説明

医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置

【課題】医用画像診断装置を操作したときの操作履歴および操作に対して医用画像診断装置がどのように反応したかの履歴を記録する。
【解決手段】医用画像診断装置(A)の医用画像診断装置本体(B)からモニタ(C)へ出力されるモニタ出力mが入力されるモニタ出力入力部(1)と、モニタ出力入力部(1)に入力されたモニタ出力mをビデオ信号vに変換する信号変換部(2)と、ビデオ信号vをビデオ信号記録媒体に記録したり記録したビデオ信号vを再生してモニタ(6)に表示するビデオ信号記録・再生部(3)と、全体の動作を制御する制御部(4)と、操作者の指示cを受け付ける指示入力部(5)とを具備する。
【効果】トラブル発生時の状態を正確に証明したり、解析したりすることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置に関し、さらに詳しくは、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置,X線CT(Computed Tomography)装置,超音波診断装置などの医用画像診断装置を操作したときの操作履歴および操作に対して医用画像診断装置がどのように反応したかの履歴を記録することが出来る医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ある被検体の医用画像または撮像条件を、該被検体の情報と対応付けて記録する記録手段を具備した医用画像診断装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−141506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の医用画像診断装置では、操作者が医用画像診断装置を操作したときの操作履歴の記録も可能であった。
しかし、操作に対して医用画像診断装置がどのように反応したかの履歴は記録できなかったため、トラブル発生時の状態を正確に証明したり解析したりするための記録としては不十分であった。
そこで、本発明の目的は、操作者が医用画像診断装置を操作したときの操作履歴および操作に対して医用画像診断装置がどのように反応したかの履歴を記録することが出来る医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点では、本発明は、医用画像診断装置用モニタへ出力されるモニタ出力が入力されるモニタ出力入力部と、前記モニタ出力入力部に入力されたモニタ出力をビデオ信号に変換する信号変換部と、前記ビデオ信号を記録するビデオ信号記録部と、ビデオ信号の記録開始と記録停止とを制御する制御部とを具備したことを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を提供する。
上記第1の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置では、医用画像診断装置のモニタ(Monitor)画面に表示された画像をビデオ信号で記録する。従って、操作者が医用画像診断装置を操作したときの操作履歴だけでなく、操作に対して医用画像診断装置がどのように反応したかの履歴をも記録することが出来る。これにより、トラブル発生時の状態を正確に証明したり、解析したりすることが出来る。
【0005】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、医用画像診断装置がアクティブ状態か否かを通知する医用画像診断装置からの状態信号が入力される状態信号入力部を具備し、前記制御部は、前記状態信号により前記医用画像診断装置がアクティブ状態にあると判定したときは前記ビデオ信号記録部でのビデオ信号の記録を実行し、前記医用画像診断装置がアクティブ状態にないと判定したときは前記ビデオ信号記録部でのビデオ信号の記録を停止することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を提供する。
上記第2の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置では、医用画像診断装置がアクティブ状態にないときのモニタ出力すなわち無駄な情報の記録を回避することが出来る。
【0006】
第3の観点では、本発明は、前記第1または前記第2の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、医用画像診断装置が特定エラー状態か否かを通知する医用画像診断装置からの状態信号が入力される状態信号入力部を具備し、前記制御部は、前記状態信号により前記医用画像診断装置が特定エラー状態になったと判定した時は少なくともその時より所定時間前からその時までに記録されたビデオ信号が消去されないように保護することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を提供する。
上記第3の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置では、特定エラー状態になった時までの所定時間の記録を保護するため、特定エラー状態になった時までの操作履歴および医用画像診断装置の反応を証拠として確実に残すことが出来る。
【0007】
第4の観点では、本発明は、前記第1から前記第3のいずれかの観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、操作者の指示を受け付ける指示入力部を具備し、前記制御部は、前記指示入力部に入力された指示時間帯に記録されたビデオ信号が消去されないように保護することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を提供する。
上記第4の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置では、操作者が入力したロック開始時刻からロック終了時刻までの記録を保護するため、所望の期間の操作履歴および医用画像診断装置の反応を証拠として確実に残すことが出来る。
【0008】
第5の観点では、本発明は、前記第1から前記第4のいずれかの観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、操作者の指示を受け付ける指示入力部を具備し、前記制御部は、前記指示入力部に入力された予約時間帯のビデオ信号を記録することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を提供する。
上記第5の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置では、操作者が予め入力した予約時間帯の操作履歴および医用画像診断装置の反応を記録して残すことが出来る。
【0009】
第6の観点では、本発明は、前記第5の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、前記制御部は、前記指示入力部に予約録画ロックの指示が入力された時は前記予約時間帯に記録したビデオ信号が消去されないように保護することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を提供する。
上記第6の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置では、操作者が予め入力した予約時間帯の操作履歴および医用画像診断装置の反応を証拠として確実に残すことが出来る。
【0010】
第7の観点では、本発明は、前記第1から前記第6のいずれかの観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、操作者の指示を受け付ける指示入力部を具備し、前記制御部は、前記指示入力部に記録開始の指示が入力された時はビデオ信号の記録を開始し、前記指示入力部に記録停止の指示が入力された時はビデオ信号の記録を停止することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を提供する。
上記第7の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置では、所望の期間の操作履歴および医用画像診断装置の反応を証拠として確実に残すことが出来る。
【0011】
第8の観点では、本発明は、前記第1から前記第7のいずれかの観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、前記ビデオ信号記録部は、磁気テープまたは磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは光ディスクにビデオ信号を記録することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を提供する。
上記第8の観点による医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置では、汎用の記録媒体に記録することが出来るので、他の装置での読み出しが容易になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置によれば、操作者が医用画像診断装置を操作したときの操作履歴だけでなく、操作に対して医用画像診断装置がどのように反応したかの履歴をも記録することが出来るので、トラブル発生時の状態を正確に証明したり、解析したりすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0014】
図1は、実施例1にかかる医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置10を示すブロック図である。
この医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置10は、医用画像診断装置Aの医用画像診断装置本体BからモニタCへ出力されるモニタ出力mが入力されるモニタ出力入力部1と、モニタ出力入力部1に入力されたモニタ出力mをビデオ信号vに変換する信号変換部2と、ビデオ信号vをビデオ信号記録媒体に記録したり記録したビデオ信号vを再生してモニタ6に表示するビデオ信号記録・再生部3と、全体の動作を制御する制御部4と、操作者の指示cを受け付ける指示入力部5とを具備している。
【0015】
モニタ出力mは、例えばRGB信号である。
ビデオ信号vは、例えばNTSC信号である。
ビデオ信号記録媒体は、例えば磁気テープまたは磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは光ディスクである。
【0016】
図2は、医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置10によるモニタ出力ビデオ化記録処理を示すフロー図である。
ステップP1では、操作者が選択した動作モードが「自動」モードか「予約」モードか「手動」モードかを判定し、「自動」モードならステップP2へ進み、「予約」モードならステップP12へ進み、「手動」モードならステップP22へ進む。
【0017】
ステップP2では、状態信号sを基に医用画像診断装置Aが「アクティブ」状態か否かを判定し、「アクティブ」状態ならステップP3へ進み、「アクティブ」状態でないならステップP4へ進む。
【0018】
ステップP3では、ビデオ信号vの記録を開始または記録を継続する。そして、ステップP5へ進む。
【0019】
ステップP4では、ビデオ信号vの記録を停止または停止を継続する。そして、ステップP5へ進む。
【0020】
ステップP5では、状態信号sを基に医用画像診断装置Aが「特定エラー」状態か否かを判定し、「特定エラー」状態ならステップP6へ進み、「特定エラー」状態でないならステップP7へ進む。
【0021】
ステップP6では、所定時間前から現在までのビデオ信号vの記録が消去されないように保護する。
【0022】
ステップP7では、記録ロックの指示がされているか否かを判定し、記録ロックの指示がされているならステップP8へ進み、記録ロックの指示がされていないならステップP9へ進む。
【0023】
ステップP8では、記録ロックの指示で選択された「ロック開始時刻」から「ロック終了時刻」までの指示期間のビデオ信号vの記録が消去されないように保護する。なお、「ロック開始時刻」や「ロック終了時刻」は、例えば「現在から所定時間前」や「現在」や「現在から所定時間後」である。
【0024】
ステップP9では、予約ロックの指示がされているか否かを判定し、予約ロックの指示がされているならステップP10へ進み、予約ロックの指示がされていないならステップP1に戻る。
【0025】
ステップP10では、予約ロックの指示で選択された予約期間のビデオ信号vの記録が消去されないように保護する。そして、ステップP1に戻る。
【0026】
ステップP12では、現時刻が予約時間帯内か否かを判定し、予約時間帯内ならステップP13へ進み、予約時間帯外ならステップP14へ進む。
【0027】
ステップP13では、ビデオ信号vの記録を開始または記録を継続する。そして、ステップP5に戻る。
【0028】
ステップP14では、ビデオ信号vの記録を停止または停止を継続する。そして、ステップP5に戻る。
【0029】
ステップP22では、記録開始の指示が入力されたか否かを判定し、記録開始の指示が入力されたならステップP23へ進み、記録開始の指示が入力されてないならステップP24へ進む。
【0030】
ステップP23では、ビデオ信号vの記録を開始または記録を継続する。そして、ステップP24へ進む。
【0031】
ステップP24では、記録停止の指示が入力されたか否かを判定し、記録停止の指示が入力されたならステップP25へ進み、記録停止の指示が入力されてないならステップP5に戻る。
【0032】
ステップP25では、ビデオ信号vの記録を停止または停止を継続する。そして、ステップP5に戻る。
【0033】
実施例1の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置10によれば、医用画像診断装置AのモニタCの画面に表示された画像をビデオ信号で記録するので、操作者が医用画像診断装置Aを操作したときの操作履歴だけでなく、操作に対して医用画像診断装置Aがどのように反応したかの履歴をも記録することが出来る。これによって、トラブル発生時の状態を正確に証明したり、解析したりすることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置は、医用画像診断装置を操作したときの操作履歴および操作に対して医用画像診断装置がどのように反応したかの履歴を記録するのに利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例1にかかる医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置を示すブロック図である。
【図2】実施例1にかかる医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置によるモニタ出力ビデオ化記録処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0036】
1 モニタ出力入力部
2 信号変換部
3 ビデオ信号記録・再生部
4 制御部
5 指示入力部
6 モニタ
10 医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置
A 医用画像診断装置
B 医用画像診断装置本体
C モニタ
c 指示
m モニタ出力
s 状態信号
v ビデオ信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像診断装置用モニタへ出力されるモニタ出力が入力されるモニタ出力入力部と、前記モニタ出力入力部に入力されたモニタ出力をビデオ信号に変換する信号変換部と、前記ビデオ信号を記録するビデオ信号記録部と、ビデオ信号の記録開始と記録停止とを制御する制御部とを具備したことを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、医用画像診断装置がアクティブ状態か否かを通知する医用画像診断装置からの状態信号が入力される状態信号入力部を具備し、前記制御部は、前記状態信号により前記医用画像診断装置がアクティブ状態にあると判定したときは前記ビデオ信号記録部でのビデオ信号の記録を実行し、前記医用画像診断装置がアクティブ状態にないと判定したときは前記ビデオ信号記録部でのビデオ信号の記録を停止することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、医用画像診断装置が特定エラー状態か否かを通知する医用画像診断装置からの状態信号が入力される状態信号入力部を具備し、前記制御部は、前記状態信号により前記医用画像診断装置が特定エラー状態になったと判定した時は少なくともその時より所定時間前からその時までに記録されたビデオ信号が消去されないように保護することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、操作者の指示を受け付ける指示入力部を具備し、前記制御部は、前記指示入力部に入力された指示時間帯に記録されたビデオ信号が消去されないように保護することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、操作者の指示を受け付ける指示入力部を具備し、前記制御部は、前記指示入力部に入力された予約時間帯のビデオ信号を記録することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置。
【請求項6】
請求項5に記載の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、前記制御部は、前記指示入力部に予約録画ロックの指示が入力された時は前記予約時間帯に記録したビデオ信号が消去されないように保護することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、操作者の指示を受け付ける指示入力部を具備し、前記制御部は、前記指示入力部に記録開始の指示が入力された時はビデオ信号の記録を開始し、前記指示入力部に記録停止の指示が入力された時はビデオ信号の記録を停止することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置において、前記ビデオ信号記録部は、磁気テープまたは磁気ディスクまたは光磁気ディスクまたは光ディスクにビデオ信号を記録することを特徴とする医用画像診断装置用モニタ出力ビデオ化記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−23008(P2008−23008A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197534(P2006−197534)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】