説明

医療キャニスタ連結器

患者ポートと減圧ポートを有する医療キャニスタに連結する医療キャニスタ連結器を提示する。前記医療キャニスタ連結器は、患者−ポート取り付け部材とに連結される第一連結部材を具え、これは医療キャニスタ上の患者ポートへの連結用で、第一の縦軸を含む患者−ポート開口を有する。医療キャニスタ連結器はまた、減圧ポート取り付け部材に連結した第二連結部材を具え、これは医療キャニスタ上の減圧ポートへの連結用で、第二の縦軸を含む減圧ポート開口を有する。スペーシング部材又は圧力輸送部材を用いて、前記第一連結部材と第二連結部材を連結してもよい。スペーシング部材又は輸送部材は連結する間に、医療キャニスタ連結器を曲げたりねじったりする。医療キャニスタ連結器は、一又はそれ以上の圧力検出管をまとめる。方法も提示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、米国法典第35巻第119条(e)により、2008年10月29日に出願された米国暫定出願第61/109,439号、発明の名称”A Medical Canister Connector ”について利益を主張するものであり、この暫定出願はすべての目的のため参照によりここに援用される。
【背景技術】
【0002】
本発明は概して治療システム、より具体的には医療キャニスタ連結器及び方法に関するものである。
【0003】
多くの医療アプリケーションにおいて、血液、腹水、及び創傷からの滲出液といった体液は患者から除去して、廃棄又は処理のために保存する必要がある。これら体液の除去は、治療の第一目的又は二次的な成果である。例えば多くの外科的処置においては、血液を除去するのに吸引を適用するのが一般的である。もう一つの例として、減圧治療又は負圧創傷治療を行うときに体液が除去され、保存又は処理がなされる。
【0004】
除去された体液は、しばしば医療キャニスタ内で保存される。医療キャニスタは患者からは体液を受けて、減圧源から吸引圧力又は減圧を受ける。キャニスタには様々な大きさとデザインがある。通常この医療キャニスタは、定期的に交換又は除去する必要がある。減圧源をキャニスタに接続して患者管をキャニスタに接続する既存のシステムは重大なエラーの可能性があり、かなりの注意を要する。
【発明の概要】
【0005】
ここに述べる実施例は既存の医療キャニスタ及びシステムの問題点に取り組むものである。一の実施例によると、患者ポートと減圧ポートを有する医療キャニスタに解放可能に連結する医療キャニスタ連結器は、第一減圧送達管への連結用の第一連結部材と;医療キャニスタ上の患者ポートへの連結用で、患者−ポート開口と第一の縦軸を有する患者−ポート取り付け部材と;を具える。第一患者−ポート取り付け部材は第一連結部材に連結されている。実施例の医療キャニスタ連結器は更に、第二減圧送達管への連結用の第二連結部材と;医療キャニスタ上の減圧ポートとの連結で減圧ポート開口と第二の縦軸とを有する減圧ポート取り付け部材と;第一端部と第二端部を有するスペーシング部材と;を具える。スペーシング部材の第一端部は第一連結部材に連結され、スペーシング部材の第二端部は第二連結部材に連結されている。医療キャニスタ連結器は自由位置を有し、装填位置へ動くように操作可能である。
【0006】
患者ポートと減圧ポートを有する医療キャニスタに解放可能に連結する医療キャニスタ連結器は、第一減圧送達管と第一圧力検出管に連結するための第一連結部材と;医療キャニスタ上の患者ポートに連結し患者−ポート開口と第一の縦軸を有する患者−ポート取り付け部材と;を具える。第一患者−ポート取り付け部材は第一連結部材に連結されている。医療キャニスタ連結器は更に、第二減圧送達管と第二圧力検出管に連結する第二連結部材と;医療キャニスタ上の減圧ポートへの連結用で減圧ポート開口と第二の縦軸を有する減圧ポート取り付け部材と;第一端部と第二端部を有する圧力輸送部材と;を具える。圧力輸送部材の第一端部は第一連結部材に連結されており、圧力輸送部材の第二端部は第二連結部材に連結されている。医療キャニスタ連結器は自由位置を有し、装填位置へ動くように操作可能である。
【0007】
医療キャニスタ連結器の製造方法は、ソフト熱可塑性ポリマーから本体を形成して医療キャニスタ連結器を形成するステップを具える。本体を形成するステップには射出成形、熱成形、熱硬化、オーバーモールディング、又は減法機械加工がある。
【0008】
患者ポートと減圧ポートを有する医療キャニスタを第一減圧管、第一圧力検出管、第二減圧管、及び第二圧力検出管と連結する方法は、医療キャニスタ連結器を提供するステップと;第一の縦軸と第二の縦軸の交差により形成される角度アルファ(α)が90°より大きくなり、患者−ポート開口が医療キャニスタ上の患者ポートに接続される一方、減圧ポート開口が医療キャニスタ上の減圧ポートに接続されるように、医療キャニスタ連結器の圧力輸送部材に屈曲力を供給するステップと;この屈曲力を解放するステップと;を具える。
【0009】
実施例の目的、特徴、及び利点は、以下の図面と詳細な説明を参照して明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は医療キャニスタ連結器の実施例を含む減圧治療システムの一部を断面で示した模式図である。
【図2】図2は医療キャニスタの一部に示されている図1の医療キャニスタ連結器の斜視図である。
【図3】図3は図1及び2の医療キャニスタ連結器の立面図である。
【図4】図4は図1乃至3の医療キャニスタ連結器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下実施例の詳細な説明において、明細書の一部を成す添付図面が参照されている。これらの実施例は当業者が本発明を実施できるよう充分詳しく記載されている。その他の実施例を用いることもでき、この発明の精神と範囲から逸脱することなく、論理構造的、機械的、電気的、及び化学的変更を行いうると解すべきである。当業者が本明細書に記載した実施例を実施するのに不要な詳細を回避するため、本明細書では当業者に知られている情報は省略している。以下の詳細な説明は限定した意味に解釈すべきではなく、実施例の範囲は別記の特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0012】
図1−4に関して、最初に図1を参照すると、医療キャニスタ連結器100の実施例が減圧治療システム102の一部として示されている。医療キャニスタ連結器100は減圧治療システム102と関連して示されているが、医療キャニスタ連結器100は、管を医療キャニスタに連結する必要があるあらゆる治療システムに使用できると解するべきである。治療システムの他の例には、外科的吸引システム、医療ドレナージシステム、又は開腹減圧システムが含まれる。
【0013】
この実施例では、減圧治療システム102は患者の組織部位104に減圧治療を提供する。組織部位104は、骨組織、脂肪組織、筋肉組織、皮膚組織、脈管組織、上皮組織、結合組織、軟骨、腱、靱帯、又はその他のあらゆる組織を含む、人、動物、その他の生命体の身体組織をいう。組織部位104は腹腔のような体腔内のものでもよい。減圧治療システム102による治療には、減圧を送りながら又は保護バリアを与えながら、腹水又は滲出液といった体液を除去することが含まれる。
【0014】
減圧は管106を通って減圧インターフェース108に送られる。減圧インターフェース108は減圧を組織部位104に隣接するマニホルド110に送る。組織部位104は創傷又は組織の損傷部分として示され、表皮112及び他の組織層も含む。空気圧シールは、患者に対向する側118の接着剤などの取り付け装置116を有するシーリング部材114により患者の表皮112上に形成されている。管106はデュアルルーメン管であり、一方のルーメンで減圧を送達して、滲出液又は腹水といった除去した体液を輸送する。管106の他方のルーメンは圧力検出ルーメンを提供しており、組織部位104の圧力を遠隔測定装置により測れ、あるいは決定できるようにしている。管106は更なるルーメンを具えていてもよいが、この例ではデュアルルーメン構造である。
【0015】
管106はインターフェース部材120に流体連結又は流体連通している。インターフェース部材120は、第一ルーメンを第一減圧管122に流体連結し、第二ルーメンを第一圧力検出管124に流体連結している。第一減圧管122は医療キャニスタ連結器100の第一連結部材126に連結している。第一圧力検出管124も第一連結部材126に連結している。
【0016】
図4に明確に示す通り、第一連結部材126は第一減圧管開口128と第一圧力検出管開口130と共に形成することができる。第一圧力検出管開口130は、第一圧力検出管124の全周囲を受けて包囲する管状入口ポートでもよく、あるいは第一圧力検出管開口130は、例えば第一圧力検出管124の周囲の一部のみが固定されているチャネル186の延長部分又は一部であるチャネル開口でもよい。第一減圧管122は、溶剤結合、締まり嵌め、接着剤、又は実質的に流密接続を達成するその他の手段により第一減圧管開口128内に連結される。同様に第一圧力検出管124は、溶剤結合、締まり嵌め、接着剤、又はその他の手段により第一圧力検出管開口130内に連結される。
【0017】
医療キャニスタ連結器100はまた、減圧ユニット134から減圧を送達する第二減圧管132に連結している。減圧ユニット134はハウジング136内に収納される真空ポンプ(図示せず)、又は他の減圧供給手段などの減圧源を具える。第二減圧管132は減圧ハウジングポート138からハウジング136に入り、減圧ユニット134内で減圧源と流体連結している。
【0018】
医療キャニスタ連結器100はまた、圧力を減圧ユニット134に送達する第二圧力検出管140にも連結合している。第二圧力検出管140は圧力検出ハウジングポート142からハウジング136に入る。減圧ユニット134のハウジング136内の測定装置は、第二圧力検出管140を受けて組織部位104に存在する圧力を測定又は決定することができる。図に示すように、第一圧力検出管124と第二圧力検出管140は一体化した管でも良いことに留意すべきである。
【0019】
医療キャニスタ連結器100は、第一減圧管122及び第二減圧管132の医療キャニスタ144、及び特に医療キャニスタ144の蓋146への簡易連結を実現させる。医療提供者が医療キャニスタ連結器100を一回の動作で医療キャニスタ144に取り付けられることが好ましい。すなわち二本の管を一本ずつ二つのポートに連結するのではなく、医療提供者は医療キャニスタ連結器100を把握して、一回の動作で医療キャニスタ連結器100を蓋146に適用できる。医療キャニスタ連結器100の使用については、以下に記載する。更に安全対策として、医療キャニスタ連結器100を第一減圧管122と第二減圧管132が明らかな偏位なく適切な方法で取り付けられるように構成する。これは治療中のエラーの可能性を最小限に抑え又はなくすためである。代案として、医療キャニスタ連結器100が例えば内部通路内で、第一圧力検出管124内の圧力を第二圧力検出管140へ輸送するようにしてもよい。
【0020】
医療キャニスタ144は、正確に好ましくは簡単に管を取り付ける必要があるいかなるキャニスタでもよい。市販の医療キャニスタは患者や医療提供者に経済的利点を提供しており、よって好ましい。医療キャニスタ連結器100は、特定モデルの医療キャニスタと共に機能する大きさと構造である。例えば一の実施例では、医療キャニスタ144は800ccの疎水性硬質キャニスタであり、これはウイスコンシン州シボイガンホールズのBeamis Manufacturing社より入手できる疎水性遮断フィルタが含まれる。医療キャニスタ連結器100を、この医療キャニスタと共に機能するよう図に示すコンテキストで更に説明するが、医療キャニスタ連結器100は寸法や構成部品の配置を調整することにより、容易にその他の市販の医療キャニスタに用いることができると解されている。医療キャニスタ144の蓋146は患者ポート148を有しており、この患者ポートは水平(図1に示す方向)で、減圧ポート150又は吸引ポートは垂直(図1に示す方向)である。
【0021】
前述のように、第一連結部材126は第一減圧管122及び第一圧力検出管124に流体連結している。患者−ポート取り付け部材152は、第一連結部材126に連合しており、患者−ポート開口154を有する患者−ポート取り付け本体153を伴って形成されている。患者−ポート取り付け部材152の患者−ポート開口154には複数のシーリングリブ156が形成されており、医療キャニスタ144上の患者ポート148の締まり嵌めを形成している。患者−ポート開口154は医療キャニスタ144上の患者ポート148の締まり嵌めをより容易にするため先細になっている。この取り付け位置において、患者−ポート開口154と患者ポート148が実質的に液密に接続される。患者−ポート開口154の容積内に第一の縦軸157を有する。
【0022】
ストッパ158又はキャップはストラップ160で第一連結部材126に連結されており、このストッパ158は、医療キャニスタ連結器100を使用しないとき又は交換するときに患者−ポート開口154を密封するような大きさと構造をしている。ストッパ158を使用することにより、医療キャニスタ連結器100を使用しないとき又は医療キャニスタ144を交換するときに、患者−ポート開口154を通る液体の漏れを防止する。
【0023】
第二連結部材162には第二減圧管開口164と第二圧力検出管開口166が形成されている。溶剤結合、締まり嵌め、接着剤、又は実質的に液密接続を達成するその他の手段により、第二減圧管132は第二減圧管開口164内に連結される。同様に第二圧力検出管140は、溶剤結合、締まり嵌め、接着剤、又はその他の方法により、第二圧力検出管開口166内で結合に連結される。第二連結部材162は又、減圧ポート開口172が形成されている減圧ポート本体170を有する減圧ポート取り付け部材168を具えている。減圧ポート開口172の容積内に第二の縦軸174を有する。
【0024】
第二減圧管開口164は減圧ポート開口172と交差するまで延在しており、減圧が第二減圧管開口164に流れ込み、減圧ポート開口172から流れ出てゆく流体経路を形成する。ここで使用しているように“流体”の用語には、気体又は液体が含まれる。減圧ポート開口172には、減圧ポート開口172の内側表面に複数のシーリングリブ176が形成されており、減圧ポート開口172が医療キャニスタ144の蓋146の減圧ポート150上に配置されるとき、締まり嵌めを形成している。減圧ポート開口172の内側表面は締まり嵌めをより容易にするため先細になっている。この取り付け位置において減圧ポート開口172と減圧ポート150が実質的に液密に接続される。
【0025】
第一連結部材126と第二連結部材162用いて管のサイズを移行できる。例えば、第一減圧管122は小さい直径の管であるが、第一連結部材126によって第一減圧管122は、より径が大きい医療キャニスタ144上の患者−ポート148に流体連結される。第一連結部材126と第二連結部材162を用いて管のサイズを小から大へ又は大から小へと移行できる。
【0026】
一の実施例では、医療キャニスタ連結器100は、第一減圧管122及び第二減圧管132に関連する減圧を受けて、これを扱っているだけである。この代替の実施例では、患者−ポート取り付け部材152と減圧ポート取り付け部材168は、スペーシング部材180により離間させて接続し固定されている。
【0027】
他の実施例では、医療キャニスタ連結器100は、第一減圧管122と第二減圧管132に関連する減圧と、第一圧力検出管124と第二圧力検出管140に関連する減圧を受けてこれを扱っている。この実施例では、圧力輸送部材178がスペーシング部材として機能し、患者−ポート取り付け部材152と減圧ポート取り付け部材168を離間させて接続し固定している。圧力輸送部材178は、第一圧力検出管124と第二圧力検出管140間で減圧の輸送を容易にする。圧力輸送部材178による減圧の輸送は、圧力検出管124、140をと連結している一体型チャンバ又は通路を介して、又は圧力検出管124、140に流体連結する管を固定するクリップ又はチャネルによるものでもよい。
【0028】
圧力輸送部材178又はスペーシング部材180を、医療キャニスタ連結器100の一部として用いて第一連結部材126と第二連結部材162をそれらの相対的位置に保持し、更に柔軟性を持たせるようにしてもよい。圧力輸送部材178は、第一端部182と第二端部184を有する。圧力輸送部材178の第一端部182は第一連結部材126に連結されており、圧力輸送部材178の第二端部184は第二連結部材162に連結されている。圧力輸送部材178は、医療キャニスタ連結器100内に形成した中実な管又は通路であってもよく、第一圧力検出管124から第二圧力検出管140に圧力を輸送する。代替として、図に示すように、第一圧力検出管124は医療キャニスタ連結器100の長さに延びており第一圧力検出管140で終わっているので、圧力輸送部材178は第一圧力検出管124を保持する、例えばチャネル又はクリップといった装置を具えていてもよい。後者の場合、圧力輸送部材178は、チャネル186と複数のクリップ188を有しており、第一圧力検出管124/第二圧力検出管140を医療キャニスタ連結器100に解放可能に連結するようにしてもよい。
【0029】
更に、代替の実施例では、医療キャニスタ連結器100を第一減圧管122と第二減圧管132のみと共に使用する場合、スペーシング部材180は第一連結部材126と第二連結部材162を相対位置に保持するが、検出用の減圧は輸送しない。スペーシング部材180は第一端部190と第二端部192を有する。スペーシング部材180の第一端部190は第一連結部材126に連結されており、スペーシング部材180の第二端部192は第二連結部材162と連結されている。スペーシング部材180は更に、強度と安定性を提供するためにサポートリブ194を具えている。圧力輸送部材178とスペーシング部材180の両方が装備されている場合は、圧力輸送部材178とスペーシング部材180を共働させて第一連結部材126と第二連結部材162を相対位置に保持し、柔軟性を持たせるようにできる。圧力輸送部材178とスペーシング部材180は同じ部材であってもよい。
【0030】
医療キャニスタ連結器100は可撓性材料でできており、患者−ポート開口154が医療キャニスタ144上の患者ポート148に適合し、減圧ポート開口172が医療キャニスタ144上の減圧ポート150に適合するように、限定された方法ではあるが適切に医療キャニスタ連結器100を動かし、ねじることができる。このように、医療キャニスタ連結器100は患者−ポート開口154と減圧ポート開口172が間隔をあけて整列して患者ポート148と減圧ポート150を同時に係合する自由位置と、患者−ポート開口154が患者ポート148へ動くと同時に減圧ポート開口172が減圧ポート150へ動くよう、医療キャニスタ連結器100が曲げられ配置される装填位置との、少なくとも二つの姿勢をとるよう設計されている。
【0031】
一の実施例における医療キャニスタ連結器100の柔軟性又は動きを説明する一の方法は、第一の縦軸157と第二の縦軸174を参照することである。二次元立面図では、第一の縦軸157と第二の縦軸174、又は少なくともこれらの投影が角度アルファ(α)を形成するよう交差する。自由位置では、図のように角度アルファ(α)は約90°である。医療キャニスタ連結器100を装填位置まで曲げると、角度アルファ(α)は95°、100°、110°、120°、130°、140°、150°、160°、170°、180°又はこれ以上、又はこれらの間のいかなる角度にも拡く。更に医療キャニスタ連結器100は、圧力輸送部材178又はスペーシング部材180の周りで軸方向にねじれるか、又は第一の縦軸157又は第二の縦軸174の周りでねじられていてもよい。このねじれは1°−90°の間又はそれ以上である。
【0032】
前記の通り、医療キャニスタ連結器100は、可撓性材料から形成されており、これによって医療キャニスタ連結器100が移動し、ねじれる。弾性ポリマーを用いて医療キャニスタ連結器100を形成することができる。例えば医療キャニスタ連結器100は、ポリ塩化ビニル(PVC)のようなソフト熱可塑性ポリマーや、シリコーンのような熱硬化性ポリマーで形成することができる。柔軟な複合材料といった他のポリマーや材料も使用できる。医療キャニスタ連結器100は射出成形、熱成形、熱硬化、オーバーモールディング、又は減法機械加工など様々な方法で形成できる。
【0033】
医療キャニスタ連結器100を医療キャニスタ144の蓋146上に適用させる方法はいろいろあるが、ここでは一の実施例のみが示されている。医療キャニスタ連結器100を取り付ける方法の一例によると、医療提供者が圧力輸送部材178又はスペーシング部材180の上に自分の手を置き、医療キャニスタ連結器100を持ち上げて医療キャニスタ144の蓋146の近くに医療キャニスタ連結器100を置く。次いで患者−ポート開口154を動かして蓋146の患者ポート148を、少なくとも部分的に患者−ポート開口154に入れる。医療提供者は、圧力輸送部材178又はスペーシング部材180を引っぱる又は回転させる。これによって医療キャニスタ連結器100が曲がり、角度アルファ(α)が90°を超える。次いで、まだ整合がとれない場合は、減圧ポート開口157の周りで医療キャニスタ連結器100をねじって、減圧ポート開口172を蓋146上の減圧ポート150に整合させる。医療提供者は患者ポート148を患者−ポート開口154に少し押し込み、圧力輸送部材178又はスペーシング部材180上の力を解放して角度アルファ(α)を減少させる。角度アルファ(α)が減少するので、減圧ポート150は更に減圧ポート開口172内に更に延びる。そこから医療提供者は医療キャニスタ連結器100を蓋146に更に押し付ける。このようにして医療キャニスタ連結器は医療キャニスタ144に完全に連結される。医療キャニスタ連結器100は医療キャニスタ144に一方向のみで取り付けられるので、失敗の可能性が減少又は排除される。医療キャニスタ連結器100は一般に医療提供者によって片手で使用される。
【0034】
本発明とその利点を所定の非限定的な実施例な実施例に即して開示したが、別記の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲から逸脱しない様々な変更、代替、置換、変更が可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者ポートと減圧ポートを有する医療キャニスタに解放可能に連結する医療キャニスタ連結器において、前記医療キャニスタ連結器が:
第一減圧送達管と連結する第一連結部材と;
前記医療キャニスタ上の患者ポートに連結し、患者−ポート開口と第一の縦軸を有する患者−ポート取り付け部材であって、前記第一連結部材に連結されている患者−ポート取り付け部材と;
第二減圧送達管に連結する第二連結部材と;
前記医療キャニスタ上の減圧ポートに連結し、減圧ポート開口と第二の縦軸を有する減圧ポート取り付け部材であって、前記第二連結部材に連結されている減圧ポート取り付け部材と;
第一端部と第二端部を有するスペーシング部材であって、前記スペーシング部材の第一端部が前記第一連結部材と連結されており、前記スペーシング部材の第二端部が前記第二連結部材に連結されているスペーシング部材と;を具え、
前記医療キャニスタ連結器が自由位置をとり、前記医療キャニスタが装填位置へ動くように操作可能であることを特徴とする医療キャニスタ連結器。
【請求項2】
前記第一の縦軸と前記第二の縦軸の交差により角度(α)が形成され、前記自由位置では前記角度(α)が約90°で、前記装填位置では前記角度(α)が100°より大きいことを特徴とする請求項1に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項3】
前記第一の縦軸と前記第二の縦軸の交差により角度(α)が形成され、前記自由位置では前記角度(α)が約90°で、前記装填位置では前記角度(α)が110°より大きいことを特徴とする請求項1に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項4】
前記第一の縦軸と前記第二の縦軸の交差により角度(α)が形成され、前記自由位置では前記角度(α)が約90°で、前記装填位置では前記角度(α)が120°より大きいことを特徴とする請求項1に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項5】
前記第一の縦軸と前記第二の縦軸の交差により角度(α)が形成され、前記自由位置では前記角度(α)が約90°で、前記装填位置では前記角度(α)が140°より大きいことを特徴とする請求項1に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項6】
前記医療キャニスタが弾性ポリマーを具えることを特徴とする請求項1に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項7】
患者ポートと減圧ポートを有する医療キャニスタに解放可能に連結する医療キャニスタ連結器において、
前記医療キャニスタ連結器が:
第一減圧送達管と連結し、第一圧力検出管と連結する第一連結部材と;
前記医療キャニスタ上の患者ポートに連結し、患者−ポート開口と第一の縦軸を有する患者−ポート取り付け部材であって、前記第一連結部材に連結された患者−ポート取り付け部材と;
第二減圧送達管に連結し第二圧力検出管に連結する第二連結部材と;
前記医療キャニスタ上の減圧ポートに連結し、減圧ポート開口と第二の縦軸を有する減圧ポート取り付け部材と;
第一端部と第二端部を有する圧力輸送部材であって、前記第一端部が前記第一連結部材に連結されており、前記第二端部が前記第二連結部材に連結されている圧力輸送部材と;を具え、
前記医療キャニスタ連結器が自由位置をとり、前記医療キャニスタが装填位置へ動くように操作可能であることを特徴とする医療キャニスタ連結器。
【請求項8】
前記装填位置での角度(α)が100°より大きいことを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項9】
前記装填位置での角度(α)が110°より大きいことを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項10】
前記装填位置での角度(α)が120°より大きいことを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項11】
前記圧力輸送部材が圧力検出管を固定するよう機能する一のチャネルと複数のクリップを具えることを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項12】
前記患者−ポート取り付け部材が、患者−ポート開口を設けた患者−ポート本体を具え、前記患者−ポート開口が内側表面上に複数のシーリングリブを設けた先細の開口を具えることを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項13】
前記減圧ポート取り付け部材が、減圧ポート開口を設けた減圧ポート本体を具えることを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項14】
前記減圧ポート取り付け部材が、減圧ポート開口を設けた減圧ポート本体を具え、前記減圧ポート開口が内側表面上に複数のシーリングリブを設けた先細の開口を具えることを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項15】
前記第一連結部材、前記患者−ポート取り付け部材、前記第二連結部材、前記減圧ポート取り付け部材、及び前記圧力輸送部材がソフトポリマーから一体型ユニットとして形成されることを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項16】
前記第一連結部材、前記患者−ポート取り付け部材、前記第二連結部材、前記減圧ポート取り付け部材、及び前記圧力輸送部材が弾性ポリマーから一体型ユニットとして形成されることを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項17】
前記第一連結部材、前記患者−ポート取り付け部材、前記第二連結部材、前記減圧ポート取り付け部材、及び前記圧力輸送部材が熱可塑性ポリマー(PVC)から一体型ユニットとして形成されることを特徴とする請求項7に記載の医療キャニスタ連結器。
【請求項18】
ソフト可塑性ポリマーから本体を形成するステップを具える医療キャニスタ連結器の製造方法において、前記本体が:
第一減圧送達管及び第一圧力検出管に連結する第一連結部材と;
前記医療キャニスタ上の患者ポートに連結し、患者−ポート開口と第一の縦軸を有する患者−ポート取り付け部材であって、前記第一連結部材に連結されている患者−ポート取り付け部材と;
第二減圧送達管及び第二圧力検出管と連結する第二連結部材と;
前記医療キャニスタ上の減圧ポートに連結し、減圧ポート開口と第二の縦軸を有する減圧ポート取り付け部材と;
第一端部と第二端部を有する圧力輸送部材であって、前記圧力輸送部材の第一端部が前記第一連結部材に連結されており、前記圧力輸送部材の第二端部が前記第二連結部材に連結されている圧力輸送部材と;を具え、
前記医療キャニスタ連結器が自由位置をとり、前記医療キャニスタが装填位置へ動くよう操作可能であることを特徴とする医療キャニスタ連結器の製造方法。
【請求項19】
前記ソフト熱可塑性ポリマーから本体を形成するステップが、一体型の本体として前記本体を射出成形するステップを具えることを特徴とする請求項18に記載の医療キャニスタ連結器の製造方法。
【請求項20】
前記ソフト熱可塑性ポリマーから本体を形成するステップが、ポリ塩化ビニル(PVC)から前記本体を射出成形するステップを具えることを特徴とする請求項18に記載の医療キャニスタ連結器の製造方法。
【請求項21】
前記ソフト熱可塑性ポリマーから本体を形成するステップが、シリコーンから前記本体を射出成形するステップを具えることを特徴とする請求項18に記載の医療キャニスタ連結器の製造方法。
【請求項22】
前記ソフト熱可塑性ポリマーから本体を形成するステップが、前記本体を熱形成するステップを具えることを特徴とする請求項18に記載の医療キャニスタ連結器の製造方法。
【請求項23】
前記ソフト熱可塑性ポリマーから本体を形成するステップが、前記本体を熱硬化するステップを具えることを特徴とする請求項18に記載の医療キャニスタ連結器の製造方法。
【請求項24】
患者ポート及び減圧ポートを有する医療キャニスタを第一減圧管、第一圧力検出管、第二減圧管、及び第二圧力検出管に解放可能に連結する方法において:
第一減圧送達管及び第一圧力検出管に連結する第一連結部材と;
前記医療キャニスタ上の患者ポートに連結し、患者−ポート開口と第一の縦軸を有する患者−ポート取り付け部材であって、前記第一連結部材に連結されている患者−ポート取り付け部材と;
第二減圧送達管及び第二圧力検出管と連結する第二連結部材と;
前記医療キャニスタ上の減圧ポートに連結し、減圧ポート開口と第二の縦軸を有する減圧ポート取り付け部材と;
第一端部と第二端部を有する圧力輸送部材であって、前記圧力輸送部材の第一端部が前記第一連結部材に連結されており、前記圧力輸送部材の第二端部が前記第二連結部材に連結されている圧力輸送部材と;を具え、
前記医療キャニスタ連結器が自由位置をとり、前記医療キャニスタが装填位置へ動くよう操作可能である;医療キャニスタ連結器を提供するステップと;
前記第一の縦軸と前記第二の縦軸の交差により形成される角度アルファ(α)が90°より大きくなり、前記患者−ポート開口が前記医療キャニスタ上の患者ポートに整合すると同時に前記減圧ポート開口が前記医療キャニスタ上の減圧ポートに整合するように、前記圧力輸送部材上に屈曲力を提供するステップと;
前記屈曲力を解放するステップと;
を具えることを特徴とする医療キャニスタの連結方法。
【請求項25】
前記第一圧力検出管が前記圧力輸送部材と結合するステップを更に具えることを特徴とする請求項24に記載の医療キャニスタの連結方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−507349(P2012−507349A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534542(P2011−534542)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044244
【国際公開番号】WO2010/051069
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】