説明

医用画像処理システム

【課題】医用画像に対する処理を複数の操作者に分担して行う場合において、各操作者の作業状況を容易に確認可能とする。
【解決手段】サーバーは、画像記憶部と、画像処理部と、進捗管理部と、UI制御部とを備える。画像記憶部は、被検体の異なる身体部位の医用画像を記憶する。画像処理部は、複数のクライアントのうちのいずれかから医用画像ごとに依頼を受けて、当該医用画像に対する処理を実行する。進捗管理部は、複数の医用画像それぞれに対する画像処理部による処理の段階に基づいて各医用画像に対する処理の進捗情報を作成し、複数の医用画像の進捗情報を一括管理する。UI制御部は、進捗情報に示す処理段階に応じて、複数の身体部位に対応する複数の画面領域に、対応する身体部位の医用画像の処理状況を提示する表示画面データを生成して複数のクライアントのいずれかに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像に対する処理をサーバーで集中管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CT(Computed Tomography)などの画像診断装置において、被曝量の低減や撮影時間の短縮を目的として、1回の撮影で全身の画像を取得するホールボディ(WholeBody)撮影が行われる場合がある。ホールボディ撮影により全身の画像を取得した場合、撮影された全身の医用画像に含まれる各部位の画像に対する読影等の処理を、複数の技師に分担して行う場合がある。
【0003】
一方で、クライアントからネットワークを介してサーバーに処理を依頼し、サーバーで処理された結果をクライアントで表示するシンクライアントシステムが、医用画像処理システムとして導入されてきている。このような医用画像処理システムの導入により、サーバー上で管理・保管されている医用画像に対し複数の操作者が平行して処理を行うことが可能になった。そのため、このようなシステムを用いて医用画像に対する処理を複数の技師に分担して実行することが可能となる。
【0004】
このように医用画像に対する処理を複数の技師に分担して行う場合、例えば主治医が、各部位の画像ごとに、その部位を専門とする技師にその部位の画像に対する処理を依頼する。各技師は、主治医からの依頼に基づき対応する部位の画像に対し処理を施し、その処理結果を主治医に通知する。また、1つの部位に対し複数の技師が処理を行う場合もある。このような場合、処理を依頼された技師は、処理の完了後に、次の処理を担当する技師に改めて処理を依頼する。全ての処理が完了後、最後の処理を行った技師が主治医に処理結果を通知する。このように複数の技師に分担して処理を行う場合、処理を担当する各技師の作業状況を把握することが重要である。しかしながら従来のシステムでは、例えば各技師からの処理結果の通知に基づき作業状況を把握するため、主治医や各技師が、他の技師の作業状況を容易に確認することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−097323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の実施形態は、医用画像に対する処理を複数の操作者に分担して行う場合において、各操作者の作業状況を容易に確認可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この実施形態の第1の態様は、複数のクライアントとサーバーとを含む医用画像処理システムである。サーバーは、画像記憶部と、画像処理部と、進捗管理部と、UI制御部とを備える。画像記憶部は、被検体の異なる身体部位の医用画像を記憶する。画像処理部は、前記複数のクライアントのうちのいずれかから前記医用画像ごとに依頼を受けて、当該医用画像に対する処理を実行する。進捗管理部は、前記複数の医用画像それぞれに対する前記画像処理部による処理の段階に基づいて各医用画像に対する処理の進捗情報を作成し、前記複数の医用画像の前記進捗情報を一括管理する。UI制御部は、前記進捗情報に示す処理段階に応じて、複数の身体部位に対応する複数の画面領域に、対応する身体部位の医用画像の処理状況を提示する表示画面データを生成して前記複数のクライアントのいずれかに送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る医用画像処理システムのブロック図である。
【図2】医用画像のデータ構造の一例である。
【図3】第1の実施形態に係る進捗情報のデータ構造の一例である。
【図4】本実施形態に係る医用画像処理システムの操作画面の一例である。
【図5】本実施形態に係る医用画像処理システムの操作画面の一例である。
【図6】本実施形態に係る医用画像処理システムの一連の処理の流れを説明するための図である。
【図7】第1の実施形態に係る医用画像処理システムサーバーとクライアントとの間の処理の流れを示した図である。
【図8】第2の実施形態に係る進捗情報のデータ構造の一例である。
【図9】第2の実施形態に係る医用画像処理システムサーバーとクライアントとの間の処理の流れを示した図である。
【図10】本実施形態に係る医用画像処理システムの操作画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
本実施形態に係る医用画像処理システムの構成について図1を参照しながら説明する。本実施形態に係る医用画像処理システムは、サーバー1と複数のクライアントとがネットワークNを介して接続されて構成される。以降では、図1に示すように、サーバー1とクライアント2a〜2cとがネットワークNを介して接続されているものとして説明する。
【0010】
サーバー1は、画像記憶部11と、実行環境12a〜12cと、進捗管理部13と、表示データ記憶部14と、ユーザー情報記憶部15とを含んで構成される。
【0011】
画像記憶部11は、医用画像を記憶する記憶領域である。画像記憶部11は、CTやMRI(Magnetic Resonance Imaging)等の医用画像撮影装置で撮影された医用画像が記憶される。画像記憶部11は、これらの医用画像を、検査(Study)ごとに管理・記憶する。具体的には、医用画像撮影装置で撮影された部位(Series)ごとの医用画像が、検査(Study)ごとに関連付けられて画像記憶部11に記憶される。例えば図2は、この医用画像のデータ構造の一例である。図2に示すように、例えば検査St1で撮影された部位ごとの医用画像Sr11〜Sr13は、検査St1の医用画像として関連付けられている。例えばホールボディ撮影が行われた場合、その検査で撮影された頭部、胸部、腹部等の各部位の医用画像が一連の医用画像として関連付けられ、かつ部位ごとの医用画像それぞれが取出し可能に記憶されている。また部位ごとの医用画像Sr11〜Sr13は、画像データD11と付帯情報D12とを含んで構成される。また付帯情報D12には、進捗管理部13が部位ごとの医用画像Sr11〜Sr13に対する処理の進捗状況を検査(例えば検査St1)ごとに管理するための進捗情報D121が、進捗管理部13により付帯される。進捗管理部13の詳細、及び進捗情報D121の詳細については後述する。
【0012】
実行環境12a〜12cは、医用画像に対する処理の依頼や、その処理の結果の通知を、操作者ごとに処理するための処理ユニットである。実行環境12a〜12cはそれぞれ、UI制御部121と、進捗画面生成部122と、画像処理部123とを含んで構成される。UI制御部121、進捗画面生成部122、及び画像処理部123の詳細な動作については後述する。また実行環境12a〜12cは、各操作者(Ua〜Uc)のユーザー情報と対応付けられている。ユーザー情報は、操作者ごとに予め作成されユーザー情報記憶部15に記憶されている。ユーザー情報記憶部15については後述する。以降では、操作者Uaはクライアント2aを、操作者Ubはクライアント2bを、操作者Ucはクライアント2cを操作するものとして説明する。即ち、クライアント2aからの処理の依頼は、実行環境12aが受信し処理する。また実行環境12aは依頼された処理の結果をクライアント2aに送信する。
【0013】
ユーザー情報記憶部15は、本実施形態に係る医用画像処理システムのユーザーに関するユーザー情報が記憶されている。ユーザー情報には、操作者のIDや名前等が記憶されている。またこのユーザー情報は、実行環境12a〜12cのいずれかと関連付けられている。例えば、操作者Uaのユーザー情報は実行環境12aと関連付けられている。このような構成により、操作者Uaは、クライアント2aを介しサーバー1のログインした場合に、操作者Uaに対するメッセージや他のクライアントでの処理の結果を、実行環境12aを介して、クライアント2a上に表示させることが可能となる。
【0014】
進捗管理部13は、ある操作者から、画像記憶部11に記憶された医用画像に対する処理に関する依頼を、依頼先となる操作者の情報とあわせて、依頼元となる操作者から実行環境12a〜12cのいずれかを介して受ける。進捗管理部13は、依頼先となる操作者の実行環境に依頼の内容を通知するとともに、その依頼の進捗状況を管理する。以降では、この進捗管理部13の一連の動作について、「処理の依頼」、「進捗情報の更新」、及び「進捗状況の表示」の契機に分けて、UI制御部121、進捗画面生成部122、及び画像処理部123の詳細な動作とあわせて説明する。なお以降では、クライアント2aが依頼元となり、クライアント2b及び2cのいずれかもしくは双方に処理を依頼するものとして説明する。
【0015】
(処理の依頼)
まず操作者Uaが、検査St1で撮影された部位ごとの医用画像Sr11〜Sr13に対する処理を、操作者Ub及び操作者Ucに依頼する場合を例に、このときの各構成の動作について説明する。
【0016】
まずクライアント2aからの操作を受けて、UI制御部121は、進捗管理部13から検査一覧の出力を依頼する。この依頼を受けて進捗管理部13は、検査ごとに関連付けられ画像記憶部11に記憶された部位ごとの医用画像に基づき、各検査とその検査の対象の部位とを関連付けて検査一覧を作成しUI制御部121に出力する。UI制御部121は、検査一覧に含まれる各検査とその検査で医用画像が取得された部位が選択可能に表示された操作画面を生成し、この操作画面をクライアント2aの表示部に表示させる。これにより操作者Uaは、検査ごとに、処理対象とする部位の医用画像を指定することが可能となる。なおUI制御部121が操作画面を生成するための、操作画面のフォーマットや、操作画面上に表示させるボタン、画像、アイコン等の部品のデータは、表示データとして表示データ記憶部14に記憶させておくとよい。表示データ記憶部14については後述する。
【0017】
UI制御部121は、処理対象となる部位の医用画像の指定をクライアント2aから受ける。UI制御部121は、ユーザー情報記憶部15から、ユーザー情報を読み出し操作者の一覧を作成する。UI制御部121は、操作者の一覧に含まれる各ユーザー情報が選択可能に表示された操作画面を生成し、この操作画面をクライアント2aの表示部に表示させる。これにより、依頼元となる操作者は、処理の依頼先となる操作者のユーザー情報を指定することが可能となる。このようにUI制御部121は、処理対象となる部位の医用画像と、処理の依頼先となる操作者のユーザー情報の指定を、検査ごとにクライアント2aから受ける。UI制御部121は、選択された部位を示す情報及びユーザー情報を組として関連付ける。
【0018】
なおUI制御部121は、複数の部位の医用画像を処理対象として指定可能に動作させてもよい。この場合にはUI制御部121は、各部位の医用画像に対しそれぞれ異なる依頼先を指定可能に動作させてもよい。
【0019】
UI制御部121は、部位を示す情報及びユーザー情報が関連付けられた組を、検査を示す情報とあわせて進捗管理部13に出力する。複数の部位の医用画像が選択されている場合、UI制御部121は、部位を示す情報及びユーザー情報検査が関連付けられた各組を、検査ごとに関連付けて進捗管理部13に出力する。この動作について例をあげて具体的に説明する。例えば、「検査St1」で撮影された一連の医用画像は、「頭部医用画像Sr11」、「胸部医用画像Sr12」、及び「腹部医用画像Sr13」を含む。このときクライアント2aからの指示を受けて、操作者Ubに「頭部医用画像Sr11」に対する処理を依頼し、操作者Ucに「胸部医用画像Sr12」に対する処理を依頼したとする。この場合には、UI制御部121は、「頭部医用画像Sr11」を示す情報と操作者Ubのユーザー情報とを組として関連付ける。またUI制御部121は、「胸部医用画像Sr12」を示す情報と操作者Ucのユーザー情報とを組として関連付ける。UI制御部121は、関連付けられた各組を「検査St1」を示す情報と関連付けて進捗管理部13に出力する。
【0020】
またUI制御部121は、進捗画面生成部122を含む。この進捗画面生成部122の動作については、「進捗状況の表示」に係る動作とあわせて後述する。
【0021】
表示データ記憶部14は、UI制御部121及び進捗画面生成部122が、クライアント2aの表示部に表示させる操作画面を生成するための表示データを記憶している。表示データとしては、例えば操作画面のフォーマットや、操作画面上に表示させるボタン、画像、アイコン等の部品のデータが含まれている。また表示データ記憶部14は、「進捗状況の表示」時に進捗画面生成部122が生成する画面の表示データも記憶している。この表示データについては、進捗画面生成部122の説明とあわせて後述する。
【0022】
進捗管理部13は、UI制御部121から受けた各組に含まれるユーザー情報を基に進捗情報D121を作成する。ここで進捗情報D121のデータ構造について図3を参照しながら説明する。進捗情報D121は、操作者情報E11、処理内容情報E12、開始時間情報E13、及び終了時間情報E14を含んで構成される。操作者情報E11は、処理の依頼先となる操作者の情報を示している。また処理内容情報E12は、依頼した処理の内容(例えば、「読影」や「MPR(Multi Planer Reconstruction)処理」等)を示している。操作者情報E11及び処理内容情報E12は、進捗情報が作成されたとき、進捗管理部13により入力される。また開始時間情報E13は、操作者が依頼された処理が開始された開始時間を示している。開始時間情報E13は、操作者による処理が開始されたとき、つまり、処理の開始に伴い進捗管理部13が処理対象となる部位の医用画像の出力を画像処理部123から依頼されたときに、進捗管理部13により入力される。また終了時間情報E14は、操作者が依頼された処理が終了した終了時間を示している。終了時間情報E14は、操作者による処理が終了されたとき、つまり、進捗管理部13が処理後の部位の医用画像を画像処理部123から受けたときに、進捗管理部13により入力される。
【0023】
進捗管理部13は、部位ごとの医用画像に対する処理の進捗状況を、例えば処理段階F1〜F5に分けて管理する。具体的には進捗管理部13は、付帯情報D12に進捗情報D121が生成されているか否か、及び、進捗情報D121内に入力された情報(E11〜E14)の組合せを処理段階F1〜F5のいずれかに対応付けて管理する。以下に具体的な例をします。まず進捗管理部13は、付帯情報D12に進捗情報D121が付帯されているか否かにより、対応する部位の医用画像に対する処理が依頼されているか否かを判断する。進捗管理部13は、付帯情報D12に進捗情報D121が付帯されていない場合を処理段階F1と対応付ける。つまり処理段階F1は、医用画像に対する処理が依頼されていないことを示している。また進捗情報が付帯されている場合に、進捗管理部13は、進捗情報に含まれるパラメタの組合せと、各処理段階とを対応付けて管理する。例えば進捗管理部13は、開始時間情報E13及び終了時間情報E14が入力されていない場合を処理段階F2と対応付ける。つまり処理段階F2は、依頼された処理がまだ実行されていない(未処理である)ことを示している。また進捗管理部13は、開始時間情報E13が入力され終了時間情報E14が入力されていない場合を処理段階F3と対応付ける。つまり処理段階F3は、依頼された処理が実行中であることを示している。また進捗管理部13は、開始時間情報E13及び終了時間情報E14が入力されている場合を処理段階F4と対応付ける。つまり処理段階F4は、依頼された処理が完了していることを示している。また進捗管理部13は、検査St1で撮影されていない部位を提示する場合、処理段階F5に対応付けて他の処理段階と区別可能に提示させるとよい。なおこれらの対応付けは一例であり、情報E11〜E14の組合せと処理段階F1〜F5との組合せを変更してもよい。また、進捗情報への情報の追加や、この情報の追加に伴う処理段階の追加を行ってもよい。
【0024】
進捗管理部13は、作成した進捗情報D121を対応する医用画像の付帯情報D12に付帯させる。例えば、「検査St1」で撮影された「頭部医用画像Sr11」に対する「処理T1(例えばMPR処理)」が「操作者Ub」に依頼されたとする。この場合には進捗管理部13は、操作者情報E11に「操作者Ub」、処理内容情報E12に「処理T1」が入力された進捗情報を作成する。進捗管理部13は、「検査St1」に対応する「頭部医用画像Sr11」の付帯情報D12に作成した進捗情報を付帯させる。また進捗管理部13は、検査St1に関連する一連の進捗情報D121と、依頼元である操作者Uaのユーザー情報とを対応付ける。これにより進捗管理部13は、進捗情報D121に対応付けられたユーザー情報に基づき依頼元の操作者Uaを特定する。
【0025】
次に進捗管理部13は、部位ごとの医用画像に対する処理の依頼を通知するために、ユーザー情報に基づき依頼先となる操作者の実行環境を特定する。例えば、依頼先が操作者Ubの場合、進捗管理部13は、ユーザー情報から操作者Ubに対応する実行環境12bを特定する。進捗管理部13は、特定した実行環境12bに医用画像に対する処理の依頼を通知する。このとき進捗管理部13は、例えば、依頼元の操作者の情報「操作者Ua」、検査を特定する情報「検査St1」、処理対象の医用画像「頭部医用画像Sr11」、及び処理内容「処理T1」を基にメッセージを作成して依頼先の実行環境12bに通知してもよい。また進捗管理部13は、処理の依頼に関するメッセージを依頼元の操作者Uaから実行環境12aを介し受けて、このメッセージを依頼先の実行環境12bに通知してもよい。またユーザー情報に操作者のメールアドレス等の連絡先を示す情報を含めておき、進捗管理部13は、この連絡先に依頼のメッセージを送付してもよい。
【0026】
このように進捗管理部13は、処理対象の医用画像ごとに、進捗情報を作成して付帯させ、処理の依頼を依頼先となる操作者の実行環境に通知する。これにより依頼先となる操作者(操作者Ub)は、医用画像に対する処理の依頼を、対応する実行環境(実行環境12b)を介してそれぞれの操作するクライアント(クライアント2b)で確認することが可能となる。以降、進捗管理部13は、処理を依頼した各クライアントから依頼した処理に関する通知を受けて、対応する部位の医用画像に付帯された進捗情報を更新する。これにより進捗管理部13は、部位ごとの医用画像に対する処理の進捗状況を、検査単位で一括管理する。なお、進捗情報の更新に関する詳細な動作については以降で説明する。
【0027】
(進捗情報の更新)
次に、依頼された処理の進捗に伴い、進捗情報D121を更新する動作について説明する。
【0028】
操作者Ubがクライアント2bを操作し、実行環境12b上で、検査St1に対応する頭部医用画像Sr11の処理を開始したとする。実行環境12bのUI制御部121は、クライアント2bから頭部医用画像Sr11に対する処理内容の指示を受け、処理対象の頭部医用画像Sr11と指示された処理内容を画像処理部123に通知する。またUI制御部121は、頭部医用画像Sr11に対する処理の結果を、画像処理部123から取得する。UI制御部121は、取得した処理の結果をクライアント2b上に表示させる。
【0029】
画像処理部123は、医用画像に対する処理を実行する処理部である。画像処理部123は、UI制御部121からの通知を受けて、その通知で指定された処理対象となる頭部医用画像Sr11の出力を進捗管理部13に依頼する。この依頼を受けて進捗管理部13は、検査St1に対応する頭部医用画像Sr11を画像記憶部11から読み出し、この頭部医用画像Sr11を画像処理部123に出力する。画像処理部123は、進捗管理部13から受けた頭部医用画像Sr11に対し、UI制御部121からの通知により指示された処理を施す。頭部医用画像Sr11に対する処理が完了すると、画像処理部123は、処理後の頭部医用画像Sr11を進捗管理部13に出力する。また画像処理部123は、頭部医用画像Sr11に対する処理の結果をUI制御部121に出力する。
【0030】
進捗管理部13は、画像処理部123から検査St1に対応する頭部医用画像Sr11の出力の依頼を受ける。進捗管理部13は、検査St1に対応する頭部医用画像Sr11を画像記憶部11から読み出す。また進捗管理部13は、計時手段(図示しない)を有しており、この計時手段により画像処理部123から依頼を受けた時間を、処理が開始された開始時間として特定する。進捗管理部13は、読み出した頭部医用画像Sr11に付帯された進捗情報D121の開始時間情報E13に、特定した開始時間を入力する。これにより進捗管理部13は、頭部医用画像Sr11に対する操作者Ubの処理の進捗が、処理段階F2(未処理)から処理段階F3(処理中)に遷移したと認識する。つまりこの時点で処理段階の提示を依頼された場合、進捗管理部13は、処理段階F3(処理中)であることを通知する。進捗管理部13は、この頭部医用画像Sr11を画像処理部123に出力する。
【0031】
また進捗管理部13は、画像処理部123から処理後の頭部医用画像Sr11を受ける。進捗管理部13は、計時手段により、画像処理部123から処理後の頭部医用画像Sr11を受けた時間を、処理が終了した終了時間として特定する。進捗管理部13は、処理後の頭部医用画像Sr11に付帯された進捗情報D121の終了時間情報E14に、特定した終了時間を入力する。これにより進捗管理部13は、頭部医用画像Sr11に対する操作者Ubの処理の進捗が、処理段階F3(処理中)から処理段階F4(処理完了)に遷移したと認識する。つまりこの時点で処理段階の提示を依頼された場合、進捗管理部13は、処理段階F4(処理完了)であることを通知する。進捗管理部13は、この頭部医用画像Sr11を画像記憶部11に記憶させる。
【0032】
また進捗管理部13は、検査St1に対応する部位ごとの医用画像のうち、処理を依頼した(進捗情報が付帯された)医用画像の進捗情報を確認する。進捗管理部13は、処理を依頼した医用画像全てについて、その処理が完了している場合は、進捗情報D121に対応付けられた依頼元である操作者Uaのユーザー情報を読み出す。進捗管理部13は、ユーザー情報を基に操作者Uaに対応する実行環境12aを特定し、この実行環境12aに、検査St1に関連する医用画像に対して依頼した処理が完了したことを通知する。このように進捗管理部13は、部位ごとの医用画像に対する処理の進捗を検査単位で一括管理する。
【0033】
(進捗状況の表示)
次に進捗状況の表示に関する各構成の動作について、図4を参照しながら、表示される画面の構成とあわせて説明する。図4は、本実施形態に係る医用画像処理システムの操作画面の一例である。
【0034】
操作画面C1は、検査ごとに、その検査に関連付けられた部位ごとの医用画像に対する処理の依頼や、依頼した処理の進捗状況を確認するための画面である。操作画面C1は、画面領域を分けて、検査一覧表示部C11と、進捗状況表示部C12と、検査情報表示部C13と、操作手段C14とを含む。UI制御部121は、表示データ記憶部14に記憶された表示データを読み出し、この操作画面C1を生成する。またUI制御部121は、検査一覧表示部C11、検査情報表示部C13、及び操作手段C14を生成し操作画面C1上の所定の位置に表示させる。またUI制御部121は、進捗画面生成部122に進捗状況表示部C12を生成させ、この進捗状況表示部C12を操作画面C1上の所定の位置に表示させる。以降では、検査一覧表示部C11、進捗状況表示部C12、検査情報表示部C13、及び操作手段C14の構成と、各部の生成に係る動作についてそれぞれ説明する。
【0035】
検査一覧表示部C11は、画像記憶部11に記憶されている医用画像が関連付けられた検査の一覧を表示するための領域である。UI制御部121は、進捗管理部13から検査一覧を取得し、この検査一覧に含まれる各検査を、例えばマーカーやポインタ等を用いて選択可能に表示した検査一覧表示部C11を生成する。UI制御部121は、生成した検査一覧表示部C11を操作画面C1上の所定の位置に表示させる。
【0036】
進捗状況表示部C12は、検査一覧表示部C11で選択された検査に対応付けられた部位ごとの医用画像に対する処理の進捗状況を表示するための領域である。この進捗状況表示部C12は、進捗画面生成部122によって生成される。進捗画面生成部122の動作については後述する。
【0037】
ここで図5を参照する。図5は、図4の進捗状況表示部C12の詳細な構成を示している。図5に示すように、進捗状況表示部C12は、身体を模した表示領域P1を含む。表示領域P1は、身体部位に対応する部分領域P11〜P15を含んで構成される。部分領域P11〜P15は、進捗画面生成部122により、検査一覧表示部C11で選択された検査に対応する各部位の医用画像に関連付けられる。例えば部分領域P11は、頭部に対応しており、頭部の医用画像に関連付けられる。同様に、部分領域P12は胸部、部分領域P13は腹部、部分領域P14は脚部、部分領域P15は腕部にそれぞれ関連付けられる。また部分領域P11〜P15は、進捗画面生成部122により、関連付けられた医用画像に対する処理の進捗状況に応じて、図5に示すように色分けされて表示される。例えば、部分領域P11は、頭部の医用画像に対する処理の進捗状況が処理段階F1であることを示している。
【0038】
表示領域P1及び部分領域P11〜P15を生成するためのデータは、表示データとして表示データ記憶部14に記憶されている。また部分領域P11〜P15を色分けするための色のデータや、各色と処理段階F1〜F5との対応付けについても、表示データとして表示データ記憶部14に記憶されている。
【0039】
進捗状況表示部C12の生成に係る、進捗画面生成部122の動作について説明する。操作者により検査一覧表示部C11上に表示された検査が選択されると、進捗画面生成部122は、まず表示データ記憶部14から、表示領域P1及び部分領域P11〜P15の表示データを読み出す。進捗画面生成部122は、読み出した表示データに基づき進捗状況表示部C12を生成する。
【0040】
また進捗画面生成部122は、検査一覧表示部C11上で選択された検査に対応する付帯情報D12の出力を進捗管理部13に依頼する。この依頼を受けて進捗管理部13は、指示された検査に対応付けられた部位ごとの医用画像を画像記憶部11から読み出す。進捗管理部13は、読み出した医用画像の付帯情報D12を、部位ごとに進捗画面生成部122に出力する。進捗画面生成部122は、進捗管理部13から部位ごとに受けた付帯情報D12を、その部位に対応する部分領域と関連付ける。例えば検査St1において、頭部医用画像Sr11、胸部医用画像Sr12、腹部医用画像Sr13、及び脚部医用画像Sr14が撮影されたとする。この場合、進捗画面生成部122は、頭部医用画像Sr11の付帯情報D12を、頭部に対応する部分領域P11と関連付ける。同様に進捗画面生成部122は、胸部医用画像Sr12の付帯情報D12と部分領域P12、腹部医用画像Sr13の付帯情報D12と部分領域P13、脚部医用画像Sr14の付帯情報D12と部分領域P14をそれぞれ関連付ける。
【0041】
次に進捗画面生成部122は、部分領域に関連付けられた付帯情報D12から進捗情報D121を読み出す。進捗画面生成部122は、進捗情報D121が示す処理段階に応じて、その処理段階に対応する色のデータを表示データ記憶部14から読み出す。進捗画面生成部122は、読み出した色のデータに基づき、対応する部分領域をその色で表示させる。これにより図5に示すように、例えば、頭部を示す部分領域P11が、処理段階F1に対応する色で進捗状況表示部C12上に表示される。この表示により、操作者は、検査St1の頭部医用画像Sr11に対する処理の進捗状況が処理段階F1であることを確認することが可能となる。進捗画面生成部122は、部分領域P12〜P14についても同様に、対応する医用画像の進捗情報に基づき色分けして表示させる。また進捗画面生成部122は、付帯情報D12が関連付けられていない部分領域P15を、処理段階F5に対応する色で表示させる。以上のように各部分領域を表示させることで、操作者は、医用画像が撮影された部位と、その部位に対する処理の進捗状況を容易に判別することが可能となる。なお上記では、色により識別する方法について記載したが、各部位の医用画像に対する処理の進捗状況が判別可能であれば方法は限定されない。例えば、各部分領域に異なるアイコンを表示させてもよいし、文字情報を表示させてもよい。
【0042】
ここで図4を参照する。検査情報表示部C13は、進捗状況表示部C12上で選択された部分領域に関連付けられた医用画像の詳細な情報を表示するための領域である。進捗状況表示部C12上での部分領域が選択されると、UI制御部121は、その部分領域に関連付けられた付帯情報を進捗画面生成部122から取得する。UI制御部121は、この付帯情報から患者名等の情報を読み出し、この情報を基に検査情報表示部C13を生成する。またUI制御部121は、付帯情報から進捗情報を読み出し、その進捗情報に入力されている処理の内容や、その処理を実行している操作者の情報等を検査情報表示部C13に表示させる。UI制御部121は、生成した検査情報表示部C13を操作画面C1上の所定の位置に表示させる。
【0043】
操作手段C14は、操作画面C1に対する操作を行うためのボタン等を表示するための領域である。UI制御部121は、例えば、選択(Select)ボタン、更新(Refresy)ボタン、または検索(Search)ボタン等が表示された操作手段C14を生成する。選択(Select)ボタンは、検査一覧表示部C11で選択された検査の内容を表示させるボタンである。また更新(Refresy)ボタンは、検査一覧を再度取得し、検査一覧表示部C11に表示された検査の一覧を更新するためのボタンである。また検索(Search)ボタンは、所望の条件に該当する検査を検索するための検索手段を表示させるためのボタンである。検索手段については、従来の技術であるため詳細な説明は省略する。UI制御部121は、生成した操作手段C14を操作画面C1上の所定の位置に表示させる。
【0044】
以上のように操作画面C1を表示させることで、各部位の医用画像に対する処理の状況やその処理の内容を検査ごとに容易に確認することが可能となる。
【0045】
次に本実施形態に係る医用画像処理システムの一連の動作について図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、処理の依頼と処理結果の確認に係る一連の動作を示したフローチャートである。また図7は、依頼内容の通知と依頼に基づく処理結果の取得に係る動作を示したフローチャートである。なお以降では、クライアント2aを操作する操作者Uaが、「検査St1」で撮影された「頭部医用画像Sr11」に対する「処理T1」を「操作者Ub」に依頼する場合を例に説明する。
【0046】
(ステップS01)
まず図6を参照する。クライアント2aからの操作を受けて、UI制御部121は、進捗管理部13から検査一覧の出力を依頼する。この依頼を受けて進捗管理部13は、検査ごとに関連付けられ画像記憶部11に記憶された部位ごとの医用画像に基づき、各検査とその検査の対象の部位とを関連付けて検査一覧を作成しUI制御部121に出力する。UI制御部121は、検査一覧に含まれる各検査とその検査で医用画像が取得された部位が選択可能に表示された操作画面を生成し、この操作画面をクライアント2aの表示部に表示させる。これにより操作者Uaは、検査ごとに、処理対象とする部位の医用画像を指定することが可能となる。
【0047】
UI制御部121は、処理対象となる部位の医用画像の指定をクライアント2aから受ける。UI制御部121は、ユーザー情報記憶部15から、ユーザー情報を読み出し操作者の一覧を作成する。UI制御部121は、操作者の一覧に含まれる各ユーザー情報が選択可能に表示された操作画面を生成し、この操作画面をクライアント2aの表示部に表示させる。これにより、依頼元となる操作者Uaは、処理の依頼先となる操作者Ubのユーザー情報を指定することが可能となる。このようにUI制御部121は、処理対象となる部位の医用画像と、処理の依頼先となる操作者のユーザー情報の指定を、検査ごとにクライアント2aから受ける。UI制御部121は、選択された部位を示す情報及びユーザー情報を組として関連付ける。
【0048】
UI制御部121は、部位を示す情報及びユーザー情報が関連付けられた組を、検査を示す情報とあわせて進捗管理部13に出力する。複数の部位の医用画像が選択されている場合、UI制御部121は、部位を示す情報及びユーザー情報検査が関連付けられた各組を、検査ごとに関連付けて進捗管理部13に出力する。
【0049】
(ステップS11)
ここで図7を参照する。進捗管理部13は、実行環境12aのUI制御部121から受けた各組に含まれるユーザー情報を基に進捗情報D121を作成する。この場合には進捗管理部13は、操作者情報E11に「操作者Ub」、処理内容情報E12に「処理T1」が入力された進捗情報を作成する。進捗管理部13は、作成した進捗情報D121を対応する医用画像の付帯情報D12に付帯させる。また進捗管理部13は、検査St1に関連する一連の進捗情報D121と、依頼元である操作者Uaのユーザー情報とを対応付ける。なお、このタイミングで進捗状況を確認した場合、進捗状況表示部C12上では、頭部に対応する部分領域P11が、処理段階F2(未処理)に対応する色で表示される。
【0050】
次に進捗管理部13は、ユーザー情報に基づき依頼先となる操作者Ubの実行環境12bを特定する。進捗管理部13は、特定した実行環境12bに医用画像に対する処理の依頼を通知する。
【0051】
(ステップS21)
この依頼を受けて、操作者Ubがクライアント2bを操作し、実行環境12b上で、検査St1に対応する頭部医用画像Sr11に対する処理T1の内容を指示する。
【0052】
(ステップS12)
実行環境12bのUI制御部121は、クライアント2bから頭部医用画像Sr11に対する処理T1の内容の指示を受け、処理対象の頭部医用画像Sr11と指示された処理内容を画像処理部123に通知する。
【0053】
実行環境12bの画像処理部123は、医用画像に対する処理を実行する処理部である。画像処理部123は、UI制御部121からの通知を受けて、その通知で指定された処理対象となる頭部医用画像Sr11の出力を進捗管理部13に依頼する。
【0054】
この依頼を受けて進捗管理部13は、検査St1に対応する頭部医用画像Sr11を画像記憶部11から読み出す。また進捗管理部13は、画像処理部123から依頼を受けた時間を開始時間として特定する。進捗管理部13は、読み出した頭部医用画像Sr11に付帯された進捗情報D121の開始時間情報E13に、特定した開始時間を入力する。これにより進捗管理部13は、頭部医用画像Sr11に対する操作者Ubの処理の進捗が、処理段階F2(未処理)から処理段階F3(処理中)に遷移したと認識する。
【0055】
進捗管理部13は、読み出した頭部医用画像Sr11を実行環境12bの画像処理部123に出力する。画像処理部123は、進捗管理部13から受けた頭部医用画像Sr11に対し、UI制御部121からの通知により指示された処理を施す。なお、このタイミングで進捗状況を確認した場合、進捗状況表示部C12上では、頭部に対応する部分領域P11が、処理段階F3(処理中)に対応する色で表示される。
【0056】
(ステップS13、ステップS22)
頭部医用画像Sr11に対する処理が完了すると、実行環境12bの画像処理部123は、処理後の頭部医用画像Sr11を進捗管理部13に出力する。また進捗管理部13は、画像処理部123から処理後の頭部医用画像Sr11を受けた時間を終了時間として特定する。進捗管理部13は、この処理後の頭部医用画像Sr11に付帯された進捗情報D121の終了時間情報E14に、特定した終了時間を入力する。これにより進捗管理部13は、頭部医用画像Sr11に対する操作者Ubの処理の進捗が、処理段階F3(処理中)から処理段階F4(処理完了)に遷移したと認識する。進捗管理部13は、この頭部医用画像Sr11を画像記憶部11に記憶させる。また画像処理部123は、頭部医用画像Sr11に対する処理の結果をUI制御部121に出力する。UI制御部121は、取得した処理の結果をクライアント2b上に表示させる(ステップS13)。これにより操作者Ubが操作するクライアント2b上に、画像処理の結果が表示される(ステップS22)。なお、このタイミングで進捗状況を確認した場合、進捗状況表示部C12上では、頭部に対応する部分領域P11が、処理段階F4(処理完了)に対応する色で表示される。
【0057】
(ステップS14、ステップS02)
ここで図6を参照する。進捗管理部13は、検査St1に対応する部位ごとの医用画像のうち、処理を依頼した医用画像の進捗情報を確認する。進捗管理部13は、処理を依頼した医用画像全てについて、その処理が完了している場合は、進捗情報D121に対応付けられた依頼元である操作者Uaのユーザー情報を読み出す。進捗管理部13は、ユーザー情報を基に操作者Uaに対応する実行環境12aを特定し、この実行環境12aに、検査St1に関連する医用画像に対して依頼した処理が完了したことを通知する(ステップS14)。これにより操作者Uaが操作するクライアント2a上に、依頼した処理の完了が通知される(ステップS02)。
【0058】
以上、本実施形態に係る医用画像処理システムに依れば、部位ごとの医用画像に対する処理の進捗状況に応じて、その医用画像に付帯された進捗情報が更新される。そのうえで、部位ごとの医用画像に対する処理の進捗状況を、この進捗情報に基づき検査ごとに画面上に表示させることが可能となる。このような構成とすることで、部位ごとの医用画像に対する処理を複数の操作者に分担して行う場合において、各操作者の作業状況を検査ごとに容易に確認することが可能となる。
【0059】
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係る医用画像処理システムでは、部位ごとの医用画像に対しそれぞれ1人の操作者が処理を実行する場合について説明した。第2の実施形態に係る医用画像処理システムは、1つの医用画像に対し複数の操作者が順次処理を行う場合を含む。このような場合、医用画像処理システムは、その医用画像に対する処理ごとに進捗状況を管理する。以降では本実施形態に係る医用画像処理システムについて、第1の実施形態に係る医用画像処理システムと異なる部分に着目して説明する。
【0060】
まず本実施形態に係る進捗情報の構造について図8を参照しながら説明する。図8は、変形例に係る進捗情報のデータ構造の一例である。変形例に係る進捗情報D121は、操作者情報E11、処理内容情報E12、開始時間情報E13、及び終了時間情報E14を1つの行として、この行を1以上含んで構成される。進捗管理部13は、図8のR1a〜R3aに示すように、この行を、この進捗情報D121が付帯された医用画像に対する処理ごとに作成し管理する。つまり進捗管理部13は、処理ごとにこの行を作成し管理することで、各処理の進捗状況を管理する。
【0061】
進捗管理部13は、各行に入力された情報(C11〜C14)の組合せを処理段階F1〜F5のいずれかに対応付けて、行ごと(即ち処理ごと)に管理する。この情報(C11〜C14)の組合せと処理段階F1〜F5との対応付けは第1の実施形態と同様である。例えば行R1aは、「操作者Ub」による「処理T1」の進捗情報を示している。また行R2aは、「操作者Uc」による「処理T2」の進捗情報を示している。行R1a及びR2aは、終了時間情報E14に情報が入力されていることから、処理が完了していることを示している。また行R3aは、「操作者Uc」による「処理T3」の進捗情報を示している。行R3aは、開始時間情報E13が入力され、終了時間情報E14が入力されていないことから処理中であることを示している。このように進捗管理部13は、1つの医用画像に対する複数の処理に対して、その医用画像に対応する進捗情報D121に、処理ごとに行を作成する。また進捗管理部13は、各処理の進捗状況に応じて、対応する行にそれぞれ情報を入力することで、これらの処理ごとに進捗上状況を管理する。なお各行を作成する契機、及び各行に含まれる情報(C11〜C14)を更新する契機や、第1の実施形態に係る進捗情報D121の作成の契機及び更新の契機と同様である。
【0062】
また本実施形態に係る進捗画面生成部122は、進捗情報D121に含まれる行R1a〜R3aのうちのいずれかの行を基に、進捗状況表示部C12を生成すればよい。一例としては、進捗画面生成部122は、行R1a〜R3aのうち最新の行R3aを基に進捗状況表示部C12を生成する。
【0063】
また進捗画面生成部122は、進捗情報D121に含まれる行R1a〜R3aを、履歴情報として参照可能に表示させてもよい。例えば、進捗画面生成部122は、クライアント2a〜2cのいずれかから、進捗状況表示部C12に表示された部分領域P11〜P15のいずれかの選択を受ける。このとき進捗画面生成部122は、選択された部分領域に関連付けられた付帯情報D12から進捗情報D121を読み出す。進捗画面生成部122は、読み出した進捗情報D121に含まれる行R1a〜R3aを基に履歴情報を作成する。進捗画面生成部122は、作成した履歴情報をUI制御部121に出力する。UI制御部121は、この履歴情報を、例えば操作画面C1上にダイアログとして表示させるとよい。
【0064】
次に本実施形態に係る医用画像処理システムの一連の動作について図6及び図9を参照しながら説明する。図6は、処理の依頼と処理結果の確認に係る一連の動作を示したフローチャートである。また図9は、依頼内容の通知と依頼に基づく処理結果の取得に係る動作を示したフローチャートである。なお、なお以降では、クライアント2aを操作する操作者Uaからの依頼に基づき、「操作者Ub」が「頭部医用画像Sr11」に対する「処理T1」を実行し、この「頭部医用画像Sr11」に対し「操作者Uc」が「処理T2」を実行する場合を例に説明する。
【0065】
(ステップS01)
まず図6を参照する。クライアント2aからの操作を受けて、UI制御部121は、進捗管理部13から検査一覧の出力を依頼する。この依頼を受けて進捗管理部13は、検査ごとに関連付けられ画像記憶部11に記憶された部位ごとの医用画像に基づき、各検査とその検査の対象の部位とを関連付けて検査一覧を作成しUI制御部121に出力する。UI制御部121は、検査一覧に含まれる各検査とその検査で医用画像が取得された部位が選択可能に表示された操作画面を生成し、この操作画面をクライアント2aの表示部に表示させる。これにより操作者Uaは、検査ごとに、処理対象とする部位の医用画像を指定することが可能となる。
【0066】
UI制御部121は、処理対象となる部位の医用画像の指定をクライアント2aから受ける。UI制御部121は、ユーザー情報記憶部15から、ユーザー情報を読み出し操作者の一覧を作成する。UI制御部121は、操作者の一覧に含まれる各ユーザー情報が選択可能に表示された操作画面を生成し、この操作画面をクライアント2aの表示部に表示させる。これにより、依頼元となる操作者は、処理の依頼先となる操作者のユーザー情報を指定することが可能となる。このようにUI制御部121は、処理対象となる部位の医用画像と、処理の依頼先となる操作者のユーザー情報の指定を、検査ごとにクライアント2aから受ける。UI制御部121は、選択された部位を示す情報及びユーザー情報を組として関連付ける。
【0067】
UI制御部121は、部位を示す情報及びユーザー情報が関連付けられた組を、検査を示す情報とあわせて進捗管理部13に出力する。複数の部位の医用画像が選択されている場合、UI制御部121は、部位を示す情報及びユーザー情報検査が関連付けられた各組を、検査ごとに関連付けて進捗管理部13に出力する。
【0068】
(ステップS11b)
ここで図9を参照する。進捗管理部13は、実行環境12aのUI制御部121から受けた各組に含まれるユーザー情報を基に行R1aを作成し、このR1aを含む進捗情報D121を作成する。この場合には進捗管理部13は、操作者情報E11に「操作者Ub」、処理内容情報E12に「処理T1」が入力された行R1aを含む進捗情報D121を作成する。進捗管理部13は、作成した進捗情報D121を対応する医用画像の付帯情報D12に付帯させる。また進捗管理部13は、検査St1に関連する一連の進捗情報D121と、依頼元である操作者Uaのユーザー情報とを対応付ける。なお、このタイミングで進捗状況を確認した場合、進捗状況表示部C12上では、処理T1の進捗状況として、頭部に対応する部分領域P11が、処理段階F2(未処理)に対応する色で表示される。
【0069】
次に進捗管理部13は、ユーザー情報に基づき依頼先となる操作者Ubの実行環境12bを特定する。進捗管理部13は、特定した実行環境12bに医用画像に対する処理の依頼を通知する。
【0070】
(ステップS21b)
この依頼を受けて、操作者Ubがクライアント2bを操作し、実行環境12b上で、検査St1に対応する頭部医用画像Sr11に対する処理T1の内容を指示する。
【0071】
(ステップS12b)
実行環境12bのUI制御部121は、クライアント2bから頭部医用画像Sr11に対する処理T1の内容の指示を受け、処理対象の頭部医用画像Sr11と指示された処理内容を画像処理部123に通知する。画像処理部123は、UI制御部121からの通知を受けて、その通知で指定された処理対象となる頭部医用画像Sr11の出力を進捗管理部13に依頼する。
【0072】
この依頼を受けて進捗管理部13は、検査St1に対応する頭部医用画像Sr11を画像記憶部11から読み出す。また進捗管理部13は、画像処理部123から依頼を受けた時間を開始時間として特定する。進捗管理部13は、読み出した頭部医用画像Sr11に付帯された進捗情報D121における行R1aの開始時間情報E13に、特定した開始時間を入力する。これにより進捗管理部13は、頭部医用画像Sr11に対する操作者Ubの処理の進捗が、処理段階F2(未処理)から処理段階F3(処理中)に遷移したと認識する。
【0073】
進捗管理部13は、読み出した頭部医用画像Sr11を実行環境12bの画像処理部123に出力する。画像処理部123は、進捗管理部13から受けた頭部医用画像Sr11に対し、UI制御部121からの通知により指示された処理を施す。なお、このタイミングで進捗状況を確認した場合、進捗状況表示部C12上では、処理T1の進捗状況として、頭部に対応する部分領域P11が、処理段階F3(処理中)に対応する色で表示される。
【0074】
(ステップS13b、ステップS22b)
頭部医用画像Sr11に対する処理が完了すると、実行環境12bの画像処理部123は、処理後の頭部医用画像Sr11を進捗管理部13に出力する。また進捗管理部13は、画像処理部123から処理後の頭部医用画像Sr11を受けた時間を終了時間として特定する。進捗管理部13は、この処理後の頭部医用画像Sr11に付帯された進捗情報D121における行R1aの終了時間情報E14に、特定した終了時間を入力する。これにより進捗管理部13は、頭部医用画像Sr11に対する操作者Ubの処理の進捗が、処理段階F3(処理中)から処理段階F4(処理完了)に遷移したと認識する。進捗管理部13は、この頭部医用画像Sr11を画像記憶部11に記憶させる。また画像処理部123は、頭部医用画像Sr11に対する処理の結果をUI制御部121に出力する。UI制御部121は、取得した処理の結果をクライアント2b上に表示させる(ステップS13b)。これにより操作者Ubが操作するクライアント2b上に、処理T1の結果が表示される(ステップS22b)。なお、このタイミングで進捗状況を確認した場合、進捗状況表示部C12上では、処理T1の進捗状況として、頭部に対応する部分領域P11が、処理段階F4(処理完了)に対応する色で表示される。
【0075】
(ステップS23b)
操作者Ubは、クライアント2bを操作して、頭部医用画像Sr11に対する次の処理(処理T2)を操作者Ucに依頼する。この操作者Ubから操作者Ucに対する処理T2の依頼に係る処理は、ステップS01に係る操作者Uaから操作者Ucに対する処理T1の依頼に係る動作と同様である。
【0076】
(ステップS11c)
進捗管理部13は、実行環境12bのUI制御部121から受けた各組に含まれるユーザー情報を基に行R2aを作成し、頭部医用画像Sr11に対応する進捗情報D121に追加する。この場合には進捗管理部13は、操作者情報E11に「操作者Uc」、処理内容情報E12に「処理T2」が入力された行R2aを、進捗情報D121に追加する。なお、このタイミングで進捗状況を確認した場合、進捗状況表示部C12上では、処理T2の進捗状況として、頭部に対応する部分領域P11が、処理段階F2(未処理)に対応する色で表示される。
【0077】
次に進捗管理部13は、ユーザー情報に基づき依頼先となる操作者Ucの実行環境12cを特定する。進捗管理部13は、特定した実行環境12cに医用画像に対する処理の依頼を通知する。
【0078】
(ステップS21c)
この依頼を受けて、操作者Ubがクライアント2cを操作し、実行環境12c上で、検査St1に対応する頭部医用画像Sr11に対する処理T2の内容を指示する。
【0079】
(ステップS12c)
実行環境12cのUI制御部121は、クライアント2cから頭部医用画像Sr11に対する処理T2の内容の指示を受け、処理対象の頭部医用画像Sr11と指示された処理内容を画像処理部123に通知する。画像処理部123は、UI制御部121からの通知を受けて、その通知で指定された処理対象となる頭部医用画像Sr11の出力を進捗管理部13に依頼する。
【0080】
この依頼を受けて進捗管理部13は、検査St1に対応する頭部医用画像Sr11を画像記憶部11から読み出す。また進捗管理部13は、画像処理部123から依頼を受けた時間を開始時間として特定する。進捗管理部13は、読み出した頭部医用画像Sr11に付帯された進捗情報D121における行R2aの開始時間情報E13に、処理が開始された時間(依頼を受けた時間)を入力する。これにより進捗管理部13は、頭部医用画像Sr11に対する操作者Ucの処理の進捗が、処理段階F2(未処理)から処理段階F3(処理中)に遷移したと認識する。
【0081】
進捗管理部13は、読み出した頭部医用画像Sr11を実行環境12cの画像処理部123に出力する。画像処理部123は、進捗管理部13から受けた頭部医用画像Sr11に対し、UI制御部121からの通知により指示された処理を施す。なお、このタイミングで進捗状況を確認した場合、進捗状況表示部C12上では、処理T2の進捗状況として、頭部に対応する部分領域P11が、処理段階F3(処理中)に対応する色で表示される。
【0082】
(ステップS13c、ステップS22c)
頭部医用画像Sr11に対する処理が完了すると、実行環境12cの画像処理部123は、処理後の頭部医用画像Sr11を進捗管理部13に出力する。また進捗管理部13は、画像処理部123から処理後の頭部医用画像Sr11を受けた時間を終了時間として特定する。進捗管理部13は、この処理後の頭部医用画像Sr11に付帯された進捗情報D121における行R2aの終了時間情報E14に、特定した終了時間を入力する。これにより進捗管理部13は、頭部医用画像Sr11に対する操作者Ucの処理の進捗が、処理段階F3(処理中)から処理段階F4(処理完了)に遷移したと認識する。進捗管理部13は、この頭部医用画像Sr11を画像記憶部11に記憶させる。また画像処理部123は、頭部医用画像Sr11に対する処理の結果をUI制御部121に出力する。UI制御部121は、取得した処理の結果をクライアント2c上に表示させる(ステップS13c)。これにより操作者Ucが操作するクライアント2c上に、処理T2の結果が表示される(ステップS22c)。なお、このタイミングで進捗状況を確認した場合、進捗状況表示部C12上では、処理T2の進捗状況として、頭部に対応する部分領域P11が、処理段階F4(処理完了)に対応する色で表示される。
【0083】
(ステップS14、ステップS02)
ここで図6を参照する。進捗管理部13は、検査St1に対応する部位ごとの医用画像のうち、処理を依頼した医用画像の進捗情報を確認する。進捗管理部13は、処理を依頼した医用画像全てについて、その処理が完了している場合は、進捗情報D121に対応付けられた依頼元である操作者Uaのユーザー情報を読み出す。進捗管理部13は、ユーザー情報を基に操作者Uaに対応する実行環境12aを特定し、この実行環境12aに、検査St1に関連する医用画像に対して依頼した処理が完了したことを通知する(ステップS14)。これにより操作者Uaが操作するクライアント2a上に、依頼した処理の完了が通知される(ステップS02)。
【0084】
なお、上記では、図5に示すように、頭部、腕部、及び腹部等の身体部位ごとに進捗状況を表示する例について説明したが、進捗状況を表示する単位やその表示態様は運用にあわせて適宜変更して良い。図10は、進捗状況表示部C12に表示する画面の一態様を示している。図10では、胸部及び腹部の内部を模した表示領域P2を示している。表示領域P2は、各臓器に対応する部分領域P21〜P26を含んで構成される。部分領域P21〜P26は、進捗画面生成部122により、検査一覧表示部C11で選択された検査に対応する各部位の医用画像に関連付けられる。例えば、部分領域P21は、肺に対応しており、肺の医用画像に関連付けられる。同様に、部分領域P22は心臓、部分領域P23は肝臓、部分領域P24は胃、部分領域P25は小腸、部分領域P26は大腸にそれぞれ関連付けられる。また部分領域P21〜P26は、進捗画面生成部122により、関連付けられた医用画像に対する処理の進捗状況に応じて、図10に示すように色分けされて表示される。なお、データの管理方法や表示に伴う処理の内容は、図5に示した表示領域P1の場合と同様である。
【0085】
また、表示領域P1及びP2を組み合わせて用いてもよい。例えば、図5に示す表示領域P1の部分領域P12及びP13と、図10に示す表示領域P2とを関連付けておき、部分領域P12またはP13が選択されたときに、表示領域P2を表示させるようにしてもよい。この場合には、部分領域P21〜P25のそれぞれに関連付けられた各医用画像に対する処理の進捗状況に応じて、部分領域P12及びP13の表示態様を変更するように動作させてもよい。
【0086】
以上、本実施形態に係る医用画像処理システムに依れば、1つの医用画像に対し複数の操作者が順次処理を行う場合においても、各医用画像に対する処理の進捗状況を、付帯された進捗情報に基づき画面上に表示させることが可能となる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載されたその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1 サーバー
11 画像記憶部
12a、12b、12c 実行環境
121 UI制御部
122 進捗画面生成部
123 画像処理部
13 進捗管理部
14 表示データ記憶部
15 ユーザー情報記憶部
2a、2b、2c クライアント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアントとサーバーとを含む医用画像処理システムであって、
前記サーバーは、
被検体の異なる身体部位の医用画像を記憶する画像記憶部と、
前記複数のクライアントのうちのいずれかから前記医用画像ごとに依頼を受けて、当該医用画像に対する処理を実行する画像処理部と、
前記複数の医用画像それぞれに対する前記画像処理部による処理の段階に基づいて各医用画像に対する処理の進捗情報を作成し、前記複数の医用画像の前記進捗情報を一括管理する進捗管理部と、
前記進捗情報に示す処理段階に応じて、複数の身体部位に対応する複数の画面領域に、対応する身体部位の医用画像の処理状況を提示する表示画面データを生成して前記複数のクライアントのいずれかに送信するUI制御部と、
を備えたことを特徴とする医用画像処理システム。
【請求項2】
前記複数の画面領域は、身体を模した画像における複数の身体部位に相当する画像領域であることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理システム。
【請求項3】
前記UI制御部は、前記画面領域を、前記対応する身体部位の医用画像の処理段階に応じて異なる色で提示する前記表示画面データを生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医用画像処理システム。
【請求項4】
前記進捗管理部は、前記医用画像に対する処理の履歴を当該医用画像に関連付けて管理し、
前記UI制御部は、前記画面領域の指定を受けて、当該画面領域に対応する身体部位の医用画像に関連付けられた前記履歴を基に、履歴画面データを生成して前記複数のクライアントのいずれかに送信することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の医用画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−143545(P2012−143545A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−269561(P2011−269561)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】