説明

医用画像処理装置

【課題】左右の乳房画像の上下方向の位置合わせの基準となる注目構造が強調されるように画像の階調を変更することにより、容易に位置合わせの確認が行えるようにする。
【解決手段】本発明に係る画像処理装置によれば、画像生成装置から入力された左右
一対の乳房画像に複数のアルゴリズムの中から予め設定されたアルゴリズムにより左
右乳房自動位置合わせ処理を施し、位置合わせされた左右の乳房画像に、使用された
アルゴリズムで基準とした注目構造又はユーザにより設定された注目構造を強調する
ための階調補正を施して位置合わせ確認調整画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右一対の乳房画像に画像処理を施す医用画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CR(Computed Radiography)、FPD(Flat Panel Detector)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等の各種モダリティによりデジタル画像として入力された医用画像は、階調処理を始めとする各種画像処理が施された後、CRT(Cathode Ray Tube)等のモニタに表示され、医師によりモニタ上で読影観察される。或いは、各種画像処理が施された後、医用画像は、プリンタによりフィルム等の記録媒体上に記録されてハードコピー出力され、医師によりシャーカステン上で読影観察される。
【0003】
医師が乳房の医用画像(マンモグラフィ)を読影する際には、左右の乳房画像を並べて比較する比較読影が行われるが、左右の画像の乳房位置が上下方向にずれていると比較読影を行いにくいという問題がある。そこで、医師が比較読影をしやすいように左右の乳房画像の上下方向の位置合わせを行う各種技術が開発されている。例えば、特許文献1には、比較対照される左右乳房の対応位置が表示画面上において鉛直方向に関して揃うように、少なくとも一方の画像を表示画面上においてマウス等によりユーザが手動で移動させる技術が記載されている。また、同じく特許文献1には、テンプレートマッチング等により左右の乳房画像からニップル位置を検出し、或いは、エッジ検出等により乳房と素抜け部との境界線(スキンライン)を検出し境界線のうち胸壁側の画像端からの距離が最も遠い点をニップル位置として検出し、左右のニップル位置が揃うように自動的に左右の乳房画像の上下方向(鉛直方向)の位置合わせを行う技術が記載されている。更に、左右の乳房画像のそれぞれから乳腺領域を抽出し、抽出された乳腺領域の形状が左右の乳房画像で対称となるように自動的に位置合わせを行う手法も考えられている。
【特許文献1】特開2002−65613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが手動で位置合わせを行う場合には、ユーザが位置合わせの基準とする注目構造(例えば、スキンライン、乳腺領域、乳頭等)が画像中で明らかな階調となっていなければ、意図する位置合わせが行いづらいという問題があった。また、自動的に位置合わせを行った場合においても、ユーザが位置合わせの基準とする注目構造が画像中で明らかな階調となっていなければ、意図した位置合わせを行うことができたか否かを確認しづらいといった問題があった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、左右の乳房画像の上下方向の位置合わせの基準となる注目構造が強調されるように画像の階調を変更することにより、容易に位置合わせの確認が行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
左右一対の乳房画像を入力する入力手段と、
前記入力された左右の乳房画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記左右の乳房画像の位置合わせの基準となる注目構造を強調する階調条件で前記左右の乳房画像に階調補正を施す階調補正手段と、
前記階調補正手段により階調補正の施された左右の乳房画像を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記位置合わせ手段は、前記生成された左右の乳房画像を予め定められた位置関係に配置して位置合わせを行うための複数のアルゴリズムを有し、前記複数のアルゴリズムの中から何れかのアルゴリズムを用いて位置合わせを行い、
前記階調補正手段は、前記位置合わせ手段において使用されたアルゴリズムで位置合わせの基準とした注目構造を強調する階調条件で前記左右の乳房画像に階調補正を施すことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記階調補正手段による階調補正で強調する注目構造を設定する設定手段を備え、
前記階調補正手段は、前記設定手段により設定された注目構造を強調する階調条件で前記左右の乳房画像に階調補正を施すことを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記設定手段により設定可能な複数の階調条件のそれぞれで階調補正が施された複数の乳房画像を表示する階調確認画像表示手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記階調補正手段により階調補正が施され、前記表示手段に表示された左右の乳房画像の階調条件の変更を設定入力するための階調変更設定手段と、
前記階調変更設定手段により設定された階調条件に基づいて前記表示手段に表示された左右の乳房画像に階調補正を施す階調変更手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記階調変更設定手段により設定可能な複数の階調条件のそれぞれで階調補正が施された複数の乳房画像を表示する階調確認画像表示手段を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記位置合わせ手段により位置合わせされた左右の乳房画像の位置を調整する位置調整手段を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記複数のアルゴリズムは、処理時間及び/又は位置合わせ精度の異なるアルゴリズムであることを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか一項に記載の発明において、
前記位置合わせ手段による位置合わせ済みの左右の乳房画像に、前記階調補正手段における階調補正と異なる出力用の階調条件で階調補正を施し左右の出力用画像を生成する出力用画像生成手段と、
前記生成された左右の出力用画像に前記階調補正手段及び/又は前記階調変更手段により用いられた階調条件に関する情報を含む付帯情報を付加する情報付加手段と、
前記付帯情報が付加された左右の出力用画像を外部の出力装置に出力する出力手段と、
を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、左右の乳房画像の位置合わせの基準となる注目構造を強調する階調条件で左右の乳房画像に階調補正を施して表示するので、ユーザが容易に位置合わせの確認を行えるようになる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、生成された左右の乳房画像を予め定められた位置関係に配置して位置合わせを行うための複数のアルゴリズムを有し、複数のアルゴリズムの中から何れかのアルゴリズムを用いて位置合わせを行い、使用されたアルゴリズムで位置合わせの基準とした注目構造を強調する階調条件で左右の乳房画像に階調補正を施して表示する。従って、アルゴリズムにより自動的に位置合わせが行われた場合に、その位置合わせが正しく行われたか否かをユーザが容易に確認することが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、階調補正で強調する注目構造を設定する設定手段を備え、設定手段により設定された注目構造を強調する階調条件で左右の乳房画像に階調補正を施すので、ユーザが位置合わせの基準としたい注目構造を強調することができ、容易に位置合わせの確認を行うことが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、設定手段により設定可能な複数の階調条件のそれぞれで階調補正が施された複数の乳房画像を表示するので、階調条件を設定する前に、ユーザが階調補正結果を事前に確認することが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、階調補正が施され、表示された左右の乳房画像の階調条件の変更を設定入力するための階調変更設定手段を備え、階調変更設定手段により設定された階調条件に基づいて表示された左右の乳房画像に階調補正を施すので、位置合わせの基準としたい注目構造と異なる構造が強調されている場合であっても、容易に階調を変更し所望の注目構造を基準として位置合わせの良否を確認することが可能となる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、階調変更設定手段により設定可能な複数の階調条件のそれぞれで階調補正が施された複数の乳房画像を表示するので、階調条件を変更する前に、ユーザが階調補正結果を事前に確認することが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、位置合わせの基準となる注目構造を強調した画像を見ながら、位置合わせされた左右の乳房画像の位置を調整することが可能となる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、処理時間及び/又は位置合わせ精度の異なるアルゴリズムを有しているので、所望のアルゴリズムを用いて左右の乳房画像の位置合わせを行うことが可能となる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、位置合わせ済みの左右の乳房画像に、位置合わせの基準となる注目構造を強調する階調条件と異なる出力用の階調条件で階調補正を施し左右の出力用画像を生成し、生成された左右の出力用画像に、位置合わせの基準となる注目構造を強調した際の階調条件及び/又は前記階調変更に用いられた階調条件に関する情報を含む付帯情報を付加して外部の出力装置に出力するので、出力装置において、何を基準にして位置合わせされた画像であるかを出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔第1の実施の形態〕
まず、本実施の第1の形態の構成について説明する。
図1は、本実施の形態における乳房画像生成システム100の全体構成を示す概念図である。図1に示すように、乳房画像生成システム100は、画像生成装置1、画像処理装置2、画像DB(Data Base)3aを備えた画像サーバ3等がネットワークNを介して、相互にデータ送受信可能なように接続されている。
【0025】
なお、本実施の形態では、各装置がネットワーク接続された例を説明するが、これに限らず、各装置が直接有線接続されたシステム構成であってもよい。また、各装置の台数及び設置場所は特に限定されない。
【0026】
ネットワークNは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット等の様々な回線形態を適用可能である。なお、病院等の医療機関内で許可されるのであれば、無線通信や赤外線通信であってもよいが、重要な患者情報を含むため、送受信される情報は暗号化することが好ましい。また、病院内の通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格が用いられており、上述したネットワークN上の各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。
【0027】
画像生成装置1は、例えば、CR(Computed Radiography)、FPD(Flat Panel Detector)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等のモダリティから構成され、人体を撮影し、撮影した画像をデジタル変換して、医用画像の画像データを生成する装置である。本実施の形態においては、画像生成装置1は、左右乳房の放射線撮影を行い、左乳房画像Lの画像データ及び右乳房画像Rの画像データを生成するものとして説明する。
【0028】
なお、画像生成装置1は上述したDICOM規格に準拠した装置であり、医用画像に対して、DICOMの画像付帯情報(以下、付帯情報と称する)を入力させたり、自動生成したりすることができる。画像生成装置1は、生成された画像データとともにその付帯情報を画像データのヘッダ情報としてネットワークNを介して画像処理装置2へ出力するものとするが、DICOM規格に不準拠の場合、図示しないDICOM変換装置を用い、付帯情報を入力させることができる。
【0029】
画像データの付帯情報としては、例えば、撮影された患者の患者氏名、患者ID、年齢、性別等の患者に関する患者情報、撮影日、撮影ID、撮影部位、撮影条件(体位、撮影方向、左右の乳房の区別等)、画像生成装置(モダリティ種)情報等の撮影情報が含まれる。
【0030】
画像処理装置2は、画像生成装置1から供給される画像データに対し医師の読影診断の効率化を図るための各種処理を施して画像サーバ3へ出力する医用画像処理装置である。
【0031】
画像サーバ3は、画像DB3aを備え、画像処理装置2から出力された画像処理済みの画像データを画像DB3aに保存、管理する。
【0032】
以下、画像処理装置2の内部構成について説明する。
図2は、画像処理装置2の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像処理装置2は、CPU21、操作部22、表示部23、RAM24、記憶部25、通信制御部26等を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
【0033】
CPU21は、記憶部25に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM24内に形成されたワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU21は、記憶部25に記憶されている乳房画像処理Aプログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述する乳房画像処理A(図3参照)を始めとする各種処理を実行する。記憶部25は、乳房画像処理Aプログラムにおいて、左右の乳房画像の自動位置合わせ(左右乳房自動位置合わせ処理)を行うための複数のアルゴリズムが記憶されており、CPU21は、乳房画像処理Aにおいて、予め操作部22を介して設定されたアルゴリズムに基づく左右乳房自動位置合わせ処理を実行し、位置合わせ後、左右の乳房画像の位置関係を確認及び調整するための位置合わせ確認調整画面231(図4参照)を表示する。
【0034】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU21に出力する。また、操作部22は、表示部23の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号をCPU21に出力する。
【0035】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT等のモニタにより構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、画像の表示を行う。
【0036】
RAM24は、CPU21により実行制御される各種処理において、記憶部25から読み出されたCPU21で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0037】
記憶部25は、HDD(Hard Disc Drive)や不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU21で実行されるシステムプログラム、当該システムプログラムに対応する乳房画像処理Aプログラム、複数の位置合わせアルゴリズムに対応するプログラムを始めとする各種プログラム、各種データ等を記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0038】
また、記憶部25は、図2に示すように、位置合わせアルゴリズム設定ファイル251、位置合わせ確認用階調条件設定ファイル252を有している。
位置合わせアルゴリズム設定ファイル251は、表示部23に表示される位置合わせアルゴリズム選択画面(図示せず)から操作部22を介してユーザ(ここでは医師とする)により選択された、後述する乳房画像処理A(図3参照)において左右乳房自動位置合わせ処理で使用するアルゴリズムの情報を格納するファイルである。
位置合わせ確認用階調条件設定ファイル252は、表示部23に表示される設定手段としての位置合わせ確認用階調条件設定画面(図示せず)から操作部22を介してユーザにより設定された位置合わせ確認用階調条件を格納するファイルである。位置合わせ確認用階調条件設定画面においては、左右乳房自動位置合わせ処理(詳細後述)後に表示部23の位置合わせ確認調整画面231に初期表示するために画像に施す階調補正で強調する注目構造(ここでは、スキンライン強調、乳頭強調、乳腺領域強調から選択)の設定と、位置合わせ確認調整画面231に初期表示する画像の階調を、位置合わせ時に使用したアルゴリズムにおいて位置合わせの基準とされる注目構造を強調する階調条件で補正するか、或いは当該画面から設定された注目構造を強調する階調条件で補正するかの設定とを行うことができる。位置合わせ用階調条件設定ファイル252においては、位置合わせ用階調条件設定画面から設定された注目構造に関する情報、及び階調補正フラグ(使用したアルゴリズムで位置合わせの基準とされる注目構造を強調する階調条件での補正が設定された場合は「1」、ユーザが設定した注目構造を強調する階調条件での補正が設定された場合は「0」)を記憶する。
【0039】
また、記憶部25には、左右乳房自動位置合わせ処理で使用される各アルゴリズムに対応付けて、各アルゴリズムで位置合わせの基準とされる注目構造を強調する階調条件(例えば、LUT(ルックアップテーブル)等)が記憶されているとともに、位置合わせ確認用階調条件設定画面又は位置合わせ確認調整画面231を介してユーザが設定可能な各注目構造に対応付けて、各注目構造を強調する階調条件(例えば、LUT等)が記憶されている。更に、記憶部25には、左右の乳房画像L、Rを読影に適した階調とするための出力用の階調条件(例えば、LUT等)が記憶されている。
【0040】
ここで、ユーザにより、左右の乳房画像の位置合わせの基準としたい注目構造は異なる。ユーザとしての医師が左右の乳房画像の位置合わせの基準とする注目構造は、例えば、スキンライン、乳腺領域、乳頭等がある。位置合わせ確認用階調条件設定画面においては、位置合わせ確認調整画面231に初期表示するために画像に施す階調補正における階調条件として、スキンライン強調、乳頭強調、乳腺領域強調のなかからユーザが左右の乳房画像の位置合わせの基準としたい注目構造の強調を設定することができるので、ユーザが所望の注目構造を設定し、更に、ユーザの設定に基づく階調補正を設定しておくことで、ユーザが左右の乳房画像の位置合わせの基準とする注目構造を強調した画像を、左右乳房自動位置合わせ処理後に自動的に表示することができ、位置合わせ結果の確認を容易に行うことが可能となる。
【0041】
なお、位置合わせ確認用階調条件設定画面においては、ユーザが簡単に階調条件を設定できるように、階調条件を、一般的にユーザが左右の乳房画像の位置合わせの基準とする注目構造であるスキンライン、乳頭、乳腺の強調を選択することで設定できるようにしたが、階調補正時に使用するLUTをユーザが直接選択することで、階調条件を選択するようにしてもよい。
【0042】
また、位置合わせ確認用階調条件設定画面において、位置合わせ確認調整画面231に初期表示する画像の階調を位置合わせ時に使用したアルゴリズムに基づく階調条件で補正することをユーザが設定した場合には、位置合わせ後、左右乳房の自動位置合わせが正しく行われたか否かをユーザが直ちに確認することができる。
【0043】
入力手段及び出力手段としての通信制御部26は、LANアダプタやルータやTA(Terminal Adapter)等を備え、ネットワークNに接続された各装置との間の通信を制御する。
【0044】
次に、本実施の形態における動作について説明する。
図3は、画像処理装置2のCPU21により実行される乳房画像処理Aを示すフローチャートである。CPU21は、記憶部25に記憶された乳房画像処理Aプログラムとの協働によるソフトウエア処理により、当該処理を実行する。
【0045】
まず、通信制御部26を介して、画像生成装置1から一対の左乳房画像Lの画像データ、右乳房画像Rの画像データ及び各画像データの付帯情報が入力され、RAM24のワークエリアに記憶される(ステップS1)。
【0046】
次いで、入力された画像データの付帯情報に、更に情報が追加される(ステップS2)。ここで付帯情報に新たに付加される情報は、記憶部25の位置合わせアルゴリズム設定ファイル251及び位置合わせ確認用階調条件設定ファイル252に記憶されている情報である。
【0047】
次いで、画像データの付帯情報の患者ID、撮影ID、撮影条件が参照され、入力された2枚の画像データが左右一対の乳房画像データであるか、即ち、同一患者に関して同一撮影方向(MLO(Medio-Lateral Oblique;斜位方向)又はCC(Cranio-Caudal;上下方向))から左右の乳房のそれぞれ撮影して得られた2枚の乳房画像データであるかの確認が行われ(ステップS3)、左右一対の乳房画像データでない場合は(ステップS4;NO)、本処理は終了する。入力された画像データが左右一対の乳房画像のデータである場合は、左右乳房自動位置合わせ処理が行われる(ステップS5)。
【0048】
ステップS5における左右乳房自動位置合わせ処理は、位置合わせ手段を実現するものであり、付帯情報に追加された使用するアルゴリズムの情報(アルゴリズム設定ファイル251の情報)に対応するアルゴリズムのプログラムが記憶部25から読み出され、読み出されたプログラムに従って位置合わせが自動的に行われる。
【0049】
位置合わせのアルゴリズムとしては、公知の各種アルゴリズム、例えば、下記のアルゴリズムを用いることができる。
(1)左右の乳房画像から乳腺領域を抽出し、抽出された乳腺領域の形状が左右の乳房画像で対称となる位置に左右の乳房画像の上下方向における位置関係を決定する位置合わせアルゴリズム
(2)乳頭の特徴を示すテンプレートを用意しておき、テンプレートマッチングにより左右の乳房画像から乳頭の位置を検出し、画像の上下方向における乳頭位置が一致するように左右の乳房画像の上下方向における位置関係を決定するアルゴリズム
(3)被写体領域を抽出し、左右の乳房画像のスキンライン(被写体領域と被写体外領域の境界線)の形状を比較して、スキンラインの形状が左右の乳房画像で対称となる位置に左右の乳房画像の上下方向における位置関係を決定するアルゴリズム
(4)被写体領域を抽出し、同一列の胸壁からスキンラインまでの距離の累積絶対値差が最小となる位置に左右の乳房画像の上下方向における位置関係を決定するアルゴリズム
(5)スキンライン情報から乳頭位置を算出し、左右乳頭位置を合わせるように左右の乳房画像の上下方向における位置関係を決定するアルゴリズム
(6)左右の乳房画像のそれぞれについて乳房領域を検出し、乳房領域両端の中点を求め、左画像の乳房領域の中点と右画像の乳房領域の中点を一致させる位置に左右の乳房画像の上下方向における位置関係を決定するアルゴリズム
【0050】
これらのアルゴリズムは、処理時間、処理精度、及び位置合わせ時に左右の乳房画像の位置関係の基準として注目している構造(スキンライン、乳腺、乳頭等)が異なる。ユーザは、上述の位置合わせアルゴリズム選択画面において、これらのアルゴリズムの中から所望のアルゴリズムを使用して左右乳房自動位置合わせ処理を行うように設定することができる。左右乳房自動位置合わせ処理において設定された左右の乳房画像L、Rの相対的な位置関係に関する情報(例えば、一方の画像を固定とした場合の他方の画像の位置合わせ前後の移動方向及び移動量に関する情報)は、RAM24の位置情報エリアに格納される。
【0051】
左右乳房自動位置合わせ処理が終了すると、階調補正手段としての処理が実行される。即ち、付帯情報の階調補正フラグが参照され(ステップS6)、階調補正フラグがONである場合(ステップS6;YES)、左右乳房自動位置合わせ処理に使用されたアルゴリズムが注目している構造を強調する階調補正が行われる(ステップS7)。具体的には、記憶部25に使用されたアルゴリズムに対応付けて記憶されている階調条件で左右の乳房画像L、Rに階調補正が施される。階調補正フラグがOFFである場合(ステップS6;NO)、ユーザにより設定された注目構造に基づいて階調補正が行われる(ステップS8)。具体的には、記憶部25に、ユーザにより設定された注目構造に対応付けて記憶されている階調条件で左右の乳房画像L、Rに階調補正が施される。そして、左右乳房自動位置合わせ処理及び階調補正が施された左右の乳房画像L、Rが表示部23の位置合わせ確認調整画面231(表示手段)に初期表示される(ステップS9)。
【0052】
図4に、図3のステップS9で表示部23に表示される位置合わせ確認調整画面231の一例を示す。図4に示すように、位置合わせ確認調整画面231の画面中央の画像領域Pには、左右乳房自動位置合わせ処理で位置合わせが施された左乳房画像L、右乳房画像Rが表示されている。この左乳房画像L、右乳房画像Rは、付帯情報の階調補正フラグに基づいて、位置合わせ時に使用されたアルゴリズムで位置合わせの基準とされた注目構造が強調された階調又はユーザにより設定された注目構造が強調された階調で表示されている。図4は、スキンラインが強調された階調で表示されている。
【0053】
図4の位置合わせ確認調整画面231の画面下部には、階調変更設定手段としてのスキンライン強調ボタンB1、乳腺強調ボタンB2、乳頭強調ボタンB3からなる階調選択ボタンが設けられ、表示された左右の乳房画像の階調変更が設定できるようになっている。スキンライン強調ボタンB1が押下されると、スキンラインが強調された階調となるように左右の乳房画像L、Rの階調条件が変更されて階調補正が施され、スキンラインが強調された左右の乳房画像L、Rが画像領域Pに表示される。乳腺強調ボタンB2が押下されると、乳腺領域が強調された階調となるように左右の乳房画像L、Rの階調条件が変更されて階調補正が施され、乳腺領域が強調された左右の乳房画像L、Rが画像領域Pに表示される。乳頭強調ボタンB3が押下されると、乳頭が強調された階調となるように左右の乳房画像L、Rの階調条件が変更されて階調補正が施され、乳頭が強調された左右の乳房画像L、Rが画像領域Pに表示される。また、位置合わせ確認調整画面231の画面下部には、オリジナルボタンB4が設けられており、オリジナルボタンB4が押下されると、読影に適した階調条件で左右の乳房画像L、Rに階調補正が施されて出力用画像が生成され、左右の出力用の画像データが付帯情報とともに画像サーバ3へ出力される。
【0054】
図4の位置合わせ確認調整画面231の左右側面には、右乳房画像Rの位置を画像の上方向に移動させるための位置調整ボタンBR1と、右乳房画像Rの位置を画像の下方向に移動させるための位置調整ボタンBR2と、左乳房画像Lの位置を画像の上方向に移動させるための位置調整ボタンBL1と、左乳房画像Lの位置を画像の下方向に移動させるための位置調整ボタンBL2と、が設けられている。これらの位置調整ボタンは、位置調整手段であり、位置調整ボタンを押下することにより、ユーザは手動で左右の乳房画像L、Rの位置調整を行うことができる。
【0055】
図4の位置合わせ確認調整画面231から位置調整ボタンの何れかが押下されると(ステップS10;YES)、押下された位置調整ボタンに応じて左乳房画像L又は右乳房画像Rの位置が移動されて位置調整が行われ、位置調整後の左右の乳房画像L、Rの相対的な位置関係に関する情報がRAM24の位置情報エリアに追加格納され(ステップS11)、位置調整後の左右の乳房画像L、Rが表示される(ステップS12)。位置合わせ確認調整画面231から階調選択ボタンであるスキンライン強調ボタンB1、乳腺強調ボタンB2、乳頭強調ボタンB3の何れかが押下されると(ステップS13;YES)、左乳房画像L及び右乳房画像Rに対して、押下された階調選択ボタンに応じた階調条件で階調補正が施され(階調変更手段)、階調変更時の階調条件に関する情報(位置合わせ確認調整画面231の階調選択ボタンで選択された注目構造を示す情報)がRAM24の階調情報エリアに格納され(ステップS14)、階調処理後の左右の乳房画像L、Rが表示される(ステップS15)。位置合わせ確認調整画面231からオリジナルボタンB4が押下されると(ステップS16;YES)、記憶部25から出力用の階調条件が読み出され、左乳房画像L及び右乳房画像Rに対して出力用の階調処理が施され、左右の乳房画像L、Rの出力用画像が生成される(出力用画像生成手段)(ステップS17)。そして、付帯情報に、RAM24の位置情報エリアに格納された位置情報及び階調情報エリアに格納された階調条件に関する情報が付加され(情報付加手段)、左乳房画像L及び右乳房画像Rの出力用画像データ及び付帯情報が通信制御部26を介して画像サーバ3に送信され(ステップS18)、本処理は終了する。
【0056】
画像サーバ3において、画像処理装置2からの左乳房画像L及び右乳房画像Rの出力用の画像データ及び付帯情報が受信されると、受信されたデータが画像DB3aに保存される。保存されたデータは、必要に応じて画像サーバ3からネットワークNを介して図示しないプリンタやビューア等の出力装置に出力される。
【0057】
プリンタにおいて、画像サーバ3からの左乳房画像L、右乳房画像Rの出力用の画像データ及び付帯情報が受信されると、拡大/縮小、回転等の処理が施されるとともに、画像データに付帯された位置情報に基づいて、左右の乳房画像L、Rの位置関係が上述の位置合わせ及び位置調整で決定された位置関係となるように左右の乳房画像が出力画像枠内(記録媒体サイズに対応)に配置される。画像を移動させることにより、出力画像枠内に収まらなくなった画像データは削除され、出力画像枠内に画像データが存在しない空き領域(例えば、図4の領域Q)が生じる場合は、空き領域に対する黒化処理が行われ、空き領域の部分が最高濃度値に変換される。そして、記録媒体上に画像が記録され、ハードコピー出力される。なお、階調補正手段及び/又は階調変更手段により用いられた階調条件に関する情報を併せて出力するようにしてもよい。階調条件に関する情報としては、例えば、付帯情報に含まれる左右乳房自動位置合わせ処理で使用されたアルゴリズム情報、ユーザにより予め設定された注目構造を示す情報、位置合わせ確認調整画面231上で選択された注目構造を示す情報等が挙げられる。この中から、最終的に階調補正されたときの階調補正に関する情報を出力することが好ましい。例えば、付帯情報において、階調補正フラグがONであり、かつ位置合わせ確認調整画面231上で選択された注目構造を示す情報がない場合は、使用されたアルゴリズム情報を出力することが好ましい。これにより、乳房のどの構造に注目して位置合わせが行われた画像であるかを読影する医師が確認することができる。
【0058】
ビューアにおいて、画像サーバ3からの左乳房画像L、右乳房画像Rの出力用の画像データ及び付帯情報が受信されると、拡大/縮小、回転等の処理が施されるとともに、画像データに付帯された位置情報に基づいて、左右の乳房画像L、Rの位置関係が上述の位置合わせ及び位置調整で決定された位置関係となるように左右の乳房画像L、Rが出力画像枠内(モニタの画面サイズに対応)に配置される。画像を移動させることにより、出力画像枠内に収まらなくなった画像データは削除され、出力画像枠内に画像データが存在しない空き領域が生じる場合は、空き領域に対する黒化処理が行われて最低輝度値に変換され、モニタ上に表示される。なお、プリンタからの出力と同様に、階調補正手段及び/又は階調変更手段により用いられた階調条件に関する情報を併せて表示するようにしてもよい。これにより、乳房のどの構造に注目して位置合わせが行われた画像であるかを読影する医師が確認することができる。
【0059】
なお、画像処理装置2から画像サーバ3に出力用の画像データを出力する際には、付帯情報として、左右乳房自動位置合わせ処理で使用されたアルゴリズム情報やユーザにより設定(変更)された注目構造を示す情報を階調条件に関する情報として出力する他、実際に階調補正に使用したLUTや階調補正後の濃度値、コントラスト情報等を付加するようにしてもよい。
【0060】
以上説明したように、画像処理装置2によれば、画像生成装置1から入力された左右一対の乳房画像に複数のアルゴリズムの中から予め設定されたアルゴリズムにより左右乳房自動位置合わせ処理を施し、位置合わせされた左右の乳房画像に、使用されたアルゴリズムで基準とした注目構造又はユーザにより設定された注目構造を強調するための階調補正を施して位置合わせ確認調整画面231を表示する。
【0061】
従って、左右乳房画像の位置合わせ後、左右の乳房画像の上下方向における位置関係が、使用されたアルゴリズムで基準とした注目構造又はユーザが位置合わせの基準としたい注目構造に基づいて正しい位置関係となっているか否かを容易に確認することができる。
【0062】
また、位置合わせ確認調整画面231には、階調選択ボタンB1〜B3が設けられ、階調選択ボタンB1〜B3の何れかが押下されると、押下された階調選択ボタンに応じた注目構造を強調する階調条件で左右の乳房画像L、Rに階調変更が施されて表示されるので、初期の設定がユーザが注目したい注目構造と異なっていても、階調を容易に変更して、所望の注目構造を基準として位置合わせの良否を確認することが可能となる。また、位置合わせ確認調整画面231には、左右の乳房画像の位置調整を行うための位置調整ボタンBL1、BL2、BR1及びBR2が設けられており、押下されたボタンに応じて左右の乳房画像の何れかを上方向又は下方向に移動させるので、左右の乳房画像が所望の位置にない場合は、調整を行うことができる。
【0063】
また、左右の乳房画像L、Rに出力用の階調補正が施された出力用画像データの付帯情報に、階調補正手段及び/又は階調変更手段により用いられた階調条件に関する情報が付加されて外部の画像サーバ3に出力されるので、画像サーバ3に保存された出力用画像データをプリンタ、ビューア等から出力する際に、階調条件に関する情報を合わせて出力することにより、乳房のどの構造に注目して位置合わせが行われた画像であるかを読影する医師が確認することができる。
【0064】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、左右乳房自動位置合わせ処理後に表示される位置合わせ確認調整画面において階調選択が指示された際に、図6(b)に示す階調確認ダイアログ233を表示することにより、階調を選択する前に、各階調を選択したときの階調補正結果をユーザが視覚的に確認できるようにしたものである。
【0065】
まず、構成について説明する。
第2の実施の形態における乳房画像生成システム100の全体構成は、図1で説明したのと同様であるのでその説明は省略する。また、画像処理装置2の内部構成は、図2で説明したのと略同様であるので相違点のみを下記に説明する。
【0066】
CPU21は、記憶部25に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM24内に形成されたワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU21は、記憶部25に記憶されている乳房画像処理Bプログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述する乳房画像処理B(図5参照)を始めとする各種処理を実行する。
【0067】
記憶部25は、HDDや不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU21で実行されるシステムプログラム、当該システムプログラムに対応する乳房画像処理Bプログラム、複数の位置合わせアルゴリズムに対応するプログラムを始めとする各種プログラム、各種データ等を記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0068】
また、記憶部25は、位置合わせアルゴリズム設定ファイル251、位置合わせ確認用階調条件設定ファイル252を記憶している。また、記憶部25は、左右乳房自動位置合わせ処理で使用される各アルゴリズムに対応付けて、各アルゴリズムで位置合わせの基準とされる注目構造を強調する階調条件(例えば、LUT(ルックアップテーブル)等)を記憶しているとともに、第1の実施の形態で説明した位置合わせ確認用階調条件設定画面又は階調確認ダイアログ233を介してユーザが設定可能な各注目構造に対応付けて、各注目構造を強調する階調条件(例えば、LUT等)を記憶している。また、記憶部25には、左右の乳房画像L、Rを読影に適した出力用の階調とするための階調条件(例えば、LUT等)を記憶している。
【0069】
更に、記憶部25は、図6(b)に示す階調確認ダイアログ233を表示するため、階調確認ダイアログ233のボタンD1〜D4に表示する各階調補正の種類に対応する階調条件で階調補正が施された複数の乳房画像データを記憶している。具体的には、スキンラインを強調した階調補正が施された乳房画像のデータ、乳腺領域を強調した階調補正が施された乳房画像のデータ、乳頭を強調した階調補正が施された乳房画像のデータ、出力用に階調補正が施された乳房画像のデータを記憶している。
【0070】
次に、第2の実施の形態の動作について説明する。
図5は、画像処理装置2のCPU21により実行される乳房画像処理Bを示すフローチャートである。CPU21は、記憶部25に記憶された乳房画像処理Bプログラムとの協働によるソフトウエア処理により、当該処理を実行する。
【0071】
まず、通信制御部26を介して、画像生成装置1から一対の左乳房画像Lの画像データ、右乳房画像Rの画像データ及び各画像データの付帯情報が入力され、RAM24のワークエリアに記憶される(ステップS21)。
【0072】
次いで、入力された画像データの付帯情報に、更に情報が追加される(ステップS22)。ここで付帯情報に新たに付加される情報は、記憶部25の位置合わせアルゴリズム設定ファイル251及び位置合わせ確認用階調条件設定ファイル252に記憶されている情報である。
【0073】
次いで、画像データの付帯情報の患者ID、撮影ID、撮影条件が参照され、入力された2枚の画像データが左右一対の乳房画像データであるか、即ち、同一患者に関して同一撮影方向(MLO又はCC)から左右の乳房のそれぞれ撮影して得られた2枚の乳房画像データであるかの確認が行われ(ステップS23)、左右一対の乳房画像データでない場合は(ステップS24;NO)、本処理は終了する。入力された画像データが左右一対の乳房画像のデータである場合は、位置合わせ手段としての左右乳房自動位置合わせ処理が行われる(ステップS25)。
【0074】
ステップS25における左右乳房自動位置合わせ処理は、付帯情報に追加された使用するアルゴリズムの情報に対応するアルゴリズムのプログラムが記憶部25から読み出され、読み出されたプログラムに従って位置合わせが自動的に行われる。
【0075】
位置合わせのアルゴリズムとしては、第1の実施の形態で説明したのと同様の、公知の各種アルゴリズムを用いることができる。左右乳房自動位置合わせ処理において設定された左右の乳房画像L、Rの相対的な位置関係に関する情報(例えば、一方の画像を固定とした場合の他方の画像の位置合わせ前後の移動方向及び移動量に関する情報)は、RAM24の位置情報エリアに格納される。
【0076】
左右乳房自動位置合わせ処理が終了すると、階調補正手段としての処理が実行される。即ち、付帯情報の階調補正フラグが参照され(ステップS26)、階調補正フラグがONである場合(ステップS26;YES)、左右乳房自動位置合わせ処理に使用されたアルゴリズムで位置合わせの基準としている注目構造を強調する階調補正が行われる(ステップS27)。具体的には、記憶部25において使用されたアルゴリズムに対応付けて記憶されている階調条件で左右の乳房画像L、Rに階調補正が施される。階調補正フラグがOFFである場合(ステップS26;NO)、ユーザにより設定された注目構造を強調する階調補正が行われる(ステップS28)。具体的には、記憶部25においてユーザにより設定された注目構造に対応付けて記憶されている階調条件で左右の乳房画像L、Rに階調補正が施される。そして、左右乳房自動位置合わせ処理及び階調補正が施された左右の乳房画像が表示部23の位置合わせ確認調整画面232(表示手段)に初期表示される(ステップS29)。
【0077】
図6(a)に、図5のステップS29で表示部23に表示される位置合わせ確認調整画面232の一例を示す図である。図6(a)に示すように、位置合わせ確認調整画面232の画面中央の画像領域Pには、左右乳房自動位置合わせ処理で位置合わせが施された左乳房画像L、右乳房画像Rの画像が表示されている。この左乳房画像L、右乳房画像Rは、付帯情報の階調補正フラグに基づいて、位置合わせ時に使用されたアルゴリズムで位置合わせの基準とされた注目構造が強調された強調又はユーザにより設定された注目構造が強調された階調で表示されている。図6(a)は、スキンラインが強調された階調で表示されている。
【0078】
位置合わせ確認調整画面232の左右側面には、右乳房画像Rの位置を画面の上方向に移動させるための位置調整ボタンBR1と、右乳房画像Rの位置を画面の下方向に移動させるための位置調整ボタンBR2と、左乳房画像Lの位置を画面の上方向に移動させるための位置調整ボタンBL1と、左乳房画像Lの位置を画面の下方向に移動させるための位置調整ボタンBL2と、が設けられている。これらの位置調整ボタンは、位置調整手段であり、位置調整ボタンを押下することにより、ユーザは手動で左右の乳房画像L、Rの位置調整を行うことができる。
【0079】
位置合わせ確認調整画面232の画面下部には、階調選択指示ボタンB5が設けられている。この階調選択指示ボタンB5が押下されると、図6(b)に示す階調確認ダイアログ233が表示される。
【0080】
階調確認ダイアログ233は、階調確認画像表示手段としての乳房画像のサンプルN1〜N4、オリジナルボタンD1、階調変更設定手段である階調選択ボタンD2〜D4(乳腺強調ボタンD2、スキンライン強調ボタンD3及び乳頭強調ボタンD4)が表示されている。サンプルN1は、オリジナルボタンD1が押下された際に施される階調補正と同じ階調条件で階調補正を施した画像である。サンプルN2は、乳腺強調ボタンD2が押下された際に施される階調補正と同じ階調条件で階調補正を施した画像である。サンプルN3は、スキンライン強調ボタンD3が押下された際に施される階調補正と同じ階調条件で階調補正を施した画像である。サンプルN4は、乳頭強調ボタンD4が押下された際に施される階調補正と同じ階調条件で階調補正を施した画像である。これにより、階調を選択する前に、各階調を選択したときの階調補正結果をユーザが視覚的に確認できる。
【0081】
乳腺強調ボタンD2が押下されると、乳腺領域が強調された階調となるように乳房画像L、Rの階調条件が変更されて階調補正が施され、乳腺領域が強調された左右の乳房画像L、Rが位置合わせ確認調整画面232の画像領域Pに表示される。スキンライン強調ボタンD3が押下されると、スキンラインが強調された階調となるように乳房画像L、Rの階調条件が変更されて階調補正が施され、スキンラインが強調された左右の乳房画像L、Rが位置合わせ確認調整画面232の画像領域Pに表示される。乳頭強調ボタンD4が押下されると、乳頭が強調された階調となるように乳房画像L、Rの階調条件が変更されて階調補正が施され、乳頭が強調された左右の乳房画像L、Rが位置合わせ確認調整画面232の画像領域Pに表示される。オリジナルボタンD1が押下されると、読影に適した出力用の階調となるように左右の乳房画像L、Rに階調補正が施され、階調補正済みの左右の乳房画像L、Rの画像データが付帯情報とともに画像サーバ3へ出力される。
【0082】
図6(a)の位置合わせ確認調整画面232から位置調整ボタンの何れかが押下されると(ステップS30;YES)、押下された位置調整ボタンに応じて左乳房画像L又は右乳房画像Rの位置が移動されて位置調整が行われ、位置調整後の左右の乳房画像L、Rの相対的な位置関係に関する情報がRAM24の位置情報エリアに格納され(ステップS31)、位置調整後の左右の乳房画像L、Rが表示される(ステップS32)。位置合わせ確認調整画面232から階調選択指示ボタンB5が押下されると(ステップS33;YES)、階調確認ダイアログ233が表示される(ステップS34)。階調確認ダイアログ233から階調選択ボタンである乳腺強調ボタンD2、スキンライン強調ボタンD3、乳頭強調ボタンD4の何れかが押下されると(ステップS35;YES)、左乳房画像L及び右乳房画像Rに対して、押下された階調選択ボタンに応じた階調条件で階調補正が施され(階調変更手段)、階調変更時の階調条件に関する情報(ここでは、階調確認ダイアログ233の階調選択ボタンで選択された注目構造を示す情報)がRAM24の階調情報エリアに格納され(ステップS36)、処理はステップS29に戻り、階調変更後の左右の乳房画像L、Rが表示された位置合わせ確認調整画面232が表示される。階調確認ダイアログ233から階調選択ボタンである乳腺強調ボタンD2、スキンライン強調ボタンD3、乳頭強調ボタンD4の何れかが押下されず(ステップS35;NO)、オリジナルボタンD1が押下されると(ステップS37;YES)、記憶部25から出力用の階調条件が読み出され、左乳房画像L及び右乳房画像Rに対して出力用の階調処理が施され、左右の乳房画像L、Rの出力用画像が生成される(出力用画像生成手段)(ステップS38)。そして、付帯情報に、RAM24の位置情報エリアに格納された位置情報及び階調情報エリアに格納された階調条件に関する情報が付加され(情報付加手段)、左乳房画像L及び右乳房画像Rの出力用画像データ及び付帯情報が通信制御部26を介して画像サーバ3に送信され(ステップS39)、本処理は終了する。
【0083】
画像サーバ3において、画像処理装置2からの左乳房画像L及び右乳房画像Rの出力用画像データ及び付帯情報が受信されると、受信されたデータが画像DB3aに保存される。保存されたデータは、必要に応じて画像サーバ3からネットワークNを介して図示しないプリンタやビューア等の出力装置に出力される。
【0084】
プリンタにおいて、画像サーバ3からの左乳房画像L、右乳房画像Rの出力用画像データ及び付帯情報が受信されると、第1の実施の形態で説明したのと同様に、拡大/縮小、回転等の処理が施されるとともに、画像データに付帯された位置情報に基づいて、左右の乳房画像L、Rの位置関係が上述の位置合わせ及び位置調整で決定された位置関係となるように左右の乳房画像が出力画像枠内に配置される。画像を移動させることにより、出力画像枠内に収まらなくなった画像データは削除され、出力画像枠内に画像データが存在しない空き領域(例えば、図6(a)の領域Q)が生じる場合は、空き領域に対する黒化処理が行われ、空き領域の部分が最高濃度値に変換される。そして、記録媒体上に画像が記録され、ハードコピー出力される。このとき、第1の実施の形態と同様に、階調補正手段及び/又は階調変更手段によりに施された階調補正の階調条件に関する情報を併せて出力するようにしてもよい。これにより、乳房のどの構造に注目して位置合わせが行われた画像であるかを読影する医師が確認することができる。
【0085】
ビューアにおいて、画像サーバ3からの左乳房画像L、右乳房画像Rの出力用画像データ及び付帯情報が受信されると、第1の実施の形態で説明したのと同様に、拡大/縮小、回転等の処理が施されるとともに、画像データに付帯された位置情報に基づいて、左右の乳房画像L、Rの位置関係が上述の位置合わせ及び位置調整で決定された位置関係となるように左右の乳房画像L、Rが出力画像枠内に配置される。画像を移動させることにより、出力画像枠内に収まらなくなった画像データは削除され、出力画像枠内に画像データが存在しない空き領域が生じる場合は、空き領域に対する黒化処理が行われて最低輝度値に変換され、モニタ上に表示される。なお、プリンタからの出力と同様に、階調補正手段及び/又は階調変更手段により施された階調補正の階調条件に関する情報を併せて表示するようにしてもよい。これにより、乳房のどの構造に注目して位置合わせが行われた画像であるかを読影する医師が確認することができる。
【0086】
以上説明したように、第2の実施の形態における画像処理装置2によれば、位置合わせ確認調整画面232において、階調選択が指示されると、階調選択ボタンと、各階調選択ボタンが押下された際に施す階調補正における階調条件と同様の階調条件で乳房画像に階調補正を施した際のサンプル画像とを対応付けて表示する階調確認ダイアログ233が表示されるので、階調を選択する前に、各階調を選択したときの階調補正結果をユーザが視覚的に確認することができる。
【0087】
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、左右乳房自動位置合わせ処理後、図6(b)に示したのと同様の階調確認ダイアログ233を表示することにより、位置合わせ確認調整画面232を初期表示する乳房画像の階調をユーザがその場で選択できるようにしたものである。
【0088】
まず、構成について説明する。
第3の実施の形態における乳房画像生成システム100の全体構成は、図1で説明したのと同様であるのでその説明は省略する。また、画像処理装置2の内部構成は、図2で説明したのと略同様であるので相違点のみを下記に説明する。
【0089】
CPU21は、記憶部25に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM24内に形成されたワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU21は、記憶部25に記憶されている乳房画像処理Cプログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述する乳房画像処理C(図7参照)を始めとする各種処理を実行する。
【0090】
記憶部25は、HDDや不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU21で実行されるシステムプログラム、当該システムプログラムに対応する乳房画像処理Cプログラム、複数の位置合わせアルゴリズムに対応するプログラムを始めとする各種プログラム、る各種データ等を記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0091】
また、記憶部25は、位置合わせアルゴリズム設定ファイル251を記憶している。また、記憶部25は、左右乳房自動位置合わせ処理で使用される各アルゴリズムに対応付けて、各アルゴリズムで位置合わせの基準とされる注目構造を強調する階調条件(例えば、LUT(ルックアップテーブル)等)を記憶しているとともに、階調確認ダイアログ233を介してユーザが設定可能な各注目構造に対応付けて、各注目構造を強調する階調条件(例えば、LUT等)を記憶している。また、記憶部25には、左右の乳房画像L、Rを読影に適した階調とするための出力用の階調条件(例えば、LUT等)を記憶している。
【0092】
更に、記憶部25は、図6(b)に示す階調確認ダイアログ233を表示するため、階調確認ダイアログ233のボタンD1〜D4に表示する各階調補正の種類に対応する階調条件で階調補正が施された複数の乳房画像データを記憶している。具体的には、スキンラインを強調した階調補正が施された乳房画像のデータ、乳腺領域を強調した階調補正が施された乳房画像のデータ、乳頭を強調した階調補正が施された乳房画像のデータ、出力用に階調補正が施された乳房画像のデータを記憶している。
【0093】
次に、第3の実施の形態の動作について説明する。
図7は、画像処理装置2のCPU21により実行される乳房画像処理Cを示すフローチャートである。CPU21は、記憶部25に記憶された乳房画像処理Cプログラムとの協働によるソフトウエア処理により、当該処理を実行する。
【0094】
まず、通信制御部26を介して、画像生成装置1から一対の左乳房画像Lの画像データ、右乳房画像Rの画像データ及び各画像データの付帯情報が入力され、RAM24のワークエリアに記憶される(ステップS41)。
【0095】
次いで、入力された画像データの付帯情報に、更に情報が追加される(ステップS42)。ここで付帯情報に新たに付加される情報は、記憶部25の位置合わせアルゴリズム設定ファイル251に記憶されている情報である。
【0096】
次いで、画像データの付帯情報の患者ID、撮影ID、撮影条件が参照され、入力された2枚の画像データが左右一対の乳房画像データであるか、即ち、同一患者に関して同一撮影方向(MLO又はCC)から左右の乳房のそれぞれ撮影して得られた2枚の乳房画像データであるかの確認が行われ(ステップS43)、左右一対の乳房画像データでない場合は(ステップS44;NO)、本処理は終了する。入力された画像データが左右一対の乳房画像のデータである場合は、左右乳房自動位置合わせ処理が行われる(ステップS45)。
【0097】
ステップS45における左右乳房自動位置合わせ処理は、位置合わせ手段として、付帯情報に追加された使用するアルゴリズムの情報に対応するアルゴリズムのプログラムが記憶部25から読み出され、読み出されたプログラムに従って位置合わせが自動的に行われる。
【0098】
位置合わせのアルゴリズムとしては、第1の実施の形態で説明したのと同様の、公知の各種アルゴリズムを用いることができる。左右乳房自動位置合わせ処理において設定された左右の乳房画像L、Rの相対的な位置関係に関する情報(例えば、一方の画像を固定とした場合の他方の画像の位置合わせ前後の移動方向及び移動量に関する情報)は、RAM24の位置情報エリアに格納される。
【0099】
左右乳房自動位置合わせ処理が終了すると、表示部23に図6(b)に示す階調確認画像表示手段としての階調確認ダイアログ233が表示され(ステップS46)、階調確認ダイアログ233から設定手段としての乳腺強調ボタンD2、スキンライン強調ボタンD3、乳頭強調ボタンD4の何れかの階調選択ボタンが押下され、階調補正で強調する注目構造が設定されると(ステップS47)、左乳房画像L及び右乳房画像Rに対して、押下された階調選択ボタンに対応する階調補正が施され、階調補正時の階調条件に関する情報(ここでは、階調選択ボタンで選択された注目構造を示す情報)がRAM24の階調情報エリアに格納され(ステップS48)、階調処理後の左右の乳房画像L、Rが位置合わせ確認調整画面232(図6(a)参照)の画像領域Pに初期表示される(ステップS49)。なお、図6(b)に示す階調確認ダイアログ233においては、オリジナルボタンD1は受け付けられないようになっている。
【0100】
図6(a)の位置合わせ確認調整画面232から位置調整ボタンの何れかが押下されると(ステップS50;YES)、押下された位置調整ボタンに応じて左乳房画像L又は右乳房画像Rの位置が移動されて位置調整が行われ、位置調整後の左右の乳房画像L、Rの相対的な位置関係に関する情報がRAM24の位置情報エリアに格納され(ステップS51)、位置調整後の左右の乳房画像L、Rが表示される(ステップS52)。確認調整画面232から階調選択指示ボタンB5が押下されると(ステップS53;YES)、階調確認ダイアログ233が表示され(ステップS54)、階調確認ダイアログ233から階調変更設定手段としての乳腺強調ボタンD2、スキンライン強調ボタンD3、乳頭強調ボタンD4の何れかの階調選択ボタンが押下されると(ステップS55;YES)、左乳房画像L及び右乳房画像Rに対して、押下された階調選択ボタンに対応する階調条件で階調補正が施されて階調変更が行われ(階調変更手段)、階調変更時の階調条件に関する情報(ここでは、階調選択ボタンで選択された注目構造を示す情報)がRAM24の階調情報エリアに追加格納され(ステップS56)、処理はステップS49に戻り、階調変更後の左右の乳房画像L、Rが表示された位置合わせ確認調整画面232が表示される。階調確認ダイアログ233から階調選択ボタンである乳腺強調ボタンD2、スキンライン強調ボタンD3、乳頭強調ボタンD4の何れかが押下されず(ステップS55;NO)、オリジナルボタンD1が押下されると(ステップS57;YES)、記憶部25から出力用の階調条件が読み出され、左乳房画像L及び右乳房画像Rに対して出力用の階調処理が施され、左右の乳房画像L、Rの出力用画像が生成される(出力用画像生成手段)(ステップS58)。そして、付帯情報に、RAM24の位置情報エリアに格納された位置情報及び階調情報エリアに格納された階調条件に関する情報が付加され(情報付加手段)、左乳房画像L及び右乳房画像Rの出力用画像データ及び付帯情報が通信制御部26を介して画像サーバ3に送信され(ステップS59)、本処理は終了する。
【0101】
画像サーバ3において、画像処理装置2からの左乳房画像L及び右乳房画像Rの出力用画像データ及び付帯情報が受信されると、受信されたデータが画像DB3aに保存される。保存されたデータは、必要に応じて画像サーバ3からネットワークNを介して図示しないプリンタやビューア等の出力装置に出力される。
【0102】
プリンタにおいて、画像サーバ3からの左乳房画像L、右乳房画像Rの出力用画像データ及び付帯情報が受信されると、拡大/縮小、回転等の処理が施されるとともに、画像データに付帯された位置情報に基づいて、左右の乳房画像L、Rの位置関係が上述の位置合わせ及び位置調整で決定された位置関係となるように左右の乳房画像が出力画像枠内に配置される。画像を移動させることにより、出力画像枠内に収まらなくなった画像データは削除され、出力画像枠内に画像データが存在しない空き領域(例えば、図6(a)の領域Q)が生じる場合は、空き領域に対する黒化処理が行われ、空き領域の部分が最高濃度値に変換される。そして、記録媒体上に画像が記録され、ハードコピー出力される。このとき、第1の実施の形態と同様に、階調補正手段及び/又は階調変更手段において用いられた階調条件に関する情報を併せて出力するようにしてもよい。これにより、乳房のどの構造に注目して行われた位置合わせであるかを読影する医師が確認することができる。
【0103】
ビューアにおいて、画像サーバ3からの左乳房画像L、右乳房画像Rの画像データ及び付帯情報が受信されると、拡大/縮小、回転等の処理が施されるとともに、画像データに付帯された位置情報に基づいて、左右の乳房画像L、Rの位置関係が上述の位置合わせ及び位置調整で決定された位置関係となるように左右の乳房画像L、Rが出力画像枠内に配置される。画像を移動させることにより、出力画像枠内に収まらなくなった画像データは削除され、出力画像枠内に画像データが存在しない空き領域が生じる場合は、空き領域に対する黒化処理が行われて最低輝度値に変換され、モニタ上に表示される。なお、プリンタからの出力と同様に、階調補正手段及び/又は階調変更手段において用いられた階調条件に関する情報を併せて表示するようにしてもよい。これにより、乳房のどの構造に注目して行われた位置合わせであるかを読影する医師が確認することができる。
【0104】
以上説明したように、第3の実施の形態における画像処理装置2によれば、左右乳房自動位置合わせ処理後、図6(b)に示したのと同様の階調確認ダイアログ233を表示することにより、位置合わせ確認調整画面232を初期表示する乳房画像の階調をユーザがその場で選択できるので、ユーザが所望する階調補正を位置合わせ確認調整画面232に初期表示させることができる。
【0105】
なお、上記実施1〜3の形態における記述内容は、本発明に係る乳房画像生成システム100の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0106】
例えば、上記実施の形態においては、左右の乳房画像の位置合わせを自動的に行う場合を例にとり説明したが、ユーザが表示部23に表示された左右の乳房画像の位置合わせを手動調整する場合においても、本発明を適用することができる。例えば、位置合わせ確認調整画面231や位置合わせ確認調整画面232に、入力された左右の乳房画像L、Rにユーザにより予め設定された注目構造を強調する階調補正を施して表示すれば、ユーザが画像を確認しながら所望の注目構造を基準とした左右の乳房画像の位置合わせを手動で行うことが可能となる。
【0107】
その他、乳房画像生成システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明に係る乳房画像生成システム100の全体構成を示す図である。
【図2】図1の画像処理装置2の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図2のCPU21により実行される乳房画像処理Aを示すフローチャートである。
【図4】位置合わせ確認調整画面231の一例を示す図である。
【図5】図2のCPU21により実行される乳房画像処理Bを示すフローチャートである。
【図6】(a)は、位置合わせ確認調整画面232の一例を示す図、(b)は、階調確認ダイアログ233の一例を示す図である。
【図7】図2のCPU21により実行される乳房画像処理Cを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0109】
100 乳房画像生成システム
1 画像生成装置
2 画像処理装置
3 画像サーバ
3a 画像DB
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 RAM
25 記憶部
251 位置合わせアルゴリズム設定ファイル
252 位置合わせ確認用階調条件設定ファイル
26 通信制御部
27 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の乳房画像を入力する入力手段と、
前記入力された左右の乳房画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記左右の乳房画像の位置合わせの基準となる注目構造を強調する階調条件で前記左右の乳房画像に階調補正を施す階調補正手段と、
前記階調補正手段により階調補正の施された左右の乳房画像を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
前記位置合わせ手段は、前記生成された左右の乳房画像を予め定められた位置関係に配置して位置合わせを行うための複数のアルゴリズムを有し、前記複数のアルゴリズムの中から何れかのアルゴリズムを用いて位置合わせを行い、
前記階調補正手段は、前記位置合わせ手段において使用されたアルゴリズムで位置合わせの基準とした注目構造を強調する階調条件で前記左右の乳房画像に階調補正を施すことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記階調補正手段による階調補正で強調する注目構造を設定する設定手段を備え、
前記階調補正手段は、前記設定手段により設定された注目構造を強調する階調条件で前記左右の乳房画像に階調補正を施すことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記設定手段により設定可能な複数の階調条件のそれぞれで階調補正が施された複数の乳房画像を表示する階調確認画像表示手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記階調補正手段により階調補正が施され、前記表示手段に表示された左右の乳房画像の階調条件の変更を設定入力するための階調変更設定手段と、
前記階調変更設定手段により設定された階調条件に基づいて前記表示手段に表示された左右の乳房画像に階調補正を施す階調変更手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記階調変更設定手段により設定可能な複数の階調条件のそれぞれで階調補正が施された複数の乳房画像を表示する階調確認画像表示手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記位置合わせ手段により位置合わせされた左右の乳房画像の位置を調整する位置調整手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記複数のアルゴリズムは、処理時間及び/又は位置合わせ精度の異なるアルゴリズムであることを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記位置合わせ手段による位置合わせ済みの左右の乳房画像に、前記階調補正手段における階調補正と異なる出力用の階調条件で階調補正を施し左右の出力用画像を生成する出力用画像生成手段と、
前記生成された左右の出力用画像に前記階調補正手段及び/又は前記階調変更手段により用いられた階調条件に関する情報を含む付帯情報を付加する情報付加手段と、
前記付帯情報が付加された左右の出力用画像を外部の出力装置に出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の医用画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−130223(P2006−130223A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325256(P2004−325256)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】