医用画像保管装置、医用画像装置、医用画像システム、及び医用画像情報保管方法
【課題】 医用画像情報の保管後において患者の意に反して当該患者の個人情報が取得されることを回避し得る一方で当該個人情報を含まない態様での画像情報の利用は制限しないことを可能とする。
【解決手段】 医用画像装置から得られる医用画像情報を受信する受信手段と、前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、前記テーブルを再取得する第2の手段と、前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【解決手段】 医用画像装置から得られる医用画像情報を受信する受信手段と、前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、前記テーブルを再取得する第2の手段と、前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は患者の個人情報を含む医用画像情報を保管する医用画像保管装置、このような医用画像情報を発生して保管する医用画像装置、医用画像保管装置及び医用画像装置を含む医用画像システム、及び上記のような医用画像情報を保管する医用画像情報保管方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばX線診断装置、X線断層像撮影装置、磁気共鳴画像装置、超音波診断装置、PET(Positron Emission tomography)装置、等の医用画像装置は医用画像情報を発生する。医用画像情報は医用画像データ及び付帯情報を通常含み、医用画像保管装置に保管される。付帯情報は検査情報及び患者情報を通常含む。従って、医用画像情報は検査情報等に含まれる患者名、患者識別情報(例えば、患者ID)、等の画像データに係る患者を識別し得る個人情報を含む。このことは、医用画像情報が個人のプライバシー情報のカテゴリに含まれ、医師法を始め種々の関連法規で保護されるものであることを意味する。
【0003】
医用画像情報は厳しく管理され情報漏えいから保護されるべきものであるが、医用画像情報が医療行為以外の目的に使用される場合、医用画像情報に含まれる個人情報が漏れてしまう可能性を否定し得ない。例えば、医用画像情報が当該医用画像情報に基づく画像の研究に用いられる場合や医用画像情報が医用画像保管装置の保守作業中に使用される場合に漏洩が生じる可能性がある。
【0004】
この種の問題を解決するために、例えば、医用情報管理システムに事前に患者又は当該患者の医師により設定された情報開示手続を保存し、この手続に従うことによってのみ医用画像情報の参照を許可することにより、医用画像情報が意に反して開示されることはないとする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、この方法では、相変わらず、医師が医用画像情報にアクセス許可されている限り情報の使用目的に関係なく医用画像情報を編集し処理することを当該医師に許可することになる。従って、医用画像情報が当該医用画像情報に基づく画像の研究目的やその他の医療行為以外の目的に使用される場合、医用画像情報から個人情報を取り除くことは面倒なこともあり、医用画像情報に含まれる個人情報の一部が不注意な操作等によって漏洩してしまうことが発生し得る。
【0006】
また、保守サービス担当者が医用画像保管装置を保守する場合に、当該担当者が個人情報の扱いに不慣れであると、誤って個人情報の一部を漏洩してしまうことも有り得る。
【0007】
ところで、患者にとっては、医用画像情報が厳しく安全に保管され適切に使用されているかどうか知る方法がない。
【0008】
個人情報を保護する方法として、医用画像情報を画像データと付帯情報に分割し、医用画像情報がネットワークを介して送信される際に付帯情報については暗号化することで付帯情報に含まれる個人情報が送信中に第三者に取得されるようなことがないようにすることも知られている(例えば、特許文献2又は3参照)。
【特許文献1】特開2002−197186号公報
【特許文献2】特開2000−13614号公報
【特許文献3】特開2002−247026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の例は送信中の保護のみであって暗号化された付帯情報は医用画像情報の受信後には復号化されてしまう。上記文献はいずれも医用画像情報が一旦医用画像保管装置等に保管された後に個人情報を保護し前述した問題点を解決することについて記載しておらず、示唆もしていない。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、医用画像情報の保管後において患者の意に反して当該患者の個人情報が取得されることを回避し得る一方で当該個人情報を含まない態様での画像情報の利用は制限しないことを可能とする医用画像保管装置、医用画像装置、医用画像システム、及び医用画像情報保管方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1記載の本発明の医用画像保管装置は、医用画像装置から得られる医用画像情報を受信する受信手段と、前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、前記テーブルを再取得する第2の手段と、前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために請求項31記載の本発明の医用画像装置は、医用画像情報を発生する撮影手段と、前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、前記テーブルを再取得する第2の手段と、前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために請求項32記載の本発明の医用画像システムは、医用画像装置及び医用画像保管装置を含み、これらの装置が医用画像情報を発生する撮影手段と、前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、前記テーブルを再取得する第2の手段と、前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために請求項33記載の本発明の医用画像保管方法は、医用画像装置から得られる医用画像情報を受信し、前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成し、前記所定の個人情報を記憶し、前記画像情報を記憶し、前記テーブルを入手不可とすることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために請求項35記載の本発明の医用画像保管方法は、医用画像情報を発生し、前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成し、前記所定の個人情報を記憶し、前記画像情報を記憶し、前記テーブルを入手不可とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、医用画像情報の保管後において患者の意に反して当該患者の個人情報が取得されることを回避し得る一方で、画像情報の利用については制限をしないので従来同様に画像の利用は確保し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施例について以下、図面を用いて説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。例えば画像ファイルサーバのような医用画像保管装置10は受信ユニット1、医用画像情報処理ユニット(以下、画像処理ユニットと称す)2、記憶ユニット3、医用画像情報出力ユニット(以下、出力ユニットと称す)4、テーブル処理ユニット5、操作ユニット6、及び制御ユニット7を含む。
【0019】
受信ユニット1はX線診断装置、X線断層像撮影装置(以下、X線CT装置と称す)、磁気共鳴画像装置、核医学診断装置、超音波診断装置、内視鏡装置、等の医用画像装置に接続される。図1においては、X線CT装置80が病院LAN(Local Area Network)のようなネットワークを介して受信ユニット1に接続されている。受信ユニット1は画像データ及びその付帯情報を含む医用画像情報を受信する。画像データはX線CT装置80により発生されたX線CT画像データに関する。なお、画像データはX線CT装置80により画像処理されたX線CT画像データであってもよい。画像データは二次元画像データであってもよいし、三次元画像データであってもよい。画像データは例えば撮影パラメータや撮影時刻等の撮影条件情報を含むものであってもよい。また、付帯情報は例えば上記画像データに関する患者情報や検査情報を含む。患者情報は例えば患者名、患者識別情報、患者の生年月日、患者の性別、等、通常は患者の個人情報として扱われ得るものを含む。検査情報は例えば検査日、患者の検査部位、医用画像装置の種類(ここではX線CT装置)、等を含む。画像データ及び検査情報についても患者の個人情報を含み得る。個人情報とは例えば、当該情報自体で或いは患者の他の情報と併せた場合に特定の患者を特定し得る情報であってもよい。
【0020】
画像処理ユニット2は医用画像情報記憶ユニット21と医用画像情報分割ユニット22を含む。画像処理ユニット2は「テーブル作成手段」に対応し得る。
【0021】
医用画像情報記憶ユニット21は受信ユニット1により受信された医用画像情報を一時的に記憶する。なお、記憶された医用画像情報、つまり原医用画像情報は所定の条件に従って医用画像情報記憶ユニット21から削除されることで、医師や放射線技師等(以下、ユーザと称す)は許可されない限り或いは患者の助け無しには原医用画像情報を取得することができないようにする。
【0022】
図2に示すように、医用画像情報分割ユニット22は医用画像情報210を所定の個人情報220と画像情報230に分割する。個人情報の全て或いは一部が所定個人情報220として決定される。所定個人情報220は医用画像情報210から抽出される。所定個人情報220が取り除かれた医用画像情報210は画像情報230として扱われる。なお、画像情報230は取り除かれた所定個人情報220の代わりにダミー情報を含むようにしてもよい。医用画像保管装置は典型的には各種情報がどこに記憶されているか認識可能であるので、医用画像情報分割ユニット22は所定の個人情報を抽出することは可能である。特に、医用画像情報がDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠した態様で記憶されている場合は医用画像情報分割ユニット22は所定個人情報をタグ情報により抽出することができる。
【0023】
また、医用画像情報分割ユニット22は所定個人情報についての識別情報(以下、個人情報IDと称す)及び画像情報についての識別情報(以下、画像情報IDと称す)を発行する。個人情報IDは所定個人情報に与えられ、この個人情報IDが与えられた所定個人情報はID付所定個人情報として記憶ユニット3に転送される。同様に、画像情報IDは画像情報に与えられ、この画像情報IDが与えられた画像情報はID付画像情報として記憶ユニット3に転送される。個人情報IDは各医用画像情報に対して唯一のものとして(ユニークに)発行され、これにより所定の個人情報は検査間で区別され得る。同様に、画像情報IDは各医用画像情報に対して唯一のものとして(ユニークに)発行され、これにより画像情報は検査間で区別され得る。患者情報IDと画像情報IDの各々はテーブル記憶ユニット52における発行システムと関連するものではなく、表示ユニット43に表示されない任意の数字情報及び/又は文字情報からなる。
【0024】
さらに、医用画像情報分割ユニット22は所定の個人情報及び画像情報の間の関係についてのテーブルを作成する。例えば、医用画像情報分割ユニット22は個人情報ID、画像情報ID、及び検査日を含む予備テーブルを作成する。検査日は医用画像情報に含まれる検査情報から得られる。図3(a)に示すように、医用画像情報分割ユニット22はその後ユニーク情報を予備テーブルに加えてテーブルを作成する。ユニーク情報は各患者に唯一に(ユニークに)与えられ又は発行されるもので、例えば、患者の健康保険被保険者証情報、患者の診察券情報、患者により設定されたパスワード情報、等の患者を区別できる情報であればよい。このユニーク情報は操作ユニット6から入力され得る。作成されたテーブルはテーブル処理ユニット5へ転送される。
【0025】
記憶ユニット3は例えば磁気ディスクのような不揮発性記憶デバイスからなり、画像情報記憶ユニット31と個人情報記憶ユニット32を含む。画像情報記憶ユニット31はID付画像情報を記憶する。個人情報記憶ユニット32はID付所定個人情報を記憶する。画像情報記憶ユニット31は「第2の記憶手段」に対応し得、個人情報記憶ユニット32は「第1の記憶手段」に対応し得る。
【0026】
出力ユニット4は医用画像情報作成ユニット41、画像情報検索ユニット42、及び表示ユニット43を含む。医用画像情報作成ユニット41はテーブル復号化ユニット53からテーブル(復号化されたテーブル)を受け取り、テーブルから得られた画像情報IDに対応するIDが付されたID付画像情報を画像情報記憶ユニット31から検索する。また、医用画像情報作成ユニット41はテーブルから得られた個人情報IDに対応するIDが付されたID付所定個人情報を個人情報記憶ユニット32から検索する。さらに、医用画像情報作成ユニット41は検索された画像情報と所定個人情報を結合することにより医用画像情報を作成し、この医用画像情報を表示ユニット43に転送する。
【0027】
画像情報検索ユニット42は操作ユニット6からの要求に従って画像情報記憶ユニット31から(ID付)画像情報を検索し、この画像情報を表示ユニット43に転送する。
【0028】
表示ユニット43は医用画像情報作成ユニット41から医用画像情報が転送されるときは医用画像情報を表示する。この場合、表示ユニット43は医用画像情報に含まれる画像情報及び個人情報を表示する。また、表示ユニット43は画像情報検索ユニット42から画像情報が転送されるときは画像情報を表示する。この場合、表示ユニット43は個人情報を表示しない。
【0029】
テーブル処理ユニット5はテーブル暗号化ユニット51、テーブル記憶ユニット52、及びテーブル復号化ユニット53を含む。テーブル暗号化ユニット51は医用画像情報分割ユニット22から転送されたテーブルを受け取り、当該テーブルを暗号化する。暗号化されたテーブルはテーブル記憶ユニット52に転送され記憶される。テーブル暗号化ユニット51は暗号化鍵を記憶するようにしてもよい。特に、暗号化鍵が患者の公開鍵である場合にはこれを記憶するようにしてもよい。また、その代わりとして暗号化鍵は患者により保持、管理され得るIC(Integrated Circuit)カード81に記録されるようにしてもよい。この場合、暗号化鍵は操作ユニット6を介してICカード81から読み取られ、制御ユニット7を介してテーブル暗号化ユニット51に提供される。図3(b)に示すように、テーブルが暗号化される際は個人情報ID及び画像情報IDのみが暗号化され、検査日及びユニーク情報は暗号化されたテーブルの検索に用いられ得るようにしてもよい。テーブル暗号化ユニット51は「前記テーブルを入手不可とする第1の手段」に対応し得る。
【0030】
テーブル復号化ユニット53はユニーク情報(及び検査日)に従って暗号化されたテーブルを検索し、暗号化されたテーブルを復号化する。復号化されたテーブルはテーブルとして医用画像情報作成ユニット41に転送される。復号化において、テーブル復号化ユニット53は復号化鍵を用いる。テーブル暗号化ユニット51が公開鍵を用いる場合はテーブル復号化ユニット53は公開鍵に対応する秘密鍵を復号化鍵として使用する。秘密鍵等の復号化鍵はICカード81に記録される。従って、この場合、秘密鍵等の復号化鍵は捜査ユニット6を介してICカード81から読み取られ、制御ユニット7を介してテーブル復号化ユニット53に提供される。テーブル復号化ユニット53は「前記テーブルを再取得する第2の手段」に対応し得る。
【0031】
操作ユニット6はICカードリーダ61、種々のスイッチ、及び例えばキーボード、トラックボール、マウス、磁気カードリーダ、バーコードリーダ、等の入力デバイスを含む。外部記録媒体8がICカード81である場合、ICカードリーダ61が使用される。外部記録媒体8が磁気カード82或いはバーコード媒体83である場合は磁気カードリーダ或いはバーコードリーダが使用されることになる。以下の記載においてはICカード81が外部記録媒体8の例として使用される場合を例にとって実施例を説明する。外部記録媒体8は携帯可能であり、通常は患者により保持、管理されるものであってもよい。操作ユニット6はインタラクティブなインターフェースとして動作するものであってもよい。操作ユニット6はユニーク情報、種々の情報や指示、暗号化鍵、復号化鍵、等の入力に使用される。ユニーク情報、暗号化鍵、及び復号化鍵はICカードリーダ61を介して入力されてもよい。
【0032】
制御ユニット7は中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)及び記憶回路を含む。記憶回路は上記した情報、指示、ユニーク情報、暗号化鍵、及び復号化鍵が操作ユニット6から入力された場合にこれらを一時的に記憶する。これらの情報は医用画像保管装置10に設けられた1つ以上の適当なユニットに転送されるかこれらユニットの制御や医用画像保管装置10全体の制御に使用される。
【0033】
医用画像情報の保管動作について図4を参照しながら説明する。図4は本発明の実施例1に係る医用画像保管装置10における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャートである。
【0034】
X線CT装置80がCT画像データ及びその付帯情報を医用画像情報として発生したとき、医用画像情報は医用画像保管装置10に病院LANを介して送信される。送信された医用画像情報は受信ユニット1によって受信される。保管動作は操作ユニット6からのユーザの指示に応じて開始させることもできるが、医用画像保管装置10が医用画像情報を受信し保管する用意がある限り保管動作は典型的には医用画像情報の受信に従って開始される(ステップS1)。
【0035】
受信された医用画像情報は医用画像情報記憶ユニット21に一時的に記憶される(ステップS2)。それから医用画像情報は医用画像情報分割ユニット22に転送され(ステップS3)、所定個人情報と画像情報に分割される。すなわち、所定個人情報は医用画像情報から所定の個人情報を抽出することにより作成される。また、ダミー情報を用いて、画像情報が作成される(ステップS4)。
【0036】
医用画像情報記憶ユニット21から医用画像情報分割ユニット22への医用画像情報の転送は暗号化処理へ進むことを意味する。一旦暗号化が実行されると、患者に管理された復号化鍵が得られない限りユーザは医用画像情報を得ることができない。ユーザは通常医用画像情報から得られる画像の読影や診断を患者を特定して行う必要があるので、上記転送はすぐには実行されないようにしてもよい。或いは例え転送されても、分割動作が直ぐには実行されないようにしてもよい。
【0037】
図5は本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第1の例を示すフローチャートである。X線CT装置80での撮影に先立ち、ユーザは通常撮影計画を立てる(ステップS101)。計画が完了したら制御ユニット7は計時を開始する(ステップS102)。例えば、計画の完了の旨が計画が行われた装置から医用画像保管装置10に通知されるようにしてもよい。計画に従って撮影動作が実行される(ステップS103)。撮影後、計時開始から所定の時間が経過したか否かが判断される(ステップS104)。ユーザには読影を行うための十分な時間を与える必要があることから、上記所定時間はユーザが撮影後に読影を行うのに十分な長さに設定される。制御ユニット7は所定時間の経過を判断すると、画像処理ユニット2を制御し、その結果、前記転送或いは分割動作が行われる(ステップS105)。
【0038】
上記転送や分割動作への移行は代わりに図6に示されるようにしてもよい。図6は本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第2の例を示すフローチャートである。撮影(ステップS111)が完了すると計時が開始される(ステップS112)。例えば、制御ユニット7は受信ユニット1による医用画像情報の受信に応じて計時を開始するようにしてもよい。制御ユニット7は所定時間の経過を判断すると(ステップS113)、画像処理ユニット2を制御し、その結果、前記転送或いは分割動作が行われる(ステップS114)。
【0039】
計時に関するさらなる代替例として図7に示すようにしてもよい。図7は本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第3の例を示すフローチャートである。これは計時が病院での会計や支払いに応じて開始されてもよいとする場合である。この場合の一例として患者が入院した場合が考えられる。患者の入院(ステップS121)後、患者に対して撮影動作が実行される(ステップS122)。患者は退院する際(ステップS123)、通常は支払いを行なわなければならない。支払い情報は会計担当により会計システムへ入力される(ステップS124)。例えば、会計処理の完了が会計システムから医用画像保管装置10へ通知されるようにしてもよい。会計システムからの情報に応じて、制御ユニット7は計時を開始する(ステップS125)。制御ユニット7は所定時間の経過を判断すると(ステップS126)、画像処理ユニット2を制御し、その結果、前記転送或いは分割動作が行われる(ステップS127)。
【0040】
このような例によれば、ユーザは医用画像情報に基づいて画像を読影するのに十分な時間を持つことができる。
【0041】
図4に戻る。ステップS4における所定個人情報及び画像情報の分割、作成の動作の後、医用画像情報分割ユニット22は所定個人情報のために個人情報IDを発行し、画像情報のために画像情報IDを発行する(ステップS5)。そして医用画像情報分割ユニット22は個人情報IDを所定個人情報に与え、ID付所定個人情報を作成する。また、医用画像情報分割ユニット22は画像情報IDを画像情報に与え、ID付画像情報を作成する(ステップS6)。ID付所定個人情報は個人情報記憶ユニット32に記憶される(ステップS7)。ID付画像情報は画像情報記憶ユニット31に記憶される(ステップS8)。ステップS7及びS8における記憶の後、医用画像情報は医用画像情報記憶ユニット21から削除され、ユーザは復号化鍵なくしては医用画像情報を取得できなくなる(ステップS9)。
【0042】
ユーザの画像読影作業に対しては計時例が図5乃至7を参照して説明した。これらの計時例を分割等の動作への移行の判断に適用する代わりに、ステップS9での削除動作への移行に適用してもよい。例えば、図5のステップS105、図6のステップS114、又は図7のステップS127が図8に示すステップS131と置き換えられてもよい。すなわち、ステップS9の削除動作が計時による所定時間の経過後にのみ実行されるようにしてもよい。
【0043】
医用画像情報分割ユニット22は所定の個人情報及び画像情報の間の関係についてのテーブルも作成する。まず、個人情報ID、画像情報ID、及び検査日を含む予備テーブルが作成される(ステップS10)。次に医用画像情報分割ユニット22は図3(a)に示すように予備テーブルにユニーク情報を結合することによりテーブルを作成する(ステップS11)。
【0044】
テーブルはテーブル暗号化ユニット51に転送され暗号化される(ステップS12)。前述したように、テーブル暗号化ユニット51はICカードリーダ61を介してICカード81から得られた復号化鍵又はテーブル暗号化ユニット51或いは医用画像保管装置10の他のユニットに記憶された公開鍵を使用する。暗号化鍵が公開鍵として記憶されていない場合、暗号化鍵の入力の要求が表示ユニット43における要求表示を通して行われてもよい。このような要求表示に応じてユーザはICカード81をICカードリーダ61に挿入する。正確には、ユーザは患者にICカード81をICカードリーダ61に挿入するよう依頼することになるかもしれない。また、例え公開鍵が暗号化鍵として使用されない場合であっても事前にICカード81から暗号化鍵を読み取っておくことによりテーブルが暗号化されるようにしてもよい。図3(b)に示すように、個人情報ID及び画像情報IDのみがテーブル暗号化ユニット51において暗号化されるようにしてもよい。
【0045】
ユーザの画像読影のための計時例は図5乃至8の代わりにステップS12での暗号化動作に適用されるようにしてもよい。例えば、図5のステップS105、図6のステップS114、又は図7のステップS127が図9に示すステップS141と置き換えられてもよい。すなわち、ステップS12の暗号化動作が計時による所定時間の経過後にのみ実行されるようにしてもよい。
【0046】
次に医用画像情報の出力動作について図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。図10は本発明の実施例1に係る医用画像保管装置10における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。医用画像情報は医用画像保管装置10から削除されているため、ユーザが医用画像情報を得たい場合はテーブルに基づいて医用画像情報を再生するために暗号化されたテーブルを復号化する必要がある。ユーザは操作ユニット6を介して医用画像情報を得ることを開始する指示を入力する。暗号化の前に既に完了している画像読影の場合を除き、医用画像情報を得て出力するために、ユーザは患者にICカード81をICカードリーダ61に挿入するよう依頼する必要があるかもしれない。ユーザはまず操作ユニット6から患者のユニーク情報を入力する。或いはユニーク情報がICカード81に記録されている場合にはユニーク情報がICカード81から読み取られるように患者にICカード81をICカードリーダ61に挿入するよう依頼する(ステップS21)。
【0047】
操作ユニット6を介したユニーク情報はテーブル復号化ユニット53に転送される。暗号化されたテーブルに含まれるユニーク情報は図3(b)に示すように暗号化されていないので、テーブル復号化ユニット53は転送されたユニーク情報をテーブル記憶ユニット52に記憶された暗号化されたテーブルに含まれるユニーク情報と比較する。テーブル復号化ユニット53は転送されたユニーク情報と一致する或いは対応するユニーク情報を含む1つ以上の暗号化されたテーブルを検索する(ステップS22)。検索後、復号化鍵の入力要求が表示ユニット43における要求表示を通して行われる(ステップS23)。ICカード81のICカードリーダ61への挿入に応じて、ICカードリーダ61はICカード81から復号化鍵を読み取り、テーブル復号化ユニット53はこの復号化鍵を受け取る(ステップS24)。
【0048】
前述したように、復号化鍵は患者の秘密鍵であってもよい。テーブル復号化ユニット53は復号化鍵を用いて1つ以上の暗号化されたテーブルを復号化し、1つ以上のテーブルを得る(ステップS25)。ステップS25において得られたテーブルが1つだけの場合(ステップS26)、そのテーブルは医用画像情報作成ユニット41に転送される(ステップS27)。ステップS25において得られたテーブルが2以上ある場合は各テーブルに含まれる検査日が検査日リストとして表示ユニット43に表示される(ステップS28)。ユーザがリストされた複数の検査日のうちの1つを操作ユニット6を用いて指定すると(ステップS29)、指定された検査日に対応するテーブルが医用画像情報作成ユニット41に転送される(ステップS30)。
【0049】
医用画像情報作成ユニット41は転送されたテーブルに含まれる個人情報IDに従って個人情報記憶ユニット32に記憶されたID付所定個人情報を検索し、転送されたテーブルに含まれる画像情報IDに従って画像情報記憶ユニット31に記憶されたID付画像情報を検索する(ステップS31)。医用画像情報作成ユニット41は転送されたテーブルに含まれる個人情報IDに一致する又は対応するIDが付与された所定個人情報を得る。同様にして、医用画像情報作成ユニット41は転送されたテーブルに含まれる画像情報IDに一致する又は対応するIDが付与された画像情報を得る。得られた個人情報と画像情報を結合することにより医用画像情報作成ユニット41は医用画像情報を作成し再生する(ステップS32)。医用画像情報は表示ユニット43に転送され(ステップS33)表示される(ステップS34)。
【0050】
ユーザが画像データから得られる画像を研究する目的で画像データを使用する必要がある場合は画像データを含む画像情報が利用される。また、保守サービス担当が保守サービス中に画像データに基づく画像を参照するために画像データを使用する必要がある場合も画像情報が利用される。画像データに関連付けられる患者に対する医療行為に直接関係しない他の目的の場合も、画像情報記憶ユニット31に記憶された画像情報が利用されることになる。
【0051】
図11は本発明の実施例1に係る医用画像保管装置10における画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。ユーザ、保守サービス担当、その他画像を得る必要がある者(以下、操作者と称す)が画像を得たい場合、操作者は操作ユニット6から検索条件を入力する(ステップS41)。検索条件は医用画像装置の種類、撮影条件、検査部位情報、等のうちの1つ以上であるかもしれない。これらの検索条件に対応する選択可能な項目が操作ユニット6による所定の操作に応じて表示ユニット43に表示されるようにしてもよい。この場合、操作者は表示された項目について所望の条件を選択するだけでよいとすることができる。
【0052】
上記入力や選択に応じて、画像情報検索ユニット42は検索条件に基づいて画像情報記憶ユニット31に記憶された画像情報を検索する(ステップS42)。検索された画像情報は表示ユニット43に転送される(ステップS43)。画像情報は画像、医用画像装置の種類、撮影条件、撮影部位情報、等として表示されるが、このとき表示ユニット43に個人情報は表示されないことになる(ステップS44)。
【0053】
個人情報は画像情報とは別に記憶され、暗号化されたテーブルを復号化することなく画像情報と照合することはできない。暗号化されたテーブルは復号化鍵を用いてのみ復号化され得る。復号化鍵は患者によって管理される。従って、画像に関連付けられる患者に対する医療行為に直接関係しない目的のために画像が求められるとき、個人情報は操作者から保護される。一方で、ユーザが個人情報を含む医用画像情報を表示する必要があるときは、ユーザは患者に管理されている復号化鍵を用いて医用画像情報を表示することができる。つまり、患者にとっては、医用画像情報に含まれる個人情報が例えユーザによる場合であっても患者自身が管理する復号化鍵がなければ参照され得ないことになる。このことは個人情報が患者の目の前でのみ参照されることを意味することができる。
【0054】
図1において、ICカードリーダ61は操作ユニット6に含まれる。これにより、ユーザは患者からICカード81を借りて、患者の入室は許されない場所に典型的には設けられている医用画像保管装置10までICカード81を持っていく必要があるかもしれない。さもなければ、患者は医用画像保管装置10のところまで来ることを依頼され、ICカード81をICカードリーダ61に挿入することを求められるかもしれない。このようなことは実際的でない。1つの方法として、医用画像保管装置10の本体に病院LAN又は直接的な通信回線を介して遠隔に接続されたICカードリーダ61の使用を適用することができる。例えば、患者が通常ユーザにより診察を受ける診察室にカードリーダ61を設けながらも、このカードリーダ61は依然として操作ユニット61の一部として動作することになる。
【0055】
例えばICカード81に記録された情報を受け取る別の実際的な方法として図12に示すようなものも考えられる。操作ユニット6は図1に示すICカードリーダ61の代わりに第2の受信ユニット62を含む。第2の受信ユニット62は病院LANを介して外部ICカードリーダ11に接続されている。この外部ICカードリーダ11は病院LANに直接接続されていてもよいし、例えばワークステーションのような医用画像表示装置を介して接続されてもよい。外部ICカードリーダ11は診察室に設けられてもよい。第2の受信ユニット62は外部ICカードリーダ11によりICカード81から読み出されたユニーク情報、暗号化鍵、及び/又は復号化鍵を受信する。
【0056】
さらに図12において、出力ユニット4は図1に示す表示ユニット43の代わりに送信ユニット44を含む。医用画像情報作成ユニット41により作成された医用画像情報は例えば病院LANを介して外部医用画像表示装置12に送信される。同様に、画像情報検索ユニット42により検索された画像情報も外部医用画像表示装置12に送信される。この外部医用画像表示装置12は上記した外部ICカードリーダ11が接続される医用画像表示装置と同じものであってもよく、この場合は外部医用画像表示装置12において医用画像情報や画像情報の要求を行い、要求した情報を受信することができる。
【0057】
医用画像保管装置10のその他の構成は図1に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0058】
(実施例2)
実施例2ではテーブルが暗号化されないがユーザや操作者には当該テーブルを入手できないようにする例について説明する。図13は本発明の実施例2に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。同図に示すように、医用画像保管装置20はテーブル処理ユニットを含まない。操作ユニット6はICカードリーダ61を含まないがICカードリーダ・ライタ63を含む。医用画像保管装置20の他の構成は図1に示す医用画像保管装置10に含まれるものと同様である。従って、同様の構成についての詳細な説明に関してはここでは省略する。
【0059】
ICカードリーダ・ライタ63はICカード81からユニーク情報を読み取る。さらに、ICカードリーダ・ライタ63はテーブルをICカード81に書き込み、ICカード81からテーブルを読み取る。ICカードリーダ・ライタ63は「第1の手段」及び「第2の手段」に対応し得る。
【0060】
図14は本発明の実施例2におけるICカード81へのテーブルの書込みの流れの例を示すフローチャートである。図4に示したステップS1乃至S10に従って医用画像情報分割ユニット22ではテーブルが作成される(ステップS51)。テーブルはICカードリーダ・ライタ63へ転送されICカード81に書き込まれる(ステップS52)。従って、医用画像情報はICカード81無しには再生され得ない。患者に関するテーブルは患者が保持、管理するICカード81に記録されるので、図15に示すようにテーブルはユニーク情報を含まなくてもよい。
【0061】
図16は本発明の実施例2に係る医用画像保管装置20における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。ユーザは操作ユニット6を介して医用画像情報を得ることを開始する指示を入力する。暗号化の前に既に完了している画像読影の場合を除き、医用画像情報を得て出力するために、ユーザは患者にICカード81をICカードリーダ・ライタ63に挿入するよう依頼する必要があるかもしれない。患者はICカード81をICカードリーダ・ライタ63に挿入し、ICカードリーダ・ライタ63はICカード81からテーブルを読み取る(ステップS61)。ユーザは患者のユニーク情報を入力する必要はないかもしれない。ICカード81から読み取られたテーブルは医用画像情報作成ユニット41に転送された後、図10に示したステップS26乃至S34に従って医用画像情報が表示ユニット43に表示される(ステップS62)。
【0062】
操作ユニット6に対する変形例として、図17に示すように操作ユニット6はディスクドライブユニット64を含むようにしてもよい。ディスクドライブユニット64は「第1の手段」及び「第2の手段」に対応し得る。図17は本発明の実施例2に係る医用画像保管装置20の構成の変形例を示すブロック図である。ディスクドライブユニット64は光磁気ディスク(MO)84、DVD85、或いはCD−R86への書き込み及びこれらからの読み出しを行う。MO84、DVD85、及びCD−R86は上記した外部記録媒体8の他の例であるが、適用し得る記録可能ディスクはこれらの例に限られない。
【0063】
図18に示すように、医用画像保管装置20はICカードリーダ・ライタ63を含まず送受信ユニット65を含むようにしてもよい。この送受信ユニット65は「第1の手段」及び「第2の手段」に対応し得る。送受信ユニット65は病院LANを介して外部ICカードリーダ・ライタ13に接続される。この外部ICカードリーダ・ライタ13は病院LANに直接接続されていてもよいし、例えばワークステーションのような医用画像表示装置を介して接続されてもよい。外部ICカードリーダ・ライタ13は診察室に設けられてもよい。送受信ユニット65は医用画像情報分割ユニット22から転送されたテーブルを外部ICカードリーダ・ライタ13に送信する。また、送受信ユニット65は外部ICカードリーダ・ライタ13によりICカード81から読み出されたテーブルを受信する。
【0064】
さらに図18において、出力ユニット4は表示ユニット43の代わりに送信ユニット44を含む。医用画像情報作成ユニット41により作成された医用画像情報は例えば病院LANを介して外部医用画像表示装置12に送信される。同様に、画像情報検索ユニット42により検索された画像情報も外部医用画像表示装置12に送信される。この外部医用画像表示装置12は上記した外部ICカードリーダ・ライタ13が接続される医用画像表示装置と同じものであってもよく、この場合は外部医用画像表示装置12において医用画像情報や画像情報の要求を行い、要求した情報を受信することができる。
【0065】
(実施例3)
実施例1ではユニーク情報を患者を区別するために用いる場合について説明した。しかしながら、ユニーク情報はユーザを区別するのに用いてもよい。図19は本発明の実施例3に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。図19に示すように操作ユニット6はICカードリーダを含まないが、医用画像保管装置30は鍵発生ユニット66、認証ユニット67、ユーザID記憶ユニット68、鍵記憶ユニット69、及び鍵入出力ユニット70を含む。
【0066】
鍵発生ユニット66は各ユーザに対して暗号化鍵及び復号化鍵を発生する。暗号化鍵及び復号化鍵は同じ鍵であってもよい。認証ユニット67は例えば操作ユニット6から入力されるユーザID及びパスワードのような認証情報により医用画像保管装置30へのログインが許されるユーザであることを認証する。認証に応じて、ユーザは医用画像保管装置30にログインする。ユーザID記憶ユニット68は認証ユニット67により認証されたユーザIDを記憶する。すなわち、ユーザID記憶ユニット67に記憶されたユーザIDは医用画像保管装置30に現在ログインしているユーザに関するものである。鍵記憶ユニット69は1人以上のユーザについて暗号化鍵及び復号化鍵をユーザIDに関連付けて記憶する。鍵入出力ユニット70はユーザID記憶ユニット68に記憶されたユーザIDを取得し、ユーザIDに対応する暗号化鍵又は復号化鍵を鍵記憶ユニット69から検索する。鍵入出力ユニット70は制御ユニット7に暗号化鍵又は復号化鍵を出力する。これにより、暗号化が要求されている場合は暗号化鍵がテーブル暗号化ユニット51に転送され、復号化が要求されている場合は復号化鍵がテーブル復号化ユニット53に転送される。
【0067】
医用画像保管装置30のその他の構成は図1に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0068】
本実施例においては、図20に示すようにテーブルに含まれるユニーク情報がユーザIDとなる。図3(b)の場合と同様、テーブル暗号化ユニット51において暗号化鍵によりテーブルが暗号化される際、このユーザIDは暗号化されない。
【0069】
次に医用画像情報の出力動作について図21に示すフローチャートを参照しながら説明する。図21は本発明の実施例3に係る医用画像保管装置30における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。
【0070】
自己の患者について医用画像情報を得る必要があるユーザは操作ユニット6から認証情報を入力する(ステップS71)。認証情報は認証ユニット67に転送され、認証される(ステップS72)。認証が成功すると(ステップS73)、認証情報に対応するユーザのユーザID或いは認証情報に含まれるユーザIDが現在のユーザのユーザIDとしてユーザID記憶ユニット68に記憶される(ステップS74)。ユーザは医用画像保管装置30にログインすることが許され、医用画像保管装置30の使用を開始する。
【0071】
ユーザは操作ユニット6を介して医用画像情報を得ることについて要求を行うことができる(ステップS75)。この要求に応じて、制御ユニット7はユーザID記憶ユニット68からユーザIDを取得し(ステップS76)、ユーザIDをテーブル復号化ユニット53に転送する。テーブル復号化ユニット53は転送されたユーザIDに一致するユーザIDを含む1つ以上の暗号化されたテーブルを検索する(ステップS77)。さらに制御ユニット7は鍵入出力ユニット70を制御してユーザID記憶ユニット68に記憶されたユーザIDに対応する復号化鍵を鍵記憶ユニット69から検索する(ステップS78)。検索後、復号化鍵はテーブル復号化ユニット53に転送され、図10に示したステップS25乃至S34に従って医用画像情報が表示ユニット43に表示される(ステップS79)。
【0072】
実施例3によれば、ユーザは自己の患者についてのみ医用画像情報を得ることができる。従って、医用画像情報に含まれる患者の個人情報は必ずしも患者の目の前で参照されるとは限らないが、患者は自己の医用画像情報が当該ユーザによってのみ参照されること或いは少なくとも当該ユーザの操作を介さずには参照されることがないことについて保証され得る。
【0073】
認証情報及び要求の入力は図22に示すように外部入力ユニットからなされるようにしてもよい。操作ユニット6は第2の受信ユニット62を含む。第2の受信ユニット62は例えば病院LANを介して外部入力ユニット14に接続される。外部入力ユニット14は病院LANに直接接続されていてもよいし、例えばワークステーションのような医用画像表示装置の一部として接続されてもよい。外部入力ユニット14は診察室に設けられてもよい。第2の受信ユニット62は外部入力ユニット14から入力された認証情報や要求を受信する。
【0074】
さらに図22において、出力ユニット4は表示ユニット43の代わりに送信ユニット44を含む。医用画像情報作成ユニット41により作成された医用画像情報は例えば病院LANを介して外部医用画像表示装置12に送信される。同様に、画像情報検索ユニット42により検索された画像情報も外部医用画像表示装置12に送信される。この外部医用画像表示装置12は外部入力ユニット14を搭載する医用画像表示装置と同じものであってもよく、この場合は外部医用画像表示装置12において医用画像情報や画像情報の要求を行い、要求した情報を受信することができる。
【0075】
医用画像保管装置30のその他の構成は図19に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0076】
実施例3においてはユーザIDがユニーク情報として使用された。代替例として病院に設けられた例えば内科や外科等の診察科(診療科)を区別する情報をユニーク情報としてもよい。
【0077】
(実施例4)
実施例1乃至3において、医用画像情報はX線CT装置から受信され、医用画像情報分割ユニットにおいて個人情報と画像情報に分割された。実施例4においては個人情報が医用画像情報とは別に取得され、医用画像情報を分割する必要はない。
【0078】
図23は本発明の実施例4に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。同図に示すように、医用画像保管装置40は病院情報システム及び/又は放射線情報システム(以下、HIS/RISと称す)15に例えば病院LANを介して接続される。医用画像保管装置40はさらに検査選択ユニット16、予約情報入力ユニット17、及び検査情報入力ユニット18の1つ以上に接続されてもよい。検査選択ユニット16、予約情報入力ユニット17、及び検査情報入力ユニット18は例えば病院LANを介して受信ユニット1に接続される1つ又は2つ以上の外部装置に設けられてもよい。画像処理ユニット2は医用画像情報分割ユニットを含まないが、医用画像情報記憶ユニット21に加え、予約情報記憶ユニット23、個人情報作成記憶ユニット24、及びテーブル作成ユニット25を含む。
【0079】
受信ユニット1は実施例1で説明したようにX線CT装置80から医用画像情報を受信する。受信された医用画像情報は医用画像情報記憶ユニット21に転送される。医用画像情報記憶ユニット21は所定の約束に従って医用画像情報に含まれる所定の個人情報を取り除く。これにより、画像情報が作成される。取り除かれた所定個人情報の代わりに画像情報の中にはダミー情報を含むようにしてもよい。
【0080】
受信ユニット1はさらにHIS/RIS15から検査予約情報を受信する。これから行われる画像検査に関する検査予約情報が典型的にはHIS/RIS15に入力されることで当該画像検査の予約が行われる。検査予約情報は通常これから行われる検査及び当該検査の対象患者の種々の情報を含む。すなわち、当該患者の個人情報も含み得る。予約情報記憶ユニット23は受信ユニット1により受信された検査予約情報を記憶する。個人情報作成記憶ユニット24は所定の約束に従って予約情報記憶ユニット23に記憶されている検査予約情報から所定の個人情報を抽出し作成する。作成された所定個人情報は個人情報作成記憶ユニット24に記憶される。
【0081】
受信ユニット1は検査選択ユニット16から検査選択情報を受信してもよい。検査選択情報は予約情報記憶ユニット23に転送され、個人情報作成記憶ユニット24は検査選択情報に基づいて選択された検査予約情報について上記した動作を行う。受信ユニット1はさらに予約情報入力ユニット17から検査予約情報を受信してもよい。予約情報入力ユニット17から受信された検査予約情報は予約情報記憶ユニット23に記憶され、HIS/RIS15から受信された検査予約情報と同様に扱われ得る。
【0082】
検査情報入力ユニット18から受信された検査情報は個人情報作成記憶ユニット24に転送される。個人情報作成記憶ユニット24は上記したように検査予約情報から所定の個人情報を抽出するが、必要に応じて検査情報入力ユニット18から受信された検査情報から所定個人情報を上記抽出に加えて或いはその代わりに抽出するようにしてもよい。検査予約情報、検査選択情報、及び検査情報の1つ以上が「検査関連情報」に対応し得る。
【0083】
テーブル作成ユニット25は個人情報ID及び画像情報IDを発行する。個人情報IDは個人情報作成記憶ユニット24に記憶された所定個人情報に与えられる。画像情報IDは医用画像情報記憶ユニット21に記憶された画像情報に与えられる。またテーブル作成ユニット25は所定個人情報及び画像情報の間の関係についてのテーブルを実施例1において説明したのと同様な方法で作成する。
【0084】
医用画像保管装置40のその他の構成は図1に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0085】
所定個人情報及び画像情報の保管動作について図24に示すフローチャートを参照しながら説明する。図24は本発明の実施例4に係る医用画像保管装置40における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャートである。
【0086】
保管動作は図4におけるステップ1と同様にして開始することもできる。しかしながら、X線CT装置80から医用画像情報を受信する前に、検査予約情報は受信ユニット1によりHIS/RIS15から受信することができる。受信ユニット1がHIS/RIS15から及び/又は予約情報入力ユニット17から検査予約情報を受信した場合、この検査予約情報は予約情報記憶ユニット23に転送される。例えば予約された検査が完了するまで或いは医用画像情報が受信ユニット1により受信されるまで、検査予約情報は検査情報記憶ユニット23に記憶される(ステップS81)。
【0087】
また、受信ユニット1はX線CT装置80から医用画像情報を受信した場合、医用画像情報は医用画像情報記憶ユニット21に転送され記憶される(ステップS82)。
【0088】
検査予約情報は例えば医用画像情報が受信ユニット1により受信されたことに応じて個人情報作成記憶ユニット24に転送される。受信ユニット1が検査情報入力ユニット18から検査情報を受信した場合は、検査情報も個人情報作成記憶ユニット24に記憶される。個人情報作成記憶ユニット24は検査予約情報及び検査情報に含まれ画像情報と結合されるのが適当である所定の個人情報を抽出する。所定個人情報はこの抽出の結果として作成され(ステップS83)、個人情報作成記憶ユニット24に記憶される(ステップS84)。
【0089】
医用画像情報記憶ユニット21においては所定の個人情報が医用画像情報から取り除かれて画像情報が作成される(ステップS85)。作成された画像情報は医用画像情報記憶ユニット21に記憶される(ステップS86)。
【0090】
テーブルはテーブル作成ユニット25により作成され、個人情報ID及び画像情報IDは上記したようにテーブル作成ユニット25により発行されるが、図4におけるステップS5乃至S13に示したのと同様の方法でテーブルは暗号化され医用画像情報は入手不可能とされる(ステップS87)。
【0091】
医用画像情報の出力動作については図10に示したのと同様の方法で達成され得る。
【0092】
(実施例5)
実施例5では、患者の医用画像情報が限定された1人以上のユーザによってのみ取得されること或いは少なくとも当該限定されたユーザの操作無しには取得され得ないということで患者の個人情報の保護を図る。
【0093】
図25は本発明の実施例5に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。医用画像保管装置50はテーブル処理ユニットを含まないが、認証ユニット67、ユーザID記憶ユニット68、テーブル記憶ユニット71、テーブル出力ユニット72、ユーザ権限記憶ユニット73、及びテーブル使用許可判定ユニット74を含む。
【0094】
認証ユニット67及びユーザID記憶ユニット68は実施例3において説明したのと同様の態様で動作する。テーブル記憶ユニット71は医用画像情報分割ユニット22において作成されたテーブルを記憶する。テーブル出力ユニット72はテーブル使用許可判定ユニット74に従ってテーブル記憶ユニット71に記憶されたテーブルを医用画像情報作成ユニット41に出力する。ユーザ権限記憶ユニット73はユーザがテーブルを使用することを許可されているかを示す第2のテーブルを記憶する。例えば第2のテーブルは、特定の患者(すなわち特定のユニーク情報)についてユーザA及びC(すなわちユーザID A及びC)はテーブルを使用することが許可されるがユーザB(すなわちユーザID B)は許可されないということを示す。第2のテーブルは1人以上の患者についてこのよう情報を含む。
【0095】
また、このような情報の代わりに、ユーザ権限記憶ユニット73はユーザがどのユニーク情報についてならテーブルを使用することが許可されるかを示す第2のテーブルを記憶するようにしてもよい。例えば、第2のテーブルは、ユーザAは(すなわちユーザID A)は患者A、B、及びC(すなわちユニーク情報A、B、及びC)に関するテーブルを使用することが許可される一方で、ユーザBは(すなわちユーザID B)は患者A及びB(すなわちユニーク情報A及びB)に関するテーブルを使用することが許可されることを示す。また、第2のテーブルはユーザC(すなわちユーザID C)がどのテーブルをも使用することが許可されないことを示してもよいし、ユーザCはどのテーブルについても許可されたユーザではないということを意味する目的でユーザC(すなわちユーザID C)についての情報を含まないとするようにしてもよい。
【0096】
テーブル使用許可判定ユニット74は医用画像保管装置50にログインしたユーザがユーザ権限記憶ユニット73に記憶された第2のテーブルに基づいて1つ以上のテーブルを使用することが許可されているか否かを判定する。
【0097】
医用画像保管装置50のその他の構成は図1に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0098】
図26は本発明の実施例5に係る医用画像保管装置50における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャートである。医用画像情報の保管動作においては、図4に示したステップS1乃至S10に従ってテーブルが作成される(ステップS88)。テーブルはテーブル記憶ユニット71に記憶される(ステップS89)。このテーブルはユーザ権限記憶ユニット73、テーブル使用許可判定ユニット74、及びテーブル出力ユニット72により入手不可能とされる。つまり、ユーザ権限記憶ユニット73、テーブル使用許可判定ユニット74、及びテーブル出力ユニット72は集合的に「第1の手段」及び「第2の手段」に対応し得る。
【0099】
医用画像情報の出力動作について図27に示すフローチャートを参照しながら説明する。図27は本発明の実施例5に係る医用画像保管装置50における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。
【0100】
特定の患者について医用画像情報を得る必要があるユーザは操作ユニット6から認証情報を入力する(ステップS91)。認証情報は認証ユニット67に転送され、認証される(ステップS92)。認証が成功すると(ステップS93)、認証情報に対応するユーザのユーザID或いは認証情報に含まれるユーザIDが現在のユーザのユーザIDとしてユーザID記憶ユニット68に記憶される(ステップS94)。ユーザは医用画像保管装置50にログインすることが許され、医用画像保管装置50の使用を開始する。
【0101】
ユーザは操作ユニット6から特定の患者に関するユニーク情報を入力する(ステップS95)。ユニーク情報はテーブル使用許可判定ユニット74に転送される。テーブル使用許可判定ユニット74はユーザID記憶ユニット68から現在のユーザIDを取得し、例えば得られたユーザIDに関する第2のテーブルの情報をユーザ権限記憶ユニット73から検索する(ステップS96)。
【0102】
テーブル使用許可判定ユニット74は現在のユーザIDが転送されたユニーク情報についてのテーブルを使用することが許可されているか否かについて判定する(ステップS97)。テーブル使用許可判定ユニット74が現在のユーザIDは転送されたユニーク情報についてのテーブルを使用することが許可されていると判定すると、テーブル出力ユニット72は当該ユニーク情報に係る1つ以上のテーブルを医用画像情報作成ユニット41に出力する(ステップS98)。医用画像情報は図10に示したステップS26乃至S34に従って表示される(ステップS99)。
【0103】
もしテーブル使用許可判定ユニット74がステップS97において現在のユーザIDは転送されたユニーク情報についてのテーブルを使用することが許可されていないと判定すると、制御ユニット7は出力ユニット4を制御し、表示ユニット43が当該ユーザは入力されたユニーク情報に係る患者の医用画像情報を取得することを許可されていないとのエラー情報を表示する(ステップS100)。
【0104】
(実施例6)
実施例1乃至5に記載された医用画像保管装置の特徴は実施例1にて挙げたような医用画像装置において実施されるようにしてもよい。以下2つの例について述べるが、上記実施例のどの実施例或いはどの実施例間の組合せであっても医用画像装置に適用し得る。
【0105】
図28は本発明の実施例6に係る医用画像装置の構成の例を示すブロック図である。医用画像装置60は撮影ユニット75、画像処理ユニット2、記憶ユニット3、出力ユニット4、テーブル処理ユニット5、操作ユニット6、及び制御ユニット7を含む。外部記録媒体8は操作ユニット6に対して使用される。
【0106】
医用画像装置60がX線CT装置である場合、撮影ユニット75は例えばX線管、X線検出器、データ収集システム、再構成部、情報作成部、等を含む。X線管は患者に対してX線を発生し、X線検出器は発生したX線の結果から生じるX線情報を検出する。検出されたX線情報はデータ収集システムにより収集され、再構成部によって画像データを生成するために再構成される。情報作成部は画像データとその付帯情報を結合することにより医用画像情報を作成する。付帯情報は操作ユニット6から或いは例えば病院LANを介して外部装置(図示せず)から得られる。医用画像情報は画像処理ユニット2に転送される。画像処理ユニット2、記憶ユニット3、出力ユニット4、テーブル処理ユニット5、操作ユニット6、及び制御ユニット7は図1に示す対応するユニットと同様に動作し得るためここでは詳細な説明は省略する。
【0107】
医用画像装置60の変形例を図29を参照しながら説明する。図29は本発明の実施例6に係る医用画像装置60の構成の変形例を示すブロック図である。図29に示すように、医用画像装置60は例えば病院LANを介してHIS/RIS15に接続される受信ユニット1を含む。画像処理ユニット2は医用画像情報分割ユニット22を含まないかもしれないが、医用画像情報記憶ユニット21に加えて予約情報記憶ユニット23、個人情報作成記憶ユニット24、及びテーブル作成ユニット25を含む。
【0108】
受信ユニット1は実施例4のようにHIS/RIS15から検査予約情報を受信し、受信された検査予約情報は実施例4において説明したように予約情報記憶ユニット23に記憶される。また、実施例4にて説明したように、個人情報作成記憶ユニット24は検査情報記憶ユニット23に記憶された検査予約情報から所定の個人情報を抽出し、作成し、記憶する。テーブル作成ユニット25は実施例4に説明したような態様で動作する。
【0109】
操作ユニット6はICカードリーダ61に加えて検査選択ユニット76、予約情報入力ユニット77、及び検査情報入力ユニット78を含む。検査選択ユニット76はリストされた複数の予約検査から1つの検査を選択するために使用され得る。この選択により医用画像装置60は選択された検査について撮影を行う。個人情報作成記憶ユニット24は選択された検査に関する検査予約情報について前述した動作を行う。予約情報入力ユニット77は予約情報記憶ユニット23に記憶される検査予約情報を入力するために設けられるが、頻繁には使用されないかもしれない。検査情報入力ユニット78は検査情報を入力するために使用され得る。検査情報入力ユニット78から入力された検査情報は個人情報作成記憶ユニット24に転送される。個人情報作成記憶ユニット24は上記したように検査予約情報から所定個人情報を抽出するが必要に応じて転送された検査情報から所定個人情報をさらに或いは前述の代わりに抽出するようにしてもよい。
【0110】
撮影ユニット75は図28を参照して説明されたように動作する。しかし、撮影ユニット75から発生された医用画像情報は個人情報を含まない。従って、医用画像情報記憶ユニット21は医用画像情報を画像情報として記憶する。
【0111】
医用画像装置60のその他の構成は図28に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。なお、図29において制御ユニット7と他のユニット間の接続については省略している。
【0112】
(実施例7)
図30は本発明の実施例7に係る医用画像システムの例を示すブロック図である。医用画像システムは医用画像装置310、医用画像保管装置320、及び医用画像表示装置330を含み、これらは病院LANを介して互いに接続されている。医用画像表示装置330はICカードリーダ340に接続されてもよい。ICカードリーダ340はICカード350に記録された情報を読み取る。
【0113】
医用画像装置310は実施例1で挙げたような医用画像装置のどの種類のものであってもよい。医用画像装置310は以下に限定される訳ではないが、撮影311、テーブル作成312、テーブル暗号化313、並びに暗号化されたテーブル、ID付画像情報、及びID付所定個人情報の送信314の特徴(機能)を有する。
【0114】
撮影機能311は例えば撮影ユニット75のようなユニットにおいて実行され得る。テーブル作成機能312は例えば医用画像情報分割ユニット22のようなユニットにおいて実行され得る。テーブル暗号化機能313は例えばテーブル暗号化ユニット51のようなユニットにおいて実行され得る。送信機能314はもし送信ユニット44が実施例6において医用画像装置60に設けられるとしたならそのような場合における送信ユニット44のようなユニットにおいて例えば実行され得る。
【0115】
医用画像保管装置320は例えばファイリングサーバであり、以下に限定される訳ではないが、暗号化鍵の記憶321、暗号化されたテーブル、ID付画像情報、及びID付所定個人情報の記憶322、テーブル復号化323、医用画像情報の作成324、画像情報の検索325、並びに医用画像情報又は画像情報の送信326の特徴(機能)を有する。
【0116】
暗号化鍵の記憶機能321は例えば制御ユニット7のようなユニットにおいて実行され得る。記憶機能322は例えば記憶ユニット3やテーブル記憶ユニット52のようなユニットにおいて実行され得る。テーブル復号化機能323は例えばテーブル復号化ユニット53のようなユニットにおいて実行され得る。医用画像情報の作成機能324は例えば医用画像情報作成ユニット41のようなユニットにおいて実行され得る。画像情報の検索機能325は例えば画像情報検索ユニット42のようなユニットにおいて実行され得る。送信機能326は例えば送信ユニット44のようなユニットにおいて実行され得る。
【0117】
医用画像表示装置330は例えばワークステーションであり、読影室において画像読影したり、診察室で画像観察したり、カンファレンス室で画像研究したりするために用いられる。医用画像表示装置330は以下に限定される訳ではないが、復号化鍵の送信331、医用画像情報の要求332、画像情報の要求333、及び医用画像情報又は画像情報の表示334の特徴(機能)を有する。復号化鍵の送信機能331は例えば送受信ユニットにおいて実行され得る。医用画像情報の要求機能332及び画像情報の要求機能333は例えば入力ユニット及び送受信ユニットにおいて実行され得る。表示機能334は例えば表示ユニットにおいて実行され得る。
【0118】
ICカード350は暗号化鍵に対応する復号化鍵351を含む。医用画像保管装置320に記憶された暗号化鍵が患者の公開鍵である場合は復号化鍵351はこの公開鍵に対応する秘密鍵となる。ICカード350は患者により保持、管理され得る。
【0119】
医用画像装置310、医用画像保管装置320、医用画像表示装置330、ICカードリーダ340、及びICカード350の間のやりとりについて以下に簡単に説明する。
【0120】
医用画像情報が撮影機能311により発生されると所定の個人情報及び画像情報がその医用画像情報に基づいて作成される。また、所定個人情報及び画像情報の間の関係についてのテーブルがテーブル作成機能312により作成される。所定の個人情報及び画像情報はそれぞれIDが付与され、付与されたIDはテーブルに含まれる。このテーブルはテーブル暗号化機能313により暗号化鍵を用いて暗号化される。暗号化鍵は医用画像保管装置320から得ることができる。暗号化されたテーブルは送信機能314により医用画像保管装置320に送信される。また、ID付所定個人情報及びID付画像情報も送信機能314により医用画像保管装置320に送信される。
【0121】
送信された暗号化テーブル、ID付所定個人情報、及びID付画像情報は記憶機能322により医用画像保管装置320に記憶される。
【0122】
ユーザが患者の医用画像情報を得たいとき、ユーザは医用画像情報を要求し、この要求は医用画像情報の要求機能332により医用画像表示装置330から医用画像保管装置320へ送信される。ユーザはまた患者にICカード350をICカードリーダ340に挿入するよう求める。挿入に応じて、ICカードリーダ340はICカード350から復号化鍵351を読み取る。復号化鍵351は医用画像表示装置330に提供され、復号化鍵の送信機能331により医用画像保管装置320に送信される。医用画像保管装置320はテーブル復号化機能323により復号化鍵351を用いて暗号化されたテーブルを復号化する。復号化されたテーブルに基づいて、医用画像情報が医用画像情報の作成機能324により作成され再生される。医用画像情報は送信機能326により医用画像表示装置330に送信される。医用画像表示装置330では表示機能324により医用画像情報が表示される。
【0123】
操作者が画像情報の要求機能333により画像情報を要求する場合は、この要求が画像情報の要求機能333により医用画像表示装置330から医用画像保管装置320に送信される。医用画像保管装置320では、画像情報が画像情報の検索機能325により検索される。画像情報は送信機能326により医用画像表示装置330に送信される。医用画像表示装置330では表示機能324により画像情報が表示される。
【0124】
上述したように、暗号化と復号化は必ずしも同じ装置で実行される必要はない。また、画像要求及び表示もテーブルを暗号化及び/又は復号化する装置において行われる必要はない。上述の複数実施例のうち1つ以上において記載された特徴(機能)は異なる装置において実行されてもよく、全体として所定の医用画像システムの中で達成されればよい。図30を参照して説明した実施例7はこのようなシステムの一例に過ぎない。
【0125】
医用画像システムは図31に示すようなシステムでもよい。図31は本発明の実施例7に係る医用画像システムの別の例を示すブロック図である。同図に示すように、医用画像保管装置320はテーブル暗号化機能323の代わりに暗号化テーブル送信機能327及び復号化テーブル受信機能328を含んでもよい。また、医用画像表示装置330は暗号化鍵送信機能331の代わりにテーブル暗号化機能335及び復号化テーブル送信機能336を含んでもよい。
【0126】
医用画像表示装置330での医用画像情報の要求機能332による医用画像情報の要求に応じて、暗号化されたテーブルが暗号化テーブル送信機能327により医用画像保管装置320から暗号化テーブルが送信される。ICカードリーダ340により読み取られた復号化鍵351は医用画像表示装置330に提供され、暗号化されたテーブルがテーブル復号化機能335により復号化鍵351を用いて復号化される。複合化されたテーブルは複合化テーブル送信機能336により医用画像保管装置320に送信される。復号化されたテーブルは復号化テーブル受信機能328により受信される。復号化されたテーブルに基づいて、医用画像情報が医用画像情報の作成機能324により作成され再生される。医用画像情報は送信機能326により医用画像表示装置330に送信される。医用画像表示装置330では表示機能324により医用画像情報が表示される。
【0127】
復号化されたテーブルが医用画像表示装置330から医用画像保管装置320へ送信される際は復号化されたテーブルが例えばSSL(Secure Socket Layer)やIP Sec.等により保護されたネットワーを介して送信されるようにしてもよい。
【0128】
ICカード81が用いられる上記複数の実施例においては、ICカード81が各装置10乃至60並びに330のうちの1つの一部として機能し、図32に示すようにメモリ810及び復号化機能(ユニット)820を含むようにしてもよい。メモリ810は復号化鍵を記憶する。ICカード81が暗号化されたテーブルを受け取ると、このテーブルは復号化機能820により復号化される。復号化されたテーブルは上記装置に提供される。本例によれば復号化鍵自体がネットワークを介して送信されないので保護されることになる。復号化されたテーブルは例えばSSL(Secure Socket Layer)やIP Sec.等により保護されたネットワーを介して当該装置に送られるようにしてもよい。
【0129】
さらに、実施例1乃至7の1つ又は複数が別の実施例として組み合わされてもよい。
【0130】
以上述べた本発明の実施例は本発明の理解を容易にするためにのみ記載された例に過ぎず、本発明を限定するための記載ではない。従って、以上の本発明の実施例において開示された各構成要素やその他要素は本発明の主旨を逸脱しない範囲においてその等価物等に設計変更や修正を可能とするものである。さらに、同構成要素やその他要素についての可能とする如何なる組み合わせも、以上述べた本発明の実施例において得られる効果と同様の効果が得られる限り、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係る医用画像情報の分割の例を示す図。
【図3】本発明の実施例1に係るテーブルの例を示す図。
【図4】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第1の例を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第2の例を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第3の例を示すフローチャート。
【図8】図5、6、又は7に示す所定のステップに置き代わるステップの例を示す図。
【図9】図5、6、又は7に示す所定のステップに置き代わるステップの別の例を示す図。
【図10】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置における画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置の別の構成の例を示すブロック図。
【図13】本発明の実施例2に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図14】本発明の実施例2におけるICカードへのテーブルの書込みの流れの例を示すフローチャート。
【図15】本発明の実施例2におけるICカードに記録されるテーブルの例を示す図。
【図16】本発明の実施例2に係る医用画像保管装置における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図17】本発明の実施例2に係る医用画像保管装置の構成の変形例を示すブロック図。
【図18】本発明の実施例2に係る医用画像保管装置の構成の別の変形例を示すブロック図。
【図19】本発明の実施例3に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図20】本発明の実施例3に係るテーブルの例を示す図。
【図21】本発明の実施例3に係る医用画像保管装置における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図22】本発明の実施例3に係る医用画像保管装置の構成の別の例を示すブロック図。
【図23】本発明の実施例4に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図24】本発明の実施例4に係る医用画像保管装置における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャート。
【図25】本発明の実施例5に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図26】本発明の実施例5に係る医用画像保管装置における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャート。
【図27】本発明の実施例5に係る医用画像保管装置における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図28】本発明の実施例6に係る医用画像装置の構成の例を示すブロック図。
【図29】本発明の実施例6に係る医用画像装置の構成の変形例を示すブロック図。
【図30】本発明の実施例7に係る医用画像システムの例を示すブロック図。
【図31】本発明の実施例7に係る医用画像システムの別の例を示すブロック図。
【図32】実施例に係るICカードの例を示す図。
【符号の説明】
【0132】
1・・・受信ユニット
2・・・医用画像情報処理ユニット
3・・・記憶ユニット
4・・・医用画像情報出力ユニット
5・・・テーブル処理ユニット
6・・・操作ユニット
7・・・制御ユニット
8・・・外部記録媒体
10・・・医用画像保管装置
21・・・医用画像情報記憶ユニット
22・・・医用画像情報分割ユニット
31・・・画像情報記憶ユニット
32・・・個人情報記憶ユニット
41・・・画像情報検索ユニット
42・・・医用画像情報作成ユニット
43・・・表示ユニット
51・・・テーブル暗号化ユニット
52・・・テーブル記憶ユニット
53・・・テーブル復号化ユニット
61・・・ICカードリーダ
81・・・ICカード
【技術分野】
【0001】
本発明は患者の個人情報を含む医用画像情報を保管する医用画像保管装置、このような医用画像情報を発生して保管する医用画像装置、医用画像保管装置及び医用画像装置を含む医用画像システム、及び上記のような医用画像情報を保管する医用画像情報保管方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばX線診断装置、X線断層像撮影装置、磁気共鳴画像装置、超音波診断装置、PET(Positron Emission tomography)装置、等の医用画像装置は医用画像情報を発生する。医用画像情報は医用画像データ及び付帯情報を通常含み、医用画像保管装置に保管される。付帯情報は検査情報及び患者情報を通常含む。従って、医用画像情報は検査情報等に含まれる患者名、患者識別情報(例えば、患者ID)、等の画像データに係る患者を識別し得る個人情報を含む。このことは、医用画像情報が個人のプライバシー情報のカテゴリに含まれ、医師法を始め種々の関連法規で保護されるものであることを意味する。
【0003】
医用画像情報は厳しく管理され情報漏えいから保護されるべきものであるが、医用画像情報が医療行為以外の目的に使用される場合、医用画像情報に含まれる個人情報が漏れてしまう可能性を否定し得ない。例えば、医用画像情報が当該医用画像情報に基づく画像の研究に用いられる場合や医用画像情報が医用画像保管装置の保守作業中に使用される場合に漏洩が生じる可能性がある。
【0004】
この種の問題を解決するために、例えば、医用情報管理システムに事前に患者又は当該患者の医師により設定された情報開示手続を保存し、この手続に従うことによってのみ医用画像情報の参照を許可することにより、医用画像情報が意に反して開示されることはないとする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、この方法では、相変わらず、医師が医用画像情報にアクセス許可されている限り情報の使用目的に関係なく医用画像情報を編集し処理することを当該医師に許可することになる。従って、医用画像情報が当該医用画像情報に基づく画像の研究目的やその他の医療行為以外の目的に使用される場合、医用画像情報から個人情報を取り除くことは面倒なこともあり、医用画像情報に含まれる個人情報の一部が不注意な操作等によって漏洩してしまうことが発生し得る。
【0006】
また、保守サービス担当者が医用画像保管装置を保守する場合に、当該担当者が個人情報の扱いに不慣れであると、誤って個人情報の一部を漏洩してしまうことも有り得る。
【0007】
ところで、患者にとっては、医用画像情報が厳しく安全に保管され適切に使用されているかどうか知る方法がない。
【0008】
個人情報を保護する方法として、医用画像情報を画像データと付帯情報に分割し、医用画像情報がネットワークを介して送信される際に付帯情報については暗号化することで付帯情報に含まれる個人情報が送信中に第三者に取得されるようなことがないようにすることも知られている(例えば、特許文献2又は3参照)。
【特許文献1】特開2002−197186号公報
【特許文献2】特開2000−13614号公報
【特許文献3】特開2002−247026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の例は送信中の保護のみであって暗号化された付帯情報は医用画像情報の受信後には復号化されてしまう。上記文献はいずれも医用画像情報が一旦医用画像保管装置等に保管された後に個人情報を保護し前述した問題点を解決することについて記載しておらず、示唆もしていない。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、医用画像情報の保管後において患者の意に反して当該患者の個人情報が取得されることを回避し得る一方で当該個人情報を含まない態様での画像情報の利用は制限しないことを可能とする医用画像保管装置、医用画像装置、医用画像システム、及び医用画像情報保管方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1記載の本発明の医用画像保管装置は、医用画像装置から得られる医用画像情報を受信する受信手段と、前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、前記テーブルを再取得する第2の手段と、前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために請求項31記載の本発明の医用画像装置は、医用画像情報を発生する撮影手段と、前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、前記テーブルを再取得する第2の手段と、前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために請求項32記載の本発明の医用画像システムは、医用画像装置及び医用画像保管装置を含み、これらの装置が医用画像情報を発生する撮影手段と、前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、前記テーブルを再取得する第2の手段と、前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために請求項33記載の本発明の医用画像保管方法は、医用画像装置から得られる医用画像情報を受信し、前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成し、前記所定の個人情報を記憶し、前記画像情報を記憶し、前記テーブルを入手不可とすることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために請求項35記載の本発明の医用画像保管方法は、医用画像情報を発生し、前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成し、前記所定の個人情報を記憶し、前記画像情報を記憶し、前記テーブルを入手不可とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、医用画像情報の保管後において患者の意に反して当該患者の個人情報が取得されることを回避し得る一方で、画像情報の利用については制限をしないので従来同様に画像の利用は確保し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施例について以下、図面を用いて説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。例えば画像ファイルサーバのような医用画像保管装置10は受信ユニット1、医用画像情報処理ユニット(以下、画像処理ユニットと称す)2、記憶ユニット3、医用画像情報出力ユニット(以下、出力ユニットと称す)4、テーブル処理ユニット5、操作ユニット6、及び制御ユニット7を含む。
【0019】
受信ユニット1はX線診断装置、X線断層像撮影装置(以下、X線CT装置と称す)、磁気共鳴画像装置、核医学診断装置、超音波診断装置、内視鏡装置、等の医用画像装置に接続される。図1においては、X線CT装置80が病院LAN(Local Area Network)のようなネットワークを介して受信ユニット1に接続されている。受信ユニット1は画像データ及びその付帯情報を含む医用画像情報を受信する。画像データはX線CT装置80により発生されたX線CT画像データに関する。なお、画像データはX線CT装置80により画像処理されたX線CT画像データであってもよい。画像データは二次元画像データであってもよいし、三次元画像データであってもよい。画像データは例えば撮影パラメータや撮影時刻等の撮影条件情報を含むものであってもよい。また、付帯情報は例えば上記画像データに関する患者情報や検査情報を含む。患者情報は例えば患者名、患者識別情報、患者の生年月日、患者の性別、等、通常は患者の個人情報として扱われ得るものを含む。検査情報は例えば検査日、患者の検査部位、医用画像装置の種類(ここではX線CT装置)、等を含む。画像データ及び検査情報についても患者の個人情報を含み得る。個人情報とは例えば、当該情報自体で或いは患者の他の情報と併せた場合に特定の患者を特定し得る情報であってもよい。
【0020】
画像処理ユニット2は医用画像情報記憶ユニット21と医用画像情報分割ユニット22を含む。画像処理ユニット2は「テーブル作成手段」に対応し得る。
【0021】
医用画像情報記憶ユニット21は受信ユニット1により受信された医用画像情報を一時的に記憶する。なお、記憶された医用画像情報、つまり原医用画像情報は所定の条件に従って医用画像情報記憶ユニット21から削除されることで、医師や放射線技師等(以下、ユーザと称す)は許可されない限り或いは患者の助け無しには原医用画像情報を取得することができないようにする。
【0022】
図2に示すように、医用画像情報分割ユニット22は医用画像情報210を所定の個人情報220と画像情報230に分割する。個人情報の全て或いは一部が所定個人情報220として決定される。所定個人情報220は医用画像情報210から抽出される。所定個人情報220が取り除かれた医用画像情報210は画像情報230として扱われる。なお、画像情報230は取り除かれた所定個人情報220の代わりにダミー情報を含むようにしてもよい。医用画像保管装置は典型的には各種情報がどこに記憶されているか認識可能であるので、医用画像情報分割ユニット22は所定の個人情報を抽出することは可能である。特に、医用画像情報がDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠した態様で記憶されている場合は医用画像情報分割ユニット22は所定個人情報をタグ情報により抽出することができる。
【0023】
また、医用画像情報分割ユニット22は所定個人情報についての識別情報(以下、個人情報IDと称す)及び画像情報についての識別情報(以下、画像情報IDと称す)を発行する。個人情報IDは所定個人情報に与えられ、この個人情報IDが与えられた所定個人情報はID付所定個人情報として記憶ユニット3に転送される。同様に、画像情報IDは画像情報に与えられ、この画像情報IDが与えられた画像情報はID付画像情報として記憶ユニット3に転送される。個人情報IDは各医用画像情報に対して唯一のものとして(ユニークに)発行され、これにより所定の個人情報は検査間で区別され得る。同様に、画像情報IDは各医用画像情報に対して唯一のものとして(ユニークに)発行され、これにより画像情報は検査間で区別され得る。患者情報IDと画像情報IDの各々はテーブル記憶ユニット52における発行システムと関連するものではなく、表示ユニット43に表示されない任意の数字情報及び/又は文字情報からなる。
【0024】
さらに、医用画像情報分割ユニット22は所定の個人情報及び画像情報の間の関係についてのテーブルを作成する。例えば、医用画像情報分割ユニット22は個人情報ID、画像情報ID、及び検査日を含む予備テーブルを作成する。検査日は医用画像情報に含まれる検査情報から得られる。図3(a)に示すように、医用画像情報分割ユニット22はその後ユニーク情報を予備テーブルに加えてテーブルを作成する。ユニーク情報は各患者に唯一に(ユニークに)与えられ又は発行されるもので、例えば、患者の健康保険被保険者証情報、患者の診察券情報、患者により設定されたパスワード情報、等の患者を区別できる情報であればよい。このユニーク情報は操作ユニット6から入力され得る。作成されたテーブルはテーブル処理ユニット5へ転送される。
【0025】
記憶ユニット3は例えば磁気ディスクのような不揮発性記憶デバイスからなり、画像情報記憶ユニット31と個人情報記憶ユニット32を含む。画像情報記憶ユニット31はID付画像情報を記憶する。個人情報記憶ユニット32はID付所定個人情報を記憶する。画像情報記憶ユニット31は「第2の記憶手段」に対応し得、個人情報記憶ユニット32は「第1の記憶手段」に対応し得る。
【0026】
出力ユニット4は医用画像情報作成ユニット41、画像情報検索ユニット42、及び表示ユニット43を含む。医用画像情報作成ユニット41はテーブル復号化ユニット53からテーブル(復号化されたテーブル)を受け取り、テーブルから得られた画像情報IDに対応するIDが付されたID付画像情報を画像情報記憶ユニット31から検索する。また、医用画像情報作成ユニット41はテーブルから得られた個人情報IDに対応するIDが付されたID付所定個人情報を個人情報記憶ユニット32から検索する。さらに、医用画像情報作成ユニット41は検索された画像情報と所定個人情報を結合することにより医用画像情報を作成し、この医用画像情報を表示ユニット43に転送する。
【0027】
画像情報検索ユニット42は操作ユニット6からの要求に従って画像情報記憶ユニット31から(ID付)画像情報を検索し、この画像情報を表示ユニット43に転送する。
【0028】
表示ユニット43は医用画像情報作成ユニット41から医用画像情報が転送されるときは医用画像情報を表示する。この場合、表示ユニット43は医用画像情報に含まれる画像情報及び個人情報を表示する。また、表示ユニット43は画像情報検索ユニット42から画像情報が転送されるときは画像情報を表示する。この場合、表示ユニット43は個人情報を表示しない。
【0029】
テーブル処理ユニット5はテーブル暗号化ユニット51、テーブル記憶ユニット52、及びテーブル復号化ユニット53を含む。テーブル暗号化ユニット51は医用画像情報分割ユニット22から転送されたテーブルを受け取り、当該テーブルを暗号化する。暗号化されたテーブルはテーブル記憶ユニット52に転送され記憶される。テーブル暗号化ユニット51は暗号化鍵を記憶するようにしてもよい。特に、暗号化鍵が患者の公開鍵である場合にはこれを記憶するようにしてもよい。また、その代わりとして暗号化鍵は患者により保持、管理され得るIC(Integrated Circuit)カード81に記録されるようにしてもよい。この場合、暗号化鍵は操作ユニット6を介してICカード81から読み取られ、制御ユニット7を介してテーブル暗号化ユニット51に提供される。図3(b)に示すように、テーブルが暗号化される際は個人情報ID及び画像情報IDのみが暗号化され、検査日及びユニーク情報は暗号化されたテーブルの検索に用いられ得るようにしてもよい。テーブル暗号化ユニット51は「前記テーブルを入手不可とする第1の手段」に対応し得る。
【0030】
テーブル復号化ユニット53はユニーク情報(及び検査日)に従って暗号化されたテーブルを検索し、暗号化されたテーブルを復号化する。復号化されたテーブルはテーブルとして医用画像情報作成ユニット41に転送される。復号化において、テーブル復号化ユニット53は復号化鍵を用いる。テーブル暗号化ユニット51が公開鍵を用いる場合はテーブル復号化ユニット53は公開鍵に対応する秘密鍵を復号化鍵として使用する。秘密鍵等の復号化鍵はICカード81に記録される。従って、この場合、秘密鍵等の復号化鍵は捜査ユニット6を介してICカード81から読み取られ、制御ユニット7を介してテーブル復号化ユニット53に提供される。テーブル復号化ユニット53は「前記テーブルを再取得する第2の手段」に対応し得る。
【0031】
操作ユニット6はICカードリーダ61、種々のスイッチ、及び例えばキーボード、トラックボール、マウス、磁気カードリーダ、バーコードリーダ、等の入力デバイスを含む。外部記録媒体8がICカード81である場合、ICカードリーダ61が使用される。外部記録媒体8が磁気カード82或いはバーコード媒体83である場合は磁気カードリーダ或いはバーコードリーダが使用されることになる。以下の記載においてはICカード81が外部記録媒体8の例として使用される場合を例にとって実施例を説明する。外部記録媒体8は携帯可能であり、通常は患者により保持、管理されるものであってもよい。操作ユニット6はインタラクティブなインターフェースとして動作するものであってもよい。操作ユニット6はユニーク情報、種々の情報や指示、暗号化鍵、復号化鍵、等の入力に使用される。ユニーク情報、暗号化鍵、及び復号化鍵はICカードリーダ61を介して入力されてもよい。
【0032】
制御ユニット7は中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)及び記憶回路を含む。記憶回路は上記した情報、指示、ユニーク情報、暗号化鍵、及び復号化鍵が操作ユニット6から入力された場合にこれらを一時的に記憶する。これらの情報は医用画像保管装置10に設けられた1つ以上の適当なユニットに転送されるかこれらユニットの制御や医用画像保管装置10全体の制御に使用される。
【0033】
医用画像情報の保管動作について図4を参照しながら説明する。図4は本発明の実施例1に係る医用画像保管装置10における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャートである。
【0034】
X線CT装置80がCT画像データ及びその付帯情報を医用画像情報として発生したとき、医用画像情報は医用画像保管装置10に病院LANを介して送信される。送信された医用画像情報は受信ユニット1によって受信される。保管動作は操作ユニット6からのユーザの指示に応じて開始させることもできるが、医用画像保管装置10が医用画像情報を受信し保管する用意がある限り保管動作は典型的には医用画像情報の受信に従って開始される(ステップS1)。
【0035】
受信された医用画像情報は医用画像情報記憶ユニット21に一時的に記憶される(ステップS2)。それから医用画像情報は医用画像情報分割ユニット22に転送され(ステップS3)、所定個人情報と画像情報に分割される。すなわち、所定個人情報は医用画像情報から所定の個人情報を抽出することにより作成される。また、ダミー情報を用いて、画像情報が作成される(ステップS4)。
【0036】
医用画像情報記憶ユニット21から医用画像情報分割ユニット22への医用画像情報の転送は暗号化処理へ進むことを意味する。一旦暗号化が実行されると、患者に管理された復号化鍵が得られない限りユーザは医用画像情報を得ることができない。ユーザは通常医用画像情報から得られる画像の読影や診断を患者を特定して行う必要があるので、上記転送はすぐには実行されないようにしてもよい。或いは例え転送されても、分割動作が直ぐには実行されないようにしてもよい。
【0037】
図5は本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第1の例を示すフローチャートである。X線CT装置80での撮影に先立ち、ユーザは通常撮影計画を立てる(ステップS101)。計画が完了したら制御ユニット7は計時を開始する(ステップS102)。例えば、計画の完了の旨が計画が行われた装置から医用画像保管装置10に通知されるようにしてもよい。計画に従って撮影動作が実行される(ステップS103)。撮影後、計時開始から所定の時間が経過したか否かが判断される(ステップS104)。ユーザには読影を行うための十分な時間を与える必要があることから、上記所定時間はユーザが撮影後に読影を行うのに十分な長さに設定される。制御ユニット7は所定時間の経過を判断すると、画像処理ユニット2を制御し、その結果、前記転送或いは分割動作が行われる(ステップS105)。
【0038】
上記転送や分割動作への移行は代わりに図6に示されるようにしてもよい。図6は本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第2の例を示すフローチャートである。撮影(ステップS111)が完了すると計時が開始される(ステップS112)。例えば、制御ユニット7は受信ユニット1による医用画像情報の受信に応じて計時を開始するようにしてもよい。制御ユニット7は所定時間の経過を判断すると(ステップS113)、画像処理ユニット2を制御し、その結果、前記転送或いは分割動作が行われる(ステップS114)。
【0039】
計時に関するさらなる代替例として図7に示すようにしてもよい。図7は本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第3の例を示すフローチャートである。これは計時が病院での会計や支払いに応じて開始されてもよいとする場合である。この場合の一例として患者が入院した場合が考えられる。患者の入院(ステップS121)後、患者に対して撮影動作が実行される(ステップS122)。患者は退院する際(ステップS123)、通常は支払いを行なわなければならない。支払い情報は会計担当により会計システムへ入力される(ステップS124)。例えば、会計処理の完了が会計システムから医用画像保管装置10へ通知されるようにしてもよい。会計システムからの情報に応じて、制御ユニット7は計時を開始する(ステップS125)。制御ユニット7は所定時間の経過を判断すると(ステップS126)、画像処理ユニット2を制御し、その結果、前記転送或いは分割動作が行われる(ステップS127)。
【0040】
このような例によれば、ユーザは医用画像情報に基づいて画像を読影するのに十分な時間を持つことができる。
【0041】
図4に戻る。ステップS4における所定個人情報及び画像情報の分割、作成の動作の後、医用画像情報分割ユニット22は所定個人情報のために個人情報IDを発行し、画像情報のために画像情報IDを発行する(ステップS5)。そして医用画像情報分割ユニット22は個人情報IDを所定個人情報に与え、ID付所定個人情報を作成する。また、医用画像情報分割ユニット22は画像情報IDを画像情報に与え、ID付画像情報を作成する(ステップS6)。ID付所定個人情報は個人情報記憶ユニット32に記憶される(ステップS7)。ID付画像情報は画像情報記憶ユニット31に記憶される(ステップS8)。ステップS7及びS8における記憶の後、医用画像情報は医用画像情報記憶ユニット21から削除され、ユーザは復号化鍵なくしては医用画像情報を取得できなくなる(ステップS9)。
【0042】
ユーザの画像読影作業に対しては計時例が図5乃至7を参照して説明した。これらの計時例を分割等の動作への移行の判断に適用する代わりに、ステップS9での削除動作への移行に適用してもよい。例えば、図5のステップS105、図6のステップS114、又は図7のステップS127が図8に示すステップS131と置き換えられてもよい。すなわち、ステップS9の削除動作が計時による所定時間の経過後にのみ実行されるようにしてもよい。
【0043】
医用画像情報分割ユニット22は所定の個人情報及び画像情報の間の関係についてのテーブルも作成する。まず、個人情報ID、画像情報ID、及び検査日を含む予備テーブルが作成される(ステップS10)。次に医用画像情報分割ユニット22は図3(a)に示すように予備テーブルにユニーク情報を結合することによりテーブルを作成する(ステップS11)。
【0044】
テーブルはテーブル暗号化ユニット51に転送され暗号化される(ステップS12)。前述したように、テーブル暗号化ユニット51はICカードリーダ61を介してICカード81から得られた復号化鍵又はテーブル暗号化ユニット51或いは医用画像保管装置10の他のユニットに記憶された公開鍵を使用する。暗号化鍵が公開鍵として記憶されていない場合、暗号化鍵の入力の要求が表示ユニット43における要求表示を通して行われてもよい。このような要求表示に応じてユーザはICカード81をICカードリーダ61に挿入する。正確には、ユーザは患者にICカード81をICカードリーダ61に挿入するよう依頼することになるかもしれない。また、例え公開鍵が暗号化鍵として使用されない場合であっても事前にICカード81から暗号化鍵を読み取っておくことによりテーブルが暗号化されるようにしてもよい。図3(b)に示すように、個人情報ID及び画像情報IDのみがテーブル暗号化ユニット51において暗号化されるようにしてもよい。
【0045】
ユーザの画像読影のための計時例は図5乃至8の代わりにステップS12での暗号化動作に適用されるようにしてもよい。例えば、図5のステップS105、図6のステップS114、又は図7のステップS127が図9に示すステップS141と置き換えられてもよい。すなわち、ステップS12の暗号化動作が計時による所定時間の経過後にのみ実行されるようにしてもよい。
【0046】
次に医用画像情報の出力動作について図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。図10は本発明の実施例1に係る医用画像保管装置10における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。医用画像情報は医用画像保管装置10から削除されているため、ユーザが医用画像情報を得たい場合はテーブルに基づいて医用画像情報を再生するために暗号化されたテーブルを復号化する必要がある。ユーザは操作ユニット6を介して医用画像情報を得ることを開始する指示を入力する。暗号化の前に既に完了している画像読影の場合を除き、医用画像情報を得て出力するために、ユーザは患者にICカード81をICカードリーダ61に挿入するよう依頼する必要があるかもしれない。ユーザはまず操作ユニット6から患者のユニーク情報を入力する。或いはユニーク情報がICカード81に記録されている場合にはユニーク情報がICカード81から読み取られるように患者にICカード81をICカードリーダ61に挿入するよう依頼する(ステップS21)。
【0047】
操作ユニット6を介したユニーク情報はテーブル復号化ユニット53に転送される。暗号化されたテーブルに含まれるユニーク情報は図3(b)に示すように暗号化されていないので、テーブル復号化ユニット53は転送されたユニーク情報をテーブル記憶ユニット52に記憶された暗号化されたテーブルに含まれるユニーク情報と比較する。テーブル復号化ユニット53は転送されたユニーク情報と一致する或いは対応するユニーク情報を含む1つ以上の暗号化されたテーブルを検索する(ステップS22)。検索後、復号化鍵の入力要求が表示ユニット43における要求表示を通して行われる(ステップS23)。ICカード81のICカードリーダ61への挿入に応じて、ICカードリーダ61はICカード81から復号化鍵を読み取り、テーブル復号化ユニット53はこの復号化鍵を受け取る(ステップS24)。
【0048】
前述したように、復号化鍵は患者の秘密鍵であってもよい。テーブル復号化ユニット53は復号化鍵を用いて1つ以上の暗号化されたテーブルを復号化し、1つ以上のテーブルを得る(ステップS25)。ステップS25において得られたテーブルが1つだけの場合(ステップS26)、そのテーブルは医用画像情報作成ユニット41に転送される(ステップS27)。ステップS25において得られたテーブルが2以上ある場合は各テーブルに含まれる検査日が検査日リストとして表示ユニット43に表示される(ステップS28)。ユーザがリストされた複数の検査日のうちの1つを操作ユニット6を用いて指定すると(ステップS29)、指定された検査日に対応するテーブルが医用画像情報作成ユニット41に転送される(ステップS30)。
【0049】
医用画像情報作成ユニット41は転送されたテーブルに含まれる個人情報IDに従って個人情報記憶ユニット32に記憶されたID付所定個人情報を検索し、転送されたテーブルに含まれる画像情報IDに従って画像情報記憶ユニット31に記憶されたID付画像情報を検索する(ステップS31)。医用画像情報作成ユニット41は転送されたテーブルに含まれる個人情報IDに一致する又は対応するIDが付与された所定個人情報を得る。同様にして、医用画像情報作成ユニット41は転送されたテーブルに含まれる画像情報IDに一致する又は対応するIDが付与された画像情報を得る。得られた個人情報と画像情報を結合することにより医用画像情報作成ユニット41は医用画像情報を作成し再生する(ステップS32)。医用画像情報は表示ユニット43に転送され(ステップS33)表示される(ステップS34)。
【0050】
ユーザが画像データから得られる画像を研究する目的で画像データを使用する必要がある場合は画像データを含む画像情報が利用される。また、保守サービス担当が保守サービス中に画像データに基づく画像を参照するために画像データを使用する必要がある場合も画像情報が利用される。画像データに関連付けられる患者に対する医療行為に直接関係しない他の目的の場合も、画像情報記憶ユニット31に記憶された画像情報が利用されることになる。
【0051】
図11は本発明の実施例1に係る医用画像保管装置10における画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。ユーザ、保守サービス担当、その他画像を得る必要がある者(以下、操作者と称す)が画像を得たい場合、操作者は操作ユニット6から検索条件を入力する(ステップS41)。検索条件は医用画像装置の種類、撮影条件、検査部位情報、等のうちの1つ以上であるかもしれない。これらの検索条件に対応する選択可能な項目が操作ユニット6による所定の操作に応じて表示ユニット43に表示されるようにしてもよい。この場合、操作者は表示された項目について所望の条件を選択するだけでよいとすることができる。
【0052】
上記入力や選択に応じて、画像情報検索ユニット42は検索条件に基づいて画像情報記憶ユニット31に記憶された画像情報を検索する(ステップS42)。検索された画像情報は表示ユニット43に転送される(ステップS43)。画像情報は画像、医用画像装置の種類、撮影条件、撮影部位情報、等として表示されるが、このとき表示ユニット43に個人情報は表示されないことになる(ステップS44)。
【0053】
個人情報は画像情報とは別に記憶され、暗号化されたテーブルを復号化することなく画像情報と照合することはできない。暗号化されたテーブルは復号化鍵を用いてのみ復号化され得る。復号化鍵は患者によって管理される。従って、画像に関連付けられる患者に対する医療行為に直接関係しない目的のために画像が求められるとき、個人情報は操作者から保護される。一方で、ユーザが個人情報を含む医用画像情報を表示する必要があるときは、ユーザは患者に管理されている復号化鍵を用いて医用画像情報を表示することができる。つまり、患者にとっては、医用画像情報に含まれる個人情報が例えユーザによる場合であっても患者自身が管理する復号化鍵がなければ参照され得ないことになる。このことは個人情報が患者の目の前でのみ参照されることを意味することができる。
【0054】
図1において、ICカードリーダ61は操作ユニット6に含まれる。これにより、ユーザは患者からICカード81を借りて、患者の入室は許されない場所に典型的には設けられている医用画像保管装置10までICカード81を持っていく必要があるかもしれない。さもなければ、患者は医用画像保管装置10のところまで来ることを依頼され、ICカード81をICカードリーダ61に挿入することを求められるかもしれない。このようなことは実際的でない。1つの方法として、医用画像保管装置10の本体に病院LAN又は直接的な通信回線を介して遠隔に接続されたICカードリーダ61の使用を適用することができる。例えば、患者が通常ユーザにより診察を受ける診察室にカードリーダ61を設けながらも、このカードリーダ61は依然として操作ユニット61の一部として動作することになる。
【0055】
例えばICカード81に記録された情報を受け取る別の実際的な方法として図12に示すようなものも考えられる。操作ユニット6は図1に示すICカードリーダ61の代わりに第2の受信ユニット62を含む。第2の受信ユニット62は病院LANを介して外部ICカードリーダ11に接続されている。この外部ICカードリーダ11は病院LANに直接接続されていてもよいし、例えばワークステーションのような医用画像表示装置を介して接続されてもよい。外部ICカードリーダ11は診察室に設けられてもよい。第2の受信ユニット62は外部ICカードリーダ11によりICカード81から読み出されたユニーク情報、暗号化鍵、及び/又は復号化鍵を受信する。
【0056】
さらに図12において、出力ユニット4は図1に示す表示ユニット43の代わりに送信ユニット44を含む。医用画像情報作成ユニット41により作成された医用画像情報は例えば病院LANを介して外部医用画像表示装置12に送信される。同様に、画像情報検索ユニット42により検索された画像情報も外部医用画像表示装置12に送信される。この外部医用画像表示装置12は上記した外部ICカードリーダ11が接続される医用画像表示装置と同じものであってもよく、この場合は外部医用画像表示装置12において医用画像情報や画像情報の要求を行い、要求した情報を受信することができる。
【0057】
医用画像保管装置10のその他の構成は図1に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0058】
(実施例2)
実施例2ではテーブルが暗号化されないがユーザや操作者には当該テーブルを入手できないようにする例について説明する。図13は本発明の実施例2に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。同図に示すように、医用画像保管装置20はテーブル処理ユニットを含まない。操作ユニット6はICカードリーダ61を含まないがICカードリーダ・ライタ63を含む。医用画像保管装置20の他の構成は図1に示す医用画像保管装置10に含まれるものと同様である。従って、同様の構成についての詳細な説明に関してはここでは省略する。
【0059】
ICカードリーダ・ライタ63はICカード81からユニーク情報を読み取る。さらに、ICカードリーダ・ライタ63はテーブルをICカード81に書き込み、ICカード81からテーブルを読み取る。ICカードリーダ・ライタ63は「第1の手段」及び「第2の手段」に対応し得る。
【0060】
図14は本発明の実施例2におけるICカード81へのテーブルの書込みの流れの例を示すフローチャートである。図4に示したステップS1乃至S10に従って医用画像情報分割ユニット22ではテーブルが作成される(ステップS51)。テーブルはICカードリーダ・ライタ63へ転送されICカード81に書き込まれる(ステップS52)。従って、医用画像情報はICカード81無しには再生され得ない。患者に関するテーブルは患者が保持、管理するICカード81に記録されるので、図15に示すようにテーブルはユニーク情報を含まなくてもよい。
【0061】
図16は本発明の実施例2に係る医用画像保管装置20における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。ユーザは操作ユニット6を介して医用画像情報を得ることを開始する指示を入力する。暗号化の前に既に完了している画像読影の場合を除き、医用画像情報を得て出力するために、ユーザは患者にICカード81をICカードリーダ・ライタ63に挿入するよう依頼する必要があるかもしれない。患者はICカード81をICカードリーダ・ライタ63に挿入し、ICカードリーダ・ライタ63はICカード81からテーブルを読み取る(ステップS61)。ユーザは患者のユニーク情報を入力する必要はないかもしれない。ICカード81から読み取られたテーブルは医用画像情報作成ユニット41に転送された後、図10に示したステップS26乃至S34に従って医用画像情報が表示ユニット43に表示される(ステップS62)。
【0062】
操作ユニット6に対する変形例として、図17に示すように操作ユニット6はディスクドライブユニット64を含むようにしてもよい。ディスクドライブユニット64は「第1の手段」及び「第2の手段」に対応し得る。図17は本発明の実施例2に係る医用画像保管装置20の構成の変形例を示すブロック図である。ディスクドライブユニット64は光磁気ディスク(MO)84、DVD85、或いはCD−R86への書き込み及びこれらからの読み出しを行う。MO84、DVD85、及びCD−R86は上記した外部記録媒体8の他の例であるが、適用し得る記録可能ディスクはこれらの例に限られない。
【0063】
図18に示すように、医用画像保管装置20はICカードリーダ・ライタ63を含まず送受信ユニット65を含むようにしてもよい。この送受信ユニット65は「第1の手段」及び「第2の手段」に対応し得る。送受信ユニット65は病院LANを介して外部ICカードリーダ・ライタ13に接続される。この外部ICカードリーダ・ライタ13は病院LANに直接接続されていてもよいし、例えばワークステーションのような医用画像表示装置を介して接続されてもよい。外部ICカードリーダ・ライタ13は診察室に設けられてもよい。送受信ユニット65は医用画像情報分割ユニット22から転送されたテーブルを外部ICカードリーダ・ライタ13に送信する。また、送受信ユニット65は外部ICカードリーダ・ライタ13によりICカード81から読み出されたテーブルを受信する。
【0064】
さらに図18において、出力ユニット4は表示ユニット43の代わりに送信ユニット44を含む。医用画像情報作成ユニット41により作成された医用画像情報は例えば病院LANを介して外部医用画像表示装置12に送信される。同様に、画像情報検索ユニット42により検索された画像情報も外部医用画像表示装置12に送信される。この外部医用画像表示装置12は上記した外部ICカードリーダ・ライタ13が接続される医用画像表示装置と同じものであってもよく、この場合は外部医用画像表示装置12において医用画像情報や画像情報の要求を行い、要求した情報を受信することができる。
【0065】
(実施例3)
実施例1ではユニーク情報を患者を区別するために用いる場合について説明した。しかしながら、ユニーク情報はユーザを区別するのに用いてもよい。図19は本発明の実施例3に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。図19に示すように操作ユニット6はICカードリーダを含まないが、医用画像保管装置30は鍵発生ユニット66、認証ユニット67、ユーザID記憶ユニット68、鍵記憶ユニット69、及び鍵入出力ユニット70を含む。
【0066】
鍵発生ユニット66は各ユーザに対して暗号化鍵及び復号化鍵を発生する。暗号化鍵及び復号化鍵は同じ鍵であってもよい。認証ユニット67は例えば操作ユニット6から入力されるユーザID及びパスワードのような認証情報により医用画像保管装置30へのログインが許されるユーザであることを認証する。認証に応じて、ユーザは医用画像保管装置30にログインする。ユーザID記憶ユニット68は認証ユニット67により認証されたユーザIDを記憶する。すなわち、ユーザID記憶ユニット67に記憶されたユーザIDは医用画像保管装置30に現在ログインしているユーザに関するものである。鍵記憶ユニット69は1人以上のユーザについて暗号化鍵及び復号化鍵をユーザIDに関連付けて記憶する。鍵入出力ユニット70はユーザID記憶ユニット68に記憶されたユーザIDを取得し、ユーザIDに対応する暗号化鍵又は復号化鍵を鍵記憶ユニット69から検索する。鍵入出力ユニット70は制御ユニット7に暗号化鍵又は復号化鍵を出力する。これにより、暗号化が要求されている場合は暗号化鍵がテーブル暗号化ユニット51に転送され、復号化が要求されている場合は復号化鍵がテーブル復号化ユニット53に転送される。
【0067】
医用画像保管装置30のその他の構成は図1に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0068】
本実施例においては、図20に示すようにテーブルに含まれるユニーク情報がユーザIDとなる。図3(b)の場合と同様、テーブル暗号化ユニット51において暗号化鍵によりテーブルが暗号化される際、このユーザIDは暗号化されない。
【0069】
次に医用画像情報の出力動作について図21に示すフローチャートを参照しながら説明する。図21は本発明の実施例3に係る医用画像保管装置30における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。
【0070】
自己の患者について医用画像情報を得る必要があるユーザは操作ユニット6から認証情報を入力する(ステップS71)。認証情報は認証ユニット67に転送され、認証される(ステップS72)。認証が成功すると(ステップS73)、認証情報に対応するユーザのユーザID或いは認証情報に含まれるユーザIDが現在のユーザのユーザIDとしてユーザID記憶ユニット68に記憶される(ステップS74)。ユーザは医用画像保管装置30にログインすることが許され、医用画像保管装置30の使用を開始する。
【0071】
ユーザは操作ユニット6を介して医用画像情報を得ることについて要求を行うことができる(ステップS75)。この要求に応じて、制御ユニット7はユーザID記憶ユニット68からユーザIDを取得し(ステップS76)、ユーザIDをテーブル復号化ユニット53に転送する。テーブル復号化ユニット53は転送されたユーザIDに一致するユーザIDを含む1つ以上の暗号化されたテーブルを検索する(ステップS77)。さらに制御ユニット7は鍵入出力ユニット70を制御してユーザID記憶ユニット68に記憶されたユーザIDに対応する復号化鍵を鍵記憶ユニット69から検索する(ステップS78)。検索後、復号化鍵はテーブル復号化ユニット53に転送され、図10に示したステップS25乃至S34に従って医用画像情報が表示ユニット43に表示される(ステップS79)。
【0072】
実施例3によれば、ユーザは自己の患者についてのみ医用画像情報を得ることができる。従って、医用画像情報に含まれる患者の個人情報は必ずしも患者の目の前で参照されるとは限らないが、患者は自己の医用画像情報が当該ユーザによってのみ参照されること或いは少なくとも当該ユーザの操作を介さずには参照されることがないことについて保証され得る。
【0073】
認証情報及び要求の入力は図22に示すように外部入力ユニットからなされるようにしてもよい。操作ユニット6は第2の受信ユニット62を含む。第2の受信ユニット62は例えば病院LANを介して外部入力ユニット14に接続される。外部入力ユニット14は病院LANに直接接続されていてもよいし、例えばワークステーションのような医用画像表示装置の一部として接続されてもよい。外部入力ユニット14は診察室に設けられてもよい。第2の受信ユニット62は外部入力ユニット14から入力された認証情報や要求を受信する。
【0074】
さらに図22において、出力ユニット4は表示ユニット43の代わりに送信ユニット44を含む。医用画像情報作成ユニット41により作成された医用画像情報は例えば病院LANを介して外部医用画像表示装置12に送信される。同様に、画像情報検索ユニット42により検索された画像情報も外部医用画像表示装置12に送信される。この外部医用画像表示装置12は外部入力ユニット14を搭載する医用画像表示装置と同じものであってもよく、この場合は外部医用画像表示装置12において医用画像情報や画像情報の要求を行い、要求した情報を受信することができる。
【0075】
医用画像保管装置30のその他の構成は図19に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0076】
実施例3においてはユーザIDがユニーク情報として使用された。代替例として病院に設けられた例えば内科や外科等の診察科(診療科)を区別する情報をユニーク情報としてもよい。
【0077】
(実施例4)
実施例1乃至3において、医用画像情報はX線CT装置から受信され、医用画像情報分割ユニットにおいて個人情報と画像情報に分割された。実施例4においては個人情報が医用画像情報とは別に取得され、医用画像情報を分割する必要はない。
【0078】
図23は本発明の実施例4に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。同図に示すように、医用画像保管装置40は病院情報システム及び/又は放射線情報システム(以下、HIS/RISと称す)15に例えば病院LANを介して接続される。医用画像保管装置40はさらに検査選択ユニット16、予約情報入力ユニット17、及び検査情報入力ユニット18の1つ以上に接続されてもよい。検査選択ユニット16、予約情報入力ユニット17、及び検査情報入力ユニット18は例えば病院LANを介して受信ユニット1に接続される1つ又は2つ以上の外部装置に設けられてもよい。画像処理ユニット2は医用画像情報分割ユニットを含まないが、医用画像情報記憶ユニット21に加え、予約情報記憶ユニット23、個人情報作成記憶ユニット24、及びテーブル作成ユニット25を含む。
【0079】
受信ユニット1は実施例1で説明したようにX線CT装置80から医用画像情報を受信する。受信された医用画像情報は医用画像情報記憶ユニット21に転送される。医用画像情報記憶ユニット21は所定の約束に従って医用画像情報に含まれる所定の個人情報を取り除く。これにより、画像情報が作成される。取り除かれた所定個人情報の代わりに画像情報の中にはダミー情報を含むようにしてもよい。
【0080】
受信ユニット1はさらにHIS/RIS15から検査予約情報を受信する。これから行われる画像検査に関する検査予約情報が典型的にはHIS/RIS15に入力されることで当該画像検査の予約が行われる。検査予約情報は通常これから行われる検査及び当該検査の対象患者の種々の情報を含む。すなわち、当該患者の個人情報も含み得る。予約情報記憶ユニット23は受信ユニット1により受信された検査予約情報を記憶する。個人情報作成記憶ユニット24は所定の約束に従って予約情報記憶ユニット23に記憶されている検査予約情報から所定の個人情報を抽出し作成する。作成された所定個人情報は個人情報作成記憶ユニット24に記憶される。
【0081】
受信ユニット1は検査選択ユニット16から検査選択情報を受信してもよい。検査選択情報は予約情報記憶ユニット23に転送され、個人情報作成記憶ユニット24は検査選択情報に基づいて選択された検査予約情報について上記した動作を行う。受信ユニット1はさらに予約情報入力ユニット17から検査予約情報を受信してもよい。予約情報入力ユニット17から受信された検査予約情報は予約情報記憶ユニット23に記憶され、HIS/RIS15から受信された検査予約情報と同様に扱われ得る。
【0082】
検査情報入力ユニット18から受信された検査情報は個人情報作成記憶ユニット24に転送される。個人情報作成記憶ユニット24は上記したように検査予約情報から所定の個人情報を抽出するが、必要に応じて検査情報入力ユニット18から受信された検査情報から所定個人情報を上記抽出に加えて或いはその代わりに抽出するようにしてもよい。検査予約情報、検査選択情報、及び検査情報の1つ以上が「検査関連情報」に対応し得る。
【0083】
テーブル作成ユニット25は個人情報ID及び画像情報IDを発行する。個人情報IDは個人情報作成記憶ユニット24に記憶された所定個人情報に与えられる。画像情報IDは医用画像情報記憶ユニット21に記憶された画像情報に与えられる。またテーブル作成ユニット25は所定個人情報及び画像情報の間の関係についてのテーブルを実施例1において説明したのと同様な方法で作成する。
【0084】
医用画像保管装置40のその他の構成は図1に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0085】
所定個人情報及び画像情報の保管動作について図24に示すフローチャートを参照しながら説明する。図24は本発明の実施例4に係る医用画像保管装置40における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャートである。
【0086】
保管動作は図4におけるステップ1と同様にして開始することもできる。しかしながら、X線CT装置80から医用画像情報を受信する前に、検査予約情報は受信ユニット1によりHIS/RIS15から受信することができる。受信ユニット1がHIS/RIS15から及び/又は予約情報入力ユニット17から検査予約情報を受信した場合、この検査予約情報は予約情報記憶ユニット23に転送される。例えば予約された検査が完了するまで或いは医用画像情報が受信ユニット1により受信されるまで、検査予約情報は検査情報記憶ユニット23に記憶される(ステップS81)。
【0087】
また、受信ユニット1はX線CT装置80から医用画像情報を受信した場合、医用画像情報は医用画像情報記憶ユニット21に転送され記憶される(ステップS82)。
【0088】
検査予約情報は例えば医用画像情報が受信ユニット1により受信されたことに応じて個人情報作成記憶ユニット24に転送される。受信ユニット1が検査情報入力ユニット18から検査情報を受信した場合は、検査情報も個人情報作成記憶ユニット24に記憶される。個人情報作成記憶ユニット24は検査予約情報及び検査情報に含まれ画像情報と結合されるのが適当である所定の個人情報を抽出する。所定個人情報はこの抽出の結果として作成され(ステップS83)、個人情報作成記憶ユニット24に記憶される(ステップS84)。
【0089】
医用画像情報記憶ユニット21においては所定の個人情報が医用画像情報から取り除かれて画像情報が作成される(ステップS85)。作成された画像情報は医用画像情報記憶ユニット21に記憶される(ステップS86)。
【0090】
テーブルはテーブル作成ユニット25により作成され、個人情報ID及び画像情報IDは上記したようにテーブル作成ユニット25により発行されるが、図4におけるステップS5乃至S13に示したのと同様の方法でテーブルは暗号化され医用画像情報は入手不可能とされる(ステップS87)。
【0091】
医用画像情報の出力動作については図10に示したのと同様の方法で達成され得る。
【0092】
(実施例5)
実施例5では、患者の医用画像情報が限定された1人以上のユーザによってのみ取得されること或いは少なくとも当該限定されたユーザの操作無しには取得され得ないということで患者の個人情報の保護を図る。
【0093】
図25は本発明の実施例5に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図である。医用画像保管装置50はテーブル処理ユニットを含まないが、認証ユニット67、ユーザID記憶ユニット68、テーブル記憶ユニット71、テーブル出力ユニット72、ユーザ権限記憶ユニット73、及びテーブル使用許可判定ユニット74を含む。
【0094】
認証ユニット67及びユーザID記憶ユニット68は実施例3において説明したのと同様の態様で動作する。テーブル記憶ユニット71は医用画像情報分割ユニット22において作成されたテーブルを記憶する。テーブル出力ユニット72はテーブル使用許可判定ユニット74に従ってテーブル記憶ユニット71に記憶されたテーブルを医用画像情報作成ユニット41に出力する。ユーザ権限記憶ユニット73はユーザがテーブルを使用することを許可されているかを示す第2のテーブルを記憶する。例えば第2のテーブルは、特定の患者(すなわち特定のユニーク情報)についてユーザA及びC(すなわちユーザID A及びC)はテーブルを使用することが許可されるがユーザB(すなわちユーザID B)は許可されないということを示す。第2のテーブルは1人以上の患者についてこのよう情報を含む。
【0095】
また、このような情報の代わりに、ユーザ権限記憶ユニット73はユーザがどのユニーク情報についてならテーブルを使用することが許可されるかを示す第2のテーブルを記憶するようにしてもよい。例えば、第2のテーブルは、ユーザAは(すなわちユーザID A)は患者A、B、及びC(すなわちユニーク情報A、B、及びC)に関するテーブルを使用することが許可される一方で、ユーザBは(すなわちユーザID B)は患者A及びB(すなわちユニーク情報A及びB)に関するテーブルを使用することが許可されることを示す。また、第2のテーブルはユーザC(すなわちユーザID C)がどのテーブルをも使用することが許可されないことを示してもよいし、ユーザCはどのテーブルについても許可されたユーザではないということを意味する目的でユーザC(すなわちユーザID C)についての情報を含まないとするようにしてもよい。
【0096】
テーブル使用許可判定ユニット74は医用画像保管装置50にログインしたユーザがユーザ権限記憶ユニット73に記憶された第2のテーブルに基づいて1つ以上のテーブルを使用することが許可されているか否かを判定する。
【0097】
医用画像保管装置50のその他の構成は図1に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0098】
図26は本発明の実施例5に係る医用画像保管装置50における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャートである。医用画像情報の保管動作においては、図4に示したステップS1乃至S10に従ってテーブルが作成される(ステップS88)。テーブルはテーブル記憶ユニット71に記憶される(ステップS89)。このテーブルはユーザ権限記憶ユニット73、テーブル使用許可判定ユニット74、及びテーブル出力ユニット72により入手不可能とされる。つまり、ユーザ権限記憶ユニット73、テーブル使用許可判定ユニット74、及びテーブル出力ユニット72は集合的に「第1の手段」及び「第2の手段」に対応し得る。
【0099】
医用画像情報の出力動作について図27に示すフローチャートを参照しながら説明する。図27は本発明の実施例5に係る医用画像保管装置50における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャートである。
【0100】
特定の患者について医用画像情報を得る必要があるユーザは操作ユニット6から認証情報を入力する(ステップS91)。認証情報は認証ユニット67に転送され、認証される(ステップS92)。認証が成功すると(ステップS93)、認証情報に対応するユーザのユーザID或いは認証情報に含まれるユーザIDが現在のユーザのユーザIDとしてユーザID記憶ユニット68に記憶される(ステップS94)。ユーザは医用画像保管装置50にログインすることが許され、医用画像保管装置50の使用を開始する。
【0101】
ユーザは操作ユニット6から特定の患者に関するユニーク情報を入力する(ステップS95)。ユニーク情報はテーブル使用許可判定ユニット74に転送される。テーブル使用許可判定ユニット74はユーザID記憶ユニット68から現在のユーザIDを取得し、例えば得られたユーザIDに関する第2のテーブルの情報をユーザ権限記憶ユニット73から検索する(ステップS96)。
【0102】
テーブル使用許可判定ユニット74は現在のユーザIDが転送されたユニーク情報についてのテーブルを使用することが許可されているか否かについて判定する(ステップS97)。テーブル使用許可判定ユニット74が現在のユーザIDは転送されたユニーク情報についてのテーブルを使用することが許可されていると判定すると、テーブル出力ユニット72は当該ユニーク情報に係る1つ以上のテーブルを医用画像情報作成ユニット41に出力する(ステップS98)。医用画像情報は図10に示したステップS26乃至S34に従って表示される(ステップS99)。
【0103】
もしテーブル使用許可判定ユニット74がステップS97において現在のユーザIDは転送されたユニーク情報についてのテーブルを使用することが許可されていないと判定すると、制御ユニット7は出力ユニット4を制御し、表示ユニット43が当該ユーザは入力されたユニーク情報に係る患者の医用画像情報を取得することを許可されていないとのエラー情報を表示する(ステップS100)。
【0104】
(実施例6)
実施例1乃至5に記載された医用画像保管装置の特徴は実施例1にて挙げたような医用画像装置において実施されるようにしてもよい。以下2つの例について述べるが、上記実施例のどの実施例或いはどの実施例間の組合せであっても医用画像装置に適用し得る。
【0105】
図28は本発明の実施例6に係る医用画像装置の構成の例を示すブロック図である。医用画像装置60は撮影ユニット75、画像処理ユニット2、記憶ユニット3、出力ユニット4、テーブル処理ユニット5、操作ユニット6、及び制御ユニット7を含む。外部記録媒体8は操作ユニット6に対して使用される。
【0106】
医用画像装置60がX線CT装置である場合、撮影ユニット75は例えばX線管、X線検出器、データ収集システム、再構成部、情報作成部、等を含む。X線管は患者に対してX線を発生し、X線検出器は発生したX線の結果から生じるX線情報を検出する。検出されたX線情報はデータ収集システムにより収集され、再構成部によって画像データを生成するために再構成される。情報作成部は画像データとその付帯情報を結合することにより医用画像情報を作成する。付帯情報は操作ユニット6から或いは例えば病院LANを介して外部装置(図示せず)から得られる。医用画像情報は画像処理ユニット2に転送される。画像処理ユニット2、記憶ユニット3、出力ユニット4、テーブル処理ユニット5、操作ユニット6、及び制御ユニット7は図1に示す対応するユニットと同様に動作し得るためここでは詳細な説明は省略する。
【0107】
医用画像装置60の変形例を図29を参照しながら説明する。図29は本発明の実施例6に係る医用画像装置60の構成の変形例を示すブロック図である。図29に示すように、医用画像装置60は例えば病院LANを介してHIS/RIS15に接続される受信ユニット1を含む。画像処理ユニット2は医用画像情報分割ユニット22を含まないかもしれないが、医用画像情報記憶ユニット21に加えて予約情報記憶ユニット23、個人情報作成記憶ユニット24、及びテーブル作成ユニット25を含む。
【0108】
受信ユニット1は実施例4のようにHIS/RIS15から検査予約情報を受信し、受信された検査予約情報は実施例4において説明したように予約情報記憶ユニット23に記憶される。また、実施例4にて説明したように、個人情報作成記憶ユニット24は検査情報記憶ユニット23に記憶された検査予約情報から所定の個人情報を抽出し、作成し、記憶する。テーブル作成ユニット25は実施例4に説明したような態様で動作する。
【0109】
操作ユニット6はICカードリーダ61に加えて検査選択ユニット76、予約情報入力ユニット77、及び検査情報入力ユニット78を含む。検査選択ユニット76はリストされた複数の予約検査から1つの検査を選択するために使用され得る。この選択により医用画像装置60は選択された検査について撮影を行う。個人情報作成記憶ユニット24は選択された検査に関する検査予約情報について前述した動作を行う。予約情報入力ユニット77は予約情報記憶ユニット23に記憶される検査予約情報を入力するために設けられるが、頻繁には使用されないかもしれない。検査情報入力ユニット78は検査情報を入力するために使用され得る。検査情報入力ユニット78から入力された検査情報は個人情報作成記憶ユニット24に転送される。個人情報作成記憶ユニット24は上記したように検査予約情報から所定個人情報を抽出するが必要に応じて転送された検査情報から所定個人情報をさらに或いは前述の代わりに抽出するようにしてもよい。
【0110】
撮影ユニット75は図28を参照して説明されたように動作する。しかし、撮影ユニット75から発生された医用画像情報は個人情報を含まない。従って、医用画像情報記憶ユニット21は医用画像情報を画像情報として記憶する。
【0111】
医用画像装置60のその他の構成は図28に示す対応するユニットと同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。なお、図29において制御ユニット7と他のユニット間の接続については省略している。
【0112】
(実施例7)
図30は本発明の実施例7に係る医用画像システムの例を示すブロック図である。医用画像システムは医用画像装置310、医用画像保管装置320、及び医用画像表示装置330を含み、これらは病院LANを介して互いに接続されている。医用画像表示装置330はICカードリーダ340に接続されてもよい。ICカードリーダ340はICカード350に記録された情報を読み取る。
【0113】
医用画像装置310は実施例1で挙げたような医用画像装置のどの種類のものであってもよい。医用画像装置310は以下に限定される訳ではないが、撮影311、テーブル作成312、テーブル暗号化313、並びに暗号化されたテーブル、ID付画像情報、及びID付所定個人情報の送信314の特徴(機能)を有する。
【0114】
撮影機能311は例えば撮影ユニット75のようなユニットにおいて実行され得る。テーブル作成機能312は例えば医用画像情報分割ユニット22のようなユニットにおいて実行され得る。テーブル暗号化機能313は例えばテーブル暗号化ユニット51のようなユニットにおいて実行され得る。送信機能314はもし送信ユニット44が実施例6において医用画像装置60に設けられるとしたならそのような場合における送信ユニット44のようなユニットにおいて例えば実行され得る。
【0115】
医用画像保管装置320は例えばファイリングサーバであり、以下に限定される訳ではないが、暗号化鍵の記憶321、暗号化されたテーブル、ID付画像情報、及びID付所定個人情報の記憶322、テーブル復号化323、医用画像情報の作成324、画像情報の検索325、並びに医用画像情報又は画像情報の送信326の特徴(機能)を有する。
【0116】
暗号化鍵の記憶機能321は例えば制御ユニット7のようなユニットにおいて実行され得る。記憶機能322は例えば記憶ユニット3やテーブル記憶ユニット52のようなユニットにおいて実行され得る。テーブル復号化機能323は例えばテーブル復号化ユニット53のようなユニットにおいて実行され得る。医用画像情報の作成機能324は例えば医用画像情報作成ユニット41のようなユニットにおいて実行され得る。画像情報の検索機能325は例えば画像情報検索ユニット42のようなユニットにおいて実行され得る。送信機能326は例えば送信ユニット44のようなユニットにおいて実行され得る。
【0117】
医用画像表示装置330は例えばワークステーションであり、読影室において画像読影したり、診察室で画像観察したり、カンファレンス室で画像研究したりするために用いられる。医用画像表示装置330は以下に限定される訳ではないが、復号化鍵の送信331、医用画像情報の要求332、画像情報の要求333、及び医用画像情報又は画像情報の表示334の特徴(機能)を有する。復号化鍵の送信機能331は例えば送受信ユニットにおいて実行され得る。医用画像情報の要求機能332及び画像情報の要求機能333は例えば入力ユニット及び送受信ユニットにおいて実行され得る。表示機能334は例えば表示ユニットにおいて実行され得る。
【0118】
ICカード350は暗号化鍵に対応する復号化鍵351を含む。医用画像保管装置320に記憶された暗号化鍵が患者の公開鍵である場合は復号化鍵351はこの公開鍵に対応する秘密鍵となる。ICカード350は患者により保持、管理され得る。
【0119】
医用画像装置310、医用画像保管装置320、医用画像表示装置330、ICカードリーダ340、及びICカード350の間のやりとりについて以下に簡単に説明する。
【0120】
医用画像情報が撮影機能311により発生されると所定の個人情報及び画像情報がその医用画像情報に基づいて作成される。また、所定個人情報及び画像情報の間の関係についてのテーブルがテーブル作成機能312により作成される。所定の個人情報及び画像情報はそれぞれIDが付与され、付与されたIDはテーブルに含まれる。このテーブルはテーブル暗号化機能313により暗号化鍵を用いて暗号化される。暗号化鍵は医用画像保管装置320から得ることができる。暗号化されたテーブルは送信機能314により医用画像保管装置320に送信される。また、ID付所定個人情報及びID付画像情報も送信機能314により医用画像保管装置320に送信される。
【0121】
送信された暗号化テーブル、ID付所定個人情報、及びID付画像情報は記憶機能322により医用画像保管装置320に記憶される。
【0122】
ユーザが患者の医用画像情報を得たいとき、ユーザは医用画像情報を要求し、この要求は医用画像情報の要求機能332により医用画像表示装置330から医用画像保管装置320へ送信される。ユーザはまた患者にICカード350をICカードリーダ340に挿入するよう求める。挿入に応じて、ICカードリーダ340はICカード350から復号化鍵351を読み取る。復号化鍵351は医用画像表示装置330に提供され、復号化鍵の送信機能331により医用画像保管装置320に送信される。医用画像保管装置320はテーブル復号化機能323により復号化鍵351を用いて暗号化されたテーブルを復号化する。復号化されたテーブルに基づいて、医用画像情報が医用画像情報の作成機能324により作成され再生される。医用画像情報は送信機能326により医用画像表示装置330に送信される。医用画像表示装置330では表示機能324により医用画像情報が表示される。
【0123】
操作者が画像情報の要求機能333により画像情報を要求する場合は、この要求が画像情報の要求機能333により医用画像表示装置330から医用画像保管装置320に送信される。医用画像保管装置320では、画像情報が画像情報の検索機能325により検索される。画像情報は送信機能326により医用画像表示装置330に送信される。医用画像表示装置330では表示機能324により画像情報が表示される。
【0124】
上述したように、暗号化と復号化は必ずしも同じ装置で実行される必要はない。また、画像要求及び表示もテーブルを暗号化及び/又は復号化する装置において行われる必要はない。上述の複数実施例のうち1つ以上において記載された特徴(機能)は異なる装置において実行されてもよく、全体として所定の医用画像システムの中で達成されればよい。図30を参照して説明した実施例7はこのようなシステムの一例に過ぎない。
【0125】
医用画像システムは図31に示すようなシステムでもよい。図31は本発明の実施例7に係る医用画像システムの別の例を示すブロック図である。同図に示すように、医用画像保管装置320はテーブル暗号化機能323の代わりに暗号化テーブル送信機能327及び復号化テーブル受信機能328を含んでもよい。また、医用画像表示装置330は暗号化鍵送信機能331の代わりにテーブル暗号化機能335及び復号化テーブル送信機能336を含んでもよい。
【0126】
医用画像表示装置330での医用画像情報の要求機能332による医用画像情報の要求に応じて、暗号化されたテーブルが暗号化テーブル送信機能327により医用画像保管装置320から暗号化テーブルが送信される。ICカードリーダ340により読み取られた復号化鍵351は医用画像表示装置330に提供され、暗号化されたテーブルがテーブル復号化機能335により復号化鍵351を用いて復号化される。複合化されたテーブルは複合化テーブル送信機能336により医用画像保管装置320に送信される。復号化されたテーブルは復号化テーブル受信機能328により受信される。復号化されたテーブルに基づいて、医用画像情報が医用画像情報の作成機能324により作成され再生される。医用画像情報は送信機能326により医用画像表示装置330に送信される。医用画像表示装置330では表示機能324により医用画像情報が表示される。
【0127】
復号化されたテーブルが医用画像表示装置330から医用画像保管装置320へ送信される際は復号化されたテーブルが例えばSSL(Secure Socket Layer)やIP Sec.等により保護されたネットワーを介して送信されるようにしてもよい。
【0128】
ICカード81が用いられる上記複数の実施例においては、ICカード81が各装置10乃至60並びに330のうちの1つの一部として機能し、図32に示すようにメモリ810及び復号化機能(ユニット)820を含むようにしてもよい。メモリ810は復号化鍵を記憶する。ICカード81が暗号化されたテーブルを受け取ると、このテーブルは復号化機能820により復号化される。復号化されたテーブルは上記装置に提供される。本例によれば復号化鍵自体がネットワークを介して送信されないので保護されることになる。復号化されたテーブルは例えばSSL(Secure Socket Layer)やIP Sec.等により保護されたネットワーを介して当該装置に送られるようにしてもよい。
【0129】
さらに、実施例1乃至7の1つ又は複数が別の実施例として組み合わされてもよい。
【0130】
以上述べた本発明の実施例は本発明の理解を容易にするためにのみ記載された例に過ぎず、本発明を限定するための記載ではない。従って、以上の本発明の実施例において開示された各構成要素やその他要素は本発明の主旨を逸脱しない範囲においてその等価物等に設計変更や修正を可能とするものである。さらに、同構成要素やその他要素についての可能とする如何なる組み合わせも、以上述べた本発明の実施例において得られる効果と同様の効果が得られる限り、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係る医用画像情報の分割の例を示す図。
【図3】本発明の実施例1に係るテーブルの例を示す図。
【図4】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第1の例を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第2の例を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施例1に係る転送又は分割を遅延させる流れの第3の例を示すフローチャート。
【図8】図5、6、又は7に示す所定のステップに置き代わるステップの例を示す図。
【図9】図5、6、又は7に示す所定のステップに置き代わるステップの別の例を示す図。
【図10】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置における画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施例1に係る医用画像保管装置の別の構成の例を示すブロック図。
【図13】本発明の実施例2に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図14】本発明の実施例2におけるICカードへのテーブルの書込みの流れの例を示すフローチャート。
【図15】本発明の実施例2におけるICカードに記録されるテーブルの例を示す図。
【図16】本発明の実施例2に係る医用画像保管装置における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図17】本発明の実施例2に係る医用画像保管装置の構成の変形例を示すブロック図。
【図18】本発明の実施例2に係る医用画像保管装置の構成の別の変形例を示すブロック図。
【図19】本発明の実施例3に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図20】本発明の実施例3に係るテーブルの例を示す図。
【図21】本発明の実施例3に係る医用画像保管装置における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図22】本発明の実施例3に係る医用画像保管装置の構成の別の例を示すブロック図。
【図23】本発明の実施例4に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図24】本発明の実施例4に係る医用画像保管装置における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャート。
【図25】本発明の実施例5に係る医用画像保管装置の構成の例を示すブロック図。
【図26】本発明の実施例5に係る医用画像保管装置における医用画像情報の保管の流れの例を示すフローチャート。
【図27】本発明の実施例5に係る医用画像保管装置における医用画像情報の出力の流れの例を示すフローチャート。
【図28】本発明の実施例6に係る医用画像装置の構成の例を示すブロック図。
【図29】本発明の実施例6に係る医用画像装置の構成の変形例を示すブロック図。
【図30】本発明の実施例7に係る医用画像システムの例を示すブロック図。
【図31】本発明の実施例7に係る医用画像システムの別の例を示すブロック図。
【図32】実施例に係るICカードの例を示す図。
【符号の説明】
【0132】
1・・・受信ユニット
2・・・医用画像情報処理ユニット
3・・・記憶ユニット
4・・・医用画像情報出力ユニット
5・・・テーブル処理ユニット
6・・・操作ユニット
7・・・制御ユニット
8・・・外部記録媒体
10・・・医用画像保管装置
21・・・医用画像情報記憶ユニット
22・・・医用画像情報分割ユニット
31・・・画像情報記憶ユニット
32・・・個人情報記憶ユニット
41・・・画像情報検索ユニット
42・・・医用画像情報作成ユニット
43・・・表示ユニット
51・・・テーブル暗号化ユニット
52・・・テーブル記憶ユニット
53・・・テーブル復号化ユニット
61・・・ICカードリーダ
81・・・ICカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像装置から得られる医用画像情報を受信する受信手段と、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、
前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、
前記テーブルを再取得する第2の手段と、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段と
を具備することを特徴とする医用画像保管装置。
【請求項2】
前記第1の手段は前記テーブルを暗号化する暗号化手段であり、前記第2の手段はこの暗号化されたテーブルを復号化する復号化手段であることを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項3】
患者の秘密鍵を受けとる第2の受信手段をさらに具備し、前記暗号化手段は前記秘密鍵に対応する公開鍵をさらに記憶し、前記復号化手段は前記暗号化されたテーブルを前記秘密鍵で復号化することを特徴とする請求項2に記載の医用画像保管装置。
【請求項4】
前記秘密鍵は前記患者に管理されることを特徴とする請求項3に記載の医用画像保管装置。
【請求項5】
前記第2の受信手段は外部情報読取ユニットにより外部記録媒体から読み出された秘密鍵をネットワークを介して受信することを特徴とする請求項3に記載の医用画像保管装置。
【請求項6】
前記第2の受信手段は外部記録媒体に記録された前記秘密鍵を読み出す情報読取手段であることを特徴とする請求項3に記載の医用画像保管装置。
【請求項7】
前記外部記録媒体はICカードであることを特徴とする請求項6に記載の医用画像保管装置。
【請求項8】
暗号化鍵及び復号化鍵を受け取る第2の受信手段をさらに具備し、前記暗号化手段は暗号化鍵を用いて前記テーブルを暗号化し、前記復号化手段は前記復号化鍵を用いて前記暗号化されたテーブルを復号化することを特徴とする請求項2に記載の医用画像保管装置。
【請求項9】
前記暗号化鍵及び復号化鍵は患者によって管理されることを特徴とする請求項8に記載の医用画像保管装置。
【請求項10】
前記第2の受信手段は外部情報読取ユニットにより外部記録媒体から読み出された暗号化鍵及び復号化鍵をネットワークを介して受信することを特徴とする請求項8に記載の医用画像保管装置。
【請求項11】
前記第2の受信手段は外部記録媒体に記録された暗号化鍵及び復号化鍵を読み取る情報読取手段であることを特徴とする請求項8に記載の医用画像保管装置。
【請求項12】
前記第1の記憶手段は第1の識別情報と共に前記所定の個人情報を第2の識別情報と共に前記画像情報を記憶し、前記テーブルは前記第1の識別情報及び前記第2の識別情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項13】
前記第1の手段は前記テーブルを暗号化する暗号化手段であり、前記第2の手段はこの暗号化されたテーブルを復号化する復号化手段であることを特徴とする請求項12に記載の医用画像保管装置。
【請求項14】
前記テーブルはユニーク情報及び前記医用画像情報に係る検査日情報と結合されることを特徴とする請求項12に記載の医用画像保管装置。
【請求項15】
外部記録媒体に記録された患者についての第2のユニーク情報を受信する第2の受信手段をさらに具備し、前記第2の手段は前記第2のユニーク情報を前記ユニーク情報と比較し両者が所定の対応関係にあるとき前記テーブルを再取得することを特徴とする請求項14に記載の医用画像保管装置。
【請求項16】
本装置の使用者についての第2のユニーク情報を受けとる第2の受信手段をさらに具備し、前記第2の手段は前記第2のユニーク情報を前記ユニーク情報と比較し両者が所定の対応関係にあるとき前記テーブルを再取得することを特徴とする請求項14に記載の医用画像保管装置。
【請求項17】
診察科についての第2のユニーク情報を受けとる第2の受信手段をさらに具備し、前記第2の手段は前記第2のユニーク情報を前記ユニーク情報と比較し両者が所定の対応関係にあるとき前記テーブルを再取得することを特徴とする請求項14に記載の医用画像保管装置。
【請求項18】
前記第1の手段は前記テーブルを外部記録媒体に書き込む情報書込手段であり、前記第2の手段は前記外部記録媒体から前記テーブルを読み取る情報読取手段であることを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項19】
前記外部記録媒体はICカードであり、前記情報書込手段はICカードライタであり、前記情報読取手段はICカードリーダであることを特徴とする請求項18に記載の医用画像保管装置。
【請求項20】
前記外部記録媒体は記録ディスクであり、前記情報書込手段及び前記情報読取手段はディスクドライブ手段として動作することを特徴とする請求項18に記載の医用画像保管装置。
【請求項21】
前記第1の手段は外部記録媒体に前記テーブルを書き込む外部情報書込ユニットに前記テーブルを送信し、前記第2の手段は前記外部記録媒体から前記テーブルを読み取る外部情報読取ユニットから前記テーブルを受信することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項22】
前記テーブル作成手段は前記医用画像情報を前記所定の個人情報と前記画像情報とに分割することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項23】
前記受信手段は前記医用画像装置による撮影に関して検査関連情報を受信し、この検査関連情報に基づいて前記所定の個人情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項24】
前記検査関連情報の少なくとも一部は外部情報システムからネットワークを介して受信されることを特徴とする請求項23に記載の医用画像保管装置。
【請求項25】
前記第1の手段及び前記第2の手段は、本装置のユーザが前記テーブルの使用を許可されているかを示す第2のテーブルを含むテーブル使用許可判定手段として動作することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項26】
前記第1の手段及び前記第2の手段は、本装置のユーザが前記テーブルと結合されたユニーク情報のうちのどのユニーク情報について前記テーブルの使用を許可されているかを示す第2のテーブルを含むテーブル使用許可判定手段として動作することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項27】
前記画像情報は前記所定の個人情報の代わりにダミー情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項28】
前記第1の手段は前記医用画像装置による撮影後所定期間は動作しないことを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項29】
前記出力手段は前記第2の手段における前記テーブルの再取得とは関係なく前記第1の記憶手段に記憶された前記画像情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項30】
前記画像情報は前記医用画像装置の種類、撮影条件、及び患者の撮影部位のうちの少なくとも1の条件情報並びに画像データを含み、前記出力手段は前記条件情報に基づいて前記画像情報を検索し前記画像データを出力することを特徴とする請求項29に記載の医用画像保管装置。
【請求項31】
医用画像情報を発生する撮影手段と、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、
前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、
前記テーブルを再取得する第2の手段と、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段と
を具備することを特徴とする医用画像装置。
【請求項32】
医用画像装置及び医用画像保管装置を含み、
これらの装置が
医用画像情報を発生する撮影手段と、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、
前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、
前記テーブルを再取得する第2の手段と、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段と
を具備することを特徴とする医用画像システム。
【請求項33】
医用画像装置から得られる医用画像情報を受信し、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成し、
前記所定の個人情報を記憶し、
前記画像情報を記憶し、
前記テーブルを入手不可とする
ことを特徴とする医用画像情報保管方法。
【請求項34】
前記テーブルを再取得し、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し、
前記医用画像情報を作成し、
前記医用画像情報を出力する
ことを特徴とする請求項33に記載の医用画像情報保管方法。
【請求項35】
医用画像情報を発生し、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成し、
前記所定の個人情報を記憶し、
前記画像情報を記憶し、
前記テーブルを入手不可とする
ことを特徴とする医用画像情報保管方法。
【請求項36】
前記テーブルを再取得し、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し、
前記医用画像情報を作成し、
前記医用画像情報を出力する
ことを特徴とする請求項35に記載の医用画像情報保管方法。
【請求項37】
前記第1の手段は前記テーブルを暗号化する暗号化手段であり、前記第2の手段はこの暗号化されたテーブルを復号化する復号化手段を含むICカードであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項1】
医用画像装置から得られる医用画像情報を受信する受信手段と、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、
前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、
前記テーブルを再取得する第2の手段と、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段と
を具備することを特徴とする医用画像保管装置。
【請求項2】
前記第1の手段は前記テーブルを暗号化する暗号化手段であり、前記第2の手段はこの暗号化されたテーブルを復号化する復号化手段であることを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項3】
患者の秘密鍵を受けとる第2の受信手段をさらに具備し、前記暗号化手段は前記秘密鍵に対応する公開鍵をさらに記憶し、前記復号化手段は前記暗号化されたテーブルを前記秘密鍵で復号化することを特徴とする請求項2に記載の医用画像保管装置。
【請求項4】
前記秘密鍵は前記患者に管理されることを特徴とする請求項3に記載の医用画像保管装置。
【請求項5】
前記第2の受信手段は外部情報読取ユニットにより外部記録媒体から読み出された秘密鍵をネットワークを介して受信することを特徴とする請求項3に記載の医用画像保管装置。
【請求項6】
前記第2の受信手段は外部記録媒体に記録された前記秘密鍵を読み出す情報読取手段であることを特徴とする請求項3に記載の医用画像保管装置。
【請求項7】
前記外部記録媒体はICカードであることを特徴とする請求項6に記載の医用画像保管装置。
【請求項8】
暗号化鍵及び復号化鍵を受け取る第2の受信手段をさらに具備し、前記暗号化手段は暗号化鍵を用いて前記テーブルを暗号化し、前記復号化手段は前記復号化鍵を用いて前記暗号化されたテーブルを復号化することを特徴とする請求項2に記載の医用画像保管装置。
【請求項9】
前記暗号化鍵及び復号化鍵は患者によって管理されることを特徴とする請求項8に記載の医用画像保管装置。
【請求項10】
前記第2の受信手段は外部情報読取ユニットにより外部記録媒体から読み出された暗号化鍵及び復号化鍵をネットワークを介して受信することを特徴とする請求項8に記載の医用画像保管装置。
【請求項11】
前記第2の受信手段は外部記録媒体に記録された暗号化鍵及び復号化鍵を読み取る情報読取手段であることを特徴とする請求項8に記載の医用画像保管装置。
【請求項12】
前記第1の記憶手段は第1の識別情報と共に前記所定の個人情報を第2の識別情報と共に前記画像情報を記憶し、前記テーブルは前記第1の識別情報及び前記第2の識別情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項13】
前記第1の手段は前記テーブルを暗号化する暗号化手段であり、前記第2の手段はこの暗号化されたテーブルを復号化する復号化手段であることを特徴とする請求項12に記載の医用画像保管装置。
【請求項14】
前記テーブルはユニーク情報及び前記医用画像情報に係る検査日情報と結合されることを特徴とする請求項12に記載の医用画像保管装置。
【請求項15】
外部記録媒体に記録された患者についての第2のユニーク情報を受信する第2の受信手段をさらに具備し、前記第2の手段は前記第2のユニーク情報を前記ユニーク情報と比較し両者が所定の対応関係にあるとき前記テーブルを再取得することを特徴とする請求項14に記載の医用画像保管装置。
【請求項16】
本装置の使用者についての第2のユニーク情報を受けとる第2の受信手段をさらに具備し、前記第2の手段は前記第2のユニーク情報を前記ユニーク情報と比較し両者が所定の対応関係にあるとき前記テーブルを再取得することを特徴とする請求項14に記載の医用画像保管装置。
【請求項17】
診察科についての第2のユニーク情報を受けとる第2の受信手段をさらに具備し、前記第2の手段は前記第2のユニーク情報を前記ユニーク情報と比較し両者が所定の対応関係にあるとき前記テーブルを再取得することを特徴とする請求項14に記載の医用画像保管装置。
【請求項18】
前記第1の手段は前記テーブルを外部記録媒体に書き込む情報書込手段であり、前記第2の手段は前記外部記録媒体から前記テーブルを読み取る情報読取手段であることを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項19】
前記外部記録媒体はICカードであり、前記情報書込手段はICカードライタであり、前記情報読取手段はICカードリーダであることを特徴とする請求項18に記載の医用画像保管装置。
【請求項20】
前記外部記録媒体は記録ディスクであり、前記情報書込手段及び前記情報読取手段はディスクドライブ手段として動作することを特徴とする請求項18に記載の医用画像保管装置。
【請求項21】
前記第1の手段は外部記録媒体に前記テーブルを書き込む外部情報書込ユニットに前記テーブルを送信し、前記第2の手段は前記外部記録媒体から前記テーブルを読み取る外部情報読取ユニットから前記テーブルを受信することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項22】
前記テーブル作成手段は前記医用画像情報を前記所定の個人情報と前記画像情報とに分割することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項23】
前記受信手段は前記医用画像装置による撮影に関して検査関連情報を受信し、この検査関連情報に基づいて前記所定の個人情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項24】
前記検査関連情報の少なくとも一部は外部情報システムからネットワークを介して受信されることを特徴とする請求項23に記載の医用画像保管装置。
【請求項25】
前記第1の手段及び前記第2の手段は、本装置のユーザが前記テーブルの使用を許可されているかを示す第2のテーブルを含むテーブル使用許可判定手段として動作することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項26】
前記第1の手段及び前記第2の手段は、本装置のユーザが前記テーブルと結合されたユニーク情報のうちのどのユニーク情報について前記テーブルの使用を許可されているかを示す第2のテーブルを含むテーブル使用許可判定手段として動作することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項27】
前記画像情報は前記所定の個人情報の代わりにダミー情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項28】
前記第1の手段は前記医用画像装置による撮影後所定期間は動作しないことを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項29】
前記出力手段は前記第2の手段における前記テーブルの再取得とは関係なく前記第1の記憶手段に記憶された前記画像情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項30】
前記画像情報は前記医用画像装置の種類、撮影条件、及び患者の撮影部位のうちの少なくとも1の条件情報並びに画像データを含み、前記出力手段は前記条件情報に基づいて前記画像情報を検索し前記画像データを出力することを特徴とする請求項29に記載の医用画像保管装置。
【請求項31】
医用画像情報を発生する撮影手段と、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、
前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、
前記テーブルを再取得する第2の手段と、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段と
を具備することを特徴とする医用画像装置。
【請求項32】
医用画像装置及び医用画像保管装置を含み、
これらの装置が
医用画像情報を発生する撮影手段と、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成するテーブル作成手段と、
前記所定の個人情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記画像情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記テーブルを入手不可とする第1の手段と、
前記テーブルを再取得する第2の手段と、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し前記医用画像情報を作成し出力する出力手段と
を具備することを特徴とする医用画像システム。
【請求項33】
医用画像装置から得られる医用画像情報を受信し、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報とこの所定の個人情報を前記医用画像情報から除くことにより作成された画像情報との関係についてのテーブルを作成し、
前記所定の個人情報を記憶し、
前記画像情報を記憶し、
前記テーブルを入手不可とする
ことを特徴とする医用画像情報保管方法。
【請求項34】
前記テーブルを再取得し、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し、
前記医用画像情報を作成し、
前記医用画像情報を出力する
ことを特徴とする請求項33に記載の医用画像情報保管方法。
【請求項35】
医用画像情報を発生し、
前記医用画像情報に係る所定の個人情報と前記医用画像情報に基づく画像情報との関係についてのテーブルを作成し、
前記所定の個人情報を記憶し、
前記画像情報を記憶し、
前記テーブルを入手不可とする
ことを特徴とする医用画像情報保管方法。
【請求項36】
前記テーブルを再取得し、
前記第1の記憶手段から前記所定の個人情報を前記第2の記憶手段から前記画像情報を前記再取得されたテーブルに基づいて読み出し、
前記医用画像情報を作成し、
前記医用画像情報を出力する
ことを特徴とする請求項35に記載の医用画像情報保管方法。
【請求項37】
前記第1の手段は前記テーブルを暗号化する暗号化手段であり、前記第2の手段はこの暗号化されたテーブルを復号化する復号化手段を含むICカードであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2006−18817(P2006−18817A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−161987(P2005−161987)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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