説明

医用超音波診断における3次元再灌流マッピングのための動き同期破壊

【課題】医療用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊のための技術を提供する。
【解決手段】1ボリュームの灌流データが該ボリュームの異なるセグメントについて連続的に取得される(30)。所定セグメントたとえば1平面領域について、該セグメント内の動きトラッキング(32)が行われる。該セグメントについてのスキャンシーケンスの完了時に十分な記録または相関が存在する場合、より少ない量の動きが生じている。この時点で造影剤を破壊する音響エネルギーの送信(38)が次のセグメントについて行われる。トラッキング(32)は次のセグメントについて繰り返されてさらに別のセグメントへの切り替えが同期される。他の領域に関するトラッキング(32)も可能である。破壊パルスの送信制御(34)により、より信頼性の高い1ボリューム内灌流量が決定可能である(42)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は再灌流マッピングに関する。特に、3次元再灌流の定性的または定量的分析のための破壊タイミング制御が提供される。
【背景技術】
【0002】
超音波造影剤の3次元灌流パラメトリック画像は、疾患の状態、薬剤または他の生理学的状態に応じた、臓器および組織における血流変化の調査に有用である。破壊−再灌流シーケンスは、臓器または組織における造影剤の灌流を測定するためのよく知られた技術である。ボリューム灌流パラメトリックイメージングにおいては、血流に造影剤が導入された後、平断面にある造影剤の一領域分が高エネルギーの超音波によって破壊される。次いで、この領域は非破壊造影剤感受性モードでイメージングされ、造影剤の到達時間、最大強度プロジェクション、正規化時間積分または最大カバー領域などの血液灌流パラメタが測定される。連続して取得される平断面を収集し、結合することにより、ボリュームデータセットを形成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
個々の平断面は機械的並進型の1次元アレイ、または、完全電子制御型の2次元アレイから形成される。一例では、1次元アレイが仰角方向に機械的に直動され、破壊−再灌流後の造影剤の到達時間というパラメタから構成される一連の2次元画像を生成する。各2次元画像は当該平面に関する破壊−再灌流サイクルにおいて個々に動き補正される。個々の仰角方向のスライスについて到達時間または灌流速度を表す2次元イメージを収集し、結合することより、ボリュームデータセットが形成される。このボリュームデータセットは3次元レンダリングまたは多平面リフォーマッティングに用いられる。しかし、連続するスライス取得期間において大きな動きがある場合には、合成されたボリューム画像が3次元灌流パラメタを正確に表していないことがある。平面外の動きによって、幾何的な歪みが発生し、スキップまたは再スキャンされる領域が生じる可能性がある。
【0004】
破壊エネルギーは動きに応じて制御されて所望の領域に必要な破壊エネルギーが付与され、その後、その領域が再灌流フェイズの間トラッキングされ、測定される。しかし、このアプローチでは、破壊エネルギーが生じうる任意の方向に調節可能である必要がある。この任意の方向というのは特定の対象およびプローブの幾何学的特性如何では実現が困難であるかまたは実現不可能である場合がある。加えて、ある種のトランスデューサには任意の平面をスキャンすることは容易ではなく、垂直に配置された線の並びに制限される。トランスデューサおよび位置決め装置の機械慣性のため、トランスデューサの位置決めは高フレームレート(すなわち10Hz)では達成できないので、任意の位置決めは機械的並進型の1次元アレイにおいては困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
説明のため、以下に示す好ましい実施形態には、医療用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊のための方法、システム、コンピュータ読取可能な記録媒体および命令が含まれている。1つのボリュームに関する灌流データが、当該ボリュームの異なるセグメントについて連続的に取得される。平面領域などの所定のセグメントについて当該セグメント内の動きトラッキングが行われる。現在のセグメントに関するスキャンシーケンスが完了したときに十分な記録または相関が存在している場合には、発生した動きの量がより少ないこととなる。この時点において、造影剤を破壊するエネルギーの送信が次のセグメントについて行われる。トラッキングが当該次のセグメントについて繰り返され、さらに別のセグメントへの切り替えを同期させる。他の領域もトラッキングされうる。破壊パルスの送信を開始状態でより少ない動き又はより大きい記録の存在する時間に制御することより、より信頼性の高いボリューム内灌流量を求めることができる。
【0006】
第1の態様では、医用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊の方法が提供される。患者の1つの3次元領域内の造影剤からの情報を少なくとも部分的に表している、1つの超音波フレームデータシーケンスが取得される。当該シーケンスうちの、異なる時間から得られたフレームデータ間で記録が決定される。当該シーケンス内の所定時間において、造影剤を破壊するための振幅を有する音響エネルギーが送信される。当該記録が第1のレベルの第1の側にある場合に当該送信が行われ、かつ、当該記録が当該第1のレベルの第2の側にある場合に当該送信が行われないように、当該送信は当該記録と同期される。当該送信の後に、造影剤のレベルに基づいて画像が生成される。
【0007】
第2の態様では、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、医用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊のための、プログラムされたプロセッサにより実行される命令を表すデータを記録している。当該記録媒体は、造影剤破壊のための音響エネルギーを生成するステップであって、患者の3次元ボリュームの異なるセグメントに対して連続的に実行される生成ステップと、当該セグメントのそれぞれに対する生成ステップの後に行われる、当該異なるセグメントのそれぞれにおける造影剤の再灌流を表す超音波フレームデータを取得するステップと、異なる時間において取得される超音波フレームデータの類似性の量に基づいて、各セグメントに関する破壊のための音響エネルギーを生成するステップを制御するステップと、から構成される命令を記録している。
【0008】
第3の態様では、医用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊の方法が提供される。トランスデューサからの超音波を用いて、患者の第1および第2の互いに異なる部分がスキャンされる。当該第1の部分は第1の複数回数スキャンされ、その後当該第2の部分が第2の複数回数スキャンされる。当該第1の複数回数のスキャンの前に、当該第1の部分内の造影剤が破壊される。当該第2の複数回数のスキャンの前、かつ、当該第1の部分のスキャンの後に、当該第2の部分内の造影剤が破壊される。当該第1の複数回数のスキャンからのフレームデータが相関処理される。当該相関処理が所定の相関を示す場合に、当該第2の部分における造影剤が破壊される。
【0009】
本発明は、特許請求の範囲によって定められ、この詳細な説明のいかなる部分も特許請求の範囲についての限定とされるべきではない。本発明の態様および利点は好適な実施形態に即して以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態に係る医用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊の方法を示すフロー図である。
【図2】再灌流のための動き同期破壊のための超音波イメージングシステムの一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
構成要素および図面は正確にスケール通りである必要はなく、代わりに、本発明の基本的構成を例示する際に示されたものであることを強調しておく。さらに、図面中、同様の参照番号が異なる場面において対応する部分を示している。
【0012】
一実施形態では、2次元の超音波造影パラメトリックイメージングスライス群が破壊−再灌流シーケンスにおいて取得される。再灌流に関係するパラメタを有するボリュームセグメント群、たとえば2次元スライス群が連続的に取得される。異なるシーケンスからのイメージングスライスが結合されて3次元データセットが形成される。動き補正が2次元スライスの取得における動き補正のために用いられてもよいが、2次元スライス全体にわたる動き補正は実用的ではない場合がある。平面外の動きによるエラーを削減または最少化するため、動きトラッキングを用いて破壊イベントを同期させる。1つのシーケンス内における2次元スライスの取得の間に適正な記録が達成されるまで、破壊は遅延される。他の実施形態では、当該ボリューム内の複数のセグメントまたは他のサブ領域を除いて3次元トラッキングが行われる。
【0013】
破壊のタイミングは、測定されたセグメントの最終的なボリュームイメージ内での空間配列が確実に適正なものとなるよう同期される。たとえば、単一の2次元スライスについての血流に関連するパラメタが、機械的並進型アレイを用いた破壊−再灌流の期間に、動き補正されて取得される。破壊後の最初のフレームは当該期間のトラッキングのために用いられ、平面内の動きが補正される。平面外の動きは低い相関をもたらしうる。次のセグメントへの切り替えは灌流測定のため別のシーケンスが取得されるよう当該ボリュームの隣接セグメントに移行され、より少ない動きが生じるように相関と同期される。
【0014】
所定のスライスに関する測定および対応するスキャンシーケンスは、非破壊または低破壊造影剤イメージングモード、たとえば、3次基本波イメージングまたは低MI(Mechanical Index)イメージングによって行われる。所定のセグメントについてのスキャンシーケンスは所定秒たとえば1〜30秒で行われる。この時間は造影剤が組織領域を再灌流する時間と一致する。この2次元測定のセットからパラメトリック画像が形成される。到達時間はパラメトリック画像の1種の例である。
【0015】
破壊と同期したスキャンシーケンスには、機械的並進型の1次元アレイまたは完全電子制御型の2次元アレイを用いて行うことができる。破壊と再灌流測定との間に過度の動きが発生する場合には、トラッキングによって、測定された2次元スライスまたはサブボリュームが灌流パラメタの計算のために破棄されるかまたは使用されない。たとえば、相関の低いスキャンに関連づけられたデータは再灌流の計算に統合されず、全体の測定結果の破損が避けられる。
【0016】
図1は医用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊の方法を示す。該方法は図2のシステムまたは異なるシステムにより実現される。該方法は示されている順序または異なる順序で実行される。付加的なステップ、異なるステップまたはより少ないステップが用いられてもよい。たとえば、ステップ36は実行されない。代わりに、スキャン領域がアレイを動かすことなく移動される。別の例では、ステップ40、42、44および/または46は実行されない。
【0017】
ステップ30において、造影剤の再灌流を表す超音波データが得られる。造影剤の破壊の後または造影剤の灌流の前に、超音波フレームデータの1つのシーケンスが生成される。超音波を用いたフレームデータの取得により、または、従前に生成されたフレームデータ(たとえば、DICOMイメージ)の取得により、該シーケンスが生成される。フレームデータはライブスキャンを用いてリアルタイムで取得されるか、または、記録保存されたクリップから取得される。シーケンスは実質的に連続的なものであるか、または、周期的なものであってよい(たとえば、心拍の1つまたは複数のサイクル毎に取得)。
【0018】
該シーケンスには異なる時間におけるスキャン領域を表すフレームデータが含まれている。各フレームデータは同一の領域または重なっている領域を表す。トランスデューサの患者に対する平面外の動きなどにより、いくつかのフレームが異なる領域を表すことがある。フレームデータは、1次元領域、2次元領域または3次元領域の所定時間における完全なスキャンを表すデータ群である。たとえば、フレームデータは、リニアな、Vector(商標)、セクタまたはセグメントから得られる。別の例では、フレームデータは、イメージングされるべき全体ボリューム内の円錐状領域またはシリンダ状領域などのサブボリュームを表す。フレームデータは、再灌流のために繰り返してスキャンされるべきボリュームのセグメントまたはサブセクションのサンプルである。
【0019】
1つのフレームデータのシーケンスは該ボリュームの異なるセグメントのそれぞれから取得される。次のセグメントに関するデータを取得する前に、異なるセグメントのそれぞれについてデータが取得される。少なくとも部分的に各セグメント内の造影剤からの情報を表す超音波フレームデータのシーケンスが、当該セグメントの間で連続的に取得される。トランスデューサからの超音波は、患者の1つのボリュームの異なる部分からのフレームデータを連続的に取得するために用いられる。ある部分が複数回スキャンされ、その後、他の部分が複数回スキャンされて、異なる複数のセグメントに関するフレームの複数のシーケンスが得られる。
【0020】
各セグメントに関するシーケンスを連続的に取得することにより、1つのボリュームを表すデータが得られる。該セグメントは該ボリュームの複数の異なる部分であり、組み合わされて患者の3次元領域を表す。多数の小ボリュームまたは小平面からの、収集された測定結果はその後組み合わされて1つのフルボリュームのパラメトリック画像が生成される。適正な記録が行われるまで各ボリュームセグメントの破壊が同期されるかまたは遅延される場合に、パラメタに関連する再灌流のボリュームセグメント群が得られる。複数の小領域にわたって破壊−再灌流測定を行う別の理由は、局所的な灌流の測定が最も診断的に有用である場合があることである。1つのセグメント内の造影剤を破壊することにより、近くの血液溜まりからの該セグメントに関する再灌流が測定される。広い領域で造影剤を破壊すると、血液が局所的に供給される様子がよくわからない場合がある。
【0021】
一実施形態では、該セグメントは該ボリュームの1つの平面領域である。超音波フレームデータは該ボリューム内の異なる複数の平面について連続的に取得される。この異なる複数のセグメントの複数のシーケンスはステップ38の送信により一時的に分離される。1つのセグメントについての所定のシーケンスが、該セグメント内の少なくともいくつかの造影剤の破壊の後に取得される。
【0022】
この複数の異なるセグメントは機械的並進型の1次元アレイを用いてスキャンされる。該アレイはステッピングモータまたは他のモータによって1つの位置から他の位置に移動する。それぞれの位置で、1つのセグメントに関連づけられる1つの異なるシーケンスが得られる。この複数の異なるセグメントは、仰角方向または機械的にスキャンされる方向に沿ったアレイの位置によって少なくとも部分的に画定される複数の異なる平面である。
【0023】
別の実施形態では、この複数のセグメントは複数の平面または複数の非平面領域である。多次元アレイ要素をシーケンスの取得に用いることができる。多次元アレイたとえば2次元アレイは方位角方向および仰角方向において電子制御される。スキャンラインは遅延および/またはアポディゼーションにより決定可能である。超音波データは方位角方向および仰角方向における電子制御によって生成される音響エネルギーを用いて取得される。該電子制御によって所定セグメント内のサンプルに対するスキャンが制御される。アレイは移動されるか、または、その位置に保持される。該電子制御により、複数の異なるセグメントのスキャン、および、所定セグメント内における複数の異なるスキャンラインが可能となる。
【0024】
スキャンされる患者のボリューム領域および/またはスキャンされるセグメントには、造影剤の到達後に、造影剤が含まれるか、または、造影剤が含まれやすい領域が含まれる。造影剤は超音波エネルギーに応答する。いくつかのフレームデータまたは全てのフレームデータには造影剤からの情報が含まれている。この情報には組織または体液からの応答も含まれている。一実施形態では、この情報は超音波信号の3次基本波において取得される。たとえば、超音波信号は複数の異なる振幅レベルおよび位相を有する複数のパルスにおいて送信される。造影剤の破壊を回避するかまたは最少化するため、低い振幅での送信(たとえば0.7未満のMI)が用いられる。送信に応答した信号は結合される。各フレームデータにおける対象領域の各空間位置においてデータが取得される。
【0025】
ただ1種類のデータ、たとえば、造影剤のみ、または、造影剤および組織からの応答を表すデータなどがフレームデータ中に表されている。あるいは、フレームデータは、たとえば、同一フレーム中のまたは複数の異なるフレームセット中の異なる種類のデータを表している。
【0026】
各シーケンスは所定期間たとえば1〜30秒間持続する。複数(たとえば、数十または数百)のフレームが各シーケンスにおいて取得される。この期間は再灌流に依存してもよい。たとえば、1つのシーケンスは十分な造影剤の応答が得られるまで継続される。平均エコー、または、平均エコーにおける変化、エコー領域もしくはエコーボリューム、造影剤を、エコー生成する領域またはボリュームにおける変化あるいは他の指標を、十分な再灌流の指標として用いることができる。ユーザ入力が当該期間の終了の指標であってもよい。該期間はタイマー、たとえば、ステップ38における破壊パルスの送信から1〜30秒間の時間設定に基づいてもよい。
【0027】
該期間はたとえば生理学的サイクルに基づく。たとえば、1つのセグメントについて複数のフレームが1つの生理学的サイクル全体にわたって取得される。呼吸サイクルはたとえば2秒間以上の長さであるので、1つのシーケンスはたとえば2秒超である。呼吸は患者および/またはトランスデューサの動きを引き起こす場合がある。患者の肌または体が呼吸により動く。超音波技師の手が呼吸により動くこともある。呼吸サイクルに基づいた1つのシーケンスにわたって取得することにより、呼吸または他の生理学的に関連する動きによって記録の変化が生じる場合がある。この期間を1つまたは複数のサイクル全体とするかまたはそれに近いものとすることにより、セグメント間の変化を低減させることができる。
【0028】
測定される組織が元の位置に戻るときに適正な記録が行われる。呼吸、心拍動、ぜん動、あるいは、測定される体のまたはトランスデューサを持つ人の、他の随意または不随意な動きにより引き起こされる周期的な動きに組織はさらされる。ステップ32の記録およびステップ34の同期によって、組織が元の位置にある時間に別のセグメントをスキャンするための切り替えをタイミング調節するために、この記録を用いることができる。
【0029】
他の実施形態では、この期間は複数の因子の組み合わせに基づいている。たとえば、該期間は再灌流が可能な程度に十分長い。該期間は超音波測定に基づいており、および/または、タイミング調節される。十分な長さの時間が経過したとき、ステップ32の記録およびステップ34の同期が用いられて、該期間の終わりが決定される。十分な時間経過後の十分な記録が得られる時間が、該期間の終わりとして、および、異なるセグメントのスキャンを開始する時間として選択される。
【0030】
ステップ32において、記録が決定される。記録は所定のセグメントに関する複数のフレームの間で行われる。このセグメントは、現在シーケンスが灌流分析のために取得されているものと同じセグメントであるか、または、それとは異なるセグメントである。一実施形態において、記録は、灌流分析のために同様に取得されている複数のフレームについて行われる。たとえば、セグメントは平面領域である。記録は同一の平面領域についての複数のフレームの間で行われる。記録は1方向(次元)または複数方向に沿った1次元または2次元の記録である。
【0031】
記録には現在知られているまたは今後開発されうる任意のトラッキングまたは同様の測定が行われる。複数の異なるスキャンからのデータが相関処理される。たとえば、絶対差の最小和、絶対差の他の和、相互相関または自己相関が用いられる。
【0032】
類似性が複数の全体フレーム(すなわち、全スキャン領域)間または1つのサブセットについて測定される。たとえば、参照フレームのウインドウが別のフレームまたは複数の他のフレームの全てについてのウインドウと比較される。ウインドウは、中央領域、他の対象領域、ダウンサンプリングされたフレーム、フィーチャまたはピークエコーに関連づけられた複数領域、あるいは、全体フレームの他のサブセットである。参照フレームは、造影剤の破壊後に取得された最初のフレーム、複数フレームの平均、テンプレートフレーム、または、1シーケンス内の他のフレームである。一実施形態では、1フレームにより表される領域全体の約2/3の領域が、当該セグメントについての造影剤の破壊後に取得された最初のフレームにおけるウインドウとして用いられる。他のサイズの対象領域またはウインドウを用いてもよい。後続の複数フレームが当該ウインドウと比較されて類似性が求められる。
【0033】
代替的な実施例では、動きがトラッキングされ、フレームが配列され、フレーム間の動きが補正される。類似性は動き補正されたフレームデータ間で求められる。他の代替的な実施形態では、類似性はフレーム間の最高の一致のための変位および/または回転として求めることができる。記録は変位および/または回転の量により表される。
【0034】
記録はトランスデューサの動き、患者の動き、臓器の動き、これらの組み合わせ、または他の動きのレベルを表す。全体的な動きまたは局所的な動きを求めることができる。
【0035】
スキャンされているセグメントが切り替えられるとき、記録は新たなセグメントに関するデータに切り替えられる。新たな参照フレームデータが選択され、新たなセグメントに関する記録が新たな参照フレームデータを用いて実行される。
【0036】
類似性は3次元の類似性、たとえば、調査されている患者の3次元領域全体の所定サブボリュームに関するフレーム間の記録の量を決定することなどであってよい。該サブボリュームは1つのセグメントである。記録はサブボリューム全体またはサブボリュームの一部に関するデータに基づいてもよい。個別の2次元のスライスの代わりに、小領域またはサブボリュームが類似性に関して決定される。たとえば、小さなシリンダ状領域中の造影剤が破壊される。より小さい局所領域についての再灌流分析により、所定組織の灌流容量のより良く測定することができる。この小さなサブボリュームのトラッキングは再灌流の統合段階において実行可能である。
【0037】
一実施形態では、記録の特性は灌流分析のために用いられるデータの種類に関連しまたはこれに起因する。別の実施形態では、少なくとも第1の種類のデータの特性が記録に用いられ、少なくとも第2の種類のデータが灌流分析のために用いられる。たとえば、混合された造影剤タイプのデータとBモードタイプのデータを含む、いくつかの臨床超音波画像またはフレームデータが用いられる。すなわち、Bモードデータまたは組織応答性のデータが記録に用いられ、造影剤または造影剤による応答性が灌流調査に用いられる。種類の異なるデータが、同一のまたは実質的に同一の時間における、同一のまたは重なり合う領域を表す。
【0038】
ステップ34において、破壊のための音響エネルギーの生成が制御される。1つのセグメントの灌流に関するフレームデータの全セットがステップ30において取得されると、灌流分析は別のセグメントに切り替えられる。記録(たとえばトラッキングの質または配列)がモニタされて、切り替えがなされる時間が決定される。たとえば、1つの平面領域の2次元イメージの記録が、異なる平面領域のスキャンのために移動する(たとえば、異なる仰角位置におけるスキャン平面に移動する)時間を決定するために用いられる。
【0039】
各セグメントについて、異なる時間において取得される超音波データの類似性の量を用いて、別のセグメントおよびステップ38の対応する破壊送信への切り替えが制御される。ステップ38の送信は記録と同期され、ステップ38の送信は、記録がしきい値レベルの一方の側(たとえば下方)にあるときに行われ、記録がしきい値レベルの他方の側(たとえば上方)にある場合には行われない。一実施形態では、異なるフレームデータ間の類似性がしきい値と比較される。類似性は参照フレームと連続的に取得されるフレームそれぞれとの間に存在する。類似性がしきい値よりも高い場合(たとえば相関)または低い場合(たとえば絶対差の最小差)、このフレームは参照フレームに対するわずかな動きまたは変位に関連づけられる。
【0040】
しきい値は予め決定されるか、ユーザにより定義されるか、または、適宜設定される(適応的)。予め定められたしきい値は、異なるイメージングアプリケーションに関する実験に基づいたものであってもよい。ユーザの定義により、しきい値の調整をユーザ所望のイメージが得られるようにすることができる。いかなる適応的プロセスも用いてもよい。たとえば、造影剤が領域を灌流することが可能となる。次いでユーザまたはシステムはより高いパワーの1本または複数本のビームを送信することによって破壊を生じさせる。破壊の後に取得される最初の2つのフレームは類似する傾向にある。オフセット(たとえば、2、10または他の値を乗ずるまたは値を加える)を含むかまたは含まないこの類似性の測定は、後続する選択のためのしきい値として用いられる。別の例として、配列されたフレームデータ間の変化はしきい値の決定に用いられる。任意の適応的しきい値もシーケンス全体について同一に維持されるか、または、フレームシーケンスの処理を通じて適応される。
【0041】
ステップ38の送信は、不十分な記録が存在する場合に行われない。記録がないことは、セグメントが最初にスキャンされまたは異なる時間にスキャンされたときと比較したスキャン領域の置換を表す。記録のしきい値は、即時の測定であるか、複数の測定の組み合わせに基づく。たとえば、シーケンシャルな記録の連続した数が当該しきい値を満たさなければならない。別の例では、1シーケンス期間にわたるまたは1シーケンス期間の特定の区間にわたる、シーケンス全体における特定の数の記録が発生する。複数の異なるしきい値の組み合わせを用いてもよい。1つまたは複数の時点における類似性の量を測定するためのいかなる方法を用いてもよい。
【0042】
機械駆動型のアレイに関しては、ステップ36においてアレイが移動され、ステップ38の送信はステップ34の同期に基づいて実行される。トラッキングの質の測定によって良好な配列が示される場合、動きはほとんど発生していないか、または、変位はほとんど発生していない。アレイは次の仰角位置に迅速に機械的に並進され、新たな破壊−再灌流サイクルが開始される。次のシーケンスに使用される、新たなトラッキングまたは参照フレームが確立される。たとえば動きや変位によって良好な配列ではない場合、ステップ32での記録が現在のセグメントについて継続される。このトラッキングは十分な配列が生じるまでモニタされる。
【0043】
十分な配列が設定期間内に生じていない場合、過度の、修正不可能な動きが発生したため、灌流調査は時間切れとなり、放棄される。あるいは、平面外の動きの実質的な量が所定セグメントに関する破壊および再灌流フェイズの間に発生する場合には、そのセグメントに関する破壊−再灌流シーケンスは放棄される。そのセグメントに関する処理は再び開始される。
【0044】
トラッキングの質に関する情報を時間をかけて取得して、動きの期間たとえば呼吸の期間を求めることができるので、サイクルに関連する迅速な動きの間隔をなくすために、タイミング情報を用いて、機械アレイを並進させるのに最適な時間を求めることができる。一実施形態では、参照フレームはより少ない動きの時間に取得される。サイクルの変化は付加的なチェックとして用いることができ、サイクルのタイミングはより少ない動きが生じていることを示し、記録も変位がほとんど無いことを示す。
【0045】
電子制御型アレイに関しては、同様の取得シーケンス(1セグメントに関する動きトラッキングされたフレームの収集)が行われる。破壊および異なるセグメントへの切り替えは、再灌流測定が実行された後の、良好な配列の測定に同期される。電子制御型アプローチの利点は、セグメント間の迅速な切り替えが行われることである。迅速な切り替えによって破壊―再灌流測定のために取得されているものとは異なる領域をトラッキングに用いることができる。たとえば、臓器の中心がステップ32の記録のためにスキャンされ、一方で異なるセグメントに関するデータが取得される。所定の2次元スライスまたは他のセグメントについての破壊−再灌流シーケンスの開始は、この中心領域における良好な配列に同期される。
【0046】
1つのボリュームのいくつかの部分が同時にトラッキングされ、配列の質が求められる。異なる部分のトラッキングは、臓器が回転して動く場合の処理に役立つ。
【0047】
ステップ36においてアレイが移動される。ステッピングモータまたは他の装置がアレイを異なる位置に移動させる。セグメントは新たなアレイ位置のために移動される。仰角方向における電子制御が可能である場合、セグメントはアレイを動かすことなく移動可能である。
【0048】
所定の1セグメントにおけるスキャンシーケンスに関するデータが取得された(たとえば再灌流期間の間の異なる時間における1平面についてのデータが取得された)後、アレイおよび/またはセグメントは異なるセグメントをスキャンするよう移動される。各セグメント位置に関してシーケンスが連続的に取得される。異なるセグメントは異なる時間においてスキャンされる。
【0049】
ステップ38において、相関処理が所定の相関を示す場合、次のセグメントにおいて造影剤の破壊が行われる。新たなシーケンスのはじめに、造影剤破壊のための振幅を有する音響エネルギーが送信される。任意の振幅、たとえば、0.6以上のMIを有するものを用いることができる。一般的に、1.0以上のMIが少なくともいくつかの造影剤を破壊するために用いられる。周波数掃引または他の変更をより多くの造影剤の破壊のために用いてもよい。破壊のための任意のスキャンパターンを用いることができ、たとえば、同一のスキャンラインに沿って送信を繰り返して、より深い場所にあるより多くの造影剤を破壊するようにしてもよい。広いまたは狭いビームの送信を用いることができる。
【0050】
短期間、たとえば0.5〜2秒間でセグメント内の造影剤を破壊するよう、十分高い圧力の送信フィールドが生成される。破壊のための時間は再灌流に関連するパラメタ(たとえば到達時間)を正確に測定できる程度に十分短い。超音波アレイおよびシステムが短時間に大量のパワーを送信し、広範囲にわたる造影剤を破壊することは困難である。サブセットのみについて、たとえば対象ボリューム内の複数(たとえば10個)のセグメントのうちの1つについてステップ38を実行することにより、造影剤の破壊に十分な高圧力を十分短い期間内に生成することができる。
【0051】
破壊のための送信は記録に基づいて実行される。所定のセグメントに関して、プロセスが破壊のための送信をもって開始される。従前のセグメントに関する記録が、スキャンされている臓器に対するほとんどまたは全く動きまたは変位が無いことを示すまで、破壊のための送信は実行されない。ステップ38からステップ30へつながる矢印は、異なるセグメントについての繰り返しを表している。所定のセグメントについて、データの取得(ステップ30)および記録の決定(ステップ32)は当該セグメントの再灌流調査のための十分なデータを取得するよう繰り返される。完了すると、ステップ38の破壊エネルギーの送信およびステップ30〜34が次のセグメントについて繰り返される。送信は複数回行われる。異なる送信ステップによって3次元領域の異なる部分へ音響エネルギーが送信され、再灌流に関する情報が異なる部分について連続的に取得される。ステップ34の同期によって、異なるセグメントに関するステップ38の送信の連続的な繰り返しの間隔は変化する。
【0052】
繰り返しまたはセグメントのそれぞれについて、セグメント内の造影剤は再灌流測定に関するデータ取得の前に破壊される。該セグメントについての複数回のスキャンの前かつ従前のセグメントのスキャンの後に、次のセグメントそれぞれについて造影剤が破壊される。
【0053】
3次元再灌流マッピングは一連のセグメント、たとえば2次元スライスとして取得される。この繰り返しによって3次元ボリュームの造影剤によるイメージングが可能となる。1回で全ボリューム内の造影剤が破壊されることが防がれる程度の、十分なパワーでの造影剤の破壊によって、平面または他のセグメントにおける破壊が可能となる。該ボリュームの再灌流データは該ボリューム全体の灌流というよりも局所的な再灌流の容量を表す。ボリュームまたは臓器の内部部分が、周囲の組織内または血液溜まり内の造影剤の破壊によって遅延された再灌流を示す場合があるため、全体的な再灌流はより有用ではない場合がある。
【0054】
2次元スライスまたは他のセグメントのシーケンスの完成したセットが、全セグメントについての破壊および/または再灌流のために十分な記録でもって取得されると、データは完全な3次元パラメトリック画像を形成するよう結合することができる。1つのセグメントについてのデータが不所望の動きの間に取得された場合には、データは全く取り入れられない場合がある。該セグメントについての破壊および再灌流測定を十分なデータが得られるよう繰り返してもよい。
【0055】
ステップ40において、再灌流データのサブセットのみ(すなわち、全てではない)が選択される。1つまたは複数のフレームデータは選択されない。選択されたフレームデータは、選択されないデータによる歪みのない再灌流パラメタを求めるために用いることができる。あるいは、所定のセグメントについての全フレームデータが再灌流パラメタ(すなわち量)の計算に用いられる。
【0056】
この選択は記録に基づく。一般に、フレーム間のより少ない動きに関連づけられたフレームデータが選択され、フレーム間のより大きい動きに関連づけられたフレームデータは選択されない。1つのフレームデータに関連づけられた類似性の量はフレームデータが再灌流分析において維持されまたは含まれるべきであることを示している。トラッキングに関する情報は、破壊の前後だけでなく、再灌流測定の間においても取得される。過度の動きが生じなかった限り、フレームデータは選択される。破壊において十分なトラッキングが維持され、かつ、再灌流測定の間の少なくとも特定割合にわたって十分なトラッキングが維持される場合には、そのセグメントは十分である。記録が所定セグメントに関するシーケンスの一部に関する動きを示している場合には、当該部分(1つまたは複数)の間に取得されるフレームは破棄されるかまたは使用されない。再灌流測定の種類に応じて、異なるしきい値を用いてもよい。たとえば、再灌流のための測定時間のためのシーケンス期間中の記録が少なくても許容されるが、再灌流の速度の測定には許容されない。該セグメント期間の異なる部分について異なるしきい値を用いてもよい。
【0057】
選択後に十分な数のフレームデータが利用できない場合には、該セグメントについて再灌流測定を行ってもよい。所望のパラメタが十分な精度で確実に測定可能であるように再灌流測定の間の十分な時間について、良好なトラッキングの質が得られる。
【0058】
この選択は動き補正のないフレームに基づいている。あるいは、フレームは動き補正され、補正後の記録が選択に用いられる。動き補償または動き補正は選択の前後に実行可能である。たとえば、同じ類似性または変位の決定が、選択および動き補正に用いられる。類似性または他の情報に基づく変位の決定後、フレームデータは空間的に配列される。リジッドなまたはリジッドでない補正を用いることができる。配列によってボケがより防がれる。
【0059】
ステップ42において、再灌流を表す超音波データから量が計算される。再灌流の量は、3次元空間領域において3つの空間方向に沿って分けられたデータ、1つの位置についてのデータ、1方向に分けられたデータ、または、2方向に分けられたデータに基づく。超音波フレームデータのフレームの選択されたサブセットからの情報(選択されなかったものからではない情報)が結合される。結合は、現在知られているまたは今後開発されうる任意のフレーム間処理、たとえば最大強度保持法(maximum intensity holding)、最小強度保持法(minimum intensity holding)、平均決定法(mean determination)または1つまたは複数の時間強度曲線の構築である。ボリュームに関するパラメタデータは、選択されたフレームからのデータに基づいて生成される。選択された超音波フレームデータは時間に基づいて統合され、各位置についてのパラメタ値が決定される。統合には、数学的な統合または複数のソースからの画像の形成が含まれる。
【0060】
対象領域の特定位置それぞれについて、データが比較されるか、または、データが値の決定に用いられる。各ボクセルについては、残りの(選択された)フレームデータのそれぞれからのデータに基づいて値が選択される。たとえば、時間に基づく各空間位置に関するデータの平均、メジアンまたは他の統計値がこれらのフレームから求められる。別の例として、選択されたフレームのデータに関する最大値、最小値または他のデータが、比較に基づいて選択される。選択されたサブセットのフレームは固定されたフレームまたは単一のフレームに結合される。別の例では、時間に基づく強度または他の造影剤の応答を表す曲線がこれらのフレームから求められる。この曲線は、1つの領域または1つの空間位置に関するものである。これらのフレームは異なる時間に関連づけられているため、この曲線は時間に基づく強度である。曲線の特性はパラメタとして決定することもできる。また別の例では、造影剤が空間位置に対するエコーに応答するのに十分な時間が計算される。
【0061】
結合されるデータは選択に用いられたデータと同一であるかまたは異なる種類のものである。たとえば、造影剤に特異的なデータまたは造影剤に関連するデータが統合される。異なる種類のデータ、たとえば、造影剤に特異的なデータを含んでいるかまたは含んでいないBモードのデータが、選択に用いられる。
【0062】
ステップ44では、画像が生成される。画像は破壊後の造影剤のレベルに基づいている(たとえば、計算されたパラメタ値に基づいている)。造影剤からの情報たとえば主として超音波信号の3次基本波における情報を結合することにより、造影剤および/また小血管の造影剤の灌流をより容易に見ることができる。任意の灌流パラメタ、たとえば、灌流の時間や造影剤の強度のみを各空間位置について計算することができる。所定のボクセルに関する選択されたデータ(選択されなかったものではないデータ)または全てのデータが灌流パラメタの決定に用いられる。画像は、たとえば、シーケンス期間にわたる造影剤からの最大エコー、または、再灌流の他のパラメタを表す。灌流パラメタ情報は、画像をレンダリングするためのボクセルデータとして用いられる。画像は、各ピクセルにより表される領域部分についての灌流レベルに基づいて変調されたピクセルを有するレンダリングである。
【0063】
画像はボリュームを表すデータからレンダリングされる。該ボリューム(すなわち、各ボクセル)内の各空間位置に関するパラメタ(量)が、レンダリングに用いられる。サーフェスレンダリングまたはプロジェクションレンダリングを用いることができる。プロジェクションレンダリングに関しては、最大プロジェクション、最小プロジェクション、平均プロジェクションまたは他のプロジェクションを用いることができる。アルファブレンディングも用いることができる。ボリュームのレンダリングには、オパシティウェイティングおよび/またはシェーディングを用いても用いなくともよい。現在知られているまたは今後開発されうる任意のボリュームレンダリングを用いることができる。他の実施形態では、切断面画像または多断面再構成画像がボリュームの再灌流データから生成される。
【0064】
再灌流レンダリングは単独でまたは個別に見ることができる。あるいは、再灌流情報は、他のデータ、たとえば組織(たとえばBモード)またはフロー(たとえばドップラー速度またはエネルギー)からのレンダリングにオーバーレイまたはブレンドされる。
【0065】
代替的なまたは付加的な実施形態では、量が表示される。この量は数またはテキスト、たとえば、「1.4秒」である。グラフ、たとえば時間に基づいて1領域内の平均造影剤が表示される。たとえば、1つまたは複数の時間強度曲線、たとえば当該ボリューム内の異なる領域における局所的な平均から得られる異なる曲線が表示される。
【0066】
図2は、医用超音波診断における再灌流のための動きに同期した破壊のためのシステム10を示す。システム10は、送信ビーム形成器12と、トランスデューサ14と、受信ビーム形成器16と、画像プロセッサ18と、同期プロセッサ20と、ディスプレイ22と、メモリ28とを備えている。付加的なまたは異なる構成要素を備えていてもよく、あるいは、より少ない構成要素を備えていてもよい。たとえば、長時間フレームデータをバッファまたは保存するために分離したメモリを設けてもよい。他の例として、同期プロセッサ20は画像プロセッサ18に結合されるか、または、画像プロセッサ18の一部であってもよい。同期プロセッサ20は分離されたプロセッサ、たとえば、一方はスキャンを制御するプロセッサ、他方は画像をレンダリングするプロセッサとして構成されてもよい。
【0067】
一実施形態では、システム10は医用超音波イメージングシステムであるが、同一の(超音波)または異なる様式の他のイメージングシステムを用いてもよい。一実施形態では、システム10の一部または全部はコンピュータまたはワークステーションにおいて実現されている。たとえば、従前に取得されたフレームデータはビーム形成器12、16またはトランスデューサ14なしで処理される。
【0068】
送信ビーム形成器12は、超音波送信機、メモリ、パルサー、アナログ回路、デジタル回路またはこれらの組み合わせから構成されている。送信ビーム形成器12は、異なるまたは比例する振幅、遅延および/または位相を有する複数のチャネルのための波形を生成するよう操作可能であり、そのように構成されている。生成された波に応答してトランスデューサ14から音波が送信される際、1つまたは複数のビームが形成される。送信ビーム形成器12によってビームは特定の位相および/または振幅を有するものとされる。たとえば、送信ビーム形成器12は所定のスキャンラインと関連づけられた一連のパルス、または、隣接するスキャンラインに関連する一連のパルスを送信する。パルスは異なる振幅および/または比例する位相を有するビームに対応する。別の実施形態では、単一のビームが任意の所定のスキャンラインのために用いられ、および/または、同一の振幅および/または比例する位相を有するビームが用いられる。
【0069】
トランスデューサ14は、圧電素子または容量性膜素子の、1方向、1.25方向、1.5方向、1.75方向または2方向のアレイである。2次元アレイにより両方向にわたって等しい数の素子が設けられているか否かにかかわらず、方位各方向および仰角方向で電子制御可能である。2次元アレイは平坦あるいは曲線状であってもよい。トランスデューサ14は音響エネルギーと電気エネルギーとの間で変換を行うための複数の素子を備えている。これらの素子は送信チャネルに接続されており、送信および受信ビーム形成器12、16のチャネルと接続される。
【0070】
受信ビーム形成器16は、振幅、遅延および/または位相回転子、ならびに、1つまたは複数の加算器を有している。各チャネルは1つまたは複数のトランスデューサ素子と接続されている。受信ビーム形成器16は、各送信に応答して、相対的な遅延、位相および/またはアポディゼーションを適用して、1つまたは複数の受信ビームを形成する。他の実施形態では、受信ビーム形成器16はフーリエ変換または他の変換を用いてサンプルを生成するプロセッサである。
【0071】
受信ビーム形成器16はフィルタ、たとえば第2高調波または送信周波数帯域に関連する他の周波数帯域における情報を分離するフィルタを有している。このような情報は、たとえば好ましくは、所望の組織、造影剤および/またはフロー情報を含んでいる。別の実施形態では、受信ビーム形成器16は、メモリまたはバッファとフィルタまたは加算器とを有している。複数の受信ビームが所望の周波数帯域、たとえば第2高調波、3次基本波または他の帯域における情報を分離するために結合される。
【0072】
超音波情報を取得するため、送受信動作の任意の所望のシーケンスを用いることができる。たとえば、Bモードデータは1セグメントを一度スキャンすることにより取得することができる。Bモードは組織イメージングに用いることができる。相関トラッキングまたは動きトラッキングをBモードデータから流体情報を得るために用いてもよい。Bモード動作により造影剤情報を得ることができる。各スキャンラインに沿って一連のビームを送信することによりドップラー情報を得ることができる。ドップラー信号から組織、造影剤および/またはフロー情報を分離するため、コーナーターンメモリを用いてもよい。現在知られているまたは今後開発されうる他のモードも使用可能である。
【0073】
一実施形態では、モードは造影剤イメージングモードである。造影剤は典型的なBモードまたはドップラー技術を用いてイメージングすることができる。第2高調波、偶数調波、奇数調波、分周波または他の高調波で情報を分離することにより、造影剤から情報をより識別しやすくなる。たとえば、2パルス技術が用いられる。この2つのパルスは同一の振幅を有するが、位相が異なっている。応答を合計することにより、偶数調波に関連する情報が識別される。その代わりにフィルタリングを用いてもよい。その代わりにまたはそれに加えて、受信処理において相対位相が用いられる。
【0074】
一実施形態では、送信シーケンスは3次基本波に対して応答性のエコー信号を生成するよう制御される。ビーム形成器12は、複数の異なる振幅レベルを有する複数パルスならびに反対または異なる位相を有する複数パルスを送信するよう動作することができる。送信パワーは任意の適したやり方で変更可能であり、たとえば、個々のトランスデューサ素子に印加される電圧を調節することにより、または、特定パルスの形成に用いられるトランスデューサ素子(または送信アパーチャ)の数を調節することにより変更可能である。
【0075】
3次高調波において超音波データを取得するため、受信ビーム形成器16は、送信に応答する信号を結合するための、ラインメモリと加算器またはフィルタとを有している。ラインメモリまたはバッファは物理的に分離されたメモリとして形成されていてよく、あるいは、共通の物理デバイスの選択された位置として形成されていてもよい。ビーム形成された信号は、ラインメモリまたはバッファに保存され、その後、加重加算器において重み付けされて加算される。加重加算器では、振幅および位相の両方についての加重値が用いられる。メモリおよび加算器はアナログまたはデジタル技術を用いて実現することができる。加重加算器は、ビーム形成された個別の受信信号を重み付けすることにより合成出力信号を形成する。所定の空間位置についての合成出力信号は3次基本波に関連するサンプルである。
【0076】
3次基本波情報の取得は、米国特許第6,494,841号(その開示内容は本明細書に参照により含まれる)に開示されている。当該明細書に開示されている送信シーケンスおよび受信の組み合わせのうちのいかなるものも3次基本波情報の取得に用いることができる。3次基本波情報を取得するための他の送信シーケンスおよび受信の組み合わせも、たとえば、米国特許第6,602,195号、第6,632,177号、第6,638,228号および第6,682,482号(これらの開示内容は本明細書に参照により含まれる)に開示されているものを用いることができる。一般に、異なる振幅および位相を有するパルスシーケンスが送信される。位相差を伴わない振幅の変化または異なる振幅を用いることにより、3次基本波情報を取得することができる。該シーケンスに応答する受信信号を結合することにより、3次基本波情報を含むサンプルが取得される。造影剤は3次応答(cubic response)を生成するがトランスデューサおよび組織はほんのわずかな3次応答しか生成しないため、3次基本波情報は超音波造影剤に対して高度に特異的である。この情報によって組織のクラッタ除去が可能となり、造影剤に対してより特異的なイメージングが可能となる。たとえば、組織内の小血管を3次基本波情報を用いてより容易にイメージングできまたは識別できる。
【0077】
画像プロセッサ18は、Bモード検出器、ドップラー検出器、パルス波ドップラー検出器、相関プロセッサ、フーリエ変換プロセッサ、特定用途向け集積回路、汎用プロセッサ、制御プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、デジタル信号プロセッサ、アナログ回路、デジタル回路またはこれらの組み合わせ、あるいは、ビーム形成された超音波サンプルから表示情報を検出するための、現在知られているまたは今後開発されうる他のデバイスである。
【0078】
一実施形態では、画像プロセッサ18は同一の領域またはゲート位置を表す複数のサンプルから高速フーリエ変換を実現する。各サンプルは3次基本波に応答するものであり、パルス波ドップラーの表示は3次基本波情報から生成可能である。画像プロセッサ18はパラレルトラックのBモード検出器も有している。Bモード検出器は同一のまたは異なるビーム形成されたサンプルに対して動作し、組織、造影剤あるいは組織および造影剤の応答を検出する。たとえば、3次基本波の分離に用いられた受信ビームのシーケンスからの、各空間位置に関する1本の受信ビームが、主として組織情報をイメージングするためにBモード検出器に適用される。
【0079】
画像プロセッサ18は、超音波フレームデータを出力する。フレームデータは取得フォーマット(たとえば極座標)、表示フォーマット(たとえばデカルト座標フォーマットまたは画像に変換されたスキャン)または他のフォーマットにフォーマットされる。各フレームデータは1方向、2方向または3方向にスキャンされた領域を表す。該フレームデータには単一のまたは複数の種類のデータが含まれている。たとえば、1つのフレームデータには造影剤情報のみが含まれている。別の例では、1つのフレームデータにはいくつかの空間位置に関する造影剤情報と、他の空間位置に関する別の種類の情報(たとえばBモードまたはドップラー)が含まれている。異なる種類のデータが同一の空間位置に関する同一フレーム内に存在していてもよい。別の例では、異なる種類のデータが異なるフレームデータ内に存在している。
【0080】
他の実施形態では、画像プロセッサ18はネットワークまたはメモリからデータをロードする。たとえば、DICOMまたは他の画像がロードされる。各画像はフレームデータである。1つのフレームに異なる種類のデータがオーバーレイされたものが含まれていてもよい。あるいは、各フレームに異なるデータ種のための異なるフレームを有する1つの種類のデータのみが含まれていてもよい。別の実施形態では、各フレームは再分割されて、その一方の部分が一方の種類のデータを含み、他方の部分が他方の種類のデータを含んでいてもよい。
【0081】
同期プロセッサ20は、特定用途向け集積回路、相関プロセッサ、フーリエ変換プロセッサ、汎用プロセッサ、制御プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、デジタル信号プロセッサ、アナログ回路、デジタル回路、グラフィック処理ユニットまたはこれらの組み合わせ、あるいは、フレームデータ間の類似性および/または変位を求めるための、現在用いられているまたは今後開発されうる他のデバイスである。同期プロセッサ20はフレームデータを受信し、スキャンのためおよび破壊パルス送信のための、セグメント間の切り替えのタイミングを決定する。
【0082】
同期プロセッサ20または画像プロセッサ18は、各空間位置についての再灌流パラメタを求める。一実施形態では、スキャンシーケンスにわたる造影剤からのエコーの最大強度が固定フィルタにより求められる。特定の位置についてのデータが、1つのフレームと別のフレームまたは結合中のフレームとで比較される。比較に基づいて(たとえば、最大値、平均値への寄与、または、最低値)、値の1つが選択されるか、または、結合中のフレームが更新されて所望の値を含むこととなる。同一の場所についてのフレームからのデータは結合され、灌流パラメタが求められ、たとえば、平均造影剤レベルが求められるかまたは時間強度曲線の特性が求められる。
【0083】
同期プロセッサ20はまた、レンダリングプロセッサ、グラフィックプロセッサユニット、アルファブレンディングバッファ、他のバッファ、メモリ、プロセッサ、加算器、または、ボリュームセットデータの情報または再灌流パラメタ値から画像を生成するための他のデバイスを有する。同期プロセッサ20は、1つのボリュームを表す画像をレンダリングする。
【0084】
ディスプレイ22は、CRT、モニタ、LCD、フラットパネル、プロジェクタまたは他の表示装置である。ディスプレイ22は、画像を表示するための表示値を受信する。表示値は1次元画像表示、2次元画像表示または3次元画像表示としてフォーマットされている。一実施形態では、表示値は異なる時間に取得されたフレームデータに基づいて生成された画像に関するものである。さらに他のフレームデータが取得され選択されると、画像が更新される。他の画像、たとえば単一のまたは成分フレームデータからの画像も表示される。
【0085】
ディスプレイ20は、3方向における灌流情報からレンダリングされた画像を表示する。灌流情報は局所的破壊および再灌流測定により求められる。測定は1ボリュームの異なる部分について繰り返される。取得データは異なるセグメントについて連続的に取得されるにもかかわらず該ボリュームに関する再灌流を表す。選択された視角または任意の切断面からの該ボリュームに関する再灌流を表すよう、データはレンダリングされる。
【0086】
画像プロセッサ18および/または同期プロセッサ20は、命令に従って動作する。コンピュータ読み取り可能な記録媒体、たとえばメモリ28は、医用超音波診断における再灌流のための動きに同期した破壊のための、これらの一方または両方のプログラムされたプロセッサにより実行される命令を表すデータを記録する。本明細書中で説明されたプロセス、方法および/または技術を実現するための命令が、コンピュータ読み取り可能な記録媒体あるいはメモリ、たとえばキャッシュ、バッファ、RAM、着脱可能な媒体、ハードドライブまたは他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体において提供される。コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、種々の種類の揮発性または不揮発性記録媒体が含まれる。図面または本明細書中で例示された機能、ステップ、動作、または、タスクはコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された1つまたは複数の命令セットに応じて実行される。当該の機能、ステップ、動作またはタスクは、特定の種類の命令セット、記録媒体、プロセッサまたは処理ストラテジに依存するものではなく、単独または組み合わせで動作するソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコード等によって実行可能である。同様に、処理ストラテジにはマルチプロセシング、マルチタスキング、パラレルプロセシングなどが含まれる。一実施形態では、命令は、ローカルまたはリモートのシステムによる読み取りのため、着脱可能な媒体に記録される。他の実施形態では、命令は、コンピュータネットワークまたは電話回線を介した転送のため、リモート位置に記録される。別の実施形態では、命令は、所定のコンピュータ、CPU、GPUまたはシステムに記録される。
【0087】
本発明は、上記において種々の実施形態を参照して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変更および修正が可能である。したがって、上記の詳細な説明は限定的なものとしてではなく例示的なものとしてみなされるべきであり、本発明の精神および範囲を定めるものは以下の特許請求の範囲であり、これには全ての均等物が含まれる。
【符号の説明】
【0088】
10 システム、 12 送信ビーム形成器、 16 受信ビーム形成器、 18 画像プロセッサ、 20 同期プロセッサ、 22 ディスプレイ、 28 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊の方法であって、
患者の1つの3次元領域内の造影剤からの情報を少なくとも部分的に表している、複数の超音波フレームデータを取得するステップ(30)と、
前記複数のフレームデータのうちの異なる時間から得られたフレームデータ間で記録を決定するステップ(32)と、
前記複数のフレームデータのうちの所定時間において、造影剤を破壊するための振幅を有する音響エネルギーを送信するステップ(38)と、
前記記録が第1のレベルの第1の側にある場合に前記送信ステップ(38)が行われ、かつ、前記記録が前記第1のレベルの第2の側にある場合に前記送信ステップ(38)が行われないように、前記送信ステップ(38)を前記記録と同期させるステップ(34)と、
前記送信ステップ(38)の後に、造影剤のレベルに基づいて画像を生成するステップ(44)と、
を有している、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記取得ステップ(30)は、第1の期間における第1の平面についての超音波フレームデータを取得するステップを含んでおり、
前記記録は前記第1の平面についての超音波フレームデータの間である、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記取得ステップ(30)は、前記送信ステップ(38)の後、前記第1の平面とは異なる第2の平面に関する超音波フレームデータを取得するステップを含んでおり、
前記記録は前記第2の平面についての超音波フレームデータに切り替えられ、
その後の前記送信ステップ(38)は前記第2の平面についての前記記録に基づく、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記記録を決定するステップ(32)は、超音波フレームデータの間の類似性を決定するステップ(32)を含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記記録を決定するステップ(32)は、患者の3次元領域のサブボリュームを決定するステップを含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記取得ステップ(30)は、機械的並進型の1次元アレイを用いて取得するステップ(30)を含んでおり、前記取得ステップ(30)と、前記決定ステップ(32)と、前記送信ステップ(38)と、前記同期ステップ(34)とが前記機械的並進型1次元アレイにおける直動の各ステップについて行われる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記取得ステップ(30)は、方位角方向および仰角方向で電子制御される多次元アレイ要素を用いて取得するステップ(30)を含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記決定ステップ(32)は、1つの超音波フレームデータの第1の発生を伴う動きトラッキングを含んでおり、
前記1つの超音波フレームデータはそれに続く各超音波フレームデータの前記動きトラッキングのための参照フレームである、
請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記取得ステップ(30)は、2秒よりも長い生理学的周期における取得ステップ(30)を含んでおり、
前記前記患者の3次元領域は心臓以外であり、
前記記録の変化は基本的に、呼吸動作、トランスデューサに隣接する患者の肌の動き、前記トランスデューサの動きまたはこれらの組み合わせによるものである、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記画像生成ステップ(44)は、再灌流量を表示するステップを含んでおり、
前記再灌流量は前記3次元領域における3つの空間方向に沿って分解されたフレームデータに基づく、
請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記画像生成ステップ(44)は、各ピクセルによって表される領域部分のレベルに基づいて変調されたピクセルを用いるレンダリングを表示するステップを含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記同期ステップ(34)では、一期間内の第1の数の記録、第2の数の連続した記録または前記第1の数と前記第2の数との組み合わせが前記レベル未満の相関の量に対応する場合に、前記送信ステップ(38)は行われない、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記複数のフレームデータの間、前記決定ステップ(32)および前記送信ステップ(38)を繰り返すステップをさらに有しており、
前記送信ステップ(38)の連続的な繰り返しの間の期間は前記同期によって変化する、
請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記送信ステップ(38)は前記複数のフレームデータの間、複数回送信するステップ(38)を含んでおり、
異なる送信ステップ(38)が再灌流情報が3次元領域の異なる部分について連続的に取得されるように、前記異なる部分に音響エネルギーを送信するステップ(38)として機能する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記記録に基づいて前記超音波フレームデータのサブセットを選択するステップ(40)をさらに有しており、
前記画像生成ステップ(44)は、前記サブセットのフレームデータから画像を生成し、前記サブセットに含まれないフレームデータからは画像を生成しない、
請求項1記載の方法。
【請求項16】
医用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊のための、プログラムされたプロセッサ(20)により実行される命令を表すデータが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体(28)であって、前記記録媒体(28)は、
造影剤破壊のための音響エネルギーを生成するステップ(44)であって、患者の3次元ボリュームの異なるセグメントに対して連続的に実行される生成ステップ(44)と、
前記セグメントのそれぞれに対する生成ステップ(44)の後に行われる、前記異なるセグメントのそれぞれにおける造影剤の再灌流を表す超音波フレームデータを取得するステップ(30)と、
異なる時間において取得される超音波フレームデータの類似性の量に基づいて、各セグメントに関する破壊のための音響エネルギーを生成するステップ(44)を制御するステップ(34)と、
から構成される命令を記録している、ことを特徴とする記録媒体。
【請求項17】
前記取得ステップ(30)は、機械的並進型アレイを用いて取得するステップを有しており、前記異なるセグメントは異なるスキャン平面それぞれについての異なる位置における前記アレイに対応するものであり、
前記命令は、前記セグメントのそれぞれに対する異なる時間における各スキャン平面のスキャンでもって前記フレームデータを取得した後に前記アレイを移動させるステップ(36)を実行させる命令を有しており、
前記制御ステップ(34)は、
異なる時間における前記各スキャン平面に関する類似性の量を計算するステップと、
前記類似性の量がしきい値よりも大きい場合に、前記アレイの位置と対応するスキャン平面を変えるステップと、
を含んでいる記録媒体。
【請求項18】
前記取得ステップ(30)は、多次元アレイ要素を用いて取得するステップを含んでおり、
方位角方向および仰角方向における電子制御によって、前記超音波フレームデータが取得され、かつ、前記音響エネルギーが生成され、
前記電子制御は前記異なるセグメントのフレームデータを取得するために用いられ、
前記制御ステップ(34)は、
異なる時間における前記セグメントのそれぞれについての類似性の量を計算するステップと、
前記類似性の量がしきい値よりも大きい場合に、スキャンされるセグメントを変更するステップと
を含んでいる、請求項16記載の記録媒体。
【請求項19】
前記命令は、
再灌流を表す超音波フレームデータから量を計算するステップ(42)と、
前記量を計算するために、前記超音波フレームデータに関連づけられた類似性の量に基づいて、1つのセグメントに関する全てではない超音波フレームデータを選択するステップ(40)と
を実行させる命令を含んでいる、請求項16記載の記録媒体。
【請求項20】
医用超音波診断における再灌流のための動き同期破壊の方法であって、
トランスデューサからの超音波を用いて、患者の第1および第2の互いに異なる部分をスキャンするステップ(30)であって、前記第1の部分は第1の複数回数スキャンされ、その後前記第2の部分が第2の複数回数スキャンされる、スキャンステップ(30)と、
前記第1の複数回数のスキャンの前に、前記第1の部分内の造影剤を破壊するステップ(38)と、
前記第2の複数回数のスキャンの前、かつ、前記第1の部分のスキャンの後に、前記第2の部分内の造影剤を破壊するステップ(38)と、
前記第1の複数回数のスキャンからのフレームデータを相関処理するステップ(34)と、
前記相関処理が所定の相関を示す場合に、前記第2の部分における造影剤を破壊するステップと、
を有している、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−194228(P2011−194228A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−57975(P2011−57975)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(593063105)シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド (156)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
【住所又は居所原語表記】51 Valley Stream Parkway,Malvern,PA 19355−1406,U.S.A.
【Fターム(参考)】