少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤及び裸眼で見ることができる強調点を支持体に生じることが可能な反射粒子を支持体に同時に又は引き続き適用し、該ゴニオクロマチックな着色した背景上で粒子が分離して分散されていることを含む、皮膚、唇又は外皮、例えば爪又はケラチン繊維のような支持体をメーキャップする方法にも関する。
ある態様では、ゴニオクロマチック着色剤と反射粒子を先に規定した組成物の形態において同時に適用する。
【0014】
別の態様では、方法は、生理学的に受容可能な媒体中に少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤を含む第1の化粧組成物を支持体に適用し、次いで、第1の組成物とは異なりかつ少なくともいくつかの反射粒子を含む第2の化粧組成物を適用することを含む。上記の第1と第2の組成物の適用の順序は優先的ではあるが、二つの組成物を支持体に適用した後で反射粒子が裸眼で見ることができる強調点を生じることができる場合には、この順序を入れ替えることは本発明の範囲を逸脱しない。
第1又は第2の組成物の少なくともいずれかは先に述べたグロスベースを含むことができる。第1及び第2の組成物の上に第3の透明な輝きのある組成物を適用することもできる。
本発明の他の観点に従うと、本発明の主題はさらに、少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤及び該ゴニオクロマチック着色剤と異なりかつ以下から成る群から選択する反射粒子を支持体に同時に又は引き続き適用することを含む、皮膚、唇及び外皮から選択する支持体をメーキャップする方法にも関する:少なくとも一つの金属の少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した、天然又は合成基体を有する粒子、少なくとも一つの金属化合物、特に金属オキシドの少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した、合成基体を有する粒子、屈折率が異なる少なくとも二つの層、特にポリマーの二つの層のスタックから製造した粒子、及び金属オキシド粒子。
【0015】
本発明の他の観点に従うと、本発明の主題はさらに、相互に異なる第1及び第2の化粧組成物を含む、皮膚、唇及び外皮から選択する支持体をメーキャップするキットである。第1の組成物は以下から成る群から選択する少なくともいくつかの反射粒子を含む:少なくとも一つの金属の層で少なくとも部分的に被覆した、天然又は合成基体を含む粒子、金属化合物、特に金属オキシドの少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した、合成基体を有する粒子、屈折率が異なる少なくとも二つの層、特にポリマーの二つの層のスタックから製造した粒子、及び金属オキシド粒子。第2の組成物は、生理学的に受容可能な媒体中に、少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤を含む。第1及び第2の組成物を分離して包装する。
本発明の他の観点に従うと、本発明の主題は、相互に異なる第1及び第2の組成物を含む、皮膚、唇及び外皮から選択する支持体をメーキャップするキットであり、第1の組成物は少なくともいくつかの反射粒子を含み、かつ第2の組成物は、生理学的に受容可能な媒体中に、少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤を含み、第1及び第2の組成物を分離して包装し、反射粒子は、二つの組成物を支持体に適用した後で裸眼で見ることができる強調点を生じることができる。
先に述べた特徴、特に平均輝度に関する特徴は、第1又は第2の組成物に関して有効であり、かつ第1及び第2の組成物を適用して得られた層に関して有効である。
【0016】
反射粒子の例
使用する反射粒子は化粧用途に適合しなければならず、生理学的に受容可能な媒体中に残存しなければならず、特に媒体に溶解してはならず、いずれの場合にも媒体に完全に溶解してはならない。
反射粒子は均一に分散した形態で組成物中に存在することができ、例えば組成物の全質量に対して含有範囲は0.1質量%〜20質量%、好ましくは1質量%〜15質量%、さらには1質量%〜10質量%であり、特に唇に適用することを意図する組成物については例えば約2質量%である。反射粒子の含量は、特に、化粧組成物を塗布することを意図している支持体の性質、さらに、生理学的に受容可能な媒体及びゴニオクロマチック着色剤の性質及び反射粒子の性質及び大きさに依存する。反射粒子の含量を、着色したゴニオクロマチック表面上に強調点が分離して分散するように選択することが好ましい。反射粒子の量は、化粧組成物を例えば唇のような支持体に適用した場合、複数の、例えば10より多くの、約50より多くの、又はさらに多くの、例えば100又は数百より多い強調点を同時に観察できるような十分な量であることが好ましい。
【0017】
特定の態様に従うと、反射粒子/ゴニオクロマチック顔料の質量比が0.3〜3、特に0.5〜2.5の範囲となるように反射粒子を導入することができる。実際には、反射粒子を導入した化粧組成物の性質の関数としてこの比率は変化する可能性がある。例えば、マニキュア型の配合物においては、反射粒子/ゴニオクロマチック顔料の質量比率は1より大きくてもよく、特に1.5より大きく、特に2に等しいかそれより大きくてもよい。一方、液状口紅型又はチューブの形態にある配合物では、この質量比率は2に等しいかそれより小さく、特に1.5に等しいかそれより小さくてもよい。
反射粒子はゴニオクロマチック又は非−ゴニオクロマチック粒子、干渉又は非−干渉粒子であってもよいが、非−ゴニオクロマチック粒子であることが好ましい。
大きさは、組成物の平均輝度を考慮に入れて、強調点を生じるのに充分な強さの可視光(400〜700nm)の雲母状反射をすることに適合している。この大きさを、粒子の化学的性質、その形及びその可視光の雲母状反射能力に従って変化させることができる。
【0018】
本発明で使用することができる反射粒子のうちいくつかは、式Δ=[L*SCI−L*SCE]/L*SCEで規定される相対差Δが0.25に等しいかそれより大きい値を有することができる。比較のために、反射粒子として適切でないいくつかの真珠光沢剤の係数Δは0.25より小さい。上記の式で、L*SCIは商標名Minoltaで商品番号CM-2002の分光光度計を使用し“雲母状成分含有”モードで測定した明るさL*を意味し、L*SCEは同じ装置を使用し“雲母状成分を含まない”モードで測定した明るさL*を意味する。測定を行うために、標準的な組成(本質的にニトロセルロース、樹脂及び可塑剤)の透明なマニキュア中に5質量%で試験粒子を含む分散物を製造し、こうして製造した組成物を厚さ300μmでコントラストカードの黒色背景上に流体形態で塗布する。
*SCI及びL*SCEを測定するために、ジオメトリーd/8と共に分光光度計のSCI/SCE関数を使用する。
例として、エンゲルハート(Engelhard)社が市販する褐色酸化鉄で被覆したガラス基体を含む、商標名Reflecks(登録商標)の反射粒子、相対差Δが0.7より大きいもの、一方同社が市販するFlamenco(登録商標)真珠光沢剤、相対差Δが0.2より小さいものを測定した。
反射粒子は好ましくは少なくとも10μm、例えば約20μm〜約50μmの大きさを有する。
【0019】
“大きさ”という用語は、D50として知られている半数の統計的な粒子径分布として与えられる大きさを意味する。反射粒子の大きさはその表面の状態に依存することがある。それらの表面がより反射性であると、大きさは原則として小さくなり、逆の場合は大きくなる。
美的な感覚を考慮に入れないと、それらが輝いて強調点を生じる場合を除き、支持体に適用した組成物の表面において裸眼によって反射粒子が全く認識できないか又は直ちに認識できないことが好ましい。さらに、反射粒子が支持体上で不快な感覚を生じるような大きさでないことも望ましい。250μmに等しいかそれより小さい、さらには150μmに等しいかそれより小さい、さらに例えば100μmより小さい大きさの粒子を使用することが好ましい。粒子の大きさは、組成物を適用しようとする支持体の性質にも依存し;身体又は顔のある部分は、例えば不快感を生じることなく他より大きな大きさを許容する可能性がある。
反射粒子は種々の形態にあることができる。これらの粒子は特に小板又は小球の形態にあることができ、特に球形であることができる。
【0020】
“小板の形態”という用語は、最長の長さの厚さに対する比率が5、さらには10、より好ましくは20に等しいかそれより大きい粒子を意味する。小板の形態にある粒子の厚さは、例えば約0.5μm〜約5μmである。
外部表面が実質的に平面である粒子は特に適切であり、それは、これらの大きさ、構造及び表面の状態が可能な場合には、直ちに強い雲母状反射を生じることができるからである。これはミラー効果と言われている。
これらの粒子については特に、反射表面の法線に対して入射光によって形成された角度と同じ角度で法線に対して形成する同一方向に光を反射させることが本質であり、このことによってこれらの粒子は、他の方向に散乱する光よりは強調点のように見える。
反射粒子は非−散乱性でつや消しでないことが望ましい。
反射粒子は化粧組成物の着色に悪く作用しないことも望ましい。
この点に関して、入射光を金属のように反射することができる反射粒子が最も適切である。粒子の形に関わりなく、金属、例えば銀の層において反射粒子が反射を可能にする場合が特にそうである。これらの粒子は組成物の色に関して相対的に中立であることが分かっている。
【0021】
金属光沢又は白色光沢を有する本発明で使用することができる反射粒子は、例えば一又は複数の波長を顕著に吸収することなく、可視範囲の全ての成分の光を反射する。これらの反射粒子のスペクトル反射率は、400〜700nmの範囲で、例えば70%より大きく、好ましくは少なくとも80%、さらには90%又は95%であることができる。
反射粒子による反射光は虹色ではなく、特に金属光沢である場合はそうでないことができる。
粒子の形がどうであれ、反射粒子は多層構造を有していても有していなくてもよく、多層構造を有する場合は、例えば少なくとも一つの層、特に反射物質の層の厚さが均一であることができる。
反射粒子が多層構造を有しない場合、粒子を例えば金属酸化物、例えば酸化チタン又は酸化鉄から構成することができ、金属酸化物を実質的に平らな平面を有し、例えばつや消しでなく非−散乱性の表面状態を有し、化粧組成物中で強調点を得るのに十分な光の雲母状反射を可能にするように合成により得ることができる。
反射粒子が多層構造を有する場合、これらの粒子は、例えば天然又は合成の基体、特に反射物質の少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した合成基体を含むことができる。
【0022】
反射粒子の形が何であれ、基体が合成である場合、被覆後、特に反射物質の沈着後に反射表面の形成を促進する形に基体を製造することができる。基体は例えば平らな表面を有しかつ反射物質の層は実質的に均一な厚さを有している。
基体は一又は複数の物質から製造することができ、中実又は中空であることができる。基体は有機又は無機物質であることができる。基体は天然物であってもよいが、上記の理由から合成基体を使用することが好ましい。
基体を以下から選択することができるが、これに限定されない:ガラス、セラミックス、グラファイト、金属オキシド、アルミナ、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート及びボロシリケート及び合成マイカ。
反射物質は金属又は金属化合物の層を含むことができる。
金属又は金属化合物の層は基体を完全に被覆してもよく被覆しなくてもよく、金属の層は他の物質、例えば透明な物質の層によって少なくとも部分的に被覆されていることができる。金属又は金属化合物の層は、基体を完全に、直接的又は間接的に、すなわち少なくとも一つの中間金属又は非金属層を挿入することを伴って、被覆することが好ましい。
【0023】
金属をたとえば以下から選択することができる:Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te、Se及びこれらの合金。Ag、Au、Al、Zn、Ni、Mo、Cr、Cu及びこれらの合金(例えば青銅又はしんちゅう)は好ましい金属である。
特に金又は銀で被覆した基体を有する粒子の場合、存在する金属層の含量は粒子の全質量に対して、例えば0.1質量%〜50質量%、さらには1質量%〜20質量%であることができる。
金属層で被覆したガラスの粒子の大きさは、例えば10μm〜300μm、さらには25μm〜150μmである。これらの粒子が小板状である場合、その厚さは、例えば約0.1μm〜約25μm、好ましくは約0.5μm〜約10μm、さらには約0.5μm〜約5μmである。これらの粒子が球体の形態にある場合、その大きさは例えば約10〜100μmの範囲であることができる。
金属層で被覆したガラスの粒子は特にJP−A−09 188 830、JP−A−10 158 450、JP−A−10 158 541、JP−A−07 258 460及びJP−A−05 017 710に記載されている。
【0024】
再度、金属層で被覆した無機基体を含む反射粒子の例として、“白色真珠光沢剤”としても知られている銀で被覆したボロシリケート基体を含む粒子を挙げることができる。
小板の形態にある銀で被覆したガラス基体を有する粒子はトヤル(Toyal)社によりMicroglass Metashine REFSX 2025 PSの名称で市販されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金で被覆したガラス基体を有する粒子は同社によりCrystal Star GF 550及びGF 2525の名称で市販されている。
形に関わらず、反射粒子を少なくとも一つの金属化合物の少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した合成基体を有する粒子からも選択することができ、該金属化合物は特に金属オキシド、例えばチタン酸化物、特にTiO2、鉄の酸化物、特にFe23、スズ酸化物、クロム酸化物、バリウムスルフェート及び以下の化合物である:MgF2、CeF3、ZnS、ZnSe、SiO2、Al23、MgO、Y23、SeO3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb25、Ta25、MoS2及びこれらの混合物及び合金。
挙げることができるこれらの粒子の例は、二酸化チタンで被覆した合成マイカ基体を含む粒子、又は褐色酸化鉄又は酸化チタン、酸化スズ又はこれらの混合物のいずれかで被覆したガラスの粒子を含み、例えばこれらはエンゲルハート(Engelhard)社によりReflecks(登録商標)の名称で市販されている。
【0025】
日本板硝子社が市販するMetashine 1080R系の顔料も本発明に好適である。これらの顔料は、特許出願JP 2001−11340に詳細に記載されており、65%〜72%のSiO2を含むC−ガラスのフレークであり、ルチル型の酸化チタン(TiO2)の層で被覆されている。これらのガラスフレークの厚さは平均1μm(ミクロン)で、平均の粒径は80μm(ミクロン)であり、すなわち平均粒径/平均厚さの比率は80である。これらはTiO2層の厚さによって、青色、緑色、黄色又は銀色の輝きを有する。
大きさが80〜100μmの粒子も挙げることができ、これらは粒子の12質量%存在する二酸化チタンで被覆した合成マイカ基体(フルオロフロゴパイト)を含み、日本コーケン社によりProminenceの名称で市販されている。
反射粒子を、屈折率が異なる少なくとも二つの層のスタックによって製造する粒子から選択することもできる。
これらの層はポリマー又は金属の性質を有していてもよく、特に少なくとも一つのポリマー層を含むことができる。
従って、反射粒子は多層ポリマーフィルムから誘導した粒子であることができる。
これらの粒子は特にWO 99/36477、US 6 299 979及びUS 6 387 498に記載されている。
【0026】
多層構造の種々の層を構成することができる物質の例として以下のものを挙げることができるが、これに限定されない:ポリエチレンナフタレート(PEN)及びそのアイソマー、例えば2,6−、1,4−、1,5−、2,7−及び2,3−PEN、ポリアルキレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアルキルメタクリレート及びポリアルキルアクリレート、シンジオタクチックポリスチレン(sPS)、シンジオタクチックポリ−α−メチルスチレン、シンジオタクチックポリジクロロスチレン、これらのポリスチレンのコポリマー及びブレンド、セルロース誘導体、ポリアルキレンポリマー、フルオロポリマー、クロロポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテルアミド、アイオノマー樹脂、エラストマー及びポリウレタン。コポリマーも適切であり、例えばPENのコポリマー(例えば2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、及び/又は2,3−ナフタレンジカルボン酸又はそのエステルと以下のもののコポリマー:(a)テレフタル酸又はそのエステル;(b)イソフタル酸又はそのエステル;(c)フタル酸又はそのエステル;(d)アルカングリコール;(e)シクロアルカングリコール(例えばシクロヘキサンジメタノールジオール);(f)アルカンジカルボン酸:及び/又は(g)シクロアルカンジカルボン酸)、ポリアルキレンテレフタレートコポリマー及びスチレンコポリマー。さらに、各層は上記の2又はそれより多いポリマー又はコポリマーのブレンドを含むこともできる。
【0027】
多層構造の種々の層を構成することを意図する物質は、当然のことながら、こうして製造した粒子に所望の反射特性を与えるように選択する。
少なくとも二つのポリマー層のスタックを含む反射粒子は3M社によりMirror Glitterの名称で市販されている。これらの粒子は2,6−PENとポリメチルメタクリレートの質量比が80/20である層を含む。これらの粒子は特許US 5 825 643に記載されている。
反射粒子の輝度は、変形として又は追加的に、入射光が生じる媒体の屈折率に対して十分に大きな屈折率を有する粒子の物質の層における反射光による可能性がある。
本発明に従う化粧組成物は、当然のことながら、本発明の範囲を逸脱しないで、異なる性質の反射粒子を含むことができる。
【0028】
ゴニオクロマチック着色剤の例
本組成物は一又は複数のゴニオクロマチック着色剤を含み、該着色剤は、組成物を支持体に適用した場合に着色した背景を生じ、その色は観察の角度によって変化し、かつこのことによって反射粒子を目立たせる。実施を容易にするために単一のゴニオクロマチック着色剤を使用することができる。
ゴニオクロマチック着色剤は、組成物の全質量に対して、例えば0.1質量%〜20質量%又は2質量%〜15質量%、さらには特に唇に適用することを意図する組成物については2質量%〜10質量%の範囲の量で存在することができる。このような組成物の場合、2質量%〜8質量%の量のゴニオクロマチック着色剤と1質量%〜5質量%の量の反射粒子の組合せについて非常に満足すべき結果が得られた。マニキュア組成物は、例えば0.1質量%〜5質量%のゴニオクロマチック着色剤を含むことができ;ファンデーションはそれを10質量%〜15質量%含むことができ、口紅はそれを2質量%〜8質量%含むことができる。
観察の角度によって相対的に大きな色の変化が生じるようにゴニオクロマチック着色剤を選択することができる。
【0029】
従って、化粧組成物の色差ΔEが、CIE測色空間で測定して、45°の照射下で、観察の角度を0°〜80°の間で変化させた場合に少なくとも2として観測されるように、ゴニオクロマチック着色剤を選択することができる。
CIE1976平面において、入射角45°かつ観察角を0°〜80°の間で変化させて、化粧組成物の色相角度の変化Dhが少なくとも30°又は少なくとも40°又は少なくとも60°、さらには少なくとも100°であるように、ゴニオクロマチック着色剤を選択することができる。
ゴニオクロマチック着色剤を、例えば多層干渉構造及び液晶着色剤から選択することができる。
多層構造の場合、例えばそれは少なくとも二つの層を含み、各層は他の層に依存していてもしていなくてもよく、たとえば以下の物質から成る群から選択する少なくとも一つの物質から製造することができる:MgF2、CeF3、ZnS、ZnSe、Si、SiO2、Ge、Te、Fe23、Pt、Va、Al23、MgO、Y23、S23、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb25、Ta25、TiO2、Ag、Al、Au、Cu、Rb、Ti、Ta、W、Zn、MoS2、クリオライト、及び合金、ポリマー及びこれらの組合せ。
【0030】
多層構造は、積み重ねた層の化学的性質において、中心の層に関して対称的であってもよくなくてもよい。
本発明に従って製造した組成物で使用することができる対称的な干渉構造の例は、たとえば以下の構造である:Al/SiO2/Al/SiO2/Al、この構造を有する顔料はデュポン(Dupont de Nemours)社が市販している;Cr/MgF2/Al/MgF2/Cr、この構造を有する顔料はフレックス(Flex)社がChromaflairの名称で市販している;MoS2/SiO2/Al/SiO2/MoS2;Fe23/SiO2/Al/SiO2/Fe23、及びFe23/SiO2/Fe23/SiO2/Fe23、これらの構造を有する顔料はBASF社がSicopearlの名称で市販している;MoS2/SiO2/マイカオキシド/SiO2/MoS2;Fe23/SiO2/マイカオキシド/SiO2/Fe23;TiO2/SiO2/TiO2、TiO2/Al23/TiO2、SnO/TiO2/SiO2/TiO2/SnO、Fe23/SiO2/Fe23、SnO/マイカ/TiO2/SiO2/TiO2/マイカ/SnO、これらの構造を有する顔料はメルク(Merck)社(Darmstadt)がXironaの名称で市販している。例えばこれらの顔料はメルク(Merck)社がXirona Magicの名称で市販するシリカ/酸化チタン/酸化スズ構造の顔料、メルク(Merck)社がXirona Indian Summerの名称で市販するシリカ/褐色酸化鉄構造の顔料、及びメルク(Merck)社がXirona Carribean Blueの名称で市販するシリカ/酸化チタン/マイカ/酸化スズ構造の顔料であることができる。資生堂社のInfinite Colors顔料も挙げることができる。厚さと種々の層の性質によって、異なる効果が得られる。このように、Fe23/SiO2/Al/SiO2/Fe23構造により、SiO2層が320から350nmに変化すると色は緑−金色から赤−灰色に変化し;SiO2層が380から400nmに変化すると色は赤から金色へ変化し;SiO2層が410から420nmへ変化すると色はバイオレットから緑色へ変化し、SiO2層が430から440nmへ変化すると色は赤褐色から赤へ変化する。
【0031】
ポリマー層、例えばポリエチレンナフタレート及びポリエチレンテレフタレートのような型を交互に含む多層構造のゴニオクロマチック着色剤も使用することができる。このような剤は特にWO−A−96/19347及びWO−A−99/36478に記載されている。
挙げることができるポリマーの多層構造を有する顔料の例はColor Glitterの名称で3M社が市販するものを含むことができる。
液晶着色剤は、例えば中間状態の基をグラフト化したシリコーン又はセルロースエーテルを含む。
使用することができる液晶ゴニオクロマチック粒子の例は、たとえばケニックス(Chenix)社が市販するもの及びワッカー(Wacker)社がHelicone(登録商標)HCの名称で市販する製品を含む。
組成物はさらに分散したゴニオクロマチック繊維を含むこともできる。これらの繊維は、例えば200μm〜700μmの間、例えば約300μmの大きさを有する。
多層構造の干渉繊維も特に使用することができる。ポリマーの多層構造を有する繊維は特にEP−A−921 217、EP−A−686 858及びUS−A−5 472 798に記載されている。多層構造は少なくとも二つの層を含むことができ、各層は、相互に依存していてもいなくてもよく、少なくとも一つの合成ポリマーから製造されている。繊維中に存在するポリマーの屈折率は1.30〜1.82、好ましくは1.35〜1.75の範囲にある。繊維を製造するのに好ましいポリマーはポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート;アクリル系ポリマー、例えばポリメチルメタクリレート;ポリアミドである。
ポリエチレンテレフタレート/ナイロン−6二層構造を有するゴニオクロマチック繊維は帝人によりMorphotexの名称で市販されている。
【0032】
グロスベース
本組成物は、組成物に輝きを与える少なくとも一つの化合物と特に油性相、特に1.47〜1.51、さらに好ましくは1.48〜1.51の屈折率を有する油性相を含むこともできる。屈折率を屈折計を使用して室温(25℃)で測定する。
このような油性相は液状グロスの場合に特に有用であることが分かる。
本発明の実施例に従うと、選択したグロスベースは特許出願EP−A−792 637に記載されたものであり、その内容を本出願に参考として取り込む。
化粧組成物は、例えば、少なくとも一つの炭素を主体とする油、炭化水素を主体とする油、フルオロオイル及び/又は無機、植物又は合成起源のシリコーン油を含むことができる。
“炭化水素を主体とする油”という用語は、炭素原子と水素原子を主として含む油、詳細にはアルキル又はアルケニル鎖、例えばアルカン又はアルケンを主として含む油だけでなく、一又は複数のアルコール、エーテル、エステル及び/又はカルボン酸基を含むアルキル又はアルケニル鎖を有する油をも意味する。
【0033】
従って、使用することができる油として以下を挙げることができるがこれに限定されない:無機又は合成起源の炭化水素を主体とする油、例えば直鎖又は分岐した炭化水素、例えば液状パラフィン及びその誘導体、液状ワセリン、ポリデセン、水素添加したポリイソブテン、例えば日本油脂社が市販するParleam、合成又は植物起源のスクアラン;動物起源の油、例えばミンク油、タートル油又はペルヒドロスクアレン;グリセロールの脂肪酸エステルから成るトリグリセリドの含量が高い植物起源の炭化水素を主体とする油、ここで、該脂肪酸の鎖の長さは種々であり、該鎖は直鎖又は分岐し、かつ飽和又は不飽和であることができ、例えばスイートアーモンド油、ビューティーリーフ(beauty-leaf)油、パーム油、ブドウ種子油、ゴマ油、アララ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、アプリコット油、ヒマシ油、アルファルファ油、マロウ(marrow)油、クロフサグスリ油、マカダミア油、マスカットローズ油、ヘーゼルナッツ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油又は穀物(トウモロコシ、コムギ、オオムギ又はライムギ)胚芽油;脂肪酸エステル、特にラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸又はステアリン酸のエステル;合成エステル、例えばパーセリン油(セトステアリルオクタノエート)、イソノニルイソノナノエート、C12〜C15アルキルベンゾエート、2−エチルヘキシルパルミテート、アルコール又はポリアルコールのオクタノエート、デカノエート又はリシノオレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ブチルステアレート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−ヘキシルデシルラウレート、2−オクチルデシルパルミテート、2−オクチルドデシルミリステート、2−ジエチルヘキシルスクシネート、ジイソステアリルマレート、又はグリセリル若しくはジグリセリルトリイソステアレート;ヒドロキシル化したエステル、例えばイソステアリルラクテート;ペンタエリスリトールエステル;C8〜C26高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸又はイソステアリン酸;C8〜C26高級脂肪アルコール、例えばオレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、イソステアリルアルコール又はオクチルドデカノール;少なくとも7の炭素原子を含む合成エステル、室温で液状であるポリジメチルシロキサン(PDMS)のようなシリコーン油、直鎖の、及び任意にフェニル化したもの、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、液状2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、脂肪族及び/又は芳香族基、例えばシリコーン鎖の側鎖及び/又は末端基であるアルキル、アルコキシ又はフェニル基で任意に置換したもの、ここでこれらの基は2〜24の炭素原子を含み、任意にフルオロ化していてもよく、又はヒドロキシル、チオール及び/又はアミン基のような官能を有していてもよい;脂肪酸で、脂肪アルコールで又はポリオキシアルキレンで変性したポリシロキサン、例えばジメチコーンコポリオール又はアルキルメチコーンコポリオール;液状フルオロシリコーン;又はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばステアリネリーズ デュボワ(Stearineries Dubois)社が市販するもの又はダイナマイトノーベル(Dynamit Nobel)社がMiglyol 810、812及び818の名称で市販するもの;及びこれらの混合物。
化粧組成物中の顔料及び/又はフィラーの良好な分散は、支持体に適用した組成物の層の輝度を改良する。
マニキュアの場合、ポリウレタン及びラテックス型の化合物をマニキュア組成物に導入することによって輝度を得ることができる。
【0034】
非−ゴニオクロマチック着色剤
化粧組成物は、反射粒子を含まずに、例えば化粧組成物で通常使用する染料、特に脂溶性又は水溶性染料、単色性顔料及び真珠光沢剤から選択する一又は複数の非−ゴニオクロマチック着色剤を含むことができる。
使用できる染料として挙げることができるものの例は以下を含む:スダンレッド、DC Red 17、DC Green 6、β−カロテン、ダイズ油、スダンブラウン、DC Yellow 11、DC Violet 2、DC Orange 5、キノリンイエロー、アナットー(annatto)、カルテノイド誘導体、例えばリコペン、β−カロテン、ビキシン及びカプサンチン(capsanthin)、及び/又はこれらの混合物、これらの染料は脂溶性である。水溶性染料、例えば硫酸銅、硫酸鉄、水溶性スルホポリエステル、例えば特許出願FR−96 154 152に記載されたもの、ローダミン、天然染料(カロテン、ビート根の絞り汁)、メチレンブルー及びカラメル、も使用することができる。
染料は、組成物の全質量の0.01質量%〜20質量%、さらには0.1質量%〜10質量%存在することができる。
【0035】
使用できる顔料として例えば組成物を着色し及び/又は不透明にすることを意図する白色又は着色した粒子から成る顔料を挙げることができる。使用することができる顔料のうち以下を挙げることができる:カーボンブラック、バリウム、ストロンチウム、カルシウム及びアルミニウムレーキ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム及びフェリックブルー。
真珠光沢剤は、組成物の全質量の例えば0〜20質量%、さらには約1質量%〜15質量%の含量で存在することができる。挙げることができる真珠光沢剤の例は、酸化チタンで、酸化鉄で、天然顔料で又はビスマスオキシクロリドで被覆した天然マイカを含む。挙げることができる市場から入手可能な真珠光沢剤は、エンゲルハート(Engelhard)社が市販する真珠光沢剤Timica及びFlamenco、及びメルク(Merck)社が市販するTimiron真珠光沢剤である。
非−ゴニオクロマチック着色剤は、組成物の全質量の、例えば0.001質量%〜60質量%、好ましくは0.01質量%〜50質量%、さらには0.1質量%〜40質量%存在することができる。粉末組成物については、着色剤の量は85%まで、さらには98%までとすることができる。
【0036】
生理学的に受容可能な媒体
生理学的に受容可能な媒体は、組成物を適用する支持体の性質に適合され、さらに組成物の意図した包装、特に室温及び周囲温度における固体又は流体の形態にも適合される。
本発明に従う組成物は水性化粧媒体及び/又は脂肪相を含むことができる。
本組成物は水又は水と親水性有機溶媒、例えばアルコール、特に2〜5の炭素原子を含む低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール又はn−プロパノール、ポリオール、例えばグリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール及びポリエチレングリコールを含むことができる。親水性相はさらに親水性C2エーテル及びC2〜C4アルデヒドを含むことができる。水又は水と親水性有機溶媒との混合物は、本発明に従う組成物中に、又は一つのベース及び/又は表面組成物中に、組成物の全質量に対して、0質量%〜90質量%(特に0.1質量%〜90質量%)、好ましくは0質量%〜60質量%(特に0.1質量%〜60質量%)、存在することができる。
組成物はさらに、室温(一般に25℃)で液体である脂肪物質及び/又は室温で固体である脂肪物質、例えばワックス、ペースト状脂肪物質、及びこれらの混合物から本質的に成る脂肪相を含むことができる。
【0037】
本発明で使用することができ、油としても知られている、室温で液状である脂肪物質として以下を挙げることができる:炭化水素を主体とする植物油、例えば4〜10の炭素原子を含む脂肪酸の液状トリグリセリド、例えばヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリド、又はヒマワリ油、トウモロコシ油、ダイズ油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、アプリコット油、マカダミア油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油及びカリテバター;無機物又は合成起源の直鎖又は分岐した炭化水素、例えば液状パラフィン及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン及び水素添加したポリイソブテン、例えばパーレム;特に脂肪酸の合成エステル及び合成エーテル、例えばパーセリン油、イソプロピルミリステート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルステアレート、2−オクチルドデシルエルケート及びイソステアリルイソステアレート;ヒドロキシル化したエステル、例えばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート、及び脂肪アルキルヘプタノエート、オクタノエート及びデカノエート;ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート又はジエチレングリコールジイソノナノエート;及びペンタエリスリトールエステル;12〜26の炭素原子を含む脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール及びオレイルアルコール;部分的に炭化水素を主体とするか又はシリコーンを主体とするフルオロ油;シリコーン油、例えば室温で液状又はペースト状である、直鎖又は環状の、揮発性又は非揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えばシクロメチコーン、ジメチコーン、任意にフェニル基を含むもの、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン、ジフェニルジメチコーン、フェニルジメチコーン及びポリメチルフェニルシロキサン;これらの混合物。
【0038】
油は、組成物の全質量に対して、0.01質量%〜90質量%、さらには0.1質量%〜85質量%の範囲の含量で存在する。
本発明の組成物は有利には、室温で固形又はペースト状である脂肪物質、例えばガム又はワックスを含むことができる。ワックスは炭化水素を主体とするワックス、フルオロワックス及び/又はシリコーンワックスであることができ、かつ植物、無機物、動物及び/又は合成起源であることができる。特に、ワックスは25℃より高い、好ましくは45℃より高い融点を有することができる。
本発明で使用することができるワックスとして以下を挙げることができる:ミツロウ、カルナウバワックス又はカンデリラワックス、パラフィン、微結晶性ワックス、セレシン(ceresin)又はオゾケライト;合成ワックス、例えばポリエチレンワックス又はフィッシャー−トロピッシュワックス、又はシリコーンワックス、例えば16〜45の炭素原子を含むアルキルジメチコーン又はアルコキシジメチコーン。
ガムは一般に、高分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS)又はセルロースガム又はポリサッカリドであり、ペースト状物質は一般に炭化水素を主体とする化合物、例えばラノリン及びその誘導体、又はPDMSである。
【0039】
固形物質の性質及び量は所望の機械的特性及びテクスチャーに依存する。目安として、組成物は組成物の全質量に対して、0質量%〜50質量%、さらには1質量%〜30質量%のワックスを含むことができる。
本発明に従う組成物はさらに、一又は複数の生理学的に受容可能な有機溶媒を含むことができる。これらの溶媒は、組成物の全質量に対して、0質量%〜90質量%、さらには0質量%〜60質量%、より好ましくは0.1質量%〜30質量%の範囲内の含量で存在することができる。
有機溶媒の存在は、爪のメーキャップには特に適切である。次いで組成物は一般にマニキュアを構成する。有機溶媒は、組成物の全質量に対して、例えば、30質量%〜99質量%、好ましくは60質量%〜90質量%の範囲内の含量で存在することができる。
組成物の生理学的に受容可能な媒体が液相を含む場合、この相は特に、水が分散又は乳化する液状有機相であることができる。
組成物は連続した脂肪相を有することができ、該相はその全質量に対して、5質量%より少ない水、特に1質量%より少ない水を含むことができ、特に無水の形態にあることができる。
【0040】
フィラー
化粧組成物はさらにフィラーを含むことができる。
“フィラー”という用語は、組成物を製造する温度と関わりなく、組成物の媒体に不溶性である全ての形態にある粒子を意味する。これらのフィラーは特に組成物のレオロジー又はテクスチャーを変化させるのに有用である。
特に挙げることができるフィラーの例は、タルク、マイカ、シリカ、カオリン及びポリアミド(ナイロン(登録商標))粉末(アトケム(Atochem)社のOrgasol(登録商標))である。
【0041】
化粧活性剤
化粧組成物はさらに一又は複数の化粧品として、皮膚科学的に、衛生上又は医薬品として活性な剤を含むことができる。
本発明の組成物で使用することができる化粧品として、皮膚科学的に、衛生上又は医薬品として活性な剤として以下を挙げることができる:保湿剤(ポリオール、例えばグリセロール)、ビタミン(C、A、E、F、B、又はPP)、必須脂肪酸、精油、セラミド、スフィンゴリピド、脂溶性日焼け止め剤又はナノ粒子の形態の日焼け止め剤、及び皮膚を処置する特定の活性剤(保護剤、抗菌剤、しわ防止剤、等)。これらの活性剤を、組成物の全質量に対して、例えば0質量%〜20質量%、特に0.001質量%〜15質量%の濃度で使用することができる。
化粧組成物はさらに化粧品で一般に使用する例えば以下の成分を含むことができる:増粘剤、界面活性剤、微量元素、保湿剤、柔軟剤、封鎖剤、芳香剤、酸性化剤又は塩基性化剤、保存剤、抗酸化剤及びUV遮蔽剤、又はこれらの混合物。
意図する適用の型に従って、化粧組成物はさらに考慮する分野で通常使用する成分を含むことができ、該成分は所望の配合形態に適した量で存在する。
【0042】
化粧組成物は、局所適用で通常使用するいずれの配合形態にあることもでき、特に無水形態又は油性又は水性溶液の形態、油性又は水性ジェル、水中油又は油中水エマルション、多層エマルション又は油/水の界面に配置したベヒクルによる水中油の分散物の形態にあることができる。
本発明の組成物は粉末、液状、固形又は半固形の形態、特にスティック又はディッシュとしてキャストされた製品の形態、又はチューブ、ペースト又は多少とも流動性のクリームの形態にあることができる。
化粧組成物は特に口紅、液状グロス、リップスティックペースト、メーキャップルージュ、リップペンシル、固形又は流動性のファンデーション、隠蔽剤製品、目に輪郭を付ける製品、アイライナー、マスカラ、マニキュア、アイシャドウ、身体又は毛髪のメーキャップ製品又は日焼け止め製品又は皮膚の着色製品を構成することができる。
本発明の組成物を、化粧品で常用される製造方法に従って得ることができる。
以下の例は本発明を説明するものであり制限するものとしてではなく示される。
【0043】

以下の百分率は全て組成物の全質量に対する質量で表される。
本発明を特に唇に適用することを意図した組成物に適用する。
本発明に従って製造した組成物の光学特性を調べるために、以下の組成を有する液状グロスを製造した。
液状グロス

* トヤル(Toyal)社により市販されている
** BASF社により市販されている
適用後に本組成物が唇を“よりふっくら”させることが見出される。図2はメーキャップした後の唇の写真である。本組成物の多数の強調点及び高い平均輝度の存在が写真に示されている。
半固形口紅も製造された。
【0044】
チューブ形態の口紅

手順:いくらかの量の油性層にベトンを分散させ、次いで残りの脂肪相を加え、混合物を95℃まで加熱する。均一化及び顔料の粉砕の後で、混合物を適切な鋳型に注型する。
口紅のチューブが得られ、これは唇に適用した後で豊富な容量の印象を与える。この組成物は良好な適用特性も有する。
本発明は唇に適用することを意図した組成物に限定されることはなく、説明のために組成物の他の例を示す。
【0045】
マニキュア
以下の組成を有するマニキュアを製造した:

組成物を爪に適用する。“金属性の”グロスポイントを有するピンクのメーキャップが得られる。
【0046】
アイシャドウ

まぶたに適用すると、“金属性の”グロスポイントを有する着色したメーキャップが生じる。
いうまでもなく、本発明はここに記載した実施例に限定されない。
本発明に従って、性質の異なるゴニオクロマチック着色剤と性質の異なる反射粒子を含む組成物を製造することが特に可能である。
特許請求の範囲を含めて記載全体を通じて、“を含む”という表現は、特に示さない限り“少なくとも一つを含む”と同義であると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に受容可能な媒体中に以下を含む唇又は外皮用のメーキャップ製品:
− ゴニオクロマチックな着色した背景を生じることができる少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤、ここで、組成物の全質量に対して0.1質量%〜20質量%の範囲の含量で該ゴニオクロマチック着色剤が組成物中に存在し、照射角45°でかつ観察角を0°〜80°の間で変化させた場合に、化粧組成物の層において、少なくとも30°の化粧組成物の色相角度の変化Dhが観察されるように、該ゴニオクロマチック着色剤が液晶着色剤及び多層干渉構造から選択され、及び
− 組成物を支持体に適用して層を形成しかつ照射した場合に、裸眼が見ることのできる強調点を生じることができる反射粒子、ここで、組成物の全質量に対して0.1質量%〜20質量%の範囲の含量で該反射粒子が組成物中に存在し、該反射粒子は可視スペクトルにおいて少なくとも70%のスペクトル反射率を有し、かつ以下から選択され:
− 少なくとも一つの金属オキシドの少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した合成基体を有する粒子、
− 及び1.47〜1.51の屈折率を有する油性相。
【請求項2】
製品の平均輝度が30に等しいかそれより大きいことを特徴とする、請求項1に記載のメーキャップ製品。
【請求項3】
製品の平均輝度が50に等しいかそれより大きいことを特徴とする、請求項2に記載のメーキャップ製品。
【請求項4】
製品の平均輝度が70に等しいかそれより大きいことを特徴とする、請求項3に記載のメーキャップ製品。
【請求項5】
照射角45°でかつ観察角を0°〜80°の間で変化させた場合に、化粧組成物の層において、少なくとも60°の化粧組成物の色相角度の変化Dhが観察されるように、ゴニオクロマチック着色剤を選択することを特徴とする、先の請求項1ないし4のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項6】
反射粒子の大きさが250μmを越えないことを特徴とする、先の請求項1ないし5のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項7】
反射粒子の大きさが150μmを越えないことを特徴とする、請求項6に記載のメーキャップ製品。
【請求項8】
反射粒子の大きさが100μmを越えないことを特徴とする、請求項7に記載のメーキャップ製品。
【請求項9】
反射粒子の大きさが少なくとも10μmであることを特徴とする、先の請求項1ないし8のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項10】
反射粒子の大きさが20μmから50μmであることを特徴とする、請求項9に記載のメーキャップ製品。
【請求項11】
反射粒子が、組成物の全質量に対して、1質量%〜15質量%の範囲の含量で組成物に存在することを特徴とする、先の請求項1ないし10のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項12】
反射粒子が、組成物の全質量に対して、1質量%〜10質量%の範囲の含量で組成物に存在することを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
反射粒子が小板又は球体の形態にあることを特徴とする、先の請求項1ないし12のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項14】
一又は複数の物質、有機基体、無機基体、ガラス、セラミックス、金属オキシド、アルミナ、シリカ、シリケート、合成マイカ及びこれらの混合物から合成基体を選択することを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項15】
シリケートをアルミノシリケート及びボロシリケートから選択することを特徴とする、請求項14に記載のメーキャップ製品。
【請求項16】
チタン酸化物、鉄酸化物、スズ酸化物、及び化合物Al23、MgO、Y23、SeO3、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb25、Ta25及びこれらの混合物から金属酸化物を選択することを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
金属酸化物が酸化チタン、酸化鉄又は酸化スズ又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
金属酸化物がTiO2であることを特徴とする、請求項17に記載のメーキャップ製品。
【請求項19】
ゴニオクロマチック着色剤が以下の構造から選択する多層干渉構造を含むことを特徴とする、先の請求項1ないし18のいずれか1項に記載のメーキャップ製品:Al/SiO2/Al/SiO2/Al;Cr/MgF2/Al/MgF2/Cr;MoS2/SiO2/Al/SiO2/MoS2;Fe23/SiO2/Al/SiO2/Fe23;Fe23/SiO2/Fe23/SiO2/Fe23;MoS2/SiO2/マイカオキシド/SiO2/MoS2;Fe23/SiO2/マイカオキシド/SiO2/Fe23;TiO2/SiO2/TiO2;TiO2/Al23/TiO2;SnO/TiO2/SiO2/TiO2/SnO;Fe23/SiO2/Fe23;SnO/マイカ/TiO2/SiO2/TiO2/マイカ/SnO。
【請求項20】
ゴニオクロマチック着色剤が以下から選択する多層干渉構造を含むことを特徴とする、請求項19に記載のメーキャップ製品:MoS2/SiO2/Al/SiO2/MoS2;Fe23/SiO2/Al/SiO2/Fe23;Fe23/SiO2/Fe23/SiO2/Fe23;SnO/TiO2/SiO2/TiO2/SnO;Fe23/SiO2/Fe23;SnO/マイカ/TiO2/SiO2/TiO2/マイカ/SnO。
【請求項21】
ゴニオクロマチック着色剤が、組成物の全質量に対して、2質量%〜15質量%の範囲の量で存在することを特徴とする、先の請求項1ないし20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
ゴニオクロマチック着色剤が、組成物の全質量に対して、2質量%〜10質量%の範囲の量で存在することを特徴とする、先の請求項1ないし21に記載のメーキャップ製品。
【請求項23】
製品が20より大きい平均輝度を有するグロスベースを含むことを特徴とする、先の請求項1ないし22のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項24】
製品が50より大きい平均輝度を有するグロスベースを含むことを特徴とする、請求項23に記載のメーキャップ製品。
【請求項25】
製品が70より大きい平均輝度を有するグロスベースを含むことを特徴とする、請求項24に記載のメーキャップ製品。
【請求項26】
製品がさらに少なくとも一つの非−ゴニオクロマチック着色剤を含むことを特徴とする、先の請求項1ないし25のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項27】
非−ゴニオクロマチック着色剤を染料、単色性顔料及び真珠光沢剤から選択することを特徴とする、請求項26に記載のメーキャップ製品。
【請求項28】
製品がゴニオクロマチック繊維を含むことを特徴とする、先の請求項1ないし27のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項29】
製品が以下の形態の一つであることを特徴とする、先の請求項1ないし28のいずれか1項に記載のメーキャップ製品:無水形態、油性又は水性溶液の形態、油性又は水性ジェル、水中油又は油中水エマルション、多層エマルション、油/水の界面に配置したベヒクルによる水中油の分散物の形態。
【請求項30】
製品が液状グロスの形態にあることを特徴とする、先の請求項1ないし29のいずれか1項に記載のメーキャップ製品。
【請求項31】
先の請求項1ないし30のいずれか1項に記載のメーキャップ製品を含む唇のメーキャップ製品。
【請求項32】
請求項1ないし30のいずれか1項に記載のメーキャップ製品を含むマニキュア。
【請求項33】
唇又は外皮のメーキャップ方法であって、以下を唇又は外皮に同時に又は引き続き適用することを含む方法:
− 少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤であって、照射角45°でかつ観察角を0°〜80°の間で変化させた場合に、化粧組成物の層において、少なくとも30°の化粧組成物の色相角度の変化Dhが観察されるように、該ゴニオクロマチック着色剤が液晶着色剤及び多層干渉構造から選択されるゴニオクロマチック着色剤、
− 該ゴニオクロマチック着色剤と異なる反射粒子であって、可視スペクトルにおいて少なくとも70%のスペクトル反射率を有し、かつ以下から選択される反射粒子:
− 少なくとも一つの金属オキシドの少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した合成基体を有する粒子、
− 及び1.47〜1.51の屈折率を有する油性相。
【請求項34】
唇及び外皮から選択する支持体をメーキャップする方法であって、以下を支持体に同時に又は引き続き適用することを含む方法:
− ゴニオクロマチックな着色した背景を生じることができる少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤、ここで、照射角45°でかつ観察角を0°〜80°の間で変化させた場合に、化粧組成物の層において、少なくとも30°の化粧組成物の色相角度の変化Dhが観察されるように、該ゴニオクロマチック着色剤が液晶着色剤及び多層干渉構造から選択され、
− 裸眼が見ることのできる強調点を生じることができる反射粒子、ここで、該反射粒子は可視スペクトルにおいて少なくとも70%のスペクトル反射率を有し、かつ以下から選択され:
− 少なくとも一つの金属オキシドの少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した合成基体を有する粒子、
− 及び1.47〜1.51の屈折率を有する油性相。
【請求項35】
ゴニオクロマチック着色剤と反射粒子を請求項1ないし30のいずれか1項に記載のメーキャップ製品の形態で同時に適用することを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
相互に異なる第1及び第2の組成物を含む、唇及び外皮から選択する支持体をメーキャップするためのキットであって、
− 第1の組成物が少なくともいくらかの反射粒子を含み、ここで、組成物の全質量に対して0.1質量%〜20質量%の範囲の含量で該反射粒子が組成物中に存在し、該反射粒子は可視スペクトルにおいて少なくとも70%のスペクトル反射率を有し、かつ以下から選択され:
− 少なくとも一つの金属オキシドの少なくとも一つの層で少なくとも部分的に被覆した合成基体を有する粒子、
ここで、該反射粒子は、該二つの組成物を支持体に適用したあとで裸眼が見ることのできる強調点を生じることができ、
− 第2の組成物が生理学的に受容可能な媒体中に少なくとも一つのゴニオクロマチック着色剤を含み、ここで、組成物の全質量に対して0.1質量%〜20質量%の範囲の含量で該ゴニオクロマチック着色剤が組成物中に存在し、照射角45°でかつ観察角を0°〜80°の間で変化させた場合に、化粧組成物の層において、少なくとも30°の化粧組成物の色相角度の変化Dhが観察されるように、該ゴニオクロマチック着色剤が液晶着色剤及び多層干渉構造から選択され、
第1及び/又は第2の組成物は1.47〜1.51の屈折率を有する油性相を含み、かつ、
− 第1及び第2の組成物が分離して包装される、
キット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−286791(P2009−286791A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197042(P2009−197042)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【分割の表示】特願2003−302035(P2003−302035)の分割
【原出願日】平成15年7月18日(2003.7.18)
【出願人】(392006020)ロレアル (10)
【氏名又は名称原語表記】LOREAL
【Fターム(参考)】